説明

経路探索装置、経路探索システム、経路探索端末装置、経路探索センタ装置

【課題】休憩地点での滞在を考慮して交通状況を推定し、出発地から目的地までの最適な経路の探索と所要時間の最小化とを図ることができる経路探索装置を提供する。
【解決手段】経路探索条件設定部11で設定した経路探索条件及び休憩地点検索条件と、道路ネットワークDB22の道路区間の接続状況等とに基づき、経路探索部12は道路ネットワークを構築し、交通状況推定部13より出発地あるいは目的地からの累積の所要時刻における道路区間の交通状況の推定結果を取得し、その道路コストを更新する。休憩地点検索条件を満たした場合には休憩地点情報蓄積DB21の施設の位置等に基づき休憩地点までの経路探索を行う。そして、出発地あるいは目的地から休憩地点での休憩時間を含んだ累積の所要時刻における道路区間の交通状況を考慮して、出発地から休憩地点を経由し目的地までの経路探索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在地から目的地までの移動経路について、途中の休憩地点を検索した上で休憩時間と交通状況の時間変化とを考慮し、推奨経路を提示する、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装置などに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の経路探索装置は、過去の交通状況に基づき、通過時間における交通状況を推測し、交通状況の時刻変化を考慮した上で、出発地から目的地までの所要時間が最小になる移動経路の探索を行い、利用者に提示しており、カーナビゲーションシステムに搭載されている。
【0003】
また、出発地から目的地までの推奨経路を探索し、経路上にある休憩地点候補の中から利用者が指定した目的地への到着予定時間内に、利用者が指定した条件に従い休憩地点を選定する経路探索装置(例えば、特許文献1参照)や、出発地から目的地までの推奨経路を探索した上で、利用者が指定した地点を推奨経路付近から検索し、利用者が指定した地点経由の推奨経路を再作成する経路探索装置(例えば、特許文献2参照)が知られている。
【特許文献1】特開2005−55223号公報
【特許文献2】特開2005−43157号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、経路探索後の推奨経路上の休憩地点を選択し、休憩地点での休憩時間を加算した上で、目的地への到着時間を算出する方法の場合、休憩した時間により、休憩地点以降の交通状況と経路探索時に使用した交通状況とが合わなくなり、休憩地点での休憩時間分だけ通過時間が遅れることで、交通状況の悪化した後に推奨経路が指定した道路を通過する可能性があり、必ずしも目標の到着予定時間までに目的地に到着できる休憩地点ではなくなる場合や、到着予定時間や休憩時間の設定によっては、休憩地点を設定できない場合がある。
【0005】
また、特許文献2に記載の発明のように、経路探索後の推奨経路に基づき経由施設を推奨経路付近から検索し、推奨経路を基準に経由施設を経由して出発地から目的地までの推奨経路の再計算を行っているため、基準となる元の推奨経路で通過する予定の時間と経由施設に滞在した時間とにより、経由施設を経由後の交通状況と元の推奨経路の経路探索時に使用した交通状況とが合わなくなるため、経由施設での滞在時間分だけ通過時間が遅れることで、交通状況の悪化した後に推奨経路が指定した道路を通過する可能性があり、出発地から目的地までの最適な経路ではなくなる場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、休憩地点や経由施設での滞在時間を考慮し、通過時刻に滞在時間を反映して交通状況を推定し、推定した交通状況に基づき出発地から目的地までの推奨経路の経路探索を行うことにより、休憩地点や経由施設での滞在による交通状況を推定する時刻のずれを防ぎ、出発地から目的地までの最適な経路の経路探索と所要時間の算出精度の向上とを図ることのできる経路探索装置及び経路探索システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の経路探索装置は、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装
置であって、出発地及び目的地の入力と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻の入力とを行う経路探索条件設定手段と、休憩地点の候補となる施設の位置、種類と、施設での休憩時間とを蓄積する休憩地点情報蓄積手段と、過去の交通状況を蓄積する交通状況蓄積手段と、道路通過時刻における交通状況を過去の交通状況から推定する交通状況推定手段と、道路区間の接続情報と、道路区間の所要通過時間に基づく道路コストの情報とを蓄積する道路ネットワーク蓄積手段と、道路ネットワークを構築し、出発地と、目的地と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻とを基準として、出発地もしくは目的地からの累積の道路通過時刻における交通状況の推定結果を道路コストとして使用し、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを備え、経路探索手段は、経路探索中に走行距離もしくは走行時間の条件に達する毎に、条件に達した地点付近の休憩地点の検索と休憩地点への経路の探索とを行い、休憩地点における休憩時間を累積の道路通過時刻に反映して交通状況を推定し、出発地から目的地までの経路を探索することを特徴とする。
【0008】
この構成により、走行距離もしくは走行時間を条件に用いた出発地から目的地までの間の休憩地点の検索と、休憩地点での休憩時間を反映することによる通過地点での通過時刻の算出と、通過時刻における交通状況の予測とが可能となり、かつ、休憩地点を経由する出発地から目的地までの所要時間が最小になる経路を算出することができる。
【0009】
また、本発明の経路探索装置は、経路探索条件設定手段において出発地での出発予定時刻を入力した場合に、経路探索手段は、出発地での出発予定時刻を基準として、目的地への到着予定時刻を算出し、出発地から目的地までの所要時間が最小となる経路を探索することが好ましい。
【0010】
この構成により、出発地点を出発予定時刻で出発した場合の目的地に到達する時刻を、休憩地点での休憩時間を考慮した上で算出することができる。
【0011】
