説明

道路環境情報通知装置及び道路環境情報通知プログラム

【課題】廉価に構築でき、運転者が目視によって知覚するよりも早く有用な道路環境情報をリアルタイムに運転者に提供でき、且つ画像認識の結果情報の信頼性を向上できる道路環境情報通知装置を提供する。
【解決手段】画像認識手段1102は、撮像手段1101が撮像した画像情報から認識対象物体を抽出する。画像認識結果情報生成手段1104は、画像認識の結果の情報と、車両位置測位手段1103からの自車両の絶対位置とに基づいて、画像認識結果情報を生成する。道路環境再現データ統合生成手段1108は、画像認識結果情報記憶手段1107が記憶する画像認識結果情報の履歴情報と、一時刻前の道路環境再現データとを統合して、最新の道路環境再現データを生成する。そして、情報通知手段1113は、道路環境再現データ統合生成手段1108が生成した道路環境再現データに含まれる情報を運転者に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載報知装置の車載カメラで撮像した映像から、カーナビゲーションシステムやVICS情報では提供されない、道路標識、路面標識、信号機、歩行者、及び周辺車両等の属性や存在位置等の情報を時々刻々と画像認識によって認識し、各車両が認識した情報を、ネットワークを介して、集約、統合、または配信することによって、運転者の行動決定に有益で信頼性の高い情報をリアルタイムに提供する道路環境情報通知装置及び道路環境情報通知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両(自動車等)の運転者の行動決定を支援するシステムとして、カーナビゲーションシステムが普及している。カーナビゲーションシステムは、地図情報及びVICS(Vehicle Information and Communication System;交通情報通信システム)情報を利用して、道路の位置、道路の混雑状況、自車両の現在位置、目的地への経路等の情報をモニタによる図形表示または音声によって運転者に通知し、運転者の行動を支援するシステムである。
【0003】
しかし、カーナビゲーションシステムは、一時停止標識等の道路標識、信号の状態、または道路上における車両や歩行者の有無等物体に関する情報(以下、道路環境情報という。)を提供できないため、運転者は、道路標識や歩行者等を見逃さないように注意を払って運転しなければならない。そこで、運転者による道路環境情報の取得を補助するシステムとして、運転者が運転する自車両に搭載されたカメラによって道路標識等の道路環境情報を認識し、文字、図形、または音声によって運転者に道路環境情報を通知するリアルタイム情報提供システムが、特許文献1、特許文献2、特許文献3、及び非特許文献1に開示されている。
【0004】
これらのリアルタイム情報提供システムによって、道路標識や歩行者等の物体情報の発見に注がれていた運転者の負荷を軽減することができる。また、これらのリアルタイム情報提供システムを実現するためには、車両内にカメラ付きカーナビゲーションシステムのみを設置すればよいので、必要機器の設置及びシステムの維持が容易であり、廉価にシステムを構築できる。
【0005】
また、我が国の国土交通省は、人と道路と車両とをネットワークで結び交通事故等の解消を目指す高度道路交通システム(ITS;Intelligent Transport Systems )を提唱している。高度道路交通システム構想の1つの柱である走行支援道路システム(AHS:Advanced cruise-assist Highway Systems)は、(1)道路に設置されたセンサ等のインフラストラクチャが発信する歩行者、車両位置情報及び路面状態情報、(2)信号機が発信する信号機点灯情報、(3)他車両が発信する他車両位置情報を、各車両に設置される受信装置が受信することによって、各車両の完全自動走行を実現することを目的とする技術である(例えば、非特許文献2参照。)。
【0006】
また、道路脇に設置されるカメラで撮像した映像を、ネットワークを介して運転者に提供する交通情報提供システムが、非特許文献3参照に開示されている。
【0007】
さらに、GPS(Global Positioning System )による車両位置情報を、ネットワークを介して車両間で送受信し、車両同士の衝突及び車両が道路路肩に衝突するのを回避するシステムが、非特許文献4、非特許文献5、及び非特許文献6参照に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2000−67374号公報(第4−6頁、第1図、第2図)
【特許文献2】特開平10−177699号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献3】特開2001−84496号公報(第4−8頁、第1図、第8図、第 10図)
【非特許文献1】米国特許第6311123号明細書
【非特許文献2】国土交通省編、”AHS”、[online]、平成14年4月 1日、国土交通省、[平成14年9月9日検索]、インターネット< URL : http://www.nilim.go.jp/japanese/its/fields/ahs/>
【非特許文献3】米国特許第5396429号明細書
【非特許文献4】米国特許第6405132号明細書
【非特許文献5】米国特許第6370475号明細書
【非特許文献6】米国特許第6275773号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、自車両の車載カメラによって道路環境情報を通知する従来のリアルタイム情報提供システムは、運転者が自ら知覚可能な情報を、運転者が知覚するのとほぼ同時刻に運転者に提供するにすぎない。よって、従来のリアルタイム情報提供システムによって、運転者の不注意による道路環境情報の見落としを低減することはできるが、運転者が特定の時刻において自ら知覚できない他の有用な道路環境情報を取得し、運転者に提供することはできない。
【0010】
例えば、道路を走行中に、車高の高い車両(例えば、トレーラ等)が自車両の前方視界を遮っており、運転者が前方の信号の点灯状態(例えば、赤信号であるか、青信号であるか等)や前方道路上の路肩駐車車両の有無等の道路状況をできるだけ早く把握したい場合に、従来のリアルタイム情報提供システムは、運転者自らが知覚する前に、信号の点灯状態や前方車両の有無の情報を運転者に通知できない可能性がある。
【0011】
また、一般にコンピュータビジョン(Computer vision)と呼ばれる物体認識の技術の性能は、人間の視覚能力に比べて低い。従って、自車両に設置されたカメラと認識対象物体との位置関係や日照条件等によっては、認識対象物体をうまく認識できない場合があるが、従来のリアルタイム情報提供システムは、このようなコンピュータビジョン技術の物体認識における不完全さを補う手段を持たない。
【0012】
また、AHSでは、道路上に隈無くセンサ等のインフラストラクチャを設置するので、運転者が目視により知覚するよりも早く正確な道路環境情報を運転者に通知できる。しかし、道路へのセンサ等のインフラストラクチャの設置と、インフラストラクチャの維持及び管理とに多額の費用が必要であるので、コスト面と実現可能性の面において問題を有する。また、道路に設置されたインフラストラクチャと車両との間で通信される情報と、各車両間で通信される情報とは常に正しい情報であることを前提としているので、不正確な情報を送受信した場合に情報の不正確さを補う仕組みや、不正確な情報を統合する仕組みを有していない。
【0013】
また、GPSによる車両位置情報をネットワークを介して各車両間で送受信するシステムでは、ガードレール、信号機、または道路標識等から位置情報信号を送信できるようにするために膨大なインフラストラクチャ投資が必要である。また、そのシステムでは、正確な位置情報を送受信できるが、不正確な要素を含む画像認識の結果情報を授受して統合する仕組みを有していない。
【0014】
そこで、本発明は、道路にインフラストラクチャを設置せずに廉価に構築でき、運転者が目視によって知覚するよりも早く、道路標識、信号の状態や道路上の物体の有無等の有用な情報をリアルタイムに運転者に提供でき、且つ画像認識の結果情報の信頼性を向上できる道路環境情報通知装置及び道路環境情報通知プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明による道路環境情報通知装置は、車両内に設置され、運転者に道路環境に関する情報である道路環境情報を通知する道路環境情報通知装置であって、車両周辺を撮像して画像情報を出力する撮像手段と、撮像された画像情報から道路環境に関する画像を認識して抽出し、抽出した画像認識の結果の情報を出力する画像認識手段と、画像認識の結果の情報を含む画像認識結果情報を、他の車両に送信する画像認識結果情報送信手段と、他の車両からの画像認識結果情報を、受信する画像認識結果情報受信手段と、自車両の画像認識結果情報と、受信した他の車両の画像認識結果情報を統合し、統合された道路環境に関する情報である道路環境再現データを生成する道路環境再現データ統合生成手段と、道路環境再現データに含まれる情報を運転者に通知する情報通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
そのような構成によれば、道路にインフラストラクチャ及び情報センタを設置せずに廉価に装置を構築することができ、運転者が目視によって知覚するよりも早く、道路標識、信号の状態や道路上の物体の有無等の有用な情報をリアルタイムに運転者に提供することができ、且つ画像認識の結果情報の信頼性を向上することができる。
【0017】
道路環境情報通知装置は、車両の絶対位置を把握する車両位置把握手段と、画像認識手段が出力する画像認識の結果の情報と、車両の絶対位置の情報とに基づいて、画像認識結果情報を生成する画像認識結果情報生成手段と、画像認識結果情報生成手段が生成した自車両の画像認識結果情報、及び受信した他の車両の画像認識結果情報の履歴情報を記憶する画像認識結果情報記憶手段と、現時刻における認識対象物体の絶対位置と属性とに関する最新の推定結果、及び推定結果の確かさを示す総合確信度を含む道路環境再現データを記憶する道路環境再現データ記憶手段とを備えたものであることが好ましい。
【0018】
そのような構成によれば、認識対象物体の絶対位置の情報を含んだ画像認識結果情報を生成でき、現時刻における認識対象物体の絶対位置と属性とに関する最新の推定結果と、その推定結果の確かさを示す総合確信度との情報を含んだ道路環境再現データを生成できる。
【0019】
道路環境情報通知装置は、道路環境再現データ統合生成手段が出力する道路環境再現データから、運転者に重要であると判断される情報を、道路環境再現データから選択して抽出する重要情報選択手段を備えたものであることが好ましい。
【0020】
そのような構成によれば、道路再現データに含まれる情報のうち運転者に重要な情報のみを通知することができる。
【0021】
