説明

車載用ナビゲーション装置及び道路種判別方法

【課題】一般道路や高速道路などの道路種を精度良く判別可能な車載用ナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】撮像部12は自車両の後方の路面を撮像する。路面標示認識部13は撮像部12にて撮像された路面の画像から路面標示の認識を行う。路面凸状態認識部14は路面の画像から路面の高低の変化を路面凸状態として認識する。そして、判別部15は路面標示の認識結果と路面凸状態の認識結果を加味して道路種の判別を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を目的地まで案内する車載用ナビゲーション装置、及び一般道路、高速道路などの道路種を判別する道路種判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(全地球測位システム)などの位置検知装置と地図情報とを用いて、自車両の現在の道路上の位置を特定するとともに、ユーザによって指定された目的地までの道路経路の表示などの走行案内を行う車載用ナビゲーション装置が知られている。
【0003】
しかしながら、位置検知装置の精度の限界により、多数の道路が平行して密集しているような地域においては、近接する道路との判別の誤りなどが発生するおそれがある。特に高速道路と一般道路が併走している区間においては自車が走行している道路の判別を精度良く行うことは困難であった。
そこで、高速道路に見られる特徴を利用して自車両の走行している道路の種別を判別する技術がこれまで提案されてきた。例えば、高速道路への進入は、インターチェンジなど高速道路専用の出入り口(以下「ランプウェイ」と記述する。)からのみ可能であることから、ランプウェイと高速道路の境界線である分岐・合流用白線を検出して高速道路への進入の判別を行う方法(例えば特許文献1等を参照)、道路上におけるレーン分割白線の長さ・車両周辺の大気圧・先行車両との相対速度などの情報を収集して道路の種別を判別する方法(例えば特許文献2等を参照)などがある。
【特許文献1】特開2005−283219号公報
【特許文献2】特開2005−114535号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、合流用・分岐用白線はランプウェイと高速道路の境界に引かれているとは限らない。また、天候の変化に長年晒されていたり、磨耗などによって、合流用・分岐用白線が掠れている場合には検出に失敗するおそれがある。
【0005】
また、道路上におけるレーン分割白線の長さ・車両周辺の大気圧・先行車両との相対速度などの情報を収集して道路の種別を判別する方法では、画像認識、大気圧測定、相対速度測定などを実施するための多数の測定装置が必要であり、コストがかさむと共に装置全体の規模が大きくなるという問題があった。
本発明は、道路種を精度良く判別することのできる車載用ナビゲーション装置及び道路種判別方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の車載用ナビゲーション装置は、車両に搭載され路面を撮影する撮像部と、前記撮像部からの入力画像より路面の高低の変化を認識する路面凸状態認識部と、前記路面凸状態認識部によって得られた認識結果を加味して自車両の存在する道路種を判別する判別部とを具備を特徴とする。
【0007】
高速道路は一般道路に対して高さの異なる場所に設置されている場合が多く、車両が一般道路から高速道路に乗降する際にはランプウェイと呼ばれる坂を登ることになる。そこで、本発明では、判別部が、撮像部からの入力画像より路面の高低の変化を認識した結果を加味して自車両の存在する道路種を判別することで、道路種の判別精度を高めることができる。
【0008】
また、路面凸状態認識部は、撮像部からの入力画像より路面の高低の変化を上りと下りとに分別して認識することとする。自車両の進行方向に沿って路面が上っていることを認識した結果を、自車両がランプウェイを上って一般道路から高速道路へ進入することを判別するための情報として用いることができる。逆に、自車両の進行方向に沿って路面が下がっていることを認識結果は、自車両がランプウェイを下って高速道路から一般道路に進入することを判別するための情報として用いることができる。
【0009】
さらに、本発明は、撮像部からの入力画像より路面の標示を認識する路面標示認識部をさらに具備し、判別部は、路面凸状態認識部によって得られた認識結果及び路面標示認識部によって得られた認識結果を加味して自車両の存在する道路種を判別するようにしてもよい。すなわち、路面の高低の変化を認識した結果と路面の標示を認識した結果の2つを加味して自車両の存在する道路種を判別することで、道路種の判別精度をより一層高めることができる。
【0010】
また、路面標示認識部は、撮像部から入力された連続する複数のフレーム画像に対して路面表示の認識を行い、複数のフレーム分の認識結果から最終的な認識結果を判定して出力するようにしてもよい。これにより、車両の揺れで画像が乱れ、路面標示の認識結果にばらつきが生じても、このばらつきが道路種の判別に影響することを防止でき、判別精度の向上を図ることができる。
【0011】
さらに、本発明は、路面標示の位置を含む地図情報及び自車両の位置を提供する地図・位置情報提供部をさらに有し、判別部は、一般道路固有標示として予め決められた種類の路面標示が路面標示認識部によって認識されなかった場合、地図・位置情報提供部より提供された一般道路固有標示の位置と自車両の位置との距離を算出し、この距離が予め決められた閾値を超える場合に、当該自車両の存在する道路種を高速道路と判別することとしてもよい。
