説明

車両の制御装置

【課題】 より安全に、且つ滑らかに車両を走行させることができるようにする。
【解決手段】 制御装置14の抑速手段は、ハンドル10の操作速度と転舵輪4の回転角度のそれぞれに基づいて最高走行速度を求め、両者を比較し、より小さい方を走行駆動制御手段に伝える。走行駆動制御手段は、実速度検出手段で検出される実走行速度が最高走行速度を超えていなければ、実走行速度が目標速度設定手段で設定される目標走行速度と一致するよう走行駆動装置12を制御し、超えていれば、実走行速度が最高走行速度と一致するよう走行駆動装置12を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の挙動を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多くの車両には走行方向を制御するためのステアリングシステムが備えられ、運転者がハンドルを操作することで転舵輪を回転させて走行できるようになされている。フォークリフトのような車両では、転舵輪を大きく回転させることができるようにして小回りでの旋回走行を可能としているが、このような旋回走行中の車速(走行速度)が速すぎると車体に作用する遠心力により車体が不安定になるおそれがある。そこで、例えば特許文献1に示すように、転舵輪の回転角度や回転角速度に応じて車速を制限する技術が提案されている。又、走行中に急激にハンドルを操作した場合も同様に車体が不安定になるおそれがあることから、例えば特許文献2に示すように、ハンドルの操作速度に応じて車速を制限する技術が提案されている。
【0003】
ところで、ステアリングシステムとして、例えば特許文献3に示すように、ハンドルと転舵輪との機械的な連結構造を廃した、いわゆるステアバイワイヤシステムがある。このシステムでは、例えばハンドルの操作角度と転舵輪の回転角度とに基づいて、転舵輪を回転させる駆動装置を作動させることが行われる。
【0004】
【特許文献1】特開昭61−92931号公報
【特許文献2】特開平11−310399号公報
【特許文献3】特開2001−30935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、上記特許文献1の技術のように、転舵輪の回転角度に応じた車速制限と、転舵輪の回転角速度に応じた車速制限とを組み合わせて行うようにすれば、より安全性を高めることができる。しかしながら、組み合わせ方が適切でないと、十分な効果が得られなかったり、実際の車両の挙動がぎこちないものになってしまったりすることが考えられる。
【0006】
そこで本発明は、従来の技術に比べ、より安全に、且つ滑らかに車両を走行させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明は、転舵輪を回転させる操舵駆動装置をハンドルの操作に応じて制御すると共に、駆動輪を回転させる走行駆動装置をアクセルの操作に応じて制御する車両の制御装置であって、上記ハンドルの操作速度を検出する操作速度検出手段と、上記転舵輪の、直進方向を向いた状態からの回転角度を検出する回転角度検出手段とを備えると共に、上記アクセルの操作量に応じて当該車両の目標走行速度を設定する目標速度設定手段と、上記操作速度及び上記回転角度に応じて最高走行速度を抑制する抑速手段と、当該車両の実走行速度を検出する実速度検出手段と、上記走行駆動装置を制御する走行制御手段とを備え、上記抑速手段は、上記操作速度及び上記回転角度の何れかが大きくなるほど上記最高走行速度を小さな値とするものであり、上記走行制御手段は、上記実走行速度が抑制された上記最高走行速度を超えないときは、上記実走行速度が上記目標走行速度と一致するよう上記走行駆動装置を制御し、超えるときは、上記実走行速度が抑制された上記最高走行速度と一致するよう上記走行駆動装置を制御するものであることを特徴とする構成としている。
【0008】
このような本発明によれば、ハンドルが急激に操作されたり、転舵輪が直進方向を向いた状態から大きく回転したりすると、抑速手段により最高走行速度が小さな値に抑制され、走行制御手段によりこの最高走行速度を超えない範囲で走行駆動装置が制御され、走行がなされる。従って、車両は比較的低速で旋回走行することになり、安全性を確保することができる。
【0009】
