説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】細街路が含まれる経路の走行の是非の判断を容易かつ迅速に行うことができ、ひいては、目的地まで確実に到達することができる経路をすみやかに選択することができ、また、細街路が含まれる経路を走行する場合においても、安心した走行を行うことができ、ひいては、運転の安全性を向上させることができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】経路探索手段20によって探索された目的地までの経路に細街路が含まれる場合には、実写画像表示処理手段16,14によって細街路の実写画像を表示することによって、細街路の通行の可否の判断を現地に赴く前に事前に行わせることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、自車両を目的地まで誘導するのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置においては、所定の経路探索条件にしたがって目的地までの経路を地図データを用いて探索し、探索された経路に沿って自車両を目的地まで誘導する経路誘導(ルート案内)を行うようになっていた。
【0003】
この種の車載用ナビゲーション装置においては、地図データを用いて自車位置周辺の地図をディスプレイに表示することも行われており、経路誘導の際には、このような自車位置周辺の地図上に、前記探索された経路を自車位置を示すマークとともに重畳表示することによって、自車両が目的地までの経路上を追尾していることをユーザに把握させることが可能とされていた。
【0004】
さらに、近年においては、自車位置の周辺の航空写真をディスプレイに表示することによって、自車位置の周辺の状況を正確に把握することを可能にする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−28661号公報
【特許文献2】特開2004−53351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、地図データ中の道路には、種々のものがあり、主要幹線や一般道のような十分な交通規制情報(例えば、一方通行等)が含まれている道路だけでなく、細街路のような交通規制情報が含まれていない道路もある。なお、細街路は、道幅が3.3m以上5.5m未満の道路として定義されることが多い。
【0007】
そして、目的地までの経路を探索する際には、経路探索条件や探索地域等によっては、細街路が含まれる経路が探索されることが少なからずあった。
【0008】
しかしながら、このような細街路が含まれる経路が探索された場合には、ユーザは、実際に細街路に到達してみなければ細街路の通行の可否が不明であったため、このような細街路が含まれる経路を走行すべきか否かについて迅速な判断を行うことが困難であるといった問題が生じていた。
【0009】
さらに、このような細街路が含まれる経路に沿って実際に目的地に向かう場合には、ユーザは、細街路の通行の可否が不明であることにより、不安を抱きつつ運転操作を行うことを余儀なくされるといった問題が生じていた。
【0010】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、細街路が含まれる経路の走行の是非の判断を容易かつ迅速に行うことができ、ひいては、目的地まで確実に到達することができる経路をすみやかに選択することができ、また、細街路が含まれる経路を走行する場合においても、安心して走行を行うことができ、ひいては、運転の安全性を向上させることができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、目的地までの経路に沿って自車両を前記目的地まで誘導する経路誘導を行う車載用ナビゲーション装置であって、前記目的地を設定する目的地設定手段と、この目的地設定手段によって設定された前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、自車位置を検出する自車位置検出手段と、この自車位置検出手段によって検出される前記自車位置を把握しつつ、前記経路探索手段によって探索された経路に沿った前記経路誘導を行う経路誘導手段と、前記経路探索手段によって探索された経路内に細街路が含まれる場合に、当該細街路の実写画像を、当該細街路が含まれる経路の走行開始前に表示部に表示することが可能とされた実写画像表示処理手段とを備え、車載用ナビゲーション装置本体は、前記実写画像表示処理手段による前記細街路の実写画像の表示が行われた場合に、前記経路探索手段によって探索された前記細街路が含まれる経路を前記経路誘導の対象として設定するための第1の操作、または前記細街路を迂回する前記経路を探索するための第2の操作を選択的に許容するように形成され、前記経路誘導手段は、前記第1の操作が行われた場合に、前記細街路が含まれる経路に沿った前記経路誘導を、少なくとも当該経路における前記細街路以外の区間内において行うことが可能に形成され、前記経路探索手段は、前記第2の操作が行われた場合に、前記細街路を迂回する前記経路を探索するように形成されていることを特徴としている。
【0012】
そして、このような構成によれば、経路探索によって探索された経路に細街路が含まれる場合には、細街路の実写画像が表示されることによって細街路の通行の可否の判断を現地に赴く前に事前に行うことができるので、細街路が含まれる経路の走行の是非の判断を容易かつ迅速に行うことができる。
【0013】
また、このような細街路の実写画像に基づく細街路の通行の可否の判断を経た上で、細街路が含まれる経路に沿った経路誘導を選択することができるので、細街路が含まれる経路を安心して走行することができる。
【0014】
さらに、細街路の実写画像に基づいて、細街路の通行が不可能と判断した場合においても、細街路を迂回する経路の探索にすみやかに移行することができる。