【0012】
さらに、本発明は、自車両の走行速度の情報を入手するとともに、判別部によって判別された道路種をもとに自車両の適切な走行速度を計算し、自車両の走行速度と適切な走行速度とを比較して、比較結果を出力する計算部をさらに具備するものであってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車載用ナビゲーション装置及び道路種判別方法によれば、道路種の判別精度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。
【0015】
図27は本発明の一実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0016】
同図に示すように、この車載用ナビゲーション装置100は、GPS受信機1と、HD(Hard Disk )、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory )などのメディアから地図情報やそれに関連する情報を読み出すディスクドライブ2と、ユーザから出発地、目的地などの入力や各種操作のための入力を行う操作入力部3と、自車両の位置(自車位置)とその周辺の地図情報や自車両のナビゲーションのための情報表示を行うCRT(陰極線管)やLCD(液晶表示装置)などの表示装置4と、ナビゲーションに関する音声情報を出力するスピーカ5と、自車両の前方または後方の路面を撮像する撮像部12であるカメラ6と、制御装置7とを備えて構成される。
【0017】
制御装置7は、CPU(Central Processing Unit)7aと、CPU7aの作業領域やデータ記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)7bと、CPU7aによって実行されるプログラムや各種のデータなどが固定的に格納されたROM(Random Only Memory)7cと、電気的に消去および書き換えが可能なROMであるフラッシュメモリ7dとを備えて構成される。
【0018】
GPS受信機1はGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)により自車両の現在位置を測位して、自車両の現在位置(自車位置)を検出し、その自車位置検出結果を制御装置7へ提供するものである。
【0019】
カメラ6は、自車両の車体のフロント部分やリア部分などに装着され、自車両の前方または後方の路面を撮像して、路面にペイントされた直進、左折、右折などの各種の標示やラインのイメージを取り込むための手段である。カメラ6は、具体的には、たとえばCCD(Charge-Coupled Devices)などの撮像素子と、この撮像素子によって撮像された信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換して制御装置7に出力する信号処理回路とを有している。
【0020】
図1は本実施形態の車載用ナビゲーション装置100の機能ブロックを示す図である。
【0021】
同図に示すように、この車載用ナビゲーション装置100は、地図・位置情報提供部11と、撮像部12と、路面標示認識部13と、路面凸状態認識部14と、判別部15とを備えている。
【0022】
地図・位置情報提供部11は、GPS受信機1(図1参照)にて受信した自車位置の座標情報とメディアに記録されている地図情報とをもとに、自車位置が特定地点に接近したことを示す接近情報を出力する。地図・位置情報提供部11は、自車位置の座標と地図情報の中の特定地点の座標との距離を計算し、この距離が予め決められた閾値以下ならば、その特定地点への「接近」を判断して出力する。ここで、接近しているか否かを示す変数の初期状態を”0”として特定地点に接近していないことを示すものとする。すなわち、地図・位置情報提供部11にて計算された上記の距離が閾値より大きい場合は変数に”0”が格納され、上記の距離が閾値以下であった場合は変数に”1”が格納される。この変数は判別部15に与えられ、判別部15は変数に”1”が格納されていれば、撮像部12を起動させるように制御を行う。
【0023】
なお、特定地点の座標の情報は予めディスクドライブ2(図1参照)などに構築されたデータベースに格納されている。地図・位置情報提供部11は、自車位置の座標をキーにデータベースから最も近い特定地点の座標を検索して、自車位置の座標との距離の計算を行う。また、接近情報を示す変数の値は2種類の値を表現できれば”0”,”1”以外の値を用いてよい。さらに、特定地点に近付くときと遠ざかるときとで判別用の距離の閾値を変更するなど、状況に応じて閾値を変更するようにしてもよい。故に、特定地点に接近したとみなす領域は閾値を一定とした場合には円となるが、その他の形をとることも可能である。
【0024】
撮像部12は、カメラ6(図1参照)により自車両の周辺の路面画像を取得する。図2は撮像部12により取得した路面画像の例を示す図である。この例では、自車両の後方の路面画像をカメラ6(図1参照)で撮像することを想定している。撮像部12は、たとえば、地図・位置情報提供部11によって特定地点への接近が判断されることによって判別部15からの制御指令を受けて撮像を開始する。
【0025】
路面標示認識部13は、撮像部12によって撮像された路面画像を入力として受け取り、路面表示の認識に適した情報を得るために必要な処理を行ってから、入力画像に含まれている道路種の判別に必要な路面標示の認識を行って、その結果を示すコードを変数rの値として判別部に出力する。
【0026】
