説明

酸化表面層のハイブリッドその場ドライクリーニングプロセス

【課題】 集積回路における酸化表面層の洗浄を行うための新しいドライクリーニングプロセスの提供。
【解決手段】 一の実施例によると、当該方法は、酸化表面層を有する金属含有バリア層を含む基板を供する工程、前記酸化表面層を活性化させるために、プラズマ励起されたアルゴン気体を含む第1処理気体流へ前記酸化表面層を曝露する工程、及び、前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程中に基板バイアス電力を印加する工程を有する。当該方法は、非プラズマ励起された水素気体を含む第2処理気体へ前記の活性化した酸化表面層を曝露する工程をさらに有する。前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、前記酸化表面層を活性化させるのに加えて、水素気体を含む前記第2処理気体による、前記活性化した酸化表面層の還元を助ける。前記金属含有バリア層の厚さは、ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスによって実質的には変化しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化表面層のドライクリーニングプロセスに関し、より詳細には集積回路のメタライゼーションにおいて用いられる酸化バリア層のその場ドライクリーニングプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路を製造するための多層メタライゼーション法に銅(Cu)が導入されることで、Cu層の接合及び成長の促進、並びに、誘電材料−たとえばSiO2のk値(k〜3.9)よりも低いk値を有する低誘電率(low-k)誘電材料−へのCuの拡散の防止のためにバリア層の利用が必要となっている。誘電材料上に堆積されるバリア層は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、及びタンタル(Ta)、並びにこれらの合金のような屈折材料を有する。これらの材料は、Cuと反応せず、Cuとは混和せず、かつ低電気抵抗を与えることができる。
【0003】
130nm以下のテクノロジーノードのためのCu集積法は、Ta含有バリア層−たとえばTa、TaN、又はこれらの混合物−を利用することができる。Ta含有層に不純物が存在することで、そのTa含有層と隣接する材料(Cu金属層も含まれる)との間の接合は不十分なものとなってしまうことが考えられる。その不純物には、そのTa含有層内でのTa前駆体の部分的な反応によって生成された反応副生成物、及び、バリア層堆積中、処理チャンバ間でのバリア層の搬送中、又は製造プロセスフロー中でのバリア層の大気曝露中に生じたTa含有層の酸化層が含まれる。Ta含有バリア層と隣接する材料との間の接合が不十分である結果、デバイスの製造歩留まりが減少するだけではなく、集積回路中にエレクトロマイグレーション(EM)やストレスマイグレーション(SM)問題が生じる恐れがある。
【0004】
基板及びバリア層から不純物を除去する従来のプラズマエッチング(洗浄)プロセスは、その基板又はバリア層に衝突するイオンの運動エネルギーが大きいため、その基板又はバリア層にプラズマ損傷を発生させる恐れのあるプロセスを有する。多くの場合において、これらのプラズマエッチングプロセスは、拡散バリア層の少なくとも部分的な除去を引き起こすことが考えられる。集積回路におけるマイクロエレクトロニクスデバイスの最小部位サイズが、高速かつ低電力マイクロプロセッサ及びデジタル回路の要求を満たすためのさらなるサブミクロン領域へ接近すると、通常はわずか数nmの超薄膜バリア層を用いることが必要となる。従って一般的なプラズマエッチングプロセスを利用して、ある厚さの超薄膜拡散バリア層を除去することは、たとえ部分的なものであっても許されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6287435号明細書
【特許文献2】米国特許第7270848号明細書
【特許文献3】米国特許第7279421号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って集積回路における酸化表面層の洗浄(最先端のメタライゼーション法における超薄膜バリア層の酸化表面層の洗浄も含まれる)を行うための新しいドライクリーニングプロセスが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
基板から酸化表面層を除去するハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスが複数の実施例において開示されている。本明細書で用いられているように、ハイブリッドその場ドライクリーニング方法とは、プラズマプロセスを用いて酸化表面層を活性化し、続いて非プラズマプロセスを用いて前記の活性化された酸化表面層を還元するプロセスを指称する。一の実施例によると、金属含有バリア層の酸化表面層が還元される。前記金属含有バリア層の厚さは、当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスによっては実質的に変化しない。
【0008】
一の実施例によると、当該方法は、酸化表面層を有する金属含有バリア層を含む基板を供する工程、前記酸化表面層を活性化させるためにプラズマ励起アルゴン(Ar)気体を含む第1処理気体に前記酸化表面層を曝露する工程、及び、前記の第1処理気体に酸化表面層を曝露する工程中に基板バイアス電力を印加する工程を有する。当該方法は、前記の活性化された酸化表面層を、非プラズマ励起水素気体を含む第2処理気体に曝露する工程をさらに有する。前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、前記酸化表面層を活性化させるのに加えて、水素気体を含む前記第2処理気体による、前記活性化した酸化表面層の還元を助ける。前記金属含有バリア層の厚さは、前記の曝露する工程及び印加する工程によって実質的には変化しない。
【0009】
他の実施例によると、基板処理方法が供される。当該方法は、前記基板を真空処理装置内に供する工程、前記真空処理装置内において前記基板上に金属含有バリア層を堆積する工程、及び前記金属含有バリア層の酸化表面層のハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスを実行する工程を有する。当該ハイブリッドその場ドライクリーニングは、前記の酸化表面層を活性化させるため、プラズマ励起Ar気体を含む第1処理気体流へ前記の酸化表面層を曝露する工程、前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程中に基板バイアス電力を印加する工程、及び、前記の活性化された酸化表面層を、非プラズマ励起水素気体を含む第2処理気体に曝露する工程を有する。前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、前記酸化表面層を活性化させるのに加えて、水素気体を含む前記第2処理気体による、前記活性化した酸化表面層の還元を助ける。前記金属含有バリア層の厚さは、前記の曝露する工程及び印加する工程によって実質的には変化しない。当該方法は、前記実行する工程に続いて、前記金属含有バリア層上に金属含有膜を堆積する工程をさらに有する。当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセス及び前記の金属含有膜を堆積する工程は、前記金属含有バリア層を大気曝露することなく行われる。
【0010】
