自動車用情報提供システム
【課題】 重要度ないし緊急性に応じて出力形態が情報毎に適正化され、重要ないし緊急を要する情報が他の情報に埋没することなく、ユーザーに伝達可能な自動車用情報提供システムを提供する。
【解決手段】 ユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部47,48,50,52,53,61,62のいずれかに被提供情報を出力するに際し、被提供情報に情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報を予め付与しておき、取得した被提供情報の出力先となる被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、分類情報内容に応じて適正化しつつ選択する。
【解決手段】 ユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部47,48,50,52,53,61,62のいずれかに被提供情報を出力するに際し、被提供情報に情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報を予め付与しておき、取得した被提供情報の出力先となる被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、分類情報内容に応じて適正化しつつ選択する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2005−231381号公報
【特許文献2】特開2006−214750号公報
【0003】
自動車をはじめとする車両用の情報提供装置として、車両に発生した故障や異常等を報知するための警告出力装置が旧来使用されている(特許文献1,2)。これらは、例えばメータやコックピットパネル、あるいはヘッドアップディスプレイなど、運転時に常時視線を投ずる位置に警告灯表示したり、さらには警告音を併用したりして報知を行なう。他方、近年では走行安全システムを搭載した車両も普及しており、自車両周辺の他車その他の障害物存在状況をカメラやレーダーで探知し、該障害物の接近状況等を画像表示やアラーム音にて報知することが行なわれている。さらに、カーナビゲーションシステムやテレマティクス(例えば、G−BOOK(商標名))などの普及により、経路案内や渋滞情報、さらには目的地紹介やエンタテインメント(音楽あるいは映像等)なども含めた、さらに発展的な情報提供も行なわれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の種々の情報提供装置は、従来、ユーザーの状態や情報特質を特に考慮することなく情報出力を行なっていたので、アラーム音出力や発光インジケータの点灯、あるいはディスプレイ上の報知置表示などが車内で乱立し、一度に把握できる限界以上の情報がユーザーに対し何の配慮もなく提示される形になっていた。その結果、ユーザーは、その場での内容把握が本当に必要な情報と、そうでない情報との識別に大きな負担が強いられ、最悪の場合には情報の意味の理解さえ困難となる結果、車両側から何かの情報が提供されても、それが何に関する情報なのかを瞬時的に把握するのが困難になる不具合を生じている。
【0005】
本発明の課題は、情報の重要度ないし緊急性の相違により把握優先度合いが個々に異なる情報が入り乱れて出力される場合にあっても、該情報の重要度ないし緊急性に応じて出力形態が情報毎に適正化され、ひいては重要ないし緊急を要する情報が他の情報に埋没することなく、ユーザーに伝達可能な自動車用情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の自動車用情報提供システムは、
情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報が予め付与された被提供情報を取得する被提供情報取得手段と、
被提供情報のユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部と、
取得した被提供情報の出力先となる被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、分類情報内容に応じて適正化しつつ選択する被提供情報出部選択手段と、
決定された被提供情報出部に被提供情報を出力させる情報出力制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記本発明の自動車用情報提供システムにおいては、ユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部のいずれかに被提供情報を出力するに際し、被提供情報に情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報を予め付与しておき、取得した被提供情報の出力先となる被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、分類情報内容に応じて適正化しつつ選択するようにした。これにより、情報の重要度ないし緊急性の相違により把握優先度合いが個々に異なる情報が入り乱れて出力される場合にあっても、該情報の重要度ないし緊急性に応じて出力形態が情報毎に適正化され、ひいては重要ないし緊急を要する情報が他の情報に埋没することなく、ユーザーに伝達することができる。
【0008】
被提供情報出力部は、被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部と被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部との少なくともいずれかよりなる第一種情報出力部と、被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部及び被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる第二種情報出力部とを備えたものとして構成できる。被提供情報出部選択手段は、分類情報により緊急と指定された被提供情報の出力先として第一種情報出力部を選択し、緊急指定の対象外とされた被提供情報の出力先として第二種情報出力部を選択するように構成できる。
【0009】
第一種情報出力部は聴覚情報出力部と触覚情報出力部との少なくともいずれか(聴覚情報出力部のみ、触覚情報出力部のみ、又は聴覚情報出力部と触覚情報出力部との双方)よりなる。聴覚情報出力部は、例えばスピーカを用いた音声情報出力部や、アラーム音出力部であり、触覚情報出力部は例えばバイブレータ等の振動発生部である。振動発生部は、運転席の場合はハンドルに設けることも可能であるが、路面状態を反映した走行振動と、被提供情報をなす振動情報とが錯綜する可能性があるので、座席に埋設しておくことが望ましい。
【0010】
他方、第二種情報出力部は視覚情報出力部と嗅覚情報出力部との少なくともいずれか(視覚情報出力部のみ、嗅覚情報出力部のみ、又は視覚情報出力部と嗅覚情報出力部との双方)よりなる。視覚情報出力部は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイあるいはプラズマディスプレイ等の表示器や、ランプあるいは発光ダイオードで構成された発光インジケータ類である。また、嗅覚情報出力部は例えば香(芳香)発生部である。
【0011】
各情報出力部の特徴をまとめると、以下のようになる。
・視覚情報出力部:光による情報伝達手段であり、空間内の伝達速度が最も速く、情報伝達の瞬時性に優れる。また、点灯ないし表示を継続しさえずれば、ユーザーをそれほど煩わせることなく長時間に渡って情報伝達状態を連続的に持続可能である。ただし、視野内に視認対象情報が存在する場合にのみ情報知覚でき、視野内の情報位置によっても知覚度合いに大きな差を生ずるなど、情報の指向性が強い。そのため、対象情報が視野から外れていれば当然知覚できないし、視野辺縁部に存在する対象情報が知覚から漏れやすいなど、視野内の情報位置により知覚度合いが変化するのも特徴である。
【0012】
・嗅覚情報出力部:香や臭いによる情報伝達手段であり、光に比べれば一度に伝達できる情報量には乏しく伝達速度も遅いが、特有の香や臭いにより情報の特異性を強調しやすい利点がある。また、香や臭いの発生を停止しても、車内雰囲気中への成分残留によりしばらくは知覚継続でき、視覚情報出力部に次いで情報伝達の持続性に優れる。
【0013】
