説明

複素環式部分を含有するメタロプロテアーゼ阻害剤

本発明は一般に、複素環式部分を含有する医薬品に関し、特に、メタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物に関する。より具体的には、本発明は、ベンゾオキサジノン部分を有する、新しい種類のMMP−13阻害性を有する複素環式化合物を提供し、これは、現在知られているMMP−13阻害剤に比べてより強い作用性および選択性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2007年3月7日に出願した米国仮出願第60/905,565号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は一般に、複素環式部分を含有するメタロプロテアーゼ阻害性化合物、より具体的にはベンゾオキサジノン部分を有するMMP−13阻害性化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)およびアグリカナーゼ(ADAMTS=トロンボスポンジンモチーフを有するディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ)は、胚発生、繁殖および組織修復などの健常な生理的過程における結合組織の分解を媒介すると報告されている、構造的に関連した亜鉛含有の酵素のファミリーである。MMPおよびアグリカナーゼの過剰発現または細胞外マトリックス合成と分解とのアンバランスは、炎症性疾患、悪性疾患および変性疾患の過程の要因として示唆されてきた。したがって、MMPおよびアグリカナーゼは、いくつかの炎症性疾患、悪性疾患および変性疾患、例えば関節リウマチ、変形性関節炎、骨粗鬆症、歯周病、多発性硬化症、歯肉炎、角膜上皮の潰瘍および胃潰瘍、アテローム性動脈硬化症、新生内膜増殖(再狭窄および虚血性心不全につながる)および癌転移における治療用阻害剤の標的である。
【0004】
ADAMTSは、ヒトの19のADAMTS遺伝子内にコードされたタンパク質分解酵素の一グループである。ADAMTSは、細胞外の、多ドメインの酵素で、この酵素の機能は、コラーゲンの加工、マトリックスプロテオグリカンの切断、血管形成および血液凝固のホメオスタシスの阻害を含む(Biochem.J.、2005年、386、15−27頁、Arthritis Res.Ther.、2005年、7、160−169頁、Curr.Med.Chem.Anti−Inflammatory Anti−Allergy Agents、2005年、4、251−264頁)。
【0005】
哺乳動物のMMPファミリーは、少なくとも20種の酵素を含むと報告されている(Chem.Rev.、1999年、99、2735−2776頁)。コラゲナーゼ−3(MMP−13)は、同定された3つのコラゲナーゼの1つである。MMPファミリーの個々のメンバーに対するドメイン構造の同定に基づいて、MMPの触媒ドメインは2個の亜鉛原子を含み、これら亜鉛原子のうちの1個が、触媒機能を遂行し、触媒ドメインの保存アミノ酸配列内に含まれる3つのヒスチジンと配位していることが断定されている。MMP−13は、関節リウマチ、変形性関節炎、腹部大動脈瘤、乳癌、頭部および頸部の扁平上皮癌および外陰部の扁平上皮癌において過剰発現する。MMP−13の主要基質は、線維性コラーゲンコラーゲン(タイプI、II、III)およびゼラチン、プロテオグリカン、サイトカインならびに他のECM(細胞外マトリックス)成分である。
【0006】
MMPの活性化はプロペプチドの除去を含むが、これは、不対のシステイン残基が、触媒の亜鉛(II)イオンと錯体を形成することを特徴とする。MMP−3の触媒ドメインとTIMP−1との間、MMP−14の触媒ドメインとTEMP−2との間の錯体のX線結晶構造からも、システイン残基のチオールによる触媒の亜鉛(II)イオンの結合が明らかにされている。有効なMMP阻害性化合物の開発への障害は、「選択的なMMP阻害剤」対「広範囲のMMP阻害剤」の選択、経口投与を介してこのような化合物を生体に利用させることなどを含めた、いくつかの要素を含む。
【0007】
MMP−3(ストロメライシン−1、トランシン−1)は、MMPファミリーの別のメンバーである(FASEB J.、1991年、5、2145−2154頁)。ヒトMMP−3は、培養したヒトの滑膜細胞から最初に単離された。ヒトMMP−3は、軟骨細胞からも発現し、OA軟骨および滑液組織内に局在している(Am.J.Pathol.、1989年、135、1055−64頁)。
【0008】
MMP−3は、様々な慢性潰瘍において、基底ケラチノサイトによって生成される。MMP−3mRNAおよびタンパク質は、近くの基底ケラチノサイトで検出されたが、創縁からは遠い、増殖性表皮の部位を表していると思われるところで検出された。したがってMMP−3は、表皮の治癒を妨げている可能性がある(J.Clin.Invest.、1994年、94、79−88頁)。
【0009】
MMP−3血清タンパク質濃度は、初期および長期間の関節リウマチ患者(Arthritis Rheum.、2000年、43、852−8頁)および変形性関節炎患者(Clin.Orthop.Relat.Res.、2004年、428、272−85頁)、ならびに全身性エリテマトーデスおよび強直性脊椎炎などの他の炎症性疾患の患者(Rheumatology、2006年、45、414−20頁)において有意に上昇している。
【0010】
MMP−3は、アグリカン、フィブロネクチン、ゼラチン、ラミニン、エラスチン、フィブリリンなどとしてECM成分、およびIII、IV、V、VII、IX、X型コラーゲンに作用する(Clin.Orthop.Relat.Res.、2004年、428、272−85頁)。IIおよびIX型コラーゲン上では、MMP−3は、テロペプチダーゼ活性を示す(Arthritis Res.、2001年、3、107−13頁、Clin.Orthop.Relat.Res.、2004年、427、S118−22頁)。MMP−3は、MMP−1、MMP−7、MMP−8、MMP−9およびMMP−13などの他のMMPファミリーメンバーを活性化することができる(Ann.Rheum.Dis.2001年、60 Suppl 3:iii62−7頁)。
【0011】
MMP−3は、ECMからTGFβ1を放出し、TNFαを活性化し、IL−1βを不活性化し、IGFを放出することによりサイトカインおよびケモカインの制御に関与している(Nat.Rev.Immunol.、2004年、4、617−29頁)。マクロファージ浸潤の制御におけるMMP−3の潜在的な役割は、活性のあるMCP種をアンタゴニストペプチドに変換する酵素の能力に基づく(Blood、2002年、100、1160−7頁)。MMP−8(コラゲナーゼ2、好中球コラゲナーゼ、EC3.4.24.34)は、MMPファミリーの別のメンバーである(Biochemistry、1990年、29、10628−34頁)。ヒトMMP−8は、最初にヒトの好中球で見出された(Biochemistry、1990年、29、10620−7頁)。ヒトMMP−8はまた、マクロファージ、ヒトの粘膜ケラチノサイト、気管支の上皮細胞、歯肉の線維芽細胞、常在性滑液および関節のコンドロサイトにより、主に炎症状態の過程で発現する(Cytokine&Growth Factor Rev.、2006年、17、217−23頁)。
【0012】
MMP−8の活性は、厳密に制御され、主に炎症部位に限定される。MMP−8は、発現し、好中球の粒の中の不活性酵素前駆体として保存される。炎症促進性メディエータにより好中球が活性化されて始めて、MMP−8は、放出され、活性化してこの機能を発揮する。MMP−8は、免疫細胞の炎症部位への移動において重要な役割を果たす。MMP−8は、細胞外マトリックス(ECM)の成分、例えばコラーゲンI、II、III、VII、X型、軟骨アグリカン、ラミニン−5、ナイドジェン、フィブロネクチン、プロテオグリカンおよびテネイシンなどを分解し、ECM障壁を介しての細胞移動を促進させる。MMP−8はまた、この基質の生物活性にも影響を及ぼす。ケモカインIL−8、GCP−2、ENA−78のタンパク質分解プロセスを介して、MMP−8は、浸潤性の免疫細胞を活性化するケモカインの能力を増加させる。MMP−8は、切断を介してセリンプロテアーゼ阻害剤α−1アンチトリプシンを不活化する(Eur.J.Biochem.、2003年、270、3739−49頁、PloS One、2007年、3、1−10頁、Cytokine&Growth Factor Rev.、2006年、17、217−23頁)。
【0013】
MMP−8は、嚢胞性線維症(Am.J.Resprir.Critic.Care Med.、1994年、150、818−22頁)、関節リウマチ(Clin.Chim.Acta、1996年、129−43頁)、慢性歯周病(Annals Med.、2006年、38、306−321頁)および慢性創傷(J.Surg.Res.、1999年、81、189−195頁)を含めた好中球の過剰な流入および活性化を特徴とするいくつかの慢性炎症性疾患の病因と関連づけられている。
【0014】
変形性関節炎患者において、MMP−8タンパク質の発現は、炎症したヒトの、膝および足関節の関節軟骨において有意に上昇している(Lab Invest.、1996年、74、232−40頁、J.Biol.Chem.、1996年、271、11023−6頁)。
【0015】
BALFにおいて活性化したMMP−8の濃度は、疾患の重症度の指標であり、喘息、COPD、肺気腫および気管支拡張症の患者における気道閉塞と相関している(Lab Invest.、2002年、82、1535−45頁、Am.J.Respir.Crit.Care Med.、1999年、159、1985−91頁、Respir.Med.、2005年、99、703−10頁、J.Pathol.、2001年、194、232−38頁)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Biochem.J.、2005年、386、15−27頁
【非特許文献2】Arthritis Res.Ther.、2005年、7、160−169頁
【非特許文献3】Curr.Med.Chem.Anti−Inflammatory Anti−Allergy Agents、2005年、4、251−264頁
【非特許文献4】Chem.Rev.、1999年、99、2735−2776頁
【非特許文献5】FASEB J.、1991年、5、2145−2154頁
【非特許文献6】Am.J.Pathol.、1989年、135、1055−64頁
【非特許文献7】J.Clin.Invest.、1994年、94、79−88頁
【非特許文献8】Arthritis Rheum.、2000年、43、852−8頁
【非特許文献9】Clin.Orthop.Relat.Res.、2004年、428、272−85頁
【非特許文献10】Rheumatology、2006年、45、414−20頁
【非特許文献11】Arthritis Res.、2001年、3、107−13頁、Clin.Orthop.Relat.Res.、2004年、427、S118−22頁
【非特許文献12】Ann.Rheum.Dis.2001年、60 Suppl 3:iii62−7頁
【非特許文献13】Nat.Rev.Immunol.、2004年、4、617−29頁
【非特許文献14】Blood、2002年、100、1160−7頁
【非特許文献15】Biochemistry、1990年、29、10628−34頁
【非特許文献16】Biochemistry、1990年、29、10620−7頁
【非特許文献17】Cytokine&Growth Factor Rev.、2006年、17、217−23頁
【非特許文献18】Eur.J.Biochem.、2003年、270、3739−49頁
【非特許文献19】PloS One、2007年、3、1−10頁
【非特許文献20】Am.J.Resprir.Critic.Care Med.、1994年、150、818−22頁
【非特許文献21】Clin.Chim.Acta、1996年、129−43頁
【非特許文献22】Annals Med.、2006年、38、306−321頁
【非特許文献23】J.Surg.Res.、1999年、81、189−195頁
【非特許文献24】Lab Invest.、1996年、74、232−40頁
【非特許文献25】J.Biol.Chem.、1996年、271、11023−6頁
【非特許文献26】Lab Invest.、2002年、82、1535−45頁
【非特許文献27】Am.J.Respir.Crit.Care Med.、1999年、159、1985−91頁
【非特許文献28】Respir.Med.、2005年、99、703−10頁
【非特許文献29】J.Pathol.、2001年、194、232−38頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
(発明の要旨)
本発明は、メタロプロテアーゼを抑制する、複素環式部分含有の新しい種類の医薬品に関する。特に、本発明は、メタロプロテアーゼ、特にMMP−13に対する強力な阻害活性を示す、新しい種類のメタロプロテアーゼ阻害化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、以下の一般式で表され、
【0019】
【化1】

