説明

車載システム

【課題】着信の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用することを課題とする。
【解決手段】車載システムは、携帯端末装置のナビゲーション機能を車載装置側に提供している状態において、当該携帯端末装置によって着信した場合に、現在位置から目的地に至るまでの案内地点情報をGPS衛星や地図センタなどから取得し、取得された案内地点情報と着信した旨とを車載装置に対して送信し、車載装置によって受信された案内地点情報を表示部に出力制御させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を有する車載装置と、車両に乗車する乗車者によって携帯される電話機能を備えた携帯端末装置とで、車両の現在位置を含むルート情報を表示部に出力する車載システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)を利用したカーナビゲーションシステムの普及に伴い、車両には、ナビゲーション機能を有する車載装置が搭載される場合が多くなってきた。また、車載装置の多機能化を求めるユーザニーズに応えるために、車載装置の多機能化も顕著となってきている。
【0003】
例えば、車載装置には、ナビゲーション機能に加えて、テレビ受信機能、CD(Compact Disc)再生機能、DVD(Digital Versatile Disk)再生機能などの多くの機能が盛り込まれることも多い。しかし、車載装置の多機能化は、車載装置の高価格化を招くため、ユーザにとって好ましいものではない。
【0004】
一方、携帯電話などの携帯端末装置は、低価格でありながら、ナビゲーション機能や音楽再生機能を有するものも普及してきている。また、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信機能を搭載する携帯端末装置も普及してきたことから、かかる近距離無線通信機能で携帯端末装置と車載装置とを無線通信により接続(連携)させ、携帯端末装置側の機能を車載装置側で利用する取り組みもなされている。これにより、車載装置の低価格化を図ることが可能となる。
【0005】
例えば、特許文献1では、携帯端末装置の画面に表示される表示画面を車載装置へ送信し、車載装置のディスプレイに対して携帯端末装置で生成された表示画面を表示する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2003−244343号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術では、走行中の車内において携帯端末装置による着呼(電話の着信)について考慮されていないために、着信の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用することができないという課題があった。
【0008】
具体的には、車両の走行中に携帯端末装置のナビゲーション機能(現在位置のルート情報)を車載装置に提供している状態において、当該携帯端末装置によって着信された場合に、ハンズフリー機能などを利用して通話がなされる間は通話によるデータ処理の負荷が大きいため、ナビゲーション機能が停止される。この結果、特許文献1では、着信の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用することができない。
【0009】
そこで、本発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、表示部を有する車載装置と、車両に乗車する乗車者によって携帯される電話機能を備えた携帯端末装置とで、車両の現在位置を含むルート情報を表示部に出力する場合に、通話の際にナビゲーション機能が停止される携帯端末装置を利用した車載装置であっても、通話の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用することが可能である車載システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、表示部を有する車載装置と、車両に乗車する乗車者によって携帯される電話機能を備えた携帯端末装置とで、前記車両の現在位置を含むルート情報を前記表示部に出力する車載システムであって、前記携帯端末装置は、前記ルート情報の出力中に電話の着信があった場合に、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された案内地点情報と、着信した旨とを前記車載装置に対して送信する送信手段とを有し、前記車載装置は、前記乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、前記案内地点情報を前記表示部に出力制御する出力制御手段を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、車両に乗車する乗車者によって携帯される携帯端末装置と連携し、前記車両の現在位置を含むルート情報を表示部に出力する車載装置であって、前記ルート情報の出力時に前記携帯端末装置において着信され、前記携帯端末装置によって送信される現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報と、着信した旨とを受信する受信手段と、前記乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、前記案内地点情報を前記表示部に出力制御する出力制御手段を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、車両の現在位置を含むルート情報を出力する表示部を有する車載装置と連携し、前記車両に乗車する乗車者によって携帯される携帯端末装置であって、前記ルート情報の出力時に着信した場合に、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された案内地点情報と、着信した旨とを前記車載装置に対して送信する送信手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、携帯端末装置は、車両の現在位置を含むルート情報の出力中に着信した場合に、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を取得し、取得された案内地点情報と、着信した旨とを車載装置に対して送信し、車載装置は、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、案内地点情報を表示部に出力制御することとした。これにより、通話の際にナビゲーション機能が停止される携帯端末装置を利用した車載装置であっても、通話の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る車載システムの実施例を説明する。
【実施例1】
【0015】
[車載システムの概要]
