説明

経路探索装置、情報提示方法、およびコンピュータプログラム

【課題】ユーザが所定の経路を移動した場合や所定の条件下で経路探索を行った場合に、潜在的に享受しうる利益をユーザに示す。
【解決手段】(a)GPSシステムでユーザの位置の情報を取得して、過去の時点におけるユーザの位置の情報を含む位置履歴情報を生成する(S10)。(b)経路ネットワークデータを参照しつつ、起点から終点までユーザが移動した基準移動方法を、経路ネットワークデータに基づいて決定する(S20,S30)。(c)基準移動方法にしたがって移動するのに要する費用である基準コストを計算する(S40)。(d)基準移動方法の移動態様とは異なる移動態様で起点から終点に移動するための代替移動方法にしたがって移動するのに要する費用である代替コストを計算する(S60)。(e)基準コストと代替コストから得られる情報を出力する(S90)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ある地点から他の地点まで移動するための経路の探索を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ETC(自動料金収受システム:electronic toll collection system)の端末は、高速道路や有料道路の利用者の間でかなりの程度、普及している。また、高速道路のサービスエリアやパーキングエリア、バスの停留所などに、ETC端末を備えた自動車のみが通過できる簡易型のインターチェンジ(いわゆる「スマートインターチェンジ」)が設けられている。
【0003】
ある従来技術においては、高速道路のパーキングエリアにETCゲートが存在するという仮定のもとで、複数のルートの探索を行う。複数のルートとは、目的地までの最短距離を優先するルート、目的地まで一般道を走行するルート、目的地まで高速道路を走行するルート、目的地までの予想到着時間を優先するルートなどである。そして、ユーザが仮想的なETC端末ゲートを含むルートを選択し、実際にそのETCゲートを利用した場合には、その仮想的なETCゲートは、現実に存在するETCゲートとしてナビゲーション装置に登録される。この従来技術は、このような処理を行うことにより、実際のETCレーンの設置と道路地図データの更新との間の時差を解消している(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2007−127564号公報
【特許文献2】特開2004−340642号公報
【0005】
しかし、上記の技術は、ETC端末を有していないユーザに、ETCを利用することによってどの程度のメリットが得られるのかを伝えることはできない。また、ETC端末を有しているユーザに対して、どのような高速道路の利用の仕方をすればより大きなメリットが得られるのかを伝えることはできない。そして、ETC端末を有しているユーザに対して、ETCの利用によって得られた利益を伝えることもできない。このような問題は、料金に限らず、移動距離や所要時間など、ユーザが負担するコスト一般について存在する。また、このような代替移動方法の存在およびその利益の程度が分からないという問題は、ユーザが経路探索を行った場合に限らず、経路探索を行わずにユーザが自らの判断である区間を移動した場合にも存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題の少なくとも一部を取り扱うためになされたものであり、ユーザが所定の経路を移動した場合や所定の条件下で経路探索を行った場合に、享受できる利益をユーザに示すことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、経路の探索を行う経路探索装置において、以下の態様を採用する。
第1の態様の経路探索装置は、ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、前記経路を移動する際のコストを表すコスト情報を格納するコスト情報格納部と、ユーザの位置の情報を取得することができる位置取得部と、前記経路網情報格納部と前記コスト情報格納部と前記位置取得部とから情報を取得して出力する制御部と、を備える。
【0008】
前記制御部は、前記位置取得部を介して取得された前記位置の情報に基づいて、過去の時点における前記ユーザの位置の情報を含む位置履歴情報を生成する履歴生成部と、前記ユーザが過去のある時点においていた地点である起点から、その後に前記ユーザがいた地点である終点まで、前記ユーザが移動した方法である基準移動方法を、前記位置履歴情報に基づいて、前記経路網情報を参照しつつ決定する基準移動決定部と、前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法で移動するのに要する基準コストを計算する基準コスト計算部と、前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法の移動態様とは異なる移動態様による代替移動方法で前記起点から前記終点に移動するのに要する代替コストを計算する代替コスト計算部と、前記基準コストおよび前記代替コストに基づいて得られる出力情報を前記出力部を介して出力する出力制御部と、を備える。
【0009】
このような態様とすれば、ユーザが所定の経路を移動した場合に、他の移動態様による代替移動方法を、その代替移動方法を採用することで享受できる利益とともに示すことができる。よって、ユーザが所定の条件下で経路探索を行った場合に、潜在的に享受しうる利益をユーザに示すことができる。
なお、「移動態様」には、起点から終点に至る経路の位置が含まれることが好ましい。また、「移動態様」には、ETCを利用するか否かが含まれることが好ましい。さらに、「移動態様」には、起点における時刻と、終点における時刻との少なくとも一方を含むことが好ましい。
【0010】
第2の態様の経路探索装置は、第1の態様の経路探索装置において、前記代替コスト計算部が、前記代替移動方法の前記移動態様として、前記代替移動方法および前記基準移動方法にともに含まれる基準位置を通過する時刻または曜日を、前記基準移動方法とは異なる時刻または曜日に設定して前記代替移動方法を決定する態様とすることができる。
【0011】
このような態様とすれば、経路を移動する時刻や曜日が異なる代替移動方法を、得られる利益とともにユーザに示すことができる。
なお、第2の態様における「時刻」とは、0時から24時までの範囲内で特定される1日の範囲内の時刻を表す。ただし、本明細書において広義には、「時刻」とは、年、月、日、時、分によって特定される絶対的な時刻を表す。
【0012】
第3の態様の経路探索装置は、第2の態様の経路探索装置において、前記基準位置が、前記終点よりも前記起点に近い位置である態様とすることができる。
【0013】
第4の態様の経路探索装置は、第1ないし第3のいずれかの態様の経路探索装置において、前記出力制御部が、前記基準コストと前記代替コストとの差が所定値以上である場合に、前記基準コストと前記代替コストとの差に基づいて定められる前記出力情報を前記出力部を介して出力する態様とすることができる。
【0014】
このような態様とすれば、代替移動方法を採用することによって得られる利益が大きい場合についてのみ出力情報が出力される。このため、ユーザは、得られる利益が大きくない情報の提示によって、煩わされることがない。
【0015】
第5の態様の経路探索装置は、第1ないし第3のいずれかの態様の経路探索装置において、前記基準移動決定部が、前記位置履歴情報のうち、過去の互いに異なる時間区間における前記ユーザの位置の情報に基づいて、複数の前記基準移動方法を決定し、前記基準コスト計算部が、前記複数の基準移動方法に対応する複数の前記基準コストを計算し、前記代替コスト計算部が、前記複数の基準移動方法に対応する複数の前記代替コストを計算し、前記出力制御部が、同一の基準移動方法に対応する前記基準コストと前記代替コストの差の、前記複数の基準コストと前記複数の代替コストについての合計が、所定値以上である場合に、前記基準コストと前記代替コストとの差に基づいて定められる前記出力情報を前記出力部を介して出力する態様とすることができる。
