説明

送受信モジュール

【課題】従来と比して著しく小型化した送受信モジュールを提供する。
【解決手段】送受信モジュールは、半導体レーザ11、回折格子カプラ13a、及び受光素子15を具えている。半導体レーザと回折格子カプラとの間を結ぶ第1光軸14を含む平面を第1平面16とするとき、受光素子と、送受信モジュール外の外部光学系17とを回折格子カプラを経て結ぶ第2光軸20が、第1平面と交差している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、送受信モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来周知の通り、光加入者系システムでは、加入者から局への光伝送、すなわち上り伝送、及び局から加入者への光伝送、すなわち下り伝送が一本の光ファイバによって行われる。そのため、上り伝送と下り伝送とでは異なる波長の光が使用される。従って、加入者系では、光の送受信を行う送受信モジュールは、異なる波長の光を合波及び分岐するための合分波素子を具える必要がある。
【0003】
加入者側に用いられる送受信モジュールは、ONU(Optical Network Unit)と呼ばれる。現在用いられている多くのONUは、例えば空間光学的に光軸を合わせた波長フィルタ、フォトダイオード(以下、PDとも称する)、及びレーザーダイオード(以下、LDとも称する)から構成されている。また、更に光導波路を設けることによって、光軸合わせを不要としたONUも知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平8−163028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これら従来のONUは、サイズが大きいという問題点があった。この発明は、このような問題点に鑑みてなされたものである。
【0005】
この発明の目的は、従来と比して著しく小型化した送受信モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的の達成を図るため、この発明によれば、送受信モジュールは以下の特徴を有している。
【0007】
すなわち、この発明による送受信モジュールは、半導体レーザ、回折格子カプラ、及び受光素子を具えている。
【0008】
そして、この発明による送受信モジュールは、半導体レーザと回折格子カプラとの間を結ぶ第1光軸を含む平面を第1平面とするとき、受光素子と、送受信モジュール外の外部光学系とを回折格子カプラを経て結ぶ第2光軸が、第1平面と交差している。
【発明の効果】
【0009】
上述した技術的特徴を具えることによって、この発明の送受信モジュールでは、半導体レーザ及び回折格子カプラが第1平面に沿って設けられている。そして、受光素子は、この第1平面から外れて設けられている。従って、受光素子を、回折格子カプラを挟んで外部光学系と対向させて配設することによって、送受信モジュールの平面形状、すなわち上述した第1平面に沿った平面形状を縮小することができる。その結果、この発明に係る構成では、送受信モジュールを小型化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る送受信モジュールについて説明する。なお、各図は、この発明が理解できる程度に、各構成要素の形状、大きさ、及び配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。従って、この発明の構成は、何ら図示の構成例にのみ限定されるものではない。
【0011】
〈第1の実施の形態〉
第1の実施の形態では、半導体レーザ、回折格子カプラ、及び受光素子を具える送受信モジュールについて説明する。
【0012】
図1(A)及び(B)は、この発明の第1の実施の形態による送受信モジュールの要部を概略的に表した図である。そして、図1(B)は、図1(A)に示す構造体について、半導体レーザと回折格子カプラとを結ぶ光軸に沿って、基板の厚み方向に切り取った断面を示す図である。
【0013】
なお、第1の実施の形態による送受信モジュールは、この送受信モジュールから出力される上り光信号、及びこの送受信モジュールに入力される下り光信号の伝送を行う外部光学系とともに利用される。そして、この送受信モジュールの少なくとも上り及び下り光信号の通過する領域は、これら光信号に対して透明な領域として形成されている。また、第1の実施の形態において回折格子カプラは、クラッド層に埋め込まれて設けられる。なお、図1(A)では、第1の実施の形態に係る特徴部分を明瞭に示すために外部光学系及びクラッド層の図示を省略している。
【0014】
第1の実施の形態による送受信モジュールは、半導体レーザ11、回折格子カプラ13a、及び受光素子15を具えている。
【0015】
半導体レーザ11は、送受信モジュールにおいて、上り光信号12を送信する送信機として機能する。この実施の形態では、上り光信号12の波長、すなわち第1波長を例えば約1.31μmとするのが好ましい。
【0016】
また、回折格子カプラ13aは、複数の格子溝が形成された平面型導波路であり、半導体レーザ11から出力された上り光信号12を回折し、外部光学系17に対して出力するために設けられている。
【0017】
また、受光素子15は、例えば周知のフォトダイオードであり、外部光学系17から送受信モジュールに入力される、第1波長とは異なる第2波長の下り光信号18を受光する受光器として機能する。この実施の形態では、下り光信号18の波長、すなわち第2波長を例えば約1.49μmとするのが好ましい。
【0018】
