説明

通信装置及びプログラム

【課題】ユーザが施設を訪問する際、施設の従業員等にユーザの目的を説明しなくても、ユーザの目的に合ったサービスを受けることが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】ユーザが訪問する施設の入力を受け付けた際、音声による訪問目的の入力を受け付け(S120)、施設を訪問する際の目的を示す音声メッセージを生成する。そして、生成した音声メッセージと、訪問する施設に到着する予想時刻である到着予想時刻と、ユーザの顔写真等を含むユーザ情報とを有する訪問メッセージを、ユーザが訪問する施設にメールにて送信する(S135)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データの送受信を行う車載用の通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
HDDやDVD−ROM等に記憶されている施設情報をユーザに提供することができるナビゲーション装置や、インターネット等を介してサーバから施設情報を取得し、ユーザに提供することができるナビゲーション装置が知られている。このようなナビゲーション装置を用いることにより、ユーザは必要に応じてレストランやレジャー施設等の施設情報を取得し、取得した施設情報に基づきドライブの目的地を決める事等が可能となり、快適なドライブを行う事ができる。また、施設の経営者等は、このようなナビゲーション装置を介して施設情報を提供することにより施設の宣伝等を行う事ができるため、施設の売り上げを向上させることが可能となる。
【0003】
また、特許文献1には、施設情報を取得すると共にレストラン等の施設の予約を行い、予約を行った後のフォローを受ける事が可能な施設情報提供装置が記載されている。この施設情報提供装置を用いることにより、ユーザはレストラン等の施設情報を取得すると同時にレストラン等の予約を行う事ができる。更に、レストラン等を予約したユーザのスケジュールの変更が生じた場合であっても予約の時間等を容易に変更する事ができるため、施設を利用する際の利便性を向上させることができる。また、施設の経営者は、この施設情報提供装置を介して予約等を受け付けることにより施設の利用を促すことができるため、施設の売り上げを向上させることが可能となる。
【特許文献1】特開2002−98537号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の施設情報提供装置を用いて予約を行った場合、施設の従業員等は、ユーザが施設を訪問する目的が不明であるため、施設を訪れたユーザから目的等を聞き出さなければ、ユーザに合わせたサービスを提供することができない。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、施設を訪れたユーザが、施設の従業員等に施設を訪れた目的を説明しなくても、ユーザの目的に合ったサービスを受けることが可能な通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の通信装置は、無線通信を介してデータの送信を行う通信手段と、施設の連絡先を特定する連絡先情報を取得するデータ取得手段と、ユーザの外見を特定する事ができる情報である外見特定情報を少なくとも有するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、施設を特定することが可能な情報である施設特定情報の入力、及びユーザが施設を訪問する際の目的である訪問目的の入力を受け付ける受付手段と、種々の制御を行う制御手段とを備える。そして、制御手段は、受付手段を介して施設特定情報の入力を受け付ける第一のステップと、第一のステップにおいて入力を受け付けた施設特定情報に基づき、データ取得手段を介して連絡先情報を取得する第二のステップと、第二のステップにおいて取得された連絡先情報に係る施設をユーザが訪問する際の訪問目的の入力を、受付手段を介して受け付ける第三のステップと、第三のステップにおいて入力を受け付けた訪問目的に基づき訪問目的メッセージを生成し、第二のステップにおいて取得された連絡先情報により特定される連絡先に、通信手段を介して、ユーザ情報取得手段が取得したユーザ情報、及び生成した訪問目的メッセージを送信する第四のステップとを有する訪問メッセージ送信処理を実行する。
【0007】
ここで、連絡先情報の一例として、メールアドレスを挙げる事ができる。また、ユーザ情報が有するユーザの外見を特定する事ができる情報の一例として、ユーザの顔の画像データを挙げる事ができる。
【0008】
また、施設を特定することが可能な情報である施設特定情報の具体例として、施設の名称や、住所や、電話番号や、地図データ上の所定の場所を特定する事ができる情報である位置情報等を挙げる事ができる。これら以外にも、例えば、施設検索処理における検索条件を施設特定情報とみなすこともできる。制御手段は、第一のステップにおいて検索条件の入力を受け付けた場合、第二のステップにおいて、入力された検索条件に合致した施設の連絡先情報を、データ取得手段を介して取得することができる。
【0009】
また、第三のステップにおいて入力を受け付ける訪問目的は、例えば、ユーザが受付手段を介して文章により入力されたものであっても良い。また、訪問目的は、例えば、報知手段を介して複数の訪問目的の例をユーザに報知し、報知された訪問目的の中からユーザが選択した訪問目的を、受付手段を介して受け付けても良い。また、訪問目的は、例えば、報知手段を介して複数の訪問目的の例をユーザに報知し、報知された訪問目的の中からユーザが選択した訪問目的を、受付手段を介して受け付け、更に受付手段を介して所定のキーワードの入力を受け付け、ユーザにより選択された訪問目的と、入力されたキーワードを組み合わせたものであっても良い。また、訪問目的は、例えば、ユーザから受付手段を介して音声により入力されたものであっても良い。
【0010】
こうすることにより、施設の従業員等は、施設を訪問するユーザの訪問目的、及びユーザの外見を知る事ができるため、ユーザは、施設の従業員等に対し自分の名前や訪問目的を告げなくても訪問目的に合ったサービスの提供を受ける事ができる。
【0011】
また、請求項1に記載の通信装置を用いてユーザが施設の従業員等に訪問目的を伝えている場合であっても、施設の従業員等はユーザが施設に到着する時間がわからないため、ユーザに提供するサービスの準備を効率良く行う事ができない場合がある。
【0012】
