説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】目的地候補の外観を把握することによって所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】ユーザが指定した条件を満足する目的地の候補を検索する目的地候補検索手段15と、この目的地候補検索手段15によって検索された目的地の候補のリスト24,25とともに、当該目的地の候補の三次元画像22,23を、自車位置に対する当該目的地の候補の方角を判別可能な状態として表示部8に表示する目的地候補表示手段12,21とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、ナビゲーションにおける目的地を設定するのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置では、ユーザがナビゲーションにおける目的地を設定する際に、ユーザが指定した種別等の条件を満足するような目的地の候補(以下、目的地候補と略称する)をディスプレイに表示し、表示された目的地候補の中から、ユーザが選択した1つの目的地候補を目的地として設定することが行われていた。
【0003】
目的地候補の表示方法としては、例えば、図11に示すように、ディスプレイに目的地候補のリスト50を表示し、表示されたリスト50の中からユーザによって選択された目的地候補(図11におけるコンビニA)を示すマーク51を地図52上に表示する方法や、リスト50上のすべての目的地候補を示すマークを地図上に表示する方法、あるいは、地図上に、目的地候補を示す二次元の簡易図形(図示せず)を表示する方法等が知られていた。
【0004】
【特許文献1】特開2000−266550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ユーザは、過去に訪れた施設等の地点を、車載用ナビゲーション装置によるルート案内を受けながら再び訪れたいと希望する場合がある。その場合には、その地点を目的地として設定すればよいのであるが、ユーザは、その地点の外観は記憶しているけれども、名称(店名等)は記憶していない場合がある。
【0006】
このような場合には、たとえ、目的地候補のリストとして、ユーザが希望する地点と同じ種別に属する地点についてのリストを表示したとしても、その中から、ユーザが希望する地点を選択することは困難であった。
【0007】
また、従来のように、目的地候補のリストやマークあるいは簡易図形を表示しただけでは、目的地候補の外観を比較することができなかったため、ユーザが、どの目的地候補を目的地として設定したいのかを簡便に判断することができなかった。
【0008】
このように、従来は、目的地候補の外観を把握することができなかったため、ユーザが、所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができないといった問題が生じていた。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、ユーザが、目的地候補の外観を把握することによって所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、ユーザが指定した条件を満足する目的地の候補を検索する目的地候補検索手段と、この目的地候補検索手段によって検索された目的地の候補のリストとともに、当該目的地の候補の三次元画像を、自車位置に対する当該目的地の候補の方角を判別可能な状態として表示部に表示する目的地候補表示手段とを備えたことを特徴としている。そして、このような構成によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補検索手段によって検索された目的地候補のリストとともに、目的地候補の三次元画像を、自車位置に対する目的地候補の方角を判別可能な状態として表示部に表示することが可能となる。
【0011】
また、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置は、前記自車位置から前記目的地候補検索手段によって検索された目的地の候補までの経路を探索する経路探索手段を備え、前記目的地候補表示手段が、前記目的地の候補の三次元画像として、前記経路探索手段によって探索された経路上から前記目的地の候補を目視した場合に視認される前記目的地の候補の外観を示す画像を表示するように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補の三次元画像として、経路探索手段によって探索された経路上から目的地候補を目視した場合に視認される目的地候補の外観を示す画像を表示することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置は、前記目的地候補表示手段が、前記目的地の候補の三次元画像として、前記経路上から前記目的地の候補を所定の目視角度で目視した場合に視認される前記目的地の候補の外観を示す画像を表示するように形成されており、前記目視角度をユーザが選択するための目視角度選択手段を備えたことを特徴としている。そして、このような構成によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補の三次元画像として、目視角度選択手段によって選択された目視角度から目的地候補を目視した場合に視認される目的地候補の外観を示す画像を表示することが可能となる。
【0013】
さらにまた、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置は、前記目的地候補表示手段が、自車位置からの距離が近い目的地の候補ほど、前記目的地の候補の三次元画像を大きく表示するように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成によれば、目的地候補表示手段により、複数個の目的地候補を、自車位置からの距離を比較可能な状態として表示することが可能となる。
【0014】
また、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置は、前記目的地候補表示手段が、前記目的地の候補のリストとして、対応する目的地の候補の三次元画像と組み合わされるようにして前記目的地の候補の三次元画像ごとに分散されたリストを表示するように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補のリストとして、目的地候補の三次元画像ごとに分散されたリストを表示することが可能となる。
【0015】
さらに、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置は、前記目的地の候補が施設とされ、前記目的地候補表示手段が、前記施設の三次元画像とともに前記施設の周辺の三次元画像を表示するように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補としての施設の三次元画像とともに、施設の周辺の三次元画像を表示することが可能となる。
【0016】