また、この第1の実施の形態による送受信モジュールでは、半導体レーザ11及び回折格子カプラ13a間に、この回折格子カプラ13aと一体的に形成された光導波路部19aを具えている。光導波路部19aは、半導体レーザ11から出力された上り光信号12を回折格子カプラ13aへ伝播させるために一直線状に沿って設けられている。
【0019】
第1の実施の形態では、好ましくは、光導波路部19aは、第1テーパ部29、接続導波路部31、及び第2テーパ部33が、半導体レーザ11から回折格子カプラ13aへ向かってこの順に、一体的に形成されて構成されている。そして、これら第1テーパ部29、接続導波路部31、及び第2テーパ部33を含む光導波路部19aと、回折格子カプラ13aとは、半導体レーザ11と回折格子カプラ13aとの間を結ぶ上り光信号12の光路の中心を通る光軸、すなわち第1光軸14を含む平面、すなわち後述する下地23の平坦な表面23aと平行な第1平面16に沿って形成されている。さらに、光導波路部19a及び回折格子カプラ13aは、第1平面16を上側から平面的に見たとき、第1光軸14を対称軸として、線対称の平面形状で形成されている。なお、平面形状とは第1平面16に沿った平面形状を意味する。そして、以下、第1平面16に沿った平面を単に平面、また、第1平面16に沿った平面形状を単に平面形状と称することもある。
【0020】
これら半導体レーザ11、光導波路部19a、及び回折格子カプラ13aは、同一の基板21aに設けられている。すなわち、基板21aは、単結晶Siによって構成されている下地23、及びこの下地23上に積層され、かつSiOによって構成されているクラッド層25から構成されている。そして、光導波路部19a及び回折格子カプラ13aは、下地23の表面23aに平行な平面型光導波路層として、クラッド層25内にSiを材料として埋め込まれている。この実施の形態において、光導波路部19a、及び回折格子カプラ13aを構成するSiの屈折率は3.5であり、また、クラッド層25を構成するSiOの屈折率(1.46)よりも大きく設定されている。このような構成とすることによって、上り光信号12は、コアとして機能する光導波路部19aを経て、回折格子カプラ13aに伝播される。
【0021】
また、基板21aには、この基板21aの厚み方向に垂直な表面、すなわち基板面21aaから部分的にクラッド層25が除去された領域部分として、凹部27が形成されている。この凹部27は、基板面21aaに沿った平面形状が矩形で形成されている。第1の実施の形態による送受信機では、半導体レーザ11は、この凹部27内に設けられている。そして、半導体レーザ11は、凹部27の1つの内側壁面27aに対して上り光信号12を出力し、この上り光信号12を光導波路部19aに入力する。
【0022】
また、この第1の実施の形態では、半導体レーザ11から出力された上り光信号12が、内側壁面27aによって反射されるのを防止するために、上り光信号12が、垂直な入射角で内側壁面27aに入射しない構成とする。そのために、この第1の実施の形態では、内側壁面27aと第1平面16とのなす角θ1を、垂直から若干傾斜させて設計するのが好ましい。
【0023】
ここで、半導体レーザ11から出力される上り光信号12は、下地23に平行な平面型導波路として形成されている光導波路部19a内を伝播する。従って、上り光信号12は、下地23の表面23aに平行な電界成分を有するTE偏波光である。また、既に説明したように、光導波路部19a及び回折格子カプラ13aは、第1光軸14を含む第1平面16に沿って形成されている。従って、上り光信号12は、第1平面16に沿って光導波路部19a内を伝播し、回折格子カプラ13aによって回折される。そして、第1平面16は、下地23の表面23aに平行な平面として設定される。
【0024】
また、この第1の実施の形態では、半導体レーザ11から出力された上り光信号12は、第1テーパ部29の入力端29aから光導波路部19aに入力される。そのために、入力端29aは、第1光軸14と一致して、半導体レーザ11と対向して設けられている。
【0025】
また、第1テーパ部29は、入力端29aから接続導波路部31との境界35に向かって、第1光軸14及び基板21aの厚み方向に直交する幅、すなわち図中に矢印で示した基板21aの短手方向(以下、単に短手方向とも称する)26に沿った幅が徐々に幅広となる平面形状で形成されている。その結果、第1テーパ部29は、光界分布を接続導波路部31の幅W1に対応させるためのスポットサイズ変換器として機能する。
【0026】
また、第2テーパ部33は、接続導波路部31を経た上り光信号12の光界分布を回折格子カプラ13aの短手方向26に沿った幅W2に対応させるために設けられている。そのために、第2テーパ部33は、接続導波路部31との境界37から回折格子カプラ13aとの境界39に向かって、短手方向26に沿った幅が徐々に幅広となる平面形状で形成されている。
【0027】
そして、この第1の実施の形態では、これら一体的な第1テーパ部29、接続導波路部31、及び第2テーパ部33から構成される光導波路部19aの厚みを0.3μmとするのが好ましい。
【0028】
このような構成とすることによって、半導体レーザ11から出力された上り光信号12は、半導体レーザ11と回折格子カプラ13aとの間を結ぶ第1光軸14を含む第1平面16に沿って、光導波路部19aから回折格子カプラ13aに伝播される。
【0029】
回折格子カプラ13aは、矩形の平面形状で形成されている。そして、上述したように第1平面16に沿って形成された平面型導波路であり、かつ基板21aの厚み方向に穿たれた格子溝が、上り光信号12の光軸方向、すなわち図中に矢印で示した第1光軸方向24に沿って連続的に複数形成されている。
【0030】