車両内に設置される道路環境通知装置において、画像認識手段は、撮像された画像情報に基づいて画像認識をすることによって、認識対象物体の属性、車両に対する相対位置、及び認識時刻を抽出し、且つ画像認識によって得られた結果の確かさを示す認識確信度を算出して、属性、相対位置、認識時刻、及び認識確信度を含む画像認識の結果の情報を出力し、画像認識結果情報生成手段は、画像認識情報に含まれる認識対象物体の車両に対する相対位置と、車両位置把握手段が取得する車両の絶対位置とに基づいて、認識対象物体の絶対位置を算出し、認識対象物体の絶対位置、属性、認識時刻、及び認識確信度を含む情報を画像認識結果情報として出力し、道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報に含まれる認識確信度と一時刻前における道路環境再現データに含まれる総合確信度との値に基づいて、画像認識結果情報の履歴情報に含まれる情報の内容と道路環境再現データに含まれる情報の内容とを統合することによって、現時刻における認識対象物体の絶対位置及び属性の推定結果を算出し、推定結果に基づいて道路環境再現データの内容を更新することによって、最新の道路環境再現データを生成し、情報通知手段は、重要情報選択手段が抽出した情報を、映像による表示または音声にて運転者に通知するものであることが好ましい。
【0022】
そのような構成によれば、画像認識手段が認識した画像認識の結果の確かさを示す認識確信度を考慮して道路環境再現データを生成でき、且つ、運転者に視覚的または音声により情報を通知できる。
【0023】
車両内に設置される道路環境通知装置において、道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報記憶手段が画像認識結果情報受信手段が新たに受信した画像認識結果情報を記憶した場合に、画像認識結果情報の履歴情報に含まれる認識確信度の平均値を算出することによって、総合確信度を算出するものであってもよい。
【0024】
そのような構成によれば、過去の画像認識結果情報の履歴情報を考慮して、総合確信度を算出できる。
【0025】
車両内に設置される道路環境通知装置において、道路環境再現データ統合生成手段は、道路環境再現データ記憶手段が記憶する道路環境再現データ、及び画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報のうちのいずれにも、画像認識結果情報受信手段が受信した画像認識結果情報の認識対象物体に対応する情報がない場合には、受信した画像認識結果情報に含まれる認識確信度を認識対象物体に対する総合確信度とするものであってもよい。
【0026】
そのような構成によれば、新たに認識された認識対象物体に対応する道路環境再現データを生成できる。
【0027】
道路環境再現データ統合生成手段は、認識対象物体の属性が時間経過に従って変化する場合、画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報のうち、認識時刻と現時刻との差が予め定めた一定時間以内である情報のみに基づいて、道路環境再現データを生成するものであってもよい。
【0028】
そのような構成によれば、信号機や歩行者等の時間経過に従って属性が変化する認識対象物体についても信頼性の高い道路環境情報を運転者に通知できる。
【0029】
道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報受信手段が特定の認識対象物体の情報を含む画像認識結果情報を予め定めた一定時間の間受信しない場合には、道路環境再現データ記憶手段が記憶する道路環境再現データのうち、認識対象物体に対応する道路環境再現データを削除するものであってもよい。
【0030】
そのような構成によれば、不要となった道路環境再現データを削除することができる。
【0031】
画像認識結果情報生成手段は、車両を特定するための車両番号情報を含んだ画像認識結果情報を生成し、道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報受信手段が受信した画像認識結果情報の内容が道路環境再現データの内容と一致しない場合に、画像認識結果情報に含まれる車両番号情報を予め定めた一定時間の間記憶し、特定の車両番号情報の車両から受信した画像認識結果情報内容が予め定めた頻度を超える割合で道路環境再現データの内容と一致しない場合には、車両から受信した画像認識情報に含まれる認識確信度を低く見積もって新たな道路環境再現データを生成するものであってもよい。
【0032】
そのような構成によれば、画像認識結果情報に信頼性の低い情報が含まれる場合にも、信頼性の高い道路環境情報を運転者に提供できる。
【0033】
道路環境情報通知装置は、走行予定ルートに関する指示を入力する入力操作手段を備え、重要情報選択手段は、走行予定ルート上に存在する認識対象物体に関する情報を選択して抽出するものであってもよい。
【0034】
そのような構成によれば、予め指示された走行予定ルートに関する道路環境情報を選択して運転者に通知できる。
【0035】
入力操作手段は、取得したい情報の指定を入力する機能を有し、重要情報選択手段は、入力操作手段によって入力された指定に基づいて情報を選択して抽出するものであってもよい。
【0036】
そのような構成によれば、予め指定された種類の認識対象物体に関する道路環境情報を選択して運転者に通知できる。
【0037】
入力操作手段は、画像認識結果情報を他の車両に送信するか否かの指定を入力する機能を有し、画像認識結果情報送信手段は、入力操作手段の入力によって画像認識結果情報を送信する旨の指定がされている場合にのみ、前記画像認識結果情報を送信するものであってもよい。
【0038】
そのような構成によれば、運転者が他人に自車両の位置を知られたくない場合に、自車両からの情報の送信をしないように設定できる。
【0039】
道路環境情報通知装置は、画像認識結果情報生成手段が出力する画像認識結果情報の内容と、道路環境再現データの内容とが、予め定めた頻度を超えて一致しない場合に不具合が発生していると判断することによって、撮像手段若しくは画像認識手段の動作状態を監視する動作状態監視手段を備え、情報通知手段は、動作状態監視手段が不具合を検出した場合に、検出した不具合に関する情報を運転者に通知するものであってもよい。
【0040】
そのような構成によれば、運転者は、自車両に搭載された車載報知装置の不具合の発生を知ることができる。
【0041】
道路環境情報通知装置は、撮像手段が撮像した映像を予め定めた一定時間の間記憶し、車両に対する衝撃を感知した場合に新しい映像の記録を中止して、衝撃を感知する直前の映像を保持する衝撃感知直前映像記憶手段を備えたものであってもよい。
【0042】
そのような構成によれば、事故が発生した場合に迅速に事故原因の究明をすることができる。
【0043】
道路環境情報通知装置は、車両の移動速度を感知する車両速度計測手段を備え、重要情報選択手段は、認識対象物体の属性が赤信号である信号機または一時停止標識である道路環境再現データについては、道路環境再現データに含まれる認識対象物体の絶対位置と現時刻の車両の絶対位置とに基づいて算出される車両から認識対象物体までの距離に対して、車両の移動速度が予め定めた閾値を超える場合にのみ、認識対象物体に関する道路環境再現データを選択して抽出するものであってもよい。
【0044】
そのような構成によれば、赤信号の信号機または一時停止標識の場所に到達するまでに、運転者は余裕をもって自車両の移動速度を減速することができる。
【0045】
道路環境情報通知装置は、受信した道路環境再現データに対応する認識対象物体が自車両から認識可能な位置にあり、且つ画像認識手段が認識対象物体を認識していない場合に、認識対象物体を判定する未抽出物体判定手段を備え、画像認識手段は、未抽出物体判定手段が判定した認識対象物体の情報に基づいて画像解析を行うトップダウン画像解析処理によって、未抽出物体を抽出するものであってもよい。
【0046】
そのような構成によれば、自車両の画像認識手段が検出困難な認識対象物体であっても画像認識することができる。
【0047】
本発明による道路環境情報通知プログラムは、車両内に設置され、運転者に道路環境に関する情報である道路環境情報を通知するための道路環境情報通知プログラムであって、コンピュータに、撮像された車両周辺の画像情報から道路環境に関する画像を認識して抽出し、抽出した画像認識の結果の情報を出力する処理と、画像認識の結果の情報を含む画像認識結果情報を、他の車両に送信する処理と、他の車両からの画像認識結果情報を、受信する処理と、自車両の画像認識結果情報と、受信した他の車両の画像認識結果情報を統合し、統合された道路環境に関する情報である道路環境再現データを生成する処理と、道路環境再現データに含まれる情報を運転者に通知する処理とを実行させるためのものである。
【0048】
そのような構成によれば、道路にインフラストラクチャ及び情報センタを設置せずに廉価に装置を構築することができ、運転者が目視によって知覚するよりも早く、道路標識、信号の状態や道路上の物体の有無等の有用な情報をリアルタイムに運転者に提供することができ、且つ画像認識の結果情報の信頼性を向上することができる。
【発明の効果】
【0049】
本発明による道路環境情報通知装置によれば、車両周辺を撮像して画像情報を出力する撮像手段と、撮像された画像情報から道路環境に関する画像を認識して抽出し、抽出した画像認識の結果の情報を出力する画像認識手段と、画像認識の結果の情報を含む画像認識結果情報を、他の車両に送信する画像認識結果情報送信手段と、他の車両からの画像認識結果情報を、受信する画像認識結果情報受信手段と、自車両の画像認識結果情報と、受信した他の車両の画像認識結果情報を統合し、統合された道路環境に関する情報である道路環境再現データを生成する道路環境再現データ統合生成手段と、道路環境再現データに含まれる情報を運転者に通知する情報通知手段とを備えるように構成したので、道路にインフラストラクチャを設置せずに廉価に道路環境情報通知システムを構築することができ、運転者が目視によって知覚するよりも早く、道路標識、信号の状態や道路上の物体の有無等の有用な情報をリアルタイムに運転者に提供することができ、且つ画像認識の結果情報の信頼性を向上することができる。
【0050】
本発明による道路環境情報通知プログラムによれば、コンピュータに、撮像された車両周辺の画像情報から道路環境に関する画像を認識して抽出し、抽出した画像認識の結果の情報を出力する処理と、画像認識の結果の情報を含む画像認識結果情報を、他の車両に送信する処理と、他の車両からの画像認識結果情報を、受信する処理と、自車両の画像認識結果情報と、受信した他の車両の画像認識結果情報を統合し、統合された道路環境に関する情報である道路環境再現データを生成する処理と、道路環境再現データに含まれる情報を運転者に通知する処理とを実行させるので、運転者が目視によって知覚するよりも早く、道路標識、信号の状態や道路上の物体の有無等の有用な情報をリアルタイムに運転者に提供することができ、且つ画像認識の結果情報の信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
実施の形態1.
