説明

複合材料の再生利用に使用する方法及び装置

複合材料再生法は、少なくとも1種の重合体とアルミニウムとから成る一定量の複合材料を少なくとも1つの第1の反応器に供給する工程と、少なくとも1種の重合体を蒸発させかつ少なくとも1つの第1の反応器内で炭化水素副産物とアルミニウムとを生成するのに十分な温度でかつ非酸化環境で複合材料を加熱する工程と、少なくとも1種の重合体を含まないアルミニウムを第2の反応器に供給する工程と、第2の反応器内でアルミニウムを溶融するのに十分な温度でかつ非酸化環境でアルミニウムを加熱する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生利用法及び再生利用装置に関連する。特に、本発明は、複合材料を再生利用する方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
食品又は他の一般の工業製品に使用する包装体の材料には種々の形式がある。食品及び工業製品の最も多い包装体の材料は、通常、(a)例えば、厚紙(ボール紙)等の板紙材、(b)例えば、ポリエチレン・テレフタレート(PET)等の樹脂材、(c)例えば、飲料容器等の紙/樹脂材、(d)例えば、コーヒー、乾燥スープ、ドッグフード、チョコレート、加工穀物等を包装する樹脂・アルミニウム積層材、及び(e)例えば、ジュース、牛乳等の飲料容器を構成する紙/樹脂/アルミニウム材の形式の一つにより通常構成される。
【0003】
食品及び工業製品の容器が紙材(前記(a))又は紙/樹脂材(前記(c))のみを含むとき、このような包装材料を再利用する処理方法は、既に開発された。例えば、紙包装体は、酸化性流体の存在下で製粉化するハイドロパルプ化装置に供給され、無差別に紙繊維化される。分離された紙繊維から水分を除去し、抄紙機内で紙繊維が乾燥される。得られる再生紙を再使用して、例えば、段ボールを作ることができる。食品及び工業製品が紙/樹脂材(前記(c))等の複合材料の場合、(1)樹脂材が単一形式の樹脂のみで形成されるに過ぎず、(2)樹脂製廃棄物の再使用を困難にする汚染物質を含むので、ハイドロパルプ化工程中に自動的に選別される樹脂は、通常廃棄される。
【0004】
食品及び工業製品の包装は、ボトル等の樹脂材のみを含むとき、再生工程は、樹脂包装体の洗浄、乾燥及び製粉化並びに製粉化樹脂包装体の押出成形及び溶融化の各工程を含み、これらの工程を通じて新規な再生された樹脂製品が形成される。
【0005】
樹脂/アルミニウム積層体及び紙/樹脂/アルミニウム複合材料に関する限り、食品及び工業製品の包装体の再生は、困難である。例えば、前記包装体の両形式は、通常、樹脂成分に緊密に結合する厚さ10ミクロン未満のアルミニウム極薄片と、厚さ10ミクロン未満の樹脂製シートと、紙とを含む。前記再生処理工程を使用して、紙を再生することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、樹脂製廃棄物とアルミニウム製廃棄物は、再生できない。樹脂/アルミニウム包装体及び紙/樹脂/アルミニウム包装体からの樹脂製廃棄物とアルミニウム廃棄物は、アルミニウムから樹脂を分離する工程が困難であるから、商業上成立する再生工程が存在しない。また、紙/樹脂/アルミニウム包装体は、単一種の樹脂を含むのに対し、樹脂/アルミニウム包装体は、一般的に複数種の樹脂を利用する。例えば、通常の樹脂成分は、少量のポリプロピレン(PP)とポリエチレン・テレフタレート(PET)を配合するポリエチレン(PE)を含む。複数種の樹脂成分により、現在では、樹脂/アルミニウム包装体と、紙/樹脂/アルミニウム包装体を有効に再生することができない。
【0007】
例えば、工場廃棄物及び使用済み包装体等の樹脂/アルミニウム食品包装体、工業用包装体及び樹脂/アルミニウム廃棄物は、適正に再生されておらず、これらの材料の殆どは、埋立地に投棄され又は焼却処分されている。焼却処分は、有効な処理法のように思えるが、アルミニウムが存在するため、焼却処分には、操業上の問題がある。アルミニウムは、「燃焼」も気体も発生せず、むしろアルミニウムが酸化して、固体廃棄物である酸化アルミニウムを発生するので、焼却炉から固体廃棄物を定期的に除去する必要がある。
【0008】
現在では、フィンランド共和国法人のセレンソ・ユナイテッド・オイ・リミテッド社は、紙成分を除去して、紙/樹脂/アルミニウム包装体を再生する熱分解法を利用する。熱分解法を実施して、エネルギの発生に使用できる可燃性ガスが発生される。しかしながら、残留する粉末状のアルミニウム薄片を再生し又は再使用することができない。アルミニウムは、熱分解中に部分的に酸化し、酸化したアルミニウムは、溶融が困難になる。酸化アルミニウムは、アルミニウム薄片の外側から内側に向かって形成される。酸化アルミニウムは、1700℃以上の温度で溶融するが、アルミニウムの融点である700℃の温度では、溶融しない。本来、アルミニウム薄片は、極めて薄く、薄い酸化層でも、アルミニウム薄片を商業的工程で溶融する重大な障害となり、溶融を妨げる。また、熱分解法は、アルミニウム/アルミニウム酸化物残留物を生成し、多量の燃焼ガスを発生する。従って、熱分解法は、環境に優しい無害の工程ではなく、紙/樹脂/アルミニウム製の食品包装体と工業用包装体から有効にアルミニウムを再生することができない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
要約すると、本発明による複合材料再生法は、広義には、少なくとも1種の重合体(ポリマー)とアルミニウムとを含む一定量のあらゆる複合材料を少なくとも第1の反応器に投入する工程と、少なくとも第1の反応器内で少なくとも1種の重合体が蒸発して、炭化水素副産物とアルミニウムを生成するのに十分な温度でかつ非酸化環境(雰囲気)で複合材料を加熱する工程と、少なくとも1種の重合体が遊離したアルミニウムを第2の反応器に供給する工程と、第2の反応器内のアルミニウムが溶融するのに十分な温度でかつ非酸化環境(雰囲気)でアルミニウムを加熱する工程とを含む。