図3は路面標示認識部13の構成を示すブロック図である。同図に示すように、路面標示認識部13は、画像処理部13Aと認識実行部13Bから構成される。画像処理部13Aは撮像部12から画像を取得して、この画像に種々の処理を施して路面標示の認識に適した画像に変換する。
【0027】
この画像処理部13Aによる画像処理の具体例を次に示す。ここでは入力画像がカラーである場合を想定する。画像処理部13Aは、まず、このカラー画像に対しグレー画像への変換を行う。画像処理部13Aは、例えば、入力されたカラー画像をYUV表色系に変換し、その中のY(輝度)成分を取り出すことによってグレー画像を得る。次に、画像処理部13Aは、変換したグレー画像に対し透視変換を行う。透視変換とは、入力画像を路面真上から見下ろした画像へ変換する処理である。続いて、画像処理部13Aは透視変換後のグレー画像に対して二値化を行う。これは、個々の画素の値を決められた閾値を基準に二種類の値に表現し直す処理である。例えば、黒画素を”1”、白画素を”0”とする。ここまでで、路面の真上から見下ろした白黒の路面二値画像が得られる。
【0028】
なお、これらの処理及びその手法は一例であり、認識に適した情報を得るという主旨を逸脱しない限りにおいてその他の処理及び手法を用いてよい。また、入力画像の種類(カラー、グレースケールなど)及び次に実施する認識処理の内容に合わせ、実施する処理の組み合わせも変更されてよい。
【0029】
認識実行部13Bは、画像処理部13Aによって得られた路面二値画像に対して路面標示の認識のために必要な情報の抽出を行い、この抽出情報をもとに路面標示の認識を行う。この認識実行部13Bによる路面標示の認識処理の具体例を次に示す。
【0030】
認識実行部13Bは、まず、画像処理部13Aより路面二値画像を取得する。次に認識実行部13Bは、取得した路面二値画像に対してハフ変換を行うことで画像中の直線を抽出し、その直線の座標などのパラメータを得る。以後この直線のパラメータを得るまでの処理を「直線の検出」と呼ぶ。
【0031】
図4から図7はそれぞれ認識の対象である路面標示の模式図であり、図4は車線21,22、図5は横断歩道23、図6は停止線24、図7は高速道路25とランプウェイ26との境に存在する分岐・合流線27の模式図である。認識実行部13Bは、それぞれの路面標示に対して予め決められた条件と直線のパラメータをもとに上記の車線、横断歩道、停止線、分岐・合流線などの路面標示を認識する。
【0032】
路面標示に対して予め決められた条件とは、例えば、図4に示した車線21,22の場合には「直線が縦方向に、端から端まで伸びた部分」、図5に示した横断歩道23の場合には「縦方向に引かれた直線が複数本並んだ部分」、図6に示した停止線24の場合には「直線が横方向に伸び、かつその上下方向には何も存在しない部分」、図7に示した分岐・合流線27の場合には「長さが一定値以下の短い直線が複数連続して同一直線上に存在する部分」などとして設定される。勿論、精度を高めるために、より最適な条件を設定してもよい。例えば、横断歩道23の場合には「縦方向に引かれた複数の直線がそれぞれ縦方向に同じ位置にある。」などの条件を加えてもよい。なお、分岐・合流線27の場合には、類似した他の路面標示例えばセンターラインとの判別精度を高めるために、「短い直線」と見なすための長さの値をセンターラインなどの他のラインのそれと確実に識別できるような値に設定することが重要である。図7に示すように、一般的には分岐・合流線27は破線であり、この破線を構成する個々の線分の長さは、センターライン28などの他の破線のラインのそれよりも短いので、「短い直線」と見なすための長さの値を最適に選定することによって、十分な認識精度を得ることが可能である。
【0033】
次に、認識実行部13Bは、路面上の左右の車線21,22の間にペイントされている矢印などの標示29(図4参照)の認識を行う。左右の車線21,22の間にペイントされているという点で横断歩道23、停止線24なども共通であるため、矢印などの標示29の認識はそれら横断歩道23、停止線24などが認識されなかったフレーム画像について行われる。
【0034】
矢印などの標示の認識は、例えば、次のようにして行われる。認識実行部13Bは、まず、画像中の矢印などの標示の範囲を特定する処理を行う。この処理は射影を用いるなどして実施する。一般的に、図4に示したように、矢印などの標示29は2本の車線21,22の間に存在する。そこで、縦軸方向と横軸方向の射影をとれば、それぞれの軸方向の射影値の分布に矢印などの標示29と車線21,22それぞれの特徴が現れるので、これをもとに画像中の矢印などの標示の範囲を特定することができる。以下に、路面上の矢印などの標示の範囲を射影により特定する方法を説明する。
【0035】
図8は射影処理の例を示す図、図9はその射影処理の結果に基づく標示の範囲の特定結果を示す図である。図8に示すように、認識実行部13Bは、まず、横軸上の位置ごとに白画素数をカウントし、この白画素数のカウント値が予め決められた閾値Aを超える部分を検出する。認識実行部13Bは、このようにして検出された部分を車線21,22に相当する部分と見なし、このような車線21,22に相当する部分が二箇所に検出されたならば、各々の車線21,22の部分に挟まれた範囲を横軸上の路面標示の探索範囲として絞り込む。次に、認識実行部13Bは、絞り込んだ路面標示の探索範囲について、閾値Aよりも小さい値として予め決めておいた閾値Bを超える部分を検出し、この部分を矢印などの標示29が存在する横軸上の範囲と判定する。次に、認識実行部13Bは、縦軸方向についても同様に縦軸上の位置ごとの白画素数の値をカウントし、この白画素数のカウント値が予め決められた閾値Cを超える部分を検出する。認識実行部13Bは、このようにして検出された部分を、矢印などの標示29が存在する縦軸上の範囲として判定する。そして認識実行部13Bは、判定した路面標示の横軸上の存在範囲と縦軸上の存在範囲とを合せて、矢印などの標示29の範囲30として特定する。