さらに他の実施例によると、基板処理方法が供される。当該方法は、前記基板を第1真空処理装置内に供する工程、前記第1真空処理装置内において前記基板上に金属含有バリア層を堆積する工程、大気中において前記の金属含有バリア層を有する基板を前記第1真空処理装置から第2真空処理装置へ搬送する工程、及び前記第2真空処理装置内において前記金属含有バリア層の酸化表面層のハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスを実行する工程を有する。当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスは、前記の酸化表面層を活性化させるため、プラズマ励起Ar気体を含む第1処理気体流へ前記の酸化表面層を曝露する工程、前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程中に基板バイアス電力を印加する工程、及び、前記の活性化された酸化表面層を、非プラズマ励起水素気体を含む第2処理気体に曝露する工程を有する。前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、前記酸化表面層を活性化させるのに加えて、水素気体を含む前記第2処理気体による、前記活性化した酸化表面層の還元を助ける。前記金属含有バリア層の厚さは、前記の曝露する工程及び印加する工程によって実質的には変化しない。当該方法は、前記実行する工程に続いて、前記金属含有バリア層上に金属含有膜を堆積する工程をさらに有する。当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセス及び前記の金属含有膜を堆積する工程は、前記金属含有バリア層を大気曝露することなく行われる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】A-Eは、本発明の実施例によるブリッドその場ドライクリーニングプロセスを概略的に図示している。
【図2】本発明の実施例によるブリッドその場ドライクリーニングプロセスの処理フローを表している。
【図3】本発明の実施例による真空処理装置の概略図である。
【図4】本発明の実施例によるプラズマ処理システムの概略図である。
【図5】本発明の実施例によるプラズマ処理システムの概略図である。
【図6】本発明の実施例によるプラズマ処理システムの概略図である。
【図7】本発明の実施例によるプラズマ処理システムの概略図である。
【図8】本発明の実施例によるプラズマ処理システムの概略図である。
【図9】本発明の実施例によるプラズマ処理システムの概略図である。
【図10】本発明の実施例によるプラズマ処理システムの概略図である。
【図11】A-Bは、本発明の実施例による酸化表面層のドライクリーニングの処理データを示している。
【図12】A-Bは、本発明の実施例による典型的な凹部の断面を概略的に図示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施例によると、酸化表面層には、半導体デバイスにおける拡散バリアとして広く利用されているバリア層の表面が含まれて良い。堆積されたバリア層材料が酸素含有気体と高い反応性を示すため、バリア層材料の表面は製造プロセス中に酸化する恐れがある。酸素含有気体には処理環境におけるO2やH2O気体のようなバックグラウンド気体も含まれ得る。処理環境とはたとえば、処理チャンバ(たとえばバリア層堆積チャンバ)内、低気体圧力下で処理チャンバと結合する搬送チャンバ内、及び/又は、前記バリア層が製造プロセスフロー中において大気曝露される場合には大気中である。一部の例では、大気曝露は、バリア層堆積チャンバを有する第1処理装置から、前記バリア層上にシード層又はライナを堆積するように備えられた処理チャンバを有する第2処理装置への基板搬送中に生じることが考えられる。
【0013】
膜構造中に酸化表面層が存在することで、異なる材料間(たとえば、酸化バリア層とCu金属との間、又は、酸化バリア層と、Cu金属の堆積前に前記バリア層上に堆積される金属含有シード層若しくはライナとの間)での接合が不十分となることが考えられる。酸化バリア層と隣接する材料との間の接合が不十分である結果、デバイスの製造歩留まりが減少するだけではなく、集積回路中にエレクトロマイグレーション(EM)やストレスマイグレーション(SM)問題が生じる恐れがある。
【0014】
一例では、半導体デバイスは、凹部を有するパターニング基板、前記凹部の底面と側面に形成されたバリア層、前記の凹部内のバリア層上に形成された金属(含有)膜(たとえばルテニウム(Ru)金属、Ru化合物、コバルト(Co)金属、又はCo化合物)、及び、前記凹部を充填するバルクCu金属を有して良い。バリア層上に酸化表面層が存在することで、前記バリア層上へのRu金属の化学気相成長(CVD)の初期段階に影響が及ぼされることが考えられる。バリア層の非酸化(清浄)表面上と比較して、酸化表面層上に形成される低いRuシード(核)密度は低い。酸化表面層上のRuシード密度が低いことで、より粗いRu金属膜が堆積され、かつ高レベルの電子散乱により凹部を充填するバルクCu金属の電気抵抗が増大し、かつ、酸化バリア層とRu金属膜との間での接合が不十分となることが考えられる。
【0015】
従って製造プロセスフロー中にバリア層から酸化膜を除去する新たな方法が広く求められている。基板及びバリア層/ライナから不純物や酸化膜を除去する一般的な洗浄プロセスは、プラズマ損傷を引き起こし、かつそのバリア層/ライナの少なくとも部分的な除去を生じさせるおそれのあるプラズマ洗浄プロセスを含む。バリア層/ライナは通常超薄膜(たとえば1〜10nmの厚さ又は2〜5nmの厚さ)であるので、バリア層/ライナの厚さを減少させてはならず、その代わり清浄なバリア層表面上への膜の堆積前に、そのバリア層の酸化表面を還元する。
【0016】
図1A-1Eは、本発明の実施例によるハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスを概略的に図示している。典型的な平坦膜構造が図1A-1Eにて図示及び記載されているが、本発明の実施例は、集積回路設計において見いだされる単純な種類や最先端の種類の凹部にも適用されて良い。図12Aと12Bは、本発明の追加実施例による凹部の断面を概略的に図示している。当業者には明らかなように、本発明の実施例は、図12A-Bに図示された凹部だけではなく、他の単純な種類や最先端の種類の凹部にも適用されて良い。
【0017】
図1Aは、基板100上に堆積すなわち成長した金属含有バリア層102を有する基板100の概略的断面図を示している。基板100はたとえば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、低誘電率(low-k)材料、又は高誘電率(high-k)材料を有して良い。本発明の実施例では、金属含有バリア層102は、タンタル(Ta)含有材料、チタン(Ti)含有材料、若しくはタングステン(W)含有材料、又はこれらの混合材料を有して良い。Ta含有材料の例には、Ta、TaN、TaCN、TaC、及びこれらの混合物が含まれる。Ti含有材料の例には、Ti、TiN、TiCN、TiC、及びこれらの混合物が含まれる。W含有材料の例には、W、WN、WCN、WC、及びこれらの混合物が含まれる。他の金属含有バリア層もまた考えられるし、また用いられて良い。
【0018】
一部の実施例によると、金属含有バリア層102は、Cuのメタライゼーションに適したTa含有材料を有して良い。たとえば、Cu金属(図示されていない)は金属含有バリア層102上に堆積されて良い。あるいは金属含有ライナ(図示されていない)は金属含有バリア層102上に堆積されて良い。その後バルクCu金属(図示されていない)が前記金属含有ライナ上に堆積される。金属含有ライナの例には、Ru金属、Ru酸化物、Ru酸窒化物、Co金属、Co酸化物、Co酸窒化物、及びこれらの混合物が含まれる。
【0019】
ここでさらに図1Aを参照すると、金属含有バリア層102の堆積後酸化により酸化表面層102aが生成されうる。酸化表面層102aの厚さは約1nm以下(たとえば約0.4nm〜約1nm)であって良い。一例では、金属含有バリア層102はTaNを有し、かつ酸化表面層102aはTa-O化学結合を有するTaONを有して良い。
【0020】
金属含有バリア層102上へのさらなる層又は膜の堆積前に、金属含有バリア層102を酸素含有気体へ曝露する結果として、酸化表面層102aが生成されることが考えられる。酸素含有気体は処理環境中に存在すると考えられる。処理環境とはたとえば、バリア層堆積チャンバ内、大気圧よりも低い圧力条件(たとえば約100mTorrのArパージ気体)下で処理チャンバと他の堆積チャンバとを結合する搬送チャンバ内、及び/又は、前記バリア層が製造プロセスフロー中において大気曝露される場合には大気中である。さらに、プロセスフローが、大気中においての真空処理装置間での金属含有バリア層102を有する基板の搬送を有する場合には、金属含有バリア層102を有する基板100は大気中のO2気体及びH2O気体に曝露されることが考えられる。