【0016】
このような態様とすれば、代替移動方法を採用することによって得られる利益の蓄積が所定値を超えた場合についてのみ出力情報が出力される。このため、ユーザは、得られる利益が大きくない時点における出力情報の提示によって、煩わされることがない。
【0017】
第6の態様の経路探索装置は、ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、前記経路を移動する際のコストを表すコスト情報を格納するコスト情報格納部と、経路の起点および終点と、前記経路を移動する際の移動態様を定める基準条件と、をユーザから受け取る入力部と、情報を出力する出力部と、前記経路網情報格納部と前記コスト情報格納部と前記入力部とから情報を取得し、前記出力部を介して情報を出力する制御部と、を備える。
【0018】
前記制御部は、前記移動態様で前記起点から前記終点に移動するための基準移動方法を、前記経路網情報を参照しつつ、前記基準条件にしたがって決定する基準移動決定部と、前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法で移動するのに要する基準コストを計算する基準コスト計算部と、前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法の移動態様とは異なる移動態様による代替移動方法で前記起点から前記終点に移動するのに要する代替コストを計算する代替コスト計算部と、前記基準コストおよび前記代替コストに基づいて得られる出力情報を前記出力部を介して出力する出力制御部と、を備える。
【0019】
このような態様とすれば、ユーザが所定の条件下で経路探索を行った場合に、他の移動態様による代替移動方法を、その代替移動方法を採用することで享受できる利益とともに示すことができる。よって、ユーザが所定の条件下で経路探索を行った場合に、潜在的に享受しうる利益をユーザに示すことができる。
【0020】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、経路探索法および経路探索装置、経路案内方法および経路案内装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路案内システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、携帯電話200と、を含む。
【0022】
携帯電話200は、GPSユニット201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、時計部209と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0023】
GPSユニット201は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナを含むユニットである。GPSのアンテナが受信する電波に基づいて、GPSユニット201は、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を生成することができる。
【0024】
表示パネル202は、画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0025】
通信部205は、インターネットINTを介して、経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。
コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
時計部209は、主制御部210からの要求に応じて、現在時刻を表す現在時刻情報を出力する。
通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0026】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU211、RAM212、ROM213を備えている。例えば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア230を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路を表す経路データを入手して、経路案内(ルートガイド)を行うことができる。
【0027】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。経路探索サーバ100は、通信部102およびインターネットINTを介して地図サーバ150と通信を行うことができる。経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の経路ネットワークデータを参照して、携帯電話200から受け取った出発地、経由地、目的地などのデータに基づいて、経路の探索を行う。その後、経路探索サーバ100は、通信部102を介して、経路データを携帯電話200に送信する。
【0028】
経路ネットワークデータは、ノード情報と、交差点の属性情報と、アーク情報とを含む。ノード情報は、交差点や、道路上で車線数が変わる地点、有料道路への進入路が分岐している場所、カーブの開始点および終了点、路線の駅などの地点を表すデータである。
【0029】
アーク情報は、ノードとノードの間の道路または路線区間であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度および経度のデータを含んでいる。すなわち、移動経路として設定することができる道路や路線区間は、それらの地点の点列として表すことができる。各アーク情報は、それらのIDおよび点列の情報に加えて、さらに、それぞれのアークが有料道路であるか否かに関する情報や、車線数の情報を含んでいる。
【0030】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている経路ネットワークデータを参照しつつ、出発地および目的地、ならびに経由地その他の探索条件の情報に基づいて、ルート(移動方法)を探索する。そして、制御部104は、出発地点から目的地に至る経路を表す経路データを生成し、携帯電話200に送信する。経路データは、ノード情報、アーク情報、交差点や駅の属性情報などを含む。
【0031】
また、経路探索サーバ100の記憶部106は、経路ネットワークデータが情報を保持する経路を移動する際の有料道路や高速道路の費用の情報を格納している費用ネットワークデータを格納している。経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている費用ネットワークデータを参照しつつ、探索した経路を移動する際の費用を計算する。そして、制御部104は、探索した経路を移動する際の費用を表す費用データを生成し、経路データとともに、携帯電話200に送信する。
【0032】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。地図サーバ150は、通信部152およびインターネットINTを介して、経路探索サーバ100と通信を行うことができる。地図サーバ150の制御部154は、地図データベース156内の地図画像データを参照して、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて、携帯電話200が要求する領域の地図を表す地図画像データを切り出す。そして、切り出した地図画像データを、通信部152を介して、携帯電話200に送信する。
