銅不活性化化学機械研磨後洗浄組成物及び使用方法
化学機械研磨(CMP)後残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物を、その上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するためのアルカリ性水性洗浄組成物及びプロセス。アルカリ性水性洗浄組成物は、アミンと、不活性化剤と、水とを含む。組成物は、残渣及び汚染物物質のマイクロエレクトロニクス素子からの高度に効果的な洗浄を達成する一方で、同時に金属配線材料の不活性化を達成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、化学機械研磨(CMP)後残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物をマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するためのアルカリ性水性組成物に関し、ここで、水性洗浄組成物は効果的にCMP後残渣、エッチング後残渣を除去し、マイクロエレクトロニクス素子上のlow−k誘電性材料を損傷させることなく金属配線材料を不活性化させる。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
半導体素子寸法が0.18μm未満に収縮化し続けるにつれて、抵抗−キャパシタンス(RC)遅延を最小限にとどめるための向上した配線構造に、より注目が置かれてきた。配線遅延を最小限にとどめるためのストラテジーは、配線金属の導電率の向上及び誘電層の誘電率(k)値の低減を含む。例えば、銅が、先進デバイスにおける配線金属としての従来のアルミニウムの代用として出現してきている。銅はアルミニウムよりも導電性が高く(それ故抵抗−キャパシタンス時間遅延を低減させる)、また、従来のAlメタライゼーションと比較したとき、エレクトロマイグレーションを受け難い。
【0003】
ディープサブミクロン半導体の製造において、銅ダマシンプロセスが、low−k誘電層中に導電性銅線を形成するために用いられる。ダマシンプロセスの1つの重要な工程は、誘電層表面上の過剰な銅の除去のための銅化学機械研磨(CMP)である。
【0004】
CMPプロセスは、制御された圧力及び温度下で、半導体素子の薄く平坦な基材に対して、CMPスラリーの存在下に濡れた研磨パッドを保持して回転させる工程を含む。スラリーは、特定のCMPプロセス及び要求に適切な研磨材料及び化学添加剤を含有する。CMPプロセスの後、研磨スラリーからの粒子、スラリーに添加された化学薬品、及び研磨スラリーの反応副生成物を含有する汚染物がウェハ表面上に残される。さらに、シリコンウェハ上の銅/低誘電率材料の研磨は、しばしば、ウェハ表面上に沈降する炭素リッチ粒子を生成する。全ての汚染物は、素子への欠陥の導入及び素子信頼性の低下を回避するために、マイクロエレクトロニクス素子製造プロセスにおける任意の後続の工程の前に除去されなければならない。しばしば、これらの汚染物の粒子は、0.3μmよりも小さい。
【0005】
従来の湿式技術は、汚染物を除去するためにウェハ表面を流れる流体を用い、そのため、これらの効率は、流体流によって形成される境界層の厚さによって制限される。例えばサブ0.3μmといった境界層よりも小さい粒子は流体の物理的流体抗力から遮蔽されており、したがって、ウェハ表面上に残留する。化学結合及び水素結合による追加の付着力は、湿式洗浄技術の洗浄能力をさらに複雑化させ、より小さいサイズの汚染物の除去についてのこれらのプロセスの効率を著しく低減させる。
【0006】
典型的には、湿式技術は、例えば水酸化アンモニウムベースのアルカリ性溶液といった水性洗浄溶液を、ブラッシング、ジェッティング又は超音波のいくつかの形態と組み合わせて用いる。水性洗浄溶液は、移動した汚染物をウェハから除去する前に、ウェハ表面に作用することにより、又は汚染物と反応することにより汚染物を除去する。不都合なことに、いくつかの汚染物は、水溶液中の化学成分に対して化学的に不活性であり得る。例えば、ウェハに付着した炭素リッチ粒子又は化学反応副生成物は、水性洗浄溶液中の化学薬品によっては容易に除去し得ない。
【0007】
境界層厚さを著しく低減させるために、これらの従来の湿式技術と併せてメガソニックが用いられ得る。しかしながら、それでもなお、サブ0.3μm粒径の粒子をウェハ表面から効率的に除去するには十分ではない。
【0008】
デュアルダマシン集積化における炭素ドープオキシドなどのlow−k誘電膜又は有機膜の使用が、水性ベースの化学のみが用いられるCMP後洗浄に更なる課題を追加している。これらの膜並びにシリコンカーバイド、窒化シリコン、及び酸窒化シリコンなどのCMP停止層は非常に疎水性であり、したがって、水系洗浄溶液で洗浄することは困難である。さらに、ほとんどのタイプの中性−酸性スラリー中の炭素原子は銅表面と逆の電位を有しているため、炭素リッチ粒子は、銅表面に付着する可能性が高く、追加の表面欠陥を生成する。
【0009】
マイクロエレクトロニクス素子の製造に共通する他の残渣生成プロセスは、現像されたフォトレジストコーティングのパターンを、ハードマスク、層間絶縁膜(ILD)、及びエッチストップ層からなる下位層へ転写するための気相プラズマエッチングを含む。基材上及びプラズマガス中に存在する化学元素を含み得る気相プラズマエッチング後残渣は、典型的には、バックエンドオブライン(BEOL)構造上に堆積され、除去されなければ、続くケイ素化又は接触形成を妨害し得る。従来の洗浄化学物質は、しばしば、ILDを損傷し、ILDの空隙に吸着し、これにより誘電率を高め及び/又は金属構造を腐蝕させる。
【0010】
ピーターズ(Peters)らによる米国特許第6,558,879号明細書は、半導体及び微小回路の製造における金属又は誘電性表面からの残渣の除去に対するストリッピング及び洗浄組成物に関する。その組成物は、水、有機共溶媒及び腐蝕抑制剤を含む。不都合なことに、好ましい溶剤であるN,N’−ジメチルアセトアミド(DMAC)は、超low−k誘電性材料から炭素を抽出して前記誘電性材料の誘電率を高めるため、半導体産業において受容性が低い。
【0011】
マイクロエレクトロニクス素子製造における他の共通の問題は、CMPプロセス後に、半導体素子基材上に残留する膜状残渣である。このような残渣としては、ベンゾトリアゾール(BTA)などの不活性化化合物が挙げられる。除去されなかった場合、これらの残渣は銅線に損傷を生じさせ、あるいは、銅メタライゼーションを激しく粗面化させる可能性があり、並びに、CMP後除去プロセスの後に適用された層の劣った粘着を生じさせる。過度に粗い銅は製品半導体素子の劣った電気性能を生じさせるため、銅メタライゼーションの激しい粗面化は特に問題である。
【0012】
欠陥及び擦り傷なしでCMP残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物を前記素子の表面から除去するための、マイクロエレクトロニクス素子のCMP後及び/又はエッチング後洗浄のための向上した水性組成物を提供することは、本技術分野においては顕著な利点であるだろう。好ましくは、前記水性組成物は、実質的な残渣及び汚染物の素子の表面からの除去を達成すると共に、露出した配線材料、例えば銅を、low−k誘電性材料を損傷させることなく不活性化させる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の概要
本発明は、一般に、CMP後残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物を、前記残渣及び/又は汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄し、一方で、同時にマイクロエレクトロニクス素子表面上の金属配線材料を不活性化するためのアルカリ性水性組成物及びプロセスに関する。
【0014】
したがって、好ましい実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、残部の水とを含む。代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。更に他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、残部の水とを含む。更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、残部の水とを含む。更に他の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。
【0015】
特に好ましい実施形態において:不活性化剤に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.05〜15);錯化剤(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜25);還元剤(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜25);第4級塩基(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜10);界面活性剤(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜1);及び残部の水である。
【0016】
本発明の一態様は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水とを含むアルカリ性水性洗浄組成物に関し、ここで、前記アルカリ性水性洗浄組成物は、残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄に好適である。任意に、アルカリ性水性洗浄組成物は更に、少なくとも1種の界面活性剤を含んでもよい。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0017】
他の態様において、本発明は、アルカリ性水性洗浄組成物を形成するための1種又は複数種の試薬を、1つ又は複数のコンテナ中に含むキットに関し、前記1種又は複数種の試薬は少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、任意に少なくとも1種の第4級塩基、任意に少なくとも1種の還元剤、及び任意に水からなる群より選択され、キットはマイクロエレクトロニクス素子からの物質の洗浄に好適であるアルカリ性水性洗浄組成物を形成するように適合されており、ここで、その物質は、CMP後残渣、気相プラズマ後残渣、及びこれらの汚染物からなる群より選択される。任意に、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を更に含んでもよい。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0018】
更なる他の態様において、本発明は、残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄方法に関し、前記方法は、マイクロエレクトロニクス素子から前記残渣及び汚染物を少なくとも部分的に洗浄するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子をアルカリ性水性洗浄組成物と接触させる工程を含み、ここで、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水とを含む。任意に、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を更に含んでもよい。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0019】
更なる態様において、本発明は、マイクロエレクトロニクス素子の製造方法に関し、前記方法は、残渣及び汚染物をその上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子から少なくとも部分的に洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子をアルカリ性水性洗浄組成物と接触させる工程を含み、ここで、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、水とを含む。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0020】
さらに、本発明の他の態様は、本明細書に記載の方法及び/又は組成物を用いて、残渣及び汚染物の、その上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄を含み、かつ、マイクロエレクトロニクス素子の製品への組み込みを任意に含む本発明の方法を用いて製造された、改良されたマイクロエレクトロニクス素子、及びこれを組み込んだ製品に関する。
【0021】
本発明の他の態様、特性及び利点は、後述する開示及び添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明、及びその好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、CMP後残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物を、このような物質をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するアルカリ性水性組成物に関し、前記組成物は、残渣/汚染物物質に対して高い選択性を有する一方で、同時に、マイクロエレクトロニクス素子上の、例えば銅及びコバルトといった金属配線材料を不活性化する。
【0023】
参照の容易さのために、「マイクロエレクトロニクス素子」は、マイクロエレクトロニクス、集積回路、又はコンピュータチップ用途において用いられるために製造される、半導体基材、フラットパネルディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)に対応する。用語「マイクロエレクトロニクス素子」は決して限定的な意味ではなく、最終的にマイクロエレクトロニクス素子又はマイクロエレクトロニクスアセンブリとなるいずれの基材をも含むと理解されるべきである。
【0024】
本明細書では、「CMP後残渣」は、研磨スラリーからの粒子、炭素リッチ粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、構造粒子の器具材料、銅、銅酸化物、及びCMPプロセスの副生成物であるその他の物質に対応する。
【0025】
本明細書では、「汚染物」は、CMPスラリー、研磨スラリーの反応副生成物、及びCMPプロセスの副生成物であるその他の物質に存在する化学物質に対応する。
【0026】
本明細書において定義されるように、「low−k誘電性材料」は、誘電性材料として、層状マイクロエレクトロニクス素子において用いられるいずれかの材料に対応し、ここで、その材料は、約3.5未満の誘電率を有する。好ましくは、low−k誘電性材料としては、シリコン含有有機ポリマー、シリコン含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ素化ケイ酸ガラス(FSG)、二酸化ケイ素、及び炭素ドープオキシド(CDO)ガラスなどの低極性材料が挙げられる。low−k誘電性材料は、異なる密度及び異なる空隙率を有してもよいことが認識されるべきである。
【0027】
本明細書において定義されるように、「エッチング後残渣」は、気相プラズマエッチングプロセス、例えば、BEOLデュアルダマシンプロセスの後に残留する物質に対応する。エッチング後残渣は、性質が有機、有機金属、有機ケイ酸塩性、又は無機、例えば、シリコン含有物質、炭素ベース有機物質であってもよく、エッチングガス残渣としては、特に限定されないが、酸素及びフッ素が挙げられる。
【0028】
本明細書では、「約」は、規定値の±5%に対応することを意図する。
【0029】
本明細書では、残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄に対する「適合性」は、前記残渣/汚染物のマイクロエレクトロニクス素子からの少なくとも部分的な除去に対応する。好ましくは、少なくとも85%の残渣/汚染物が、本発明の組成物を用いてマイクロエレクトロニクス素子から除去され、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の残渣/汚染物が除去される。
【0030】
本明細書において定義されるように、「錯化剤」は、錯化剤、キレート化剤及び/又は金属封鎖剤として当業者によって理解される化合物を含む。錯化剤は、除去されるべき金属原子及び/又は金属イオンを、本発明の組成物を用いて化学的に結合又は物理的に保持するであろう。
【0031】
重要なことには、本発明の水性組成物は、配線金属及び/又は配線金属シリサイド材料に対して例えば低エッチング速度といった良好な金属適合性を有していなければならない。関連する金属としては、限定されないが、銅、タングステン、コバルト、アルミニウム、タンタル、チタン及びルテニウムが挙げられる。
【0032】
本発明の組成物は、下記でより十分に記載されるとおり、多種多様の特定の配合物で具体化される。
【0033】
組成物の特定の成分が下限ゼロを含む質量パーセント範囲を参照して述べられる全ての組成物において、その成分は、組成物の種々の特定の実施形態で存在してもしなくてもよく、この成分が存在する場合には、これらは、この成分が用いられる組成物の総質量を基準として0.001質量パーセントという低濃度で存在し得ることが理解されるであろう。
【0034】
エッチング後残渣除去組成物
一つの態様において、本発明は、露出金属及び金属合金材料、例えば銅配線、を有するマイクロエレクトロニクス素子からのエッチング後残渣の除去において有用である水性エッチング後残渣除去組成物に関する。一実施形態による組成物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、残部の水とを含む。
【0035】
【表1】
【0036】
他の実施形態において、水性エッチング後残渣除去組成物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、残部の水とを含む。
【0037】
