説明

試料分析装置

【課題】厚さが厚い試料の分析に好適でかつ試料の材質の同定も行うことができる試料分析装置を提供する。
【解決手段】本発明の試料分析装置は、表面に部分的に凹部が存在するウエハ18に荷電粒子を照射する照射系と、荷電粒子の照射に基づき試料の表面側から得られたルミネッセンスを集光する回転楕円反射鏡17と、回転楕円反射鏡17に導かれたルミネッセンスを検出する光検出器33と、試料の表面から反射された反射荷電粒子を検出する荷電粒子検出器25と、荷電粒子検出器25の検出信号に基づき試料の形状を求めると共に光検出器33の検出信号に基づきウエハ18の材質を同定する信号処理部24とを備え、照射系は荷電粒子をウエハに間欠的に照射するように制御され、信号処理部24は荷電粒子の間欠照射終了時点から間欠照射開始時点までの期間における光検出器33からの検出信号の減衰特性に基づき試料の同定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厚さが厚い試料の分析に用いるのに好適な試料分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、試料分析装置には、半導体材料としてのウエハからなる試料の表面に荷電粒子としての電子ビームを照射して発生するカソードルミネッセンスを検出し、このカソードルミネッセンスに基づき試料の分析を行うものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この試料分析装置では、電子ビームが照射された試料の裏面から放出されたカソードルミネッセンスを検出している。また、2次電子等も検出して、試料の形状等に対応づけて半導体結晶のルミネッセンス像を表示し、残膜の有無やその位置を検出し、コンタクトホールの形状等も認識している。
【特許文献1】特開平10−38805号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ウエハからなる試料には、図1に示すように、厚さが約800μmのシリコン等の絶縁性基盤1の表面に厚さが数オングストロームから数μmの半導体層膜2が形成され、この半導体層膜2の表面にレジスト膜3が形成され、このレジスト膜3にコンタクトホール4が形成されているものがあり、このコンタクトホール4が規格に合致するように形成されているか否かを検査しなければならない場合がある。
【0005】
ところが、その従来の試料分析装置では、カソードルミネッセンスを試料の裏面から検出する構成であるので、膜厚が厚い図1に示す構造のウエハでは、コンタクトホールが規格に合致するように形成されているか否かの検査を従来の試料分析装置を用いて行うことができないという不都合がある。
【0006】
また、従来の試料分析装置では、試料の材質の同定が困難であるという不都合もある。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的は、厚さが厚い試料の分析に好適でかつ試料の材質の同定も行うことができる試料分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の試料分析装置は、表面に部分的に凹部が存在する試料に荷電粒子を照射する照射系と、前記荷電粒子の照射に基づき前記試料の表面側から得られたルミネッセンスを集光する集光反射鏡部と、該集光反射鏡部に導かれたルミネッセンスを検出する光検出器と、前記試料の表面から反射された反射荷電粒子を検出する荷電粒子検出器と、該荷電粒子検出器の検出信号に基づき前記試料の形状を求めると共に前記光検出器の検出信号に基づき前記試料の材質を同定する信号処理部とを備え、
前記照射系は前記荷電粒子を前記試料に間欠的に照射するように制御され、前記信号処理部は前記荷電粒子の間欠照射終了時点から間欠照射開始時点までの期間における前記光検出器からの検出信号の減衰特性に基づき前記試料の同定を行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の試料分析装置は、前記試料がレジストが表面に設けられた半導体であり、前記凹部はコンタクトホールであることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の試料分析装置は、前記減衰特性が前記荷電粒子の間欠照射終了時点において前記光検出器から得られた検出信号の値が所定値に減少するまでの減衰時間であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の試料分析装置は、前記減衰特性が前記荷電粒子の間欠照射終了時点において前記光検出器から得られた検出信号が所定値に減少するまでの減衰時間であり、前記信号処理部は、該減衰時間が前記所定値と比較して小