最初に、図1を用いて、実施例1に係る車載システムの概要を説明する。図1は、実施例1に係る車載システムの概要を説明するための図である。
【0016】
本願の開示する車載システムは、例えば、表示機能、オーディオ再生機能および携帯端末装置との通信機能などの基礎的な機能を有する車載装置と、発着信、電子メール送受信およびナビゲーション機能などの様々な機能を有する携帯端末装置とを有する。
【0017】
そして、車載装置と携帯端末装置とは、近距離無線通信機能(例えば、ブルートゥース(登録商標)など)を用いて連携させることができる。また、携帯端末装置は、発着信または電子メールを送受信する場合に、インターネット上の基地局と通信し、ナビゲーション機能を提供する場合に、GPS衛星からの位置情報と地図センタからの地図情報とを取得する。なお、以下では、車載装置と携帯端末装置とを連携させて、携帯端末装置が有するナビゲーション機能を車載装置側に提供している場合を説明する。
【0018】
上述した構成において、携帯端末装置は、車両の現在位置を含むルート情報の出力中に着信した場合に(図1の(1)参照)、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を取得する(図1の(2)参照)。そして、携帯端末装置は、取得された案内地点情報と、着信した旨とを車載装置に対して送信する(図1の(3)参照)。
【0019】
具体的に説明すると、携帯端末装置は、当該携帯端末装置が有するナビゲーション機能を車載装置側に提供している状態において、基地局を介して着信した場合に、当該ナビゲーション機能における現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報をGPS衛星および地図センタから取得する。
【0020】
案内地点情報は、例えば、現在位置から目的地に至るまでの交差点と距離との情報である経路情報、および/または、現在位置から目的地に至るまでの交差点付近の地図情報である。
【0021】
そして、携帯端末装置は、近距離無線通信を用いて、取得された経路情報および/または地図情報である案内地点情報と、着信した旨とを車載装置に対して送信する。
【0022】
また、車載装置は、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、案内地点情報を表示部に出力制御する(図1の(4)参照)。
【0023】
上述した例で具体的に説明すると、着信した旨を受信した車載装置は、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作として、乗車者によって表示部のタッチパネルディスプレイに触れられる、ボタンを押下されるまたはジョグタイヤルで選択された場合に、携帯端末装置によって送信された経路情報および/または地図情報である案内地点情報を表示部に出力制御する。
【0024】
なお、上記の処理がなされた場合には、例えば、車載装置と携帯端末との近距離無線通信を用いて、ハンズフリーによる通話が開始されることとなる。
【0025】
つまり、車載システムは、携帯端末装置のナビゲーション機能を車載装置側に提供している状態において、当該携帯端末装置によって着信された場合に、現在位置から目的地に至るまでの案内地点情報をGPS衛星および地図情報から先行して取得し、取得された案内地点情報と、着信した旨とを車載装置に対して送信して出力させるので、通話の際にナビゲーション機能が停止される携帯端末装置を利用した車載装置であっても、通話の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用することができる。
【0026】
[実施例1に係る車載システムの構成]
次に、図2を用いて、実施例1に係る車載システムに含まれる各装置の構成例を説明する。図2は、実施例1に係る車載システムの構成例を示す図である。
【0027】
図2に示すように、車載システム1は、車載装置100と、携帯端末装置150とを有する。なお、以下では、車載装置100の構成例について説明した後に、携帯端末装置150の構成例について説明することとする。
【0028】
(実施例1に係る車載装置の構成)
図2に示すように、車載装置100は、操作部101と、表示部102と、近距離通信部103と、記憶部110と、制御部120とを有する。なお、車載装置100は、車両に搭載される車速パルス検出装置などの各種制御装置と接続されている。
【0029】
操作部101は、例えば、タッチパネルディスプレイ、ボタンおよびジョグダイヤルなどの入力デバイスを有し、ユーザ(例えば、車両に乗車する乗車者など)による種々の操作を受け付ける。
【0030】
表示部102は、例えば、モニタやディスプレイ(例えば、タッチパネルディスプレイや液晶パネル)などの出力デバイスを有し、後述する出力制御部121によって出力制御される種々の情報を出力する。
【0031】
近距離通信部103は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて携帯端末装置150との通信リンクを確立するとともに、確立された通信リンクを用いて車載装置100と携帯端末装置150との間の通信処理を行う。ここで、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)とは、2.4GHzの周波数帯を用いて半径数10メートル程度の範囲において無線通信を行う近距離無線通信規格であり、近年では、携帯電話機やパーソナルコンピュータなどの電子機器に広く適用されている。
【0032】
なお、本発明では、ブルートゥース(登録商標)を用いて車載装置と携帯端末装置との間の通信処理を行う場合について説明するが、Wi−Fi(ワイファイ:登録商標)やZigBee(ジグビー:登録商標)などの他の無線通信規格を用いることとしても良い。また、車載装置と携帯端末装置との間の通信処理は、有線通信により実現することとしても良い。
【0033】
記憶部110は、制御部120による各種処理に必要なデータや、制御部120による各種処理結果を記憶する。
【0034】
制御部120は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、出力制御部121を有し、種々の処理を実行する。
【0035】
出力制御部121は、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を表示部102に出力制御する。
【0036】
具体的に例を挙げると、出力制御部121は、近距離通信部103を介して、携帯端末装置150から着信した旨を受信し、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作として、乗車者によって表示部102のタッチパネルディスプレイに触れられる、ボタンを押下されるまたはジョグダイヤルで選択された場合に、携帯端末装置150によって送信された経路情報および/または地図情報である案内地点情報を表示部に出力制御する。
【0037】