【表2】
【0038】
組成物が錯化剤を含む場合、錯化剤の量は、組成物の総質量を基準として約0.001%〜10質量%の範囲内である。
【0039】
本発明の広範な実施において、水性エッチング後残渣除去組成物は、アミンと、不活性化剤と、任意の第4級塩基と、任意の錯化剤と水とを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよい。あるいは、本発明の広範な実施において、水性エッチング後残渣除去組成物は、第4級塩基と、アミンと、不活性化剤と、任意の錯化剤と、水とを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよい。水は、好ましくは脱イオンされている。
【0040】
好ましくは、濃縮水性エッチング後残渣除去組成物中の成分は組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する:約0.01〜約10%の第4級塩基(存在する場合)、約1%〜約15%のアミン、約0.001%〜約1%の不活性化剤、約0.01%〜約5%の錯化剤(存在する場合)、及び、残部のDI水。
【0041】
本発明の組成物は、特に限定されないが、エッチング後残渣除去、表面調製、メッキ後清浄及びCMP後残渣除去を含む用途において実用性を有し得る。
【0042】
重要なことには、マイクロエレクトロニクス素子上の、OSGなどのlow−k誘電性材料を含む誘電性材料、並びに、例えば銅、コバルト、タングステン、アルミニウム等といった露出金属及び金属合金材料は、水性エッチング後残渣除去組成物によっては侵食されない。好ましくは、銅材料のエッチング速度は、約0.5Å min−1〜約10Å min−1、より好ましくは約0.5Å min−1〜約5Å min−1の範囲内である。
【0043】
本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、好ましくは、没食子酸及びアスコルビン酸などの脱酸素剤を含んでいない。酸化還元反応に影響を受けやすい環境において時間の経過で酸化する前記脱酸素剤を排除することで、配合物は、除去性能をほとんど変化させずに長期化されたポットライフを有する。銅表面は、水性エッチング後残渣除去組成物中の不活性化剤によって不活性化され、これにより銅粗面化を最小限にとどめ、銅エッチング速度と同時に銅腐蝕が低下する。本発明の水性エッチング後残渣除去組成物の第2の利点は、個別のBTA除去後の適用の排除と共にBTA層よりも除去が容易である銅不活性化層であり、これにより、運用管理コストが低減される。
【0044】
本発明の広範な実施において、水性エッチング後残渣除去組成物のpH範囲は、約11を超え、より好ましくは約11〜約15の範囲である。
【0045】
アミン化合物は、第1級又は第2級アミンであってもよく、モノエタノールアミン(MEA)、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、アミン化合物はモノエタノールアミンを含む。
【0046】
不活性化剤という用語は、本明細書では、新しい銅表面及び/又は酸化された銅薄膜と反応して、銅含有層を不活性化又は防護するいずれかの物質を意味することを意図する。好ましくは、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物中の不活性化剤は、例えば、1,2,4−トリアゾール(TAZ)などのトリアゾール;又はベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール(ハロ=F、Cl、Br又はI)、ナフトトリアゾール等などの、C1〜C8アルキル基、アミノ基、チオール基、メルカプト基、イミノ基、カルボキシ基及びニトロ基などの置換基で置換されたトリアゾール;並びに2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプトチアゾリン、5−アミノテトラゾール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、チアゾール、トリアジン、メチルテトラゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,5−ペンタメチレンテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン、メルカプトベンズイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール、トリトリルリン酸、イミダゾール、インジアゾールなどのチアゾール、テトラゾール、イミダゾール、リン酸塩、チオール及びアジンを含む1つ又は複数の成分を含んでもよい。さらには、水性エッチング後残渣除去組成物について考えられる不活性化剤としては、安息香酸及びアンモニウム安息香酸などのカルボン酸が挙げられる。好ましくは、不活性化剤としては、TAZ、MBI、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
ここで考えられる任意の第4級塩基としては、限定されないが、(NR1R2R3R4)OHが挙げられ、式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、直鎖又は分岐C1〜C10アルキル基、及び置換及び非置換アリール基からなる群より選択される。考えられる第4級塩基としては、コリン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチル水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、第4級塩基としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が挙げられる。
【0048】
ここで考えられる錯化剤は、高い溶液pHで、金属及び/又は金属イオンと結合できなければならず、前記物質の露出した誘電性表面からの除去を補助する。ここで考えられる錯化剤としては、酢酸、アセトンオキシム、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、安息香酸、ベタイン、ジメチルグリオキシム、フマル酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリセロール、グリシン、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスタジン、イミノジ酢酸、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リシン、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、2,4−ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プロリン、ピロメリット酸、キナ酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、チロシン、バリン、キシリトール、前記のアミノ酸の誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、ただし、錯化剤はクエン酸を含まない。ここで考えられる他の錯化剤としては、ポリエチレンエーテル(PEG);ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(DPGBE)、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル(フェノキシ−2−プロパノール)などのグリコールエーテル及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、錯化剤としては乳酸が挙げられる。
【0049】
本発明の水性エッチング後除去組成物は、その配合において界面活性剤を必要としないが、しかしながら、これは、このような剤が有益となる特定の用途での、本発明の除去溶液中における界面活性剤の使用を妨げるものではない。例えば、トリデシルベンゼンスルホン酸(TSA−99)が、本発明の水性エッチング後除去組成物に添加されてもよい。
【0050】
さらに、水性CMP後洗浄組成物は、酸化剤、共溶媒、エッチング剤、脱泡剤、追加のpH調整剤等を更に含んでもよい。共溶媒は、有機レジスト除去における補助のために添加されてもよい。
【0051】
種々の実施形態において、水性エッチング後残渣除去組成物は以下の配合物AA〜APに配合され、これらのいくつかは好ましく、これらのいくつかは比較の目的のために調製され、全てのパーセントは質量基準であり、配合物の総質量を基準とする:
配合物AA アンモニウム安息香酸塩0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH 5%、DI水、83.90%
配合物AB BTA0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.90%
配合物AC MBI0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.90%
配合物AD TAZ0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水68.90%
配合物AE アンモニウム安息香酸塩0.10%、TAZ0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.80%
配合物AF アンモニウム安息香酸塩0.10%、MBI0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.80%
配合物AG TAZ0.5%、MEA20%、TMAH5%、ブチルカルビトール10%、DI水64.50%
配合物AH TAZ0.5%、MEA10%、TMAH5%、メチルカルビトール20%、DI水64.50%
配合物AI アンモニウム安息香酸塩1%、MEA9%、TMAH5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水83%
配合物AJ MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水72.9%
配合物AK MBI0.1%、MEA20%、DMSO20%、TMAH5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水52.9%
配合物AL MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、TSA−99 0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水72.4%
配合物AM MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、ジエチレングリコールヘキシルエーテル0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水72.4%
配合物AN MBI0.1%、MEA20%、DMSO20%、TMAH5%、TSA−99 0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水52.4%
配合物AO MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、ジエチレングリコールヘキシルエーテル0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DMSO20%、DI水52.4%
配合物AP MBI0.10%、乳酸1.86%、MEA9%、TMAH5%、DI水84.04%。
【0052】
好ましい実施形態において、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、モノエタノールアミンと、TMAHと、乳酸と、MBIとを含む。
【0053】
他の実施形態において、水性エッチング後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、エッチング後残渣と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、残部の水とを含む。重要なことには、エッチング後残渣は、本発明の除去組成物中に溶解及び/又は懸濁される。
【0054】
重要なことには、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は脱イオン水と比較して著しく低い表面張力を有する。これは、素子表面からエッチング後残渣及び汚染物を洗浄する本発明の水性組成物の能力を増大させる。
【0055】
本発明の一実施形態において、除去溶液として用いるために希釈されてもよい濃縮水性エッチング後残渣除去組成物が提供される。濃縮組成物又は「濃縮物」は、使用時点で、使用者が濃縮物を所望の強度及びアルカリ性に希釈することを有利に可能とする。しかも、製品の濃縮物はより長い保管寿命を有し、運搬及び保管がより容易である。濃縮洗浄組成物の希釈率は、約1:1〜約200:1の範囲内であってもよく、洗浄組成物は、ツールで又はその直前に、溶剤、例えば脱イオン水で希釈される。好ましくは、濃縮洗浄組成物は、約5:1〜約50:1の範囲で希釈される。
【0056】
本発明の水性エッチング後残渣除去組成物の重要な特性は、非水性成分(水以外の成分)が、少量、好ましくは約30質量%未満で組成物に存在することである。これは、効果的な除去組成物をより経済的に配合することができるので経済的な利点であり、エッチング後残渣除去組成物が大量に用いられるため、重要である。しかも、除去組成物は水性であるため、本発明の除去組成物はより容易に廃棄される。
【0057】
本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、それぞれの構成要素を単純に添加し、均質な状態に混合することにより容易に配合される。しかも、水性エッチング後残渣除去組成物は、単一パッケージ配合物として、あるいは使用時点又はその前に混合される多液型配合物として容易に配合されてもよく、例えば、多液型配合物の個別の液は、ツールで、又はツール上流の保管タンク内で混合される。それぞれの構成成分の濃度は、水性エッチング後残渣除去組成物の特定の倍量で広く異なっていてもよく(すなわち、本発明の広範な実施において、より希釈又はより濃縮されていてもよく)、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、多様かつ代替的に、本明細書における開示に一致する構成成分のいずれかの組み合わせを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよいことが理解されるであろう。
【0058】
したがって、本発明の他の態様は、1つ又は複数のコンテナ中に、本発明の組成物の形成に適した2つ以上の成分を含むキットに関する。好ましくは、そのキットは、1つ又は複数のコンテナ中に、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤とを、製造工場又は使用時点で水と組み合わせるために含む。代替の実施形態において、キットは、1つ又は複数のコンテナ中に、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基とを、製造工場又は使用時点で水と組み合わせるために含む。ここで他の組み合わせが考えられることは当業者によって理解されるであろう。
【0059】
水溶液に追加して、水性エッチング後残渣除去組成物は、泡状物、霧状物、未臨界又は超臨界流体(すなわち、ここで、溶剤は水の代わりにCO2等である)として配合され得ることもここで考えられる。
【0060】
マイクロエレクトロニクス製造工程に適用される際、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、エッチング後残渣をマイクロエレクトロニクス素子の表面から洗浄する一方で、同時に金属配線材料を不活性化させるために有用に用いられる。重要なことには、本発明の除去組成物は、素子表面上のlow−k誘電性材料を損傷させず、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去させる。
【0061】
エッチング後除去の用途において、除去組成物は、例えば、洗浄されるべき素子の表面上へ除去組成物を吹き付けることにより、洗浄されるべき素子を浸漬(大量の除去組成物中に)させることにより、洗浄されるべき素子を除去組成物で飽和された他の材料(例えばパッド又は繊維状吸着剤塗布部材)に接触させることにより、あるいは、除去組成物が洗浄されるべき素子との接触で除去させられるいずれかの他の好適な手段、方策又は技術により、いずれかの好適な方策で洗浄されるべき素子に適用される。さらに、バッチ又は単一ウェハプロセスがここで考えられる。
【0062】
エッチング後残渣を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための本発明の組成物の使用において、水性エッチング後残渣除去組成物は、典型的には、約30秒〜約20分間、好ましくは約2分の時間、約20℃〜約50℃の範囲での温度で素子と接触させられる。このような接触時間及び温度は例示的であり、本発明の広範な実施において少なくとも部分的にエッチング後残渣/汚染物を素子から洗浄するために効果的であるいずれかの他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。「少なくとも部分的に洗浄する」は、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の除去に対応する。
【0063】
マイクロエレクトロニクス製造工程に適用される際、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、CMP後残渣をマイクロエレクトロニクス素子の表面から洗浄する一方で、同時に金属配線材料を不活性化させるため有用に用いられる。重要なことには、本発明の洗浄組成物は、素子表面上のlow−k誘電性材料を損傷させず、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去する。
【0064】