【0036】
次に、認識実行部13Bは、特定した矢印などの標示29の範囲30に対して認識処理を行う。この認識処理には、基準となる矢印などの標示の二値画像とその名前を示すラベルとのセットを複数収めたデータベースが用いられる。ラベルは路面標示の一般名称、あるいは特定の規則に基づいて各路面標示に割り振られたコードなどである。認識実行部13Bは、特定した矢印などの標示29の範囲30の二値画像を、データベースに格納されている基準となる矢印などの標示の二値画像のサイズに合せて拡大・縮小した後、データベースに格納されている各標示の二値画像と照合し、位置が重なるドットの値が一致した数を算出し、その結果を「類似度」とする。そして認識実行部13Bは、算出された類似度が最大となった、データベース内の標示の二値画像のラベルを認識結果として出力する。
【0037】
なお、上記の方法によらず、特定した矢印などの標示29の範囲30の画像から、標示の濃度・方向成分といった数値を求めて数次元のベクトルデータを生成し、データベースに格納された基準の標示ごとのベクトルデータとの内積を「類似度」として算出し、最大の類似度となったデータベース内の画像のラベルを認識結果として出力するようにしてもよい。ほか、類似性を評価するという主旨を逸脱しない限りにおいて、その他の手法を用いてもよい。
【0038】
ここまでで、撮像部12から得られた画像1フレーム分の認識結果が得られたことになる。認識実行部13Aは、以上の処理をフレームごとに行い、連続したフレームそれぞれの認識結果をもとに次のような認識エラーの対策処理を施して最終的な認識結果を求める。この処理は、自車両が一箇所の路面標示の地点を通過した際の特定の時間内に得られる認識結果は、同一の路面標示を撮影して得られるものであるから本来はすべて同一になるべきであるが、車両の揺れ等による画像のブレなどによって誤った認識結果が得られる場合があるので、この誤りの認識結果を排除して、より正確な認識結果を安定して得るためのものである。
【0039】
図10はこの路面標示の認識エラーの対策処理を説明するために、連続したフレームごとの路面標示認識結果を示す図である。認識実行部13Aは、予め一定領域を確保した配列を用意しておき、この配列に時系列順にフレームそれぞれの認識結果を示すコードを格納する。認識実行部13Aは、この配列上の特定の位置を開始点とする予め決められた範囲(フレーム枚数)31についてコードの有無及び種類を調査し、コードが存在する場合にはその数をコードの種類ごとにカウントする。ここで、一箇所の路面標示がいくつのフレーム数にまたがって撮像されるかは、車両の走行速度にも拠るが法的な速度制限を考慮すれば、適切なフレーム数の範囲を推定することが可能である。そこで、認識実行部13Aは、適切なフレーム数の範囲の最小値を閾値として予め定めておき、この閾値より高い、種類ごとのコードのカウント値の有無を判定する。閾値より高いカウント値が存在するならば、認識実行部13Aは、その閾値より高いカウント値の中の最大のカウント値(第1のコードのカウント値とする。)と、閾値との大小に係わらず二番目に大きいカウント値(第2のコードのカウント値とする。)との差を算出し、この差が予め決められた値よりも大きければ、第1のコードを最終的な認識結果として判定するとともに、配列中の第1のコード以外を第1のコードに置き換える。以降も認識実行部13Aは、配列中の調査対象となる範囲の開始点を決められた数ずつずらしながら同様の処理を繰り返す。
【0040】
以上のようにして、路面画像から、横断歩道、停止線、分岐・合流線、さらには矢印などの標示を認識することができる。
【0041】
次に、路面凸状態認識部14について説明する。
【0042】
図11は路面凸状態認識部14の構成を示すブロック図である。同図に示すように、路面凸状態認識部14は、画像処理部14Aと認識実行部14Bから構成される。画像処理部14Aは撮像部12から画像を取得して、この画像に種々の処理を施して路面凸状態の認識に適した画像に変換し出力する。この画像処理部14Aの具体的な処理は先に説明した路面標示認識部13の画像処理部13Aと同様であるため、ここでは詳細な説明を省く。
【0043】
路面凸状態認識部14の認識実行部14Bは、画像処理部14Aから処理済みの画像を受け取り、路面凸状態の認識に必要な情報を抽出してこの抽出情報をもとに路面凸状態の認識を行い、その認識結果を出力する。なお、路面凸状態認識部14の出力は路面標示認識部13と同様に認識結果である凸状態などの種類を示すコードを格納した変数r’の値とする。
【0044】
この路面凸状態認識部14の認識実行部14Aによる路面凸状態の認識処理の具体例を次に示す。自車両が走行中の道路における高低の変化は路面の凸状態から求められる。この凸状態を求めるため、認識実行部14Bは、画像処理部14Aにて生成された路面二値画像に対してハフ変換を行うことによって得られた直線のパラメータをもとに画像中の車線の線分を抽出する。この線分の抽出は、ハフ変換により得られた個々の直線のパラメータをもとに、はじめ画像の縦方向に直線の長さを算出し、次いで左右に少しずつ傾けた方向について直線の長さをそれぞれ算出し、算出された長さが予め定めた閾値を超えるすべての直線を、抽出すべき線分のパラメータと見なすことなどによって行われる。線分が曲線であった場合も、曲線を短い弧の連続とし、また短い弧を直線と近似して、その直線を前記の手法で抽出して行くことで曲線全体を抽出できる。以後この処理を「線分の検出」と呼ぶ。この線分の検出によって、平坦な路面の場合には図12に示すように、直線の線分31が検出され、上り坂や下り坂のように路面が平坦でない場合には図13に示すように、曲線の線分32が検出される。
