説明

表面微細構造化装置

【課題】少なくとも一の基板の表面を微細構造化するための装置を提供する。
【解決手段】本装置は少なくとも、基板が一の部材から他の部材に搬送されるときに支持体が変化しないように各部材内又は各部材に対して基板を維持するように構成された基板支持手段(15)を好ましくは含む基板(S)保持用手段(6)と、感光性樹脂層を基板に塗布する部材と、樹脂層を硬化及び/又は乾燥させる手段と、レーザ光を用いて既定のプログラムに基づいて基板上の樹脂層を自動的に露光する部材(20)と、露光済みの樹脂層部分又は未露光の樹脂層部分を除去する現像用部材と、基板を化学エッチングする部材と、基板を洗浄する部材と、制御部(7)と、を備えた支持枠体(2)を有することを特徴とする表面微細構造化装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばガラス板、金属板、シリコンウエハなど、種々の基板表面を微細構造化する技術分野に関する。
【0002】
より具体的には、材料の表面において1ミリメートル以下の寸法の構造を形成することに関する。好ましくは(これに限定するものでないが)、本発明は1μm〜100μmの寸法の構造を形成することを目的とするものである。
【背景技術】
【0003】
材料の表面にこのような微細構造やエッチングを形成する技術として、レーザアブレーションやフォトリソグラフィなどが既に知られている。
【0004】
レーザアブレーションによるエッチング技術は、非常に高い形成精度を実現できる利点がある反面、高出力のレーザを使用しなければならず、高コストとなる欠点を有する。このため、この技術を短期間の使用や、特に微細構造化したガラス基板を製作する場合のような光学顕微鏡による分析に用いる使い捨ての部品として微細構造化した基板を形成するために利用すると、途方もなく高コストとなる。
【0005】
また、上述した2番目の技術すなわちフォトリソグラフィは、機械加工又は微細構造化するために、基板表面に所定の厚さの感光性樹脂を被着させる。次に、この樹脂層を、微細構造化の対象となる平面における投影に対応したパターンで部分的に露光し、露光作業が完了すると、露光済みの樹脂部分を除去し未露光の樹脂部分を保持するため基板を現像する。この作業により、基板は、例えばフッ化水素酸で化学エッチングされ、フッ化水素酸が樹脂で被覆されていない基板の領域に対して化学作用を及ぼす。最後に、エッチング処理した後、使用した酸の全ての痕跡とともに樹脂のあらゆる痕跡を基板から除去するために基板を洗浄する。
【0006】
このような技術によって、様々なパターンを形成でき、要求される精度を得ることが可能となる。
【特許文献1】欧州特許出願公開第EP1184895号明細書
【特許文献2】米国特許第US5202716号明細書
【特許文献3】米国特許第US6187134号明細書
【特許文献4】国際公開第WO02/103781号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば信頼性に関する試験の要求に合致するような、所定の微細構造化用パターンを有し、十分な再現性を有する比較的多数の基板を形成する場合には、異なる複数の装置が必要となる。これらの装置は各々、フォトリソグラフィの連続工程が実行可能なものでなければならず、またクリーンルームの設置が必要な衛生的でクリーンな状態で使用しなければならない。
【0008】
また、研究所や小規模事業体にとっては多大なコスト負担となり、微細構造化した基板を一時的にあるいは小規模生産で製作すべく高価な微細構造化用の設備を設置するための土地建物や財源の確保も困難である。
【0009】
このため、フォトリソグラフィで表面を微細構造化する全ての工程を実行でき、妥当な規模であり、クリーンルームの設置を必要とせず、しかも製造コストを抑えた微細構造化装置が求められている。また、そのような装置は、利用に際し自由度が高く、条件に従い一の基板から次の基板に対し異なる微細構造化を迅速かつ簡便に行えることが求められる。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0010】
これらの目的を実現するために、本発明は少なくとも一の基板の表面を微細構造化する装置に関するものである。この装置は
基板保持手段と、
感光性樹脂層を基板に塗布する部材と、
樹脂層を硬化及び/又は乾燥させる手段と、
既定のプログラムに従って基板上の樹脂層をレーザ光を用いて自動的に露光する部材と、
露光済みの樹脂層部分又は未露光の樹脂層部分を除去する現像用部材と、
基板を化学エッチングする部材と、
基板を洗浄する部材と、
既定のプログラムに従って基板表面を微細構造化するため、操作手段及び複数の異なる部材又は手段を自動又は半自動の態様で協働させるための制御部と、
を少なくとも備えた支持シャーシを有することを特徴とする。
【0011】
本発明は、基板のフォトリソグラフィのために必要な全ての手段を単一の装置に組み込み、単一の制御部を用いてこれらの手段を制御することで、微細構造化の技術に習熟していないユーザであっても、最低限の処理作業で、条件に見合った微細構造化した基板を得ることができる。
【0012】
なお好ましい態様では、制御部は、微細構造パターンの転写を行うコンピュータとのインターフェイスを実現する手段を含んでいる。さらにこの制御部は、ユーザによる既定のプログラムに従った微細構造であって、使用される基板に応じてユーザの指定する凹所や凸部の微細構造を得るのに必要な全ての処理工程を、ユーザに意識させないよう自動的に演算し実行するよう制御する。