代替のCMP後残渣及び汚染物洗浄の用途において、水性エッチング後残渣除去組成物は、ベルテックシングルウェハメガソニックゴールドフィンガー(Verteq single wafer megasonic Goldfinger)、オントラックシステムズ(OnTrak systems)DDS(両面スクラバー)、ローレル(Laurell)スピンスプレーツール、SEZシングルウェハスプレーリンス、アプライドマテリアルズミッラメーザ(Applied Materials Mirra−Mesa)(商標)/レフレクション(Reflexion)(商標)/レフレクション(Reflexion)LK(商標)、及びメガソニック(Megasonic)バッチウェットベンチシステムを含む大型の多様な従来の洗浄ツールと共に用いられる。
【0065】
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための本発明の組成物の使用において、エッチング後残渣除去組成物は、典型的には、約5秒〜約10分間、好ましくは約15秒〜5分の時間、約20℃〜約50℃の範囲での温度で素子と接触される。このような接触時間及び温度は例示的であり、本発明の広範な実施において少なくとも部分的にCMP後残渣/汚染物を素子から洗浄するために効果的である、いずれかの他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。
【0066】
所望の洗浄作用の達成に続いて、水性エッチング後残渣除去組成物は、本発明の組成物の特定の最終使用用途において望まれかつ有効であるように、既に適用されていた素子から直ちに除去される。好ましくは、すすぎ溶液は脱イオン水を含む。すすぎプロセスに続いて、素子は窒素又はスピンドライプロセスを用いて乾燥される。
【0067】
更なる本発明の他の態様は、本発明の方法により製造された改善したマイクロエレクトロニクス素子及びこのようなマイクロエレクトロニクス素子を含有する製品に関する。
【0068】
本発明のなおも更なる態様は、マイクロエレクトロニクス素子を含む物品の製造方法に関し、前記方法は、エッチング後残渣を、その上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子に水性エッチング後残渣除去組成物を接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクス素子を前記物品に組み込む工程とを含み、水性エッチング後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、水とを含む。
【0069】
本発明のなおも更なる態様は、マイクロエレクトロニクス素子を含む物品の製造方法に関し、前記方法は、エッチング後残渣を、その上に前記残渣を有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子に水性エッチング後残渣除去組成物を接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクス素子を前記物品に組み込む工程とを含み、エッチング後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、水とを含む。
【0070】
CMP後洗浄組成物
他の態様において、本発明は、CMP後残渣及び汚染物を、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための水性CMP後洗浄組成物に関し、前記組成物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、残部の水とを含む。
【0071】
【表3】
【0072】
他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。
【0073】
【表4】
【0074】
更に他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。
【0075】
【表5】
【0076】
更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、残部の水とを含む。
【0077】
【表6】
【0078】
更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、残部の水とを含む。
【0079】
【表7】
【0080】
本発明の広範な実施において、水性CMP後洗浄組成物は、上述のとおり、アミンと、不活性化剤と、任意の還元剤と、任意の第4級塩基と、任意の界面活性剤と、水とを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよい。水は好ましくは脱イオン化されている。
【0081】
本発明の広範な実施において、水性CMP後洗浄組成物のpH範囲は、約9を超え、最も好ましくは約10〜約12の範囲内である。
【0082】
アミン化合物は第1級又は第2級アミンであってもよく、モノエタノールアミン(MEA)、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、アミン化合物としては、モノエタノールアミン又はモノイソプロパノールアミンが挙げられる。いくらかの量の第1級及び/又は第2級アミンが存在する限りにおいて、第3級アミンが、摩擦軽減剤として、約0.01質量%〜約20質量%の量で、水性CMP後洗浄組成物に添加され得ることもここで考えられる。考えられる第3級アミンとしては、限定されないが、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルグリコールアミン、N,N−ジメチルジグリコールアミン、及びペンタメチルジエチレントリアミンが挙げられる。
【0083】
不活性化剤という用語は、本明細書では、新しい銅表面及び/又は酸化された銅薄膜と反応して、銅含有層を不活性化又は防護するいずれかの物質を意味することを意図する。好ましくは、本発明の水性CMP後洗浄組成物中の不活性化剤は、本明細書において上記に列挙された1つ又は複数の成分を含む。より好ましくは、不活性化剤は、1,2,4−トリアゾールである。
【0084】
水性CMP後洗浄組成物は、任意に、アスコルビン酸、L(+)−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、グリオキサール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される還元剤を含んでもよい。
【0085】
水性CMP後洗浄組成物は、任意に、限定されないが、(NR1R2R3R4)OHを含む第4級塩基を含んでもよく、式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、直鎖又は分岐C1〜C10アルキル基、及び置換又は非置換のアリール基からなる群より選択される。好ましくは、水性CMP後洗浄組成物は、少なくとも1種の第4級塩基を含み、前記第4級塩基は、好ましくは水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含む。
【0086】
水性CMP後洗浄組成物は、任意に、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、好ましくは、分散/懸濁、液体表面張力の低下、並びに、固液間の表面張力の低下を補助する表面活性剤である。さらに、界面活性剤は、配合物の粘度を増加させることによりウェハ上に作用するシアーストレスを低減させる表面改質剤としても作用すると仮定される。ここで考えられる界面活性剤としては、限定されないが、フルオロアルキル界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン又はポリプロピレングリコールエーテル、カルボン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)又はそれらの塩、ポリアクリレートポリマー、ジノニルフェニルポリオキシエチレン、シリコーン又は変性シリコーンポリマー、アセチレン系ジオール又は変性アセチレン系ジオール、及びアルキルアンモニウム又は変性アルキルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルセルロース(500〜35,000 MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(500〜35,000 MW)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(500〜35,000 MW)、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250ヒドロキシエチルセルロース、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EFヒドロキシプロピルセルロースなどのノニオン性界面活性剤、並びに、少なくとも1種の前記界面活性剤を含む組み合わせが挙げられる。あるいは、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との混合物であってもよい。好ましい実施形態において、界面活性剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)及び/又はクルセル(KLUCEL)(登録商標)である。
【0087】
さらに、水性CMP後洗浄組成物は、キレート剤、エッチング剤、脱泡剤、pH調整剤、水溶性高分子化合物などの増粘剤等を更に含んでもよい。
【0088】
重要なことには、マイクロエレクトロニクス素子上の、OSGなどのlow−k誘電性材料を含む誘電性材料、並びに、例えば銅、コバルト、タングステン、アルミニウム等といった露出金属及び金属合金材料は、エッチング後残渣除去組成物によっては侵食されない。好ましくは、銅材料のエッチング速度は、約0.5Å min−1〜約10Å min−1、より好ましくは約0.5Å min−1〜約5Å min−1の範囲内である。
【0089】
好ましくは、濃縮洗浄組成物中の成分は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する;約0.01%〜約62%のアミン、約0.005%〜約25%の還元剤、約0.005%〜約14%の不活性化剤、約0.001〜約25%の第4級塩基及び残部の水。
【0090】
好ましい実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、モノエタノールアミンと、アスコルビン酸と、TAZとを含む。
【0091】
特に好ましい実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、モノエタノールアミンと、アスコルビン酸と、没食子酸と、TMAHと、TAZとを含む。
【0092】
他の特定の好ましい実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、モノエタノールアミンと、没食子酸と、TMAHと、TAZとを含む。
【0093】
種々の実施形態において、水性CMP後洗浄組成物は、以下の配合物BA〜CMに配合され、これらのいくつかは好ましく、これらのいくつかは比較の目的のために調製され、ここで、全てのパーセントは質量基準であり、配合物の総質量を基準とする:
配合物BA MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水84.4%
配合物BB MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ1%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水83.4%
配合物BC MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ3%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水81.4%
配合物BD MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ5%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水74.4%、pH10.3
配合物BE MEA8.8%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、DI水80.91%
配合物BF MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ1%、DI水90.25%、pH11.4
配合物BG MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1%、没食子酸1.75%、TAZ1%、DI水89.25%、pH10.8
配合物BH MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA1.6%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BI MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA8.5%、EDTA0.01%、DI水75.9%
配合物BJ MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA2.2%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BK MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA11.8%、EDTA0.01%、DI水72.6%
配合物BL MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA1.2%、EDTA0.01%、DI水83.2%
配合物BM MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA6.1%、EDTA0.01%、DI水78.3%
配合物BN MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ1.0%、DI水84.0%
配合物BO MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ5.0%、DI水86.25%
配合物BO MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ5.0%、DI水80.0%
配合物BQ MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2.0%、DI水81.5%、pH11.6
配合物BR MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、DDBSA0.11%、DI水78.39%
配合物BS MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水78.4%
配合物BT MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水80.4%
配合物BU MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.1%、DI水80.4%
配合物BV MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 1.00%、DI水79.89%
配合物BW MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.50%、DI水80.39%
配合物BX MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.00%、DI水79.89%
配合物BY MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.50%、DI水80.39%
配合物BZ MEA10.29%、TMAH5.71%、アスコルビン酸4.00%、TAZ2.29%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.14%、DI水76.57%
配合物CA MEA9%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水85.39%
配合物CB MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水80.78%、pH12.0
配合物CC 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物CD 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、82.5質量%H2O
配合物CE 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2%1,2,4−トリアゾール、80.5質量%H2O
配合物CF 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、78.5質量%H2O
配合物CG 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、76.5質量%H2O
配合物CH 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、84.4質量%H2O
配合物CI 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、82.4質量%H2O
配合物CJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CL 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、77.5質量%H2O
配合物CM 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O。
【0094】
