説明

車載情報端末

【課題】登録地データを移し替えた後の地図データに合わせて、登録地データを更新することができる車載情報端末を提供する。
【解決手段】メモリカードに記録された登録地データと、DVD−ROMから読み込まれた地図データ中の施設データとを比較する(ステップS30)。この比較結果に基づいて、施設に該当する登録地の座標が一致するか否かを判定する(ステップS40)とともに、名称と電話番号が一致するか否かを判定する(ステップS50、S60)。これらの判定結果に基づいて、ステップS90、S120またはS150のいずれかの処理ステップを実行し、入力された登録地データを更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに登録された登録情報を他の端末に移し替えることができる車載情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが自宅など特定の地点を登録地として予め登録しておき、その登録地から選択した地点を目的地に設定することにより、使用頻度の高い目的地について素早く設定できるようにしたナビゲーション装置が広く知られている。このようなナビゲーション装置において、メモリカードのような不揮発性の記憶媒体を用いて、登録地のデータを他のナビゲーション装置に移し替えることができるものが知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平11−83527号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、たとえばナビゲーション装置を古い物から新しい物に交換して地図データがバージョンアップされた場合などに、登録地データの移し替え前後で地図データの内容が変わっていることがある。そのため、登録した施設が無くなったり移転したりしていた場合は、登録地データ移し替え後の地図データにおいて、登録地に該当する施設が存在しないこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、予め登録された各登録地に関する登録地データを、接続された中継手段を介して入力する車載情報端末において、予め記録された各種の施設に関する施設データを読み込む施設データ読み込み手段と、入力された登録地データと、施設データ読み込み手段により読み込まれた施設データを比較する比較手段と、比較手段による登録地データと施設データの比較結果に基づいて、入力された登録地データを更新する更新手段と、更新手段により更新された登録地データを記憶する記憶手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1の車載情報端末において、登録地データは、各登録地の位置を表す登録地位置情報と、各登録地の名称または電話番号のいずれか一方または両方を表す登録地特定情報とを少なくとも含み、施設データは、各施設の位置を表す施設位置情報と、各施設の名称または電話番号のいずれか一方または両方を表す施設特定情報とを少なくとも含み、比較手段による登録地データと施設データの比較結果に基づいて、施設に該当する登録地の各々について、登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致するか否かを判定する第1の判定手段と、比較手段による登録地データと施設データの比較結果に基づいて、施設に該当する登録地の各々について、登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致するか否かを判定する第2の判定手段とをさらに備え、更新手段は、第1の判定手段および第2の判定手段による判定結果に基づいて、入力された登録地データを更新するものである。
請求項3の発明は、請求項2の車載情報端末において、施設に該当する登録地のいずれかについて、第1の判定手段により登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致しないと判定され、第2の判定手段により登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致すると判定された場合、更新手段は、その登録地の登録地位置情報の内容を施設位置情報に合わせて補正することにより、入力された登録地データを更新するものである。
請求項4の発明は、請求項2または3いずれか一項の車載情報端末において、施設に該当する登録地のいずれかについて、第1の判定手段により登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致すると判定され、第2の判定手段により登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致しないと判定された場合、更新手段は、その登録地の登録地特定情報の内容を施設特定情報に合わせて補正することにより、入力された登録地データを更新するものである。
請求項5の発明は、請求項2〜4いずれか一項の車載情報端末において、施設に該当する登録地のいずれかについて、第1の判定手段により登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致しないと判定され、第2の判定手段により登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致しないと判定された場合、更新手段は、その登録地に関する登録地データを削除することにより、入力された登録地データを更新するものである。