【0015】
また、前記実写画像表示処理手段は、前記自車位置検出手段の検出結果に基づいて、前記自車両が前記細街路に到達した場合にも、前記細街路の実写画像を前記表示部に表示するように形成され、前記車載用ナビゲーション装置本体は、前記自車両が前記細街路に到達した場合に、前記実写画像表示処理手段によって表示される前記細街路の実写画像上における前記自車位置に、前記自車両を示す画像として、前記細街路に対する前記自車両の実際の大きさの割合を判別することが可能な大きさを有する画像を表示する自車両画像表示処理手段を備えることが好ましい。
【0016】
そして、このような構成によれば、自車両が細街路に到達した場合に、細街路の実写画像上における自車位置に、自車両を示す画像を、細街路に対する自車両の実際の大きさの割合を判別可能な状態として表示することができるので、細街路の通行の可否をさらに確実に判断することができる。
【0017】
さらに、自車位置周辺の地図を前記表示部に表示する地図表示処理手段を備え、前記実写画像表示処理手段は、前記自車両が前記細街路に到達した場合における前記細街路の実写画像の表示を、前記地図表示処理手段による前記地図の表示からの自動的な切り替えによって行うように形成されていることが好ましい。
【0018】
そして、このような構成によれば、細街路が含まれる経路における自車両が細街路に到達するまでの区間においては、自車位置周辺の地図を表示し、細街路に到達してからは、細街路の実写画像へと表示を切り替えることができるので、地図よりもデータ量が大きい実写画像を必要な場合に限定して表示することができ、車載用ナビゲーション装置の処理負担を軽減することができる。
【0019】
さらにまた、前記実写画像表示処理手段は、前記細街路の実写画像を表示する際に、前記細街路の実写画像の縮尺を、前記自車両による前記細街路の通行の可否の判断が可能とみなされる所定の縮尺に自動的に設定するように形成されていることが好ましい。
【0020】
そして、このような構成によれば、細街路の実写画像の縮尺を、細街路の通行の可否の判断が可能とみなされる所定の縮尺に自動的に設定することができるので、細街路の通行の可否の判断を煩雑な操作を要することなく簡便に行うことができる。
【0021】
また、前記細街路の実写画像上における前記細街路の右左折が困難とみなされる地点に、当該地点を識別するための画像を表示する右左折困難地点表示処理手段を備えることが好ましい。
【0022】
そして、このような構成によれば、細街路における右左折が困難な地点を把握することができるので、そのような右左折が困難な地点があることを走行の是非の判断材料にすることもできるし、あるいは、その地点における注意深い運転操作を促すことによって安全性を高めることもできる。
【0023】
さらに、前記細街路の実写画像は、航空写真または衛星写真からなるものであってもよい。
【0024】
そして、このような構成によれば、航空写真または衛星写真に基づいて、細街路が含まれる経路の走行の是非の判断を容易かつ迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、細街路が含まれる経路の走行の是非の判断を容易かつ迅速に行うことができ、ひいては、目的地まで確実に到達することができる経路をすみやかに選択することができ、また、細街路が含まれる経路を走行する場合においても、安心した走行を行うことができ、ひいては、運転の安全性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図7を参照して説明する。
【0027】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2にそれぞれ接続されたデータ読出装置3、入力操作部5、GPSレシーバ6、自律航法センサ7、ディスプレイ8およびスピーカ9とによって構成されている。
【0028】
なお、入力操作部5は、リモコン、ディスプレイ8のタッチパネル、ロータリエンコーダ、リニアエンコーダまたは音声入力を行うマイク等であってもよい。
【0029】
また、自律航法センサ7は、ジャイロセンサおよび車速センサ(車速パルス)等からなるものであってもよい。
【0030】
データ読出装置3には、ハードディスク等の記憶媒体11が搭載されており、この記憶媒体11には、地図データ等の車載用ナビゲーション装置1の機能を実行させるための各種のデータが記憶されている。なお、地図データは、地図表示機能および経路誘導機能の実行に用いられる道路データおよび背景データと、経路探索機能の実行に用いられる経路計算データと、目的地や施設等の検索機能の実行に用いられる検索データとを有している。道路データは、例えば、形状補間点、セグメント、リンク、ノード、リンク列、道路名称、通行条件および交通看板等のエンティティ(基本データ要素)によって構成されていてもよい。また、背景データは、例えば、点、ポリライン、ポリゴン、テキスト、形状位置および形状タイプ等のエンティティによって構成されていてもよい。さらに、経路計算データは、例えば、ノード、リンクおよび通行条件等のエンティティによって構成されていてもよい。さらにまた、検索データは、エリア名称、住所、郵便番号、インターセクション名称、POI(Points Of Interest)およびサービス(店舗、施設)等によって構成されていてもよい。
【0031】
ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、このナビゲーションメインユニット2は、操作画面描画部12を有している。この操作画面描画部12は、メニュー画面や目的地設定用の操作画面等のユーザによる入力操作部5を用いた入力操作が可能な各種の操作画面の描画データを生成し、生成された操作画面の描画データを出力するようになっている。
【0032】
