説明

自動車の舵角検出装置

【課題】自動車の停止時にバッテリーの電力消費を抑制しつつ、自動車の運転開始直後からステアリングホイールの舵角を正確に検出できるようにする。
【解決手段】ステアリングホイールの舵角を検知する舵角センサ8と、この舵角センサ8を所定周期で監視してステアリングホイールの舵角が変化したか否かを判別する舵角操作監視手段24と、自動車の走行駆動装置を作動または停止させる始動スイッチ(IGスイッチ)の出力信号に応じて上記走行駆動装置が停止状態にあることが検知された場合に、上記舵角操作監視手段24による舵角センサ8の監視周期を通常時に比べて長い値に変更する監視周期変更手段25とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールの舵角を検出する自動車の舵角検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に示されるように、自動車の直進時に舵角センサの零点位置を特定するとともに、この零点位置に対する相対舵角、つまり零点位置からの舵角変化に基づいてステアリングホイールの舵角を把握するように構成されたロータリエンコーダからなる舵角センサを有する自動車の舵角検出装置において、自動車の運転開始直後に、所定の条件下で車両が直進状態にあると判定された時点で零点位置を特定した後、自動車の走行状態に応じて上記零点位置を適宜補正することが行われている。
【特許文献1】特開平06−234370号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に開示されているように、ロータリエンコーダからなる舵角センサを用いてステアリングホイールの舵角を検出するように構成した場合には、安価な装置により上記舵角を正確に検出できるという利点を有する反面、車両の直進時に検出された回転基準位置を零点位置に設定し、この零点位置からの相対舵角に基づいて自動車の操舵角度を検出するように構成されているので、自動車の運転開始直後から上記零点位置が設定されるまでの間は、自動車の操舵角度を検出することが不可能である。このため、自動車の運転開始直後には、ステアリングホイールの舵角に基づいて走行状態の制御、例えば加速時に駆動輪のスリップを抑制するトラクション制御、制動時に車輪のロックを防止するABS制御、または旋回時に自動車の横滑りを防止する制御等を適正に実行することができないという問題がある。
【0004】
なお、自動車の運転停止後においても、上記舵角センサの検出信号に応じてステアリングホイールが操作されたか否かを検知し、その値を記憶手段に記憶させるように構成した場合には、自動車の運転開始直後から上記零点位置からの相対舵角に基づいてステアリングホイールの舵角を正確に検出するとともに、この舵角に基づいて走行状態の制御を実行することができる。しかし、上記のように自動車の運転停止状態で、舵角センサの検出信号に応じたステアリングホイールの舵角変化を検知する制御を実行すると、自動車の運転停止状態が長期間に亘って継続された場合に、バッテリーの電力が消費されてバッテリー上がりが発生する等の問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、自動車の停止時にバッテリーの電力消費を抑制しつつ、自動車の運転開始直後からステアリングホイールの舵角を正確に検出することができる自動車の舵角検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、ステアリングホイールの舵角を検知する舵角検知手段と、この舵角検知手段を所定周期で監視してステアリングホイールの舵角が変化したか否かを判別する舵角操作監視手段と、自動車の走行駆動装置を作動または停止させる始動スイッチの出力信号に応じて上記走行駆動装置が停止状態にあることが検知された場合に、上記舵角操作監視手段による舵角検知手段の監視周期を通常時に比べて長い値に変更する監視周期変更手段とを備えたものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の自動車の舵角検出装置において、舵角の零点位置を特定する零点位置特定手段と、この零点位置からの舵角変化量をカウントするカウント手段とを備え、上記監視周期変更手段により舵角検知手段の監視周期が通常時の値よりも長い値に設定された状態で、上記舵角操作監視手段によりステアリングホイールの舵角に所定の変化が生じたと判別された場合に、上記零点位置特定手段により上記カウント手段のカウント値を初期化して新たに零点位置を特定するように構成したものである。
【0008】
請求項3に係る発明は、上記請求項1または2に記載の自動車の舵角検出装置において、ドアがロック状態にあるかアンロック状態にあるかを検知するドアロック検知手段を備え、このドアロック検知手段によりドアがアンロック状態にあることが検知された場合に、上記監視周期変更手段を作動させることなく上記舵角検知手段の監視周期を通常時の値に設定するものである。
【0009】
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車の舵角検出装置において、車室内における乗員の有無を検知する乗員検知手段を備え、この乗員検知手段により乗員の存在が確認された場合に、上記監視周期変更手段を作動させることなく上記舵角検知手段の監視周期を通常時の値に設定するものである。
【0010】
