説明

被処理物を含有する流体の処理方法、サイクロン装置及びこの装置を用いてなる煤煙処理装置並びに排気ガス処理装置

【課題】
本発明は、シンプル且つ物理的強度に優れ、しかも触媒の活性を向上し、サイクロンだけでは捕集が困難な焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙やダイオキシン等の有害物質、内燃機関から排出される排ガスに含まれる黒煙やPMなどの微粒子及びNOxやSOx等の有害な気体成分を効率よく処理することができる新規な被処理物を含有する流体の処理方法、サイクロン装置及びこの装置を用いた煤煙処理装置並びに排気ガス処理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロンを用いた被処理物を含む流体の処理方法であって、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、排出管から排出された流体と触媒とを接触させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理物を含有する流体に旋回運動を与えて該被処理物を含有する流体を処理する被処理物を含有する流体の処理方法、サイクロン装置及びこの装置を用いてなる煤煙処理装置並びに排気ガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粉状ないし粒状の被処理物を含有する流体に旋回運動による遠心力を与えて該流体中の被処理物を処理するいわゆるサイクロン(遠心力集塵装置)は、垂直に立てた略筒状の容器本体(サイクロン本体)における流体導入口に管路を接続し、この管路を通して粉状ないし粒状の被処理物を含有する流体を容器本体内壁の接線方向に導入して旋回速度成分を発生させることにより、流体に比べて比重の大きい被処理物を旋回運動によって発生する遠心力によって容器本体の内壁に押し付けつつ容器下部に落下させ、併せて被処理物が取り除かれた流体を容器本体の中心付近に立てられた排出用の筒から排出させるものが一般的である。
【0003】
このサイクロンの原理自体は19世紀に既に発明されており、現在、このサイクロンの原理を応用した技術は様々な分野において種々開発されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、サイクロンによる遠心分離機構だけでは、焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙やダイオキシン等の有害物質、或いは内燃機関から排出される排ガスに含まれる黒煙やPMなどの微粒子の捕集は困難であり、即ち、被処理物に含まれる質量の小さな微粒子については、サイクロン内壁に押し付けられる前に、サイクロンの中心部の流れに巻き込まれて流体と共に排出管から排出されるといった問題がある。
【0005】
このため、これらの微粒子については、サイクロンの排出管に連通した配管を介して下流にフィルタや吸着剤を設け、当該フィルタや吸着剤と前記微粒子とを接触させることによって物理的に除去することが一般的となっている。
【0006】
しかしながら、フィルタや吸着剤による物理的な除去では、継続的な使用により、当該フィルタが目詰まりを起こしたり、吸着剤の吸着能が劣化したりするため、頻繁なフィルタの掃除を要したり、定期的な吸着剤の交換が必要となる。
【0007】
又、焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙や内燃機関から排出される排ガスには、いわゆるNOxやSOx等の有害な気体成分が含まれているが、これらの気体成分については、サイクロンで捕集できない上、フィルタや吸着剤では除去が困難である。
【0008】
最近では、これらの微粒子や気体成分については、サイクロンの排出管に連通した配管を介して下流に設けられた触媒層に導き、当該触媒層において前記微粒子と触媒とを接触させることによって処理することが一般的となっている(例えば、特許文献1)。
【0009】
【特許文献1】特開2001−187320号公報
【0010】
前記特許文献1に記載の発明は、焼却炉から生ずる排ガスをサイクロンで除塵処理した後、更にセラミックフィルタで処理し、次いで触媒層と接触させることを特徴とする排ガスの処理方法であり、焼却炉から排出されるダイオキシン類を効果的に除去するものであるが、触媒の活性を向上するために触媒層の温度を200〜450℃程度の範囲に設定する必要がある。
【0011】
又、一般的に、サイクロンにおける排出管は、サイクロン本体内の旋回流に絶えずさらされていることから常時小刻みに振動しており、排出管に連通する配管を介して流体を触媒層に導く手段では、排出管や配管の一部にクラックや破損が生じやすいといった問題が生じる。
【0012】
特に、最近では複数のサイクロンを備えたいわゆるマルチサイクロンシステムが開発されているが、サイクロンの数を増やせばその分各サイクロンから排出される流体を触媒層に導くための配管が必要となり、配管と排出管との接合部分が増え、増やしたサイクロンの数だけクラックや破損が生じる虞のある部分が増えるといった問題がある。