【0010】
本発明による複合材料再生装置は、広義には、少なくとも第1の反応器と、第2の反応器とを備え、第1の反応器は、混合空洞の周りに配置された外部加熱要素と、少なくとも2つのスクリューと、混合空洞内に配置された軸と、少なくとも2つの内部加熱要素とを備え、第2の反応器は、溶融浴に接近して配置されたプラズマ加熱装置を有する。
【0011】
本発明では、反応器は、広義には、軸を有する少なくとも2つのスクリューを有する混合空洞の周りに配置された外部加熱要素と、混合空洞内に配置された少なくとも2つの内部加熱要素とを備える。
【0012】
本発明では、反応器は、広義には、耐火特性を有する材料により被覆された溶融浴に接近して配置されたプラズマ加熱装置を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の1つ又はそれ以上の実施の形態を添付図面について本明細書に下記に詳細に説明する。種々の図面に示す箇所のうち、同様の参照符号は、同一又は類似の部分を示す。本発明の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲の記載から明らかとなろう。
【0014】
本明細書では、用語「炭化水素副産物」は、各鎖毎に約6乃至約10000個の炭素原子、好ましくは、約6乃至1000個の炭素原子、より好ましくは約6乃至約100個の炭素原子をそれぞれ有する複数の炭化水素鎖組成物を含み、固体、固液2相、液体、液気2相又は気体として単一又は複数の物質状態で存在する炭化水素組成物を意味する。
【0015】
本明細書では、用語「炭化水素製品」は、室温で固体、固液2相、液体、液気2相又は気体の単一又は複数の物質状態として存在する炭化水素組成物を意味する。
【0016】
本明細書では、用語「アルミニウム副産物」は、アルミニウムの如何なる酸化物も含まないアルミニウムからなる副産物を意味する。
【0017】
本明細書では、用語「少なくとも1つの第1の反応器」は、非酸化環境を維持すると共に、重合体を蒸発しかつ少なくとも1種の炭化水素副産物を形成するのに十分な温度で操業できる単一又は一連の反応器を意味する。
【0018】
本明細書では、用語「第2の反応器」は、非酸化環境を維持して少なくとも単一(単種)の重合体のないアルミニウムを搬入する反応器を意味する。
【0019】
本発明の複合材料再生装置(10)を図1a及び図1bに示す。本発明の複合材料再生装置(10)は、全再生工程を通じて非酸化環境(雰囲気)に維持される。非酸化環境を維持することにより、本発明の複合材料再生法の再生工程間にアルミニウム中に存在するアルミニウム酸化物層の厚さが増加せず、重合体が反応して、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)、水(H0)及び他の不都合な副産物を生成しない状態を確保することができる。少なくとも1つの第1の反応器(14)の注入口(12)内に一定量の複合材料(図示せず)を供給する供給手段(供給装置)(11)を複合材料再生装置(10)に設けることができる。複合材料を再生する工程の第1の段階では、少なくとも1種の重合体と、アルミニウムとを全体的に含む複合材料が、注入口(12)を通じて第1の反応器(14)内に投入される。不活性ガスを導入して、所望の非酸化環境を維持することが好ましい。重合体成分を蒸発すると共に、凝縮可能な気体状の炭化水素副産物と少なくとも1種の重合体を含まない(遊離した)アルミニウムを生成するのに十分な温度で複合材料を処理することができる。炭化水素副産物出口(16)を通じて第1の反応器(14)から炭化水素副産物を除去することができる。凝縮手段(凝縮器)(18)に炭化水素副産物出口(16)を接続して、凝縮手段(18)内で炭化水素副産物を凝縮し、少なくとも1種の炭化水素副産物を液化することができる。処理した材料の出口を別に設けた第1の反応器(14)に接続して、複合材料の残留する全ての重合体成分を更に処理し又は第2の反応器(20)の注入口(22)に接続してもよい。
【0020】
複合材料を再生する工程の第2段階の間、供給手段(供給装置)(21)を通じて第1の反応器(14)の処理済材料(19)の出口から、少なくとも1種の重合体のない(遊離した)アルミニウムを第2の反応器(20)の注入口(22)内に搬入することができる。第2の反応器(20)では、アルミニウムを溶融するのに十分な温度でアルミニウムが加熱される。酸素が存在しないため、アルミニウム酸化物層は、成長せず厚さも増加しない。少なくとも1種の重合体のないアルミニウムを出口(24)から取り出して、冷却し、少なくとも1種のアルミニウム副産物を生成することができる。
【0021】
図2a乃至図2cに示すように、少なくとも単一の第1の反応器(14)は、混合空洞(32)を形成する外殻(30)を有する。混合空洞(32)は、内面(31)を有し、注入口(12)及び出口(16,19)に接続される。外殻(30)の外面には、一定量の断熱材(35)が設けられる。断熱材(35)は、例示するものに限定されないが、繊維状セラミック材料、シリカ、アルミナ、少なくとも前記の1種等を有する複合材を含むが、存在するシリカの量が存在するアルミナの量より多いシリカとアルミナとの混合物が好適である。電気加熱要素等の外部加熱要素(33)は、内面(31)と外殻(30)との間に配置される。外部加熱要素(33)は、操業中に混合空洞(32)内の複合材料を加熱する作用がある。外部加熱要素(33)は、少なくとも1種の重合体成分を蒸発させて、凝縮可能な気体状の炭化水素副産物を生成するのに十分な温度を維持することができる。また、外部加熱要素(33)を第1の反応器(14)の外部に設けてもよい。例えば、導管(図示せず)を通じて第1の反応器(14)に供給される油性物、気体、水、蒸気、前記流体の少なくとも1種を含む複合物等の加熱された流体が熱源(図示せず)である。導管は、第1の反応器(14)内に接続され、内面(31)と外殻(30)との間に配置されるので、加熱流体は、混合空洞(32)内を循環して少なくとも1種の重合体成分を蒸発させかつ凝縮可能な気体状の炭化水素副産物を生成するのに十分な温度に混合空洞(32)を加熱する。