以下、本発明による道路環境情報通知装置の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態による道路環境情報通知装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示す道路環境情報通知装置は、道路上を走行中の車両から送られる画像に基づく情報を情報センタが収集し、収集した情報に基づいて統合して生成した情報を車両に配信するシステムである。道路環境情報通知装置は、各車両内に設置される車載報知装置10と、情報センタ内に設置される情報センタ内装置20とを含む。
【0052】
図1に示すように、車載報知装置10は、車両周辺を撮像する撮像手段101と、画像を認識する画像認識手段102と、自車両の位置を測位する車両位置測位手段103と、画像認識結果情報を生成する画像認識結果情報生成手段104と、画像認識結果情報を情報センタ内装置20に送信する画像認識結果情報送信手段105と、情報センタ内装置20からの情報を受信する道路環境再現データ情報受信手段111と、運転者に重要な情報を選択する重要情報選択手段112と、運転者に情報を通知する情報通知手段113とを含む。
【0053】
撮像手段は、ビデオカメラ、超音波センサ、赤外線センサ等によって実現される。車両位置測位手段103は、GPS装置やジャイロスコープ等によって実現される。画像認識手段102、画像認識結果情報生成手段103、及び重要情報選択手段112は、例えば、車両に搭載されるカーナビゲーション装置の記憶装置に記憶されるプログラムを実行するカーナビゲーション装置の制御部によって実現される。画像認識結果情報送信手段105及び道路環境再現データ受信手段111は、例えば、カーナビゲーション装置の送受信部(無線LANカード、光モデム等)と、その送受信部を制御する制御部とによって実現される。情報通知手段113は、カーナビゲーション装置の表示部(モニタ等)と、その表示部を制御する制御部とによって実現される。
【0054】
また、図1に示すように、情報センタ内装置20は、車載報知装置10からの情報を受信する画像認識結果情報受信手段106と、受信した情報を記憶する画像認識結果情報記憶手段107と、画像認識結果情報等を統合して道路環境再現データを生成する道路環境再現データ統合生成手段108と、道路環境再現データを記憶する道路環境再現データベース109と、車載報知装置10に情報を送信する道路環境再現データ送信手段110とを含む。
【0055】
情報センタ内装置は、ワークステーション等の情報処理装置である。画像認識結果情報受信手段106及び道路環境再現データ送信手段110は、例えば、情報処理装置等に実装される送受信部(無線LANカード、光モデム等)と、その送受信部を制御する制御部とによって実現される。画像認識結果情報記憶手段107は、情報処理装置の記憶装置によって実現される。道路環境再現データ統合生成手段108は、情報処理装置の記憶装置に記憶されるプログラムを実行する情報処理装置の制御部によって実現される。道路環境再現データベース109は、情報処理装置に接続されるデータベース装置等によって実現される。
【0056】
なお、車載報知装置10は、本来車両毎に設置されるが、車載報知装置10の各手段の機能は全ての車両について同じなので、図1では、車両1台分のみの車載報知装置10の構成を記載し、他の車両の車載報知装置10の構成の記載は省略する。また、道路環境再現データ記憶手段は、道路環境再現データベース109によって実現され、車両位置把握手段は、車両位置測位手段103によって実現される。
【0057】
車載報知装置10の撮像手段101は、自車両の周辺の映像を時々刻々と撮像する。そして、撮像手段101は、撮像した映像を画像認識手段102に出力する。撮像手段101は、自車両の前方を撮像するための前方向きカメラを備え、前方向きカメラは、道路標識、路面標識、信号、店舗の看板、及び道路上を先行する車両や歩行者等を撮像する。
【0058】
また、撮像手段101は、必要に応じて後方及び側方向きカメラを備えていてもよい。後方向きカメラは、後方車両等を撮像し、側方向きカメラは、店舗の看板、歩道上の歩行者、及び路地を走行中の車両や歩行者等を撮像する。
【0059】
また、撮像対象の物体までの距離を測定するために、撮像手段101は、各向きに設置された複数台のカメラで撮像することによって、画像認識手段102にステレオ画像を出力してもい。また、撮像手段101は、各向きにカメラと組み合わせて、ミリ波レーダまたは超音波センサ等の距離測定用補助センサを備え、画像認識手段102にカメラが撮像した画像と距離測定用補助センサからの画像とを出力してもよい。
【0060】
画像認識手段102は、撮像手段101が撮像した映像から、予めシステムに登録されている認識対象物体のパターンに基づいて、道路標識、路面標識、信号機、店舗看板、車両、または歩行者等の認識対象物体を抽出し、抽出した認識対象物体の属性、自車両との相対位置、及び画像認識処理の確信度(以下、認識確信度という。)を画像認識結果情報生成手段103に出力する。認識確信度とは、画像認識によって得られた結果の確かさを示す指標であり、値が大きいほど画像の認識結果が正確であることを示す。認識確信度は、一般に単純類似度法や複合類似度法と呼ばれる手法によって算出される。また、自車両と認識対象物体との相対位置は、ステレオカメラ映像または超音波センサ等から抽出される距離情報と、自車両の方位情報とに基づいて生成される。
【0061】
また、例えば、ニューラルネットワークを用いて認識確信度を得ることもできる。その場合、多層ニューラルネットワークの出力層の値を算出し、算出した出力層の値を認識確信度とする。
【0062】
図2は、撮像手段101が撮像した画像の例を示す説明図である。図2に示す例では、撮像手段101が出力する画像に、駐車禁止を示す道路標識201と、補助標識202とが含まれる。画像認識手段102は、図2に示す画像に基づいて、画像認識結果の情報を出力する。
【0063】
図3は、画像認識手段102が図2に示す画像に基づいて出力する画像認識結果の情報の例を示す説明図である。画像認識結果の情報は、出力情報が道路標識に関するものであることを示すコード情報301と、自車両に対する標識の相対的な位置を示す相対位置情報302と、標識を認識した時刻である認識時刻303と、属性情報として標識の種類が駐車禁止の標識であることを示すコード情報304と、標識が効力をもつ日時を示す情報305と、標識が効力をもつ範囲を示す情報306と、画像認識結果の認識確信度307とを含む。なお、属性とは、認識対象物体が道路標識である場合には、道路標識の種類(例えば、一時停止標識、駐停車禁止標識)であり、認識対象物体が信号機である場合には、信号機の状態(例えば、赤信号や青信号)である。
【0064】
図4は、画像認識手段102が出力する画像認識結果の情報の他の例を示す説明図である。他の認識対象物体に対する画像認識結果の情報の例として、撮像手段101が信号機のように時刻と共に属性が変化する対象物を撮像した場合の画像認識結果の情報の例を説明する。図4に示すように、画像認識結果の情報は、出力情報が信号機に関するものであることを示すコード情報401と、自車両に対する信号機の相対的な位置を示す相対位置情報402と、信号機の信号が効力を持つ道路範囲を示すコード情報403と、信号機を認識時刻である認識時刻404と、属性情報として信号機の点灯状態(青信号であるか、赤信号であるか等)を示すコード情報405と、画像認識結果の認識確信度406とを含む。
【0065】
このような画像認識結果の情報のフォーマットは認識対象物体の種類毎に予め定められている。また、一枚の画像から複数の認識対象物体を認識した場合は、画像認識手段102は、各認識結果の情報を順次画像認識結果情報生成手段104に出力する。
【0066】
車両位置測位手段103は、地球上における自車両の絶対位置をGPS等で取得し、画像認識結果情報生成手段104に出力する。画像認識結果情報生成手段104は、車両位置測位手段103から入力される自車両の絶対位置情報に基づいて、前記画像認識手段102から入力される認識結果に含まれる認識対象物体の相対位置を絶対位置に変換する。そして、画像認識結果情報生成手段104は、変換後の認識結果をコード化し、コード化した情報を画像認識結果情報として、画像認識結果情報送信手段105及び重要情報選択手段112に出力する。
【0067】
画像認識結果情報送信手段105は、画像認識結果情報生成手段104から入力された画像認識結果情報を光信号または電波無線信号等に変換して、情報センタの情報センタ内装置20に送信する。なお、車載報知装置10と情報センタ内装置20とは、例えば、VICSシステムの通信ネットワークであるFM多重放送や光ビーコンのシステムを利用して、情報の送受信を行う。また、車載報知装置10と情報センタ内装置20とは、無線LAN等の他の通信ネットワークを利用して、情報を送受信してもよい。
【0068】
情報センタ内装置20の画像認識結果情報受信手段106は、各車載報知装置10から送信される画像認識結果情報を時々刻々と受信し、受信した画像認識結果情報を画像認識結果情報記憶手段107に出力する。
【0069】
画像認識結果情報記憶手段107は、画像認識結果情報受信手段106から入力された画像認識結果情報を記憶する。そして、画像認識結果情報記憶手段107は、記憶した画像認識結果情報を、画像認識結果情報の履歴を示す情報(以下、履歴情報という。)として予め定めた一定時間保持する。