【0013】
加えて、このようなマルチサイクロンシステムにおいては、各サイクロンから排出される流体を触媒に導くための配管が増えることに起因する配管の設置場所の確保が問題となり、設置スペースが限られ、その確保が困難な分野、例えば自動車等の排気ガス処理装置等として車体に設置することなどは物理的に不可能になる。
【0014】
この点につき、本発明者が鋭意検討を重ねた結果、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロンを用いた被処理物を含む流体の処理方法であって、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、排出管から排出された流体と触媒とを接触させることを特徴とする被処理物を含む流体の処理方法(以下、本発明方法と称する。)を完成するに至ったのである。
【0015】
また、同時に本発明者は、被処理物を含有する流体に旋回運動を与えて該流体中の被処理物を処理するサイクロン装置であって、このサイクロン装置は、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロン、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う容器であって、当該容器内において前記排出管を露出させる排出容器、及び前記容器内に設置された触媒からなることを特徴とするサイクロン装置(以下、本発明装置と称する。)を完成するに至ったのである。
【0016】
即ち、本発明者は、排出管から排出された流体を触媒に接触させて処理するにあたり、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、サイクロンによる遠心分離機構だけでは、捕集が困難な微粒子や気体成分についても効率よく処理することができるとの知見を得たのである。
【0017】
また、本発明者は、排気ガスや煤煙等の流体が持つ熱や、サイクロン内壁に流体や被処理物が擦り付けられることにより生ずる摩擦熱などによってサイクロンの作動時にサイクロン本体が加熱する点に着目し、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、即ち、サイクロン本体に隣接する位置ないしその近辺に触媒を設置することにより、サイクロン本体から発生する熱を触媒に効率よく伝達することができ、この結果、触媒の活性を著しく向上することができるとの知見を得たのである。
【0018】
更に、前述のように、サイクロンにおける排出管は、サイクロン本体内の旋回流に絶えずさらされていることから、常時小刻みに振動しており、排出管に連通する配管を介して流体を触媒に導く従来の手段では、排出管や配管の一部にクラックや破損が生じやすいといった問題が生じるが、本発明においては、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う排出容器内において前記排出管を露出していることから、排出管が他の配管とは独立の状態で存在し、このため排出管の振動に起因するクラックや破損が生じ得ないとの知見も得たのである。
【0019】
特に、複数のサイクロンを併用するいわゆるマルチサイクロンシステムにおいては、複雑な配管設備が不要となり、非常にシンプルな構成のマルチサイクロンシステムを構築できるとの知見も得たのである。
【0020】
加えて、サイクロン本体と触媒が設けられる排出容器を一体化することにより、サイクロン装置のコンパクト化及び省設置スペースの実現が図れると共に外的衝撃を受けることによるサイクロン本体のへこみや破損を防止することができるとの知見も得たのである。
【0021】
本発明は、上記知見に基づき完成されたものであり、シンプル且つ物理的強度に優れ、しかも触媒の活性を向上し、サイクロンだけでは捕集が困難な焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙やダイオキシン等の有害物質、内燃機関から排出される排ガスに含まれる黒煙やPMなどの微粒子及びNOxやSOx等の有害な気体成分を効率よく処理することができる新規な被処理物を含有する流体の処理方法、サイクロン装置及びこの装置を用いた煤煙処理装置並びに排気ガス処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
以上の課題を解決する手段である本発明方法は、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロンを用いた被処理物を含む流体の処理方法であって、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、排出管から排出された流体と触媒とを接触させることを特徴とする。
【0023】