・聴覚情報出力部:音波を媒介として情報伝達がなされるので、空間内の情報伝達速度は光に次いで速い。また、音波を媒介とするので情報伝達の指向性は比較的小さく、ユーザーが積極的に欲しているか否かに拘わらず、音波がユーザーの耳に到達した時点で受動的な情報知覚を余儀なくされ伝達強制力に優れる。ただし、視覚情報であれば眼を閉じたりそらしたりすることで知覚継続をコントロールできるのに対し、伝達強制力の大きい音波の場合は知覚回避が難しく、長時間の出力継続を行なうと騒音化してユーザーへの負担が大きくなる。従って、情報出力の継続性は基本的には小さい。
【0014】
・触覚情報出力部:振動等を媒介として情報伝達がなされるので、情報伝達速度は音波と同等レベルに速い。また、ユーザー身体との直接ないし間接的な接触が必要であり、他の情報出力部と比較して伝達が極めて局所的であり、対象ユーザーへの情報集中性に優れる(人に情報伝達する場合、手や振ったり(視覚情報)呼びかけたりしても(聴覚情報)、他の視覚情報や呼び声に埋没しているとなかなか気付いてもらえないが、直接肩を叩けばすぐ気付いてもらえる状況を考えればわかりやすいであろう)。また、触覚情報出力部は、座席やハンドルなど、ユーザーが常時接触する車室内構造物に設けておけば、伝達強制力にも優れる。
【0015】
第一種情報出力部を構成する聴覚情報出力部ないし触覚情報出力部は上記のごとく伝達強制力に優れ、緊急指定された被提供情報を早く確実にユーザーに伝達するのに適している。従って、被提供情報出部選択手段は、分類情報により緊急と指定された被提供情報の出力先として第一種情報出力部を選択し、緊急指定の対象外とされた被提供情報の出力先として前記第二種情報出力部を選択することにより、緊急指定された被提供情報とそうでない被提供情報との差別化を効果的に図ることでき、ひいては緊急指定された情報を他の情報に埋没させることなく、ユーザーに確実かつ速やかに伝達することができる。
【0016】
なお、聴覚情報や嗅覚情報は、情報到来からまぬかれることが基本的に困難であり、心身の状態によっては情報知覚がユーザーの負担になることも考えられる。そこで、ユーザーの心身に係る負荷状態を検出する心身負荷状態検出手段を設け、被提供情報出部選択手段を、予め定められたレベル以上の負荷状態が検出された場合に、聴覚情報出力部又は嗅覚情報出力部の動作を禁止(緩和を概念として含む)するように構成しておくと、上記のようなユーザーの負担を随時軽減することができる。
【0017】
次に、被提供情報出力部は、被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部と、被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部、被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部及び被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる非視覚情報出力部とを備えたものとして構成することもできる。被提供情報出部選択手段は、分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、視覚情報出力部と非視覚情報出力部とを複合選択し、分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、視覚情報出力部と非視覚情報出力部とのいずれかのみを選択するように構成できる。
【0018】
重要な情報をユーザーに伝達する場合、被提供情報は、情報の持続性に優れた視覚情報を用いるのが有効であるが、視覚情報単独では、視野内の情報位置の影響を受けやすく、また、他の視覚情報に埋没して重要情報であることを強調しにくい難点がある。そこで、聴覚情報、触覚情報ないし嗅覚情報の少なくともいずれかを含む非視覚情報と複合させて出力することにより重要情報であることを効果的に強調でき、ひいては重要情報を他の情報に埋没させることなくユーザーに伝達できる。
【0019】
被提供情報出部選択手段は、分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されているか否かに応じて、2以上の非視覚情報出力部のいずれを選択するかを変更できる。すなわち、視覚情報に随伴する非視覚情報の種別を異ならせることにより、当該の被提供情報が重要情報であると同時に緊急性を有するかどうかの識別性も高めることができる。具体的には、被提供情報出部選択手段は、分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は視覚情報出力部と触覚情報出力部とを複合選択し、同じく非緊急と指定されている場合は視覚情報出力部と嗅覚情報出力部とを複合選択するように構成できる。触覚情報は前述のごとく、対象ユーザーへの情報集中性に優れ、かつ情報伝達も迅速なので緊急性を強調するのに好都合である。一方、非緊急の場合は、特定の匂いや香りにより重要情報内容を心理的に強調し、ある程度時間をかけて情報の印象付けを行なうと効果的である。
【0020】
被提供情報が非緊急と指定されている場合に採用される視覚情報出力部は、情報量の多い画像表示器とすることが有効である。他方、被提供情報が緊急と指定されている場合に採用される視覚情報出力部は、輝度的に目立ちやすい発光インジケータとすることが情報強調を行なう観点で望ましい。
【0021】
一方、被提供情報出部選択手段は、分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は非視覚情報出力部を、同じく非緊急と指定されている場合は視覚情報出力部を選択するように構成できる。情報伝達の迅速性を考慮すれば、非視覚情報出力部は聴覚情報出力部ないし触覚情報出力部とすることが望ましい。特に、聴覚情報出力部を選択する場合は、これを、アラーム音出力部として構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて詳しく説明する。図1は、本発明の自動車用情報提供システムの概念的なブロック図である。該自動車用情報提供システム534は自動車側に固定搭載されるものであり、マイコン(ECU)2を制御主体として構成されている。なお、通信接続された複数のマイコンにより連携的に制御機能を実現してもよい。
【0023】
マイコン2は、CPU21、RAM22、ROM23及び入出力部24を内部バスにて接続したものであり、ROM23には、本発明の自動車用情報提供システムの基本機能を実現するための情報処理提供アプリケーションが搭載されている。CPU21は、該情報処理提供アプリケーションを、RAM22をワークエリアとする形で実行する。
【0024】
入出力部24には、自動車の走行状態を検出するセンサ群として、自動車の走行速度を検出する車速センサ31、走行方向加速度を検出する加速度センサ32、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ33が接続されている。また、走行距離を検出する走行距離センサ34、エンジンオイルの劣化状況を検出するオイル劣化センサ35も接続されている。さらに、車外環境の検出用として、走行中の路面の温度を検出する路面温度センサ36、降雨を検出する雨滴センサ37、車外日照量を検出する日照センサ38が接続されている。また、路面状態を撮影する路面カメラ39、車両周辺の監視映像を撮影する車外監視カメラ40も接続されている。
【0025】
また、入出力部24には、通信網(インターネット等)72を介して画像ないし音声による被提供情報を受信取得するための通信ユニット41が接続されている。被提供情報は、通信網72に接続されたデータサーバ73から基地局71を経て通信ユニット41によりダウンロードされる。通信ユニット41は車々間通信装置あるいは車路間通信装置の機能も具備する。また、VICS基地局74からの渋滞情報や規制情報等をFM受信するVICS受信部42も接続されている。
【0026】
次に、入出力部24には、車室内のユーザーの顔を撮影する顔カメラ43、ユーザーの体温(主に顔面温度)を検知する赤外線体温検知部44が接続されている。これらは、ユーザーの心身負荷状態を検出する心身負荷状態検出手段を構成するものである。また、入出力部24には、各座席のユーザーの着座を検出する着座センサ45、ユーザーが音声入力を行なうためのマイクロフォン46が接続されている。
【0027】
入出力部24には、被提供情報出力部が種々接続されている。具体的には、第一種情報出力部の聴覚情報出力部としてブザー47(アラーム音出力部)が設けられている。また、触覚情報出力部としてシートバイブレータ48が接続されている。該シートバイブレータ48は図3に示すごとく、座席の座部ないし背もたれ部に埋設されている。