【0021】
本発明の実施例によると、酸化表面層102aはハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスによって還元され、金属含有バリア層102上に追加の膜又は層を堆積する前に、酸化膜は少なくとも実質的に除去され、金属含有バリア層102の清浄表面が再生成される。当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスは、Cuメタライゼーション法に対する拡散バリア/ライナの特性及びCuメタライゼーション法への拡散バリア/ライナの統合を改善するのに必要とされる化学結合の改善を、清浄な金属含有バリア層102に供する。一例では、当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスは、金属窒化物バリア層(たとえばTaN)から窒素を除去することによって、他の材料に対する強い結合を有する「金属リッチ」(たとえばTaリッチ)な表面をさらに形成することが可能であると考えられる。
【0022】
ここで図1Bを参照すると、プラズマ処理チャンバ内の基板ホルダ上に基板100が供される。アルゴン気体を含む第1処理気体が前記プラズマ処理チャンバへ流れ込み、前記プラズマ処理チャンバ内での第1気体圧力が選択され、前記プラズマ処理チャンバ内で前記第1処理気体からプラズマが生成され、かつ非ゼロ基板バイアス電力が基板100に印加される。酸化表面層102aは、プラズマ中のプラズマ励起Ar気体103に曝露されることで、後続の還元プロセスのために酸化表面層102aは活性化される。本発明の実施例によると、酸化表面層102aに衝突するプラズマ励起アルゴン気体103中のArイオンの運動エネルギーは基板バイアス電力によって制御されて良い。基板バイアス電力は、酸化表面層102aからの金属種のスパッタリングが起こる閾値バイアスレベル未満である。従って、少なくとも実質的には金属含有バリア層102の金属種はプラズマ励起Ar気体103によって除去されない。本願発明者らは、酸化表面層102aの活性化は、Arイオンと酸化表面層102aとの相互作用による酸化表面層102aにおける金属−酸素結合の崩壊又は弱体化を含んでいると信じている。崩壊又は弱体化した金属−酸素結合が存在することで、非プラズマ励起水素(H2)気体を含む第2処理気体による、図1Cに図示された活性化された酸化表面層102aの還元を続いて起こすことが可能となる。
【0023】
ここで図1Cを参照すると、還元のための酸化表面層102aの活性化に続いて、H2気体を含む第2処理気体がプラズマ処理チャンバ(又は別な処理チャンバ)へ流れ込み、かつ前記プラズマ処理チャンバ内での第2気体圧力が選択される。一の実施例によると、前記第2気体圧力は前記第1気体圧力よりも大きくて良い。活性化された酸化表面層102bを還元するのに必要な期間、活性化された酸化表面層102bは非プラズマ励起水素(H2)気体を含む第2処理気体107に曝露される。本発明の実施例によると、第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、酸化表面層102aを活性化させるのに加えて、水素気体を含む第2処理気体107による、活性化した酸化表面層102bの還元を助ける。
【0024】
図1Dは、活性化された酸化表面層102bの還元の後の還元層102cを図示している。上述したように、還元層102cは、該還元層102c上に堆積又は形成された他の材料に対する結合が改善された「金属リッチ」(たとえばTaリッチ)な表面109を有して良い。
【0025】
図1Eは、還元層102c上に形成されたCu金属又は金属含有ライナ104を図示している。一例では、金属含有ライナ104は、還元層102cに対して強い結合を有する滑らかなRu金属ライナを有して良い。
【0026】
図2は、本発明の実施例によるハイブリッドその場洗浄プロセスの処理フローを示している。図2の処理フロー200は、図3の真空処理装置、又は、大気曝露することなく基板を処理するように備えられた他の適切な真空処理装置を用いることによって実行されて良い。202では、基板が真空処理装置300内に供される。一の実施例によると、基板は、酸化表面層を有する金属含有バリア層を含む。前記金属含有バリア層は、前記基板を図3の真空処理装置へ導入する前に、別な真空処理装置内で堆積される。他の実施例によると、金属含有バリア層は真空処理装置300内の基板上に堆積され、かつハイブリッドその場洗浄プロセスは大気曝露することなく、金属含有バリア層上で実行されて良い。真空処理装置300は、カセットモジュール301Aと301B及び基板位置合わせモジュール301Cを有する基板(ウエハ)搬送システム301を有する。ロードロックチャンバ302Aと302Bは、ゲートバルブG1とG2をそれぞれ用いることによって基板搬送システム301と結合する。基板搬送システム301は大気圧に維持されているが、清浄環境は不活性気体によるパージによって供される。
【0027】
ロードロックチャンバ302Aと302Bは、ゲートバルブG3とG4をそれぞれ用いることによって基板搬送システム303と結合する。基板搬送システム303は、ターボ分子ポンプ(図示されていない)を用いることによって大気圧よりも低い圧力に維持されて良い。任意で不活性気体が、基板搬送システム303を連続的にパージするのに用いられて良い。基板搬送システム303は基板搬送ロボットを有する。また基板搬送システム303は、脱気体システム304A、さらなる処理の前に基板又は膜を洗浄するように備えられているプラズマ洗浄システム304B、及び補助的な処理システム304Cと結合する。処理システム304A、304B、及び304Cは、それぞれゲートバルブG5、G6、及びG7を用いることによって基板搬送システム303と結合する。
【0028】
プラズマ洗浄システム304Bは、本発明の実施例によるハイブリッドドライクリーニングプロセスを実行するように備えられたプラズマ処理システムであって良い。典型的なプラズマ処理システムは図4-10に図示されている。
【0029】
204では、酸化表面層を有する金属含有バリア層を含む基板が、プラズマ洗浄システム304B内において第1気体圧力のプラズマ励起Ar気体を有する第1処理気体流に曝露することで、酸化表面層が活性化される。206では、酸化表面層が第1処理気体流に曝露されている間、基板バイアス電力が、基板を支持する基板ホルダに印加される。前記の基板ホルダに印加される電力は、前記の酸化表面層からの金属種のスパッタリングが生じる閾値バイアスレベルよりも低い。本発明の実施例によると、基板バイアス電力は、0Wよりも大きい(たとえば0Wよりも大きく2000Wよりも小さい)。一部の実施例によると、Ta含有バリア層(たとえばTaN)の基板バイアス電力は約50W〜約150Wであって良い(たとえば約100W)。しかし各異なる種類の金属含有バリア層について各異なる基板バイアス電力のレベルが用いられて良い。典型的な第1気体圧力は1Torr未満であって良い(たとえば約0.5mTorr〜約500mTorr、約20mTorr〜約200mTorr、又は約50mTorr〜約200mTorr)。一部の実施例によると、前記第1気体圧力は0.5mTorr以下であって良い。前記第1処理気体に対する典型的な曝露時間は約10s以上であって良い(たとえば約10s〜約60s、約10s〜約30s、又は約10s〜約20s)。しかし本発明の実施例は、これらの基板バイアス電力、第1気体圧力、又は曝露時間によって制限されない。その理由は、他のプロセス条件も利用できるからである。
【0030】
208では、活性化された酸化表面層が、第2気体圧力の非プラズマ励起水素気体を含む第2処理気体に曝露されることで、前記活性化された酸化表面層は還元される。一の実施例によると、前記第2気体圧力は前記第1気体圧力よりも高くて良い。本発明の一の実施例によると、前記第2処理気体への曝露は、プラズマを生成することなく、プラズマ洗浄システム304B内で実行されて良い。他の実施例によると、前記第2処理気体への曝露は、別な処理システム(たとえば補助的な処理システム304C、前記金属含有バリア層上にCu金属を堆積するように備えられた処理システム、又は前記金属含有バリア層上に金属含有ライナを堆積するように備えられた処理システム)内で行われても良い。
