車両用情報表示装置
【課題】ディスプレイ12,4と、そのディスプレイ12,4の操作画面における操作を行う2つの操作スイッチ6,11,21とを備えた車両用情報表示装置において、その操作性を向上させる。
【解決手段】第1及び第2の操作スイッチ6,11,21の内のいずれか一方の操作スイッチからの操作信号を受けて車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する。
【解決手段】第1及び第2の操作スイッチ6,11,21の内のいずれか一方の操作スイッチからの操作信号を受けて車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイと、そのディスプレイの操作画面上での操作を行うための第1及び第2の、2種類の操作スイッチと、を備えた車両用情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両には、ナビゲーション装置、空調装置、及びオーディオ装置等の種々の車載機器が搭載されるようになっている。例えば特許文献1には、各車載機器のディスプレイを統合すると共に、音声入力により各車載機器の操作を行う装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−241784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、そうした各車載機器の操作を行うために、ディスプレイに表示される操作画面上での操作を行うための操作スイッチを、ステアリングホイールに取り付けることによって、運転者がステアリングホイールから手を離すことなく各車載機器の操作を可能にすることが考えられる。この構成においては、ディスプレイの操作画面上での操作を行うスイッチとして、車載機器に設けられた操作スイッチと、ステアリングホイールに取り付けられた操作スイッチ(ステアリングスイッチ)との2種類の操作スイッチが存在することになる。
【0004】
ところがこうした構成においては、2種類の操作スイッチの操作が競合する場合がある。例えば運転者が所望の設定にしようとステアリングスイッチを操作している最中に、助手席に着座した乗員が車載機器に設けられた操作スイッチを操作して運転者の意図に反する操作を行う場合、又はその逆の場合が起こり得る。このように、2種類の操作スイッチが存在する構成では、その競合によって操作性が低下してしまうという不都合がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ディスプレイと、そのディスプレイの操作画面における操作を行う2種類の操作スイッチとを備えた車両用情報表示装置において、その操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用情報表示装置は、少なくとも1の車載装置の操作画面を表示するディスプレイと、上記車載機器に設けられて上記操作画面上での操作を行うための第1の操作スイッチと、上記第1の操作スイッチとは異なる位置に配置されて上記操作画面上での操作を行うための第2の操作スイッチと、上記第1及び第2の操作スイッチからの操作信号を受けて、上記車載機器に関する制御を行う制御手段と、を備える。
【0007】
そして、上記制御手段は、上記第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する。
【0008】
この構成によると、1つのディスプレイに対して、第1及び第2の、2種類の操作スイッチが存在し、いずれの操作スイッチでもディスプレイに表示される操作画面上での操作が可能である。
【0009】
そして、制御手段は、第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチが操作されて、その操作に対応した車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する。これによって、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することが回避される。例えば第2の操作スイッチを操作している最中に、第1の操作スイッチの操作によって、第2の操作スイッチによる操作内容が変更されることがなく、操作性が向上する。
【0010】
上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、所定時間が経過するまで上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない、としてもよい。
【0011】
こうすることで、一方の操作スイッチが操作されれば、その操作後、所定時間が経過するまでは、他方の操作スイッチを操作してもその操作に対応する制御が行われない。つまり、所定時間は、その一方の操作スイッチからの操作を待つ待機時間として機能し、その間は他方の操作スイッチによる操作を禁止する。これによって、簡易な構成で、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することが回避される。
【0012】
上記一方の操作スイッチを、当該スイッチに対する人の接触を検出するタッチセンス機能を有しているとして、上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、その一方の操作スイッチに人が触れている状態にある間は、上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない、としてもよい。
【0013】
こうすることで、一方の操作スイッチが操作されれば、そのスイッチから手を離すまでは、他方の操作スイッチを操作してもその操作に対応する制御が行われないため、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することが、より確実に回避される。
【0014】
また、この構成では、一方の操作スイッチを実際に操作しなくても、その操作スイッチを触れている状態でも、他方の操作スイッチの操作が制限されるため、例えば、一方の操作スイッチに触れながら操作を行おうと考えている状態(実際には操作していない状態)において、他方のスイッチにより操作が行われることがない。つまり、操作を行おうとしている操作者を邪魔することが未然に回避される。
【0015】
上記第2の操作スイッチは、ステアリングホイールに取り付けられている、としてもよい。
【0016】
つまり、第1及び第2の操作スイッチの内の1つは、運転者が操作するスイッチとなり、上述したように、第1及び第2の操作スイッチの操作の競合を回避することによって、運転者による第2の操作スイッチの操作性が高まり、ひいては安全性も向上する。
【0017】
上記ディスプレイは、複数の独立した車載機器それぞれに関する操作画面を表示する集中ディスプレイである、としてもよいし、少なくともナビゲーション装置に関する操作画面を表示するナビゲーション用ディスプレイである、としてもよい。
【0018】
上述したように、第1及び第2の操作スイッチの操作の競合が回避されるから、集中ディスプレイ又はナビゲーション用ディスプレイの操作性が向上する。
【0019】
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作を制限している状態で、上記第2の操作スイッチからの所定の操作信号を受けて、その操作制限を解除する、としてもよい。
【0020】
車載機器とは別の位置に配置された第2の操作スイッチを操作する操作者の意向によって、車載機器に設けられた第1の操作スイッチによる操作を制限することと、操作を許可することとを、切り替え得る。それによって、第2の操作スイッチを操作する操作者の意図に反するような操作の競合は回避しつつも、例えば第2の操作スイッチによる操作の途中で、残りの操作を第1の操作スイッチによる操作に引き継ぐことも可能になり、第1及び第2の、2種類の操作スイッチを備えている装置としての利便性が高まる。
【0021】
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記ナビゲーション用ディスプレイに対する表示制御を行うことによって、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させる、とすることが好ましい。
【0022】
第1の操作スイッチによる操作が制限されているときには、第1の操作スイッチを操作してもそれに対応する制御が行われないため、その第1の操作スイッチの操作者は違和感を感じることになる。しかしながら、第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させることによって、そうした違和感は生じない。
【0023】
上記ナビゲーション用ディスプレイに表示される操作画面は、操作メニューを含んでおり、上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第2の操作スイッチの操作者に対してそのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示を行う、としてもよい。
【0024】
第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させるとしても、第2の操作スイッチによる操作は行われるため、少なくとも上記第2の操作スイッチの操作者に対してそのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示を行うことによって、第2の操作スイッチの操作者は、スイッチ操作が可能になる。
【0025】
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていないときの操作メニューの表示形態と、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されているときの操作メニューの表示形態とを異ならせることによって、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対して、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる、としてもよい。
【0026】
つまり、第1の操作スイッチによる操作が制限されていないときは、操作メニューが操作可能であることをアフォードしている表示形態にし、第1の操作スイッチによる操作が制限されているときは、操作メニューが操作不可能であることをアフォードしている表示形態にすることで、少なくとも上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対して、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させることが可能になる。
【0027】
このように操作メニューの表示形態が変化しても、上述したように、第2の操作スイッチのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示が行われるため、第2の操作スイッチの操作者は、操作メニューが不可能であるとは認識せず、そのスイッチ操作が可能である。
【0028】
上記ナビゲーション用ディスプレイは、その表示面に対する視線の角度に応じて異なる画面が表示可能であり、上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面と、上記第2の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面とを異ならせることによって、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対しては、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる一方、上記第2の操作スイッチの操作者に対しては、そのスイッチ操作に対応した操作画面を表示する、としてもよい。
【0029】
この構成では、第1の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面と、上記第2の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面とを異ならせるため、第2の操作スイッチを操作する乗員に対してはそのスイッチ操作に対応した操作画面を表示しつつも、第1の操作スイッチを操作する乗員に対しては、第1の操作スイッチによる操作が制限されていることをより確実に認識させることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明の車両用情報表示装置によると、第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチが操作されて、その操作に対応する車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限することで、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することを回避することができ、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1,2は、本実施形態に係る車両用情報表示装置を示しており、本装置は、オーディオ装置とナビゲーション装置とが一体化したオーディオ・ナビゲーション装置1、車室内の空調を行う空調装置2、乗員に対して種々の情報を提供するためのDIS(Driver Information System)3、及び上記オーディオ装置1、空調装置2及びDIS3の各車載機器に関する情報を表示する集中ディスプレイ4、を備え、これらの各装置1〜4がCAN(Car Area Network)5を介して互いに接続されて構成されている。
【0033】
オーディオ・ナビゲーション装置1は、オーディオ装置として、CD(チェンジャー機能を有する)、FMラジオ、AMラジオ及びHDDの各オーディオソースを備え、ナビゲーション装置として、GPS(Global Positioning System)を利用して車両の経路誘導を行うための地図データ等を備えている。
【0034】
また、オーディオ・ナビゲーション装置1は、タッチパネル11と液晶表示装置等とを組み合わせたタッチパネル式のディスプレイ(以下、メインディスプレイ12という)を備えており、このメインディスプレイ12は、センターパネル71における上下方向略中央位置に配置されている。
【0035】
このメインディスプレイ12には、通常のオーディオ・ナビゲーション装置1のディスプレイと同様に、地図や、ナビゲーション装置又はオーディオ装置の設定変更操作を行うための操作画面等が表示される(図6参照)。
【0036】
空調装置2は、当該空調装置2の設定変更操作を行うための空調操作スイッチ21を備えており、この空調装置2の空調操作スイッチ21は、上記センターパネル71において、上記メインディスプレイ12よりも下側位置に配置されている。
【0037】
集中ディスプレイ4は、ダッシュパネル72の車幅方向略中央位置に配置されており、これによって集中ディスプレイ4は、メインディスプレイ12に対して上方位置に位置している。
【0038】
この集中ディスプレイ4は、横長(車幅方向に長い)形態を有しており、上述したように、オーディオ装置1、空調装置2及びDIS3の各車載機器に関する情報を表示する(情報表示モード)と共に、これらオーディオ装置1、空調装置2及びDIS3の設定変更操作を行うための操作画面を表示する(操作モード)。
【0039】
ここで、図5を参照しながら、上記集中ディスプレイ4の情報表示モード時における表示形態(情報表示画面)について説明する。この情報表示画面は、横方向の略中央領域がオーディオ装置1に関する情報を表示するオーディオ表示領域とされ、そのオーディオ表示領域に対して左側の領域が空調装置2に関する情報を表示する空調表示領域とされ、右側の領域がDIS3に関する情報を表示するDIS表示領域とされる。
【0040】
空調表示領域には、その左側から右側に向かって、左席温度設定情報、風量設定情報、吹出し口設定情報、右席温度設定情報、の順に各情報が表示される。
