説明

被検者の危機的な状況を検出するための方法及び装置

本発明は、被検者の危機的な状況を検出するための方法に関する。この方法は、被検者の生理学的パラメータを測定することを含む。この方法は、(a)生理学的パラメータを測定するステップと、(b)生理学的パラメータの変化率を計算するステップと、(c)パラメータの値とその変化率の双方を考慮に入れることによって、生理学的パラメータについての合成変数を求めるステップと、(d)上記合成変数に基づいて危機的な状況を検出するステップ(25)とを含むことを特徴とする。有利には、ステップ(a)〜(c)を少なくとも2つの生理学的パラメータについて実施する。そして、この方法は、異なる複数の合成変数から大域決定変数(23)を求めることをさらに含み、危機的な状況は、ステップ(d)においてこの大域決定変数に基づいて検出される。この発明は、特に自宅にいる高齢者の事故又は健康問題の検出を改善するために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の危機的な状況を検出するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検者の危機的な状況の検出は多くの場合に有用であり、たとえば高齢者又は虚弱者の場合に有用となり得る。多くの場合、高齢者は一人暮らしであり、転倒のような事故の際に助けを求めることができない可能性がある。これらの人々は、日常生活の間又は睡眠時に健康問題に直面することもある。したがって、警報及び/又はコールシステムに結合することができる、危機的な状況の自動検出システムを提供することが有用である。
【0003】
人が装着する衝撃センサが存在する。衝撃センサは、装着者が衝撃を受けると警報を発する。しかしながら、このタイプの検出システムを有効なものとするには、装着者は原則的として、これらのセンサを多数、身体の主要な部位に1つずつ装着しなくてはならないため、実際的な解決とはならない。人が横になっているのか直立しているのかを検出する垂直性センサも存在する。しかしながら、このタイプのセンサを用いると、人が自発的に横になっている(休息、昼寝)のか転倒の被害にあったのかを知ることは不可能である。したがって、転倒センサの性能は、感度(システムが全ての転倒を検出する能力)及び特定性(システムが転倒のみを検出する能力)の要素においてのみ評価され得る。しかしながら、転倒は複数の形態(前、後、横、真直ぐ、或いは体の回転を伴って横たわった姿勢若しくは座った姿勢になる等)をとり得る。
【0004】
したがって、転倒センサが実際の転倒と偽転倒とを完全に識別することはほとんど不可能である。また、同じ転倒の動きは、最も単純なもの(たとえば滑った後の後方への転倒)であっても、場面及び被験者によって変化するものとなり得る。結果として、その容積、複雑性、及びコストの観点から妥当である転倒検出手段を用いて全体的な感度及び全体的な特定性を達成することは不可能である。また、このタイプの機器は、特に、たとえば人が横になっているときの健康問題に起因する危機的な状況を検出することができない。
【0005】
心脈(rythme cardiaque)センサについても、或る状況が特定の場面においては正常であり、別の場面においては警戒すべきである可能性があり、同種の問題が生じ得る。
【0006】
センサが出力する情報を地理的情報又は時間情報(GPS測位、動いていない状態の持続時間、...)と組み合わせることによって、転倒センサのようなセンサの性能をさらに改善させることも既知である。
【0007】
欧州特許第0877346号の文献が具体的な例である。しかし、この文献に記載されているシステムは、ある程度の技術的複雑性及び関連するコストを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術のこれらの制限を取り除き、技術的複雑性又はコストを増大させることなく、生理学的パラメータの測定に基づく決定戦略に起因する改善された識別をもたらす、被検者の危機的な状況を検出する方法及び機器を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明に従って、被検者の危機的な状況を被検者に関する生理学的パラメータを測定することによって検出するための方法が提供される。この方法は、
(a)生理学的パラメータを被検者に埋め込まれたセンサによって測定するステップと、
(b)生理学的パラメータの変化率を計算するステップと、
(c)生理学的パラメータについての合成変数を、当該パラメータの値とその変化率を共に考慮に入れることによって求めるステップと、
(d)この合成変数に基づいて危機的な状況を検出するステップと、
を含むことを特徴とする。
【0010】
そのような方法は、危機的な状況を確実に検出するが、装置のコスト及び複雑度をそれほど増加させない。検出部は、そのような装置内に既に存在するデータ処理ユニットによって作製され、追加の機器を必要としない。
【0011】