上記の式(I)中のすべての変数が本明細書中で以下の通り定義される、新しい種類の複素環式メタロプロテアーゼ化合物を提供する。
【0020】
本発明のメタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物は、メタロプロテアーゼで媒介された疾患、例えば関節リウマチ、変形性関節炎、腹部大動脈瘤、癌(例えばこれらだけに限定されないが、メラノーマ、胃癌または非小細胞肺癌)、炎症、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患、眼疾患(例えばそれらだけに限定されないが、眼の炎症、緑内障、未熟児網膜症、湿式が好ましい黄斑変性症および角膜血管新生)、神経性疾患、精神性疾患、血栓症、細菌感染、パーキンソン病、疲労、振戦、糖尿病性網膜症、網膜の血管性疾患、老化、認知症、心筋症、尿細管機能障害、糖尿病、精神病、ジスキネジア、色素異常、聴覚障害、炎症性および線維性症候群、腸の腸管症候群、アレルギー、アルツハイマー病、動脈プラークの生成、腫瘍、歯周のウイルス感染、ストローク、アテローム性動脈硬化症、循環器疾患、再灌流傷害、外傷、組織の化学物質への曝露または酸化的損傷、慢性創傷の治癒、創傷治癒、痔核、肌の美化、疼痛、炎症性疼痛、骨痛および関節痛、ざ瘡、急性アルコール肝炎、急性の炎症、急性膵炎、急性呼吸促迫症候群、成人呼吸器疾患、気流閉塞症、気道過敏症、アルコール性肝疾患、同種移植片拒絶反応、血管形成、血管原性の眼疾患、関節炎、喘息、アトピー性皮膚炎、気管支拡張症、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、火傷治療、心臓および腎臓の再灌流傷害、セリアック病、大脳および心虚血、CNS腫瘍、CNS脈管炎、風邪、挫傷、肺性心、咳、クローン病、慢性気管支炎、慢性炎症、慢性膵炎、慢性副鼻腔炎、結晶誘導による関節炎、嚢胞性線維症、遅延型過敏反応、十二指腸潰瘍、呼吸困難、初期の移植拒否、気腫、脳炎、エンドトキシンショック、食道炎、胃潰瘍、歯肉炎、糸球体腎炎、舌炎、痛風、移植片対宿主反応、グラム陰性敗血症、顆粒球エーリキア症、肝炎ウイルス、ヘルペス、ヘルペスウイルス、HIV、過炭酸症、過膨張、過酸素誘導による炎症、低酸素症、過敏症、低酸素血症、炎症性腸疾患、間質性肺炎、虚血性再灌流傷害、カポジ肉腫随伴ウイルス、肝線維症、ループス、マラリア、髄膜炎、多臓器不全、壊死性腸炎、骨粗鬆症、慢性歯周病、歯周病、持続携行式腹膜透析(CAPD)に伴う腹膜炎、早産、多発性筋炎、術後の外傷、心因性痒み症、乾癬、乾癬性関節炎、肺線維症、肺高血圧症、腎臓の再灌流傷害、呼吸器系ウイルス、再狭窄、右室肥大、サルコイドーシス、敗血症性ショック、小気道疾患、捻挫、挫傷、くも膜下出血、手術による肺容量減少、血栓症、毒素性ショック症候群、移植再灌流傷害、外傷性脳損傷、潰瘍性大腸炎、脈管炎、換気潅流ミスマッチおよび喘鳴の治療に使用することができる。
【0021】
特に、本発明のメタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物は、過剰な細胞外マトリックスの分解および/または組織修復を特徴とする、MMP−13、MMP−8およびMMP−3で媒介される変性疾患、例えば癌および慢性炎症性疾患、例えば関節炎、関節リウマチ、変形性関節炎など、アテローム性動脈硬化症、腹部大動脈瘤、炎症、多発性硬化症、パーキンソン病、慢性閉塞性肺疾患、ならびに疼痛、例えば炎症性疼痛、骨痛および関節痛などの治療に使用することができる。
【0022】
本発明はまた、メタロプロテアーゼ、特にMMP−13で媒介される疾患の治療または予防のための医薬組成物において活性成分として有用な、メタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物を提供する。本発明はまた、経口投与または非経口投与のための医薬組成物においてこのような化合物の使用することを考察しており、このような化合物は、本明細書中に開示されている、1種または複数の、メタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物を含む。
【0023】
本発明は、配合物を投与することにより、メタロプロテアーゼを阻害する方法をさらに提供し、この配合物は、これらだけには限定されないが、経口、直腸、局所的、静脈内、非経口(これだけには限定されないが、筋肉内、静脈内を含む)、接眼(眼の)、経皮、吸入(これだけに限定されないが、肺へのエアロゾル吸入を含む)、経鼻、舌下、皮下または関節内用の配合物を含み、この配合物は、メタロプロテアーゼ、特にMMP−13に起因するまたはこれに伴う疾患または症状の治療のための、メタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物を、医療行為において知られている標準的な方法で含み、このような治療には予防および治療用処置が含まれる。どのような場合でも最も適切な経路は、治療する状態の性質および重症度ならびに活性成分の性質によって決定されることになる。本発明からの化合物は、単位剤形で提供され、製剤の分野で周知の方法のいずれかによって調製されるのが便利である。
【0024】
本発明のメタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物は、疾患を改質するリウマチ治療薬、非ステロイド系抗炎症剤、COX−2選択性阻害剤、COX−1阻害剤、免疫抑制剤、ステロイド、生物学的応答調節物質、関節内補充薬、疼痛軽減薬物または他の抗炎症剤もしくはケモカイン媒介による疾患の治療に有用な治療剤と組み合わせて使用することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一態様は、式(I)を有する化合物
【0026】
【化2】

(式中、
は、出現するごとに、R10、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、CF、(C−C)−アルキル−COR10、(C−C)−アルキル−OR10、(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NO、(C−C)−アルキル−CN、(C−C)−アルキル−S(O)OR10、(C−C)−アルキル−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10CONR11SO30、(C−C)−アルキル−S(O)10、(C−C)−アルキル−OC(O)R10、(C−C)−アルキル−OC(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=NR10)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=NR11)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10SO11、(C−C)−アルキル−C(O)−NR11−CN、O−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)OR10、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10−(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)R10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)10、O−(C−C)−アルキル−アリールおよびO−(C−C)−アルキル−ヘテロアリールから独立して選択され、
各R基は、1回もしくは複数回、場合によって置換されており、または各R基は、1つまたは複数のR14基で場合によって置換されており、Rは、R10である、または場合によって、RおよびXは、それらが結合している窒素原子およびsp−炭素原子と一緒になった場合、5員から8員の不飽和もしくは部分的に不飽和の複素環(O、S(O)、NもしくはNR50から選択される追加のヘテロ原子を場合によって含有し、1回もしくは複数回、場合によって置換されている。)を完成し、
は、出現するごとに、R10、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CHF、CF、OR10、SR10、COOR10、CH(CH)COH、(C−C)−アルキル−COR10、(C−C)−アルキル−OR10、(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NO、(C−C)−アルキル−CN、(C−C)−アルキル−S(O)OR10、(C−C)−アルキル−P(O)OH、(C−C)−アルキル−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10CONR11SO30、(C−C)−アルキル−S(O)10、(C−C)−アルキル−OC(O)R10、(C−C)−アルキル−OC(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=NR10)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=NR11)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10SO11、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、S(O)NR10−アルキル、S(O)−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、(C−C)−アルキル−C(O)−NR11−CN、O−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)OR10、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10−(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)R10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)11、O−(C−C)−アルキル−アリールおよびO−(C−C)−アルキル−ヘテロアリールから独立して選択され、各R基は、1回または複数回、場合によって置換されており、
10およびR11は、出現するごとに、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、またはR10およびR11は、これらが結合している窒素と一緒になった場合、3員から8員環(炭素原子を含有し、O、S(O)またはNR50から選択されるヘテロ原子を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)を完成し、
14は、水素、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキルおよびハロ(ここで、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクリルアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
17は、R、アルケニル、アルキニル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、スピロアルキル、スピロヘテロアルキル、シクロアルキル縮合アリール、ヘテロシクロアルキル縮合アリール、シクロアルキル縮合ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル縮合ヘテロアリールまたは二環式もしくは三環式の縮合環系(ここで、少なくとも1つの環は、部分的に飽和している。)から選択され、各R17基は、1回または複数回、場合によって置換されており、または各R17基は、場合によって置換されている1つまたは複数のR基であり、R30は、アルキルおよび(C−C)−アルキル−アリール(ここでアルキルおよびアリールは、場合によって置換されている。)から選択され、
50は、出現するごとに、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)R80、C(O)NR8081、SO80およびSONR8081(ここで、アルキル、アリール、およびヘテロアリールは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
80およびR81は、出現するごとに、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキルは、場合によって置換されている。)から独立して選択され、またはR80およびR81は、それらが結合している窒素と一緒になった場合、3員から8員環(炭素原子を含有し、O、S(O)、NHおよびN(アルキル)から選択されるヘテロ原子を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)を完成し、
は、単結合または非環式の直鎖または分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖(1から10個の炭素原子を有し、−S−、−O−、NR10−、−NR10CO−、−CONR10−、−S(O)−、−SONR10−、−NR10SO−、NR10SONR10、−NR10CONR10−、−OC(O)NR10−、−NR10C(O)O−から独立して選択される1から3つの基(単独の炭素原子に置き換わり、2個を超える炭素原子が置き換えられる場合には、これらは隣接していない。)を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)から選択され、
は、単結合または直鎖または分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖(1から10個の炭素原子を有し、−O−、−NR10−、−S(O)−、−NR10C(X)−、−C(X)NR10−、−SONR10−、−NR10SO−、−O−SO−、−SO−O−、−NR10SONR10−、−NR10C(X)NR10−、−OC(X)NR10−、−NR10C(X)O−、−OC(X)−、−C(X)O−、−Q−、−NR10−Q−、−Q−NR10−、−C(X)−Q−、−Q−C(X)−、−O−Q−、−S(O)−Q−および−Q−S(O)−から独立して選択される1から3つの基(単独の炭素原子に置き換わり、2個を超える炭素原子が置き換えられる場合には、これらは隣接していない。)を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)から選択され、
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキルから選択される4員から8員環またはアリールおよびヘテロアリールから選択される5員もしくは6員環(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、1回または複数回、Rで場合によって置換されている。)であり、場合によって、Qの置換基は、Lと結合して、3員から8員環(炭素原子を含有し、場合によってO、S(O)、−NH、および−N(アルキル)から選択されるヘテロ原子を含有する。)を完成し、この新しい環は、1回または複数回、場合によって置換されており、
は、N、OおよびS(O)から選択される0から8個のヘテロ原子を含有する芳香族、部分的に芳香族または非芳香族の環式、二環式または多環式系(1回または複数回、Rで場合によって置換されている。)から独立して選択され、この中で環は、場合によってスピロ縮合しており、場合によって、Qの置換基は、Lと結合して、3員から8員環(炭素原子を含有し、O、S(O)、−NH、および−N(アルキル)から選択されるヘテロ原子を場合によって含有する。)を完成し、この新しい環は、1回または複数回、場合によって置換されており、
は、O、S、NR10、NOR10、N−CN、NCOR10、N−NOおよびN−SO10から独立して選択され、
Yは、O、S(O)、CR1011およびNR10から選択され、
は、C、S、S=O、PR10およびP−OR10から独立して選択され、
wは、0−3から独立して選択され、
xは、0−2から独立して選択され、
yは、1および2から選択される。)、および
このN−オキシド、医薬として許容可能な塩、プロドラッグ、配合物、多形体、ラセミ混合物および立体異性体に関する。
【0027】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Qは、
【0028】
【化3】













(式中、
Aは、NR10、OおよびS(O)から選択され、
G、L、MおよびTは、CRおよびNから独立して選択され、
点線は、二重結合を場合によって表す。)から選択される。
【0029】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、L−Qは、−CHNHCO−Q、−CHCONH−Q、−CHSONH−Q、−CONH(CH−Q、−CHNHSO−Q、−CHNHCS−Q、−CHCHCH−Qおよび−NHNHCO−Qから選択される。
【0030】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、化合物は、
【0031】
【化4】



から選択される。
【0032】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Lは、不在であり、または−CONH−および−NHCO−から選択され、R17は、水素または
【0033】
【化5】