【0041】
オーディオ表示領域には、その左側から右側に向かって、オーディオソース情報、エリア1情報、エリア2情報、エリア3情報、の順に各情報が表示される。ここで、エリア1〜3情報は、選択されているオーディオソースに応じて表示内容が変更され、例えば図例に示すようにオーディオソースが「CD」のときには、エリア1にはCD番号情報、エリア2にはトラック番号情報、エリア3には経過時間情報がそれぞれ表示される。また図示は省略するが、オーディオソースが「(FM又はAM)ラジオ」のときには、エリア1にはチャンネル情報(プリセットされている場合)、エリア3には周波数情報がそれぞれ表示される(エリア2には何も表示されない)。
【0042】
DIS表示領域には、後述する設定操作に応じて、時刻情報、平均車速情報、残走行可能距離情報、瞬間燃費情報及び平均燃費情報のいずれかが表示される。
【0043】
上述したように、オーディオ・ナビゲーション装置1はタッチパネル式のメインディスプレイ12を備えているため、そのタッチパネル操作によって、オーディオ・ナビゲーション装置1の設定変更操作が可能である。同様に、空調装置2も空調操作スイッチ21を備えているため、そのスイッチ操作によって、空調装置2の設定変更操作が可能である。
【0044】
そして、本車両用情報表示装置は、タッチパネル11及び空調操作スイッチ21(以下これらを総称して車載機器側スイッチという)とは別に、オーディオ・ナビゲーション装置1、空調装置2、及びDIS3の設定変更操作を行うための操作スイッチを備えている。この操作スイッチは、集中ディスプレイ4及びメインディスプレイ12のそれぞれにおいて表示される操作画面上での操作を行うように構成されている。この操作スイッチは、図1に示すように、ステアリングホイール73には取り付けられて、運転者が左手の親指によって操作するスイッチ(ステアリングスイッチ6)とされており、このステアリングスイッチ6は、図2に示すように、オーディオ・ナビゲーション装置1に接続されている。
【0045】
ステアリングスイッチ6は、図3に示すように、操作画面上で選択位置を左方向に移動させるための左方向移動スイッチ61及び、選択位置を右方向に移動させるための右方向移動スイッチ62と、選択位置を上方向及び下方向に移動させると共に、メニューの選択決定を行うための選択決定スイッチ63と、を含む。
【0046】
ここで、左方向移動スイッチ61及び右方向移動スイッチ62はそれぞれ、プッシュ式スイッチであるのに対し、上記選択決定スイッチ63は、図4に示すように、通常時(非操作時)は中立位置(実線参照)に付勢されていると共に、その中立位置から上向き及び下向きに変位操作可能でありかつ、その中立位置において押圧操作可能なトグル式スイッチとされている。この選択決定スイッチ63の上向き及び下向きの変位操作によって操作画面上で選択位置が上方向及び下方向に移動し、選択決定スイッチ63の押圧操作によってメニューの選択決定が行われる。
【0047】
そして、左方向移動スイッチ61は、選択決定スイッチ63に対して左側位置に、右方向移動スイッチ62は、選択決定スイッチ63に対して右側位置に、それぞれ配置されており、これによって、選択決定スイッチ63は、左方向移動スイッチ61及び右方向移動スイッチ62の中間位置に配置されている。尚、トグル式スイッチである選択決定スイッチ63は、プッシュ式スイッチである左及び右方向移動スイッチ61,62よりも運転者側に突出した状態になっている。
【0048】
また、ステアリングスイッチ6には、プッシュ式スイッチであるNAVIスイッチ64と、同じくプッシュ式スイッチである、戻るスイッチ65とが含まれ、NAVIスイッチ64及び戻るスイッチ65は、上記の各スイッチ61〜63の下側位置に横方向に並んで配置されている。
【0049】
NAVIスイッチ64は、ステアリングスイッチ6の操作対象を、集中ディスプレイ4とメインディスプレイ12との間で切り替えるためのスイッチである。また、戻るスイッチ65は、主にメインディスプレイ12に表示される操作画面において、現在表示中の画面に対して1つ前の画面に戻る際に操作されるスイッチである。
【0050】
本車両用情報表示装置において、オーディオ・ナビゲーション装置1は制御手段として機能し、その機能を実現するために、各種インタフェース、メモリ、CPU等を備えている。上記オーディオ・ナビゲーション装置1は、ステアリングスイッチ6によって、オーディオ装置1、空調装置及びDIS3の設定変更操作が行われたときには、その信号をCAN5上に出力する。空調装置2及びDIS3はそれぞれ、そのCAN信号に応じた制御を行う。また、集中ディスプレイ4は、各装置1,2,3からのCAN信号を受けて表示を実行する。尚、オーディオ・ナビゲーション装置1は、ステアリングスイッチ6によってオーディオ装置の設定変更操作が行われたときには、そのステアリングスイッチ6からの操作信号に応じた制御を行う。
【0051】
さらに、オーディオ・ナビゲーション装置1は、後述するように、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチの操作の競合回避に係る制御を実行すると共に、その競合回避制御に伴うメインディスプレイ12に対する表示制御を行う。
【0052】
次に、図7を参照しながら、上記ステアリングスイッチ6の操作に伴う集中ディスプレイ4における画面遷移について説明する。
【0053】
上記集中ディスプレイ4は、通常時は情報表示モードにされており、集中ディスプレイ4には情報表示画面S1(図5参照)が表示される。ここで、情報表示画面S1における「<< >>」の記号はカーソル(選択位置)Cの位置を示しており、情報表示画面S1では、カーソルCの位置が、横方向に並んだ各情報(操作メニュー)の略中央位置(中立位置)に設定される。
【0054】
この情報表示画面S1において、ステアリングスイッチ6の左方向移動スイッチ61を操作したときには、中立位置とされていたカーソルCが左方向に移動して、集中ディスプレイ4の画面が空調装置操作画面S2となる。
【0055】
また、情報表示画面S1において、ステアリングスイッチ6の右方向移動スイッチ62を操作したときには、中立位置とされていたカーソルCが右方向に移動して、集中ディスプレイ4の画面がオーディオ装置操作画面S3となる。
【0056】
さらにそのオーディオ装置操作画面S3において、右方向移動スイッチ62を操作してカーソルCをさらに右方向に移動させることによって、集中ディスプレイ4の画面がDIS操作画面S4となる。
【0057】
また、情報表示画面S1において、選択決定スイッチ63を上方向又は下方向に変位操作したときには、オーディオ装置1の操作画面の1つとしてのボリューム変更操作画面S5となる。
【0058】
空調装置操作画面S2から情報表示画面S1への切り替えは、所定時間が経過するか(タイムアウト)、又は右方向移動スイッチ62を操作して、カーソルCを中立位置まで移動させるか、又は選択決定スイッチ63の押圧操作(エンター)するか、によって行われる。
【0059】
同様に、オーディオ装置操作画面S3及びDIS操作画面S4から情報表示画面S1への切り替えは、所定時間が経過するか(タイムアウト)、又は左方向移動スイッチ61を操作して、カーソルCを中立位置まで移動させるか、又は選択決定スイッチ63の押圧操作(エンター)するか、によって行われる。
【0060】
また、ボリューム変更操作画面S5から情報表示画面S1への切り替えは、所定時間が経過するか、又は選択決定スイッチ63の押圧操作(エンター)するか、によって行われる。
【0061】
尚、NAVIスイッチ64を操作したときには、ステアリングスイッチ6の操作対象が、集中ディスプレイ4からメインディスプレイ12に切り替わることになり、集中ディスプレイ4におけるオーディオ表示領域には「NAV. MODE」と表示されて、ステアリングスイッチ6の操作対象がメインディスプレイ12であることが示される(NAVI操作モード画面S6)。その状態で、再度NAVIスイッチ64を操作することによって、ステアリングスイッチ6の操作対象が、メインディスプレイ12から集中ディスプレイ4に切り替わる。
【0062】
次に、集中ディスプレイ4の操作画面における設定変更操作について、空調装置操作画面S2を例に、図8を参照しながら説明する。
【0063】
空調装置操作画面S2には、左側から右側に向かって、左席温度設定メニュー、風量設定メニュー、吹出し口設定メニュー、右席温度設定メニュー、の順に操作メニューが表示される。これは情報表示画面S1において設定情報が横方向に並ぶ構成と同じである。
【0064】
そして、左方向移動スイッチ61の操作によってカーソルCが右席温度設定メニュー、吹出し口設定メニュー、風量設定メニュー、左席温度設定メニューの順に移動する(同図のS2−1,S2−2,S2−3,S2−4)。運転者は、左又は右方向移動スイッチ62を操作することによって、カーソルCを設定変更したいメニュー位置に移動させることになる。
【0065】
カーソルCを所望のメニュー位置に位置させた後、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作を行うことによって、当該メニューに対応する情報の設定変更が行われる。例えば左席温度設定メニューにおいて、上方向変位操作を行ったときにはその設定温度が上がり、下方向変位操作を行ったときにはその設定温度が下がる。
【0066】
ここで、上方向及び下方向変位操作には、スイッチ63を変位させてすぐに中立位置に戻す「短押し」操作、スイッチ63を変位した状態を継続する「長押し」操作の2種類があり、左席温度設定メニューでは、短押し操作の場合には、設定温度が変更可能な最小単位(例えば0.5℃)で変更され(S2−4−1,S2−4−2)、長押し操作の場合は、設定温度が予め設定された変更速度(X℃/sec)で変更される(S2−4−3,S2−4−4)ように構成されている。
【0067】
尚、左席温度設定メニューでは、設定温度の上限又は下限が存在するため、上方向又は下方向変位操作を継続しても、設定温度の上限又は下限を超える設定はできないように構成される(ターンバックに構成されている)。
【0068】
ここでは左席温度設定メニューを例に設定変更操作について説明したが、風量設定メニュー及び右席温度設定メニューの設定変更操作も、左席温度設定メニューと同様に構成されている。例えば風量設定メニューにおいては、上方向又は下方向変位操作が短押し操作の場合には、風量を1段階だけ上げる又は下げる設定とされ、長押し操作の場合には、風量を1段階/Xsecで上げる又は下げる設定とされる。
【0069】
また、吹出し口設定メニューにおいては、下方向変位操作を行うことによって、吹出し口の設定が、「足元」「足元/顔」「顔」「デフロスタ」「デフロスタ/足元」の順に変更され(上方向変位操作の場合はその逆順に変更される)、上方向又は下方向変位操作を継続したときには、その吹出し口の設定が繰り返し変更される(サイクリックに構成されている)。
【0070】
尚、図示は省略するが、オーディオ装置操作画面S3における設定変更操作も、上記空調装置操作画面S2における設定変更操作と同様である。つまり、オーディオ装置操作画面S3には、オーディオソース操作メニューが含まれ、この操作メニューでは、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作を行うことによって、オーディオソースが「FMラジオ」「AMラジオ」「CD」「HDD」「オフ」の順に、サイクリックに変更される。
【0071】
また、オーディオソースとしてCDが選択されているときには、エリア1(CD番号操作メニュー)においては、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作によってCDの変更(チェンジャーに収容されているCDの変更)、エリア2(トラック操作メニュー)においては、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作によって再生するトラックの変更、がそれぞれ行われる。尚、これらはサイクリックに構成されていると共に、上方向又は下方向変位操作が短押し操作の場合には、CD又はトラックを1ずつ上昇側又は下降側に変更する設定とされ、長押し操作の場合には、CD又はトラックをX/secで上昇側又は下降側に変更する設定とされる。
【0072】
また、オーディオソースとしてラジオが選択されているときには、エリア1及びエリア3(チャンネル操作メニュー、周波数操作メニュー)においては、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作によってチャンネル若しくは周波数の変更(短押し操作の場合)、又はサーチ(長押し操作の場合)が行われる。尚、これらはサイクリックに構成されている。
【0073】
また、図示は省略するが、DIS操作画面S4における設定変更操作も、上記空調装置操作画面S2における設定変更操作と同様である。つまり、DIS操作画面S4を表示している状態で、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作を行うことによって、当該メニューの設定変更が行われ、DIS表示設定が、「時計表示」「平均車速表示」「残走行可能距離表示」「瞬間燃費表示」「平均燃費表示」の順に変更される尚、DIS操作画面S4では、操作メニューがサイクリックに構成されている。
【0074】
また、「平均車速表示」又は「平均燃費表示」の状態で、選択決定スイッチ63を押圧操作(長押し操作)することによって、平均車速又は平均燃費をリセットすることができるように構成されている。
【0075】
このように、選択決定スイッチ63の、上方向又は下方向変位操作、及び押圧操作については、短押し操作と長押し操作とで異なる機能が割り付けられる場合がある。
【0076】
次に、メインディスプレイ12の操作画面における設定変更操作について、図6を参照しながら説明する。
【0077】
上述したように、ステアリングスイッチ6のNAVIスイッチ64を押圧操作することによって、ステアリングスイッチ6の操作対象は、集中ディスプレイ4からメインディスプレイ12に切り替わるが、このとき、メインディスプレイ12には、図6に示す構成の操作画面S7が表示される。
【0078】
この操作画面S7は、横方向に並ぶ第1階層操作メニュー(メニュー1〜メニュー5)と、第1階層操作メニューのいずれかを選択中に展開して表示される(プルダウン形式で表示される)第2階層操作メニュー(図例ではメニュー3−1〜メニュー3−5)と、を組み合わせて構成されている。
【0079】
先ず、運転者が左又は右方向移動スイッチ62を操作することによって、第1階層メニューの選択位置が左又は右方向に移動する。そして、第1階層操作メニューのいずれかが選択されているときには、その選択されている第1階層操作メニューに属する第2階層操作メニュー(メニュー3−1〜メニュー3−5)がプルダウン形式で表示される。このように第2階層操作メニューが表示されるときには、その第1階層メニューのボタンアイコンが縮小され(図例では、メニュー3のボタンアイコンが縮小されている)、それによって、第2階層操作メニューを大きく表示することができる。これによって視認性を向上させることができる。
【0080】
第2階層操作メニューが表示されている状態で、選択決定スイッチ63を上向き又は下向きに変位操作することによって、第2階層操作メニューの選択位置が上又は下方向に移動する。
【0081】
そして、所望の第2階層メニューを選択した状態で、選択決定スイッチ63を押圧操作することにより、その選択した操作メニューが選択決定され、その選択決定した操作メニューに対応する次画面が、メインディスプレイ12に表示されることになる。
【0082】
以上説明したように、本情報表示装置では、各車載機器の操作内容毎に別の操作スイッチを設けるのではなく、ステアリングスイッチ6を、左方向移動スイッチ61、右方向移動スイッチ62、及び選択決定スイッチ63の3つを含むスイッチとする一方、メインディスプレイ12の操作画面S7を、横方向に並んで表示される複数の第1階層操作メニューと、上下方向に並んで表示される第2階層操作メニューとの組み合わせによって構成している。
【0083】