又、本発明装置は、被処理物を含有する流体に旋回運動を与えて該流体中の被処理物を処理するサイクロン装置であって、このサイクロン装置は、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロン、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う容器であって、当該容器内において前記排出管を露出させる排出容器、及び前記容器内に設置された触媒からなることを特徴とする。
【0024】
更に、本発明の煤煙処理装置並びに排気ガス処理装置は、前記本発明装置を用いて、焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙やダイオキシン等の有害物質、或いは内燃機関から排出される排気ガスを処理することを特徴とするものである。
以下、本発明方法、本発明装置及びこの装置を用いてなる煤煙処理装置並びに排気ガス処理装置について順に詳細に説明する。
【0025】
本発明方法による処理対象物である「被処理物を含有する流体」としては、本発明方法において用いられるサイクロン本体中を滞留することなく速やかに移動することができる程度の流動性があるものであれば特に限定されるものではない。
【0026】
具体的に例えば、焼却炉や内燃機関、工場その他の各種産業活動から排出される流体、例えば、製造業、発電業、建設業、廃棄物処理業及び農業等の各種産業において排出される排ガスや煤煙、バイク、自動車、トラック、バス、機関車及び船舶等の各種交通機関から排出される排気ガス等を挙げることができる。
【0027】
そして、本発明方法は、このような被処理物を含有する流体を処理するための方法であり、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロンを用いた被処理物を含む流体の処理方法であって、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、排出管から排出された流体と触媒とを接触させる点に最も大きな特徴を有する。
【0028】
即ち、本発明方法においては、まず、被処理物を含有する流体をサイクロン本体に導入し、該サイクロン本体において前記被処理物を含有する流体に旋回運動を与える。
【0029】
この旋回運動によって流体中の被処理物の大部分はサイクロン本体内壁側に偏り、旋回運動を伴いながらサイクロン本体下部に向かい、該サイクロン本体下部において捕集されたり、サイクロン本体内壁への擦り付けにより生じる摩擦熱によりガス化したりする。
【0030】
一方、被処理物に含まれる微粒子(例えば、粒径約1μm以下程度の微粉塵)の一部ないし全部や、前記ガス化された被処理物を含むNOxやSOx等の気体成分は、サイクロンの中心部の流れに巻き込まれて流体と共に排出管から排出される。
【0031】
この点につき、本発明方法においては、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、サイクロンによる遠心分離機構だけでは、捕集が困難な微粒子や気体成分についても効率よく処理することができるのである。
【0032】
また、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、即ち、サイクロン本体に隣接する位置ないし近辺に触媒を設けることにより、排気ガスや煤煙等の流体が持つ熱やサイクロン運転中にサイクロン本体から発生する熱を触媒に効率よく伝達することができ、この結果、触媒の活性を著しく向上することができるのである。
【0033】
更に、前述のように、サイクロンにおける排出管は、サイクロン本体内の旋回流に絶えずさらされていることから、常時小刻みに振動しており、排出管に連通する配管を介して流体を触媒に導く従来の手段では、排出管や配管の一部にクラックや破損が生じやすいといった問題が生じるが、本発明方法においては、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う排出容器内において前記排出管を露出していることから、排出管が他の配管とは独立の状態で存在し、このため排出管の振動に起因するクラックや破損が生じ得ないのである。
【0034】
特に、複数のサイクロンを併用するいわゆるマルチサイクロンシステムにおいては、複雑な配管設備が不要となり、非常にシンプルな構成のマルチサイクロンシステムを構築できるのである。
【0035】
加えて、サイクロン本体と触媒が設けられる排出容器を一体化することにより、サイクロン装置のコンパクト化及び省設置スペースの実現が図れるのであり、更に、サイクロン本体全体を排出容器としてのケーシング(カバー)で囲むことにより、外的衝撃を受けた際のサイクロン本体のへこみや変形を防止することができるのであり、これによりサイクロン本体のへこみや変形に起因する処理能力の低下を未然に防ぐことができるのである。
【0036】
次に、本発明装置について説明するが、前記本発明方法と重複する点については、繰り返しを避けるため説明を省略する。
【0037】
本発明装置は、被処理物を含有する流体に旋回運動を与えて該流体中の被処理物を処理するサイクロン装置であって、このサイクロン装置は、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロン、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う容器であって、当該容器内において前記排出管を露出させる排出容器、及び前記容器内に設置された触媒からなることを特徴とする。