そこで、請求項2に記載の通信装置は、車両の現在地を特定する現在地特定手段を更に備え、データ取得手段は、第二のステップにおいて取得された連絡先情報に係る施設の位置を特定することができる地図データを更に取得する。そして、訪問メッセージ送信処理は、現在地特定手段により特定された車両の現在地から、第一のステップにおいて受け付けた施設特定情報に係る施設まで車両が走行する際、第一のステップにおいて受け付けた施設特定情報に係る施設に車両が到着する到着予想時刻を、データ取得手段が取得した地図データに基づき算出する第五のステップを更に有する。そして、制御手段は、訪問メッセージ送信処理を実行する際、第四のステップに先立ち第五のステップを行い、第四のステップにおいて、第二のステップにおいて取得した連絡先情報により特定される連絡先に、通信手段を介して、第五のステップにおいて算出された到着予想時刻を更に送信する。
【0013】
こうすることにより、ユーザが訪問する施設の従業員等は、ユーザが施設に到着する予想時刻を知る事ができるため、ユーザが施設に到着する時刻にあわせて、ユーザに提供するサービスの準備を行うことができる。
【0014】
また、ユーザは、レンタカー等を借りてドライブを行い、施設を利用する場合もある。ユーザが借りた車両に搭載されている他人が所有する通信装置を使用する場合に、わざわざ通信装置のHDD等にユーザ情報を記憶させなければならないというのでは、不便である。また、通信装置のHDD等にユーザ情報を記憶させることを可能にしてしまうと、通信装置が盗難等の被害に遭い、ユーザ情報が流出してしまう危険性が高くなる。
【0015】
そこで、請求項3に記載の通信装置は、ユーザ情報取得手段は、無線通信を介してデータを受信する機能を更に有しており、ユーザ情報とは、ユーザ情報取得手段が、無線通信を介して、ユーザが有する携帯機器から受信したデータである。
【0016】
こうすることにより、他人が所有する通信装置を使用する場合であっても、通信装置にユーザ情報を記憶させる必要がなくなるため、通信装置の利便性が向上する。また、訪問メッセージ送信処理を行う度にユーザが有する携帯機器からユーザ情報を読み出すため、ユーザ情報を通信装置のHDD等に記憶させておく必要がなくなり、ユーザ情報が流出してしまう危険性を低減させることができる。
【0017】
また、施設の従業員等が、施設を訪問するユーザの個人情報を知っていれば、個々のユーザに合わせたサービスの提供が可能となる。
そこで、請求項4に記載の通信装置では、訪問メッセージ送信処理において送信されるユーザ情報は、ユーザの個人情報を更に有している。
【0018】
ここで、個人情報とは、具体的には、ユーザの氏名、年齢、性別、住所、職業、年収等の情報のことである。
こうすることにより、施設の従業員等は個人情報に基づきユーザに合ったサービスの提供を行う事が可能となり、ユーザは、より質の高いサービスの提供を受ける事が可能となる。また、施設の経営者等は、施設を訪問するユーザの個人情報を得る事が可能となり、これらの個人情報を施設の経営に役立てることが可能となる。
【0019】
また、施設の従業員等が、施設を訪問するユーザの嗜好を知っていれば、ユーザの嗜好に合わせたサービスの提供が可能となる。
そこで、請求項5に記載の通信装置では、訪問メッセージ送信処理において送信されるユーザ情報は、ユーザの嗜好を示す情報である嗜好情報を更に有している。
【0020】
ここで、嗜好情報とは、具体的には、ユーザの味の好み、色の好み、煙草を吸う又は吸わない等の情報のことである。
こうすることにより、施設の従業員等は嗜好情報に基づきユーザの嗜好に合わせたサービスの提供を行う事が可能となり、ユーザは、より質の高いサービスの提供を受ける事が可能となる。また、施設の経営者等は、施設を訪問するユーザの嗜好を知る事が可能となり、この情報を施設の経営に役立てることが可能となる。
【0021】
また、ユーザは、訪問メッセージ送信処理に係る施設の混み具合等の施設に関する情報を得る事ができれば、便利である。
そこで、請求項6に記載の通信装置は、種々の情報をユーザに報知する報知手段を更に備え、通信手段は、更に、無線通信を介してデータの受信を行い、制御手段は、通信手段を介して受信したデータに基づくメッセージを、報知手段を介してユーザに報知する。
【0022】
こうすることにより、ユーザは、訪問メッセージ送信処理に係る施設が提供する情報に基づき、この施設を訪問するか否か決めることが可能となり、通信装置の利便性が向上する。また、ユーザは、複数の施設に対し訪問メッセージを送信し、訪問メッセージを送信した施設から受信したメッセージに基づき訪問する施設を選択することが可能となり、通信装置の利便性が向上する。
【0023】
また、遠方にドライブに出かける場合等、ドライブを開始する際に訪問する施設を決めても、道路事情等の理由により予定通り施設を訪問できない場合もある。
そこで、請求項7に記載の通信装置は、車両の現在地を特定する現在地特定手段を更に備え、データ取得手段は、第二のステップにおいて取得された連絡先情報に係る施設の位置を特定することができる地図データを更に取得する。そして、制御手段は、現在地特定手段により特定された車両の現在地から、訪問メッセージ送信処理の第二のステップにおいて取得された連絡先情報に係る施設まで車両が走行する際、第二のステップにおいて取得された連絡先情報に係る施設に車両が到着するまでに必要な時間である予想時間を、データ取得手段を介して取得した地図データに基づき算出し、算出した予想時間が所定の条件を満たした際に、訪問メッセージ送信処理の第四のステップを行う。
【0024】
また、請求項8に記載の通信装置は、制御手段は、現在地特定手段により特定された車両の現在地から、訪問メッセージ送信処理の第二のステップにおいて取得された連絡先情報に係る施設まで車両が走行する際、第二のステップにおいて取得された連絡先情報に係る施設に車両が到着するまでに必要な時間である予想時間を、データ取得手段を介して取得した前記地図データに基づき算出し、算出した予想時間が所定の条件を満たした際に、訪問メッセージ送信処理の第四のステップを行う。
【0025】
こうすることにより、車両が施設に近づいたことをトリガとしてメッセージ送信処理を開始させるため、訪問しない施設に訪問メッセージを送信してしまうことを防止することができる。
【0026】
また、訪問メッセージ送信処理において送信する訪問メッセージが自動的に生成されれば便利である。