【0028】
具体的には、第二種情報出力部の視覚情報出力部として、発光ダイオード等で構成された警告インジケータ(発光インジケータ)51とヘッドアップディスプレイ53が接続されている。図2に示すように、警告インジケータ51は、車室内のインパネ部に対し運転席正面位置に取り付けられる一方、ヘッドアップディスプレイ53は、その上方にてウィンドシールド内面に視覚情報を虚像投影するものである。また、嗅覚情報出力部として種々の芳香(アロマ)を発生させる香発生部50が接続されている。香発生部50は、座席の近傍やエアコンユニット51のエアダクト周辺に設けられる。
【0029】
入出力部24には、車室内照明49も接続されている。図4は、車内照明49の構成例を示すもので、各々固有の照明色からなる複数の照明部(本実施形態では、赤系照明49r、アンバー系照明49u、黄系照明49y、白系照明49w及び青系照明49bからなる)を有する。これらの照明は、マイコン2(図1)からの制御指令信号を受けて指定されたものが選択され、制御指令信号に従い種々の点灯パターンにて点灯制御される。照明光色が変更可能となることにより、車室内照明49は一種の視覚情報出力部とみなすことができる。
【0030】
また、マイコン(ECU)2には、通信バス70を介して他のECUがネットワーク接続され、互いに情報の送受信を行なうようになっている。例えば、カーナビゲーションシステム60は、情報系ECUを含んで構成されるものであり、周知のごとく、地図データとGPSによる現在地情報とに基づいて、車両の現在位置を地図上にマッピングし、モニター61(図2に示すごとく、運転席脇のセンターコンソール前面に配置されている)が、上に表示する。また、ユーザー入力に従い目的地を設定すると、該目的地までの経路を地図上に表示し、スピーカ62からの音声出力も併用して経路案内を行なう。モニター61は視覚情報出力部を構成するものであり、通信ユニット41が取得するインターネット等のコンテンツ情報の出力部にも兼用される。また、スピーカ62は聴覚情報出力部を構成するものであり、経路案内以外の音声情報の出力部としても使用される。
【0031】
マイコン2は、自身に接続された上記各種センサ類の検出情報や他のECUから送信されてくる検出情報を参照して、警告情報など、ユーザーへ通知するための種々の被提供情報を作成するとともに、上記他のECUから送られてくる被提供情報や、あるいは通信ユニット41ないしVICS受信部42が通信取得する被提供情報も含めて、RAM22内の情報出力リスト内にこれらを時系列順に登録し、情報提供処理アプリケーションの実行により、その出力管理を行なう。図5に示すように、情報出力リストには各被提供情報の内容に、その情報が重要(1)ないし非重要(0)のいずれであるか、ないし緊急(1)ないし非緊急(0)のいずれであるかを示す分類情報が付与された形で登録されている。
【0032】
図6に示すように、被提供情報は、分類情報の内容により次の4群の情報に分類される。
A群(非重要/非緊急)
ユーザーの趣味やエアコン等による空間制御に関する情報であり、通信ユニット41を介して取得するインターネットコンテンツ情報などもこれに該当し、例えば乗員の嗜好や興味に適合する口コミ情報である。他方、乗員の体調変化(表情や体温:図1の顔カメラ43の画像や体温検知センサ44の検知結果を用いて特定される)情報も該当する。
【0033】
B群(非重要/緊急)
ユーザーの嗜好や興味に関連して、特に新ネタやレア情報など、インターネットコンテンツ情報の中でも話題性やタイムリー性が強い情報がこれに関連する。また、カーナビゲーションシステムと連携して、関連する現在地周辺イベントの情報も対象となる。
【0034】
C群(重要/非緊急)
車両状態情報のうち、比較的緩やかに変化する状態劣化情報、例えばタイヤ磨耗情報やオイル劣化情報。前者は、例えばタイヤ交換時にリセットされた走行距離情報により、後者はオイル劣化センサ35の検知情報により特定できる。また、車々間通信情報を用いて取得される、同行車両の位置や休憩状態の情報、VICSやカーナビゲーションシステム等を用いて取得される交通警戒情報(事故多発地帯、速度超過になりやすい箇所、人の飛び出しが多い場所、特異な交通挙動が生じやすい場所)。なお、個人用の情報データベースを搭載することにより、出張先で客の心を掴むことができる社交辞令情報、忘れ物チェック情報(出発前、到着時)なども例示できる。さらに、家族の記念日(誕生日、入学式、旅行日、事前準備日、結婚記念日など、忘れると家族など私的社会から非難を浴びるような日)情報の提供も有効である。
【0035】
D群(重要/緊急)
即時的な対処が必要な車両異常情報。例えば、タイヤ磨耗限界への接近、想定ロール/ヨー限界への接近(ヨーレートセンサ33の検出状態により特定される)など。また、他交通(他車両、人、動物など)や障害物への接近(車外監視カメラ40、車々間通信、路車間通信などにより特定)、挙動不審車両の存在、路面状況変化(冠水、凍結、積雪など(路面カメラ39、路面温度センサ36より特定)など。また、個人用の情報データベースを搭載することにより、仕事のやり直しや過ち修正など、客先に着く前に必ず対処するべき事項に係る情報、株、先物、為替など価値変動の大きい金融情報など。さらに、家族の記念日や要望への対応であって、現在地固有のコンテンツを入手するための情報(気の利いた特産品、情報、グッズ等:インターネットコンテンツ情報)。
【0036】
図7は、情報処理提供アプリケーションによる情報出力管理処理の主ルーチンを示すフローチャートである、S100において何らかの情報が新たに取得された場合、S110及びS120で緊急度と重要度とを判定し、S130で、その判定結果を前述の分類情報として付与した形で図5の情報出力リストに登録する。S140では、その情報出力リストに登録されている被提供情報の出力先を、上記の分類情報を参照して決定し、S150にてその決定結果に従い情報出力する。
【0037】
図8は緊急度判定処理であり、S200で緊急と判定された情報は前述の分類B又は分類Dとし(S210)、非緊急と判定された情報は前述の分類A又は分類Cとする(S220)。また、図9は重要度判定処理であり、S400で重要と判定された情報は前述の分類C又は分類Dとし(S410)、非重要と判定された情報は前述の分類A又は分類Bとする(S220)。両判定処理を経ることで、各情報は、分類A〜Dのいずれかに択一的に分類されることとなる。
【0038】
図10は、被提供情報の出力先の決定処理であり、S300にて出力対象情報が分類D(重要/緊急)であった場合はS310に進み、図1の警告インジケータ52(視覚情報出力部)を点灯させるとともに、S320ではシートバイブレータ48(触覚情報出力部)を振動させる。つまり、視覚情報と触覚情報とを複合出力することで、ユーザーに重要かつ緊急な情報の存在を確実に認知させることができる。例えば、異常発生に係る情報であれば、異常種別に対応して複数の警告インジケータを設け、該当するものを点灯させる方法を採用することもできる。また、ヘッドアップディスプレイ53に警告表示を行なうことも可能である。他方、情報の詳細内容について、例えばモニター61に補助出力する方式も可能である。この場合、詳細内容を自動的にモニター61に出力させてもよいし、ユーザーの入力(操作ないし音声)があった場合にのみ出力させるようにしてもよい。
【0039】
一方、S300にて出力対象情報が分類D(重要/緊急)でなかった場合はS330に進む。そこで出力対象情報が分類C(重要/非緊急)であった場合はS340に進み、情報出力対象機器としてモニター61(視覚情報出力部:第二種情報出力部)を選択する。次いで、S350ではユーザーの心身負荷状態を検出する。
【0040】
ユーザーの負荷については、図11のフローチャートに従い判定する。まず、S500〜S540において、ユーザーの運転に関するスキルの有無、ユーザーの状態の平常さ、車両挙動に影響しうる環境の有無、ユーザーが認知する(確認する)対象の多さ、ユーザーが認知する上で障害となる環境の有無を判断する。各ステップにてYesと判定するための条件は以下の通りである。
【0041】
・スキル十分にあり
現在走行中の地域に慣れ親しんでいればYes。例えば、カーナビゲーションシステム60に蓄積されている走行実績情報から、該地域内での走行距離が閾値(例えば1000km)以上であればスキルは十分であり、Yesと判定する。
【0042】
・ユーザーの状態が平常
精神や肉体が通常状態にあればYes。顔カメラ43が検出するユーザーの表情や、体温変化等により判定する。