さらにまた、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置は、前記目的地候補表示手段が、前記三次元画像として、前記目的地の候補を含む実写画像を表示するように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成によれば、目的地候補表示手段により、三次元画像として、目的地候補を含む実世界の実写画像を表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補検索手段によって検索された目的地候補のリストとともに、目的地候補の三次元画像を表示部に表示することができる結果、ユーザが、目的地候補の外観を把握することによって、所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができる。また、目的地候補の三次元画像を、自車位置に対する目的地候補の方角を判別可能な状態として表示することができる結果、ユーザが、自車位置に対する目的地候補の方角を基準として、訪れることを希望する目的地を簡便かつ確実に選択することができる。さらに、ユーザが、実際に目的地に赴く前に、目的地の外観を予め把握することができるので、ルート案内を受けながら自車両を目的地の近辺まで進行させた際に、目的地を容易に確認することができる。
【0018】
また、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置によれば、目的地候補表示手段により、経路探索手段によって探索された経路上から目的地候補を目視した場合に視認される目的地候補の外観を示す三次元画像を表示することができるので、その目的地候補が、ユーザが過去に訪れた地点であってユーザが再び訪れることを希望している地点の場合には、ユーザが過去に経路上から目視して記憶している地点の外観と同じ外観を示す画像を表示することができる。この結果、ユーザが、三次元画像によって示された地点を、目的地として確実に設定することができる。
【0019】
さらに、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補の三次元画像として、目視角度選択手段によって選択された目視角度から目的地候補を目視した場合に視認される目的地候補の外観を示す画像を表示することができるので、ユーザが、目的地候補の外観をさらに確実に把握することができ、目的地候補が過去に訪れた地点であるか否かをさらに確実に判別することができる。この結果、ユーザが、過去に訪れた所望の地点を目的地としてさらに確実に設定することができる。
【0020】
さらにまた、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置によれば、目的地候補表示手段により、複数個の目的地候補を、自車位置からの距離を比較可能な状態として表示することができる結果、ユーザが、自車位置からの距離を考慮した目的地の設定を容易に行うことができる。
【0021】
また、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補のリストとして、目的地の候補の三次元画像ごとに分散されたリストを表示することができる結果、リストと目的地候補の三次元画像とを分けて表示する場合に比べて、リストと目的地候補との対応関係を分かり易くすることができ、また、目的地候補の三次元画像を全体的に大きく表示することができるので、ユーザに目的地候補の外観を把握させ易くすることができる。
【0022】
さらに、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置によれば、目的地候補表示手段により、目的地候補としての施設の三次元画像とともに、施設の周辺の三次元画像を表示することができる結果、ユーザが、過去に訪れた施設の外観を、その施設の周辺の外観も含めて記憶している場合には、周辺の三次元画像とともに表示された施設が、ユーザが過去に訪れた所望の施設であるか否かを簡便に判定することができる。この結果、ユーザが、過去に訪れて再び訪れることを希望している施設を、目的地として簡便かつ確実に設定することができる。
【0023】
さらにまた、本発明に係る他の車載用ナビゲーション装置によれば、目的地候補表示手段により、三次元画像として、目的地候補を含む実世界の実写画像を表示することができる結果、ユーザが、目的地候補の外観をさらに正確に把握することができ、所望の目的地をさらに簡便かつ確実に設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図10を参照して説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたデータ読出装置3、入力操作部5、GPSレシーバ6、自律航法センサ7、ディスプレイ8およびスピーカ9によって構成されている。なお、入力操作部5は、リモコンや、ディスプレイ8のタッチパネルまたはリニアエンコーダ等であってもよい。
【0026】
データ読出装置3には、記憶媒体10が搭載されており、この記憶媒体10には、ナビゲーションに用いる種々のデータが記憶されている。具体的には、記憶媒体10には、地図データが記憶されており、この地図データは、道路データおよび背景データ等によって構成されている。なお、道路データは、例えば、形状補間点、セグメント、リンク、ノード、リンク列、道路名称、通行条件(車種規制や通行時間帯規制等)および交通看板等のエンティティ(基本データ要素)によって構成されており、背景データは、例えば、点、ポリライン、ポリゴン、テキスト、形状位置および形状タイプ等のエンティティによって構成されている。また、記憶媒体10には、自車両の現在位置(以下、自車位置と称する)から目的地までの推奨経路を計算する経路計算データとしての道路ネットワークデータが記憶されており、この道路ネットワークデータは、例えば、ノード、リンクおよび通行条件等のエンティティによって構成されている。さらに、記憶媒体10には、場所やサービスを検索するための検索データが記憶されており、この検索データは、例えば、エリア名称、住所、郵便番号、インターセクション名称(交差点およびインターチェンジ等)、目的地やランドマーク等のPOI(Points Of Interest)およびサービス(店舗等の施設)等のエンティティによって構成されている。
【0027】
なお、記憶媒体10は、例えば、DVDであってもよいし、または、ハードディスクであってもよい。
【0028】
GPSレシーバ6は、図示しないGPS衛星から軌道および時刻に関する情報(GPS情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット2に出力するようになっている。
【0029】
自律航法センサ7は、ジャイロセンサ等によって構成されており、この自律航法センサ7は、自車の走行速度や角速度を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット2に出力するようになっている。
【0030】
次に、ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、このナビゲーションメインユニット2は、操作画面描画部11を有しており、この操作画面描画部11は、各種の操作画面の描画データを生成するようになっている。
【0031】