このため、左及び右方向移動スイッチ61,62は、横方向に並ぶ第1階層操作メニューに対応し、上向き及び下向きに変位操作される選択決定スイッチ63は、上下方向に並ぶ第2階層操作メニューに対応することになり、操作画面S7上での操作性が向上する。
【0084】
しかも、第1階層操作メニューと、第2階層操作メニューとは、別のスイッチ(左及び右方向移動スイッチ61,62と、選択決定スイッチ63)で操作する(つまり、スイッチの機能の分離)と共に、第2階層操作メニューにおいて行われる選択操作と決定操作とは同じスイッチ(選択決定スイッチ63)で操作する(つまり、スイッチの機能の集約)ことで、スイッチの数が最適化されると共に、操作画面S7上での操作順(第1階層操作メニュー、第2階層操作メニューの順)と、操作スイッチの操作順(左又は右方向移動スイッチ61,62、選択決定スイッチ63の順)とが対応するため、操作性は大幅に向上する。
【0085】
その結果、運転者は、ブラインド操作を良好に行うことが可能になる。
【0086】
また、上記ステアリングスイッチ6は、集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5上での操作をも行うスイッチであると共に、その集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5を横方向に並んで表示される複数の操作メニューによって構成している。
【0087】
このため、左及び右方向移動スイッチ61,62及び選択決定スイッチ63によって、メインディスプレイ12の操作画面S7における操作と同様の操作で集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5における操作が可能になる。このようにメインディスプレイ12の操作画面S7における操作と、集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5における操作とを、同様の操作形態とすることによって操作効率が向上すると共に、集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5における操作においても、メインディスプレイ12の操作画面における操作と同様に、ブラインド操作を良好に行うことが可能になり、特に運転者が操作スイッチ(つまりステアリングスイッチ6)を操作する場合に好適となる。
【0088】
また、上記左方向移動スイッチ61は上記選択決定スイッチ63の左側位置に、上記右方向移動スイッチ62は上記選択決定スイッチ63の右側位置にそれぞれ配置していることで、メインディスプレイ12及び集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5,S7において横方向に並んだ操作メニューにおいて選択位置の移動を行う場合の操作者の操作感覚と、左及び右方向移動スイッチ61,62の配置とが互いに一致するため、操作性のさらなる向上が図られ、ブラインド操作がより一層し易くなる。
【0089】
特に選択決定スイッチ63は、他のスイッチ61,62,64,65よりも運転者側に突出しているため、ステアリングスイッチ6を見なくても、選択決定スイッチ63の位置を認識することができ、ひいては左及び右方向移動スイッチ61,62それぞれの位置も認識することができる。つまり、ブラインド操作がより一層し易くなっている。
【0090】
次に、本車両用情報表示装置におけるステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチ(タッチパネル11及び空調操作スイッチ21)との間の競合回避制御について説明する。
【0091】
図9は、ステアリングスイッチ6の操作時に、車載機器側スイッチの操作を制限する制御のフローチャートである。このフローは、IGオンでスタートし、IGオフで終了する。
【0092】
先ずステップA1でステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチからのスイッチ信号を読み込むと共に、フラグFを初期化する。
【0093】
続くステップA2では、ステアリングスイッチ6の操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップA3に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップA8に移行する。
【0094】
ステップA3では、その操作態様に応じた制御を実行し、続くステップA4でその操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップA5に移行してフラグFを0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップA6に移行する。
【0095】
ステップA6ではステアリングスイッチ6の操作によって車載機器側スイッチ操作の制限が解除されたか(解除されているか)否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップA5に移行してフラグFを0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップA6に移行してフラグFを1にする。そうしてステップA2にリターンする。尚、図示は省略するが、メインディスプレイ12の操作画面に、車載機器側スイッチ操作の制限を解除するための操作メニューを含めておき、ステアリングスイッチ6の操作によってその操作メニューが選択されたときに、車載機器側スイッチ操作の制限が解除された、としてもよい。
【0096】
一方、ステップA8では、車載機器側スイッチの操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップA9に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップA2にリターンする。
【0097】
ステップA9ではフラグFが0であるか否かを判定し、0であるのYESのときにはステップA10に移行し、0でない(1である)のNOのときにはステップA11に移行する。
【0098】
ステップA10では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していることから、車載機器側スイッチの操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。一方、ステップA11では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していないことから、車載機器側スイッチの操作を制限し、その操作に基づく制御を行わない。
【0099】
このように、ステアリングスイッチ6が操作されて、その操作に対応する車載機器に関する制御を行うときには、車載機器側スイッチによる操作を制限することによって、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチの操作が競合することが回避される。つまり、ステアリングスイッチ6を操作している最中に、車載機器側スイッチの操作によって、ステアリングスイッチ6による操作内容が変更されることがなく、操作性が向上する。
【0100】
また、運転者の意向によって、車載機器側スイッチによる操作を制限することと、操作を許可することとを、切り替え得るため(ステップA6参照)、運転者の意図に反するような操作の競合は回避しつつも、例えばステアリングスイッチ6による操作の途中で車載機器側スイッチの操作を許可して、残りの操作を助手席の乗員に引き継ぐことも可能になり、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチの、2種類の操作スイッチを備えている装置としての利便性が高まる。
【0101】
尚、図9のフローチャートにおいては、そのステップA4において、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過しているか否かに応じてフラグFの切り替えを行っているが、例えばステアリングスイッチ6にタッチセンス機能を付加した構成においては、そのステアリングスイッチ6のタッチ状態の検出結果に応じて、フラグFの切り替えを行ってもよい。
【0102】
この場合は、図9のフローチャートのステップA4が、図10に示すステップD1に置き換えられ、タッチ状態(ステアリングスイッチ6が触れられている状態)であるのYESで、フラグFを1にし、タッチ状態でないのNOでフラグFを0にすることになる。
【0103】
この構成では、ステアリングスイッチ6を実際に操作しなくても、そのステアリングスイッチ6を触れている状態で車載機器側スイッチの操作が制限されるため、例えば、運転者がステアリングスイッチ6に触れながら何らかの操作を行おうと考えている状態(実際には操作していない状態)において、車載機器側スイッチによって操作が行われることがない。つまり、操作を行おうとしている運転者を邪魔することが未然に回避される。
【0104】
尚、操作後の経過時間に基づく制御と、上記のタッチセンスに基づく制御とを組み合わせてもよい。
【0105】
次に、上記競合回避制御に伴うメインディスプレイ12の表示制御について説明する。この表示制御は、ステアリングスイッチ6の操作対象がメインディスプレイ12である場合に行われる制御であり、この制御では、ステアリングスイッチ6によって操作されているときには、助手席に着座している乗員に対して車載機器側スイッチによる操作が制限されていることを視覚的に認識させるようにする。
【0106】
つまり、図11(a)に示すように、車載機器側スイッチの操作が制限されていない通常時には(図9のフローにおいてフラグFが0の時には)、メインディスプレイ12には、各操作メニュー(メニュー1〜5、及びメニュー3−1〜3−5)がボタン形状に表示され、タッチパネル11の操作が可能であることを助手席に着座している乗員に対して認識させる。つまり、操作メニューが操作可能であることをアフォードしている表示形態とする。尚、図例では、第1階層操作メニューの内からメニュー3を選択し、さらに、第2階層操作メニューから、メニュー3−3を選択した場合の画面遷移を示している。
【0107】
これに対し、図10(b)に示すように、車載機器側スイッチの操作が制限されている時には(図9のフローにおいてフラグFが1の時には)、メインディスプレイ12には、各操作メニュー(メニュー1〜5、及びメニュー3−1〜3−5)が表示されるものの、ボタン形状には表示されず、それによってタッチパネル11の操作が不可能であることを助手席に着座している乗員に対して認識させる。つまり、車載機器側スイッチの操作が制限されていない通常時とは操作メニューの表示形態を変えて、操作メニューが操作不可能であることをアフォードしている表示形態とする。一方、この表示形態であっても、ステアリングスイッチ6の操作に対応した操作メニューの表示が行われるため(同図(b)も同図(a)と同様に、第1階層操作メニューの内からメニュー3を選択し、さらに、第2階層操作メニューから、メニュー3−3を選択した場合の画面遷移を示している)、運転者はステアリングスイッチ6の操作が可能になる。
【0108】
タッチパネル11による操作が制限されているときには、助手席の乗員がそのタッチパネル11を操作してもそれに対応する制御が行われないため、助手席の乗員は違和感を感じることになる。しかしながら、タッチパネル11による操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させることによって、乗員は操作を行おうとはせず、そうした違和感は生じない。
【0109】
尚、操作メニューの表示形態を変えることに加えて、例えば図12(a)に示すように、「運転者操作中のためタッチ操作不可」等の文言をメインディスプレイ12に表示することによって、タッチパネル11による操作が制限されていることを助手席の乗員に対して認識させてもよいし、図12(b)に示すように、タッチパネル11による操作が制限されていることを意味する図(連想させる図)をメインディスプレイ12に表示することによって、助手席の乗員に対して認識させてもよい。
【0110】
次に、メインディスプレイ12の表示制御に関する変形例について説明する。この変形例においては、上記メインディスプレイ12が、その表示面に対する視線の角度に応じて異なる画面が表示可能に構成されており、本実施形態では特に、運転席に着座した乗員(運転者)に向けた画面(運転席側画面)と、助手席に着座した乗員に向けた画面(助手席側画面)とで、それぞれ異ならせるように構成されている。こうしたメインディスプレイ12は、種々の構成が考えられ、どのような構成を採用してもよい。ここでは図13を参照しながら、その一例について説明する。
【0111】
メインディスプレイ12は、液晶パネル80を備えていて、その表示面は、一定幅で上下方向(図13において紙面垂直方向)に延びる複数の第1の帯状部81と第2の帯状部82とから構成されている。これら第1及び第2の帯状部81、82は車幅方向に対して交互に配置されている。
【0112】
また、上記液晶パネル80の表面側(車室内側)には透明カバー83が配置されており、この透明カバー83の表面には、第1の遮光帯84が、その裏面には、第2の遮光帯85がそれぞれ設けられている。尚、図13では、理解容易のために、タッチパネルの図示は省略している。
【0113】
上記各遮光帯84,85の幅は、上記帯状部81,82の幅と同一であると共に、第1及び第2の各遮光帯84,85は、その帯幅と同じ間隔を隔てて車幅方向に等ピッチで形成されている。また、第1の遮光帯84と第2の遮光帯85とは、1/2ピッチだけ左右方向に形成位置をずらしており、これによって、各遮光帯84,85の間は光通過スリット86,87となっている。
【0114】
第1の帯状部81に運転席用の画面を表示し、第2の帯状部82に助手席用の画面を表示することにより、上記透明カバー83によって、上記運転席用の画像は運転席に着座した運転者91aに、上記助手席用の画面は助手席に着座した乗員92aに、それぞれ選択的に視認されるようになる。
【0115】
このようにメインディスプレイ12は、運転席側画面と助手席側画面とを互いに異ならせることが可能であるため、それを利用して、ステアリングスイッチ6の操作時には、運転席側画面(図14における右側の各画面)においては操作メニューを表示する一方、助手席側画面(図14における左側の各画面)においては、操作メニューを表示しない。これによって、運転者91aがステアリングスイッチ6によって操作することを可能にする一方、助手席に着座した乗員92aは、操作メニューを操作することができなくなる。つまり助手席に着座した乗員92aは、タッチパネル11による操作が制限されていることを認識することができる。
【0116】
尚、助手席側画面において操作メニューを表示しないことに加えて、例えば図15に示すように、「運転者操作中のためタッチ操作不可」等の文言を助手席側画面に表示してもよい。
【0117】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、ステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチとの間の競合回避制御として、ステアリングスイッチ6の操作時に、車載機器側スイッチの操作を制限する制御としたが、競合回避制御はこれとは逆に、車載機器側スイッチの操作時に、ステアリングスイッチ6の操作を制限する制御としてもよい。図16は、その競合回避制御のフローチャートであり、このフローは、IGオンでスタートし、IGオフで終了する。
【0118】
先ずステップB1でステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチからのスイッチ信号を読み込むと共に、フラグFを初期化する。
【0119】
続くステップB2では、車載機器側スイッチの操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップB3に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップB8に移行する。
【0120】
