説明

車載表示システム

【課題】運転席方向および助手席方向にそれぞれ別の画像を表示させるデュアルビュー機能を備え、一方の画像に対する操作入力の内容や操作入力の結果を他方の画像を見ている者に知らせることができる車載表示システムを提供すること。
【解決手段】一方の視野角方向から見ることができる第1の画像と他方の視野角方向から見ることができる第2の画像とを一つの画面に表示させる表示手段を有する車載表示システム100は、操作入力が何れの視野角方向にいる者による操作入力であるかを判定する操作者判定手段13と、一方の視野角方向にいる者Pによる第1の画像G1に対する操作入力の内容または結果を他方の視野角方向にいる者Dに発話する発話手段10とを備え、一方の視野角方向にいる者Pによる操作入力であると判定した場合に、その操作入力の内容または結果を他方の視野角方向にいる者Dに発話する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転席方向および助手席方向にそれぞれ別の画像を表示させるデュアルビュー機能を備えた車載表示システムに関し、より詳細には、一方の画像に対する操作入力の内容や操作入力の結果を他方の画像を見ている者に知らせることができる車載表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バックライトから発せられた光を左右に分離するパララックスバリヤを液晶表示パネルの前面に配置し、左斜め前から液晶表示パネルを見た場合と右斜め前から液晶表示パネルを見た場合とで、異なる画像を表示させるデュアルビュー機能を備えた表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、特許文献1に記載の表示装置は、複数の指向性スピーカを備え、異なる画像のそれぞれに対応した音声を異なる画像のそれぞれに対応した方向に出力し、さらに、異なる画像のそれぞれに対応したタッチ専用エリアを有するタッチパネルを液晶表示パネルの前面に備え、どちらの画像に対するタッチが行われたかを判断する。
【0004】
これにより、特許文献1に記載の表示装置は、運転者Dにナビゲーション画像を表示させ、助手席搭乗者PにDVD再生映像を表示させながら、運転者Dまたは助手席搭乗者Pのそれぞれが見ている画像に対応した操作入力を行わせることができるようにする。
【特許文献1】特開2005−71286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の表示装置は、運転者Dまたは助手席搭乗者Pのそれぞれが見ている画像に応じた音声のみをそれぞれに伝達するので、運転者Dまたは助手席搭乗者Pは、相手が見ている画像の内容、または、相手が見ている画像に対する相手による操作入力の内容を知ることができない。また、指向性スピーカを使用せずに双方の音声を混在させた場合には、運転者Dまたは助手席搭乗者Pをして、どちらの画像に対する音声なのか分かりにくくさせ、見ている画像と関係のない音声の混入により不快を感じさせてしまう場合もある。
【0006】
係る問題に鑑み、本発明は、運転席方向および助手席方向にそれぞれ別の画像を表示させるデュアルビュー機能を備え、一方の画像に対する操作入力の内容や操作入力の結果を他方の画像を見ている者に知らせることができる車載表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、第1の発明に係る車載表示システムは、一方の視野角方向から見ることができる第1の画像と他方の視野角方向から見ることができる第2の画像とを一つの画面に表示させる表示手段を有する車載表示システムであって、前記一方の視野角方向にいる者による前記第1の画像に対する操作入力の内容または結果を前記他方の視野角方向にいる者に発話する発話手段を備えることを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、第1の発明に係る車載表示システムであって、前記操作入力が何れの視野角方向にいる者による操作入力であるかを判定する操作者判定手段を備え、前記発話手段は、前記一方の視野角方向にいる者による操作入力であると判定された場合に、該操作入力の内容または結果を前記他方の視野角方向にいる者に発話することを特徴とする。
【0009】
また、第3の発明は、第1または第2の発明に係る車載表示システムであって、前記発話手段は、前記他方の視野角方向にいる者による前記第2の画像に対する操作入力が制限される場合に、画像に対する操作入力があったとき、該操作入力を前記第1の画像に対する操作入力として、該操作入力の内容および結果を前記他方の視野角方向にいる者に発話する、
ことを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明に係る車載表示システムであって、前記発話手段は、発話する方向に応じて声を変化させることを特徴とする。
【0011】
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明に係る車載表示システムであって、画像の内容に基づいて該画像を表示させる視野角方向を制御する画像表示方向制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