上記の構成において、上記抑速手段は、上記操作速度に基づいて第1の最高走行速度を、上記回転角度に基づいて第2の最高走行速度をそれぞれ求めると共に、両者を比較し、小さい方を上記走行制御手段に伝えるものであり、上記操作速度が大きくなるほど上記第1の最高走行速度を小さな値とし、上記回転角度が大きくなるほど上記第2の最高走行速度を小さな値とするものとすることができる。
【0010】
このようにすれば、ハンドルの操作速度に基づいて求められる第1の最高走行速度と、転舵輪の回転角度に基づいて求められる第2の最高走行速度とのうち小さい方が用いられるので、最高走行速度をより小さな値に抑制し、高速での旋回走行を確実に防止することができる。
【0011】
又、上記の構成において、上記抑速手段は、上記回転角度が第1の所定値を超えないときに、上記第2の最高走行速度を上記第1の最高走行速度よりも大きな値とするものとすることができる。
【0012】
このようにすれば、転舵輪の回転角度が第1の所定値を下回り、比較的小さな値となると、ハンドルの操作速度に基づいて求められる第1の最高走行速度の方が小さな値となり、用いられるようになる。そのため、転舵輪の回転角度に関係なく、最高走行速度を小さく抑制することができる。従って、転舵輪の回転角度が小さい状態であってもハンドルの操作速度に応じて走行速度を抑えることができ、又、急減速や急加速することなくスムーズに車両を旋回走行させることができる。
【0013】
更に、上記の構成において、上記抑速手段は、上記回転角度が第1の所定値を超え、且つ該第1の所定値よりも大きい第2の所定値を超えない範囲で、上記回転角度が大きくなるほど上記第2の最高走行速度を小さな値とするものであり、少なくとも上記回転角度が上記第2の所定値を超えるときに、上記第2の最高走行速度を上記第1の最高走行速度よりも小さな値とするものとすることができる。
【0014】
このようにすれば、転舵輪の回転角度が第2の所定値を上回り、比較的大きな値となると、転舵輪の回転角度に基づいて求められる第2の最高走行速度の方が小さな値となり、用いられるようになる。そのため、ハンドルの操作速度に関係なく、最高走行速度を小さく抑制することができる。従って、ハンドルがゆっくりと操作されていても転舵輪の回転角度が大きい状態である場合は、確実に走行速度を抑えることができる。又、ハンドルが操作限界に達して操作速度が急変したり、操作限界からハンドルが急激に操作されたりしたとしても、急減速や急加速することなくスムーズに車両を旋回走行させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、ハンドルが急激に操作されたり、転舵輪が直進方向を向いた状態から大きく回転したりすると、最高走行速度が小さな値に抑制されるので、高速での旋回走行を防止し安全性を確保することができる。
又、本発明において、転舵輪の回転角度が第1の所定値を超えないときに、第2の最高走行速度を第1の最高走行速度よりも大きな値とするようにすれば、転舵輪の回転角度が比較的小さい状態であってもハンドルの操作速度に応じて走行速度が抑えられる。
更に、本発明において、転舵輪の回転角度が第2の所定値を超えるときに、第2の最高走行速度を第1の最高走行速度よりも小さな値とするようにすれば、ハンドルがゆっくりと操作されていても転舵輪の回転角度が比較的大きい状態であれば、確実に走行速度が抑えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明をフォークリフトに適用した実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1に示すように、この実施例に係るフォークリフトは、車体1の後部に後方へ延設された左右一対のストラドルレッグ2を備える。各ストラドルレッグ2の先端部に後輪3が設けられ、又、車体1の前部中央には前輪4が設けられる。車体1の後部にはマスト5が立設され、このマスト5に作業者が搭乗する運転台6が昇降可能に設けられる。
【0018】
運転台6は後方へ延設された左右一対のフォーク7を備え、又、運転台6の前壁部には、前輪4を駆動輪として回転させ走行速度を調節するためのアクセル8が備えられている。更に、運転台6の前壁部には、運転台6を昇降させるための操作ボックス9、前輪4を操舵輪として回転させその向きを変えるためのハンドル10が備えられている。
【0019】
アクセル8は、操作ボックス9と一体で、横軸回りに前後に回転可能に設けられており、アクセル8の回転角度を検出する、ポテンショメータからなる角度センサ8Aが付設されている。作業者がアクセル8を回転操作すると、角度センサ8Aはアクセル8の回転角度を表す信号を出力し、これが制御装置14へ入力される。