ステップB3では、その操作態様に応じた制御を実行し、続くステップB4でその操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップB5に移行してフラグFを0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップB6に移行する。
【0121】
ステップB6では車載機器側スイッチの操作によってステアリングスイッチ6の操作制限が解除されたか否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップB5に移行してフラグFを0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップB6に移行してフラグFを1にする。尚、図示は省略するが、メインディスプレイ12の操作画面に、ステアリングスイッチ操作の制限を解除するための操作メニューを含めておき、車載機器側スイッチの操作によってその操作メニューが選択されたときに、ステアリングスイッチ操作の制限が解除された、としてもよい。
【0122】
一方、ステップB8では、ステアリングスイッチ6の操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップB9に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップB2にリターンする。
【0123】
ステップB9ではフラグFが0であるか否かを判定し、0であるのYESのときにはステップB10に移行し、0でない(1である)のNOのときにはステップB11に移行する。
【0124】
ステップB10では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していることから、ステアリングスイッチ6の操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。一方、ステップB11では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していないことから、ステアリングスイッチ6の操作を制限し、その操作に基づく制御を行わない。
【0125】
この制御においても、ステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチとの競合が回避され、操作性が向上する。
【0126】
尚、上記の競合回避制御においても、そのステップB4を図10に示すステップD1と置き換えて、車載機器側スイッチに付加したタッチセンス機能を利用し、その車載機器側スイッチのタッチ状態の検出結果に応じて、フラグFの切り替えを行ってもよい。
【0127】
次に、さらに別の競合回避制御の例として、図17のフローを参照しながら、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチのいずれか一方のスイッチの操作時に、他方のスイッチによる操作を制限する制御について説明する。
【0128】
このフローは、IGオンでスタートし、IGオフで終了する。先ずステップC1でステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチからのスイッチ信号を読み込むと共に、フラグF1,F2を初期化する。
【0129】
続くステップC2では、ステアリングスイッチ6の操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップC3に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップC10に移行する。
【0130】
ステップC3では、フラグF2が0であるか否かを判定する。ここでフラグF2は、後述するように、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していないときに1とされるフラグである。ステップC3でフラグF2が0であるのYESのときにはステップC4に移行する一方、フラグF2が0でない(1である)のNOのときにはステップC5に移行する。
【0131】
ステップC4では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していることから、ステアリングスイッチ6の操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。その後、ステップC6に移行する。一方、ステップC5では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していないことから、ステアリングスイッチ6の操作を制限し、その操作に基づく制御を行わず、ステップC2にリターンする。
【0132】
ステップC6では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップC7に移行してフラグF1を0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップC8に移行する。
【0133】
ステップC8ではステアリングスイッチ6の操作によって車載機器側スイッチ操作の制限が解除されたか否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップC7に移行してフラグF1を0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップC9に移行してフラグF1を1にする。そうしてステップC2にリターンする。
【0134】
一方、ステップC10では、車載機器側スイッチの操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップC11に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップC2にリターンする。
【0135】
ステップC10ではフラグF1が0であるか否かを判定し、0であるのYESのときにはステップC12に移行し、0でない(1である)のNOのときにはステップC13に移行する。
【0136】
ステップC12では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していることから、車載機器側スイッチの操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。その後ステップC14に移行する。一方、ステップC13では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していないことから、車載機器側スイッチの操作を制限し、その操作に基づく制御を行わず、ステップC2にリターンする。
【0137】
ステップC14では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップC15に移行してフラグF2を0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップC16に移行する。
【0138】
ステップC16では車載機器側スイッチの操作によってステアリングスイッチ6の操作制限が解除されたか否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップC15に移行してフラグF2を0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップC17に移行してフラグF2を1にする。そうしてステップC2にリターンする。
【0139】
この制御においても、ステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチとの競合が回避され、操作性が向上する。
【0140】
尚、上記の競合回避制御においても、そのステップC6,C14をそれぞれ、図10に示すステップD1と置き換えて、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチに付加したタッチセンス機能を利用し、それらのスイッチのタッチ状態の検出結果に応じて、フラグF1,F2の切り替えを行ってもよい。
【0141】
尚、上記実施形態において示した、メインディスプレイ12及び集中ディスプレイ4の画面形態は例示であり、画面形態はこれに限定されるものではない。
【0142】
また、メインディスプレイ12及び集中ディスプレイ4の配設位置も、上記実施形態に限定されるものではない。
【0143】
さらに、上記実施形態では、本発明の第2の操作スイッチをステアリングスイッチ6とした例を示したが、第2の操作スイッチはステアリングスイッチ6に限らず、他の位置に取り付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
以上説明したように、本発明は、1つのディスプレイと、そのディスプレイの操作画面における操作を行う2種類の操作スイッチとを備えた構成において、2種類の操作スイッチの競合を回避してその操作性を向上させることができるため、自動車を始めとする車両用の、各種情報を表示する装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用情報表示装置が搭載された車室内を示す図である。
【図2】車両用情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】ステアリングスイッチを示す正面図である。
【図4】選択決定スイッチの動作を示す側面説明図である。
【図5】集中ディスプレイに表示される情報表示画面の一例である。
【図6】メインディスプレイに表示される画面の一例である。
【図7】集中ディスプレイの画面遷移を説明する図である。
【図8】集中ディスプレイにおける空調装置操作画面の遷移を説明する図である。
【図9】ステアリングスイッチの操作時に、車載機器側スイッチの操作を制限する競合回避制御のフローチャートである。
【図10】競合回避制御の変形例を示すフローチャートの一部である。
【図11】競合回避制御に伴うメインディスプレイの表示制御を説明する画面遷移図である。
【図12】メインディスプレイの表示制御に関して、画面表示の別の形態を示す説明図である。
【図13】メインディスプレイの表示制御の変形例に係る、メインディスプレイの構成を示す概略図である。
【図14】メインディスプレイの表示制御の変形例を説明する画面遷移図である。
【図15】メインディスプレイの表示制御に関して、画面表示の別の形態を示す説明図である。
【図16】車載機器側スイッチの操作時に、ステアリングスイッチの操作を制限する競合回避制御のフローチャートである。
【図17】ステアリングスイッチ及び車載機器側スイッチの操作時に、車載機器側スイッチ及びステアリングスイッチの操作を制限する競合回避制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
1 オーディオ・ナビゲーション装置(制御手段)
11 タッチパネル(第1の操作スイッチ)
12 メインディスプレイ(ナビゲーション用ディスプレイ)
21 空調操作スイッチ(第1の操作スイッチ)
4 集中ディスプレイ
6 ステアリングスイッチ(第2の操作スイッチ)
73 ステアリングホイール
S2〜S5 操作画面(集中ディスプレイ)
S7 操作画面(ナビゲーション用インディスプレイ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイと、そのディスプレイの操作画面上での操作を行うための第1及び第2の、2種類の操作スイッチと、を備えた車両用情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両には、ナビゲーション装置、空調装置、及びオーディオ装置等の種々の車載機器が搭載されるようになっている。例えば特許文献1には、各車載機器のディスプレイを統合すると共に、音声入力により各車載機器の操作を行う装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−241784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、そうした各車載機器の操作を行うために、ディスプレイに表示される操作画面上での操作を行うための操作スイッチを、ステアリングホイールに取り付けることによって、運転者がステアリングホイールから手を離すことなく各車載機器の操作を可能にすることが考えられる。この構成においては、ディスプレイの操作画面上での操作を行うスイッチとして、車載機器に設けられた操作スイッチと、ステアリングホイールに取り付けられた操作スイッチ(ステアリングスイッチ)との2種類の操作スイッチが存在することになる。
【0004】
ところがこうした構成においては、2種類の操作スイッチの操作が競合する場合がある。例えば運転者が所望の設定にしようとステアリングスイッチを操作している最中に、助手席に着座した乗員が車載機器に設けられた操作スイッチを操作して運転者の意図に反する操作を行う場合、又はその逆の場合が起こり得る。このように、2種類の操作スイッチが存在する構成では、その競合によって操作性が低下してしまうという不都合がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ディスプレイと、そのディスプレイの操作画面における操作を行う2種類の操作スイッチとを備えた車両用情報表示装置において、その操作性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用情報表示装置は、少なくとも1の車載装置の操作画面を表示するディスプレイと、上記車載機器に設けられて上記操作画面上での操作を行うための第1の操作スイッチと、上記第1の操作スイッチとは異なる位置に配置されて上記操作画面上での操作を行うための第2の操作スイッチと、上記第1及び第2の操作スイッチからの操作信号を受けて、上記車載機器に関する制御を行う制御手段と、を備える。
【0007】
そして、上記制御手段は、上記第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する。
【0008】
この構成によると、1つのディスプレイに対して、第1及び第2の、2種類の操作スイッチが存在し、いずれの操作スイッチでもディスプレイに表示される操作画面上での操作が可能である。
【0009】
そして、制御手段は、第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチが操作されて、その操作に対応した車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する。これによって、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することが回避される。例えば第2の操作スイッチを操作している最中に、第1の操作スイッチの操作によって、第2の操作スイッチによる操作内容が変更されることがなく、操作性が向上する。
【0010】
上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、所定時間が経過するまで上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない、としてもよい。
【0011】
こうすることで、一方の操作スイッチが操作されれば、その操作後、所定時間が経過するまでは、他方の操作スイッチを操作してもその操作に対応する制御が行われない。つまり、所定時間は、その一方の操作スイッチからの操作を待つ待機時間として機能し、その間は他方の操作スイッチによる操作を禁止する。これによって、簡易な構成で、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することが回避される。
【0012】
上記一方の操作スイッチを、当該スイッチに対する人の接触を検出するタッチセンス機能を有しているとして、上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、その一方の操作スイッチに人が触れている状態にある間は、上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない、としてもよい。
