説明

道路交通情報配信システム、配信サーバ、端末機

【課題】車両にとって不要な地域の道路交通情報が配信されるのを防止し、通信時間や通信費用の無駄を削減する。
【解決手段】配信サーバにおいて、予め決められた所定の道路交通状況に該当する地域を対象地域に設定することにより、対象地域リストを更新する(ステップS120)。一方、車載機からはダウンロード要求を発信する(ステップS20)。配信サーバは、車載機からのダウンロード要求を受信すると(ステップS130)、配信サーバに記憶保持された道路交通情報のうち、車載機の現在地や推奨経路から所定距離以内にある対象地域の道路交通情報を抽出し(ステップS160、S170)、配信サーバから車載機へ配信する(ステップS180)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通情報を道路地図上に表示するナビゲーション装置などの端末機と、端末機へ道路交通情報を配信する配信サーバとを有する道路交通情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
渋滞状況や通行規制状況など、各種の道路交通情報を提供する道路交通情報通信システム(VICS)が実用化されている。このシステムでは、VICSセンターにおいて収集した各種の道路交通情報(VICS情報)を、電波ビーコン、光ビーコン、FM多重放送などにより車載機へ送信する。車載機では、受信したVICS情報の内容を画面表示するなどの方法によって車両内のユーザへ提供する。
【0003】
しかし、上記のVICSにおいてVICSセンターから提供されるVICS情報は、都道府県単位など一定の地域に限られているため、地域外のVICS情報を得ることができないという問題がある。そこで、このようなVICSの問題点を解決するものとして、たとえば特許文献1に開示される交通情報受信装置を利用したシステムが知られている。このシステムでは、広範囲のVICS情報を交通情報センターに蓄積し、携帯電話などを用いて車両に備えられた交通情報受信装置から交通情報センターに接続する。これにより、VICSセンターからVICS情報が通常提供される地域よりも外にある地域についても、車両においてVICS情報を得られるようにしている。
【0004】
さらに上記のシステムでは、交通情報センターに接続するときの通信費を抑えるため、長時間通常のVICS情報を取り込んでいないときに交通情報センターにアクセスして広範囲のVICS情報を取り込むようにしている。また、既に取り込まれたVICS情報に有用な情報が存在しないときや大渋滞時等には、交通情報センターへのアクセス間隔を長くするようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−365066号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示される交通情報受信装置を利用したシステムでは、広範囲のVICS情報の全てを交通情報センターから車両の交通情報受信装置へ配信する。そのため、車両にとって不要な地域のVICS情報までも配信されてしまい、通信時間や通信費用に無駄が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、各地域に関する道路交通情報を記憶保持し、その道路交通情報を端末機からのダウンロード要求に応じて配信する配信サーバと、配信サーバから配信される道路交通情報を受信する端末機とを備えた道路交通情報配信システムであって、所定の道路交通状況に該当する地域を対象地域に設定し、設定された対象地域に関する道路交通情報を配信サーバから端末機へ配信するものである。
請求項2の発明は、請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、渋滞が多い地域を対象地域に設定するものである。
請求項3の発明は、請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、渋滞状況の変化が大きい地域を対象地域に設定するものである。
請求項4の発明は、請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、交通事故が発生した地域を対象地域に設定するものである。
請求項5の発明は、請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、普段よりも渋滞している地域を対象地域に設定するものである。
請求項6の発明は、請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、渋滞予測が当たりにくい地域を対象地域に設定するものである。
請求項7の発明は、請求項1〜6いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて、対象地域に設定された地域のうち、端末機の現在位置から予め定められた所定距離以内にある地域を選択し、その選択された地域について、道路交通情報を配信サーバから端末機へ配信するものである。
請求項8の発明は、請求項1〜6いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて、対象地域に設定された地域のうち、端末機において設定された推奨経路から予め定められた所定距離以内にある地域を選択し、その選択された地域について、道路交通情報を配信サーバから端末機へ配信するものである。
請求項9の発明は、請求項7または8の道路交通情報配信システムにおいて、前記の選択の際に、その地域の大きさまたは道路交通状況に応じて、所定距離を地域ごとに変化させるものである。