請求項6の発明は、請求項1〜5いずれか一項の車載情報端末において、更新手段により登録地データを更新する前に、その更新内容を表示モニタに表示する表示制御手段と、表示制御手段により表示モニタに表示された更新内容に対するユーザの確認結果が肯定または否認のいずれであるかを判断する判断手段とをさらに備え、更新手段は、判断手段によりユーザの確認結果が肯定であると判断された場合は登録地データを更新し、否認であると判断された場合は登録地データを更新しないこととするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、登録地データを移し替えた後の地図データに合わせて、登録地データを更新することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。ナビゲーション装置1とナビゲーション装置2は、同じ構成を有しており、不揮発性の可般型記憶媒体であるメモリカード3を挿し換えて交換することにより、メモリカード3を介して登録地データを移し替えることができる。以下ではナビゲーション装置1の構成について説明し、ナビゲーション装置2は同じ構成であるため説明を省略する。
【0008】
ナビゲーション装置1は、メモリカードスロット10、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、フラッシュメモリ15、表示モニタ16、入力装置17およびディスクドライブ18を有している。メモリカードスロット10には、メモリカード3が装填される。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0009】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、各種の処理や制御を行う。この制御回路11において、DVD−ROM19に記録された地図データに基づいて、設定された目的地までの推奨経路の探索処理など、様々な処理が行われる。
【0010】
現在地検出装置14は、自車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された自車両の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0011】
フラッシュメモリ15は、ナビゲーション装置1の電源が切断されてもその記憶内容を保持できる不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ15には、ユーザによって登録された登録地データが記憶される。ユーザは、特定の地点を地図上で指定し、その地点を登録地として予め登録しておくことができる。各登録地の名称は、地図データに基づいて自動的に対応する地名や施設名などが付与されるが、たとえば「自宅」などのように、ユーザが任意の名称を付与することもできる。
【0012】
フラッシュメモリ15により記憶された登録地データは、ユーザの操作によって目的地の設定時に呼び出し、いずれかの登録地を目的地として選択することができる。なお、後述するようにDVD−ROM19の代わりにハードディスクから地図データを読み出す場合には、フラッシュメモリ15を使用せず、そのハードディスクに登録地データを記録することとしてもよい。
【0013】
表示モニタ16は、DVD−ROM19に記録されている地図データ等に基づいて制御回路11により作成される画像データを用いて、地図画像などの様々な画像を表示する。入力装置17は、登録地の設定や推奨経路を探索するための目的地設定など、様々な操作入力をユーザが行うための各種の入力スイッチを有している。この入力装置17は、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を適宜操作することで、各種処理をナビゲーション装置1に実行させることができる。
【0014】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19より地図データを読み出す。地図データには、目的地までのルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、道路を表す道路データなどが含まれている。また、各種施設や河川、鉄道など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。さらに、各種施設の位置や名称、電話番号、施設の種類などを表す施設データも地図データに含まれている。
【0015】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0016】
ユーザが入力装置17を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、地図上に表示された推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0017】