第1の実施の形態による送受信モジュールでは、このように形成されている回折格子カプラ13aによって上り光信号12を回折する。そして、回折された上り光信号12は、回折光22として第1平面16から外れた方向へ出力される。なお、第1平面16から外れた方向へ上り光信号12を回折するための具体的な回折格子カプラ13aの構造については、その詳細を後述する。
【0031】
また、第1の実施の形態では、光導波路部19a及び回折格子カプラ13aを、上述した構成で基板21aに作り込むに当たり、例えば周知のSOI基板を用いることによって、容易に上述の構造を形成することができる。すなわち、まず、単結晶Si層、SiO膜、及びSi膜がこの順に積層されて構成されたSOI基板を用意する。そして、周知のエッチング技術を用いてSi膜を部分的に除去することによって、このSi膜の残存部分から、上述した平面形状の光導波路部19a及び回折格子カプラ13aを形成する。しかる後、SOI基板全面に、光導波路部19a及び回折格子カプラ13aを埋め込んでSiO膜を堆積する。これによって、上述したように、SiOで構成されたクラッド層25内に、一体的な光導波路部19a及び回折格子カプラ13aが作りこまれた基板21aを形成することができる。
【0032】
この第1の実施の形態による送受信モジュールは、送受信モジュール外の外部光学系17によって、例えば局等の外部の送受信機と光信号の送受信を行う。そのために、送受信モジュールから光信号を送信する場合には、回折格子カプラ13aによって回折された上り光信号12、すなわち回折光22を外部光学系17に入力する。そこで、この第1の実施の形態による送受信モジュールでは、回折格子カプラ13aと、外部光学系17の光信号の入出射面17aとが対向して配置されている。
【0033】
外部光学系17は、例えば周知の光ファイバ等とするのが好適である。第1の実施の形態では、外部光学系17として光ファイバを用いた構成例について説明する。光ファイバ17は、光信号が伝播するコア41と、このコア41の外周を囲んで形成されており、かつコア41より屈折率が小さいクラッド43とを具えている。そして、コア41を伝播する光信号の入出力端、すなわち入出射面17aが、回折格子カプラ13aの回折光22を出力する面、すなわち第1平面16に沿った表面13aaと対向している。さらに、入出射面17aと回折格子カプラ13aの表面13aaとは、同程度の面積で形成されている。
【0034】
このように光ファイバ17及び回折格子カプラ13aを配置することによって、回折格子カプラ13aによって回折された上り光信号12、すなわち回折光22は、光ファイバ17に入力される。
【0035】
ここで、回折格子カプラ13aによって回折される上り光信号12は、既に説明したように第1平面16に沿ったTE偏波光である。従って、回折格子カプラ13aによって回折された上り光信号12の回折光22は、第1平面16を対称面として、基板21aの厚み方向の双方に対称的に出力される。すなわち、回折光22は、回折格子カプラ13aの表面13aa、及びこの表面13aaに対向する裏面13abの両側に出力される。従って、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、基板面21aa、または基板の裏面21ab、すなわち基板21aの基板面21aaに対向する面のいずれの側に光ファイバ17を配置し、回折格子カプラ13aと対向させてもよい。なお、図1(B)では、光ファイバ17の入出射面17aを、基板面21aa側から回折格子カプラ13aの表面13aaと対向させた構成例を示している。また、図2に光ファイバ17の入出射面17aを、基板21aの裏面21ab側から回折格子カプラ13aの裏面13abと対向させた構成例を示す。なお、図2は、図1(B)と同様に、図1(A)に示す構造体について、半導体レーザ11から出力される上り光信号12の光軸に沿って、基板21aの厚み方向に切り取った断面を示す図である。入出射面17aと回折格子カプラ13aの裏面13abとを対向して配置する場合には、入出射面17aを含む光ファイバ17の先端部を、裏面21ab側から基板21aに埋め込むのが好ましい(図2参照)。これによって、光ファイバ17を送受信モジュールに固定することができる。
【0036】
また、この第1の実施の形態では、回折格子カプラ13aから出力された回折光22が、光ファイバ17の入出射面17aによって反射されるのを防止するために、入出射面17aと回折光22の光軸とのなす角θ2を、垂直から若干傾斜させるのが好ましい。
【0037】
また、光ファイバ17から出力される下り光信号18は、受光素子15に受光されることによって、送受信モジュールに入力、すなわち受信される。そのために、受光素子15は、受光面15aが光ファイバ17から出力される下り光信号18を受光する位置に設けられている、そして、光ファイバ17の入出斜面17aの中心と、受光素子15の受光面15aとを結ぶ直線を光軸、すなわち第2光軸20とする。従って、第2光軸20は、下り光信号18の光路の中心軸でもある。そして、この実施の形態による送受信モジュールでは、素子の小型化を図るために、回折格子カプラ13aと受光素子15とが、基板21aの厚み方向において重なる構成とするのが好ましい。すなわち、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、受光素子15を、この受光素子15と光ファイバ17とを結ぶ第2光軸20が、回折格子カプラ13aを経て第1平面16と交差する配置で設ける。このように、回折格子カプラ13aと受光素子15とを重ねて配置することによって、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、素子の平面的な面積、すなわち第1平面16に沿った平面的な広がり面積を縮小することができる。