請求項10の発明は、請求項1〜9いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて用いられる配信サーバであって、各地域に関する道路交通情報を記憶保持する記憶保持手段と、対象地域を設定する設定手段と、端末機からのダウンロード要求に応じて、記憶保持手段により記憶保持された道路交通情報の中から、設定手段により設定された対象地域に関する道路交通情報を抽出する抽出手段と、抽出手段により抽出された道路交通情報を端末機へ配信する配信手段とを備えるものである。
請求項11の発明は、請求項1〜9いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて用いられる端末機であって、対象地域を設定する設定手段と、設定手段により設定された対象地域に関する道路交通情報を配信サーバへ要求するためのダウンロード要求を発信するダウンロード要求手段と、ダウンロード要求手段により発信されたダウンロード要求に応じて配信サーバ手段から配信される道路交通情報を受信する受信手段とを備えるものである。
請求項12の発明は、請求項11の端末機において、ダウンロード要求手段は、対象地域の大きさまたは道路交通状況に応じて、ダウンロード要求を発信するタイミングを変化させるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両にとって不要な地域の道路交通情報が配信されるのを防止し、通信時間や通信費用の無駄を削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
−第1の実施の形態−
本発明の第1の実施の形態によるナビゲーションシステムの構成を図1に示す。車両100に搭載されている車載機1は、推奨経路を探索して道路地図を表示することにより車両100を目的地まで誘導する、いわゆるカーナビゲーション装置の一種である。車載機1には通信端末2が接続されている。通信端末2は、車載機1からの制御によって移動体通信網3と無線接続される。移動体通信網3には、配信サーバ4が接続されている。すなわち、車載機1からの制御によって、通信端末2と移動体通信網3を介して、車載機1と配信サーバ4が接続される。
【0010】
なお、通信端末2と移動体通信網3が無線接続される際には、不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、その周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、全国各地に散在している。また、車載機1と通信端末2との接続には、ケーブル等による有線接続に限らず、たとえば赤外線などの無線接続を用いてもよい。通信端末2には、たとえば携帯電話などが用いられる。
【0011】
配信サーバ4は、不図示のVICSセンターから全国のVICS情報を逐次入手するとともに、過去の渋滞履歴などに基づいて未来の渋滞状況を予測し、これらの道路交通に関する情報を記憶保持する。配信サーバ4において記憶保持される情報のことを、以下では総合交通情報と称する。この総合交通情報には全国の道路交通情報が表されており、その内容は地域ごとに分けることができる。なお、上記のVICSセンターとは、財団法人道路交通情報通信システムセンターのことである。また、VICS情報とは、VICSセンターより供給される各種の道路交通情報、たとえば現在の渋滞情報や通行規制情報などのことである。
【0012】
前述のように通信端末2と移動体通信網3を介して車載機1と配信サーバ4が接続されると、車載機1から配信サーバ4に対して、総合交通情報をダウンロードするための要求(以下、ダウンロード要求という)が発信される。なお、ダウンロード要求の発信は、車載機1において一定時間ごとに行われる。
【0013】
車載機1から発信されたダウンロード要求が配信サーバ4において受信されると、それに応じて、配信サーバ4に記憶保持されている総合交通情報のうち、車載機1にとって必要な地域のものが配信サーバ4から車載機1へ配信される。このようにして、総合交通情報のダウンロードが行われる。なおダウンロードの際には、車載機1の現在位置や推奨経路の設定状況から、車載機1にとって総合交通情報が必要な地域が判断され、その地域についての総合交通情報が配信サーバ4において抽出される。この点については後で詳しく説明する。
【0014】
なお、配信サーバ4から配信される総合交通情報は、後で説明するように配信サーバ4を介さずにVICSセンターから車載機1へFM放送によって直接送信されるVICS情報とは異なり、現在地付近の一定地域、たとえば同一都道府県内の情報には限られない。すなわち、通常のVICS情報では一定地域について現在の渋滞状況しか得られないが、総合交通情報では、全国について実際に車両が到達する予想時刻の渋滞状況を得ることができる。そのため、車載機1において総合交通情報を用いることで、より正確な推奨経路を探索することができる。
【0015】
配信サーバ4から上記のように移動体通信網3と通信端末2を介して配信される総合交通情報を、車載機1において受信する。車載機1はこうして受信した総合交通情報に基づいて、現在地や設定された推奨経路付近の渋滞状況、通行規制状況等を道路地図上に重ねて表示したりすることにより、ユーザに各種の道路交通情報を提供する。さらに、推奨経路が設定されているときには、後で説明するように推奨経路の再探索を行うことにより、推奨経路の途中に渋滞が発生している場合には、その渋滞を回避するような新たな推奨経路を必要に応じて設定する。
【0016】
なお、VICS情報にはレベル1〜レベル3の3段階のレベルがあり、VICS情報を車載機1において表示したときの表示形態はVICS情報のレベルによって異なる。レベル1のVICS情報では、文字によって内容が表される。たとえば、渋滞地点名や渋滞距離、ある地点間の所要時間などを表現した文章が、レベル1のVICS情報として表示される。レベル2の場合は、簡易図形(道路線形を簡易的な図形で表したもの)を用いてその内容が表現される。たとえば、特定の道路の渋滞箇所を赤やオレンジ色などによって簡易図形上に表した画像が、レベル2のVICS情報として表示される。