操作画面描画部11とディスプレイ8との間には、表示処理部12が接続されており、この表示処理部12には、操作画面描画部11によって生成された操作画面の描画データが入力されるようになっている。そして、表示処理部12は、入力された操作画面の描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、操作画面をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0032】
入力操作部5には、検索条件設定部14が接続されている。この検索条件設定部14には、操作画面描画部11および表示処理部12によってディスプレイ8に表示された目的地候補の検索条件を入力するための操作画面(以下、検索条件入力画面と称する)に対してユーザが入力操作部5を用いて行った検索条件の入力結果が入力されるようになっている。なお、目的地候補の検索条件は、例えば、目的地候補の種別を特定するものであってもよい。そして、検索条件設定部14は、入力操作部5からの入力結果を、目的地候補の検索条件として設定するようになっている。
【0033】
検索条件設定部14の出力側には、目的地候補検索手段としての目的地候補検索部15が接続されており、この目的地候補検索部15には、検索条件設定部14によって設定された目的地候補の検索条件の情報が入力されるようになっている。
【0034】
目的地候補検索部15とデータ読出装置3との間には、データ読出制御部17が接続されており、このデータ読出制御部17は、データ読出装置3に対して、記憶媒体10に記憶されたデータの読み出し要求を出力するようになっている。データ読出装置3と目的地候補検索部15との間には、バッファ18が接続されており、このバッファ18には、データ読出装置3によって記憶媒体10から読み出されたデータが一時的に格納されるようになっている。ここで、目的地候補検索部15は、検索条件設定部14から目的地候補の検索条件の情報が入力されると、データ読出制御部17に、データ読出装置3に対する記憶媒体10内の検索データの読み出し要求を出力させるようになっている。
【0035】
そして、目的地候補検索部15は、当該読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された検索データをバッファ18を介して取得し、取得された検索データを用いて、検索条件設定部14によって設定された目的地候補の検索条件を満足するような目的地候補を検索するようになっている。
【0036】
GPSレシーバ6および自律航法センサ7の出力側には、自車位置を計算する自車位置計算部19が接続されており、この自車位置計算部19には、GPSレシーバ6から出力されたGPS情報および自律航法センサ7から出力された検出結果がそれぞれ入力されるようになっている。自車位置計算部19は、GPSレシーバ6側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出するようになっている(電波航法)。また、自車位置計算部19は、自律航法センサ7側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前の自車位置からの相対的な変化として算出するようになっている(自律航法)。さらに、自車位置計算部19は、電波航法または自律航法によって算出された自車位置が、地図データにおける道路上にない場合には、自車位置を地図データの該当する道路上の位置に補正するマップマッチングを行い、マップマッチング後の自車位置を計算結果として出力するようになっている。このマップマッチングには、記憶媒体10に記憶された地図データが用いられるようになっている。
【0037】
自車位置計算部19、目的地候補検索部15、データ読出制御部17およびバッファ18には、経路探索手段としての経路計算部20が接続されており、この経路計算部20には、自車位置計算部19によって算出された自車位置(計算結果)の情報および目的地候補検索部15によって検索された目的地候補の情報がそれぞれ入力されるようになっている。
【0038】
経路計算部20は、入力された自車位置の情報および目的地候補の情報に基づいて、自車位置から目的地候補の位置までの推奨経路を計算(探索)するようになっている。ここで、推奨経路は、目的地候補検索部15によって探索された目的地候補と同数だけ算出されることになる。例えば、目的地候補が6個の場合には、算出される推奨経路も6個となる。
【0039】
この推奨経路の計算の際に、経路計算部20は、データ読出制御部17に、記憶媒体10に記憶された道路ネットワークデータを読み出すための読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。そして、経路計算部20は、前記読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された道路ネットワークデータをバッファ18を介して取得し、取得された道路ネットワークデータを用いて推奨経路を計算するようになっている。
【0040】
なお、推奨経路の計算は、ユーザが入力操作部5を用いて入力した経路経路計算条件(例えば、高速道路を通らない等)にしたがって行うようにしてもよい。
【0041】
また、目的地候補検索部15、自車位置計算部19、経路計算部20、データ読出制御部17、バッファ18および表示処理部12には、目的地候補表示手段を構成する目的地候補描画部21が接続されている。
【0042】
この目的地候補描画部21には、目的地候補検索部15によって検索された目的地候補の情報、自車位置計算部19によって算出された自車位置の情報および経路計算部20によって算出された推奨経路の情報がそれぞれ入力されるようになっている。
【0043】
そして、目的地候補描画部21は、入力された目的地候補および推奨経路の情報に基づいて、データ読出制御部19に、目的地候補の情報およびこの目的地候補までの推奨経路に対応した地図データならびに検索データを記憶媒体10から読み出すための読み出し要求を、データ読出装置3に対して出力させるようになっている。当該読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された地図データおよび検索データは、バッファ18を経た後に目的地候補描画部21によって取得されるようになっている。
【0044】
そして、目的地候補描画部21は、取得された地図データおよび検索データを用いることによって、図2および図3に示すように、目的地候補の三次元画像22,23を目的地候補のリスト24,25とともにディスプレイ8に表示するための描画データ(以下、リスト・三次元画像描画データと称する)を生成するようになっている。
【0045】
また、本実施形態において、目的地候補描画部21は、自車位置計算部19から入力された自車位置の情報を用いることによって、リスト・三次元画像描画データとして、図2および図3に示すように、目的地候補の三次元画像22,23を、自車位置に対する目的地候補の方角が判別可能な状態として表示するためのリスト・三次元画像描画データを生成するようになっている。
【0046】
このリスト・三次元画像描画データは、図2および図3に示すように、自車位置を示す自車位置マーク26とともに、自車位置に対して北の方角にある目的地候補の三次元画像22,23は、自車位置マーク26に対して画面の上方に表示し、自車位置に対して南の方角にある目的地候補の三次元画像22,23は、自車位置マーク26に対して画面の下方に表示するものであってもよい。
【0047】