出力制御部121によって出力制御されて表示部102に表示出力される経路情報は、例えば、図3−1に示すように、右矢印および「XX交差点を右折」、左矢印および「100m先左折」、右矢印「150m先右折」などのように、目的地に至るまでの所定数の経路情報である。表示部102に表示出力する経路情報の数は、ユーザによって予め設定されているものとする。なお、図3−1は、表示部に表示させる経路情報の例を示す図である。
【0038】
また、出力制御部121によって出力制御されて表示部102に表示出力される地図情報は、例えば、図3−2に示すように、現在位置と目的地とを所定の図形(図3−2では、三角形)で示し、目的地に至るまでの案内地点情報をさらに示した地図情報である。また、図3−2に示した(A,B)や(C,D)などは、それぞれ緯度および経度を示している。表示部102に表示出力する地図情報の数は、ユーザによって予め設定されているものとする。なお、図3−2は、表示部に表示させる地図情報の例を示す図である。
【0039】
(実施例1に係る携帯端末装置の構成)
図2に示すように、携帯端末装置150は、操作部151と、表示部152と、近距離通信部153と、通信部154と、記憶部160と、制御部170とを有する。なお、携帯端末装置150は、例えば、電話機能を有するとともに、GPS(Global Positioning System)アンテナを用いた現在位置取得機能や、音楽再生機能などの様々な機能を有する携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)またはパーソナルコンピュータなどの携帯端末装置である。
【0040】
操作部151は、例えば、操作ボタンやカーソルキーなどの入力デバイスを有し、ユーザ(例えば、携帯端末装置150の所有者)による種々の操作を受け付ける。
【0041】
表示部152は、モニタ(液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど)やタッチパネルディスプレイなどの出力デバイスを有し、後述する制御部170における処理結果などの情報を出力する。
【0042】
近距離通信部153は、車載装置100の近距離通信部103と同様に、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて車載装置100との通信リンクを確立するとともに、確立された通信リンクを用いて携帯端末装置150と車載装置100との間の通信処理を行う。
【0043】
通信部154は、例えば、通信事業者の基地局などを介して、インターネットなどのネットワーク上に設けられた外部装置(サーバ装置など)との通信処理を行うデバイスであり、発着信時や電子メールの送受信時に、さらにGPS衛星や地図センタなどと通信処理を行う。なお、通信部154は、着信した場合に、後述する取得部171に通知する。
【0044】
記憶部160は、制御部170による各種処理に必要なデータや、制御部170による各種処理結果を記憶する。例えば、記憶部160は、携帯端末装置150の基礎的な機能である発着信や電子メールの送受信に利用する電話番号やメールアドレスなどの情報、および、音楽再生機能に利用する音楽データなどを記憶する。
【0045】
制御部170は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、取得部171と、送信部172とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0046】
取得部171は、車両の現在位置を含むルート情報の出力中に着信した場合に、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を取得する。
【0047】
具体的に例を挙げると、取得部171は、携帯端末装置150が有するナビゲーション機能を車載装置100側に提供している状態において、基地局を介して着信した場合に、当該ナビゲーション機能における現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報をGPS衛星および地図センタから取得する。
【0048】
案内地点情報は、例えば、現在位置から目的地に至るまでの交差点と距離との情報である経路情報(図3−1参照)、および/または、現在位置から目的地に至るまでの交差点付近(案内地点の交差点付近)の地図情報(図3−2参照)である。なお、案内地点情報を取得した取得部171は、取得された案内地点情報を送信部172に対して通知する。
【0049】
送信部172は、取得部171によって取得された案内地点情報と、着信した旨とを車載装置100に対して送信する。
【0050】
上述した例で具体的に例を挙げると、送信部172は、近距離通信部153を介して、取得部171によって取得された経路情報および/または地図情報である案内地点情報と、着信した旨とを車載装置100に対して送信する。
【0051】
[実施例1に係る出力制御処理]
次に、図4を用いて、実施例1に係る出力制御処理を説明する。図4は、実施例1に係る出力制御処理を説明するための処理シーケンス図である。
【0052】
図4に示すように、携帯端末装置150は、例えば、当該携帯端末装置150が有するナビゲーション機能を車載装置100側に提供している状態において、基地局を介して着信した場合に(ステップS101肯定)、当該ナビゲーション機能における現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報をGPS衛星および地図センタから取得する(ステップS102)。
【0053】
そして、携帯端末装置150は、取得された経路情報および/または地図情報である案内地点情報と、着信した旨とを車載装置100に対して送信する(ステップS103)。なお、案内地点情報は、例えば、現在位置から目的地に至るまでの交差点と距離との情報である経路情報、および/または、現在位置から目的地に至るまでの交差点付近の地図情報である。
【0054】
また、車載装置100は、携帯端末装置150から着信した旨を受信した場合に(ステップS104肯定)、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされたか否かを判定する(ステップS105)。
【0055】
そして、車載装置100は、通話のための所定操作として、乗車者によって表示部のタッチパネルディスプレイに触れられる、ボタンを押下されるまたはジョグダイヤルで選択された場合に(ステップS105肯定)、受信された経路情報および/または地図情報である案内地点情報を表示部に出力制御する(ステップS106)。なお、車載装置100は、例えば、所定時間が経過しても通話のための所定操作がなされない場合に(ステップS105否定)、案内地点情報を出力制御することなく処理を終了する。
【0056】
なお、上記の処理が終了した場合には、例えば、車載装置100と携帯端末装置150との近距離無線通信機能を用いて、ハンズフリーによる通話が開始されることとなる。また、表示部に表示される情報は、例えば、上記の経路情報と地図情報とを所定時間ごとに切り替えるようにしても良いし、複数に分割された画面に表示出力するようにしても良い。
【0057】