【0031】
本発明の実施例によると、前記第2処理気体は、純粋なH2又はH2と不活性気体との混合気体を有して良い。前記不活性気体は、N2及び希気体(つまりHe、Ne、Ar、Kr、及びXe)から選ばれて良い。H2と不活性気体との混合気体にはたとえば、H2が90%以下(たとえば80%、60%、20%、10%、5%、又はそれ以下)で残りが不活性気体である混合気体が含まれて良い。典型的なプロセス条件は、1Torrよりも大きな第2気体圧力をさらに有する(たとえば1Torr〜約1000Torr、1Torr〜約100Torr、1Torr〜約5Torr、又は1.5Torr〜約3Torr)。前記第1気体圧力よりも大きな第2圧力を利用することで、短い処理時間を利用して活性化された酸化表面層の還元を改善することが可能となる。前記第2処理気体への典型的な曝露時間は約10s以上であって良い(たとえば約10s〜約10min、約10s〜約5min、又は約10s〜約60s)。しかし本発明の実施例は、これらの処理気体組成、第2気体圧力、又は曝露時間によって限定されない。なぜなら他の処理条件も利用可能だからである。
【0032】
基板搬送システム303は、基板処理チャンバ304DとゲートバルブG8を介して基板搬送システム305と結合する。基板搬送サブシステム303内のように、基板搬送サブシステム305は、ターボ分子ポンプ(図示されていない)を用いることによって大気圧未満の圧力に維持されて良く、かつ、任意で不活性気体が、基板搬送システム305を連続的にパージするのに用いられて良い。基板搬送システム305は基板搬送ロボットを有する。処理システム306Aは、基板搬送システム305と結合して、基板上にバリア層を堆積させるように備えられて良い。本発明の一の実施例によると、処理システム306Aはイオン化物理気相成長(IPVD)システムであって良い。典型的なIPVDシステムは特許文献1に記載されている。他の実施例によると、処理システム306Aは、パージ/排気工程を行うことによって、基板が原料気体と還元気体に対して交互に曝露されるように、原料気体と還元気体を用いるように備えられたプラズマ原子層堆積(PEALD)システムであって良い。Ta含有層(たとえばTaN、TaCN、及びTaC)の堆積に利用可能な原料気体には、ターアミルイミドトリ(ジメチルアミド)タンタル(Ta(NC(CH3)2C2H5(N(CH3)2)3,TAIMATA)、ペンタキス(ジエチルアミド)タンタル(Ta(N(C2H5)2)5,PDEAT)、ペンタキス(エチルメチルアミド)タンタル(Ta(N(C2H5)CH3)5,PEMAT)、ペンタキス(ジメチルアミド)タンタル(Ta(N(C2H5)CH3)5,PDMAT)、ターブチルイミドトリ(ジエチルアミド)タンタル(Ta(NC(CH3)3)(N(C2H5)2)3,TBTDET)、Ta(NC2H5)(N(C2H5)2)3、Ta(NC(CH3)3)(N(CH3)2)3、ターブチル(トリエチルメチルアミド)タンタル(Ta(NC(CH3)3)((NC2H5)(CH3)3)3),TBTEMAT)、Ta(NC(CH3)2)3、又はTa(NC2H5)2)3のような金属有機化合物が含まれて良い。Taの堆積に利用可能な原料気体には、TaF5、TaBr5、及びTaI5が含まれて良い。典型的なPEALDシステムは特許文献2に記載されている。
【0033】
処理システム306Dは、Cuシード層を堆積するように備えられたIPVDシステムであるか、又はCuシード層を堆積するように備えられた化学気相成長(CVD)システムであって良い。処理システム306Cは、バリア層上に金属含有ライナ(たとえばRu、Co、又はこれらの合金)を堆積するように備えられたCVDシステムであって良い。典型的なCVDシステムは特許文献3と4に記載されている。RuのCVDシステムは、Ru3(CO)12及びCOを含む処理気体を利用して良い。
【0034】
処理システム306A、306B、306C、及び306Dは、それぞれゲートバルブG9、G10、G11、及びG12を用いることによって真空基板搬送システム305と結合する。
【0035】
真空処理装置300は制御装置310を有して良い。制御装置301は、統合された基板処理中に、図3に図示された処理システム及び処理用構成要素の一部又は全部と結合して制御することができる。あるいはその代わりに、又はそれに加えて、制御装置310は1つ以上の追加の制御装置/コンピュータ(図示されていない)と結合して良く、かつ制御装置310は、追加の制御装置/コンピュータからの設定情報を取得して良い。制御装置310は、処理システム及び処理用構成要素の一部又は全部を設定するのに用いられて良い。制御装置310は、処理システム及び処理用構成要素の一部又は全部からのデータを収集、提供、処理、記憶、及び表示して良い。制御装置310は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)構成要素(図示されていない)を有して良い。GUI構成要素は、ユーザーが1つ以上の処理要素を監視及び/又は制御できるようになる使用が容易なインターフェースを供することができる。
【0036】
制御装置310は、マイクロプロセッサ、メモリ、及びデジタルI/Oポートを有する。デジタルI/Oポートは、真空処理装置300からの出力を監視するのみならず、真空処理装置300の入力をやり取りし、かつ起動させるのに十分な制御電圧を発生させる能力を有する。たとえばメモリ内に記憶されたプログラムは、記憶されたプロセスレシピに従って真空処理装置300の上記処理用構成要素を制御するのに利用される。制御装置310の一例はデルコーポレーション(Dell Corporation)から販売されているDELL PRECISION WORKSTATION610(商標)である。
【0037】
制御装置310は、メモリ内に含まれる1つ以上の命令からなる1つ以上のシーケンスを実行する処理装置に応答して、マイクロプロセッサに基づく本発明の処理工程の一部又は全部を実行する汎用コンピュータシステムで実装されても良い。そのような命令は、他のコンピュータによる読み取りが可能な媒体(たとえばハードディスク又は取り外し可能な媒体ドライブ)から制御装置へ読み取られて良い。多重処理装置内の1つ以上の処理装置はまた、主メモリ内に含まれる命令のシーケンスを実行する制御装置マイクロプロセッサとして用いられても良い。代替実施例では、ハードウエアにより実装された回路は、ソフトウエア命令に替わって、又はそれと併用されて良い。よって実施例はハードウエア回路及びソフトウエアの特定の組み合わせに限定されない。
【0038】
制御装置310は、少なくとも1つのコンピュータによる読み取りが可能な媒体又はメモリを有する。前記少なくとも1つのコンピュータによる読み取りが可能な媒体又はメモリは、本発明の教示に従ってプログラミングされた命令を保持し、かつ本明細書に記載されたデータ構造、テーブル、レコード又は他のデータを有する。コンピュータによる読み取りが可能な媒体の例には、コンパクトディスク(たとえばCD-ROM)若しくは他の光学式媒体、ハードディスク、フロッピーディスク、テープ、磁気光学ディスク、PROMs(EPROM、EEPROM、フラッシュEPROM)、DRAM、SRAM、SDRAM若しくは他の磁気媒体、パンチカード、紙テープ若しくは穴のパターンを有する他の物理媒体、又は搬送波(後述)若しくはコンピュータによる読み取りが可能な他の媒体がある。
【0039】
コンピュータによる読み取りが可能な媒体(の結合したもの)に保存されることで、本発明は、制御装置310を制御し、本発明を実施する装置を駆動し、及び/又は制御装置が人間であるユーザーと相互作用できるようにするソフトウエアを有する。係るソフトウエアには、装置のドライバ、OS、開発ツール、及びアプリケーションが含まれて良いが、これらに限定されるわけではない。係るコンピュータによる読み取りが可能な媒体はさらに、上述の処理の一部(プロセスが分配される場合)又は全部を実行するコンピュータプログラム製品をも含む。
【0040】
コンピュータコード装置は、如何なる解釈可能又は実行可能なコード機構であって良い。コンピュータコード装置には、解釈可能なプログラム、ダイナミックリンクライブラリ(DLLs)、Javaクラス、及び完全に実行可能なプログラムが含まれるが、これらに限定されるわけではない。しかも処理のほとんどは、性能、信頼性、及び/又はコストを向上するために分配されて良い。