(式中、
Rは、C(O)NR1011、COR10、SONR1011、SO10、CONHCHおよびCON(CH(ここで、C(O)NR1011、COR10、SONR1011、SO10、CONHCHおよびCON(CHは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から選択され、
は、出現するごとに、水素、アルキル、C(O)NR1011、アリール、アリールアルキル、SONR1011およびC(O)OR10(ここで、アルキル、アリールおよびアリールアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
は、R、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、スピロアルキル、スピロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)OR10、CH(CH)COH、(C−C)−アルキル−COR10、(C−C)−アルキル−OR10、(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NO、(C−C)−アルキル−CN、(C−C)−アルキル−S(O)OR10、(C−C)−アルキル−P(O)OH、(C−C)−アルキル−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10CONR11SO30、(C−C)−アルキル−S(O)10、(C−C)−アルキル−OC(O)R10、(C−C)−アルキル−OC(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=NR10)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=NR11)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10SO11、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、S(O)NR10−アルキル、S(O)−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、(C−C)−アルキル−C(O)−NR11−CN、O−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)OR10、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10−(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)R10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)11、O−(C−C)−アルキル−アリールおよびO−(C−C)−アルキル−ヘテロアリールから独立して選択され、
各R基は、1回または複数回、場合によって置換されており、または各R基は、1つまたは複数のR14基で場合によって置換されており、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、RおよびNR1011(ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、または場合によって2つのR基が一緒になって、同じ炭素原子の位置で、=O、=Sもしくは=NR10を形成し、
25は、水素、アルキル、シクロアルキル、C(O)R10、C(O)NR1011およびハロアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびハロアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
は、NR10、OおよびS(O)から選択され、
、G、L、MおよびTは、CRおよびNから独立して選択され、
Eは、結合、CR1011、O、NR、S、S=O、S(=O)、C(=O)、N(R10)(C=O)、(C=O)N(R10)、N(R10)S(=O)、S(=O)N(R10)、C=N−OR11、−C(R1011)C(R1011)−、−CH−W−および
【0034】
【化6】

(Uは、C(R10)、NR、O、S、S=OおよびS(=O)から独立して選択される。)から独立して選択され、
は、O、NR、S、S=O、S(=O)、N(R10)(C=O)、N(R10)S(=O)およびS(=O)N(R10)から、独立して選択され、
Zは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルから構成される4員から8員環、またはアリールおよびヘテロアリールから選択される5員もしくは6員環(ここでシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、1回または複数回、場合によって置換されている。)であり、
gおよびhは、0−2から独立して選択され、
rは、1−4から選択される。)から選択される。
【0035】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、L−R17は、−CONH−R17であり、R17は、
【0036】
【化7】