また、本発明の経路探索装置は、経路探索条件設定手段において目的地への到着予定時刻を入力した場合に、経路探索手段は、目的地への到着予定時刻を基準として、出発地での出発予定時刻を算出し、目的地から出発地までの所要時間が最小となる経路を探索することが好ましい。
【0012】
この構成により、目的地へ到着予定時刻までに到着するための出発地の出発予定時刻を、休憩地点での休憩時間を考慮した上で算出することができる。
【0013】
また、本発明の経路探索装置は、現在地を算出する現在地算出手段を更に備え、経路探索条件設定手段において出発予定時刻が現在時刻の場合、経路探索手段は、出発地を現在地とし、出発地での出発予定時刻を現在時刻とし、現在時刻を基準として、現在地からの累積の道路通過時刻を算出し、現在地から目的地までの経路を探索することが好ましい。
【0014】
この構成により、現在地を現在時刻で出発した場合の目的地に到着する予定時刻を休憩地点での休憩時間を考慮した上で算出することができる。
【0015】
また、本発明の経路探索装置は、走行距離または走行時間の少なくとも一方を設定する休憩地点条件設定手段を更に備えることが好ましい。
【0016】
この構成により、利用者の意思などを反映した休憩地点を選択した出発地から目的地までの経路を算出することができる。
【0017】
また、本発明の経路探索装置は、休憩地点での休憩時間を設定する休憩地点条件設定手
段を更に備えることが好ましい。
【0018】
この構成により、利用者の意思、嗜好などを反映した出発地から目的地までの総所要時間や経路を算出、選出することができる。
【0019】
また、本発明の経路探索装置は、休憩地点での実際の休憩時間を休憩地点情報蓄積手段に記録する休憩時間記憶手段を更に備え、休憩地点条件設定手段は、休憩地点情報蓄積手段に蓄積した休憩時間、実際の休憩時間、使用者が設定する休憩時間のいずれかを利用者が選択し、休憩地点での休憩時間を設定することが好ましい。
【0020】
この構成により、利用者の実際の休憩状況を休憩時間に反映した出発地から目的地までの総所要時間や経路を算出、選出することができる。
【0021】
また、本発明の経路探索装置は、休憩地点の対象となる施設の種類を設定する休憩地点条件設定手段を更に備えることが好ましい。
【0022】
この構成により、利用者の意思、嗜好などを反映した出発地から目的地までの総所要時間や経路を算出、選出することができる。
【0023】
また、本発明の経路探索システムは、端末装置とセンタ装置とを備え、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索システムであって、端末装置は、出発地及び目的地の入力と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻の入力とを行う経路探索条件設定手段と、出発地と、目的地と、出発地の出発予定時刻もしくは目的地の到着予定時刻とを含む経路探索条件をセンタ装置に送信する経路探索条件送信手段と、センタ装置から、出発地から目的地までの経路と、休憩地点と、出発地から目的地までの間の総所要時間とを含む経路探索結果を受信する経路探索結果受信手段とを備え、センタ装置は、休憩地点の候補となる施設の位置、種類と、施設での休憩時間とを蓄積する休憩地点情報蓄積手段と、過去の交通状況を蓄積する交通状況蓄積手段と、道路通過時刻における交通状況を過去の交通状況から推定する交通状況推定手段と、道路区間の接続情報と、道路区間の所要通過時間に基づく道路コストの情報とを蓄積する道路ネットワーク蓄積手段と、道路ネットワークを構築し、出発地と、目的地と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻とを基準として、出発地もしくは目的地からの累積の道路通過時刻における交通状況の推定結果を道路コストとして使用し、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、経路探索条件を端末装置から受信する経路探索条件受信手段と、経路探索結果を端末装置へ送信する経路探索結果送信手段とを備え、経路探索手段は、経路探索中に走行距離もしくは走行時間の条件に達する毎に、条件に達した地点付近の休憩地点の検索と休憩地点への経路の探索とを行い、休憩地点における休憩時間を累積の道路通過時刻に反映して交通状況を推定し、出発地から目的地までの経路を探索することを特徴とする。
【0024】
この構成により、探索、検索した出発地から目的地までの経路情報と、休憩地点の位置と、休憩地点の休憩時間とを、複数の異なった種類の端末装置で利用することができる。
【0025】
本発明の経路探索端末装置は、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索端末装置であって、出発地及び目的地の入力と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻の入力とを行う経路探索条件設定手段と、出発地と、目的地と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻とを含む経路探索条件を経路探索センタ装置に送信する経路探索条件送信手段と、経路探索センタ装置から、出発地から目的地までの経路と、休憩地点と、出発地から目的地までの間の総所要時間とを含む経路探索結果を受信する経路探索結果受信手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
この構成により、探索、検索した出発地から目的地までの経路情報と、休憩地点の位置と、休憩地点の休憩時間とを、複数の異なった種類の端末装置で利用することができる。
【0027】
本発明の経路探索センタ装置は、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索センタ装置であって、休憩地点の候補となる施設の位置、種類と、施設での休憩時間とを蓄積する休憩地点情報蓄積手段と、過去の交通状況を蓄積する交通状況蓄積手段と、道路通過時刻における交通状況を過去の交通状況から推定する交通状況推定手段と、道路区間の接続情報と、道路区間の所要通過時間に基づく道路コストの情報とを蓄積する道路ネットワーク蓄積手段と、道路ネットワークを構築し、出発地と、目的地と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻とを基準として、出発地もしくは目的地からの累積の道路通過時刻における交通状況の推定結果を道路コストとして使用し、出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、出発地と、目的地と、出発地での出発予定時刻もしくは目的地への到着予定時刻とを含む経路探索条件を経路探索端末装置から受信する経路探索条件受信手段と、出発地から目的地までの経路と、休憩地点と、出発地から目的地までの間の総所要時間とを含む経路探索結果を経路探索端末装置へ送信する経路探索結果送信手段とを備え、経路探索手段は、経路探索中に走行距離もしくは走行時間の条件に達する毎に、条件に達した地点付近の休憩地点の検索と休憩地点への経路の探索とを行い、休憩地点における休憩時間を累積の道路通過時刻に反映して交通状況を推定し、出発地から目的地までの経路を探索することを特徴とする。