[実施例1による効果]
上述したように、車載システム1は、携帯端末装置150によって着信した場合に、現在位置から目的地に至るまでの案内地点情報を取得し、取得された案内地点情報と、着信した旨とを車載装置100に対して送信して、着信の旨を受信した車載装置100の表示部に案内地点情報を出力制御させるので、着信の際に携帯端末装置150のナビゲーション機能を利用させることができる。
【0058】
また、車載システム1は、着信の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用させることができるので、例えば、ハンズフリーによる通話時でも的確に案内地点情報を出力しつつ、運転者の安全運転に寄与することができる。
【実施例2】
【0059】
ところで、上記実施例1では、所定の案内地点情報を表示出力または切り替えつつ表示出力する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車速と経過時間とに基づいて案内地点情報の出力を切り替えることもできる。
【0060】
そこで、以下の実施例2では、図5および図6を用いて、車速と経過時間とに基づいて案内地点情報の出力を切り替える場合について説明する。
【0061】
[実施例2に係る車載システムの構成]
まず、図5を用いて、実施例2に係る車載システムに含まれる各装置の構成例を説明する。図5は、実施例2に係る車載システムの構成例を示す図である。なお、図5では、実施例1に係る車載システム1と同様の構成要素には同一の符号を付している。以下では、実施例1と同様の処理については説明を省略して、実施例1とは異なる処理について説明する。
【0062】
図5に示すように、車載システム1aは、車載装置200と、携帯端末装置150とを有する。なお、以下では、車載装置200の構成例について説明した後に、携帯端末装置150の構成例について説明することとする。
【0063】
(実施例2に係る車載装置の構成)
図5に示すように、車載装置200は、操作部101と、表示部102と、近距離通信部103と、記憶部110と、制御部220とを有する。
【0064】
制御部220は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、出力制御部221を有し、種々の処理を実行する。
【0065】
出力制御部221は、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を記憶部110に格納し、車速と経過時間とに基づいて走行距離を予測して、予測された走行距離に応じた案内地点情報を記憶部から取得し、取得された案内地点情報を表示部に出力制御する。
【0066】
具体的に例を挙げると、出力制御部221は、近距離通信部103を介して、携帯端末装置150から着信した旨を受信し、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、携帯端末装置150によって送信された経路情報および/または地図情報である案内地点情報を記憶部110に格納する。
【0067】
そして、出力制御部221は、車載装置200に接続される車速パルス検出部などの各制御装置から取得される車速と経過時間(走行時間)とに基づいて走行距離を予測し、予測された走行距離に応じた案内地点情報を記憶部110から取得し、取得された案内地点情報を表示部102に出力制御する。
【0068】
予測される走行距離は、例えば、車両が一定速度「時速50km」で走行している場合に、約7秒後に100mを走行したこととなるので、表示部102に出力される案内地点情報としては、図3−2に示した左矢印「100m先右折」を表示部102に出力している場合には、次の右矢印「150m先右折」のみを出力する。なお、その後についても同様に走行距離を予測し、次に案内する案内地点情報を出力する。また、実施例1と同様に、表示部102に表示出力される情報は、経路情報と地図情報とを所定時間ごとに切り替えるようにしても良いし、複数に分割された画面に表示出力するようにしても良い。
【0069】
(実施例2に係る携帯端末装置の構成)
図5に示すように、携帯端末装置150は、操作部151と、表示部152と、近距離通信部153と、通信部154と、記憶部160と、制御部170とを有する。なお、実施例2に係る携帯端末装置150の構成や機能などは、実施例1に係る携帯端末装置150と同様であるため説明を省略する。
【0070】
[実施例2に係る出力制御処理]
次に、図6を用いて、実施例2に係る出力制御処理を説明する。図6は、実施例2に係る出力制御処理を説明するための処理シーケンス図である。
【0071】
図6に示すように、携帯端末装置150は、例えば、当該携帯端末装置150が有するナビゲーション機能を車載装置200側に提供している状態において、基地局を介して着信した場合に(ステップS201肯定)、当該ナビゲーション機能における現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報をGPS衛星および地図センタから取得する(ステップS202)。
【0072】
そして、携帯端末装置150は、取得された経路情報および/または地図情報である案内地点情報と、着信した旨とを車載装置200に対して送信する(ステップS203)。なお、案内地点情報は、例えば、現在位置から目的地に至るまでの交差点と距離との情報である経路情報、および/または、現在位置から目的地に至るまでの交差点付近の地図情報である。
【0073】
また、車載装置200は、携帯端末装置150から着信した旨を受信した場合に(ステップS204肯定)、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされたか否かを判定する(ステップS205)。
【0074】
そして、車載装置200は、通話のための所定操作として、乗車者によって表示部のタッチパネルディスプレイに触れられる、ボタンを押下されるまたはジョグダイヤルで選択された場合に(ステップS205肯定)、受信された経路情報および/または地図情報である案内地点情報を記憶部に格納するとともに、表示部に出力制御する(ステップS206)。なお、車載装置200は、例えば、所定時間が経過しても通話のための所定操作がなされない場合に(ステップS205否定)、案内地点情報を出力制御することなく処理を終了する。
【0075】
続いて、車載装置200は、当該車載装置200に接続される車速パルス検出部などの各制御装置から取得される車速と経過時間(走行時間)とに基づいて走行距離を予測し、予測された走行距離を走行した場合に(ステップS207肯定)、当該走行距離に応じた案内地点情報を記憶部110から取得し(ステップS208)、取得された案内地点情報を表示部102に出力制御する(ステップS209)。
【0076】
なお、上記のステップS206の処理が終了した場合には、例えば、車載装置200と携帯端末装置150との近距離無線通信機能を用いて、ハンズフリーによる通話が開始されることとなる。つまり、ステップS207以降の処理については、通話中における表示部102に対する出力制御処理となる。