請求項5に係る発明は、上記請求項2に記載の自動車の舵角検出装置において、上記舵角操作監視手段により検出された舵角検出手段の出力値が予め設定された基準値よりも大きい場合に、上記零点位置設定手段によりカウント手段のカウント値を初期化して新たに零点位置を特定するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、始動スイッチの出力信号等に応じて走行駆動装置が停止時にあることが検知された場合には、舵角操作監視手段による舵角検出手段の監視周期を通常時に比べて長い値に変更することにより、バッテリーの電力消費を抑制しつつ、上記舵角検出手段の出力信号に応じて舵角変化を検出することができ、この舵角変化を記憶手段に記憶させて舵角の零点位置データを保持することができるため、自動車の運転開始直後から、上記零点位置を基準とした舵角変化に応じてステアリングホイールの舵角を正確に検出し、この値に基づいてトラクション制御等を適正に実行できるという利点がある。
【0012】
請求項2に係る発明によれば、ステアリングホイールの舵角に所定の変化が生じたと判別された場合に、零点位置特定手段によりカウント手段のカウント値を初期化して新たに零点位置を特定するように構成したため、上記エンジン等の停止状態で乗員によるステアリングホイールの急激な操作が行われたこと等に起因して正確に舵角を検出できなくなるという事態の発生を防止し、運転開始後に上記零点位置特定手段により新たに特定された零点位置を基準として上記ステアリングホイールの舵角を正確に検出できるとともに、これに基づいてトラクション制御等の走行制御を適正に実行できるという利点がある。
【0013】
請求項3に係る発明では、エンジン等からなる走行駆動装置の停止状態でドアがロック状態にあることを条件として舵角操作監視手段による舵角検出手段の監視周期を通常時に比べて長い値に変更するように構成したため、上記走行駆動装置の停止状態で車室内に滞在した乗員によるステアリングホイールが操作されること等に起因して零点位置のデータが実際の操作中央位置からずれた状態で、舵角が誤検出されるという事態の発生を効果的に防止することができる。
【0014】
請求項4に係る発明によれば、エンジン等からなる走行駆動装置が停止状態で車室内に乗員が滞在していることが確認された場合には、通常時と同様に上記舵角検出手段を監視するように構成したため、ステアリングホイールの舵角変化を記憶手段に記憶させて舵角の零点位置データを保持することにより、零点位置のデータが実際の操作中央位置からずれた状態となるのを防止して舵角を正確に検出できるという利点がある。
【0015】
請求項5に係る発明によれば、エンジン等の停止状態で乗員によるステアリングホイールの急激な操作が行われること等に起因して上記舵角の変化が生じた場合に、正確な舵角の検出が行うことができなくなるという事態の発生を効果的に防止しつつ、風等の自然現象によって車が少し揺れることで上記舵角変化が生じた場合には、ステアリングホイールの舵角変化を記憶手段に記憶させて舵角の零点位置データを保持することにより、自動車の運転開始直後から自動車の操舵角度に対応したトラクション制御等の走行制御を適正に実行できるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係る舵角検出装置を備えた自動車の概略構成を示し、この自動車には、運転者の操作に応じてステアリングシャフト1を回転駆動するステアリングホイール2と、このステアリングホイール2に設けられたステアリングギア3と、このステアリングギア3により駆動されて左右前輪4,5の向きを変化させるタイロッド22と、左右前輪4,5および左右後輪6,7の回転速度を検出する回転速度センサ41〜71と、上記ステアリングホイール2の舵角を検知する舵角センサ8からなる舵角検出手段と、車体の左右両側部に設けられたドア9,10がロック状態にあるかアンロック状態にあるかを検出するドアロックセンサ11,12からなるドアロック検知手段とが設けられている。
【0017】
また、上記自動車の車室内には、運転席13および助手席14に乗員が着座した状態にあるか否かを検出するシート重量センサ15,16からなる乗員検知手段と、自動車の電子キー(無線キー)の出力信号を受信する受信器17と、エンジンまたは電動モータ等からなる自動車の走行駆動装置を始動または停止させるIGスイッチ18等からなる始動スイッチと、車室内における乗員の有無を検出する赤外線センサ19からなる乗員検知手段とが設けられている。
【0018】
そして、上記回転速度センサ41〜71、舵角センサ8、ドアロックセンサ11,12、シート重量センサ15,16、受信器17、IGスイッチ18および赤外線センサ19の出力信号がバスラインを介して自動車のコントロールユニット20に入力されるとともに、このコントロールユニット20に設けられた図外のトラクション制御手段、ABS制御手段または横滑り抑制手段から、自動車の運転状態に対応した制御信号が各車輪4〜7のブレーキユニット21に出力されることにより、従来周知のトラクション制御、ABC制御または横滑りを抑制するいわゆるダイナミック・スタビリティー・コントロール(DSC)が実行されるようになっている。
【0019】