【0038】
また、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、上述の配置であれば、受光素子15を、下地23の表面23a、すなわちクラッド層25が形成されている側の面、または下地23の裏面23b、すなわち基板21aの裏面21abのいずれの側に設けてもよい。なお、図1(B)では、受光素子15を下地23の裏面23b側から、下地23に埋め込んで設けた構成例を示している。また、光ファイバ17を基板21aの裏面21ab側に配置した場合には、受光素子15を下地23の表面23a側に設ける(図2参照)。
【0039】
また、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、回折格子カプラ13aと受光素子15との間であって、第2光軸20と交差する位置に、周知の波長フィルタ51を設けるのが好ましい。波長フィルタ51は、例えば誘電体多層膜によって構成されおり、下り光信号18の波長、すなわち第2波長以外の波長の光に対しては不透明な、すなわち当該光を遮断する領域として設けられる。なお、図1(B)では、波長フィルタ51を下地23の表面23aに形成した構成例を示している。また、図2では、波長フィルタ51を基板面21aaに形成した構成例を示している。
【0040】
上述したように、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、受光素子15と、外部光学系である光ファイバ17とを、回折格子カプラ13aを経て結ぶ第2光軸20が第1平面16と交差した構成となっている。また、上述したように、上り光信号12は、回折格子カプラ13aに回折され、回折光22として第1平面16から外れた方向へ出力されることによって、光ファイバ17に入力される。従って、この実施の形態による送受信モジュールでは、回折格子カプラ13aは、上り光信号12を回折し、かつ下り光信号18を透過させる構造として形成する。以下、図3を参照してこの実施の形態における回折格子カプラ13aについて説明する。
【0041】
図3は、図1(A)、図1(B)、及び図2に示した回折格子カプラ13aの拡大図であり、図1(B)及び図2と同様に、図1(A)に示す構造体について、半導体レーザ11から出力される上り光信号12の光軸に沿って、基板21aの厚み方向に切り取った断面を示す図である。
【0042】
回折格子カプラ13aは、既に説明したように、第1平面16に沿って形成された平面型導波路に、基板21aの厚み方向に穿たれた格子溝45が、第1光軸方向24に沿って連続的に複数形成されている。
【0043】
各格子溝45は、第1光軸14に沿って基板21aの厚み方向に切り取った断面形状が矩形に穿たれている。そして、これら格子溝45は、上り光信号12の波長である第1波長の光を選択的に回折し、かつ下り光信号18の波長である第2波長の光を回折せずに透過するように設計されている。すなわち、第1の実施の形態では、回折格子カプラ13aのコア部分、すなわち回折格子カプラ13aの底面13acから格子溝45の内側底面45aまでの厚みTを0.162μm、格子溝45の高さHを0.1μm、格子溝45の周期Dを0.48μmとするのが好ましい。また、デューティ比、すなわち周期Dに対する、格子溝45の第1光軸14に沿った長さLの割合を60%とするのが好ましい。
【0044】
このように、回折格子カプラ13aを設計することによって、回折格子カプラ13aは上り光信号12を選択的に回折するブラッグ反射型の回折格子として機能し、かつ下り光信号18を透過させる。
【0045】
以上、説明したように、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、半導体レーザ11及び回折格子カプラ13aが第1平面16に沿って設けられている。そして、受光素子15は、この第1平面16から外れて設けられている。従って、受光素子15を、回折格子カプラ13aを挟んで光ファイバ17と、基板21aの厚み方向に重ねて配設することによって、送受信モジュールの平面形状を縮小することができる。その結果、第1の実施の形態による構造を採用することによって、送受信モジュールを小型化することができる。
【0046】
また、第1の実施の形態では、上述した構成とすることによって、一体的な回折格子カプラ13a及び光導波路部19aの、第1光軸方向24に沿った長さが100μm以下に設計された送受信モジュールを提供することができる。より具体的には、第1の実施の形態では、第1光軸方向24に沿って第1テーパ部29を15μm、接続導波路部31を10μm、第2テーパ部33を50μm、回折格子カプラ13aを10μmの長さとするのが好ましい。また、接続導波路部31の短手方向に沿った幅W1を0.3μmの、回折格子カプラ13aの短手方向に沿った幅W2を10μmとするのが好ましい。
【0047】
ここで、発明者らは、第1の実施の形態による送受信モジュールの特性を評価するために、FDTD(Finite Difference Time Domain)法を用いてシミュレーションを行った。このシミュレーションでは、図1(A)及び(B)の構成例における送受信モジュールにおいて、光ファイバ17の入出射面17aの位置を光源とし、この光源から出力された光が、半導体レーザ11及び受光素子15の位置にどの程度の強度で入力されるかを計算した。なお、このシミュレーションでは、光源から出力される光の光強度を1とする。
【0048】
図4は、図1(A)及び(B)を参照して説明した第1の実施の形態による送受信モジュールの特性を評価する図である。図4において、横軸は、波長をμm単位で目盛ってある。また、図4において、縦軸は、光強度をa.u.単位で目盛ってある。