【0033】
A2.経路案内システムにおける処理:
図2は、本実施例の経路案内システムにおける処理を示すフローチャートである。ステップS10では、携帯電話200の制御部210は、GPSユニット201から携帯電話200の現在位置を表す位置情報を取得する。そして、その位置情報に基づいて、過去の時点におけるユーザの位置の情報を含む位置履歴情報を生成する。位置履歴情報は、RAM212に格納される。このステップS10の機能を奏する主制御部210の機能部を、履歴生成部231として図1に示す。なお、ステップS10の処理が行われている間、経路案内システムによって経路案内(ルートガイド)が行われていてもよいし、行われていなくてもよい。
【0034】
なお、RAM212に蓄積される位置履歴情報に含まれる位置情報は、GPSユニット201が各時点において生成した位置情報(緯度、経度および高度の情報)であってもよいし、その位置情報が表す位置の近傍にある道路や建物、公園などの設備の情報、ならびに過去に得られた位置情報に基づいて、修正された位置を表す位置情報であってもよい。位置履歴情報に含まれる位置情報は、その位置情報が取得された時刻とともに位置履歴情報に含まれる。位置情報が取得された時刻は、時計部209(図1参照)から入手される。
【0035】
図2のステップS15では、携帯電話200の制御部210は、ステップS10で蓄積された位置履歴情報に基づいてステップS20以下の処理を行うための条件が満たされたか否かを判定する。この条件としては、例えば、ステップS10で現在位置情報を取得している間に実行されていた経路案内において、目的地にユーザが到着したことが確認されたことや、ユーザがその経路案内の終了の操作を行ったこと、また、ユーザが所定の大きさの範囲内に一定時間以上滞在したこと、などを採用することができる。条件が満たされた場合には、処理はステップS20に進む。条件が満たされない場合には、処理はステップS10に戻り、位置情報の取得および位置履歴情報の蓄積が行われる。
【0036】
ステップS20では、携帯電話200の制御部210は、経路探索サーバ100に問い合わせる基準移動方法の起点と終点とを決定する。なお、基準移動方法の起点は、基準移動方法における最初の地点(移動開始地点)である。基準移動方法の終点は、基準移動方法における最後の地点(到達地点)である。具体的には、過去のある時刻t1にユーザがいた地点を起点として決定し、過去のある時刻t2(t2はt1より後の時刻)にユーザがいた地点を終点として決定する。
【0037】
時刻t2としては、ステップS10で現在位置情報を取得している間に実行されていた経路案内において設定された目的地にユーザが到着した時刻や、その経路案内の終了の操作が行われた時刻、また、所定の大きさの範囲内に一定時間以上滞在した場合にユーザがその範囲の領域に到達した時刻、などを採用することができる。
【0038】
また、時刻t1としては、ステップS10で現在位置情報を取得している間、実行されていた経路案内が開始された時刻や、あらかじめ登録された自宅の位置から他の地点への移動を開始した(例えば、移動速度が所定値以上となった)時刻、時刻t2から所定の時間だけ前の時刻などを採用することができる。
【0039】
ステップS30では、基準移動方法が決定される。具体的には、携帯電話200の制御部210は、位置履歴情報に基づいて、上記の時刻t1から時刻t2の時間区間においてユーザがいた各地点の位置情報を経路探索サーバ100に送信して、それらの地点を通る基準移動方法を問い合わせる。経路探索サーバ100の制御部104は、携帯電話200から受信した各位置情報に基づき、経路ネットワークデータを参照して、基準移動方法(ルート)を探索する。
【0040】
図3は、基準移動方法R0を簡易的に表す図である。図3において、基準移動方法R0は、起点SPから高速道路のインターチェンジIC1,IC2を経て終点GPに至る経路である。インターチェンジIC1,IC2の間の区間は、高速道路が使用される。なお、図3においては、高速道路の区間を一般道路の区間よりも太く示す。
【0041】
図2のステップS30では、経路探索サーバ100の制御部104は、基準移動方法を表す経路データを生成する。基準移動方法の経路データは、経路の移動態様の情報を含む。経路の「移動態様」は、ある地点からある地点までをどのように移動したかを表す態様である。移動態様には、ある地点からある地点まで移動するのに通過した地点が含まれる。また、移動態様には、ある地点からある地点まで移動するのに、ETCを利用するか否かの相違が含まれる。そして、移動態様には、ある地点からある地点まで移動する際の少なくとも一部の通過地点における時刻が含まれる。なお、ここで、「通過地点」には、起点(出発地)と終点(目的地)と経由地とが含まれる。
【0042】
例えば、一般道路の上を並行して高速道路が走っている区間については、当該区間を一般道路で移動する移動方法と、高速道路で移動する移動方法は、地図上の経路のアーク情報が表す位置は同じであっても、移動態様は異なる。ステップS30で生成される基準移動方法の経路データは、経路の移動態様の情報として、高速道路を使用するか否かの情報を含む。図3の例では、基準移動方法R0の経路データは、インターチェンジIC1の地点とインターチェンジIC2の地点の間の区間において、高速道路が使用される旨の情報を含む。
【0043】
また、例えば、位置履歴情報の各地点の通過時刻の情報に基づいて、ユーザがインターチェンジの料金所を停止せずに通過したと判断できる場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、ユーザがETCを利用して高速道路を使用したものと判断する。一方、ユーザがインターチェンジの料金所で停止した場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、ユーザがETCを利用せずに高速道路を使用したものと判断する。高速道路の区間をETCを使用して移動する移動方法、ETCを使用せずに移動する移動方法とは、経路のアーク情報が表す位置情報は同じであっても、移動態様が異なる。ステップS30で生成される基準移動方法の経路データは、経路の移動態様の情報として、ETCを使用して高速道路を使用するか否かの情報を含む。図3の例においては、基準移動方法R0の経路データは、高速道路を利用する区間の始点であるインターチェンジIC1と、高速道路を利用する区間の終点であるインターチェンジIC2において、ETCが使用されない旨の情報を含むものとする。
【0044】
また、ステップS30で決定される基準移動方法の経路データは、移動態様を特定する情報の一部として、経路に含まれる起点、所定の1以上の経由地、および終点のノードをユーザが通過した時刻の情報を含む。図3の例では、基準移動方法R0の経路データは、起点SPを出発した時刻(10:00)、経由地としてのインターチェンジIC1を通過した時刻(10:30)、経由地としてのサービスエリアSAを通過した時刻(11:00)、経由地としてのインターチェンジIC2を通過した時刻(11:30)、終点GPに到着した時刻(12:00)の情報を含む。なお、図3において、基準移動方法R0を利用した場合の各ノードの通過時刻を、各ノードの近傍の表におけるR0の行に示す。また、図2のステップS20,S30の機能を奏する経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、基準移動決定部111として図1に示す。
【0045】