【0028】
この構成により、探索、検索した出発地から目的地までの経路情報と、休憩地点の位置と、休憩地点の休憩時間とを、複数の異なった種類の端末装置で利用することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の経路探索装置は、経路探索中に休憩地点を検索し、累積の走行時間と休憩地点での休憩時間とを反映した交通状況を予測し、経路探索対象の道路コストを算出し、出発地から休憩地点経由で目的地までの経路探索を行うことにより、交通状況の時間変化を反映した所要時間が最小になる経路を探索できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は、本実施形態1の経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装置1は、経路探索条件設定部11と、経路探索部12と、交通情報推定部13と、画面表示処理部14と、休憩地点情報蓄積データベース(以下、DBという)21と、道路ネットワークDB22と、交通情報蓄積DB23とを有している。また、経路探索装置1は、装置外部の経路探索条件入力手段2及び画面表示手段3と電気的に接続されている。
【0033】
休憩地点情報蓄積DB21は、休憩地点の施設の名称、種別、位置座標、標準の休憩時間等で構成される休憩地点情報と、利用者の休憩地点の利用の有無、施設の種別、実際の休憩時間、休憩地点の利用率等で構成される休憩地点利用状況とを蓄積する。
【0034】
道路ネットワークDB22は、交差点間の道路で構成される道路区間の通過時間に基づく道路コスト情報と、道路区間毎の接続関係情報とを蓄積する。この道路コストとは、経路探索をする場合の各道路区間の特性であり、通常は道路区間の通過時間から算出される。ある道路区間について、その交通状況がわかる場合にはその交通状況に対応する道路コ
ストを用い、交通状況がわからない場合にはその道路区間の標準の道路コストを用いる。また、通過距離や通過費用などを道路コストとする場合もある。
【0035】
交通情報蓄積DB23は、過去の交通情報を道路区間毎に時刻、曜日、天気等で分類し蓄積する。
【0036】
経路探索条件入力手段2は、画面のタッチパネル、キーボード、リモコン等から、出発地、目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等の経路探索条件と、休憩地点の検索のための施設の種類、走行距離あるいは走行時間等の休憩地点検索条件とが入力される。
【0037】
経路探索条件設定部11は、経路探索条件入力手段2より入力した経路探索条件と、休憩地点情報蓄積DB21に記録されている休憩地点を選択するための休憩地点検索の走行距離あるいは走行時間等から構成される休憩地点検索条件とを取得し、経路探索部12に対し、経路探索条件と休憩地点検索条件とに基づいた経路探索の指示を行う。
【0038】
経路探索部12は、道路ネットワークDB22から接続関係情報と道路コスト情報とを取得し、経路探索ネットワークを構築する。そして、出発地あるいは目的地からの累積の走行距離や所要時間が休憩地点検索条件を満たした場合に、休憩地点情報蓄積DB21より、休憩地点の候補となる施設の情報を取得し、休憩地点までの経路探索を行う。そして、出発地あるいは目的地からの休憩地点での休憩時間を含んだ累積の所要時間に対応する、すなわち累積の道路通過時刻に対応する道路区間の交通状況の推定結果を交通状況推定部13から取得し、経路探索ネットワーク内の道路区間の道路コストを更新した上で出発地から休憩地点を経由して目的地までの所要時間が最小になる経路探索を行う。
【0039】
交通情報推定部13は、経路探索部12の要求する道路区間と交通状況とを、推定する時刻に従い、交通情報蓄積DB23から該当する道路区間とその時刻の過去の交通状況とを取得し、交通状況の推定を行い、経路探索部12に交通状況の推定結果として通知する。
【0040】
画面表示処理部14は、経路探索部12の経路探索結果に基づき、画面表示手段3に表示する経路探索結果を作成する。
【0041】
画面表示手段3は、画面表示処理部14が作成した画面表示情報を画面上に表示する。なお、その画面上には、出発地、目的地、休憩地点の位置と、出発地から目的地までの休憩地点を経由した経路とが地図上に重畳して表示され、また出発地の出発予定時刻と、目的地の到着予定時刻と、休憩地点の名称、到着予定時刻、出発予定時刻、休憩時間とが表示される。
【0042】
図2は、本実施の形態1の経路探索装置の動作手順を示す図である。
【0043】
利用者は、経路探索を開始する(ステップS101)。
【0044】
経路探索装置1は、経路探索を指示された後、利用者に対し経路探索条件の要求を行う。この場合、利用者に対する要求は、案内音声の出力あるいは画面への表示により、利用者に通知することが可能である。経路探索条件の要求を受けた利用者は、経路探索条件入力手段2を用いて、画面のタッチパネル、キーボード、リモコン等から、出発地、目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等の経路探索条件を入力する(ステップS102)。
【0045】
経路探索部12は、経路探索条件が経路探索条件設定部11に通知された後、設定され
た経路探索条件内の出発地及び目的地の位置に基づき、道路ネットワークDB22に蓄積された道路ネットワーク情報より、道路区間の接続情報と道路区間の道路コスト(例えば、通過時間)とから構成される経路探索ネットワークを構築する。
【0046】
ここで、出発予定時刻が設定されている場合には、出発地から目的地までの経路探索を行い、到着予定時刻が設定されている場合には、目的地から出発地までの経路探索を行う。
【0047】