【0045】
続いて、路面凸状態認識部14の認識実行部14Aは、検出された線分(ここでは仮に曲線32とする。)に対して、図14に示すように、画像縦方向に直線(以下、基準線)33を引き、検出された線分32と接線34,35とのなす角度を求める。すなわち、検出された線分32の一番下(車両から見て最も手前側)の点Pにおける接線34と基準線33の為す角度θと、検出された線分32の一番上(車両から見て最も奥側)の点Qにおける接線35と基準線33とのなす角度θ’との差θ’−θを算出する。認識実行部14Aは、この計算結果が一定以上の正の値だった場合、上に凸な路面であることを判断し、逆に一定以上の負の値だった場合は下に凸な路面であることを判別する。これにより、自車両の存在する路面の高低の変化を検出することができる。なお、差の絶対値が一定以下であった場合は、上下ともに凸でない、つまり高低に変化のない平坦な路面と判別する。路面凸状態認識部14は、これらの判別結果を特定の変数に代入し、出力する。
【0046】
この手法は、カメラ6を車体の後部に搭載した場合には、図15に示すように坂の下りはじめ、および坂の上り終わりにおいて上に凸の画像(図13を参照)が得られ、図16に示すように坂の上りはじめ、および坂の下り終わりにおいて下に凸の画像(図17を参照)が得られることを根拠としている。
【0047】
なお、線分中の接線を得る点は複数個存在すればよく、接点の場所は特に限定されない。
【0048】
図18は別の路面凸状態の認識方法を示す図である。これは、時系列ごとに並べられた画像フレームそれぞれから路面の曲がり具合を示す値θ’−θを算出し、それを現時刻におけるθ’−θの値と比較する手法である。すなわち、ある一定の時間A及びBを定めておき、現時刻におけるフレームより一定時間Aだけ前のフレームから一定時間Bだけ前のフレームまでを範囲として、θ’−θの平均値を算出する。この平均値が「路面の曲がり具合の基準値」を表す。そして、上記の平均値と現時刻におけるθ’−θの値との差分を取り、その差分の絶対値が予め定めた閾値を超えたか否かにより現時刻での路面の曲がり具合、つまり路面の高低の変化を求める。なお、平均値以外の要素、例えば最頻値などを使用してもよい。
【0049】
ここで、路面凸状態が道路の種別の判別に資する理由は、図19に示すように、高速道路25は一般道路37に対して高さの異なる場所に設置される場合が多いことに拠る。したがって、高速道路の出入り口に接近した後に路面の凸状態を認識すること、すなわち坂を上下することは、高速道路25に乗降するためランプウェイ26を移動中であると見なすことができる。
【0050】
次に、判別部15について説明する。
【0051】
判別部15は、路面標示認識部13及び路面凸状態認識部14の認識結果を入力として受け取り、道路種の判別結果を出力して表示装置4(図1参照)に表示するように制御を行う。また、判別部15は、地図・位置情報提供部11から特定地点と自車両の位置との距離を入力として受け取り、自車両が特定地点に接近したか否かを判別し、その結果に基づいて撮像部12を作動させるなどの制御を行う。
【0052】
次に、本実施形態の車載用ナビゲーション装置100の動作を説明する。
【0053】
図20は全体の状態遷移を示す図である。はじめに変数s及びtを定義する。変数sは、現在自車両が存在すると思われる道路種を示し、一般道路であれば”0”高速道路であれば”1”などと設定する。この値は一般道路もしくは高速道路に遷移した際に変更される。また、初期値は一般道路”0”とする。なお、変数sに代入する値は一般道路、高速道路を区別する主旨に沿う限りにおいて”0”,”1”以外を用いてよい。
【0054】
変数tは、状態遷移図中における現在の状態を示す。以降、「状態変数t」と記す。状態変数tは状態の数に合わせて”1”から”8”の値をとり、状態遷移が起きるたびに変更される。初期値は変数sが一般道路を示していれば”1”、高速道路を示していれば”5”となる。なお、状態変数tについても各状態を区別する主旨に沿う限りにおいて”1”から”8”以外の値も用いてよい。
【0055】
まず、判別部15は、変数sを初期化した後(ステップS101)、変数sの値を取得して、この値により以降の各状態における処理を変化させるなどの制御を実施する(ステップS103)。なお、ステップS102については後で説明する。続いて判別部15は、状態変数tの値を取得し(ステップS104)、格納された値に応じて各状態S01〜S08への遷移を行う(ステップS105)。状態変数tは、初期値として前記の通り変数sの示す道路種の状態に応じた値を格納する。続いて、判別部15は、各状態においてそれぞれ処理を行い(ステップS106)、最後に処理を続行するか否かを判断する(ステップS107)。ここで、処理を続行しないとは、システムの電源オフの要求などによりシステムが停止しつつある状態を指す。続行する場合は再度変数sの取得に戻り、処理を繰り返す。
【0056】
図21は遷移状態S01〜S08の相互の関係を示す図である。判別部15は、一般道路(S01)に自車両があるとき、高速道路の入口へ接近したか否かを確認する。この判断は地図・位置情報提供部11の説明で述べた方法により実施する。接近したとみなせる場合は高速道路入口(S02)の状態へ遷移し、状態変数tを変更する。また、接近したとみなせない場合は状態遷移せず一般道路(S01)の状態のままとする。