【0013】
さらに、レーザ光を用いて既定のプログラムに従って基板上で樹脂層を露光する自動露光用部材を作動させることは、装置を可能な限り簡素化し、かつ微細構造化した基板の製造コストを一層節減できるマスクなしフォトリソグラフィと呼ばれる技術に依ることができるという利点も有している。
【0014】
このような本発明における一の特徴によれば、露光用部材は、
露光ビームを発するレーザ光源と、
レーザ光の焦点を合わせる光学手段と、
既定のプログラムに応じて決定される軌跡に沿って基板上で露光ビームを照射し自動的に走査させる光学手段と、
を備えている。
【0015】
好ましい態様においては、基板の完全な露光を確実に行えるよう装置を調整し易くするために、本発明における他の特徴に係る露光用部材は、
基板保持手段を観察する手段と、
レーザ光を光学的に光軸及び焦点を調整する手段と、
レーザ光の光学的な光軸及び焦点の調整作業において可視パターンを基板保持手段に照射する手段と、
を備えている。
【0016】
さらに、調整を容易にするため、及び基板の完全な露光、より正確には基板に塗布された感光性樹脂被膜の露光を保証するために、本発明に係る表面微細構造化装置は他の特徴として、基板保持手段の相対的な位置、及びレーザ光を照射し走査させる手段の相対的な位置を調整する手段も備えている。
【0017】
本発明における一の好適な特徴によれば、操作手段は、基板が一の部材から次の部材に移る間に支持状態が変わることのないよう、基板を各部材内で、あるいは各部材に対して保持するように構成された支持手段を備える。これにより、基板は、処理段階でも、待機段階すなわち次の処理段階に移るまでの間でも、同一の支持手段に保持された状態に維持できる。
【0018】
本発明によれば、基板保持手段は種々の手法で実現可能である。本発明に係る装置で採用したように、マスクなしフォトリソグラフィの異なる工程を連続的に実行可能にするために、例えば一の部材から次の部材へと移動させるような可動式保持具によって基板を保持する構成も採用できる。
【0019】
本発明における好ましい(これに限定するものでないが)実施の形態によれば、表面微細構造化装置は、基板保持用の手段として、
少なくとも上下方向の線運動において可動するようにシャーシに取り付けられたアーム、及びこのアームを上昇位置及び下降位置の少なくとも2つの位置間で上下方向の線運動で移動させるように構成された、制御部で駆動されるアクチュエータと、
水平軸を中心にした回転軸において可動するようにアームに取り付けられた枢動ヘッド、及びこの枢動ヘッドが上昇位置及び下降位置の2つの位置間で枢動するように構成された、制御部で駆動されるアクチュエータと、
基板支持用手段として、枢動ヘッドの上昇位置において、露光ビームを基板に照射する光学手段に枢動ヘッドが面するよう位置決めされるように、枢動ヘッドに取り付けられた基板を収容かつ固定する保持板と、
保持板を駆動して自転させる手段であって、制御部によって作動され、遠心作用で樹脂を基板に拡散させるのに十分な速度で保持板を回転させるように構成された駆動手段と、
を備えている。
【0020】
このような基板保持手段を用いると、基板に対して行われる操作を極力低減するとともに、基板の動きを最小限にでき、これによって形成された微細構造のモチーフすなわちパターンの高度な再現性を保証できる利点が得られる。
【0021】
また基板保持の精度を高めるために、本発明の一の特徴によれば、保持板は、
基板を収容する凹所と、
感光性樹脂を硬化及び/又は加熱する手段として、制御部で作動される電熱手段と、
を備えることができる。
【0022】
さらに本発明によれば、多様な形状や変化する寸法の基板の位置決めを可能にするために、多様なタイプの交換可能な凹所を用いる構成も採用できる。この把持機構は、基板の形状によらず、基板に印加される外力を制御することで基板を不動にする。
【0023】
一方で好ましい実施の形態において、フォトリソグラフィの異なる相に対応する異なる部材に対して基板を連続的に配置できるように、本装置はこれらの部材を移動させる手段を備えることができる。本発明によれば、これらの部材移動手段は、各部材が備える保持具を支持してエンドレスベルトで駆動される(例えば案内路の形状のような)任意の好適な態様で構成できる。
【0024】
好ましい実施の形態において、部材移動手段は、少なくとも以下の構成要素、すなわち、
感光性樹脂層を基板に塗布する部材と、
現像用部材と、
基板を洗浄する第1の部材と、
基板を化学エッチングする部材と、
基板を洗浄する第2の部材と、
制御部によって作動され、各部材を連続するように保持板の下に配置して基板を受けて維持するよう構成されたテーブルを移動させる手段と、
が取り付けられた可動式テーブルを備える。
【0025】
本発明によれば、これらの部材は好適な任意の態様で構成できる。特にテーブルの設計を大いに簡素化して好適な製造コスト低減を実現するように構成された好ましい(これに限定するものでないが)実施の形態においては、樹脂塗布用部材は、
テーブルに設けた窓部と、
テーブルの下に配置され、窓部に対向する上部で開放される樹脂用のリザーバと、
窓部を閉塞するため、制御部によって開閉される少なくとも一の電動式シャッターと、
を備える。
【0026】