図2のステップS40では、経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の費用ネットワークデータを参照しつつ、ステップS30で決定した基準移動方法にしたがって移動する際の費用である基準コストを計算する。基準移動方法を表す経路データが移動態様の情報を含むため、制御部104は、高速道路や有料道路の費用を計算することができる。なお、図3において、基準移動方法R0を利用した場合の基準コストRC「3000円」を、終点GPの近傍の表におけるR0の行に示す。図2のステップS40の機能を奏する制御部104の機能部を、基準コスト計算部112として図1に示す。
【0046】
ステップS50では、経路探索サーバ100の制御部104は、代替移動方法を探索する。より具体的には、経路探索サーバ100の制御部104は、基準移動方法とは移動態様の少なくとも一部が異なる代替移動方法を探索する。
【0047】
例えば、基準移動方法においてETCが使用されていない場合は、経路探索サーバ100の制御部104は、ETCを使用するという移動態様を条件として、代替移動方法を探索する。そのような代替移動方法を本実施例において、代替移動方法R1とする。
【0048】
図3の例では、インターチェンジIC1とインターチェンジIC2との間には、サービスエリアSAが存在する。そして、サービスエリアSAは、ETC端末を備えた車両専用のスマートインターチェンジSICを有する。代替移動方法R1は、移動態様の一部としてETCの利用を前提とする移動方法である。このため、この例では、経路探索サーバ100の制御部104は、起点SPから終点GPに至る代替移動方法R1の経路として、インターチェンジIC2ではなく、サービスエリアSAのスマートインターチェンジSICを経由する経路を探索する。その結果、代替移動方法R1においては、目的地への到着時刻は11:30となる。図3において、代替移動方法R1を利用した場合の各ノードの通過時刻を、各ノードの近傍の表におけるR1の行に示す。
【0049】
また、基準移動方法においてETCにおける通勤割引の適用を受けられない時間帯で高速道路が使用されている場合(図3の表のR0の行参照)は、経路探索サーバ100の制御部104は、ETCを使用し、かつ、通勤割引の適用を受けるという移動態様を条件として、代替移動方法を探索する。そのような時間帯による割引を利用する代替移動方法を、本実施例において、代替移動方法R2とする。ここでは、一例として、代替移動方法R2は、通勤割引の適用を受けるための移動方法であるとする。
【0050】
代替移動方法R2の探索においては、高速道路を利用する区間の始点と終点のいずれかの通過時刻が通勤割引の適用を受けることができる時刻に設定され、ETCの利用を前提として、経路の探索がなされる。本実施例では、起点SPと終点GPのうち起点SPに近いインターチェンジIC1の通過時刻が、通勤割引の適用を受けることができる時刻08:30に設定され、代替移動方法R2の探索がなされる。その結果、代替移動方法R2を利用する場合の目的地への到着時刻は09:30となる。なお、図3において、代替移動方法R2を利用した場合の各ノードの通過時刻を、各ノードの近傍の表におけるR2の行に示す。なお、この例では、起点SPからインターチェンジIC1を経てサービスエリアSAに至るまでの区間は、基準移動方法R0と代替移動方法R2とにともに含まれる。
【0051】
図2のステップS60では、経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106内の費用ネットワークデータを参照しつつ、ステップS50で決定した代替移動方法にしたがって移動する際の費用である代替コストを計算する。図3において、代替移動方法R1を利用した場合の代替コストAC1(2000円)および代替移動方法R2を利用した場合の代替コストAC2(1000円)を、終点GPの近傍の表におけるR1,R2の欄にそれぞれ示す。なお、図2のステップS50,S60の機能を奏する経路探索サーバ100の制御部104の機能部を、代替コスト計算部113として図1に示す。
【0052】
図2のステップS70では、経路探索サーバ100の制御部104は、ステップS20〜S50で決定した基準移動方法の経路データと、基準コストの費用データと、代替移動方法の経路データと、代替コストの費用データと、を通信部102を介して携帯電話200に送信する。携帯電話200の制御部210は、それらのデータを通信部205を介して受け取って、RAM212に格納する。
【0053】
ステップS80では、携帯電話200の制御部210は、ETCを利用する場合の代替移動方法R1の代替コストと基準コストとの差額DC1と、ETCの通勤時間割引を利用する場合の代替移動方法R2の代替コストと基準コストとの差額DC2と、を計算する。
【0054】
また、ステップS80では、携帯電話200の制御部210は、基準コストの累積額SC0、ETCを利用する場合の代替移動方法R1の代替コストの累積額SC1、ETCの通勤時間割引を利用する場合の代替移動方法R2の代替コストの累積額SC2を計算する。そして、代替移動方法R1の代替コストの累積額SC1と基準コストの累積額SC0との累積差額SR1、代替移動方法R2の代替コストの累積額SC2と基準コストの累積額SC0との累積差額SR2を計算する。なお、ステップS80で計算する差額DC1,DC2、累積額SC0,SC1,SC2、累積差額SR1,SR2を、「出力情報」と総称することがある。
【0055】
ステップS85では、携帯電話200の制御部210は、ステップS90の処理を行うための条件が満たされたか否かを判定する。この条件としては、例えば、累積差額SR1が所定のしきい値Th1(例えば5000円)を超えること、累積差額SR2が所定のしきい値Th2(Th2>Th1。例えば15000円)を超えること、最新の代替コストと基準コストの差額DC1が所定のしきい値Th3(Th3<Th1。例えば1000円)を超えること、最新の代替コストと基準コストの差額DC2が所定のしきい値Th4(Th3<Th4<Th1。例えば2000円)を超えること、最後にステップS90の処理を行ってから所定期間(例えば6ヶ月)経過したこと、などとすることができる。
【0056】
このような態様とすれば、代替移動方法を採用した場合に節約できるコストが大きくなったときに、以下で述べるように、ユーザは代替移動方法と得られる利益とを提示される。よって、ユーザは、無条件で行われる頻繁な情報の提示に煩わされることがない。
【0057】
図4は、ステップS90において表示パネル202に表示される内容を示す図である。ここでは、累積差額SR1が所定のしきい値Th1(例えば5000円)を超えたため、ステップS90の処理が行われたものとする(ステップS85参照)。
【0058】
ステップS90では、携帯電話200の制御部210は、基準コストRC(ステップS40参照)、代替コストAC1,AC2(ステップS60参照)、代替移動方法R1の代替コストとの差額DC1、代替移動方法R2の代替コストの差額DC2、基準コストRCの累積額SC0、代替移動方法R1の代替コストの累積額SC1、代替移動方法R2の代替コストの累積額SC2、代替移動方法R1の代替コストの累積差額SR1、代替移動方法R2の代替コストの累積差額SR2(以上、ステップS80参照)を表示パネル202に表示する。
【0059】
なお、図4の左上の「A県B市C町」は、起点SPを表す表示である。「X県Y市Z町」は、終点GPを表す表示である。起点および終点は、住所のほか、施設名などで表示することもできる。また、図4に示した表示項目のほか、代替移動方法それぞれについて、ETCの利用回数を表示することもできる。そして、代替移動方法それぞれについて、ETCの累積利用回数を表示することもできる。さらに、図4では、すべての情報を一つの図内で示しているが、これらの情報が、相互に切り換えることによって表示される別の画面で表示される態様としてもよい。図2のステップS80,S85,S90の機能を奏する主制御部210の機能部を、出力制御部232として図1に示す。