上記コントロールユニット20には、図2に示すように、舵角センサ8を所定周期で監視してステアリングホイール2の舵角が変化したか否かを判別する舵角操作監視手段24と、この舵角操作監視手段24による舵角センサ8の監視周期を必要に応じて通常時に比べて長い値に変更する監視周期変更手段25と、ステアリングホイール2の操作中央位置である舵角の零点位置を特定する零点位置特定手段26と、この零点位置からの舵角変化量をカウントするカウント手段27とが設けられている。
【0020】
エンジン等からなる走行駆動装置が作動状態にある通常時には、1msecに設定された通常の監視周期毎に舵角センサ8の出力信号を読み込み、この検知信号の出力パターンと、前回(現時点よりも1msec前)の制御時における検知信号の出力パターンとを比較することにより、ステアリングホイール2の舵角が変化したか否かを判別する制御が上記舵角操作監視手段24において実行されるようになっている。上記通常時の監視周期である1msecは、ステアリング操作時の最速操舵角度として求められた1000Deg/s程度に基づいて設定されたものであり、上記監視周期(1msec)の間に1Degを超えるテアリング操作が行われることがないことを前提としている。このように監視周期を設定することにより、上記舵角センサ8の出力信号に応じてステアリングホイール2の操作方向および操作角度を常時、正確に検出することができる。
【0021】
上記舵角センサ8は、図3に示すように、ステアリングシャフト1と一体に回転する回転板29と、この回転板29の板面に相対向して配設された発光ダイオード30と、この発光ダイオード30から照射された光を受光するフォトダイオード31とを有するロータリエンコーダ等からなっている。また、上記回転板29の外周部には、発光ダイオード30から照射した光を透過する透孔が円周方向に所定間隔で配列された3相のスリット列32a〜32cと、ステアリングホイール2の回転基準位置に設けられた基準孔34とが形成されている。
【0022】
そして、上記ステアリングシャフト1および回転板29の回転に応じ、上記発光ダイオード30から照射した光が上記スリット列32a〜32cの透孔および基準孔34を通過してフォトダイオード31に入力されることにより、図4に示すように、A〜C,Z相のパルス信号が得られるようなっている。このA〜C,Z相のパルス信号は、上記3層のスリット列32a〜32cの透孔および基準孔34を光が通過する際にHi信号が出力されるとともに、光の通過が遮断された時点でLow信号が出力されることにより形成され、上記各スリット列32a〜32cを構成する透孔の配列状態に応じて信号の出力パターンが1Deg毎に変化するものである。また、上記基準孔34を光が通過した時点でZ相にHi信号が出力され、このZ相のHi信号に応じてステアリングホイール2が回転基準位置に到達したことが検知されるようになっている。
【0023】
上記舵角操作監視手段24は、舵角センサ8の出力信号に応じてステアリングホイール2の舵角が変化したと判別された場合に、その舵角の変化方向を上記パルス信号の出力パターンに応じて判別し、この判別結果に応じて上記カウント手段27のカウント値を増減する制御が実行されるように構成されている。例えば、上記パルス信号の出力パターンに応じてステアリングホイール2が右旋回方向に操作されたと判別された場合には、上記カウント手段27のカウント値を1Deg(1度)だけ増加させ、逆にステアリングホイール2が左旋回方向に操作されたと判別された場合には、上記カウント手段27のカウント値を1Degだけ低減させる制御が舵角操作監視手段24において実行され、これにより上記零点位置特定手段26において予め特定された零点位置からの舵角変化量が、上記カウント手段27のカウント値に基づいて検出できるようになっている。
【0024】
上記監視周期変更手段25は、IGスイッチ18からなる始動スイッチによりエンジンの停止操作が行われてエンジンが停止状態にあること、つまり停車状態にあることが検知されるとともに、上記ドアロックセンサ11,12の出力信号に応じてドア9,10がロック状態にあることが検知された場合に、上記舵角操作監視手段24による舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)よりも長い値、例えば4msecに変更するように構成されている。
【0025】
そして、上記監視周期変更手段25により舵角センサ8の監視周期が長い値(4msec)に変更された停車状態で、舵角操作監視手段24においてステアリングホイール2の舵角変化が予め設定された基準値(1Deg)に対応した舵角変化が生じたと判別された場合には、これに対応して上記カウント手段27のカウント値を増減し、また上記基準値(1Deg)よりも大きい舵角変化が生じたと判別された場合には、上記零点位置特定手段26によりカウント手段27のカウント値を初期化して新たに零点位置を特定する制御が実行されるようになっている。
【0026】
すなわち、上記舵角センサ8から出力されるパルス信号を4msec毎に読み込み、このパルス信号の出力パターンと、前回の制御時における検知信号の出力パターンとを比較することにより、ステアリングホイール2の舵角が上記基準値よりも大きい2Deg以上の変化が生じたか否かを判別するように構成されている。上記停車状態の監視周期である4msecは、ステアリングホイール2の舵角変化が発生した場合に、この舵角変化がステアリング操作により生じたか否かを上記パルス信号の出力パターンに応じて判別し得るように設定されたものであり、この点については後述する。
【0027】