操作画面描画部12の出力側には、表示処理部14が接続されており、この表示処理部14には、操作画面描画部12から出力された操作画面の描画データが入力されるようになっている。そして、表示処理部14は、操作画面描画部12側から入力された操作画面の描画データに対応した操作画面をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0033】
また、ナビゲーションメインユニット2は、自車位置検出手段としての自車位置算出部15を有しており、この自車位置算出部15の入力側には、GPSレシーバ6および自律航法センサ7がそれぞれ接続されている。
【0034】
GPSレシーバ6は、図示しないGPS衛星から受信した軌道および時刻を含む情報を自車位置算出部15に出力するようになっている。そして、自車位置算出部15は、GPSレシーバ6から出力された情報に基づいて、絶対座標としての自車位置を算出(検出)するようになっている(衛星航法)。
【0035】
自律航法センサ7は、自車両の角速度や車速等を検出し、検出結果を自車位置算出部15に出力するようになっている。そして、自車位置算出部15は、自律航法センサ7から出力された検出結果に基づいて、直前の自車位置からの相対変化分としての自車位置を算出(検出)するようになっている(自律航法)。
【0036】
自車位置算出部15の出力側には、データ読出制御部16が接続されており、このデータ読出制御部16の出力側には、前述したデータ読出装置3が接続されている。
【0037】
自車位置算出部15は、衛星航法または自律航法による自車位置の算出結果を、データ読出制御部16に出力するようになっており、データ読出制御部16は、この算出結果が示す自車位置を含む所定領域の地図データの読出し要求を、データ読出装置3に出力するようになっている。
【0038】
データ読出装置3は、この読出し要求に応じた地図データを記憶媒体11から読み出すようになっている。
【0039】
データ読出装置3と自車位置算出部15との間には、バッファ18が接続されており、このバッファ18には、データ読出装置3から読み出された地図データが一時的に格納されるようになっている。このバッファ18に格納された地図データは、自車位置算出部15によって取得されるようになっている。
【0040】
そして、自車位置算出部15は、衛星航法または自律航法によって算出され自車位置が、バッファ18を介して取得された地図データにおける道路上にない場合には、地図データにおける該当する道路上の位置に自車位置を補正するマップマッチング処理を行い、マップマッチング処理後の自車位置を最終的な算出結果とするようになっている。
【0041】
表示処理部14、自車位置算出部15、データ読出制御部16およびバッファ18には、地図描画部17が接続されており、この地図描画部17は、表示処理部14とともに地図表示処理手段を構成するようになっている。
【0042】
すなわち、地図描画部17には、自車位置算出部15による自車位置の算出結果が入力されるようになっている。
【0043】
そして、地図描画部17は、入力された自車位置の算出結果に基づいて、データ読出制御部16に、自車位置を含む所定領域の地図データを読み出すための読出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。
【0044】
さらに、地図描画部17は、この読出し要求に応じてデータ読出装置3によって記憶媒体11から読み出された地図データを、バッファ18を介して取得し、取得された地図データを用いることによって、自車位置周辺の地図の描画データを生成し、生成された自車位置周辺の地図の描画データを、表示処理部14に出力するようになっている。
【0045】
そして、表示処理部14は、地図描画部17から出力された地図の描画データに対応する自車位置周辺の地図をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0046】
自車位置算出部15と表示処理部14との間には、自車位置描画部21が接続されており、この自車位置描画部21には、自車位置算出部15の算出結果が入力されるようになっている。
【0047】
自車位置描画部21は、自車位置算出部15の算出結果に基づいて、自車位置を示す自車位置マークの描画データを生成し、生成された自車位置マークの描画データを、表示処理部14に出力するようになっている。
【0048】
そして、表示処理部14は、自車位置描画部21から出力された自車位置マークの描画データに対応する自車位置マークを、ディスプレイ8に表示された地図上の自車位置に重畳表示するようになっている。
【0049】
入力操作部5の出力側には、目的地設定手段としての目的地設定部19が接続されており、この目的地設定部19には、入力操作部5から、目的地設定用の操作画面に対する目的地を設定するためのユーザの入力操作の結果が入力されるようになっている。そして、目的地設定部19は、目的地設定用の操作画面に対する入力操作の結果に応じた目的地を設定するようになっている。
【0050】
操作画面描画部12、自車位置算出部15、データ読出制御部16、バッファ18および目的地設定部19には、経路探索手段としての経路探索部20が接続されており、この経路探索部20は、自車位置算出部15によって算出された自車位置から目的地設定部19によって設定された目的地までの経路を探索するための経路計算を行うようになっている。
【0051】
この経路計算の際に、経路探索部20は、データ読出制御部16に、記憶媒体11に格納された地図データにおける経路計算データを読み出すための読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力させ、この読出し要求に応じて読み出された経路計算データを利用して、経路探索部20に設定されている経路探索条件を満足するような目的地までの経路を計算するようになっている。
【0052】