【0057】
なお、高速道路の入口とは地図・位置情報提供部11における特定地点の一種であり、具体的にはインターチェンジなどを指す。
【0058】
判別部15は、高速道路入口(S02)の状態では路面画像の認識を行い、ランプウェイに入ったと見なせるならばランプウェイ(S03)の状態へ、ランプウェイに入ったと見なせないまま高速道路入口から遠ざかったと判断したならば、一般道路(S01)の状態へそれぞれ遷移する。
【0059】
次に、上記の状態遷移に関する具体的な動作を図22を参照して説明する。はじめに、判別部15は、自車両が高速道路の入口に接近しているか否かを地図・位置情報提供部11の説明で述べた手法により判断する(ステップS201)。自車両が高速道路の入口に接近していなければ(ステップS201のNO)、変数sの値が示す状態(この場合一般道路(S01)の状態)に遷移し(ステップS202)、状態変数tを変更して、高速道路入口(S02)の状態における処理を終える。自車両が高速道路の入口に接近しているならば(ステップS201のYES)、判別部15は、続いて路面画像の取得(ステップS203)、画像処理(ステップS204)、画像認識(ステップS205)を実施するように路面標示認識部13及び路面凸状態認識部14の制御を行う。これらの動作は路面標示認識部13及び路面凸状態認識部14の説明において述べた通りである。画像認識後、判別部15は、路面標示認識部13及び路面凸状態認識部14で得られた認識結果を示す変数r及び変数r’を入力し、何らかの路面標示もしくは凸状態を認識できたかの確認を行う(ステップS206)。
【0060】
具体的には、判別部15は、路面標示認識部13及び路面凸状態認識部14からの入力をもとにして道路種に関する判別結果を数値の形で出力する。この場合、判別部15は、入力に合流・分岐線を示すコードが含まれていたか、路面の高低の変化を示すコードが含まれていたかを確認し、含まれていれば数値”1”を、含まれていなければ”0”を出力するなどの処理を行う。”1”であった場合、判別部15は自車両がランプウェイに入ったと見なし、ランプウェイ(S03)の状態へ遷移し状態変数tを変更する(ステップS207)。また”0”であった場合、つまりランプウェイに入ったと判断できない認識結果であった場合は(ステップS206のNO)、判別部15は状態を遷移することなく高速道路入口(S02)の状態における処理を終了する。なお、判別結果が出力値から一意に定まるという前提を満たす限りにおいて、判別部15からの出力値は”0”,”1”以外の任意の値を用いてよい。
【0061】
また、図21の説明に戻って、判別部15は、ランプウェイ(S03)の状態では一般道路の固有標示の地点に接近したか否かを調べ、接近したならば一般道路固有標示付近(S04)の状態へ遷移する。また、高速道路入口から遠ざかったと見なせるならば一般道路(S01)の状態へと遷移する。
【0062】
次に、ランプウェイ(S03)の状態における動作を図23のフローチャートを参照して説明する。
判別部15は、まず、高速道路入口(S02)の状態における処理同様、地図・位置情報提供部11の説明で述べた手法により自車両が高速道路入口に接近しているか否かを調べる(ステップS301)。高速道路入口に接近しているならば(ステップS301のYES)、判別部15は一般道路固有標示の地点に接近したか否かを調べる(ステップS302)。これは、具体的には高速道路入口に接近しているか否かを判別する処理と同様に、地図・位置情報提供部11において一般道路固有標示の存在する座標と自車両との座標から距離を算出し、この距離と閾値とを比較することで行われる。距離が閾値以下、すなわち一般道路固有標示の地点に接近したならば(ステップS302のYES)、一般道路固有標示付近(S04)の状態へ遷移し、状態変数tを変更する(ステップS303)。それ以外、すなわち接近していないならば(ステップS302のNO)、判別部15は状態を遷移することなく処理を終了する。なお、高速道路入口との距離が閾値以下でないならば(ステップS301のNO)、判別部15は状態変数sの示す状態(この場合、一般道路(S01)の状態)に遷移し、状態変数tも変更する(ステップS304)。
【0063】
なお、一般道路固有標示とは、停止線や横断歩道など、高速道路には出現しない路面標示である。この一般道路固有標示の座標を地図・位置情報提供部11に登録しておき、高速道路出入口の接近情報と同様に自車両の座標との差から距離を計算して予め定めた閾値以下ならば「接近した」ものとみなす。
【0064】
図24は高速道路25とランプウェイ26との境に存在する分岐・合流線27の地点を基準として、高速道路の出入口に接近したと判別される領域38と、一般道路固有標示である停止線24の地点を基準として、この一般道路固有標示(停止線24)の地点に接近したと判別される領域39の例を示す図である。ランプウェイ(S03)の状態に遷移した後、一般道路固有標示付近(S04)の状態に遷移するまで、すなわち自車両がランプウェイ26に入ってから一般道路固有標示(停止線24)に接近したと判断されるまでは、判別部15は、路面標示の認識を実行しないように制御を行うこととしている。
【0065】
また、一般道路固有標示に関する情報と高速道路出入口に関する情報とを区別せず、これらの領域を一つの領域として接近の判別を行うようにしてもよい。この場合は、判別部15は、高速道路出入口と自車両との距離が特定の閾値以下である限り、判別部15は路面標示の認識を実行し続けることとする。
【0066】