本発明者らによって、不活性化剤を含有するアルカリ性水性組成物の粒子除去効率及び有機物欠陥除去能力は、不活性化剤を含まない対応する組成物を著しく超えていたことが発見された。例えば、CMP後洗浄組成物中の不活性化剤の存在が、典型的にはCMPスラリーの成分であり、CMPプロセス処理中に厚く不均一な膜を露出した銅表面上に形成する傾向にあるBTAの除去を補助することが本明細書において提案される。
【0095】
例えば、本発明の背景において記載したとおり、BTAは多くのCMPスラリーの成分であり、CMPプロセスの完了後、BTAの不均一な膜が、露出した銅構造上に残留する。BTA含有スラリーでのCMP後、マイクロエレクトロニクス素子の露出した銅表面は、BTA−Cu+膜及びスラリーからの粒子で汚染されている(図1の左側を参照のこと)。不活性化剤を含むCMP後洗浄組成物の導入後、BTA−Cu+層は、基材をエッチングすることなくアンダーカット及びリフトオフされるとみ想定され、不活性化剤−Cu+層が残留する(図1の右側を参照のこと)。得られる表面は親水性であり、極めて容易に濡れる。
【0096】
重要なことには、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、脱イオン水と比較して著しく低い表面張力を有する。これは、素子表面からCMP後残渣及び汚染物を洗浄する本発明の水性組成物の能力を高める。
【0097】
他の実施形態において、水性CMP後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、CMP後残渣と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、残部の水とを含む。重要なことには、CMP後残渣は、本発明の除去組成物中に溶解及び/又は懸濁される。
【0098】
さらに他の実施形態において、水性CMP後除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、アスコルビン酸と、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の追加の還元剤と、水とを含み、前記アルカリ性水性洗浄組成物は、残渣及び汚染物を、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するのに好適である。好ましくは、清浄な水性CMP後除去組成物は、フッ素源、酸化剤、及び/又は研磨材料を含まない。
【0099】
本発明の一実施形態において、洗浄溶液として用いられるために希釈されてもよい濃縮水性CMP後洗浄組成物が提供される。濃縮組成物又は「濃縮物」は、使用時点で、例えばCMPプロセス技術者といった使用者が濃縮物を所望の強度及びアルカリ性に希釈することを有利に可能とする。しかも、製品の濃縮物はより長い保管寿命を有し、運搬及び保管がより容易である。濃縮洗浄組成物の希釈率は、約1:1〜約200:1の範囲内であってもよく、洗浄組成物は、ツールで又はその直前に、溶剤、例えば、脱イオン水で希釈される。好ましくは、濃縮洗浄組成物は、約5:1〜約50:1の範囲で希釈される。
【0100】
本発明の水性CMP後洗浄組成物の重要な特性は、非水性成分(水以外の成分)が、組成物中に、しばしば、約30質量%未満の少量で存在することである。これは、効果的な洗浄組成物をより経済的に配合することができるため経済的な利点であり、CMP後洗浄組成物が大量に用いられるため、重要である。しかも、洗浄組成物は水性であるため、本発明の洗浄組成物はより容易に廃棄される。
【0101】
本発明の水性CMP後洗浄組成物は、それぞれの構成要素を単純に添加し、均質な状態に混合することにより容易に配合される。しかも、水性CMP後洗浄組成物は、単一パッケージ配合物として、あるいは使用時点又はその前に混合される多液型配合物として容易に配合されてもよく、例えば、多液型配合物の個別の液は、ツールで、又はツール上流の保管タンク内で混合される。それぞれの構成成分の濃度は、水性CMP後洗浄組成物の特定の倍量で広く異なっていてもよく(すなわち、本発明の広範な実施において、より希釈又はより濃縮されてもよく)、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、多様かつ代替的に、本明細書における開示に一致する構成成分のいずれかの組み合わせを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよいことが理解されるであろう。
【0102】
したがって、本発明の他の態様は、1つ又は複数のコンテナ中に、本発明の組成物の形成に適した2つ以上の成分を含むキットに関する。好ましくは、キットは、1つ又は複数のコンテナ中に、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の還元剤とを、製造工場又は使用時点で水と組み合わせるために含む。ここで、他の組み合わせが考えられることは当業者によって理解されるであろう。
【0103】
水溶液に追加して、水性CMP後洗浄組成物は、泡状物、霧状物、未臨界又は超臨界流体(すなわち、ここで、溶剤は水の変わりにCO2等である)として配合され得ることもここで考えられる。
【0104】
さらに他の実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、マイクロエレクトロニクス素子製造プロセスの他の態様において用いられ得る。例えば、水性CMP後洗浄組成物は、所望のコバルトメッキを除去することなく、かつ、誘電性材料を損傷させることなく、誘電性領域からコバルト含有微粒子を除去するためのコバルト後洗浄に用いられてもよい。さらに、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、ポストエッチング及びポストアッシング残渣を除去するために用いられてもよく、CMP研磨ツールのバフプロセス中に用いられてもよい。
【0105】
CMP後残渣及び汚染物洗浄の用途において、水性CMP後洗浄組成物は、ベルテックシングルウェハメガソニックゴールドフィンガー(Verteq single wafer megasonic Goldfinger)、オントラックシステムズ(OnTrak systems)DDS(両面スクラバー)、ローレル(Laurell)スピンスプレーツール、SEZシングルウェハスプレーリンス、アプライドマテリアルズミッラメーザ(Applied Materials Mirra−Mesa)(商標)/レフレクション(Reflexion)(商標)/レフレクション(Reflexion)LK(商標)、及びメガソニック(Megasonic)バッチウェットベンチシステムを含む大型の多様な従来の洗浄ツールと共に用いられる。
【0106】
マイクロエレクトロニクス製造工程に適用される際、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、CMP後残渣及び汚染物をマイクロエレクトロニクス素子の表面から洗浄する一方で、同時に金属配線材料を不活性化させるために有用に用いられる。重要なことには、本発明の洗浄組成物は、素子表面上のlow−k誘電性材料を損傷させず、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去する。
【0107】
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための本発明の組成物の使用において、水性CMP後洗浄組成物は、典型的には、約5秒〜約10分間、好ましくは約15秒〜5分の時間、約20℃〜約50℃の範囲での温度で素子に接触させられる。このような接触時間及び温度は例示的であり、本発明の広範な実施において少なくとも部分的にCMP後残渣/汚染物を素子から洗浄するために効果的であるいずれかの他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。「少なくとも部分的に洗浄する」及び「顕著な除去」の両方は、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の除去に対応する。
【0108】
他の実施形態において、水性CMP後洗浄組成物は、バフ研磨プロセスの前又は最中(すなわち、プラテンのダウンフォースが減少する前又は最中)に工程IIのプラテンに導入され、これにより、水性CMP後洗浄組成物が、工程IIのCMPスラリーに置換され、かつ、工程IIのCMPプロセスの最終段階での、工程IIのCMPスラリーの電子素子表面からの除去を補助する。
【0109】
所望の洗浄作用の達成に続いて、水性CMP後洗浄組成物は、本発明の組成物の特定の最終使用用途において望まれかつ有効であるように、既に適用されていた素子から直ちに除去される。好ましくは、すすぎ溶液は脱イオン水を含む。
【0110】
更なる本発明の他の態様は、本発明の方法により製造された改善したマイクロエレクトロニクス素子及びこのようなマイクロエレクトロニクス素子を含有する製品に関する。
【0111】
本発明のなおも更なる態様は、マイクロエレクトロニクス素子を含む物品の製造方法に関し、前記方法は、CMP後残渣及び汚染物を、その上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子に水性CMP後洗浄組成物を接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクス素子を前記物品に組み込む工程とを含み、水性CMP後洗浄組成物は、(a)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤及び水、(b)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の還元剤及び残部の水、(c)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の界面活性剤、任意に少なくとも1種の還元剤及び残部の水、(d)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の第4級塩基、任意に少なくとも1種の還元剤及び残部の水、並びに、(e)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の第4級塩基、少なくとも1種の還元剤、任意に少なくとも1種の界面活性剤及び残部の水、からなる群より選択される成分を含む。
【0112】
他の態様において、本発明は、電子素子ウェハの銅を防護するための移動溶液として用いられる水性CMP後洗浄組成物に関する。例えば、本明細書に開示のCMP後洗浄組成物は、前記ウェハの研磨プラテンへの移動中に、及び/又は、CMP後残渣除去プロセス、すなわち、ブラシスクラビング、メガソニック等の最中にウェハ上に噴霧されてもよい。好ましくは、ウェハ上への噴霧前に、水性CMP後洗浄組成物は、約20:1〜約1000:1の範囲に水で希釈される。
【0113】
本発明の特徴及び利点が、以下の限定されない実施例によって、より十分に例示されており、全ての部及びパーセントは、他に明示の記載がない限り質量基準である。
【実施例】
【0114】
実施例1
配合物AA〜AFの、銅腐蝕を抑制する(すなわち、銅エッチング速度を最低とする)効果を評価した。素子は銅ブランケットウェハであった。各々の例におけるウェハを、それぞれの組成物中に50℃で10分間浸漬し、その後脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。浸漬前に、サンプルを、4点プローブ測定技術を用いて測定し、抵抗率の関数として基材の厚さを決定した。回帰曲線を作成し、抵抗率の関数として決定した銅の厚さから各組成物における銅のエッチング速度を導き出した。図2に結果を図示する。
【0115】
実施例2
その上に残渣を有するパターン形成ウェハを、(250rpmで)攪拌した配合物ACのビーカ中に40℃で2分間浸漬した。パターン形成ウェハは、FSGボンディングパッドを銅表面上に含んでいた。洗浄の後、ウェハをDI水ですすぎ、乾燥させ走査型電子顕微鏡(SEM)に供した。銅のエッチング速度を、1.4Å min−1に設定した。
【0116】
浸漬前後の対照ウェハの電子顕微鏡写真を、それぞれ図3A及び3Bに示す。2分間のみの洗浄後で、残渣が効果的に除去されたことが観察される。
【0117】
実施例3
ビアエッチング後バリア貫通ウェハを、攪拌した(250rpm)配合物ACのビーカ中に2分間室温で浸漬した。ビアエッチングプロセス中、ウェハを50%オーバーエッチングに処して、大きい側壁ポリマー残渣を提供した。洗浄に続いて、ウェハをDI水ですすぎ、乾燥させ及びSEMに供した。
【0118】
浸漬前の対照ビアウェハ及び切断された対照ビアウェハの電子顕微鏡写真をそれぞれ図4A及び4Bに示す。浸漬後のビアウェハ及び切断されたビアウェハの電子顕微鏡写真を、それぞれ図5A及び5Bに示す。ビアエッチング及びオーバーエッチングプロセス後に残留していた残渣が、ビアの側壁から実質的に除去されたことが、明らかに確認できる(例えば図5Bを参照のこと)。
【0119】
実施例4
処理済及び未処理の銅表面上でのDI水の接触角を測定した。銅表面は、処理なしの場合で72.5±2.2のDI水接触角を有する電気化学蒸着した銅材料であった。ECD銅を、下記表1に列挙されている多様な組成物中に、一(1)分間浸漬し、DI水ですすぎ、窒素で乾燥し、DI水の接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0120】
【表8】
【0121】
さらにECD銅を、不活性化剤を含まない洗浄組成物で、続いて、0.1質量%BTAで処理し、すすぎ、乾燥した。この処理済銅表面は、約50〜60°の接触角を有していた。この処理済ECD銅表面をさらに配合物BQ(10:1で希釈された)中に浸漬し、すすぎ、乾燥した場合、接触角は12.5±1.6に低下した。
【0122】
0.1質量%BTAを含む組成物で処理された銅は、およそ50°〜60°の接触角を有しており、処理表面は比較的疎水性(すなわち、非濡れ性)を示すことが分かった。対照的に、TAZで処理された銅は、およそ10°〜15°の接触角を有しており、処理表面は親水性であったことを示している。興味深いことに、前記BTA処理済銅表面を、TAZを含む配合物BQに浸漬した後、DI水での接触角(すなわち、TAZ−処理表面の接触角)は約10°〜15°に低下し、TAZは、(i)BTA−Cu+表面に吸着したか、又は(ii)Cu表面からBTAを置換してTAZ−Cu+を残留させたことを示唆する。
【0123】
実施例5
処理済及び未処理銅表面上でのDI水の接触角及び関連する表面エネルギーを測定し、図6に図示した。測定した表面を下記にまとめた。
ECDCu 電気化学蒸着した銅(対照)
Cu−BTA 0.1%BTA溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−2MBI 0.01%MBI溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−4302 0.1%の独自開発した変性トリアゾール組成物に浸漬したECDCu
Cu2O 組成物で処理して表面CuOをCu2Oに転化したECDCu
Cu−CBTA 0.01%CBTA溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−TAZ 0.2%TAZ溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−5ATA 0.2%ATA溶液に中性pHで浸漬したECDCu
【0124】
多くの試験溶液において、その中に溶解された銅不活性化剤の量は、中性pHでの前記化合物の溶解度によって表されており、pH4〜6の範囲内にある傾向であった。
【0125】
その結果は、実際の洗浄及び不活性化実験を行うよりも、単に接触角を計測することにより、好適な汎用の銅不活性化剤を予測できることを示している。例えば、その結果は、どの銅不活性化剤が最良の表面の「濡れ性」を提供することになるかを示しており、これにより、CMP後洗浄中に、水性洗浄溶液が高アスペクト比構造に浸透できる可能性を高めると共に、露出した銅表面上に「水斑」を形成する能力を低減させる。
【0126】
実施例6
TAZの銅表面上への吸着を、酸性及び塩基性の両媒体中で測定した。水晶微量天秤(QCM)上の電極を銅でメッキし、DI水に、23℃、およそ5のpHで、360秒間浸漬した。酸性対照実験の結果を図7に示すが、酸化及び水和プロセスにより、300秒間でおよそ1.66μgcm−2の観察された質量増加が示される。
【0127】
銅メッキQCM電極を、次いで、0.058質量%TAZを含有する溶液にpH5.8(溶液の中性pH)で浸漬した。酸性媒体中での実験の結果を図8に示すが、300秒間でおよそ0.38μgcm−2の観察された質量増加が示されており、これは、およそ26ÅのTAZ膜厚さに相当する。図9は、酸性媒体におけるこの実験について、Ag/AgCl参照電極と比較した対応する開路電位(OCP)を示している。300秒間でおよそ0.38μgcm−2のQCM測定厚さを有する吸着したTAZについての電位は、およそ0.18Vに相当することが分かる。
【0128】
銅メッキQCM電極を、TMAHを用いてpH11.5に調整した塩基性DI水溶液に浸漬することにより実験を繰り返した。塩基性対照例の結果を図10に示すが、300秒間でおよそ0.44μgcm−2の観察された質量増加が示される。
【0129】
銅メッキQCM電極を、次いで、TMAHを用いてpH11.5に調整された0.058質量%TAZを含有する溶液に浸漬した。塩基性媒体中での実験のQCM結果は確定的ではなかったが、図11は、塩基性媒体中でのこの実験についての対応するOCPを示す。塩基性媒体に吸着したTAZについての電位は、およそ0.195Vに対応することが分かる。酸性TAZ溶液中でのOCP結果と塩基性TAZ溶液中でのOCP結果との間の類似性は、TAZが溶液のpHに関わらず一貫して露出した銅表面で吸着することを示唆する。CMPは多様なpH値を有する多様に異なるスラリーを必要とし、残存CMPスラリーはしばしばCMP後洗浄組成物を汚染しそのため洗浄組成物のpHを変化させるため、これは関連する。好ましくは、不活性化剤は、pHに関わらず同等に露出した銅に吸着し、これにより洗浄組成物の適応性を拡大する。
【0130】
実施例7
