説明

誘導性負荷駆動装置および誘導性負荷駆動方法

【課題】 位置決め制御などで2つのモータを独立に駆動するような場合であっても、電源から供給される電流を平滑化するとともに、電源から大きな電流が供給される頻度を大幅に低減する。
【解決手段】 位相差が1/2波長の鋸波搬送波C、Dにもとづいて第1PWM制御信号生成部36、第2PWM制御信号生成部37が第1、第2PWM制御信号を生成し、該第1、第2PWM制御信号によって2つのDCモータを作動させることにより、どちらか一方のDuty比が50%を超えない限り、電源から2つのDCモータへの電流流入のタイミングが重なることがないので、双方のDuty比が刻々と変化するような場合であっても、電源から供給される電流を平滑化するとともに、電源から大きな電流が供給される頻度を大幅に低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの誘導性負荷に供給する電力の制御を行う誘導性負荷駆動装置および誘導性負荷駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、誘導性負荷(たとえばDCブラシ付きモータ)を正転反転する駆動回路として、いわゆるHブリッジによるパルス幅変調制御(以下、PWM制御と呼ぶ)が一般的である。システムによっては、2つのDCモータを各々独立に制御する必要があり、その場合にはHブリッジを二対装備することとなる。
複数の負荷をPWM制御によって駆動する場合、ハーネス容量やコネクタ接点容量、ノイズフィルタ、シャント抵抗定格などの低減のため、いくつかの技術が提案されている。
【0003】
特開2002−43910号公報は、抵抗負荷を想定したものであり、2つの負荷をそれぞれPWM制御によって同時に駆動する場合に、一方のPWM制御信号の立ち下がりと他方のPWM制御信号の立ち上がりとのタイミング、および一方のPWM制御信号の立ち上がりと他方のPWM制御信号の立ち下がりとのタイミングを一致させることで、電源から負荷へ流れる負荷電流の増加と減少とを相殺し、その変化率を小さくしようとするものである。
また特開2004−72592号公報は、上記特開2002−43910号公報の装置を誘導性負荷に適用した場合の問題点を解決するため、一方のPWM制御信号の立ち下がり開始タイミングと他方のPWM制御信号の立ち上がり終了タイミングとを一致させ、一方のPWM制御信号の立ち上がり終了タイミングと他方のPWM制御信号の立ち下がり開始タイミングとを一致させる構成が記載されている。
【特許文献1】特開2002−43910号公報
【特許文献2】特開2004−72592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の負荷の駆動装置においては、PWM制御信号のDuty比を固定(たとえば2個のDCモータのDuty比を50%に固定)して駆動する場合に、電源(たとえばバッテリ)から駆動回路に供給される電流を平滑化して、電流値の上限を低く抑える効果があるが、モータによる位置決め制御など2個のモータ電流が時々刻々と変化する、すなわち2個のモータを制御するPWM制御信号のDuty比が刻々と変化するような駆動装置に適用する場合には不向きであるといった問題があった。
【0005】
そこで本発明はこのような問題点に鑑み、位置決め制御などで2つのモータを独立に駆動するような場合、すなわち双方のモータのPWM制御信号のDuty比が刻々と変化するような場合であっても、電源から供給される電流を平滑化するとともに、電源から大きな電流が供給される頻度を大幅に低減することができる誘導性負荷駆動装置および誘導性負荷駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電源に接続される2つの誘導性負荷を各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動するため、第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部は、各々パルス幅変調制御におけるDuty比と鋸波搬送波とを比較することにより変調制御信号を生成するものであり、各々が用いる鋸波搬送波は、同一周波数であり、かつ一方の鋸波搬送波と他方の鋸波搬送波の位相が1/2波長ずれているものとした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、たとえば位置決め制御などで2つのモータを独立に駆動するような場合、すなわち、双方のDuty比が刻々と変化するような場合であっても、電源から供給される電流を平滑化するとともに、電源から大きな電流が供給される頻度を大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に本発明の実施の形態を実施例により説明する。
なお次に説明する各実施例は、本発明を各々独立に位置決め制御されるDCモータを駆動する誘導性負荷駆動装置に適用したものである。
まず、第1の実施例について説明する。
図1に、第1の実施例における全体構成を示す。