【0013】
こうすることで、一方の操作スイッチが操作されれば、そのスイッチから手を離すまでは、他方の操作スイッチを操作してもその操作に対応する制御が行われないため、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することが、より確実に回避される。
【0014】
また、この構成では、一方の操作スイッチを実際に操作しなくても、その操作スイッチを触れている状態でも、他方の操作スイッチの操作が制限されるため、例えば、一方の操作スイッチに触れながら操作を行おうと考えている状態(実際には操作していない状態)において、他方のスイッチにより操作が行われることがない。つまり、操作を行おうとしている操作者を邪魔することが未然に回避される。
【0015】
上記第2の操作スイッチは、ステアリングホイールに取り付けられている、としてもよい。
【0016】
つまり、第1及び第2の操作スイッチの内の1つは、運転者が操作するスイッチとなり、上述したように、第1及び第2の操作スイッチの操作の競合を回避することによって、運転者による第2の操作スイッチの操作性が高まり、ひいては安全性も向上する。
【0017】
上記ディスプレイは、複数の独立した車載機器それぞれに関する操作画面を表示する集中ディスプレイである、としてもよいし、少なくともナビゲーション装置に関する操作画面を表示するナビゲーション用ディスプレイである、としてもよい。
【0018】
上述したように、第1及び第2の操作スイッチの操作の競合が回避されるから、集中ディスプレイ又はナビゲーション用ディスプレイの操作性が向上する。
【0019】
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作を制限している状態で、上記第2の操作スイッチからの所定の操作信号を受けて、その操作制限を解除する、としてもよい。
【0020】
車載機器とは別の位置に配置された第2の操作スイッチを操作する操作者の意向によって、車載機器に設けられた第1の操作スイッチによる操作を制限することと、操作を許可することとを、切り替え得る。それによって、第2の操作スイッチを操作する操作者の意図に反するような操作の競合は回避しつつも、例えば第2の操作スイッチによる操作の途中で、残りの操作を第1の操作スイッチによる操作に引き継ぐことも可能になり、第1及び第2の、2種類の操作スイッチを備えている装置としての利便性が高まる。
【0021】
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記ナビゲーション用ディスプレイに対する表示制御を行うことによって、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させる、とすることが好ましい。
【0022】
第1の操作スイッチによる操作が制限されているときには、第1の操作スイッチを操作してもそれに対応する制御が行われないため、その第1の操作スイッチの操作者は違和感を感じることになる。しかしながら、第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させることによって、そうした違和感は生じない。
【0023】
上記ナビゲーション用ディスプレイに表示される操作画面は、操作メニューを含んでおり、上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第2の操作スイッチの操作者に対してそのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示を行う、としてもよい。
【0024】
第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させるとしても、第2の操作スイッチによる操作は行われるため、少なくとも上記第2の操作スイッチの操作者に対してそのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示を行うことによって、第2の操作スイッチの操作者は、スイッチ操作が可能になる。
【0025】
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていないときの操作メニューの表示形態と、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されているときの操作メニューの表示形態とを異ならせることによって、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対して、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる、としてもよい。
【0026】
つまり、第1の操作スイッチによる操作が制限されていないときは、操作メニューが操作可能であることをアフォードしている表示形態にし、第1の操作スイッチによる操作が制限されているときは、操作メニューが操作不可能であることをアフォードしている表示形態にすることで、少なくとも上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対して、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させることが可能になる。
【0027】
このように操作メニューの表示形態が変化しても、上述したように、第2の操作スイッチのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示が行われるため、第2の操作スイッチの操作者は、操作メニューが不可能であるとは認識せず、そのスイッチ操作が可能である。
【0028】
上記ナビゲーション用ディスプレイは、その表示面に対する視線の角度に応じて異なる画面が表示可能であり、上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面と、上記第2の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面とを異ならせることによって、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対しては、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる一方、上記第2の操作スイッチの操作者に対しては、そのスイッチ操作に対応した操作画面を表示する、としてもよい。
【0029】
この構成では、第1の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面と、上記第2の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面とを異ならせるため、第2の操作スイッチを操作する乗員に対してはそのスイッチ操作に対応した操作画面を表示しつつも、第1の操作スイッチを操作する乗員に対しては、第1の操作スイッチによる操作が制限されていることをより確実に認識させることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように、本発明の車両用情報表示装置によると、第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチが操作されて、その操作に対応する車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限することで、第1及び第2の操作スイッチの操作が競合することを回避することができ、操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0032】
図1,2は、本実施形態に係る車両用情報表示装置を示しており、本装置は、オーディオ装置とナビゲーション装置とが一体化したオーディオ・ナビゲーション装置1、車室内の空調を行う空調装置2、乗員に対して種々の情報を提供するためのDIS(Driver Information System)3、及び上記オーディオ装置1、空調装置2及びDIS3の各車載機器に関する情報を表示する集中ディスプレイ4、を備え、これらの各装置1〜4がCAN(Car Area Network)5を介して互いに接続されて構成されている。
【0033】
オーディオ・ナビゲーション装置1は、オーディオ装置として、CD(チェンジャー機能を有する)、FMラジオ、AMラジオ及びHDDの各オーディオソースを備え、ナビゲーション装置として、GPS(Global Positioning System)を利用して車両の経路誘導を行うための地図データ等を備えている。
【0034】
また、オーディオ・ナビゲーション装置1は、タッチパネル11と液晶表示装置等とを組み合わせたタッチパネル式のディスプレイ(以下、メインディスプレイ12という)を備えており、このメインディスプレイ12は、センターパネル71における上下方向略中央位置に配置されている。
【0035】
このメインディスプレイ12には、通常のオーディオ・ナビゲーション装置1のディスプレイと同様に、地図や、ナビゲーション装置又はオーディオ装置の設定変更操作を行うための操作画面等が表示される(図6参照)。
【0036】
空調装置2は、当該空調装置2の設定変更操作を行うための空調操作スイッチ21を備えており、この空調装置2の空調操作スイッチ21は、上記センターパネル71において、上記メインディスプレイ12よりも下側位置に配置されている。
【0037】
集中ディスプレイ4は、ダッシュパネル72の車幅方向略中央位置に配置されており、これによって集中ディスプレイ4は、メインディスプレイ12に対して上方位置に位置している。
【0038】
この集中ディスプレイ4は、横長(車幅方向に長い)形態を有しており、上述したように、オーディオ装置1、空調装置2及びDIS3の各車載機器に関する情報を表示する(情報表示モード)と共に、これらオーディオ装置1、空調装置2及びDIS3の設定変更操作を行うための操作画面を表示する(操作モード)。
【0039】
ここで、図5を参照しながら、上記集中ディスプレイ4の情報表示モード時における表示形態(情報表示画面)について説明する。この情報表示画面は、横方向の略中央領域がオーディオ装置1に関する情報を表示するオーディオ表示領域とされ、そのオーディオ表示領域に対して左側の領域が空調装置2に関する情報を表示する空調表示領域とされ、右側の領域がDIS3に関する情報を表示するDIS表示領域とされる。
【0040】
空調表示領域には、その左側から右側に向かって、左席温度設定情報、風量設定情報、吹出し口設定情報、右席温度設定情報、の順に各情報が表示される。
【0041】
オーディオ表示領域には、その左側から右側に向かって、オーディオソース情報、エリア1情報、エリア2情報、エリア3情報、の順に各情報が表示される。ここで、エリア1〜3情報は、選択されているオーディオソースに応じて表示内容が変更され、例えば図例に示すようにオーディオソースが「CD」のときには、エリア1にはCD番号情報、エリア2にはトラック番号情報、エリア3には経過時間情報がそれぞれ表示される。また図示は省略するが、オーディオソースが「(FM又はAM)ラジオ」のときには、エリア1にはチャンネル情報(プリセットされている場合)、エリア3には周波数情報がそれぞれ表示される(エリア2には何も表示されない)。
【0042】
DIS表示領域には、後述する設定操作に応じて、時刻情報、平均車速情報、残走行可能距離情報、瞬間燃費情報及び平均燃費情報のいずれかが表示される。
【0043】
上述したように、オーディオ・ナビゲーション装置1はタッチパネル式のメインディスプレイ12を備えているため、そのタッチパネル操作によって、オーディオ・ナビゲーション装置1の設定変更操作が可能である。同様に、空調装置2も空調操作スイッチ21を備えているため、そのスイッチ操作によって、空調装置2の設定変更操作が可能である。
【0044】
そして、本車両用情報表示装置は、タッチパネル11及び空調操作スイッチ21(以下これらを総称して車載機器側スイッチという)とは別に、オーディオ・ナビゲーション装置1、空調装置2、及びDIS3の設定変更操作を行うための操作スイッチを備えている。この操作スイッチは、集中ディスプレイ4及びメインディスプレイ12のそれぞれにおいて表示される操作画面上での操作を行うように構成されている。この操作スイッチは、図1に示すように、ステアリングホイール73には取り付けられて、運転者が左手の親指によって操作するスイッチ(ステアリングスイッチ6)とされており、このステアリングスイッチ6は、図2に示すように、オーディオ・ナビゲーション装置1に接続されている。
【0045】
ステアリングスイッチ6は、図3に示すように、操作画面上で選択位置を左方向に移動させるための左方向移動スイッチ61及び、選択位置を右方向に移動させるための右方向移動スイッチ62と、選択位置を上方向及び下方向に移動させると共に、メニューの選択決定を行うための選択決定スイッチ63と、を含む。
【0046】
ここで、左方向移動スイッチ61及び右方向移動スイッチ62はそれぞれ、プッシュ式スイッチであるのに対し、上記選択決定スイッチ63は、図4に示すように、通常時(非操作時)は中立位置(実線参照)に付勢されていると共に、その中立位置から上向き及び下向きに変位操作可能でありかつ、その中立位置において押圧操作可能なトグル式スイッチとされている。この選択決定スイッチ63の上向き及び下向きの変位操作によって操作画面上で選択位置が上方向及び下方向に移動し、選択決定スイッチ63の押圧操作によってメニューの選択決定が行われる。
【0047】
そして、左方向移動スイッチ61は、選択決定スイッチ63に対して左側位置に、右方向移動スイッチ62は、選択決定スイッチ63に対して右側位置に、それぞれ配置されており、これによって、選択決定スイッチ63は、左方向移動スイッチ61及び右方向移動スイッチ62の中間位置に配置されている。尚、トグル式スイッチである選択決定スイッチ63は、プッシュ式スイッチである左及び右方向移動スイッチ61,62よりも運転者側に突出した状態になっている。
【0048】
また、ステアリングスイッチ6には、プッシュ式スイッチであるNAVIスイッチ64と、同じくプッシュ式スイッチである、戻るスイッチ65とが含まれ、NAVIスイッチ64及び戻るスイッチ65は、上記の各スイッチ61〜63の下側位置に横方向に並んで配置されている。
【0049】
NAVIスイッチ64は、ステアリングスイッチ6の操作対象を、集中ディスプレイ4とメインディスプレイ12との間で切り替えるためのスイッチである。また、戻るスイッチ65は、主にメインディスプレイ12に表示される操作画面において、現在表示中の画面に対して1つ前の画面に戻る際に操作されるスイッチである。
【0050】
本車両用情報表示装置において、オーディオ・ナビゲーション装置1は制御手段として機能し、その機能を実現するために、各種インタフェース、メモリ、CPU等を備えている。上記オーディオ・ナビゲーション装置1は、ステアリングスイッチ6によって、オーディオ装置1、空調装置及びDIS3の設定変更操作が行われたときには、その信号をCAN5上に出力する。空調装置2及びDIS3はそれぞれ、そのCAN信号に応じた制御を行う。また、集中ディスプレイ4は、各装置1,2,3からのCAN信号を受けて表示を実行する。尚、オーディオ・ナビゲーション装置1は、ステアリングスイッチ6によってオーディオ装置の設定変更操作が行われたときには、そのステアリングスイッチ6からの操作信号に応じた制御を行う。
【0051】
さらに、オーディオ・ナビゲーション装置1は、後述するように、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチの操作の競合回避に係る制御を実行すると共に、その競合回避制御に伴うメインディスプレイ12に対する表示制御を行う。
【0052】
次に、図7を参照しながら、上記ステアリングスイッチ6の操作に伴う集中ディスプレイ4における画面遷移について説明する。
【0053】