【0043】
・車両挙動に影響しうる環境有
速度が閾値以上(例えば、法廷速度+スキルに応じた個別速度マージン(例えば20km/h)にある場合、運転位置が頻繁にロール変化を起こす場合、さらには、路面状況が凍結、積雪あるいは濡れ(冠水)状態にある場合、走行路が峠など高度な運転技能を要求される形状の場合(カーナビゲーションシステム60より取得)、スリップする可能性がある場合(路面温度センサ36、インターネット気象情報、あるいはプローブカーとの車々間通信情報等により取得)、のいずれかが成立していればYes。
【0044】
・ユーザーが認知する(確認する)対象が多い
交通量が多い場合(インターネット交通情報やVICS等により取得)、他車両や障害物が多い場合(車外監視カメラ40、車々間通信、路車間通信などにより取得)のいずれかが成立していればYes。
【0045】
・ユーザーが認知する上で障害となる環境有
フロントガラスへ水滴付着(雨滴センサ37により取得)、一定照度未満(日照センサ38により取得)、積雪により道の境界が判りにくい(路面温度センサ36及び路面カメラ39により取得)、ブラインドコーナ等により見通しが悪い(車外監視カメラ40から取得)、のいずれかが成立していればYes。
【0046】
このうちスキル以外の判定結果の少なくとも1つがYesであればS560に進み、負荷大フラグをセットする一方、そうでない場合はS550に進み、負荷大フラグをリセットする。また、S500においてユーザーのスキル判定がYesの場合は、自身の判断能力や車両の挙動変化に対する保障ができると考え、S510(ユーザー状態の平常判定)及びS520(車両挙動に影響しうる環境の有無判定)をスキップする。
【0047】
図10に戻り、S350でユーザーの負荷が大でなければS360に進み、香発生部(嗅覚情報出力部:第二種情報出力部)50を選択する。ここでも、情報の詳細内容について、例えばモニター61に補助出力する方式が可能である。他方、S350でユーザーの負荷が大であればS360をスキップする。
【0048】
S330で、出力対象情報が分類Cでなかった場合はS370に進む。そこで出力対象情報が分類B(非重要/緊急)であった場合はS380に進み、ユーザーの心身負荷状態を検出する。ユーザーの負荷が大でなければS390に進み、ブザー(聴覚情報出力部:第一種情報出力部)47を選択する。こでも、情報の詳細内容について、例えばモニター61に補助出力する方式が可能である。他方、S380でユーザーの負荷が大であればS390をスキップする。
【0049】
S370で、出力対象情報が分類Cでなかった場合は、出力対象情報が分類Dであると判定し、S395に進んで、モニター(視覚情報出力部:第二種情報出力部)61を選択する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の自動車用情報提供システムの概念ブロック図。
【図2】情報出力部の配置例を示す図。
【図3】シートバイブレータの配置形態の一例を示す図。
【図4】車室内照明の構成例を示すブロック図。
【図5】情報出力リストの概念図。
【図6】被提供情報の分類概念を示す図。
【図7】情報出力管理の主処理の流れを示すフローチャート。
【図8】緊急度判定処理の流れを示すフローチャート。
【図9】重要度判定処理の流れを示すフローチャート。
【図10】情報出力部の選択処理の流れを示すフローチャート。
【図11】心身負荷状態の判定処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0051】
1 自動車側情報出力システム
2 マイコン(被提供情報取得手段、被提供情報出部選択手段、情報出力制御手段)
47 ブザー(聴覚情報出力部)
48 シートバイブレータ(触覚情報出力部、振動発生器)
52 警告インジケータ(発光インジケータ、視覚情報出力部)
53 ヘッドアップディスプレイ(視覚情報出力部)
50 香発生部(嗅覚情報出力部)
60 カーナビゲーションシステム
61 モニター(視覚情報出力部)
62 スピーカ(聴覚情報出力部)
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車用情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2005−231381号公報
【特許文献2】特開2006−214750号公報
【0003】
自動車をはじめとする車両用の情報提供装置として、車両に発生した故障や異常等を報知するための警告出力装置が旧来使用されている(特許文献1,2)。これらは、例えばメータやコックピットパネル、あるいはヘッドアップディスプレイなど、運転時に常時視線を投ずる位置に警告灯表示したり、さらには警告音を併用したりして報知を行なう。他方、近年では走行安全システムを搭載した車両も普及しており、自車両周辺の他車その他の障害物存在状況をカメラやレーダーで探知し、該障害物の接近状況等を画像表示やアラーム音にて報知することが行なわれている。さらに、カーナビゲーションシステムやテレマティクス(例えば、G−BOOK(商標名))などの普及により、経路案内や渋滞情報、さらには目的地紹介やエンタテインメント(音楽あるいは映像等)なども含めた、さらに発展的な情報提供も行なわれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の種々の情報提供装置は、従来、ユーザーの状態や情報特質を特に考慮することなく情報出力を行なっていたので、アラーム音出力や発光インジケータの点灯、あるいはディスプレイ上の報知置表示などが車内で乱立し、一度に把握できる限界以上の情報がユーザーに対し何の配慮もなく提示される形になっていた。その結果、ユーザーは、その場での内容把握が本当に必要な情報と、そうでない情報との識別に大きな負担が強いられ、最悪の場合には情報の意味の理解さえ困難となる結果、車両側から何かの情報が提供されても、それが何に関する情報なのかを瞬時的に把握するのが困難になる不具合を生じている。
【0005】
本発明の課題は、情報の重要度ないし緊急性の相違により把握優先度合いが個々に異なる情報が入り乱れて出力される場合にあっても、該情報の重要度ないし緊急性に応じて出力形態が情報毎に適正化され、ひいては重要ないし緊急を要する情報が他の情報に埋没することなく、ユーザーに伝達可能な自動車用情報提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の自動車用情報提供システムは、
情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報が予め付与された被提供情報を取得する被提供情報取得手段と、
被提供情報のユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部と、
取得した被提供情報の出力先となる被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、分類情報内容に応じて適正化しつつ選択する被提供情報出部選択手段と、
決定された被提供情報出部に被提供情報を出力させる情報出力制御手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
上記本発明の自動車用情報提供システムにおいては、ユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部のいずれかに被提供情報を出力するに際し、被提供情報に情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報を予め付与しておき、取得した被提供情報の出力先となる被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、分類情報内容に応じて適正化しつつ選択するようにした。これにより、情報の重要度ないし緊急性の相違により把握優先度合いが個々に異なる情報が入り乱れて出力される場合にあっても、該情報の重要度ないし緊急性に応じて出力形態が情報毎に適正化され、ひいては重要ないし緊急を要する情報が他の情報に埋没することなく、ユーザーに伝達することができる。
【0008】