【0022】
複合材料を処理するため、第1の反応器(14)は、混合空洞(32)内に配置された第1の軸(38)と第2の軸(40)にそれぞれ固定される第1のスクリュー(34)と第2のスクリュー(36)との少なくとも2つのスクリュー(34,36)を有する。第1の軸(38)と第2の軸(40)との各々は、内部に設けられる第1及び第2の内部加熱要素(42,44)を有する。外部加熱要素(33)と同様に、第1の反応器(14)の各内部加熱要素(42,44)も、再生工程中に混合空洞(32)内の複合材料を加熱する。当業者には公知の電気抵抗加熱要素を内部加熱要素(42,44)に設けることができる。内部加熱要素(42,44)は、重合体成分を蒸発させかつ炭化水素副産物を生成するのに十分な温度に複合材料を維持する。例示するものに限定されないが、電気抵抗加熱要素は、ニッケルクロム等がよい。
【0023】
再生工程を通じて、内部加熱要素(42,44)をいずれも作動して、各第1の反応器(14)の容積全体を均一な温度に確実に保持することができる。また、外部加熱要素(33)と内部加熱要素(42,44)の両方とを作動して、全容積にわたり各第1の反応器(14)を均一な温度に確実に保持することができる。混合空洞(32)内に加熱要素(33,42,44)を配置することにより、複合材料に対する良好な熱伝達を行い、再生処理中に複合材料を均一にかつ確実に加熱することができる。また、断熱材(35)により、混合空洞(32)からの熱損失を防止し又は熱損失を最小限に制御し、これにより、確実に温度制御を行い、良好な熱伝達状態を形成すると共に、複合材料を均一に加熱することができる。
【0024】
各第1の反応器(14)の全容積を通じる操作温度は、約300℃乃至約700℃の範囲、好ましくは、約400℃乃至約600℃の範囲にある温度がよい。本発明による複合材料再生法は、大気圧下でなく真空圧下で実施するとよい。しかしながら、複合材料再生法を実施するとき、真空圧下でも大気圧下でも、複合材料中に存在する少なくとも1種の重合体成分を蒸発するのに少なくとも約400℃の温度が必要であるから、操作温度は、少なくとも約400℃未満であってはならない。これらの操作温度範囲は、処理中に重合体成分の劣化を防止すると共に、凝縮可能な気体状の炭化水素副産物の生成を促進するためである。前記範囲に満たない温度又は前記範囲を超える温度で重合体成分を処理すると、重合体成分を蒸発できるが、凝縮不能で気体状の炭化水素副産物又は凝縮不能な気体状炭化水素副産物とすすが生成される。その後、重合体成分を蒸発した後に残留して、本発明の複合材料再生装置(10)により実施される再生法の第1段階の間に除去されるアルミニウムが、すすにより汚染される。
【0025】
第1の反応器(14)に外付けされた駆動手段(駆動装置)(46)により、スクリュー(34,36)を駆動することができる。駆動手段(46)は、第1の軸(38)と第2の軸(40)との周りにスクリュー(34,36)を同時に同一の方向にかつ同一の速度で回転させることができる如何なる機械的装置でもよい。例えば、図2cの矢印(48)で示す第1の方向に第1のスクリュー(34)を同一速度で回転し、矢印(50)で示す第2の方向に第2のスクリュー(36)を回転することができる。スクリュー(34,36)の操作状態を変更してもなお、本発明の複合材料再生法の所望の効果を達成できることは、当業者に認識されよう。
【0026】
スクリュー(34,36)は、互いに隣接して、互いに並行にかつ接触せずに配置される。各スクリュー(34,36)は、それぞれ第1の軸(38)と第2の軸(40)に沿って配置される羽根を有し、羽根は、各軸(38,40)の周りに螺旋状かつ同心状に配置され、各羽根間に複数のブレードと複数の溝とを形成する。スクリューの螺旋として全体的に共通に羽根の螺旋方向を表わす。螺旋形状に形成されるので、各スクリュー(34,36)の羽根は、頂部から軸に向かって湾曲して、各羽根の表面は、事実上凹面となる。操作間に、第1のスクリュー(34)は、第1の軸(38)の周囲に回転し、第1のスクリュー(34)の第1の螺旋は、第2のスクリュー(36)の第2の螺旋の溝内に侵入する。第2の螺旋の溝を通じて第1の螺旋の運動と方向により、第1のスクリュー(34)と軸(40)から溶融重合体組成物を除去して、スクリュー(34)と軸(40)とを有効に浄化することができる。第1のスクリュー(34)と第2のスクリュー(36)の連続的な運動により、第1のスクリュー(34)と第2のスクリュー(36)の各々に沿う溶融重合体成分の連続的な運動を達成すると共に、混合空洞(32)内でかつ第1のスクリュー(34)及び第2のスクリュー(36)のいずれかに沿う溶融重合体成分の凝集又は塊状化を阻止することができる。通常、重合体成分の溶融時に、重合体の複数の層は、混合空洞内で回転しながら、溶融重合体成分の球を形成する厚い層を形成することがある。第1のスクリュー(34)と第2のスクリュー(36)の運動と方向により、溶融重合体成分の塊状化を有効に防止することができる。
【0027】