上記集中ディスプレイ4は、通常時は情報表示モードにされており、集中ディスプレイ4には情報表示画面S1(図5参照)が表示される。ここで、情報表示画面S1における「<< >>」の記号はカーソル(選択位置)Cの位置を示しており、情報表示画面S1では、カーソルCの位置が、横方向に並んだ各情報(操作メニュー)の略中央位置(中立位置)に設定される。
【0054】
この情報表示画面S1において、ステアリングスイッチ6の左方向移動スイッチ61を操作したときには、中立位置とされていたカーソルCが左方向に移動して、集中ディスプレイ4の画面が空調装置操作画面S2となる。
【0055】
また、情報表示画面S1において、ステアリングスイッチ6の右方向移動スイッチ62を操作したときには、中立位置とされていたカーソルCが右方向に移動して、集中ディスプレイ4の画面がオーディオ装置操作画面S3となる。
【0056】
さらにそのオーディオ装置操作画面S3において、右方向移動スイッチ62を操作してカーソルCをさらに右方向に移動させることによって、集中ディスプレイ4の画面がDIS操作画面S4となる。
【0057】
また、情報表示画面S1において、選択決定スイッチ63を上方向又は下方向に変位操作したときには、オーディオ装置1の操作画面の1つとしてのボリューム変更操作画面S5となる。
【0058】
空調装置操作画面S2から情報表示画面S1への切り替えは、所定時間が経過するか(タイムアウト)、又は右方向移動スイッチ62を操作して、カーソルCを中立位置まで移動させるか、又は選択決定スイッチ63の押圧操作(エンター)するか、によって行われる。
【0059】
同様に、オーディオ装置操作画面S3及びDIS操作画面S4から情報表示画面S1への切り替えは、所定時間が経過するか(タイムアウト)、又は左方向移動スイッチ61を操作して、カーソルCを中立位置まで移動させるか、又は選択決定スイッチ63の押圧操作(エンター)するか、によって行われる。
【0060】
また、ボリューム変更操作画面S5から情報表示画面S1への切り替えは、所定時間が経過するか、又は選択決定スイッチ63の押圧操作(エンター)するか、によって行われる。
【0061】
尚、NAVIスイッチ64を操作したときには、ステアリングスイッチ6の操作対象が、集中ディスプレイ4からメインディスプレイ12に切り替わることになり、集中ディスプレイ4におけるオーディオ表示領域には「NAV. MODE」と表示されて、ステアリングスイッチ6の操作対象がメインディスプレイ12であることが示される(NAVI操作モード画面S6)。その状態で、再度NAVIスイッチ64を操作することによって、ステアリングスイッチ6の操作対象が、メインディスプレイ12から集中ディスプレイ4に切り替わる。
【0062】
次に、集中ディスプレイ4の操作画面における設定変更操作について、空調装置操作画面S2を例に、図8を参照しながら説明する。
【0063】
空調装置操作画面S2には、左側から右側に向かって、左席温度設定メニュー、風量設定メニュー、吹出し口設定メニュー、右席温度設定メニュー、の順に操作メニューが表示される。これは情報表示画面S1において設定情報が横方向に並ぶ構成と同じである。
【0064】
そして、左方向移動スイッチ61の操作によってカーソルCが右席温度設定メニュー、吹出し口設定メニュー、風量設定メニュー、左席温度設定メニューの順に移動する(同図のS2−1,S2−2,S2−3,S2−4)。運転者は、左又は右方向移動スイッチ62を操作することによって、カーソルCを設定変更したいメニュー位置に移動させることになる。
【0065】
カーソルCを所望のメニュー位置に位置させた後、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作を行うことによって、当該メニューに対応する情報の設定変更が行われる。例えば左席温度設定メニューにおいて、上方向変位操作を行ったときにはその設定温度が上がり、下方向変位操作を行ったときにはその設定温度が下がる。
【0066】
ここで、上方向及び下方向変位操作には、スイッチ63を変位させてすぐに中立位置に戻す「短押し」操作、スイッチ63を変位した状態を継続する「長押し」操作の2種類があり、左席温度設定メニューでは、短押し操作の場合には、設定温度が変更可能な最小単位(例えば0.5℃)で変更され(S2−4−1,S2−4−2)、長押し操作の場合は、設定温度が予め設定された変更速度(X℃/sec)で変更される(S2−4−3,S2−4−4)ように構成されている。
【0067】
尚、左席温度設定メニューでは、設定温度の上限又は下限が存在するため、上方向又は下方向変位操作を継続しても、設定温度の上限又は下限を超える設定はできないように構成される(ターンバックに構成されている)。
【0068】
ここでは左席温度設定メニューを例に設定変更操作について説明したが、風量設定メニュー及び右席温度設定メニューの設定変更操作も、左席温度設定メニューと同様に構成されている。例えば風量設定メニューにおいては、上方向又は下方向変位操作が短押し操作の場合には、風量を1段階だけ上げる又は下げる設定とされ、長押し操作の場合には、風量を1段階/Xsecで上げる又は下げる設定とされる。
【0069】
また、吹出し口設定メニューにおいては、下方向変位操作を行うことによって、吹出し口の設定が、「足元」「足元/顔」「顔」「デフロスタ」「デフロスタ/足元」の順に変更され(上方向変位操作の場合はその逆順に変更される)、上方向又は下方向変位操作を継続したときには、その吹出し口の設定が繰り返し変更される(サイクリックに構成されている)。
【0070】
尚、図示は省略するが、オーディオ装置操作画面S3における設定変更操作も、上記空調装置操作画面S2における設定変更操作と同様である。つまり、オーディオ装置操作画面S3には、オーディオソース操作メニューが含まれ、この操作メニューでは、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作を行うことによって、オーディオソースが「FMラジオ」「AMラジオ」「CD」「HDD」「オフ」の順に、サイクリックに変更される。
【0071】
また、オーディオソースとしてCDが選択されているときには、エリア1(CD番号操作メニュー)においては、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作によってCDの変更(チェンジャーに収容されているCDの変更)、エリア2(トラック操作メニュー)においては、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作によって再生するトラックの変更、がそれぞれ行われる。尚、これらはサイクリックに構成されていると共に、上方向又は下方向変位操作が短押し操作の場合には、CD又はトラックを1ずつ上昇側又は下降側に変更する設定とされ、長押し操作の場合には、CD又はトラックをX/secで上昇側又は下降側に変更する設定とされる。
【0072】
また、オーディオソースとしてラジオが選択されているときには、エリア1及びエリア3(チャンネル操作メニュー、周波数操作メニュー)においては、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作によってチャンネル若しくは周波数の変更(短押し操作の場合)、又はサーチ(長押し操作の場合)が行われる。尚、これらはサイクリックに構成されている。
【0073】
また、図示は省略するが、DIS操作画面S4における設定変更操作も、上記空調装置操作画面S2における設定変更操作と同様である。つまり、DIS操作画面S4を表示している状態で、選択決定スイッチ63の上方向又は下方向の変位操作を行うことによって、当該メニューの設定変更が行われ、DIS表示設定が、「時計表示」「平均車速表示」「残走行可能距離表示」「瞬間燃費表示」「平均燃費表示」の順に変更される尚、DIS操作画面S4では、操作メニューがサイクリックに構成されている。
【0074】
また、「平均車速表示」又は「平均燃費表示」の状態で、選択決定スイッチ63を押圧操作(長押し操作)することによって、平均車速又は平均燃費をリセットすることができるように構成されている。
【0075】
このように、選択決定スイッチ63の、上方向又は下方向変位操作、及び押圧操作については、短押し操作と長押し操作とで異なる機能が割り付けられる場合がある。
【0076】
次に、メインディスプレイ12の操作画面における設定変更操作について、図6を参照しながら説明する。
【0077】
上述したように、ステアリングスイッチ6のNAVIスイッチ64を押圧操作することによって、ステアリングスイッチ6の操作対象は、集中ディスプレイ4からメインディスプレイ12に切り替わるが、このとき、メインディスプレイ12には、図6に示す構成の操作画面S7が表示される。
【0078】
この操作画面S7は、横方向に並ぶ第1階層操作メニュー(メニュー1〜メニュー5)と、第1階層操作メニューのいずれかを選択中に展開して表示される(プルダウン形式で表示される)第2階層操作メニュー(図例ではメニュー3−1〜メニュー3−5)と、を組み合わせて構成されている。
【0079】
先ず、運転者が左又は右方向移動スイッチ62を操作することによって、第1階層メニューの選択位置が左又は右方向に移動する。そして、第1階層操作メニューのいずれかが選択されているときには、その選択されている第1階層操作メニューに属する第2階層操作メニュー(メニュー3−1〜メニュー3−5)がプルダウン形式で表示される。このように第2階層操作メニューが表示されるときには、その第1階層メニューのボタンアイコンが縮小され(図例では、メニュー3のボタンアイコンが縮小されている)、それによって、第2階層操作メニューを大きく表示することができる。これによって視認性を向上させることができる。
【0080】
第2階層操作メニューが表示されている状態で、選択決定スイッチ63を上向き又は下向きに変位操作することによって、第2階層操作メニューの選択位置が上又は下方向に移動する。
【0081】
そして、所望の第2階層メニューを選択した状態で、選択決定スイッチ63を押圧操作することにより、その選択した操作メニューが選択決定され、その選択決定した操作メニューに対応する次画面が、メインディスプレイ12に表示されることになる。
【0082】
以上説明したように、本情報表示装置では、各車載機器の操作内容毎に別の操作スイッチを設けるのではなく、ステアリングスイッチ6を、左方向移動スイッチ61、右方向移動スイッチ62、及び選択決定スイッチ63の3つを含むスイッチとする一方、メインディスプレイ12の操作画面S7を、横方向に並んで表示される複数の第1階層操作メニューと、上下方向に並んで表示される第2階層操作メニューとの組み合わせによって構成している。
【0083】
このため、左及び右方向移動スイッチ61,62は、横方向に並ぶ第1階層操作メニューに対応し、上向き及び下向きに変位操作される選択決定スイッチ63は、上下方向に並ぶ第2階層操作メニューに対応することになり、操作画面S7上での操作性が向上する。
【0084】
しかも、第1階層操作メニューと、第2階層操作メニューとは、別のスイッチ(左及び右方向移動スイッチ61,62と、選択決定スイッチ63)で操作する(つまり、スイッチの機能の分離)と共に、第2階層操作メニューにおいて行われる選択操作と決定操作とは同じスイッチ(選択決定スイッチ63)で操作する(つまり、スイッチの機能の集約)ことで、スイッチの数が最適化されると共に、操作画面S7上での操作順(第1階層操作メニュー、第2階層操作メニューの順)と、操作スイッチの操作順(左又は右方向移動スイッチ61,62、選択決定スイッチ63の順)とが対応するため、操作性は大幅に向上する。
【0085】
その結果、運転者は、ブラインド操作を良好に行うことが可能になる。
【0086】
また、上記ステアリングスイッチ6は、集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5上での操作をも行うスイッチであると共に、その集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5を横方向に並んで表示される複数の操作メニューによって構成している。
【0087】
このため、左及び右方向移動スイッチ61,62及び選択決定スイッチ63によって、メインディスプレイ12の操作画面S7における操作と同様の操作で集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5における操作が可能になる。このようにメインディスプレイ12の操作画面S7における操作と、集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5における操作とを、同様の操作形態とすることによって操作効率が向上すると共に、集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5における操作においても、メインディスプレイ12の操作画面における操作と同様に、ブラインド操作を良好に行うことが可能になり、特に運転者が操作スイッチ(つまりステアリングスイッチ6)を操作する場合に好適となる。
【0088】
また、上記左方向移動スイッチ61は上記選択決定スイッチ63の左側位置に、上記右方向移動スイッチ62は上記選択決定スイッチ63の右側位置にそれぞれ配置していることで、メインディスプレイ12及び集中ディスプレイ4の操作画面S2〜S5,S7において横方向に並んだ操作メニューにおいて選択位置の移動を行う場合の操作者の操作感覚と、左及び右方向移動スイッチ61,62の配置とが互いに一致するため、操作性のさらなる向上が図られ、ブラインド操作がより一層し易くなる。
【0089】
特に選択決定スイッチ63は、他のスイッチ61,62,64,65よりも運転者側に突出しているため、ステアリングスイッチ6を見なくても、選択決定スイッチ63の位置を認識することができ、ひいては左及び右方向移動スイッチ61,62それぞれの位置も認識することができる。つまり、ブラインド操作がより一層し易くなっている。
【0090】
次に、本車両用情報表示装置におけるステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチ(タッチパネル11及び空調操作スイッチ21)との間の競合回避制御について説明する。
【0091】
図9は、ステアリングスイッチ6の操作時に、車載機器側スイッチの操作を制限する制御のフローチャートである。このフローは、IGオンでスタートし、IGオフで終了する。
【0092】
先ずステップA1でステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチからのスイッチ信号を読み込むと共に、フラグFを初期化する。
【0093】
続くステップA2では、ステアリングスイッチ6の操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップA3に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップA8に移行する。
【0094】
ステップA3では、その操作態様に応じた制御を実行し、続くステップA4でその操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップA5に移行してフラグFを0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップA6に移行する。
【0095】
ステップA6ではステアリングスイッチ6の操作によって車載機器側スイッチ操作の制限が解除されたか(解除されているか)否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップA5に移行してフラグFを0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップA6に移行してフラグFを1にする。そうしてステップA2にリターンする。尚、図示は省略するが、メインディスプレイ12の操作画面に、車載機器側スイッチ操作の制限を解除するための操作メニューを含めておき、ステアリングスイッチ6の操作によってその操作メニューが選択されたときに、車載機器側スイッチ操作の制限が解除された、としてもよい。