電源1からコントロールユニット2に供給された電圧は、フィルタ3と電流検出用抵抗4を介して、Hブリッジ回路5、6に印加される。
Hブリッジ回路5およびHブリッジ回路6は、それぞれ電界効果トランジスタ(FET)7〜10および電界効果トランジスタ(FET)11〜14で構成され、各電界効果トランジスタのスイッチングの組み合わせにより、DCモータ15、16に対し、モータを正転または逆転させる電流を供給する。
【0009】
Hブリッジ回路5を駆動する第1スイッチング素子駆動回路17は、電界効果トランジスタ7〜10のゲート端子に、マイクロコンピュータ19からの指令にもとづき、駆動電圧を印加する。同様に、Hブリッジ回路6を駆動する第2スイッチング素子駆動回路18は、電界効果トランジスタ11〜14のゲート端子に、マイクロコンピュータ19からの指令にもとづき、駆動電圧を印加する。
マイクロコンピュータ19は、図示しない外部の指令部より指示されたDCモータ15、16のそれぞれのモータ回転角指令値と、DCモータ15、16の回転角を検出するためのモータ回転角センサ22、23から出力されるモータ回転角信号と、DCモータ15、16へ流れるモータ電流を検出するモータ電流センサ24、25から出力されるモータ電流値信号とに応じて演算を行い、電界効果トランジスタ7〜14を駆動するためのPWM制御信号を生成し、第1スイッチング素子駆動回路17および第2スイッチング素子駆動回路18に印加する。
【0010】
次に、PWM制御信号を生成するマイクロコンピュータ19の内部処理について説明する。
図2は、マイクロコンピュータの内部構成を示す図であり、図3は、搬送波とDuty比とより得られるPWM制御信号を示す。
マイクロコンピュータ19は、図示しない指令部より出力されたDCモータ15に対するモータ回転角指令値を通信部26によって読み込み、DCモータ16に対するモータ回転角指令値を通信部27によって読み込む。
またDCモータ15のモータ回転角を検出するモータ回転角センサ22(図1参照)より出力されたモータ回転角信号をアナログ信号入力部28によって読み込み、DCモータ16のモータ回転角を検出するモータ回転角センサ23(図1参照)より出力されたモータ回転角信号をアナログ信号入力部30によって読み込む。
【0011】
モータ電流センサ24より出力されたモータ電流値信号をアナログ信号入力部29によって読み込み、モータ電流センサ25より出力されたモータ電流値信号をアナログ信号入力部31によって読み込む。
このように、通信部26、アナログ信号入力部28、29はDCモータ15に関する信号を読み込むものであり、通信部27、アナログ信号入力部30、31はDCモータ16に関する信号を読み込むものである。
【0012】
通信部26によって読み込まれたモータ回転角指令値とアナログ信号入力部28によって読み込まれたモータ回転角信号とが位置決めサーボ部32に入力される。
位置決めサーボ部32は、DCモータ15の実際のモータ回転角がモータ回転角指令値に追従するように、モータ電流指令値を算出する。
同様に、通信部27によって読み込まれたモータ回転角指令値とアナログ信号入力部30によって読み込まれたモータ回転角信号とが位置決めサーボ部33に入力され、位置決めサーボ33が、DCモータ16の実際のモータ回転角がモータ回転角指令値に追従するように、モータ電流指令値を算出する。
【0013】
位置決めサーボ部32によって算出されたモータ電流指令値と、アナログ信号入力部29によって読み込まれたモータ電流値とが電流制御部34に入力される。
電流制御部34は、DCモータ15に流れる実際のモータ電流値が位置決めサーボ部32によって算出されたモータ電流指令値に追従するように、DCモータ15をPWM制御するためのDuty比A(Duty比A=0〜1)を算出する。
同様に、位置決めサーボ部33によって算出されたモータ電流指令値と、アナログ信号入力部31によって読み込まれたモータ電流値とが電流制御部35に入力され、電流制御部35はDCモータ16に流れる実際のモータ電流値が位置決めサーボ部33によって算出されたモータ電流指令値に追従するように、DCモータ16をPWM制御するためのDuty比B(Duty比B=0〜1)を算出する。
これによって、図3に示すように変動するDuty比A、Bが得られる。
【0014】
搬送波生成部40は図3に示すように、たとえば周波数10kHz、振幅1の鋸波搬送波Cを生成し、第1PWM制御信号生成部36および位相調整器41へ出力する。
第1PWM制御信号生成部36は、DCモータ15を駆動する第1PWM制御信号S1を生成するものである。
具体的には、第1PWM制御信号生成部36の内部に備えられた比較器38によって、電流制御部34から入力されたDuty比Aと搬送波生成部40より入力された鋸波搬送波Cとの値を比較し、図3に示すようにDuty比A≧鋸波搬送波Cの場合にHighレベル、Duty比A<鋸波搬送波Cの場合にLowレベルとなる比較器出力を第1PWM制御信号S1として出力する。
第1PWM制御信号生成部36によって生成された第1PWM制御信号S1は、マイクロコンピュータ19より第1スイッチング素子駆動回路17へ向けて出力される。
【0015】