【0060】
このような態様とすれば、ユーザは、実際に移動した基準移動方法以外にどのような選択肢があり得たか、そして、それらの選択肢によってどの程度の費用削減を図ることができたか、を知ることができる。より具体的には、ユーザは、例えば、費用削減額DC1,DC2,SR1,SR2などに基づいて、ETC端末を購入するか否かの判断を行うことができる。
【0061】
また、ステップS90では、基準移動方法および代替移動方法における各ノードの通過時刻の一覧TS0,TS1,TS2も表示される(図4参照)。このため、ユーザは、ETCを使用することで、どの程度、移動時間を短縮できるのかを知ることができる。また、ユーザは、どの程度、出発時間をずらすことで、どの程度の費用削減を図ることができたかを知ることができる(図4のDC2参照)。
【0062】
なお、本実施例において、経路ネットワークデータと費用ネットワークデータを格納する記憶部106が、「経路網情報格納部」および「コスト情報格納部」に相当する。携帯電話200のGPSユニット201が、「位置取得部」に相当する。携帯電話200の表示パネル202が、「出力部」に相当する。携帯電話200の主制御部210および経路探索サーバ100の制御部104が、「制御部」に相当する。
【0063】
また、主制御部210(主制御部210の機能部としての履歴生成部231)が、「履歴生成部」に相当する。制御部104(制御部104の機能部としての基準移動決定部111)が、「基準移動決定部」に相当する。制御部104(制御部104の機能部としての基準コスト計算部112)が、「基準コスト計算部」に相当する。制御部104(制御部104の機能部としての代替コスト計算部113)が、「代替コスト計算部」に相当する。主制御部210(主制御部210の機能部としての出力制御部232)が、「出力制御部」に相当する。起点SPと終点GPのうち起点SPに近いインターチェンジIC1が、「基準位置」に相当する。
【0064】
また、本実施例において、ステップS10が、「履歴生成工程」に相当する。ステップS20,S30が、「基準移動決定工程」に相当する。ステップS40が、「基準コスト決定工程」に相当する。ステップS50,S60が、「代替コスト決定工程」に相当する。ステップS80,S85,S90が、「出力工程」に相当する。
【0065】
B.第2実施例:
第1実施例では、ユーザが実際に移動した経路に基づいて基準移動方法R0が決定される(図2のステップS10〜S30参照)。第2実施例では、ユーザが指定した条件に基づく探索によって基準移動方法R0が決定される。すなわち、第2実施例は、移動方法(ルート)の探索の際に同時に代替移動方法が探索され、費用の差額が提示される。第2実施例のハードウェア構成は第1実施例と同じである。
【0066】
図5は、本実施例の経路案内システムにおける処理を示すフローチャートである。ステップS20aでは、携帯電話200の制御部210は、コマンド入力部206を介して、ユーザから出発地および目的地の入力を受け取る。携帯電話200の制御部210は、また、コマンド入力部206を介して、ユーザから経路探索の条件を受け取る。経路探索の条件は、出発地を出発する時刻または目的地に到着する時刻を含む経路の移動態様を含む。ここでは、ユーザは、出発時刻「10時」、および「ETCを使用しない」という移動態様を条件として指定したものとする。そして、ステップS20aにおいて、携帯電話200の制御部210は、ユーザから経路探索を実行する旨の指示をも受け取る。
【0067】
ステップS30aでは、基準移動方法が決定される。具体的には、携帯電話200の制御部210は、ステップS20aでユーザによって指定された出発地および目的地の位置情報、ならびに経路探索の条件を経路探索サーバ100に送信する。そして、経路探索の条件に沿って起点としての出発地から終点としての目的地に至る基準移動方法を、経路探索サーバ100に問い合わせる。すなわち、第2実施例においては、ステップS20aでユーザによって指定された経路探索の条件に沿って起点としての出発地から終点としての目的地に至る移動方法が「基準移動方法」である。そして、第2実施例における「基準コスト」は、この基準移動方法にしたがって移動する際の費用である。
【0068】
経路探索サーバ100の制御部104は、携帯電話200から受信した情報に基づき、経路ネットワークデータを参照して、基準移動方法を探索する。ステップS30aの機能を奏するのは、路探索サーバ100の制御部104の機能部としての基準移動決定部111である(図1参照)。
【0069】
第2実施例において図5のステップS40〜S70の処理は、経路探索サーバ100の制御部104が実行する。図5のステップS40〜S70の処理は、第1実施例の図2のステップS40〜S70の処理の処理と同じである。
【0070】
ステップS80aでは、携帯電話200の制御部210は、経路探索サーバ100から受け取った基準移動方法の経路データと、基準コストの費用データと、代替移動方法の経路データと、代替コストの費用データとに基づいて、出力情報を計算する。ステップS80aで計算される出力情報は、ETCを利用する場合の代替移動方法R1の代替コストと基準コストとの差額DC1と、ETCの通勤時間割引を利用する場合の代替移動方法R2の代替コストと基準コストとの差額DC2と、である。
【0071】
ステップS85aでは、携帯電話200の制御部210は、代替コストと基準コストの差額DC1が対応するしきい値Th3(例えば1000円)を超えたか、また、代替コストと基準コストの差額DC2が対応するしきい値Th4(例えば、2000円)を超えたかを判定する。差額DC1,DC2のいずれかが対応するしきい値を超えた場合には、処理はステップS90aに進む。差額DC1,DC2のいずれもがしきい値以下である場合には、処理はステップS90bに進む。
【0072】
図6は、ステップS90aにおいて表示パネル202に表示される内容を示す図である。ステップS90aでは、携帯電話200の制御部210は、地図上に基準移動方法R0と代替移動方法R1,R2を示す(図6の上段参照)。なお、地図のデータは、地図サーバ150から入手される。また、ステップS90aでは、携帯電話200の制御部210は、基準コストRC、代替コストAC1,AC2、代替移動方法R1の代替コストとの差額DC1、代替移動方法R2の代替コストの差額DC2を、出力情報として表示パネル202に表示する(図6の下段参照)。なお、それらの出力情報の表示態様は、第1実施例の図4の上段に示す表示と同じである。
【0073】
このような態様とすれば、ユーザは、自己が指定した条件に沿った移動方法(基準移動方法)以外にどのような選択肢があり得たか、そして、それらの選択肢によってどの程度の費用削減を図ることができたか、を知ることができる。より具体的には、ユーザは、例えば、費用削減額DC1,DC2などに基づいて、ETC端末を購入するか否かの判断を行うことができる。
【0074】
また、ステップS90aでは、基準移動方法および代替移動方法における各ノードの通過時刻の一覧TS0,TS1,TS2も表示される(図6参照)。このため、ユーザは、ETCを使用することで、どの程度、移動時間を短縮できるのかを知ることができる。また、ユーザは、どの程度、出発時間をずらすことで、どの程度の費用削減を図ることができるのかを知ることができる(図6のDC2参照)。
【0075】
一方、図5のステップS90bでは、携帯電話200の制御部210は、地図上に基準移動方法を示し、代替移動方法を表示しない(図示せず。図6の上段参照)。また、ステップS90bでは、携帯電話200の制御部210は、基準コストRCを表示パネル202に表示し、代替コストAC1,AC2、代替移動方法R1の代替コストとの差額DC1、代替移動方法R2の代替コストの差額DC2を表示しない(図示せず。図6の下段参照)。このような態様とすることで、コストの差額がわずかな場合には、画面表示を簡略化することができる。なお、図5のステップS80a,S85a,S90a,S90bの機能を奏するのは、主制御部210の機能部としての出力制御部232である(図1参照)。
