説明

結核を処置するための組成物

本発明は、式(1)で表される化合物[式中、Rは、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル又は場合により置換されるインドリルであり;Rは、(CH(nは、0、1、2、3又は4である)であり;Rは、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;そして、R3Aは、メチル、イソプロピル、tert−ブチル、OCH、OH、場合により置換されるフェノキシ、C≡CH、C≡N、場合により置換されるフェニル、フラニル又はチエニルであり;Aは、O、S、NH、N(CH)又はCHを意味するXを含有している環であり;そして、Xは、O、S又はNHである]と、式(2)で表される化合物[式中、Rは、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、場合により置換されるインドリル、−NR;又は−NH−N=CH−R9であり;そして、置換基R〜Rは、本明細書に指定される意味を有する]、特にエチオナミドとを含む医薬組成物に関する。前記医薬組成物は、例えば、多剤耐性結核の処置において有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結核及び関連疾患の処置に有用な医薬組成物に関する。
【0002】
発明の背景
毎年最大900万人が結核に罹患し、5000万人が、第一選択薬であるイソニアジド及びリファンピシンの両方に対して耐性である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に現在感染している(WHO、ファクトシート104番、2007年3月)。イソニアジドの構造類似体であるエチオナミド(2−エチルチオイソニコチンアミド、2−エチルピリミジン−4−カルボチオアミド)は、現在、多剤耐性結核(MDR−TB)の処置における最後の砦である。臨床使用されている35年間の間、エチオナミドは、幸運にもイソニアジドとの交差耐性がほとんど誘発されていない。その理由は、それらの抗菌活性を発現するためには両方のプロドラッグが異なるマイコバクテリウムの酵素によって活性化されなければならないためである。しかし、プロドラッグエチオナミドの抗マイコバクテリウム性ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド誘導体への活性化を触媒するモノオキシゲナーゼであるethAはEthRによって抑制されるので、エチオナミドは、肝毒性をもたらす用量で処方し続けられている。血液中において許容しうる濃度としては1g/日以下であることが必要であるが(Holdiness, M. R., Clin Pharmacokinet 1984, 9, 511-44)、これは、神経毒性及び致命的な肝毒性を含む重篤な副作用を伴う。
【0003】
WO2008/003861には、結核及び関連疾患の処置において、エチオナミドの活性を増強する効果を有する化合物が記載されている。本発明者らは、結核の処置において、2−フェニルエチル酪酸塩、認可されている食品添加物、及び関連化合物が、例えばエチオナミド等のチオアミド又はチオ尿素の活性を増強することを見出した(WO2009/080432)。
【0004】
発明の概要
本発明は、式1によって表される化合物:
【化1】


[式中、Rは、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つもしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−、3−もしくは4−ピリジルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−、3−もしくは4−ピリジルであるか;あるいは、
非置換のインドリル、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるインドリルであり;
は、(CH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)であり;
は、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aは、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか;
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−もしくは3−フラニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−フラニルであるか;あるいは、
非置換の2−もしくは3−チエニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bは、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aは、
【化2】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
から選択されるか、
又は、Aは、−C(=X)−Rと共に以下の環:
【化3】


(式中、→は、R−Rへの結合を表す)を形成し;
は、O、S、NH、N(CH)又はCHであり;そして、
は、O、S又はNHである]
と、以下の式2によって表される化合物:
【化4】


[式中、Rは、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、場合により置換されるインドリル、−NR、又は−NH−N=CH−Rであり;
は、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
は、水素又はC−C−アルキルであるか、あるいはR及びRは、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;
は、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
は、水素又はC−Cアルキルであるか、あるいはR及びRは、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;そして、
は、場合により置換されるフェニルである]
とを含む医薬組成物に関する。
【0005】
式1で表される化合物と、エチオナミド、イソキシル、N−アラビノフラノシル−N’−[p−(イソアミルオキシ)フェニル]−チオ尿素、又はチアセタゾンから選択される式2で表される化合物、特にエチオナミドとを含む組成物が最も好ましい。
【0006】
また、本発明は、上に定義された式1で表される新規化合物に関する。
【0007】
本発明は、同様に、結核及び関連疾患の処置において、式1で表される化合物と、例えばエチオナミド等の式2で表される化合物とを含む組成物の使用に関し、そして、結核及び関連疾患を処置する方法であって、式1で表される化合物と、例えばエチオナミド等の式2で表される化合物とを含む組成物を適用することを含む方法に関する。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明は、以下に定義される式1で表される化合物と式2で表される化合物とを含む医薬組成物に関する。本発明は、結核の処置において、EthRがethAプロモーターに結合するのを妨げる化合物が、エチオナミドの活性だけではなく、他のチオアミド又はチオ尿素の活性も実質的に高めるという所見に基く。哺乳動物細胞における合成ネットワークを使用して、EthR-VP16がその同起源のオペレーター部位(OethR-Phsp70min)に結合するのを妨げて、レポーター遺伝子(SEAP)の発現をトランスアクチベートする化合物をスクリーニングすることができる。活性化合物は、ハイブリッドプロモーターからEthRタンパク質を除去して、レポーター遺伝子SEAPの発現を更に阻害する。このアッセイは、活性化合物の同定において非常に厳密であることが証明されており、測定された最小阻害濃度は、ELISAスクリーニング及び微生物病原体におけるスクリーニングからそれぞれ得られた結果によく一致している。したがって、哺乳類の合成スクリーニングネットワークの結果は、病原性のバックグラウンドにおいてみられる内因性の耐性制御ネットワークと適合性が高いことが証明された(WO 2009/080432; Weber et al., PNAS 2008, 105, 9994-8)。
【0009】
式1によって表される化合物:
【化5】


[式中、Rは、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−、3−もしくは4−ピリジルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−、3−もしくは4−ピリジルであるか;あるいは、
非置換のインドリルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるインドリルであり;
は、(CH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)であり;
は、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aは、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−もしくは3−フラニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−フラニルであるか;あるいは、
非置換の2−もしくは3−チエニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bは、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aは、
【化6】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
から選択されるか、
又は、Aは、−C(=X)−Rと共に以下の環:
【化7】


(式中、→は、R−Rへの結合を表す)を形成し;
は、O、S、NH、N(CH)又はCHであり;そして、
は、O、S又はNHである]
は、EthRがethAプロモーターに結合するのを妨げる化合物として有用であることが見出された。したがって、本発明は、式2で表される化合物と共に、前記式1で表される化合物を含む医薬組成物に関する。
【0010】
Aについての部分構造a〜iの表示において、特定の環位(ring position)に位置しない−又は→として表される結合は、このような結合が、まだ完全には置換されていない炭素原子を示す環の任意の位置に結合できることを示す。例えば、部分構造fでは、Rをつなぐ結合は、=Xをつなぐ炭素以外の環炭素位置のいずれに位置してもよい。
【0011】
本発明に係る医薬組成物において、式2で表される化合物:
【化8】