なお、経路探索条件には、自車位置から目的地までの推奨ルートを探索する旨の探索条件、一般道を優先的に使用する経路(以下、一般優先ルートと称する)を探索する旨の探索条件、有料道路を優先的に使用する経路(以下、有料優先ルートと称する)を探索する旨の探索条件、目的地までの所要距離が最短となる経路(以下、距離優先ルートと称する)を探索する旨の探索条件、および現在誘導中の経路とは別の経路(以下、別ルートと称する)を探索する旨の探索条件等の種々の探索条件等が含まれていてもよい。
【0053】
また、経路探索条件は、経路探索部20にデフォルト設定されているものに限らず、ユーザが入力操作部5の操作によって設定することができるものであってもよい。
【0054】
経路探索部20および表示処理部14には、探索結果描画部22が接続されており、この探索結果描画部22には、経路探索部20の探索結果が入力されるようになっている。探索結果描画部22は、入力された探索結果を経路誘導の対象として選択可能な状態に表示するための描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部14に出力するようになっている。そして、表示処理部14は、探索結果の描画データに対応する探索結果をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0055】
入力操作部5、表示処理部14、自車位置算出部15、バッファ18および経路探索部20には、案内画像描画部24が接続されており、この案内画像描画部24は、表示処理部14とともに経路誘導手段を構成するようになっている。
【0056】
すなわち、案内画像描画部24は、入力操作部5によって、経路探索部20によって探索された経路に沿った経路誘導を開始するための入力操作がなされた場合に、経路探索部20の探索結果および自車位置算出部15の算出結果に基づいて、交差点拡大画像等の案内画像の描画データを生成し、生成された案内画像の描画データを表示処理部14に出力するようになっている。なお、案内画像描画部24は、必要に応じて、記憶媒体11から読み出された地図データをバッファ18を介して取得し、取得された地図データを案内画像の描画データの生成に利用するようになっている。
【0057】
そして、表示処理部14は、案内画像描画部24から出力された描画データに対応する案内画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0058】
このようにして、案内画像描画部24および表示処理部14によって、自車位置を把握しつつ、案内画像を用いた経路誘導が行われるようになっている。
【0059】
入力操作部5、スピーカ9、自車位置算出部15および経路探索部20には、経路誘導手段としての音声案内部25が接続されている。この音声案内部25は、入力操作部5によって、経路探索部20によって探索された経路に沿った経路誘導を開始するための入力操作がなされた場合に、経路探索部20の探索結果および自車位置算出部15の算出結果に基づいて、交差点右左折案内等の音声案内を行うための案内音声データを生成し、生成され案内音声データをスピーカ9に出力するようになっている。スピーカ9は、音声案内部25によって生成された音声データを音声出力するようになっている。
【0060】
このようにして、音声案内部25によって、自車位置を把握しつつ、案内音声を用いた経路誘導が行われるようになっている。
【0061】
このような案内画像および案内音声を用いた経路誘導は、音声入力による指示によって開始されるようにしてもよい。
【0062】
そして、本実施形態において、記憶媒体11には、上空から地表面を撮影した画像である実写画像のデータ(以下、実写画像データと称する)が、地図データとの間で座標(緯度、経度)の対応関係を有した状態として記憶されている。なお、実写画像は、例えば、航空写真や衛星写真であってもよい。
【0063】
また、本実施形態において、表示処理部14、データ読出制御部16、バッファ18および経路探索部20には、実写画像表示処理手段を構成する実写画像描画部26が接続されており、この実写画像描画部26には、経路探索部20の探索結果が入力されるようになっている。
【0064】
そして、実写画像描画部26は、入力された探索結果に基づいて、経路探索部20によって探索された経路内に細街路が含まれているか否かを判定するようになっている。
【0065】
この判定の結果、経路探索部20によって探索された経路内に細街路(以下、経路内細街路と称する)が含まれている場合に、実写画像描画部26は、データ読出制御部16に、記憶媒体11に記憶された経路内細街路を含む所定領域の実写画像データを読み出すための読み出し要求をデータ読出装置3に対して出力させるようになっている。
【0066】
この読み出し要求によって記憶媒体11から読み出された実写画像データは、バッファ18を経た後に実写画像描画部26によって取得されるようになっている。
【0067】
そして、実写画像描画部26は、取得された実写画像データを用いることによって、経路内細街路の実写画像として、経路内細街路が含まれる経路内細街路周辺の所定領域の実写画像(以下、細街路周辺実写画像と称する)の描画データを生成し、生成された細街路周辺実写画像の描画データを表示処理部14に出力するようになっている。
【0068】
表示処理部14は、実写画像描画部26とともに実写画像表示処理手段を構成し、実写画像描画部26から出力された細街路周辺実写画像の描画データに対応する細街路周辺実写画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0069】
なお、このような細街路周辺実写画像の表示は、経路内細街路が含まれる経路の探索後、当該経路内細街路が含まれる経路の走行開始前に行われるのであれば、どのようなタイミングで行われるかについては、コンセプトに応じて種々変更することができる。
【0070】
例えば、実写画像描画部26および表示処理部14は、経路探索部20によって探索された経路が経路探索条件の種類等に応じて複数存在する場合には、探索結果描画部22および表示処理部14によって表示される複数の経路の探索結果の中から1つの経路が経路誘導の対象として選択され、選択された経路内に経路内細街路が存在することが確認された上で、この経路内細街路を含む細街路周辺実写画像を表示するようにしてもよい。