上述の手段により、本発明は、運転席方向および助手席方向にそれぞれ別の画像を表示させるデュアルビュー機能を備え、一方の画像に対する操作入力の内容や操作入力の結果を他方の画像を見ている者に知らせることができる車載表示システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係る車載表示システムの構成例を示す図であり、図2は、本発明に係る車載表示システムの使用例を示す図である。車載表示システム100は、制御部1、撮影装置2、カーナビゲーションシステム3、テレビチューナー4、DVD(Digital Versatile Disc.)ドライブ5、デュアルビューディスプレイ6、音声出力装置7、入力装置8および接近センサ9で構成される。
【0015】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non−Volatile RAM)等を備えたコンピュータであり、発話手段10、画像表示方向制御手段11、音声出力方向制御手段12および操作者判定手段13に関するプログラムをNVRAMに格納し、これらプログラムをRAMに展開してCPUにこれら手段を実行させる。
【0016】
撮影装置2は、車両周辺の画像を撮影するための手段であり、例えば、CMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)やCCD(Charge−Coupled Device)等の撮像素子を利用したカメラであって、フロントグリルや車室内の天井等、車両周辺を広範囲に渡って撮影するのに適した位置に設置される。撮影装置2は、撮影した画像を制御部1に出力する。なお、撮影装置(カメラ)2は、夜間での撮影を可能とするために赤外線投光器を備えたものであってもよい。
【0017】
カーナビゲーションシステム3は、GPS機能により取得される車両の位置情報と、ハードディスクやDVD等に記憶された地図情報とに基づいて目的地までの経路をナビゲーション画像として示し、車両を誘導するためのシステムである。カーナビゲーションシステム3は、地図上に現在地から目的地までの経路を付加したナビゲーション画像を制御部1に出力する。
【0018】
テレビチューナー4は、テレビ放送を受信するための装置であり、受信したテレビ画像を制御部1に出力する。
【0019】
DVDドライブ5は、DVDに収録された映像を再生するための装置であり、DVD画像を制御部1に出力する。
【0020】
デュアルビューディスプレイ6は、パララックスバリヤを表示画面の前面に配置し、異なる視野角方向に異なる画像を表示させることができるディスプレイであり、例えば、図2に示すように、運転席側から見ることができる運転席画像G2と助手席側から見ることができる助手席画像G1とを、1つのディスプレイ上で表示させることができる。
【0021】
なお、デュアルビューディスプレイ6の表示方式は、液晶ディスプレイ、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ等の何れの方式であってもよい。
【0022】
「視野角」とは、ディスプレイを斜め方向から見たときに表示画像を見ることができる角度範囲をいい、例えば、画面の中心に白と黒を表示させ白の輝度と黒の輝度との差(コントラスト比)が規定値を維持できる角度範囲をいう。視野角が150度であれば、ディスプレイ表面との角度が15度((180度−150度)/2)以上165度(180度−(180度−150度)/2)以下となる角度範囲からディスプレイを見た場合に表示画像が見えることを意味する。また、「視野角方向」とは、表示画像を見ることができる視野角の方向をいい、例えば、運転席方向であり、より具体的には、ディスプレイ表面との角度が15度から70度までの55度の角度範囲となる視野角の方向である。
【0023】
音声出力装置7は、音声を出力するための装置であり、好適には、音声出力方向を所定の方向に制限する指向性スピーカである。デュアルビューディスプレイ6により左右に振り分けられた画像のそれぞれに対応した音声を出力するためである。また、音声出力装置7は、図2に示すように、運転席用スピーカ7−2と助手席用スピーカ7−1とを含む複数のスピーカで構成されるものであってもよい。なお、音声出力装置7は、音声出力方向を制限しない無指向性スピーカであってもよい。
【0024】
入力装置8は、デュアルビューディスプレイ6に表示された画像に対する操作入力を行うための装置であり、例えば、タッチパネル、エスカッションスイッチ、ジョイスティック、リモコン等である。
【0025】
接近センサ9は、接近する物体の方向および距離を検出するセンサであり、例えば、入力装置8周辺に設置され、入力装置8に接近する物体(例えば、操作者の手)が接近してくる方向および接近センサ9と物体との間の距離を検出し制御部1に出力する。
【0026】
次に、制御部1が有する各種手段について説明する。
【0027】