即ち、第1のスクリュー(34)と第2のスクリュー(36)とが同時に、同一速度でかつ同一方向に回転すると、第1のスクリュー(34)の少なくとも1つの第1の羽根は、第2のスクリュー(36)の少なくとも1つの第2の溝を通じて回転する。第1の羽根が回転するとき、第1の羽根は、第2のスクリュー(36)の第2の軸の位置に対して軸方向に前後に移動する構造で第1の軸(38)に取り付けられる。第1の羽根の各表面の湾曲形状(曲率)により、第2のスクリュー(36)の第2の軸の位置に対して、各第2の溝内で容易に軸方向の前後運動を行うことができる。これとは、対照的に、羽根に湾曲形状が設けられず単に平坦な形状の羽根を第2のスクリュー(36)に直角に配置すれば、第2のスクリューの第2の軸の位置に対して、第2のスクリューの溝内で平坦な形状の羽根が軸方向に前後に移動しない。第1のスクリュー(34)及び第2のスクリュー(36)の回転運動と、第1の羽根及び第2の羽根の軸方向前後運動とを通じて、第1のスクリュー(34)と第2のスクリュー(36)とにより、反応器(14)内で複合材料が処理される。同時に、第1の羽根の先端も第2のスクリューの軸から処理される複合材料を除去して、第2の軸(40)と第2のスクリュー(36)を有効に洗浄する。第1のスクリュー(34)の第1の羽根が第2のスクリュー(36)を洗浄するので、第2のスクリュー(36)の第2の羽根も同様の方法で作動されて、第2の羽根が回転するとき、第2の羽根は、第1のスクリュー(34)の第1の軸(38)の位置に対して軸方向に前後に移動する構造で第2の軸(40)に取り付けられ、第1のスクリュー(34)の軸から処理される複合材料を除去し、第1の軸(38)及び第1のスクリュー(34)を有効に洗浄する。
【0028】
単なる例示に過ぎず、本発明を限定しないが、所期の処理状態と工業目的に依存して、第1の反応器の寸法を決定することができる。例えば、約1メートル乃至約3メートルの長さで各スクリューを形成することができる。約10センチメートルから約150センチメートルまでの直径で各スクリューを形成することができる。第2のスクリューの各第2の羽根及び第2の軸から約1ミリメートル乃至約50ミリメートル離間して、第1のスクリューの各第1の羽根を配置できる。また、第1のスクリューの各第1の羽根及び第1の軸から約1ミリメートル乃至約50ミリメートル離間して、第2のスクリューの各第2の羽根を配置することができる。第2のスクリューの第2の軸から約1ミリメートル乃至約50ミリメートル離間して、各第1の羽根の先端を配置することができる。また、第1のスクリューの第1の軸から約1ミリメートル乃至約50ミリメートル離間して、各第2の羽根の第2の先端を配置することができる。
【0029】
蒸発前に、重合体成分は、鎖毎に約100000個以上の炭素原子を有する分子量の大きい炭化水素鎖合成物として出発する。蒸発中に、重合体成分は、鎖毎に約100000個以下の炭素原子をそれぞれ有する小さい分子量の炭化水素鎖合成物に分解を開始する。蒸発が完了するとき、鎖毎に約6乃至約10000個の炭素原子、好ましくは、約6乃至約1000個の炭素原子、より好ましくは約6乃至約100個の炭素原子をそれぞれ有する分子量の小さい複数の炭化水素鎖合成物に分解して、炭化水素副産物を生成する。
【0030】
鎖毎に6個未満でなくかつ100個を超えない炭素原子を含む炭化水素鎖を有する炭化水素副産物であることが好ましい。鎖毎に列挙する炭素原子数範囲に該当する炭化水素鎖合成物は、第1の反応器(14)に維持される操作状態の下で、凝縮可能な気体状の炭化水素副産物を形成する。この凝縮可能な気体状の炭化水素副産物は、例えば、高市場価格の商品となるパラフィン化合物等の市場の要求する炭化水素副産物を形成することができる。これとは対照的に、鎖毎に6個未満の炭素原子を含む炭化水素鎖を含む炭化水素鎖合成物は、市場価値の極めて低い商品である例えば、メタン、エタン、プロパン及びブタン等の凝縮不能な気体状の炭化水素副産物を生成する。鎖毎に100個以上の炭素原子を含む炭化水素鎖合成物は、気体形態で発生するとは思われない。
【0031】
複合材料の処理工程を通じて、処理工程中に出口(16)から炭化水素副産物を除去することができる。凝縮手段(凝縮器)(18)を使用して、炭化水素副産物を炭化水素製品に凝縮することができる。凝縮手段(18)は、炭化水素を凝縮できる当業者に公知の如何なる装置でもよい。本発明の処理工程を実施するとき、炭化水素副産物を凝縮する際に、少なくとも1種の炭化水素製品が形成される。例えば、炭化水素製品は、室温で一部(固体)のパラフィンと一部のパラフィン系オイルとを含むパラフィン合成物を含む。再生すべき紙/樹脂/アルミニウム製及び樹脂/アルミニウム製の食品包装体及び工業用包装体は、単一又は複数の異なる重合体をそれぞれ含むので、本発明の複合材料再生法を使用すると、凝縮手段(18)の操作状態に依存して、あらゆる炭化水素製品を生成することができる。
【0032】
複合材料の重合体成分が一度蒸発して、アルミニウムのみが残留すると、当業者には公知の搬送手段(搬送装置)(21)を使用して、薄膜酸化アルミニウム(アルミナ)で被覆されたアルミニウム片が第2の反応器(20)の注入口(61)内に搬送される。図3a及び図3bに示すように、第2の反応器(20)は、非酸化環境を維持し、空洞(62)の周囲に配置される外殻(60)を備えることが望ましい。空洞(62)は、内面を被覆するコーティングを有する溶融浴(64)を形成する。コーティングは、耐火特性を有する少なくとも一つの材料を含む。本明細書に使用する耐火特性を有する適切な材料は、列挙するものに限定されないが、シリカ、アルミナ、これらの少なくとも1種を含む混合物等であるが、好適には、重量百分率でアルミナ約70%乃至90%と残部シリカとを含む混合物がよい。外殻(60)の外面上に一定量の断熱材(65)を取り付けて、空洞(62)からの熱損失を防止し又は少なくとも熱損失を最小限に制限することができる。適当な断熱材は、列挙するものに限定されないが、繊維状セラミック材料、シリカ、アルミナ、前記材料の少なくとも1種を含む混合物等であるが、好適には、存在するシリカの量が存在するアルミナの量より多いシリカとアルミナとの混合物がよい。
【0033】