同様に、現像用部材は、
テーブルに設けた窓部と、
テーブルの下に配置され、窓部に対向する上部で開放される現像液用のリザーバと、
窓部を閉塞するため、制御部によって開閉される少なくとも一の電動式シャッターと、
を備える。
【0027】
同様に、化学エッチング用部材は、
テーブルに設けた窓部と、
テーブルの下に配置され、窓部に対向する上部で開放される化学エッチング溶液用のリザーバと、
窓部を閉塞するため、制御部によって開閉される少なくとも一の電動式シャッターと、
を備える。
【0028】
このような設計は洗浄用部材にも好適に用いることができる。各部材は、
テーブルに設けた窓部と、
テーブルの下に配置され、窓部に対向する上部で開放される洗浄溶液用のリザーバと、
窓部を閉塞するため、制御部によって開閉される少なくとも一の電動式シャッターと、
を備える。
【0029】
なお、具体的な好ましい実施の形態において、各部材のリザーバは、テーブルから分離可能に構成され、使用する化学品に応じて、又はリザーバが空になったり汚染された際に速やかに交換できるよう構成されている。
【0030】
好ましい実施の形態において、各リザーバはテーブルに取り付けたレールで移動可能な取り外し式引き出しを備えている。この取り外し式引き出しは、フィルム又は蓋状体で予め密封されてユーザに提供される。これらフィルム又は蓋状体は、引き出しをテーブルに装着した後で取り外される。このような態様は、使用する化学品が毒性あるいは揮発性を有するものの場合に特に有効である。
【0031】
なお、本発明に係る装置は、装置の外部にで有毒物が放散される虞を低減するために減圧状態にできる一般的なケーシングも備えることができる。この場合に、リザーバの貯蔵対象に対して密封性を付与するために少なくとも一部において各部材のシャッターを付加することが好ましい。
【0032】
本発明に係る実施形態の好ましい特徴によれば、フォトリソグラフィの各工程を簡単かつ迅速に実行できるようにするため、基板保持手段は、受け用保持板と枢動ヘッドとの間の距離によって保持板が各リザーバ中へ移動できるように構成されている。これにより、待機位置においては基板及び保持板が貯蔵物の液面すなわちリザーバの槽の液面から所定の距離に配置され、またアニールすなわち硬化の位置においては保持板及び基板がリザーバの貯蔵物内に少なくとも一部だけ浸漬可能となる。なお待機位置、硬化位置のいずれにおいても閉塞シャッターを確実に保持できるよう設計されている。
【0033】
本発明における他の特徴によれば、フォトリソグラフィによる微細構造化の技術に関して特別な知識がなくても簡単かつ迅速な作業が可能となる。このため制御部は、基板を保持板に装着させた後で少なくとも以下の作業、すなわち、
感光性樹脂層を基板に被着させる作業と、
感光性樹脂層を乾燥及び/又はアニールする作業と、
既定のプログラムに従って感光性樹脂層を露光する作業と、
感光性樹脂層を現像する作業と、
基板及び樹脂層の残余部分を洗浄する作業と、
基板を化学エッチングする作業と、
感光性樹脂層の残余部分を除去し、基板を洗浄する作業と、
を自動又は半自動で連続して行うことができるよう構成される。
【0034】
本発明に係るフォトリソグラフィ処理に関する具体的な好ましい実施の形態において、制御部は少なくとも以下の作業、すなわち、
凹所を下方へ向けたまま、基板を保持する保持板を配置する作業と、
保持板及び基板を感光性樹脂に部分的に浸漬させる作業と、
保持板及び基板を感光性樹脂から引き出す作業と、
基板表面において所定厚さの均一な層を得るために、凹所を下方へ向けたまま、所定の回転速度で所定の時間、保持板を回転させる作業と、
を制御することによって感光性樹脂の被着を自動的に実行するように構成される。
【0035】
実際、本発明者らは、遠心作用によって基板に樹脂を拡散させる際に、上向きでも下向きでも、保持板の向き又は姿勢によらず、基板上に均一な樹脂層を形成することに差を生じないことを見出した。
【0036】
このような知見が本発明に係る装置の作業方法に繋がったものであり、始めに基板を樹脂に浸漬させ、次いで遠心作用による拡散工程のために基板を樹脂の液面よりも上に配置するよう保持板を引き出して、それとともに樹脂塗布用部材を閉塞するシャッターを閉じた状態とした。これにより、樹脂が外部に放出されることがなく、また装置や他の部材を汚染することもない。
【0037】
上述の本発明に係る多様な特徴は、相互に排他的でない限り任意に組み合わせて一体として実施し得ることはいうまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
さらに、本発明による表面微細構造化装置に関する一の好ましい(これに限定するものでないが)実施の形態を、概略化した態様で示す添付の図面を参照すれば、本発明に係るその他の多様な特徴が以下の説明から明らかとなろう。
【0039】
図1及び図2に示され、全体として符号1で参照される本発明に係る表面微細構造化装置は支持シャーシ2を含む。この支持シャーシ2には、マスクなしフォトリソグラフィによる基板の微細構造化の様々な工程を実施するように構成された種々の機能用構体が取り付けられている。図示した実施例によれば、支持シャーシ2はその底部に化学処理エリア3を備える。この化学処理エリア3は多様な化学反応用部材を備えており、以下の説明において一層明らかとなるように微細構造化における化学処理を行うように構成される。
