説明

超音波洗浄装置

【課題】異物除去の効率を向上できる超音波洗浄装置を提供する。
【解決手段】洗浄装置1は、超音波を発する振動子11と、紫外線を通過する材料により形成され、振動子11が発する超音波を、異物と化学反応する機能水3によって覆われた基板表面2aに対して、基板表面2aに対向するように配置されたホーン底部13から伝達するホーン部12と、ホーン部12の内部に配置され、UV光を発光するUV光源20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被洗浄物の異物を除去する超音波洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、オゾン水等の機能水を基板に滴下させて、基板を超音波で振動させながら、紫外線を照射することにより、基板に付着したレジスト等の異物を除去するレジスト除去装置があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のレジスト除去装置は、異物除去の効率を向上しようとして、紫外線を照射するランプを基板近傍まで近づけると、飛散した機能水がランプに付着し、ランプが損傷してしまう場合があった。このため、従来のレジスト除去装置は、飛散した機能水が付着しない程度まで、ランプを基板から離す必要があるため、異物除去の効率向上には限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−337432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、異物除去の効率を向上できる超音波洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
請求項1の発明は、超音波を発する振動子(11)と、紫外線を通過する材料により形成され、前記振動子が発する超音波を、異物と化学反応する機能水(3)によって覆われた被洗浄物(2)に対して、前記被洗浄物の表面(2a)に対向するように配置された底面(13)から伝達する振動伝達部(12)と、前記振動伝達部の内部に配置され、紫外線を発光する紫外線発光部(20)と、を備える超音波洗浄装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の洗浄装置において、前記振動伝達部(12)は、一端側(12a)に前記振動子(11)が配置され、前記振動子の発する超音波を前記一端側とは異なる端部である他端側(12b)へと通過させる中実体であること、を特徴とする超音波洗浄装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の洗浄装置において、前記中実体(212)は、前記一端側(212a)から前記他端側(212b)に至る程、径が大きくなるホーン形状であり、前記紫外線発光部(220)が発光した紫外線を、前記筒体内部に反射する反射面(216)を備えること、を特徴とする超音波洗浄装置である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の洗浄装置において、前記機能水(3)を前記被洗浄物(2)の表面(2a)に供給する機能水供給部(5)と、前記被洗浄物を回転可能に載置し、前記機能水供給部が前記被洗浄物の表面に供給した前記機能水を前記表面よりも回転径の外径側に流出させる回転テーブル(6)とを備えること、を特徴とする超音波洗浄装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、紫外線発光部が、振動伝達部の内部に配置されているので、機能水が紫外線発光部に付着することがないため、紫外線発光部を被洗浄物の近くに配置できる。これにより、被洗浄物及び被洗浄物を覆う機能水に対して、より強い紫外線を照射できるので、洗浄効果を向上できる。
また、本発明は、紫外線発光部が発光した紫外線が、被洗浄物及び被洗浄物を覆う機能水に到達するときに、振動伝達部が妨げにならないので、振動伝達部を大型化できるため、洗浄効果を向上できる。
さらに、本発明は、被洗浄物及び被洗浄物を覆う機能水に対して、紫外線の照射と同時に振動させることができるので、洗浄効果を向上できる。
【0008】
(2)本発明は、振動伝達部が、振動子の超音波を通過させる中実体であるので、中実体を利用して、紫外線発光部を配置できる。
(3)本発明は、中実体がホーン形状であり反射面を備えるので、超音波の拡大に利用するホーン形状を、紫外線を被洗浄物に向けて集光するためにも利用できる。