位相調整器41は、搬送波生成部40より入力された鋸波搬送波Cを1/2波長、すなわち50μsec位相をずらした鋸波搬送波D(図3参照)を生成するものである。
位相調整器41は生成した鋸波搬送波Dを第2PWM制御信号生成部37へ出力する。
第2PWM制御信号生成部37は、DCモータ16を駆動する第2PWM制御信号S2を生成するものである。
具体的には、第2PWM制御信号生成部37の内部に備えられた比較器39によって、電流制御部35から入力されたDuty比Bと位相調整器41より入力された鋸波搬送波Dとの値を比較し、図3に示すようにDuty比B≧鋸波搬送波Dの場合にHighレベル、Duty比B<鋸波搬送波Dの場合にLowレベルとなる比較器出力を第2PWM制御信号S2として出力する。
第2PWM制御信号生成部37によって生成された第2PWM制御信号S2は、マイクロコンピュータ19より第2スイッチング素子駆動回路18へ向けて出力される。
【0016】
第1スイッチング素子駆動回路17、第2スイッチング素子駆動回路18は、入力された第1、第2PWM制御信号S1、S2にもとづいてHブリッジ回路5、6を駆動し、DCモータ15、16を作動させる。
ここで、PWM制御によって誘導性負荷を駆動する場合には、Hブリッジ回路のスイッチング素子をON状態にしている場合に電源から負荷へ電流が流れ、Hブリッジ回路のスイッチング素子をOFF状態にしている場合(一対のON状態のスイッチング素子の一方をOFF状態にした場合)には、誘導性負荷のリアクタンス成分によってHブリッジ回路内を電流が還流し、電源からは電流が流れ込まない。
したがって、PWM制御信号を生成するための鋸波搬送波C、Dの位相差を1/2波長とすることで、どちらか一方のDuty比が50%を超えない限り、電源1からDCモータ15、16への電流流入のタイミングが重なることを回避することができる。
【0017】
本実施例は以上のように構成され、位相差が1/2波長の鋸波搬送波C、Dにもとづいて第1、第2PWM制御信号S1、S2を生成し、該第1、第2PWM制御信号S1、S2によってDCモータ15、16を作動させることにより、どちらか一方のDuty比が50%を超えない限り、電源1からDCモータ15、16への電流流入のタイミングが重なることがないので、双方のDuty比が刻々と変化するような場合であっても、電源1から供給される電流を平滑化するとともに、電源1から大きな電流が供給される頻度を大幅に低減することができる。
また電源1から大きな電流が供給される頻度が低減することにより、ハーネス容量やコネクタ接点容量、ノイズフィルタ、シャント抵抗定格などを設計する上で効果的である。
【0018】
なお本実施例においては、PWM制御信号を生成するための搬送波として鋸波搬送波Cを用いたが、これに代えて図4に示すように三角波搬送波Eを用いることもできる。
この場合には、搬送波生成部40によって生成された三角波搬送波EとDuty比Aとより第1PWM制御信号生成部36が第1PWM制御信号S3を生成し、三角波搬送波Eを位相調整器41によって1/2波長ずらして生成した三角波搬送波FとDuty比Bとより第2PWM制御信号生成部37が第2PWM制御信号S4を生成する。
この場合にも、実施例と同様に、どちらか一方のDuty比が50%を超えない限り、電源1からDCモータ15、16への電流流入のタイミングが重なることがないので、双方のDuty比が刻々と変化するような場合であっても、電源1から供給される電流を平滑化するとともに、電源1から大きな電流が供給される頻度を大幅に低減することができる。
【0019】
次に第2の実施例について説明する。
なお本実施例は、第1の実施例におけるマイクロコンピュータ19に代えて、内部構成が異なるマイクロコンピュータ19Aを用いたものであり、全体構成は図1に示す構成と同様であり説明を省略する。
次に、PWM制御信号を生成するマイクロコンピュータ19Aの内部処理について説明する。
図5は、マイクロコンピュータの内部構成を示す図であり、図6は、搬送波とDuty比とより得られるPWM制御信号を示す。
なおマイクロコンピュータ19Aは、第1の実施例におけるマイクロコンピュータ19内部の位相調整器41に代えて搬送波加工部41Aを用いたものである。
搬送波加工部41A以外の構成は、第1の実施例の図2に示す構成と同様であり、同一番号を付して説明を省略する。
【0020】
搬送波生成部40によって鋸波搬送波Cが生成され、鋸波搬送波Cが第1PWM制御信号生成部36および搬送波加工部41Aへ出力される。
搬送波加工部41Aは、搬送波生成部40が生成した単調増加を反復する鋸波搬送波Cから、単調減少を反復する鋸波搬送波Gを生成する。
具体的には、搬送波加工部41Aによって、
鋸波搬送波G=1−鋸波搬送波C
の演算を行うものである。
第2PWM制御信号生成部37は、鋸波搬送波GとDuty比Bとより第2PWM制御信号S6を生成して、第2スイッチング素子駆動回路18へ向けて出力し、また第1PWM制御信号生成部36は鋸波搬送波CとDuty比Aとより第1PWM制御信号S5を生成して、第1スイッチング素子駆動回路17へ向けて出力する。
【0021】