【0017】
以上説明したように、レベル1とレベル2のVICS情報の表示は、道路地図とは組み合わされずに単独で行われる。一方、レベル3のVICS情報は、道路地図と組み合わされてその内容が表される。たとえば、赤やオレンジ色などの矢印を道路に沿って表示することで各道路の渋滞状況を示したり、通行止めや車線規制などの通行規制を示すためのマークを道路上に表示したりする。すなわち、前述したようにVICS情報に基づいて各種の道路交通情報を道路地図上に重ねて表示するためには、レベル3のVICS情報が用いられ、レベル1とレベル2のVICS情報は用いられない。なお、配信サーバ4からダウンロードする総合交通情報を用いても、レベル3のVICS情報と同様に、道路地図上に渋滞状況や通行規制状況を重ねて表示することができる。
【0018】
図2は、車載機1の構成を示すためのブロック図である。車載機1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、FM放送受信部18およびディスクドライブ19を有している。ディスクドライブ19には、地図データが記録されたDVD−ROM20が装填される。
【0019】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することにより、後で説明するような各種の処理や制御を行う。制御回路11には通信端末2が接続されており、制御回路11によって通信端末2を制御することで、車載機1から図1の配信サーバ4に対してダウンロード要求の発信が行われる。このダウンロード要求に応じて配信サーバ4から配信される総合交通情報は、通信端末2を経由して制御回路11へ出力される。
【0020】
現在地検出装置14は、自車両(車両100)の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。車載機1は、この現在地検出装置14により検出される自車両の現在地に基づいて、後述する経路探索開始点を決定することができる。
【0021】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、道路地図を表示するための道路地図描画用データや各種の図形データ等からなり、DVD−ROM20に記録されている地図データや配信サーバ4から配信された総合交通情報などに基づいて、制御回路11において作成される。制御回路11により作成された画像データが画像メモリ15に出力されることによって、表示モニタ16に道路地図が表示され、さらに、その道路地図上に様々な道路交通情報が表示される。
【0022】
入力装置17は、車両の目的地や経由地(以下、これらを合わせて単に目的地という)をユーザが設定したりするための各種入力スイッチを有している。この入力装置17は、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を操作することにより、地名や地図上の位置などを指定して目的地を設定することができる。
【0023】
FM放送受信部18は、不図示のVICSセンターからFM放送によって直接送信されるVICS情報を受信する。FM放送受信部18において受信されたVICS情報は、制御回路11に出力された後、これに基づいて道路地図上に各種の道路交通情報を表示するための画像データが作成される。なお、前述の総合交通情報とは異なり、VICSセンターから直接送信されるVICS情報では、現在地付近の一定地域、たとえば同一都道府県内に関する道路交通情報しか送信されない。
【0024】
VICSセンターから車載機1へのVICS情報の送信は、上記のFM放送だけではなく、主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコンによっても行われる。電波ビーコンや光ビーコンは、その設置地点付近を通過する車両に対して、電波あるいは光により局所的にVICS情報を送信するものである。一般的に、電波ビーコンや光ビーコンから送信されるVICS情報では、詳細な内容の道路交通情報が局所的に提供される。一方、FM放送によるVICS情報では、それよりも比較的広い範囲の一定の地域、たとえば同一都道府県内についての道路交通情報が提供される。
【0025】
車載機1は、配信サーバ4を経由しないでVICSセンターから直接送信されるVICS情報については、電波ビーコンや光ビーコンからは受信せず、FM放送のみをFM放送受信部18によって受信する。なお、電波ビーコンや光ビーコンから送信されるVICS情報によって提供されるような詳細な道路交通情報については、配信サーバ4からダウンロードされる総合交通情報の中にも含まれているため、電波ビーコンや光ビーコンからのVICS情報を受信しなくても車載機1において提供を受けることができる。
【0026】
ディスクドライブ19は、装填されたDVD−ROM20より、道路地図を表示するための地図データを読み出す。この地図データには、ルート探索に用いられる経路計算データや、交差点名称および道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導するために用いられる経路誘導データ、さらに道路を表す道路データなどが含まれている。また、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す背景データなども地図データに含まれている。