【0096】
一方、ステップA8では、車載機器側スイッチの操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップA9に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップA2にリターンする。
【0097】
ステップA9ではフラグFが0であるか否かを判定し、0であるのYESのときにはステップA10に移行し、0でない(1である)のNOのときにはステップA11に移行する。
【0098】
ステップA10では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していることから、車載機器側スイッチの操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。一方、ステップA11では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していないことから、車載機器側スイッチの操作を制限し、その操作に基づく制御を行わない。
【0099】
このように、ステアリングスイッチ6が操作されて、その操作に対応する車載機器に関する制御を行うときには、車載機器側スイッチによる操作を制限することによって、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチの操作が競合することが回避される。つまり、ステアリングスイッチ6を操作している最中に、車載機器側スイッチの操作によって、ステアリングスイッチ6による操作内容が変更されることがなく、操作性が向上する。
【0100】
また、運転者の意向によって、車載機器側スイッチによる操作を制限することと、操作を許可することとを、切り替え得るため(ステップA6参照)、運転者の意図に反するような操作の競合は回避しつつも、例えばステアリングスイッチ6による操作の途中で車載機器側スイッチの操作を許可して、残りの操作を助手席の乗員に引き継ぐことも可能になり、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチの、2種類の操作スイッチを備えている装置としての利便性が高まる。
【0101】
尚、図9のフローチャートにおいては、そのステップA4において、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過しているか否かに応じてフラグFの切り替えを行っているが、例えばステアリングスイッチ6にタッチセンス機能を付加した構成においては、そのステアリングスイッチ6のタッチ状態の検出結果に応じて、フラグFの切り替えを行ってもよい。
【0102】
この場合は、図9のフローチャートのステップA4が、図10に示すステップD1に置き換えられ、タッチ状態(ステアリングスイッチ6が触れられている状態)であるのYESで、フラグFを1にし、タッチ状態でないのNOでフラグFを0にすることになる。
【0103】
この構成では、ステアリングスイッチ6を実際に操作しなくても、そのステアリングスイッチ6を触れている状態で車載機器側スイッチの操作が制限されるため、例えば、運転者がステアリングスイッチ6に触れながら何らかの操作を行おうと考えている状態(実際には操作していない状態)において、車載機器側スイッチによって操作が行われることがない。つまり、操作を行おうとしている運転者を邪魔することが未然に回避される。
【0104】
尚、操作後の経過時間に基づく制御と、上記のタッチセンスに基づく制御とを組み合わせてもよい。
【0105】
次に、上記競合回避制御に伴うメインディスプレイ12の表示制御について説明する。この表示制御は、ステアリングスイッチ6の操作対象がメインディスプレイ12である場合に行われる制御であり、この制御では、ステアリングスイッチ6によって操作されているときには、助手席に着座している乗員に対して車載機器側スイッチによる操作が制限されていることを視覚的に認識させるようにする。
【0106】
つまり、図11(a)に示すように、車載機器側スイッチの操作が制限されていない通常時には(図9のフローにおいてフラグFが0の時には)、メインディスプレイ12には、各操作メニュー(メニュー1〜5、及びメニュー3−1〜3−5)がボタン形状に表示され、タッチパネル11の操作が可能であることを助手席に着座している乗員に対して認識させる。つまり、操作メニューが操作可能であることをアフォードしている表示形態とする。尚、図例では、第1階層操作メニューの内からメニュー3を選択し、さらに、第2階層操作メニューから、メニュー3−3を選択した場合の画面遷移を示している。
【0107】
これに対し、図10(b)に示すように、車載機器側スイッチの操作が制限されている時には(図9のフローにおいてフラグFが1の時には)、メインディスプレイ12には、各操作メニュー(メニュー1〜5、及びメニュー3−1〜3−5)が表示されるものの、ボタン形状には表示されず、それによってタッチパネル11の操作が不可能であることを助手席に着座している乗員に対して認識させる。つまり、車載機器側スイッチの操作が制限されていない通常時とは操作メニューの表示形態を変えて、操作メニューが操作不可能であることをアフォードしている表示形態とする。一方、この表示形態であっても、ステアリングスイッチ6の操作に対応した操作メニューの表示が行われるため(同図(b)も同図(a)と同様に、第1階層操作メニューの内からメニュー3を選択し、さらに、第2階層操作メニューから、メニュー3−3を選択した場合の画面遷移を示している)、運転者はステアリングスイッチ6の操作が可能になる。
【0108】
タッチパネル11による操作が制限されているときには、助手席の乗員がそのタッチパネル11を操作してもそれに対応する制御が行われないため、助手席の乗員は違和感を感じることになる。しかしながら、タッチパネル11による操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させることによって、乗員は操作を行おうとはせず、そうした違和感は生じない。
【0109】
尚、操作メニューの表示形態を変えることに加えて、例えば図12(a)に示すように、「運転者操作中のためタッチ操作不可」等の文言をメインディスプレイ12に表示することによって、タッチパネル11による操作が制限されていることを助手席の乗員に対して認識させてもよいし、図12(b)に示すように、タッチパネル11による操作が制限されていることを意味する図(連想させる図)をメインディスプレイ12に表示することによって、助手席の乗員に対して認識させてもよい。
【0110】
次に、メインディスプレイ12の表示制御に関する変形例について説明する。この変形例においては、上記メインディスプレイ12が、その表示面に対する視線の角度に応じて異なる画面が表示可能に構成されており、本実施形態では特に、運転席に着座した乗員(運転者)に向けた画面(運転席側画面)と、助手席に着座した乗員に向けた画面(助手席側画面)とで、それぞれ異ならせるように構成されている。こうしたメインディスプレイ12は、種々の構成が考えられ、どのような構成を採用してもよい。ここでは図13を参照しながら、その一例について説明する。
【0111】
メインディスプレイ12は、液晶パネル80を備えていて、その表示面は、一定幅で上下方向(図13において紙面垂直方向)に延びる複数の第1の帯状部81と第2の帯状部82とから構成されている。これら第1及び第2の帯状部81、82は車幅方向に対して交互に配置されている。
【0112】
また、上記液晶パネル80の表面側(車室内側)には透明カバー83が配置されており、この透明カバー83の表面には、第1の遮光帯84が、その裏面には、第2の遮光帯85がそれぞれ設けられている。尚、図13では、理解容易のために、タッチパネルの図示は省略している。
【0113】
上記各遮光帯84,85の幅は、上記帯状部81,82の幅と同一であると共に、第1及び第2の各遮光帯84,85は、その帯幅と同じ間隔を隔てて車幅方向に等ピッチで形成されている。また、第1の遮光帯84と第2の遮光帯85とは、1/2ピッチだけ左右方向に形成位置をずらしており、これによって、各遮光帯84,85の間は光通過スリット86,87となっている。
【0114】
第1の帯状部81に運転席用の画面を表示し、第2の帯状部82に助手席用の画面を表示することにより、上記透明カバー83によって、上記運転席用の画像は運転席に着座した運転者91aに、上記助手席用の画面は助手席に着座した乗員92aに、それぞれ選択的に視認されるようになる。
【0115】
このようにメインディスプレイ12は、運転席側画面と助手席側画面とを互いに異ならせることが可能であるため、それを利用して、ステアリングスイッチ6の操作時には、運転席側画面(図14における右側の各画面)においては操作メニューを表示する一方、助手席側画面(図14における左側の各画面)においては、操作メニューを表示しない。これによって、運転者91aがステアリングスイッチ6によって操作することを可能にする一方、助手席に着座した乗員92aは、操作メニューを操作することができなくなる。つまり助手席に着座した乗員92aは、タッチパネル11による操作が制限されていることを認識することができる。
【0116】
尚、助手席側画面において操作メニューを表示しないことに加えて、例えば図15に示すように、「運転者操作中のためタッチ操作不可」等の文言を助手席側画面に表示してもよい。
【0117】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、ステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチとの間の競合回避制御として、ステアリングスイッチ6の操作時に、車載機器側スイッチの操作を制限する制御としたが、競合回避制御はこれとは逆に、車載機器側スイッチの操作時に、ステアリングスイッチ6の操作を制限する制御としてもよい。図16は、その競合回避制御のフローチャートであり、このフローは、IGオンでスタートし、IGオフで終了する。
【0118】
先ずステップB1でステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチからのスイッチ信号を読み込むと共に、フラグFを初期化する。
【0119】
続くステップB2では、車載機器側スイッチの操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップB3に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップB8に移行する。
【0120】
ステップB3では、その操作態様に応じた制御を実行し、続くステップB4でその操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップB5に移行してフラグFを0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップB6に移行する。
【0121】
ステップB6では車載機器側スイッチの操作によってステアリングスイッチ6の操作制限が解除されたか否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップB5に移行してフラグFを0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップB6に移行してフラグFを1にする。尚、図示は省略するが、メインディスプレイ12の操作画面に、ステアリングスイッチ操作の制限を解除するための操作メニューを含めておき、車載機器側スイッチの操作によってその操作メニューが選択されたときに、ステアリングスイッチ操作の制限が解除された、としてもよい。
【0122】
一方、ステップB8では、ステアリングスイッチ6の操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップB9に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップB2にリターンする。
【0123】
ステップB9ではフラグFが0であるか否かを判定し、0であるのYESのときにはステップB10に移行し、0でない(1である)のNOのときにはステップB11に移行する。
【0124】
ステップB10では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していることから、ステアリングスイッチ6の操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。一方、ステップB11では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していないことから、ステアリングスイッチ6の操作を制限し、その操作に基づく制御を行わない。
【0125】
この制御においても、ステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチとの競合が回避され、操作性が向上する。
【0126】
尚、上記の競合回避制御においても、そのステップB4を図10に示すステップD1と置き換えて、車載機器側スイッチに付加したタッチセンス機能を利用し、その車載機器側スイッチのタッチ状態の検出結果に応じて、フラグFの切り替えを行ってもよい。
【0127】
次に、さらに別の競合回避制御の例として、図17のフローを参照しながら、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチのいずれか一方のスイッチの操作時に、他方のスイッチによる操作を制限する制御について説明する。
【0128】
このフローは、IGオンでスタートし、IGオフで終了する。先ずステップC1でステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチからのスイッチ信号を読み込むと共に、フラグF1,F2を初期化する。
【0129】
続くステップC2では、ステアリングスイッチ6の操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップC3に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップC10に移行する。
【0130】
ステップC3では、フラグF2が0であるか否かを判定する。ここでフラグF2は、後述するように、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していないときに1とされるフラグである。ステップC3でフラグF2が0であるのYESのときにはステップC4に移行する一方、フラグF2が0でない(1である)のNOのときにはステップC5に移行する。
【0131】
ステップC4では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していることから、ステアリングスイッチ6の操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。その後、ステップC6に移行する。一方、ステップC5では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過していないことから、ステアリングスイッチ6の操作を制限し、その操作に基づく制御を行わず、ステップC2にリターンする。
【0132】
ステップC6では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップC7に移行してフラグF1を0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップC8に移行する。
【0133】
ステップC8ではステアリングスイッチ6の操作によって車載機器側スイッチ操作の制限が解除されたか否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップC7に移行してフラグF1を0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップC9に移行してフラグF1を1にする。そうしてステップC2にリターンする。