【0077】
[実施例2による効果]
上述したように、車載システム1aは、携帯端末装置150によって着信した場合に、現在位置から目的地に至るまでの案内地点情報を取得し、取得された案内地点情報と、着信した旨とを車載装置200に対して送信して、着信の旨を受信した車載装置200の記憶部に案内地点情報を格納し、格納された案内地点情報を予測される走行距離に応じて表示部に出力制御させるので、通話中においても携帯端末装置150のナビゲーション機能を利用させることができる。
【0078】
また、車載システム1aは、通話中においても走行距離に応じた案内地点情報を出力することができるので、例えば、ハンズフリーによる通話時でも的確に案内地点情報を出力しつつ、運転者の安全運転に寄与することができる。
【実施例3】
【0079】
ところで、上記実施例1および上記実施例2では、通話中に案内地点情報を表示出力する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通話終了後に表示出力する案内地点情報をリルート案内にすることもできる。
【0080】
そこで、以下の実施例3では、図7および図8を用いて、通話終了後に表示出力する案内地点情報をリルート案内にする場合について説明する。
【0081】
[実施例3に係る車載システムの構成]
まず、図7を用いて、実施例3に係る車載システムに含まれる各装置の構成例を説明する。図7は、実施例3に係る車載システムの構成例を示す図である。なお、図7では、実施例1に係る車載システム1と同様の構成要素には同一の符号を付している。以下では、実施例1と同様の処理については説明を省略して、実施例1とは異なる処理について説明する。
【0082】
図7に示すように、車載システム1bは、車載装置300と、携帯端末装置350とを有する。なお、以下では、車載装置300の構成例について説明した後に、携帯端末装置350の構成例について説明することとする。
【0083】
(実施例3に係る車載装置の構成)
図7に示すように、車載装置300は、操作部301と、表示部102と、近距離通信部103と、記憶部110と、制御部320とを有する。
【0084】
操作部301は、例えば、タッチパネルディスプレイ、ボタンおよびジョグダイヤルなどの入力デバイスを有し、ユーザ(例えば、車両に乗車する乗車者など)による通話終了操作を受け付ける。なお、通話終了操作を受け付けた操作部301は、後述する通知部322に対して当該通話終了の旨を通知する。
【0085】
制御部320は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、出力制御部121と、通知部322とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0086】
通知部322は、車両に乗車する乗車者によって通話終了のための所定操作がなされた場合に、通話終了の旨を携帯端末装置350に対して通知する。
【0087】
具体的に例を挙げると、通知部322は、車両に乗車する乗車者によって操作部301において通話終了のための所定操作として、タッチパネルディスプレイに触れられる、ボタンを押下されるまたはジョグダイヤルを選択された場合に、近距離通信部103を介して、通話終了の旨を携帯端末装置350に対して通知する。
【0088】
(実施例3に係る携帯端末装置の構成)
図7に示すように、携帯端末装置350は、操作部151と、表示部152と、近距離通信部153と、通信部154と、記憶部160と、制御部370とを有する。
【0089】
制御部370は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、取得部171と、送信部172と、リルート案内開始部373とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0090】
リルート案内開始部373は、通知部322により通話終了の旨が通知されると、目的地または案内地点が現在位置から所定距離内である場合に、新たなルート情報による案内を行う。
【0091】
具体的に例を挙げると、リルート案内開始部373は、通知部322による通話終了の旨の通知を受け付けた時に、ナビゲーション機能において提供する目的地または案内地点が現在位置から所定距離内、すなわち直近である場合に、当該直近の目的地または案内地点をすぐに案内することなく、リルートによる案内を開始する。
【0092】
なお、直近である目的地または案内地点は、例えば、30m以内や50m以内などに位置する場所であり、これらは、予め設定されているものとする。また、リルートによる案内では、通信部154を介してGPS衛星や地図センタから案内地点情報を再度取得し、近距離通信部153を介して、取得された案内地点情報を車載装置300に対して送信することとなる。
【0093】
[リルート案内開始処理]
次に、図8を用いて、実施例3に係るリルート案内開始処理を説明する。図8は、実施例3に係るリルート案内開始処理を説明するための処理シーケンス図である。
【0094】
図8に示すように、携帯端末装置350は、例えば、当該携帯端末装置350が有するナビゲーション機能を車載装置300側に提供している状態において、基地局を介して着信した場合に(ステップS301肯定)、当該ナビゲーション機能における現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報をGPS衛星および地図センタから取得する(ステップS302)。
【0095】
そして、携帯端末装置350は、取得された経路情報および/または地図情報である案内地点情報と、着信した旨とを車載装置300に対して送信する(ステップS303)。なお、案内地点情報は、例えば、現在位置から目的地に至るまでの交差点と距離との情報である経路情報、および/または、現在位置から目的地に至るまでの交差点付近の地図情報である。
【0096】
また、車載装置300は、携帯端末装置350から着信した旨を受信した場合に(ステップS304肯定)、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされたか否かを判定する(ステップS305)。
【0097】
そして、車載装置300は、通話のための所定操作として、乗車者によって表示部のタッチパネルディスプレイに触れられる、ボタンを押下されるまたはジョグダイヤルで選択された場合に(ステップS305肯定)、受信された経路情報および/または地図情報である案内地点情報を表示部に出力制御する(ステップS306)。なお、車載装置300は、例えば、所定時間が経過しても通話のための所定操作がなされない場合に(ステップS305否定)、案内地点情報を出力制御することなく処理を終了する。
【0098】
続いて、車載装置300は、乗車者によって通話終了のための所定操作として、タッチパネルディスプレイに触れられる、ボタンを押下されるまたはジョグダイヤルを選択された場合に(ステップS307肯定)、通話終了の旨を携帯端末装置350に対して通知する(ステップS308)。なお、車載装置300は、通話終了の操作がなされない場合に(ステップS307否定)、例えば、実施例2と同様に、表示出力させる案内地点情報を切り替えつつ出力制御する。