【0070】
道路環境再現データベース109は、道路上の各認識対象物体に関する情報である道路環境再現データを記憶する。記憶される道路環境再現データは、認識対象物体が現時刻に存在すると推定される絶対位置の情報、属性情報、及び総合確信度の情報を含む。総合確信度の算出方法については後述する。道路環境再現データは、情報センタ内装置20起動直後に初期化される。そして、初期化後においては、道路環境再現データは、道路環境再現データ統合生成手段108によって随時生成され、内容が更新される。
【0071】
道路環境再現データ統合生成手段108は、道路環境再現データベース109に記憶されている道路環境再現データのうち、対応する認識対象物体に関する新たな画像認識結果情報が車載報知装置10から一定時間受信されていない道路環境再現データを削除する。また、道路環境再現データ統合生成手段108は、受信した画像認識結果情報に含まれる認識対象物体に対応する道路環境再現データが道路環境再現データベース109に含まれていない場合には、その認識対象物体に対応する新しい道路環境再現データを生成する。
【0072】
道路環境再現データ統合生成手段108は、画像認識結果情報記憶手段107に保持される画像認識結果情報、及び道路環境再現データベース109に記憶される生成前(一時刻前)の道路環境再現データに基いて、認識対象物体の現時刻における絶対位置及び属性の推定結果を生成する。また、道路環境再現データ統合生成手段108は、生成した推定結果に対する総合確信度を算出し、その認識対象物体に対応する道路環境再現データの情報を生成する。
【0073】
もし仮に、各車両の車載報知装置10から送信される画像認識結果情報が常に正確な情報であれば、道路環境再現データ統合生成手段108は、最新の画像認識結果情報に含まれる情報を道路環境再現データに書き込むことによって、道路環境再現データを生成することができる。しかし、画像認識結果情報には誤った情報が含まれている可能性があるので、道路環境再現データ統合生成手段108は、過去の画像認識結果情報の履歴情報(または一時刻前の道路環境再現データに含まれる情報)を考慮して現時刻における絶対位置、属性等の推定結果を生成する。
【0074】
道路環境再現データ統合生成手段108が、道路環境再現データを生成する手順について、具体的に説明する。図5は、画像認識結果情報受信手段106が受信した最新の画像認識結果情報の例を示す説明図である。図5に示すように、画像認識結果情報の情報は、北緯35.00、東経136.00に存在する一時停止標識(属性=一時停止)が、走行中の車両によって18時6分に50%の認識確信度で検出されたことを例示している。
【0075】
図6は、認識対象物体であるその道路標識に対応する過去の画像認識結果情報の履歴情報(画像認識結果記憶手段107に記憶される)及び道路環境再現データ(道路環境再現データベース109に記憶される)の例を示す説明図である。図6(a)には、過去の18時5分及び18時3分における画像認識結果情報の履歴情報に、18時5分及び18時3分に認識確信度100%でその道路標識が認識されていたことが例示されている。また、図6(b)には、18時5分時点に生成された道路環境再現データに含まれる総合確信度は、100%であったことが例示されている。
【0076】
図7は、道路環境再現データ統合生成手段108によって生成された最新の道路環境再現データの例を示す説明図である。道路環境再現データ統合生成手段108は、その道路標識に対する最新の総合確信度を、図6(a)に示される2回分の過去の画像認識結果情報の履歴情報と、図5に示される最新の画像認識結果情報とを含めた3回分の画像認識結果情報に含まれる認識確信度の平均値を求めることにより算出する。本例では、3回分の画像認識結果情報に含まれる認識確信度が100%、100%及び50%であるので、道路環境再現データ統合生成手段108は、図7に示すように、最新の総合確信度を平均値84%と判定する。
【0077】
すなわち、画像認識結果情報受信手段106が道路標識に対する最新の画像認識結果情報を受信した場合には、道路環境再現データ統合生成手段108は、画像認識結果情報記憶手段107に記憶される画像認識結果情報の履歴情報の中から、同一の認識対象物体に関する画像認識結果情報を抽出し、認識確信度の平均値を算出して、道路環境再現データの総合確信度を生成する。走行中の車両が複数台あり複数の車載報知装置10から画像認識結果情報を受信する場合には、画像認識結果情報記憶手段107は、複数の車載報知装置10から受信した画像認識結果情報の履歴情報を記憶し、道路環境再現データ統合生成手段108は、複数車両からの画像認識結果情報の履歴情報に基づいて、総合的に道路環境再現データを生成することができる。
【0078】
なお、道路環境再現データ統合生成手段108は、3回分の認識確信度の平均値を算出することによって総合確信度を判定するのでなく、より多くの回数分の認識確信度の平均値を算出する等、他の算出基準によって総合確信度を判定してもよい。また、道路環境再現データ統合生成手段108は、最新の画像認識結果情報に含まれる認識確信度と、一時刻前の道路環境再現データに含まれる総合確信度との平均値を算出する等、他の情報を参酌することによって総合確信度を判定してもよい。
【0079】
新たに取得した画像認識結果情報に含まれる認識確信度が過去に取得した画像認識結果情報に含まれる認識確信度に比べ劣化する状況は、車両の前方視界不良等の原因によって容易に発生する。車両が他の車両や情報センタとネットワークを介して情報を送受信できない環境のもとにある場合(すなわち、車両に搭載されている装置が単独で情報を運転者に提供するような場合)には、その車両の重要情報選択手段は、認識確信度の低い情報を運転者に通知しない可能性がある。本発明によれば、各車両が認識した画像認識結果情報がネットワークを介して情報センタの情報センタ内装置20によって収集される。そして、情報センタ内装置20によって総合的に集計され信頼度が増した情報が、後述する手段によって各車両に配信されるので、前方視界が遮られている車両等においても有効な道路環境情報を得ることができる。
【0080】
次に、画像認識結果情報受信手段106が、信号機に関する情報を受信した場合を例に説明する。信号機は、属性が時間経過に従って変化するので、道路標識と異なり最新の画像認識結果情報のみに基づいて道路環境再現データを生成してもよい。例えば、ある信号機に関して、車両A,B,Cから同一時刻に属性が赤信号であるとする情報を含む画像認識結果情報を受信し、画像認識結果情報に含まれる認識確信度がそれぞれ100%,90%,20%であったとする。この場合において、道路環境再現データ統合生成手段108は、その信号機に対する現時刻の道路環境再現データの総合確信度を、受信した3つの画像認識結果情報に含まれる認識確信度を平均して(100%+90%+20%)/3=70%であると判定することができる。
【0081】
次に、画像認識結果情報受信手段106が、同一時刻に矛盾する内容の画像認識結果情報を受信した場合を例に説明する。例えば、ある信号機に関して、車両A,B,Cから同一時刻に属性が赤信号であるとする情報を含む画像認識結果情報を受信すると同時に、車両Dからその信号機が黄信号であるとする情報を含む画像認識結果情報を受信した場合を考える。また、車両A,B,Cからの画像認識結果情報に含まれる認識確信度がそれぞれ100%、90%、20%であったのに対し、車両Dからの画像認識結果情報に含まれる認識確信度は10%であったとする。道路環境再現データ統合生成手段108は、同じ属性(点灯色)の情報毎に認識確信度の平均値を算出し、算出した平均値が大きい方の属性を含む画像認識結果情報(本例は、属性が赤信号である画像認識結果情報)を選択して、総合確信度等の道路環境再現データに含まれる情報を生成する。なお、矛盾する内容の画像認識結果情報を受信した場合に、道路環境再現データ統合生成手段108が道路環境再現データを生成する方法は、本例で示したものに限られない。
【0082】
また、道路環境再現データ統合生成手段108は、道路環境再現データ記憶手段が記憶する道路環境再現データ、及び画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報のうちのいずれにも、画像認識結果情報受信手段が受信した画像認識結果情報の認識対象物体に対応する情報がない場合には、受信した画像認識結果情報に含まれる認識確信度を前記認識対象物体に対する総合確信度としてもよい。
【0083】
また、歩行者や車両等のように絶対位置が時間経過とともに変化する認識対象物体に関する情報が受信された場合には、道路環境再現データ統合生成手段108は、画像認識結果情報記憶手段が記憶する過去の画像認識結果情報の履歴情報からカルマンフィルタ等を用いて、現時刻における認識対象物体の絶対位置の推定結果を算出してもよい。この場合に、総合確信度は、算出された絶対位置の推定結果と最新の画像認識結果情報に含まれる絶対位置との差等から判定される。
【0084】
さらに、歩行者や車両等のように絶対位置が時間経過とともに変化する認識対象物体に関する情報が受信された場合には、道路環境再現データ統合生成手段108は、画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報のうち、認識時刻と現時刻との差が予め定めた一定時間以内である情報のみに基づいて、道路環境再現データを生成してもよい。
【0085】