プラズマ加熱装置(66)を外殻(60)に取り付けて、空洞(62)内にプラズマ加熱装置(68)を配置することができる。溶融浴に接近しかつその上方にプラズマ加熱装置(68)を取り付けて、溶融浴の表面と交差するようにプラズマ加熱装置(68)を前後(垂直)に移動して、少なくとも1種の重合体成分のないアルミニウムを溶融することができる。本明細書に使用するのに好適なプラズマ加熱装置(68)は、溶融浴の表面に交差して如何なるかつ全ての方向に移動でき、例えば、アルミニウム酸化物膜を分断してアルミニウムを溶融するのに少なくとも十分な熱を発生できかつ掃引運動可能で、旋回式、移動式又は移動不能なプラズマトーチを備えるとよい。当業者に公知のあらゆる不活性ガスをプラズマガスとして利用することができる。第2の反応器(20)内に非酸化環境を維持するのに、アルゴン(Ar)等の不活性ガスが好ましい。プラズマ加熱装置(68)は、アルミニウムの融点である約660℃(1220°F)又は酸化アルミニウムの融点である約1,700℃(3,092°F)を遥かに超える約10,000℃(18,032°F)を超える温度の電気アークを発生する。酸化アルミニウム膜は、溶融して、酸化物殻内に封入されるアルミニウムを放出する。酸素が不存在のため、得られる液状アルミニウムは、アルミニウムの如何なる酸化物も含まない。
【0034】
アルミニウム片を溶融浴(64)内に供給して、アルミニウムの上方で掃引運動によりプラズマトーチが移動する。プラズマトーチのアークがアルミニウムに接触して溶融アルミニウムの溶滴を形成し、アルミニウムかす層が溶融アルミニウムの頂部に形成される。追加のアルミニウムが溶融浴(64)内に供給されて溶融すると形成されるアルミニウムかす層が、溶融アルミニウムの頂部に浮遊する。かす層により、溶融アルミニウムは、プラズマトーチにより発生する高温から分離される。約1ミリメートル乃至約2ミリメートルの厚さを有するかす層の実際の表面では、約2000℃乃至約3000℃の温度に達する。しかしながら、かす層が溶融アルミニウムを有効に断熱するので、かす面の下方では、温度が顕著に低下する。その結果、再生工程間では、約800℃を超えない温度に溶融アルミニウムの温度を保持することができる。この工程を通じて、黒鉛工具(図示せず)を使用して、溶融浴(64)の表面を掬い取ってかす層を定期的に除去することができる。この目的を達成する如何なる工具も使用できることは当業者に理解できよう。アルミニウム片を連続的に第2の反応器(20)に供給するので、溶融アルミニウムを溶融浴(64)から排出して、溶融浴(64)内の溶融アルミニウムを一定の液面レベルに維持することができる。溶融アルミニウムを排出するとき、溶融アルミニウムを約600℃の温度に冷却することができる。出口(70)を通じて得られる溶融アルミニウムを空洞(62)から除去して、少なくとも1種のアルミニウム副産物を生成することができる。
【0035】
前記のように、紙/樹脂/アルミニウム製及び樹脂/アルミニウム製の包装体材料は、各成分の物理的特性及び化学的特性で分離できないばかりでなく、樹脂とアルミニウムとを分離することが本質的に困難であるため、再生されておらずかつ/又は完全には再生されていない。樹脂成分は、熱移動を制限しまた酸化アルミニウム層を離散するにはアルミニウムの重量が不十分であるため、通常の方法で2成分を熱分離(例えば、熱分解)することは、極めて困難である。化学的分離を含む他の従来の再生処理法は、経済的な理由又は環境上の理由のいずれかで成功しなかった。
【0036】
本発明の装置及び方法は、紙/樹脂/アルミニウム製及び樹脂/アルミニウム製の包装体材料のいずれも再生に成功した。単一又は複数の重合体から成る樹脂と、全ての厚さのアルミニウムとを分離しかつ再生することができ、廃物として処分しなくてよい。本発明の装置と方法は、本明細書に記載する成功例を実施する場合に幾つかの利点を有する。
【0037】
本発明の方法は、環境に優しいものである。この方法は、如何なる種類の環境に有害な残留物又は毒性の気体流出物若しくは液体流出物も発生しない。工程を通じて、密閉反応器内で複合材料を処理しかつ炭化水素副産物とアルミニウム副産物との放出を制御することができる。また、樹脂、樹脂/アルミニウム複合材料又は紙/樹脂/アルミニウム複合材料を処理する従来の再生法とは異なり、本発明の方法は、複合材料を有効に処理する付加的な添加剤を必要としない。
【0038】
本発明の方法は、樹脂/アルミニウム製及び紙/樹脂/アルミニウム製の包装体の再生化を現在まで妨げた最も一般的な障害を回避することができる。再生工程を通じて非酸化雰囲気を維持すると共に、温度を制御することにより、再生工程を妨害する酸化アルミニウムを形成しない。このため、品質が均一な均質な炭化水素副産物とアルミニウム副産物とを順次取り出すことができる。
【0039】
本発明の方法は、複合材料を効率的にかつ確実に処理する特別に設計されかつ密閉される複数の反応器を使用する。特別に設計され密閉される容器と、自浄式の2軸スクリューを使用することにより、複合材料内の単一又は複数の重合体を均一に加熱すると同時に、連続的に処理することができる。これにより、処理工程間に樹脂の劣化を確実に阻止することができる。特別に設計されたプラズマ装置を使用することにより、アルミニウムが非常に薄いときでも、如何なる寸法で如何なる厚さのアルミニウムでも溶融することができる。このため、酸化物殻内に以前から封入されて存在する酸化アルミニウムでも、プラズマ装置は、酸化アルミニウム層を溶融して、溶融アルミニウムを取り出すことができる。
【0040】
本発明の再生法は、従来の再生法の欠陥を克服して成功裏に実施できるのみならず、効率的である。通常、従来の技術では、樹脂/アルミニウム複合材料及び紙/樹脂/アルミニウム複合材料を再生するときに、アルミニウムの少なくとも40%を失う。このため、従来技術では、これらの複合材料を再生するとき、60%以上のアルミニウムを再生することができない。本発明による再生法では、少なくともアルミニウムの約90%を再生できる。本発明の再生法の全エネルギ効率は、約75%を超える。この高効率の一部は、加熱源の本質的な特性、即ち外部加熱源、内部加熱源及びプラズマトーチによるものであり、また高効率の他の一部は、各反応器内及びその周囲で加熱源と断熱材料の適応性によるものである。
【0041】