被提供情報出力部は、被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部と被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部との少なくともいずれかよりなる第一種情報出力部と、被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部及び被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる第二種情報出力部とを備えたものとして構成できる。被提供情報出部選択手段は、分類情報により緊急と指定された被提供情報の出力先として第一種情報出力部を選択し、緊急指定の対象外とされた被提供情報の出力先として第二種情報出力部を選択するように構成できる。
【0009】
第一種情報出力部は聴覚情報出力部と触覚情報出力部との少なくともいずれか(聴覚情報出力部のみ、触覚情報出力部のみ、又は聴覚情報出力部と触覚情報出力部との双方)よりなる。聴覚情報出力部は、例えばスピーカを用いた音声情報出力部や、アラーム音出力部であり、触覚情報出力部は例えばバイブレータ等の振動発生部である。振動発生部は、運転席の場合はハンドルに設けることも可能であるが、路面状態を反映した走行振動と、被提供情報をなす振動情報とが錯綜する可能性があるので、座席に埋設しておくことが望ましい。
【0010】
他方、第二種情報出力部は視覚情報出力部と嗅覚情報出力部との少なくともいずれか(視覚情報出力部のみ、嗅覚情報出力部のみ、又は視覚情報出力部と嗅覚情報出力部との双方)よりなる。視覚情報出力部は、液晶ディスプレイ、ELディスプレイあるいはプラズマディスプレイ等の表示器や、ランプあるいは発光ダイオードで構成された発光インジケータ類である。また、嗅覚情報出力部は例えば香(芳香)発生部である。
【0011】
各情報出力部の特徴をまとめると、以下のようになる。
・視覚情報出力部:光による情報伝達手段であり、空間内の伝達速度が最も速く、情報伝達の瞬時性に優れる。また、点灯ないし表示を継続しさえずれば、ユーザーをそれほど煩わせることなく長時間に渡って情報伝達状態を連続的に持続可能である。ただし、視野内に視認対象情報が存在する場合にのみ情報知覚でき、視野内の情報位置によっても知覚度合いに大きな差を生ずるなど、情報の指向性が強い。そのため、対象情報が視野から外れていれば当然知覚できないし、視野辺縁部に存在する対象情報が知覚から漏れやすいなど、視野内の情報位置により知覚度合いが変化するのも特徴である。
【0012】
・嗅覚情報出力部:香や臭いによる情報伝達手段であり、光に比べれば一度に伝達できる情報量には乏しく伝達速度も遅いが、特有の香や臭いにより情報の特異性を強調しやすい利点がある。また、香や臭いの発生を停止しても、車内雰囲気中への成分残留によりしばらくは知覚継続でき、視覚情報出力部に次いで情報伝達の持続性に優れる。
【0013】
・聴覚情報出力部:音波を媒介として情報伝達がなされるので、空間内の情報伝達速度は光に次いで速い。また、音波を媒介とするので情報伝達の指向性は比較的小さく、ユーザーが積極的に欲しているか否かに拘わらず、音波がユーザーの耳に到達した時点で受動的な情報知覚を余儀なくされ伝達強制力に優れる。ただし、視覚情報であれば眼を閉じたりそらしたりすることで知覚継続をコントロールできるのに対し、伝達強制力の大きい音波の場合は知覚回避が難しく、長時間の出力継続を行なうと騒音化してユーザーへの負担が大きくなる。従って、情報出力の継続性は基本的には小さい。
【0014】
・触覚情報出力部:振動等を媒介として情報伝達がなされるので、情報伝達速度は音波と同等レベルに速い。また、ユーザー身体との直接ないし間接的な接触が必要であり、他の情報出力部と比較して伝達が極めて局所的であり、対象ユーザーへの情報集中性に優れる(人に情報伝達する場合、手や振ったり(視覚情報)呼びかけたりしても(聴覚情報)、他の視覚情報や呼び声に埋没しているとなかなか気付いてもらえないが、直接肩を叩けばすぐ気付いてもらえる状況を考えればわかりやすいであろう)。また、触覚情報出力部は、座席やハンドルなど、ユーザーが常時接触する車室内構造物に設けておけば、伝達強制力にも優れる。
【0015】
第一種情報出力部を構成する聴覚情報出力部ないし触覚情報出力部は上記のごとく伝達強制力に優れ、緊急指定された被提供情報を早く確実にユーザーに伝達するのに適している。従って、被提供情報出部選択手段は、分類情報により緊急と指定された被提供情報の出力先として第一種情報出力部を選択し、緊急指定の対象外とされた被提供情報の出力先として前記第二種情報出力部を選択することにより、緊急指定された被提供情報とそうでない被提供情報との差別化を効果的に図ることでき、ひいては緊急指定された情報を他の情報に埋没させることなく、ユーザーに確実かつ速やかに伝達することができる。
【0016】
なお、聴覚情報や嗅覚情報は、情報到来からまぬかれることが基本的に困難であり、心身の状態によっては情報知覚がユーザーの負担になることも考えられる。そこで、ユーザーの心身に係る負荷状態を検出する心身負荷状態検出手段を設け、被提供情報出部選択手段を、予め定められたレベル以上の負荷状態が検出された場合に、聴覚情報出力部又は嗅覚情報出力部の動作を禁止(緩和を概念として含む)するように構成しておくと、上記のようなユーザーの負担を随時軽減することができる。
【0017】
次に、被提供情報出力部は、被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部と、被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部、被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部及び被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる非視覚情報出力部とを備えたものとして構成することもできる。被提供情報出部選択手段は、分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、視覚情報出力部と非視覚情報出力部とを複合選択し、分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、視覚情報出力部と非視覚情報出力部とのいずれかのみを選択するように構成できる。
【0018】
重要な情報をユーザーに伝達する場合、被提供情報は、情報の持続性に優れた視覚情報を用いるのが有効であるが、視覚情報単独では、視野内の情報位置の影響を受けやすく、また、他の視覚情報に埋没して重要情報であることを強調しにくい難点がある。そこで、聴覚情報、触覚情報ないし嗅覚情報の少なくともいずれかを含む非視覚情報と複合させて出力することにより重要情報であることを効果的に強調でき、ひいては重要情報を他の情報に埋没させることなくユーザーに伝達できる。
【0019】
被提供情報出部選択手段は、分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されているか否かに応じて、2以上の非視覚情報出力部のいずれを選択するかを変更できる。すなわち、視覚情報に随伴する非視覚情報の種別を異ならせることにより、当該の被提供情報が重要情報であると同時に緊急性を有するかどうかの識別性も高めることができる。具体的には、被提供情報出部選択手段は、分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は視覚情報出力部と触覚情報出力部とを複合選択し、同じく非緊急と指定されている場合は視覚情報出力部と嗅覚情報出力部とを複合選択するように構成できる。触覚情報は前述のごとく、対象ユーザーへの情報集中性に優れ、かつ情報伝達も迅速なので緊急性を強調するのに好都合である。一方、非緊急の場合は、特定の匂いや香りにより重要情報内容を心理的に強調し、ある程度時間をかけて情報の印象付けを行なうと効果的である。
【0020】
被提供情報が非緊急と指定されている場合に採用される視覚情報出力部は、情報量の多い画像表示器とすることが有効である。他方、被提供情報が緊急と指定されている場合に採用される視覚情報出力部は、輝度的に目立ちやすい発光インジケータとすることが情報強調を行なう観点で望ましい。
【0021】
一方、被提供情報出部選択手段は、分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は非視覚情報出力部を、同じく非緊急と指定されている場合は視覚情報出力部を選択するように構成できる。情報伝達の迅速性を考慮すれば、非視覚情報出力部は聴覚情報出力部ないし触覚情報出力部とすることが望ましい。特に、聴覚情報出力部を選択する場合は、これを、アラーム音出力部として構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を添付の図面を用いて詳しく説明する。図1は、本発明の自動車用情報提供システムの概念的なブロック図である。該自動車用情報提供システム534は自動車側に固定搭載されるものであり、マイコン(ECU)2を制御主体として構成されている。なお、通信接続された複数のマイコンにより連携的に制御機能を実現してもよい。