【0099】
また、携帯端末装置350は、車載装置300による通話終了の旨の通知を受け付けた時に(ステップS309肯定)、ナビゲーション機能において提供する目的地または案内地点が現在位置から所定距離内、すなわち直近であるか否かを判定する(ステップS310)。
【0100】
そして、携帯端末装置350は、目的地または案内地点が直近である場合に(ステップS310肯定)、当該直近の目的地または案内地点をすぐに案内することなく、リルートによる案内を開始する(ステップS311)。なお、リルートによる案内では、GPS衛星や地図センタから案内地点情報を再度取得し、取得された案内地点情報を車載装置300に対して送信することとなる。
【0101】
また、携帯端末装置350は、目的地または案内地点が直近でない場合に(ステップS310否定)、通常のナビゲーション案内を再開する(ステップS312)。なお、上記の所定距離内とは、現在位置から目的地または案内地点が数十メートル内であり、現在位置から目的地などまで数秒で到達する距離のことである。また、直近の条件に、距離のほか現在位置から目的地などまでの予想到達時間を用いることとしても良い。
【0102】
[実施例3による効果]
上述したように、車載システム1bは、通話終了時において、本来案内するはずの目的地または案内地点が直近である場合に、リルートによるナビゲーション案内を開始することとしたので、通話終了時における急なナビゲーション案内を回避して、運転者の安全運転に寄与することができる。
【実施例4】
【0103】
ところで、上記実施例1〜上記実施例3では、通話時または通話終了時にナビゲーション機能を利用する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通話されないまま車両が停車した際に折り返しの電話の発信を通知することもできる。
【0104】
そこで、以下の実施例4では、図9および図10を用いて、通話されないまま車両が停車した際に折り返しの電話の発信を通知する場合について説明する。
【0105】
[実施例4に係る車載システムの構成]
まず、図9を用いて、実施例4に係る車載システムに含まれる各装置の構成例を説明する。図9は、実施例4に係る車載システムの構成例を示す図である。なお、図9では、実施例1に係る車載システム1と同様の構成要素には同一の符号を付している。以下では、実施例1と同様の処理については説明を省略して、実施例1とは異なる処理について説明する。
【0106】
図9に示すように、車載システム1cは、車載装置400と、携帯端末装置150とを有する。なお、以下では、車載装置400の構成例について説明した後に、携帯端末装置150の構成例について説明することとする。
【0107】
(実施例4に係る車載装置の構成)
図9に示すように、車載装置400は、操作部101と、表示部102と、近距離通信部103と、記憶部110と、制御部420とを有する。
【0108】
制御部420は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、出力制御部421と、停車検出部423とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0109】
停車検出部423は、車両の停車を検出する。具体的に例を挙げると、停車検出部423は、車載装置400に接続される様々な車両情報を検出する各制御装置のうち、当該車両の停車を検出する装置から車両が停車したことを検出する。
【0110】
出力制御部421は、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされないまま停車検出部423によって車両が停車したことを検出された場合に、折り返しの電話を発信するコールバック画面を表示部102に出力制御する。
【0111】
上述した例で具体的に例を挙げると、出力制御部421は、携帯端末装置150による発信の旨の通知がなされても、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされないまま停車検出部423によって車両が停車したことを検出された場合に、折り返しの電話を発信する旨のコールバック画面を表示部102に出力制御する。
【0112】
なお、コールバック画面により発信を促されたユーザ(例えば、乗車者など)によって通話のための所定操作がなされた場合には、例えば、車載装置400と携帯端末装置150との近距離無線通信機能を用いて、ハンズフリーによる通話が開始されることとなる。
【0113】
(実施例4に係る携帯端末装置の構成)
図9に示すように、携帯端末装置150は、操作部151と、表示部152と、近距離通信部153と、通信部154と、記憶部160と、制御部170とを有する。なお、実施例4に係る携帯端末装置150の構成や機能などは、実施例1に係る携帯端末装置150と同様であるため説明を省略する。
【0114】
[実施例4に係るコールバック画面出力制御処理]
次に、図10を用いて、実施例4に係るコールバック画面出力制御処理を説明する。図10は、実施例4に係るコールバック画面出力制御処理を説明するための処理シーケンス図である。
【0115】
図10に示すように、携帯端末装置150は、例えば、当該携帯端末装置150が有するナビゲーション機能を車載装置400側に提供している状態において、基地局を介して着信した場合に(ステップS401肯定)、当該ナビゲーション機能における現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報をGPS衛星および地図センタから取得する(ステップS402)。
【0116】
そして、携帯端末装置150は、取得された経路情報および/または地図情報である案内地点情報と、着信した旨とを車載装置400に対して送信する(ステップS403)。なお、案内地点情報は、例えば、現在位置から目的地に至るまでの交差点と距離との情報である経路情報、および/または、現在位置から目的地に至るまでの交差点付近の地図情報である。
【0117】
また、車載装置400は、携帯端末装置150から着信した旨を受信した場合に(ステップS404肯定)、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされたか否かを判定する(ステップS405)。
【0118】
そして、車載装置400は、通話のための所定操作がなされないまま(ステップS405否定)、車両が停車したことを検出した場合に(ステップS406肯定)、折り返しの電話を発信するコールバック画面を表示部102に出力制御する(ステップS407)。
【0119】
続いて、車載装置400は、コールバック画面により発信を促されたユーザ(例えば、乗車者など)によって通話のための所定操作がなされた場合に(ステップS408肯定)、車載装置400と携帯端末装置150との近距離無線通信機能を用いて、ハンズフリーによる通話が開始されることとなる。なお、車載装置400は、通話のための所定操作がなされた場合に(ステップS405肯定)、案内地点情報を表示部に出力制御する(ステップS409)。もちろん、案内地点情報の出力では、上記実施例2などのように、表示出力を切り替えつつ出力することとしても良い。