【0038】
本発明装置において用いられる「サイクロン」としては、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなる一般的なサイクロンであれば、特に限定されるものではなく、即ち、導入された流体を旋回させ、その遠心力を利用して粉塵等の被処理物を処理する原理を利用した従来公知のサイクロンを好適に用いることができる。
【0039】
又、本発明装置において用いられる「排出容器」は、前記サイクロンにおけるサイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う(密閉する)容器であって、当該容器内において前記排出管の先端(流体の出口端)を露出させるものである。
【0040】
なお、この排出容器には、当該容器内において触媒と接触して処理された流体を最終的に容器外に排出するための第2排出管が備えられる。
【0041】
又、この排出容器においては、少なくとも流体や触媒が漏れ出したりしない程度の気密性が必要となるが、本発明装置においては、触媒の交換やメンテナンスを容易にするために、開閉可能な蓋を設けても良い。
【0042】
更に、本発明装置において前記排出容器内に設置される触媒としては、流体中の被処理物或いは気体成分と接触することにより、当該被処理物や気体成分をほぼ安全な状態に処理するものであれば、特に限定されるものではなく、具体的に例えば、チタン、バナジウム、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、スズ、タンタル、ランタン及びセリウム等から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物や、ニッケル触媒、プラチナ触媒、アルミナ触媒等に代表される従来公知の無機触媒、白金、ロジウム及びパラジウムからなるいわゆる三元触媒或いは尿素の結晶等を適宜選択して用いることができる。
【0043】
ここで、本発明装置において触媒を排出容器内に設置するにあたっては、当該触媒をそのまま排出容器内に投入しても良く、又、排出容器内をフィルタや網状体或いはパンチングメタル等の流体が通過し得る形状の仕切り板で適宜仕切り、各室内に前記触媒を投入しても良く、更に、前記触媒を適宜支持体(例えば、アルミナ、シリカ、セラミック、コージェライト、チタニア、ステンレス鋼等からなる板状、棒状、球状、網状、ハニカム状、円柱状或いは円筒状などの支持体)に接着、塗布、はめ込みその他の手段により担持させたものを、排出容器の内壁、床面若しくは天井面などに取り付けたり、排出容器内において積層したり、当該触媒を担持させた支持体によって排出容器内を適宜仕切ったりすることにより設置しても良いのであり、所望によって、これらの設置手段を適宜併用しても良いのである。
【0044】
そして、本発明装置においては、被処理物を含む流体がサイクロン本体へ送り込まれることによりサイクロン本体内において旋回運動を与えられ、この旋回運動によって被処理物の大部分はサイクロン本体内壁側に偏り、旋回運動を伴いながらサイクロン本体下部に向かい、該サイクロン本体下部において捕集されたり、サイクロン内壁への擦り付けによって生じる摩擦熱によりガス化したりする。
【0045】
一方、被処理物に含まれる微粒子(例えば、粒径1μm以下程度の微粉塵)の一部ないし全部や、ガス化された被処理物を含むNOx或いはSOx等の気体成分は、サイクロンの中心部の流れに巻き込まれて流体と共に排出管から排出される。
【0046】
この点につき、本発明装置においては、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、サイクロンによる遠心分離機構だけでは、捕集が困難な微粒子や気体成分についても効率よく処理することができるのである。
【0047】
また、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、即ち、サイクロン本体に隣接する位置ないし近辺に触媒を設けることにより、排気ガスや煤煙等の流体が持つ熱やサイクロン運転中にサイクロン本体から発生する熱を触媒に効率よく伝達することができ、この結果、触媒の活性を著しく向上することができるのである。
【0048】
更に、前述のように、サイクロンにおける排出管は、サイクロン本体内の旋回流に絶えずさらされていることから、常時小刻みに振動しており、排出管に連通する配管を介して流体を触媒に導く従来の手段では、排出管や配管の一部にクラックや破損が生じやすいといった問題が生じるが、本発明装置においては、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う排出容器内において前記排出管を露出していることから、排出管が他の配管とは独立の状態で存在し、このため排出管の振動に起因するクラックや破損が生じ得ないのである。