【0027】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。各リンクに対応して、自車両の通過所要時間を表すためのリンクコストと呼ばれる値が前述の経路計算データにおいて設定されている。なお、ここではDVD−ROMを用いた例について説明しているが、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより、地図データを読み出すこととしてもよい。
【0028】
ユーザが入力装置17を操作して目的地を設定すると、車載機1は現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、現在地から目的地までのルート探索を行う。ルート探索の結果求められた推奨経路は、その表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路とは区別して道路地図上に表される。これにより、ユーザは推奨経路を表示モニタ16に表示された道路地図上において認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、車載機1はユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このように、道路地図を表示して推奨経路に従って自車両を目的地まで誘導することにより、目的地までのルート案内が行われる。
【0029】
上記のルート探索は、総合交通情報またはVICS情報によって提供される渋滞情報を用いて、道路の渋滞状況を考慮した上で行われる。すなわち、目的地までに複数のルートを設定可能な場合は、それぞれの道路の渋滞状況を加味した上で各リンクのリンクコストの値を設定してルート探索を行い、目的地までのリンクコストが最小となる経路を推奨経路に設定する。
【0030】
次に、車載機1から発信されたダウンロード要求に応じて、配信サーバ4から車載機1へ総合交通情報をダウンロードする際の処理について説明する。車載機1は、図3(a)に示すフローチャートを実行することにより、配信サーバ4に対して前述したように一定時間ごとにダウンロード要求を発信する。このとき、現在地検出装置14により検出された現在地を表す自車位置情報が、ダウンロード要求とともに車載機1から配信サーバ4に送信される。さらに推奨経路が設定されている場合は、その推奨経路を示す経路情報も合わせて送信される。
【0031】
一方、配信サーバ4は、図3(b)に示すフローチャートを実行する。このフローチャートが実行されることにより、配信サーバ4において記憶されている対象地域リストの内容が適宜更新される。また、配信サーバ4に記憶保持された総合交通情報の中から車載機1にとって必要な内容が抽出され、配信サーバ4から車載機1へと配信される。これにより、配信サーバ4から車載機1への総合交通情報のダウンロードが実現される。
【0032】
なお、上記の対象地域リストとは、全国の地域の中でどの地域を総合交通情報の配信対象とするかをリスト化して登録したものである。この対象地域リストの内容と、車載機1からの自車位置情報および経路情報に基づいて、どの地域の総合交通情報をダウンロードするかが決定される。すなわち、対象地域リストに登録されていない地域については、総合交通情報が配信されない。
【0033】
図3のフローチャートについて説明する。配信サーバ4は、図3(b)のステップS110では、予め設定された更新条件に基づいて、配信サーバ4に記憶された対象地域リストを更新するか否か判定する。対象地域リストを更新すると判定した場合は、ステップS120へ進んで対象地域リストの更新を行った後、ステップS130へ進む。一方、対象地域リストを更新しないと判定した場合は、ステップS120を実行せずにステップS130へ進む。この場合、対象地域リストは更新されない。
【0034】
なお、ステップS110の判定処理に用いる更新条件は、様々な内容とすることができる。たとえば、1時間おきなど所定時間ごとに対象地域リストを更新する場合は、前回の更新からその所定時間が経過したことを更新条件とすればよい。あるいは、配信サーバ4のオペレータから更新指示の操作が行われることを更新条件とすれば、手動で更新タイミングを指示することができる。
【0035】
ステップS120では、対象地域リストの更新を行う。ここでは、都道府県、市区町村等の行政区分や他の区分方法などにしたがって予め設定された全国の各地域のうち所定の道路交通状況に該当する地域を、その時点で車載機1において総合交通情報の必要性が高いと考えられる地域として対象地域に設定し、対象地域リストに登録する。具体的には、図4の表に示すような地域が対象地域に設定される。以下、対象地域に設定される図4の地域についてそれぞれ説明する。
【0036】
(1)渋滞が多い地域
渋滞が多い地域は、所定の道路交通状況に該当するとして対象地域に設定される。渋滞が多い地域がどの地域であるかは、配信サーバ4がVICSセンターから入手するVICS情報に基づいて判断される。たとえば、VICS情報において渋滞している道路を所定の割合以上含んでいる地域は、渋滞が多い地域であると判断される。なお、VICS情報では、渋滞状況に応じて3種類の渋滞度(「渋滞」、「混雑」、「渋滞なし」)が各道路に対してそれぞれ設定されている。したがって、渋滞度が「渋滞」と設定された道路のみを渋滞している道路の対象としてもよいし、あるいは、渋滞度が「混雑」と設定された道路を含めてもよい。
【0037】
(2)渋滞状況の変化が大きい地域
渋滞状況の変化が大きい地域は、所定の道路交通状況に該当するとして対象地域に設定される。渋滞状況の変化が大きい地域がどの地域であるかは、配信サーバ4がVICSセンターから入手する全国のVICS情報と、配信サーバ4に記録された過去のVICS情報の履歴とに基づいて判断される。たとえば、過去のVICS状況の履歴から所定時間前の各道路の渋滞度を取得し、現在の渋滞度と比較する。その結果、現在とは渋滞度が異なる道路が所定の割合以上存在する地域は、渋滞状況の変化が大きい地域であると判断される。