TAZのBTA−処理銅表面上への吸着を塩基性媒体中で測定した。水晶微量天秤(QCM)上の電極を銅でメッキし、中性pHを有する0.2質量%BTA溶液に、23℃で300秒間浸漬した。その後、BTA処理銅を、11.5のpHを有する0.1質量%TAZ溶液に、300秒間浸漬した。OCP及びQCM実験の結果を図12及び13にそれぞれ示す。電極の質量が減少し、より重いBTA分子(MW119.1g mole−1)の、より軽いTAZ分子(69.07g mole−1)による置き換えを示すことが分かる。この実験の結果は、BTAの少なくとも一部分がTAZ分子によって置き換えられたことを示唆する。
【0131】
実施例8
図14は、2つの異なる洗浄法の後に、銅、TEOS、コラール(Coral)及びブラックダイアモンド(Black Diamond)(BD)表面上に残留する欠陥の総数を示す。コンパス(Compass)欠陥分析ツールを用いて、各表面上の0.1μmを超えるサイズを有する欠陥の数をカウントした。第1の洗浄法は従来の技術分野において用いられていたものであり、CMPの後に、ウェハをクエン酸溶液に浸漬し、不活性化剤を含まない洗浄組成物でブラシ洗浄するが、この場合、組成物はMEAと、TMAHと、アスコルビン酸と、DI水とを含む。第2の洗浄法は、CMPの後の、配合物BQ中へのウェハの浸漬、これに続く前述の不活性化剤を含まない洗浄組成物でのブラシ洗浄を含む。
【0132】
図14を参照すると、第1の方法により洗浄された銅はかなりの数の欠陥(ほとんどがおそらく前記CMPプロセスから吸着したBTAの存在による有機欠陥)を有していたことが分かる。TAZ(配合物BQ)を含む組成物に表面を浸漬する第2の方法により銅を洗浄した場合には、欠陥の数は劇的に減少した。これらは、CMP後洗浄中にBTAがTAZによって置き換えられていることを更に示す。したがって、TAZによるBTAの置き換えの他の利点は、低減された数の表面欠陥であり、それ故、マイクロエレクトロニクス素子全体の信頼性の増加である。
【0133】
実施例9
図15は、10:1の(DI水での)希釈率を有する配合物BFを用いたCMPバフ工程中のリンス−バフ、及びそれに続く、4.7%TMAHと、20.6%TEAと、3.3%没食子酸と、11.2%アスコルビン酸と、残部の水とを含む30:1希釈率の濃縮組成物を用いたブラシボックス中でのCMP後洗浄の後の、銅ブランケットウェハについての総欠陥、有機欠陥及び粒子欠陥の数を時間の関数として示す。欠陥、有機、粒子の数及び合計は、ブラシ時間を延ばすのに伴って減少することが分かる。これらの結果は、かなりの量の欠陥を除去するために、ブラシ洗浄は、好ましくは少なくとも60秒間必要であったことを示す。
【0134】
実施例10
図16Aは、30,000×の倍率での、セマテック(Sematech)854対照の、ボンディングパッドの端部での走査型電子顕微鏡写真であり、ここで、ウェハはCMP残渣及びスラリー汚染物をその上に有している。図16Bは、6,000×の倍率での、セマテック(Sematech)854対照ウェハの、ランダムに選択された一つのボンディングパッドでのSEMである。
【0135】
セマテック(Sematech)854対照ウェハを、ローレル(Laurell)スピン−スプレーツールを用いて、60:1の(DI水での)希釈率を有する本発明の洗浄配合物と共に、60秒間、22℃で洗浄した。
【0136】
それぞれ配合物BH〜BM、BF及びBN〜BPでの洗浄に対応する図17〜26について、図Aは、30,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後のボンディングパッドの中心でのウェハのSEMであり、図Bは、30,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後のボンディングパッドの端部でのウェハのSEMであり、図Cは、6,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後のランダムに選択されたボンディングパッドでのウェハのSEMであり、図Dは、6,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後の0.18μmラインパターンの領域でのウェハのSEMである。
【0137】
BTA(それぞれ配合物BH及びBI)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図17及び18は、BTAを含むCMP後洗浄組成物が残渣及び汚染物の除去に好適ではないことを示す。
【0138】
低濃度のCBTA(配合物BJ)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図19は、CMP後残渣及び汚染物の顕著な除去を示す。しかしながら、高濃度のCBTA(配合物BK)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図20は、より濃縮された配合物という残渣及び汚染物の除去の不良を示す。理論に束縛されることは望んでいないが、この明確な差異は、配合物における不活性化剤と他の成分との間のバランスによると思われる。高濃度の不活性化剤は、配合物の洗浄能力を抑制し得る。
【0139】
ATA(それぞれ配合物BL及びBM)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図21及び22は、CBTA(すなわち、図19及び20)に類似する洗浄挙動(濃度の低いATA組成物は残渣及び汚染物を実質的に除去する)を示すが、より濃度の高いATA組成物はそうではなかった。おそらくは不活性化剤の銅上への不均一な微粒子堆積を生じさせる過度に高い不活性化剤レベルにより、ATAを含む両方の組成物についてウェハの表面に膜が吸着しているようであることに更に留意する。
【0140】
TAZ(配合物BF)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図23は、CMP後残渣及び汚染物の顕著な除去を示す。
【0141】
TAZ(配合物BN)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図24は、CMP後残渣の顕著な除去を示すが、しかしながら、膜が洗浄中にウェハの表面に吸着した。
【0142】
TAZ(配合物BO)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図25は、より小さなCMP後残渣物質の除去を示すが、しかしながら、配合物は、より大きな微粒子物質をウェハの表面から除去することはできなかった。BO配合物は、全てのCMP後残渣物質及び汚染物を独自開発のウェハ(ここでは図示せず)から実質的に除去したことに留意する。これは、全ての配合物の有用性は、材料のウェハ上での性質、及び前記CMP研磨面の性質に依存することを示唆する。
【0143】
TAZ(配合物BP)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図26は、CMP後残渣及び汚染物の顕著な除去を示す。
【0144】
実施例11
希釈された配合物BR及びBSの誘電性材料上での接触角を測定した。配合物BRを希釈して、2.561BR:97.839DI水溶液を形成した。配合物BSを希釈して、2.56BS:97.84DI水溶液を形成した。観察した接触角の光学イメージがそれぞれ図27A及び27Bである。
【0145】
実施例12
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物BQ、CC〜CG及びCJ〜CMの効果を評価した。素子は、乾燥アーチ(Arch)10K CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していた、パターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハを、スピン/スプレーツールで1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後での分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。
【0146】
洗浄効果を、基材上の対象物の減少によって評価した。サンプル基材上の粒子を231〜235強度のピクセルの範囲として「登録」したが、これは、典型的なAFMイメージにおいて、他の暗い背景上での白色種に対応する。シグマスキャンプロ(Sigma Scan Pro)ヒストグラムを用いて、これらのピクセルにフィルタをかけ粒子の数をカウントした。洗浄効果を式(1)を用いて算出した。
【数1】
【0147】
表2は、上述の組成物BQ、CC〜CG及びCJ〜CMについて、示した希釈率でのCMP後洗浄効果の結果を含む。
【0148】
【表9】
【0149】
配合物BQは、銅不活性化剤TAZを含有しない配合物CCよりも19%の洗浄の改善を示すことが分かる。配合物CE及びCGは、銅不活性化剤TAZを含有しない配合物CD及びCFよりも2%及び1%の洗浄の改善を示す。不活性化剤としてBTAを含有する配合物、具体的にはCJ、CK、CL、及びCMは、洗浄中の粒子の添加により極めて劣った洗浄を有する。
【0150】
実施例13
配合物BQ及びCC〜CEの存在下で研磨した銅ブランケットウェハの銅粗面化を評価した。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後での分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIaAFMを用いて実施した。AFMソフトウェアによって算出される二乗平均(Root Mean Square)粗度によって粗面化を評価した。結果を下記表3に示す。
【0151】
【表10】
【0152】
データは、本発明の洗浄組成物への不活性化剤の添加、すなわち配合物CC及びCEが、配合物に起因する銅粗面化に悪影響を及ぼさないことを示している。
【0153】
実施例14
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物CC、CD、CF、CH及びCIの効果を評価した。素子は、乾燥アーチ(Arch)10K CMPスラリーを表面上に有していたパターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。ウェハを、10ppmBTAで、2時間、静的浸漬により更に汚染した。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後での分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。洗浄効果を、実施例12の方法に従って評価し、上述の式(1)を用いて算出した。結果を下記表4に示す。
【0154】
【表11】
【0155】
TAZ不活性化剤を含まない配合物と比して、TAZを含む配合物CIは、スラリー及びBTA汚染の向上した洗浄を示すことをみることができる。
【0156】
実施例15
BTA残渣を銅表面から洗浄する配合物BQ及びCC〜CGの効果を評価した。銅表面は、10ppmのBTAで2時間、静的浸漬で処理されたブランケットシードウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の配合物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を実施した。ウェハを、次いで、H2Sガスに2分間露出させた。ガスへの露出によって生じる変色はBTA−処理銅表面上に残留するBTA汚染のレベルを示し、最低から最高までのBTA除去は、オレンジ色<赤色<ピンク色<紫色<青色に対応する。結果を、下記表5に示す。
【0157】
【表12】
【0158】
TAZを含む本発明の配合物、具体的にはBQ、CE、及びCGで洗浄した表面が、最も著しく変色されており、すなわち、TAZ不活性化剤を含まない配合物よりも顕著なBTA除去を示した。XPS結果は、TAZを含む配合物は、TAZ不活性化銅の薄層を残留させることを立証する。これらの結果は、TAZを含む本発明の配合物がウェハの表面からBTAと置き換わる理論を支持する。
【0159】
実施例16
種々の実施形態を処方したが、ここで、全てのパーセントは質量基準であり、配合物の総質量に基づく。いくつかの配合物が好ましく、いくつかは比較の目的のために処方した。
配合物DA 9質量%モノエタノールアミン、91質量%H2O
配合物DB 9質量%モノエタノールアミン、0.1質量%2−メルカプトベンズイミダゾール、90.9質量%H2O
配合物DC 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、89質量%H2O
配合物DD 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、0.1質量%カルボキシベンゾトリアゾール、88.9質量%H2O
配合物DE 11質量%NMEA、89質量%H2O
配合物DF 11質量%NMEA、0.1質量%5−アミノテトラゾール、88.9質量%H2O
配合物DG 11質量%NMEA、0.1質量%5−アミノテトラゾール、1質量%(40%)グリオキサール、87.9質量%H2O
【0160】
実施例17
配合物DA〜DGを、銅エッチング速度について評価した。基材は銅ブランケットウェハであった。各々の場合におけるウェハを、それぞれの組成物に、22℃で10分間、450rpmで浸漬し、30秒間脱イオン水すすぎ及び窒素乾燥を続けた。洗浄前前後での分析を、レスマップ(ResMap)4点プローブを用いて実施して、銅の厚さを測定した。配合物の存在下での銅のエッチング速度(ER)を、式(2)を用いて算出した。エッチング速度の分散は式(3)を用いて算出した。
【数2】
式中、Aはオングストロームでの浸漬前の基材の厚さ、Bはオングストロームでの浸漬後の基材の厚さ、Tは分間での時間である。
【数3】
式中、SA=オングストロームでの処理前の基材の厚さの分散、SBはオングストロームでの処理後の基材の厚さの分散、tは分間での時間である。
【0161】
エッチング速度測定実験の結果が下記表6及び7にまとめられており、ここで、DA及びDBの20:1溶液は、DA及びDBのDI水中での20:1の希釈率を表す。
【0162】
【表13】
【0163】
【表14】
【0164】
不活性化剤の配合物DB、DD、及びDFへの添加は、配合物DA、DC、及びDE(すなわち、不活性化剤を含まない配合物)よりも、サンプルのかなり低いエッチング速度及び銅エッチング速度におけるより低い分散に寄与していたことが分かる。還元剤グリオキサールの配合物DGへの添加は、エッチング速度及び銅エッチング速度の分散を、配合物DE及びDF(すなわち、還元剤を含まない配合物)と比較してさらに低減させた。
【0165】
実施例18
以下に記載のそれぞれの組成物を有する配合物EA〜EPのサンプルを調製した。
配合物EA 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物EB 1質量%1,2,4−トリアゾール、99質量%H2O
配合物EC 1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、97.25質量%H2O
配合物ED 2.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、94.75質量%H2O
配合物EE 4.5質量%モノエタノールアミン、1質量%1,2,4−トリアゾール、94.5質量%H2O
配合物EF 4.5質量%モノエタノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、92.75質量%H2O
配合物EG 2.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、1質量%1,2,4−トリアゾール、96.5質量%H2O
配合物EH 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2質量%1,2,4−トリアゾール、78.5質量%H2O
配合物EI 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1質量%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O
配合物EJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、10.9質量%アスコルビン酸、71.6質量%H2O
配合物EK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、10.9質量%アスコルビン酸、2質量%1,2,4−トリアゾール、69.6質量%H2O
配合物EL 5.5質量%モノイソプロパノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、91.75質量%H2O
配合物EM 7.75質量%アミノエトキシエタノール、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、89.5質量%H2O
配合物EN 5.5質量%モノイソプロパノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、92.75質量%H2O
配合物EO 4.5質量%モノエタノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、93.75質量%H2O
配合物EP 9.0質量%モノエタノールアミン、3.5質量%アスコルビン酸、2質量%1,2,4−トリアゾール、85.5質量%H2O
【0166】
実施例19
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に含有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物BG、EA〜EG、EL及びEMの効果を評価した。素子は、乾燥CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していた、パターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、特定のx:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後の分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。洗浄効果を、本明細書中において上述のとおり、基材上の対象物の減少によって評価し、式(1)を用いて算出した。