【0071】
さらに、本実施形態において、車載用ナビゲーション装置本体としての車載用ナビゲーション装置1は、細街路周辺実写画像の表示が行われた場合に、経路探索部20によって探索された経路内細街路が含まれる経路を経路誘導の対象として設定するための第1の操作、または経路内細街路を迂回する経路を探索するための第2の操作を選択的に許容するように形成されている。
【0072】
すなわち、本実施形態において、操作画面描画部12は、実写画像描画部26による細街路周辺実写画像の表示が行われる際に、第1の操作または第2の操作が選択的に可能とされた操作画面(以下、設定/迂回選択画面と称する)の描画データを生成し、生成された描画データを表示処理部14に出力することによって、設定/迂回選択画面をディスプレイ8に表示するようになっている。これにより、設定/迂回選択画面に対する入力操作部5を用いた第1の操作または第2の操作が許容されるようになっている。
【0073】
そして、このような設定/迂回選択画面に対して、入力操作部5を用いた第1の操作が行われた場合には、案内画像描画部24および表示処理部14は、入力操作部5による経路誘導開始のための入力操作を待って、経路探索部20によって探索された経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導を、案内画像を用いて行う(開始する)ようになっている。
【0074】
また、このとき、音声案内部25は、入力操作部5による経路誘導開始のための入力操作を待って、経路探索部20によって探索された経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導を、案内音声を用いて行う(開始する)ようになっている。
【0075】
なお、案内画像描画部26、表示処理部14および音声案内部25は、経路内細街路が含まれる経路における経路内細街路以外の区間内に限定して経路誘導を行うようにしてもよい。
【0076】
一方、設定/迂回選択画面に対して、入力操作部5を用いた第2の操作が行われた場合には、経路探索部20は、経路内細街路を迂回するような目的地までの経路を新たに探索するようになっている。この場合には、前回探索された経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導は行われずに、今回新たに探索された経路内細街路を迂回する経路の探索結果が表示されるようになっている。そして、当該新たに探索された経路に沿った経路誘導が、入力操作部5による経路誘導開始のための入力操作を待って開始されることになる。
【0077】
このような構成によれば、経路探索部20によって探索された経路に経路内細街路が含まれる場合には、細街路周辺実写画像が表示されることによって細街路の通行の可否の判断を現地に赴く前に事前に行うことができるので、経路内細街路が含まれる経路の走行の是非の判断を容易かつ迅速に行うことができる。
【0078】
また、このような細街路周辺実写画像に基づく細街路の通行の可否の判断を経た上で、経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導を選択することができるので、経路内細街路が含まれる経路を安心して走行することができる。
【0079】
さらに、細街路周辺実写画像に基づいて、経路内細街路の通行が不可能と判断した場合においても、経路細街路を迂回する経路の探索にすみやかに移行することができる。
【0080】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、実写画像描画部26および表示処理部14は、自車位置算出部15の算出結果に基づいて、自車両が経路誘導を受けつつ経路内細街路に到達した場合にも、細街路周辺実写画像をディスプレイ8に表示するようになっている。
【0081】
さらに、表示処理部14、自車位置算出部15および実写画像描画部26には、自車両画像描画部28が接続されており、この自車両画像描画部28は、表示処理部14とともに自車両画像表示処理手段を構成するようになっている。
【0082】
すなわち、自車両画像描画部28は、自車位置算出部15の算出結果に基づいて、自車両が経路内細街路に到達した場合には、自車両を示す画像(以下、自車両画像と称する)の描画データとして、細街路周辺実写画像上の経路内細街路に対する自車両の実際の大きさの割合を判別することが可能な大きさ(画像サイズ)を有する自車両画像の描画データを生成し、生成された自車両画像の描画データを表示処理部14に出力するようになっている。そして、表示処理部14は、自車両画像描画部28から出力された自車両画像の描画データに対応する自車両画像を、自車両が経路内細街路に到達した際に表示される細街路周辺実写画像上における自車位置に重畳表示するようになっている。
【0083】
このような構成によれば、自車両が細街路に到達した場合に、細街路周辺実写画像上における自車位置に、自車両画像を細街路に対する自車両の実際の大きさの割合を判別可能な状態として表示することができるので、細街路の通行の可否をさらに確実に判断することができる。
【0084】
上記構成に加えて、さらに、本実施形態において、実写画像描画部26および表示処理部14は、前述した自車両が経路内細街路に到達した場合における細街路周辺実写画像の表示を、地図描画部17および表示処理部14による自車位置周辺の地図の表示からの自動的な切り替えによって行うようになっている。
【0085】
このような構成によれば、経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導の際に、自車両が経路内細街路に到達するまでの区間においては、自車位置周辺の地図を表示し、自車両が細街路に到達してからは、細街路周辺実写画像へと表示を切り替えることができる。これにより、地図よりもデータ量が大きい実写画像を必要な場合に限定して表示することができ、車載用ナビゲーション装置1の処理負担を軽減することができる。