図21の説明に戻る。判別部15は、一般道路固有標示付近(S04)の状態では、路面画像の認識を行い、一般道路固有標示を発見したならば一般道路(S01)の状態へ、発見しないまま一般道路固有標示から遠ざかったと判断したならば高速道路(S05)の状態へ遷移する。
【0067】
次に、一般道路固有標示付近(S04)の状態における動作を図25のフローチャートを参照して説明する。
まず、路面画像の取得(ステップS401)、画像処理(ステップS402)、画像認識(ステップS403)が行われ、その認識結果が各画像の種類を示すコードなどの形で判別部15に入力される。判別部15は、入力された認識結果が予め定めた一般道路固有標示を示すものであるか否かを確認する(ステップS404)。認識結果が予め定めた一般道路固有標示を示すものである場合(ステップS404のYES)、判別部15は、現在自車両が一般道路に位置すると見なし、一般道路(S01)の状態に遷移し、それを示す値を状態変数tに代入して一般道路固有標示付近(S04)の状態における処理を終了する(ステップS405)。認識結果が予め定めた一般道路固有標示でなかった場合(ステップS404のNO)、判別部15は、例えば、自車両に最も近い地図上の一般道路固有標示の地点と自車両の位置との距離を再度確認し、この距離が閾値以下の場合は(ステップS406のYES)、状態を変化させずに一般道路固有標示付近(S04)における処理を終了する。
【0068】
上記の距離が閾値以下でなかった、すなわち一般道路固有標示から遠ざかったと判断した場合(ステップS406のNO)、判別部15は高速道路(S05)の状態に遷移するように制御し、状態変数tを高速道路(S05)の状態を示す値に変更して(ステップS407)、一般道路固有標示付近(S04)の状態における処理を終了する。ここで、一般道路(S01)の状態もしくは高速道路(S05)の状態に遷移した場合は、状態変数sに現在の道路種を示すものとしてその状態を示す値を代入する。
【0069】
なお、高速道路(S05)の状態から高速道路出口付近(S06)の状態、ランプウェイ(S07)の状態、一般道路固有標示付近(S08)の状態を経て一般道路(S01)の状態へ遷移する場合は、ランプウェイ26に入ったとみなせる路面の高低の状態など一部の判別条件が変化するのみでそれ以外は一般道路から高速道路へ遷移する場合と同様の処理が行われる。すなわち、高速道路出口付近(S06)の状態においては高速道路入口(S02)の状態、ランプウェイ(S07)の状態においてはランプウェイ(S03)の状態、一般道路固有標示付近(S08)の状態においては一般道路固有標示付近(S04)の状態におけるフローチャートと一部の判別条件が変化した以外は同じ動作となる。
【0070】
また、これまで示してきた処理とは別に、判別部105は、地図・位置情報提供部11から自車両の座標を受け取り、その座標が明らかに一般道路もしくは高速道路の座標でないか否かの確認を各状態の処理を行うごとに実施する(図20のステップS102)。確認できた場合、判別部105は明らかになった道路種を最優先の結果として出力し、かつその道路種の所へ遷移させる。
【0071】
次に、他の実施形態を説明する。
【0072】
図26は他の実施形態の本実施形態の車載用ナビゲーション装置200の機能ブロックを示す図である。
【0073】
同図に示すように、この車載用ナビゲーション装置200は、地図・位置情報提供部11、撮像部12、路面標示認識部13、路面凸状態認識部14、及び判別部15と、適切な車両走行に関する演算を実施する計算部16とから構成される。地図・位置情報提供部11、撮像部12、路面標示認識部13、路面凸状態認識部14、及び判別部15は図1に示した先の実施形態と同じである。
【0074】
計算部16は、判別部15から現在自車両が存在する道路種についての情報を基に「適切な速度」などの演算を実施する。計算部16は、自車両が一般道路もしくは高速道路を走行中の場合、地図・位置情報提供部11から現在の座標における道路に設定された最高速度の値を受け取る。このデータ授受は最高速度用のデータベースを事前に作成しておき、現在の座標値を受け取り当該地点の最高速度を返すよう設定することで実施される。一方、自車両の現在速度は自車両に搭載している速度計から入手する。そして計算部16は、現在速度の値と最高速度の値とを比較し、どちらがどれほど上回っているかの値を算出する。車載用ナビゲーション装置200は、この算出した値を、自車両の走行速度、適切な走行速度とともに、車載用ナビゲーション装置200に接続された図示しない外部装置へ出力する。なお、この際に、算出した値だけを外部装置へ出力するようにしてもよい。外部装置としては、たとえば、音や色で入力値の程度を示す表示装置、自車両に適切なブレーキングなどを行う制御装置などを想定している。すなわち、車載用ナビゲーション装置200の出力は、車載用ナビゲーション装置200の出力を表示して運転員に速度オーバーなどの警告を報知したり、ブレーキを自動的に作動させたりする制御に使用することが可能である。
【0075】
本発明は、上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々更新を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本実施形態の車載用ナビゲーション装置100の機能ブロックを示す図である。
【図2】撮像部12により取得した路面画像の例を示す図である。
【図3】路面標示認識部13の構成を示すブロック図である。
【図4】認識対象である路面標示の一例である車線の模式図である。
【図5】認識対象である路面標示の他の例である横断歩道の模式図である。