経路探索ネットワーク構築後、出発地での出発予定時刻あるいは目的地への到着予定時刻に基づき、ある道路区間における交通状況の推定を交通状況推定部13で実施し、推定前のその道路区間の道路コストを、推定した交通状況に基づくその道路区間の道路コストに置き換える。そして、置き換えた結果に基づき、改めて経路探索を行い、次の道路区間について、出発地での出発予定時刻と累積の走行距離とを基にした次の道路区間入口への到達時刻の算出、あるいは目的地への到着予定時刻と累積の走行距離とを基にした次の道路区間出口への到達時刻の算出を行う。そして、算出した到達時刻に基づく、交通状況の推定、道路コストの置き換えを行う(ステップS103)。
【0048】
ここで、交通状況推定部13で使用する交通状況蓄積DB23については、過去の交通状況から交通状況蓄積DB23を一括して作成する方法と、随時、最新の交通状況を経路探索装置1が搭載された装置で受信し、交通状況蓄積DB23を更新する方法の2つの方法で実現することが可能である。
【0049】
そして、経路探索による累積の走行距離又は走行時間が、規定の走行距離又は走行時間である休憩地点検索条件を満たすかどうかを判定する(ステップS104)。
【0050】
なお、規定の走行距離、走行時間、休憩施設の種類などは、例えば経路探索条件入力手段を用いて、利用者が入力するようにしても良い。またその時に、休憩地点検索条件を構成する規定の走行距離又は走行時間について、0の値を設定することにより、条件として容易に無効化することもできる。
【0051】
休憩地点検索条件を満たさない場合(ステップS104、No)は、出発地から目的地までの経路探索が終了しているかどうかを判定する(ステップS105)。
【0052】
経路探索が終了していない場合(ステップS105、No)には経路探索処理(ステップS103)を継続し、経路探索が終了している場合(ステップS105、Yes)には終了処理(ステップS106以降)を行う。
【0053】
経路探索終了後、経路探索部12において、出発地から休憩地点経由での目的地までの経路探索結果と、推定した交通状況とに基づき、出発地から目的地までの所要時間の算出と出発予定時刻又は到着予定時刻の算出とを行う(ステップS106)。
【0054】
そして、出発地から目的地までの所要時間、出発予定時刻、到着予定時刻などの画面に表示する経路案内情報を画面表示処理部14で生成し、画面表示手段3によりその画面に表示する(ステップS107)。
【0055】
一方、休憩地点検索条件が満たされた場合(ステップS104、Yes)、条件を満たした地点を中心として付近の休憩地点候補を検索する(ステップS108)。
【0056】
休憩地点検索地点から休憩地点までの経路探索はステップS103で示した方法により実施する(ステップS109)。
【0057】
休憩地点到達後、休憩地点情報蓄積DB21より、休憩地点の休憩時間を取得し、休憩時間を累積の所要時間に加算し(ステップS110)、休憩地点から目的地までの経路探索を再開する(ステップS103)。
【0058】
図3、図4はそれぞれ本実施の形態1の経路探索装置における休憩地点での休憩時間を考慮しない場合、考慮した場合の交通状況予測の例を示した図である。どちらもA地点からB地点(休憩地点)を経由してC地点へ到着するまでを示している。もちろん、A地点、C地点は出発地、目的地とは限らない。また、B地点への到着時刻はどちらもT+t1であり同一である。
【0059】
図3に示すように、休憩地点での休憩時間を考慮しなかった場合、次の道路区間入口の通過時刻はT+t1のままであり、その結果、推定した交通状況から導いた次の道路区間の通過時間がt2’となる。一方、図4に示すように、休憩地点での休憩時間を考慮した場合、次の道路区間入口の通過時刻はT+t1+tviaとなり、推定した交通状況から導いた次の道路区間の通過時間はt2となる。つまり、休憩時間の考慮の有無でt2−t2’の通過時間の差が発生する。
【0060】
図5は、本実施の形態1の経路探索装置における時刻と、その時刻での、ある道路区間の所要通過時間との関係の例を示す図である。図3、図4に示したB地点からC地点までの道路区間の所要通過時間を示している。休憩地点(B地点)到着時刻(T+t1)でのB地点、C地点間の所要通過時間はt2’(=105、任意単位)であるのに対し、休憩地点出発時刻(T+t1+tvia)での同所要時間はt2(=180)と、ほぼ倍になっていることがわかる。
【0061】
このように、本実施の形態1の経路探索装置は、予め設定した走行距離又は走行時間毎に休憩地点を探索し、その休憩地点での休憩時間も考慮して各道路区間での道路状況を推定し、経路探索を行うので、交通状況の時間変化を反映した所要時間が最小になる経路を探索することができる。
【0062】
なお、本実施の形態1の経路探索装置は、通過時間以外にも、通過距離や通過費用などを加味して経路探索を行うようにしてもよい。
【0063】
(実施の形態2)
図6は、本実施形態2の経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【0064】
図6に示すように、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装置20は、経路探索条件設定部11と、経路探索部12と、交通情報推定部13と、画面表示処理部14と、現在地算出部15と、休憩地点情報蓄積DB21と、道路ネットワークDB22と、交通情報蓄積DB23とを有している。また、経路探索装置20は、装置外部の経路探索条件入力手段2、画面表示手段3、車両センサ4とそれぞれ電気的に接続されている。
【0065】
なお、実施の形態1の経路探索装置1と同一の構成であって、同一の動作を示すものについては、同一の符号を付して重複した説明は省略する。また、以下に説明する他の実施の形態についても同様とする。
【0066】
車両センサ4は、GPS衛星から位置座標、現在時刻等で構成されるGPS情報を取得するGPS受信部と、ジャイロから車両の走行方向の変化を検出する角速度センサと、車両の速度を取得する車速センサとを有し、各々の取得情報を車両センサ情報として、現在
地算出部15に通知する。
【0067】
現在地算出部15は、車両センサ4から取得したGPS情報、角速度センサ情報、車速センサ情報に基づき、現在地の座標と現在時刻とを算出する。
【0068】
経路探索条件設定部11は、経路探索条件入力手段2より入力した出発地、目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等から構成される経路探索条件と、休憩地点情報蓄積DB21に記録されている休憩地点を選択するための休憩地点検索の走行距離あるいは走行時間等から構成される休憩地点選択条件とを取得する。そして、経路探索条件入力手段2より入力した出発地の設定に従い、利用者が出発地を現在地に設定した場合には現時地算出部15から現在地の位置座標と現在時刻とを取得し、経路探索条件に対し、現在地を出発地に、現在時刻を出発時刻に設定した上で、経路探索部12に対し、経路探索条件と休憩地点検索条件とに基づいた経路探索の指示を行う。