【0120】
[実施例4による効果]
上述したように、車載システム1cは、通話のための所定操作がなされないまま車両が停車した場合に、折り返しの電話を発信する旨のコールバック画面を表示部に出力制御することとしたので、折り返しの電話をすることを忘れるのを防ぐことができる。
【実施例5】
【0121】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)案内地点情報の表示出力、(2)コールバック画面、(3)車載装置、(4)携帯端末装置、(5)システム構成など、(6)プログラムにそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
【0122】
(1)案内地点情報の表示出力
上記実施例1〜上記実施例4では、案内地点情報を表示部に表示出力させる場合を説明したが、当該表示出力される案内地点情報は、広域の地図か否かを選択したり、ある所定のポイントの拡大図を表示したりすることもできる。また、案内地点情報を表示出力させる場合には、予め保持されるビープ音(車両のスピーカから出力)などを用いて出力させることもできる。この結果、携帯端末装置によって通常時に案内されるナビゲーション機能に劣ることのないナビゲーション機能を提供することができる。
【0123】
また、案内地点情報における地図情報の出力手法は、通話時だけでなく、携帯端末装置が圏外になった場合に利用することもできる。例えば、走行経路から通信不可となるポイントに対して事前に地図情報を取得しておき、通信不可となった場合には、事前に取得された地図情報を表示出力させる。
【0124】
(2)コールバック画面
また、上記実施例4では、車両停車時にコールバック画面を出力する場合を説明したが、当該コールバック画面では、電話番号や発信者の名前などを表示することができる。例えば、車載装置は、携帯端末装置から発信者の電話番号および名前などを取得しておき、記憶部に格納して、コールバック画面の出力時に当該電話番号や名前などを出力する。さらに、発信者が複数人である場合には、電話番号や名前などをリスト表示させて、ユーザによって選択させるように促すこともできる。
【0125】
(3)車載装置
また、上記実施例1〜上記実施例4では、車載装置と携帯端末装置とを連携させた車載システムとして実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、携帯端末装置と連携する車載装置として実現することもできる。
【0126】
ここで、図11を用いて、車載装置の構成例を説明する。図11は、車載装置の構成例を示す図である。
【0127】
図11に示すように、車載装置10は、操作部11と、表示部12と、近距離通信部13と、記憶部20と、制御部30とを有する。なお、車載装置10は、搭載される車両のスピーカや車速パルス検出装置などの各種制御装置と接続されている。
【0128】
操作部11は、例えば、タッチパネルディスプレイ、ボタンおよびジョグダイヤルなどの入力デバイスを有し、ユーザ(例えば、車両に乗車する乗車者など)による種々の操作を受け付ける。
【0129】
表示部12は、例えば、モニタやディスプレイ(例えば、タッチパネルディスプレイや液晶パネル)などの出力デバイスを有し、後述する出力制御部32によって出力制御される種々の情報を出力する。
【0130】
近距離通信部13は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて携帯端末装置との通信リンクを確立するとともに、確立された通信リンクを用いて車載装置10と携帯端末装置との間の通信処理を行う。
【0131】
記憶部20は、制御部30による各種処理に必要なデータや、制御部30による各種処理結果を記憶する。
【0132】
制御部30は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、受信部31と、出力制御部32とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0133】
受信部31は、車両の現在位置を含むルート情報の出力時に携帯端末装置において着信され、携帯端末装置によって送信される現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報と、着信した旨とを受信する。なお、受信部31は、着信を受け付けた旨を出力制御部32に対して通知する。
【0134】
出力制御部33は、車両に乗車する乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、受信部31によって受信された現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を表示部に出力制御する。
【0135】
なお、各構成要素における処理は、上記実施例1〜上記実施例4で説明した各処理と同様であるためその説明を省略する。
【0136】
(4)携帯端末装置
また、上記実施例1〜上記実施例4では、車載装置と携帯端末装置とを連携させた車載システムとして実現する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車載装置と連携する携帯端末装置として実現することもできる。
【0137】
ここで、図12を用いて、携帯端末装置の構成例を説明する。図12は、携帯端末装置の構成例を示す図である。
【0138】
図12に示すように、携帯端末装置50は、操作部51と、表示部52と、近距離通信部53と、通信部54と、記憶部60と、制御部70とを有する。なお、携帯端末装置50は、例えば、GPSアンテナを用いた現在位置取得機能や、音楽再生機能などの様々な機能を有する携帯電話機、PDAまたはパーソナルコンピュータなどの携帯端末装置である。
【0139】
操作部51は、例えば、操作ボタンやカーソルキーなどの入力デバイスを有し、ユーザ(例えば、携帯端末装置50の所有者)による種々の操作を受け付ける。
【0140】
表示部52は、モニタ(液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなど)やタッチパネルディスプレイなどの出力デバイスを有し、後述する制御部70における処理結果などの情報を出力する。
【0141】
近距離通信部53は、例えば、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信を用いて車載装置との通信リンクを確立するとともに、確立された通信リンクを用いて携帯端末装置50と車載装置との間の通信処理を行う。
【0142】
通信部54は、例えば、通信事業者の基地局などを介して、インターネットなどのネットワーク上に設けられた外部装置(サーバ装置など)との通信処理を行うデバイスであり、発着信時や電子メール送受信時に通信処理を行う。なお、通信部54は、着信した場合に、後述する取得部71に通知する。