【0041】
本明細書で用いられている“コンピュータによる読み取りが可能な媒体”という語は、実行するための制御装置310の処理装置へ命令を供することに関与する媒体を意味する。コンピュータによる読み取りが可能な媒体は如何なる形式を取っても良い。コンピュータによる読み取りが可能な媒体には、不揮発性媒体及び透過性媒体が含まれるが、これらに限定されるわけではない。不揮発性媒体にはたとえば、ハードディスクや取り外し可能な媒体ドライブのような、光学ディスク、磁気ディスク、及び磁気光学ディスクが含まれる。揮発性媒体には主メモリのようなダイナミックメモリが含まれる。しかも、実行用の制御装置の処理装置へ1つ以上の命令を含む1つ以上のシーケンスを実行する際には、様々な形式のコンピュータによる読み取りが可能な媒体が含まれて良い。たとえば命令は最初離れた位置にあるコンピュータの磁気ディスク上で実行されて良い。その離れた位置にあるコンピュータは、離れた場所から命令を読み取ってダイナミックメモリへ送り、ネットワークを介して命令を制御装置310へ送る。
【0042】
制御装置310は、真空処理装置300に対して局所的に設置されても良いし、又はインターネット又はイントラネットを介して真空処理装置300に対して離れた場所に設置されても良い。よって制御装置310は、直接接続、イントラネット、インターネット及びワイヤレス接続のうちの少なくとも1を用いることによって真空処理装置300とのデータのやり取りをして良い。制御装置310は、たとえば顧客側(つまりデバイスメーカー等)のイントラネットと結合して良いし、又はたとえば売り手側(つまり装置製造者等)のイントラネットと結合しても良い。さらに別なコンピュータ(つまり制御装置、サーバー等)が、たとえば制御装置とアクセスすることで、直接接続、イントラネット及びインターネットのうちの少なくとも1つを介してデータのやり取りをして良い。当業者はすぐに認識するように、本発明の実施例は、図3に図示された真空処理装置300の処理システムの全てを利用することを要しない。たとえば一の実施例によると、真空処理装置300への基板導入前に、バリア層が基板上に堆積されて良い。よって処理システム306Aはバリア層堆積にとって必要ではない。よって本発明の一部の実施例は、図3に図示された処理システムの一部の利用を含んで良い。
【0043】
図4-10は本発明の実施例によるハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスの少なくとも一部を実行できるように備えられたプラズマ処理システムを概略的に図示している。ここで図4を参照して、本発明の実施例によると、ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスに係る上述の処理条件を実行するように備えられたプラズマ処理システム1aは、プラズマ処理チャンバ10、被処理基板25が上に固定される基板ホルダ20、及び真空排気システム50を有する。基板25はたとえは、半導体基板、ウエハ、フラットパネルディスプレイ、又は液晶ディスプレイであって良い。プラズマ処理チャンバ10は、基板25の表面に隣接する処理領域45内でのプラズマの生成を促進させるように備えられて良い。電離可能気体又は気体混合物が、気体分配システム40を介して導入される。所与の処理気体流については、処理圧力は真空排気システム50を用いて調節される。プラズマは、所定の材料プロセスに特有な材料の生成、及び/又は基板25の曝露された表面からの材料の除去の補助に利用されて良い。ドライプラズマエッチングシステム1aは、200mm基板、300mm基板、又はそれ以上の大きさの基板を処理するように備えられて良い。
【0044】
基板25はたとえば、機械固定システム又は電気固定システム(静電固定システム)によって基板ホルダ20に固定されて良い。さらに基板ホルダ20は、基板ホルダ20と基板25の温度の調節及び/又は制御を行うように備えられた加熱システム(図示されていない)又は冷却システム(図示されていない)をさらに有して良い。その加熱システム又は冷却システムは再循環冷却流を含み、その再循環冷却流は、基板ホルダ20から熱を受け取り、熱を熱交換システム(図示されていない)へ移送し、又は加熱の際には熱交換システムから熱を移送する。他の実施例では、たとえば抵抗加熱素子又は熱電ヒーター/クーラーのような加熱/冷却素子は、プラズマ処理チャンバ10のチャンバ壁やドライプラズマエッチングシステム1a内部の他の部品内だけではなく、基板ホルダ20内に含まれても良い。
【0045】
それに加えて、基板25と基板ホルダ20との間の気体ギャップ熱伝導を改善するため、伝熱気体は、背面気体供給システム26を介して基板25の背面へ供給されて良い。係るシステムは、昇温又は降温に基板の温度制御が必要なときに利用されて良い。たとえば背面気体システムは、2領域気体分配システムを有して良い。このシステムでは、ヘリウム気体圧を基板25の中心部分と端部との間で独立して変化させることができる。
【0046】
図4に図示された実施例では、基板ホルダ20は電極を有して良く、その電極を介してRF出力が処理領域45内の処理プラズマと結合する。たとえば基板ホルダ20は、RF発生装置30から任意のインピーダンス整合ネットワーク32を介して基板ホルダ20へRF出力を伝送することにより、RF電圧で電気的に印加されて良い。RFバイアスは、プラズマを形成して維持する熱電子を供給することができる。この構成では、システムは、反応性イオンエッチング(RIE)反応装置として動作して良い。この装置では、チャンバ及び上部気体注入電極は接地電極として機能する。RFバイアスの典型的な周波数は、約0.1MHzから約100MHzの範囲であって良い。プラズマ処理用のRFシステムは当業者には周知である。
【0047】
あるいはその代わりに、RF出力は複数の周波数で基板ホルダの電極に印加される。さらにインピーダンス整合ネットワーク32は、反射出力を減少させることによって、プラズマ処理チャンバ10内のプラズマへのRF出力の移送を改善するように機能する。整合ネットワークの接続状態(たとえばL型、π型、T型等)及び自動制御法は、当業者には周知である。
【0048】
気体分配システム40は、処理気体の混合気体を導入するためのシャワーヘッド設計を有して良い。あるいはその代わりに気体分配システム40は、処理気体の混合気体を導入して、基板25の上方での前記処理気体の混合気体の分配を調節する多領域シャワーヘッドを有して良い。たとえば多領域シャワーヘッド設計は、基板25の上方の実質的に中心領域への流れる処理気体又は組成物の量に対して、基板25の上方の実質的に周辺領域への流れる処理気体又は組成物の量を調節するように備えられて良い。
【0049】
真空排気システム50はたとえば、最大で5000l/sec(以上)の排気速度での排気が可能なターボ分子真空ポンプ(TMP)及びチャンバ圧力をしぼるゲートバルブを有して良い。ドライプラズマエッチングに用いられる従来のプラズマ処理装置では、1000〜3000l/secのTMPが一般に用いられている。TMPは、典型的には50mTorr未満の低圧処理にとって有用である。高圧(約50mTorrよりも高い圧力)での処理については、メカニカルブースターポンプ及びドライ粗引きポンプが用いられて良い。さらにチャンバ圧力の監視装置(図示されていない)が、プラズマ処理チャンバ10と結合して良い。圧力を測定する装置はたとえば、MKSインスツルメンツによって市販されている628B型のバラトロン絶対キャパシタンスマノメータであって良い。
【0050】
制御装置55は、マイクロプロセッサ、メモリ、及びデジタルI/Oポートを有する。デジタルI/Oポートは、プラズマ処理システム1aからの出力を監視するのみならず、プラズマ処理システム1aの入力をやり取りし、かつ活性化させるのに十分な制御電圧を発生させる能力を有する。しかも制御装置55は、基板/基板加熱/冷却システム(図示されていない)、背面気体供給システム26、及び/又は静電固定システム28だけでなくRF発生装置30、インピーダンス整合ネットワーク32、気体分配システム40、真空排気システム50と結合して情報のやり取りをすることができる。基板25上でのプラズマプロセスを実行するためのプロセスレシピに従って、メモリ内に記憶されたプログラムは、プラズマ処理システム1aの上述の処理用構成部品への入力を起こすのに利用されて良い。