【0167】
表8は、上述の組成物BG、EA〜EG、EL及びEMについて、示した希釈率でのCMP後洗浄効果の結果を含む。
【0168】
【表15】
【0169】
配合物EC(TAZ及びアスコルビン酸)及び配合物EE(TAZ及びモノエタノールアミン)は、CMP後残渣及び汚染物をウェハ表面から除去しなかったことが分かる。しかしながら、予想外で驚くべきことに、配合物EC及びEEの成分を組み合わせて配合物EF(TAZ、アスコルビン酸、モノエタノールアミン)を形成した場合、洗浄効果はほぼ100%であった。驚くべき効果が、図28及び29に更に示されており、これらは、それぞれ、配合物EC及びEFを用いた洗浄前及び洗浄後のAFMイメージを表す。配合物ECは、ウェハ表面から洗浄される粒子(すなわち、白色スポット)の数には効果を有していなかったが、一方で、配合物EFは、ウェハ表面を効果的に洗浄したことを明らかに分かる。同様に、配合物EL及びENは、ほぼ100%の洗浄効果を有していた。
【0170】
さらに、配合物EA及びBGは、配合物EAは不活性化剤を含まないこと以外、示された希釈率(すなわち、それぞれ10:1及び5:1)で同一のものであった。結果は、不活性化剤、この場合TAZは、効果的な金属不活性化剤として作用するのみでなく、CMP後残渣及び汚染物の洗浄をも増強することを示唆している。
【0171】
実施例20
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に含有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物EA及びBGの効果を評価した。素子は、乾燥CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していたパターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後の分析を、ジュール走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて実施した。洗浄効果を、本明細書中において上述のとおり基材上の対象物の減少によって評価し、式(1)を用いて算出した。
【0172】
表9は、上述の組成物EA及びBGについて、示した希釈率でのCMP後洗浄効果の結果を含む。
【0173】
【表16】
【0174】
重要なことには、実施例20は、効果的な配合物が、洗浄組成物の洗浄効果を犠牲にすることなく顕著に希釈され得ることを立証する。これは、洗浄されるウェハ当たりの運用管理コストを低減する有益性を有する。
【0175】
実施例21
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に含有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物EA、BG、EJ及びEKの効果を評価した。素子は、乾燥CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していたパターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄後の分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。洗浄効果を、本明細書中において上述のとおり、基材上の対象物の減少によって評価し、式(1)を用いて算出した。
【0176】
表10は、上述の組成物EA、BG、EJ及びEKについて、示した希釈率でのCMP後洗浄粒子数の結果を含む。
【0177】
【表17】
【0178】
実施例21は、配合物BG及びEKとの洗浄に関連するより低い粒子数によって示されるように、本発明のアルカリ性水性洗浄組成物が好ましくはTAZなどの不活性化剤を含むことをさらに示す。
【0179】
実施例22
配合物EH及びEIの、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子上の銅を不活性化するための効果を評価した。サンプルウェハは銅シード層を含んでいた。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、30:1(1部の洗浄組成物対30部の脱イオン水)に希釈した洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。静的な10ppm BTA処理済及び未処理サンプルを、比較のために分析した。XPSを用いて、15°〜90°の角度で分析を行った。表11は、配合物EH及びEIについての、静的BTA及び未処理サンプルと相対的な銅不活性化の結果を含む。
【0180】
【表18】
【0181】
窒素対銅の比は、配合物のウェハ表面との接触後に、BTA又は他の不活性化剤(すなわち、アゾール)が銅上に残留する量を示す。予期したとおり、静的BTA配合物及びBTAを含む配合物Jは、BTAの厚い層をウェハ表面上に残留させた。TAZを含む配合物EHは、薄い不活性化層をウェハの表面上に残留させ、これは、より薄い不活性化膜はその後のプロセス工程において除去するのがより容易であり、より少ない有機欠陥をもたらすので好都合である。
【0182】
表11の結果が、さらに図30に図示されている。
【0183】
実施例23
配合物EA、BG、EF、EL、EN、及びEOの存在下でのコバルトのエッチング速度を、典型的な工業クエン酸ベースのクリーナ(水中の10質量%クエン酸二アンモニウム)と比較してテストした。ウェハサンプルは、研磨された銅にメッキされた100Åのコバルトを有していた。ウェハを、700rpmの攪拌で配合物に浸漬した。サンプルを、コバルトが完全に除去されるまで溶液中に残し、これを、銅及びコバルトの間の異なる色によって視認で判定した。
【0184】
【表19】
【0185】
クエン酸二アンモニウムクリーナが最大エッチング速度をコバルトに有していたこと、及び、本発明の配合物は、従来のクエン酸ベースのクリーナを超えて甚大に改善していることが分かった。さらに、配合物EA及びBGを比較すると、不活性化剤の組成物に対する添加は、コバルトエッチング速度を0.5Å min−1未満に低下させる。
【0186】
実施例24
配合物EA及びBGを用いて、CMP後残渣及び汚染物についてのバフ洗浄効果をテストした。ウェハサンプルは、既にCMPスラリーで研磨された銅ブランケットウェハであった。各々の場合におけるウェハを、アプライドマテリアルズレフレクション(Applied Materials Reflexion)(商標)ツールの第3のプラテン上で、可変速度及び1psiダウンフォースを、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に用いて15秒間、22℃で洗浄し/バフし、レフレクション(Reflexion)(商標)ツールについて標準CMP後洗浄プロセスを続けた。研磨後及び洗浄後の分析を、0.2μmの欠陥ビンサイズの設定を有するKLA−SP1表面欠陥分析機器を用いて実施した。表13は、上述の組成物EA及びBGについて、示したプラテン速度での欠陥密度の結果を含む。
【0187】
【表20】
【0188】
不活性化剤を含む配合物BGは、組成物EAと比較して、同等の条件下で欠陥密度を低下させることが分かる。
【0189】
実施例25
配合物EA及びBGを用いて、CMP後残渣及び汚染物についてのバフ洗浄効果をテストした。ウェハサンプルは、既にCMPスラリーで研磨された銅ブランケットウェハであった。各々の場合におけるウェハを、アプライドマテリアルズレフレクション(Applied Materials Reflexion)(商標)ツールの第3のプラテン上で、15秒間、22℃、107rpmのプラテン速度及び可変ダウンフォースで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物を含む洗浄組成物と共に洗浄し/バフし、レフレクション(Reflexion)(商標)ツールについて標準CMP後洗浄プロセスを続けた。研磨後及び洗浄後の分析を、0.2μmの欠陥ビンサイズの設定を有するKLA−SP1表面欠陥分析機器を用いて実施した。表14は、上述の組成物EA及びBGについて、示したダウンフォースでの欠陥密度の結果を含む。
【0190】
【表21】
【0191】
不活性化剤を含む配合物BGは、組成物EAと比較して、同等の条件下で欠陥密度を低下させることが分かる。
【0192】
本発明は、例示的実施形態及び特徴を参照して本明細書において多様に開示されてきたが、上述に記載の実施形態及び特徴は、本発明を制限することを意図せず、他の変形、改良及び他の実施形態はそれら自体は、本明細書における開示に基づいて当業者にとって自己示唆的であることが理解されるであろう。本発明は、したがって、全てのこのような変形、改良及び代替の実施形態を、後に規定される特許請求の範囲の思想及び範囲内に包含するとして広く解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】マイクロエレクトロニクス素子の表面からのCMP後残渣及び汚染物の除去について、提案されたアンダーカット及びリフト機構を示す。
【図2】配合物AA〜AF中への浸漬後の時間の関数としての銅ブランケットウェハの厚さを示す。
【図3A】配合物AC中への浸漬前の対照ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図3B】図3Aの対照ウェハの、配合物AC中への浸漬後の電子顕微鏡写真である。
【図4A】配合物AC中への浸漬前のビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図4B】配合物AC中への浸漬前の切断されたビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図5A】配合物AC中への浸漬後のビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図5B】配合物AC中への浸漬後のビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図6】DI水の、種々の処理済及び未処理銅表面上での表面エネルギー及び接触角を示す。
【図7】DI水に中性pHで浸漬された水晶微量天秤(QCM)の銅電極の質量を、時間の関数として示す。
【図8】0.058質量%TAZ溶液にpH5.8で浸漬されたQCMの銅電極の質量を時間の関数として示す。
【図9】0.058質量%TAZ溶液にpH5.8浸漬された銅電極についての開路電位(OCP)を時間の関数として示す。
【図10】pH11.5に調整されたDI水に浸漬されたQCMの銅電極の質量を、時間の関数として示す。
【図11】0.058質量%TAZ溶液に、pH11.5で浸漬された銅電極についてのOCPを時間の関数として示す。
【図12】0.1質量%TAZ溶液に、pH11.5で浸漬されたBTA処理銅電極についてのOCPを時間の関数として示す。
【図13】0.1質量%TAZ溶液に、pH11.5で浸漬されたBTA処理銅電極についてのQCMの銅電極の質量を時間の関数として示す。
【図14】2つの異なる洗浄法によるCMP後洗浄後の銅、TEOS、コラール(Coral)及びブラックダイアモンド(Black Diamond)上の数多くの欠陥を示す。
【図15】10:1希釈率の配合物BF(DI水で)でのCMPバフ工程中のリンス−バフ後、これに続く、4.7%TMAH、20.6%TEA、3.3%没食子酸、11.2%アスコルビン酸及び残部の水を含む30:1希釈率の濃縮組成物を用いるブラシボックス内でのCMP後洗浄後の銅ブランケットウェハについての欠陥の数を時間の関数として示す。
【図16A】30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図16B】6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BO中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BO中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25C】60:1希釈率(DI水で)の配合物O中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BO中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図27A】希釈された配合物BRの誘電性表面上での接触角の光学的イメージである。
【図27B】希釈された配合物BSの誘電性表面上での接触角の光学的イメージである。
【図28】セマテック(Sematech)854ウェハの、本発明の配合物ECでの洗浄前後の、ウェハの原子間力顕微鏡(AFM)イメージである。
【図29】セマテック(Sematech)854ウェハの、本発明の配合物EFの洗浄前後の、ウェハのAFMイメージである。
【図30】本発明の配合物用いる、窒素対銅の比、それ故、銅不活性化膜の相対的厚さを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、化学機械研磨(CMP)後残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物をマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するためのアルカリ性水性組成物に関し、ここで、水性洗浄組成物は効果的にCMP後残渣、エッチング後残渣を除去し、マイクロエレクトロニクス素子上のlow−k誘電性材料を損傷させることなく金属配線材料を不活性化させる。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
半導体素子寸法が0.18μm未満に収縮化し続けるにつれて、抵抗−キャパシタンス(RC)遅延を最小限にとどめるための向上した配線構造に、より注目が置かれてきた。配線遅延を最小限にとどめるためのストラテジーは、配線金属の導電率の向上及び誘電層の誘電率(k)値の低減を含む。例えば、銅が、先進デバイスにおける配線金属としての従来のアルミニウムの代用として出現してきている。銅はアルミニウムよりも導電性が高く(それ故抵抗−キャパシタンス時間遅延を低減させる)、また、従来のAlメタライゼーションと比較したとき、エレクトロマイグレーションを受け難い。
【0003】
ディープサブミクロン半導体の製造において、銅ダマシンプロセスが、low−k誘電層中に導電性銅線を形成するために用いられる。ダマシンプロセスの1つの重要な工程は、誘電層表面上の過剰な銅の除去のための銅化学機械研磨(CMP)である。
【0004】
CMPプロセスは、制御された圧力及び温度下で、半導体素子の薄く平坦な基材に対して、CMPスラリーの存在下に濡れた研磨パッドを保持して回転させる工程を含む。スラリーは、特定のCMPプロセス及び要求に適切な研磨材料及び化学添加剤を含有する。CMPプロセスの後、研磨スラリーからの粒子、スラリーに添加された化学薬品、及び研磨スラリーの反応副生成物を含有する汚染物がウェハ表面上に残される。さらに、シリコンウェハ上の銅/低誘電率材料の研磨は、しばしば、ウェハ表面上に沈降する炭素リッチ粒子を生成する。全ての汚染物は、素子への欠陥の導入及び素子信頼性の低下を回避するために、マイクロエレクトロニクス素子製造プロセスにおける任意の後続の工程の前に除去されなければならない。しばしば、これらの汚染物の粒子は、0.3μmよりも小さい。
【0005】
従来の湿式技術は、汚染物を除去するためにウェハ表面を流れる流体を用い、そのため、これらの効率は、流体流によって形成される境界層の厚さによって制限される。例えばサブ0.3μmといった境界層よりも小さい粒子は流体の物理的流体抗力から遮蔽されており、したがって、ウェハ表面上に残留する。化学結合及び水素結合による追加の付着力は、湿式洗浄技術の洗浄能力をさらに複雑化させ、より小さいサイズの汚染物の除去についてのこれらのプロセスの効率を著しく低減させる。
【0006】
典型的には、湿式技術は、例えば水酸化アンモニウムベースのアルカリ性溶液といった水性洗浄溶液を、ブラッシング、ジェッティング又は超音波のいくつかの形態と組み合わせて用いる。水性洗浄溶液は、移動した汚染物をウェハから除去する前に、ウェハ表面に作用することにより、又は汚染物と反応することにより汚染物を除去する。不都合なことに、いくつかの汚染物は、水溶液中の化学成分に対して化学的に不活性であり得る。例えば、ウェハに付着した炭素リッチ粒子又は化学反応副生成物は、水性洗浄溶液中の化学薬品によっては容易に除去し得ない。
【0007】
境界層厚さを著しく低減させるために、これらの従来の湿式技術と併せてメガソニックが用いられ得る。しかしながら、それでもなお、サブ0.3μm粒径の粒子をウェハ表面から効率的に除去するには十分ではない。
【0008】
デュアルダマシン集積化における炭素ドープオキシドなどのlow−k誘電膜又は有機膜の使用が、水性ベースの化学のみが用いられるCMP後洗浄に更なる課題を追加している。これらの膜並びにシリコンカーバイド、窒化シリコン、及び酸窒化シリコンなどのCMP停止層は非常に疎水性であり、したがって、水系洗浄溶液で洗浄することは困難である。さらに、ほとんどのタイプの中性−酸性スラリー中の炭素原子は銅表面と逆の電位を有しているため、炭素リッチ粒子は、銅表面に付着する可能性が高く、追加の表面欠陥を生成する。
【0009】
マイクロエレクトロニクス素子の製造に共通する他の残渣生成プロセスは、現像されたフォトレジストコーティングのパターンを、ハードマスク、層間絶縁膜(ILD)、及びエッチストップ層からなる下位層へ転写するための気相プラズマエッチングを含む。基材上及びプラズマガス中に存在する化学元素を含み得る気相プラズマエッチング後残渣は、典型的には、バックエンドオブライン(BEOL)構造上に堆積され、除去されなければ、続くケイ素化又は接触形成を妨害し得る。従来の洗浄化学物質は、しばしば、ILDを損傷し、ILDの空隙に吸着し、これにより誘電率を高め及び/又は金属構造を腐蝕させる。
【0010】
ピーターズ(Peters)らによる米国特許第6,558,879号明細書は、半導体及び微小回路の製造における金属又は誘電性表面からの残渣の除去に対するストリッピング及び洗浄組成物に関する。その組成物は、水、有機共溶媒及び腐蝕抑制剤を含む。不都合なことに、好ましい溶剤であるN,N’−ジメチルアセトアミド(DMAC)は、超low−k誘電性材料から炭素を抽出して前記誘電性材料の誘電率を高めるため、半導体産業において受容性が低い。