【0076】
なお、本実施例において、経路ネットワークデータと費用ネットワークデータを格納する記憶部106が、「経路網情報格納部」および「コスト情報格納部」に相当する。携帯電話200のコマンド入力部206が、「入力部」に相当する。携帯電話200の表示パネル202が、「出力部」に相当する。携帯電話200の主制御部210と経路探索サーバ100の制御部104が、「制御部」に相当する。
【0077】
また、制御部104(制御部104の機能部としての基準移動決定部111)が、「基準移動決定部」に相当する。制御部104(制御部104の機能部としての基準コスト計算部112)が、「基準コスト計算部」に相当する。制御部104(制御部104の機能部としての代替コスト計算部113)が、「代替コスト計算部」に相当する。主制御部210(主制御部210の機能部としての出力制御部232)が、「出力制御部」に相当する。
【0078】
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。例えば次のような変形も可能である。
【0079】
・上記第1実施例においては、図2のステップS20で定める「目的地」は、過去のある時刻t2にユーザがいた地点である。そして、時刻t2は、実行されていた経路案内において設定された目的地に到着した時刻や、その経路案内の終了の操作が行われた時刻、また、所定の大きさの範囲内に一定時間以上滞在した場合にユーザがその範囲の領域に到達した時刻などである。このほか、「目的地」は、以下で述べるような他の方法で決定することもできる。
【0080】
また、上記第1実施例においては、図2のステップS20で定める「起点」は、過去のある時刻t1にユーザがいた地点である。そして、時刻t1は、実行されていた経路案内が開始された時刻や、あらかじめ登録された自宅の位置から他の地点への移動を開始した時刻、時刻t2から所定の時間だけ前の時刻などである。このほか、「起点」は、以下で述べるような他の方法で決定することもできる。
【0081】
例えば、ユーザの移動速度が所定のしきい値(例えば90km/h)を超えた地点を起点とすることができる。そのような態様においては、多くに場合、高速道路に入って加速を始めた地点が「起点」となる。
【0082】
例えば、「起点」は、位置履歴情報に含まれる過去のユーザの位置である地点P1に基づいて定められ、「終点」は、位置履歴情報に含まれる過去のユーザの位置である地点P2に基づいて定められるとする。このとき、位置P2は、ユーザがそこにいた時刻が位置P1よりも前の時刻である地点であることが好ましい。なお、過去のユーザの位置である地点P1,P2は、位置取得部としてのGPSユニット201が各時点において生成した位置情報(緯度、経度および高度の情報)で特定される位置であってもよいし、その位置情報が表す位置の近傍にある道路や建物、公園などの設備の情報、ならびに過去に得られた位置情報に基づいて、修正された位置であってもよい。
【0083】
一方、ユーザが、経路探索を行い、探索した経路に基づいて経路案内を受けて移動をした場合には、その経路探索の際に設定された出発地と目的地を、それぞれ図2のステップS20の処理で定める「起点」および「終点」とすることもできる。
【0084】
・上記第1実施例では、ユーザがインターチェンジの料金所を停止せずに通過した場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、ユーザがETCを利用して高速道路を使用したものと判断する。このほか、移動態様の一部としてのETCの利用の有無は、他の態様で判断することもできる。例えば、位置履歴情報の各地点の情報に基づいて、移動経路上に存在するスマートインターチェンジを利用しなかったと判断できる場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、基準移動方法の移動態様の一部として、「ETCの利用なし」の設定をしてもよい。そして、移動経路上に存在したスマートインターチェンジを利用したと判断できる場合には、経路探索サーバ100の制御部104は、基準移動方法の移動態様の一部として、「ETCの利用あり」の設定をしてもよい。すなわち、移動態様の一部としての「ETCの利用の有無」は、位置履歴情報(各地点の情報と、地点における時刻の情報と、を含む)に基づいて決定することができる。
【0085】
また、ユーザが、経路探索を行い、探索した経路に基づいて経路案内を受けて移動をした場合には、その経路探索の際に設定された「ETCの利用の有無」にしたがって、基準移動方法の移動態様の一部としての「ETCの利用の有無」を決定してもよい。さらに、ユーザの自動車にETC端末が備えられている場合には、経路案内システムは、ETCカードが挿入されているか否かの情報をETC端末から提供される態様が好ましい。そして、ETCカードが挿入されている場合に、基準移動方法の移動態様の一部として、「ETCの利用あり」の決定をしてもよい。すなわち、「ETCの利用の有無」は、外部(経路探索装置以外の装置)から受け取った情報に基づいて定めてもよい。
【0086】
さらに、移動態様の一部としての「ETCの利用の有無」は、上記の複数の判定基準のうち一以上のものを組み合わせて行うこともできる。
【0087】
・上記実施例では、基準移動方法では、「ETCの利用なし」の移動態様であるのに対して、代替移動方法の探索の際には、「ETCの利用あり」および「(同じ日のうちで)通勤時間帯割引の利用あり」で探索を行う。しかし、基準移動方法を「ETCの利用あり」の移動態様とし、代替移動方法の探索の際に「ETCの利用なし」で探索を行うこともできる。このような態様とすれば、ETCを利用するユーザに対して、ETCを利用しない場合に対してETCの利用によって得られる利益を示すことができる。なお、この態様においても、ETCの利用によって得られる利益(コストの差)が所定値よりも大きい場合にのみ、比較結果を提示する態様とすることもでき(図2のステップS85、および図5のステップS85a参照)、一方、コストの差のいかんによらず、比較結果を提示する態様とすることもできる。
【0088】
また、代替移動方法の探索の際には、基準移動方法に対して移動態様の他の要素を変えて探索を行うこととしてもよい。すなわち、代替移動方法の探索の際には、ある基準移動方法に対して、移動態様のいずれかの要素を変えて探索を行うこととすることができる。
【0089】
例えば、「深夜割引の利用あり」、「深夜早朝割引の利用あり」などの条件に基づいて、通過地点の時刻を設定して、経路の探索を行うこともできる。また、経路を利用する曜日を変更して、代替移動方法の探索を行うこともできる。すなわち、移動態様の変更は、経路を利用する時間の変更とすることができる。そして、経路を利用する時間の変更は、1日内の変更であってもよいし、1日を超える変更であってもよい。
【0090】
そのような態様においては、代替移動方法と基準移動方法にともに含まれる基準位置を通過する時刻(年月日時分で特定される時刻)を変更することができる。基準位置は、終点よりも起点に近い位置とすることもでき、起点よりも終点に近い位置とすることもできる。また、代替移動方法を探索する際に時刻を設定される基準地点は、最初に高速道路に入るインターチェンジや、最後に高速道路を降りるインターチェンジとすることもできる。代替移動方法の決定に際しては、移動態様の様々な要素、および様々な要素の組み合わせについて変更を行って、経路の探索を行うことができる。
【0091】