さい場合には前記コンタクトホールが規格に合致しないと判断し、該減衰時間が前記所定値と比較して大きい場合には前記コンタクトホールが規格に合致すると判断し、又は、該減衰時間が所定値と比較して大きい場合には前記コンタクトホールが規格に合致しないと判断し、前記減衰時間が前記所定値と比較して小さい場合には前記コンタクトホールが規格に合致すると判断することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の試料分析装置は、前記ルミネッセンスが分光器又は分光プリズムによって分解されて前記光検出器に導かれ、該光検出器は波長毎に分解された検出信号を出力し、前記信号処理部は各波長毎に分解されたルミネッセンスの減衰時間に基づき前記試料の同定を行うことを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の試料分析装置は、前記照射系が前記荷電粒子の加速電圧を変更可能であり、前記信号処理部は前記加速電圧を加味して前記試料の同定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、厚さが厚い試料の分析に好適でかつ試料の材質の同定も行うことができる。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、半導体の検査を行うのに好適で、特に、コンタクトホールが規格通りに製作されているかどうかの検査に好適である。
【0016】
請求項3ないし請求項6に記載の発明によれば、半導体を構成する物質の同定を正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係わる半導体検査装置の発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0018】
図2において、10は真空容器である。真空容器10にはターボポンプ、イオンポンプ等の排気系11が接続され、真空容器10は高真空とされる。真空容器10内には電子銃12、電子線光学系13、電子レンズ14、電子線偏向器15、XYZステージ16、集光反射鏡部としての回転楕円反射鏡17が設けられている。
【0019】
電子銃12、電子線光学系13、電子レンズ14、電子線偏向器15は荷電粒子としての電子線Erを後述する試料に向けて照射する照射系として機能する。その電子銃12は後述する信号処理部によって加速電圧が適宜変更される。
【0020】
XYZステージ16には図3に示す試料としてのウエハ18が載置されている。このウエハ18は例えば厚さが約800μmのシリコン等の絶縁性基盤19の表面に厚さが数オングストロームから数μmの第1半導体層膜20が形成され、この第1半導体層膜20の表面に第2半導体層膜21が形成され、この第2半導体層膜21の表面にレジスト膜22が形成されている。そのウエハ18にはこのレジスト膜22から第1半導体層膜20に向かって延びる凹部としてのコンタクトホール23が形成されている。
【0021】
電子銃12の駆動モードには荷電粒子検出モード(常時駆動モード)とルミネッセンス検出モード(間欠駆動モード)とがあり、信号処理部24によって駆動制御される。電子銃12はまず信号処理部24によって常時駆動され、これによって、電子線Erがウエハ18に向かって発射される。電子線Erは電子線光学系13、電子レンズ14によって集束され、ウエハ18にスポット状に照射される。電子線Erは電子線偏向器15によってウエハ18上での照射位置が変更され、ウエハ18は電子線Erによって二次元的に走査される。
【0022】
ウエハ18はそのレジスト膜22が形成された箇所から反射二次電子Er’が放射され、この反射二次電子Er’は荷電粒子検出器25によって捕捉される。荷電粒子検出器25の検出信号S1は信号処理部24に入力される。
【0023】
その信号処理部24はその検出信号S1の出力に基づきウエハ18の表面の形状を解析し、モニタ26の画面に表示させる。コンタクトホール23が存在する箇所は反射二次電子の量が少なくなるので、モニタ26の画面上には図4に符号27で示すようにコンタクトホール23に対応する像が暗く表示される。
【0024】
信号処理部24は、その反射二次電子Er’の量の少ない位置を二次元的に演算し、そのコンタクトホール23の存在する位置を特定する。ついで、電子銃12は信号処理部24によって間欠駆動され、図5(a)に示す周期T1の間に所定時間T2の間、電子線Erがウエハ18に向かって発射される。
【0025】
レジスト膜22は蛍光を発生する物性を有しないので、蛍光(ルミネッセンス)は発生しない。第1半導体層膜20、第2半導体層膜21は蛍光を発生する物性を有する材料を含んでいるので、第1半導体層膜20、第2半導体層膜21は電子線Erが当たると蛍光を発する。