そこで、請求項9に記載の通信装置は、ユーザが発話した音声に基づき音声データを生成する音声データ生成手段を更に備え、制御手段は、訪問メッセージ送信処理の第三のステップにおいて、受付手段を介して訪問目的の入力を受け付けることに替えて、音声データ生成手段が生成した音声データから訪問目的を推測する。
【0027】
ここで、音声データ生成手段が生成した音声データから訪問目的を推測するとは、具体的には、例えば、音声データに基づき、ユーザが発話した音声に所定のキーワードが含まれているか判定し、音声データに含まれるキーワードのうち、最も多く含まれるキーワードを特定する。そして、記憶手段等に記憶されている所定のキーワードと訪問目的とを対応させるテーブルを参照して、最も多く含まれるキーワードに対応する訪問目的を、ユーザの訪問目的とみなしても良い。
【0028】
こうすることにより、ユーザの会話に基づき訪問目的を予測し、予測した訪問目的に基づき自動的に訪問メッセージを生成することができるため、ユーザは訪問目的を入力する必要がなくなり、通信装置の使い勝手が向上する。
【0029】
また、請求項10に記載されている様に、請求項1から請求項9のいずれかに記載の通信装置が備える制御手段として機能させるためのプログラムを、通信装置が内蔵するコンピュータに実行させる様になっていても良い。
【0030】
請求項10の記載の様になっていれば、例えば、光磁気ディスク、CD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータが読みとり可能な記録媒体にプログラムを記録し、そのプログラムを必要に応じてコンピュータにロードして起動することにより通信装置として機能させることができる。また、プログラムはネットワークを用いて流通させることも可能であるため、通信装置の機能向上も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0032】
[構成の説明]
図1は、ナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、外部通信機11と、記憶部12と、位置検出器13と、制御部14と、操作部15と、表示部16と、マイク17と、スピーカ18と、データ入力部19と、無線LAN通信部20とから構成される。
【0033】
外部通信機11は、無線通信を介してサーバと通信を行い、電子メールの送受信を行う部位である。
記憶部12は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、HDD)から構成され、各種情報を記憶することができる。記憶部12には、所定のキーワードと訪問目的を対応させる訪問目的推測テーブルが記憶されている。
【0034】
位置検出器13は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を、図示しないGPSアンテナを介して受信して車両の位置、方位、速度等を検出するGPS受信器13aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ13bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する距離センサ13cとを備えている。そして、これら各センサ等13a〜13cは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。
【0035】
制御部14は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部14はROMに記憶されているプログラムに従い本実施形態のナビゲーション装置の各部位を制御する。また、位置検出器13からの各検出信号に基づき車両の現在地を特定する処理や、データ入力部19から入力される地図データ上の所定の地点を目的地として、車両が現在地から目的地まで走行する際の最適な経路を算出し、算出された経路に基づき経路案内を行う。また、算出された経路に沿って目的地まで車両が走行した際、車両が目的地に到達するまでに必要な時間を予想する処理を行う。また、現在の時刻を特定する時計機能を有する。
【0036】
操作部15は、ユーザからの各種指示を受け付ける部位であり、具体的にはタッチスイッチ等から構成される。
表示部16は、各種表示を行う部位であり、具体的にはLCDや有機EL等から構成される。
【0037】
マイク17は、ユーザが音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部14に出力する部位である。
スピーカ18は、制御部14から入力された信号に基づき音声を出力する部位である。
【0038】
データ入力部19は、図示しない記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。記憶媒体には、地図データ、案内用の音声データ、音声認識データ、地図データ上の施設の連絡先リスト、所定の施設を検索する際に用いる施設検索情報データベース等が記憶されている。なお、記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
【0039】
無線LAN通信部20は、ユーザが所持する図示しない携帯機器と無線LAN(例えばIEEE802.11b等)による通信を行うための機能を有する部位である。
[ユーザ情報についての説明]
ナビゲーション装置10は、訪問する施設に対しユーザ情報50を送信する。まず、このユーザ情報50の内容について、図2を用いて説明する。
【0040】
図2に記載のユーザ情報50は、外見特定情報50aと、個人情報50bと、嗜好情報50cとから構成される。
外見特定情報50aとは、ナビゲーション装置10の所有者であるユーザの外見を特定することができる情報のことである。具体的には、外見特定情報50aは、このユーザの顔写真の画像データと、このユーザの身長、体重、及び性別を示す情報とを有する。
【0041】
個人情報50bは、ナビゲーション装置10の所有者であるユーザを特定する事ができる情報のことである。具体的には、個人情報50bは、このユーザの氏名、性別、年齢、職業、住所、及び年収を示す情報を有する。
【0042】
嗜好情報50cは、ナビゲーション装置10の所有者であるユーザの嗜好を示す情報のことである。具体的には、嗜好情報50cは、このユーザの好きな食べ物は甘い物である事、好きな色は赤である事、うるさい場所は嫌いであること、及び煙草は吸わないことを示す情報を有する。
【0043】
[問合せ画面についての説明]