は、式中、
が、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、場合により置換されるインドリル、−NR、又は−NH−N=CH−Rであり;
が、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
が、水素又はC−C−アルキルであるか、あるいはR及びRが、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;
が、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
が、水素又はC−Cアルキルであるか、あるいはR及びRが、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;そして、
が、場合により置換されるフェニルである化合物である。
【0012】
特に指示しない限り、上記及び下記で用いられる一般用語は、本開示の状況の範囲内で以下の意味を有することが好ましい:
【0013】
アルキルは、特にC−C−アルキル、例えばC−C−アルキルである。C−C−アルキルは、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル又はイソ−プロピル)、又はブチル(例えば、n−ブチル、イソ−ブチル、又はtert−ブチル)である。C−C−アルキルは、記載されるようなメチル、エチル、プロピル、又はブチルであるか、あるいはペンチル(例えば、n−ペンチル又はイソペンチル)、又はヘキシル(例えばn−ヘキシル又はイソヘキシル)でもある。
【0014】
場合により置換されるフェニルは、非置換のフェニルであるか、あるいはC−C−アルキル(例えば、メチル)、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、又はイソ−ペントキシ)、C−C−アルキルカルボニル(例えば、アセチル)、C−C−アルキルカルボニルオキシ(例えば、アセトキシ)、C−C−アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ又はエチルアミノ)、ジ−C−C−アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ又はジエチルアミノ)、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ(例えば、アセチルアミノ)、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、又は3つの置換基によって置換されるフェニルである。ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、特に、フルオロ又はクロロである。好ましくは、場合により置換されるフェニルは、フェニルであるか、あるいは、上記置換基のうちの1つ又は2つによって、特に、上記置換基のうちの1つによって、オルト位、メタ位又はパラ位、好ましくはメタ位又はパラ位が置換されたフェニルである。例えば、場合により置換されるフェニルは、フェニル、メチル−又はジメチルフェニル、トリフルオロメチルフェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、アセトキシフェニル、ニトロフェニル、ジニトロフェニル、アミノフェニル、メチルアミノフェニル、ジメチルアミノフェニル、フルオロフェニル、クロロフェニル又はジクロロフェニルである。
【0015】
場合により置換されるピリジルは、2−、3−、又は4−ピリジルであり、非置換であるか、あるいは、C−C−アルキル(例えば、メチル又はエチル)、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ(例えば、メトキシ又はエトキシ)、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ又はエチルアミノ)、ジ−C−C−アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ又はジエチルアミノ)、C−C−アルキルカルボニルアミノ(例えば、アセチルアミノ)、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される。ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、特に、フルオロ又はクロロである。
【0016】
場合により置換されるインドリルは、1H−、2−、3−、4−、5−、6−、又は7−インドリルであり、非置換であるか、あるいは、C−C−アルキル(例えば、メチル又はエチル)、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ(例えば、メトキシ又はエトキシ)、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ(例えば、メチルアミノ又はエチルアミノ)、ジ−C−C−アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ又はジエチルアミノ)、C−C−アルキルカルボニルアミノ(例えば、アセチルアミノ)、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される。
【0017】
場合により置換されるフラニルは、2−又は3−フラニルであり、非置換であるか、あるいはC−C−アルキル(例えばメチル又はエチル)、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ(例えば、メトキシ又はエトキシ)、及びハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、特にフルオロ又はクロロ)から選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される。
【0018】
場合により置換されるチエニルは、2−又は3−チエニルであり、非置換であるか、あるいはC−C−アルキル(例えばメチル又はエチル)、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ(例えば、メトキシ又はエトキシ)、及びハロゲン(例えばフルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、特にフルオロ又はクロロ)から選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される。
【0019】
糖残基は、
式3で表されるアルドペントース類、アラビノース、リキソース、リボース及びキシロースから選択されるL−フラノシル又はD−フラノシル;
式4で表されるアルドヘキソース類、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロースから選択されるL−ヘキソフラノシル又はD−ヘキソフラノシル;
式5で表されるケトヘキソース類、フルクトース、プシコース、ソルボース及びタガトースから選択されるL−ヘキソフラノシル又はD−ヘキソフラノシル;
式6で表されるアルドヘキソース類、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース及びタロースから選択されるL−ピラノシル又はD−ピラノシル;あるいは、
式7で表されるケトヘキソース類、フルクトース、プシコース、ソルボース及びタガトースから選択されるL−ピラノシル又はD−ピラノシル;
【化9】


であって、ヒドロキシ基のうちの1つ、2つ、3つ、又は4つが、メチル化、ベンジル化、又はアセチル化されてもよく、あるいは1つのヒドロキシ基が、水素、ハロゲン、メチルアミノ、エチルアミノ、又はアセトアミドによって置換されてもよい。
【0020】
上述の通り、式1で表される化合物は有益な特性を有する。これらの特性は、以下の試験で判定される:
【0021】
pWW489及びpWW491(Weber et al., PNAS 2008, 105, 9994-8)を安定して発現する細胞株のクローン集団を、表1に示される様々な量のそれぞれの化合物で処理する。化合物又は溶媒(w/o)の添加の48時間後に、分泌されたレポータータンパク質SEAPを含有する上清を分析する。未処理の状態(w/o)のSEAPレベルを100%として設定する。表1は、500nMol(0.5)〜300μMol(300)までの様々な濃度のそれぞれの化合物の存在下でのSEAP発現によって反映される相対的なEthR−VP16活性をまとめる。
【0022】
このプロドラッグの抗マイコバクテリウム性ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド誘導体への変換はEthAによって媒介されているので、結核菌の増殖は、エチオナミドの存在下で著しく阻害される。EthRが媒介するethA転写の抑制は、かなり高い臨床用量(1g/日以下、Holdiness, M. R., Clin Pharmacokinet 1984, 9, 511-44)のエチオナミドを必要とし、これは、神経毒性及び致命的な肝毒性を含む重篤な副作用を伴うが、血流において最小阻害レベルに達するには不十分であることが多い。したがって、ethAの抑制を解除する、2−フェニルエチル酪酸塩誘発性のethAプロモーターからのEthRの解離は、エチオナミドに基づく治療に対するマイコバクテリウム属の感受性を高める。治療用量(cmax[250mg経口]=2μg/mL、t1/2=2時間)によって容易に到達する、阻害濃度(0.16及び5μg/mL)以下のエチオナミドの存在下における結核菌H37Rvの増殖は、0.5〜40.5μMolの2−(4−フルオロフェノキシ)−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)エタン−1−オン(実施例15の化合物)、3−フェニル−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン(実施例16の化合物)及び2−フェニル−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)エタン−1−オン(実施例17の化合物)によって用量依存的に阻害される(表2を参照されたい)。これらの3種の化合物単独では増殖阻害効果を全く示さないので、前記化合物は、病原体を殺傷するためにはエチオナミドと相乗的に作用しなければならない。
【0023】
【表1】

【0024】
【表2】

【0025】
好ましくは、本発明は、以下に好ましい化合物として指定される式1で表される化合物と、以下に好ましい化合物として指定される式2で表される化合物とを含む医薬組成物、それ自体、好ましい化合物として指定される式1で表される新規化合物に関する。
【0026】
具体的には、本発明は、
式1で表される化合物[式中、
は、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−、3−もしくは4−ピリジルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−、3−もしくは4−ピリジルであるか;あるいは、
非置換のインドリルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるインドリルであり;
は、(CH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)であり;
は、(CHCH、(CHOCH、(CHOH、(CHC≡CH、又は(CHC≡N(式中、mは0、1、2又は3である)であり;
Aは、上に定義された部分構造a〜d及びf〜iから選択され;
は、O、S、NH、N(CH)又はCHであり;そして、
は、O、S又はNHである]と;
上に定義された式2で表される化合物、例えば、エチオナミド、イソキシル、N−アラビノフラノシル−N’−[p−(イソアミルオキシ)フェニル]−チオ尿素、又はチアセタゾンから選択される化合物、特に化合物エチオナミドとを含む医薬組成物に関する。
【0027】
本発明の医薬組成物における式1で表される好ましい化合物は、式中、
が、非置換のフェニルであるか、又はトリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるフェニルであるか;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジルであるか、又はトリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換される2−、3−、もしくは4−ピリジルであるか;あるいは非置換のインドリルであるか、又はトリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−もしくは3−フラニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−フラニルであるか;あるいは、
非置換の2−もしくは3−チエニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜iから選択され;
が、O、S、NH、N(CH)又はCHであり;そして、
が、O、S又はNHである化合物である。
【0028】
本発明の医薬組成物において同様に好ましい式1で表される化合物は、式中、
が、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるフェニルであるか;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換される2−、3−、又は4−ピリジルであるか;あるいは、非置換のインドリルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−もしくは3−フラニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−フラニルであるか;あるいは、
非置換の2−もしくは3−チエニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜iから選択され;
が、O、NH又はN(CH)であり;そして、
が、O、S又はNHである化合物である。
【0029】
本発明の医薬組成物においてより好ましい式1で表される化合物は、式中、
が、非置換のフェニル;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジル;又は非置換のインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−又は3−フラニルであるか、あるいは
非置換の2−又は3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜iから選択され;
が、O、NH又はN(CH)であり;そして、
が、Oである化合物である。
【0030】
本発明の医薬組成物において同様に好ましい式1で表される化合物は、式中、
が、非置換のフェニル;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジル;又は非置換のインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CHCH、(CHC≡CH又は(CHC≡N(式中、mは2又は3である)であり;
Aが、上に定義された部分構造a〜d及びf〜iから選択され;
が、O、NH又はN(CH)であり;そして、
が、Oである化合物である。
【0031】
本発明の医薬組成物において更により好ましい式1で表される化合物は、式中、
が、フェニル又は2−、3−、もしくは4−ピリジルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH;CH(CH;C(CH;OCH;OR3B;非置換のフェニル;又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるフェニル;2−もしくは3−フラニル;又は2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニル、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜hから選択され;
が、O又はNHであり;そして、
が、Oである化合物である。
【0032】
本発明の医薬組成物において特に好ましい式1で表される化合物は、式中、
が、フェニル又は2−、3−、もしくは4−ピリジルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH;CH(CH;C(CH;OCH;OR3B;フェニル;2−フラニル;又は2−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニル又はハロゲンによって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a、b、c、e、f、g、及びhから選択され;
が、O又はNHであり;そして、
が、Oである化合物である。
【0033】
本発明の医薬組成物において最も好ましい式1で表される化合物は、実施例の化合物である。
【0034】
本発明の医薬組成物において好ましい式2で表される化合物は、式中、
が、場合により置換されるピリジル、NR又は−NH−N=CH−Rであり;
が、水素、場合により置換されるフェニル、又は糖残基であり;
が、水素であり;
が、場合により置換されるフェニル又は糖残基であり;
が、水素であり;そして、
が、場合により置換されるフェニルである化合物である。
【0035】
本発明の医薬組成物において更により好ましい式2で表される化合物は、式中、
が、置換ピリジル、NR、又は−NH−N=CH−Rであり;
が、水素、置換フェニル、又は糖残基であり;
が、水素であり;
が、置換フェニル又は糖残基であり;
が、水素であり;そして、
が、置換フェニルである化合物である。
【0036】
本発明の医薬組成物において最も好ましい式2で表される化合物は、式中、
が、C−C−アルキルにより置換されるピリジル、NR、又は−NH−N=CH−Rであり;
が、水素、C−C−アルコキシによって置換されるフェニル、又は糖残基であり;
が、水素であり;
が、C−C−アルコキシによって置換されるフェニル、又は糖残基であり;
が、水素であり;そして、
が、C−C−アルキルカルボニルアミノによって置換されるフェニルである化合物である。
【0037】
本発明の医薬組成物において特に好ましい式2で表される化合物は、式中、Rが、C−C−アルキルによって置換される4−ピリジルであり;Rが、水素又は糖残基であり;そして、Rが、水素である化合物;特に、式8:
【化10】