図2は、フラッシュメモリ15に記憶されている登録地データの例である。ここでは、「自宅」、「Tドーム」、「Oドーム」、「Dランド」、「Sランド」および「M病院」の合計6ヶ所の登録地データが記録されている例を示している。図2に示すように、登録地データには各登録地の名称と、各登録地の地図上の位置を表す座標値と、各登録地の種別を表すグループ番号(Gr)と、各登録地の電話番号が記録されている。なお、登録地が何らかの施設に該当する場合は、地図データに含まれる施設データに基づいて、その登録地データの内容を自動的に決定することができる。
【0018】
登録地から目的地を設定する際には、最初に登録地の一覧が表示され、その一覧からいずれかの登録地がユーザに選択されると、その登録地の位置が表示される。その後、選択された目的地を登録地に設定するか否かがユーザによって選択される。
【0019】
メモリカード3がメモリカードスロット10に装填されると、ナビゲーション装置1とメモリカード3が接続される。この状態で、入力装置17を用いて所定のメニュー操作がユーザにより行われると、図2の登録地データがメモリカード3に記録される。こうしてナビゲーション装置1からナビゲーション装置2へ登録地データを移し替えるために、フラッシュメモリ15の登録地データをメモリカード3に記録することを「エクスポート」という。
【0020】
登録地データがメモリカード3に記録された後、ユーザがそのメモリカード3をナビゲーション装置1からナビゲーション装置2へ挿し換えると、エクスポートされた図2の登録地データがナビゲーション装置2に取り込まれる。こうしてエクスポートされた登録地データをメモリカード3から読み出してナビゲーション装置2に取り込むことを「インポート」という。インポートされた登録地データは、ナビゲーション装置2のフラッシュメモリ25によって記憶される。このようにして、ナビゲーション装置1からナビゲーション装置2への登録地データの移し替えが行われる。
【0021】
ナビゲーション装置2において登録地データをインポートする際には、その登録地データをDVD−ROM29に記録された地図データ中の施設データと照合することにより、両者のデータ内容を比較する。このとき、施設データにおいて何らかの施設として表されている登録地(以下、登録施設という)のみを比較対象とする。登録施設に該当しない登録地については、比較することができない。図2の登録地データの例では、各登録地のうち「Tドーム」、「Oドーム」、「Dランド」、「Sランド」および「M病院」の各登録施設については、そのデータ内容が施設データと比較される。しかし、登録施設に該当しない「自宅」については、施設データとの比較は行われない。
【0022】
両者のデータ内容を比較した結果、いずれかの登録施設について登録地データと施設データの内容が一致しない場合は、その登録施設の登録地データの内容を施設データに合わせて更新する。このようにすることで、ナビゲーション装置2にインポートされた登録地データを施設データに基づいて正しい内容とすることができる。たとえば、地図データのバージョンアップ等により、ナビゲーション装置1の施設データでは存在している施設が、ナビゲーション装置2の施設データにおいて消滅していたり、あるいは違う場所に移転していたりする場合がある。このような施設が登録施設としてナビゲーション装置1に登録されていた場合、その登録地データがナビゲーション装置2にインポートされたときに、登録地データの内容がナビゲーション装置2の施設データに合わせて更新される。
【0023】
以上説明したように、ナビゲーション装置2において登録地データの内容を施設データに合わせて更新する際には、各登録施設に対する登録地データと施設データの比較結果に応じて、様々な画面が表示モニタ26に表示される。その例を図3〜8に示す。
【0024】
図3は、登録地データと施設データにおいて登録施設の名称や電話番号は一致するが、座標点が一致していない場合、すなわち登録施設が移転された場合に表示される画面例である。このような画面を、以下では「位置変更画面」と称する。ここでは、図2の登録施設のうち「M病院」について表示される位置変更画面を示している。画面の左側上段には更新前の登録地データ内容が表示され、左側下段には更新後の登録地データ内容が表示される。このとき、一致しない部分、すなわち座標値のみを他とは違う表示形態とすることにより、ユーザがその部分を分かりやすいようにしてもよい。たとえば、文字の色彩や太さを変えたり、点滅表示したりすることができる。これ以降で説明する画面例においても同様である。
【0025】
図3の位置変更画面の右側には、更新前および更新後の登録施設の位置が地図上にそれぞれ表示される。符号31に示すマークは更新前の登録施設の位置を表し、符号32に示すマークは更新後の登録施設の位置を表している。なお、この画面を表示する際には、マーク31とマーク32を両方同時に地図上に表示できるような地図縮尺がナビゲーション装置2において自動的に設定される。あるいは、画面を二分割し、それぞれにマーク31とマーク32を別々に表示することとしてもよい。
【0026】
図3の位置変更画面が表示された後は、図4に示すような画面が表示される。この画面では、インポートされた登録地データの登録施設とナビゲーション装置2の施設データの場所が違うことをユーザに通知するとともに、インポートされた登録地データの内容を更新するか否かをユーザに選択させる。入力装置27の操作により、ユーザが「はい」と書かれたボタン41を選択した場合は、その登録施設について登録地データの内容を施設データに合わせて更新した上で、フラッシュメモリ25に記憶させる。ユーザが「いいえ」と書かれたボタン42を選択した場合は、そのまま登録地データを更新せずに、フラッシュメモリ25に記憶させる。