【0038】
(3)交通事故が発生した地域
交通事故が発生した地域は、所定の道路交通状況に該当するとして対象地域に設定される。交通事故が発生した地域がどの地域であるかは、配信サーバ4がVICSセンターから入手する全国のVICS情報に基づいて判断される。前述のようにVICS情報には通行規制状況を表すための情報が含まれており、その中に交通事故の発生状況も含まれている。これにより、交通事故が発生した地域が判断される。
【0039】
(4)普段よりも渋滞している地域
普段よりも渋滞している地域は、所定の道路交通状況に該当するとして対象地域に設定される。普段よりも渋滞している地域がどの地域であるかは、配信サーバ4がVICSセンターから入手する全国のVICS情報と、配信サーバ4に記録された過去のVICS情報の履歴とに基づいて判断される。たとえば、現在渋滞している道路の割合、すなわち渋滞度に「渋滞」または「混雑」が設定された道路の割合が過去1年間における割合の平均よりも所定値以上大きい地域は、普段よりも渋滞している地域であると判断される。
【0040】
(5)渋滞予測が当たりにくい地域
渋滞予測が当たりにくい地域は、所定の道路交通状況に該当するとして対象地域に設定される。渋滞予測が当たりにくい地域がどの地域であるかは、配信サーバ4に記録された過去のVICS情報の履歴と、過去の渋滞状況の予測結果とに基づいて判断される。すなわち、過去の渋滞状況の予測結果と、その予測後にVICSセンターから入手したVICS情報の内容との差が大きい場合には、その地域は渋滞予測が当たりにくい地域であると判断される。
【0041】
ステップS120では、以上説明したような図4に表した地域が対象地域リストに登録されることにより、対象地域リストが更新される。なお、図4の地域はあくまで一例であり、これに該当しない地域であっても、車載機1において総合交通情報の必要性が高いと考えられる地域であれば、その地域も対象地域に含めて対象地域リストを更新することが好ましい。また、図4の地域全てを対象地域に設定する必要はなく、その一部だけを対象地域としてもよい。
【0042】
一方車載機1は、図3(a)のステップS10では、配信サーバ4に対してダウンロード要求するか否かを判定する。ダウンロード要求する場合は次のステップS20へ進み、ダウンロード要求の発信を行う。このとき、前述したように、現在地検出装置14により検出された自車位置情報と、さらに推奨経路が設定されている場合は経路情報とを、ダウンロード要求に合わせて送信する。
【0043】
なお、ステップS10の判定は、予め定められたダウンロード要求の発信タイミングに応じて行われる。すなわち、所定時間ごとにダウンロード要求を行う場合は、前回のダウンロード要求からその所定時間が経過することにより、ステップS10においてダウンロード要求すると判定される。
【0044】
ステップS20において車載機1からダウンロード要求が発信されると、配信サーバ4は、そのダウンロード要求を受信したか否かをステップS130により判定する。ダウンロード要求を受信した場合は次のステップS140へ進み、受信していなければステップS110へ戻る。
【0045】
配信サーバ4は、ステップS140では、ステップS20においてダウンロード要求と共に車載機1から送信される自車位置情報と経路情報を取得する。なお、車載機1において推奨経路が設定されていない場合は、車載機1から経路情報が送信されないため、経路情報は取得されない。ステップS150では、配信サーバ4に記憶された対象地域リストを参照する。この対象地域リストは、前述のようにステップS120によって適宜更新されている。
【0046】
ステップS160では、ステップS140で取得した自車位置情報および経路情報と、ステップS150における対象地域リストの参照結果に基づいて、車載機1の現在地または車載機1において設定されている推奨経路から所定距離以内に、対象地域リストに登録されている対象地域があるか否かを判定する。所定距離以内に対象地域がある場合はステップS170へ進む。しかし、所定距離以内に対象地域がない場合は、ステップS110へ戻る。この場合は、車載機1からダウンロード要求が送信されたにも関わらず、総合交通情報のダウンロードが行われないこととなる。そのため、この場合には、ダウンロードすべき総合交通情報がないことを車載機1へ返信することが好ましい。
【0047】
ステップS170では、ステップS160の判定結果に該当する対象地域、すなわち車載機1の現在地または車載機1において設定されている推奨経路から所定距離以内にある対象地域について、その地域に関する総合交通情報を配信サーバ4に記憶保持された総合交通情報の中から抽出する。これにより、配信サーバ4に記憶保持された総合交通情報から車載機1にとって必要な内容が抽出される。
【0048】
ステップS180では、ステップS170で抽出した総合交通情報を車載機1へ送信する。ステップS180を実行したら、ステップS110へ戻る。
【0049】
車載機1は、ステップS30では、配信サーバ4からステップS180により送信された総合交通情報を受信する。ステップS40では、ステップS30で配信サーバ4から受信した総合交通情報により、道路地図上に表示された道路交通上表示の更新を行う。ステップS40を実行したら、ステップS10へ戻る。以上説明したようにして、車載機1にとって必要な総合交通情報がダウンロードされる。
【0050】
以上説明した第1の実施の形態によれば、下記の作用効果を奏することができる。
(1)配信サーバ4において、図4に示すような所定の道路交通状況に該当する地域を対象地域に設定することにより、対象地域リストを更新する(ステップS120)。そして、設定された対象地域に関する総合交通情報を配信サーバ4から車載機1へ配信する(ステップS30、S180)。このようにしたので、車両にとって不要な地域の道路交通情報が配信されるのを防止し、通信時間や通信費用の無駄を削減することができる。