(4)本発明は、機能水供給部と、被洗浄物に供給した機能水を流出させる回転テーブルとを備えるので、機能水を被洗浄物に供給し、また供給した機能水を排出できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1実施形態の洗浄装置1の断面図、振動装置10の拡大図である。
【図2】第1実施形態の洗浄工程を説明する断面図である。
【図3】比較例である従来の洗浄装置101の断面図である。
【図4】第2実施形態の洗浄装置201の断面図である。
【図5】第3実施形態の洗浄装置301の断面図である。
【図6】第4実施形態の洗浄装置401の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の洗浄装置1の断面図(図1(a))、振動装置10の拡大図(図1(b)、図1(c))である。
図1(a)の切断面は、回転テーブル6の回転軸を通る面である。
図1(b)は、図1(a)に示す振動装置10を拡大して示す断面図である。
図1(c)は、図1(b)のc−c部矢視断面図である。
なお、以下の説明及び図面において、図1(a)に示すように、回転テーブル6に基板2を載置した状態において、基板表面2aの法線方向が上側を向くように配置した状態での鉛直方向を鉛直方向Zとし、また、基板2及び回転テーブル6の径方向を径方向Rとする。
【0011】
洗浄装置1(超音波洗浄装置)は、基板2(被洗浄物)の表面2aに機能水3を供給して、基板2を超音波で振動させながら、UV光(紫外線)を照射して、基板2に付着した有機物等の異物を除去する装置である。
基板2は、円板状の部材であり、例えば、半導体のシリコンウエハ、液晶表示装置用のガラス基板等である。基板2は、洗浄時には、被洗浄部である表面2aが異物と化学反応する機能水3によって覆われる。
機能水3は、有機物等と化学反応して有機物等を分解できるものであればよく、本実施形態では、オゾン水を用いている。
有機物等の異物は、例えば、シリコンウエハのレジスト等である。
【0012】
洗浄装置1は、機能水供給部5と、回転テーブル6と、振動装置10(振動部)と、UV光源20(紫外線発光部)とを備えている。
機能水供給部5は、機能水3を基板表面2aに供給する装置である。
機能水供給部5は、機能水3の貯留槽(図示せず)から送り出された機能水3を、基板表面2aのほぼ中心に供給する管5aを備えている。
回転テーブル6は、基板2を回転可能に載置するテーブルである。回転テーブル6が回転することにより、基板表面2aに供給された機能水3は、遠心力の作用により、基板表面2aから径方向外側R2(回転径の外径側)に流出、排出される。
【0013】
振動装置10は、振動子11と、ホーン部12(振動伝達部)と、ブッシュ14とを備えている。振動装置10は、振動装置昇降駆動装置(図示せず)により、鉛直方向Zに移動可能に支持される。
振動子11は、超音波を発振する超音波振動子であり、例えば圧電素子等である。
ホーン部12は、小径側12a(一端側)から、小径側12aとは異なる端部である大径側12b(他端側)に至る程、径が大きくなるホーン形状に形成された中実体である。ホーン部12は、UV光が通過するのに適した透明な材料、かつ、振動を伝達するのに適した材料、例えば石英等により形成される。
ホーン部12は、小径側12aの端部に振動子11が配置され、振動子11が発する超音波を拡大しながら、大径側12bへと通過させる。
【0014】
ホーン部12の小径側12aには、振動子11が配置されている。
ホーン部12の大径側12bのホーン底部13(底面)は、ホーン部12を通過してきた超音波が伝達される平面状の部分である。このため、ホーン部12は、ホーン底部13の基板2側とは反対側の中実体の領域である内部領域A1と、内部領域A1の外部の領域である外部領域A2とを仕切ることができる。
ホーン底部13は、基板表面2aに対向し、かつ、基板表面2aに平行である。また、ホーン部12は、中心軸12cが径方向内側R1に向かう程下側Z1に傾斜するように配置されている。つまり、ホーン部12は、ホーン底部13の面積が大きくなるように、配置されている。
これにより、ホーン底部13は、振動子11が発する超音波を、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に、より広範囲に渡って伝達できる。
【0015】
UV光源20は、UV光を発光する球状の発光源である。UV光源20は、ホーン部12の内部領域A1に配置され、ホーン部12に一体的に形成される。このため、振動装置昇降装置(図示せず)によって振動装置10が駆動されると、UV光源20は、振動装置10と一体で駆動される。
UV光源20が発光するUV光の波長は、例えば、172nm、222nm等である。UV光源20は、AC電源等から電気配線15を介して電力が供給される。
【0016】