【0049】
加えて、サイクロン本体と触媒が設けられる排出容器を一体化することにより、サイクロン装置のコンパクト化及び省設置スペースの実現が図れるのであり、更に、サイクロン本体全体を排出容器としてのケーシング(カバー)で囲むことにより、外的衝撃を受けた際のサイクロン本体のへこみや変形を防止することができるのであり、これによりサイクロン本体のへこみや変形に起因する処理能力の低下を未然に防ぐことができるのである。
【0050】
特に、複数のサイクロンを併用するいわゆるマルチサイクロンシステムを構築する場合においては、複数のサイクロンにおける各サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を、一の排出容器によってまとめて囲うと共に当該容器内において前記複数のサイクロンにおける各排出管を露出させることにより、複雑な配管設備が不要となり、非常にシンプルな構成のマルチサイクロンシステムを構築できるのである。
【0051】
ここで、本発明装置において複数のサイクロンを併用するいわゆるマルチサイクロンシステムを構築する場合、当該複数のサイクロンの総数を偶数とし、当該複数のサイクロンのうち、半数のサイクロンの旋回流の向きを、残り半数のサイクロンの旋回流の向きと反対方向とすることが好ましく、このように構成することにより、各サイクロンにおいて発生するノイズの位相が、旋回流の向きが異なるサイクロン同士で反対となり、互いのノイズを打ち消しあって発生するノイズが非常に小さくなるのであり、自動車等の内燃機関から生じるエンジン音を小さくするマフラー等のサイレンサー(消音装置)として使用することも可能となるのである。
【0052】
なお、本発明装置においては、前記排出容器内に触媒と共にフィルタや吸着剤を設置することが好ましい。
【0053】
前述のように、サイクロンの排出管に連通した配管を介して下流にフィルタや吸着剤を設け、当該フィルタや吸着剤と前記微粒子とを接触させることによって物理的に除去する従来の手段では、継続的な使用により、当該フィルタが目詰まりを起こしたり、吸着剤の吸着能が劣化したりするため、頻繁にフィルタの掃除を要したり、定期的な吸着剤の交換が必要となる。
【0054】
しかしながら、本発明装置においては、前記排出容器内に触媒と共にフィルタや吸着剤を設置することにより、即ち、サイクロン本体に隣接する位置ないし近辺にフィルタや吸着剤を設けることにより、一旦フィルタや吸着剤に捕集された微粉塵は、排気ガスや煤煙等の流体が持つ熱やサイクロン運転中にサイクロン本体から発生する熱に継続的にさらされ、当該微粉塵の一部ないし全部がガス化したり、前記吸着剤が賦活化されたりすることになり、結果として、フィルタや吸着剤の寿命が長期化するのである。
【0055】
そして、本発明装置においては、前記フィルタや吸着剤と共に触媒が設けられることから、ガス化された微粉塵は、隣接する触媒と接触して速やかに処理されるのであり、単にフィルタや吸着剤を用いる場合と比較して、非常に効果的に流体を処理することができるのである。
【0056】
ここで、前記吸着剤としては、流体中の被処理物と接触することにより、当該被処理物を吸着するものであれば、特に限定されるものではなく、具体的に例えば、活性炭やシリカゲル、ゼオライト或いは多孔質セラミックの粉状物や粒状物等の従来公知の吸着剤を適宜選択して用いることができ、又、フィルタとしても特に限定されるものではなく、一般的にはセラミックフィルタ等の従来公知のフィルタを適宜選択して用いることができる。
【0057】
なお、前記吸着剤やフィルタの排出容器内への設置方法としては、前述の触媒の設置方法と同様の方法で設置することができるため、繰り返しを避けるためここでは説明を省略する。又、フィルタを支持体として、当該フィルタに触媒や吸着剤を担持させても良い。
【0058】
本発明の煤煙処理装置は、前記本発明装置を用いて、煤煙を処理するものであり、即ち、焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙や排ガス、更にこれらの煤煙や排ガスに含まれるダイオキシン等の有害物質を本発明装置に導入して、効果的に処理するものであり、耐久性に優れ、処理効率が高い非常に優れた煤煙処理装置である。
【0059】
又、本発明の排気ガス処理装置は、前記本発明装置を用いて内燃機関から排出される排気ガスを処理することを特徴とするものであり、即ち、自動車や船舶等のエンジンに代表されるディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関から排出される排気ガスを本発明装置に導入して処理するものであり、耐久性に優れ、処理効率が高く、しかも複数のサイクロンを用いることによる消音効果によりマフラー等の消音装置を取り付ける必要がなくなる非常に優れた排気ガス処理装置である。
【発明の効果】
【0060】