【0086】
上記構成以外にも、例えば、実写画像描画部26および表示処理部14が、細街路周辺実写画像を表示する際に、細街路周辺実写画像の縮尺を、自車両による経路内細街路の通行の可否の判断が可能とみなされる所定の縮尺に自動的に設定するようにしてもよい。
【0087】
このような構成によれば、細街路周辺実写画像の縮尺をユーザが入力操作部5を用いた入力操作によって切り替える手間を省くことができるので、経路内細街路の通行の可否の判断を煩雑な操作を要することなく簡便に行うことができる。
【0088】
ただし、このような縮尺の自動設定を行う構成を採用する場合においても、入力操作部5を用いた入力操作によって細街路周辺実写画像の縮尺を手動で設定可能としてもよいことは勿論である。
【0089】
また、上記構成以外にも、例えば、細街路周辺実写画像上における経路内細街路の右左折が困難とみなされる地点に、当該地点を識別するための画像を表示する右左折困難地点表示処理手段を備えることが好ましい。当該地点を識別する画像としては、点や矢印等のマークを挙げることができる。
【0090】
このような構成によれば、経路内細街路における右左折が困難な地点を把握することができるので、当該地点があることを経路内細街路が含まれる経路の走行の是非の判断材料にすることもできるし、あるいは、当該地点における注意深い運転操作を促すことによって安全性を高めることもできる。
【0091】
次に、本実施形態の主たる作用について、より具体的な例を示しつつ説明する。
【0092】
本実施形態においては、図2に示すように、まず、ステップ1(ST1)において、目的地設定部19により、操作画面描画部12および表示処理部14によってディスプレイ8に表示された目的地設定用の操作画面に対する入力操作部5を用いた入力操作にしたがった目的地を設定する。
【0093】
次いで、ステップ2(ST2)においては、自車位置算出部15によって算出された自車位置からステップ1(ST1)において設定された目的地までの経路として、前述した推奨ルート、一般優先ルート、有料優先ルート、距離優先ルートおよび別ルートからなる5ルートを探索する。
【0094】
次いで、ステップ3(ST3)においては、探索結果描画部22および表示処理部14によって、図3に示すように、ステップ2(ST2)において探索された5ルートの探索結果を、各ルートを択一的に経路誘導の対象として選択可能な状態としてディスプレイ8に表示する。
【0095】
ここで、図3は、探索結果表示画面29を示しており、この探索結果表示画面29には、5ルートの探索結果として、ルートの名称、目的地までの所要時間、目的地までの所要距離および目的地までの通行料金がそれぞれ表記された5つの操作ボタン30a〜eと、自車位置周辺の広域地図33上に重畳表示された5ルートのそれぞれの経路画像32とが含まれている。ユーザは、所望の操作ボタン30a〜eを入力操作部5を用いて操作することによって、操作された操作ボタン30a〜eに対応する経路を、経路誘導の対象として選択することができるようになっている。
【0096】
また、このステップ3(ST3)においては、操作画面描画部12および表示処理部14により、図3に示すような誘導開始用操作ボタン31を、探索結果表示画面29と同一画面上に表示する。ユーザは、5ルートのうちの1つの経路を選択した上で、誘導開始用操作ボタン31を入力操作部5を用いて操作することによって、経路誘導の対象として選択された経路に沿った経路誘導の開始を指示することができるようになっている。
【0097】
次いで、ステップ4(ST4)においては、実写画像描画部26により、経路誘導の対象(5ルートのうちの1つの経路)の選択が行われたか否かを判定し、選択が行われた場合には、ステップ5(ST5)に進み、選択が行われていない場合には、ステップ4(ST4)の工程を繰り返す。
【0098】
次いで、ステップ5(ST5)においては、実写画像描画部26により、ステップ4(ST4)において誘導開始が指示された経路内に経路内細街路が含まれているか否かを判定し、経路内細街路が含まれている場合には、ステップ6(ST6)に進み、含まれていない場合には、ステップ10(ST10)に進む。
【0099】
なお、ステップ10(ST10)においては、案内画像描画部24、表示処理部14および音声案内部25によって、ステップ3(ST3)において経路誘導の対象として選択された1つの経路(すなわち、経路内細街路が含まれない経路)に沿った経路誘導を行って処理を終了する。
【0100】
一方、ステップ6(ST6)においては、実写画像描画部26および表示処理部14により、図4に示すような細街路周辺実写画像35を表示するとともに、操作画面描画部12および表示処理部14により、図4に示すような設定/迂回選択画面36を表示してステップ7(ST7)に進む。
【0101】
なお、図4においては、細街路周辺実写画像35および設定/迂回選択画面36が、ともに、図3に示した探索結果表示画面29上に重畳表示されている。
【0102】
また、図4における細街路周辺実写画像35は、経路内細街路の周辺の実写画像35a上における経路内細街路に相当する位置に、経路内細街路を示す経路画像35bが重畳表示されたものとなっている。なお、この図4における経路画像35bは、細街路に相当する部分が破線で、細街路以外の区間に相当する部分が実線で表示されているが、これ以外の表示態様を選択してもよいことは勿論である。
【0103】
さらに、図4における設定/迂回選択画面36は、第1の操作を行うための「設定」の文字が表記された第1操作ボタン36aと、第2の操作を行うための「迂回ルートを探索」の文字が表記された第2操作ボタン36bとを有している。また、設定/迂回選択画面36には、経路内細街路が含まれる経路を走行しようとしている旨を通知する文字メッセージ36cが含まれている。ユーザは、入力操作部5を用いることによって、第1操作ボタン36aまたは第2操作ボタン36bを選択的に操作することができるようになっている。