【0023】
マイコン2は、CPU21、RAM22、ROM23及び入出力部24を内部バスにて接続したものであり、ROM23には、本発明の自動車用情報提供システムの基本機能を実現するための情報処理提供アプリケーションが搭載されている。CPU21は、該情報処理提供アプリケーションを、RAM22をワークエリアとする形で実行する。
【0024】
入出力部24には、自動車の走行状態を検出するセンサ群として、自動車の走行速度を検出する車速センサ31、走行方向加速度を検出する加速度センサ32、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ33が接続されている。また、走行距離を検出する走行距離センサ34、エンジンオイルの劣化状況を検出するオイル劣化センサ35も接続されている。さらに、車外環境の検出用として、走行中の路面の温度を検出する路面温度センサ36、降雨を検出する雨滴センサ37、車外日照量を検出する日照センサ38が接続されている。また、路面状態を撮影する路面カメラ39、車両周辺の監視映像を撮影する車外監視カメラ40も接続されている。
【0025】
また、入出力部24には、通信網(インターネット等)72を介して画像ないし音声による被提供情報を受信取得するための通信ユニット41が接続されている。被提供情報は、通信網72に接続されたデータサーバ73から基地局71を経て通信ユニット41によりダウンロードされる。通信ユニット41は車々間通信装置あるいは車路間通信装置の機能も具備する。また、VICS基地局74からの渋滞情報や規制情報等をFM受信するVICS受信部42も接続されている。
【0026】
次に、入出力部24には、車室内のユーザーの顔を撮影する顔カメラ43、ユーザーの体温(主に顔面温度)を検知する赤外線体温検知部44が接続されている。これらは、ユーザーの心身負荷状態を検出する心身負荷状態検出手段を構成するものである。また、入出力部24には、各座席のユーザーの着座を検出する着座センサ45、ユーザーが音声入力を行なうためのマイクロフォン46が接続されている。
【0027】
入出力部24には、被提供情報出力部が種々接続されている。具体的には、第一種情報出力部の聴覚情報出力部としてブザー47(アラーム音出力部)が設けられている。また、触覚情報出力部としてシートバイブレータ48が接続されている。該シートバイブレータ48は図3に示すごとく、座席の座部ないし背もたれ部に埋設されている。
【0028】
具体的には、第二種情報出力部の視覚情報出力部として、発光ダイオード等で構成された警告インジケータ(発光インジケータ)51とヘッドアップディスプレイ53が接続されている。図2に示すように、警告インジケータ51は、車室内のインパネ部に対し運転席正面位置に取り付けられる一方、ヘッドアップディスプレイ53は、その上方にてウィンドシールド内面に視覚情報を虚像投影するものである。また、嗅覚情報出力部として種々の芳香(アロマ)を発生させる香発生部50が接続されている。香発生部50は、座席の近傍やエアコンユニット51のエアダクト周辺に設けられる。
【0029】
入出力部24には、車室内照明49も接続されている。図4は、車内照明49の構成例を示すもので、各々固有の照明色からなる複数の照明部(本実施形態では、赤系照明49r、アンバー系照明49u、黄系照明49y、白系照明49w及び青系照明49bからなる)を有する。これらの照明は、マイコン2(図1)からの制御指令信号を受けて指定されたものが選択され、制御指令信号に従い種々の点灯パターンにて点灯制御される。照明光色が変更可能となることにより、車室内照明49は一種の視覚情報出力部とみなすことができる。
【0030】
また、マイコン(ECU)2には、通信バス70を介して他のECUがネットワーク接続され、互いに情報の送受信を行なうようになっている。例えば、カーナビゲーションシステム60は、情報系ECUを含んで構成されるものであり、周知のごとく、地図データとGPSによる現在地情報とに基づいて、車両の現在位置を地図上にマッピングし、モニター61(図2に示すごとく、運転席脇のセンターコンソール前面に配置されている)が、上に表示する。また、ユーザー入力に従い目的地を設定すると、該目的地までの経路を地図上に表示し、スピーカ62からの音声出力も併用して経路案内を行なう。モニター61は視覚情報出力部を構成するものであり、通信ユニット41が取得するインターネット等のコンテンツ情報の出力部にも兼用される。また、スピーカ62は聴覚情報出力部を構成するものであり、経路案内以外の音声情報の出力部としても使用される。
【0031】
マイコン2は、自身に接続された上記各種センサ類の検出情報や他のECUから送信されてくる検出情報を参照して、警告情報など、ユーザーへ通知するための種々の被提供情報を作成するとともに、上記他のECUから送られてくる被提供情報や、あるいは通信ユニット41ないしVICS受信部42が通信取得する被提供情報も含めて、RAM22内の情報出力リスト内にこれらを時系列順に登録し、情報提供処理アプリケーションの実行により、その出力管理を行なう。図5に示すように、情報出力リストには各被提供情報の内容に、その情報が重要(1)ないし非重要(0)のいずれであるか、ないし緊急(1)ないし非緊急(0)のいずれであるかを示す分類情報が付与された形で登録されている。
【0032】
図6に示すように、被提供情報は、分類情報の内容により次の4群の情報に分類される。
A群(非重要/非緊急)
ユーザーの趣味やエアコン等による空間制御に関する情報であり、通信ユニット41を介して取得するインターネットコンテンツ情報などもこれに該当し、例えば乗員の嗜好や興味に適合する口コミ情報である。他方、乗員の体調変化(表情や体温:図1の顔カメラ43の画像や体温検知センサ44の検知結果を用いて特定される)情報も該当する。
【0033】
B群(非重要/緊急)
ユーザーの嗜好や興味に関連して、特に新ネタやレア情報など、インターネットコンテンツ情報の中でも話題性やタイムリー性が強い情報がこれに関連する。また、カーナビゲーションシステムと連携して、関連する現在地周辺イベントの情報も対象となる。
【0034】
C群(重要/非緊急)
車両状態情報のうち、比較的緩やかに変化する状態劣化情報、例えばタイヤ磨耗情報やオイル劣化情報。前者は、例えばタイヤ交換時にリセットされた走行距離情報により、後者はオイル劣化センサ35の検知情報により特定できる。また、車々間通信情報を用いて取得される、同行車両の位置や休憩状態の情報、VICSやカーナビゲーションシステム等を用いて取得される交通警戒情報(事故多発地帯、速度超過になりやすい箇所、人の飛び出しが多い場所、特異な交通挙動が生じやすい場所)。なお、個人用の情報データベースを搭載することにより、出張先で客の心を掴むことができる社交辞令情報、忘れ物チェック情報(出発前、到着時)なども例示できる。さらに、家族の記念日(誕生日、入学式、旅行日、事前準備日、結婚記念日など、忘れると家族など私的社会から非難を浴びるような日)情報の提供も有効である。
【0035】
D群(重要/緊急)
即時的な対処が必要な車両異常情報。例えば、タイヤ磨耗限界への接近、想定ロール/ヨー限界への接近(ヨーレートセンサ33の検出状態により特定される)など。また、他交通(他車両、人、動物など)や障害物への接近(車外監視カメラ40、車々間通信、路車間通信などにより特定)、挙動不審車両の存在、路面状況変化(冠水、凍結、積雪など(路面カメラ39、路面温度センサ36より特定)など。また、個人用の情報データベースを搭載することにより、仕事のやり直しや過ち修正など、客先に着く前に必ず対処するべき事項に係る情報、株、先物、為替など価値変動の大きい金融情報など。さらに、家族の記念日や要望への対応であって、現在地固有のコンテンツを入手するための情報(気の利いた特産品、情報、グッズ等:インターネットコンテンツ情報)。
【0036】
図7は、情報処理提供アプリケーションによる情報出力管理処理の主ルーチンを示すフローチャートである、S100において何らかの情報が新たに取得された場合、S110及びS120で緊急度と重要度とを判定し、S130で、その判定結果を前述の分類情報として付与した形で図5の情報出力リストに登録する。S140では、その情報出力リストに登録されている被提供情報の出力先を、上記の分類情報を参照して決定し、S150にてその決定結果に従い情報出力する。