【0027】
図5は、登録地データと施設データにおいて登録施設の座標点は一致するが、名称と電話番号が一致していない場合、すなわち登録施設が変更された場合に表示される画面例である。このような画面を、以下では「施設変更画面」と称する。この施設変更画面の右側には、更新前後の登録施設の位置がマーク31によって同じ位置に表示される。
【0028】
図5の施設変更画面が表示された後は、図6に示すような画面が表示される。この画面では、インポートされた登録地データの登録施設とナビゲーション装置2の施設データの施設が違うことをユーザに通知するとともに、インポートされた登録地データの内容を更新するか否かをユーザに選択させる。図4の画面と同様に、「はい」と書かれたボタン41が選択された場合は、その登録施設について登録地データの内容を施設データに合わせて更新し、フラッシュメモリ25に記憶させる。「いいえ」と書かれたボタン42が選択された場合は、そのまま登録地データを更新せずにフラッシュメモリ25に記憶させる。
【0029】
図7は、登録施設に一致する施設がない場合に表示される画面例である。登録地データと施設データにおいて登録施設の座標点、名称、電話番号のいずれも一致しない場合は、一致する登録施設がないと判断される。このような画面を、以下では「該当施設なし画面」と称する。この該当施設なし画面の右側には、更新前の登録施設の位置がマーク31によって表示される。
【0030】
図7の該当施設なし画面が表示された後は、図8に示すような画面が表示される。この画面では、インポートされた登録地データの登録施設に該当する施設がナビゲーション装置2の施設データには既に無いことをユーザに通知するとともに、インポートされた登録地データの内容を更新するか否かをユーザに選択させる。「はい」と書かれたボタン41が選択された場合は、その登録施設についての登録地データを削除することにより、登録地データの内容を施設データに合わせて削除して、フラッシュメモリ25に記憶させる。「いいえ」と書かれたボタン42が選択された場合は、そのまま登録地データを削除せずにフラッシュメモリ25に記憶させる。
【0031】
なお、登録地データと施設データにおいて登録施設の座標点が異なっており、名称と電話番号のいずれか一方のみが一致する場合は、一致する登録施設がないと判断して図7の該当施設なし画面を表示してもよいし、あるいは、登録施設が移転されたと判断して図3の位置変更画面を表示してもよい。また、登録地データと施設データにおいて登録施設の座標点が一致しており、名称と電話番号のいずれか一方が異なっている場合は、同じ登録施設であると判断してもよいし、あるいは、異なる登録施設であると判断して図5の施設変更画面を表示するようにしてもよい。
【0032】
上記において、名称と電話番号のどちらが一致するかによって判断結果を変えることもできる。たとえば、登録施設と名称のみが一致し、電話番号および座標点が異なる施設が存在する場合は、別の施設であると判断して該当施設なし画面を表示することとし、登録施設と電話番号のみが一致し、電話番号および名称が異なる施設が存在する場合は、同じ施設であると判断して位置変更画面を表示する。さらに、登録地データと施設データにおけるグループ番号や、座標点の位置関係などを加味して、どちらの画面を表示するか判断してもよい。
【0033】
以上説明したように、ナビゲーション装置2において登録地データの内容を施設データに合わせて更新した上で、その登録地データをインポートするときに実行されるフローチャートを図9に示す。このフローチャートは、ナビゲーション装置1からエクスポートされた登録地データを記録されたメモリカード3がメモリカードスロット20に装填されているときに、制御回路21によって実行される。
【0034】
ステップS10では、ナビゲーション装置1からエクスポートされ、メモリカード3に記録された登録地データをメモリカード3から読み出す。これにより、登録地データがナビゲーション装置2に入力される。次のステップS20では、ステップS10で入力された登録地データにおいて、いずれかの登録施設を選択する。ステップS30では、ステップS10で入力された登録地データを、DVD−ROM29に記録され、ディスクドライブ28によって読み込まれた地図データ中の施設データと比較する。
【0035】
ステップS40では、ステップS30の比較結果に基づいて、選択した登録施設の座標が登録地データと施設データにおいて一致するか否かを判定する。一致しない場合はステップS50へ進み、一致する場合はステップS60へ進む。
【0036】
ステップS50では、ステップS30の比較結果に基づいて、選択した登録施設の名称と電話番号が登録地データと施設データにおいて一致するか否かを判定する。一致しない場合はステップS70へ進む。これは、選択した登録施設に一致する施設が施設データにおいて存在しない場合に相当する。一方、選択した登録施設の名称と電話番号が登録地データと施設データにおいて一致する場合はステップS100へ進む。これは、登録施設が移転された場合に相当する。
【0037】