【0049】
また、図4における曲線47は、光源から出力され半導体レーザ11の位置に入力される光の光強度と、この光の波長との関係を示している。そして、この光の光路、すなわち伝播経路は、半導体レーザ11から出力され光ファイバ17に入力される上り光信号12の伝播経路と同じである。なお、実際に送受信モジュールを使用する際には、上り光信号12は半導体レーザ11から出力され光ファイバ17に入力される。しかし、光の伝播は可逆であるため、曲線47の結果から、上り光信号12が光ファイバ17に入力される際の光強度を確認することができる。なお、光強度の値が、1を超えている波長帯がある。これは、このシミュレーションにおける光が、第1テーパ部29及び第2テーパ部33を、幅広な側から幅狭な側へと伝播することによって光が圧縮されるためである。
【0050】
また、図4における曲線49は、光源から出力され受光素子15の位置に入力される光の光強度と、この光の波長との関係を示している。そして、この光の伝播経路は、光ファイバ17から出力され受光素子15に入力される下り光信号18の伝播経路と同じである。従って、曲線49の結果から、下り光信号18が受光素子15に入力される際の光強度を確認することができる。
【0051】
曲線47の結果から、上り光信号12の伝播経路では、光の波長が約1.3μmであるときに、光強度が最大となっていることがわかる。既に説明したように、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、上り光信号12の波長、すなわち第1波長は約1.31μmである。従って、この結果から、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、回折格子カプラ13aが選択的に第1波長の上り光信号12を回折しており、上り光信号12の伝播経路が成立していることが確認できる。また、曲線49の結果から、波長が約1.3μmの光が、約0.4の光強度で受光素子15の位置に入力されている。既に説明したように、このシミュレーションでは、光源から出力される光の光強度を1としているため、この結果から、光源から回折格子カプラ13aに入力された光は、約1.3μmの波長では、約40%が回折格子カプラ13aを透過していることがわかる。従って、回折格子カプラ13aの回折効率は約60%であり、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、この回折格子カプラ13aによって、効率よく上り光信号12が回折されることがわかる。
【0052】
また、曲線49の結果から、下り光信号18の伝播経路では、光の波長が約1.5μmであるときに、光強度が約0.8の値を示し、大きくなっていることがわかる。既に説明したように、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、下り光信号18の波長、すなわち第2波長は約1.49μmである。従って、この結果から、第1の実施の形態による送受信モジュールでは、回折格子カプラ13aは、第2波長の下り光信号18を確実に透過させており、下り光信号18の伝播経路が成立していることが確認できる。
【0053】
〈第2の実施の形態〉
第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同様に、半導体レーザ、回折格子カプラ、及び受光素子を具える送受信モジュールについて説明する。
【0054】
この第2の実施の形態による送受信モジュールが、上述した第1の実施の形態による送受信モジュールと相違するのは、半導体レーザの光導波層と回折格子カプラとが一体的に形成されている点である。その他の構成要素及び作用効果は、第1の実施の形態と同様であるので、共通する構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0055】
図5(A)及び(B)は、この発明の第2の実施の形態による送受信モジュールの要部を概略的に表した図である。そして、図5(B)は、図5(A)に示す構造体について、半導体レーザと回折格子カプラとを結ぶ光軸に沿って、基板の面に直交する方向に切り取った断面を示す図である。
【0056】
なお、第2の実施の形態による送受信モジュールは、上述した第1の実施の形態による送受信モジュールと同様に、送受信モジュールから出力される上り光信号12、及びこの送受信モジュールに入力される下り光信号18の伝送を行う外部光学系とともに利用される。また、半導体レーザの光導波層及び回折格子カプラの上側には、InPによって構成されている上層、及び電極が形成されている。しかし、図5(A)では、第2の実施の形態に係る特徴部分を明瞭に示すために外部光学系及び上層の図示を省略してある。
【0057】
第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態による送受信モジュールを更に小型化するために、第1の実施の形態においては、個別に設置していた半導体レーザを、基板、回折格子カプラ、及び光導波路部と一体的に形成する。
【0058】
そのために、第2の実施の形態では、基板21bとして、p型またはn型の第1導電型の不純物が導入されたInPによって構成されている下層53、及びこの下層53上に積層され、かつ第1導電型とは反対の導電型である第2導電型の不純物が導入されたInPによって構成されている上層55によって構成されている基板21bを用いる。ここで、p型の不純物とは、例えばB、Al等であり、また、n型の不純物とは、例えばP、As等である。
【0059】