本発明は、シンプル且つ物理的強度に優れ、しかも触媒の活性を向上し、サイクロンだけでは捕集が困難な焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙やダイオキシン等の有害物質、或いは内燃機関から排出される排ガスに含まれる黒煙やPMなどの微粒子NOxやSOx等の有害な気体成分等を効率よく処理することができる新規な被処理物を含有する流体の処理方法、サイクロン装置及びこの装置を用いた煤煙処理装置並びに排気ガス処理装置である。
【0061】
即ち、本発明は、排出管から排出された流体を触媒などに接触させて処理するにあたり、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、サイクロンによる遠心分離機構だけでは、捕集が困難な微粒子や気体成分についても効率よく処理することができるのである。
【0062】
また、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、即ち、サイクロン本体に隣接する位置ないし近辺に触媒を設置することにより、排気ガスや煤煙等の流体が持つ熱やサイクロン運転中にサイクロン本体から発生する熱を触媒に効率よく伝達することができ、この結果、触媒の活性を著しく向上することができるのである。
【0063】
更に、サイクロンにおける排出管は、サイクロン本体内の旋回流に絶えずさらされていることから、常時小刻みに振動しており、排出管に連通する配管を介して流体を触媒に導く従来の手段では、排出管や配管の一部にクラックや破損が生じやすいといった問題が生じるが、本発明においては、サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う排出容器内において前記排出管を露出していることから、排出管が他の配管とは独立の状態で存在し、このため排出管の振動に起因するクラックや破損が生じ得ないのである。
【0064】
特に、複数のサイクロンを併用するいわゆるマルチサイクロンシステムにおいては、複雑な配管設備が不要となり、非常にシンプルな構成のマルチサイクロンシステムを構築できるのである。
【0065】
加えて、サイクロン本体と触媒が設けられる排出容器を一体化することにより、サイクロン装置のコンパクト化及び省設置スペースの実現が図れるのであり、更に、サイクロン本体全体を排出容器としてのケーシング(カバー)で囲むことにより、外的衝撃を受けた際のサイクロン本体のへこみや変形を防止することができるのであり、これによりサイクロン本体のへこみや変形に起因する処理能力の低下を未然に防ぐことができるのである。
【0066】
本発明の煤煙処理装置は、前記本発明装置を用いて、煤煙を処理するものであり、即ち、焼却炉や工場その他の各種産業活動により発生する煤煙や排ガス、更にこれらの煤煙や排ガスに含まれるダイオキシン等の有害物質を本発明装置に導入し、効率よく処理するものであり、耐久性に優れ、処理効率が高い非常に優れた煤煙処理装置である。
【0067】
又、本発明の排気ガス処理装置は、前記本発明装置を用いて内燃機関から排出される排気ガスを処理することを特徴とするものであり、即ち、自動車や船舶等のエンジンに代表されるディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関から排出される排気ガスを本発明装置に導入し、効率よく処理するものであり、耐久性に優れ、処理効率が高く、しかも複数のサイクロンを用いることによる消音効果によりマフラー等の消音装置を取り付ける必要がなくなる非常に優れた排気ガス処理装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0069】
図1は、実施例1に係る本発明装置1を示す模式図であり、この本発明装置1は、サイクロン2及び排出容器3からなり、前記排出容器3を透過状態で示すことにより、当該容器3内が視認できるようにしてある。
【0070】
サイクロン2は、導入された流体を旋回させ、その遠心力を利用して粉塵等の被処理物を処理する原理を利用した従来公知のサイクロンであり、流体旋回用の略円柱状の胴体部211及び該胴体部の下部に連続して設けられる略円錐状の胴体下部212からなるサイクロン本体21、流体導入用の導入管22及び流体排出用の排出管23からなる一般的なサイクロンである。
【0071】
又、排出容器3は、前記サイクロン2におけるサイクロン本体21の一部を囲う容器であって、当該容器3内において前記排出管23を露出させるものである。
【0072】
更に、容器3内には、触媒4及び吸着剤5が設置(投入)されている。
【0073】
本実施例においては、被処理物を含む流体が、前記導入管22から前記サイクロン本体21内に導入される。
【0074】
そして、サイクロン本体21へ送り込まれた被処理物を含む流体は、サイクロン本体21内において旋回運動を与えられ、流体に比べて比重の大きい被処理物の大部分は、サイクロン本体21の内壁に押し付けられつつサイクロン本体21下部において捕集される。
【0075】
一方、被処理物に含まれる微粒子(例えば、粒径1μm以下程度の微粉塵)の一部ないし全部や、サイクロン本体21内壁への擦り付けによって生じる摩擦熱によりガス化された被処理物を含むNOx或いはSOx等の気体成分は、サイクロン本体21内における中心部の流れに巻き込まれて流体と共に排出管23から排出される。