から選択され、
は、水素、フルオロ、ハロ、CN、アルキル、COH、ならびに
【0037】
【化8】

から選択される。
【0038】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、L−R17は、水素である。
【0039】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Rは、0、1または2回置換されている。
【0040】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Rは、0、1または2個のR14基で置換されている。
【0041】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、R基は、0、1または2回置換されている。
【0042】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、R基は、0、1または2個のR14基で置換されている。
【0043】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、RおよびNR1011(ここでアルキルおよびシクロアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、または2つのR基が一緒になって、同じ炭素原子の位置で、=O、=Sまたは=NR10を、場合によって形成する。
【0044】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Rは、R10である。
【0045】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、RおよびXは、それらが結合している窒素およびsp−炭素原子と一緒になった場合、5員から8員の不飽和または部分的に不飽和の複素環(O、S(O)、NまたはNR50から選択される追加のヘテロ原子を場合によって含有し、0、1または2回置換されている。)を完成する。
【0046】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、1つのRは、R10、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CHF、CF、OR10、SR10、COOR10、CH(CH)COH、(C−C)−アルキル−COR10、(C−C)−アルキル−OR10、(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NO、(C−C)−アルキル−CN、(C−C)−アルキル−S(O)OR10、(C−C)−アルキル−P(O)OH、(C−C)−アルキル−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10CONR11 SO30、(C−C)−アルキル−S(O)10、(C−C)−アルキル−OC(O)R10、(C−C)−アルキル−OC(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=NR10)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=NR11)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10SO11、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、S(O)NR10−アルキル、S(O)−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、(C−C)−アルキル−C(O)−NR11−CN、O−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)OR10、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10−(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)R10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)11、O−(C−C)−アルキル−アリールおよびO−(C−C)−アルキル−ヘテロアリールから選択される(ここで、各R基は、0、1または2回置換されており、残りのR基は、水素である。)。
【0047】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、RはHである。
【0048】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、R17は、R、アルケニル、アルキニル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、スピロアルキル、スピロヘテロアルキル、シクロアルキル縮合アリール、ヘテロシクロアルキル縮合アリール、シクロアルキル縮合ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル縮合ヘテロアリールまたは二環式もしくは三環式の縮合環系(ここで少なくとも1つの環は、部分的に飽和している。)から選択され、各R17基は、0、1または2回、および0または1個のR基で置換されている。
【0049】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、R30は、アルキルおよび(C−C)−アルキル−アリール(ここで、アルキルおよびアリールは、0、1または2回場合によって置換されている。)から選択される。
【0050】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、1つのRはsR50であり、出現するごとに、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)R80、C(O)NR8081、SO80およびSONR8081(ここで、アルキル、アリール、およびヘテロアリールは、0、1または2回置換されている。)から独立して選択される。
【0051】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、R80およびR81は、出現するごとに、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキルは、0、1または2回場合によって置換されている。)から独立して選択され、またはR80およびR81は、これらが結合している窒素と一緒になった場合、3員から8員環(炭素原子を含有し、O、S(O)、NHおよびN(アルキル)から選択されるヘテロ原子を場合によって含み、0、1または2回、場合によって置換されている。)を完成する。
【0052】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Lは、単結合または非環式の直鎖または分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖(1から10個の炭素原子を有し、−S−、−O−、NR10−、−NR10CO−、−CONR10−、−S(O)−、−SONR10−、−NR10SO−、NR10SONR10−、−NR10CONR10−、−OC(O)NR10−、−NR10C(O)O−から独立して選択される1から3個の基(単独の炭素原子に置き換わり、2個を超える炭素原子が置き換えられる場合には、これらは隣接していない。)を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)から選択される。
【0053】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Lは不在である。
【0054】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Lは、−CONH−および−NHCO−から選択される。
【0055】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Lは、単結合、または直鎖もしくは分枝の飽和もしくは不飽和の炭化水素鎖(1から10個の炭素原子を有し、−O−、−NR10−、−S(O)−、−NR10C(X)−、−C(X)NR10−、−SONR10−、−NR10SO−、−O−SO−、−SO−O−、−NR10SONR10−、−NR10C(X)NR10−、−OC(X)NR10−、−NR10C(X)O−、−OC(X)−、−C(X)O−、−Q−、−NR10−Q−、−Q−NR10−、−C(X)−Q−、−Q−C(X)−、−O−Q−、−S(O)−Q−、および−Q−S(O)−から独立して選択される1、2または3個の基(単独の炭素原子に置き換わり、2個を超える炭素原子が置き換えられる場合には、これらは隣接していない。)を場合によって含有し、0、1、2または3回置換されている。)から選択される。
【0056】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Lは、−CHNHCO−および−CHCONH−から選択される。
【0057】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Lは−CHNHCO−である。
【0058】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Qは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキルから選択される4員、5員、6員、7員もしくは8員環、またはアリールおよびヘテロアリールから選択される5員もしくは6員環(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、0、1または2個のR基で置換されている。)であり、場合によって、Qの置換基は、Lと結合して、3員から8員環(炭素原子を含有し、場合によってO、S(O)、−NH、および−N(アルキル)から選択されるヘテロ原子を含有する。)を完成し、この新しい環は、1回または複数回、場合によって置換されている。
【0059】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Qはフェニルである。
【0060】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Qはピリジルである。
【0061】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、XはOである。
【0062】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、YはOである。
【0063】
一実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、Zは、C、S、S=O、PR10およびP−OR10から独立して選択される。
【0064】
本発明の別の態様は、上記または下記の実施形態のいずれから選択される化合物を投与することを含む、メタロプロテアーゼ酵素を阻害する方法に関する。
【0065】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、メタロプロテアーゼは、MMP−3、MMP−8、およびMMP−13から選択される。
【0066】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、メタロプロテアーゼは、MMP−13である。
【0067】
本発明の別の態様は、メタロプロテアーゼで媒介された疾患を治療する方法に関し、そのような治療を必要としている対象者に、上記または下記の任意の実施形態から選択される化合物の有効量を投与することを含む。
【0068】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、疾患は関節リウマチである。
【0069】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、疾患は変形性関節炎である。
【0070】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、疾患は炎症である。
【0071】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、疾患はアテローム性動脈硬化症である。
【0072】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、疾患は多発性硬化症である。
【0073】
別の実施形態において、上記または下記の任意の実施形態と組み合わせて、疾患は、関節リウマチ、変形性関節炎、腹部大動脈瘤、癌(例えばこれらだけには限定されないが、メラノーマ、胃癌または肺非小細胞癌)、炎症、アテローム性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患、眼疾患(例えばこれらだけに限定されないが、眼の炎症、緑内障、未熟児網膜症、湿式が好ましい黄斑変性症および角膜血管新生)、神経性疾患、精神性疾患、血栓症、細菌感染、パーキンソン病、疲労、振戦、糖尿病性網膜症、網膜の血管性疾患、老化、認知症、心筋症、尿細管機能障害、糖尿病、精神病、ジスキネジア、色素異常、聴覚障害、炎症性および線維性症候群、腸の腸管症候群、アレルギー、アルツハイマー病、動脈プラークの生成、腫瘍、歯周のウイルス感染、ストローク、アテローム性動脈硬化症、循環器疾患、再灌流傷害、外傷、組織の化学物質への曝露または酸化的損傷、創傷治癒、痔核、肌の美化、疼痛、炎症性疼痛、骨痛および関節痛、ざ瘡、急性アルコール肝炎、急性の炎症、急性膵炎、急性呼吸促迫症候群、成人呼吸器疾患、気流閉塞症、気道過敏症、アルコール性肝疾患、同種移植片拒絶反応、血管形成、血管原性の眼疾患、関節炎、喘息、アトピー性皮膚炎、気管支拡張症、細気管支炎、閉塞性細気管支炎、火傷治療、心臓および腎臓の再灌流傷害、セリアック病、大脳および心虚血、CNS腫瘍、CNS脈管炎、風邪、挫傷、肺性心、咳、クローン病、慢性気管支炎、慢性炎症、慢性膵炎、慢性副鼻腔炎、結晶誘導による関節炎、嚢胞性線維症、遅延型過敏反応、十二指腸潰瘍、呼吸困難、初期の移植拒否、気腫、脳炎、エンドトキシンショック、食道炎、胃潰瘍、歯肉炎、糸球体腎炎、舌炎、痛風、移植片対宿主反応、グラム陰性敗血症、顆粒球エーリキア症、肝炎ウイルス、ヘルペス、ヘルペスウイルス、HIV、過炭酸症、過膨張、過酸素誘導による炎症、低酸素症、過敏症、低酸素血症、炎症性腸疾患、間質性肺炎、虚血性再灌流傷害、カポジ肉腫随伴ウイルス、ループス、マラリア、髄膜炎、多臓器不全、壊死性腸炎、骨粗鬆症、慢性歯周病、歯周病、持続携帯式腹膜透(CAPD)に伴う腹膜炎、早産、多発性筋炎、術後の外傷、心因性痒み症、乾癬、乾癬性関節炎、肺線維症、肺高血圧症、腎臓の再灌流傷害、呼吸器系ウイルス、再狭窄、右室肥大、サルコイドーシス、敗血症性ショック、小気道疾患、捻挫、挫傷、くも膜下出血、手術による肺気量減少、血栓症、毒素性ショック症候群、移植再灌流傷害、外傷性脳損傷、潰瘍性大腸炎、脈管炎、換気潅流ミスマッチおよび喘鳴から選択される。
【0074】
本発明の別の態様は、
A)上記または下記の任意の実施形態による化合物の有効量、
B)医薬として許容可能な担体、ならびに
C)(a)疾患修飾性抗リウマチ薬、(b)非ステロイド系抗炎症剤、(c)COX−2選択性阻害剤、(d)COX−1阻害剤、(e)免疫抑制剤、(f)ステロイド、(g)生物学的応答調節物質、(h)関節内補充薬、(i)疼痛軽減薬物および(j)炎症促進性サイトカイン生成の小分子阻害剤から選択される薬物、薬剤または治療薬
を含む医薬組成物に関する。
【0075】
本発明の別の態様は、メタロプロテアーゼ媒介の疾患を治療するための薬物の製造における、上記または下記の任意の実施形態による化合物の使用に関する。
【0076】
本発明の別の態様は、メタロプロテアーゼ媒介の疾患を治療するための薬物の製造において、(a)疾患修飾性抗リウマチ薬、(b)非ステロイド系抗炎症剤、(c)COX−2選択性阻害剤、(d)COX−1阻害剤、(e)免疫抑制剤、(f)ステロイド、(g)生物学的応答調節物質、(h)関節内補充薬、(i)疼痛軽減薬物および(j)炎症促進性サイトカイン生成の小分子阻害剤から選択される薬物、薬剤または治療薬と組み合わせて、上記または下記の任意の実施形態による化合物を使用することに関する。
【0077】
「アルキル」または「alk」という用語は、単独でまたは別の基の一部分として本明細書で使用する場合、好ましくは直鎖内に1から10個の炭素を有し、最も好ましくは下級アルキル基を有する、場合によって置換されている、直鎖および分鎖の、飽和した炭化水素基を意味する。このような非置換の基の具体例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、2,2,4−トリメチルペンチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどが挙げられる。具体的な置換基は、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、アルケニル、アルキニル、アリール(例えば、ベンジル基を形成する)、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ、カルボキシル(−−COOH)、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニル、カルバモイル(NH−−CO−−)、置換カルバモイル((R10)(R11)N−−CO−−(式中、R10またはR11は、R10またはR11のうちの少なくとも1つは水素ではないこと以外は、以下に定義された通りである。))、アミノ、ヘテロシクロ、モノ−もしくはジアルキルアミノまたはチオール(−−SH)の基のうちの1つまたは複数を含むことができるが、これらに限らない。
【0078】
「下級alk」または「下級のアルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、直鎖内に1から4個の炭素原子を有するアルキルに対して上に記載した通り、場合によって置換されているような基を意味する。
【0079】
「アルコキシ」という用語は、上記の通り、酸素結合(−−O−−)を介して結合しているアルキル基を意味する。
【0080】
「アルケニル」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、鎖内に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、好ましくは直鎖内に2から10個の炭素を有する、場合によって置換されている、直鎖および分鎖の炭化水素基を意味する。そのような非置換の基の具体例としては、エテニル、プロペニル、イソブテニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなどが挙げられる。具体的な置換基は、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルキニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ、カルボキシル(−−COOH)、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニル、カルバモイル(NH−−CO−−)、置換カルバモイル((R10)(R11)N−−CO−−(式中、R10またはR11は、R10またはR11のうちの少なくとも1つは水素ではないこと以外は、以下に定義された通りである。))、アミノ、ヘテロシクロ、モノ−またはジアルキルアミノ、またはチオール(−−SH)の基のうちの1種または複数を含むことができるが、これらだけに限らない。
【0081】
「アルキニル」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、鎖内に少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有し、好ましくは直鎖内に2から10個の炭素を有する、場合によって置換されている、直鎖および分鎖の炭化水素基を意味する。このような非置換の具体的な基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなどが挙げられるが、これらに限らない。具体的な置換基は、ハロ、アルコキシ、アルキルチオ、アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヒドロキシまたは保護されたヒドロキシ、カルボキシル(−−COOH)、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルキルカルボニル、カルバモイル(NH−−CO−−)、置換カルバモイル((R10)(R11)N−−CO−−(式中、R10またはR11は、R10またはR11のうちの少なくとも1つは水素ではないこと以外は、以下に定義された通りである。))、アミノ、ヘテロシクロ、モノ−またはジアルキルアミノ、またはチオール(−−SH)の基のうちの1種または複数を含むことができるが、これらだけに限らない。
【0082】
「シクロアルキル」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、3から9個の炭素を有する1つの環を望ましくは含有する、場合によって置換されている、飽和した環状の炭化水素環系を意味する。このような非置換の基の具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロデシルおよびシクロドデシルが挙げられるが、これらに限らない。具体的な置換基は、上記のような1つまたは複数のアルキル基、または上にアルキル置換基として記載した1つまたは複数の基を含むが、これらに限らない。
【0083】
「ビシクロアルキル」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、2または3つの環および1つの環につき3から9個の炭素を望ましくは含有する、場合によって置換されている、飽和した、環状の、架橋されている炭化水素環系を意味する。このような非置換の基の具体例として、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよびキュバンが挙げられるが、これらに限らない。具体的な置換基は、上記のような1つまたは複数のアルキル基、または上にアルキル置換基として記載した1つまたは複数の基を含むが、これらに限らない。
【0084】
「スピロアルキル」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、1つの環につき3から9個の炭素を有する環の2つが、1個の炭素原子を介して架橋されている、場合によって置換されている、飽和した炭化水素環系を意味する。そのような非置換の基の具体例として、スピロ[3.5]ノナン、スピロ[4.5]デカンまたはスピロ[2.5]オクタンが挙げられるが、これらに限らない。具体的な置換基は、上記のような1つまたは複数のアルキル基、または上にアルキル置換基として記載した1つまたは複数の基を含むが、これらに限らない。
【0085】
「スピロヘテロアルキル」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、1つの環につき3から9個の炭素を有する環の2つが、1個の炭素原子を介して架橋され、少なくとも1個の炭素原子が、N、OおよびSから独立して選択されるヘテロ原子により置き換えられている、場合によって置換されている、飽和した炭化水素環系を意味する。窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合によって酸化されていてもよい。このような非置換の基の具体例として、1,3−ジアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンが挙げられるがこれに限らない。具体的な置換基は、上記のような1つまたは複数のアルキル基、または上にアルキル置換基として記載した1つまたは複数の基を含むが、これらに限らない。
【0086】
「ar」または「アリール」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、1または2つの環および6から12個の環炭素を好ましくは含有する、場合によって置換されている単素環式芳香族基を意味する。このような非置換の基の具体例として、フェニル、ビフェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限らない。具体的な置換基は、上記のような1つまたは複数のニトロ基、アルキル基、または上にアルキル置換基として記載された基を含むが、これらに限らない。
【0087】
「複素環」または「複素環式系」という用語は、炭素原子ならびにN、OおよびSから独立して選択される1から4個のヘテロ原子を含有する、本明細書に記載されているようなヘテロシクリル基、ヘテロシクレニル基またはヘテロアリール基を意味し、これは、基の中で上記に定義された複素環式環のいずれかが1つまたは複数の複素環基、アリール基またはシクロアルキル基と縮合している、任意の二環式または三環式の基を含む。窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合によって酸化されていてもよい。複素環式環は、任意のヘテロ原子または炭素原子の位置でそのペンダント基に結合していてもよく、この結果安定した構造が生じる。本明細書に記載されている複素環式環は、炭素原子または窒素原子上で置換されていてもよい。
【0088】
複素環の例として、1H−インダゾール、2−ピロリドニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、2H−ピロリル、3H−インドリル、4−ピペリドニル、4aH−カルバゾール、4H−キノリジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダザロニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、b−カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニルペリミジニル、オキシンドリル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、ピペリドニル、4−ピペリドニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、カルボリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、キサンテニルが挙げられるが、これらに限らない。
【0089】
複素環のさらなる例として、「ヘテロビシクロアルキル」基、例えば7−オキサ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、7−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよび1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられるが、これらに限らない。
【0090】