図3の問合せ画面60は、経路案内の目的地として施設が選択された際に、ナビゲーション装置10が訪問メッセージの送信を行うか否かをユーザに問い合わせる際に表示する画面の一例である。ナビゲーション装置10の制御部14は、問合せ画面60を表示部16に表示させる。このとき、経路案内の目的地付近の地図を背景として、経路案内の目的地である施設を示す目的地アイコン60aと、目的地である施設に対し訪問メッセージの送信を行うか否かを問い合わせるメッセージである問合せメッセージ60bが表示される。
【0044】
[動作の説明]
次に、ナビゲーション装置10が、施設を訪問する目的等を示すメッセージである訪問メッセージを、前記データ入力部19から入力される地図データに記憶されている施設に対し送信する際の動作について説明する。
【0045】
[第一実施形態]
第一実施形態のナビゲーション装置10は、訪問メッセージ送信処理1と、訪問メッセージ送信処理2と、応答メッセージ受信処理とを実行する。訪問メッセージ送信処理1とは、ユーザがナビゲーション装置10に経路案内の目的地を設定した際に、目的地である施設に訪問メッセージを送信する処理である。また、訪問メッセージ送信処理2とは、ユーザが、ドライブの目的地等を決めるために、ナビゲーション装置10により施設検索を実行した際に行われる処理である。また、応答メッセージ受信処理とは、訪問メッセージの送信先である施設から受信したメッセージをユーザに報知する処理である。これらの処理の詳細について説明する。
【0046】
(1)訪問メッセージ送信処理1
ナビゲーション装置10の制御部14が、操作部15を介してデータ入力部19から入力される地図データ上の施設を、経路案内の目的地として受け付ける処理である目的施設受付処理を実行した際に行う訪問メッセージ送信処理1について、図4に記載のフローチャート(訪問メッセージ送信処理1)を用いて説明する。
【0047】
S105では、ナビゲーション装置10の制御部14は、目的地である施設の連絡先であるメールアドレスを、記憶媒体に記憶されている連絡先リストからデータ入力部19を介して読み出し、S110に処理を移行する。
【0048】
S110では、制御部14は、S105にて目的地である施設のメールアドレスの読み出しに成功したか否か判定する。読み出しに失敗した場合(S110:No)、訪問メッセージ送信処理1を終了する。読み出しに成功した場合(S110:Yes)、S115に処理を移行する。
【0049】
S115では、制御部14は、表示部16に問合せ画面60を表示させると共にスピーカ18から音声を出力し、ユーザに対し訪問メッセージの送信を行うか否かの問合せを行い、操作部15を介してユーザから、訪問メッセージの送信を行うか否かの選択を受け付ける。制御部14は、操作部15を介して訪問メッセージを送信しない旨の選択を受け付けた場合、訪問メッセージ送信処理1を終了する。制御部14は、操作部15を介して訪問メッセージを送信する旨の選択を受け付けた場合、S120に処理を移行する。
【0050】
S120では、制御部14は、表示部16、及びスピーカ18を介して、施設を訪問する際の目的である訪問目的の入力を、マイク17を介して音声にて受け付ける旨を報知する。そして、ユーザが発話した音声をマイク17が集音し、制御部14は、マイク17が出力した音声信号に基づき訪問目的の音声データを生成し、この訪問目的の音声データを訪問目的メッセージとし、S125に処理を移行する。
【0051】
S125では、制御部14は、無線LAN通信部20を介して、ユーザが所持している図示しない携帯機器からユーザ情報50を読み出し、S130に処理を移行する。
S130では、制御部14は、位置検出器13からの各検出信号に基づき車両の現在地を特定し、車両が現在地から目的地である施設まで走行する際の最適な経路を算出し、車両が目的地に到達するまでに必要な時間である予想時間を算出する。そして、算出した予想時間と、時計機能により特定した現在の時刻とに基づき、目的地である施設に車両が到着する時刻である予想到着時刻を算出し、S135に処理を移行する。
【0052】
S135では、制御部14は、ユーザが目的地である施設を訪問する旨と、S130にて算出した予想到着時刻とを示すメッセージを生成する。そして、制御部14は、生成したメッセージと、S125にて読み出したユーザ情報50と、S120にて生成した音声データである訪問目的メッセージとを有する訪問メッセージを、外部通信機11を介して目的地である施設に電子メールにて送信する。そして、訪問メッセージ送信処理1を終了する。
【0053】
(2)訪問メッセージ送信処理2
次に、ナビゲーション装置10の制御部14が、操作部15を介して施設検索を行うための検索条件の入力を受け付ける処理である検索条件受付処理を実行した際に行う訪問メッセージ送信処理2について、図5に記載のフローチャート(訪問メッセージ送信処理2)を用いて説明する。
【0054】
S205では、ナビゲーション装置10の制御部14は、ユーザが入力した検索条件に合致する1又は2以上の施設の施設情報を、データ入力部19を介して記憶媒体に記憶されている施設検索情報データベースから読み出し、S210に処理を移行する。
【0055】
S210では、制御部14は、S205にて検索条件に合致した施設の施設情報を読み出す事ができたか否か判定する。施設情報を読み出す事ができなかった場合(S210:No)、訪問メッセージ送信処理2を終了する。施設情報を読み出す事ができた場合(S210:Yes)、S215に処理を移行する。
【0056】
S215では、制御部14は、S205にて読み出した施設情報に係る各施設の連絡先であるメールアドレスを取得する。具体的には、S205にて読み出した施設情報に施設のメールアドレスが含まれている場合、このメールアドレスを、施設のメールアドレスとする。また、S205にて読み出した施設情報に施設のメールアドレスが含まれていない場合、施設情報に含まれている施設名称等に基づき施設情報に係る施設のメールアドレスを、データ入力部19を介して記憶媒体に記憶されている連絡先リストから読み出す。そして、S220に処理を移行する。
【0057】
S220では、制御部14は、S215にてメールアドレスの特定に成功した施設が存在するか否かを判定する。メールアドレスの特定に成功した施設が存在する場合(S220:No)、訪問メッセージ送信処理2を終了する。メールアドレスの特定に成功した施設が存在する場合(S220:Yes)、S225に処理を移行する。
【0058】