次に、走行中のいずれの車両からも画像認識結果情報を受信しなかった場合に、道路環境再現データ統合生成手段108が、道路環境再現データを生成する生成方法について説明する。道路環境再現データ統合生成手段108は、道路標識や路面標識等の絶対位置や属性(標識種類等)が時間の経過に従って変化しない認識対象物体に対応する道路環境再現データについては生成しない。道路環境再現データ統合生成手段108は、歩行者や信号機等のように絶対位置や属性(性別、年齢、点灯色等)が時間の経過に従って変化する認識対象物体に対応する道路環境再現データについては、時間経過による影響を反映して道路環境再現データを生成する。
【0086】
例えば、信号機の点灯状態が変化した可能性がある場合には、道路環境再現データ統合生成手段108は、現時刻の総合確信度を、一時刻前の総合確信度から予め定めた割合で低下させることによって生成する。歩行者や車両のように位置が変化する認識対象物体については、道路環境再現データ統合生成手段108は、過去の画像認識結果情報の履歴情報から現時刻の状態の推定結果を算出し、総合確信度を一定の割合で低下させる。
【0087】
道路環境再現データ送信手段110は、生成された道路環境再現データを光信号または電波無線信号に変換して各車両の車載報知装置10に送信する。
【0088】
車載報知装置10の道路環境再現データ受信手段111は、道路環境再現データ送信手段110から送信された道路環境再現データを受信する。そして、道路環境再現データ受信手段111は、受信した道路環境再現データを重要情報選択手段112に出力する。なお、道路環境再現データ受信手段111は、自車両が画像認識結果情報を送信してから予め定めた一定時間の間に道路環境再現データが受信されない場合には、すぐに受信処理を終了する。
【0089】
重要情報選択手段112は、道路環境再現データ受信手段111より入力された道路環境再現データに含まれる情報、及び画像認識結果情報生成手段105より入力された画像認識結果情報に含まれる情報の中から、自車両の運転者に有益な情報を選択して抽出する。情報の選択方法として、重要情報選択手段112は、例えば、各情報に含まれる絶対位置の情報に基づいて、現時刻から数秒以内に運転者の視野に入る場所に存在する認識対象物体の情報を選択する。また、重要情報選択手段112は、道路環境再現データのうち、総合確信度の高い情報を選択してもよい。さらに、重要情報選択手段112は、画像認識結果情報生成手段105より入力された画像認識結果情報の中に認識確信度が道路環境再現データに含まれる総合確信度より高い情報が存在する場合には、その認識確信度が高い画像認識結果情報を選択してもよい。すなわち、重要情報選択手段112は、道路環境再現データまたは画像認識結果情報から、運転者にとって重要であると判断される情報を選択する。
【0090】
また、道路環境再現データ受信手段111から入力された道路環境再現データと、画像認識結果情報生成手段105から入力された情報との内容が一致しない場合には、重要情報選択手段112は、道路環境再現データに含まれる情報を優先して選択してもよいし、道路環境再現データに含まれる総合確信度と、画像認識結果情報に含まれる認識確信度とを比較して、確信度の高い方の情報を選択してもよい。
【0091】
重要情報選択手段112は、選択し抽出した情報を情報通知手段113に出力する。情報通知手段113は、重要情報選択手段112が選択した情報を、映像(モニタ表示等)または音声によって運転者に通知する。
【0092】
次に、本実施の形態の動作について説明する。図8は、車載報知装置10によって実行される処理の処理経過の一例を示すフローチャートである。また、図9は、情報センタ内装置20によって実行される処理の処理経過の一例を示すフローチャートである。車載報知装置10と、情報センタ内装置20とは、それぞれ互いに非同期に図8及び図9に示す処理を実行する。
【0093】
まず、車載報知装置10の動作について説明する。撮像手段101は、車両周辺の映像を撮像する(ステップS801)。画像認識手段102は、撮像手段101から入力された映像中から道路標識や信号機等予め定めてある認識対象物体の認識を行い、認識した認識結果を出力する(ステップS802)。車両位置測位手段103は、GPS等から車両の絶対位置を取得する(ステップS803)。画像認識結果情報生成手段105は、車両位置測位手段103が取得した自車両絶対位置情報を利用し、且つ画像認識手段102が出力した認識結果に含まれる情報に基づいて、認識対象物体の絶対位置、属性、認識確信度等の情報をコード化し、コード化した画像認識結果情報を出力する(ステップS804)。そして、画像認識結果情報送信手段105は、出力された画像認識結果情報を情報センタの情報センタ内装置20に送信する(ステップS805)。
【0094】
情報センタ内装置20によって、道路環境再現データの生成及び各車両への配信の処理が行われた後、道路環境再現データ受信手段111は、情報センタ内装置20の道路環境再現データ受信手段110から送信された道路環境再現データを受信する(ステップS806)。自車両が画像認識結果情報を送信してから予め定めた一定時間の間に道路環境再現データが受信できない場合には、道路環境再現データ受信手段111は、すぐに受信処理を終了する。重要情報選択手段112は、道路環境再現データ受信手段111が受信した道路環境再現データ及び自車両の画像認識結果情報生成手段104が出力した画像認識結果情報の中から、自車両の運転者に有益な情報を選択して抽出する(ステップS807)。情報通知手段113は、選択された情報を運転者に通知する(ステップS808)。そして、通知が完了したら再びステップS801に戻り、ステップS801からステップS808までの処理が繰り返し実行される。
【0095】
次に、情報センタ内装置20の動作について説明する。道路環境再現データ統合生成手段108は、情報センタ内装置20の起動直後に道路環境再現データベース109に記憶される道路環境再現データを初期化する(ステップS901)。画像認識結果情報受信手段106は、各車両の車載報知装置10から送信された画像認識結果情報を受信する(ステップS902)。そして、画像認識結果情報受信手段106は、画像認識結果情報を受信できたか否かを確認する(ステップS903)。受信できた場合には、画像認識結果情報受信手段106は、受信した画像認識結果情報を画像認識結果情報記憶手段107に出力し、画像認識結果情報記憶手段107は、画像認識結果情報を記憶する(ステップS904)。情報を受信できない場合には、ステップS904は実行されず、次にステップS905が実行される。
【0096】
道路環境再現データ統合生成手段108は、画像認識結果情報記憶手段107に記憶された画像認識結果情報の履歴情報と、一時刻前の道路環境再現データとに基づいて道路環境生成データを生成する(ステップS905)。道路環境再現データの生成後、道路環境再現データ送信手段110は、現時刻における最新の道路環境再現データを各車両の車載報知装置10に送信する(ステップS906)。そして、各車両への情報の配信がなされた後、再びステップS902へ戻り、ステップS902からステップS906までの処理が繰り返し実行される。
【0097】
以上に述べたように、本発明によれば道路標識、信号、車両、歩行者等カーナビゲーションシステムの地図情報では提供されていない物体に関する情報(すなわち、道路環境情報)を、道路上に隈無くインフラストラクチャを設置することなく抽出することができる。よって、AHS等と比較して安価に道路環境情報通知装置を構築することができる。
【0098】
また、車載カメラを用いた従来のリアルタイム情報提供システムでは、自車両に搭載したカメラの映像によって認識した情報のみを運転者に通知していたので、道路状況や日照条件等により誤った情報が通知される場合があるという問題や、運転者が目視によって気づくよりも十分に早く情報を通知できないといった問題があった。本発明によれば、各車両に搭載された車載報知装置が認識した画像認識結果情報が情報センタにおいて認識確信度に基づいて統合されることによって、信頼性の高い情報を運転者に提供できるという効果がある。また、現時刻において自車両のカメラでは撮像できない場所に存在する認識対象物体に関する情報も取得できるため、運転者は、今後発生しうる状況、トラブル等を事前に察知し、そのトラブル等を予想して運転することができるという効果がある。
【0099】
ここで、自車両カメラでは撮像できない物体の情報の事前取得による効果について、図10を参照して具体的に説明する。図10は、道路環境の具体例を示す説明図である。図10には、片側2車線道路の左側車線に駐車車両1003が停車している状況が示されている。自車両1001は、大型の先行車1002に前方視界を遮られているので、自車両の画像認識装置の情報のみに基づいて道路環境を判断する従来のリアルタイム情報提供システムによれば、自車両1001の運転者は、先行車1002が車線変更するまで駐車車両1003の存在に気づくことができない。
【0100】
本発明による道路環境情報通知装置によれば、先行車1002及び先行車1004が搭載した画像認識装置が駐車車両1003を検出した後、駐車車両1003に関する道路環境再現データが情報センタから自車両1001に配信されるので、自車両1001の運転者は先行車1002が車線変更するよりも早く駐車車両1003の存在に気づくことが可能であり、余裕をもって車線変更をすることができる。
【0101】
実施の形態2.