又、ハンドル10は、縦軸回りに回転可能に設けられており、ハンドル10の回転角度を検出する、ポテンショメータからなる角度センサ10Aが付設されている。作業者がハンドル10を回転操作すると、角度センサ10Aはハンドル10の回転角度を表す信号を出力し、これが制御装置14へ入力される。
尚、アクセル8、ハンドル10ともに、それぞれ所定の角度範囲内で回転可能とされている。
【0020】
図2に示すように、前輪4は、車体1に縦軸回りに回転可能に設けられたドライブ装置11に支持されており、ドライブ装置11の上方には前輪4を駆動するための走行用モータ12と、ドライブ装置11を駆動するための操舵用モータ13が設置されている。
前輪4と走行用モータ12とはドライブ装置11に内蔵されたギヤを介して連結されており、走行用モータ12からの駆動トルクがドライブ装置11を介して前輪4に伝えられ、前輪4が回転する。又、ドライブ装置11と操舵用モータ13とも、上記とは異なるギヤを介して連結されており、操舵用モータ13からの駆動トルクがドライブ装置11に伝えられ、ドライブ装置11が回転する。ここで、前輪4は前述のようにドライブ装置11に支持されているので、前輪4とドライブ装置11とは一体的に回転する。尚、これらのモータは車体1に搭載された制御装置14により制御される。
【0021】
ドライブ装置11と操舵用モータ13とを連結するギヤのうち、ドライブ装置11に固定されたギヤにはポテンショメータからなる角度センサ11Aが付設されている。角度センサ11Aは前輪4の回転角度を表す信号を出力し、これが制御装置14へ入力される。
又、走行用モータ12には、エンコーダからなる速度センサ12Aが付設されている。速度センサ12Aは走行用モータ12の回転速度を表す信号を出力し、これが制御装置14へ入力される。
【0022】
さて、図3に示すように、制御装置14は、アクセル角Acを導出するアクセル角検出部15と、アクセル角Acから目標走行速度Vを導出する目標速度設定部16と、このフォークリフトの実走行速度を導出する走行速度検出部17と、走行用モータ12を制御するモータ制御部18とを備える。又、制御装置14は、ハンドル角を導出するハンドル角検出部19と、前輪4の回転角度Sを導出する前輪角検出部20と、操舵用モータ13を制御するモータ制御部21とを備え、更に、このフォークリフトの最高走行速度Vlmtを設定する最高速度設定部22を備える。
【0023】
アクセル角検出部15は、角度センサ8Aの検出信号から、中立位置(操作していないときの位置)からのアクセル8の回転角度であるアクセル角Acを導出する。ここで、アクセル角Acは中立位置を境に、アクセル8が前方へ回転する場合には正の値、後方へ回転するには負の値として求められる。
【0024】
目標速度設定部16は、アクセル角検出部15において導出されるアクセル角Acに基づき、図4に示すように目標走行速度Vを求める。尚、図4において、Amaxはアクセル8を操作限度まで操作したときのアクセル角であり、Vmaxはアクセル角Ac=Amaxのときの目標走行速度である。
【0025】
走行速度検出部17は、速度センサ12Aの検出信号から走行用モータ12の回転速度を求め、この回転速度に所定の係数を乗算して実走行速度を導出する。ここで、実走行速度は、前進する場合には正の値、後進する場合には負の値として求められる。
【0026】
モータ制御部18は、目標速度設定部16において導出される目標走行速度Vと走行速度検出部17において導出される実走行速度とが一致するように、走行用モータ12の出力を制御する。つまり、実走行速度の方が速ければ走行用モータ12を減速させ、実走行速度の方が遅ければ走行用モータ12を増速させる。
【0027】
ハンドル角検出部19は、角度センサ10Aの検出信号から、直進位置(前輪4が直進方向を向いた状態であるときの位置)からのハンドル10の回転角度であるハンドル角度を導出する。ここで、ハンドル角度は直進位置を境に、ハンドル10が右回転する場合には正の値、左回転する場合には負の値として求められる。
【0028】
前輪角検出部20は、角度センサ11Aの検出信号から、直進方向を向いた状態からの前輪4の回転角度である前輪角Sを導出する。ここで、前輪角Sは、前輪角Sが右回転する場合には正の値、左回転する場合には負の値として求められる。
【0029】