本実施例は以上のように構成され、第1、第2PWM制御信号S5、S6を単調増加を反復する鋸波搬送波C、単調減少を反復する鋸波搬送波Gにもとづいて生成することにより、双方のDuty比の合計が100%を超えない限り電源1からDCモータ15、16への電流流入のタイミングが重なることを回避することができる。
これにより、電源1から大きな電流が供給される頻度を、さらに大幅に低減することができる。
【0022】
次に第3の実施例について説明する。
なお本実施例は、第1の実施例におけるマイクロコンピュータ19に代えて、内部構成が異なるマイクロコンピュータ19Bを用いたものであり、全体構成は図1に示す構成と同様であり説明を省略する。
次に、PWM制御信号を生成するマイクロコンピュータ19Bの内部処理について説明する。
図7は、マイクロコンピュータの内部構成を示す図であり、図8は、搬送波とDuty比とより得られるPWM制御信号を示す。
なお本実施例におけるマイクロコンピュータ19Bは、第1の実施例におけるマイクロコンピュータ19内部の位相調整器41を削除し、Duty比加工部42と信号反転部43とを追加したものである。
他の構成は、第1の実施例の図2に示す構成と同様であり、同一番号を付して説明を省略する。
【0023】
搬送波生成部40によって鋸波搬送波Cが生成され、鋸波搬送波Cが第1PWM制御信号生成部36および第2PWM制御信号生成部37Bへ出力される。
第1PWM制御信号生成部36は、Duty比Aと鋸波搬送波Cとより第1PWM制御信号S7を生成する。
電流制御部35によって生成されたDuty比Bは、Duty比加工部42に入力され、Duty比加工部42においてDuty比BからDuty比B’が生成される。
具体的には、Duty比Bに対して1(100%)の補数を取るため、Duty比加工部42において、
Duty比B’=1−Duty比B
の演算を行うものである。
Duty比加工部42によって生成されたDuty比B’は第2PWM制御信号生成部37Bへ入力される。
【0024】
第2PWM制御信号生成部37Bは、比較器39と信号反転部43とを備える。
比較器39は、鋸波搬送波CとDuty比B’とを比較(比較方法は第1の実施例と同様とする)し、図7に示す比較器出力として信号反転部43へ入力される。
信号反転部43は、入力された比較器出力のレベル変換(HighレベルからLowレベル、またはLowレベルからHighレベルへの変換)を行い第2PWM制御信号S8を生成する。
第2PWM制御信号S8は、マイクロコンピュータ19より第2スイッチング素子駆動回路18へ向けて出力される。
【0025】
本実施例は以上のように構成され、Duty比A、Bのうち、一方のDuty比Bに対して1(100%)の補数となるDuty比B’を算出し、比較器39によってDuty比B’と鋸波搬送波Cとを比較して比較器出力を得た後、信号反転部43によって比較器出力のレベル変換を行って第2PWM制御信号S8を生成するので、双方のDuty比の合計が100%を超えない限り、電源1からDCモータ15、16への電流流入のタイミングが重なることを回避することができる。
これにより、電源1から大きな電流が供給される頻度を、さらに大幅に低減することができる。
【0026】
次に第4の実施例について説明する。
図9はその全体構成を示す。第1の実施例におけるマイクロコンピュータ19の代わりにマイクロコンピュータ19Cを備えるコントロールユニット2Cにより、DCモータ15、16を駆動する。
電源1からコントロールユニット2Cに供給された電圧が、フィルタ3と入力電流センサ44を介して、Hブリッジ回路5、6に印加される。入力電流センサ44のセンサ出力はマイクロコンピュータ19Cに入力される。
第1の実施例におけると同じく、Hブリッジ回路5およびHブリッジ回路6が、それぞれ電界効果トランジスタ(FET)7〜10および電界効果トランジスタ(FET)11〜14で構成される。
【0027】
Hブリッジ回路5を駆動する第1スイッチング素子駆動回路17は、電界効果トランジスタ7〜10のゲート端子に、マイクロコンピュータ19Cからの指令にもとづき、駆動電圧を印加する。同様に、Hブリッジ回路6を駆動する第2スイッチング素子駆動回路18は、電界効果トランジスタ11〜14のゲート端子に、マイクロコンピュータ19Cからの指令にもとづき、駆動電圧を印加する。各電界効果トランジスタのスイッチングの組み合わせにより、DCモータ15、16に対し、モータを正転または逆転させる電流が供給される。
その他の全体構成は図1に示す構成と同様であり説明を省略する。
【0028】
図10は、マイクロコンピュータ19Cの内部構成を示す図である。
マイクロコンピュータ19Cは、第1の実施例におけるマイクロコンピュータ19の構成において、搬送波生成部40と第2PWM制御信号生成部37の間の位相調整器41の代わりに、搬送波加工部41Aと位相調整器41Cを設けたものである。他の構成は第1の実施例の図2に示す構成と同様であり、同一番号を付して説明を省略する。
なお、上記構成は、第2の実施例のマイクロコンピュータ19Aに位相調整器41Cを付加したものに相当する。
【0029】
