説明

車両の走行安全装置

【課題】交差点を適切に検出して交差点での自車両の所望の走行安全性を確保する。
【解決手段】車両の走行安全装置10は、自車両の前方部に設けられて自車両の左右方向の外界を撮像して得た画像を出力する第1カメラ21および第2カメラ22と、各カメラ21,22から出力された画像データに基づいて、路面上端の線分を平面境界線として抽出する境界線抽出部34と、路面および路面上の構造物が存在しない空の領域を抽出し、空の領域から最も平面境界線に近接する近接点を抽出する近接点抽出部35と、平面境界線と近接点との距離を算出する距離算出部36と、平面境界線と近接点との距離が所定距離以下である場合に、自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定する交差点判定部37とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両の走行安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば自車が通過する交差点の信号機の状態を予測し、自車が交差点を通過する際の信号機が黄色または赤色である場合に、自車の交差点への進入を抑制する走行支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−67314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術に係る走行支援装置によれば、交差点に信号機が存在せず、かつ、自車の走行路が非優先道路である場合などにおいて、自車の交差点への進入抑制が有効に作用せず、所望の走行安全性を確保することができないという問題が生じる。
また、交差点の存在を自車の方向指示器の状態に応じて判別する方法では、自車が交差点を直進する場合に対して自車の交差点への進入抑制が有効に作用せず、所望の走行安全性を確保することができないという問題が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、交差点での自車両の所望の走行安全性を確保することが可能な車両の走行安全装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両の走行安全装置は、自車両の前方部に設けられて自車両の左右方向の外界を撮像して得た画像を出力する撮像手段(例えば、実施の形態での第1カメラ21および第2カメラ22)と、前記撮像手段から出力された前記画像に基づいて、路面上端の線分を境界線として抽出する境界線抽出手段(例えば、実施の形態での境界線抽出部34)と、前記撮像手段から出力された前記画像に基づいて、前記路面および前記路面上の構造物が存在しない空領域を抽出し、前記空領域から最も前記境界線に近接する近接点を抽出する近接点抽出手段(例えば、実施の形態での近接点抽出部35)と、前記境界線抽出手段により抽出された前記境界線と、前記近接点抽出手段により抽出された前記近接点との距離を算出する距離算出手段(例えば、実施の形態での距離算出部36)と、前記距離算出手段により算出された前記距離が所定距離以下である場合に、前記自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定する判定手段(例えば、実施の形態での交差点判定部37)とを備える。
【0006】
さらに、本発明の第2態様に係る車両の走行安全装置は、前記撮像手段は、自車両の左前方の外界を撮像して得た第1画像を出力する第1撮像手段(例えば、実施の形態での第1カメラ21)と自車両の右前方の外界を撮像して得た第2画像を出力する第2撮像手段(例えば、実施の形態での第2カメラ22)とを備え、前記距離算出手段は、前記第1撮像手段から出力された前記第1画像および前記第2撮像手段から出力された前記第2画像のそれぞれに対して前記境界線と前記近接点との距離を算出し、前記判定手段は、前記距離算出手段により算出された前記第1画像および前記第2画像に対する各前記距離が所定距離以下である場合に、前記自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定する。
【0007】
さらに、本発明の第3態様に係る車両の走行安全装置は、自車両の進路を予測する自車進路予測手段(例えば、実施の形態での自車進路予測部31)と、前記自車両の走行路に交差する交差路を走行する交差車両を検出する交差車両検出手段(例えば、実施の形態での交差車両検出部32)と、前記交差車両検出手段により検出された前記交差車両の進路を予測する交差車進路予測手段(例えば、実施の形態での交差車進路予測部33)と、前記自車進路予測手段により予測された前記自車両の進路と前記交差車進路予測手段により予測された前記交差車両の進路とに基づいて、前記自車両と前記交差車両との衝突可能性の有無を判定する衝突可能性判定手段(例えば、実施の形態での衝突可能性判定部38)と、前記自車両の走行路と前記交差路との交差点において、前記衝突可能性判定手段により前記自車両と前記交差車両との衝突可能性が有ると判定された場合に、所定の警報または回避制御を実行する制御手段(例えば、実施の形態での車両制御部39)とを備え、前記制御手段は、前記判定手段により前記自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定された場合に、前記所定の警報または前記回避制御を実行する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1態様に係る車両の走行安全装置によれば、例えば路側機や他車両などとの間の通信を必要とせずに、自車両が交差点に直面しているか否かを精度良く判定することができる。
【0009】
さらに、本発明の第2態様に係る車両の走行安全装置によれば、自車両が交差点に直面しているか否かの判定結果の精度および信頼性を向上させることができる。