図1、図2を参照して、洗浄装置1の動作について説明する。
図2は、第1実施形態の洗浄工程を説明する断面図である。
なお、以下の工程は、洗浄装置1の制御部(図示せず)が自動で行っても、作業者が洗浄装置1の各駆動装置を操作して行ってもよい。
(1)準備工程
図1に示すように、基板2を回転テーブル6に載置して、回転テーブル6を回転し、機能水供給部5から基板表面2aに機能水3を供給する。例えば、機能水3は、基板表面2aを厚さ3mm程度覆うように供給される。
基板表面2aに供給された機能水3は、基板表面2aから径方向外側R2に流出される。
【0017】
(2)振動装置降下工程
図2(a)に示すように、振動装置昇降装置を駆動して振動装置10を降下させて、基板表面2aの近傍に配置する。振動装置10の降下位置は、ホーン底部13が基板表面2aに覆われた機能水3に接触する程度であり、例えば、基板表面2aから2mm程度の位置に配置される。
【0018】
(3)振動照射工程
図2(b)に示すように、振動装置10の超音波の発振を開始する。振動子11の振動は、ホーン部12により拡大されて、ホーン底部13に伝達される。そして、ホーン底部13が振動して、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に、振動を伝達する。
またUV光源20の照射を開始する。ホーン底部13は、石英等により形成されるので、UV光源20が発光したUV光は、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に到達する。
これにより、基板表面2aに付着した異物を除去できる。異物の除去は、主に、UV光及び機能水3の作用により基板表面2aの異物の分解を促進し、超音波の作用により分解した異物を基板表面2aから浮き上がらせることによるものと考えられる。また、基板表面2aから浮いた異物は、機能水3と一緒に基板表面2aから径方向外側R2に流出し排出される。
【0019】
(4)基板搬出工程
基板2の洗浄が終了したら、振動装置昇降駆動装置を駆動して振動装置10を上昇させて、各駆動装置を駆動停止し、基板搬出装置(図示せず)により洗浄後の基板2を、回転テーブル6から搬出する。
以上により、基板2の洗浄が終了する。
【0020】
(比較例)
図3は、比較例の洗浄装置101の断面図である。
なお、比較例の洗浄装置101の説明及び図面において、第1実施形態の洗浄装置1と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
比較例の洗浄装置101では、UV光源120は、ホーン部112の外側の外部領域A102に配置され、このため、洗浄時に飛散した機能水3が付着することを防止するために、基板2からの高さが第1実施形態のUV光源20よりも高くなるように、配置されている。
【0021】
このため、比較例の洗浄装置101では、UV光が、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に到達するまでに減衰してしまい、基板2の洗浄効果の向上に限界がある。
これに対して、本実施形態の洗浄装置1は、UV光源20が内部領域A1、つまり中実体であるホーン部12によって密閉された空間に配置されている。このため、基板2の近傍までUV光源20を近づけることができ、比較例よりも強いUV光を基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に照射できるので、洗浄効果を向上できる。
【0022】
また、比較例の洗浄装置101では、UV光源120からのUV光の一部は、ホーン部112及び振動伝達部材113が妨げになり、基板2等に到達することができない(範囲θ参照)。このため、ホーン部112及び振動伝達部材113の大きさが制限されてしまい、このことも、基板2の洗浄効果を向上できない理由であった。
これに対して、本実施形態の洗浄装置1は、UV光源20からのUV光が、ホーン底部13を通過して基板2等に到達する。このため、ホーン部12を大型にして、ホーン底部13の面積を大きくすれば、基板表面2a等へのUV光の照射面積を大きくできるし、また、この場合であっても、ホーン底部13から基板表面2a等に振動を伝達できる。つまり、UV光の照射及び振動の伝達の両方の効率を向上でき、洗浄効果を向上できる。
【0023】
さらに、比較例の洗浄装置101では、基板表面2aのうち、UV光源120からのUV光を照射する範囲A103と、振動伝達部材113が振動を伝える範囲A104が離間している。このため、基板表面2aは、基板2が回転することにより、一定時間の間隔をおいて、UV光の照射及び振動の伝達が交互に繰り返される。しかし、UV光の照射及び機能水3の作用により、基板2の異物が分解されて基板表面2aから浮き上がっても、このように一定時間をおくと、その異物は、基板2に再付着してしまう可能性がある。