搬送波生成部40は先の図3に示すように、たとえば周波数10kHz、振幅1の単調増加する鋸波搬送波Cを生成し、第1PWM制御信号生成部36および搬送波加工部41Aへ出力する。
第1PWM制御信号生成部36は、内部に備えられた比較器38によって、電流制御部34から入力されたDuty比Aと搬送波生成部40より入力された鋸波搬送波Cとの値を比較し、Duty比A≧鋸波搬送波Cの場合にHighレベル、Duty比A<鋸波搬送波Cの場合にLowレベルとなる比較器出力を第1PWM制御信号S9として出力する。
搬送波加工部41Aは、搬送波生成部40が生成した単調増加を反復する鋸波搬送波Cを基に、
鋸波搬送波G=1−鋸波搬送波C
の演算を行い、単調減少を反復する鋸波搬送波Gを生成する。
【0030】
位相調整器41Cは、搬送波加工部41Aから出力される単調減少の鋸波搬送波Gの位相を所定時間だけオフセットさせて、鋸波搬送波Hとして第2PWM制御信号生成部37へ出力する。位相調整器41は、第1の実施例における位相調整器41が1/2波長ずらすのとは異なり、例えば搬送波周期の10%以内で、数%の単位で位相をずらすものである。
第2PWM制御信号生成部37は、電流制御部35から入力されたDuty比Bと鋸波搬送波Hとを比較して第2PWM制御信号S10を出力する。
入力電流センサ44で検出されるセンサ出力(すなわち電流値)は、第1、第2PWM制御信号S5、S7に対応し、したがってDCモータ15、16に流入する電流を示す。
【0031】
つぎに、位相調整器41Cによる鋸波搬送波Gの位相のオフセット要領について説明する。
まず、DCモータ15、16を駆動する第1、第2PWM制御信号S9、S10を、図11の(a)、(b)に示すように、それぞれDuty50%で出力する。このとき、図11の(c)に示すように、コントロールユニット2Cの入力電流(入力電流センサ44のセンサ出力)には、第1、第2PWM制御信号の切り替わり点にP1のようなピークが現れる。
これは、次の理由による。
すなわち、電界効果トランジスタなどのスイッチング素子には応答遅れがあり、パルス状の駆動信号を入力してもゲート容量などの影響で図12の(a)、(b)に示すように、出力電流(DCモータへの電流)は直ちには立ち上がらず、駆動信号をオフしたときも直ちには出力電流は停止しない。この結果、PWM制御による電流波形はほぼ一次遅れとなり、図12の(c)のようにDCモータ15、16に流入する電流が重なってしまって、コントロールユニット2Cの入力電流にピークPを形成することによる。なお、一般に出力の立ち上がり、立ち下がりの特性も異なる。
【0032】
そこで、位相調整器41Cでは、第2PWM制御信号S10のDuty比の減少、鋸波搬送波の位相の増減を順次行って、入力電流のピークが発生しない点を探索し、鋸波搬送波Hのオフセット値とする。
例えば、まず図13の(b)に示すように、DCモータ16を駆動する第2PWM制御信号S10のDuty比を45%に減少させて、コントロールユニット2Cの入力電流の状態をチェックする。ここで第1PWM制御信号S9は図13の(a)のようにDuty50%に保持する。
【0033】
ここで図13の(c)に示されるように、入力電流のピークがP1のまま変化がない場合は、図14の(a)、(b)に示すように、鋸波搬送波Hの鋸波搬送波Cに対する位相を搬送波周期の2.5%にまで進めてオフセットさせる。これにより、図14の(c)に示すように、コントロールユニット2Cの入力電流のピークがP2のように減少する。
続いてさらに、図15の(a)、(b)に示すように、鋸波搬送波Hの鋸波搬送波Cに対する位相を搬送波周期の5%にまで進める。ここで、図15の(c)のように入力電流のピークがP3のように再び増大した場合は、直前にピークが減少した位相差2.5%を適切な値として、搬送波周期の2.5%に相当する時間だけ鋸波搬送波Hをオフセットさせる。
【0034】
なお、上記鋸波搬送波の位相オフセットの設定は、例えばコントロールユニットの起動時などに実行することができる。すなわち、コントロールユニットの起動時においては、位置決めサーボ部32、33へモータ回転角信号を入力するモータ回転角センサ22、23の初期位置学習の際に、例えばモータに連結されたアクチュエータを一旦動作範囲の限界ストッパに当接させる。したがって、このときには、位相をずらした鋸波搬送波に基づく任意のPWM制御信号を、他に影響を与えることなく出力することができる。
【0035】
本実施例は以上のように構成され、単調増加を反復する鋸波搬送波Cと単調減少を反復する鋸波搬送波Gを基礎として第1、第2PWM制御信号を生成するので、第2の実施例と同様に、電源1からDCモータ15、16への電流流入のタイミングが重なることを回避して、電源1から大きな電流が供給される頻度を低減することができる。
そして、鋸波搬送波Cと第2PWM制御信号生成部37でDuty比Bと比較する鋸波搬送波Hとの間に所定時間相当のオフセット、すなわち位相差を持たせたものとしたので、Hブリッジ回路を形成する電界効果トランジスタの動作に応答遅れがあっても、電界効果トランジスタ間の応答遅れによる重なりの生じないタイミングで制御され、入力電流の上限を確実に低く抑えることができる。これは、立ち上がり、立ち下がりを含む諸特性が製品によってばらつく一般量産品の電界効果トランジスタを使用する場合にとくに大きな利点となる。