【0026】
その電子線Erの照射に基づき発生したルミネッセンスは試料の表面側に設けられた回転楕円反射鏡17によって集光されかつ反射されて、真空容器10の光学窓27を介してハーフミラー28に導かれる。
【0027】
ハーフミラー28はその約半分の量のルミネッセンスを透過させ、残りの約半分の量のルミネッセンスを反射する。その反射ルミネッセンスはレンズ29に導かれ、このレンズ29に導かれた反射ルミネッセンスはテレビカメラ30に結像され、このテレビカメラ30により得られた画像はモニタ26に表示される。
【0028】
そのハーフミラー28を通過したルミネッセンスはレンズ31を介して分光器(又は分光プリズム)32に導かれ、波長毎のルミネッセンスに分解される。その各波長毎に分解されたルミネッセンスは光検出器33に導かれ、各波長毎のルミネッセンスの強度が光検出器33によって検出される。
【0029】
その光検出器33はその検出信号S2を信号処理部24に向かって出力する。半導体材料に含まれている蛍光材料は物質によって、その減衰特性が異なる。
【0030】
すなわち、図5(a)に示すように、電子線Erを試料に向けて間欠的に照射すると、図5(b)に示すように電子線Erの間欠照射終了時点t1から間欠照射開始時点t2までの期間T3において光検出器33から出力される検出信号S2が減衰する。
【0031】
ここでは、信号処理部24は、電子線Erの間欠照射終了時点t1において光検出器33から出力された検出信号S2がそのピーク値Smaから10分の1の値(所定値)に減少するまでの減衰時間trを減衰特性として測定して記憶手段としてのメモリ(図示を略す)に記憶させる。
【0032】
また、信号処理部24は、図6に示すように、各波長λ1、λ2毎にルミネッセンスのピーク値Smaを測定し、各波長毎のルミネッセンスのピーク値を比較して、最大ピーク値をメモリ(図示を略す)に記憶させる。
【0033】
下記に示す表1はその蛍光材料毎のルミネッセンスの減衰時間trとピーク波長と電子銃12に印加する加速電圧との関係を示している。
【0034】
【表1】

例えば、表1から蛍光材料ZnSiO:Mn、ZnS:Cuと蛍光材料ZnOとでは、最大ピーク値にはほとんど差はないが、減衰特性としての減衰時間trに著しい差異があることがわかる。
【0035】
従って、信号処理部24によって、光検出器33から得られた検出信号S2の値が所定値(例えばピーク値Smaから1/10)に減少するまでの減衰時間trを測定することにより、試料の材質を同定することができる。
【0036】
すなわち、蛍光材料毎の減衰時間tr、ピーク波長、λ1、λ2を予め既知の値としてメモリに記憶させておき、実際の測定により得られた減衰時間tr、ピーク波長λをメモリに記憶された蛍光材料毎の既知の値と比較することによって、試料の材質の同定を行うことができる。
【0037】
ここでは、減衰時間trによって試料の材質の同定を行うことにしたが、減衰形状等の減衰特性によって試料の材質の同定を行うこともできる。
【0038】
また、蛍光材料によっては、ルミネッセンスを発生し易い加速電圧があり、加速電圧を加味して試料の同定を行うことにしても良い。
【0039】
また、この試料検出装置は図3に示すウエハ18の検査にも用いられる。
【0040】
図3(a)には、ウエハ18に形成されたコンタクトホール23がレジスト膜22を貫通して第2半導体層膜21に達しているが、第1半導体層膜20には到達していない状態(符号Q1で示す)と、コンタクトホール23がレジスト膜22と第2半導体層膜21とを貫通して第1半導体層膜20の表面20aに丁度達した状態(符号Q2で示す)と、コンタクトホール23がレジスト膜22と第2半導体層膜21とを貫通して第1半導体層膜20の表面20aに達してはいるがコンタクトホール23の内部に残渣34が存在している状態(符号Q3で示す)と、コンタクトホール23がレジスト膜22と第2半導体層膜21とを貫通して第1半導体層膜20の表面20aから更に第1半導体層膜20の奥部に達している状態(符号Q4で示す)とが示されている。
【0041】
このようなウエハ18の場合には、図3(b)〜図3(e)に示すルミネッセンスによる蛍光像が得られる。
【0042】
すなわち、符号Q1で示すコンタクトホール23の場合には、図3(b)に示すように、モニタ26の画面上には、コンタクトホール23の底部23aに存在する第2半導体層膜21からのルミネッセンスによる蛍光像LG1が得られる。この蛍光像LG1の中央部分は若干暗く周辺輪郭部分は中央部分に較べて明るい。コンタクトホール23の周囲の壁からのルミネッセンスが存在するからである。
【0043】