で表されるエチオナミド、
式中、Rが、−NH−N=CH−Rであり;Rが、水素又は糖残基であり;Rが、水素であり;そして、Rが、C−C−アルキルカルボニルアミノによって置換されるフェニルである化合物;特に、式9:
【化11】


で表されるチアセタゾン、
式中、Rが、−NRであり;Rが、C−C−アルコキシによって置換されるフェニルであり;Rが、水素であり;Rが、C−C−アルコキシによって置換されるフェニル、又は糖残基であり;そして、Rが、水素である化合物;特に、式10:
【化12】


で表されるイソキシル、
あるいはイソキシル類似体である、式11:
【化13】


で表されるN−アラビノフラノシル−N’−[p−(イソアミルオキシ)フェニル]−チオ尿素である。
【0038】
式1で表される化合物と、エチオナミド、イソキシル、N−アラビノフラノシル−N’−[p−(イソアミルオキシ)フェニル]−チオ尿素、又はチアセタゾンから選択される式2で表される化合物、特にエチオナミドを含む組成物が最も好ましい。
【0039】
本明細書に記載される式1で表される化合物と、本明細書に記載される式2で表される化合物とを含む本発明に係る医薬組成物は、式1で表される化合物と式2で表される化合物との混合物を含む医薬組成物であってもよく、あるいは、式1で表される化合物及び式2で表される化合物の2つの別々の製剤であって、一緒にパッケージ化されているか別々に提供される2つの製剤であってもよい。
【0040】
式1で表される化合物は、公知であるか、又は当技術分野において周知の方法に従って製造することができる。
【0041】
式2で表される化合物は、公知であるか、又は以下のように製造することができる:
【0042】
チオアミド、すなわち、式中、Rが場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は場合により置換されるインドリルである式2で表される化合物は、式HNRで表されるアミンを式R−COOHで表されるカルボン酸と反応させて、式R−CO−NRで表されるアミドを形成することにより得ることができる。前記アミドをローソン試薬又は五硫化リンと反応させて、式2で表されるチオアミドを得る。前記チオアミドを合成する別の方法は、式R−CH=Oで表されるアルデヒド及び式HNRで表されるアミンを用いるヴィルゲロット反応のキンドラー修飾を介し、硫黄の存在下でこれらを反応させる。
【0043】
チオ尿素、すなわち、式中Rが−NRである式2で表される化合物は、臭化物を、チオシアン酸カリウムと反応させて、式R−N=C=S又はR−N=C=Sで表されるイソチオシアナートを得、これをそれぞれ式HNR又はHNRで表されるアミンと反応させることにより得ることができる。
【0044】
対応するヒドラゾン、すなわち、式中Rが−NH−N=CH−Rである式2で表される化合物は、式R−CH=Oで表されるアルデヒドと式RN−(C=S)NH−NHで表されるヒドラジノカルボチオアミドとを反応させることにより得ることができる。
【0045】
また、本発明は、上に定義された式1で表される新規化合物に関する。
【0046】
具体的には、本発明は、式1で表される化合物:
【化14】


[式中、
は、フェニル又は2−ピリジルであり;Rは、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
は、(CH3A(式中、mは、1、2、又は3である)であり;R3Aは、CH又はフェニルであり;
Aは、
【化15】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
であるか、又は、Aは、−C(=X2)−Rと共に以下の環:
【化16】


(式中、→は、R−Rへの結合を表す)を形成し;
は、Oであり;そして、Xは、Oである;
あるいは、式中、
は、フェニルであり;Rは、結合であり;Rは、(CHCHであり;
Aは、
【化17】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
であり;
は、Oであり;そして、Xは、Oである]に関する。
【0047】
より好ましくは、本発明は、式1で表される化合物:
[式中、Rは、フェニルであり;Rは、(CH(式中、nは、0又は1である)であり;
は、(CH3A(式中、mは、1、2又は3である)であり;そして、R3Aは、CH又はフェニルであり;
Aは、
【化18】