発話手段10は、音声出力装置7により機械的な声を発生させる手段であり、例えば、デュアルビューディスプレイ6が運転席方向に表示する画像に対し運転者Dによる入力装置8を介した操作入力が行われた場合に、運転者Dによる操作入力の内容およびその結果を、機械的な声によって助手席搭乗者Pに知らせるようにする。同様に、発話手段10は、デュアルビューディスプレイ6が助手席方向に表示する画像に対し助手席搭乗者Pによる入力装置8を介した操作入力が行われた場合に、助手席搭乗者Pによる操作入力の内容およびその結果を、機械的な音声によって運転者Dに知らせるようにする。
【0028】
また、発話手段10は、運転席方向に対して声を発生させる場合と助手席方向に対して声を発生させる場合とで、声を変化させるようにしてもよい。例えば、運転者Dに対して男性の声を発生させ、一方で、助手席搭乗者Pに対して女性の声を発生させるようにして、誰に対する発話であるかを明確にすることができるからである。
【0029】
画像表示方向制御手段11は、デュアルビューディスプレイ6において、撮影装置2、カーナビゲーションシステム3、テレビチューナー4、DVDドライブ5等の複数のデータソースから出力される画像を視野角方向毎に振り分けて表示させる場合に何れの視野角方向に何れの画像を表示させるかを制御する手段であり、例えば、撮影装置2によって撮影された画像、ナビゲーション画像、ディスプレイの輝度や色調を調整するためのオンスクリーン画面は運転席側から見ることができるようにし、テレビ画像やDVD画像は助手席側から見ることができるようにする。
【0030】
また、画像表示方向制御手段11は、入力装置8を介した運転者Dまたは助手席搭乗者Pによる操作入力に応じて運転者Dまたは助手席搭乗者Pが望む画像を運転席方向または助手席方向にそれぞれ表示させるが、車両が走行している場合には、テレビ画像およびDVD画像の運転席方向への表示を禁止する。運転者Dが運転に集中できるようにするためである。
【0031】
また、画像表示方向制御手段11は、車両がETC(Electronic Toll Collection system)ゲートを通過する場合の通行料金に関する画像、車両がVICS(Vehicle Information and Communication System)による渋滞情報や気象情報を受信した場合の渋滞情報や気象情報に関する画像、撮影装置2で運転者Dの死角となるような場所を撮影した画像、クリアランスソナーで周囲を走行する車両に接近したことを検出した場合の警告画像、または、燃料消費率や燃料残量の異常状態を検出した場合の警告画像等の所定のタイミングで割り込んでくる画像を何れの視野角方向に表示させるかを制御する。
【0032】
例えば、画像表示方向制御手段11は、運転席方向および助手席方向にどのような画像を表示させている場合であっても、通行料金、渋滞情報、気象情報等に関する画像を既に表示させている画像に割り込ませて表示させるようにしてもよい。これら画像は、所定の状況下でのみ必要な画像であり、操作入力によって手動で切り替えて表示させるようにすると操作者の利便性を低下させてしまう場合があるからである。
【0033】
或いは、助手席方向にDVD画像またはテレビ画像を表示させている場合には、運転席方向にのみ通行料金、渋滞情報、気象情報等に関する画像を割り込ませて表示させるようにし、助手席方向に表示させているDVD画像またはテレビ画像を中断させないようにしてもよい。これにより、車載表示システム100は、助手席搭乗者Pの快適性を向上させることができる。
【0034】
なお、運転者Dまたは助手席搭乗者Pは、何れの画像をどのような場合に表示させるか、割り込ませるか、或いは、表示を禁止するかを制御部1のNVRAM等に登録するようにしてもよい。
【0035】
音声出力方向制御手段12は、デュアルビューディスプレイ6により複数のデータソースから出力される画像を視野角方向毎に異ならせて表示させる場合に、各視野角方向に表示される画像に対応した音声を対応する視野角方向に出力するために音声出力装置7による音声の出力方向を制御する手段であり、例えば、運転席方向にナビゲーション画像を表示させ、助手席方向にテレビ画像を表示させた場合に、運転席方向にはナビゲーション画像に対応した音声を出力させ、助手席方向にはテレビ画像に対応した音声を出力させる。
【0036】
音声出力方向制御手段12は、音声の出力方向を制御するために、1または複数の指向性スピーカを用いてもよく、或いは、スピーカを運転席側および助手席側にそれぞれ配置し、運転席方向にナビゲーション画像を表示させ、助手席方向にテレビ画像を表示させた場合に、運転席側にあるスピーカからナビゲーション画像に対応した音声を出力させ、助手席側にあるスピーカからテレビ画像に対応した音声を出力させてもよい。運転席側への音声と助手席側への音声を混同させないようにするためである。
【0037】
操作者判定手段13は、デュアルビューディスプレイ6に対する操作入力が運転者Dまたは助手席搭乗者Pの何れの操作者によるものかを判定する手段であり、例えば、入力装置8の周辺に設置された接近センサ9の出力に基づいて入力装置8を操作した操作者の手が何れの方向から接近したかを検出し、その検出された方向に位置する操作者による操作入力であると判定する。
【0038】
制御部1は、操作者判定手段13により操作入力が助手席搭乗者Pによるものであると判定された場合に、画像表示方向制御手段11により助手席方向に表示された画像に対する操作入力が行われたものとして入力装置8による操作入力に応じた処理を実行する。
【0039】