また、符号Q2で示すコンタクトホール23の場合には、図3(c)に示すように、モニタ26の画面上にはコンタクトホール23の底部(第1半導体層膜20の表面20a)23bに存在する第1半導体層膜20からのルミネッセンスによる蛍光像LG2とコンタクトホール23の壁を構成する第2半導体層膜21からのルミネッセンスによる蛍光像LG1とが得られる。
【0044】
第1半導体層膜20と第2半導体層膜21とは含まれている蛍光物質が異なるので、ルミネッセンスの波長が異なる。各波長が混在するルミネッセンスは分光器(又は分光プリズム)32により分解されて光検出器33に導かれる。信号処理部24はその光検出器33からの検出信号S2に基づきコンタクトホール23が第1半導体層膜20の表面20aに達しているか否かを判断する。
【0045】
すなわち、信号処理部24は各コンタクトホール23が存在する箇所で電子銃12を間欠駆動し、図5(a)の期間T2に示す間、照射系は電子線Erをコンタクトホール23に向けて照射する。第1半導体層膜20、第2半導体層膜21を構成する物質は既知であり、間欠照射した際の減衰時間trも既知であるので、例えば、減衰時間trが所定値と比較して小さい場合にはコンタクトホール23が規格に合致しないと判断し、減衰時間trが所定値と比較して大きい場合にはコンタクトホール23が規格に合致すると判断する。
【0046】
場合によっては、減衰時間trが所定値と比較して大きい場合にはコンタクトホール23が規格に合致しないと判断し、減衰時間trが所定値と比較して小さい場合にはコンタクトホール23が規格に合致すると判断する構成としても良い。
【0047】
また、ルミネッセンスの波長に基づきコンタクトホール23が規格に合致しているか否かを判定できる。
【0048】
更に、符号Q3で示すコンタクトホール23の場合には、コンタクトホール23に残渣34が存在している。残渣34がレジスト材料の場合には、図3(d)に示すように、残渣34が存在する部分の像LG3が暗くなるので、コンタクトホール23内に残渣34が存在すると判断できる。
【0049】
また、残渣34が第1半導体層膜20、第2半導体層膜21を構成する蛍光材料と異なる蛍光材料の場合には、第1半導体層膜20、第2半導体層膜21により得られるルミネッセンスの波長と異なる波長のルミネッセンスが得られるので、コンタクトホール23内に蛍光材料を含む残渣34が存在すると判断される。
【0050】
符号Q4で示すコンタクトホール23の場合には、コンタクトホール23の底部23bが第1半導体層膜20の奥部に存在している。従って、コンタクトホール23の底部23bに存在する第1半導体層膜20からのルミネッセンスによる蛍光像LG2とコンタクトホール23の奥部の壁を構成する第1半導体層膜20からのルミネッセンスによる蛍光像LG3とコンタクトホール23の壁を構成する第2半導体層膜21からのルミネッセンスによる蛍光像LG1とが得られる。従って、蛍光像LG3の強度と蛍光像LG1の強度とを比較することによって、コンタクトホール23が規格通りに形成されているか否かを判断できる。
【0051】
ここでは、信号処理部24は、電子レンズ14を制御して電子線Erの合焦位置を変更する機能を有する。
【0052】
図7の符号Q5、Q6で示すように、電子線Erがレジスト膜22の表面22aに集束しているときには、コンタクトホール23に電子線Erが照射されると、コンタクトホール23の底部23bでは符号Q7で示すように電子線Erが広がっているので、電子線Erによって励起される二次電子Erの量が少なく、かつ、コンタクトホール23からその外部に放出される二次電子Er’の量も少ないので、既述したように、コンタクトホール23の像27が周囲よりも暗く表示される(図4参照)。
【0053】
信号処理部24は、そのコンタクトホール23の位置を特定した後、荷電粒子検出モード(二次電子検出モード)から、ルミネッセンス検出モードに切り換えられる。信号処理部24は、光検出器33からの検出信号S2の出力に基づいてその検出信号S2が増大する方向に電子レンズ14を制御する。これによって、電子線Erが図8に示すようにコンタクトホール23の底部23bに合焦される。
【0054】
これによって、モニター26の画面には、図9に示すように、コンタクトホール23の鮮明な蛍光像LG4が得られる。
【0055】
すなわち、信号処理部24が、荷電粒子検出器25からの検出信号S1の出力レベルが所定値以上のときにウエハ18の表面への照射であると判定し、検出信号S1の出力レベルが所定値未満のときにコンタクトホール23への照射であると判断して、信号処理部24によって、電子レンズ14を制御して電子線Erの合焦位置を調節する構成とすれば、厚さが厚い試料の分析に好適でかつ凹部の形状が鮮明な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】試料の構造の一例を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係わる試料分析装置の要部構成を示す図である。