オプションであるが有利には、本発明は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを含む。
− この方法は、ステップ(a)〜(c)を少なくとも2つの生理学的パラメータについて実施することを含み、
(c´)異なる複数の合成変数から大域決定変数を求めるステップをさらに含み、危機的な状況は、ステップ(d)においてこの大域決定変数に基づいて検出される。
− 生理学的パラメータは、以下のパラメータ、すなわち、被験者の心拍数、呼吸数、体温、被検者の活動度レベル、被検者の血糖から選択される。
− 大域決定変数を求めることは、生理学的パラメータのそれぞれについて求められた合成変数の重み付けされた組み合わせによって行われる。
− 危機的な状況の検出は、大域決定変数を1つ又は複数の閾値と比較することを含む。
− 生理学的パラメータについての合成変数を求めることは、パラメータの値を1つ又は複数の閾値と比較することを含む。
− 生理学的パラメータについての合成変数を求めることは、生理学的パラメータの変化率を1つ又は複数の閾値と比較することを含む。
− パラメータの値を2つの閾値と比較して、パラメータの値が低いか、正常であるか、又は高いかを判断すると共に、パラメータの変化率を1つの閾値と比較して、パラメータの変化率が弱いか又は強いかを判断する。
− 合成変数の値は、
・パラメータの値が高い場合には、パラメータの値が正常である場合よりも高く、
・パラメータの値が低い場合には、パラメータの値が正常である場合よりも高く、
・パラメータの変化率が強い場合には、パラメータの変化率が弱い場合よりも高い。
− この方法は、(e)無線リンクを介して上記危機的な状況の存在を遠隔送信するステップをさらに含む。
【0012】
本発明は、被検者の危機的な状況の検出機器も提案する。この機器は、
− 生理学的パラメータを測定することが可能な少なくとも1つの埋め込み型センサと、
− 1つ又は複数のセンサによって測定された値を受信すること、及び、1つ又は複数の生理学的パラメータのそれぞれの変化率を計算すること、及び、1つ又は複数の生理学的パラメータのそれぞれについての合成変数を、1つ又は複数のパラメータのうちの少なくとも1つについて、パラメータの値とその変化率を共に考慮に入れることによって求めることが可能な処理ユニットと、
を備えることを特徴とする。
【0013】
この機器の非限定的であるが好ましい態様は、以下である。
− 処理ユニットは、上記でステップ(b)、(c)、(c´)、及び(d)において定義したような方法を実行することが可能である。
− この機器は、被検者に完全に埋め込まれ、危機的な状況の存在に関連する情報の遠隔送信手段をさらに備える。
− この機器は、センサと、処理ユニットの少なくとも一部を収容する外部局とを備える埋め込み型装置を備え、危機的な状況の存在に関連する情報の遠隔送信手段をさらに備える。
【0014】
本発明の他の特徴、目的、及び利点は、以下の詳細な説明から、非限定的な例として与えられる添付の図面との関連で明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による機器の概略表現である。
【図2】本発明による方法の概略図である。
【図3】本発明による方法の別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の説明は、1つ又は複数の埋め込み型検出器に基づく、人の遠隔監視システムを説明する。埋め込み型検出器は、人の身体の動きを感知する検出器(特に加速度計)、並びに、人の生体変数を感知する検出器(たとえば、心脈センサ、呼吸リズムセンサ、動脈圧センサ等、及び、より一般的には、人体において感知されて健康状態との相関を有する可能性が高い任意の変数のセンサ)である。文書全体を通じて、「生理学的パラメータ」は、検出器によって測定される全ての変数を表す。
【0017】
図1を参照すると、本発明による転倒検出機器300は、メモリ31に接続されている中央処理ユニット30を備え、その全体は、たとえばマイクロコントローラの形態で作製され、バッテリ36のような内蔵電源によって電力供給される。メモリ31は特に、下記で説明される検出プログラム及び関連するデータを含む。埋め込み型センサ32a〜32eのセットは、中央ユニット30の入力に接続され、それぞれ被検者の生理学的パラメータを測定することができる。
【0018】
たとえば、傾斜センサ及び動きセンサを利用して、人の胴体及び脚に沿って、傾斜及び重力加速度の成分を測定することができる。したがって、たとえば、人が壁に沿って座り込み、胴体が垂直のままである場合、脚に設置されたセンサが、その人が転倒しているか否かを示し得る。
【0019】
より一般的には、そのようなセンサ32a〜32eを、たとえば、
− 心拍数、
− 呼吸数、
− 被検者の体温、又は被検者の体温と周囲温度との間の関係、
− 被検者の活動度のレベル(たとえば、転倒を検出するのに使用されるのと同じセンサによって求められる)、
− 血糖、たとえばMedtrontc社、Abbott社、及びDexcom社のうちの1つから市販のグルコースセンサによる、