次に、デュアルビューディスプレイ6において一方の画像を見ている者による操作入力の内容を他方の画像を見ている者に音声で知らせる処理の流れについて説明する。
【0040】
図3は、デュアルビューディスプレイ6において目的地設定画面を見ている助手席搭乗者Pによる操作入力の内容を、ナビゲーション画像を見ている運転者Dに音声で知らせる処理の流れを示すフローチャートである。また、図4は、デュアルビューディスプレイ6の何れかの視野角方向に表示される画面例を示す図である。
【0041】
最初に、車載表示システム100は、車両走行中におけるデュアルビューディスプレイ6の状態として、画像表示方向制御手段11により運転席方向にナビゲーション画像を表示させ、助手席方向に目的地設定画面を表示させる(ステップS1)。
【0042】
目的地設定画面は、目的地の設定をどのように行うか選択させるための画面であり、図4(A)に示すように、50音ボタン20、施設ボタン21、住所ボタン22、電話番号ボタン23、郵便番号ボタン24およびマップコードボタン25を有し、車両走行中は助手席搭乗者Pによる操作入力のみを受け付ける。また、デュアルビューディスプレイ6の表面にはタッチパネルが配置されており、目的地設定画面に対する操作入力は、タッチパネルを押下することにより行われる。
【0043】
目的地設定画面に対する操作入力が行われると、車載表示システム100は、操作者判定手段13により操作入力を行った操作者を判定する(ステップS2)。車載表示システム100は、デュアルビューディスプレイ6の表面に設置された接近センサ9からの信号に基づいて操作者を判定する。
【0044】
助手席搭乗者Pによる操作入力であると判定された場合(ステップS2の助手席搭乗者)、車載表示システム100は、発話手段10により助手席搭乗者Pによる操作入力の内容を音声で運転者Dに伝えるようにする(ステップS3)。なお、車載表示システム100は、車両走行中、デュアルビューディスプレイ6の目的地設定画面に対する運転者Dによる操作入力を制限するので、車両走行中に行われた目的地設定画面に対する操作入力は全て助手席搭乗者Pによるものとして、操作者判定手段13により操作者を判定することなく、操作入力の内容を音声で運転者Dに伝えるようにしてもよい。この場合、操作者判定手段13による判定を省略でき、車載表示システム100の簡略化と処理の高速化を図ることができる。
【0045】
一方、運転者Dによる操作入力であると判定された場合(ステップS2の運転者)、車載表示システム100は、発話手段10により運転者Dによる操作入力の内容を音声で助手席搭乗者Pに伝えるようにする(ステップS4)。
【0046】
例えば、車載表示システム100は、助手席搭乗者Pによる電話番号入力に基づく目的地の設定に関する一連の操作入力の内容を発話手段10により運転者Dに知らせるようにする。
【0047】
助手席搭乗者Pは、電話番号に基づいて目的地の設定を行うために、目的地設定画面の電話番号ボタン23を押下し、電話番号入力画面(図4(B)参照。)を表示させる。このとき、車載表示システム100は、発話手段10により“電話番号で目的地を設定します。”という音声メッセージを運転席用スピーカ7−2から出力させる。同様に、車載表示システム100は、50音ボタン20が押下された場合に、発話手段10により“50音入力で目的地を設定します。”といった音声メッセージを運転席用スピーカ7−2から出力させ、電話をかけるためのボタンやVICS情報を受信するためのボタンが押下された場合に、それぞれ、“電話をかけます。”、“VICS情報を受信します。”といった音声メッセージを運転席用スピーカ7−2から出力させる。
【0048】
なお、発話手段10は、制御部1のNVRAMに記憶され、押下されたボタン(この場合、電話番号ボタン23)と音声メッセージファイルとを一対一で対応させた対応テーブルおよびWAVEやmp3等の所定フォーマットで形成された音声メッセージファイルに基づいて発話してもよく、押下されたボタンに関連付けられたメッセージのテキストファイルおよびテキスト読み上げソフトウェアに基づいて発話してもよい。
【0049】
電話番号入力画面は、電話番号の入力を受け付けるための画面であり、図4(B)に示すように、テンキーボタン30、電話番号表示部31、確定ボタン32およびクリアボタン33を有し、車両走行中は助手席搭乗者Pによる操作入力のみを受け付ける。
【0050】
テンキーボタン30が助手席搭乗者Pにより押下されると、車載表示システム100は、発話手段10により“ゼロ”、“ゴ”、“ロク”、“ゴ”というように押下されたボタンに対応する数字を運転席用スピーカ7−2から出力させ、その番号を電話番号表示領域31に表示させる。全ての番号が入力され、確定ボタン32が助手席搭乗者Pにより押下されると、車載表示システム100は、目的地の検索を開始し、その検索結果を“トヨタ自動車○○工場が検索されました。”といった音声メッセージで運転席用スピーカ7−2から出力させる。
【0051】
この構成により、車載表示システム100は、運転席方向および助手席方向にそれぞれ別の画像を表示させるデュアルビュー機能を備えながら、一方の画像に対する操作入力の内容や操作入力の結果を他方の画像を見ている者に発話して知らせることができるので、運転者Dおよび助手席搭乗者Pは、それぞれが行った操作入力の内容やその操作入力の結果を相互に把握することができる。