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は、第2の実施の形態による道路環境情報通知装置の構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、道路環境情報通知装置11は、車両に設置されたカメラからなる撮像手段1101と、画像認識手段1102と、車両位置測位手段1103と、画像認識結果情報生成手段1104と、画像情報送信手段1105と、画像認識結果情報受信手段1106と、画像認識結果情報記憶手段1107と、道路環境再現データ統合生成手段1108と、道路環境再現データベース1109と、重要情報選択手段1112と、情報通知手段1113とを含む。
【0102】
本実施の形態の構成では、道路環境情報通知装置11は、第1の実施の形態における車載報知装置10の構成要素に加えて、情報センタ内装置20に含まれていた画像認識結果情報受信手段106と、画像認識結果情報記憶手段107と、道路環境再現データ統合生成手段108と、道路環境再現データベース109とを含む。第1の実施の形態では車載報知装置10と情報センタ内装置20との間で情報の送受信が行われるのに対し、本実施の形態は、複数の車両の道路環境情報通知装置11間で情報の送受信が行われる点で第1の実施の形態と異なる。よって、道路環境情報通知システムは、図11に示される各車両内に設置される複数の道路環境情報通知装置11によって構成される。
【0103】
なお、道路環境情報通知装置11の各手段はすべての車両において共通の機能を持つので、図11は、車両1台分(車両A)の道路環境情報通知装置11の構成についてのみ図示し、他の車両については省略する。
【0104】
以下、道路環境情報通知装置11に含まれる各手段の機能について説明する。撮像手段1101、画像認識手段1102、車両位置測位手段1103、画像認識結果情報生成手段1104、画像認識結果情報送信手段1105、重要情報選択手段1112、及び情報通知手段1113の実現方法は、第1の実施の形態と同じである。
【0105】
また、画像認識結果情報受信手段1106は、例えば、カーナビゲーション装置の送受信部(無線LANカード、光モデム等)と、その送受信部を制御する制御部とによって実現される。画像認識結果情報記憶手段1107は、カーナビゲーション装置の記憶装置によって実現される。道路環境再現データ統合生成手段1108は、例えば、カーナビゲーション装置の記憶装置に記憶されるプログラムを実行するカーナビゲーション装置の制御部によって実現される。道路環境再現データベース1109は、例えば、カーナビゲーション装置に内蔵される記憶装置等によって実現される。
【0106】
画像認識結果情報生成手段1104は、画像認識結果情報を画像認識結果情報送信手段1105及び画像認識結果情報記憶手段1107に出力する。画像認識結果情報送信手段1105は、画像認識結果情報生成手段1104から入力された画像認識結果情報を他車両の道路環境情報通知装置11に送信する。画像認識結果情報受信手段1106は、他車両から送信された画像認識結果情報を受信する。
【0107】
画像認識結果情報記憶手段1107は、画像認識結果情報受信手段1106が出力する画像認識結果情報、及び画像認識結果情報生成手段1104が出力する画像認識結果情報を、画像認識結果情報の履歴情報として記憶する。
【0108】
道路環境再現データ統合生成手段1108は、画像認識結果情報記憶手段1107が記憶する画像認識結果情報の履歴情報、及び道路環境再現データベース1109が記憶する一時刻前の道路環境再現データに基づいて、現時刻における認識対象物体の絶対位置及び属性の推定結果を生成する。また、道路環境再現データ統合生成手段1108は、生成した推定結果の総合確信度を算出して道路環境再現データを生成する。道路環境再現データ統合生成手段1108が道路環境再現データを生成する処理手順は、第1の実施の形態と同じである。そして、重要情報選択手段1112は、道路環境再現データ1108の中から自車両の運転者に有益な情報を選択し抽出する。
【0109】
なお、撮像手段1101、画像認識手段1102、車両位置測位手段1103、及び情報通知手段1113の機能は、第1の実施の形態と同じである。
【0110】
次に、第2の実施の形態の動作について説明する。図2は、道路環境情報通知装置11によって実行される処理の処理経過の一例を示すフローチャートである。まず、道路環境情報通知装置11の起動直後に、道路環境再現データ統合生成手段1108は、道路環境再現データベース109が記憶する道路環境再現データを初期化する(ステップS1201)。撮像手段1101は、車両周辺の映像を撮像する(ステップS1202)。画像認識手段1102は、撮像手段1101から入力される映像から道路標識や信号機等予め設定されている認識対象物体を認識し、認識した認識結果を出力する(ステップS1203)。車両位置測位手段1103は、GPS等から自車両の絶対位置を取得する(ステップS1204)。
【0111】
画像認識結果情報生成手段1105は、車両位置測位手段1103が取得した自車両絶対位置情報を参照し、画像認識手段1102からの画像認識結果に基づいて認識対象物体の絶対位置、属性、認識確信度等の情報をコード化し、コード化された画像認識結果情報を出力する(ステップS1205)。画像認識結果情報記憶手段1107は、画像認識結果情報生成手段1105からの画像認識結果情報を記憶するとともに(ステップS1206)、画像認識結果情報送信手段は、その画像認識結果情報を他車両に送信する(ステップS1207)。
【0112】
画像認識結果情報の送信後、画像認識結果情報受信手段1106は、他車両から発信された画像認識結果情報を受信する(ステップS1208)。画像認識結果情報受信手段1106は、他車両の道路環境情報通知装置11から画像認識情報を受信したか否かを判定する(ステップS1209)。情報を受信した場合には、画像認識結果情報記憶手段1107は、受信した画像認識結果情報を記憶する(ステップS1210)。情報を受信しない場合には、ステップS1210の処理は実行されず、次にステップS1211が実行される。
【0113】
道路環境再現データ統合生成手段1108は、画像認識結果情報記憶手段1107が記憶する画像認識結果情報の履歴情報を参照して、現時刻における認識対象物体の位置及び属性等の推定結果を生成して、道路環境再現データベース1109に記憶される道路環境再現データを生成する(ステップS1211)。重要情報選択手段1112は、道路環境再現データに含まれる情報の中から自車両の運転者に有益な情報を選択して抽出する(ステップS1212)。情報通知手段1113は、抽出した情報を映像(モニタ表示等)または音声によって運転者に通知する(ステップS1213)。
【0114】
このように、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、情報センタに情報センタ内装置20を設置することなく、各車両に道路環境情報通知装置11を設置するのみで道路環境情報通知システムを構築することができる。
【0115】
図13は、画像認識結果情報に含まれる情報の他の例を示す説明図である。第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、画像認識結果情報が認識対象物体の種類と、属性と、絶対位置と、認識時刻と、認識確信度とを含む場合について説明したが、図13に示すように、画像認識結果情報は、車両を特定可能な車両番号情報1301を含んでいてもよい。車両番号情報1301を含むことによって、道路環境再現データの信頼性をさらに向上させることができる。
【0116】
以下、画像認識結果情報が車両番号情報1301を含むことの効果について説明する。道路環境情報再現データ生成手段108,1108は、各車両から受信した各画像認識結果情報と、その画像認識結果情報を総合判断して生成された道路環境再現データとを比較することによって、道路環境再現データと情報の内容が一致する画像認識結果情報は正しい情報である可能性が高いと判断する。また、道路環境情報再現データ生成手段108,1108は、道路環境再現データと情報の内容が矛盾する画像認識結果情報は誤った情報である可能性が高いと判断する。
【0117】
そして、道路環境情報再現データ生成手段108,1108は、画像認識結果情報が正しい情報と判断される頻度(以下、車両別正情報頻度という。)を車両番号毎に集計することによって、車両別正情報頻度テーブルを生成する。図14は、道路環境情報再現データ生成手段108,1108が生成する車両別正情報頻度テーブルの内容の一例を示す説明図である。本例では、図14に示すように、車両番号が「0123456」である車両から受信する画像認識結果情報の車両別正情報頻度が低く、その車両から受信する画像認識結果情報に含まれる情報については、何らかの原因によって誤った情報が通知されている可能性が高いことが例示されている。
【0118】
道路環境再現データ統合生成手段108,1108は、車両別正情報頻度が低い車両から受信した画像認識結果情報の認識確信度を低く見積もって道路環境再現データを生成することによって、道路環境再現データヘの誤情報の混入を低減し、より信頼性の高い道路環境再現データを出力することができる。
【0119】
例えば、道路環境再現データ統合生成手段108,1108は、車両別正情報頻度が低い車両から受信した画像認識結果情報の認識確信度から予め定めた一定の値α(>0)を減算し、減算して得られた認識確信度に基づいて道路環境再現データを生成する。
【0120】
また、道路環境再現データ統合生成手段108,1108は、車両別正情報頻度が低い車両から受信した画像認識結果情報の認識確信度から予め定めた一定の値β(0<β<1)を乗算し、乗算して得られた認識確信度に基づいて道路環境再現データを生成してもよい。
【0121】
実施の形態3.
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図15は、第3の実施の形態による道路環境情報通知装置の構成の一例を示すブロック図である。 図15に示すように、本実施の形態では、車載報知装置12は、第1の実施の形態における車載報知装置10の構成要素に加えて、入力操作手段1514を含む。
【0122】
入力操作手段1514は、運転者の操作に従って、情報通知手段1513から取得したい情報の種類の選択、走行予定ルートの設定、または画像認識結果情報送信手段1505からの情報発信の可否等を装置に指示する。従って、入力操作手段は1514は、道路環境情報通知装置と、運転者との間のユーザインタフェースとしての役割を果たすものであり、例えば、カーナビゲーション装置のリモートコントローラ等によって実現される。
【0123】
なお、車載報知装置12に含まれる撮像手段1501、画像認識手段1502、車両位置測位手段1503、画像認識結果情報生成手段1504、画像認識結果情報送信手段1505、道路環境再現データ受信手段1511、重要情報選択手段1512、及び情報通知手段1513の機能は、第1の実施の形態と同じである。また、情報センタ内装置22に含まれる画像認識結果情報受信手段1506、画像認識結果情報記憶手段1507、道路環境再現データ統合生成手段1508、道路環境再現データベース1509、及び道路環境再現データ送信手段1510の機能及び実現方法は、第1の実施の形態と同じである。
【0124】
本実施の形態では、画像認識結果情報発信手段1505は、画像認識結果情報を常に情報センタの情報センタ内装置22に送信するのではなく、入力操作手段1514によって情報送信可能と設定されている場合にのみ情報を情報センタ内装置22に送信する。そうすることにより、必要であれば、自車両の位置を他人に知られないようにすることができる。
【0125】
また、重要情報選択手段1512は、入力操作手段1514によって指定された走行予定ルート上に存在する認識対象物体に関する情報を選択して抽出したり、入力操作手段1514によって指定された種類の認識対象物体に関する情報を選択して抽出する。そうすることにより、運転者は、必要とする情報を効率的に取得することができる。
【0126】
なお、入力操作手段1514を第1の実施の形態における車載報知装置10に追加してもよいし、第2の実施の形態における道路環境情報通知装置11に入力操作手段を追加してもよい。
【0127】
実施の形態4.