を測定するために設けることができる。
【0020】
転倒が検出されると機器がサウンド警報信号を発することができるように、サウンド装置33が中央ユニット30に接続される。同じように、検出機器300は、無線接続若しくは電話接続又はインターネットを介して遠隔監視センター35へ警報信号を送信する役割を果たす外部局34に、図示されない送信装置を介して接続される。転倒を検出しない場合、中央ユニット30は、機器が動作していることを示す正常状況信号を規則的な時間間隔で送出することができる。中央ユニット30は、規則的な時間間隔又は規則的でない時間間隔において、機器が人に装着されていること、及びその人が監視されていることを示す信号を供給することもできる。
【0021】
一実施形態では、センサから発生する測定値の処理は外部局34において実行され、この場合の制御ユニット30は、単にセンサ32a〜32eの測定値を外部局34に送信する役割を果たす。この場合、外部局34は、転倒が検出された際に検出機器300が発するサウンド警報信号よりも強力なサウンド警報信号を発するように設計されたサウンド装置を有するものとすることができる。
【0022】
したがって、機器が完全に人に埋め込まれて、危機的な状況の存在に関連する情報の遠隔送信手段を備えるか、或いは、機器が、センサを備える埋め込み型装置と、計算機の少なくとも一部を収容する外部局とを備えると共に、危機的な状況の存在に関連する情報の遠隔送信手段をさらに備えるかのいずれかである。
【0023】
本発明によれば、機器を装着している被検者の危機的な状況は、装置の測定値の組み合わせに基づいて検出される。この組み合わせを使用して、機器は警報がトリガされるべきか否かを検出することができる。
【0024】
より具体的には、検出機器によって供給される生理学的パラメータの測定値は、その生理学的パラメータ、そのパラメータの値、及びそのパラメータの変化率に従って、必ずしも同じ重みを有しないものとする。
【0025】
本発明による方法は、中央ユニット30又は外部局34によって実行され(又はさらにはそれらの間で分担され)、
− 生理学的パラメータのそれぞれを測定するステップと、
− 生理学的パラメータのそれぞれの変化率を計算するステップと、
− パラメータの値とその変化率を共に考慮に入れることによって、生理学的パラメータのそれぞれについての合成変数を求めるステップと、
− 幾つかの生理学的パラメータを考慮する場合、それらの生理学的パラメータの全てのための大域決定変数を求めるステップと、
− この大域決定変数に基づいて危機的な状況を検出するステップと、
を含む。
【0026】
図2を参照して、これより本発明による決定方法を詳述する。各生理学的パラメータpを、その生理学的パラメータの瞬時値p及び変化率Δp(固定区間によって隔てられた2つの測定時刻間における値pの変化の絶対値)によって定義する。有利には、測定検証方法が提供され、たとえば、測定値が先行する値に相関する場合にのみ当該測定値を検証する。
【0027】
各パラメータpについて、2つの閾値ph(高)及びpb(低)を定義し、変化率Δpについて、閾値Δpsを定義する。
【0028】
このようにして、14においてΔpと閾値Δpsとの比較を行い、16において値pと閾値phとの比較を行い、18において値pと閾値pbとの比較を行う。
【0029】
たとえば、生理学的パラメータが体温(正常値37℃)である場合、パラメータの3つの閾値は、
ph=40°C
pb=35°C
Aps=1°C/時間
とすることができる。
【0030】
これらの閾値は、1人又は複数人の医師による、人間生理学に関する知識及び彼らの実際の経験を活かした見解によって確定することができる。これらの閾値は、被検者に関して記録されるデータについての統計的分析(被検者内分析(analyse intra-sujet))、又はターゲット母集団に属する被検者群についての統計的分析(被検者間分析(analyse inter-sujets))によって確定することもできる。この統計的分析は、1回のみ実行してもよいし、周期的に実行することによって被検者又はターゲット母集団の漸進的変化(evolution)(季節による変化、加齢に起因する変化率)を考慮に入れてもよい。
【0031】
有利には、システムの構成において、これらの閾値のうちの幾つかは、年齢、性別、肥満度指数、病歴(antecedents)、生活様式、様々な環境要因等のような、被検者の生理学的又は非生理学的な特定の既知のパラメータの関数として調節することができる。たとえば、肥満度指数が高い人の場合、血糖閾値がより高くなり、心拍数及び呼吸数の変化率閾値がより高くなる等である。
【0032】
これらの閾値変数は、これらの既知のパラメータが変化する場合、及びシステムがこれらの変化(たとえば加齢)を認識することが可能な場合に、手作業で又は自動的に周期的に更新することができる。
【0033】
これらの比較の結果から、本方法は生理学的変数の合成値Dを計算する。この値の目的は、生理学的パラメータの状態の簡略化された情報を供給することである。文書全体を通じて、合成値Dが高いほど、生理学的変数の状態がより不安定になるものとする。