【0010】
さらに、本発明の第3態様に係る車両の走行安全装置によれば、例えば交差車両と自車両との衝突可能性が有ることを報知する警報や、例えば交差点への自車両の進入を抑制する走行制御などが過剰に実行されてしまうことを防止し、警報や走行制御を適切に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両の走行安全装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る車両の走行安全装置の各カメラの配置例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る車両の走行安全装置の各カメラの撮像により得られた画像データに対して行なわれる、特徴点抽出の処理と、平面境界線近傍領域抽出の処理と、平面境界線抽出の処理と、空の領域抽出の処理とを説明する図である。
【図4】図4(A)は交差点に直面している自車両の第1カメラの撮像により得られる画像データの例であり、図4(B)は交差点に直面していない自車両の第1カメラの撮像により得られる画像データの例である。
【図5】本発明の実施の形態に係る車両の走行安全装置の動作、特に、自車両が交差点に直面しているか否かを判定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る車両の走行安全装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両の走行安全装置10は、例えば図1に示すように、内燃機関(E)の駆動力をトランスミッション(T/M)を介して車両の駆動輪(図示略)に伝達する車両に搭載され、外界センサ11と、車両状態センサ12と、処理装置13と、スロットルアクチュエータ14と、ブレーキアクチュエータ15と、ステアリングアクチュエータ16と、報知装置17とを備えて構成されている。
【0013】
外界センサ11は、例えば撮像装置および赤外光レーザやミリ波などの電磁波によるレーダ装置23を備えて構成されている。
撮像装置は、例えば図2に示すように、自車両の外界の右前方の所定角度θの領域を撮像領域RAとする第1カメラ21と、自車両の外界の左前方の所定角度θの領域を撮像領域LAとする第2カメラ22とを備え、各カメラ21,22により撮像して得た画像に画像処理を行なって画像データを生成し、処理装置13に出力する。
また、例えばレーダ装置23は、自車両の外界に設定された検出対象領域(例えば、右前方と左前方となど)を複数の角度領域に分割し、各角度領域を走査するようにして、電磁波の発信信号を発信する。そして、各発信信号が自車両の外部の物体(例えば、他車両や構造物など)によって反射されることで生じた反射信号を受信し、レーダ装置23から外部の物体までの距離に係る検知信号を生成し、処理装置13に出力する。
【0014】
車両状態センサ12は、例えば、自車両の駆動輪の回転速度(車輪速)を検出する車輪速センサと、車体に作用する加速度を検知する加速度センサと、車体の姿勢や進行方向を検知するジャイロセンサと、ヨーレート(車両重心の上下方向軸回りの回転角速度)を検知するヨーレートセンサと、例えば人工衛星を利用して自車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号などの測位信号を受信する測位信号受信機と、運転者による運転操作(例えば、アクセルペダルの踏み込み操作量、ブレーキペダルの踏み込み操作量、ステアリングホイールの舵角、シフトポジションなど)を検出する各センサとなどを備えて構成され、自車両の各種の車両情報の検知結果の信号を出力する。
【0015】
処理装置13は、例えば自車進路予測部31と、交差車両検出部32と、交差車進路予測部33と、境界線抽出部34と、近接点抽出部35と、距離算出部36と、交差点判定部37と、衝突可能性判定部38と、車両制御部39とを備えて構成されている。
【0016】
自車進路予測部31は、例えば車両状態センサ12の車輪速センサおよびヨーレートセンサなどから出力される信号に基づき、自車両の進行方向を算出し、さらに、自車両の進行方向に基づき自車両の進路を予測する。
交差車両検出部32は、例えば外界センサ11のレーダ装置から出力される検知信号などに基づき、自車進路予測部31により予測された自車両の進路と交差する進行方向で移動する他車両(交差車両)を検出する。
【0017】
交差車進路予測部33は、例えば外界センサ11のレーダ装置から逐次出力される検知信号などに基づき、レーダ装置から発信されて交差車両で反射される電磁波の複数の反射点から交差車両の位置を代表する代表点(例えば、自車両に最も近い反射点や複数の反射点の重心など)を算出し、この代表点の時系列変化から交差車両の進路を予測する。
【0018】
境界線抽出部34は、各カメラ21,22の撮像による画像データにおいて、路面上端の線分を平面境界線として抽出する。
境界線抽出部34は、例えば図3(A)に示すように、外界センサ11から出力された画像データに対して、例えばハリスオペレータなどにより特徴点抽出の処理を行なう。そして、平面領域においては特徴点分布が疎らであり、平面領域以外においては特徴点分布が密であるとして、平面領域の境界の近傍領域(平面境界線近傍領域)を抽出する。
【0019】
具体的には、例えば図3(B)に示すように、特徴点分布のヒストグラム、つまり画像データの縦方向の各縦位置毎での横方向における特徴点の総数(頻度)を作成する。
そして、例えば画像データの縦方向の下半分を平面領域の探索領域(画像下半分の領域)として、この探索領域において頻度が最大となる画像位置(ヒストグラム最大点)を抽出する。
そして、例えば図3(C)に示すように、ヒストグラム最大点の上下所定範囲(例えば、上下20ピクセルの範囲など)の矩形領域を平面境界線近傍領域として設定する。