また、リスト・三次元画像描画データは、図2に示すように、自車位置から目的地候補までの推奨経路の画像を、自車位置マーク26から各目的地候補の三次元画像22まで引き出されるように表示することを内容に含むものであってもよい。
【0048】
さらに、本実施形態において、目的地候補描画部21は、リスト・三次元画像描画データとして、図2および図3に示すように、目的地候補付近の推奨経路上から目的地候補を目視した場合に視認される目的地候補の外観を模した(示す)三次元画像22,23を表示するためのリスト・三次元画像描画データを生成するようになっている。
【0049】
さらにまた、本実施形態において、目的地候補描画部21は、リスト・三次元画像描画データとして、図2および図3に示すように、自車位置からの距離が近い目的地候補ほど、目的地候補の三次元画像22,23を大きく表示するためのリスト・三次元画像描画データを生成するようになっている。
【0050】
また、本実施形態において、目的地候補描画部21は、リスト・三次元画像描画データとして、以下の2つのパターンの画像を表示するリスト・三次元画像描画データを生成するようになっている。第1のパターンの画像は、図2に示すように、目的地候補のリスト24を、目的地候補の三次元画像22とは別個の位置にひとまとめに表示する画像(以下、通常表示画像と称する)とされている。また、第2のパターンの画像は、図3に示すように、目的地候補のリスト25を、対応する目的地候補の三次元画像25と組み合わせて目的地候補の三次元画像25ごとに分散して表示する画像(以下、分散表示画像と称する)とされている。なお、デフォルトとして通常表示画像を表示するようにしてもよい。
【0051】
さらに、本実施形態において、目的地候補描画部21は、リスト・三次元画像描画データとして、図2および図3に示すように、目的地候補の三次元画像22,23として、施設(図2および図3におけるコンビニエンスストア)の三次元画像とともに施設の周辺(道路等)の三次元画像を表示するためのリスト・三次元画像描画データを生成するようになっている。
【0052】
本実施形態において、操作画面描画部11は、画像選択ボタン描画部28を有している。この画像選択ボタン描画部28は、図2および図3に示すように、通常表示画像の表示を選択するための通常表示選択ボタン29と、分散表示画像の表示を選択するための分散表示選択ボタン30との2つの画像選択ボタン29,30の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力するようになっている。表示処理部12は、画像選択ボタン描画部28から出力された描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、ディスプレイ8に2つの画像選択ボタン29,30を表示するようになっている。
【0053】
そして、目的地候補描画部21は、ディスプレイ8に表示された2つの画像選択ボタン29,30のうち、ユーザが入力操作部5を用いて選択した選択ボタン29,30に対応する画像(通常表示画像または分散表示画像)の描画データを生成するようになっている。
【0054】
また、本実施形態において、目的地候補描画部21は、図2および図3に示すように、目的地候補の三次元画像22,23として、目的地候補を推奨経路上から所定の目視角度(具体的には自車両の進行方向と自車両から目的地候補を目視する方向との挟角)で目視した場合に視認される目的地候補の外観を模した画像22,23を表示するためのリスト・三次元画像描画データを生成するようになっている。なお、図2および図3に示す三次元画像22,23は、いずれも、目的地候補を推奨経路上から30°の目視角度で目視した場合に視認される目的地候補の外観を模した画像22,23となっている。つまり、図2および図3に示す画像22,23は、図4に示す推奨経路に対応する道路33(左車線)上の地点Aで目的地候補32を目視した場合に視認される目的地候補の外観を模した画像22,23となっている。
【0055】
ここで、本実施形態において、前記目視角度は、固定されたものではなく、ユーザの選択によって変更することができるようになっている。すなわち、本実施形態において、操作画面描画部11は、目視角度選択画面描画部31を有しており、この目視角度選択画面描画部31は、目視角度選択手段を構成している。この目視角度選択画面描画部31は、目的地候補描画部21が、推奨経路上から目的地候補を所定の目視角度で目視した場合に視認される目的地候補の外観を模した三次元画像22,23の描画データを生成する際に、前記目視角度をユーザが選択するための目視角度選択画面の描画データを生成し、生成された目視角度選択画面の描画データを表示処理部12に出力するようになっている。表示処理部12は、目視角度選択画面描画部31から出力された描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、図5に示すような目視角度選択画面34をディスプレイ8に表示するようになっている。この目視角度選択画面34は、この目視角度選択画面34に遷移するための操作ボタン(例えば、図2および図3における「角度変更」の文字が記された操作ボタン35,36)の操作がなされた上で表示するようにしてもよい。なお、図5の目視角度選択画面34では、30°、45°(図4における地点Bに相当)および90°(図4における地点Cに相当)の3つの目視角度が選択可能とされている。また、目視角度は、目的地候補ごとに個別に選択することができるようになっている。
【0056】
さらに、本実施形態において、入力操作部5と目的地候補描画部21との間には、目視角度設定部37が接続されており、この目視角度設定部37は、目視角度選択画面描画部31とともに目視角度選択手段を構成している。目視角度選択画面描画部31には、目視角度選択画面34に対してユーザが入力操作部5を用いて選択した選択結果が入力されるようになっている。そして、目視角度設定部37は、入力操作部5から入力された選択結果にしたがった目視角度を設定し、設定された目視角度の情報を、目的地候補描画部21に出力するようになっている。
【0057】
そして、目的地候補描画部21は、目視角度設定部37から出力された目視角度の情報を取得し、取得された目視角度の情報に対応した目的地候補の三次元画像22,23の描画データを生成するようになっている。
【0058】
さらに、本実施形態において、表示処理部12は、目的地候補描画部21とともに目的地候補表示手段を構成している。すなわち、表示処理部12は、目的地候補描画部21によって生成された描画データを目的地候補描画部21から取得し、取得された描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、通常表示画像または分散表示画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0059】
そして、本実施形態においては、このようにしてディスプレイ8に表示された目的地候補のうちの1つの目的地候補を、ユーザが入力操作部5を用いて選択することが可能とされている。具体的には、図2の通常表示画像における目的地候のリスト24および図3の分散表示画像における目的地候の三次元画像23に、入力操作部5(例えば、タッチパネル)を用いた選択が可能な操作画面の機能を持たせるようにしてもよい。
【0060】