これに対して、本実施形態の洗浄装置1は、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に対して、UV光の照射、振動の伝達を同時に行うことができるので、分解した異物の基板2への再付着を防止できるため、洗浄効果を向上できる。
【0024】
以上説明したように、本実施形態の洗浄装置1は、UV光源20がホーン部12の内部領域A1に配置されている。このため、UV光源20に機能水3が付着することがなく、UV光源20の損傷を防止でき、また基板2の洗浄効果を向上できる。
【0025】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用した洗浄装置の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図4は、第2実施形態の洗浄装置201の断面図(図1(b)に相当する図)である。
ホーン部212は、外周面に、UV光源220が発光したUV光を反射する反射面216を有している。つまり、ホーン部212の外周面には、金属等が蒸着された反射面216が形成されている。ホーン部212は、ホーン形状であるので、反射面216は、UV光源220から発光されたUV光を、ホーン部212の内側に向けて反射するため、大径側212bに向けて効率よく反射できる。
【0026】
すなわち、UV光源220を点光源とすれば、UV光源220が発光するUV光のうち、UV光源220の中心を通り外周面に直交する垂線の足220aよりも基板2側に入光した光線は、光線L1のように大径側212b(基板2側)に向かって反射して基板表面2a等に到達し、又は光線L2のように反射を繰り返して基板表面2a等に到達する。
また、UV光源220が発光するUV光のうち垂線の足220aよりも小径側212a(振動子211側)に入光した光線の多くは、光線L3のように、反射面216での反射を繰り返して、大径側212bに向かう。
【0027】
以上説明したように、本実施形態の振動装置210は、ホーン部212に反射面216を備えるので、超音波の拡大に利用するホーン形状を利用して、UV光を基板2に向けて集光し、洗浄効果を向上できる。
【0028】
なお、反射面216は、UV光源220からのUV光を、基板2側に向けて反射できるものであればその形態は限定されない。例えば、反射面216は、ホーン形状の反射板を、ホーン部212の内部に配置したものでもよい。さらに、ホーン部212を筒体で形成する場合には、反射面216は、ホーン部212の外周面ではなく、内周面に設けてもよい。
【0029】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用した洗浄装置の第3実施形態について説明する。
図5は、第3実施形態の洗浄装置301の断面図(図1(a)に相当する図)である。
洗浄装置301は、2つの振動装置310を備えている。これにより、UV光を妨げることなく、基板表面2aの処理面積、つまりUV光の照射面積かつ振動を伝達する面積を多く確保できるので、洗浄効果を向上できる。
なお、洗浄効果を一層向上できるように、洗浄装置301は、振動装置の数を3つ以上備えていてもよい。また、第2実施形態と同様に、ホーン部312に反射面を設けてもよい。
【0030】
(第4実施形態)
次に、本発明を適用した洗浄装置の第4実施形態について説明する。
図6は、第4実施形態の洗浄装置401の断面図である。
図6(a)は、図1(b)に相当する断面図である。
図6(b)は、図6(a)のb−b部矢視断面図である。
図6(c)は、図6(a)のc−c部矢視断面図である。
洗浄装置401は、振動装置410と、UV光源420とを備えている。
【0031】
振動装置410は、振動子411と、振動伝達部412とを備えている。
振動子411は、直方体である。
振動伝達部412は、石英等により形成された中実体である。振動伝達部412は、上側Z2に振動子411が取り付けられている。振動伝達部412は、ホーン形状ではなく、直方体である。振動伝達部412は、鉛直方向Zから見たときの断面積(図6(c)参照)が、UV光源420を収容できる程度の大きさであり、つまり、テーブルの回転方向の厚みが薄い直方体である。
UV光源420は、円柱状であり、振動伝達部412内に配置されている。
【0032】
以上の構成により、振動子411の振動は、振動伝達部412内を伝達し、振動伝達部底部413から、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に伝達する。