【0011】
マイクロエレクトロニクス素子製造における他の共通の問題は、CMPプロセス後に、半導体素子基材上に残留する膜状残渣である。このような残渣としては、ベンゾトリアゾール(BTA)などの不活性化化合物が挙げられる。除去されなかった場合、これらの残渣は銅線に損傷を生じさせ、あるいは、銅メタライゼーションを激しく粗面化させる可能性があり、並びに、CMP後除去プロセスの後に適用された層の劣った粘着を生じさせる。過度に粗い銅は製品半導体素子の劣った電気性能を生じさせるため、銅メタライゼーションの激しい粗面化は特に問題である。
【0012】
欠陥及び擦り傷なしでCMP残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物を前記素子の表面から除去するための、マイクロエレクトロニクス素子のCMP後及び/又はエッチング後洗浄のための向上した水性組成物を提供することは、本技術分野においては顕著な利点であるだろう。好ましくは、前記水性組成物は、実質的な残渣及び汚染物の素子の表面からの除去を達成すると共に、露出した配線材料、例えば銅を、low−k誘電性材料を損傷させることなく不活性化させる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の概要
本発明は、一般に、CMP後残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物を、前記残渣及び/又は汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄し、一方で、同時にマイクロエレクトロニクス素子表面上の金属配線材料を不活性化するためのアルカリ性水性組成物及びプロセスに関する。
【0014】
したがって、好ましい実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、残部の水とを含む。代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。更に他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、残部の水とを含む。更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、残部の水とを含む。更に他の実施形態において、本発明の配合物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。
【0015】
特に好ましい実施形態において:不活性化剤に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.05〜15);錯化剤(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜25);還元剤(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜25);第4級塩基(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜10);界面活性剤(存在する場合)に対するアミンの比の範囲は、(2〜25):(0.001〜1);及び残部の水である。
【0016】
本発明の一態様は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水とを含むアルカリ性水性洗浄組成物に関し、ここで、前記アルカリ性水性洗浄組成物は、残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄に好適である。任意に、アルカリ性水性洗浄組成物は更に、少なくとも1種の界面活性剤を含んでもよい。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0017】
他の態様において、本発明は、アルカリ性水性洗浄組成物を形成するための1種又は複数種の試薬を、1つ又は複数のコンテナ中に含むキットに関し、前記1種又は複数種の試薬は少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、任意に少なくとも1種の第4級塩基、任意に少なくとも1種の還元剤、及び任意に水からなる群より選択され、キットはマイクロエレクトロニクス素子からの物質の洗浄に好適であるアルカリ性水性洗浄組成物を形成するように適合されており、ここで、その物質は、CMP後残渣、気相プラズマ後残渣、及びこれらの汚染物からなる群より選択される。任意に、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を更に含んでもよい。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0018】
更なる他の態様において、本発明は、残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄方法に関し、前記方法は、マイクロエレクトロニクス素子から前記残渣及び汚染物を少なくとも部分的に洗浄するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子をアルカリ性水性洗浄組成物と接触させる工程を含み、ここで、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水とを含む。任意に、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を更に含んでもよい。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0019】
更なる態様において、本発明は、マイクロエレクトロニクス素子の製造方法に関し、前記方法は、残渣及び汚染物をその上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子から少なくとも部分的に洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子をアルカリ性水性洗浄組成物と接触させる工程を含み、ここで、アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、水とを含む。好ましくは、アルカリ性水性洗浄組成物は少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む。
【0020】
さらに、本発明の他の態様は、本明細書に記載の方法及び/又は組成物を用いて、残渣及び汚染物の、その上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄を含み、かつ、マイクロエレクトロニクス素子の製品への組み込みを任意に含む本発明の方法を用いて製造された、改良されたマイクロエレクトロニクス素子、及びこれを組み込んだ製品に関する。
【0021】
本発明の他の態様、特性及び利点は、後述する開示及び添付の特許請求の範囲から、より十分に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明、及びその好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は、CMP後残渣、エッチング後残渣及び/又は汚染物を、このような物質をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するアルカリ性水性組成物に関し、前記組成物は、残渣/汚染物物質に対して高い選択性を有する一方で、同時に、マイクロエレクトロニクス素子上の、例えば銅及びコバルトといった金属配線材料を不活性化する。
【0023】
参照の容易さのために、「マイクロエレクトロニクス素子」は、マイクロエレクトロニクス、集積回路、又はコンピュータチップ用途において用いられるために製造される、半導体基材、フラットパネルディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)に対応する。用語「マイクロエレクトロニクス素子」は決して限定的な意味ではなく、最終的にマイクロエレクトロニクス素子又はマイクロエレクトロニクスアセンブリとなるいずれの基材をも含むと理解されるべきである。
【0024】
本明細書では、「CMP後残渣」は、研磨スラリーからの粒子、炭素リッチ粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、構造粒子の器具材料、銅、銅酸化物、及びCMPプロセスの副生成物であるその他の物質に対応する。
【0025】
本明細書では、「汚染物」は、CMPスラリー、研磨スラリーの反応副生成物、及びCMPプロセスの副生成物であるその他の物質に存在する化学物質に対応する。
【0026】
本明細書において定義されるように、「low−k誘電性材料」は、誘電性材料として、層状マイクロエレクトロニクス素子において用いられるいずれかの材料に対応し、ここで、その材料は、約3.5未満の誘電率を有する。好ましくは、low−k誘電性材料としては、シリコン含有有機ポリマー、シリコン含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ素化ケイ酸ガラス(FSG)、二酸化ケイ素、及び炭素ドープオキシド(CDO)ガラスなどの低極性材料が挙げられる。low−k誘電性材料は、異なる密度及び異なる空隙率を有してもよいことが認識されるべきである。
【0027】
本明細書において定義されるように、「エッチング後残渣」は、気相プラズマエッチングプロセス、例えば、BEOLデュアルダマシンプロセスの後に残留する物質に対応する。エッチング後残渣は、性質が有機、有機金属、有機ケイ酸塩性、又は無機、例えば、シリコン含有物質、炭素ベース有機物質であってもよく、エッチングガス残渣としては、特に限定されないが、酸素及びフッ素が挙げられる。
【0028】
本明細書では、「約」は、規定値の±5%に対応することを意図する。
【0029】
本明細書では、残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄に対する「適合性」は、前記残渣/汚染物のマイクロエレクトロニクス素子からの少なくとも部分的な除去に対応する。好ましくは、少なくとも85%の残渣/汚染物が、本発明の組成物を用いてマイクロエレクトロニクス素子から除去され、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の残渣/汚染物が除去される。
【0030】
本明細書において定義されるように、「錯化剤」は、錯化剤、キレート化剤及び/又は金属封鎖剤として当業者によって理解される化合物を含む。錯化剤は、除去されるべき金属原子及び/又は金属イオンを、本発明の組成物を用いて化学的に結合又は物理的に保持するであろう。
【0031】
重要なことには、本発明の水性組成物は、配線金属及び/又は配線金属シリサイド材料に対して例えば低エッチング速度といった良好な金属適合性を有していなければならない。関連する金属としては、限定されないが、銅、タングステン、コバルト、アルミニウム、タンタル、チタン及びルテニウムが挙げられる。
【0032】
本発明の組成物は、下記でより十分に記載されるとおり、多種多様の特定の配合物で具体化される。
【0033】
組成物の特定の成分が下限ゼロを含む質量パーセント範囲を参照して述べられる全ての組成物において、その成分は、組成物の種々の特定の実施形態で存在してもしなくてもよく、この成分が存在する場合には、これらは、この成分が用いられる組成物の総質量を基準として0.001質量パーセントという低濃度で存在し得ることが理解されるであろう。
【0034】
エッチング後残渣除去組成物
一つの態様において、本発明は、露出金属及び金属合金材料、例えば銅配線、を有するマイクロエレクトロニクス素子からのエッチング後残渣の除去において有用である水性エッチング後残渣除去組成物に関する。一実施形態による組成物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、残部の水とを含む。
【0035】
【表1】
【0036】
他の実施形態において、水性エッチング後残渣除去組成物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、残部の水とを含む。
【0037】
【表2】
【0038】
組成物が錯化剤を含む場合、錯化剤の量は、組成物の総質量を基準として約0.001%〜10質量%の範囲内である。
【0039】
本発明の広範な実施において、水性エッチング後残渣除去組成物は、アミンと、不活性化剤と、任意の第4級塩基と、任意の錯化剤と水とを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよい。あるいは、本発明の広範な実施において、水性エッチング後残渣除去組成物は、第4級塩基と、アミンと、不活性化剤と、任意の錯化剤と、水とを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよい。水は、好ましくは脱イオンされている。
【0040】
好ましくは、濃縮水性エッチング後残渣除去組成物中の成分は組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する:約0.01〜約10%の第4級塩基(存在する場合)、約1%〜約15%のアミン、約0.001%〜約1%の不活性化剤、約0.01%〜約5%の錯化剤(存在する場合)、及び、残部のDI水。
【0041】
本発明の組成物は、特に限定されないが、エッチング後残渣除去、表面調製、メッキ後清浄及びCMP後残渣除去を含む用途において実用性を有し得る。
【0042】
重要なことには、マイクロエレクトロニクス素子上の、OSGなどのlow−k誘電性材料を含む誘電性材料、並びに、例えば銅、コバルト、タングステン、アルミニウム等といった露出金属及び金属合金材料は、水性エッチング後残渣除去組成物によっては侵食されない。好ましくは、銅材料のエッチング速度は、約0.5Å min−1〜約10Å min−1、より好ましくは約0.5Å min−1〜約5Å min−1の範囲内である。
【0043】
本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、好ましくは、没食子酸及びアスコルビン酸などの脱酸素剤を含んでいない。酸化還元反応に影響を受けやすい環境において時間の経過で酸化する前記脱酸素剤を排除することで、配合物は、除去性能をほとんど変化させずに長期化されたポットライフを有する。銅表面は、水性エッチング後残渣除去組成物中の不活性化剤によって不活性化され、これにより銅粗面化を最小限にとどめ、銅エッチング速度と同時に銅腐蝕が低下する。本発明の水性エッチング後残渣除去組成物の第2の利点は、個別のBTA除去後の適用の排除と共にBTA層よりも除去が容易である銅不活性化層であり、これにより、運用管理コストが低減される。
【0044】
本発明の広範な実施において、水性エッチング後残渣除去組成物のpH範囲は、約11を超え、より好ましくは約11〜約15の範囲である。
【0045】
アミン化合物は、第1級又は第2級アミンであってもよく、モノエタノールアミン(MEA)、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、アミン化合物はモノエタノールアミンを含む。
【0046】
不活性化剤という用語は、本明細書では、新しい銅表面及び/又は酸化された銅薄膜と反応して、銅含有層を不活性化又は防護するいずれかの物質を意味することを意図する。好ましくは、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物中の不活性化剤は、例えば、1,2,4−トリアゾール(TAZ)などのトリアゾール;又はベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール(ハロ=F、Cl、Br又はI)、ナフトトリアゾール等などの、C1〜C8アルキル基、アミノ基、チオール基、メルカプト基、イミノ基、カルボキシ基及びニトロ基などの置換基で置換されたトリアゾール;並びに2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプトチアゾリン、5−アミノテトラゾール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、チアゾール、トリアジン、メチルテトラゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,5−ペンタメチレンテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン、メルカプトベンズイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール、トリトリルリン酸、イミダゾール、インジアゾールなどのチアゾール、テトラゾール、イミダゾール、リン酸塩、チオール及びアジンを含む1つ又は複数の成分を含んでもよい。さらには、水性エッチング後残渣除去組成物について考えられる不活性化剤としては、安息香酸及びアンモニウム安息香酸などのカルボン酸が挙げられる。好ましくは、不活性化剤としては、TAZ、MBI、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
ここで考えられる任意の第4級塩基としては、限定されないが、(NR1R2R3R4)OHが挙げられ、式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、直鎖又は分岐C1〜C10アルキル基、及び置換及び非置換アリール基からなる群より選択される。考えられる第4級塩基としては、コリン、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチル水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、第4級塩基としては、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)が挙げられる。
【0048】