【0051】
(2)ステップS120では、図4に示すような地域、すなわち渋滞が多い地域、渋滞状況の変化が大きい地域、交通事故が発生した地域、普段よりも渋滞している地域、渋滞予測が当たりにくい地域などを対象地域に設定することとした。このようにしたので、車両にとって道路交通情報が必要な地域を対象地域に設定し、その対象地域について道路交通情報をダウンロードすることができる。
【0052】
(3)対象地域に設定された地域のうち、車載機1の現在位置、または車載機1において設定された推奨経路から所定距離以内にある地域を選択し(ステップS160)、その選択された地域について総合交通情報を抽出して(ステップS170)、配信サーバ4から車載機1へ配信する(ステップS30、S180)。このようにしたので、道路交通情報をダウンロードする地域をさらに絞り込むことができる。
【0053】
−第2の実施の形態−
本発明の第2の実施の形態によるナビゲーションシステムについて説明する。第2の実施の形態によるナビゲーションシステムの構成は、図1に示した第1の実施の形態によるナビゲーションシステムと同じである。また、車載機の構成も、図2に示した第1の実施の形態による車載機1と同じである。
【0054】
第1の実施の形態によるナビゲーションシステムでは、車載機1と配信サーバ4により図3(a)、(b)のフローチャートをそれぞれ実行することにより、配信サーバ4に記憶保持された総合交通情報の中から車載機1にとって必要な内容を配信サーバ4において抽出し、車載機1へダウンロードしていた。これに対し、第2の実施の形態によるナビゲーションシステムでは、車載機1の制御回路11により図5(a)のフローチャートを、配信サーバ4により図5(b)のフローチャートをそれぞれ実行することにより、車載機1にとって必要な総合交通情報を車載機1から配信サーバ4へダウンロード要求する。このダウンロード要求に応じて、配信サーバ4に記憶保持された総合交通情報の一部が車載機1へダウンロードされる。
【0055】
図5のフローチャートについて説明する。車載機1は、図5(a)のステップS210では、図3(b)のステップS110と同様に、予め設定された更新条件に基づいて対象地域リストを更新するか否かを判定する。なお、この対象地域リストは、第1の実施の形態の場合とは異なり車載機1において記憶されている。対象地域リストを更新すると判定した場合は、ステップS220へ進んで対象地域リストの更新を行った後、ステップS230へ進む。一方、対象地域リストを更新しないと判定した場合は、ステップS220を実行せずにステップS230へ進む。この場合、対象地域リストは更新されない。
【0056】
ステップS210の判定処理に用いる更新条件は、ステップS110の場合と同様に、様々な内容とすることができる。たとえば、第1の実施の形態で説明したように所定時間ごとに更新したり、ユーザである車両の運転者からの更新指示操作に応じて更新したりすることができる。あるいは、車両のイグニッションスイッチがオンされたときに更新するようにしてもよい。
【0057】
ステップS220では、対象地域リストの更新を行う。ここでは、図3(b)のステップS120において説明したのと同様に、図4に示すような所定の道路交通状況に該当する地域を対象地域に設定し、対象地域リストに登録することにより、車載機1に記憶されている対象地域リストを更新する。その際、FM放送やビーコンによって送信されるVICS情報を予め受信しておけば、その内容に基づいてどの地域が対象地域に該当するかを判断することができる。あるいは、配信サーバ4において対象地域リストを予め作成しておき、それを配信サーバ4から車載機1が受信することにより、車載機1に記憶されている対象地域リストを更新するようにしてもよい。
【0058】
ステップS230では、配信サーバ4に対してダウンロード要求するか否かを判定する。ダウンロード要求する場合は次のステップS240へ進み、ダウンロード要求しない場合はステップS210へ戻る。
【0059】
ステップS240では、現在地検出装置14により検出される自車位置情報を取得すると共に、推奨経路が設定されている場合はその経路情報も取得する。ステップS250では、車載機1に記憶された対象地域リストを参照する。この対象地域リストは、前述のようにステップS220によって適宜更新されている。
【0060】
ステップS260では、ステップS240で取得した自車位置情報および経路情報と、ステップS250における対象地域リストの参照結果に基づいて、車載機1の現在地または車載機1において設定されている推奨経路から所定距離以内に、対象地域リストに登録されている対象地域があるか否かを判定する。所定距離以内に対象地域がある場合はステップS270へ進む。しかし、所定距離以内に対象地域がない場合はステップS210へ戻る。この場合、車載機1から配信サーバ4へのダウンロード要求は行われない。
【0061】
ステップS270では、ステップS260の判定結果に該当する対象地域、すなわち車載機1の現在地または車載機1において設定されている推奨経路から所定距離以内にある対象地域について、その地域に関する総合交通情報をダウンロードするよう配信サーバ4に対してダウンロード要求を発信する。
【0062】
ステップS270において車載機1からダウンロード要求が発信されると、配信サーバ4は、そのダウンロード要求を受信したか否かを図5(b)のステップS310により判定する。ダウンロード要求を受信した場合は、次のステップS320へ進む。
【0063】