ステップS60では、ステップS50と同様に、ステップS30の比較結果に基づいて、選択した登録施設の名称と電話番号が登録地データと施設データにおいて一致するか否かを判定する。一致しない場合はステップS130へ進む。これは、登録施設が変更された場合に相当する。一方、選択した登録施設の名称と電話番号が登録地データと施設データにおいて一致する場合、すなわち登録地データと施設データの内容が全て一致する場合はステップS160へ進む。
【0038】
ステップS70へ進んだ場合、ステップS70では、図7の該当施設なし画面を表示モニタ26に表示する。さらに続けて、図8の画面を表示する。ステップS80では、図8の画面におけるユーザの操作入力に応じて、ユーザ確認結果がOKであるか否かを判断する。すなわち、入力装置27の操作によってボタン41が押された場合は、ユーザ確認結果がOKである(肯定)と判断し、ステップS90へ進む。一方、ボタン42が押された場合は、ユーザ確認結果がOKではない(否認)と判断し、ステップS90を実行せずにステップS160へ進む。
【0039】
ステップS90では、ステップS10で読み出した登録地データから、選択した登録施設に関するデータ内容を削除する。これにより、その登録施設について登録地データの内容が施設データに合わせて更新される。ステップS90を実行したら、ステップS160へ進む。
【0040】
ステップS100へ進んだ場合、ステップS100では、図3の位置変更画面を表示モニタ26に表示する。さらに続けて、図4の画面を表示する。ステップS110では、図4の画面におけるユーザの操作入力に応じて、ユーザ確認結果がOKであるか否かを判断する。ボタン41が押された場合はユーザ確認結果がOKである(肯定)と判断し、ステップS120へ進む。ボタン42が押された場合はユーザ確認結果がOKではない(否認)と判断し、ステップS120を実行せずにステップS160へ進む。
【0041】
ステップS120では、ステップS10で読み出した登録地データのうち選択した登録施設の座標値を、地図データ中の施設データ内容に合わせて補正する。これにより、登録地データの内容が施設データに合わせて更新される。ステップS120を実行したら、ステップS160へ進む。
【0042】
ステップS130へ進んだ場合、ステップS130では、図5の施設変更画面を表示モニタ26に表示する。さらに続けて、図6の画面を表示する。ステップS140では、図6の画面におけるユーザの操作入力に応じて、ユーザ確認結果がOKか否かを判断する。ボタン41が押された場合はユーザ確認結果がOKである(肯定)と判断し、ステップS150へ進む。ボタン42が押された場合はユーザ確認結果がOKではないと判断し、ステップS150を実行せずにステップS160へ進む。
【0043】
ステップS150では、ステップS10で読み出した登録地データのうち選択した登録施設の名称と電話番号を、地図データ中の施設データ内容に合わせて補正する。これにより、登録地データの内容が施設データに合わせて更新される。ステップS150を実行したら、ステップS160へ進む。
【0044】
ステップS160では、ステップS10で読み出した登録地データに含まれる全ての登録施設をステップS20において選択したか否かを判定する。全ての登録施設を選択済みである場合はステップS170へ進み、登録地データをフラッシュメモリ25に書き込む。こうして書き込まれた登録地データがフラッシュメモリ25によって記憶される。ステップS170を実行したら図9のフローチャートを終了する。このようにして、登録地データが施設データに合わせて更新され、ナビゲーション装置2にインポートされる。一方、まだ選択していない登録施設がある場合はステップS20へ戻り、ステップS20においてその未選択の登録施設のうちいずれかを選択してから、上記に説明したような処理を繰り返す。
【0045】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)メモリカードスロット20にメモリカード3が装填され、ナビゲーション装置2とメモリカード3が接続された状態で、ナビゲーション装置1においてユーザによって予め登録された登録地データを、メモリカード3を介して入力する。そして、入力されたその登録地データと、ディスクドライブ28によってDVD−ROM29から読み込まれた地図データ中の施設データとを比較する(ステップS30)。この比較結果に基づいて、ステップS90、S120またはS150のいずれかの処理ステップにより、入力された登録地データを更新する。こうして更新された登録地データをフラッシュメモリ25に書き込んで記憶するようにした(ステップS170)。このようにしたので、登録地データを移し替えた後のナビゲーション装置2の地図データに合わせて、登録地データを更新することができる。
【0046】
(2)ステップS30における登録地データと施設データの比較結果に基づいて、施設に該当する登録地の各々について、座標が一致するか否かを判定する(ステップS40)とともに、名称と電話番号が一致するか否かを判定する(ステップS50、S60)。これらの判定結果に基づいて、ステップS90、S120またはS150のいずれかの処理ステップを実行し、入力された登録地データを更新することとした。このようにしたので、登録地データと施設データの比較結果に応じて、適切な方法で登録地データを更新することができる。
【0047】
(3)ステップS40において座標が一致しないと判定され、ステップS50において名称と電話番号が一致すると判定された場合は、その登録施設の座標値を施設データに合わせて補正する(ステップS120)ことにより、入力された登録地データを更新することとした。このようにしたので、登録施設が移転された場合に登録地データを正しく更新することができる。