【0040】
支持シャーシ2は、化学処理エリア3よりも上方に配置され支持シャーシ2の一部を形成する支柱5によって化学処理エリア3に連結される光学エリア4も備えている。装置1は支持シャーシ2に取り付けられた少なくとも一の基板を保持する手段6も備えている。
【0041】
装置1は、図示した実施例のように、支柱5に取り付けられた台脚8によって支持された制御部7も備えている。なおこの制御部を別個に独立させ、適宜連結手段を用いて本発明に係る装置の構成部材に連結させることもでできる。
【0042】
本発明によれば、基板保持手段6は種々の手法で構成できる。
【0043】
図示した実施例によれば、この基板保持手段6は支持シャーシ2に固定された支柱11に取り付けたアーム10を備えている。このアーム10は、概ね水平に配設されており、少なくとも軸線D1での垂直な線運動において可動にするように支持シャーシ2に取り付けられる。図示した実施例によれば、この動きは例えば(これに限定するものでないが)制御部7によって作動される電気式アクチュエータ等のアクチュエータ12の作用で、支柱11の線運動における移動によって軸D1に平行して行われる。少なくとも一の基板を保持する手段は、支柱11に対向させたアーム10の端部に取り付けた枢動ヘッド13も備えている。
【0044】
この枢動ヘッド13は水平の軸線D2を中心にして回転するようにアーム10に連結されている。そして枢動ヘッド13は、例えば(これに限定するものでないが)図3に示したアーム10内に配置されている歯車付モータ14等のアクチュエータによって回転駆動される。この歯車付モータは、制御部によって作動され、図1において実線で示す上昇位置Cと一点鎖線で示す下降位置Dとの間で、枢動ヘッド13を枢動させる。
【0045】
図3において一点鎖線で概略的に図示するように、例えば矩形状のスライス材料のような基板Sの操作そのものを行うために、基板保持手段6は、基板用の支持手段として、基板を受けて保持するように構成された保持板15を備えている。
【0046】
微細構造化作業の間、基板Sを完全に不動状態とするために、保持板15は基板が収容される凹所16を備えている。この凹所16は、基板Sの形状と相補性をなす形状とすることが好ましく、凹所16内での基板Sの不動状態を実現するために種々の態様で構成できる。好ましい実施の形態によれば、凹所16は例えば基板Sを凹所16内で不動状態とするために弾性度を好適に設定できるシリコンのような合成エラストマ等の弾性変形可能な材質で作製されている。なお本発明に係る装置は、様々な寸法の基板の微細構造化を可能にでき、このような目的に対して微細構造化される基板の寸法に応じて交換するために、凹所16をモジュラー型としたり、保持板を脱着自在としてもよい。
【0047】
また、保持板15は垂直の軸線D3を回転軸として可動にするように枢動ヘッド13に取り付けられている。そして枢動ヘッド13は軸線D3で保持板15が自転するよう駆動させる手段を備えている。駆動手段17は、例えば制御部7によって作動されるモータであって、以下に説明するように、基板Sに被着された樹脂の遠心作用による拡散を実現するのに十分な速度で保持板15を回転させるよう設定されたモータで構成されうる。保持板15は、電源を制御部7で制御される抵抗体等の加熱機構18も備えている。この加熱機構18は、基板Sに塗布された樹脂層を硬化及び/又は乾燥させる手段を構成している。
【0048】
なお、基板Sを保持する手段6、具体的には枢動ヘッド13及び保持板15は、化学処理エリア3と光学エリア4の間に位置している。これにより保持板15は、枢動ヘッド13の回転運動を通じて、光学エリア4と対向する上昇位置C、又は化学処理エリア3と対向する下降位置Dに配置できる。
【0049】
本発明によれば、光学エリア4には、基板に塗布された樹脂層を自動露光する部材20が備わっている。図4から明らかなように、この露光用部材20は、基板Sに対する露光ビームとして作用するよう構成されたレーザ光22を発するレーザ光源21を備えている(詳細は後述)。部材20はレーザ光の焦点を合わせる光学手段23も備えている。図示した実施例によれば、この光学的焦点手段23は、焦点の調整を可能にするよう、特に線運動を可動にしたレンズ24を備えている。露光用部材20は、既定のプログラムに応じて決定される軌跡に沿って走査することにより、基板S上に露光ビームを照射し自動的に走査させる光学手段25も備えている。
【0050】
レーザ光22を照射し自動的に走査させる光学手段25は、当然ながら制御部7に連結されており、この制御部7が光学手段25の動作を制御する。
【0051】
基板上でレーザ光の位置の最適な調整、特に露光前の位置の初期化を行うために、露光用部材20は、基板Sを保持する手段を観察し、本実施例のように保持板15内の凹所16を観察する手段も備えている。図示した実施例に係る観察手段26は、制御部7に接続され、制御部7の画面27上に凹所16の画像、具体的には凹所16内に配置されている基板Sの画像を表示するように設定されたビデオカメラで構成される。部材20はレーザ光の光軸及び焦点を調整する手段も備えている。図示した実施例に係る調整手段は、レーザ光22を照射し走査させる光学手段と組み合わせてあり、また焦点レンズ24を備えている。
【0052】
最後に、露光用部材20は、基板保持用手段、具体的には保持板15内の凹所16を照光する手段28を備えており、観察手段26を介してパターンを観察でき、レーザ光22の光学的な光軸及び焦点の調整ができるように構成される。