「ヘテロシクレニル」は、約3から約10個の原子、望ましくは約4から約8個の原子を有する、非芳香族、単環式または多環式の炭化水素環系を意味し、ここで、環系の1つまたは複数の炭素原子は、炭素以外のヘテロ元素(複数可)、例えば窒素原子、酸素原子または硫黄原子であり、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合または炭素−窒素二重結合を含有する。この環系の環の環サイズは、5から6個の環原子を含み得る。ヘテロシクレニルの前に接頭辞としてアザ、オキサまたはチアの指定があることで、少なくとも窒素原子、酸素原子または硫黄原子が環原子としてそれぞれ存在することが定義される。ヘテロシクレニルは、本明細書中で定義されているような1つまたは複数の置換基で場合によって置換されていてもよい。ヘテロシクレニルの窒素原子または硫黄原子もまた、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに、場合によって酸化されていてもよい。本明細書で使用されているような「ヘテロシクレニル」は、すべての内容が参照により本明細書に組み込まれている、Paquette,Leo A.、「Principles of Modern Heterocyclic Chemistry」(W.A.Benjamin、New York、1968年)、特に第1、3、4、6、7、および9章、「The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs」(John Wiley&Sons、New York、1950年−現在)、特に第13、14、16、19、および28巻、ならびに「J.Am.Chem.Soc.」、82:5566頁(1960年)に記載されているものが例として挙げられるが、これらに限らない。具体的な単環式のアザヘテロシクレニル基としては、1,2,3,4−テトラヒドロヒドロピリジン、1,2−ジヒドロピリジル、1,4−ジヒドロピリジル、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、2−ピロリニル、3−ピロリニル、2−イミダゾリニル、2−ピラゾリニルなどが挙げられるが、これらに限らない。具体的なオキサヘテロシクレニル基として、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン、ジヒドロフラニル、およびフルオロジヒドロフラニルが挙げられるが、これらに限らない。具体的な多環式オキサヘテロシクレニル基は、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプテニルである。
【0091】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」は、約3から約10個の炭素原子、望ましくは4から8個の炭素原子を有する、非芳香族の飽和した単環式または多環式の環系を意味し、ここで、環系の1つまたは複数の炭素原子は、炭素以外のヘテロ元素(複数可)、例えば窒素、酸素または硫黄である。この環系の環の環サイズは、5から6個の環原子を含み得る。ヘテロシクリルの前に接頭辞としてアザ、オキサまたはチアの指定があることで、少なくとも窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ環原子として存在することが定義される。ヘテロシクリルは、本明細書中で定義されているように、1つまたは複数の置換基(同一でありまたは異なってよい)で場合によって置換されていてもよい。ヘテロシクリルの窒素原子または硫黄原子は、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに、場合によって酸化されていてもよい。
【0092】
本明細書で使用されているような「ヘテロシクリル」は、Paquette,Leo A.、「Principles of Modern Heterocyclic Chemistry」(W.A.Benjamin、New York、1968年)、特に第1、3、4、6、7および9章、「The Chemistry of Heterocyclic Compounds、A series of Monographs」(John Wiley&Sons、New York、1950年−現在)、特に第13、14、16、19および28巻、ならびに「J.Am.Chem.Soc.」、82:5566頁(1960年)に記載されているものを例として挙げられるが、これらに限らない。具体的な単環式ヘテロシクリル環として、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1,3−ジオキソラニル、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロチオピラニルなどが挙げられるが、これらに限らない。
【0093】
「ヘテロアリール」は、約5から約10個の原子を有する芳香族の単環式または多環式の環系を意味し、ここで、環系の1つまたは複数の原子は、炭素以外のヘテロ元素(複数可)、例えば窒素、酸素または硫黄である。この環系の環の環サイズは、5から6個の環原子を含む。「ヘテロアリール」は、1つまたは複数の置換基(同一でありまたは異なってよい)で場合によって置換されていてもよく、本明細書中で定義されている通りである。ヘテロアリールの前に接頭辞としてアザ、オキサまたはチアの指定があることで、少なくとも窒素原子、酸素原子または硫黄原子がそれぞれ環原子として存在することが定義される。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN−オキシドに、場合によって酸化されていてもよい。本明細書で使用されているようなヘテロアリールは、Paquette,Leo A.、「Principles of Modern Heterocyclic Chemistry」(W.A.Benjamin、New York、1968年)、特に第1、3、4、6、7および9章、「The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs」(John Wiley&Sons、New York、1950年−現在)、特に第13、14、16、19および28巻、ならびに「J.Am.Chem.Soc.」、82:5566頁(1960年)に記載されているものが例として挙げられるが、これらに限られない。具体的なヘテロアリールおよび置換ヘテロアリール基として、ピラジニル、チエニル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、チエノピリジル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、ベンゾアザインドール、1,2,3−トリアジニル、1,2,4−トリアジニル、1,3,5−トリアジニル、ベンゾチアゾリル、ジオキソリル、フラニル、イミダゾリル、インドリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキシラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、ピロリジニル、キナゾリニル、キノリニル、テトラジニル、テトラゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、チアトリアゾリル、チアジニル、チアゾリル、チエニル、5−チオキソ−1,2,4−ジアゾリル、チオモルホリノ、チオフェニル、チオピラニル、トリアゾリルおよびトリアゾロニルが挙げられるが、これらに限らない。
【0094】
「縮合された」という表現は、「縮合」の前に記述されている基が、隣接する2個の原子を介して、「縮合」の後に記述されている環系に結合されることによって、二環式系を形成することを意味する。例えば、「ヘテロシクロアルキル縮合アリール」として、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ダイオキシン、4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン、3H−ベンゾオキサゾール−2−オンおよび3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[f][1,4]オキサゼピン−5−オンが挙げられるが、これらに限らない。「アミノ」という用語は、−NH基を意味し、ここで、水素原子のうちの1個または両方は、場合によって置換されている炭化水素基で置き換えられていてもよい。具体的なアミノ基として、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、メチルプロピルアミノおよびエチルジメチルアミノが挙げられるが、これらに限らない。
【0095】
「シクロアルキルアルキル」という用語は、上述のようなシクロアルキルが、上記に定義されたようなアルキルを介して結合されているシクロアルキル−アルキル基を意味する。シクロアルキルアルキル基は、下級のアルキル部分を含有し得る。具体的なシクロアルキルアルキル基として、シクロプロピルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロプロピルエチル、シクロペンチルエチル、シクロヘキシルプロピル、シクロプロピルプロピル、シクロペンチルプロピルおよびシクロヘキシルプロピルが挙げられるが、これらに限らない。
【0096】
「アリールアルキル」という用語は、上述のようなアリール基が、上記に定義されたようなアルキルを介して結合されていることを意味する。
【0097】
「ヘテロアリールアルキル」という用語は、上述のようなヘテロアリール基が、上記に定義されたようなアルキルを介して結合されていることを意味する。
【0098】
「ヘテロシクリルアルキル」または「ヘテロシクロアルキルアルキル」という用語は、上述のようなヘテロシクリル基が、上記に定義されたようなアルキルを介して結合されていることを意味する。
【0099】
「ハロゲン」、「ハロ」または「hal」という用語は、単独または別の基の一部分として本明細書で使用する場合、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味する。
【0100】
「ハロアルキル」という用語は、上述のようなハロ基が、上記に定義されたようなアルキルを介して結合されていることを意味する。フルオロアルキルは、1つの具体的な基である。
【0101】
「アミノアルキル」という用語は、上述のようなアミノ基が、上記に定義されたようなアルキルを介して結合されていることを意味する。
【0102】
「少なくとも1つの環が部分的に飽和している二環式縮合環系」という表現は、環のうちの少なくとも1つが非芳香族である、8員から13員環の縮合二環式基を意味する。環式基は、炭素原子を有し、N、OおよびSから独立して選択される1−4個のヘテロ原子を場合によって有する。窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合によって酸化されていてもよい。具体例として、インダニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロキノリルおよびベンゾシクロヘプチルが挙げられるが、これらに限らない。
【0103】
「少なくとも1つの環が部分的に飽和している三環式縮合環系」という表現は、環のうちの少なくとも1つが非芳香族である、9員から18員環の縮合三環式基を意味する。環式基は、炭素原子を有し、N、OおよびSから独立して選択される1−7個のヘテロ原子を場合によって有する。窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合によって酸化されていてもよい。具体例として、フルオレン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテンおよび2,2a,7,7a−テトラヒドロ−1H−シクロブタ[a]インデンが挙げられるが、これらに限らない。
【0104】
「環状の」という表現は、1つの環を有する、飽和した、部分的に不飽和の、または不飽和の環式基を意味する。この環式基は、炭素原子を有し、N、OおよびSから独立して選択される1−10個のヘテロ原子を場合によって有する。窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合によって酸化されていてもよい。具体例として、シクロブタン、シクロヘキセン、モルホリン、テトラヒドロフラン、ベンゼン、チオフェン、イミダゾールが挙げられるが、これらに限らない。
【0105】
「二環式」という表現は、2つの環を有する、飽和した、部分的に不飽和の、または不飽和の環式基を意味する。この環式基は、炭素原子を有し、N、OおよびSから独立して選択される1−10個のヘテロ原子を場合によって有する。窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合によって酸化されていてもよい。この環は、環を形成するか、さもなければ、例えばスピロ結合性を介して結合していてもよい。具体例として、インダン、テトラヒドロナフタリン、テトラヒドロキノリン、ベンゾシクロヘプタンおよび1,3−ジアザ−スピロ[4.5]デカン−2,4−ジオンが挙げられるが、これらに限らない。
【0106】
「多環式」という表現は、少なくとも3つの環を有する、飽和した、部分的に不飽和の、または不飽和の環式基を意味する。この環式基は、炭素原子を有し、N、OおよびSから独立して選択される1−10個のヘテロ原子を場合によって有する。窒素および硫黄のヘテロ原子は、場合によって酸化されていてもよい。この環は、環を形成するか、さもなければ、例えばスピロ結合性を介して結合していてもよい。具体例として、フルオレン、アダマンチル、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、キュバン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン、2,2a,7,7a−テトラヒドロ−1H−シクロブタ[a]インデン、5,6,7,8−テトラヒドロ−ベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン、11−オキサ−3,5−ジアザ−トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ−2(7),3,5−トリエン、3,5−ジアザ−トリシクロ[6.2.2.02,7]ドデカ−2(7),3−ジエン−6−オンが挙げられるが、これらに限らない。
【0107】
「医薬として許容可能な塩」という用語は、開示した化合物の誘導体を指し、その親化合物は、酸性または塩基性のその塩を生成することによって修飾される。医薬として許容可能な塩の例として、ミネラルもしくはアミンなどの塩基性残基の有機酸塩、アルカリもしくはカルボン酸などの酸性残基の有機塩などが挙げられるが、これらに限らない。したがって例としては、ナトリウム、カリウム、コリン、リジン、アルギニンまたはN−メチル−グルカミン塩などであってよいが、これらに限らない。
【0108】
医薬として許容可能な塩は、従来の非毒性の塩、または例えば非毒性の無機酸または有機酸から形成した親化合物の第四級アンモニウム塩を含む。例えば、このような従来の非毒性の塩は、これらに限らないが、塩酸、臭水素酸、硫酸、スルファミド酸、リン酸、硝酸などの無機酸由来のもの、およびこれらだけに限らないが、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタン二スルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などの有機酸から調製した塩を含む。
【0109】
本発明の医薬として許容可能な塩は、従来の化学的な方法により、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物から合成することができる。一般にこのような塩は、遊離酸または遊離塩基の形のこれら化合物と、適切な塩基または酸の化学量論的な量とを、水中または有機溶剤中またはこれら2つの混合物中で、反応させることによって調製することができる。有機溶剤として、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどが非水系の媒体が挙げられるが、これらに限らない。適切な塩の一覧のリストは、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、18th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1990年、1445頁に記載されている。
【0110】
「医薬として許容可能な」という表現は、化合物、物質料、組成物および/または剤形を意味し、これらは、過剰な毒性、刺激作用、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を起こさず、適度な利益/リスクの比と釣り合いがとれた、健全な医療上の判断の範囲内において、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するのに適している。
【0111】
「医薬として許容可能な担体」という表現は、哺乳動物、例えばヒトに生理活性物質を送達するための、当技術分野で一般に受け入れられている媒体を意味する。このような担体は、当業者の十分な認識範囲内で、決定および考慮すべきいくつかの要因に従い一般に配合される。これらの要因としては、配合されている活性薬剤の種類および性質、薬剤含有組成物を投与する対象者、組成物の意図されている投与経路および標的にされている治療適応症が挙げられるが、これらに限らない。医薬として許容可能な担体は、水性および非水性の両方の液体媒体、ならびに様々な固体および半固体の剤形を含む。このような担体は、活性薬剤に加えて、いくつかの異なる成分および添加剤を含むことができ、このような追加成分は、当業者には周知の種々の理由、例えば、活性薬剤の安定化などのために配合物に含まれる。医薬として許容可能な担体の非限定的な例は、ヒアルロン酸およびその塩およびミクロスフェア(ポリ(D,L)−ラクチド−co−グリコール酸コポリマー(PLGA)、ポリ(L−乳酸)(PLA)、ポリ(カプロラクトン(PCL)およびウシ血清アルブミン(BSA)が挙げられるが、これらに限らない)である。適切な医薬として許容可能な担体およびその選択に関与している要因の記述は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている、様々な容易に入手可能な情報源、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、17th ed.、Mack Publishing Company、Easton、Pa、1985年の中に含まれている。
【0112】
錠剤と組み合わせての使用に特に適している医薬として許容可能な担体として、例えば、不活性希釈剤、例えばセルロース、炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはリン酸ナトリウムなど、崩壊剤、例えばクロスカルメロースナトリウム、架橋結合したポビドン、トウモロコシ澱粉、またはアルギン酸など、結合剤、例えばポビドン、澱粉、ゼラチンまたはアカシアなど、および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどが挙げられる。錠剤は、コーティングされていなくてもよいし、消化管内での分解および吸収を遅らせ、これによってより長時間にわたり作用が持続するように、マイクロカプセル化を含めた既知の技法でコーティングされていてもよい。例えば、時間を遅らせる物質、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを単独で、またはワックスと共に使用してもよい。
【0113】
経口での使用のための配合物は、活性成分が、例えば、セルロース、ラクトース、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性な固体希釈剤と混合している硬ゼラチンカプセルとして、または活性成分が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ピーナッツオイル、流動パラフィンまたはオリーブ油などの非水性または油性の媒体と混合している軟ゼラチンカプセルとして提供することができる。
【0114】
本発明の組成物はまた、懸濁液として配合してもよく、これは、本発明の化合物を、懸濁液を生成するのに適した少なくとも1種の医薬として許容可能な賦形剤に混和したものを含む。さらに別の実施形態において、本発明の医薬組成物は、適切な賦形剤を添加することによって懸濁液を調製するのに適した分散性の粉末および粒剤として配合することもできる。
【0115】
懸濁液と合わせて使用するのに適した担体として、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ガムトラガカント、ガムアカシアなど、分散剤または湿潤剤、例えば自然発生のホスファチド(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)など、および増粘剤、例えばカルボマー、蜜ろう、硬質パラフィンまたはセチルアルコールなどが挙げられる。懸濁液はまた、1種または複数の保存剤、例えば酢酸、メチルおよび/またはn−プロピルp−ヒドロキシ−ベンゾエートなど、1種または複数の着色剤、1種または複数の着香料、ならびに1種または複数の甘味剤、例えばショ糖またはサッカリンなどを含有してもよい。
【0116】
シクロデキストリンを水性溶解度エンハンサーとして加えてもよい。好ましいシクロデキストリンとして、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシルおよびマルトトリオシル誘導体が挙げられる。溶解度エンハンサーの使用量は、組成物中の本発明の化合物の量に応じて変わることになる。
【0117】
「配合物」という用語は、活性成分(複数可)および担体を構成する不活性成分(複数可)を含む生成物、ならびに2種以上の任意の成分の組合せ、錯体化もしくは凝集から、または1種または複数の成分の解離から、または1種もしく複数の成分の他の種類の反応もしくは相互作用から、直接的または間接的に生じる任意の生成物を意味する。したがって、本発明の医薬製剤は、本発明の化合物と医薬担体を混和することによって生成した任意の組成物を包含する。
【0118】
「N−オキシド」という用語は、既知の方法で、窒素原子(ピリジル基中のものなど)を含む本発明の化合物と、過酸化水素または過酸、例えば3−クロロペルオキシ−安息香酸などを、ジクロロメタンなどの不活性溶媒中で、約−10℃から80℃の間、望ましくは約0℃の温度で反応させることによって得ることができる化合物を意味する。
【0119】
「多形体」という用語は、ある特定の結晶性配列における化合物の形態を意味する。ある多形体は、強化された熱力学的安定度を示し得るので、他の多形体の形態よりも医薬製剤への包含に適切であってよい。
【0120】
本発明の化合物は、1つまたは複数のキラル中心および/または二重結合を含有できるので、したがって、立体異性体、例えば二重結合異性体(すなわち幾何異性体)、鏡像異性体またはジアステレオマーとして存在することができる。本発明によると、本明細書中に表されている化学構造、つまり本発明の化合物は、対応する鏡像異性体および立体異性体のすべて、すなわち、立体異性体として純粋な(例えば、幾何的に純粋な、鏡像異性体として純粋な、またはジアステレオマーとして純粋な)形態と鏡像異性体および立体異性体の混合物との両方を包含する。
【0121】
「ラセミ混合物」という用語は、分子中のすべてのキラル中心に対して、1つの鏡像異性体が約50%と、対応する鏡像異性体が約50%との混合物を意味する。したがって、本発明は、鏡像異性体として純粋な、鏡像異性体が豊富な、式(I)の化合物のラセミ混合物をすべて包含する。
【0122】
本発明の化合物の鏡像異性体および立体異性体の混合物は、よく知られた方法で、これらの成分の鏡像異性体または立体異性体へ分解することができる。例として挙げられるのは、これらに限らないが、キラルな塩の生成およびキラルクロマトグラフィーまたは高速液体クロマトグラフィー「HPLC」の使用、ならびにキラルな塩の生成および結晶化である。例えば、Jacques,J.ら、「Enantiomers,Racemates and Resolutions」(Wiley−Interscience、New York、1981年)、Wilen,S.H.ら、Tetrahedron 33:2725(1977年)、Eliel、E.L.、Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw−Hill、NY、1962年)、Wilen,S.H、Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions 268頁(E.L.Eliel、Ed.、Univ.of Notre Dame Press、Notre Dame、Ind.、1972年)、Stereochemistry of Organic Compounds、Ernest L.Eliel、Samuel H.WilenおよびLewis N.Manda(1994年 John Wiley&Sons,Inc.)、ならびにStereoselective Synthesis A Practical Approach、Mihaly Nogradi(1995年、VCH Publishers,Inc.、NY、N.Y.)を参照されたい。鏡像異性体および立体異性体はまた、立体異性体としてまたは鏡像異性体として純粋な中間体、試薬および触媒から、周知の不斉合成の方法により得ることもできる。
【0123】
「置換されている」は、「置換されている」を用いた言い回しの中で示されている原子上の1個または複数の水素が、示された基(複数可)から選択されたものと置き換えられることを示すことを意図するが、ただしこの場合、示された原子の正常な原子価を超えず、置換により安定した化合物が生じるものとする。置換基がケト(すなわち、=O)基の場合、原子上の2個の水素が置き換えられる。さらに原子上の2個の水素を置き換えることによって、チオカルボニル(すなわち、=S)または=N−NO、=N−CN、=N−H、=N−(C−C)アルキル、=N−OH、=N−O(C−C)アルキル、=N−CO(C−C)アルキルおよび=N−SO(C−C)アルキルを形成することができる。
【0124】
本発明の化合物の部分が、非置換として定義されていない限り、この化合物の部分は、置換されていてもよい。上記に提供された任意の置換基に加えて、本発明の化合物の部分は、
B(OH)
B(O−(C−C)アルキル)
−Cアルキル;
−Cアルケニル;
−Cアルキニル;
CF
ハロ;
OH;
O−(C−Cアルキル);
OCHF;
OCHF
OCF
ONO
OC(O)−(C−Cアルキル);
OC(O)−(C−Cアルキル);
OC(O)NH−(C−Cアルキル);
OC(O)N(C−Cアルキル)
OC(S)NH−(C−Cアルキル);
OC(S)N(C−Cアルキル)
SH;
S−(C−Cアルキル);
S(O)−(C−Cアルキル);
S(O)−(C−Cアルキル);
SC(O)−(C−Cアルキル);
SC(O)O−(C−Cアルキル);
NH
N(H)−(C−Cアルキル);
N(C−Cアルキル)
N(H)C(O)−(C−Cアルキル);
N(CH)C(O)−(C−Cアルキル);
N(H)C(O)−CF
N(CH)C(O)−CF
N(H)C(S)−(C−Cアルキル);
N(CH)C(S)−(C−Cアルキル);
N(H)S(O)−(C−Cアルキル);
N(H)C(O)NH
N(H)C(O)NH−(C−Cアルキル);
N(CH)C(O)NH−(C−Cアルキル);
N(H)C(O)N(C−Cアルキル)
N(CH)C(O)N(C−Cアルキル)
N(H)S(O)NH);
N(H)S(O)NH−(C−Cアルキル);
N(CH)S(O)NH−(C−Cアルキル);
N(H)S(O)N(C−Cアルキル)
N(CH)S(O)N(C−Cアルキル)
N(H)C(O)O−(C−Cアルキル);
N(CH)C(O)O−(C−Cアルキル);
N(H)S(O)O−(C−Cアルキル);
N(CH)S(O)O−(C−Cアルキル);
N(CH)C(S)NH−(C−Cアルキル);
N(CH)C(S)N(C−Cアルキル)
N(CH)C(S)O−(C−Cアルキル);
N(H)C(S)NH
NO
COH;
CO−(C−Cアルキル);
C(O)N(H)OH;
C(O)N(CH)OH:
C(O)N(CH)OH;
C(O)N(CH)O−(C−Cアルキル);
C(O)N(H)−(C−Cアルキル);
C(O)N(C−Cアルキル)
C(S)N(H)−(C−Cアルキル);
C(S)N(C−Cアルキル)
C(NH)N(H)−(C−Cアルキル);
C(NH)N(C−Cアルキル)
C(NCH)N(H)−(C−Cアルキル);
C(NCH)N(C−Cアルキル)
C(O)−(C−Cアルキル);
C(NH)−(C−Cアルキル);
C(NCH)−(C−Cアルキル);
C(NOH)−(C−Cアルキル);
C(NOCH)−(C−Cアルキル);
CN;
CHO;
CHOH;
CHO−(C−Cアルキル);
CHNH
CHN(H)−(C−Cアルキル);
CHN(C−Cアルキル)
アリール;
ヘテロアリール;
シクロアルキル;および
ヘテロシクリル
から独立して選択される、1つまたは複数の基により、場合によって置換されていてもよい。
【0125】
場合によって、環置換基は、環中心から伸びる原子の手により環に結合している状態で示されてもよい。環上に現れるこのような置換基の数は、下付文字の数で表される。さらに置換基は、利用可能ないずれの環原子上に現れてもよく、この利用可能な環原子は、環置換基が置き換えることのできる水素を保持している任意の環原子である。例示的目的のため、変数Rxを、以下のように定義すると、
【0126】
【化9】