【図6】認識対象である路面標示のさらに他の例である停止線の模式図である。
【図7】認識対象である路面標示のさらに他の例である分岐・合流線の模式図である。
【図8】路面上の矢印などの標示の範囲を特定するための射影処理の例を示す図である。
【図9】図8の射影処理の結果に基づく標示範囲の特定方法を示す図である。
【図10】連続したフレームごとの路面標示認識結果を示す図である。
【図11】路面凸状態認識部14の構成を示すブロック図である。
【図12】自車両が平坦な路面を走行中しているときの路面の画像を示す図である。
【図13】自車両が平坦でない路面を走行中しているときの路面の画像を示す図である。
【図14】路面の高低の変化を検出する方法を示す図である。
【図15】坂の下りはじめの状態にある車両の進行方向とカメラの向きとを示す図である。
【図16】坂の上りはじめの状態にある車両の進行方向とカメラの向きとを示す図である。
【図17】自車両が坂の上りはじめの状態にあるときの路面の画像を示す図である。
【図18】別の路面凸状態の認識方法を示す図である。
【図19】高速道路と一般道路との高さ関係を示す図である。
【図20】全体の状態遷移を示す図である。
【図21】図20の遷移状態S01〜S08の相互の関係を示す図である。
【図22】状態遷移に関する具体的な動作を示すフローチャートである。
【図23】ランプウェイ(S03)の状態における動作のフローチャーである。
【図24】高速道路の出入口に接近したと判別される領域及び一般道路固有標示の地点に接近したと判別される領域の例を示す図である。
【図25】一般道路固有標示付近(S04)の状態における動作のフローチャートである。
【図26】他の実施形態の本実施形態の車載用ナビゲーション装置200の機能ブロックを示す図である。
【図27】本実施形態の車載用ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0077】
11 地図・位置情報提供部
12 撮像部
13 路面標示認識部
14 路面凸状態認識部
15 判別部
16 計算部
21,22 車線
23 横断歩道
24 停止線
25 高速道路
26 ランプウェイ
27 分岐・合流線
29 矢印などの路面標示
37 一般道路
100 車載用ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され路面を撮影する撮像部と、
前記撮像部からの入力画像より路面の高低の変化を認識する路面凸状態認識部と、
前記路面凸状態認識部によって得られた認識結果を加味して自車両の存在する道路種を判別する判別部とを具備を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記路面凸状態認識部は、前記撮像部からの入力画像より路面の高低の変化を上りと下りとに分別して認識することを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
路面標示の位置を含む地図情報及び自車両の位置を提供する地図・位置情報提供部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記撮像部からの入力画像より路面の標示を認識する路面標示認識部をさらに具備し、
前記判別部は、前記路面凸状態認識部によって得られた認識結果及び前記路面標示認識部によって得られた認識結果を加味して自車両の存在する道路種を判別することを特徴とする請求項1または2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記路面標示認識部は、前記撮像部から入力された連続する複数のフレーム画像に対して路面表示の認識を行い、前記複数のフレーム分の認識結果から最終的な認識結果を判定して出力することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
路面標示の位置を含む地図情報及び自車両の位置を提供する地図・位置情報提供部をさらに有し、
前記判別部は、一般道路固有標示として予め決められた種類の路面標示が前記路面標示認識部によって認識されなかった場合、前記地図・位置情報提供部より提供された一般道路固有標示の位置と自車両の位置との距離を算出し、この距離が予め決められた閾値を超える場合に、当該自車両の存在する道路種を高速道路と判別することを特徴とする請求項3に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
自車両の走行速度の情報を入手するとともに、前記判別部によって判別された道路種をもとに自車両の適切な走行速度を計算し、前記自車両の走行速度と前記適切な走行速度とを比較して、比較結果を出力する計算部をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項8】
撮像部が自車両に搭載され路面を撮影するステップと、
前記撮像部からの入力画像より路面の高低の変化を路面凸状態認識部が認識するステップと、
前記路面凸状態認識部によって得られた認識結果を加味して自車両の存在する道路種を判別部が判別するステップとを具備することを特徴とする道路種判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−32557(P2008−32557A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206888(P2006−206888)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】