【0037】
図8は緊急度判定処理であり、S200で緊急と判定された情報は前述の分類B又は分類Dとし(S210)、非緊急と判定された情報は前述の分類A又は分類Cとする(S220)。また、図9は重要度判定処理であり、S400で重要と判定された情報は前述の分類C又は分類Dとし(S410)、非重要と判定された情報は前述の分類A又は分類Bとする(S220)。両判定処理を経ることで、各情報は、分類A〜Dのいずれかに択一的に分類されることとなる。
【0038】
図10は、被提供情報の出力先の決定処理であり、S300にて出力対象情報が分類D(重要/緊急)であった場合はS310に進み、図1の警告インジケータ52(視覚情報出力部)を点灯させるとともに、S320ではシートバイブレータ48(触覚情報出力部)を振動させる。つまり、視覚情報と触覚情報とを複合出力することで、ユーザーに重要かつ緊急な情報の存在を確実に認知させることができる。例えば、異常発生に係る情報であれば、異常種別に対応して複数の警告インジケータを設け、該当するものを点灯させる方法を採用することもできる。また、ヘッドアップディスプレイ53に警告表示を行なうことも可能である。他方、情報の詳細内容について、例えばモニター61に補助出力する方式も可能である。この場合、詳細内容を自動的にモニター61に出力させてもよいし、ユーザーの入力(操作ないし音声)があった場合にのみ出力させるようにしてもよい。
【0039】
一方、S300にて出力対象情報が分類D(重要/緊急)でなかった場合はS330に進む。そこで出力対象情報が分類C(重要/非緊急)であった場合はS340に進み、情報出力対象機器としてモニター61(視覚情報出力部:第二種情報出力部)を選択する。次いで、S350ではユーザーの心身負荷状態を検出する。
【0040】
ユーザーの負荷については、図11のフローチャートに従い判定する。まず、S500〜S540において、ユーザーの運転に関するスキルの有無、ユーザーの状態の平常さ、車両挙動に影響しうる環境の有無、ユーザーが認知する(確認する)対象の多さ、ユーザーが認知する上で障害となる環境の有無を判断する。各ステップにてYesと判定するための条件は以下の通りである。
【0041】
・スキル十分にあり
現在走行中の地域に慣れ親しんでいればYes。例えば、カーナビゲーションシステム60に蓄積されている走行実績情報から、該地域内での走行距離が閾値(例えば1000km)以上であればスキルは十分であり、Yesと判定する。
【0042】
・ユーザーの状態が平常
精神や肉体が通常状態にあればYes。顔カメラ43が検出するユーザーの表情や、体温変化等により判定する。
【0043】
・車両挙動に影響しうる環境有
速度が閾値以上(例えば、法廷速度+スキルに応じた個別速度マージン(例えば20km/h)にある場合、運転位置が頻繁にロール変化を起こす場合、さらには、路面状況が凍結、積雪あるいは濡れ(冠水)状態にある場合、走行路が峠など高度な運転技能を要求される形状の場合(カーナビゲーションシステム60より取得)、スリップする可能性がある場合(路面温度センサ36、インターネット気象情報、あるいはプローブカーとの車々間通信情報等により取得)、のいずれかが成立していればYes。
【0044】
・ユーザーが認知する(確認する)対象が多い
交通量が多い場合(インターネット交通情報やVICS等により取得)、他車両や障害物が多い場合(車外監視カメラ40、車々間通信、路車間通信などにより取得)のいずれかが成立していればYes。
【0045】
・ユーザーが認知する上で障害となる環境有
フロントガラスへ水滴付着(雨滴センサ37により取得)、一定照度未満(日照センサ38により取得)、積雪により道の境界が判りにくい(路面温度センサ36及び路面カメラ39により取得)、ブラインドコーナ等により見通しが悪い(車外監視カメラ40から取得)、のいずれかが成立していればYes。
【0046】
このうちスキル以外の判定結果の少なくとも1つがYesであればS560に進み、負荷大フラグをセットする一方、そうでない場合はS550に進み、負荷大フラグをリセットする。また、S500においてユーザーのスキル判定がYesの場合は、自身の判断能力や車両の挙動変化に対する保障ができると考え、S510(ユーザー状態の平常判定)及びS520(車両挙動に影響しうる環境の有無判定)をスキップする。
【0047】
図10に戻り、S350でユーザーの負荷が大でなければS360に進み、香発生部(嗅覚情報出力部:第二種情報出力部)50を選択する。ここでも、情報の詳細内容について、例えばモニター61に補助出力する方式が可能である。他方、S350でユーザーの負荷が大であればS360をスキップする。
【0048】
S330で、出力対象情報が分類Cでなかった場合はS370に進む。そこで出力対象情報が分類B(非重要/緊急)であった場合はS380に進み、ユーザーの心身負荷状態を検出する。ユーザーの負荷が大でなければS390に進み、ブザー(聴覚情報出力部:第一種情報出力部)47を選択する。こでも、情報の詳細内容について、例えばモニター61に補助出力する方式が可能である。他方、S380でユーザーの負荷が大であればS390をスキップする。
【0049】
S370で、出力対象情報が分類Cでなかった場合は、出力対象情報が分類Dであると判定し、S395に進んで、モニター(視覚情報出力部:第二種情報出力部)61を選択する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の自動車用情報提供システムの概念ブロック図。
【図2】情報出力部の配置例を示す図。
【図3】シートバイブレータの配置形態の一例を示す図。
【図4】車室内照明の構成例を示すブロック図。
【図5】情報出力リストの概念図。
【図6】被提供情報の分類概念を示す図。
【図7】情報出力管理の主処理の流れを示すフローチャート。
【図8】緊急度判定処理の流れを示すフローチャート。
【図9】重要度判定処理の流れを示すフローチャート。
【図10】情報出力部の選択処理の流れを示すフローチャート。
【図11】心身負荷状態の判定処理の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0051】
1 自動車側情報出力システム
2 マイコン(被提供情報取得手段、被提供情報出部選択手段、情報出力制御手段)
47 ブザー(聴覚情報出力部)
48 シートバイブレータ(触覚情報出力部、振動発生器)
52 警告インジケータ(発光インジケータ、視覚情報出力部)
53 ヘッドアップディスプレイ(視覚情報出力部)
50 香発生部(嗅覚情報出力部)
60 カーナビゲーションシステム
61 モニター(視覚情報出力部)
62 スピーカ(聴覚情報出力部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報が予め付与された被提供情報を取得する被提供情報取得手段と、
前記被提供情報のユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部と、
取得した前記被提供情報の出力先となる前記被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、前記分類情報内容に応じて適正化しつつ選択する被提供情報出部選択手段と、
決定された被提供情報出部に前記被提供情報を出力させる情報出力制御手段と、
を有することを特徴とする自動車用情報提供システム。
【請求項2】
前記被提供情報出力部は、前記被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部と前記被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部との少なくともいずれかよりなる第一種情報出力部と、前記被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部及び前記被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる第二種情報出力部とを備え、
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により緊急と指定された被提供情報の出力先として前記第一種情報出力部を選択し、緊急指定の対象外とされた被提供情報の出力先として前記第二種情報出力部を選択する請求項1記載の自動車用情報提供システム。
【請求項3】