【0104】
このような細街路周辺実写画像35は、自車両による経路内細街路の通行の可否の判断が可能とみなされる所定の縮尺に自動的に設定されたものであってもよい。ただし、縮尺が大きい場合には逆に表示領域が小さくなるので、経路内細街路を一望することができるように、入力操作部5によって細街路周辺実写画像に対する縮尺の設定変更やスクロールを可能にするようにしてもよい。
【0105】
次いで、ステップ7(ST7)においては、案内画像描画部24および音声案内部25により、設定/迂回選択画面36が操作されたか否かを判定し、操作された場合には、ステップ8(ST8)に進み、操作されていない場合には、ステップ7(ST7)の処理を繰り返す。
【0106】
次いで、ステップ8(ST8)においては、案内画像描画部24および音声案内部25により、ステップ7(ST7)において行われた操作が第1の操作か否かを判定し、第1の操作である場合には、ステップ9(ST9)に進み、第1の操作ではない、すなわち、第2の操作である場合には、ステップ11(ST11)に進む。
【0107】
ステップ9(ST9)においては、案内画像描画部24、表示処理部14および音声案内部25によって、ステップ3(ST3)において経路誘導の対象として選択された経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導を行って処理を終了する。
【0108】
一方、ステップ11(ST11)においては、経路探索部20によって、経路内細街路が含まれない経路を新たに探索して処理を終了する。この場合には、新たに探索された経路に沿った経路誘導が、ユーザからの指示を待って行われるか、あるいは、そのような経路内細街路が含まれない経路が探索されなかった場合には、その旨の探索結果が提示されることになる。
【0109】
次に、図5は、図2におけるステップ9(ST9)の具体的な処理を示したものである。
【0110】
なお、ステップ9(ST9)の処理の説明にあたっては、便宜上、ステップ4(ST4)において経路誘導の対象として選択され、ステップ5(ST5)において経路内細街路が含まれると判定された経路が、経路内細街路以外の道路(例えば、一般道)から開始する経路であることを前提とする。
【0111】
図5に示すように、ステップ9(ST9)においては、経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導を開始した後に、まず、ステップ9A(ST9A)に示すように、案内画像描画部24、表示処理部14および音声案内部25により、経路上の自車両の進行にともなって交差点拡大画像の表示や交差点右左折案内等の経路誘導を行いつつ、地図描画部17および表示処理部14により、図6に示すような自車位置周辺の地図40を表示する。
【0112】
また、このとき、自車位置描画部21および表示処理部14により、自車両周辺の地図40上の自車位置に自車位置マーク41を重畳表示する。
【0113】
さらに、このとき、探索結果描画部22および表示処理部14により、自車両周辺の地図40上に経路内細街路の経路画像42を重畳表示する。
【0114】
次いで、ステップ9B(ST9B)においては、実写画像描画部26により、自車両が経路内細街路に到達したか否かを、自車位置算出部15の算出結果に基づいて判定し、自車両が経路内細街路に到達した場合には、ステップ9C(ST9C)に進み、到達していない場合には、ステップ9G(ST9G)に進む。
【0115】
ステップ9C(ST9C)においては、経路誘導を停止するとともに、実写画像描画部26および表示処理部14により、図7に示すように、自車位置周辺の地図40(図7(a))から細街路周辺実写画像38(図7(b))への表示の自動切り替えを行ってステップ9D(ST9D)に進む。
【0116】
ここで、図7(b)に示す細街路周辺実写画像38は、経路内細街路の通行の可否を判別可能な程度に十分に大きな縮尺で表示されたものとなっている。また、細街路周辺実写画像38における経路内細街路上の自車位置には、自車両画像描画部28および表示処理部14によって、経路内細街路に対する自車両の実際の大きさを判別可能な大きさ(画像サイズ)の自車両画像39が重畳表示されている。このような細街路周辺実写画像38は、自車両による経路内細街路の走行中に継続して表示される。
【0117】
次いで、ステップ9D(ST9D)においては、案内画像描画部24および音声案内部25により、自車位置算出部15の算出結果に基づいて、自車両が目的地に到着したか否かを判定し、目的地に到着した場合には、経路誘導を終了し、目的地に到着していない場合には、ステップ9E(ST9E)に進む。
【0118】
次いで、ステップ9E(ST9E)においては、実写画像描画部26により、自車位置算出部15の算出結果に基づいて、自車両が経路内細街路を脱したか否かを判定し、脱した場合には、ステップ9A(ST9A)に戻り、脱していない場合には、ステップ9F(ST9F)に進む。
【0119】
このとき、ステップ9E(ST9E)からステップ9A(ST9A)に戻る場合には、経路誘導が再開され、細街路周辺実写画像38から地図40への表示の切り替えが行われる。
【0120】
一方、ステップ9F(ST9F)においては、実写画像描画部26および表示処理部14により、引き続き、経路誘導を停止しつつ細街路周辺実写画像38の表示を行う。
【0121】
なお、ステップ9G(ST9G)においては、実写画像描画部26により、ステップ9E(ST9E)を経ているか否かを判定し、ステップ9E(ST9E)を経ている場合には、ステップ9D(ST9D)に進み、経ていない場合には、ステップ9B(ST9B)に戻る。
【0122】