そして、基板21bの下層53及び上層55間に埋め込まれて、光導波層57及び回折格子カプラ13bが、下層53の表面53aに平行な平面型光導波路層として一体的に形成されている。これら光導波層57及び回折格子カプラ13bは、InGaAsPを材料として構成されている。
【0060】
また、第2の実施の形態による送受信モジュールは、基板21bの厚み方向に垂直な表面、すなわち基板面21ba、及びこの基板面21baと対向する裏面21bbから、下層53及び上層55を介して光導波層57を挟み込む電極59及び61を具えている。
【0061】
このような構成とすることによって、第2の実施の形態による送受信モジュールでは、電極59及び61から基板21bに対してバイアスを印加した際に、素子全体が半導体レーザとして機能し、光導波層57から回折格子カプラ13bに上り光信号12が出力される。この第2の実施の形態における上り光信号12は、上述した第1の実施の形態と同様に、TE偏波光であり、下層53の表面53aに平行な電界成分を有している。そして、上述した第1の実施の形態と同様に、第1光軸14を含み、表面53aに平行な第1平面16に沿って、光導波層57から回折格子カプラ13bへと伝播する。
【0062】
また、第2の実施の形態による送受信モジュールでは、基板21bの、上り光信号12の光軸、すなわち第1光軸14に対向する両側側面21bc及び21bdに、半導体レーザの共振器としてミラー63及び65が設けられている。
【0063】
また、光導波層57は、出力部69とテーパ部71とから構成されている。テーパ部71によって、出力部69から出力された上り光信号12の光界分布を、回折格子カプラ13bの短手方向26に沿った幅W3に対応させる。このテーパ部69は、上述した第1の実施の形態における第2テーパ部33と同様に、出力部69との境界73から回折格子カプラ13bとの境界75に向かって、短手方向26に沿った幅が徐々に幅広となる平面形状で形成されている。
【0064】
そして、回折格子カプラ13bに入力された上り光信号12は、上述した第1の実施の形態と同様に、回折格子カプラ13bによって回折される。そして、この回折された上り光信号12は、回折光22として送受信モジュールの外部へ出力され、外部光学系17に入力される。
【0065】
そのために、回折格子カプラ13bは、上述した第1の実施の形態における回折格子カプラ13aと同様の構造で形成されている(図3参照)。従って、回折格子カプラ13bは、上り光信号12を選択的に回折し、かつ外部光学系17から出力され、受光素子15に入力される下り光信号18を回折せずに透過する。
【0066】
この第2の実施の形態による送受信モジュールでは、半導体レーザを基板21b及び回折格子カプラ13bと一体的に形成している。そのため、基板に独立した半導体レーザを設置する、第1の実施の形態による送受信モジュールと比して、より素子を小型化することができる。
【0067】
〈第1の変形例〉
第1の変形例では、上述した第1の実施の形態または第2の実施の形態において説明した回折格子カプラ13aまたは13bの構成(図3参照)を、上述した構成例から変更した送受信モジュールについて説明する。
【0068】
この第1の変形例による送受信モジュールでは、回折格子カプラの構成を、上述した第1の実施の形態または第2の実施の形態による送受信モジュールから変更する。それ以外の構成要素及び作用効果は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様であるので、共通する構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。そして、ここでは、上述した第1の実施の形態による送受信モジュールにこの第1の変形例を適用した場合の構成例について、図示するとともに説明する。以下の説明では、一部図1(B)を参照して説明する。
【0069】
図6は、この発明の第1の変形例による送受信モジュールの要部を概略的に表した平面図である。
【0070】
なお、第1の変形例による送受信モジュールは、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態による送受信モジュールと同様に、送受信モジュールから出力される上り光信号12、及びこの送受信モジュールに入力される下り光信号18の伝送を行う外部光学系とともに利用される。また、第1の変形例を、第1の実施の形態における送受信モジュールに適用した場合には、回折格子カプラは、クラッド層に埋め込まれて設けられる。しかし、図6では、第1の変形例に係る特徴部分を明瞭に示すために外部光学系及びクラッド層の図示を省略してある。
【0071】
この第1の変形例による送受信モジュールにおいて、回折格子カプラ13cは、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態における回折格子カプラ13a及び13bと同様に、第1平面16に沿って連続的に複数の格子溝77が形成された平面型導波路である。
【0072】
そして、この第1の変形例では、回折格子カプラ13cに集光作用を持たせる。すなわち、第1の変形例では、この回折格子カプラ13cからの上り光信号12の回折光22を、効率良く光ファイバ17、すなわち外部光学系17に入力するために、回折光22を入出射端17aに集光させる。
【0073】
各格子溝77の、第1光軸14に沿って基板21aの面に直交する方向に切り取った断面形状、及び寸法は、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態における格子溝45と同様とする。従って、この第1の変形例では、上述した第1の実施の形態及び第2の実施と同様に、上り光信号12の波長である第1波長の光を選択的に回折し、かつ下り光信号18の波長である第2波長の光を回折せずに透過するように設計されている。