【0036】
また、鋸波搬送波Cと鋸波搬送波H間のオフセットについては、第1、第2PWM制御信号をそれぞれ予め設定した固定のDuty比としてDCモータ15、16を駆動開始し、コントロールユニット2Cの入力電流を入力電流センサ44を介して確認しながら、Duty比や位相差を調整して、入力電流のピークが低くなる位相差を選択するので、設定が容易である。
なお、本実施例では、オフセットの設定においてまず第2PWM制御信号S10のDuty比を45%に減少させ、位相を搬送波周期の2.5%単位で進めるものとしたが、Duty比の減少幅および位相の増減幅は、搬送波の周期やHブリッジ回路に用いる電界効果トランジスタの特性等に応じて任意に設定することができる。
【0037】
次に第5の実施例について説明する。
これは、第4の実施例におけるマイクロコンピュータ19Cの代わりにマイクロコンピュータ19Dを備えたもので、その他の全体構成は図9に示す構成と同様であり説明を省略する。
図16は、マイクロコンピュータ19Dの内部構成を示す図である。
マイクロコンピュータ19Dは、第1の実施例におけるマイクロコンピュータ19の構成において、第2PWM制御信号生成部37の代わりに、信号反転部43を備える第2PWM制御信号生成部37Bを用いるとともに、電流制御部35と第2PWM制御信号生成部37Bの間にDuty比加工部42を設けたものである。また、搬送波生成部40と第2PWM制御信号生成部37Bの間には位相調整器41Cを設けている。他の構成は第1の実施例の図2に示す構成と同様であり、同一番号を付して説明を省略する。
上記構成は、第3の実施例のマイクロコンピュータ19Bに位相調整器41Cを追加したものに相当する。
【0038】
第1PWM制御信号生成部36へは搬送波生成部40からの鋸波搬送波Cと電流制御部34からのDuty比A(Duty比A=0〜1)が入力される。第1PWM制御信号生成部36は、Duty比Aと鋸波搬送波Cとを内部の比較器38によって比較して、Duty比A≧鋸波搬送波Cの場合にHighレベル、Duty比A<鋸波搬送波Cの場合にLowレベルとなる第1PWM制御信号S11を生成する。
【0039】
位相調整器41Cは、搬送波生成部40より入力された鋸波搬送波Cを所定時間相当だけオフセットさせた位相の鋸波搬送波Jを生成して、第2PWM制御信号生成部37Bへ出力する。
Duty比加工部42では、電流制御部35によって生成されたDuty比B(Duty比B=0〜1)から次式の演算によりDuty比B’が生成される。
Duty比B’=1−Duty比B
Duty比加工部42によって生成されたDuty比B’は第2PWM制御信号生成部37Bへ入力される。
第2PWM制御信号生成部37Bでは、Duty比B’と鋸波搬送波Jとを内部の比較器39によって比較して、Duty比B’≧鋸波搬送波Jの場合にHighレベル、Duty比B’<鋸波搬送波Jの場合にLowレベルとなる信号を生成し、この信号を信号反転部43で反転させて第2PWM制御信号S12として出力する。
【0040】
本実施例は以上のように構成され、第3の実施例と同様に、Duty比A、Bのうち、一方のDuty比Bに対して1(100%)の補数となるDuty比B’を算出し、比較器39によってDuty比B’と鋸波搬送波Jとを比較して比較器出力を得た後、信号反転部43によって比較器出力のレベル変換を行って第2PWM制御信号S12を生成するので、双方のDuty比の合計が100%を超えない限り、原理的に電源1からDCモータ15、16への電流流入のタイミングが重なることを回避することができる。
そしてさらに、鋸波搬送波Cと鋸波搬送波Jの間に所定時間のオフセットを持たせたものとしたので、Hブリッジ回路を形成する電界効果トランジスタの動作に応答遅れがあっても、電界効果トランジスタ間の応答遅れによる重なりの生じないタイミングで制御され、入力電流の上限を確実に低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1の実施例の全体構成を示す図である。
【図2】第1の実施例におけるマイクロコンピュータの内部構成を示す図である。
【図3】第1の実施例における搬送波とDuty比とより得られるPWM制御信号を示す図である。
【図4】変形例における搬送波とDuty比とより得られるPWM制御信号を示す図である。
【図5】第2の実施例におけるマイクロコンピュータの内部構成を示す図である。
【図6】第2の実施例における搬送波とDuty比とより得られるPWM制御信号を示す図である。
【図7】第3の実施例におけるマイクロコンピュータの内部構成を示す図である。
【図8】第3の実施例における搬送波とDuty比とより得られるPWM制御信号を示す図である。
【図9】第4の実施例の全体構成を示す図である。
【図10】第4の実施例におけるマイクロコンピュータの内部構成を示す図である。
【図11】搬送波の位相オフセットの要領を示す図である。
【図12】電界効果トランジスタの応答遅れを示す説明図である。