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図16は、第4の実施の形態による道路環境情報通知装置の構成の一例を示すブロック図である。 図16に示すように、本実施の形態では、車載報知装置13は、第1の実施の形態における車載報知装置10の構成要素に加えて、動作状態監視手段1615を含む。動作状態監視手段1615は、例えば、カーナビゲーション装置の記憶装置に記憶されるプログラムを実行するカーナビゲーション装置の制御部によって実現される。
【0128】
動作状態監視手段1615は、画像認識情報コード化手段1604から入力される画像認識結果情報に含まれる情報と、道路環境再現データ受信手段1611から入力される道路環境再現データに含まれる情報とを比較する。そして、動作状態監視手段1615は、画像認識結果情報と道路環境再現データとの間で内容が一致しない情報が含まれる頻度が予め定めた値を超える場合には、自車両の車載報知装置13の撮像手段1601または画像認識手段1602に不具合が生じたと判断する。そして、動作状態監視手段1615は、注意情報を情報通知手段1613に出力する。
【0129】
例えば、道路環境再現データに「位置Aに駐車禁止標識がある。」という情報が含まれているのに対して、画像認識結果情報に「位置Aに駐停車禁止標識がある。」という情報が含まれている場合や、道路環境再現データに「位置Bの信号が青信号である。」という情報が含まれているのに対し、画像認識結果情報に「位置Bの信号が赤信号である。」という情報が含まれている場合に、動作状態監視手段1615は、画像認識結果情報と道路環境再現データとの間で内容が一致しないと判断する。そして、動作状態監視手段1615は、内容が一致しない情報が含まれる頻度が、例えば、50%を超える場合には、撮像手段1601または画像認識手段1602に不具合が生じたと判断する。
【0130】
そうすることによって、運転者は自車両に搭載した装置の不具合を認知することができる。
【0131】
なお、車載報知装置13に含まれる撮像手段1601、画像認識手段1602、車両位置測位手段1603、画像認識結果情報生成手段1604、画像認識結果情報送信手段1605、道路環境再現データ受信手段1611、重要情報選択手段1612、及び情報通知手段1613の機能は、第1の実施の形態と同じである。また、情報センタ内装置23に含まれる画像認識結果情報受信手段1606、画像認識結果情報記憶手段1607、道路環境再現データ統合生成手段1608、道路環境再現データベース1609、及び道路環境再現データ送信手段1610の機能及び実現方法は、第1の実施の形態と同じである。
【0132】
なお、動作状況監視手段1615を第1の実施の形態における車載報知装置10に追加してもよいし、第2の実施の形態における道路環境情報通知装置11に動作状況監視手段1615を追加してもよい。
【0133】
実施の形態5.
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図17は、第5の実施の形態による道路環境情報通知装置の構成の一例を示すブロック図である。 図17に示すように、本実施の形態では、車載報知装置14は、第1の実施の形態における車載報知装置10の構成要素に加えて、衝撃感知直前映像記録手段1716を含む。衝撃感知直前映像記録手段1716は、例えば、衝撃感知センサと、衝撃センサを制御するカーナビゲーション装置の制御部とによって実現される。
【0134】
衝撃感知直前映像記録手段1716は、撮像手段1701によって撮像された映像を予め定めた一定時間の間記録し、車両に対して強い衝撃を感知した場合(すなわち、事故が発生した場合等)に映像の上書き記録を中止して、衝撃を感知した直前に記録した画像を保持する。
【0135】
衝撃感知直前映像記録手段1716を付加することにより、自車両が事故等に遭遇した時刻の周囲の映像を情報として保持することができ、迅速に事故原因の究明を行うことができる。
【0136】
なお、車載報知装置14に含まれる撮像手段1701、画像認識手段1702、車両位置測位手段1703、画像認識結果情報生成手段1704、画像認識結果情報送信手段1705、道路環境再現データ受信手段1711、重要情報選択手段1712、及び情報通知手段1713の機能は、第1の実施の形態と同じである。また、情報センタ内装置24に含まれる画像認識結果情報受信手段1706、画像認識結果情報記憶手段1707、道路環境再現データ統合生成手段1708、道路環境再現データベース1709、及び道路環境再現データ送信手段1710の機能及び実現方法は、第1の実施の形態と同じである。
【0137】
なお、衝撃感知直前映像記録手段1716を第1の実施の形態における車載報知装置10に追加してもよいし、第2の実施の形態における道路環境情報通知装置11にその衝撃感知直前映像記録手段1716を追加してもよい。
【0138】
また、車載報知装置14は、さらに車両速度計測手段を含んでもよい。車両速度計測手段は、車両の移動速度を感知する。そして、重要情報選択手段は、認識対象物体が赤信号または一時停止標識である道路環境再現データについては、その道路環境再現データに含まれる認識対象物体の絶対位置と現時刻の車両の絶対位置とに基づいて算出される自車両から認識対象物体までの距離に対して、車両速度計測手段が感知した自車両の移動速度が予め定めた閾値を超える場合にのみ、その道路環境再現データを選択して抽出する。なお、車両速度計測手段は、速度計等によって実現される。
【0139】
実施の形態6.
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図18は、第6の実施の形態による道路環境情報通知装置の構成の一例を示すブロック図である。 図18に示すように、本実施の形態では、車載報知装置15は、第1の実施の形態における車載報知装置10の構成要素に加えて、未抽出物体判定手段1817を含む。未抽出物体判定手段1817は、例えば、カーナビゲーション装置の記憶装置に記憶されるプログラムを実行するカーナビゲーション装置の制御部によって実現される。
【0140】
未抽出物体判定手段1817は、道路環境再現データに情報として含まれる認識対象物体のうち、自車両から認識可能な範囲の位置に存在し、且つ自車両の画像認識手段1802で認識されていない認識対象物体を選択して抽出し、抽出した情報を画像認識手段1802に出力する。
【0141】
そして、画像認識手段1802は、次の認識処理を行う際に、通常の認識処理に加え、未抽出物体判定手段1817からの認識対象物体に基づいて画像の認識処理を行うトップダウン的認識処理を行う。
【0142】
そうすることにより、画像認識手段1802が通常行っている入力画像のみに基づいて画像の認識処理を行うボトムアップ的画像認識手法では検出困難な認識対象物体でも、トップダウン的認識手法を適用することにより認識対象物体を認識することができる。
【0143】
なお、車載報知装置15に含まれる撮像手段1801、画像認識手段1802、車両位置測位手段1803、画像認識結果情報生成手段1804、画像認識結果情報送信手段1805、道路環境再現データ受信手段1811、重要情報選択手段1812、及び情報通知手段1813の機能は、第1の実施の形態と同じである。また、情報センタ内装置25に含まれる画像認識結果情報受信手段1806、画像認識結果情報記憶手段1807、道路環境再現データ統合生成手段1808、道路環境再現データベース1809、及び道路環境再現データ送信手段1810の機能及び実現方法は、第1の実施の形態と同じである。
【0144】
なお、未抽出物体判定手段1817を第1の実施の形態における車載報知装置10に追加してもよいし、第2の実施の形態における道路環境情報通知装置11に未抽出物体判定手段1817を追加してもよい。
【0145】
以上のように、本発明によれば、道路標識、信号、車両、歩行者等カーナビゲーションシステムの地図情報では提供されない物体に関する道路環境情報を、道路上に隈無くインフラストラクチャを設置せずに運転者に通知することができる。よって、AHS等に比べ安価にシステムを構築することができる。
【0146】
従来の発明では自車両の車載カメラで撮像することによって認識した情報のみを利用していたので、コンピュータビジョン技術の不完全さによって画像の情報を誤認識する問題や、運転者が目視により知覚するよりも早く認識対象物体の情報を運転者に通知できないといった問題があったが、本発明によれば各車両からの画像認識結果情報を情報センタまたは各車両内で統合することによって信頼性の高い道路環境再現データを生成することができ、その信頼性の高い道路環境再現データを運転者に通知できるため、運転者は信頼性の高い情報に基づいて状況判断をすることができる。また、現時刻において自車両のカメラでは撮像できない場所に存在する物体に関する情報を事前に取得することもできるので、運転者は、今後走行中に発生しうる状況やトラブルを事前に知ることができる。
【0147】
なお、図1、図11、図15、図16、図17、及び図18に示された構成は、ソフトウェアによって実現可能である。すなわち、本実施の形態では、撮像された車両周辺の画像情報から道路環境に関する画像を認識して抽出し、抽出した画像認識の結果の情報を出力する画像認識処理と、画像認識の結果の情報と、車両の地球上における位置である車両の絶対位置の情報とに基づいて、画像認識結果情報を生成する画像認識結果情報生成処理と、画像認識結果情報を統合し、統合された道路環境に関する情報である道路環境再現データを生成する道路環境再現データ統合生成処理と、道路環境再現データと、画像認識結果情報とを比較して、運転者に有益な認識対象物体に関する情報を選択して抽出する重要情報選択処理と、抽出された認識対象物体に関する情報を運転者に通知する情報通知処理とを実行させるための道路環境情報通知プログラムによって、道路環境情報通知装置または道路環境情報通知方法を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明による道路環境情報通知装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】撮像手段が撮像する画像の一例を示す説明図である。
【図3】画像認識手段が出力する画像認識結果の一例を示す説明図である。
【図4】画像認識手段が出力する画像認識結果の他の例を示す説明図である。
【図5】画像認識結果情報の一例を示す説明図である。
【図6】画像認識結果情報の履歴情報と、道路環境再現データベースに記憶される道路環境再現データの一例を示す説明図である。
【図7】道路環境再現データ統合生成手段によって、生成された道路環境再現データの一例を示す説明図である。
【図8】車載報知装置が行う処理の処理経過の一例を示すフローチャートである。
【図9】情報センタ内装置が行う処理の処理経過の一例を示すフローチャートである。
【図10】道路環境の具体例を示す説明図である。
【図11】本発明による道路環境情報通知装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【図12】本発明による道路環境情報通知装置が行う処理の処理経過の一例を示すフローチャートである。
【図13】画像認識結果情報の他の例を示す説明図である。
【図14】車両別正情報頻度テーブルの内容の一例を示す説明図である。
【図15】本発明による道路環境情報通知装置の構成のさらに他の例を示すブロック図である。
【図16】本発明による道路環境情報通知装置の構成のさらに他の例を示すブロック図である。
【図17】本発明による道路環境情報通知装置の構成のさらに他の例を示すブロック図である。
【図18】本発明による道路環境情報通知装置の構成のさらに他の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0149】
10,12,13,14,15 車載報知装置
11 道路環境情報通知装置
20,22,23,24,25 情報センタ内装置
101,1101,1501,1601,1701,1801 撮像手段