【0048】
(4)ステップS40において座標が一致すると判定され、ステップS60において名称と電話番号が一致しないと判定された場合は、その登録施設の名称と電話番号を施設データに合わせて補正する(ステップS150)ことにより、入力された登録地データを更新することとした。このようにしたので、登録施設が変更された場合に登録地データを正しく更新することができる。
【0049】
(5)ステップS40において座標が一致しないと判定され、ステップS50において名称と電話番号が一致しないと判定された場合は、その登録施設に関する登録地データを削除する(ステップS90)ことにより、入力された登録地データを更新することとした。このようにしたので、登録施設に一致する施設が施設データにおいて存在しない場合に登録地データを正しく更新することができる。
【0050】
(6)ステップS90、S120またはS150のいずれかの処理ステップによって入力された登録地データを更新する前に、その更新内容を示す該当施設なし画面、位置変更画面または施設変更画面のいずれかを表示モニタ26に表示する(ステップS70、S100、S130)。そして、これに対するユーザの確認結果が肯定または否認のいずれであるかを判断し(ステップS80、S110、S140)、肯定であると判断された場合はステップS90、S120またはS150を実行して登録地データを更新する。否認であると判断された場合はステップS90、S120またはS150を実行せずに登録地データを更新しないこととした。このようにしたので、登録地データを更新する前にその更新内容をユーザが確認することができ、さらに、ユーザが希望する場合のみ更新し、希望しない場合には更新しないことができる。
【0051】
なお、上記の実施の形態では、登録地データにおいて各登録地の座標点、名称および電話番号が記録されるとともに、施設データにおいて各施設の座標点、名称および電話番号が記録されていることとし、これによって各登録施設の座標点、名称および電話番号を比較する例を説明した。しかし、登録地データと施設データにはこれら全ての情報が含まれていなくてもよい。あるいは、これら以外の情報が含まれていてもよい。すなわち、任意の情報を登録地データと施設データに含ませて比較することができる。
【0052】
さらに、上記の情報のうち名称と電話番号については、いずれか一方のみを記録および比較の対象とすることができる。すなわち、登録地データは、各登録地の位置を表すための座標点(登録地位置情報)と、各登録地を特定するための名称または電話番号のいずれか一方または両方(登録地特定情報)とを含み、施設データは、各施設の位置を表すための座標点(施設位置情報)と、各施設を特定するための名称または電話番号のいずれか一方または両方(施設特定情報)とを含むものとすることができる。そして、登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致するか否かを図9のステップS40において判定し、登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致するか否かをステップS50またはS60において判定する。
【0053】
また、上記の実施の形態では、メモリカード3を介して登録地データを移し替える例を説明したが、その他のものを介して登録地データを移し替えるようにしてもよい。たとえば、ナビゲーション装置1とナビゲーション装置2をケーブルによって接続し、そのケーブルを介して登録地データを移し替えるようにしてもよい。あるいは、ナビゲーション装置1とナビゲーション装置2の間にパーソナルコンピュータを接続し、そのパーソナルコンピュータを介して登録地データを移し替えるようにしてもよい。それ以外にも、たとえば磁気ディスクを用いたり、あるいは電波や赤外線を用いた無線通信を介して接続したりするなど、様々な方法で登録地データを移し替えることができる。
【0054】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0055】
以上説明した各実施の形態では、施設データ読み込み手段をディスクドライブ28、記憶手段をフラッシュメモリ25によってそれぞれ実現し、それ以外の各手段を制御回路21の処理によって実現している。具体的には、比較手段をステップS30、第1の判定手段をステップS40、第2の判定手段をステップS50またはS60、表示制御手段をステップS70、S100またはS130、判断手段をステップS80、S110またはS140、更新手段をステップS90、S120またはS150の処理によってそれぞれ実現している。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の各実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】登録地データの例を示す図である。
【図3】登録施設が移転された場合に表示される位置変更画面の例である。
【図4】位置変更画面の後に表示される選択画面の例である。
【図5】登録施設が変更された場合に表示される施設変更画面の例である。
【図6】施設変更画面の後に表示される選択画面の例である。