【図13】搬送波の位相オフセットの要領を示す図である。
【図14】搬送波の位相オフセットの要領を示す図である。
【図15】搬送波の位相オフセットの要領を示す図である。
【図16】第5の実施例におけるマイクロコンピュータの内部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 電源
2、2C コントロールユニット
5、6 Hブリッジ回路
7〜14 電界効果トランジスタ
15、16 DCモータ (誘導性負荷)
17 第1スイッチング素子駆動回路
18 第2スイッチング素子駆動回路
19、19A、19B、19C、19D マイクロコンピュータ
26、27 通信部
28〜31 アナログ信号入力部
32、33 位置決めサーボ部
34、35 電流制御部
36 第1PWM制御信号生成部 (第1パルス幅変調制御信号生成部)
37、37B 第2PWM制御信号生成部 (第2パルス幅変調制御信号生成部)
38、39 比較器
40 搬送波生成部
41 位相調整器
41A 搬送波加工部
41C 位相調整器(搬送波位相調整手段)
42 Duty比加工部
43 信号反転部
44 入力電流センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に接続される2つの誘導性負荷を各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動するための変調制御信号を生成する、第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部を備えた誘導性負荷駆動装置において、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部は、各々パルス幅変調制御におけるDuty比と鋸波搬送波とを比較することにより前記変調制御信号を生成し、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波は、同一周波数であり、かつ一方の鋸波搬送波と他方の鋸波搬送波の位相が1/2波長ずれていることを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
【請求項2】
電源に接続される2つの誘導性負荷を各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動するための変調制御信号を生成する、第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部を備えた誘導性負荷駆動装置において、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部は、各々パルス幅変調制御におけるDuty比と三角波搬送波とを比較することにより前記変調制御信号を生成し、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部が用いる三角波搬送波は、同一周波数であり、かつ一方の三角波搬送波と他方の三角波搬送波の位相が1/2波長ずれていることを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
【請求項3】
電源に接続される2つの誘導性負荷を各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動するための変調制御信号を生成する、第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部を備えた誘導性負荷駆動装置において、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部は、各々パルス幅変調制御におけるDuty比と鋸波搬送波とを比較することにより前記変調制御信号を生成し、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波は、同一周波数であり、かつ一方の鋸波搬送波は単調増加の反復であり、他方の鋸波搬送波は単調減少の反復であることを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
【請求項4】
電源に接続される2つの誘導性負荷を各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動するための変調制御信号を生成する、第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部を備えた誘導性負荷駆動装置において、
パルス幅変調制御におけるDuty比に対して1の補数を算出するDuty比加工部を有し、
前記第2パルス幅変調制御信号生成部は、HighレベルからLowレベルまたはLowレベルからHighレベルへの信号のレベル反転を行う信号反転部を備え、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部は、同一周波数、かつ同一位相の鋸波搬送波を用い、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部は、パルス幅変調制御におけるDuty比と前記鋸波搬送波とを比較することにより前記変調制御信号を生成し、