【0034】
パラメータpの値は、そのパラメータの閾値ph及びpbと比較することができ、そのパラメータの変化率Δpは、閾値Δpsと比較することができる。
− p<pbの場合、pは低すぎる;
− p>phの場合、pは高すぎる;
− pb<p<phの場合、pは正常である;
− Δp>Δpsの場合、変化率Δpは強く、そうでない場合は弱い。
【0035】
次に、ステップ11において、パラメータpのための合成マトリクスを、たとえば以下のように算出する。
【0036】
【表1】

【0037】
ここで、最も低い合成値(D=0)は、パラメータのレベルとその変化が問題を示さない場合に算出される。最も高い合成値(D=1)は、パラメータの値と変化率がともに正常から離れすぎていて、それゆえ問題を示し得る場合に算出される。
【0038】
したがって、合成マトリクス、並びに、ステップ14、16、及び18において行われた比較から、ステップ11において合成値Dを出力する。
【0039】
たとえば、生理学的パラメータが心拍数(任意の所与の人に関して、静止時の正常値は70拍/分すなわち70BPM)であり、
ph=100BPM
pb=40BPM
Δps=15BPM/分
である場合、
任意の所与の時点においてp=60BPMであり、Δp=20BPM/分が登録されている場合、パラメータpに合成レベルD=0.5を割り当てる。
【0040】
任意の所与の時点において、n個の生理学的パラメータの値:
<pi>=[p1,p2,...pi...pn]及び、それらの変化率:
<Δpi>=[Δp1,Δp2,...Δpi...Δpn]
が知られる。
【0041】
これらのパラメータのそれぞれについて、閾値phi及びpbi、並びに、変化率閾値Δpsiが決められている。
【0042】
したがって、合成値<Di>=[Dl,D2,...Di...Dn]が計算される。
【0043】
指摘したように、考慮に入れられるパラメータは、特に、被験者の心拍数、呼吸数、体温、又は被検者の体温と周囲温度との間の関係、被検者の活動度レベル(たとえば加速度計によって求められる)、及び血糖とすることができる。
【0044】
図3を参照すると、パラメータpiの各合成値Diに重みmiが割り当てられる。このため、ブロック21には、重みmiのベクトルである<mi>=[ml,m2,...mi...mn]が、たとえば、Σmi=1(全ての重みの和が1に等しい)のように割り当てられる。また、ブロック20には、合成値diのベクトルである<Di>=[Dl,D2,...Di...Dn]が割り当てられる。これら2つのブロックは、ブロック22に連結される。ブロック22において、Fusionと表される融合値を、たとえば以下のように計算する。
Fusion=Σmi*Di
【0045】
この値は、種々の複数の生理学的パラメータの合成値の状態を表す大域決定変数を、重みに起因するその生理学的パラメータの重要度を考慮に入れることによって構成する。この情報は、危機的な状況が検出されるか否かを判断するのに役立つ。
【0046】
したがって、ブロック25において、危機的な状況を検出して警報信号をトリガするか否かを目的として、融合値を1つ又は複数の閾値と比較する。
【0047】
たとえば、取決めによって、Fusion>0.5の場合に、危機的な状況が存在することを意味すると規定することができる。
【0048】
代替的に、融合に対する2つの閾値を考えることができる。たとえば、
・ 0.3<Fusion<0.7の場合、主要な懸案事項の状況が存在することを意味する(橙警報)。
・ 0.7<Fusionの場合、危機的な状況が存在することを意味する(赤警報)。
【0049】
下記は、パラメータとして、心拍数(Fc bat/mn)、呼吸数(Fr nb/mn)、及び体温(T ℃)を有する具体的な例である。
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
ここで、
− 第1のケースでは異常なものは存在しない。
− 第2のケースでは、心拍数が低く、呼吸数は正常であるが変化率が減少し、体温が低いため、第1の警報レベル(橙)が報告される。
第3のケースは頻脈傾向がある(すでに高い心拍数が加速を続けている)が、対照的に低い呼吸数がこのリズムに追従しておらず、体温によれば感染症を発症している危険性も存在する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の危機的な状況を該被検者の生理学的パラメータを測定することによって検出するための方法であって、
(a)前記生理学的パラメータを前記被検者に埋め込まれたセンサによって測定するステップ(10)と、
(b)前記生理学的パラメータの変化率(12)を計算するステップと、
(c)前記生理学的パラメータについての合成変数(19)を、該パラメータの値とその変化率を共に考慮に入れることによって求めるステップと、
(d)前記合成変数に基づいて危機的な状況を検出するステップ(25)と、