であり;そして、
は、Oである]に関する。
【0048】
同様に、本発明は、式1で表される化合物:
[式中、Rは、フェニルであり;Rは、結合であり;Rは、(CHCHであり;
Aは、
【化19】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
であり;
は、Oであり;そして、Xは、Oである]に関する。
【0049】
実施例2、4〜12、22〜27、31、及び33の化合物が最も好ましい。
【0050】
本発明は、同様に、結核及び関連疾患の処置において、式1で表される化合物と、式2で表される化合物(例えば、エチオナミド)を含む組成物の使用に関し、そして、結核及び関連疾患を治療する方法であって、式1で表される化合物と式2で表される化合物(例えば、エチオナミド)とを含む組成物を適用する方法に関する。
【0051】
本発明は、上に定義された式1で表される化合物と、上に定義された式2で表される化合物、好ましくはエチオナミドとを含む医薬組成物に関する。
【0052】
結核の処置において有用である医薬組成物に、ethAプロモーターにEthRが結合するのを妨げる式1で表される化合物を添加すると、チオアミド又はチオ尿素、すなわち、式2で表される化合物の用量を実質的に低減することができ、それによって有効性を低下させることなく公知の副作用を低減することができる。
【0053】
本発明の医薬組成物は、結核、すなわち結核菌によって引き起こされる疾患の処置に有用であるだけではなく、対応するethA関連プロモータに結合するEthR関連タンパク質を有する関連細菌、特に、ライ菌(Mycobacterium leprae)、マイコバクテリウム・ウルセランス(Mycobacterium ulcerans)、マイコバクテリウム・マリヌム(Mycobacterium marinum)、マイコバクテリウム属MCS株(Mycobacterium sp. MCS)、マイコバクテリウム属KMS株(Mycobacterium sp. KMS)、マイコバクテリウム属JLS株(Mycobacterium sp. JLS)、マイコバクテリウム・バンバアレニイ(Mycobacterium vanbaalenii)、ヨーネ菌(Mycobacterium avium subsp. paratuberculosis)、トリ型結核菌(Mycobacterium avium)、スメグマ菌(Mycobacterium smegmatis)、マイコバクテリウム・ギルバム(Mycobacterium gilvum)、マイコバクテリウム・アブセサス(Mycobacterium abscessus)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、魚類の細菌性腎臓病菌(Renibacterium salmoninarum)、マイコバクテリウム・ギルバム、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)、リケニホルミス菌(Bacillus licheniformis)、クロストリジウム・スピロフォルム(Clostridium spiroforme)、及び炭疽菌(Bacillus anthracis)によって引き起こされる疾患の処置にも有用である。このような疾患は、ハンセン病、ブルーリ潰瘍性疾患、非定型抗酸菌症、ヨーネ病及びクローン病、ホットタブ肺、女性ウィンダミア症候群、慢性肺疾患、外傷後創感染、中耳腔換気用チューブ後耳漏、播種性皮膚疾患、アシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染、咽頭炎、膿痂疹、丹毒、蜂巣炎、壊死性筋膜炎、猩紅熱、中毒性ショック敗血症、腹膜炎、眼炎、下痢及び脾脱疽である。
【0054】
本発明に係る医薬組成物は、鼻腔内、頬側、直腸内、特に経口投与等の腸内投与用組成物、及び静脈内、筋肉内又は皮下投与等の非経口投与用組成物である。前記組成物は、好ましくは薬学的に許容しうる担体と共に式1で表される化合物と式2で表される化合物とを含む。活性成分の投薬量は、患者、患者の年齢、体重及び個々の状態、個々の薬物動態学的データ、及び投与方法に依存する。
【0055】
また、本発明は、ヒト又は動物の身体を予防的に又は特に治療的に管理するための方法、具体的には、結核、ハンセン病、ブルーリ潰瘍性疾患、非定型抗酸菌症、ヨーネ病及びクローン病、ホットタブ肺、女性ウィンダミア症候群、慢性肺疾患、外傷後創感染、中耳腔換気用チューブ後耳漏、播種性皮膚疾患、アシネトバクター・バウマンニによって引き起こされる感染、咽頭炎、膿痂疹、丹毒、蜂巣炎、壊死性筋膜炎、猩紅熱、中毒性ショック敗血症、腹膜炎、眼炎、下痢及び脾脱疽を処置する方法において使用するための上記医薬組成物に関する。
【0056】
前記医薬組成物は、相対モル量が1:1〜1:10,000、好ましくは1:10〜1:5000である、式1で表される化合物と式2で表される化合物との混合物を約5%〜約95%含む。単回用量投与形態は、約20%〜約90%の上記混合物を含み、そして、単回用量型ではない形態は、約5%〜約20%の上記混合物を含む。例えば、単位剤形は、コーティング錠及び素錠、アンプル、バイアル、坐剤又はカプセル剤である。さらなる剤形は、例えば、軟膏、クリーム、ペースト、発泡体、チンキ剤、口紅、ドロップ、シロップ、スプレー等である。例は、活性成分の混合物を約0.05g〜約1.0g含有するカプセル剤である。
【0057】
また、2つの別々の医薬単位剤形で式1で表される化合物と式2で表される化合物との混合物を使用することも可能であり、このような組み合わせも本発明の一部である。例えば、キットの一部として、式1で表される化合物を0.5g〜約5.0g含む異なる又は同一の単位剤形と組み合わせて、式2で表される化合物(例えば、エチオナミド)を、約0.01g〜約0.5gの量で使用することができ、例えば、市販されている単位剤形は、0.05g〜約0.5gのエチオナミドを含む。
【0058】
本発明の医薬組成物は、例えば、従来の混合、造粒、コーティング、溶解、乳化、又は凍結乾燥の手段を用いて、それ自体公知の方法で調製される。任意で、式1で表される化合物をリポソーム中で製剤化してもよい。
【0059】
非経口投与の場合、活性成分の溶液が好ましく、また、例えば活性成分を単独で又は例えばマンニトール等の担体と共に含む凍結乾燥された組成物の場合、懸濁液、エマルション、又は、分散液、特に、等張水溶液、分散液、エマルション、又は懸濁液を、使用前に作製してもよい。医薬組成物は、殺菌されてもよく、及び/又は、例えば、保存剤、安定剤、湿潤剤及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調整するための塩及び/又はバッファ等の賦形剤を含んでもよく、そして、例えば、従来の溶解及び凍結乾燥法の手段を用いて、それ自体公知の方法で調製される。前述の溶液又は懸濁液は、粘度上昇剤、典型的には、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含んでもよく、又は、可溶化剤、例えば、Tween 80(登録商標)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレアート)も含んでもよい。
【0060】
油中の懸濁液は、油成分として、注入目的のために通常用いられている植物性の、合成の、又は半合成の油を含む。これに関して、8〜22個、特に12〜22個の炭素原子を有する長鎖脂肪酸を酸成分として含有する液体脂肪酸エステルは特筆に値し得る。これらの脂肪酸エステルのアルコール成分は、最高6つの炭素原子を有し、そして、一価の又は多価の、例えば一価の、二価の、又は三価のアルコール、特にグリコール及びグリセロールである。脂肪酸エステルの混合物として、綿実油、アーモンドオイル、オリーブ油、ヒマシ油、ゴマ油、ダイズ油及びラッカセイ油等の植物油が、特に有用である。
【0061】
例えば、アンプル又はバイアルへの充填及び容器の密封と同様に、注入可能な製剤の製造は、通常無菌条件下で行われる。
【0062】
経口組成物に適する担体は、特に充填剤、糖類(例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトール又はソルビトール等)、セルロース製剤、及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウム等)、ならびにまた、結合剤(例えば、トウモロコシの、コムギの、コメの又はジャガイモのデンプン等のデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン)、及び/又は必要に応じて、上述のデンプン等の崩壊剤、またカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸又はその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)である。さらなる賦形剤は、特に、滑沢剤及び潤滑剤、例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸又はステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム等のステアリン酸の塩、及び/又はポリエチレングリコールもしくはその誘導体である。
【0063】
錠剤のコアは、とりわけ、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタンを含んでもよい濃縮糖溶液、あるいは適切な有機溶媒又は混合溶媒中のコーティング溶液、あるいは、腸溶性コーティングの調製の場合は、フタル酸アセチルセルロース又はフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の適切なセルロース製剤の溶液の使用を通して、適切な、場合により、腸溶性のコーティングを備えてもよい。例えば、識別目的のために、又は活性成分の用量が異なることを示すために、染料又は色素を錠剤又は錠剤コーティングに添加してもよい。
【0064】
また、経口投与用医薬組成物は、ゼラチンからなる硬質カプセル、そして、ゼラチンとグリセロール又はソルビトール等の可塑剤とからなる軟質密閉カプセルも含む。前記硬質カプセルは、例えば、トウモロコシデンプン等の充填剤、結合剤、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシウム等の流動促進剤、そして、場合により安定剤と混合された顆粒の形態の活性成分を含有してもよい。前記軟質カプセルでは、脂肪油、パラフィン油又は液体のポリエチレングリコール、又はエチレンもしくはプロピレングリコールの脂肪酸エステル等の適切な液体賦形剤に活性成分を溶解、乳化、又は懸濁することが好ましく、これに、安定剤及び界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル型を添加してもよい。
【0065】
直腸投与に適している医薬組成物は、例えば、活性成分と坐剤基剤との組合せから成る坐剤である。適切な坐剤基剤は、例えば、天然の又は合成のトリグリセリド、パラフィン族炭化水素、ポリエチレングリコール、又はより高級なアルカノールである。
【0066】
本発明は、更に、結核及び関連疾患を処置するための方法であって、このような処置を必要としている温血動物に、前記疾患に対して有効な量の式1で表される化合物と式2で表される化合物との混合物を投与することを含む方法に関する。前記混合物は、このような処置を必要としている温血動物、例えばヒトに対して、好ましくは結核又は関連疾患に対して有効な量で、予防的又は治療的に、前記混合物を含む医薬組成物の形態で投与されてもよく、又は同時にもしくは同日内の異なる時間に、別々に成分が投与されてもよい。体重約70kgの個体の場合には、投与される混合物の日用量は、約0.01g〜約50g、好ましくは約0.05g〜約10gの、1:1〜1:10,000の相対量の成分を含有する混合物である。
【0067】
また、本発明は、特に、それ自体、あるいは、別々に又は固定の組み合わせのいずれかで投与される、エチオナミド等の式2で表される化合物と組み合わせて、結核を治療的に及び予防的に管理するために、少なくとも1つの薬学的に許容しうる担体を含む医薬製剤の形態である、式1で表される化合物の使用に関する。各場合において使用されるべき医薬製剤の好ましい用量、組成、及び調製については、上記の通りである。
【0068】
以下の実施例は、本発明をその範囲に限定することなく、本発明を例証するためのものである。
【0069】
実施例
ベクターの設計
オリゴヌクレオチドOWW400及びOWW401(Weber W. et al., PNAS 2008, 105, 9994-8)を用いてウシ型結核菌(M.bovis)のゲノムDNAからPCRを用いてethRを増幅させ、次いで、制限酵素処理し、そして、pWW35(Weber, W. et al., Nat Biotechnol 2002, 20, 901-7)にライゲーション(EcoRI/BssHII)することによって、pWW489(PSV40-ethR-vp16-pA)を構築する。合成のOethR配列(Weber W. et al., PNAS 2008, 105, 9994-8) (AatII/SbfI)をpMF172 (Weber, W. et al., 上記)に直接クローニングすることによって、pWW491(OethR-Phsp70min-SEAP-pA)を得る。pWW489(EcoRI/BamHI)のethR-vp16をpMSCVneo (Clontech)にクローニングすることによって、pWW871(5’LTR- Ψ +-ethR-vp16-PPGK-neoR-3’LTR)を設計した。
【0070】
細胞培養
10%のウシ胎仔血清(Pan Biotech GmbH, Aidenbach, Germany, カタログ番号3302, ロットP231902)及び1%のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(Sigma, St. Louis, MO, USA, カタログ番号4458)を添加したダルベッコ変法イーグル培地(DMEM;Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)において、ヒト胎児腎臓細胞(HEK-293, ATCC CRL-1573)を培養する。標準的なリン酸カルシウム手順(Weber W. et al., 上記)を使用して細胞をトランスフェクションし、製造業者のプロトコール (Clontech)に従ってレトロウイルス粒子を生成させる。HEK-293にpWW871由来のレトロウイルス粒子を形質導入し、次いで、200μg/mLのネオマイシンを含有するDMEM中で選別し、そして、単離細胞をクローニングすることによって、恒常的にEthR-VP16を発現させるためのトランスジェニックであるEthRHEKを構築する。pWW491及びpPUR (Clontech)でEthRHEKをコトランスフェクションし、次いで、200μg/mLのネオマイシン、1μg/mLのピューロマイシン中で選別し、次いで、単離細胞クローニングを行って、EthRHEK-SEAPを得た。Schlatter, S. et al., Gene 2002, 282, 19-31に記載されているようにSEAP産生を定量する。
【0071】
EpiCenter TB eXiSTソフトウェアを備えるMGIT 960システムを使用するマイコバクテリアの培養及び感受性試験
対数期の中間部まで、オレイン酸、アルブミン、デキストロース、カタラーゼ(Difco)及びTween 80(0.05%)を添加したMiddlebrook 7H9中でM. tuberculosis H37Rv (ATCC27294)を増殖させる。
【0072】
薬剤感受性試験については、製造業者のマニュアルに従ってMGIT 960システム(Becton Dickinson)を使用した。MGITチューブに、0.8mLのMGIT 960 SIRE supplement (Becton Dickison)及び0.2mLの薬物溶液を添加した。前記チューブに、0.5mLの試験株懸濁液を接種した。対照として、薬物を含まないMGITチューブに、1:100で希釈された試験株の(無菌HO)懸濁液0.5mLを接種した。TB eXiSTモジュール(Becton Dickinson)を備えるEpiCenterソフトウェア(バージョン5.6.6)によって細菌の増殖をモニタリングし、増殖単位(GU)として表した。薬物を含まない対照チューブのGU値が400に達するよりも早く、試験チューブのGUが≧100に達したとき、その株を薬物に対して耐性(R)であるとみなした。対照チューブが400GUに達し、そして、対照チューブが400GUに達した後7日間超、試験チューブが≦100GUのままであったとき、その株を感受性(S)であると定義した。対照チューブが400GUに達した後7日間以内に、試験チューブのGUが≧100に達したとき、その株を中間(I)であるとみなした。
【0073】
液体クロマトグラフィー(LC)
HPLCカラム:逆相、Zorbax SB-C18 1.8μm 4.6X15mm Rapid Resolutionカートリッジ;波長:210nm〜400nm;HPLC装置の型:Agilent 1100、フォトダイオードアレイ検出器(PDA);MS装置の型:Agilent SL、ポジティブ/ネガティブモードの切り替え、イオン化モード ESI。
【0074】
LCMシステム01(LCM01):勾配01
溶媒A:アセトニトリル/水(95:5)、0.1%のギ酸;溶媒B:水、0.1%のギ酸;
【表3】