・上記実施例では、基準コストおよび代替コスト等のコストは、基準移動方法および代替移動方法にしたがって移動するのに要する高速道路や有料道路の費用(金銭の額)である。このほか、コストは、船や列車、バスなどの自家用車以外の交通機関を利用する場合の費用とすることができる。また、コストは、金銭の額に限られない。例えば、コストは、その移動方法で移動する際の移動距離とすることができる。また、コストは、経路を移動する際の所要時間とすることもできる。さらに、コストは、その移動方法で移動する際のガソリン消費量の推定値とすることもできる。すなわち、「コスト」は、経路を移動する際にユーザが負担もしくは消費する資源(時間を含む)を定量的に表すパラメータであればよい。
【0092】
基準コストおよび代替コストが基準移動方法および代替移動方法にしたがって移動する際の移動距離である場合には、図2のステップS85および図5のステップS85aの判定は、移動距離の差に基づいて行われることができる。また、出力情報には、それぞれの移動距離に基づいて得られる情報(例えば、移動距離の差に基づいて得られる情報)が含まれる。
【0093】
一方、基準コストおよび代替コストが基準移動方法および代替移動方法にしたがって移動する際に要する時間である場合には、図2のステップS85および図5のステップS85aの判定は、所要時間の差に基づいて行われることができる。また、出力情報には、それぞれの所要時間に基づいて得られる情報(例えば、所要時間の差に基づいて得られる情報)が含まれる。ガソリン消費量の推定値を用いる場合も同様である。
【0094】
・上記実施例では、基準コストおよび代替コストが計算された後、出力情報を出力すべきか否かについて、あらかじめ判定が行われる(図2のステップS85、および図5のステップS85a参照)。このほか、基準コストおよび代替コストが計算された後、それらに基づいて得られる出力情報を常に出力する態様とすることもできる。
【0095】
・代替移動方法を決定する際に、経由地を設定する態様とすることもできる。例えば、位置履歴情報に基づいて、所定の大きさの範囲内に一定時間以上滞在した場合には、その範囲に含まれる地点を「経由地」とすることができる。そして、代替移動方法を決定する際には、その「経由地」を経由するように設定することができる。
【0096】
なお、位置履歴情報を蓄積する際に経路案内が行われていた場合には、その経路案内に使用されるルートにおいて、「経由地」として設定されていた地点を、代替移動方法の「経由地」とすることもできる。
【0097】
・地図サーバ150の地図データベース156内に格納されている画像データとしての地図画像データは、ラスタデータとして保持されていてもよいし、ベクトルデータとして保持されていてもよい。ユーザが携帯する端末装置としての携帯電話200に送信される地図画像データも、ラスタデータであってもよいし、ベクトルデータであってもよい。さらに、地図データベース156内の地図画像データと、端末装置に送信される地図画像データは、いずれか一方をベクトルデータとし、他方をラスタデータとすることもできる。
【0098】
・上記実施例においては、地図表示システムは、その構成要素として、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、携帯電話200と、を含む。このほか、携帯端末は、電話機能を備えない機器としての、PDA(Personal Data Assistant)やノート型のコンピュータなどとすることもできる。
【0099】
例えば、経路探索の際に代替移動方法を提示する態様(第2実施例参照)については、経路探索装置は、ユーザの位置の情報を取得することができる位置取得部を備えない態様とすることもできる。ただし、そのような態様においては、探索する経路の起点および終点と、経路を移動する際の移動態様を定める基準条件と、をユーザから受け取る入力部を備えることが好ましい。すなわち、経路探索装置は、位置取得部や入力部など、情報を取得するための情報取得部を介して情報を取得し、それらの情報に基づいてユーザに対して所定の出力を行うことができる装置であればよい。
【0100】
また、位置取得部を備えユーザが携帯する携帯端末に、経路探索サーバ100、地図サーバ150の機能を備える態様とすることもできる。そして、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、同じサーバであってもよい。すなわち、経路探索装置は、その各構成要素が一つの筐体内に収納されている一つの装置であってもよい。また、経路探索装置は、その構成要素が、互いにデータ通信回線で結ばれている2以上の装置として構成されるものとすることもできる。経路データを生成する機能、特定領域を選択する機能などの各機能については、各装置に1以上の任意の機能を割り当てることができる。そして、各機能は、それぞれ一つの装置で実現されてもよく、2以上の装置が協働して実現してもよい。なお、2以上の構成要素が通信回線で結ばれている態様においては、ユーザに対して情報を出力する出力部は、ユーザに携帯されるものであることが好ましい。
【0101】
・上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア230(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0102】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、磁気ディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現するときには、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0103】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0104】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第1実施例である地図表示システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】本実施例の経路案内システムにおける処理を示すフローチャート。
【図3】基準移動方法を簡易的に表す図。
【図4】ステップS90において表示パネル202に表示される内容を示す図。
【図5】本実施例の経路案内システムにおける処理を示すフローチャート。
【図6】ステップS90aにおいて表示パネル202に表示される内容を示す図。
【符号の説明】
【0106】
100…経路探索サーバ
102…通信部
104…制御部
106…記憶部
150…地図サーバ
152…通信部
154…制御部
156…地図データベース
200…携帯電話
201…GPSユニット
202…表示パネル
203…音声出力部
204…振動機構
205…通信部
206…コマンド入力部
206a…テンキー
206b…カーソルキー
209…時計部
210…主制御部
211…CPU
212…RAM
213…ROM
220…通話制御部
230…アプリケーションソフトウェア
GP…終点
IC1,IC2…インターチェンジ
INT…インターネット
R0…基準移動方法
R1,R2…代替移動方法
RC…基準コスト
SA…サービスエリア
SC0…基準コストの累積額
SC1…代替移動方法R1の代替コストの累積額
SC2…代替移動方法R2の代替コストの累積額
SIC…スマートインターチェンジ
SP…起点
SR1…代替コストの累積額SC1と基準コストの累積額SC0との累積差額
SR2…代替コストの累積額SC2と基準コストの累積額SC0との累積差額
TS0…基準移動方法R0のノードの通過時刻の一覧
TS1…基準移動方法R1のノードの通過時刻の一覧
TS2…基準移動方法R2のノードの通過時刻の一覧