これは、5つのRx置換基を保持するシクロヘキシル環を示すことになる。このRx置換基は、利用可能ないずれの環原子とも結合し得る。例えば、これに包まれるものは、以下の構成などである。
【0127】
【化10】

このような構成は、例示的なもので、決して本発明の範囲を制限するものではない。
【0128】
環系が、式中で環または環の断片と共に例示されている場合、環系と、置換基(例えば、別の環)を結合している架橋原子は、炭素原子または窒素原子であり得ることを意味する。例示的目的のために、断片Qが環であり、この中で2つの隣接する原子が、置換されており、さらなる6員環を形成すると定義すると、
【0129】
【化11】

これは、例えば以下の構造が可能であることを示すことになる。
【0130】
【化12】

【0131】
生物活性
本発明の、メタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物の、異なるメタロプロテアーゼに対する阻害活性は、当分野で知られている任意の適切なアッセイを用いて測定し得る。メタロプロテアーゼ阻害活性を測定するための標準的なインビトロでのアッセイが、実施例1700から1704において記載されている。メタロプロテアーゼ阻害性を有するこの複素環式化合物は、MMP−13に対する活性を主に示す。
【0132】
本発明のメタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物は、10nM未満から約20μM、通常は、約10nMから約1μMの範囲のMMP−13阻害活性(IC50 MMP−13)を有する。本発明のメタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物は、10nM未満から約200nMの範囲のMMP阻害活性を有することが望ましい。100nM未満のMMP−13活性を有する、本発明のメタロプロテアーゼ阻害性を有する複素環式化合物の例は、実施例1/4および3/137である。100nMから20μMの範囲の例は、実施例1、1/8、3/26および3/248である。
【0133】
本発明のメタロプロテアーゼ阻害性化合物の合成およびその生物活性アッセイは、制限することを決して意図していない以下の例に記載されている。
【0134】
スキーム
本発明の化合物は、以下に提供されるスキームに従い調製し得る。式(I)における適切な環式系Qは、市販されている、または国際公開第06/061715号パンフレット、国際公開第06/061706号パンフレット 国際公開第05/061926号パンフレット、国際公開第04/064842号パンフレット、国際公開第04/014923号パンフレット、国際公開第04/014921号パンフレット、国際公開第04/014916号パンフレット、国際公開第04/014909号パンフレット、国際公開第04/014908号パンフレット、国際公開第04/014892号パンフレット、国際公開第04/014880号パンフレット、国際公開第04/014869号パンフレット、国際公開第04/014868号パンフレット、国際公開第04/014866号パンフレット、国際公開第04/014389号パンフレット、国際公開第04/014388号パンフレット、国際公開第04/014384号パンフレット、国際公開第04/014379号パンフレット、国際公開第04/014378号パンフレット、国際公開第04/014377号パンフレット、国際公開第04/014375号パンフレット、国際公開第04/014366号パンフレット、国際公開第04/014365号パンフレット、国際公開第04/014354号パンフレット、国際公開第04/007469号パンフレット、国際公開第04/000322号パンフレット、国際公開第04/000321号パンフレット、国際公開第03/076416号パンフレット、国際公開第03/033478号パンフレット、国際公開第03/033477号パンフレット、国際公開第03/032999号パンフレット、国際公開第02/064599号パンフレット、国際公開第02/064598号パンフレット、国際公開第02/064595号パンフレット、国際公開第02/064578号パンフレット、国際公開第02/064572号パンフレット、国際公開第02/064571号パンフレット、国際公開第02/064568号パンフレット、国際公開第02/064547号パンフレット、欧州特許第1394159号明細書、および欧州特許第1291345号明細書に従い、合成することができる。
【0135】
これらは、例えば以下に記載されている標準的なEDCI/HOAt/塩基の手順を介して結合することができる。
【0136】
以下の構造の具体的なアミン構成単位は、
【0137】
【化13】

以下の実験部門に記載されている、または例えば国際公開第2006/083454号パンフレットおよび国際公開第2006/128184号パンフレットに記載されているような、以下の代表的アミン構成単位を有する同様のものを得ることもできる。
【0138】
【化14】

【0139】
実施例および方法
すべての試薬および溶媒は、販売元から購入し、さらなる精製なしに使用した。プロトンスペクトル(H−NMR)は、重水素化溶媒中で、250MHz NMR分光器上に記録された。シリカゲル、グレード60、0.06−0.2mm(クロマトグラフィー)またはシリカゲル、グレード60、0.04−0.063mm(フラッシュクロマトグラフィー)および具体例で示されているような適切な有機溶剤を用いて、カラムクロマトグラフィーによる精製を実施した。分取薄層クロマトグラフィー法を、UV検出によりシリカゲルプレート上で行った。調製例は、本発明の化合物を調製するのに有用な中間体化合物を対象としている。
【0140】
調製例3
【0141】
【化15】

【0142】
ステップA
6−アミノ−2,3−ジフルオロフェノール(1.0g)、KCO(3g)、ブロモアセチルクロライド(750μL)および触媒量のTBAIの乾燥アセトニトリル中懸濁液を、還流下で一晩撹拌し、蒸発させ、酢酸エチルで希釈し、1N HCl、ブラインおよび炭酸水素ナトリウム飽和溶液で洗浄し、乾燥させ、蒸発させることにより、茶色の固体として表題化合物(1.1g、86%)を得た。[MH]=186。
【0143】
ステップB
上記ステップAの表題化合物(1.1g)を酢酸中に溶解して臭素(1mL)を加えた。この溶液を室温で一晩撹拌し、次いで追加の臭素(1mL)を加え、3時間かけて、温度を40℃に上昇させた。この溶液を蒸発させ、酢酸エチルで希釈し、亜硫酸ナトリウム、ブラインおよび炭酸水素ナトリウム飽和溶液の水溶液で洗浄し、乾燥させ、シリカ上で吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル8:2から7:3)で精製することにより、オフホワイトの固体として、5−ブロモ異性体(787mg、50%)および6−ブロモ異性体(567mg、36%)を得た。[MH]=264/66。
【0144】
調製例3aから3b
下記の表I.3に示したアミノアルコールを使用したこと以外は、調製例3に記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。
【0145】
【表1】