【0069】
図7は、本実施の形態2の経路探索装置の動作手順を示す図である。実施の形態1の経路探索装置の動作手順と同一の手順については、同一の符号を付して重複した説明は省略する。また、以下に説明する他の実施の形態についても同様とする。
【0070】
利用者は、経路探索を開始する(ステップS101)。
【0071】
経路探索装置20は、経路探索を指示された後、利用者に対し経路探索条件の要求を行う。そして、利用者が現在地を出発地に設定したかどうか判定する(ステップS201)。現在地を出発地に設定している場合(ステップS201、Yes)には現時地算出部15から現在地の位置座標と現在時刻とを取得し、経路探索条件に対し、現在地を出発地に、現在時刻を出発時刻に設定する(ステップS202)。そして、利用者が目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等から構成される経路探索条件を入力する(ステップS203)のを待って、経路探索部12に対し、経路探索条件と休憩地点検索条件とに基づいた経路探索の指示を行う(ステップS103)。
【0072】
このように、本実施の形態2の経路探索装置は、出発地が現在地であって、出発時刻が現在時刻である場合には、利用者を煩わすことなしに、容易に経路探索をすることができる。
【0073】
(実施の形態3)
図8は、本実施形態3の経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【0074】
図8に示すように、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装置30は、経路探索条件設定部11と、経路探索部12と、交通情報推定部13と、画面表示処理部14と、休憩地点条件設定部16と、休憩地点情報蓄積DB21と、道路ネットワークDB22と、交通情報蓄積DB23とを有している。また、経路探索装置30は、装置外部の経路探索条件入力手段2、画面表示手段3、休憩地点条件入力手段5とそれぞれ電気的に接続されている。
【0075】
休憩地点条件入力手段5は、画面のタッチパネル、キーボード、リモコン等から、休憩地点の検索のための走行距離あるいは走行時間を必ず入力するとともに、検索対象となる休憩地点の施設の種別と、更に、利用者が入力した休憩時間あるいは休憩地点情報蓄積DB21に記録した休憩地点の施設毎に割り当てられている休憩時間あるいは同DB21に記録した休憩地点の施設の種類毎の過去の利用者の実際の休憩時間から選択した休憩時間とを任意に入力する。走行距離、走行時間の入力がない場合には、その標準値を用いるようにする。これらの距離、時間は休憩地点検索条件となる。
【0076】
休憩地点条件設定部16は、休憩地点情報蓄積DB21に蓄積されている、休憩地点の施設の名称、種別などの休憩地点情報と、利用者の休憩地点の利用の有無、実際の休憩時間などの休憩地点利用状況とを休憩地点条件入力手段5に通知する。また、休憩地点条件設定部16は、休憩地点条件入力手段5から取得した休憩地点検索条件を経路探索条件設定部に通知する。
【0077】
なお、利用者の各休憩地点での実際の休憩時間を休憩地点情報蓄積DB21に記録するための休憩時間記憶部を、経路探索装置30の外部に休憩地点情報蓄積DB21と電気的に接続されるように設けることもできる。
【0078】
経路探索条件設定部11は、経路探索条件入力手段2より入力した出発地、目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等から構成される経路探索条件と、休憩地点条件設定部16から休憩地点を選択するための休憩地点検索の走行距離あるいは走行時間等から構成される休憩地点選択条件とを取得し、経路探索部12に対し、経路探索条件と休憩地点検索条件とに基づいた経路探索の指示を行う。
【0079】
図9、図10は、本実施の形態3の経路探索装置の休憩地点情報蓄積DB21に蓄積された情報の例を示す図である。
【0080】
図9は、休憩地点情報の例であり、休憩地点ID,施設の名称、施設種別、施設の位置座標、想定される休憩時間で構成されている。休憩地点を検索する場合、利用者が指定した施設の種別と検索開始地点からの範囲内外を判定するための位置座標とから休憩地点の検索を行う。
【0081】
図10は、休憩地点利用状況の例であり、休憩地点の施設種別、利用者の実際の休憩時間、全施設種別中での利用率で構成されている。
【0082】
図11は、本実施の形態3の経路探索装置の動作手順を示す図である。
【0083】
利用者は、経路探索を開始すると(ステップS101)、経路探索条件入力手段2を用いて、出発地、目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等の経路探索条件を入力する(ステップS102)。そして、休憩地点条件入力手段5を用いて休憩地点の施設の種別を入力する(ステップS301)。休憩地点の探索のための走行距離あるいは走行時間は予め数値が入力されているが、これを変更する場合(ステップS302、Yes)には、休憩地点条件入力手段5から入力し(ステップS304)、変更しない場合(ステップS302、No)には予め入力されている数値を用いる(ステップS303)。
【0084】
そして、休憩地点での休憩時間も予め入力されているが、これを変更する場合(ステップS305、Yes)には、休憩地点条件入力手段5から入力し(ステップS306)、経路探索を実施し(ステップS103)、変更しない場合(ステップS305、No)には、そのまま経路探索を実施する(ステップS103)。
【0085】
なお、ステップS306において、休憩地点条件入力手段5を用いて休憩時間を選択する場合に、図10に示した休憩時点利用状況から、ステップS301で利用者が指定した施設種別に対応する利用者の過去の休憩時間を用いることができる。
【0086】
また、休憩地点の探索のための走行距離あるいは走行時間の入力(ステップS304)は、経路探索実施(ステップS103)の前であれば良く、例えば、経路探索条件入力(ステップS102)の前でも、休憩時間設定変更(ステップS305又はステップS30
6)の後であってもよい。
【0087】