モータ制御部21は、ハンドル角検出部19において導出されるハンドル角度と、前輪角検出部20において導出される前輪角Sとに基づき、操舵用モータ13の出力を制御する。
【0030】
最高速度設定部22は、ハンドル角検出部19において導出されるハンドル角度と、前輪角検出部20において導出される前輪角Sとをそれぞれ用いて最高走行速度Vlmtを求める。
【0031】
すなわち、最高速度設定部22はハンドル角検出部19において導出されるハンドル角度を時間微分してハンドル速度Hを求め、図5に示すように、これに反比例する最高走行速度Vlmtを求める。最高速度設定部22は、ハンドル速度H=0、つまりハンドル10が止まっているときには最高走行速度VlmtをVmaxとし、例えばハンドル速度H=Hmaxのときには最高走行速度VlmtをV2(<Vmax)とする。尚、Hmaxは、通常の人が可能な限り速くハンドル10を操作した場合に想定されるハンドル速度である。
【0032】
又、最高速度設定部22は前輪角Sの大きさ(以下、前輪角|S|)を求め、この前輪角|S|に基づき次のように最高走行速度Vlmtを求める。図5に示すように、最高速度設定部22は、0≦|S|<S1のときには最高走行速度VlmtをVmaxとし、S1≦|S|≦S2のときには前輪角|S|の増加に伴って最高走行速度VlmtをVmaxとV1の間で連続的に減少させる。S2<|S|≦Smaxのときには、最高速度設定部22は最高走行速度VlmtをV1(<V2)とする。尚、S1、S2は予め設定された前輪角の大きさであり、Smaxは前輪4が限度位置まで回転したときの前輪角の大きさである。
【0033】
そして、最高速度設定部22は、ハンドル速度Hに基づく最高走行速度Vlmtと、前輪角Sに基づく最高走行速度Vlmtとを比較し、小さい方を採用し、最終的な最高走行速度Vlmtとして設定する。従って、この実施例では、0≦|S|<S1のときにはハンドル速度Hに基づく最高走行速度Vlmtが採用され、S2<|S|≦Smaxのときには前輪角Sに基づく最高走行速度Vlmtが採用される。S1≦|S|≦S2で前輪角|S|が比較的小さな値のときには、ハンドル速度Hが余程速くない限り前輪角Sに基づく最高走行速度Vlmtが採用され、前輪角|S|が比較的大きな値のときには、前輪角Sに基づく最高走行速度Vlmtが採用される。
こうして設定された最高走行速度Vlmtがモータ制御部18へ伝えられる。
【0034】
前述のように、モータ制御部18は、アクセル角Acに基づき求められた目標走行速度Vと実走行速度とが一致するように走行用モータ12の制御を行うが、最高速度設定部22において設定される最高走行速度Vlmtを超えない範囲でこの制御を行う。つまり、目標走行速度V、実走行速度の両方が最高走行速度Vlmtを超えていないときに、実走行速度が目標走行速度Vと一致するようにする。
一方、目標走行速度V、実走行速度の何れかが最高走行速度Vlmtを超えているときは、モータ制御部18は、実走行速度が最高走行速度Vlmtと一致するようにする。すなわち、モータ制御部18は、実走行速度が最高走行速度Vlmtを超えていれば、実走行速度が最高走行速度Vlmtとなるまで走行用モータ12を減速させる。又、目標走行速度Vが最高走行速度Vlmtを超えていれば、モータ制御部18は、実走行速度が最高走行速度Vlmtとなるまでは走行用モータ12を増速させるが、それ以上の増速は行わない。
【0035】
このような実施例によれば、ハンドル10が急激に操作されたり、前輪4が直進方向を向いた状態から大きく回転したりすると、最高速度設定部22により最高走行速度Vlmtが小さな値に抑制される。そして、モータ制御部18によりこの最高走行速度Vlmtを超えない範囲で走行用モータ12が制御され、走行がなされる。従って、フォークリフトが高速で旋回走行することがなくなり、安全性を確保することができる。
【0036】
又、この実施例によれば、前輪角|S|<S1であり前輪角Sが比較的小さな値のときは、ハンドル速度Hに基づく最高走行速度Vlmtの方が小さな値となり、採用されるようになる。そのため、前輪角|S|が小さい状態であっても、ハンドル速度Hに従って最高走行速度Vlmtを小さな値に抑制することができる。又、最高走行速度Vlmtの抑制が強化されたり緩和されたりしても急減速や急加速することはなく、作業者はスムーズにフォークリフトを旋回走行させることができる。
【0037】