また、上記零点位置特定手段26は、停車状態で舵角変化が生じた後に自動車の運転が開始された時点で、各車輪4〜7の回転速度を検知する上記回転速度センサ41〜71の検知信号に応じて車両が直進状態にあるか否かを判定し、直進状態にあると判定された時点で上記舵角センサ8から出力される検知信号に応じてステアリングホイール2の回転基準位置を検出するとともに、この回転基準位置が検出された時点で上記カウント手段27のカウント値を0にリセット(初期化)することにより、上記回転基準位置が検出された時点における操舵位置を零点位置として特定するように構成されている。
【0028】
上記のように構成された自動車の舵角検出装置において実行される制御動作を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御動作がスタートすると、まず上記IGスイッチ18からOFF信号が出力されたエンジンの停止状態にあるか否かを判定し(ステップS1)、YESと判定された場合には、エンジンの停止状態でステアリングホイール2を操作する所定のステアリング操作があったことを示す舵角変化フラグをOFF状態とする(ステップS2)。
【0029】
その後、上記ドアロックセンサ11,12の出力信号に応じてドア9,10がロック状態にあるか否かを判定し(ステップS3)、YESと判定されて上記ドア9,10がロック状態にあることが確認された場合には、上記監視周期変更手段25により、舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)よりも長い値(4msec)に変更する(ステップS4)。次いで、上記監視周期(4msec)が経過したか否かを判定し(ステップS5)、YESと判定された時点で、上記舵角センサ8の出力信号に応じ、ステアリングホイール2の舵角変化が予め設定された基準値(1Deg)よりも大きいか否かを上記舵角操作監視手段24において判定する(ステップS6)。このステップS6でYESと判定された場合には、エンジンの停止状態で所定のステアリング操作があったことを表示する上記舵角変化フラグをON状態にセットする(ステップS7)。
【0030】
一方、上記ステップS3でNOと判定されてドア9,10がアンロック状態にあることが確認された場合には、上記監視周期変更手段25を作動させることなく、舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に設定した後(ステップS8)、この監視周期(1msec)が経過したか否かを判定し(ステップS9)、YESと判定された時点で、後述する舵角カウント制御を実行する(ステップS10)。また、上記ステップS6でNOと判定されてステアリングホイール2の舵角変化が予め設定された基準値(1Deg)よりも大きく変化した状態にないことが確認された場合にも、上記ステップS10に移行して舵角カウント制御を実行する。
【0031】
次いで、上記IGスイッチ18からON信号が出力されたか否かを判別することによりエンジンの始動操作が行われた否かを判定し(ステップS11)、NOと判定された場合には、上記ステップS3に移行して上記の制御動作を繰り返す。そして、上記ステップS11でYESと判定されてエンジンの始動操作が行われたことが確認された時点で、上記舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に設定した後(ステップS12)、舵角変化フラグがONにセットされた状態にあるか否かを判定する(ステップS13)。
【0032】
上記ステップS13でYESと判定されてエンジンの停止状態で所定のステアリング操作が行われたために、舵角変化フラグがONにセットされた状態にあることが確認された場合には、上記零点位置特定手段26により後述する零点位置の設定制御を実行した後(ステップS14)、下記の舵角カウント制御を実行する(ステップS15)。また、上記ステップS13でNOと判定され、上記舵角変化フラグがOFF状態であることが確認された場合には、その時点で上記ステップS15に移行して舵角カウント制御を実行する。
【0033】
次に、上記ステップS10,S15で実行される舵角カウント制御動作を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御動作がスタートすると、まず上記監視周期変更手段25により監視周期が変更された状態、つまり上記舵角センサ8の監視周期が通常時の値(1msec)よりも長い値(4msec)に変更された状態にあるか否かを判定する(ステップS21)。このステップS21でYESと判定されて舵角センサ8の監視周期が4msecに設定された状態にあることが確認された場合には、この監視周期(4msec)が経過したか否かを判定し(ステップS22)、YESと判定された時点で、上記舵角センサ8から出力されたパルス信号の出力パターンを記憶している記憶手段から出力パターンの前回値を読み込む(ステップS23)。
【0034】
一方、上記ステップS21でNOと判定されて舵角センサ8の監視周期が通常時の値(1msec)に設定された状態にある場合には、この監視周期(1msec)が経過したか否かを判定し(ステップS24)、YESと判定された時点で、上記ステップS23に移行して出力パターンの前回値を読み込む。
【0035】