そして、平面境界線近傍領域内の特徴点群に対して、例えば主成分分析の処理を行ない、第1主成分直線を平面境界線とする。この第1主成分直線は特徴点分布の重心を含み、第1主成分の固有ベクトルを傾きとする直線となる。なお、例えば路面の凹凸などにより平面領域と平面領域以外との特徴点分布の境界が不明瞭な場合には、第1主成分の寄与率が小さくなることから、例えば寄与率が所定値(例えば、0.9など)以上である場合を平面境界線抽出の成功とし、寄与率が所定値未満である場合には判別不能としている。
【0020】
近接点抽出部35は、境界線抽出部34により抽出された平面境界線に応じて、例えば図3(D)に示すように、平面境界線よりも上の画像領域に対して、二値化処理を行ない、この二値化処理後の画像データにおいて、最大領域を路面および路面上の構造物が存在しない空の領域とする。そして、空の領域で平面境界線に最も近い点(近接点)を抽出し、この近接点を空領域の下端とする。
【0021】
距離算出部36は、例えば図4(A),(B)に示すように、近接点抽出部35により抽出された空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離を算出する。
【0022】
交差点判定部37は、各カメラ21,22の撮像による各画像データ毎に対して、空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離が所定距離以下である場合に、自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定する。
つまり、例えば図4(A)に示すように、自車両が交差点に直面する地点に位置している場合には、自車両の走行路に交差する交差路が各カメラ21,22により撮像されることに起因して、空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離が小さくなる。
一方、例えば図4(B)に示すように、自車両の走行路に交差する交差路が存在しない場合には、空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離が大きくなる。
【0023】
衝突可能性判定部38は、交差点判定部37により自車両が交差点付近に位置すると判定された場合などにおいて、自車進路予測部31により予測された自車両の進路と、交差車進路予測部33により予測れた交差車両の進路とに基づき、例えば衝突回避に要する減速度などを考慮して、自車両と交差車両との衝突可能性の有無を判定する。
【0024】
車両制御部39は、衝突可能性判定部38による判定結果に応じて、自車両の走行状態を制御する制御信号を出力する。この制御信号は、例えば、トランスミッション(T/M)の変速動作を制御する制御信号およびスロットルアクチュエータ14により内燃機関(E)の駆動力を制御する制御信号およびブレーキアクチュエータ15により減速を制御する制御信号およびステアリングアクチュエータ16により転舵を制御する制御信号などである。
また、車両制御部39は、自車両の乗員に各種の情報を報知する場合に、報知装置17を制御する制御信号を出力する。
【0025】
なお、報知装置17は、例えば、触覚的伝達装置と、視覚的伝達装置と、聴覚的伝達装置とを備えて構成されている。
触覚的伝達装置は、例えばシートベルト装置や操舵制御装置などであって、車両制御部39から出力される制御信号に応じて、例えばシートベルトに所定の張力を発生させて自車両の乗員が触覚的に知覚可能な締め付け力を作用させたり、例えばステアリングホイールに自車両の運転者が触覚的に知覚可能な振動(ステアリング振動)を発生させることによって、接近交差車両との衝突発生の可能性があることを乗員に認識させる。
視覚的伝達装置は、例えば表示装置などであって、車両制御部39から入力される制御信号に応じて、例えば表示装置に所定の警報情報を表示したり、所定の警報灯を点滅させることによって、接近交差車両との衝突発生の可能性があることを乗員に認識させる。
聴覚的伝達装置は、例えばスピーカなどであって、車両制御部39から入力される制御信号に応じて所定の警報音や音声などを出力することによって、接近交差車両との衝突発生の可能性があることを乗員に認識させる。
【0026】
本実施の形態による車両の走行安全装置10は上記構成を備えており、次に、この車両の走行安全装置10の動作、特に、自車両が交差点に直面しているか否かを判定する処理について説明する。
【0027】
先ず、例えば図5に示すステップS01においては、各カメラ21,22の撮像による各画像データを取得する。
次に、ステップS02においては、各画像データに対して、例えばハリスオペレータなどにより特徴点抽出の処理を行なう。
次に、ステップS03においては、特徴点分布のヒストグラムを作成し、ヒストグラム最大点の上下所定範囲(例えば、上下20ピクセルの範囲など)の矩形領域を平面境界線近傍領域とする。
次に、ステップS04においては、平面境界線近傍領域内の特徴点群に対して、例えば主成分分析の処理を行なう。
【0028】
そして、ステップS05においては、例えば寄与率が所定値(例えば、0.9など)以上であるか否かを判定することによって、平面境界線抽出が成功したか否かを判定する。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS06に進み、このステップS06においては、判別不能として、エンドに進む。
一方、この判定結果が「YES」の場合には、ステップS07に進む。
そして、ステップS07においては、平面境界線よりも上の画像領域に対して、二値化処理を行ない、この二値化処理後の画像データにおいて、最大領域を空の領域とする。そして、空の領域で平面境界線に最も近い点(近接点)を抽出し、この近接点を空領域の下端とする。
そして、ステップS08においては、空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離が所定距離以下であるか否かを判定する。