S225では、制御部14は、表示部16、及びスピーカ18を介して、訪問メッセージの送信を行うか否かの問合せを行うと共に、操作部15を介してユーザから、訪問メッセージの送信を行うか否かの選択を受け付ける。制御部14は、操作部15を介して訪問メッセージを送信しない旨の選択を受け付けた場合、訪問メッセージ送信処理2を終了する。制御部14は、操作部15を介して訪問メッセージを送信する旨の選択を受け付けた場合、S230に処理を移行する。
【0059】
S230では、制御部14は、ユーザが施設に訪問する際の訪問目的を推測する処理を行う。具体的には、制御部14は、操作部15を介して施設検索を行う旨の操作を受け付けた後、マイク17に対しユーザが発話した音声の集音を開始させる。そして、マイク17は、集音したユーザの音声に基づく音声信号を生成し、制御部14は、マイク17が生成した音声信号に基づき音声データを生成し、この音声データを、制御部14が有するRAMに記憶させる。そして、S230において、制御部14は、この音声データに基づき、ユーザにより発話された所定のキーワードのうち、最も多く発話されたキーワードを特定する。そして、制御部14は、記憶部12に記憶されている訪問目的推測テーブルを参照し、最も多く発話されたキーワードに対応する訪問目的を特定し、特定した訪問目的をユーザが施設を訪問する際の訪問目的とする。そして、S235に処理を移行する。
【0060】
S235では、制御部14は、S230にて推測した訪問目的と、推測した訪問目的を変更するか否かを問い合わせるメッセージを表示部16に表示し、S240に処理を移行する。
【0061】
S240では、制御部14は、操作部15を介してS230にて推測した訪問目的を変更するか否かの選択を受け付ける。推測した訪問目的を変更する旨の選択を受け付けた場合(S240:Yes)、S245に処理を移行する。推測した訪問目的を変更しない旨の選択を受け付けた場合(S240:No)、S250に処理を移行する。
【0062】
S245では、制御部14は、操作部15を介して訪問目的の入力を受け付け、S255に処理を移行する。
S250では、制御部14は、S230にて推測された訪問目的、又はS245にて入力された訪問目的を示すメッセージである訪問目的メッセージを生成し、S255に処理を移行する。
【0063】
S255では、制御部14は、無線LAN通信部20を介して、ユーザが所持している図示しない携帯機器からユーザ情報50を読み出し、S260に処理を移行する。
S260では、制御部14は、位置検出器13からの各検出信号に基づき車両の現在地を特定し、車両が現在地からS215にて特定したメールアドレスに係る各施設まで走行する際の最適な経路を算出し、車両がこれらの施設に到達するまでに必要な時間である予想時間を算出する。そして、算出した予想時間と、時計機能により特定した現在の時刻とに基づき、S215にて特定したメールアドレスに係る各施設に車両が到着する時刻である予想到着時刻を算出し、S265に処理を移行する。
【0064】
S265では、制御部14は、ユーザが目的地である施設を訪問する旨と、S250にて生成された訪問目的メッセージと、S260にて算出した予想到着時刻とを示すメッセージを、S215にて特定したメールアドレスに係る施設毎に生成する。そして、制御部14は、このメッセージと、S255にて読み出したユーザ情報50とを有する訪問メッセージを、外部通信機11を介して、S215にて特定したメールアドレスに係る各施設に電子メールにて送信する。そして、訪問メッセージ送信処理2を終了する。
【0065】
(3)応答メッセージ受信処理
訪問メッセージを受信した施設の従業員等は、訪問目的メッセージ、ユーザ情報50、及び予想到着時刻の内容を確認する。そして、従業員等は、施設の予約の可否等を確認し、施設の予約の可否等を通知する応答メッセージを作成し、この応答メッセージをユーザに対しメールで送信する。具体的には、例えば、施設がレストランである場合、訪問メッセージの内容を確認した従業員は、レストランの予約の状況等を確認し、予約が可能である旨や、本日のお勧めメニューや、ユーザの嗜好に合いそうなメニュー等をユーザに知らせる応答メッセージを作成し、この応答メッセージをユーザに対しメールにて送信することができる。尚、画像データやスクリプト等を使用して応答メッセージを作成しても良い。
【0066】
次に、ナビゲーション装置10の制御部14が、外部通信機11を介して、上述した応答メッセージを受信した際の処理について、図6に記載のフローチャート(応答メッセージ受信処理)を用いて説明する。
【0067】
S305では、制御部14は、訪問メッセージを送信した施設から受信した応答メッセージが有している画像データやスクリプトに基づき表示部16に画像を描画し、施設の予約の可否や、施設からユーザへのメッセージ等を表示させ、S310に処理を移行する。
【0068】
S310では、制御部14は、操作部15を介してユーザからこの施設を予約するか否かの選択を受け付ける。施設を予約しない旨を受け付けた場合(S310:No)、応答メッセージ受信処理を終了する。施設を予約する旨を受け付けた場合(S310:Yes)、S315に処理を移行する。
【0069】
S315では、制御部14は、外部通信機11を介して応答メッセージの送信元である施設に対し、施設の予約を行う旨のメッセージを送信し、応答メッセージ受信処理を終了する。
【0070】
[効果]
第一実施形態のナビゲーション装置10によれば、ユーザは、訪問する施設の従業員等にユーザの外見と、施設を訪問する際の目的とを知らせる事ができる(S120、S125、S245、S250、S255)。従って、ユーザが施設を訪問した際、施設の従業員等に自分の名前や施設を訪問する目的を告げなくても、ユーザの目的に合致したサービスを受けることができる。また、ユーザは、訪問する施設の従業員等に施設に到着する予想時刻である予想到着時刻を知らせる事ができる(S130、S260)。従って、施設の従業員等は、ユーザが施設に到着する時刻にあわせてユーザに提供するサービスの準備を行うことができる。また、ユーザは、訪問する施設の従業員等にユーザの個人情報、及びユーザの嗜好を示す情報である嗜好情報を知らせる事ができる(S125、S255)。従って、ユーザが施設を訪問した際に、ユーザの嗜好等を従業員等に説明しなくても、ユーザに合ったサービスの提供を受ける事ができる。また、施設の経営者等は、施設を訪問するユーザの個人情報、及び嗜好情報を得る事が可能となり、これらの情報を施設の経営に役立てることが可能となる。
【0071】