【0051】
制御装置55は、プラズマ処理装置1aに対して局所的に設置されても良いし、又はインターネット又はイントラネットを介してプラズマ処理装置1aに対して離れた場所に設置されても良い。よって制御装置55は、直接接続、イントラネット、インターネット及びワイヤレス接続のうちの少なくとも1を用いることによってプラズマ処理装置1aとのデータのやり取りをして良い。制御装置55は、たとえば顧客側(つまりデバイスメーカー等)のイントラネットと結合して良いし、又はたとえば売り手側(つまり装置製造者等)のイントラネットと結合しても良い。さらに別なコンピュータ(つまり制御装置、サーバー等)が、たとえば制御装置とアクセスすることで、直接接続、イントラネット及びインターネットのうちの少なくとも1つを介してデータのやり取りをして良い。
【0052】
図5に示された実施例では、プラズマ処理システム1bはたとえば、図4の実施例と相似して良い。図4を参照した際に説明したそれらの構成部品に加えて、プラズマ処理システム1bは、プラズマ密度の潜在的増大、及び/又はプラズマ処理の均一性の潜在的改善のため、静的な、又は機械的若しくは電磁的に回転する磁場システム60をさらに有して良い。しかも制御装置55は、回転速度及び磁場強度を制御するため、磁場システム60と結合して良い。回転磁場の設計及び実装は当業者には周知である。
【0053】
図6に示された実施例では、プラズマ処理システム1cはたとえば、図4及び図5の実施例と相似して良い。またプラズマ処理システム1cは、RF発生装置72からインピーダンス整合ネットワーク74を介してRF出力が結合可能な上部電極70をさらに有して良い。上部電極へRF出力を印加するための典型的な周波数は約0.1MHzから約200MHzの範囲であって良い。それに加えて下部電極へRF出力を印加するための典型的な周波数は約0.1MHzから約100MHzの範囲であって良い。しかも制御装置55は、上部電極70へのRF出力の印加を制御するため、RF発生装置72及びインピーダンス整合ネットワーク74と結合する。上部電極の設計及び実装は当業者には周知である。図示されているように、上部電極70と気体分配システム40は、同一のチャンバ集合体内部に設計されて良い。
【0054】
図7に示された実施例では、プラズマ処理システム1c’は図6の実施例と相似して良い。プラズマ処理システム1c’は、基板25に対向する上部電極70と結合する直流(DC)電源90をさらに有して良い。上部電極70は電極板を有して良い。前記電極板はシリコン含有電極板を有して良い。しかも前記電極板はドーピングされたシリコン電極板を有して良い。DC電源90は可変DC電源を有して良い。それに加えてDC電源90は、該DC電源90の極性、電流、電圧、及び/若しくはオン/オフ状態の監視、調節、又は制御のうちの少なくとも1つを実行するように備えられたシステムをさらに有して良い。一旦プラズマが生成されると、DC電源90は、弾道電子ビームの生成を助ける。DC電源90からRF出力を分離するのに電気フィルタが利用されて良い。
【0055】
たとえばDC電源90によって上部電極70へ印加されるDC電圧は、約-2000[V]から約1000[V]の範囲であって良い。望ましくは、DC電圧の絶対値は約1000[V]以上の値を有する。より望ましくは、DC電圧の絶対値は約500[V]以上の値を有する。それに加えてDC電圧は負の極性を有することが望ましい。さらにDC電圧は、上部電極70の表面上に生成された自己バイアス電力よりも大きな絶対値を有する負の電圧であることが望ましい。基板ホルダ20に対向する上部電極の表面は、シリコン含有材料を有して良い。
【0056】
図8に示された実施例では、プラズマ処理システム1dは図3と図4の実施例と相似して良い。プラズマ処理システム1dは誘導コイル80をさらに有して良い。RF出力は、任意のインピーダンス整合ネットワーク84を経由し、RF発生装置82を介して誘導コイル80結合する。RF出力は、誘導コイル80から誘電窓(図示されていない)を介してプラズマ処理領域45までで誘導結合される。誘導コイル80へ印加されるRF出力の周波数の範囲は約10MHzから約100MHzであって良い。同様にチャック電極へ印加される出力の周波数の範囲は約0.1MHzから約100MHzであって良い。それに加えて、スロット型ファラデーシールド(図示されていない)が、処理領域45内での誘導コイル80とプラズマとの間での容量性結合を減少させるのに用いられて良い。しかも制御装置55は、誘導コイル80への出力の印加を制御するため、RF発生装置82及びインピーダンス整合ネットワーク84と結合して良い。
【0057】
代替実施例では、図9に図示されているように、プラズマ処理システム1eは図8の実施例と相似して良い。プラズマ処理システム1eは誘導コイル80’をさらに有して良い。誘導コイル80’は、変成器結合プラズマ(TCP)反応装置内でのように、上からプラズマ処理領域45とやり取りする“螺旋コイル”又は“ホットケーキ”コイルであって良い。誘導結合プラズマ(ICP)源又は変成器結合プラズマ(TCP)源の設計及び実装は当業者には周知である。
【0058】
あるいはその代わりに、プラズマは電子サイクロトロン共鳴(ECR)を用いて生成されて良い。他の実施例では、プラズマはヘリコン波を放射から生成される。さらに他の実施例では、プラズマは伝播する表面波から生成される。上述した各プラズマ源は当業者には周知である。
【0059】
図10に図示された実施例では、プラズマ処理システム1fは図4と図5の実施例と相似して良い。プラズマ処理システム1fは、表面波プラズマ(SWP)源80’’をさらに有して良い。SWP源80’’はスロットアンテナ(たとえばラジアルラインスロットアンテナ(RLSA))を有して良い。マイクロ波出力は、任意のインピーダンス整合ネットワーク84’を経由し、マイクロ波発生装置82’を介してスロットアンテナと結合する。
【0060】
図11Aと図11Bは、本発明の実施例による酸化表面層のドライクリーニングに係るプロセスデータを表している。当該ドライクリーニングはICP源を利用した。基板バイアス出力はプラズマ生成用に印加された出力に対して独立に変化して良い。試験用構造は、厚さ4-10nmのTaNバリア層を上に有するシリコン基板を有する。TaNバリア層が、Taスパッタリング用ターゲットとN2気体を用いたIPVDによって堆積された。その後前記TaNバリア層は、該TaNバリア層の表面層を酸化させるため、少なくとも1日間大気曝露された。その後様々なドライクリーニングプロセスの前後で膜のシート抵抗が測定された。図11Aは様々なプロセスレシピについてのシート抵抗(Ω/□)の変化を示している。図11Bは同一試料についての計算した膜の抵抗(Ω・cm)の変化を示している。プロセスレシピは、気体圧力が0.5mTorrで基板バイアス電力が低いかゼロであるICP源を用いたArプラズマ曝露(弱いArクリーニング)を行い、続いて、H2含有気体の存在下で後続のアニーリングを行うか、又は弱いArクリーニングと後続アニーリングの両方をお互いが重ならないように行うことによって、酸化TaNバリア層を処理する工程を有する。プロセスレシピには、1)基板バイアス100Wで15秒間の弱いArクリーニングを行う、2)3Torrの気体圧力で15秒間のH2アニーリングを行い、続いて基板バイアス100Wで15秒間の弱いArクリーニングを行う、3)基板バイアス0Wで15秒間の弱いArクリーニングを行う、4)3Torrの気体圧力で15秒間のH2でアニーリングを行い、続いて基板バイアス0Wで15秒間の弱いArクリーニングを行う、5) 基板バイアス100Wで15秒間の弱いArクリーニングを行い、続いて3Torrの気体圧力で15秒間のH2でアニーリングを行う、6) 基板バイアス0Wで15秒間の弱いArクリーニングを行い、続いて3Torrの気体圧力で15秒間のH2でアニーリングを行う、処理が含まれる。(約25℃の温度を有する基板ホルダ(チャック)に固定された基板の)基板温度は、弱いArクリーニング中では100℃未満であると推定された。(約250℃-260℃の温度を有する基板ホルダ上で固定されていない基板の)基板温度は、H2アニーリング中では150℃-200℃であると推定された。
【0061】