次いで、上記舵角センサ8の出力信号に応じて現時点におけるパルス信号の出力パターン(今回値)を読み込んだ後(ステップS25)、上記出力パターンの前回値と今回値とを比較することにより両出力パターンが同一であるか否かを判定する(ステップS26)。このステップS26でYESと判定され、上記出力パターンの前回値と今回値とが同一であって舵角変化が生じていないことが確認された場合には、カウント手段27のカウント値を増減することなく、そのままリターンする。
【0036】
上記ステップS26でNOと判定されることにより舵角変化が生じたことが確認された場合には、上記舵角センサ8から出力されたパルス信号の出力パターンに基づいてステアリングホイール2の操作方向が右旋回方向であるか否かを判定し(ステップS27)、YESと判定された場合には、上記カウント手段27のカウント値を1Degだけ増加させる(ステップS28)。上記パルス信号の出力パターンが、例えば図4のαに示す値(Hi・Hi・Hi)からβに示す値(Low・Hi・Hi)に変化したことが確認された場合には、ステアリングホイール2の操作方向が右旋回方向であると判定して上記カウント値を増加させる。
【0037】
また、上記ステップS27でNOと判定されてステアリングホイール2が右旋回方向でないことが確認された場合には、上記出力パターンに基づいてステアリングホイール2の操作方向が左旋回方向であるか否かを判定する(ステップS29)。このステップS29でYESと判定されることにより、例えば図4のαに示す値(Hi・Hi・Hi)からγに示す値(Hi・Hi・Low)に上記パルス信号の出力パターンが変化したことが確認された場合には、上記カウント手段27のカウント値を1Degだけ低減させる(ステップS30)。
【0038】
一方、上記ステップS29でNOと判定され、上記舵角センサ8から出力されたパルス信号の出力パターンに基づいてステアリングホイール2の操作方向を判別することができない場合、つまり上記パルス信号の出力パターンが、例えば図4のαに示す値(Hi・Hi・Hi)から、βに示す値(Low・Hi・Hi)またはγに示す値(Hi・Hi・Low)のいずれでもない他のパターンに変化したことが確認された場合には、ステアリングホイール2の操作方向を判別することができないと判断してエラー信号を出力した後(ステップS31)、リターンする。
【0039】
なお、上記舵角センサ8から出力されたパルス信号の出力パターンに基づいてステアリングホイール2の操作方向を判定することにより、上記カウント手段27のカウント値を1Degだけ増加または低減させるように構成された上記実施形態に代え、上記パルス信号の出力パターンに基づいてステアリングホイール2の操作方向を判定するとともに、その操作量が1Degであるか、または2Degであるか判定し、この操作量に応じたカウント値を上記カウント手段27に記憶させるように構成してもよい。
【0040】
次に、図5に示すフローチャートのステップS14で実行される零点位置の特定制御動作を、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。この制御動作がスタートすると、上記回転速度センサ41〜71の出力信号に応じて各車輪4〜7の回転速度、つまり単位時間当たりの回転数をそれぞれ読み込むとともに(ステップS41)、これらの値に基づいて車両が直進状態にあるか否かを判定する(ステップS42)。このステップS42でYESと判定された時点で、上記舵角センサ8から出力されたZ相のパルス信号を読み込むとともに(ステップS43)、このZ相のパルス信号がHi信号であるか否か判定する(ステップS44)。
【0041】
そして、上記ステップS44でYESと判定されてZ相のパルス信号がHi信号であることが確認された時点で、上記カウント手段27のカウント値を0にリセットすることにより、上記Hi信号の出力時点、つまり上記回転板29に形成された基準孔34が発光ダイオード30およびフォトダイオード31の設置部に到達して回転基準位置が検出された時点における操舵位置を零点位置として特定するとともに、上記舵角変化フラグをOFF状態とする(ステップS45)。
【0042】
なお、上記実施形態に代え、舵角センサ8の出力信号のみに基づいて舵角の零点位置を特定するように構成してもよい。例えば図8に示すように、上記舵角センサ8から出力されたZ相のパルス信号を読み込むとともに(ステップS51)、このZ相のパルス信号がHi信号であるか否か判定し(ステップS52)、YESと判定されてステアリングホイール2が回転基準位置に到達したことが確認された時点で、この時点におけるカウント手段27のカウント値を読み込む(ステップS53)。次いで、上記舵角センサの8の検知信号に応じて3個所の回転基準位置が検出されたか否かを判定し(ステップS54)、YESと判定された時点で、3個所の回転基準位置からステアリングホイール2の操作中央位置を選択し、この操作中央位置を舵角の零点位置として設定するとともに(ステップS55)、上記舵角変化フラグをOFF状態として(ステップS56)、リターンする。
【0043】
一般的にステアリングホイール2は、三回転を超える範囲のステアリング操作が可能なように構成されているため、ステアリングホイール2の操作中央位置が上記発光ダイオード30およびフォトダイオード31の設置部に到達した場合だけでなく、右操作位置および左操作位置が発光ダイオード30およびフォトダイオード31の設置部に到達した場合にも、上記Z相のパルス信号がHi信号となる。このため、上記のように舵角センサ8の検知信号に応じて3個所の回転基準位置を検出した後、それぞれの舵角カウント値に基づいてステアリングホイール2の操作中央位置に相当する回転基準位置を選定し、その位置の舵角カウント値を0にリセットする等により上記操作中央位置を舵角の零点位置として特定することができる。