【0075】
LCMシステム02(LCM02):勾配02
溶媒A:水、0.1%のギ酸;溶媒B:メタノール、0.1%のギ酸
【表4】

【0076】
実施例1:1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ブタン−1−オン
【化20】


1−ベンジルピペラジン(352mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ブタノイル(266mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:1)によって粗物質を精製する。1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、432mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 247.0 (M+H)+, Rt = 0.511 分 (LCMS 01)
【0077】
実施例2:1−(4−(ピリジン−2−イルメチル)ピペラジン−1−イル)ブタン−1−オン
【化21】


1当量の1−Boc−ピペラジン及び3当量のトリエチルアミンのテトラヒドロフラン(THF)溶液に、テトラヒドロフラン中1当量の(2−ブロモメチル)ピリジンヒドロブロミドを滴下する。室温で一晩撹拌した後、真空下で反応混合物を濃縮してテトラヒドロフランを除去し、そして、ジエチルエーテルに再懸濁させる。溶液を濾過して、トリエチルアミンヒドロブロミドを除去する。ジエチルエーテルで残渣を洗浄し、真空下で濾液を濃縮する。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0078】
1−Boc−4−(ピリジン−2−イルメチル)ピペラジンをジエチルエーテルに溶解させ、そして、飽和HCl/ジエチルエーテルで処理して、Boc基を除去する。1時間撹拌した後、真空下で溶媒を除去し、1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペラジンヒドロクロリドを得る。
【0079】
1当量の1−(ピリジン−2−イルメチル)ピペラジンヒドロクロリドの無水ジクロロメタン溶液に、1.5当量の塩化ブタノイル及び2.5当量のトリエチルアミンを添加する。室温で6時間撹拌した後、真空下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルに再溶解させる。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下で酢酸エチルを除去し、そして、カラムクロマトグラフィーによって粗生成物を精製する。
【0080】
実施例3:1−(2−フェニルモルホリノ)ブタン−1−オン
【化22】


2−フェニルモルホリン(326mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ブタノイル(266mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:3)によって粗物質を精製する。1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、378mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO/CCl4, 400 MHz) δ: 7.38 (m, 5 H), 4.37 (m, 2 H), 4.00 (m, 1 H), 3.85 (m, 1 H), 3.55 (m, 1 H), 3.14 (m, 1 H), 2.66 (m, 1 H), 1.86 (m, 2 H), 1.54 (m, 2 H), 0.92 (t, 3 H).
【0081】
実施例4:1−(2−(ピリジン−4−イル)モルホリノ)ブタン−1−オン
【化23】


1当量の2−アミノ−1−(ピリジン−3−イル)エタノール及び3当量のトリエチルアミンのテトラヒドロフラン溶液に、1当量の2−ブロモエタノールを滴下する。室温で一晩撹拌した後、真空下で反応混合物を濃縮してテトラヒドロフランを除去し、そして、ジエチルエーテルに再懸濁させる。溶液を濾過して、トリエチルアミン臭化水素酸塩を除去する。ジエチルエーテルで残渣を洗浄し、真空下で濾液を濃縮する。結晶化によって粗2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを精製する。
【0082】
F. Zymalkowski and F. Koppe (Arch. Pharmaz. 1961, 294, 453-468)に従って、170℃にて2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−1−(ピリジン−4−イル)エタノールを発煙硫酸で処理することにより、2−(ピリジン−4−イル)モルホリンを調製する。
【0083】
2−(ピリジン−4−イル)モルホリンの無水ジクロロメタン溶液に、1.5当量の塩化ブタノイル及び2.5当量のトリエチルアミンを添加する。室温で6時間撹拌した後、真空下で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルに再溶解させる。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下で酢酸エチルを除去し、そして、カラムクロマトグラフィーによって粗1−(2−(ピリジン−4−イル)モルホリノ)ブタン−1−オンを精製する。
【0084】
実施例5:1−フェネチル−3−プロピルピロリジン−2−オン
【化24】


水素化ナトリウムの存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド中の2−ピロリドン及び2−ブロモエチルベンゼンから1−フェニルエチル−2−ピロリドンを調製する(M.Matsukawa et al. NeuroToxicology 2004, 25, 293-302)。
【0085】
−78℃の、2Mのリチウムジイソプロピルアミンのテトラヒドロフラン溶液に、1−フェニルエチル−2−ピロリドンを添加し、そして、−78℃で1.5時間混合物を撹拌する。次いで、1−プロピルブロミドを添加し、−78℃で更に1.5時間反応物を撹拌する。反応混合物を0℃に加温した後、酢酸を含む氷冷水を添加し、続いて、ジクロロメタンで3回抽出する。真空下でジクロロメタンを濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO及びブラインで洗浄する。真空下で溶媒を除去した後、粗1−フェネチル−3−プロピルピロリジン−2−オンを得る。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0086】
実施例6:3−プロピル−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−2−オン
【化25】