【0053】
本発明に係る装置で行われる微細構造化処理における、いわゆる化学処理を実行するために、化学処理エリア3は、図2に示すように基板Sに感光性樹脂層を塗布する部材30、現像用部材31、第1の基板S洗浄用部材32、基板Sの化学エッチング用部材33、第2の基板洗浄用部材34を備えている。
【0054】
化学処理エリア3において、様々な化学用部材30〜34は種々の方法で配置できる。図示した実施例に係る化学用部材30〜34は全て、垂直の軸線D4を中心にした回転軸において可動するテーブル35に取り付けてある。したがって、テーブル35はこれらの部材を移動させる手段を備えている。そして化学用部材30〜34は互いに対して60°で配設されている。図示した実施例に係るテーブル35は、採用された化学エッチングのタイプに応じて、追加分の槽の受け用として6番目の化学用部材36を備えている。
【0055】
テーブル35は、後述の説明において一層明らかとなるように、基板Sを受けて保持する保持板15の下方で各化学用部材30〜34及び36の連続的な位置決めを可能にするよう、制御部7によって作動される歯車付モータ等の駆動手段37により、回転の駆動がなされる。
【0056】
図示した実施の形態に係る各化学用部材30〜34及び36は、その構成が概ね同様である。したがって、各化学用部材30、31、32、33、34、36は化学槽42のリザーバ41と対応させて窓部40を備えている。リザーバ41は窓部40と対向する上方において開放している。図示した実施例に係る各リザーバ41は、テーブル35の底面35iに固定されたレール43で支持される取り外し可能な引き出し状に作製されている。化学槽42の性質によっては、引き出し41とテーブル35の底面35iとの間を密閉するように構成された周縁密封用のガスケット44を、引き出し41の上部に嵌着させる構成も適宜採用できる。なお、窓部40及びリザーバ41は、化学槽42に保持板15を少なくとも部分的に浸漬させるのに十分な寸法としている。
【0057】
また、各化学用部材30〜34及び36は、窓部40の開閉のために電動式シャッター45、46を少なくとも一(図示した実施例では2つ)備えている。この電動式シャッター45、46は、制御部7によって開閉される。シャッター45、46は、対応する窓部40の開閉を行うように、テーブル35の上面35sに取り付けてある。閉鎖の位置において、この機構は埃や光、化学槽42からの気化物に対する密封性を形成している。
【0058】
さらに、保持板15を各化学用部材30〜34及び36の化学槽42に少なくとも部分的に浸漬させるために、保持板15は、図3に示すように枢動ヘッド13から所定の距離に配置されるよう、シャフト47を用いて枢動ヘッド13に取り付けられている。各シャッター45、46は、保持板がリザーバ41内に配置されるとき窓部40の閉鎖を行うことができ、さらにシャフト47を通過でき、かつ密封性を維持するように構成することが好ましい。このような目的で、各シャッター45、46には密封用のガスケット48が備えられ、このガスケット48は、シャフト47を包囲するスリーブ50の形状を覆うように構成される。なお本発明によれば、保持板15が部材内に位置しているとき、空気や放出物に対して一定の密封性を実現するために、その他の手段を適宜用いることもできる。
【0059】
上述した表面微細構造化装置1は、以下の態様で実施できる。
【0060】
まず、装置1のユーザは、制御部7の部位において、処理対象となる微細構造化のパターンを入力又は選択する。この入力又は選択は種々の方法で実現できる。例えば入力は、パーソナルコンピュータ(図示せず)から、制御部7に組み込まれたインターフェイス装置(これも図示せず)を介して、コンピュータのファイルを制御部7に送信したものであってもよい。パターンがプログラムされると、すなわち所望の微細構造化が二次元で表示されると、ユーザは次に別の微細構造化のパラメータ(例えば基板に対する化学処理の深さ)を選択できる。エッチングの深さ、すなわち化学処理の影響に関する設定に基づき、制御部7は使用する化学槽及び基板の性質に応じて、自動又は半自動で好適な処理時間を決定する。
【0061】
微細構造化のパラメータが制御部7に登録されると、ユーザは、微細構造化すべき基板Sの受け手段の部位、具体的には保持板15の凹所16の部位に配置する。前述のように、基板Sは様々な形状を利用できるので、凹所16は基板Sが安全な態様で保持されるように、基板Sの形状と相補性をなす形状に構成される。
【0062】
そして、基板Sの表面に感光性樹脂層を塗布する工程に進む。このため制御部7は、感光性樹脂塗布用部材が枢動ヘッド13に対向して確実に配置されるようテーブル35の駆動手段を制御する。
【0063】
次にこの工程では基板を下向きにした状態で、枢動ヘッド13を下方の位置Dに配置するように、制御部7が枢動ヘッド13の回動を行う。その後、制御部7は、アクチュエータ12を制御することによって、シャッター45、46の開放と、枢動ヘッド13及び保持板15を降下させる。保持板15の降下は、基板Sが樹脂の槽42に浸漬されて図3における部分的な浸漬の位置Fに達するまで行われる。そして制御部7は、電動式シャッター45、46の閉鎖を行い、ガスケット48がシャフト47のスリーブ50を覆う。
【0064】