【0044】
上記のようにステアリングホイール2の舵角を検知する舵角センサ8からなる舵角検知手段と、この舵角センサ8を所定周期で監視してステアリングホイール2の舵角が変化したか否かを判別する舵角操作監視手段24と、エンジン等からなる自動車の走行駆動装置を始動または停止させる始動スイッチ(IGスイッチ18)の出力信号に応じて上記走行駆動装置が停止状態にあることが検知された場合に、上記舵角操作監視手段24による舵角センサ8の監視周期を通常時に比べて長い値に変更する監視周期変更手段25とを設けたため、自動車の停止時にバッテリーの電力消費を抑制しつつ、上記ロータリエンコーダ等からなる舵角センサ8の出力信号に基づいて自動車の運転開始直後からステアリングホイール2の舵角を正確に検出できるという利点がある。
【0045】
すなわち、上記IGスイッチ18からなる始動スイッチの出力信号に応じてエンジンの停止操作が行われた停車状態では、通常の走行時のようにステアリングホイール2の操作が頻繁に行われることがないとともに、急激な舵角変化が生じる可能性が低いため、上記舵角操作監視手段24による舵角センサ8の監視周期を通常時に比べて長い値に変更することにより、バッテリーの電力消費を抑制しつつ、上記舵角センサ8の出力信号に応じて舵角変化を検出することができる。したがって、この舵角変化を記憶手段に記憶させて舵角の零点位置データを保持することにより、自動車の運転開始直後から、上記零点位置を基準としてステアリングホイール2の舵角を検出する制御を適正に実行し、この値に応じてトラクション制御等の走行制御を適正に実行することができる。
【0046】
また、上記実施形態では、舵角の零点位置を特定する零点位置特定手段26と、この零点位置からの舵角変化量をカウントするカウント手段27とをコントロールユニット20に設け、上記監視周期変更手段20により舵角センサ8の監視周期が長い値に設定された状態、つまりエンジン等の停止状態で、上記舵角操作監視手段24によりステアリングホイール2の舵角に所定の変化が生じたと判別された場合に、上記零点位置特定手段26により上記カウント手段27のカウント値を初期化して新たに零点位置を特定するように構成したため、上記エンジン等の停止状態で乗員によるステアリングホイール2の急激な操作が行われたこと等に起因して正確に舵角を検出できなくなるという事態の発生を防止し、運転開始後に上記零点位置特定手段26により新たに特定された零点位置を基準として上記ステアリングホイール2の舵角を正確に検出できるとともに、これに基づいてトラクション制御等の走行制御を適正に実行できるという利点がある。
【0047】
さらに、上記実施形態では、ドア9,10がロック状態にあるかアンロック状態にあるかを検知するドアロックセンサ11,12からなるドアロック検知手段を設け、このドアロックセンサ11,12によりドア9,10がアンロック状態にあることが検知された場合に、上記監視周期変更手段25を作動させることなく上記舵角センサ8の監視周期を通常時の値に設定するように構成したため、上記エンジン等の停止状態で乗員によるステアリングホイール2の急激な操作が行われること等に起因して正確な舵角の検出が行うことができなくなるという事態の発生を効果的に防止できるという利点がある。
【0048】
すなわち、エンジン等からなる走行駆動装置が停止状態であっても、ドア9,10がアンロック状態にあれば、車室内に乗員が滞在していると考えられるため、この乗員によるステアリングホイール2が操作される可能性がある。したがって、上記ドアロックセンサ11,12によりドア9,10がアンロック状態にあることが検知された場合には、上記監視周期変更手段25を作動させることなく、上記舵角センサ8を通常時と同様に監視し、ステアリングホイール2の舵角変化を記憶手段に記憶させて舵角の零点位置データを保持するように構成することにより、誤った零点位置に基づく舵角の誤検出が生じるという事態の発生を効果的に防止することができる。
【0049】
なお、上記実施形態に示すように、ドアロックセンサ11,12によりドア9,10がアンロック状態にあることが検知された場合に、上記監視周期変更手段25を作動させることなく、上記舵角センサ8の監視周期を通常時の値に設定するようにした上記構成に代え、またはこの構成とともに、上記シート重量センサ15,16または赤外線センサ19等からなる乗員検知手段により車室内における乗員の有無を検知し、乗員が存在していることが確認された場合に、上記監視周期変更手段25の作動を停止させて上記舵角センサ8からなる舵角検知手段の監視周期を通常時の値に設定するように構成してもよい。
【0050】
例えば、図9に示すように、ドアロックセンサ11,12の出力信号に応じ、ステップS3においてドア9,10がロック状態にあると判定された場合に、上記シート重量センサ15,16または赤外線センサ19等からなる乗員検知手段の検出信号に応じ、ステップS61において車室内に乗員が存在しているか否かを判定するように構成してもよい。そして、上記ステップS61でYESと判定された場合に、ステップS4に移行して上記舵角操作監視手段24により舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に比べて長い値(4msec)に変更し、上記ステップS61でNOと判定されて車室内に乗員が存在していないことが確認された場合に、ステップS8に移行して舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に設定することにより、エンジン等の停止状態で乗員によるステアリングホイール2の急激な操作が行われること等に起因して正確な舵角の検出が行うことができなくなるという事態の発生を、より効果的に防止することができる。