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路の探索を行う経路探索装置であって、
ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
前記経路を移動する際のコストを表すコスト情報を格納するコスト情報格納部と、
ユーザの位置の情報を取得することができる位置取得部と、
前記経路網情報格納部と前記コスト情報格納部と前記位置取得部とから情報を取得して該情報を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記位置取得部を介して取得された前記位置の情報に基づいて、過去の時点における前記ユーザの位置の情報を含む位置履歴情報を生成する履歴生成部と、
前記ユーザが過去のある時点においていた地点である起点から、その後に前記ユーザがいた地点である終点まで、前記ユーザが移動した方法である基準移動方法を、前記位置履歴情報に基づいて、前記経路網情報を参照しつつ決定する基準移動決定部と、
前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法で移動するのに要する基準コストを計算する基準コスト計算部と、
前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法の移動態様とは異なる移動態様による代替移動方法で前記起点から前記終点に移動するのに要する代替コストを計算する代替コスト計算部と、
前記基準コストおよび前記代替コストに基づいて得られる出力情報を前記出力部を介して出力する出力制御部と、を備える経路探索装置。
【請求項2】
請求項1記載の経路探索装置であって、
前記代替コスト計算部は、前記代替移動方法の前記移動態様として、前記代替移動方法および前記基準移動方法にともに含まれる基準位置を通過する時刻または曜日を、前記基準移動方法とは異なる時刻または曜日に決定して、前記代替移動方法を決定する、経路探索装置。
【請求項3】
請求項2記載の経路探索装置であって、
前記基準位置は、前記終点よりも前記起点に近い位置である、経路探索装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の経路探索装置であって、
前記出力制御部は、前記基準コストと前記代替コストとの差が所定値以上である場合に、前記基準コストと前記代替コストとの差に基づいて定められる前記出力情報を前記出力部を介して出力する、経路探索装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載の経路探索装置であって、
前記基準移動決定部は、前記位置履歴情報のうち、過去の互いに異なる時間区間における前記ユーザの位置の情報に基づいて、複数の前記基準移動方法を決定し、
前記基準コスト計算部は、前記複数の基準移動方法に対応する複数の前記基準コストを計算し、
前記代替コスト計算部は、前記複数の基準移動方法に対応する複数の前記代替コストを計算し、
前記出力制御部は、同一の基準移動方法に対応する前記基準コストと前記代替コストの差の、前記複数の基準コストと前記複数の代替コストについての合計が、所定値以上である場合に、前記基準コストと前記代替コストとの差に基づいて定められる前記出力情報を前記出力部を介して出力する、経路探索装置。
【請求項6】
経路の探索を行う経路探索装置であって、
ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報を格納する経路網情報格納部と、
前記経路を移動する際のコストを表すコスト情報を格納するコスト情報格納部と、
経路の起点および終点と、前記経路を移動する際の移動態様を定める基準条件と、をユーザから受け取る入力部と、
前記経路網情報格納部と前記コスト情報格納部と前記入力部とから情報を取得して情報を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記移動態様で前記起点から前記終点に移動するための基準移動方法を、前記経路網情報を参照しつつ、前記基準条件にしたがって決定する基準移動決定部と、
前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法で移動するのに要する基準コストを計算する基準コスト計算部と、
前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法の移動態様とは異なる移動態様による代替移動方法で前記起点から前記終点に移動するのに要する代替コストを計算する代替コスト計算部と、
前記基準コストおよび前記代替コストに基づいて得られる出力情報を前記出力部を介して出力する出力制御部と、を備える経路探索装置。
【請求項7】
経路の探索を行って前記経路に関する情報をユーザに示す方法であって、
(a)コンピュータが、ユーザの位置の情報を取得して、前記位置の情報に基づいて、過去の時点における前記ユーザの位置の情報を含む位置履歴情報を生成する履歴生成工程と、
(b)コンピュータが、前記ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報を参照しつつ、前記ユーザが過去のある時点においていた地点である起点から、その後に前記ユーザがいた地点である終点まで、前記ユーザが移動した方法である基準移動方法を、前記位置履歴情報に基づいて、決定する基準移動決定工程と、
(c)コンピュータが、前記経路を移動する際のコストを表すコスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法で移動するのに要する基準コストを計算する基準コスト決定工程と、
(d)コンピュータが、前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法の移動態様とは異なる移動態様による代替移動方法で前記起点から前記終点に移動するのに要する代替コストを計算する代替コスト決定工程と、
(e)コンピュータが、前記基準コストおよび前記代替コストに基づいて得られる出力情報を出力する出力工程と、を備える方法。
【請求項8】
コンピュータにおいて実行されることにより、経路の探索を行って前記経路に関する情報をユーザに示すコンピュータプログラムであって、
ユーザの位置の情報を取得して、前記位置の情報に基づいて、過去の時点における前記ユーザの位置の情報を含む位置履歴情報を生成する履歴生成機能と、
前記ユーザが移動のために利用できる経路の集合を表す経路網情報を参照しつつ、前記ユーザが過去のある時点においていた地点である起点から、その後に前記ユーザがいた地点である終点まで、前記ユーザが移動した方法である基準移動方法を、前記位置履歴情報に基づいて、決定する基準移動決定機能と、
前記経路を移動する際のコストを表すコスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法で移動するのに要する基準コストを計算する基準コスト決定機能と、
前記コスト情報を参照しつつ、前記基準移動方法の移動態様とは異なる移動態様による代替移動方法で前記起点から前記終点に移動するのに要する代替コストを計算する代替コスト決定機能と、
前記基準コストおよび前記代替コストに基づいて得られる出力情報を出力する出力機能と、を前記コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−78486(P2010−78486A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247828(P2008−247828)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【出願人】(597151563)株式会社ゼンリン (155)
【Fターム(参考)】