前記第2パルス幅変調制御信号生成部は、前記Duty比加工部によって算出された値と前記鋸波搬送波とを比較することにより得られた信号を前記信号反転部によって信号のレベル反転を行い、該レベル反転させた信号を前記変調制御信号として生成することを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
【請求項5】
電源に接続される2つの誘導性負荷を各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動するための変調制御信号を生成する、第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部を備えた誘導性負荷駆動装置において、
前記第2パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波を第1パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波に対して所定時間に相当する位相だけオフセットさせる搬送波位相調整手段を有し、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波は、同一周波数であり、かつ一方の鋸波搬送波は単調増加の反復であり、他方の鋸波搬送波は単調減少の反復であり、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部は、パルス幅変調制御におけるDuty比と鋸波搬送波とを比較することにより前記変調制御信号を生成し、
前記第2パルス幅変調制御信号生成部は、パルス幅変調制御におけるDuty比と前記位相をオフセットさせた鋸波搬送波とを比較することにより前記変調制御信号を生成することを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
【請求項6】
電源に接続される2つの誘導性負荷を各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動するための変調制御信号を生成する、第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部を備えた誘導性負荷駆動装置において、
パルス幅変調制御におけるDuty比に対して1の補数を算出するDuty比加工部と、
前記第2パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波を第1パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波に対して所定時間に相当する位相だけオフセットさせる搬送波位相調整手段とを有し、
前記第2パルス幅変調制御信号生成部は、HighレベルからLowレベルまたはLowレベルからHighレベルへの信号のレベル反転を行う信号反転部を備え、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部が用いる鋸波搬送波は、同一周波数であり、
前記第1パルス幅変調制御信号生成部は、パルス幅変調制御におけるDuty比と鋸波搬送波とを比較することにより前記変調制御信号を生成し、
前記第2パルス幅変調制御信号生成部は、前記Duty比加工部によって算出された値と前記位相をオフセットさせた鋸波搬送波とを比較することにより得られた信号を前記信号反転部によって信号のレベル反転を行い、該レベル反転させた信号を前記変調制御信号として生成することを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
【請求項7】
前記搬送波位相調整手段は、前記誘導性負荷を各々予め定めた固定Duty比で駆動した状態から、当該誘導性負荷に流入する電流値を監視しながら一方のDuty比と位相差を調整して、前記電流値のピークを低減させる位相差を求め、該位相差を前記位相のオフセット量とするものであることを特徴とする誘導性負荷駆動装置。
【請求項8】
第1パルス幅変調制御信号生成部および第2パルス幅変調制御信号生成部が、各々同一周波数、かつ位相が1/2波長ずれた鋸波搬送波を用いて、該鋸波搬送波とパルス幅変調制御におけるDuty比とを比較することにより各々変調制御信号を生成し、該変調制御信号を用いて、電源に接続される2つの誘導性負荷を、各々独立してHブリッジ回路によりパルス幅変調制御方式を用いて駆動することを特徴とする誘導性負荷駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−141192(P2006−141192A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−138529(P2005−138529)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】