一方、前輪角|S|>S2であり前輪角Sが比較的大きな値のときは、前輪角Sに基づく最高走行速度Vlmtの方が小さな値となり、採用されるようになる。そのため、ハンドル10がゆっくりと操作されていても前輪角|S|が大きい状態であれば、前輪角Sに従って最高走行速度Vlmtを小さな値に抑制することができる。又、ハンドル10が操作限界に達してハンドル速度Hが急変したり、操作限界からハンドル10が急激に操作されたりしたとしても急減速や急加速することなく、作業者はスムーズにフォークリフトを旋回走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例に係るフォークリフトの斜視図である。
【図2】本発明の実施例のシステム図である。
【図3】本発明の実施例の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係る制御特性図である。
【図5】本発明の実施例に係る制御特性図である。
【符号の説明】
【0039】
4 前輪
8 アクセル
8A 角度センサ
10 ハンドル
10A 角度センサ
11 ドライブ装置
11A 角度センサ
12 走行用モータ
12A 速度センサ
14 制御装置
15 アクセル角検出部
16 目標速度設定部
17 走行速度検出部
18 モータ制御部
19 ハンドル角検出部
20 前輪角検出部
22 最高速度設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転舵輪を回転させる操舵駆動装置をハンドルの操作に応じて制御すると共に、駆動輪を回転させる走行駆動装置をアクセルの操作に応じて制御する車両の制御装置であって、
上記ハンドルの操作速度を検出する操作速度検出手段と、上記転舵輪の、直進方向を向いた状態からの回転角度を検出する回転角度検出手段とを備えると共に、上記アクセルの操作量に応じて当該車両の目標走行速度を設定する目標速度設定手段と、上記操作速度及び上記回転角度に応じて最高走行速度を抑制する抑速手段と、当該車両の実走行速度を検出する実速度検出手段と、上記走行駆動装置を制御する走行制御手段とを備え、
上記抑速手段は、上記操作速度及び上記回転角度の何れかが大きくなるほど上記最高走行速度を小さな値とするものであり、
上記走行制御手段は、上記実走行速度が抑制された上記最高走行速度を超えないときは、上記実走行速度が上記目標走行速度と一致するよう上記走行駆動装置を制御し、超えるときは、上記実走行速度が抑制された上記最高走行速度と一致するよう上記走行駆動装置を制御するものであることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
上記抑速手段は、上記操作速度に基づいて第1の最高走行速度を、上記回転角度に基づいて第2の最高走行速度をそれぞれ求めると共に、両者を比較し、小さい方を上記走行制御手段に伝えるものであり、上記操作速度が大きくなるほど上記第1の最高走行速度を小さな値とし、上記回転角度が大きくなるほど上記第2の最高走行速度を小さな値とするものであることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
上記抑速手段は、上記回転角度が第1の所定値を超えないときに、上記第2の最高走行速度を上記第1の最高走行速度よりも大きな値とするものであることを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
上記抑速手段は、上記回転角度が第1の所定値を超え、且つ該第1の所定値よりも大きい第2の所定値を超えない範囲で、上記回転角度が大きくなるほど上記第2の最高走行速度を小さな値とするものであり、少なくとも上記回転角度が上記第2の所定値を超えるときに、上記第2の最高走行速度を上記第1の最高走行速度よりも小さな値とするものであることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両の制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−202261(P2007−202261A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16144(P2006−16144)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000232807)日本輸送機株式会社 (320)
【Fターム(参考)】