本発明の単一又は複数の実施の形態を説明した。しかしながら、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、実施の形態に種々の変更を加えることができることは理解されよう。従って、他の実施の形態も特許請求の範囲の技術的範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1a】複合材料再生装置の側面断面図
【図1b】図1aの複合材料再生装置の平面断面図
【図2a】図1a及び図1bに示す複合材料再生装置の第1の反応器を示す平面図
【図2b】図2aに示す第1の反応器の側面図
【図2c】図2bに示す第1の反応器の断面図
【図3a】図1a及び図1bに示す複合材料再生装置の第2の反応器の平面図
【図3b】第2の反応器を示す図3aのB−B線に沿う断面図
【符号の説明】
【0043】
(10)・・複合材料再生装置、 (11)・・供給手段、 (12)・・注入口、 (14)・・第1の反応器、 (16)・・炭化水素副産物出口、 (18)・・凝縮手段、 (19)・・処理済材料、 (20)・・第2の反応器、 (22)・・注入口、 (30)・・外殻、 (31)・・内面、 (32)・・混合空洞、 (33)・・外部加熱要素、 (34)・・第1のスクリュー (35)・・断熱材、 (36)・・第2のスクリュー、 (38)・・第1の軸、 (40)・・第2の軸、 (42,44)・・加熱要素、 (46)・・駆動手段、 (60)・・外殻、 (62)・・空洞、 (64)・・溶融浴、 (65)・・断熱材、 (66)・・プラズマ加熱装置、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の重合体とアルミニウムとを含む一定量の複合材料を少なくとも1つの第1の反応器内に供給する工程と、
少なくとも1つの第1の反応器内で少なくとも1種の重合体を蒸発させると共に、炭化水素副産物とアルミニウムとを生成するのに十分な温度でかつ非酸化環境で複合材料を加熱する工程と、
少なくとも1種の重合体を含まないアルミニウムを第2の反応器内に供給する工程と、
第2の反応器内でアルミニウムが溶融するのに十分な温度でかつ非酸化環境でアルミニウムを加熱する工程とを含むことを特徴とする複合材料再生法。
【請求項2】
複合材料を加熱する工程は、約300℃乃至約700℃の間の温度範囲内で複合材料を均一に加熱する工程を含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項3】
複合材料を加熱する温度範囲は、約400℃と約600℃との間である請求項2に記載の複合材料再生法。
【請求項4】
複合材料を加熱する工程は、凝縮可能な液状の炭化水素副産物を生成する工程を含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項5】
複合材料を加熱する工程は、少なくとも1種のパラフィン化合物を生成する工程を含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項6】
複合材料を加熱する工程は、鎖毎に約6乃至約10000個の炭素原子を有する少なくとも1種の炭化水素鎖を有する炭化水素副産物を生成する工程を含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項7】
複合材料を加熱する工程は、鎖毎に約6乃至約1000個の炭素原子を有する少なくとも1種の炭化水素鎖を有する炭化水素副産物を生成する工程を含む請求項6に記載の複合材料再生法。
【請求項8】
複合材料を加熱する工程は、鎖毎に約6乃至約100個の炭素原子を有する少なくとも1種の炭化水素鎖を有する炭化水素副産物を生成する工程を含む請求項7に記載の複合材料再生法。
【請求項9】
複合材料を加熱する工程は、
少なくとも1つの第1の反応器の混合空洞内に複合材料を導入する工程と、
少なくとも1種の重合体を劣化させずに、複合材料を均一に加熱する工程と、
複合材料を連続的に処理する工程とを含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項10】
均一に加熱する工程は、第1のスクリューの第1の軸内に配置された第1の内部加熱要素と、第2のスクリューの第2の軸内に配置された第2の内部加熱要素とを使用して、少なくとも1つの第1の反応器の全容積を加熱する工程を含む請求項9に記載の複合材料再生法。
【請求項11】
均一に加熱する工程は、外部加熱要素並びに少なくとも1つの第1の反応器の第1の内部加熱要素及び第2の内部加熱要素を使用して、少なくとも1つの第1の反応器の全容積を加熱する工程を含む請求項9に記載の複合材料再生法。
【請求項12】
少なくとも1つの第1の反応器の全容積を加熱する工程は、
混合空洞と少なくとも1つの第1の反応器の殻との間に配置される外部加熱要素を使用して、複合材料を加熱する工程と、
少なくとも1つの第1の反応器の第1のスクリュー内に配置される第1の内部加熱要素と第2のスクリュー内に配置される第2の内部加熱要素とを使用して、複合材料を加熱する工程とを含む請求項11に記載の複合材料再生法。
【請求項13】
連続的に処理する工程は、
第1の反応器内で第1のスクリューと第2のスクリューとを同一の速度でかつ同一の方向に回転する工程と、
第2のスクリューの少なくとも1つの第2の溝を通じて第1のスクリューの少なくとも1つの第1の羽根を回転して、第1のスクリューと第2のスクリューとを回転しながら、第2の軸に対して、少なくとも1つの第1の羽根を軸方向の前後に移動する工程と、
第1のスクリューの少なくとも1つの第1の溝を通じて第2のスクリューの少なくとも1つの第2の羽根を回転して、第1のスクリューと第2のスクリューとを回転しながら、第1の軸に対して、少なくとも1つの第2の羽根を軸方向の前後に移動する工程と、
第1のスクリューと第2のスクリューにより複合材料を処理する工程と、
少なくとも1つの第2の羽根を使用して、処理された複合材料を第1のスクリューから除去して第1のスクリューの表面を浄化する工程と、