また、休憩地点までの経路探索実行(ステップS109)後に休憩時間を変更することもある(ステップS307)。ステップS306で休憩時間を入力、変更した場合(ステップS307、Yes)には、その休憩時間を総旅行時間に反映させ(ステップS308)、更に経路探索を実施する(ステップS103)。ステップS305で休憩時間を変更しなかった場合(ステップS307、No)には、予め入力された休憩時間を総旅行時間に反映させ(ステップS110)、更に経路探索を実施する(ステップS103)。
【0088】
なお、ステップS108において、ステップS301で利用者が施設種別を指定しない条件で休憩地点を検索する場合に、図10に示した休憩時点利用状況から利用者の利用率が高い施設種別を優先して休憩地点として選択することができる。
【0089】
このように、本実施の形態3の経路探索装置は、休憩地点の施設の種別、休憩周期、休憩時間などを利用者に選択してもらうことで、利用者の嗜好に合わせた経路探索をすることができる。
【0090】
(実施の形態4)
図12は、本実施形態4の経路探索装置の構成を示すブロック図である。
【0091】
図12に示すように、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装置40は、経路探索条件設定部11と、経路探索部12と、交通情報推定部13と、画面表示処理部14と、現在地算出部15と、休憩地点条件設定部16と、休憩地点情報蓄積DB21と、道路ネットワークDB22と、交通情報蓄積DB23とを有している。また、経路探索装置40は、装置外部の経路探索条件入力手段2、画面表示手段3、車両センサ4、休憩地点条件入力手段5とそれぞれ電気的に接続されている。
【0092】
経路探索条件設定部11は、経路探索条件入力手段2より入力した出発地、目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等から構成される経路探索条件と、休憩地点条件設定部16から休憩地点を選択するための休憩地点検索の走行距離あるいは走行時間等で構成される休憩地点選択条件とを取得し、経路探索条件入力手段2より入力した出発地の設定に従い、利用者が出発地を現在地に設定した場合には現時地算出部15から現在地の位置座標と現在時刻とを取得し、経路探索条件に対し、現在地を出発地に、現在時刻を出発時刻に設定した上で、経路探索部12に対し、経路探索条件と休憩地点検索条件とに基づいた経路探索の指示を行う。
【0093】
図13は、本実施の形態4の経路探索装置の動作手順を示す図である。上述の実施の形態1乃至実施の形態3の良いところを全て組み入れた手順となっている。
【0094】
このように、本実施の形態4の経路探索装置は、出発地が現在地であって、出発時刻が現在時刻である場合には、利用者を煩わすことなしに、容易に経路探索をすることができる一方で、休憩地点の施設の種別、休憩周期、休憩時間などを利用者に選択してもらうことで、利用者の嗜好に合わせた経路探索もすることができるものである。
【0095】
(実施の形態5)
図14は、本実施形態5の経路探索システムの構成を示すブロック図である。
【0096】
図14に示すように休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索システムは、センタクライアント型と呼ばれるもので、センタ装置101と端末装置102とを有する。端末装置102は、例えば、カーナビゲーション、携帯電話、パーソナルコンピュ
ータである。
【0097】
センタ装置101は、経路探索手段50と、経路探索条件受信手段7と、経路探索結果送信手段8とを有している。そして、経路探索手段50は、経路探索部12と、交通状況推定部13と、休憩地点情報蓄積DB21と、道路ネットワークDB22と、交通状況蓄積DB23とを有している。
【0098】
一方、端末装置102は、経路探索条件入力手段2と、画面表示手段3と、車両センサ4と、休憩地点条件入力手段5と、経路探索条件送信手段6と、経路探索結果受信手段9と、経路探索条件設定部11と、画面表示処理部14と、現在地算出部15と、休憩地点条件設定部16とを有している。
【0099】
端末装置102において、経路探索条件設定部11は、経路探索条件入力手段2より入力した出発地、目的地、出発予定時刻あるいは到着予定時刻等で構成される経路探索条件と、休憩地点条件設定部16から休憩地点を選択するための休憩地点検索の走行距離あるいは走行時間等で構成される休憩地点選択条件とを取得する。そして、経路探索条件入力手段2より入力した出発地の設定に従い、利用者が出発地を現在地に設定した場合には現時地算出部15から現在地の位置座標と現在時刻を取得し、経路探索条件について、現在地を出発地に、現在時刻を出発時刻に設定した上で、経路探索条件と休憩地点検索条件とを経路探索条件送信手段6に通知する。
【0100】
経路探索条件送信手段6は、センタ装置101の経路探索条件受信手段7に対し、経路探索条件と休憩地点選択条件とを、インターネットや電話回線等の有線回線、あるいは携帯電話回線やディジタルMCA無線等の無線回線を通じて送信する。
【0101】
一方、センタ装置101において、経路探索条件受信手段7は、端末装置102の経路探索条件送信手段6より、経路探索条件と休憩地点選択条件とを受信する。
【0102】
経路探索部12は、経路探索条件受信手段7から取得した経路探索条件と休憩地点検索条件とに従い、道路ネットワークDB22から道路区間の接続関係情報と道路区間の通過時間に基づく道路コスト情報とを取得する。そして、経路探索ネットワークを構築し、出発地あるいは目的地からの累積の走行距離や累積の所要時間が休憩地点検索条件を満たした場合に、休憩地点情報蓄積DB21より休憩地点の候補となる施設の情報を取得する。そして、休憩地点までの経路探索を行い、出発地あるいは目的地からの休憩地点での休憩時間を含んだ累積の所要時間に対応する道路区間の交通状況の推定結果を交通状況推定部13から取得し、経路探索ネットワーク内の道路区間の道路コストを更新した上で、出発地から休憩地点を経由し目的地までの所要時間が最小になる経路探索を行い、経路探索結果を経路探索結果送信手段8に通知する。
【0103】
経路探索結果送信手段8は、経路探索部12における経路探索結果を、端末装置102の経路探索結果受信手段9に対し、インターネットや電話回線等の有線回線、あるいは携帯電話回線やディジタルMCA無線等の無線回線を通じて送信する。
【0104】
そして、端末装置102において、経路探索結果受信手段9は、経路探索結果をセンタ装置101の経路探索結果送信手段8より受信する。
【0105】