【図3】本発明に係わる試料の一例を示す図であって、(a)は試料に形成されている各種のコンタクトホールの拡大部分断面図、(b)はコンタクトホールがレジスト膜を貫通して第2半導体層膜に達しているが、第1半導体層膜には到達していない状態のときに得られる蛍光像を示す模式図、(c)はコンタクトホールがレジスト膜と第2半導体層膜とを貫通して第1半導体層膜の表面に丁度達した状態のときに得られる蛍光像を示す模式図、(d)はコンタクトホールがレジスト膜と第2半導体層膜とを貫通して第1半導体層膜の表面に達してはいるがコンタクトホールの内部に残渣が存在している状態のときに得られる蛍光像を示す模式図、(e)はコンタクトホールがレジスト膜と第2半導体層膜とを貫通して第1半導体層膜の表面から更に第1半導体層膜の奥部に達している状態のときに得られる蛍光像を示す模式図である。
【図4】荷電粒子の二次反射電子によって得られた像の一例を示す図である。
【図5】電子線の間欠照射の一例を示す模式図であって、(a)は電子線の間欠照射の期間を示す図であって、(b)は電子線の間欠照射によって発生したルミネッセンスの減衰特性を示す説明図である。
【図6】ルミネッセンスの波長と信号強度との関係を示すグラフである。
【図7】電子線が試料の表面に合焦している状態を示す模式図である。
【図8】電子線が試料のコンタクトホールの底部に合焦している状態を示す模式図である。
【図9】コンタクトホールの底部に合焦した電子線によって得られる蛍光像の模式図である。
【符号の説明】
【0057】
17…回転楕円反射鏡(集光反射鏡部)
18…ウエハ(試料)
24…信号処理部
25…荷電粒子検出器
33…光検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に部分的に凹部が存在する試料に荷電粒子を照射する照射系と、前記荷電粒子の照射に基づき前記試料の表面側から得られたルミネッセンスを集光する集光反射鏡部と、該集光反射鏡部に導かれたルミネッセンスを検出する光検出器と、前記試料の表面から反射された反射荷電粒子を検出する荷電粒子検出器と、該荷電粒子検出器の検出信号に基づき前記試料の形状を求めると共に前記光検出器の検出信号に基づき前記試料の材質を同定する信号処理部とを備え、
前記照射系は前記荷電粒子を前記試料に間欠的に照射するように制御され、前記信号処理部は前記荷電粒子の間欠照射終了時点から間欠照射開始時点までの期間における前記光検出器からの検出信号の減衰特性に基づき前記試料の同定を行うことを特徴とする試料分析装置。
【請求項2】
前記試料は、レジストが表面に設けられた半導体であり、前記凹部はコンタクトホールであることを特徴とする請求項1に記載の試料分析装置。
【請求項3】
前記減衰特性が前記荷電粒子の間欠照射終了時点において前記光検出器から得られた検出信号の値が所定値に減少するまでの減衰時間であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の試料分析装置。
【請求項4】
前記減衰特性が前記荷電粒子の間欠照射終了時点において前記光検出器から得られた検出信号が所定値に減少するまでの減衰時間であり、前記信号処理部は、該減衰時間が前記所定値と比較して小さい場合には前記コンタクトホールが規格に合致しないと判断し、該減衰時間が前記所定値と比較して大きい場合には前記コンタクトホールが規格に合致すると判断し、又は、該減衰時間が所定値と比較して大きい場合には前記コンタクトホールが規格に合致しないと判断し、前記減衰時間が前記所定値と比較して小さい場合には前記コンタクトホールが規格に合致すると判断することを特徴とする請求項2に記載の試料分析装置。
【請求項5】
前記ルミネッセンスは分光器又は分光プリズムによって分解されて前記光検出器に導かれ、該光検出器は波長毎に分解された検出信号を出力し、前記信号処理部は各波長毎に分解されたルミネッセンスの減衰時間に基づき前記試料の同定を行うことを特徴とする請求項3に記載の試料分析装置。
【請求項6】
前記照射系は前記荷電粒子の加速電圧を変更可能であり、前記信号処理部は前記加速電圧を加味して前記試料の同定を行うことを特徴とする請求項3に記載の試料分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−116246(P2008−116246A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297764(P2006−297764)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
【Fターム(参考)】