【0146】
調製例4
【0147】
【化16】

【0148】
ステップA
調製例3、ステップBからの表題化合物(567mg)およびCuCN(230mg)の乾燥N−メチル−ピロリジン−2−オン(15mL)中懸濁液を、アルゴン下で脱気し、マイクロ波照射下で2時間かけて200℃まで加熱した。この混合物を濃縮し、1N HCl(100mL)で希釈し、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層をHO(2×200mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO)、濾過し、シリカ上で吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル7:3から6:5)で精製することにより、無色の固体として表題化合物を得た。[MH]=211。
【0149】
ステップB
上記ステップAからの表題化合物の氷冷した乾燥MeOH(20mL)中溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(500mg)およびNiCl・6HO(20mg)を加え、続いてNaBH(320mg)を慎重に少しずつ加えた。生成した黒色混合物を20分間0−5℃(氷浴)で撹拌し、次いで氷浴を取り除き、室温での撹拌を一晩続けた。次いでジエチレントリアミンを加え、混合物を乾燥するまで濃縮した。残っている残留物をEtOAc中に懸濁し、続いて10%水性クエン酸、飽和した水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン/EtOAc7:3から1:1)で濃縮および精製することにより、無色の固体として表題化合物を得た(2つのステップで、317mg、47%)。[MNa]=337。
【0150】
ステップC
上記のステップBからの表題化合物(317mg)を、HClの1,4−ジオキサン(10mL)中4M溶液中で、室温で一晩撹拌し、次いで濃縮することによって、無色の固体として表題化合物(量:256mg)を得た。[M−NHCl]=198、[M−Cl]=215。
【0151】
調製例4aから4d
下記の表I.4に示した抽出物を使用したこと以外は、調製例4、ステップAに記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。
【0152】
【表2】

【0153】
調製例5aから5f
下記の表I.5に示した抽出物を使用したこと以外は、調製例4、ステップBに記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。
【0154】
【表3】

【0155】
調製例6aから6h
下記の表I.6に示した抽出物を使用したこと以外は、調製例4、ステップCに記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。
【0156】
【表4】

【0157】
調製例7
【0158】
【化17】

【0159】
ステップA
出発物質(380mg)の乾燥THF中溶液に、Lawesson試薬(660mg)を加え、混合物を4時間撹拌し、次いで濃縮した。残っている残留物をEtOAc中で溶解し、続いて10%水性クエン酸、飽和した水性のNaHCOおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン/EtOAc85:15から8:2)で精製することによって、無色の固体として表題化合物を得た(312mg、78%)。[MNa]=317。
【0160】
調製例7a
下記の表I.7に示した抽出物を使用したこと以外は、調製例7に記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。
【0161】
【表5】

【0162】
調製例8
【0163】
【化18】

【0164】
ステップA
4−ブロモ−2−フルオロ−6−ニトロフェノール(6.91g)の乾燥DMF中溶液に、メチルブロモ酢酸(3.3mL)、KCO(7.4g)および触媒量のTBAIを0℃で加え、この混合物を2時間の間撹拌し、室温に到達するまでそのまま置いた。この混合物を濃縮し、EtOAcに溶解し、続いて1N HCl、飽和した水性NaHCOおよびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、シリカ上で吸収させ、クロマトグラフィー(シリカ、シクロヘキサン/EtOAc9:1から8:2)で精製することによって、無色の固体として表題化合物を得た(8.2g、91%)。[MH]=308/10。
【0165】
ステップB
上記ステップAからの表題化合物(1.35g)および濃塩酸(10mL)およびMeOH(2mL)中のスズ(1.3g)を2時間加熱還流した。この混合物を冷却し、水上に注ぎ、この固体を濾過することによって、無色の固体として表題化合物を得た(985mg、91%)。[MH]=246/48。
【0166】
調製例8a
【0167】
【化19】

【0168】
ステップA
上記の調製例7aからの表題化合物(164mg)およびホルミルヒドラジン(50mg)のブタノール中溶液を、マイクロ波照射下で、3時間160℃まで加熱し、シリカ上で吸収させ、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ、CHCl/メタノール98:2から95:5)で精製することによって、無色の固体として表題化合物を得た(129mg、76%)。[MH]=252/54。
【0169】
調製例9
【0170】
【化20】

【0171】
ステップA
調製例8aからの表題化合物(125mg)、Zn(CN)(44mg)およびPd(PPh(40mg)の乾燥DMF(10mL)中混合物を、脱気し、アルゴン雰囲気下で、85℃で一晩加熱した。この混合物を濃縮し、1N HClで希釈し、超音波処理し、濾過し、水、わずかなメタノール、次いでペンタンで洗浄することによって、無色の固体として表題化合物を得た(量:100mg)。[MH]=199。
【0172】
調製例9a
下記の表I.8に示した抽出物を使用したこと以外は、調製例9に記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。
【0173】
【表6】

【0174】
調製例10
【0175】
【化21】

【0176】
ステップA
調製例7からの表題化合物(123mg)を、Monatsh.Chem.1989年、120、81−84頁に記載されている通りに処理することによって、無色の固体として表題化合物を得た(120mg、89%)。[MNa]=342。
【0177】
調製例11
【0178】
【化22】

【0179】
ステップA
市販の2−アミノ−4−エトキシカルボニルメチル−チオフェン−3−カルボン酸メチルエステル(1g)を、1,4−ジオキサン(20mL)中4M HCl溶液に溶解し、ニトリロ酢酸エチルエステル(0.8mL)を加えた。この混合物を45℃で一晩撹拌し、乾燥するまで濃縮した。残っている残留物を1M HC1中に懸濁し、残留物を濾過することによって、オフホワイトの固体として表題化合物を得た(量:1.34g)。[MH]=311。
【0180】
ステップB
上記ステップAの表題化合物(200mg)のTHF(20mL)中溶液に、1Mの水性LiOH(2mL)を加えた。この生成した混合物を、室温で撹拌し(3h)、濃縮し、1Mの水性HClで中和した。溶媒を取り除き、この残留物を、さらなる精製なしで使用した。[MH]=255。
【0181】
調製例12
【0182】
【化23】

【0183】
ステップA
上記調製例11からの表題化合物(30mg)を、DMSO−dに溶解し、一晩加熱する(120℃)ことによって、1種の炭酸の脱炭酸を行った。この溶液は、さらなる精密検査なしに使用した。[MH]=211。
【0184】
実施例1
【0185】
【化24】

【0186】
ステップA
市販のD−ヒドロオロチン酸(25mg)および6−アミノメチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン塩酸塩(1.2当量)、EDCI(約2当量)およびHOAt(1当量)のDMF(10mL)中溶液に、N−メチルモルホリン(30μL)を加えた。この混合物を一晩撹拌し、次いで濃縮した。残っている残留物を、10%水性クエン酸中に懸濁し、残留物を濾過することによって、オフホワイトの固体として表題化合物を得た(31.6mg、63%)。[MH]=319。
【0187】
実施例1/1から1/8
下記の表II.1に示したアミンおよび酸を使用したこと以外は、実施例1に記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。*が付いている場合は、RP−18−クロマトグラフィーによる精製を介して精密検査を遂行した。特に記載がない場合は、酸およびアミンの構成単位は、市販されているものである、またはその合成は、調製例に記載されている。
【0188】
【表7】

【0189】
実施例2
【0190】
【化25】

【0191】
ステップA
N−シクロヘキシル−カルボジイミド−N’−メチル−ポリスチレン(40mg)のDMA(370μL)中混合物へ、5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−6−カルボン酸のDMA(65μL)中0.2M溶液およびHOBtのDMA(40μL)中0.5M溶液を加えた。混合物を15分間かき混ぜ、次いで6−アミノメチル−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン塩酸塩のDMA(65μL)中0.2M溶液を加え、この混合物を、封管内で、100℃(マイクロ波)で10分間加熱した。この混合物に、(ポリスチリルメチル)−トリメチルアンモニウムバイカーボネート(16mg)を加え、この混合物を室温で3時間かき混ぜた。この混合物を濾過し、濃縮することによって、表題化合物を得て、これをさらなる精製なしに使用した。[MH]=359。
【0192】
実施例3
【0193】
【化26】

【0194】
ステップA
続いて、市販の3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−カルボン酸のDMA(50μL)中0.5M溶液に、HATUのDMA(75μL)中0.5M溶液、HOAtのDMA(75μL)中0.5M溶液、市販の6−アミノ−4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オンのDMA(75μL)中0.5M溶液およびPrNEtのDMA(75μL)中0.5M溶液を加えた。生成した混合物を室温で12時間かき混ぜ(約800rpm)、DMSO(350μL)で希釈し、分取HPLC(C18、ACN/HO/ギ酸)で精製することによって無色の固体として表題化合物を得た(1.4mg)。[MH]=340。
【0195】
実施例1700
MMP−13阻害性を求めるためのアッセイ
MMP−13活性に対する典型的なアッセイは、50mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、5mM CaClおよび0.05%のBrij−35から構成されるアッセイ緩衝液中で行う。異なる濃度の試験化合物を、50μLアリコットのアッセイ緩衝液中で調製する。MMP−13酵素の触媒ドメインの50nM保存液10μL(Alantosが製造、またはInvitek(Berlin)から市販されている、カタログ番号30100812)を化合物溶液に加える。酵素および化合物のアッセイ緩衝液中混合物をよく混合し、室温で10分間インキュベートする。インキュベーションが完了した時点で、MMP−13蛍光基質の12.5μM保存液40μL(Calbiochem、カタログ番号第444235)を添加することによりアッセイを開始する。320nm励起および390nm排出での蛍光性の時間依存的増加を、自動プレートマルチリーダーで測定する。初期の反応速度からIC50値を計算する。
【0196】
実施例3/1から3/312
下記の表I1.2に示した酸およびアミンを使用したこと以外は、調製例3に記載されているのと同様の手順に従い、以下の化合物を調製した。
【0197】
【表8】














































【0198】
実施例1701
MMP−3阻害性を求めるためのアッセイ
MMP−3活性に対する典型的なアッセイは、50mM MES、pH6.0、10mM CaC1および0.05%Brij−35から構成されるアッセイ緩衝液中で行う。異なる濃度の試験化合物を、50μLアリコットのアッセイ緩衝液中で調製する。MMP−3酵素の触媒ドメインの100nM保存液10μL(Biomol、カタログ番号第SE−109)を化合物溶液に加える。酵素および化合物のアッセイ緩衝液中混合物をよく混合し、室温で10分間インキュベートする。インキュベーションが完了した時点で、NFF−3蛍光基質の12.5μM保存液40μL(Calbiochem、カタログ番号第480455)を添加することによりアッセイを開始する。330nm励起および390nm排出での蛍光性の時間依存的増加を、自動プレートマルチリーダーで測定する。初期の反応速度からIC50値を計算する。
【0199】
実施例1702
MMP−8阻害性を求めるためのアッセイ
MMP−8活性に対する典型的なアッセイは、50mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、5mM CaC1および0.05%Brij−35から構成されるアッセイ緩衝液中で行う。異なる濃度の試験化合物を50μLアリコットのアッセイ緩衝液中で調製する。活性化したMMP−8酵素の50nM保存液10μL(Calbiochem、カタログ番号第444229)を化合物溶液に加える。酵素および化合物のアッセイ緩衝液中混合物をよく混合し、37℃で10分間インキュベートする。インキュベーションが完了した時点で、OmniMMP蛍光基質の10μM保存液40μL(Biomol、カタログ番号第P−126)を添加することによりアッセイを開始する。320nm励起および390nm排出での蛍光性の時間依存的増加を、自動プレートマルチリーダーで、37℃で測定する。初期の反応速度からIC50値を計算する。
【0200】
実施例1703
MMP−12阻害性を求めるためのアッセイ
MMP−12活性に対する典型的なアッセイは、50mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、5mM CaClおよび0.05%Brij−35から構成されるアッセイ緩衝液中で行う。異なる濃度の試験化合物を50μLアリコットのアッセイ緩衝液中で調製する。MMP−12酵素の触媒ドメインの50nM保存液10μL(Biomol、カタログ番号第SE−138)を化合物溶液に加える。酵素および化合物のアッセイ緩衝液中混合物をよく混合し、室温で10分間インキュベートする。インキュベーションが完了した時点で、OmniMMP蛍光基質の12.5μM保存液40μL(Biomol、カタログ番号第P−126)を添加することによりアッセイを開始する。320nm励起および390nm排出での蛍光性の時間依存的増加を、自動プレートマルチリーダーで、37℃で測定する。初期の反応速度からIC50値を計算する。
【0201】
実施例1704
アグリカナーゼ−1阻害性を求めるアッセイ
アグリカナーゼ−1活性に対する典型的なアッセイは、50mMトリス、pH7.5、150mM NaCl、5mM CaClおよび0.05%Brij−35から構成されるアッセイ緩衝液中で行う。異なる濃度の試験化合物を50μLアリコットのアッセイ緩衝液中で調製する。アグリカナーゼ−1の75nM保存液10μL(Invitek)を化合物溶液に加える。酵素および化合物のアッセイ緩衝液中混合物をよく混合し、アグリカン−IGD基質の250nM保存液40μL(Invitek)を添加する。37℃で正確に15分間インキュベートすることによって、反応を開始する。EDTAを添加することによって反応を停止し、アグリカナーゼELISA(Invitek、InviLISA、カタログ番号第30510111)を用いて、製造元のプロトコルに従い試料を分析する。間もなく、プレコーティングされたマイクロプレート内で、室温で90分間、各タンパク質分解反応物100μLをインキュベートする。3回洗浄後、抗体−ペルオキシダーゼコンジュゲートを室温で90分にわたり加える。5回洗浄後、室温で3分間、TMB溶液を用いてプレートをインキュベートする。このペルオキシダーゼ反応を亜硫酸で停止すると、光吸収は450nmで赤色である。残留するアグリカナーゼ活性に相当する光吸収シグナルからIC50値を計算する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する化合物
【化1】