【0051】
また、図10に示すように、エンジンの停止状態でステップS2において舵角変化フラグをOFF状態とした後、自動車の電子キーから出力される出力信号を受信する受信器17の出力信号に応じて上記電子キーが自車両から所定の範囲内にあるか否かを判定し(ステップS62)、NOと判定された場合に、ステップS4に移行して上記舵角操作監視手段24により舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に比べて長い値(4msec)に変更し、上記ステップS62でYESと判定されて上記電子キーを保持した運転者が自車両から所定の範囲内にあることが確認された場合に、ステップS8に移行して舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に設定するように構成してもよい。
【0052】
上記のようにエンジン等の停止状態で運転者が車室内またはその近傍に位置していることが上記受信器17の出力信号に応じて判別された場合に、上記監視周期変更手段25の作動を作動させることなく、上記舵角センサ8を通常時と同様に監視するように構成すれば、上記運転者によるステアリングホイール2の操作が行われた場合においても、ステアリングホイール2の舵角変化を正確に検出して舵角の零点位置データを保持することができるため、自動車の運転開始直後から自動車の操舵角度に対応したトラクション制御等の走行制御を適正に実行できるという利点がある。しかも、エンジン等の停止状態で運転者が車室内またはその近傍に位置していないことが上記受信器17の出力信号に応じて判別された場合には、上記舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に比べて長い値(4msec)に変更することにより、バッテリーの電力消費を効果的に防止することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、エンジン等からなる走行駆動装置の停止状態で、舵角操作監視手段24により検出された舵角センサ8の出力値、つまり上記パルス信号の出力パターンに基づいて検出された舵角変化量が予め設定された基準値(1Deg)よりも大きい場合に、上記カウント手段27のカウント値を初期化するように構成したため、エンジン等の停止状態で乗員によるステアリングホイール2の急激な操作が行われること等に起因して上記舵角の変化が生じた場合に、正確な舵角の検出が行うことができなくなるという事態の発生を効果的に防止しつつ、上記舵角変化が風等の自然現象によって生じた場合には、ステアリングホイール2の舵角変化を記憶手段に記憶させて舵角の零点位置データを保持することにより、自動車の運転開始直後から自動車の操舵角度に対応したトラクション制御等の走行制御を適正に実行できるという利点がある。
【0054】
すなわち、停止状態にある自動車が強い風の影響を受けたり、フェリー等に搭載された自動車が波による揺れの影響を受けたりする等の自然現象によって上記ステアリングホイール2の舵角変化が発生した場合、この舵角が急激に変化する可能性は低いため、上記舵角センサ8の監視周期を通常時の値(1msec)に比べて長い値(4msec)に変更したとしても、この間に1Degよりも大きな舵角変化が生じる確率は極めて低い。したがって、上記パルス信号の出力パターンが、例えば図4のαに示す値(Hi・Hi・Hi)から、その隣に位置するβに示す値(Low・Hi・Hi)またはγに示す値(Hi・Hi・Low)に変化したことが、上記舵角センサ8の出力信号に応じて確認された場合には、上記舵角変化が自然現象であると判断し、この舵角変化を記憶手段に記憶させて舵角の零点位置データを保持することにより、自動車の運転開始直後から自動車の操舵角度に対応したトラクション制御等の走行制御を適正に実行することができる。
【0055】
これに対して乗員がステアリングホイール2を急操作する等により、上記長い値(4msec)に設定された監視周期の間に1Degよりも大きな舵角変化が生じることにより、上記パルス信号の出力パターンが、例えば図4のαに示す値(Hi・Hi・Hi)から、このαの位置から2Degだけ離れた位置にあるγ′に示す値(Hi・Low・Low)に変化したことが確認された場合には、このγ′と同じ値(Hi・Low・Low)を有するβ′の位置に舵角が変化した可能性を否定することはできない。このため、上記のように舵角センサ8の出力値が予め設定された基準値(1Deg)よりも大きい場合には、上記カウント手段27のカウント値を初期化することにより、エンジン等の停止状態で乗員によるステアリングホイール2の急激な操作が行われること等に起因して正確な舵角の検出が行うことができなくなるのを効果的に防止できるという利点がある。
【0056】