また、本実施形態において、操作画面描画部11は、ユーザが入力操作部5を用いて1つの目的地候補を選択すると、図6に示すように、選択された目的地候補を入力操作部5を用いて目的地として設定するための目的地設定ボタン38の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力するようになっている。なお、図6(a)に示す通常表示画像および図6(b)に示す分散表示画像においては、ともに、同一の目的地候補(コンビニA)が選択されている。表示処理部12は、操作画面描画部11から出力された目的地設定ボタン38の描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、ディスプレイ8に目的地設定ボタン38を表示するようになっている。
【0061】
入力操作部5と経路計算部20との間には、目的地設定部40が接続されており、この目的地設定部40には、入力操作部5から、ユーザが選択した目的地候補の情報および目的地設定ボタン38が操作されたことを示す情報が入力されるようになっている。そして、目的地設定部40は、入力操作部5から入力された情報に基づいて、ユーザが選択した1個の目的地候補を目的地として設定し、設定結果を経路計算部20に出力するようになっている。
【0062】
上記構成に加えて、さらに、バッファ18の出力側には、地図描画部41が接続されている。地図描画部41は、ユーザが、入力操作部5を用いることによってユーザが指定した地点(例えば、自車位置)およびその周辺の地図を表示するための入力操作を行うと、データ読出制御部17に、ユーザが指定した地点およびその周辺の地図データを読み出すための読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。この読み出し要求を受けたデータ読出装置3は、記憶媒体10から、ユーザが指定した地点およびその周辺の地図データを読み出してバッファ18に出力するようになっている。そして、地図描画部41は、バッファ18に出力された地図データを用いることによって地図描画データを生成し、生成された地図描画データを表示処理部12に出力するようになっている。表示処理部12は、地図描画部41から出力された地図描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、ユーザが指定した地点およびその周辺の地図をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0063】
また、自車位置計算部19と表示処理部12との間には、自車位置描画部42が接続されており、この自車位置描画部42には、自車位置計算部19によって算出された自車位置の情報が入力されるようになっている。そして、自車位置描画部42は、入力された自車位置の情報に基づいて、自車位置のマークを表示するための自車位置描画データを生成し、生成された自車位置描画データを表示処理部12に出力するようになっている。表示処理部12は、自車位置描画部42から出力された自車位置描画データを地図描画データと合成した上で画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、地図上に自車位置のマークが重畳された画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0064】
さらに、経路計算部20と表示処理部12との間には、案内画像描画部43が接続されている。経路計算部20は、目的地設定部40から目的地の設定結果を取得すると、前述した自車位置から目的地候補までの推奨経路のうち、目的地として設定された1つの目的地候補についての推奨経路の情報を、案内画像描画部43に出力するようになっている。そして、案内画像描画部43は、経路計算部20から出力された推奨経路の情報に基づいて、自車両を推奨経路に沿って目的地まで案内するナビゲーションのための案内画像の描画データを生成し、生成された案内画像の描画データを表示処理部12に出力するようになっている。なお、案内画像の描画データとしては、推奨経路を地図上に重畳表示するための推奨経路画像の描画データや、交差点拡大画像の描画データ等を挙げることができる。表示処理部12は、案内画像描画部43から出力された案内画像の描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、案内画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0065】
また、経路計算部20とスピーカ9との間には、音声案内部45が接続されており、この音声案内部45には、経路計算部20から出力された推奨経路の情報が入力されるようになっている。そして、音声案内部45は、入力された推奨経路の情報に基づいて、自車両を推奨経路に沿って目的地まで音声案内するための案内音声データを生成し、生成された案内音声データをスピーカ9に出力するようになっている。なお、案内音声データとしては、交差点右左折案内を行うための音声データ等を挙げることができる。スピーカ9は、音声案内部45から出力された案内音声データを音声に変換して出力することによって、音声案内を行うようになっている。
【0066】
次に、本実施形態の作用として、車載用ナビゲーション装置1に特有の動作について説明する。
【0067】
なお、便宜上、初期状態において、ディスプレイ8には、操作画面描画部11および表示処理部12によって、検索条件入力画面が表示されているものとする。
【0068】
(通常表示画像を表示する動作)
初期状態から、ユーザが入力操作部5を用いることによって、検索条件入力画面に対して、目的地候補の種別をコンビニエンスストアとする入力操作を行うと、この入力結果が検索条件設定部14に入力される。
【0069】
次いで、検索条件設定部14は、入力操作部5から入力された検索条件の入力結果を、目的地候補の検索条件として設定し、設定された目的地候補の検索条件の情報を、目的地候補検索部15に出力する。
【0070】
次いで、目的地候補検索部15は、検索条件設定部14から目的地候補の検索条件の情報が入力されると、データ読出制御部17に、データ読出装置3に対する記憶媒体10内の検索データの読み出し要求を出力させる。
【0071】
そして、目的地候補検索部15は、当該読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された検索データをバッファ18を介して取得し、取得された検索データを用いて、検索条件設定部14によって設定された目的地候補の検索条件を満足するような目的地候補、すなわち、コンビニエンスストアを検索する。
【0072】
目的地候補検索部15は、検索されたコンビニエンスストアの情報を経路計算部20に出力する。
【0073】
また、このとき、自車位置計算部19は、GPS情報または自律航法センサ7の検出結果に基づいて自車位置を計算し、算出された自車位置の情報を経路計算部20および目的地候補描画部21に出力する。
【0074】
次いで、経路計算部20は、入力された自車位置の情報およびコンビニエンスストアの情報に基づいて、自車位置からコンビニエンスストアの位置までの推奨経路を道路ネットワークデータを用いて計算し、算出された推奨経路の情報を目的地候補描画部21に出力する。
【0075】