(M.Matsukawa et al., NeuroToxicology 2004, 25, 293-302に従って)水素化ナトリウムの存在下で、N,N−ジメチルホルムアミド中の2−ピロリドン及び2−ブロモエチルベンゼンから1−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−2−オンを調製する。
【0087】
−78℃の、2MのリチウムジイソプロピルアミンのTHF溶液に、1−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)ピロリジン−2−オンを添加し、−78℃で1.5時間混合物を撹拌する。次いで、1−プロピルブロミドを添加し、−78℃で更に1.5時間反応物を撹拌する。反応混合物を0℃に加温した後、酢酸を含む氷冷水を添加し、続いて、ジクロロメタンで3回抽出する。真空下でジクロロメタンを濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO及びブラインで洗浄する。真空下で溶媒を除去した後、粗3−プロピル−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチルピロリジン−2−オンを得る。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0088】
実施例7:5−ベンジル−3−プロピルピロリジン−2−オン
【化26】


S. Lebrun et al. (Tetrahedron Asymmetry 2003, 14, 2625-2632)に従って、ピロリジン−2,5−ジオン及び臭化ベンジルから5−ベンジルピロリジン−2−オンを合成する。
【0089】
−78℃の、2MのリチウムジイソプロピルアミンのTHF溶液に、5−ベンジルピロリジン−2−オンを添加し、そして、−78℃で1.5時間混合物を撹拌する。次いで、1−プロピルブロミドを添加し、−78℃で更に1.5時間反応物を撹拌する。反応混合物を0℃に加温した後、酢酸を含む氷冷水を添加し、続いて、ジクロロメタンで3回抽出する。真空下でジクロロメタンを濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO及びブラインで洗浄する。真空下で溶媒を除去した後、粗5−ベンジル−3−プロピルピロリジン−2−オンを得る。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0090】
実施例8:3−プロピル−5−(ピリジン−2−イルメチル)ピロリジン−2−オン
【化27】


S. Lebrun et al. (Tetrahedron Asymmetry 2003, 14, 2625-2632)に従って、ピロリジン−2,5−ジオン及び2−(ブロモメチル)ピリジンから5−(ピリジン−2−イルメチル)ピロリジン−2−オンを合成する。
【0091】
−78℃の、2MのリチウムジイソプロピルアミンのTHF溶液に、5−(ピリジン−2−イルメチル)ピロリジン−2−オンを添加し、−78℃で1.5時間混合物を撹拌する。次いで、1−プロピルブロミドを添加し、−78℃で更に1.5時間反応物を撹拌する。反応混合物を0℃に加温した後、酢酸を含む氷冷水を添加し、続いて、ジクロロメタンで3回抽出する。真空下でジクロロメタンを濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO及びブラインで洗浄する。真空下で溶媒を除去した後、粗3−プロピル−5−(ピリジン−2−イルメチル)ピロリジン−2−オンを得る。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0092】
実施例9:4−エチル−1−フェネチル−1H−ピロール−2(5H)−オン
【化28】


R. Fisher (DE 4127111, 1992)の手順に従って、70℃の氷酢酸中において、メチル3−ホルミルペンタノアートと2−フェニルエチルアミンとを環縮合させることによって、4−エチル−1−フェネチル−1H−ピロール−2(5H)−オンを合成する。
【0093】
実施例10:4−エチル−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−1H−ピロール−2(5H)−オン
【化29】


R. Fisher (DE 4127111, 1992)の手順に従って、70℃の氷酢酸中において、メチル3−ホルミルペンタノアート及び2−(ピリジン−2−イル)エタンアミンとを環縮合させることによって、4−エチル−1−(2−(ピリジン−2−イル)エチル)−1H−ピロール−2(5H)−オンを合成する。
【0094】
実施例11:5−ベンジル−3−プロピルジヒドロフラン−2(3H)−オン
【化30】


W. Steglich and P. Gruber (Angew. Chem., 1971, 83, 727-728)に記載の通り、アミノ酸のバリン及び2−フェニル酢酸から出発して、4−オキソ−5−フェニルペンタン酸を調製する。
【0095】
NaBHで4−オキソ−5−フェニルペンタン酸を還元し、続いて、塩化水素で処理して、5−ベンジルピロリジン−2−オンを得る(C. Ketterer et al., Tetrahedron Asymmetry 2006, 17, 3046-3050)。
【0096】
−78℃の、2MのリチウムジイソプロピルアミンのTHF溶液に、5−ベンジルピロリジン−2−オンを添加し、そして、−78℃で1.5時間混合物を撹拌する。次いで、1−プロピルブロミドを添加し、−78℃で更に1.5時間反応物を撹拌する。反応混合物を0℃に加温した後、酢酸を含む氷冷水を添加し、続いて、ジクロロメタンで3回抽出する。真空下でジクロロメタンを濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO及びブラインで洗浄する。真空下で溶媒を除去した後、粗5−ベンジル−3−プロピルジヒドロフラン−2(3H)−オンを得る。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0097】
実施例12:3−プロピル−5−(ピリジン−2−イルメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オン
【化31】


W. Steglich and P. Gruber (Angew. Chem., 1971, 83, 727-728)の方法に従って、バリン及び2−(ピリジン−2−イル)酢酸から4−オキソ−5−(ピリジン−2−イル)ペンタン酸を合成する。
【0098】
4−オキソ−5−(ピリジン−2−イル)ペンタン酸をNaBHで還元し、次いで、塩化水素で処理して、5−(ピリジン−2−イルメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オンを得る(出典:C. Ketterer et al., Tetrahedron Asymmetry 2006, 17, 3046-3050)。
【0099】
−78℃の、2MのリチウムジイソプロピルアミンのTHF溶液に、5−(ピリジン−2−イルメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オンを添加し、−78℃で1.5時間混合物を撹拌する。次いで、1−プロピルブロミドを添加し、−78℃で更に1.5時間反応物を撹拌する。反応混合物を0℃に加温した後、酢酸を含む氷冷水を添加し、続いて、ジクロロメタンで3回抽出する。真空下でジクロロメタンを濃縮し、残渣をジクロロメタンに溶解させ、飽和NaHCO及びブラインで洗浄する。真空下で溶媒を除去した後、粗3−プロピル−5−(ピリジン−2−イルメチル)ジヒドロフラン−2(3H)−オンを得る。生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製する。
【0100】
実施例13:1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)ブタン−1−オン
【化32】


3−フェニルピロリジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ブタノイル(266mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)ブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、378mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO/CCl4, 400 MHz) δ: 7.25 (m, 5 H), 3.87 (m, 1 H), 3.65 (m, 1 H), 3.35 (m, 3 H), 2.20 (m, 3 H), 2.00 (m, 1 H), 1.60 (m, 2 H), 0.97 (t, 3 H).
LCMS ESI+: 218.2 (M+H)+, Rt = 1.086 分 (LCMS 02)
【0101】
実施例14:1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)−2−(チオフェン−2−イル)エタン−1−オン
【化33】


2−フェニルモルホリン(326mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、チオフェン−2−イル−アセチルクロリド(401.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:3)によって粗物質を精製する。1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)−2−(チオフェン−2−イル)エタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、511mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 288.2 (M+H)+, Rt= 1.546 分 (LCMS 02)
【0102】
実施例15:2−(4−フルオロフェノキシ)−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)エタン−1−オン
【化34】


3−フェニルピロリジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、(4−フルオロ−フェノキシ)−アセチルクロリド(471.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。2−(4−フルオロフェノキシ)−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)エタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、495mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO, 300 MHz) δ: 7.30 (m, 5 H), 6.94 (m, 4 H), 4.63 (m, 2H), 3.95 (m, 1 H), 3.68 (m, 2H), 3.40 (m, 2H), 2.31 (m, 1 H), 2.03 (m, 1 H).
【0103】
実施例16:3−フェニル−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)プロパン−1−オン
【化35】