次に制御部7は、基板Sが樹脂の槽42よりも上方に位置し、かつ容器41内にもある中間の位置Eまで、枢動ヘッドを上昇させる。そして制御部7は、保持板15を駆動して自転させ、基板Sの表面で樹脂の拡散と遠心作用による分散を行うために、モータ17を始動する。
【0065】
「スピンコート」として知られるこのような作業は、余分な樹脂を除去するだけでなく、基板表面に樹脂を均一に分布させることも可能である。なお、本発明者らは基板の配設が上向きであっても下向きであっても、特にこの表面が水平の配設を有する場合、その表面における樹脂の分布の質にほとんど差異がないことを見出した。したがって本発明の場合は、このような知見に基づき、浸漬による樹脂の塗布と、その後容器41内に留まったままでも遠心作用によって樹脂が拡散されることが理解できる。その結果、基板から除去された樹脂を放出させてしまう虞をほぼ無くすことができる。このような放出物は、内部で遠心作用による拡散が生じる容器41内で自動的に回収される。
【0066】
この作業の後で、枢動ヘッド13を位置Dまで上昇させるために、制御部7は、アクチュエータ12を制御することによって電動式シャッター45、46の開放と保持板を容器41から引き出す作業とを行う。次に制御部は、基板Sが露光用部材20に対向して上向きに配設された状態で、枢動ヘッド13を上昇位置Cに配置する。
【0067】
この工程において、樹脂の性質によっては樹脂の乾燥及び場合によっては硬化を行うために、制御部7は保持板15とこの保持板15に担持される基板Sとを加熱するよう、抵抗要素18への電力供給も制御できる。
【0068】
そして樹脂の露光処理に進むことができる。露光を行うために、保持板15は、制御部7が作動させるアクチュエータ12によってストップ位置まで搬送され、露光用部材20に付着させた支持要素51に対接し、レーザ光を照射し走査させる手段に対する基板保持手段の相対的な位置関係を調整する手段として機能する
【0069】
この工程では、制御部7、あるいは装置1のユーザが、光学部分に関する調整を行う。光学部分に関する調整は、レーザ光の焦点を調整するためにテストパターンを基板に照光することによって行われる。
【0070】
なお、意図せぬ樹脂の露光を防ぐために、テストパターンの投影は安全な光を用いて行われる。さらに装置1は、装置を光と外部の埃から保護するように構成された、図1において1点鎖線で示す取り外し可能な不透明のケーシング52を備えている。
【0071】
これらの調整が完了すると、制御部7は、基板表面で行われる微細構造に関する既定のプログラムに応じて、レーザ光22の照射位置を自動的に走査させ制御することによって、基板S、すなわち具体的には基板Sの表面に塗布された感光性樹脂層の自動露光を制御する。
【0072】
露光が完了すると、次に樹脂の現像を実行できる。
【0073】
なお、これに関して本発明によれば、2種類の感光性樹脂、すなわちポジティブ型の樹脂又はネガティブ型の樹脂を用いることができる。これらの感光性樹脂は、いわゆるポジティブ型の感光性樹脂の場合、除去されるのは樹脂の露光部分であり、ネガティブ型の感光性樹脂の場合、除去されるのは樹脂の未露光部分であるという点で異なる。
【0074】
現像を行うために、制御部7は、枢動ヘッド13を下降位置に位置させ、枢動ヘッドと直角になるように現像用部材31を移動させる。次に、樹脂の塗布について説明したのと概ね同様の連続操作が続く。基板は部材31内に挿入され、シャッター45、46が閉鎖された後で、部材31の現像液の槽に浸漬される。浸漬させた後、保持板及び基板は槽から引き出され中間の位置Iに配置されて、制御部7が保持板15を回転させて基板Sの表面に存在する溶液の液滴を遠心作用で消失させる。次に制御部7は、現像用部材31から保持板15及び基板Sを引き出す作業を行う。
【0075】
次に制御部7は、基板を第1の洗浄用部材32の洗浄溶液の槽に浸漬させて、基板の洗浄を行う。洗浄は、現像の場合と同様に浸漬し、その後基板表面に存在する溶液を遠心作用で除去して行われる。
【0076】
洗浄工程の後、基板のエッチング作業が続く。この作業は、腐食性溶液を用いて、樹脂で被膜されていない基板の表面部分を化学変化させるものである。このため制御部7は、枢動ヘッド13に対向する化学エッチング用部材33を位置決めし、次に現像工程と同様に、制御部7がシャッター45、46の開放と、保持板15及びこの保持板15に担持される基板を部材33内に挿入する。次に基板Sを、必要なエッチング深さに応じた所定時間だけ、例えば希釈されたフッ化水素酸の溶液等の酸性溶液の槽中に浸漬される。浸漬の後、基板Sが回転されて、表面に残った酸性溶液の液滴を遠心作用により除去する。
【0077】
保持板15及び基板Sをエッチング用部材から引き出した後、制御部7によって事前に枢動ヘッド13に対向して配置されている第2の洗浄用部材34内で、基板を洗浄する。この第2の洗浄作業は第1の洗浄作業と同様の連続操作で行われる。
【0078】
第2の洗浄作業が終了すると、制御部7は枢動ヘッドを上昇位置Cまで戻す。ここでユーザは、洗浄され微細構造化された基板Sを保持板15内の凹所16から回収できる。なお本発明によれば、6番目の化学用部材36を配置して、第2の洗浄用部材における洗浄の後、基板を最終的に濯ぐ作業を行うようにすることも可能である。
【0079】
勿論、これらは本発明に係る表面微細構造化装置1に関する実施方法の一例に過ぎず、本発明の権利範囲から逸脱することなく、他にも種々の逐次的な処理工程を採用できることはいうまでもない。