プロセスデータは、後続のH2アニーリングを行わない弱いArクリーニングは、シート抵抗と膜の抵抗を増大させることを示している。さらにH2アニーリングの後に続いて弱いArクリーニングを行っても、シート抵抗と膜の抵抗が増大した。またさらに、0Wのバイアスで弱いArクリーニングを行い、その後H2アニーリングを行うプロセスレシピ6も、シート抵抗と膜の抵抗を増大させた。しかし100Wの非ゼロバイアスを用いて弱いArクリーニングを行い、その後H2アニーリングを行うプロセスレシピ5は、シート抵抗と膜の抵抗を減少させた。TaNバリア層の厚さの測定から、上述のプロセスの結果として厚さはほとんど変化しないことが示された。厚さの差は測定誤差の範囲内(0.5Å以下)である。
【0062】
シート抵抗と膜の抵抗が減少していることで、プロセスレシピ5を用いたときには酸化表面層の還元が起こっていることが示された。第1工程である弱いArクリーニングが、一部のTa-O化学結合を破壊又は弱体化することによってTaNバリア層の酸化表面層を活性化させ、かつ、第2工程であるH2気体への活性化した酸化表面層の曝露は、その活性化した酸化表面層の還元を助けていると考えられる。プロセスデータは、15秒程度の短さのArプラズマ曝露と3Torrの気体圧力でのH2曝露が、TaNバリア層の除去にとっては有効であることをさらに示している。基板バイアス電力が低いことで、TaNバリア層と下地の基板の表面損傷は非常に軽いと考えられる。
【0063】
プロセスデータは、プロセス工程の順序が重要であることをもさらに示している。つまり弱いArクリーニング工程に続いてH2アニーリングを行うことが、酸化表面層の還元には有効であるということである。比較のため、H2アニーリングに続いてArプラズマで処理しても、酸化表面層の還元は起こらなかった。
【0064】
図12Aは、デュアルダマシン相互接続構造の断面を概略的に図示している。デュアルダマシン相互接続構造は集積回路作製の当業者には周知である。図12Aに図示されたデュアルダマシン相互接続構造は、電気伝導性相互接続構造522全体にわたって形成されたデュアルダマシン相互接続凹部524と、凹部524の表面全体にわたって形成されたバリア層530を有する。デュアルダマシン相互接続凹部524は、側面528aと底面528bを有するビア528、及び誘電膜518内に形成された溝526を有する。溝526は、側面526aと底面526bを有する。溝526は上部電気伝導性相互接続構造に用いられて良い。ビア528は、溝526を電気伝導性相互接続構造522へ接続する。前記相互接続構造は、誘電層512と514、電気伝導性相互接続構造522を取り囲むバリア膜520、及びエッチストップ層516をさらに有する。
【0065】
図12Bは、本発明の他の実施例によるデュアルダマシン相互接続構造の断面を概略的に図示している。パターンを有する構造は、誘電膜522内に形成された凹部505a、及び該凹部505aの底部でゲート電極506上に形成される電気伝導層503aを有する。ゲート電極506はゲート誘電膜507をさらに有するゲート構造の一部である。ゲート誘電膜507は、SiO2、SiOxNy、SiNy、若しくはSiO2の誘電率(k〜3.9)よりも大きな誘電率を有する高誘電率(high-k)材料、又はこれらの混合物を有して良い。High-k材料には、金属酸化物、金属酸窒化物、及びこれらのシリケートが含まれて良い。High-k材料とはたとえば、Ta2O5、TiO2、ZrO2、Al2O3、Y2O3、HfOxNy、HfSiOxNy、HfO2、ZrSiOx、ZrOxNy、ZrSiOxNy、TaSiOx、SrOx、SrSiOx、LaOx、LaSiOx、YOx、YSiOx、若しくはBaO、又はこれらの混合物を有して良い。
【0066】
さらに図12Bのパターンを有する構造は、誘電膜502内に形成された凹部505b、及び、該凹部505bの底部で、基板500内に存在するドーピングされた基板領域501(たとえばドレイン領域又はソース領域)上に形成された電気伝導層503bを有する。基板500はたとえば、200mmのSiウエハ、300mmのSiウエハ、又はさらに大きなSiウエハであって良い。誘電膜502は、SiO2、SiON、SiN、又はSiO2の誘電率(k〜3.9)よりも小さな誘電率を有する低誘電率(low-k)材料を有して良い。一般的なlow-k材料は、Si、O、N、C、H及び/若しくはハロゲンからなる単純又は複雑な化合物を、密な材料又は有孔性材料として有して良い。本発明の実施例によると、凹部505aと505bは、約2以上(たとえば3,4,5,6,7,12,15,又はそれ以上)のアスペクト比(深さ/幅)を有するビアであって良い。そのビアは、約200nm以下(たとえば150nm,100nm,65nm,45nm,32nm,20nm又はそれ以下)の幅を有して良い。一例では、凹部505aと505bは、アスペクト比が約7で幅が45nmのビアであって良い。しかし他のアスペクト比又はビアの幅も利用可能であるので、本発明の実施例はこれらのアスペクト比又はビアの幅に限定されない。電気伝導層503aと503bはたとえば、CoSi2、PtSi、Pd2Si、TiSi2、WSi2、NiSi2、若しくはTaSi2、又はこれらの混合物を有して良い。一の混合物は、NiSi2よりも高い処理温度の利用を可能にするPtNSiを有して良い。図12Bのパターンを有する構造は、凹部505aと505bの表面全体にわたって形成されるバリア層508をさらに有する。図12Aと図12Bに図示されたパターンを有する構造を形成する処理方法は当業者には周知である。
【符号の説明】
【0067】
1a プラズマ処理システム
1b プラズマ処理システム
1c プラズマ処理システム
1c’ プラズマ処理システム
1d プラズマ処理システム
1e プラズマ処理システム
1f プラズマ処理システム
10 プラズマ処理チャンバ
20 基板ホルダ
25 基板
26 背面気体供給システム
28 静電固定システム
30 RF発生装置
32 インピーダンス整合ネットワーク
40 気体分配システム
45 処理領域
50 真空排気システム
55 制御装置
60 磁場システム
70 上部電極
72 RF発生装置
74 インピーダンス整合ネットワーク
80 誘導コイル
80’’ 表面波プラズマ(SWP)源
82’ マイクロ波発生装置
84’ インピーダンス整合ネットワーク
90 DC電源
100 基板
102 金属含有バリア層
102a 酸化表面層
103 プラズマ励起Ar気体
104 金属含有層
107 第2処理気体
300 真空処理装置
301 基板搬送システム
301A カセットモジュール
301B カセットモジュール
301C 位置合わせモジュール
302A ロードロックチャンバ
302B ロードロックチャンバ
303 基板搬送システム
304A 脱気体システム
304B プラズマ洗浄システム
304C 補助的な処理システム
305 基板搬送システム
306A 処理システム
306B 処理システム
306C 処理システム
306D 処理システム
310 制御装置
500 基板
501 ドーピングされた基板領域
502 誘電膜
503a 電気伝導層
503b 電気伝導層
505a 凹部
505b 凹部
506 ゲート電極
507 ゲート誘電膜
508 バリア層
512 誘電層
514 誘電層
516 エッチストップ層
518 誘電膜
520 バリア膜
522 相互接続構造
524 デュアルダマシン相互接続凹部
526a 側面
526b 底面
528 ビア
528a 側面
528b 底面
530 バリア層
G1 ゲートバルブ
G2 ゲートバルブ
G3 ゲートバルブ
G4 ゲートバルブ
G5 ゲートバルブ
G6 ゲートバルブ
G7 ゲートバルブ
G8 ゲートバルブ
G9 ゲートバルブ
G10 ゲートバルブ
G11 ゲートバルブ
【図1A】

【図1B】

【図1C】

【図1D】

【図1E】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッドその場ドライクリーニング方法であって、
当該方法は:
酸化表面層を有する金属含有バリア層を含む基板を供する工程;
前記酸化表面層を活性化させるためにプラズマ励起アルゴン(Ar)気体を含む第1処理気体に前記酸化表面層を曝露する工程;及び、
前記の第1処理気体に酸化表面層を曝露する工程中に基板バイアス電力を印加する工程;