3−フェニルピロリジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3−フェニル−プロピオニルクロリド(421.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:5)で粗物質を精製する。3−フェニル−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)プロパン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、521mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO/CCl4, 300 MHz) δ: 7.15 (m, 10 H), 3.85 (m, 1 H), 3.62 (m, 1 H), 3.45 (m, 3H), 2.82 (m, 2 H), 2.55 (m, 2 H), 2.28 (m, 1H), 1.94 (m, 1 H).
【0104】
実施例17:2−フェニル−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)エタン−1−オン
【化36】


3−フェニルピロリジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、フェニル−アセチルクロリド(386.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:5)で粗物質を精製する。2−フェニル−1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)エタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、465mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO/CCl4, 300 MHz) δ: 7.12 (m, 10 H), 3.96 (m, 1 H), 3.61 (m, 3 H), 3.38 (m, 3H), 2.39 (m, 1H), 2.01 (m, 1 H).
【0105】
実施例18:1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−(フラン−2−イル)プロパン−1−オン
【化37】


1−ベンジルピペラジン(352mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3−(フラン−2−イル)プロピオニルクロリド(396.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:2)で粗物質を精製する。1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)−3−(フラン−2−イル)プロパン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、497mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 299.2 (M+H)+, Rt = 0.361 分 (LCMS 01)
1H-NMR (D6-DMSO/CCl4, 400 MHz) δ: 7.35 (s, 1 H), 7.27 (s, 4 H), 7.21 (s, 1H), 6.26 (s, 1 H), 6.02 (s, 1H), 3.45 (m, 6H), 2.83 (m, 2 H), 2.59 (m, 2 H), 2.34 (s, 4 H).
【0106】
実施例19:3−メチル−1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ブタン−1−オン
【化38】


2−フェニルモルホリン(326mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3−メチル−ブチリルクロリド(301.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:3)によって粗物質を精製する。3−メチル−1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、465mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 7.43 (m, 5 H), 4.56 (m, 1 H), 4.36 (m, 1 H), 4.03 (m, 1 H), 3.74 (m, 1 H), 3.63 (m, 1 H), 3.20 (m, 1 H), 2.74 (m, 1 H), 2.18 (m, 3 H), 0.95 (m, 6 H).
【0107】
実施例20:3,3−ジメチル−1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ブタン−1−オン
【化39】


2−フェニルモルホリン(326mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3,3−ジメチル−ブチリルクロリド(336.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。3,3−ジメチル−1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、438mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 7.34 (m, 5 H), 4.60 (m, 1 H), 4.35 (m, 1 H), 4.03 (m, 1 H), 3.80 (m, 1 H), 3.61 (m, 1 H), 3.18 (m, 1 H), 2.71 (m, 1 H), 2.24 (m, 2 H), 1.03 (s, 9 H).
【0108】
実施例21:3−フェニル−1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)プロパン−1−オン
【化40】


2−フェニルモルホリン(326mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3−フェニルプロピオニルクロリド(421.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。3−フェニル−1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)プロパン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、528mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ: 7.36 (m, 5 H), 7.25 (m, 4 H), 7.17 (m, 1 H), 4.33 (m, 1 H), 4.30 (m, 1 H), 3.94 (m, 1 H), 3.81 (m, 1 H), 3.47 (m, 1 H), 3.11 (m, 1 H), 2.67 (m, 5 H).
【0109】
実施例22:3−フェニル−1−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)プロパン−1−オン
【化41】


2−フェニルアゼチジン(266mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3−フェニルプロピオニルクロリド(421.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。3−フェニル−1−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)プロパン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、397mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 266.0 (M+H)+, Rt = 1.193 分 (LCMS 02).
【0110】
実施例23:4−フェニル−1−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)ブタン−1−オン
【化42】


2−フェニルアゼチジン(266mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、4−フェニルブチリルクロリド(456.6mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:5)で粗物質を精製する。4−フェニル−1−(2−フェニルアゼチジン−1−イル)ブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、488mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 280.2 (M+H)+, Rt = 1.239 分 (LCMS 02).
【0111】
実施例24:3−フェニル−1−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)プロパン−1−オン
【化43】


3−フェニルアゼチジン(266mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3−フェニルプロピオニルクロリド(421.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。3−フェニル−1−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)プロパン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、421mgの無色の油状物を得る。
【0112】
実施例25:1−(3−ベンジルアゼチジン−1−イル)−3−フェニルプロパン−1−オン
【化44】


3−ベンジルアゼチジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、3−フェニルプロピオニルクロリド(421.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:5)で粗物質を精製する。エチル1−(3−ベンジルアゼチジン−1−イル)−3−フェニルプロパン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、432mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 280.0 (M+H)+, Rt = 1.216 分 (LCMS 02).
【0113】
実施例26:4−フェニル−1−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)ブタン−1−オン
【化45】


3−フェニルアゼチジン(266mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、4−フェニルブチリルクロリド(456.6mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:5)で粗物質を精製する。4−フェニル−1−(3−フェニルアゼチジン−1−イル)ブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、467mgの無色の油状物を得る。
【0114】
実施例27:1−(3−ベンジルアゼチジン−1−イル)−4−フェニルブタン−1−オン
【化46】


3−ベンジルアゼチジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、4−フェニルブチリルクロリド(456.6mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:5)で粗物質を精製する。1−(3−ベンジルアゼチジン−1−イル)−4−フェニルブタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、479mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 294.2 (M+H)+, Rt = 1.305 分 (LCMS 02).
【0115】
実施例28:1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ペンタン−1−オン
【化47】


1−ベンジルピペラジン(352mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ペンタノイル(301mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:1)によって粗物質を精製する。1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ペンタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、416mgの無色の油状物を得る。
LCMS ESI+: 261.2 (M+H)+, Rt = 0.705 分 (LCMS 01).
【0116】
実施例29:1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ヘキサン−1−オン
【化48】


1−ベンジルピペラジン(352mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ヘキサノイル(336.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:1)によって粗物質を精製する。1−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)ヘキサン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、453mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ: 7.31 (m, 4 H), 7.36 (m, 1 H), 3.44 (m, 2 H), 2.30 (m, 8 H), 1.49 (m, 2 H), 1.26 (broad s, 6 H), 0.85 (t, 3 H).
LCMS ESI+: 275.2 (M+H)+, Rt = 0.794 分 (LCMS 01).
【0117】
実施例30:1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ペンタン−1−オン
【化49】


2−フェニルモルホリン(326mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ペンタノイル(301mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ペンタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、412mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ: 7.37 (m, 5 H), 4.36 (m, 2 H), 3.98 (bs, 1 H), 3.85 (m, 1 H), 3.55 (m, 1 H), 3.14 (m, 1 H), 2.66 (m, 1 H), 2.35 (m, 2 H), 1.50 (bs, 2 H), 1.32 (bs, 2 H), 0.89 (t, 3 H).
LCMS ESI+: 248.2 (M+H)+, Rt= 1.138 分 (LCMS 02).
【0118】
実施例31:1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ヘキサン−1−オン
【化50】


2−フェニルモルホリン(326mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ヘキサノイル(336.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。1−(2−フェニルモルホリン−4−イル)ヘキサン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、437mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO, 400 MHz) δ: 7.38 (m, 5 H), 4.36 (m, 2 H), 3.98 (bs, 1 H), 3.84 (m, 1 H), 3.55 (m, 1 H), 3.13 (m, 1 H), 2.66 (m, 1 H), 2.35 (m, 2 H), 1.51 (bs, 2 H), 1.28 (bs, 4 H), 0.87 (bs, 3 H).
【0119】
実施例32:1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)ペンタン−1−オン
【化51】


3−フェニルピロリジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ペンタノイル(301mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)ペンタン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、378mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO/CCl4, 400 MHz) δ: 7.26 (m, 5 H), 3.84 (m, 1 H), 3.65 (m, 1 H), 3.45 (m, 3 H), 2.23 (broad s, 3 H), 2.00 (m, 1 H), 1.55 (m, 2 H), 1.36 (m, 2 H), 0.95 (m, 3 H).
LCMS ESI+: 232.2 (M+H)+, Rt = 1.192 分 (LCMS 02).
【0120】
実施例33:1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)ヘキサン−1−オン
【化52】