次いで、目的地候補描画部21は、目的地候補検索部15側から入力されたコンビニエンスストアの情報および経路計算部20側から入力された推奨経路の情報に基づいて、データ読出制御部19に、コンビニエンスストアおよびこのコンビニエンスストアまでの推奨経路に対応した地図データならびに検索データを記憶媒体10から読み出すための読み出し要求を、データ読出装置3に対して出力させる。この読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された地図データおよび検索データは、バッファ18を経た後に目的地候補描画部21によって取得される。
【0076】
そして、目的地候補描画部21は、取得された地図データおよび検索データを用いることによって、デフォルトとして、推奨経路上からのコンビニエンスストアの目視角度が30°とされた前述した通常表示画像を表示するための描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力する。なお、この描画データは、通常表示画像におけるコンビニエンスストアのリスト24を、操作画面としての機能を持たせた状態として表示するための描画データとされている。
【0077】
また、このとき、操作画面描画部11の画像選択ボタン描画部28は、通常表示選択ボタン29と分散表示選択ボタン30との2つの画像選択ボタン29,30の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力する。
【0078】
さらに、このとき、操作画面描画部11は、コンビニエンスストアの目視角度の変更を指示するための操作ボタン35の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力する。
【0079】
次いで、表示処理部12は、目的地候補描画部21および操作画面描画部11(画像選択ボタン描画部28)からそれぞれ出力された各描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、ディスプレイ8に、図2に示すような通常表示画像を表示する。
【0080】
この通常表示画像は、6個のコンビニエンスストア(コンビニA〜コンビニF)のリスト24が、各コンビニエンスストアの三次元画像22とは別個の位置にひとまとめに表示されたものとなっている。なお、リスト24および三次元画像22における互いに対応する項目には、対応関係が分かるように同じ数字が付されている。各コンビニエンスストア24のリスト24は、ユーザが入力操作部5を操作することによって選択可能とされている。
【0081】
また、この通常表示画像は、コンビニエンスストアの三次元画像22が、鳥瞰図的に表示された自車位置マーク26および背景(図2における山)とともに表示されたものとなっており、自車位置に対する各コンビニエンスストアの方角が判別可能となっている。例えば、自車位置に対して、北の方角にあるコンビニエンスストアの三次元画像22は、自車位置マーク26に対して画面の上方に表示されており、また、自車位置に対して南の方角にある目的地候のコンビニエンスストアの三次元画像22は、自車位置マーク26に対して画面の下方に表示されている。
【0082】
また、この通常表示画像は、自車位置からの距離が近いコンビニエンスストアほど、三次元画像22が大きく表示されたものとなっている。
【0083】
さらに、通常表示画像におけるコンビニエンスストアのリスト24は、コンビニエンスストアの名称を、自車位置からの距離および方角(東西南北を示す矢印および「左側」、「2回曲がる」等の文字)とともに示したものとなっている。
【0084】
さらにまた、各コンビニエンスストアの三次元画像22は、コンビニエンスストアを推奨経路上から30°の目視角度で目視した場合に視認されるコンビニエンスストアの外観を模した画像となっている。
【0085】
また、ディスプレイ8には、通常表示画像とともに、通常表示選択ボタン29および分散表示選択ボタン30が表示されている。
【0086】
さらに、通常表示画像におけるコンビニエンスストアのリスト24上には、目視角度の変更を指示するための操作ボタン35が表示されている。
【0087】
なお、図2には、操作画面描画部11および表示処理部12により、通常表示画像をスクロール(移動表示)可能とされたスクロールボタン46が表示されており、このスクロールボタン46は、入力操作部5を用いて操作可能とされている。目的地候補描画部21および表示処理部12は、目的地候補検索部15によって探索されたコンビニエンスストアが所定数(例えば6個)を超える場合には、まず、所定数分のコンビニエンスストアのリスト24および三次元画像22を表示し、残余のコンビニエンスストアのリスト24および三次元画像22については、スクロールボタン46が操作されるのを検知した上で表示する。
【0088】
ところで、図7に示すように、目視角度が30°では建物等の障害物によって目的地候補であるコンビニエンスストアの外観を把握することができない場合には、ユーザは、次のようにして目視角度を変更することによって、コンビニエンスストアの外観を把握するために好適な三次元画像を表示させることができる。
【0089】
すなわち、まず、ユーザが、入力操作部5を用いて任意のコンビニエンスストアのリスト24についての目視角度の変更を指示する操作ボタン35を操作すると、操作画面描画部11の目視角度選択画面描画部31は、目視角度選択画面34の描画データを生成し、生成された目視角度選択画面34の描画データを表示処理部12に出力する。そして、表示処理部12は、目視角度選択画面描画部31から出力された描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、図5に示すような目視角度選択画面34をディスプレイ8に表示する。
【0090】
次いで、目視角度選択画面34において、ユーザが、入力操作部5を用いて目視角度45°を選択した場合には、目的地候補描画部21は、操作ボタン35が操作されたコンビニエンスストアを推奨経路上から45°の目視角度で目視した場合に視認される当該コンビニエンスストアの外観を模した画像の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力する。そして、表示処理部12は、目的地候補描画部21から出力された描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、図4における地点Bから引き出された画像に示すように、目視角度が45°とされたコンビニエンスストアの三次元画像22をディスプレイ8に表示する。
【0091】
(分散表示画像を表示する動作)
前述のように、ディスプレイ8に、デフォルトとして通常表示画像が表示された後に、ユーザが、入力操作部5を用いて分散表示選択ボタン30を操作すると、目的地候補描画部21は、分散表示画像を表示するための描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力する。なお、この描画データは、分散表示画像におけるコンビニエンスストアの三次元画像23を、操作画面としての機能を持たせた状態として表示するための描画データとされている。
【0092】
また、このとき、操作画面描画部11は、コンビニエンスストアの目視角度の変更を指示するための操作ボタン36の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力する。
【0093】
次いで、表示処理部12は、目的地候補描画部21および操作画面描画部11