前記の活性化された酸化表面層を、非プラズマ励起水素気体を含む第2処理気体に曝露する工程;
を有し、
前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、前記酸化表面層を活性化させるのに加えて、水素気体を含む前記第2処理気体による、前記活性化した酸化表面層の還元を助け、
前記金属含有バリア層の厚さは、前記の曝露する工程及び印加する工程によって実質的には変化しない、
方法。
【請求項2】
前記の基板バイアス電力を印加する工程が、0[W]よりも大きな基板バイアス電力を印加する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記の基板バイアス電力を印加する工程が、50[W]乃至150[W]の基板バイアス電力を印加する工程を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板バイアス電力が、前記プラズマ励起Ar気体による前記金属含有バリア層からの金属種のスパッタリングが起こる閾値バイアスレベル未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記酸化表面層を、第1気体圧力である前記第1処理気体流に曝露する工程;及び、
前記酸化表面層を、前記第1気体圧力よりも高い第2気体圧力である前記第2処理気体流に曝露する工程;
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2気体圧力が1[Torr]よりも高い、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記金属含有バリア層が、Ta含有バリア層、Ti含有バリア層、W含有バリア層、又は上記2つ以上の混合物を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記プラズマ励起Ar気体が誘導結合プラズマ処理システム内で生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
基板処理方法であって、
当該方法は:
前記基板を真空処理装置内に供する工程;
前記真空処理装置内において前記基板上に金属含有バリア層を堆積する工程;
前記金属含有バリア層の酸化表面層のハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスを実行する工程であって、当該ハイブリッドその場ドライクリーニングは、
前記の酸化表面層を活性化させるため、プラズマ励起Ar気体を含む第1処理気体流へ前記の酸化表面層を曝露する工程、
前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程中に基板バイアス電力を印加する工程、及び、
前記の活性化された酸化表面層を、非プラズマ励起水素気体を含む第2処理気体に曝露する工程、によって実行される、
工程;を有し、
前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、前記酸化表面層を活性化させるのに加えて、水素気体を含む前記第2処理気体による、前記活性化した酸化表面層の還元を助け、
前記金属含有バリア層の厚さは、前記の曝露する工程及び印加する工程によって実質的には変化せず、
当該方法は、前記実行する工程に続いて、前記金属含有バリア層上に金属含有膜を堆積する工程をさらに有し、
当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセス及び前記の金属含有膜を堆積する工程は、前記金属含有バリア層を大気曝露することなく行われる、
方法。
【請求項10】
前記の基板バイアス電力を印加する工程が、0[W]よりも大きな基板バイアス電力を印加する工程を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記の基板バイアス電力を印加する工程が、50[W]乃至150[W]の基板バイアス電力を印加する工程を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記基板バイアス電力が、前記プラズマ励起Ar気体による前記金属含有バリア層からの金属種のスパッタリングが起こる閾値バイアスレベル未満である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記酸化表面層を、第1気体圧力である前記第1処理気体流に曝露する工程;及び、
前記酸化表面層を、前記第1気体圧力よりも高い第2気体圧力である前記第2処理気体流に曝露する工程;
をさらに有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第2気体圧力が1[Torr]よりも高い、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
基板処理方法であって、
当該方法は:
前記基板を第1真空処理装置内に供する工程;
前記第1真空処理装置内において前記基板上に金属含有バリア層を堆積する工程;
大気中において前記の金属含有バリア層を有する基板を前記第1真空処理装置から第2真空処理装置へ搬送する工程;及び
前記第2真空処理装置内において前記金属含有バリア層の酸化表面層のハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスを実行する工程であって、当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセスは、
前記の酸化表面層を活性化させるため、プラズマ励起Ar気体を含む第1処理気体流へ前記の酸化表面層を曝露する工程、
前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程中に基板バイアス電力を印加する工程、及び、
前記の活性化された酸化表面層を、非プラズマ励起水素気体を含む第2処理気体に曝露する工程、によって実行される、
工程;
を有し、
前記の第1処理気体流へ酸化表面層を曝露する工程は、前記酸化表面層を活性化させるのに加えて、水素気体を含む前記第2処理気体による、前記活性化した酸化表面層の還元を助け、
前記金属含有バリア層の厚さは、前記の曝露する工程及び印加する工程によって実質的には変化せず、
当該方法は、前記実行する工程に続いて、前記金属含有バリア層上に金属含有膜を堆積する工程をさらに有し、
当該ハイブリッドその場ドライクリーニングプロセス及び前記の金属含有膜を堆積する工程は、前記金属含有バリア層を大気曝露することなく行われる、
方法。
【請求項16】
前記の基板バイアス電力を印加する工程が、0[W]よりも大きな基板バイアス電力を印加する工程を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記の基板バイアス電力を印加する工程が、50[W]乃至150[W]の基板バイアス電力を印加する工程を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記基板バイアス電力が、前記プラズマ励起Ar気体による前記金属含有バリア層からの金属種のスパッタリングが起こる閾値バイアスレベル未満である、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第2気体圧力が1[Torr]よりも高い、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記酸化表面層を、第1気体圧力である前記第1処理気体流に曝露する工程;及び、
前記酸化表面層を、前記第1気体圧力よりも高い第2気体圧力である前記第2処理気体流に曝露する工程;
をさらに有する、請求項15に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【公開番号】特開2011−181926(P2011−181926A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40366(P2011−40366)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.JAVA
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】