この判定結果が「YES」の場合には、ステップS09に進み、このステップS09においては、自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定して、エンドに進む。
この判定結果が「NO」の場合には、ステップS10に進み、このステップS10においては、自車両が交差点に直面する地点に位置していないと判定して、エンドに進む。
【0029】
上述したように、本実施の形態による車両の走行安全装置10によれば、例えば路側機や他車両などとの間の通信を必要とせず、また、ナビゲーション装置の地図データなどを必要とせずに、自車両が交差点に直面しているか否かを精度良く判定することができる。
さらに、各カメラ21,22の撮像による各画像データ毎に対して空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離が所定距離以下である場合に、自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定することにより、例えば第1カメラ21または第2カメラ22の撮像による一方の画像データのみに対して空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離が所定距離以下である場合に比べて、自車両が交差点に直面しているか否かの判定結果の精度および信頼性を向上させることができる。つまり、何れか一方の画像データのみにおいて空領域の下端(近接点)と平面境界線との間の距離が所定距離以下である場合には、自車両が、交差点ではなく、カーブや屈曲路に直面していると判定することができる。
そして、自車両が交差点付近に位置すると判定された場合に自車両と交差車両との衝突可能性の有無を判定することにより、例えば交差車両と自車両との衝突可能性が有ることを報知する警報や、例えば交差点への自車両の進入を抑制する走行制御などが過剰に実行されてしまうことを防止し、警報や走行制御を適切に作動させることができる。
【符号の説明】
【0030】
10 車両の走行安全装置
11 外界センサ
12 車両状態センサ
17 報知装置
21 第1カメラ(撮像手段、第1撮像手段)
22 第2カメラ(撮像手段、第2撮像手段)
31 自車進路予測部(自車進路予測手段)
32 交差車両検出部(交差車両検出手段)
33 交差車進路予測部(交差車進路予測手段)
34 境界線抽出部(境界線抽出手段)
35 近接点抽出部(近接点抽出手段)
36 距離算出部(距離算出手段)
37 交差点判定部(判定手段)
38 衝突可能性判定部(衝突可能性判定手段)
39 車両制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の前方部に設けられて自車両の左右方向の外界を撮像して得た画像を出力する撮像手段と、
前記撮像手段から出力された前記画像に基づいて、路面上端の線分を境界線として抽出する境界線抽出手段と、
前記撮像手段から出力された前記画像に基づいて、前記路面および前記路面上の構造物が存在しない空領域を抽出し、前記空領域から最も前記境界線に近接する近接点を抽出する近接点抽出手段と、
前記境界線抽出手段により抽出された前記境界線と、前記近接点抽出手段により抽出された前記近接点との距離を算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段により算出された前記距離が所定距離以下である場合に、前記自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定する判定手段と
を備えることを特徴とする車両の走行安全装置。
【請求項2】
前記撮像手段は、自車両の左前方の外界を撮像して得た第1画像を出力する第1撮像手段と自車両の右前方の外界を撮像して得た第2画像を出力する第2撮像手段とを備え、
前記距離算出手段は、前記第1撮像手段から出力された前記第1画像および前記第2撮像手段から出力された前記第2画像のそれぞれに対して前記境界線と前記近接点との距離を算出し、
前記判定手段は、前記距離算出手段により算出された前記第1画像および前記第2画像に対する各前記距離が所定距離以下である場合に、前記自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の走行安全装置。
【請求項3】
自車両の進路を予測する自車進路予測手段と、
前記自車両の走行路に交差する交差路を走行する交差車両を検出する交差車両検出手段と、
前記交差車両検出手段により検出された前記交差車両の進路を予測する交差車進路予測手段と、
前記自車進路予測手段により予測された前記自車両の進路と前記交差車進路予測手段により予測された前記交差車両の進路とに基づいて、前記自車両と前記交差車両との衝突可能性の有無を判定する衝突可能性判定手段と、
前記自車両の走行路と前記交差路との交差点において、前記衝突可能性判定手段により前記自車両と前記交差車両との衝突可能性が有ると判定された場合に、所定の警報または回避制御を実行する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記判定手段により前記自車両が交差点に直面する地点に位置していると判定された場合に、前記所定の警報または前記回避制御を実行することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両の走行安全装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−18166(P2011−18166A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161717(P2009−161717)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】