【0080】
なお基板は、処理工程全体を通じて、基板の支持手段として機能する同一の保持板15に保持され続ける。本発明に係るこのような好適な特徴は、結果に関する高い再現性を保証するとともに、本発明による表面微細構造化装置の簡易化も可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る表面微細構造化装置に関する概略断面図である。
【図2】図1の表面微細構造化装置に関する平面図である。
【図3】図1による装置おける浸漬用部材に関する詳細な一部断面図であり、この図は本発明に係る装置の作業に関する特定の方法も例示している。
【図4】図1において例示された表面微細構造化装置を構成する露光用部材について考えられる一形態に関する概略斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一の基板(S)の表面を微細構造化するための装置であって、前記装置は、
基板保持手段(6)と、
感光性樹脂層を基板に塗布する部材(30)と、
樹脂層を硬化及び/又は乾燥させる手段(18)と、
レーザ光を用いて既定のプログラムにしたがって基板上の樹脂層を自動的に露光する部材(20)と、
露光済みの樹脂層部分又は未露光の樹脂層部分を除去する現像用部材(31)と、
基板を化学エッチングする部材(33)と、
基板を洗浄する部材(34)と、
既定のプログラムにしたがって基板(S)の表面を微細構造化するために、操作手段(6)及び複数の部材(30,31,33,34)又は手段(18)に関して、自動又は半自動の態様で協働させるための制御部と、
を少なくとも有する支持シャーシを備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面微細構造化装置であって、基板(S)の操作手段(6)が、基板が一の部材から次の部材に移る間に支持状態が変化しないよう各部材内に保持、又は各部材に対して基板を保持するように構成された基板支持手段(15)を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表面微細構造化装置であって、当該装置は、基板(S)保持用の手段(6)として
少なくとも上下方向の線運動(D1)において可動するようにシャーシ(2)に取り付けられたアーム(10)、及び制御部(7)で作動され、アーム(10)を上下方向の線運動で移動させるように構成されたアクチュエータ(12)と、
水平軸を中心にした回転軸(D2)において可動するようにアーム(10)に取り付けられた枢動ヘッド(13)、及び制御部(7)で作動され、上昇位置(C)及び下降位置(D)の2つの位置間で枢動ヘッド(13)を枢動させるように構成されたアクチュエータ(14)と、
基板支持用手段として、枢動ヘッドの上昇位置において、露光ビームを基板(S)に照射する光学手段(25)に枢動ヘッドが面する状態に位置決めされるよう、枢動ヘッド(13)に取り付けられた基板(S)を収容し固定する保持板(15)と、
保持板(15)を駆動して自転させる手段(17)であって、制御部(7)によって作動され、遠心作用で樹脂を基板に拡散させるのに十分な速度で保持板(15)を回転させるよう構成された駆動手段(17)と、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表面微細構造化装置であって、保持板(15)が、
基板を収容する凹所(16)と、
感光性樹脂を硬化及び/又は加熱する手段として、制御部(7)で作動される電熱手段(18)と、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
部材移動用の手段(35)を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項6】
請求項5に記載の表面微細構造化装置であって、
前記装置は、部材移動手段として可動式テーブル(35)を有しており、当該可動式テーブル(35)には、少なくとも、
感光性樹脂層を基板に塗布する部材(30)と、
現像用部材(31)と、
基板を洗浄する第1の部材(32)と、
基板を化学エッチングする部材(33)と、
基板を洗浄する第2の部材(34)と、
制御部(7)によって作動され、各部材を連続の態様(30,31,32,33,34)で保持板(15)の下に配置して基板(S)を受けて固定するように構成された、テーブル(35)を移動させる手段(37)と、
が取り付けられていることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
樹脂塗布用部材(30)が、
テーブル(35)に設けた窓部(40)と、
テーブル(35)の下に配置され、窓部(40)と対向する上方で開放された樹脂用のリザーバ(41)と、
窓部(40)を閉塞するため制御部(7)によって開閉される少なくとも一の電動式シャッター(45)と、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
現像用部材(31)が、
テーブル(35)に設けた窓部(40)と、
テーブル(35)の下に配置され、窓部(40)と対向する上方で開放された現像液用のリザーバ(41)と、
窓部(40)を閉塞するため制御部(7)によって開閉される少なくとも一の電動式シャッター(45)と、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