以上述べたように、本実施形態によれば、実写画像描画部26および表示処理部14による細街路周辺実写画像の表示によって、経路内細街路の通行の可否の判断を現地に赴く前に事前に行うことができるので、経路内細街路が含まれる経路の走行の是非の判断を容易かつ迅速に行うことができる。
【0123】
また、このような細街路周辺実写画像に基づく経路内細街路の通行の可否の判断を経た上で、経路内細街路が含まれる経路に沿った経路誘導を選択することができるので、細街路が含まれる経路を安心して走行することができる。
【0124】
さらに、細街路周辺実写画像に基づいて、経路内細街路の通行が不可能であると判断した場合においても、経路探索部20による細街路を迂回する経路の探索にすみやかに移行することができる。
【0125】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示す第1のフローチャート
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、探索結果表示画面の表示状態を示す図
【図4】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、目的地設定時における細街路周辺実写画像の表示状態を示す図
【図5】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示す第2のフローチャート
【図6】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、自車位置周辺の地図の表示状態を示す図
【図7】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、(a)に示す自車位置周辺の地図から(b)に示す自車位置周辺の細街路周辺実写画像への表示の切り替えを模式的に示す図
【符号の説明】
【0127】
1 車載用ナビゲーション装置
8 ディスプレイ
14 表示処理部
15 自車位置算出部
19 目的地設定部
20 経路探索部
26 実写画像描画部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路に沿って自車両を前記目的地まで誘導する経路誘導を行う車載用ナビゲーション装置であって、
前記目的地を設定する目的地設定手段と、
この目的地設定手段によって設定された前記目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
この自車位置検出手段によって検出される前記自車位置を把握しつつ、前記経路探索手段によって探索された経路に沿った前記経路誘導を行う経路誘導手段と、
前記経路探索手段によって探索された経路内に細街路が含まれる場合に、当該細街路の実写画像を、当該細街路が含まれる経路の走行開始前に表示部に表示することが可能とされた実写画像表示処理手段と
を備え、
車載用ナビゲーション装置本体は、前記実写画像表示処理手段による前記細街路の実写画像の表示が行われた場合に、前記経路探索手段によって探索された前記細街路が含まれる経路を前記経路誘導の対象として設定するための第1の操作、または前記細街路を迂回する前記経路を探索するための第2の操作を選択的に許容するように形成され、
前記経路誘導手段は、前記第1の操作が行われた場合に、前記細街路が含まれる経路に沿った前記経路誘導を、少なくとも当該経路における前記細街路以外の区間内において行うことが可能に形成され、
前記経路探索手段は、前記第2の操作が行われた場合に、前記細街路を迂回する前記経路を探索するように形成されていること
を特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記実写画像表示処理手段は、前記自車位置検出手段の検出結果に基づいて、前記自車両が前記細街路に到達した場合にも、前記細街路の実写画像を前記表示部に表示するように形成され、
前記車載用ナビゲーション装置本体は、前記自車両が前記細街路に到達した場合に、前記実写画像表示処理手段によって表示される前記細街路の実写画像上における前記自車位置に、前記自車両を示す画像として、前記細街路に対する前記自車両の実際の大きさの割合を判別することが可能な大きさを有する画像を表示する自車両画像表示処理手段を備えたこと
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
自車位置周辺の地図を前記表示部に表示する地図表示処理手段を備え、
前記実写画像表示処理手段は、前記自車両が前記細街路に到達した場合における前記細街路の実写画像の表示を、前記地図表示処理手段による前記地図の表示からの自動的な切り替えによって行うように形成されていること
を特徴とする請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記実写画像表示処理手段は、前記細街路の実写画像を表示する際に、前記細街路の実写画像の縮尺を、前記自車両による前記細街路の通行の可否の判断が可能とみなされる所定の縮尺に自動的に設定するように形成されていること
を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記細街路の実写画像上における前記細街路の右左折が困難とみなされる地点に、当該地点を識別するための画像を表示する右左折困難地点表示処理手段を備えたこと
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記細街路の実写画像は、航空写真または衛星写真からなること
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2009−257830(P2009−257830A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−104713(P2008−104713)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】