【図7】登録施設に一致する施設がない場合に表示される該当施設なし画面の例である。
【図8】該当施設なし画面の後に表示される選択画面の例である。
【図9】登録地データの内容を施設データに合わせて更新した上で、その登録地データをインポートするときに実行されるフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
1、2:ナビゲーション装置
3:メモリカード
10、11:メモリカードスロット
11、21:制御回路
12、22:ROM
13、23:RAM
14、24:現在地検出装置
15、25:フラッシュメモリ
16、26:表示モニタ
17、27:入力装置
18、28:ディスクドライブ
19、29:DVD−ROM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め登録された各登録地に関する登録地データを、接続された中継手段を介して入力する車載情報端末において、
予め記録された各種の施設に関する施設データを読み込む施設データ読み込み手段と、
前記入力された登録地データと、前記施設データ読み込み手段により読み込まれた施設データを比較する比較手段と、
前記比較手段による登録地データと施設データの比較結果に基づいて、前記入力された登録地データを更新する更新手段と、
前記更新手段により更新された登録地データを記憶する記憶手段とを備えることを特徴とする車載情報端末。
【請求項2】
請求項1の車載情報端末において、
前記登録地データは、各登録地の位置を表す登録地位置情報と、各登録地の名称または電話番号のいずれか一方または両方を表す登録地特定情報とを少なくとも含み、
前記施設データは、各施設の位置を表す施設位置情報と、各施設の名称または電話番号のいずれか一方または両方を表す施設特定情報とを少なくとも含み、
前記比較手段による登録地データと施設データの比較結果に基づいて、施設に該当する登録地の各々について、前記登録地位置情報と前記施設位置情報の内容が一致するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記比較手段による登録地データと施設データの比較結果に基づいて、施設に該当する登録地の各々について、前記登録地特定情報と前記施設特定情報の内容が一致するか否かを判定する第2の判定手段とをさらに備え、
前記更新手段は、前記第1の判定手段および前記第2の判定手段による判定結果に基づいて、前記入力された登録地データを更新することを特徴とする車載情報端末。
【請求項3】
請求項2の車載情報端末において、
施設に該当する登録地のいずれかについて、前記第1の判定手段により登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致しないと判定され、前記第2の判定手段により登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致すると判定された場合、前記更新手段は、その登録地の登録地位置情報の内容を施設位置情報に合わせて補正することにより、前記入力された登録地データを更新することを特徴とする車載情報端末。
【請求項4】
請求項2または3いずれか一項の車載情報端末において、
施設に該当する登録地のいずれかについて、前記第1の判定手段により登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致すると判定され、前記第2の判定手段により登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致しないと判定された場合、前記更新手段は、その登録地の登録地特定情報の内容を施設特定情報に合わせて補正することにより、前記入力された登録地データを更新することを特徴とする車載情報端末。
【請求項5】
請求項2〜4いずれか一項の車載情報端末において、
施設に該当する登録地のいずれかについて、前記第1の判定手段により登録地位置情報と施設位置情報の内容が一致しないと判定され、前記第2の判定手段により登録地特定情報と施設特定情報の内容が一致しないと判定された場合、前記更新手段は、その登録地に関する登録地データを削除することにより、前記入力された登録地データを更新することを特徴とする車載情報端末。
【請求項6】
請求項1〜5いずれか一項の車載情報端末において、
前記更新手段により登録地データを更新する前に、その更新内容を表示モニタに表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示モニタに表示された更新内容に対するユーザの確認結果が肯定または否認のいずれであるかを判断する判断手段とをさらに備え、
前記更新手段は、前記判断手段によりユーザの確認結果が肯定であると判断された場合は登録地データを更新し、否認であると判断された場合は登録地データを更新しないことを特徴とする車載情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−17175(P2007−17175A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−195931(P2005−195931)
【出願日】平成17年7月5日(2005.7.5)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】