【0134】
一方、ステップC10では、車載機器側スイッチの操作があったか否かを判定し、操作があったのYESのときにはステップC11に移行し、操作がなかったのNOのときにはステップC2にリターンする。
【0135】
ステップC10ではフラグF1が0であるか否かを判定し、0であるのYESのときにはステップC12に移行し、0でない(1である)のNOのときにはステップC13に移行する。
【0136】
ステップC12では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していることから、車載機器側スイッチの操作を許可し、その操作態様に応じた制御を実行する。その後ステップC14に移行する。一方、ステップC13では、ステアリングスイッチ6の操作後、所定時間が経過していないことから、車載機器側スイッチの操作を制限し、その操作に基づく制御を行わず、ステップC2にリターンする。
【0137】
ステップC14では、車載機器側スイッチの操作後、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したのYESのときにはステップC15に移行してフラグF2を0にし、所定時間が経過していないのNOのときにはステップC16に移行する。
【0138】
ステップC16では車載機器側スイッチの操作によってステアリングスイッチ6の操作制限が解除されたか否かを判定し、解除されたのYESのときにはステップC15に移行してフラグF2を0にする一方、解除されていないのNOのときにはステップC17に移行してフラグF2を1にする。そうしてステップC2にリターンする。
【0139】
この制御においても、ステアリングスイッチ6と車載機器側スイッチとの競合が回避され、操作性が向上する。
【0140】
尚、上記の競合回避制御においても、そのステップC6,C14をそれぞれ、図10に示すステップD1と置き換えて、ステアリングスイッチ6及び車載機器側スイッチに付加したタッチセンス機能を利用し、それらのスイッチのタッチ状態の検出結果に応じて、フラグF1,F2の切り替えを行ってもよい。
【0141】
尚、上記実施形態において示した、メインディスプレイ12及び集中ディスプレイ4の画面形態は例示であり、画面形態はこれに限定されるものではない。
【0142】
また、メインディスプレイ12及び集中ディスプレイ4の配設位置も、上記実施形態に限定されるものではない。
【0143】
さらに、上記実施形態では、本発明の第2の操作スイッチをステアリングスイッチ6とした例を示したが、第2の操作スイッチはステアリングスイッチ6に限らず、他の位置に取り付けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0144】
以上説明したように、本発明は、1つのディスプレイと、そのディスプレイの操作画面における操作を行う2種類の操作スイッチとを備えた構成において、2種類の操作スイッチの競合を回避してその操作性を向上させることができるため、自動車を始めとする車両用の、各種情報を表示する装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用情報表示装置が搭載された車室内を示す図である。
【図2】車両用情報表示装置の構成を示すブロック図である。
【図3】ステアリングスイッチを示す正面図である。
【図4】選択決定スイッチの動作を示す側面説明図である。
【図5】集中ディスプレイに表示される情報表示画面の一例である。
【図6】メインディスプレイに表示される画面の一例である。
【図7】集中ディスプレイの画面遷移を説明する図である。
【図8】集中ディスプレイにおける空調装置操作画面の遷移を説明する図である。
【図9】ステアリングスイッチの操作時に、車載機器側スイッチの操作を制限する競合回避制御のフローチャートである。
【図10】競合回避制御の変形例を示すフローチャートの一部である。
【図11】競合回避制御に伴うメインディスプレイの表示制御を説明する画面遷移図である。
【図12】メインディスプレイの表示制御に関して、画面表示の別の形態を示す説明図である。
【図13】メインディスプレイの表示制御の変形例に係る、メインディスプレイの構成を示す概略図である。
【図14】メインディスプレイの表示制御の変形例を説明する画面遷移図である。
【図15】メインディスプレイの表示制御に関して、画面表示の別の形態を示す説明図である。
【図16】車載機器側スイッチの操作時に、ステアリングスイッチの操作を制限する競合回避制御のフローチャートである。
【図17】ステアリングスイッチ及び車載機器側スイッチの操作時に、車載機器側スイッチ及びステアリングスイッチの操作を制限する競合回避制御のフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
1 オーディオ・ナビゲーション装置(制御手段)
11 タッチパネル(第1の操作スイッチ)
12 メインディスプレイ(ナビゲーション用ディスプレイ)
21 空調操作スイッチ(第1の操作スイッチ)
4 集中ディスプレイ
6 ステアリングスイッチ(第2の操作スイッチ)
73 ステアリングホイール
S2〜S5 操作画面(集中ディスプレイ)
S7 操作画面(ナビゲーション用インディスプレイ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の車載装置の操作画面を表示するディスプレイと、
上記車載機器に設けられて上記操作画面上での操作を行うための第1の操作スイッチと、
上記第1の操作スイッチとは異なる位置に配置されて上記操作画面上での操作を行うための第2の操作スイッチと、
上記第1及び第2の操作スイッチからの操作信号を受けて、上記車載機器に関する制御を行う制御手段と、を備え、
上記制御手段は、上記第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する車両用情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、所定時間が経過するまで上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない車両用情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用情報表示装置において、
上記一方の操作スイッチは、当該スイッチに対する人の接触を検出するタッチセンス機能を有していて、
上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、その一方の操作スイッチに人が触れている状態にある間は、上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない車両用情報表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用情報表示装置において、
上記第2の操作スイッチは、ステアリングホイールに取り付けられている車両用情報表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用情報表示装置において、
上記ディスプレイは、複数の独立した車載機器それぞれに関する操作画面を表示する集中ディスプレイである車両用情報表示装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用情報表示装置において、
上記ディスプレイは、少なくともナビゲーション装置に関する操作画面を表示するナビゲーション用ディスプレイである車両用情報表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用情報表示装置おいて、
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作を制限している状態で、上記第2の操作スイッチからの所定の操作信号を受けて、その操作制限を解除する車両用情報表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記ナビゲーション用ディスプレイに対する表示制御を行うことによって、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させる車両用情報表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用情報表示装置において、
上記ナビゲーション用ディスプレイに表示される操作画面は、操作メニューを含んでおり、
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第2の操作スイッチの操作者に対してそのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示を行う車両用情報表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていないときの操作メニューの表示形態と、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されているときの操作メニューの表示形態とを異ならせることによって、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対して、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる車両用情報表示装置。
【請求項11】
請求項8に記載の車両用情報表示装置において、
上記ナビゲーション用ディスプレイは、その表示面に対する視線の角度に応じて異なる画面が表示可能であり、
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面と、上記第2の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面とを異ならせることによって、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対しては、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる一方、上記第2の操作スイッチの操作者に対しては、そのスイッチ操作に対応した操作画面を表示する車両用情報表示装置。
【請求項1】
少なくとも1の車載装置の操作画面を表示するディスプレイと、
上記車載機器に設けられて上記操作画面上での操作を行うための第1の操作スイッチと、
上記第1の操作スイッチとは異なる位置に配置されて上記操作画面上での操作を行うための第2の操作スイッチと、
上記第1及び第2の操作スイッチからの操作信号を受けて、上記車載機器に関する制御を行う制御手段と、を備え、
上記制御手段は、上記第1及び第2の操作スイッチの内のいずれか一方の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器に関する制御を行うときには、他方の操作スイッチによる操作を制限する車両用情報表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、所定時間が経過するまで上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない車両用情報表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載の車両用情報表示装置において、
上記一方の操作スイッチは、当該スイッチに対する人の接触を検出するタッチセンス機能を有していて、
上記制御手段は、上記一方の操作スイッチからの操作信号を受けた後、その一方の操作スイッチに人が触れている状態にある間は、上記他方の操作スイッチからの操作信号に対応する制御を行わない車両用情報表示装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用情報表示装置において、
上記第2の操作スイッチは、ステアリングホイールに取り付けられている車両用情報表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用情報表示装置において、
上記ディスプレイは、複数の独立した車載機器それぞれに関する操作画面を表示する集中ディスプレイである車両用情報表示装置。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用情報表示装置において、
上記ディスプレイは、少なくともナビゲーション装置に関する操作画面を表示するナビゲーション用ディスプレイである車両用情報表示装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用情報表示装置おいて、
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作を制限している状態で、上記第2の操作スイッチからの所定の操作信号を受けて、その操作制限を解除する車両用情報表示装置。
【請求項8】
請求項6に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記ナビゲーション用ディスプレイに対する表示制御を行うことによって、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを乗員に対し視覚的に認識させる車両用情報表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用情報表示装置において、
上記ナビゲーション用ディスプレイに表示される操作画面は、操作メニューを含んでおり、
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第2の操作スイッチの操作者に対してそのスイッチ操作に対応した操作メニューの表示を行う車両用情報表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車両用情報表示装置において、
上記制御手段は、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されていないときの操作メニューの表示形態と、上記第1の操作スイッチによる操作が制限されているときの操作メニューの表示形態とを異ならせることによって、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、少なくとも上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対して、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる車両用情報表示装置。
【請求項11】
請求項8に記載の車両用情報表示装置において、
上記ナビゲーション用ディスプレイは、その表示面に対する視線の角度に応じて異なる画面が表示可能であり、
上記制御手段は、上記第2の操作スイッチからの操作信号を受けて上記車載機器の制御を行うときには、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面と、上記第2の操作スイッチを操作する乗員に向けた画面とを異ならせることによって、上記第1の操作スイッチを操作する乗員に対しては、その第1の操作スイッチによる操作が制限されていることを認識させる一方、上記第2の操作スイッチの操作者に対しては、そのスイッチ操作に対応した操作画面を表示する車両用情報表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−161064(P2007−161064A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−359117(P2005−359117)
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月13日(2005.12.13)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】
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