【0076】
この排出管23から排出された微粒子や気体成分を含む流体は、排出容器3内において、当該排出容器3内に投入された触媒4及び吸着剤5と接触することにより、ほぼ無害な状態に処理されたり、吸着されたりするのであり、次いで、被処理物が処理された清浄な流体が前記排出容器3に設けられた第2排出管31から排出される。
【0077】
そして、本実施例においては、サイクロン本体21に隣接する位置ないし近辺に触媒4を設置することにより、流体が有する熱やサイクロン運転中にサイクロン本体21から発生する熱を触媒4に効率よく伝達することができるのであり、この結果、触媒4の活性が著しく向上される。
【0078】
又、サイクロン2における排出管23は、サイクロン本体21内の旋回流に絶えずさらされていることから常時小刻みに振動しているが、本実施例においては、排出管23が第2排出管31とは独立した状態で存在しているため、排出管23の振動に起因するクラックや破損が生じないのである。
【実施例2】
【0079】
図2は、実施例2に係る本発明装置1を示す模式図であり、排出容器3として開閉可能なケーシングを採用し、当該排出容器3における蓋部材32を開放して示すことにより、当該容器3内が視認できるようにしてある。
【0080】
サイクロン2は、導入された流体を旋回させ、その遠心力を利用して粉塵等の被処理物を処理する原理を利用した従来公知のサイクロンであり、実施例1で説明したものと同様の一般的なサイクロンである。
【0081】
又、排出容器3は、前記サイクロン2におけるサイクロン本体21の全部を囲うケーシングであって、当該容器3内において前記排出管23を露出させるものである。
【0082】
更に、排出容器3内は、板状の支持体(仕切り板)6により2つの部屋3a,3bに仕切られており、触媒及び吸着剤からなる多孔質状のブロック7が、当該板状の支持体6の複数箇所に設けた貫通孔にはめ込まれて設置されている。
【0083】
そして、本実施例においては、被処理物を含む流体が、前記導入管22から前記サイクロン本体21内に導入される。
【0084】
そして、サイクロン本体21へ送り込まれた被処理物を含む流体は、サイクロン本体21内において旋回運動を与えられ、流体に比べて比重の大きい被処理物の大部分は、サイクロン本体21の内壁に押し付けられつつサイクロン本体21下部において捕集される。
【0085】
一方、被処理物に含まれる微粒子(例えば、粒径1μm以下程度の微粉塵)の一部ないし全部や、サイクロン本体21内壁への擦り付けによって生じる摩擦熱によりガス化された被処理物を含むNOx或いはSOx等の気体成分は、サイクロン本体21内における中心部の流れに巻き込まれて流体と共に排出管23から部屋3a内に排出される。
【0086】
この排出管23から排出された微粒子を含む流体は、支持体6にはめ込まれた触媒及び吸着剤からなる多孔質状のブロック7に存する微細孔を通過する際に触媒や吸着剤と接触することにより、ほぼ無害な状態に処理されたり、吸着されたりするのであり、次いで、被処理物が処理された清浄な流体が部屋3bに排出される。
【0087】
そして、部屋3bに排出された清浄な流体は、排出容器3に設けられた第2排出管31から排出される。
【実施例3】
【0088】
図3は、実施例3に係る本発明装置1を示す模式図であり、排出容器3として開閉可能なケーシングを採用し、当該排出容器3における蓋部材32を開放して示すことにより、当該容器3内が視認できるようにしてある。
【0089】
サイクロン2は、導入された流体を旋回させ、その遠心力を利用して粉塵等の被処理物を処理する原理を利用した従来公知のサイクロンであり、実施例1で説明したものと同様の一般的なサイクロンである。
【0090】
そして、本実施例に係る本発明装置1は、複数(2個)のサイクロン2a、2bを併用するいわゆるマルチサイクロンシステムであり、複数(2個)のサイクロン2a、2bにおける各サイクロン本体21a、21bを一の排出容器3によってまとめて囲うと共に当該容器3内において前記複数(2個)のサイクロン2a、2bにおける各排出管23a、23bを突出させたものであり、複雑な配管設備が不要となる、非常にシンプルな構成のマルチサイクロンシステムである。
【0091】
又、本実施例においては、複数(2個)のサイクロン2a、2bのうち、一のサイクロン2aの旋回流の向きが他の一のサイクロン2bの旋回流の向きと反対方向となるように構成しており、このように構成することにより、各サイクロンにおいて発生するノイズの位相が反対となり、互いのノイズを打ち消しあって発生するノイズが非常に小さくなるのである。
【0092】
更に、容器3内は、仕切り板6及び触媒及び吸着剤が表面に担持されたフィルタ状の支持体8により3つの部屋(3a、3b、3c)に仕切られており、そのうちの一つの部屋3bにおける内壁、床面及び天井面を覆うように触媒及び吸着剤が表面に担持されたフィルタ状の支持体8が設置されている。
【0093】
そして、本実施例においては、被処理物を含む流体が、容器3に設けられた流体導入管33から、容器3における部屋3aに導入される。