また、ユーザの外見特定情報50a、個人情報50b、嗜好情報50cから構成されるユーザ情報50は、ユーザが所持している携帯機器等から読み出される(S125、S255)。従って、他人が所有するナビゲーション装置10を使用する場合であっても、ナビゲーション装置10の記憶部12にこれらの情報を記憶させる必要がなくなるため、通信装置の利便性が向上する。また、ユーザ情報50をナビゲーション装置10の記憶部12に記憶させておく必要がなくなるため、ユーザ情報50が流出してしまう危険性を低減させることができる。
【0072】
また、ユーザは、訪問メッセージを送信した施設からの返事を確認し(S305)、施設の予約を行う事ができる(S315)。従って、ユーザは、訪問メッセージ送信処理に係る施設が提供する情報に基づき、この施設を訪問するか否か決めることが可能となり、通信装置の利便性が向上する。また、ユーザは、例えば、複数の施設に対し訪問メッセージ送信処理を行い、これらの施設から受信したメッセージに基づき訪問する施設を選択する事が可能となる。
【0073】
また、ナビゲーション装置10は、ユーザが経路案内の目的地として施設を設定した際や、ユーザが施設検索を行い、施設の検索に成功した際に(S210:Yes)、訪問メッセージの生成等を開始する(S105、S215)。従って、ユーザは、訪問メッセージの生成を開始させる操作を行う必要がなくなるため、ナビゲーション装置10の利便性が向上する。
【0074】
また、ナビゲーション装置10は、ユーザが施設検索を行っている最中に発話した音声に基づきユーザの訪問目的を推測し(S230)、訪問目的メッセージを生成する。従って、ユーザは、ナビゲーション装置10に訪問目的メッセージを入力する必要がなくなるため、ナビゲーション装置10の利便性が向上する。
【0075】
[第二実施形態]
第二実施形態のナビゲーション装置10は、訪問メッセージ送信処理3を実行する。訪問メッセージ送信処理3とは、ユーザが、ナビゲーション装置10が実行している経路案内に従い、施設である目的地に向かって運転する際に、車両が目的地である施設に到着するまでに必要な時間である予想時間が所定の時間未満になった際に、訪問メッセージを目的地である施設に送信する処理である。また、第二実施形態のナビゲーション装置10は、第一実施形態のナビゲーション装置10で実行される訪問メッセージ送信処理2と同一の処理と、第一実施形態のナビゲーション装置10で実行される応答メッセージ受信処理と同一の処理とを実行する。これらの処理については説明を省略する。ここでは、訪問メッセージ送信処理3の詳細について説明する。
【0076】
(1)訪問メッセージ送信処理3
ナビゲーション装置10の制御部14が、操作部15を介してデータ入力部19から入力される地図データ上の施設を、経路案内の目的地として受け付ける処理である目的施設受付処理を実行した際に開始される訪問メッセージ送信処理3について、図7に記載のフローチャート(訪問メッセージ送信処理3)を用いて説明する。
【0077】
S405では、ナビゲーション装置10の制御部14は、目的地である施設の連絡先であるメールアドレスを、記憶媒体に記憶されている連絡先リストからデータ入力部19を介して読み出し、S410に処理を移行する。
【0078】
S410では、制御部14は、S405にて目的地である施設のメールアドレスの読み出しに成功したか否か判定する。読み出しに失敗した場合(S410:No)、訪問メッセージ送信処理3を終了する。読み出しに成功した場合(S410:Yes)、S415に処理を移行する。
【0079】
S415では、制御部14は、表示部16、及びスピーカ18を介して、ユーザに対し訪問メッセージの送信を行うか否かの問合せを行い、操作部15を介してユーザから、訪問メッセージの送信を行うか否かの選択を受け付ける。制御部14は、操作部15を介して訪問メッセージを送信しない旨の選択を受け付けた場合、訪問メッセージ送信処理3を終了する。制御部14は、操作部15を介して訪問メッセージを送信する旨の選択を受け付けた場合、S420に処理を移行する。
【0080】
S420では、制御部14は、訪問目的の例を表示部16に表示させる。そして、S425に処理を移行する。
S425では、制御部14は、操作部15を介して、表示部16に表示されている訪問目的の中からユーザが選択した訪問目的の入力を受け付け、ユーザにより選択された訪問目的に基づき訪問目的メッセージを生成し、S430に処理を移行する。
【0081】
S430では、制御部14は、無線LAN通信部20を介して、ユーザが所持している図示しない携帯機器からユーザ情報50を読み出し、S435に処理を移行する。
S435では、制御部14は、位置検出器13からの各検出信号に基づき車両の現在地を特定し、車両が現在地から目的地である施設まで走行する際の最適な経路を算出し、算出した経路に基づく経路案内を開始する。そして、S440に処理を移行する。
【0082】
S440では、制御部14は、S435にて算出した経路に基づき、車両が目的地である施設に到着するまでに必要な時間である予想時間を算出し、S445に処理を移行する。
【0083】
S445では、制御部14は、S440にて算出した予想時間が30分未満であるか否か判定する。予想時間が30分未満である場合、S450に処理を移行する。予想時間が30分以上である場合、S440に処理を移行する。
【0084】
S450では、S440にて算出した予想時間と、時計機能により特定した現在の時刻とに基づき、目的地である施設に車両が到着する時刻である予想到着時刻を算出し、S455に処理を移行する。
【0085】
S455では、制御部14は、ユーザが目的地である施設を訪問する旨と、S425にて生成された訪問目的メッセージと、S450にて算出された予想到着時刻とを示すメッセージとを生成する。そして、制御部14は、生成したメッセージと、S430にて読み出したユーザ情報50とを有する訪問メッセージを、外部通信機11を介して目的地である施設に電子メールにて送信する。そして、訪問メッセージ送信処理3を終了する。
【0086】
[効果]
第二実施形態のナビゲーション装置10によれば、ユーザは、訪問する施設の従業員等にユーザの外見と、施設を訪問する際の目的とを知らせる事ができる(S425、S430)。従って、ユーザが施設を訪問した際、施設の従業員等に自分の名前や施設を訪問する目的を告げなくても、ユーザの目的に合致したサービスを受けることができる。また、ユーザは、訪問する施設の従業員等に施設に到着する予想時刻である予想到着時刻を知らせる事ができる(S450)。従って、施設の従業員等は、ユーザが施設に到着する時刻にあわせてユーザに提供するサービスの準備を行うことができる。また、ユーザは、訪問する施設の従業員等にユーザの個人情報、及びユーザの嗜好を示す情報である嗜好情報を知らせる事ができる(S430)。従って、ユーザが施設を訪問した際に、ユーザの嗜好等を従業員等に説明しなくても、ユーザに合ったサービスの提供を受ける事ができる。また、施設の経営者等は、施設を訪問するユーザの個人情報、及び嗜好情報を得る事が可能となり、これらの情報を施設の経営に役立てることが可能となる。