また、UV光源420が発したUV光は、振動伝達部412内を通過し振動伝達部底部413から、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に到達する。このとき、UV光源420が円柱状であり、振動伝達部412の断面積がUV光源420を収容できる程度の大きさであるので、UV光源420が発したUV光は、ほぼ均一な強さで、基板表面2a及び基板表面2aを覆う機能水3に到達する(図6(a)に示す光線L401参照)。
【0033】
以上説明したように、本実施形態の振動装置410は、振動伝達部412がホーンではなくても、UV光を基板2等に向けて均一に照射して、洗浄効果を向上できる。
なお、振動伝達部412は、第2実施形態と同様に、側面に反射面を設けて、UV光が外部に漏れないようにして、基板2等への照射効率を向上してもよい。
【0034】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0035】
(変形形態)
(1)実施形態において、振動装置の内部領域には、1つのUV光源が設けられた例を示したが、これに限定されない。例えば、ホーン部及び振動伝達部を大型にする場合には、内部領域に、複数のUV光源を設けてもよい。これにより、基板の表面等に到達する単位面積当たりのUV光の光量を維持しながら、振動伝達部を大型にできるので、基板の洗浄効果を向上できる。
【0036】
(2)本実施形態において、洗浄装置は、振動子の振動を、振動伝達部内部を伝達させてその底部に伝達する例を示したが、これに限定されない。例えば、振動子を振動伝達部の底部に接着して、底部を直接振動させてもよい。
【0037】
(3)本実施形態において、UV光源は、球状、円柱状である例を示したが、これに限定されない。例えば、面発光タイプのUV光源を利用してもよい。
【0038】
(4)本実施形態において、洗浄装置は、基板の表面の法線方向が鉛直方向になるように基板を配置する例を示したが、これに限定されない。洗浄装置は、必要に応じて、基板の表面の法線方向が他の方向(例えば水平方向等)に向くように、配置してもよい。
また、基板の表面に供給した機能水が排出できる構成(例えば、基板の表面の法線方向が水平方向等を向くように配置し、機能水が重力により自然に落下する構成等)であれば、回転テーブルを設けなくてもよい。この場合、洗浄装置は、構成を簡単にできる。
【符号の説明】
【0039】
1,201,301,401 洗浄装置
2 基板
3 機能水
5 機能水供給部
6 回転テーブル
10,210,310,410 振動装置
11,211,411 振動子
12,212,312 ホーン部
13 ホーン底部
20,220,420 UV光源
216 反射面
412 振動伝達部
413 振動伝達部底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を発する振動子と、
紫外線を通過する材料により形成され、前記振動子が発する超音波を、異物と化学反応する機能水によって覆われた被洗浄物に対して、前記被洗浄物の表面に対向するように配置された底面から伝達する振動伝達部と、
前記振動伝達部の内部に配置され、紫外線を発光する紫外線発光部と、
を備える超音波洗浄装置。
【請求項2】
請求項1に記載の洗浄装置において、
前記振動伝達部は、一端に前記振動子が配置され、前記振動子の発する超音波を前記一端とは異なる端部である他端側へと通過させる中実体であること、
を特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項3】
請求項2に記載の洗浄装置において、
前記中実体は、
前記一端側から前記他端側に至る程、径が大きくなるホーン形状であり、
前記紫外線発光部が発光した紫外線を、前記筒体内部に反射する反射面を備えること、
を特徴とする超音波洗浄装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の洗浄装置において、
前記機能水を前記被洗浄物の表面に供給する機能水供給部と、
前記被洗浄物を回転可能に載置し、前記機能水供給部が前記被洗浄物の表面に供給した前記機能水を前記表面よりも回転径の外径側に流出させる回転テーブルとを備えること、
を特徴とする超音波洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−212546(P2011−212546A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81629(P2010−81629)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】