からそれぞれ出力された各描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、ディスプレイ8に、図3に示すような分散表示画像を表示する。
【0094】
この分散表示画像は、6個のコンビニエンスストア(コンビニA〜コンビニF)のリスト25が、対応するコンビニエンスストアの三次元画像23と組み合わされるようにして三次元画像23ごとに分散して表示されたものとなっている。各コンビニエンスストアの三次元画像23は、ユーザが入力操作部5を用いることによって選択可能とされている。
【0095】
また、分散表示画像は、通常表示画像と同様に、コンビニエンスストアの三次元画像23が、自車位置マーク26および背景(図3における山)とともに表示されたものとなっており、自車位置に対する各コンビニエンスストアの方角が判別可能となっている。
【0096】
また、この分散表示画像は、自車位置からの距離が近いコンビニエンスストアほど、三次元画像23が大きく表示されたものとなっている。
【0097】
さらに、各コンビニエンスストアの三次元画像23は、コンビニエンスストアを推奨経路上から30°の目視角度で目視した場合に視認されるコンビニエンスストアの外観を模した画像となっている。
【0098】
また、ディスプレイ8には、通常表示選択ボタン29、分散表示選択ボタン30およびスクロールボタン46が継続して表示されている。
【0099】
さらに、コンビニエンスストアの三次元画像23上には、目視角度の変更を指示するための操作ボタン36が表示されている。なお、この操作ボタン36をユーザが入力操作部5を用いて操作すると、目視角度選択画面描画部31および表示処理部12によって、ディスプレイ8に目視角度選択画面34が表示されることになる。そして、目視角度選択画面34において、ユーザが、入力操作部5を用いて目視角度45°を選択した場合には、操作ボタン36が操作されたコンビニエンスストアを推奨経路上から45°の目視角度で目視した場合に視認される当該コンビニエンスストアの外観を模した三次元画像23が、目的地候補描画部21および表示処理部12によってディスプレイ8に表示されることになる。なお、このとき表示される画像は、図4における地点Bから引き出された画像23に、リスト25が組み合わされた画像23となる。
【0100】
(目的地の設定からルート案内に至る動作)
前述した通常表示画像において、ユーザが入力操作部5を用いてリスト24からコンビニAを選択した場合、または、前述した分散表示画像において、ユーザが入力操作部5を用いてコンビニAの三次元画像23を選択した場合には、操作画面描画部11が、コンビニAを目的地として設定するための目的地設定ボタン38の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12に出力する。
【0101】
次いで、表示処理部12は、操作画面描画部11から出力された目的地設定ボタン38の描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、ディスプレイ8に目的地設定ボタン38を表示する。
【0102】
そして、この目的地設定ボタン38をユーザが入力操作部5を用いて操作すると、目的地設定部40は、コンビニAを目的地として設定し、設定結果を経路計算部20に出力する。
【0103】
次いで、経路計算部20は、目的地設定部40から出力された設定結果を取得すると、自車位置からコンビニAまでの推奨経路の情報を案内画像描画部43および音声案内部45に出力する。
【0104】
そして、案内画像描画部43は、経路計算部20から出力された推奨経路の情報に基づいて、自車両を推奨経路に沿ってコンビニAまで案内するための案内画像の描画データを生成し、生成された案内画像の描画データを表示処理部12に出力する。そして、表示処理部12は、案内画像描画部43から出力された案内画像の描画データを画像に変換してディスプレイ8に出力することによって、案内画像をディスプレイ8に表示する。これにより、自車位置からコンビニAまでの画像によるルート案内が行われる。
【0105】
また、音声案内部45は、経路計算部20から出力された推奨経路の情報に基づいて、自車両を推奨経路に沿ってコンビニAまで音声案内するための案内音声データを生成し、生成された案内音声データをスピーカ9に出力する。そして、スピーカ9は、音声案内部45から出力された案内音声データを音声に変換して出力する。これにより、自車位置からコンビニAまでの音声によるルート案内が行われる。
【0106】
以上述べたように、本実施形態によれば、目的地候補描画部21および表示処理部12により、目的地候補検索部15によって検索された目的地候補のリスト24,25とともに、目的地候補の三次元画像22,23をディスプレイ8に表示部に表示することができる。
【0107】
この結果、ユーザが、目的地候補の外観を把握することによって、所望の目的地を簡便かつ確実に設定することができる。また、目的地候補の三次元画像を、自車位置に対する目的地候補の方角を判別可能な状態として表示することができる結果、ユーザが、自車位置に対する目的地候補の方角を基準として、訪れることを希望する目的地を簡便かつ確実に選択することができる。さらに、ユーザが、実際に目的地に赴く前に、目的地の外観を予め把握することができるので、ルート案内を受けながら自車両を目的地の近辺まで進行させた際に、目的地を容易に確認することができる。
【0108】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0109】
例えば、目的地候補描画部21および表示処理部12によって表示される三次元画像は、車載カメラ等によって目的地候補を含む実世界を道路上から実際に撮影した実写画像であってもよい。この場合には、記憶媒体10内に、施設等の地点の実写画像のデータを記憶させておき、目的地候補検索部15によって目的地候補が検索された際に、その目的地候補に対応する地点の実写画像が記憶媒体10から読み出されるようにすればよい。そのためには、地点の実写画像のデータを、検索データ中の施設やPOIと対応関係を有するように、地点の位置を示す情報とともに記憶媒体10に記憶させておくことが望ましい。地点の位置を示す情報としては、地点を車載カメラで撮影した際の車両の位置の情報を用いることができる。また、前述した目的地候補の目視角度の選択に対応するためには、1つの地点につき、その地点を複数の角度から撮影した複数個の実写画像のデータを、その撮影角度の情報とともに記憶させておけばよい。なお、地点の実写画像のデータは、自車両の車載カメラによって撮影されたものであってもよいし、または、車々間通信や年次更新等によって取得されたものであってもよい。
【0110】
このように、地点の実写画像のデータを、目的地候補検索部15の検索結果やユーザによる目視角度の選択結果に応じて読み出し可能な状態として記憶媒体10内に記憶させておけば、目的地候補描画部21が、記憶媒体10から読み出された実写画像のデータを目的地候補のリストと合成した描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部12によってディスプレイ8に表示することによって、目的地候補を含む実写画像を表示することができる。この場合、ユーザは、過去に目視して記憶した地点の外観そのものをディスプレイ8上で見ることができるため、目的地候補がユーザが過去に訪れた地点であるか否かをさらに確実に判定することができ、その目的地候補を目的地として確実に設定することができる。