【0074】
また、この第1の変形例では、各格子溝77の第1平面16に沿った平面形状を、弧形とする。さらに、各弧形の円心側77aから、各格子溝77に上り光信号12を入射させる。そして、この第1の変形例では、回折格子カプラ13cと光ファイバ17の入出射端17aとの相互の配置関係に応じて、回折光22が入出射端17aに効率良く集光される好適な曲率半径で、各格子溝77を湾曲させる。
【0075】
このように、この第1の変形例では、回折格子カプラ13cに設けられた格子溝77によって、回折光22を入出射端17aに効率良く集光する。その結果、この第1の変形例では、半導体レーザ11から出力された上り光信号12が、回折格子カプラ13cに入力される際に、上り光信号12の光界分布を、この回折格子カプラ13cの短手方向26に沿った幅W2に対応させる必要がない。従って、第1の変形例では、上述した第1の実施の形態における第1テーパ部29及び第2テーパ部33(図1参照)、または第2の実施の形態におけるテーパ部71に相当する構成を設ける必要がない。そのため、第1の変形例を、上述した第1の実施の形態による送受信モジュールに適用した場合には、光導波路部19bの短手方向26に沿った幅W4を、全面的に回折格子カプラ13cの短手方向26に沿った幅W2と同じ寸法とすることができる。また、第1の変形例を、上述した第2の実施の形態による送受信モジュールに適用した場合には、光導波層57(図5参照)の短手方向26に沿った幅を、全面的に回折格子カプラ13cの短手方向26に沿った幅W3と同じ寸法とすることができる。
【0076】
従って、この第1の変形例を適用した場合には、第1の実施の形態及び第2の実施の形態による送受信モジュールを製造する際に、第1テーパ部29及び第2テーパ部33、またはテーパ部71を形成するための工程を省略することができる。そのため、第1の変形例を適用することによって、第1の実施の形態及び第2の実施の形態による送受信モジュールを、さらに容易な製造プロセスで製造することができる。
【0077】
〈第2の変形例〉
第2の変形例では、
上述した第1の実施の形態または第2の実施の形態による送受信モジュールに、さらにレンズを設けた構成例について説明する。
【0078】
この第2の変形例による送受信モジュールに、レンズを設ける。それ以外の構成要素及び作用効果は、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様であるので、共通する構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。そして、ここでは、上述した第1の実施の形態による送受信モジュールにこの第2の変形例を適用した場合の構成例について、図示するとともに説明する。
【0079】
図7(A)及び(B)は、この発明の第2の変形例による送受信モジュールの要部を概略的に表した図である。そして、図7(B)は、図7(A)に示す構造体について、半導体レーザと回折格子カプラとを結ぶ光軸に沿って、基板の基板面に直交する厚み方向に切り取った断面を示す図である。
【0080】
なお、第2の変形例による送受信モジュールは、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態による送受信モジュールと同様に、送受信モジュールから出力される上り光信号12、及びこの送受信モジュールに入力される下り光信号18の伝送を行う外部光学系とともに利用される。また、第2の変形例を、第1の実施の形態における送受信モジュールに適用した場合には、回折格子カプラは、クラッド層に埋め込まれて設けられる。しかし、図7(A)では、第2の変形例に係る特徴部分を明瞭に示すために外部光学系及びクラッド層の図示を省略してある。
【0081】
この第2の変形例では、回折格子カプラ13aから出力される回折光22を、レンズ79を用いて光ファイバ17、すなわち外部光学系17の入出射端17aに集光させる。
【0082】
そのために、この第2の変形例による送受信モジュールでは、レンズ79を、回折格子カプラ13aと光ファイバ17との間に、回折格子カプラ13aと対向させて配置する。そして、このレンズ79の第1平面16に沿った面積を、回折格子カプラ13aの第1平面16に沿った面積と同程度に設計する。これによって、第2の変形例による送受信モジュールでは、回折光22は、レンズ79を経ることによってコリメートされ、平行ビームとなって入出射端17aに効率良く入力される。なお、この第2の変形例では、回折光22の波長、すなわち上り光信号12の第1波長に対して最適化し、かつ回折格子カプラ13aと光ファイバ17の入出射端17aとの相互の配置関係に応じて、回折光22が入出射端17aに効率良く集光される好適な形状のレンズ79を設ける。
【0083】
なお、図7(B)では、基板21aの裏面21ab側に光ファイバ17を配置した場合において、基板21aの下地23を、裏面21abから部分的に除去することによって、レンズ79を下地23に作り込んだ構成例を示している。また、この第2の変形例では、図7(B)に示した構成例とは異なり、レンズ79として、単体のレンズを回折格子カプラ13aと光ファイバ17との間に設ける構成としてもよい(図示せず)。
【0084】