画面表示処理部14は、経路探索結果受信手段9から取得した経路探索結果に基づき、画面表示手段3に表示する経路探索結果を作成する。
【0106】
図15、図16は、本実施の形態5の経路探索システムの動作手順を示す図である。
【0107】
端末装置102では、利用者が必要項目、任意項目を入力(ステップS101〜ステップS306)した後に、経路探索条件設定部11は、経路探索条件送信手段6を介してセンタ装置101に、経路探索条件と休憩地点検索条件とを送信する(ステップS501)。
【0108】
センタ装置101では、端末装置102からの経路探索条件と休憩地点検索条件とを経路探索条件受信手段7で受信(ステップS502)した後に、経路探索部12で経路探索を実施し、全旅行時間を算出する(ステップS103〜ステップS106)。そして、経路探索部12は、経路探索結果を経路探索結果送信手段8を介して端末装置102に送信する(ステップS503)。
【0109】
端末装置102は、センタ装置101からの経路探索結果を経路探索結果受信手段9で受信(ステップS504)した後に、画面表示処理部14で画面に表示する経路案内情報を生成し、画面表示手段3により、経路探索結果を画面に表示する(ステップS107)。
【0110】
このように、本実施の形態5の経路探索システムは、出発地から目的地までの経路情報と、休憩地点の位置と、休憩地点の休憩時間とを、複数の異なった種類の端末装置で利用することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0111】
以上のように、本発明の休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装置は、経路探索実行中に休憩地点を探索し、累積の走行時間と休憩地点での休憩時間を反映して交通状況の予測を行い、経路探索対象の道路コストを算出し、出発地から休憩地点経由で目的地までの経路探索を行うことにより、交通状況の時間変化を反映した所要時間が最小となる経路を探索することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施の形態1の経路探索装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1の経路探索装置の動作手順を示す図
【図3】本発明の実施の形態1の経路探索装置における休憩地点での休憩時間を考慮しない場合の交通状況予測の例を示した図
【図4】本発明の実施の形態1の経路探索装置における休憩地点での休憩時間を考慮した場合の交通状況予測の例を示した図
【図5】本発明の実施の形態1の経路探索装置における時刻と道路区間の所要通過時間との関係の例を示す図
【図6】本発明の実施の形態2の経路探索装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2の経路探索装置の動作手順を示す図
【図8】本発明の実施の形態3の経路探索装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態3の経路探索装置の休憩地点情報蓄積DBに蓄積された情報の例を示す図
【図10】本発明の実施の形態3の経路探索装置の休憩地点情報蓄積DBに蓄積された情報の例を示す図
【図11】本発明の実施の形態3の経路探索装置の動作手順を示す図
【図12】本発明の実施の形態4の経路探索装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態4の経路探索装置の動作手順を示す図
【図14】本発明の実施の形態5の経路探索装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態5の経路探索システムの動作手順を示す図
【図16】本発明の実施の形態5の経路探索システムの動作手順を示す図
【符号の説明】
【0113】
1,20,30,40 経路探索装置
11 経路探索条件設定部
12 経路探索部
13 交通状況推定部
15 現在地算出部
16 休憩地点条件設定部
21 休憩地点情報蓄積DB
22 道路ネットワークDB
23 交通状況蓄積DB
101 センタ装置
102 端末装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索装置であって、
出発地及び目的地の入力と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻の入力とを行う経路探索条件設定手段と、
休憩地点の候補となる施設の位置、種類と、前記施設での休憩時間とを蓄積する休憩地点情報蓄積手段と、
過去の交通状況を蓄積する交通状況蓄積手段と、
道路通過時刻における交通状況を前記過去の交通状況から推定する交通状況推定手段と、道路区間の接続情報と、前記道路区間の所要通過時間に基づく道路コスト情報とを蓄積する道路ネットワーク蓄積手段と、
道路ネットワークを構築し、前記出発地と、前記目的地と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻とを基準として、前記出発地もしくは前記目的地からの累積の道路通過時刻における交通状況の推定結果を道路コストとして使用し、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段とを備え、
前記経路探索手段は、経路探索中に走行距離もしくは走行時間の条件に達する毎に、前記条件に達した地点付近の休憩地点の検索と前記休憩地点への経路の探索とを行い、前記休憩地点における休憩時間を前記累積の道路通過時刻に反映して交通状況を推定し、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする経路探索装置。
【請求項2】
前記経路探索条件設定手段において前記出発地での出発予定時刻を入力した場合に、前記経路探索手段は、前記出発地での出発予定時刻を基準として、前記目的地への到着予定時刻を算出し、前記出発地から前記目的地までの所要時間が最小となる経路を探索することを特徴とする請求項1記載の経路探索装置。
【請求項3】
前記経路探索条件設定手段において前記目的地への到着予定時刻を入力した場合に、前記経路探索手段は、前記目的地への到着予定時刻を基準として、前記出発地での出発予定時刻を算出し、前記目的地から前記出発地までの所要時間が最小となる経路を探索することを特徴とする請求項1記載の経路探索装置。
【請求項4】
現在地を算出する現在地算出手段を更に備え、