なお、上記監視周期変更手段25により変更される舵角センサ8の監視周期は、上記4msecに限られず、種々の値に変更可能であるが、ステアリング操作時の最大舵角速度と、上記舵角センサ8から出力されるパルス信号の出力パターンとに基づいて適宜の値に設定することが望ましい。
【0057】
例えば、上記ステアリング操作時の最大舵角速度が1000Deg/sである場合、4msecの間に生じる舵角変化の最大値は4Degである。このため、図4に示すγ位置およびδ位置のように、同一パターンのパルス信号(Hi・Hi・Low)が出力される位置が5Deg以上離れている装置において、上記舵角センサ8の監視周期を4msecに設定した場合には、この間に上記α位置からγ位置に舵角が変化することがあっても、上記α位置からδ位置に舵角が変化する可能性はない。したがって、上記のように監視周期変更手段25により変更される舵角センサ8の監視周期を、4msecまたはそれ以下の値に設定することにより、上記α位置からステアリング操作に応じて上記舵角がγ位置に変化したにも拘わらず、γ位置に変化したと誤判定されるのを確実に防止し、上記舵角センサ8の出力信号に応じて上記監視周期(4msec)の間に1Degよりも大きな舵角変化が生じたか否かを正確に検出できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る舵角検出装置を備えた自動車の概略構成を示す説明図である。
【図2】本発明に係る自動車の舵角検出装置の実施形態を示すブロック図である。
【図3】舵角センサの具体的構成を示す斜視図である。
【図4】舵角センサから出力されるパルス信号の具体例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る自動車の舵角検出装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】舵角カウントの制御動作を示すフローチャートである。
【図7】零点位置を特定する制御動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】零点位置を特定する制御動作の他の例を示すフローチャートである。
【図9】舵角検出装置の制御動作の変形例を示すフローチャートである。
【図10】舵角検出装置の制御動作のさらに別の変形例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
2 ステアリングホイール
8 舵角センサ(舵角検出手段)
11,12 ドアロックセンサ(ドアロック検出手段)
15,16 シート重量センサ(乗員検出手段)
17 赤外線センサ(乗員検出手段)
24 舵角操作監視手段
25 監視周期変更手段
26 零点位置特定手段
27 カウント手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールの舵角を検知する舵角検知手段と、この舵角検知手段を所定周期で監視してステアリングホイールの舵角が変化したか否かを判別する舵角操作監視手段と、自動車の走行駆動装置を作動または停止させる始動スイッチの出力信号に応じて上記走行駆動装置が停止状態にあることが検知された場合に、上記舵角操作監視手段による舵角検知手段の監視周期を通常時に比べて長い値に変更する監視周期変更手段とを備えたことを特徴とする自動車の舵角検出装置。
【請求項2】
舵角の零点位置を特定する零点位置特定手段と、この零点位置からの舵角変化量をカウントするカウント手段とを備え、上記監視周期変更手段により舵角検知手段の監視周期が通常時の値よりも長い値に変更された状態で、上記舵角操作監視手段によりステアリングホイールの舵角に所定の変化が生じたと判別された場合に、上記零点位置特定手段により上記カウント手段のカウント値を初期化して新たに零点位置を特定するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の自動車の舵角検出装置。
【請求項3】
ドアがロック状態にあるかアンロック状態にあるかを検知するドアロック検知手段を備え、このドアロック検知手段によりドアがアンロック状態にあることが検知された場合に、上記監視周期変更手段を作動させることなく上記舵角検知手段の監視周期を通常時の値に設定することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車の舵角検出装置。
【請求項4】
車室内における乗員の有無を検知する乗員検知手段を備え、この乗員検知手段により乗員の存在が確認された場合に、上記監視周期変更手段を作動させることなく上記舵角検知手段の監視周期を通常時の値に設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車の舵角検出装置。
【請求項5】
上記舵角操作監視手段により検出された舵角検出手段の出力値が予め設定された基準値よりも大きい場合に、上記零点位置設定手段によりカウント手段のカウント値を初期化して新たに零点位置を特定することを特徴とする請求項2に記載の自動車の舵角検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−126034(P2007−126034A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321116(P2005−321116)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】