少なくとも1つの第1の羽根を使用して、処理された複合材料を第2のスクリューから除去して第2のスクリューの表面を浄化する工程とを含む請求項9に記載の複合材料再生法。
【請求項14】
炭化水素副産物を生成した後に、
少なくとも1つの第1の反応器から炭化水素副産物を除去する工程と、
炭化水素副産物を凝縮する工程とを更に含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項15】
アルミニウムを加熱する工程は、
掃引運動を行うプラズマアークをアルミニウムに使用して、一定量の溶融アルミニウムと溶融アルミニウムの表面に現れるかす層を生成する工程と、
約800℃を超えない温度に一定量の溶融アルミニウムを維持する工程とを含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項16】
プラズマアークを使用する工程は、プラズマトーチを使用して、プラズマアークを発生する工程を含む請求項15に記載の複合材料再生法。
【請求項17】
溶融アルミニウムの表面から一定量のかす層を掬い取る工程と、
アルミニウムの加熱工程を通じて約30分乃至約60分の時間間隔で掬い取る工程を反復する工程とを含む請求項15に記載の複合材料再生法。
【請求項18】
約2000℃乃至約3000℃の温度を有するかす層を使用して、一定量の溶融アルミニウムを断熱する工程を含む請求項15に記載の複合材料再生法。
【請求項19】
第2の反応器の排出口を開放して、溶融アルミニウムを第2の反応器から除去する工程と、
第2の反応器内の溶融アルミニウムの量を一定のレベルに維持する工程と、
少なくとも1種の重合体を含まないアルミニウムを取り出す工程とを含む請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項20】
アルミニウムを取り出す工程は、複合材料から少なくとも1種の重合体を含まない少なくとも約90%のアルミニウムを取り出す工程を含む請求項19に記載の複合材料再生法。
【請求項21】
約75%を超えるエネルギ効率で再生工程を操業する請求項1に記載の複合材料再生法。
【請求項22】
混合空洞の周囲に配置された外部加熱要素並びに混合空洞内に配置されて軸及び軸の内部に配置された少なくとも2つの内部加熱要素を含む少なくとも2つのスクリューを備える少なくとも1つの第1の反応器と、
溶融浴及び溶融浴に接近して配置されたプラズマ加熱装置を備える第2の反応器とを設けたことを特徴とする複合材料再生装置。
【請求項23】
少なくとも2つのスクリューを駆動する駆動手段装置を備える請求項22に記載の複合材料再生装置。
【請求項24】
少なくとも2つのスクリューは、第1の軸及び第1の軸内に配置された第1の内部加熱要素を備える第1のスクリューと、第2の軸及び第2の軸内に配置された第2の内部加熱要素を備える第2のスクリューとを備える請求項22に記載の複合材料再生装置。
【請求項25】
第1のスクリューは、第1の軸に沿って配置される第1の螺旋体を備え、第2のスクリューは、第2の軸に沿って配置される第2の螺旋体を備える請求項24に記載の複合材料再生装置。
【請求項26】
第1の螺旋体は、複数の第1の羽根及び複数の第1の羽根間に形成される複数の第1の溝を備え、第2の螺旋体は、複数の第2の羽根及び複数の第2の羽根間に形成される複数の第2の溝を備える請求項25に記載の複合材料再生装置。
【請求項27】
第2のスクリューの複数の第2の溝の各々内に第1のスクリューの複数の第1の羽根の各々を配置し、第1のスクリューの複数の第1の溝の各々内に第2のスクリューの複数の第2の羽根の各々を配置した請求項26に記載の複合材料再生装置。
【請求項28】
第1のスクリューと第2のスクリューの各々は、約10センチメートル乃至約150センチメートルの直径を有する請求項26に記載の複合材料再生装置。
【請求項29】
第1の内部加熱要素を第1のスクリューの第1の軸内に配置し、第2の内部加熱要素を第2のスクリューの第2の軸内に配置した請求項24に記載の複合材料再生装置。
【請求項30】
外部加熱要素は、オイル、気体、水及び蒸気から成る群から選択される流体を有する外部熱源に連絡する導管を有する請求項22に記載の複合材料再生装置。
【請求項31】
少なくとも1つの第1の反応器の炭化水素副産物の出口に連絡されて、炭化水素副産物を凝縮する手段を備える請求項22に記載の複合材料再生装置。
【請求項32】
少なくとも1種の重合体とアルミニウムとを含む一定の複合材料を少なくとも1つの第1の反応器の注入口に供給する手段を備える請求項22に記載の複合材料再生装置。
【請求項33】
少なくとも1つの第1の反応器から重合体を含まないアルミニウムを第2の反応器の注入口に供給する手段を備える請求項22に記載の複合材料再生装置。
【請求項34】
少なくとも1つの第1の反応器は、
混合空洞の周囲に配置された殻と、
殻上に配置されて、混合空洞内の操作温度を維持するのに十分な一定量の断熱材と、
混合空洞に連絡して、少なくとも1種の重合体とアルミニウムとを含む一定量の複合材料を受け取る注入口と、
混合空洞に連絡して炭化水素副産物の放出口と、
混合空洞に連絡して、少なくとも1種の重合体を含まないアルミニウムを取り出す排出口とを備え、
外部加熱要素を混合空洞と殻との間に配置した請求項22に記載の複合材料再生装置。
【請求項35】
断熱材は、シリカ、アルミナ及びシリカ又はアルミナの混合物から成る群から選択されるセラミック材料を含む請求項34に記載の複合材料再生装置。
【請求項36】
断熱材は、シリカとアルミナとの混合物を含み、シリカの量がアルミナの量より大きいセラミック材料を含む請求項34に記載の複合材料再生装置。
【請求項37】
第2の反応器は、
溶融浴を形成する空洞の周囲に配置された殻と、
少なくとも1種の重合体を含まない一定量のアルミニウムを受け取る注入口と、
空洞に連絡して配置されかつ溶融アルミニウムを取り出す出口と、