前記経路探索条件設定手段において出発予定時刻が現在時刻の場合、前記経路探索手段は、前記出発地を現在地とし、前記出発地での出発予定時刻を現在時刻とし、現在時刻を基準として、現在地からの累積の道路通過時刻を算出し、現在地から前記目的地までの所要時間が最小となる経路を探索することを特徴とする請求項2記載の経路探索装置。
【請求項5】
前記走行距離または前記走行時間の少なくとも一方を設定する休憩地点条件設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の経路探索装置。
【請求項6】
休憩地点での休憩時間を設定する休憩地点条件設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の経路探索装置。
【請求項7】
休憩地点での実際の休憩時間を前記休憩地点情報蓄積手段に記録する休憩時間記憶手段を更に備え、前記休憩地点条件設定手段は、前記休憩地点情報蓄積手段に蓄積した休憩時間、前記実際の休憩時間、使用者が設定する休憩時間のいずれかを利用者が選択し、休憩地点での休憩時間を設定することを特徴とする請求項6記載の経路探索装置。
【請求項8】
休憩地点の対象となる施設の種類を設定する休憩地点条件設定手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の経路探索装置。
【請求項9】
端末装置とセンタ装置とを備え、休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索システムであって、
前記端末装置は、
出発地及び目的地の入力と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻の入力とを行う経路探索条件設定手段と、
前記出発地と、前記目的地と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻とを含む経路探索条件を前記センタ装置に送信する経路探索条件送信手段と、
前記センタ装置から、前記出発地から前記目的地までの経路と、休憩地点と、前記出発地から前記目的地までの間の総所要時間とを含む経路探索結果を受信する経路探索結果受信手段と
を備え、
前記センタ装置は、
前記休憩地点の候補となる施設の位置、種類と、前記施設での休憩時間とを蓄積する休憩地点情報蓄積手段と、
過去の交通状況を蓄積する交通状況蓄積手段と、
道路通過時刻における交通状況を前記過去の交通状況から推定する交通状況推定手段と、道路区間の接続情報と、前記道路区間の所要通過時間に基づく道路コストの情報とを蓄積する道路ネットワーク蓄積手段と、
道路ネットワークを構築し、前記出発地と、前記目的地と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻とを基準として、前記出発地もしくは前記目的地からの累積の道路通過時刻における交通状況の推定結果を道路コストとして使用し、前記出発地から前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索条件を前記端末装置から受信する経路探索条件受信手段と、
前記経路探索結果を前記端末装置へ送信する経路探索結果送信手段と
を備え、
前記経路探索手段は、経路探索中に走行距離もしくは走行時間の条件に達する毎に、前記条件に達した地点付近の休憩地点の検索と前記休憩地点への経路の探索とを行い、前記休憩地点における休憩時間を前記累積の道路通過時刻に反映して交通状況を推定し、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする経路探索システム。
【請求項10】
休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索端末装置であって、
出発地及び目的地の入力と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻の入力とを行う経路探索条件設定手段と、
前記出発地と、前記目的地と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻とを含む経路探索条件を経路探索センタ装置に送信する経路探索条件送信手段と、
前記経路探索センタ装置から、前記出発地から前記目的地までの経路と、休憩地点と、前記出発地から前記目的地までの間の総所要時間とを含む経路探索結果を受信する経路探索結果受信手段とを備えることを特徴とする経路探索端末装置。
【請求項11】
休憩時間を考慮した交通状況の時間変化反映型の経路探索センタ装置であって、
休憩地点の候補となる施設の位置、種類と、前記施設での休憩時間とを蓄積する休憩地点情報蓄積手段と、
過去の交通状況を蓄積する交通状況蓄積手段と、
道路通過時刻における交通状況を前記過去の交通状況から推定する交通状況推定手段と、道路区間の接続情報と、前記道路区間の所要通過時間に基づく道路コストの情報とを蓄積する道路ネットワーク蓄積手段と、
道路ネットワークを構築し、出発地と、目的地と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻とを基準として、前記出発地もしくは前記目的地からの累積の道路通過時刻における交通状況の推定結果を道路コストとして使用し、前記出発地から
前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記出発地と、前記目的地と、前記出発地での出発予定時刻もしくは前記目的地への到着予定時刻とを含む経路探索条件を経路探索端末装置から受信する経路探索条件受信手段と、
前記出発地から前記目的地までの経路と、前記休憩地点と、前記出発地から前記目的地までの間の総所要時間とを含む経路探索結果を前記経路探索端末装置へ送信する経路探索結果送信手段と
を備え、
前記経路探索手段は、経路探索中に走行距離もしくは走行時間の条件に達する毎に、前記条件に達した地点付近の前記休憩地点の検索と前記休憩地点への経路の探索とを行い、前記休憩地点における休憩時間を前記累積の道路通過時刻に反映して交通状況を推定し、前記出発地から前記目的地までの経路を探索することを特徴とする経路探索センタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−192697(P2007−192697A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−11976(P2006−11976)
【出願日】平成18年1月20日(2006.1.20)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】