化学エッチング用部材(33)が、
テーブル(35)に設けた窓部(40)と、
テーブル(35)の下に配置され、窓部(40)と対向する上方で開放された化学エッチング溶液用のリザーバ(41)と、
窓部(40)を閉塞するため制御部(7)によって開閉される少なくとも一の電動式シャッターと、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
各洗浄用部材(32,34)が、
テーブル(35)に設けた窓部(40)と、
テーブル(35)の下に配置され、窓部(40)と対向する上方で開放された洗浄溶液用のリザーバ(41)と、
窓部(40)を閉塞するため制御部(7)によって開閉される少なくとも一の電動式シャッターと、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
各部材のリザーバ(41)は、リザーバの交換が容易となるよう取り外し可能な態様でテーブルに取り付けられていることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項12】
請求項3又は4、あるいは7から11のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
基板(S)を保持する保持板(15)は、枢動ヘッド(13)から所定の距離に配置されるよう、シャフト(47)によって支持されており、
各部材の窓部(40)は、基板(S)を保持するために保持板(15)を通過させるように構成されており、
各部材(30,31,32,33,34)の開閉用シャッター(45)は、窓部の開閉を行うよう構成されるとともに、保持板(15)がリザーバ(41)内に配置され、枢動ヘッド(13)がリザーバ(41)の外に位置するときにシャフトを通過させるように構成されてなることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
制御部(7)は、基板(S)が保持板(15)に挿入された後で少なくとも
感光性樹脂層を基板に被着させる作業と、
感光性樹脂層を乾燥及び/又はアニールする作業と、
既定のプログラムに従って感光性樹脂層を露光する作業と、
感光性樹脂層を現像する作業と、
基板及び樹脂層の残余部分を洗浄する作業と、
基板を化学エッチングする作業と、
感光性樹脂層の残余部分を除去し、基板を洗浄する作業と、
を自動又は半自動の連続した態様で行えるように構成されてなることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表面微細構造化装置であって、
制御部(7)は、少なくとも、
凹所を下方へ向けたまま、基板を保持する保持板を配置する作業と、
保持板及び基板を感光性樹脂に部分的に浸漬させる作業と、
保持板及び基板を感光性樹脂から引き出す作業と、
基板表面において所定厚さの均一な層を得るために、凹所を下方へ向けたまま、所定の回転速度で所定の時間、保持板を回転させる作業と、
を制御することによって感光性樹脂の被着を自動的に実行するように構成されてなることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一に記載の表面微細構造化装置であって、
露光用部材(20)が、
露光ビームを発するレーザ光源(21)と、
レーザ光の焦点を合わせる光学手段(23)と、
既定のプログラムに応じて決定される軌跡に沿って、基板上に露光ビームを照射し自動的に走査させる光学手段(25)と、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項16】
請求項15に記載の表面微細構造化装置であって、
当該装置が、基板保持手段の相対的な位置と、レーザ光を照射し走査させる光学手段(25)の相対的な位置とを調整する手段(51)を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。
【請求項17】
請求項16に記載の表面微細構造化装置であって、露光用部材(20)が、
基板保持手段を観察する手段(26)と、
レーザ光の光学的な光軸及び焦点を調整する手段と、
基板保持手段を照射し、レーザ光の焦点の調整を可能とするように構成された可視パターンを有する手段(28)と、
を備えることを特徴とする表面微細構造化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−506145(P2008−506145A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−519831(P2007−519831)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【国際出願番号】PCT/FR2005/001680
【国際公開番号】WO2006/013257
【国際公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【出願人】(502444571)
【出願人】(506066777)サントゥル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティ フィック セーエールエヌエス (22)
【Fターム(参考)】