を含む、被検者の危機的な状況を該被検者の生理学的パラメータを測定することによって検出するための方法。
【請求項2】
ステップ(a)〜(c)を少なくとも2つの生理学的パラメータについて実施することを含み、
(c´)異なる複数の前記合成変数から大域決定変数(23)を求めるステップをさらに含み、前記危機的な状況は、ステップ(d)において該大域決定変数に基づいて検出される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生理学的パラメータは、以下のパラメータ、すなわち、被験者の心拍数、呼吸数、体温、被検者の活動度レベル、被検者の血糖から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記大域決定変数を求めることは、前記生理学的パラメータのそれぞれについて求められた前記合成変数の重み付けされた組み合わせ(21)によって行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記危機的な状況の検出は、前記大域決定変数(23)を1つ又は複数の閾値(24)と比較することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記生理学的パラメータについての前記合成変数を求めることは、前記パラメータの値を1つ又は複数の閾値(15、17)と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記生理学的パラメータについての前記合成変数を求めることは、前記生理学的パラメータの変化率を1つ又は複数の閾値(13)と比較することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記パラメータの値を2つの閾値と比較して、前記パラメータの値が低いか、正常であるか、又は高いかを判断すると共に、
前記パラメータの変化率を1つの閾値と比較して、前記パラメータの変化率が弱いか又は強いかを判断する、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記合成変数の値は、
− 前記パラメータの値が高い場合には、前記パラメータの値が正常である場合よりも高く、
− 前記パラメータの値が低い場合には、前記パラメータの値が正常である場合よりも高く、
− 前記パラメータの変化率が強い場合には、前記パラメータの変化率が弱い場合よりも高い、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
(e)無線リンクを介して前記危機的な状況の存在を遠隔送信するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
被検者の危機的な状況を検出するための機器であって、
生理学的パラメータ(10)を測定することが可能な少なくとも1つの埋め込み型センサと、
1つ又は複数の前記センサによって測定された値を受信すること、及び、1つ又は複数の前記生理学的パラメータのそれぞれの変化率(12)を計算すること、及び、1つ又は複数の前記生理学的パラメータのそれぞれについての合成変数(19)を、1つ又は複数の前記パラメータのうちの少なくとも1つについて、前記パラメータの値とその変化率を共に考慮に入れることによって求めることが可能な処理ユニットと、
を備える、被検者の危機的な状況を検出するための機器。
【請求項12】
少なくとも2つの異なる生理学的パラメータを測定することが可能な少なくとも2つの埋め込み型センサを備え、前記処理ユニットが請求項2に記載の方法を実行することが可能である、請求項11に記載の機器。
【請求項13】
前記被検者に完全に埋め込まれ、危機的な状況の存在に関連する情報の遠隔送信手段をさらに備える、請求項11に記載の機器。
【請求項14】
前記センサと、前記処理ユニットの少なくとも一部を収容する外部局と、を備える埋め込み型装置を備え、危機的な状況の存在に関連する情報の遠隔送信手段をさらに備える、請求項11に記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−510363(P2011−510363A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536444(P2010−536444)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2008/066736
【国際公開番号】WO2009/071598
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(510158288)
【氏名又は名称原語表記】VIGILIO
【住所又は居所原語表記】7, rue Montespan, F−91000 Evry, France
【出願人】(509089786)ユニヴェルシテ ジョゼフ フーリエ − グルノーブル 1 (2)
【Fターム(参考)】