【0111】
また、前述した実施形態においては、通常表示画像における目的地候補のリスト24または分散表示画像における三次元画像23をユーザが選択した場合には、目的地設定ボタン38を表示するようになっていたが、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、目的地設定ボタン38に加えて、選択された目的地候補の詳細情報(目的地候補の周辺地図等)を表示するようにしてもよい。
【0112】
さらに、通常表示画像または分散表示画像の表示の際に、目的地候補が存在しない方角については、画面上に背景を表示しないようにしてもよい。例えば、目的地候補検索部15によって探索された目的地候補が自車両の西側にしか存在しない場合には、図8に示すように、自車位置マーク26を右端に表示し、自車位置マーク26の右側(東側)の背景は、表示しないようにしてもよい。このようにすれば、ディスプレイ8の画面を有効に利用して個々の目的地候補の三次元画像22,23を大きく見やすく表示することができる。
【0113】
また、リスト24,25上に、自車位置からすべての目的地候補までの距離を表示する替わりに、ユーザが入力操作部5を用いて選択した目的地候補についてのみ、自車位置からの距離を表示するようにしてもよい。
【0114】
さらに、図9に示すように、ユーザが入力操作部5を用いて選択した目的地候補(図9におけるコンビニC)については、リスト25上に表示されている距離(2km)よりも更に正確な距離(2.3km)を、当該目的地候補までの推奨経路の強調表示画像とともにディスプレイ8に表示するようにしてもよい。
【0115】
さらにまた、自車位置マーク26および背景は、図2および図3等に示したように鳥瞰図的に表示することに限る必要はなく、例えば、図10に示すように二次元表示するようにしてもよい。
【0116】
また、目的地候補検索部15によって検索された目的地候補の数が多い場合には、一部の目的地候補のリストおよび三次元画像のみを表示し、残余の目的地候補のリストおよび三次元画像については、スクロールボタン46の操作にともなって表示してもよいことは前述したが、その際に、ユーザが指定した目的地候補については、スクロールの動作に影響されずに表示され続けるように構成してもよい。
【0117】
さらに、前述した操作画面の機能を持たせた状態として表示された通常表示画像におけるリスト24および分散表示画像における三次元画像23がユーザによって選択された場合に、目的地設定ボタン38を表示することなく、選択された目的地候補が即時に目的地として設定されるように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、通常表示画像の表示状態を示す図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、分散表示画像の表示状態を示す図
【図4】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、道路上からの目的地候補の目視角度およびそれに対応する三次元画像を示す説明図
【図5】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、目視角度選択画面を示す図
【図6】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、目的地設定ボタンの表示状態を示す図
【図7】目的地候補の外観を把握できない三次元画像の一例を示す図
【図8】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、自車の西側のみに目的地候補が存在する場合における目的地候補の三次元画像の表示例を示す図
【図9】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、分散表示画像とともにユーザによって選択された目的地候補までの詳細な距離を表示した画面を示す図
【図10】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、自車位置マークおよび背景の二次元表示状態を示す図
【図11】従来の車載用ナビゲーション装置における目的地候補の表示例を示す図
【符号の説明】
【0119】
1 車載用ナビゲーション装置
8 ディスプレイ
12 表示処理部
15 目的地候補検索部
21 目的地候補描画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが指定した条件を満足する目的地の候補を検索する目的地候補検索手段と、
この目的地候補検索手段によって検索された目的地の候補のリストとともに、当該目的地の候補の三次元画像を、自車位置に対する当該目的地の候補の方角を判別可能な状態として表示部に表示する目的地候補表示手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記自車位置から前記目的地候補検索手段によって検索された目的地の候補までの経路を探索する経路探索手段を備え、
前記目的地候補表示手段が、前記目的地の候補の三次元画像として、前記経路探索手段によって探索された経路上から前記目的地の候補を目視した場合に視認される前記目的地の候補の外観を示す画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記目的地候補表示手段が、前記目的地の候補の三次元画像として、前記経路上から前記目的地の候補を所定の目視角度で目視した場合に視認される前記目的地の候補の外観を示す画像を表示するように形成されており、
前記目視角度をユーザが選択するための目視角度選択手段を備えたこと
を特徴とする請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記目的地候補表示手段が、前記自車位置からの距離が近い目的地の候補ほど、前記目的地の候補の三次元画像を大きく表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記目的地候補表示手段が、前記目的地の候補のリストとして、対応する目的地の候補の三次元画像と組み合わされるようにして前記目的地の候補の三次元画像ごとに分散されたリストを表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記目的地の候補が施設とされ、
前記目的地候補表示手段が、前記施設の三次元画像とともに前記施設の周辺の三次元画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記目的地候補表示手段が、前記三次元画像として、前記目的地の候補を含む実写画像を表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−309823(P2007−309823A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−140153(P2006−140153)
【出願日】平成18年5月19日(2006.5.19)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】