殻上に配置されて溶融浴内の操作温度を維持するのに十分な一定量の断熱材とを備え、
前記空洞に連絡して配置されるプラズマ加熱装置を殻に取り付けた請求項34に記載の複合材料再生装置。
【請求項38】
耐火特性を有する材料により溶融浴を被覆した請求項37に記載の複合材料再生装置。
【請求項39】
シリカ、アルミナ及びシリカ又はアルミナの混合物から成る群から耐火特性を有する材料を選択する請求項37に記載の複合材料再生装置。
【請求項40】
耐火特性を有する材料は、重量基準で約70%乃至約90%のアルミナと、残部シリカとを有する請求項37に記載の複合材料再生装置。
【請求項41】
断熱材は、シリカ、アルミナ及びシリカ又はアルミナの混合物から成る群から選択されるセラミック材料を有する請求項37に記載の複合材料再生装置。
【請求項42】
断熱材は、シリカとアルミナとを有するセラミック材料を含み、シリカの量がアルミナの量より多い請求項37に記載の複合材料再生装置。
【請求項43】
軸と、軸内に配置された少なくとも2つの内部加熱要素とを備える少なくとも2つのスクリューを収容する混合空洞の周りに配置した外部加熱要素を設けたことを特徴とする反応器。
【請求項44】
少なくとも2つのスクリューを駆動する手段を備える請求項43に記載の反応器。
【請求項45】
少なくとも2つのスクリューは、第1の軸及び第1の軸内に配置された第1の内部加熱要素を有する第1のスクリューと、第2の軸及び第2の軸内に配置された第2の内部加熱要素を有する第2のスクリューとを備える請求項43に記載の反応器。
【請求項46】
第1のスクリューは、第1の軸に沿って配置される第1の螺旋体を備え、第2のスクリューは、第2の軸に沿って配置される第2の螺旋体を備える請求項45に記載の反応器。
【請求項47】
第1の螺旋体は、複数の第1の羽根及び複数の第1の羽根間に形成される複数の第1の溝を備え、第2の螺旋体は、複数の第2の羽根及び複数の第2の羽根間に形成される複数の第2の溝を備える請求項46に記載の反応器。
【請求項48】
第1のスクリューの複数の第1の羽根の各々は、第2のスクリューの複数の第2の溝の各々内に配置され、第2のスクリューの複数の第2の羽根の各々は、第1のスクリューの複数の第1の溝の各々内に配置された請求項47に記載の反応器。
【請求項49】
第1のスクリューの第1の軸内に第1の内部加熱要素を配置し、第2のスクリューの第2の軸内に第2の内部加熱要素を配置した請求項43に記載の反応器。
【請求項50】
オイル、気体、水及び蒸気から成る群から選択される流体を有する外部熱源に連絡する導管を外部加熱要素に設けた請求項43に記載の反応器。
【請求項51】
混合空洞の周囲に配置された殻と、
殻上に配置されて、混合空洞内の操作温度を維持するのに十分な一定量の断熱材と、
混合空洞と殻との間に配置された外部加熱要素と、
混合空洞に連絡して、少なくとも1種の重合体とアルミニウムとを含む一定量の複合材料を受け取る注入口と、
混合空洞に連絡して炭化水素副産物の放出口と、
混合空洞に連絡して、少なくとも1種の重合体を含まないアルミニウムを取り出す排出口とを備える請求項43に記載の反応器。
【請求項52】
断熱材は、シリカ、アルミナ及びシリカ又はアルミナの混合物から成る群から選択されるセラミック材料を有する請求項51に記載の反応器。
【請求項53】
断熱材は、シリカとアルミナとを有するセラミック材料を含み、シリカの量がアルミナの量より多い請求項51に記載の反応器。
【請求項54】
耐火特性を有する材料により被覆された溶融浴に接近して配置されたプラズマ加熱装置を有することを特徴とする反応器。
【請求項55】
プラズマ加熱装置は、プラズマトーチを有する請求項54に記載の反応器。
【請求項56】
プラズマトーチは、溶融浴上で前後に移動できる請求項55に記載の反応器。
【請求項57】
溶融浴に接近してかつ溶融浴の上方にプラズマトーチを設けた請求項55に記載の反応器。
【請求項58】
溶融浴の表面を掬い取る手段を有する請求項54に記載の反応器。
【請求項59】
シリカ、アルミナ及びシリカ又はアルミナの混合物から成る群から耐火特性を有する材料を選択した請求項54に記載の反応器。
【請求項60】
耐火特性を有する材料は、重量基準で約70%乃至約90%のアルミナと、残部シリカとを有する請求項54に記載の反応器。
【請求項61】
溶融浴を形成する空洞の周囲に配置された殻と、
少なくとも1種の重合体を含まない一定量のアルミニウムを受け取る注入口と、
空洞に連絡して配置され溶融アルミニウムを取り出す出口と、
殻上に配置されて溶融浴内の操作温度を維持するのに十分な一定量の断熱材とを備え、
空洞に連絡して配置されるプラズマ加熱装置を殻に取り付けた請求項54に記載の反応器。
【請求項62】
断熱材は、シリカ、アルミナ及びシリカ又はアルミナの混合物から成る群から選択されるセラミック材料を有する請求項61に記載の反応器。
【請求項63】
断熱材は、シリカとアルミナとを有し、シリカの量がアルミナの量より多いセラミック材料を含む請求項61に記載の反応器。

【図1a】
image rotate

【図1b】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図2c】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate


【公表番号】特表2009−535204(P2009−535204A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508061(P2009−508061)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【国際出願番号】PCT/BR2007/000009
【国際公開番号】WO2008/083449
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508015634)
【Fターム(参考)】