3−フェニルピロリジン(294mg、2mmol)の無水ジクロロメタン(6mL)溶液を氷浴中で冷却し、そして、塩化ヘキサノイル(336.5mg、2.5mmol、1.25当量)及びトリエチルアミン(417μL、3mmol、1.5当量)を添加する。室温で6時間撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で反応混合物を希釈する。次いで、1MのKHSO、5%のNaHCO、及びブラインで有機溶液を洗浄する。NaSOで乾燥させた後、真空下でジクロロメタンを除去し、そして、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/トルエン1:4)で粗物質を精製する。1−(3−フェニルピロリジン−1−イル)ヘキサン−1−オンを含有している画分を回収し、そして、真空下で溶媒を除去して、405mgの無色の油状物を得る。
1H-NMR (D6-DMSO/CCl4, 400 MHz) δ: 7.16 (m, 5 H), 3.94 (m, 1 H), 3.60 (m, 1 H), 3.32 (m, 3 H), 2.24 (broad s, 3 H), 1.95 (m, 1 H), 1.52 (m, 2 H), 1.28 (m, 4 H), 0.98 (m, 3 H).
LCMS ESI+: 246.2 (M+H)+, Rt = 1.274 分 (LCMS 02).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1によって表される化合物:
【化53】


[式中、Rは、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つもしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−、3−もしくは4−ピリジルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−、3−もしくは4−ピリジルであるか;あるいは、
非置換のインドリル、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるインドリルであり;
は、(CH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)であり;
は、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aは、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか;
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−もしくは3−フラニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−フラニルであるか;あるいは、
非置換の2−もしくは3−チエニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bは、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aは、
【化54】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
から選択されるか、
又は、Aは、−C(=X)−Rと共に以下の環:
【化55】


(式中、→は、R−Rへの結合を表す)を形成し;
は、O、S、NH、N(CH)又はCHであり;そして、
は、O、S又はNHである]
と、以下の式2によって表される化合物:
【化56】


[式中、Rは、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、場合により置換されるインドリル、−NR、又は−NH−N=CH−Rであり;
は、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
は、水素又はC−C−アルキルであるか、あるいはR及びRは、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;
は、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
は、水素又はC−Cアルキルであるか、あるいはR及びRは、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;そして、
は、場合により置換されるフェニルである]
とを含む医薬組成物。
【請求項2】
式1で表される化合物において、
が、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−、3−もしくは4−ピリジルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−、3−もしくは4−ピリジルであるか;あるいは、
非置換のインドリルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、2、3又は4である)であり;
が、(CHCH、(CHOCH、(CHOH、(CHC≡CH、又は(CHC≡N(式中、mは0、1、2又は3である)であり;
Aが、上に定義された部分構造a〜d及びf〜iから選択され;
が、O、S、NH、N(CH)又はCHであり;そして、
が、O、S又はNHである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
式1で表される化合物において、
が、非置換のフェニルであるか、又はトリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるフェニルであるか;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジルであるか、又はトリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換される2−、3−、もしくは4−ピリジルであるか;あるいは非置換のインドリルであるか、又はトリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−もしくは3−フラニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−フラニルであるか;あるいは、
非置換の2−もしくは3−チエニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜iから選択され;
が、O、S、NH、N(CH)又はCHであり;そして、
が、O、S又はNHである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
式1で表される化合物において、
が、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるフェニルであるか;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、及びジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換される2−、3−、又は4−ピリジルであるか;あるいは、非置換のインドリルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つの置換基によって一置換されるインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−もしくは3−フラニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−フラニルであるか;あるいは、
非置換の2−もしくは3−チエニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換される2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルカルボニルオキシ、C−C−アルキルチオ、ニトロ、アミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ−C−C−アルキルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜iから選択され;
が、O、NH又はN(CH)であり;そして、
が、O、S又はNHである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
式1で表される化合物において、
が、非置換のフェニル;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジル;又は非置換のインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、0、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH、CH(CH;C(CH、OCH、OH、OR3B、C≡CH、C≡Nであるか、
非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、又は3つの置換基によって置換されるフェニルであるか;
非置換の2−又は3−フラニルであるか、あるいは
非置換の2−又は3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニルであるか、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つ、2つ、もしくは3つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜iから選択され;
が、O、NH又はN(CH)であり;そして、
が、Oである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
式1で表される化合物において、
が、非置換のフェニル;非置換の2−、3−、もしくは4−ピリジル;又は非置換のインドリルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CHCH、(CHC≡CH又は(CHC≡N(式中、mは2又は3である)であり;
Aが、上に定義された部分構造a〜d及びf〜iから選択され;
が、O、NH又はN(CH)であり;そして、
が、Oである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
式1で表される化合物において、
が、フェニル又は2−、3−、もしくは4−ピリジルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH;CH(CH;C(CH;OCH;OR3B;非置換のフェニル;又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるフェニル;2−もしくは3−フラニル;又は2−もしくは3−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニル、又はC−C−アルキル、トリフルオロメチル、C−C−アルコキシ、及びハロゲンから選択される1つもしくは2つの置換基によって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a〜hから選択され;
が、O又はNHであり;そして、
が、Oである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
式1で表される化合物において、
が、フェニル又は2−、3−、もしくは4−ピリジルであり;
が、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、1、2、3又は4である)であり;
3Aが、CH;CH(CH;C(CH;OCH;OR3B;フェニル;2−フラニル;又は2−チエニルであり;そして、式中、
3Bが、非置換のフェニル又はハロゲンによって置換されるフェニルであり;
Aが、上に定義された部分構造a、b、c、e、f、g、及びhから選択され;
が、O又はNHであり;そして、
が、Oである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
式2で表される化合物において、
が、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、場合により置換されるインドリル、−NR、又は−NH−N=CH−Rであり;
が、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
が、水素又はC−C−アルキルであるか、あるいはR及びRが、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;
が、水素、C−C−アルキル、場合により置換されるフェニル、場合により置換されるピリジル、又は糖残基であり;
が、水素又はC−Cアルキルであるか、あるいはR及びRが、これらが結合しているN原子と共にピロリジン、ピペリジン又はモルホリンになり;そして、
が、場合により置換されるフェニルである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
式2で表される化合物において、
が、C−C−アルキルにより置換されるピリジル、NR、又は−NH−N=CH−Rであり;
が、水素、C−C−アルコキシによって置換されるフェニル、又は糖残基であり;
が、水素であり;
が、C−C−アルコキシによって置換されるフェニル、又は糖残基であり;
が、水素であり;そして、
が、C−C−アルキルカルボニルアミノによって置換されるフェニルである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
式2で表される化合物が、チアセタゾン、イソキシル、又はN−アラビノフラノシル−N’−[p−(イソアミルオキシ)フェニル]−チオ尿素である、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項12】
式2で表される化合物がエチオナミドである、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項13】
式1で表される化合物及び式2で表される化合物が、2つの別々の医薬単位剤形中に存在する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
式1で示される化合物:
【化57】


[式中、
は、フェニル又は2−ピリジルであり;Rは、(CH(式中、nは、0、1、又は2である)であり;
は、(CH3A(式中、mは、1、2、又は3である)であり;R3Aは、CH又はフェニルであり;
Aは、
【化58】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
であるか、又は、Aは、−C(=X2)−R3と共に以下の環:
【化59】


(式中、→は、R−Rへの結合を表す)を形成し;
は、Oであり;そして、Xは、Oである;
あるいは、式中、
は、フェニルであり;Rは、結合であり;Rは、(CHCHであり;
Aは、
【化60】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
であり;
は、Oであり;そして、Xは、Oである]。
【請求項15】
が、フェニルであり;Rが、(CH(式中、nは、0又は1である)であり;
が、(CH3A(式中、mは、1、2又は3である)であり;そして、R3Aが、CH又はフェニルであり;
Aが、
【化61】


であり;そして、
が、Oである、請求項14に記載の式1の化合物。
【請求項16】
が、フェニルであり;Rが、結合であり;Rが、(CHCHであり;
Aが、
【化62】


(式中、−は、C(=X)−Rへの結合を表し、→は、R−Rへの結合を表す)
であり;
が、Oであり;そして、Xが、Oである、請求項14に記載の式1の化合物。
【請求項17】
結核及び関連疾患の治療において、請求項1に記載の式1で表される化合物及び式2で表される化合物を含む医薬組成物の使用。
【請求項18】
ヒトを含む温血動物の結核及び関連疾患を処置する方法であって、請求項1に記載の式1で表される化合物及び式2で表される化合物を含む組成物を、それを必要としている患者に適用することを含む方法。

【公表番号】特表2012−530765(P2012−530765A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516757(P2012−516757)
【出願日】平成22年6月25日(2010.6.25)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059044
【国際公開番号】WO2010/149761
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(511311956)バイオヴァーシス・アーゲー (1)
【氏名又は名称原語表記】BIOVERSYS AG
【Fターム(参考)】