配信サーバ4は、ステップS320では、ステップS270で車載機1から送信されたダウンロード要求において総合交通情報のダウンロードを要求されている対象地域、すなわち車載機1の現在地または車載機1において設定されている推奨経路から所定距離以内にある対象地域について、その地域に関する総合交通情報を配信サーバ4に記憶保持された総合交通情報の中から抽出する。これにより、配信サーバ4に記憶保持された総合交通情報から車載機1にとって必要な内容が抽出される。ステップS330では、ステップS320で抽出した総合交通情報を車載機1へ送信する。ステップS330を実行したら、ステップS310へ戻って再び車載機1からのダウンロード要求があるまで待機する。
【0064】
車載機1は、ステップS280では、ステップS270のダウンロード要求に応じてステップS330により配信サーバ4から送信される総合交通情報を受信する。これにより、車載機1にとって必要な総合交通情報がダウンロードされる。ステップS290では、ステップS270で配信サーバ4から受信した総合交通情報により、道路地図上に表示された道路交通上表示の更新を行う。ステップS290を実行したら、ステップS210へ戻る。
【0065】
以上説明した第2の実施の形態によれば、下記の作用効果を奏することができる。
(1)車載機1において、図4に示すような所定の道路交通状況に該当する地域を対象地域に設定することにより、対象地域リストを更新する(ステップS220)。そして、設定された対象地域に関する総合交通情報を配信サーバ4から車載機1へ配信する(ステップS280、S330)。このようにしたので、第1の実施の形態と同様に、車両にとって不要な地域の道路交通情報が配信されるのを防止し、通信時間や通信費用の無駄を削減することができる。
【0066】
(2)ステップS220では、図4に示すような地域を対象地域に設定することとしたので、第1の実施の形態と同様に、車両にとって道路交通情報が必要な地域を対象地域に設定し、その対象地域について道路交通情報をダウンロードすることができる。
【0067】
(3)対象地域に設定された地域のうち、車載機1の現在位置、または車載機1において設定された推奨経路から所定距離以内にある地域を選択し(ステップS260)、その選択された地域についてダウンロード要求を発信する(ステップS270)。このダウンロード要求に応じて配信サーバ4から車載機1へ配信される総合交通情報を受信することとしたので、第1の実施の形態と同様に、道路交通情報をダウンロードする地域をさらに絞り込むことができる。
【0068】
なお、以上説明した各実施の形態において、図3のステップS160または図5のステップS260では、車載機1の現在地または設定された推奨経路から所定距離以内にある対象地域を判定する際に、その所定距離の値を地域ごとに変化させることができる。この場合、地域の大きさによって変化させてもよいし、道路交通状況に応じて変化させてもよい。たとえば、広大な地域や渋滞の激しい地域のように、道路交通情報の必要性が高いと考えられる地域ほど所定距離の値を大きくして、現在地や推奨経路から遠くてもダウンロードできるようにする。
【0069】
すなわち、ステップS160またはステップS260における現在地または推奨経路から所定距離以内にある対象地域の選択の際、その地域の大きさまたは道路交通状況に応じて、所定距離を地域ごとに変化させることができる。これにより、地域ごとの道路交通情報の必要性に応じて、柔軟にダウンロードする地域を選択することができる。
【0070】
また、上記の第2の実施の形態では、図5のステップS270においてダウンロード要求を発信するときに、対象地域に設定された地域の大きさや、その対象地域の道路交通状況に応じて、ダウンロード要求を発信するタイミングを変化させてもよい。この場合、ステップS230においてダウンロード要求するか否かを判定するときの判定条件を変化させてもよいし、あるいは、ステップS270を実行するタイミング自体を変化させてもよい。たとえば、広大な地域や渋滞の激しい地域のように、道路交通情報の必要性が高い地域についてはダウンロードの間隔を短く変化させ、常に最新の内容とすることができる。これにより、地域ごとの道路交通情報の必要性に応じて、柔軟にダウンロードの頻度を設定することができる。
【0071】
上記の各実施の形態では、全国の道路交通情報や未来の渋滞状況の予測結果などを含んだ総合交通情報を配信サーバ4に記憶保持し、それを通信端末2や移動体通信網3を介して車両に搭載されたナビゲーション装置である車載機1に配信する例を説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。たとえば、パソコンやPDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話等、ナビゲーション装置以外の種々の端末機に対して道路交通情報を配信するものや、沿線の観光地や施設情報などを道路交通情報として配信するものなどについても、本発明を適用することができる。
【0072】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0073】
上記の第1の実施の形態では、本発明の配信サーバを配信サーバ4によって実現しており、そのうち設定手段を図3のステップS120、抽出手段をステップS170、配信手段をステップS180の各処理によってそれぞれ実現している。また、第2の実施の形態では、本発明の端末機を車載機1によって実現しており、そのうち設定手段を図5のステップS220、ダウンロード要求手段をステップS270、受信手段をステップS280の各処理によってそれぞれ実現している。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーションシステムを示す図である。
【図2】車載機の構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態において車載機と配信サーバにより実行されるフローチャートである。