【0094】
部屋3aに導入された被処理物を含む流体は、部屋3a内に露出している各サイクロン2a、2bにおける導入管22a、22b以外に逃げ道がないことから、各導入管22a、22bにほぼ均等に分かれて流入し、各サイクロン2a、2bにおけるサイクロン本体21a、21b内に導入される。
【0095】
そして、各サイクロン本体21(21a、21b)へ送り込まれた被処理物を含む流体は、それぞれサイクロン本体21内において旋回運動を与えられ、流体に比べて比重の大きい被処理物の大部分は、サイクロン本体21の内壁に押し付けられつつサイクロン本体21下部において捕集される。
【0096】
一方、被処理物に含まれる微粒子(例えば、粒径1μm以下程度の微粉塵)の一部ないし全部や、サイクロン本体21内壁への擦り付けによって生じる摩擦熱によりガス化された被処理物を含むNOx或いはSOx等の気体成分は、サイクロン本体21内における中心部の流れに巻き込まれて流体と共に排出管23(23a、23b)から部屋3b内に排出される。
【0097】
この排出管23から排出された微粒子を含む流体は、部屋3b内の壁面、床面及び天井面に設置されたフィルタ状の支持体8に積層された触媒及び吸着剤と接触することにより、ほぼ無害な状態に処理されたり、吸着されたりするのであり、次いで、フィルタ状の支持体8を通過した清浄な流体が部屋3cに排出される。
【0098】
そして、部屋3cに排出された清浄な流体は、排出容器3に設けられた第2排出管31から排出される。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明方法及び本発明装置は、製造業、発電業、建設業、廃棄物処理業及び農業等の各種産業において排出される排ガスや、バイク、自動車、トラック、バス、機関車及び船舶等の各種交通機関から排出される排気ガス等を好適に処理することができるのであり、又、厨房機器、無煙ロースター、集塵設備、空気清浄機、クリーンルーム用設備、船舶用排ガス処理装置、建設機械、農機具、蒸気機関車、ディーゼル機関車、生ゴミ処理機、脱水装置、製材用おがくず分離機或いは皮革屑分別機などにも応用することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は、実施例1に係る本発明のサイクロン装置を示す模式図である。
【図2】図2は、実施例2に係る本発明のサイクロン装置を示す模式図である
【図3】図3は、実施例3に係る本発明のサイクロン装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0101】
1 サイクロン装置
2 サイクロン
3 排出容器
4 触媒
5 吸着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロンを用いた被処理物を含む流体の処理方法であって、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を排出容器で囲うと共に当該容器内において前記排出管を露出し、併せて当該容器内に触媒を設置することにより、排出管から排出された流体と触媒とを接触させることを特徴とする被処理物を含む流体の処理方法。
【請求項2】
被処理物を含有する流体に旋回運動を与えて該流体中の被処理物を処理するサイクロン装置であって、このサイクロン装置は、流体旋回用のサイクロン本体、流体導入用の導入管及び流体排出用の排出管からなるサイクロン、前記サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を囲う容器であって、当該容器内において前記排出管を露出させる排出容器、及び前記容器内に設置された触媒からなることを特徴とするサイクロン装置。
【請求項3】
複数のサイクロンにおける各サイクロン本体の少なくとも一部ないし全部を一の排出容器によって囲うと共に当該容器内において前記複数のサイクロンにおける各排出管を露出させる請求項2に記載のサイクロン装置。
【請求項4】
複数のサイクロンのうち、半数のサイクロンにおける旋回流の向きが、残り半数のサイクロンにおける旋回流の向きと反対方向である請求項2又は3に記載のサイクロン装置。
【請求項5】
更に、吸着剤及び/又はフィルタが容器内に設置されてなる請求項2ないし4のいずれか1項に記載のサイクロン装置。
【請求項6】
請求項2ないし5に記載されたサイクロン装置を用いて煤煙を処理することを特徴とする煤煙処理装置。
【請求項7】
請求項2ないし5に記載されたサイクロン装置を用いて内燃機関から排出される排気ガスを処理することを特徴とする排気ガス処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−55726(P2006−55726A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−239141(P2004−239141)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(504241471)
【Fターム(参考)】