【0087】
また、ユーザの外見特定情報50a、個人情報50b、嗜好情報50cから構成されるユーザ情報50は、ユーザが所持している携帯機器等から読み出される(S430)。従って、他人が所有するナビゲーション装置10を使用する場合であっても、ナビゲーション装置10の記憶部12にこれらの情報を記憶させる必要がなくなるため、通信装置の利便性が向上する。また、ユーザ情報50をナビゲーション装置10の記憶部12に記憶させておく必要がなくなるため、ユーザ情報50が流出してしまう危険性を低減させることができる。
【0088】
また、ナビゲーション装置10は、経路案内の目的地である施設に車両が到着するまでに必要な時間である予想時間が30分未満になった際に、訪問メッセージの生成等を開始する(S450)。従って、例えば、ドライブの途中で予定が変更し、目的地が変更した場合、変更前の目的地に車両が接近していなければ変更前の目的地に訪問メッセージが送信されないため、ナビゲーション装置10の利便性が向上する。
【0089】
[他の実施形態]
(1)ユーザから訪問目的の入力を受け付ける際、ナビゲーション装置10の制御部14は、表示部16に複数の訪問目的の例を表示させ、操作部15を介してユーザから訪問目的の選択を受け付け、更に、操作部15を介して所定のキーワードの入力を受け付けても良い。そして、選択された訪問目的と、入力されたキーワードとを組み合わせたものを訪問目的としても良い。こうすることにより、ユーザが訪問目的を入力する手間を省く事ができる。また、例えば、施設を訪問する際の人数等の詳細な情報を、施設の従業員等に伝えることが可能となる。
【0090】
(2)ナビゲーション装置10は、訪問メッセージを生成する際に車両に搭載されたカメラにユーザの写真を撮影させ、車両に搭載されたカメラで撮影したユーザの写真のデータを外見特定情報として施設に送信しても良い。こうすることにより、施設の従業員等は施設を訪問する直前のユーザの外見を特定することができるため、訪問メッセージを送信したユーザを他の客と間違えてしまうといった事態が発生することを防止することが可能となる。
【0091】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0092】
ナビゲーション装置10が通信装置に、外部通信機11が通信手段に、位置検出器13が現在地特定手段に、制御部14が制御手段に、操作部15が受付手段に、表示部16が報知手段に、マイク17が受付手段及び音声データ生成手段に、スピーカ18が報知手段に、データ入力部19がデータ取得手段に、無線LAN通信部20がユーザ情報取得手段に、メールアドレスが連絡先情報に相当する。
【0093】
また、データ入力部19から入力される地図データ上の施設を経路案内の目的地として受け付ける処理である目的施設受付処理が訪問メッセージ送信処理の第一のステップに、目的施設受付処理において受け付ける目的地が施設特定情報に相当する。また、施設検索を行うための検索条件の入力を受け付ける処理である検索条件受付処理が訪問メッセージ送信処理の第一のステップに、検索条件受付処理において受け付ける検索条件が施設特定情報に相当する。
【0094】
また、S105、S205及びS215、S405が訪問メッセージ送信処理の第二のステップに、S120、S230、S425が訪問メッセージ送信処理の第三のステップに、S135、S265、S455が訪問メッセージ送信処理の第四のステップに、S130、S260、S450が訪問メッセージ送信処理の第五のステップに相当する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】ナビゲーション装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】ユーザ情報を説明するための図である。
【図3】訪問メッセージの送信を行うか否かを問い合わせる画面の説明図である。
【図4】経路案内の目的地として施設を設定した際に訪問メッセージの送信を行う処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】施設検索処理において施設が検索された際に訪問メッセージの送信を行う処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】訪問メッセージを送信した施設からメッセージを受信した際の処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】経路案内の目的地である施設に近づいた際に訪問メッセージの送信を行う処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0096】
10…ナビゲーション装置、11…外部通信機、12…記憶部、13…位置検出器、13a…GPS受信器、13b…ジャイロスコープ、13c…距離センサ、14…制御部、15…操作部、16…表示部、17…マイク、18…スピーカ、19…データ入力部、20…無線LAN通信部、50…ユーザ情報、50a…外見特定情報、50b…個人情報、50c…嗜好情報、60…問合せ画面、60a…目的地アイコン、60b…問合せメッセージ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信を介してデータの通信を行う通信装置において、
無線通信を介してデータの送信を行う通信手段と、施設の連絡先を特定する連絡先情報を取得するデータ取得手段と、ユーザの外見を特定する事ができる情報である外見特定情報を少なくとも有するユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、施設を特定することが可能な情報である施設特定情報の入力、及びユーザが施設を訪問する際の目的である訪問目的の入力を受け付ける受付手段と、種々の制御を行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記受付手段を介して前記施設特定情報の入力を受け付ける第一のステップと、