【図4】対象地域の例を表した図である。
【図5】第2の実施の形態において車載機と配信サーバにより実行されるフローチャートである。
【符号の説明】
【0075】
1 車載機
2 通信端末
3 移動体通信網
4 配信サーバ
11 制御回路
12 ROM
13 RAM
14 現在地検出装置
15 画像メモリ
16 表示モニタ
17 入力装置
18 FM放送受信部
19 ディスクドライブ
20 DVD−ROM
100 自車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各地域に関する道路交通情報を記憶保持し、その道路交通情報を端末機からのダウンロード要求に応じて配信する配信サーバと、
前記配信サーバから配信される道路交通情報を受信する端末機とを備えた道路交通情報配信システムであって、
所定の道路交通状況に該当する地域を対象地域に設定し、
前記設定された対象地域に関する道路交通情報を前記配信サーバから前記端末機へ配信することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項2】
請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、
渋滞が多い地域を前記対象地域に設定することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項3】
請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、
渋滞状況の変化が大きい地域を前記対象地域に設定することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項4】
請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、
交通事故が発生した地域を前記対象地域に設定することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項5】
請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、
普段よりも渋滞している地域を前記対象地域に設定することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項6】
請求項1の道路交通情報配信システムにおいて、
渋滞予測が当たりにくい地域を前記対象地域に設定することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項7】
請求項1〜6いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて、
前記対象地域に設定された地域のうち、前記端末機の現在位置から予め定められた所定距離以内にある地域を選択し、その選択された地域について、前記道路交通情報を前記配信サーバから前記端末機へ配信することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項8】
請求項1〜6いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて、
前記対象地域に設定された地域のうち、前記端末機において設定された推奨経路から予め定められた所定距離以内にある地域を選択し、その選択された地域について、前記道路交通情報を前記配信サーバから前記端末機へ配信することを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項9】
請求項7または8の道路交通情報配信システムにおいて、
前記選択の際、その地域の大きさまたは道路交通状況に応じて、前記所定距離を地域ごとに変化させることを特徴とする道路交通情報配信システム。
【請求項10】
請求項1〜9いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて用いられる配信サーバであって、
各地域に関する道路交通情報を記憶保持する記憶保持手段と、
前記対象地域を設定する設定手段と、
前記端末機からのダウンロード要求に応じて、前記記憶保持手段により記憶保持された道路交通情報の中から、前記設定手段により設定された対象地域に関する道路交通情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出された道路交通情報を前記端末機へ配信する配信手段とを備えることを特徴とする配信サーバ。
【請求項11】
請求項1〜9いずれか一項の道路交通情報配信システムにおいて用いられる端末機であって、
前記対象地域を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された対象地域に関する道路交通情報を前記配信サーバへ要求するためのダウンロード要求を発信するダウンロード要求手段と、
前記ダウンロード要求手段により発信されたダウンロード要求に応じて前記配信サーバ手段から配信される道路交通情報を受信する受信手段とを備えることを特徴とする端末機。
【請求項12】
請求項11の端末機において、
前記ダウンロード要求手段は、前記対象地域の大きさまたは道路交通状況に応じて、前記ダウンロード要求を発信するタイミングを変化させることを特徴とする端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−80030(P2007−80030A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−268154(P2005−268154)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】