このように、この第2の変形例では、レンズ79によって、回折光22を入出射端17aに効率良く集光する。その結果、この第2の変形例では、半導体レーザ11から出力された上り光信号12が、回折格子カプラ13aに入力される際に、この上り光信号12の光界分布を、回折格子カプラ13aの短手方向26に沿った幅W2に対応させる必要がない(図1参照)。従って、第2の変形例では、第1の変形例と同様に、上述した第1の実施の形態における第1テーパ部29及び第2テーパ部33、または第2の実施の形態におけるテーパ部71に相当する構成を設ける必要がない。そのため、第2の変形例を、上述した第1の実施の形態による送受信モジュールに適用した場合には、光導波路部19cの短手方向26に沿った幅W6を、全面的に回折格子カプラ13aの短手方向26に沿った幅W2と同じ寸法とすることができる。また、第1の変形例を、上述した第2の実施の形態による送受信モジュールに適用した場合には、光導波層57(図5参照)の短手方向26に沿った幅を、全面的に回折格子カプラ13aの短手方向26に沿った幅W3と同じ寸法とすることができる。
【0085】
さらに、回折光22を入出射端17aに効率良く集光するに当たり、レンズ79を用いているため、上述した第1の変形例とは異なり、回折格子カプラ13aに形成する回折溝の第1平面16に沿った形状を、弧状とする必要がない。
【0086】
従って、この第2の変形例を適用した場合には、第1の実施の形態及び第2の実施の形態による送受信モジュールを製造する際に、第1テーパ部29及び第2テーパ部33、またはテーパ部71を形成するための工程を省略することができる。さらに、上述した第1の変形例とは異なり、回折格子カプラ13aの格子溝を弧状とする必要がない。そのため、第2の変形例を適用することによって、第1の実施の形態、第2の実施の形態、及び第1の変形例による送受信モジュールを、さらに容易な製造プロセスで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】(A)及び(B)は、この発明の第1の実施の形態による送受信モジュールの要部を概略的に表した図であり、(B)は、(A)に示す構造体について、半導体レーザから出力される上り光信号の光軸に沿って、基板の基板面に直交する方向に切り取った断面を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態による送受信モジュールの要部を概略的に表した図であり、図1(A)に示す構造体について、半導体レーザと回折格子カプラとを結ぶ光軸に沿って、基板の厚み方向に切り取った断面を示す図である。
【図3】この発明の第1の実施の形態による送受信モジュールの要部を概略的に表した図であり、回折格子カプラの拡大図である。
【図4】第1の実施の形態による送受信モジュールの特性を評価する図である。
【図5】(A)及び(B)は、この発明の第2の実施の形態による送受信モジュールの要部を概略的に表した図であり、(B)は、(A)に示す構造体について、半導体レーザと回折格子カプラとを結ぶ光軸に沿って、基板の基板面に直交する方向に切り取った断面を示す図である。
【図6】この発明の第1の変形例による送受信モジュールの要部を概略的に表した図である。
【図7】(A)及び(B)は、この発明の第2の変形例による送受信モジュールの要部を概略的に表した図であり、(B)は、(A)に示す構造体について、半導体レーザと回折格子カプラとを結ぶ光軸に沿って、基板の基板面に直交する方向に切り取った断面を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
11:半導体レーザ
12:上り光信号
13a、13b、13c:回折格子カプラ
14:第1光軸
15:受光素子
16:第1平面
17:外部光学系(光ファイバ)
18:下り光信号
19a、19b、19c:光導波路部
20:第2光軸
21a、21b:基板
22:回折光
23:下地
24:第1光軸方向
25:クラッド層
26:短手方向
27:凹部
29:第1テーパ部
31:接続導波路部
33:第2テーパ部
35、37、39、73、75:境界
41:コア
43:クラッド
45、77:格子溝
51:波長フィルタ
53:下層
55:上層
57:光導波層
59、61:電極
63、65:ミラー
69:出力部
71:テーパ部
79:レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザ、回折格子カプラ、及び受光素子を具える送受信モジュールであって、
前記半導体レーザと前記回折格子カプラとの間を結ぶ第1光軸を含む平面を第1平面とするとき、
前記受光素子と、当該送受信モジュール外の外部光学系とを前記回折格子カプラを経て結ぶ第2光軸が、前記第1平面と交差している
ことを特徴とする送受信モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の送受信モジュールであって、
前記半導体レーザの光導波層と前記回折格子カプラとが、前記第1平面に沿って一体的に形成されている
ことを特徴とする送受信モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の送受信モジュールであって、
前記回折格子カプラは、前記第1平面に沿って連続的に複数の格子溝が形成された平面型導波路であり、
各前記格子溝は、該格子溝で回折された光信号を前記外部光学系の入出射端に集光させる曲率半径で湾曲している
ことを特徴とする送受信モジュール。
【請求項4】
請求項1または2に記載の送受信モジュールであって、
前記回折格子カプラと前記外部光学系との間にレンズを設ける
ことを特徴とする送受信モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−91863(P2010−91863A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262925(P2008−262925)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】