【0052】
また、車載表示システム100は、一方の画像に対する操作入力の内容や操作入力の結果を他方の画像を見ている者に発話して知らせることができるので、運転者Dおよび助手席搭乗者Pは、相手が誤った操作入力を行った場合に、その誤りを指摘することができる。
【0053】
また、車載表示システム100は、一方の画像に対する操作入力の内容や操作入力の結果を他方の画像を見ている者に発話して知らせることができるので、運転者Dは、デュアルビューディスプレイ6を注視することなく助手席搭乗者Pによる操作入力の内容や操作入力の結果を把握でき、操作入力に誤りがある場合にはその誤りを指摘することができる。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0055】
例えば、上述の実施例では、一方の画面に対する操作入力の内容およびその操作入力の結果を他方の画面を見ている者に音声で知らせるようにするが、操作入力の結果には、例えば、表示された画面の内容(画面の用途、画面の機能、選択できる全てのボタン等)、その画面内に表示される項目(検索結果が表示された場合には検索された全ての項目)が含まれるものとし、発話手段10は、所定の順番(例えば、画面の用途、検索結果、選択できるボタンの順)でこれら操作入力の結果を読み上げるようにする。これにより、車載表示システム100は、一方の画面に表示された内容を他方の画面を見ている操作者に詳細に知らせることができ、一方の画面を見ておらず他方の画面のみを見ている操作者をして一方の画面の内容を明確に理解させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る車載表示システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る車載表示システムの使用例を示す図である。
【図3】デュアルビューディスプレイにおいて目的地設定画面を見ている助手席搭乗者による操作入力の内容を運転者に音声で知らせる処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】デュアルビューディスプレイにより助手席方向に表示される画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1 制御部
2 撮影装置
3 カーナビゲーションシステム
4 テレビチューナー
5 DVDドライブ
6 デュアルビューディスプレイ
7 音声出力装置
7−1 助手席用スピーカ
7−2 運転席用スピーカ
8 入力装置
9 接近センサ
10 発話手段
11 画像表示方向制御手段
12 音声出力方向制御手段
13 操作者判定手段
20〜25、32、33 操作ボタン
30 テンキー
31 電話番号表示領域
100 車載表示システム
D 運転者
G1 助手席画像
G2 運転席画像
P 助手席搭乗者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の視野角方向から見ることができる第1の画像と他方の視野角方向から見ることができる第2の画像とを一つの画面に表示させる表示手段を有する車載表示システムであって、
前記一方の視野角方向にいる者による前記第1の画像に対する操作入力の内容または結果を前記他方の視野角方向にいる者に発話する発話手段、
を備えることを特徴とする車載表示システム。
【請求項2】
前記操作入力が何れの視野角方向にいる者による操作入力であるかを判定する操作者判定手段を備え、
前記発話手段は、前記一方の視野角方向にいる者による操作入力であると判定された場合に、該操作入力の内容または結果を前記他方の視野角方向にいる者に発話する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車載表示システム。
【請求項3】
前記発話手段は、前記他方の視野角方向にいる者による前記第2の画像に対する操作入力が制限される場合に、画像に対する操作入力があったとき、該操作入力を前記第1の画像に対する操作入力として、該操作入力の内容および結果を前記他方の視野角方向にいる者に発話する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の車載表示システム。
【請求項4】
前記発話手段は、発話する方向に応じて声を変化させる、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の車載表示システム。
【請求項5】
画像の内容に基づいて該画像を表示させる視野角方向を制御する画像表示方向制御手段、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の車載表示システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−283967(P2007−283967A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115623(P2006−115623)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】