102,1102,1502,1602,1702,1802 画像認識手段
103,1103,1503,1603,1703,1803 車両位置測位手段
104,1104,1504,1604,1704,1804 画像認識結果情報生成手段
105,1105,1505,1605,1705,1805 画像認識結果情報送信手段
106,1106,1506,1606,1706,1806 画像認識結果情報受信手段
107,1107,1507,1607,1707,1807 画像認識結果情報記憶手段
108,1108,1508,1608,1708,1808 道路環境再現データ統合生成手段
109,1109,1509,1609,1709,1809 道路環境再現データベース
110,1510,1610,1710,1810 道路環境再現データ送信手段
111,1511,1611,1711,1811 道路環境再現データ受信手段
112,1112,1512,1612,1712,1812 重要情報選択手段
113,1113,1513,1613,1713,1813 情報通知手段
1514 入力操作手段
1615 動作状態監視手段
1716 衝撃感知直前映像記憶手段
1817 未抽出物体判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に設置され、運転者に道路環境に関する情報である道路環境情報を通知する道路環境情報通知装置であって、
車両周辺を撮像して画像情報を出力する撮像手段と、
撮像された画像情報から道路環境に関する画像を認識して抽出し、抽出した画像認識の結果の情報を出力する画像認識手段と、
前記画像認識の結果の情報を含む画像認識結果情報を、他の車両に送信する画像認識結果情報送信手段と、
他の車両からの画像認識結果情報を、受信する画像認識結果情報受信手段と、
自車両の画像認識結果情報と、受信した他の車両の画像認識結果情報を統合し、統合された道路環境に関する情報である道路環境再現データを生成する道路環境再現データ統合生成手段と、
前記道路環境再現データに含まれる情報を運転者に通知する情報通知手段とを備えた
ことを特徴とする道路環境情報通知装置。
【請求項2】
車両の絶対位置を把握する車両位置把握手段と、
画像認識手段が出力する画像認識の結果の情報と、前記車両の絶対位置の情報とに基づいて、画像認識結果情報を生成する画像認識結果情報生成手段と、
画像認識結果情報生成手段が生成した自車両の画像認識結果情報、及び受信した他の車両の画像認識結果情報の履歴情報を記憶する画像認識結果情報記憶手段と、
現時刻における認識対象物体の絶対位置と属性とに関する最新の推定結果、及び前記推定結果の確かさを示す総合確信度を含む道路環境再現データを記憶する道路環境再現データ記憶手段とを備えた
請求項1に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項3】
道路環境再現データ統合生成手段が出力する道路環境再現データから、運転者に重要であると判断される情報を、道路環境再現データから選択して抽出する重要情報選択手段を備えた
請求項2に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項4】
画像認識手段は、撮像された画像情報に基づいて画像認識をすることによって、前記認識対象物体の属性、車両に対する相対位置、及び認識時刻を抽出し、且つ画像認識によって得られた結果の確かさを示す認識確信度を算出して、前記属性、相対位置、認識時刻、及び認識確信度を含む画像認識の結果の情報を出力し、
画像認識結果情報生成手段は、前記画像認識情報に含まれる認識対象物体の車両に対する相対位置と、車両位置把握手段が取得する車両の絶対位置とに基づいて、前記認識対象物体の絶対位置を算出し、前記認識対象物体の絶対位置、属性、認識時刻、及び認識確信度を含む情報を画像認識結果情報として出力し、
道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報に含まれる認識確信度と一時刻前における道路環境再現データに含まれる総合確信度との値に基づいて、前記画像認識結果情報の履歴情報に含まれる情報の内容と前記道路環境再現データに含まれる情報の内容とを統合することによって、現時刻における認識対象物体の絶対位置及び属性の推定結果を算出し、前記推定結果に基づいて前記道路環境再現データの内容を更新することによって、最新の道路環境再現データを生成し、
情報通知手段は、重要情報選択手段が抽出した情報を、映像による表示または音声にて運転者に通知する
請求項3に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項5】
道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報記憶手段が画像認識結果情報受信手段が新たに受信した画像認識結果情報を記憶した場合に、画像認識結果情報の履歴情報に含まれる認識確信度の平均値を算出することによって、総合確信度を算出する
請求項4に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項6】
道路環境再現データ統合生成手段は、道路環境再現データ記憶手段が記憶する道路環境再現データ、及び画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報のうちのいずれにも、画像認識結果情報受信手段が受信した画像認識結果情報の認識対象物体に対応する情報がない場合には、前記受信した画像認識結果情報に含まれる認識確信度を前記認識対象物体に対する総合確信度とする
請求項4または請求項5に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項7】
道路環境再現データ統合生成手段は、認識対象物体の属性が時間経過に従って変化する場合、画像認識結果情報記憶手段が記憶する画像認識結果情報の履歴情報のうち、認識時刻と現時刻との差が予め定めた一定時間以内である情報のみに基づいて、道路環境再現データを生成する
請求項3から請求項6のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項8】
道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報受信手段が特定の認識対象物体の情報を含む画像認識結果情報を予め定めた一定時間の間受信しない場合には、道路環境再現データ記憶手段が記憶する道路環境再現データのうち、前記認識対象物体に対応する道路環境再現データを削除する
請求項3から請求項7のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項9】
画像認識結果情報生成手段は、車両を特定するための車両番号情報を含んだ画像認識結果情報を生成し、
道路環境再現データ統合生成手段は、画像認識結果情報受信手段が受信した画像認識結果情報の内容が道路環境再現データの内容と一致しない場合に、前記画像認識結果情報に含まれる車両番号情報を予め定めた一定時間の間記憶し、特定の車両番号情報の車両から受信した画像認識結果情報内容が予め定めた頻度を超える割合で前記道路環境再現データの内容と一致しない場合には、前記車両から受信した画像認識情報に含まれる認識確信度を低く見積もって新たな道路環境再現データを生成する
請求項3から請求項8のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項10】
走行予定ルートに関する指示を入力する入力操作手段を備え、
重要情報選択手段は、前記走行予定ルート上に存在する認識対象物体に関する情報を選択して抽出する
請求項3から請求項9のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項11】
入力操作手段は、取得したい情報の指定を入力する機能を有し、
重要情報選択手段は、入力操作手段によって入力された指定に基づいて情報を選択して抽出する
請求項3から請求項10のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項12】
入力操作手段は、画像認識結果情報を他の車両に送信するか否かの指定を入力する機能を有し、
画像認識結果情報送信手段は、入力操作手段の入力によって画像認識結果情報を送信する旨の指定がされている場合にのみ、前記画像認識結果情報を送信する
請求項3から請求項11のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項13】
画像認識結果情報生成手段が出力する画像認識結果情報の内容と、道路環境再現データの内容とが、予め定めた頻度を超えて一致しない場合に不具合が発生していると判断することによって、撮像手段または画像認識手段の動作状態を監視する動作状態監視手段を備え、
情報通知手段は、前記動作状態監視手段が不具合を検出した場合に、検出した不具合に関する情報を運転者に通知する
請求項3から請求項12のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項14】
撮像手段が撮像した映像を予め定めた一定時間の間記憶し、車両に対する衝撃を感知した場合に新しい映像の記録を中止して、衝撃を感知する直前の映像を保持する衝撃感知直前映像記憶手段を備えた
請求項3から請求項13のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項15】
車両の移動速度を感知する車両速度計測手段を備え、
重要情報選択手段は、認識対象物体の属性が赤信号である信号機または一時停止標識である道路環境再現データについては、前記道路環境再現データに含まれる認識対象物体の絶対位置と現時刻の車両の絶対位置とに基づいて算出される車両から認識対象物体までの距離に対して、前記車両の移動速度が予め定めた閾値を超える場合にのみ、前記認識対象物体に関する道路環境再現データを選択して抽出する
請求項3から請求項14のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項16】
受信した道路環境再現データに対応する認識対象物体が自車両から認識可能な位置にあり、且つ画像認識手段が前記認識対象物体を認識していない場合に、前記認識対象物体を判定する未抽出物体判定手段を備え、
画像認識手段は、未抽出物体判定手段が判定した認識対象物体の情報に基づいて画像解析を行うトップダウン画像解析処理によって、未抽出物体を抽出する
請求項3のうちのいずれか1項に記載の道路環境情報通知装置。
【請求項17】
車両内に設置され、運転者に道路環境に関する情報である道路環境情報を通知するための道路環境情報通知プログラムであって、
コンピュータに、
撮像された車両周辺の画像情報から道路環境に関する画像を認識して抽出し、抽出した画像認識の結果の情報を出力する処理と、
前記画像認識の結果の情報を含む画像認識結果情報を、他の車両に送信する処理と、
他の車両からの画像認識結果情報を、受信する処理と、
自車両の画像認識結果情報と、受信した他の車両の画像認識結果情報を統合し、統合された道路環境に関する情報である道路環境再現データを生成する処理と、
前記道路環境再現データに含まれる情報を運転者に通知する処理とを
実行させるための道路環境情報通知プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2008−139320(P2008−139320A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332034(P2007−332034)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【分割の表示】特願2002−334418(P2002−334418)の分割
【原出願日】平成14年11月18日(2002.11.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】