前記ユーザーの心身に係る負荷状態を検出する心身負荷状態検出手段を有し、前記被提供情報出部選択手段は、予め定められたレベル以上の負荷状態が検出された場合に、前記聴覚情報出力部又は前記嗅覚情報出力部の動作を禁止する請求項2記載の自動車用情報提供システム。
【請求項4】
前記触覚情報出力部が振動発生部を含む請求項2又は請求項3に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項5】
前記振動発生部が座席に埋設されている請求項4記載の自動車用情報提供システム。
【請求項6】
前記嗅覚情報出力部が香発生部を含む請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項7】
前記被提供情報出力部は、前記被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部を備え、かつ、前記被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部、前記被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部及び前記被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる非視覚情報出力部を備え、
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、前記視覚情報出力部と前記非視覚情報出力部とを複合選択し、前記分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、前記視覚情報出力部と前記非視覚情報出力部とのいずれかのみを選択する請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項8】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されているか否かに応じて、2以上の前記非視覚情報出力部のいずれを選択するかが変更される請求項7記載の自動車用情報提供システム。
【請求項9】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は前記視覚情報出力部と前記触覚情報出力部とを複合選択し、同じく非緊急と指定されている場合は前記視覚情報出力部と前記嗅覚情報出力部とを複合選択する請求項8記載の自動車用情報提供システム。
【請求項10】
前記被提供情報が非緊急と指定されている場合に採用される前記視覚情報出力部が画像表示器であり、前記被提供情報が緊急と指定されている場合に採用される前記視覚情報出力部が発光インジケータである請求項9記載の自動車用情報提供システム。
【請求項11】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は前記非視覚情報出力部を、同じく非緊急と指定されている場合は前記視覚情報出力部を選択する請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項12】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合に前記聴覚情報出力部を選択する請求項11記載の自動車用情報提供システム。
【請求項1】
情報の重要度ないし緊急度を反映した分類情報が予め付与された被提供情報を取得する被提供情報取得手段と、
前記被提供情報のユーザーによる知覚方式が互いに相違する複数の被提供情報出力部と、
取得した前記被提供情報の出力先となる前記被提供情報出力部の種別もしくは組み合わせを、前記分類情報内容に応じて適正化しつつ選択する被提供情報出部選択手段と、
決定された被提供情報出部に前記被提供情報を出力させる情報出力制御手段と、
を有することを特徴とする自動車用情報提供システム。
【請求項2】
前記被提供情報出力部は、前記被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部と前記被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部との少なくともいずれかよりなる第一種情報出力部と、前記被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部及び前記被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる第二種情報出力部とを備え、
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により緊急と指定された被提供情報の出力先として前記第一種情報出力部を選択し、緊急指定の対象外とされた被提供情報の出力先として前記第二種情報出力部を選択する請求項1記載の自動車用情報提供システム。
【請求項3】
前記ユーザーの心身に係る負荷状態を検出する心身負荷状態検出手段を有し、前記被提供情報出部選択手段は、予め定められたレベル以上の負荷状態が検出された場合に、前記聴覚情報出力部又は前記嗅覚情報出力部の動作を禁止する請求項2記載の自動車用情報提供システム。
【請求項4】
前記触覚情報出力部が振動発生部を含む請求項2又は請求項3に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項5】
前記振動発生部が座席に埋設されている請求項4記載の自動車用情報提供システム。
【請求項6】
前記嗅覚情報出力部が香発生部を含む請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項7】
前記被提供情報出力部は、前記被提供情報を視覚出力する視覚情報出力部を備え、かつ、前記被提供情報を聴覚出力する聴覚情報出力部、前記被提供情報を触覚出力する触覚情報出力部及び前記被提供情報を嗅覚覚出力する嗅覚情報出力部の少なくともいずれかよりなる非視覚情報出力部を備え、
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、前記視覚情報出力部と前記非視覚情報出力部とを複合選択し、前記分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、前記視覚情報出力部と前記非視覚情報出力部とのいずれかのみを選択する請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項8】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されているか否かに応じて、2以上の前記非視覚情報出力部のいずれを選択するかが変更される請求項7記載の自動車用情報提供システム。
【請求項9】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は前記視覚情報出力部と前記触覚情報出力部とを複合選択し、同じく非緊急と指定されている場合は前記視覚情報出力部と前記嗅覚情報出力部とを複合選択する請求項8記載の自動車用情報提供システム。
【請求項10】
前記被提供情報が非緊急と指定されている場合に採用される前記視覚情報出力部が画像表示器であり、前記被提供情報が緊急と指定されている場合に採用される前記視覚情報出力部が発光インジケータである請求項9記載の自動車用情報提供システム。
【請求項11】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合は前記非視覚情報出力部を、同じく非緊急と指定されている場合は前記視覚情報出力部を選択する請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載の自動車用情報提供システム。
【請求項12】
前記被提供情報出部選択手段は、前記分類情報により非重要と指定された被提供情報の出力先として、当該被提供情報が緊急と指定されている場合に前記聴覚情報出力部を選択する請求項11記載の自動車用情報提供システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−294791(P2009−294791A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−146124(P2008−146124)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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