前記第一のステップにおいて入力を受け付けた前記施設特定情報に基づき、前記データ取得手段を介して前記連絡先情報を取得する第二のステップと、
前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報に係る施設をユーザが訪問する際の前記訪問目的の入力を、前記受付手段を介して受け付ける第三のステップと、
前記第三のステップにおいて入力を受け付けた前記訪問目的に基づき訪問目的メッセージを生成し、前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報により特定される連絡先に、前記通信手段を介して、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザ情報、及び生成した前記訪問目的メッセージを送信する第四のステップとを有する訪問メッセージ送信処理を実行すること、
を特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記通信装置は、車両の現在地を特定する現在地特定手段を更に備え、
前記データ取得手段は、前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報に係る施設の位置を特定することができる地図データを更に取得し、
前記訪問メッセージ送信処理は、前記現在地特定手段により特定された車両の現在地から、前記第一のステップにおいて受け付けた前記施設特定情報に係る施設まで車両が走行する際、前記第一のステップにおいて受け付けた前記施設特定情報に係る施設に車両が到着する到着予想時刻を、前記データ取得手段が取得した前記地図データに基づき算出する第五のステップを更に有し、
前記制御手段は、前記訪問メッセージ送信処理を実行する際、前記第四のステップに先立ち前記第五のステップを行い、前記第四のステップにおいて、前記第二のステップにおいて取得した前記連絡先情報により特定される連絡先に、前記通信手段を介して、前記第五のステップにおいて算出された前記到着予想時刻を更に送信すること、
を特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の通信装置において、
前記ユーザ情報取得手段は、無線通信を介してデータを受信する機能を更に有しており、
前記ユーザ情報とは、前記ユーザ情報取得手段が、無線通信を介して、ユーザが有する携帯機器から受信したデータであること、
を特徴とする通信装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の通信装置において、
前記訪問メッセージ送信処理において送信される前記ユーザ情報は、ユーザの個人情報を更に有していること、
を特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の通信装置において、
前記訪問メッセージ送信処理において送信される前記ユーザ情報は、ユーザの嗜好を示す情報である嗜好情報を更に有していること、
を特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれかに記載の通信装置において、
前記通信装置は、種々の情報をユーザに報知する報知手段を更に備え、
前記通信手段は、更に、無線通信を介してデータの受信を行い、
前記制御手段は、前記通信手段を介して受信したデータに基づくメッセージを、前記報知手段を介してユーザに報知すること、
を特徴とする通信装置。
【請求項7】
請求項1、又は請求項1を引用する請求項3から請求項6のいずれかに記載の通信装置において、
前記通信装置は、車両の現在地を特定する現在地特定手段を更に備え、
前記データ取得手段は、前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報に係る施設の位置を特定することができる地図データを更に取得し、
前記制御手段は、
前記現在地特定手段により特定された車両の現在地から、前記訪問メッセージ送信処理の前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報に係る施設まで車両が走行する際、前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報に係る施設に車両が到着するまでに必要な時間である予想時間を、前記データ取得手段を介して取得した前記地図データに基づき算出し、
算出した前記予想時間が所定の条件を満たした際に、前記訪問メッセージ送信処理の前記第四のステップを行うこと、
を特徴とする通信装置。
【請求項8】
請求項2、又は請求項2を引用する請求項3から請求項6のいずれかに記載の通信装置において、
前記制御手段は、
前記現在地特定手段により特定された車両の現在地から、前記訪問メッセージ送信処理の前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報に係る施設まで車両が走行する際、前記第二のステップにおいて取得された前記連絡先情報に係る施設に車両が到着するまでに必要な時間である予想時間を、前記データ取得手段を介して取得した前記地図データに基づき算出し、
算出した前記予想時間が所定の条件を満たした際に、前記訪問メッセージ送信処理の前記第四のステップを行うこと、
を特徴とする通信装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれかに記載の通信装置において、
前記通信装置は、ユーザが発話した音声に基づき音声データを生成する音声データ生成手段を更に備え、
前記制御手段は、前記訪問メッセージ送信処理の前記第三のステップにおいて、前記受付手段を介して前記訪問目的の入力を受け付けることに替えて、前記音声データ生成手段が生成した前記音声データから前記訪問目的を推測すること、
を特徴とする通信装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から請求項9のいずれかに記載の通信装置が備える前記制御手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−305239(P2008−305239A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152770(P2007−152770)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】