(式中、
は、出現するごとに、R10、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、ハロアルキル、CF、(C−C)−アルキル−COR10、(C−C)−アルキル−OR10、(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NO、(C−C)−アルキル−CN、(C−C)−アルキル−S(O)OR10、(C−C)−アルキル−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10CONR11SO30、(C−C)−アルキル−S(O)10、(C−C)−アルキル−OC(O)R10、(C−C)−アルキル−OC(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=NR10)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=NR11)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10SO11、(C−C)−アルキル−C(O)−NR11−CN、O−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)OR10、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10−(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)R10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)10、O−(C−C)−アルキル−アリールおよびO−(C−C)−アルキル−ヘテロアリールから独立して選択され、
各R基は、1回または複数回、場合によって置換されており、または
各R基は、1つまたは複数のR14基で場合によって置換されており、
は、R10から選択され、または場合によって、RおよびXは、それらが結合している窒素原子およびsp−炭素原子と一緒になった場合、5員から8員の不飽和もしくは部分的に不飽和の複素環(O、S(O)、NまたはNR50から選択される追加のヘテロ原子を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)を完成し、
は、出現するごとに、R10、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロ、CHF、CF、OR10、SR10、COOR10、CH(CH)COH、(C−C)−アルキル−COR10、(C−C)−アルキル−OR10、(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NO、(C−C)−アルキル−CN、(C−C)−アルキル−S(O)OR10、(C−C)−アルキル−P(O)OH、(C−C)−アルキル−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10CONR11SO30、(C−C)−アルキル−S(O)10、(C−C)−アルキル−OC(O)R10、(C−C)−アルキル−OC(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=NR10)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=NR11)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10SO11、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、S(O)NR10−アルキル、S(O)−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、(C−C)−アルキル−C(O)−NR11−CN、O−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)OR10、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10−(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)R10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)11、O−(C−C)−アルキル−アリールおよびO−(C−C)−アルキル−ヘテロアリールから独立して選択され、各R基は、1回または複数回、場合によって置換されており、
10およびR11は、出現するごとに、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、またはR10およびR11は、これらが結合している窒素と一緒になった場合、3員から8員環(炭素原子を含有し、O、S(O)またはNR50から選択されるヘテロ原子を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)を完成し、
14は、水素、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリルアルキルおよびハロ(ここで、アルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびヘテロシクリルアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
17は、R、アルケニル、アルキニル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、スピロアルキル、スピロヘテロアルキル、シクロアルキル縮合アリール、ヘテロシクロアルキル縮合アリール、シクロアルキル縮合ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル縮合ヘテロアリールまたは二環式もしくは三環式の縮合環系(ここで、少なくとも1つの環は、部分的に飽和している。)から選択され、各R17基は、1回または複数回、場合によって置換されており、または各R17基は、場合によって置換されている1つまたは複数のR基であり、R30は、アルキルおよび(C−C)−アルキル−アリール(ここで、アルキルおよびアリールは、場合によって置換されている。)から選択され、
50は、出現するごとに、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)R80、C(O)NR8081、SO80およびSONR8081(ここで、アルキル、アリールおよびヘテロアリールは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
80およびR81は、出現するごとに、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、フルオロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキルおよびアミノアルキルは、場合によって置換されている。)から独立して選択され、またはR80およびR81は、それらが結合している窒素と一緒になった場合、3員から8員環(炭素原子を含有し、0、S(0)、NHおよびN(アルキル)から選択されるヘテロ原子を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)を完成し、
は、単結合または非環式の直鎖または分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖(1から10個の炭素原子を有し、−S−、−O−、NR10−、−NR10CO−、−CONR10−、−S(O)−、−SONR10−、−NR10SO−、NR10SONR10−、−NR10CONR10−、−OC(O)NR10−、−NR10C(O)O−から独立して選択される1から3つの基(単独の炭素原子に置き換わり、2個を超える炭素原子が置き換えられる場合には、これらは隣接していない。)を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)から選択され、
は、単結合または直鎖または分枝の飽和または不飽和の炭化水素鎖(1から10個の炭素原子を有し、−O−、−NR10−、−S(O)−、−NR10C(X)−、−C(X)NR10−、−SONR10−、−NR10SO−、−O−SO−、−SO−O−、−NR10SONR10−、−NR10C(X)NR10−、−OC(X)NR10−、−NR10C(X)O−、−OC(X)−、−C(X)O−、−Q−、−NR10−Q−、−Q−NR10−、−C(X)−Q−、−Q−C(X)−、−O−Q−、−S(O)−Q−、および−Q−S(O)−から独立して選択される1から3つの基(単独の炭素原子に置き換わり、2個を超える炭素原子が置き換えられる場合には、これらは隣接していない。)を場合によって含有し、1回または複数回、場合によって置換されている。)から選択され、
は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキルから選択される4員から8員環またはアリールおよびヘテロアリールから選択される5員もしくは6員環(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、1回または複数回、Rで場合によって置換されている。)であり、場合によって、Qの置換基は、Lと結合して、3員から8員環(炭素原子を含有し、場合によってO、S(O)、−NHおよび−N(アルキル)から選択されるヘテロ原子を含有する。)を完成し、この新しい環は、1回または複数回、場合によって置換されており、
は、N、OおよびS(O)から選択される0から8個のヘテロ原子を含有する芳香族、部分的に芳香族または非芳香族の環式、二環式または多環式系(1回または複数回、Rで場合によって置換されている。)から独立して選択され、この中で環は、場合によってスピロ縮合しており、場合によって、Qの置換基は、Lと結合して、3員から8員環(炭素原子を含有し、O、S(O)、−NHおよび−N(アルキル)から選択されるヘテロ原子を場合によって含有する。)を完成し、この新しい環は、1回または複数回、場合によって置換されており、
は、O、S、NR10、NOR10、N−CN、NCOR10、N−NOおよびN−SO10から独立して選択され、
Yは、O、S(O)、CR1011およびNR10から選択され、
は、C、S、S=O、PR10およびP−OR10から独立して選択され、
wは、0から3から独立して選択され、
xは、0から2から独立して選択され、
yは、1および2から選択される。)、および
このN−オキシド、医薬として許容可能な塩、プロドラッグ、配合物、多形体、ラセミ混合物および立体異性体。
【請求項2】
が、
【化2】













(式中、
Aは、NR10、OおよびS(O)から選択され、
G、L、MおよびTは、CRおよびNから独立して選択され、
点線は、二重結合を場合によって表す。)から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
−Qが、−CHNHCO−Q、−CHCONH−Q、−CHSONH−Q、−CONH(CH−Q、−CHNHSO−Q、−CHNHCS−Q、−CHCHCH−Qおよび−NHNHCO−Qから選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
【化3】



から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
が、不在である、または−CONH−および−NHCO−から選択され、
17が、水素または
【化4】


(式中、
Rは、C(O)NR1011、COR10、SONR1011、SO10、CONHCHおよびCON(CH、(ここで、C(O)NR1011、COR10、SONR1011、SO10、CONHCHおよびCON(CHは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から選択され、
は、出現するごとに、水素、アルキル、C(O)NR1011、アリール、アリールアルキル、SONR1011およびC(O)OR10(ここで、アルキル、アリールおよびアリールアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
は、R、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ビシクロアルキル、ヘテロビシクロアルキル、スピロアルキル、スピロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C(O)OR10、CH(CH)COH、(C−C)−アルキル−COR10、(C−C)−アルキル−OR10、(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NO、(C−C)−アルキル−CN、(C−C)−アルキル−S(O)OR10、(C−C)−アルキル−P(O)OH、(C−C)−アルキル−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10CONR11SO30、(C−C)−アルキル−S(O)10、(C−C)−アルキル−OC(O)R10、(C−C)−アルキル−OC(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=NR10)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=NR11)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−CN)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(=N−NO)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10SO11、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、C(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)NR10−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、S(O)NR10−アルキル、S(O)−(C−C)−アルキル−アリール、S(O)−(C−C)−アルキル−ヘテロアリール、(C−C)−アルキル−C(O)−NR11−CN、O−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)OR10、S(O)−(C−C)−アルキル−C(O)NR1011、(C−C)−アルキル−C(O)NR10−(C−C)−アルキル−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)R10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)OR10、(C−C)−アルキル−NR10−C(O)−NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)NR1011、(C−C)−アルキル−NR10−S(O)11、O−(C−C)−アルキル−アリールおよびO−(C−C)−アルキル−ヘテロアリールから独立して選択され、
各R基は、1回または複数回、場合によって置換されており、または各R基は、1つまたは複数のR14基で場合によって置換されており、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロ、RおよびNR1011(ここで、アルキルおよびシクロアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、または場合によって2つのR基が一緒になって、同じ炭素原子の位置で、=O、=Sもしくは=NR10を形成し、
25は、水素、アルキル、シクロアルキル、C(O)R10、C(O)NR1011およびハロアルキル(ここで、アルキル、シクロアルキルおよびハロアルキルは、1回または複数回、場合によって置換されている。)から独立して選択され、
は、NR10、OおよびS(O)から選択され、
、G、L、MおよびTは、CRおよびNから独立して選択され、
Eは、結合、CR1011、O、NR、S、S=O、S(=O)、C(=O)、N(R10)(C=O)、(C=O)N(R10)、N(R10)S(=O)、S(=O)N(R10)、C=N−OR11、−C(R1011)C(R1011)−、−CH−W−および
【化5】

(Uは、C(R10)、NR、O、S、S=OおよびS(=O)から独立して選択される。)から独立して選択され、
は、O、NR、S、S=O、S(=O)、N(R10)(C=O)、N(R10)S(=O)およびS(=O)N(R10)から独立して選択され、
Zは、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキルから構成される4員から8員環、またはアリールおよびヘテロアリールから選択される5員もしくは6員環(ここで、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは、1回または複数回、場合によって置換されている。)であり、
gおよびhは、0−2から独立して選択され、
rは、1−4から選択される。)から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
−R17が、−CONH−R17であり、
17が、
【化6】

から選択され、
が、水素、フルオロ、ハロ、CN、アルキル、COH、ならびに
【化7】

から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
−R17が水素である、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物の有効量および医薬として許容可能な担体を含む医薬組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物の治療有効量を投与することを含む、関節リウマチ、変形性関節炎または炎症を治療する方法。

【公表番号】特表2010−520293(P2010−520293A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552768(P2009−552768)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/003195
【国際公開番号】WO2008/109180
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(508194205)アラントス・フアーマシユーテイカルズ・ホールデイング・インコーポレイテツド (4)
【Fターム(参考)】