【0143】
記憶部60は、制御部70による各種処理に必要なデータや、制御部70による各種処理結果を記憶する。例えば、記憶部60は、携帯端末装置50の基礎的な機能である発着信や電子メール送受信に利用する電話番号やメールアドレスなどの情報、および、音楽再生機能に利用する音楽データなどを記憶する。
【0144】
制御部70は、制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有するとともに、特に、取得部71と、送信部72とを有し、これらによって種々の処理を実行する。
【0145】
取得部71は、車両の現在位置を含むルート情報の出力時に着信した場合に、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を取得する。
【0146】
送信部72は、取得部71によって取得された案内地点情報と、着信した旨とを車載装置に対して送信する。
【0147】
なお、各構成要素における処理は、上記実施例1〜上記実施例4で説明した各処理と同様であるためその説明を省略する。
【0148】
(5)システム構成など
また、上記実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報(例えば、「近距離通信部」などの名称)については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0149】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合(例えば、操作部101と表示部102とを操作表示部として統合するなど)して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0150】
(6)プログラム
なお、上記実施例で説明した車載システムは、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0151】
以上のように、本発明に係る車載システムは、表示部を有する車載装置と、車両に乗車する乗車者によって携帯される電話機能を備えた携帯端末装置とで、車両の現在位置を含むルート情報を表示部に出力する場合に有用であり、特に、着信の際に携帯端末装置のナビゲーション機能を利用することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】実施例1に係る車載システムの概要を説明するための図である。
【図2】実施例1に係る車載システムの構成例を示す図である。
【図3−1】表示部に表示させる経路情報の例を示す図である。
【図3−2】表示部に表示させる地図情報の例を示す図である。
【図4】実施例1に係る出力制御処理を説明するための処理シーケンス図である。
【図5】実施例2に係る車載システムの構成例を示す図である。
【図6】実施例2に係る出力制御処理を説明するための処理シーケンス図である。
【図7】実施例3に係る車載システムの構成例を示す図である。
【図8】実施例3に係るリルート案内開始処理を説明するための処理シーケンス図である。
【図9】実施例4に係る車載システムの構成例を示す図である。
【図10】実施例4に係るコールバック画面出力制御処理を説明するための処理シーケンス図である。
【図11】車載装置の構成例を示す図である。
【図12】携帯端末装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0153】
1、1a、1b、1c 車載システム
100、200、300、400 車載装置
101、301 操作部
102 表示部
103 近距離通信部
110 記憶部
120、220、320、420 制御部
121、221、421 出力制御部
150、350 携帯端末装置
151 操作部
152 表示部
153 近距離通信部
154 通信部
160 記憶部
170、370 制御部
171 取得部
172 送信部
322 通知部
373 リルート案内開始部
423 停車検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を有する車載装置と、車両に乗車する乗車者によって携帯される電話機能を備えた携帯端末装置とで、前記車両の現在位置を含むルート情報を前記表示部に出力する車載システムであって、
前記携帯端末装置は、
前記ルート情報の出力中に電話の着信があった場合に、現在位置から目的地に至るまでに案内する案内地点情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された案内地点情報と、着信した旨とを前記車載装置に対して送信する送信手段とを有し、
前記車載装置は、
前記乗車者によって通話のための所定操作がなされた場合に、前記案内地点情報を前記表示部に出力制御する出力制御手段を有することを特徴とする車載システム。
【請求項2】
前記案内地点情報は、前記目的地に至るまでの交差点と距離との情報である経路情報および/または前記目的地に至るまでの交差点付近の地図情報であって、
前記出力制御手段は、前記経路情報および/または前記地図情報を前記表示部に出力制御することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。
【請求項3】
前記出力制御手段は、前記案内地点情報を記憶部に格納し、車速と経過時間とに基づいて走行距離を予測して、予測された走行距離に応じた前記案内地点情報を記憶部から取得し、取得された案内地点情報を前記表示部に出力制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載システム。
【請求項4】
前記車載装置は、
前記乗車者によって通話終了のための所定操作がなされた場合に、通話終了の旨を前記携帯端末装置に対して通知する通知手段をさらに有し、
前記携帯端末装置は、
前記車載装置の通知手段により通話終了の旨が通知されると、前記目的地または案内地点が現在位置から所定距離内である場合に、新たなルート情報による案内を行うリルート案内開始手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の車載システム。
【請求項5】
前記車載装置は、
前記車両の停車を検出する停車検出手段をさらに有し、
前記出力制御手段は、前記乗車者によって通話のための所定操作がなされないまま前記停車検出手段によって車両の停車を検出された場合に、折り返しの電話を発信するためのコールバック画面を前記表示部に出力制御することを特徴とする請求項1に記載の車載システム。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−130672(P2010−130672A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306904(P2008−306904)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】