ここで考えられる錯化剤は、高い溶液pHで、金属及び/又は金属イオンと結合できなければならず、前記物質の露出した誘電性表面からの除去を補助する。ここで考えられる錯化剤としては、酢酸、アセトンオキシム、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、安息香酸、ベタイン、ジメチルグリオキシム、フマル酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリセロール、グリシン、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスタジン、イミノジ酢酸、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リシン、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、2,4−ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プロリン、ピロメリット酸、キナ酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、チロシン、バリン、キシリトール、前記のアミノ酸の誘導体、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、ただし、錯化剤はクエン酸を含まない。ここで考えられる他の錯化剤としては、ポリエチレンエーテル(PEG);ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル(DPGBE)、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル(フェノキシ−2−プロパノール)などのグリコールエーテル及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、錯化剤としては乳酸が挙げられる。
【0049】
本発明の水性エッチング後除去組成物は、その配合において界面活性剤を必要としないが、しかしながら、これは、このような剤が有益となる特定の用途での、本発明の除去溶液中における界面活性剤の使用を妨げるものではない。例えば、トリデシルベンゼンスルホン酸(TSA−99)が、本発明の水性エッチング後除去組成物に添加されてもよい。
【0050】
さらに、水性CMP後洗浄組成物は、酸化剤、共溶媒、エッチング剤、脱泡剤、追加のpH調整剤等を更に含んでもよい。共溶媒は、有機レジスト除去における補助のために添加されてもよい。
【0051】
種々の実施形態において、水性エッチング後残渣除去組成物は以下の配合物AA〜APに配合され、これらのいくつかは好ましく、これらのいくつかは比較の目的のために調製され、全てのパーセントは質量基準であり、配合物の総質量を基準とする:
配合物AA アンモニウム安息香酸塩0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH 5%、DI水、83.90%
配合物AB BTA0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.90%
配合物AC MBI0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.90%
配合物AD TAZ0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水68.90%
配合物AE アンモニウム安息香酸塩0.10%、TAZ0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.80%
配合物AF アンモニウム安息香酸塩0.10%、MBI0.10%、乳酸(85%溶液)2%、MEA9%、TMAH5%、DI水83.80%
配合物AG TAZ0.5%、MEA20%、TMAH5%、ブチルカルビトール10%、DI水64.50%
配合物AH TAZ0.5%、MEA10%、TMAH5%、メチルカルビトール20%、DI水64.50%
配合物AI アンモニウム安息香酸塩1%、MEA9%、TMAH5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水83%
配合物AJ MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水72.9%
配合物AK MBI0.1%、MEA20%、DMSO20%、TMAH5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水52.9%
配合物AL MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、TSA−99 0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水72.4%
配合物AM MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、ジエチレングリコールヘキシルエーテル0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水72.4%
配合物AN MBI0.1%、MEA20%、DMSO20%、TMAH5%、TSA−99 0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DI水52.4%
配合物AO MBI0.1%、MEA20%、TMAH5%、ジエチレングリコールヘキシルエーテル0.5%、乳酸(85%溶液)2%、DMSO20%、DI水52.4%
配合物AP MBI0.10%、乳酸1.86%、MEA9%、TMAH5%、DI水84.04%。
【0052】
好ましい実施形態において、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、モノエタノールアミンと、TMAHと、乳酸と、MBIとを含む。
【0053】
他の実施形態において、水性エッチング後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、エッチング後残渣と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、残部の水とを含む。重要なことには、エッチング後残渣は、本発明の除去組成物中に溶解及び/又は懸濁される。
【0054】
重要なことには、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は脱イオン水と比較して著しく低い表面張力を有する。これは、素子表面からエッチング後残渣及び汚染物を洗浄する本発明の水性組成物の能力を増大させる。
【0055】
本発明の一実施形態において、除去溶液として用いるために希釈されてもよい濃縮水性エッチング後残渣除去組成物が提供される。濃縮組成物又は「濃縮物」は、使用時点で、使用者が濃縮物を所望の強度及びアルカリ性に希釈することを有利に可能とする。しかも、製品の濃縮物はより長い保管寿命を有し、運搬及び保管がより容易である。濃縮洗浄組成物の希釈率は、約1:1〜約200:1の範囲内であってもよく、洗浄組成物は、ツールで又はその直前に、溶剤、例えば脱イオン水で希釈される。好ましくは、濃縮洗浄組成物は、約5:1〜約50:1の範囲で希釈される。
【0056】
本発明の水性エッチング後残渣除去組成物の重要な特性は、非水性成分(水以外の成分)が、少量、好ましくは約30質量%未満で組成物に存在することである。これは、効果的な除去組成物をより経済的に配合することができるので経済的な利点であり、エッチング後残渣除去組成物が大量に用いられるため、重要である。しかも、除去組成物は水性であるため、本発明の除去組成物はより容易に廃棄される。
【0057】
本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、それぞれの構成要素を単純に添加し、均質な状態に混合することにより容易に配合される。しかも、水性エッチング後残渣除去組成物は、単一パッケージ配合物として、あるいは使用時点又はその前に混合される多液型配合物として容易に配合されてもよく、例えば、多液型配合物の個別の液は、ツールで、又はツール上流の保管タンク内で混合される。それぞれの構成成分の濃度は、水性エッチング後残渣除去組成物の特定の倍量で広く異なっていてもよく(すなわち、本発明の広範な実施において、より希釈又はより濃縮されていてもよく)、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、多様かつ代替的に、本明細書における開示に一致する構成成分のいずれかの組み合わせを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよいことが理解されるであろう。
【0058】
したがって、本発明の他の態様は、1つ又は複数のコンテナ中に、本発明の組成物の形成に適した2つ以上の成分を含むキットに関する。好ましくは、そのキットは、1つ又は複数のコンテナ中に、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤とを、製造工場又は使用時点で水と組み合わせるために含む。代替の実施形態において、キットは、1つ又は複数のコンテナ中に、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基とを、製造工場又は使用時点で水と組み合わせるために含む。ここで他の組み合わせが考えられることは当業者によって理解されるであろう。
【0059】
水溶液に追加して、水性エッチング後残渣除去組成物は、泡状物、霧状物、未臨界又は超臨界流体(すなわち、ここで、溶剤は水の代わりにCO2等である)として配合され得ることもここで考えられる。
【0060】
マイクロエレクトロニクス製造工程に適用される際、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、エッチング後残渣をマイクロエレクトロニクス素子の表面から洗浄する一方で、同時に金属配線材料を不活性化させるために有用に用いられる。重要なことには、本発明の除去組成物は、素子表面上のlow−k誘電性材料を損傷させず、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去させる。
【0061】
エッチング後除去の用途において、除去組成物は、例えば、洗浄されるべき素子の表面上へ除去組成物を吹き付けることにより、洗浄されるべき素子を浸漬(大量の除去組成物中に)させることにより、洗浄されるべき素子を除去組成物で飽和された他の材料(例えばパッド又は繊維状吸着剤塗布部材)に接触させることにより、あるいは、除去組成物が洗浄されるべき素子との接触で除去させられるいずれかの他の好適な手段、方策又は技術により、いずれかの好適な方策で洗浄されるべき素子に適用される。さらに、バッチ又は単一ウェハプロセスがここで考えられる。
【0062】
エッチング後残渣を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための本発明の組成物の使用において、水性エッチング後残渣除去組成物は、典型的には、約30秒〜約20分間、好ましくは約2分の時間、約20℃〜約50℃の範囲での温度で素子と接触させられる。このような接触時間及び温度は例示的であり、本発明の広範な実施において少なくとも部分的にエッチング後残渣/汚染物を素子から洗浄するために効果的であるいずれかの他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。「少なくとも部分的に洗浄する」は、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の除去に対応する。
【0063】
マイクロエレクトロニクス製造工程に適用される際、本発明の水性エッチング後残渣除去組成物は、CMP後残渣をマイクロエレクトロニクス素子の表面から洗浄する一方で、同時に金属配線材料を不活性化させるため有用に用いられる。重要なことには、本発明の洗浄組成物は、素子表面上のlow−k誘電性材料を損傷させず、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去する。
【0064】
代替のCMP後残渣及び汚染物洗浄の用途において、水性エッチング後残渣除去組成物は、ベルテックシングルウェハメガソニックゴールドフィンガー(Verteq single wafer megasonic Goldfinger)、オントラックシステムズ(OnTrak systems)DDS(両面スクラバー)、ローレル(Laurell)スピンスプレーツール、SEZシングルウェハスプレーリンス、アプライドマテリアルズミッラメーザ(Applied Materials Mirra−Mesa)(商標)/レフレクション(Reflexion)(商標)/レフレクション(Reflexion)LK(商標)、及びメガソニック(Megasonic)バッチウェットベンチシステムを含む大型の多様な従来の洗浄ツールと共に用いられる。
【0065】
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための本発明の組成物の使用において、エッチング後残渣除去組成物は、典型的には、約5秒〜約10分間、好ましくは約15秒〜5分の時間、約20℃〜約50℃の範囲での温度で素子と接触される。このような接触時間及び温度は例示的であり、本発明の広範な実施において少なくとも部分的にCMP後残渣/汚染物を素子から洗浄するために効果的である、いずれかの他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。
【0066】
所望の洗浄作用の達成に続いて、水性エッチング後残渣除去組成物は、本発明の組成物の特定の最終使用用途において望まれかつ有効であるように、既に適用されていた素子から直ちに除去される。好ましくは、すすぎ溶液は脱イオン水を含む。すすぎプロセスに続いて、素子は窒素又はスピンドライプロセスを用いて乾燥される。
【0067】
更なる本発明の他の態様は、本発明の方法により製造された改善したマイクロエレクトロニクス素子及びこのようなマイクロエレクトロニクス素子を含有する製品に関する。
【0068】
本発明のなおも更なる態様は、マイクロエレクトロニクス素子を含む物品の製造方法に関し、前記方法は、エッチング後残渣を、その上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子に水性エッチング後残渣除去組成物を接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクス素子を前記物品に組み込む工程とを含み、水性エッチング後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、水とを含む。
【0069】
本発明のなおも更なる態様は、マイクロエレクトロニクス素子を含む物品の製造方法に関し、前記方法は、エッチング後残渣を、その上に前記残渣を有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子に水性エッチング後残渣除去組成物を接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクス素子を前記物品に組み込む工程とを含み、エッチング後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、水とを含む。
【0070】
CMP後洗浄組成物
他の態様において、本発明は、CMP後残渣及び汚染物を、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための水性CMP後洗浄組成物に関し、前記組成物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、残部の水とを含む。
【0071】
【表3】
【0072】
他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。
【0073】
【表4】
【0074】
更に他の代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、残部の水とを含む。
【0075】
【表5】
【0076】
更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、残部の水とを含む。
【0077】
【表6】
【0078】
更に代替の実施形態において、本発明の配合物は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、少なくとも1種の第4級塩基と、少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、残部の水とを含む。
【0079】
【表7】
【0080】
本発明の広範な実施において、水性CMP後洗浄組成物は、上述のとおり、アミンと、不活性化剤と、任意の還元剤と、任意の第4級塩基と、任意の界面活性剤と、水とを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよい。水は好ましくは脱イオン化されている。
【0081】
本発明の広範な実施において、水性CMP後洗浄組成物のpH範囲は、約9を超え、最も好ましくは約10〜約12の範囲内である。
【0082】
アミン化合物は第1級又は第2級アミンであってもよく、モノエタノールアミン(MEA)、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、アミン化合物としては、モノエタノールアミン又はモノイソプロパノールアミンが挙げられる。いくらかの量の第1級及び/又は第2級アミンが存在する限りにおいて、第3級アミンが、摩擦軽減剤として、約0.01質量%〜約20質量%の量で、水性CMP後洗浄組成物に添加され得ることもここで考えられる。考えられる第3級アミンとしては、限定されないが、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルグリコールアミン、N,N−ジメチルジグリコールアミン、及びペンタメチルジエチレントリアミンが挙げられる。
【0083】
不活性化剤という用語は、本明細書では、新しい銅表面及び/又は酸化された銅薄膜と反応して、銅含有層を不活性化又は防護するいずれかの物質を意味することを意図する。好ましくは、本発明の水性CMP後洗浄組成物中の不活性化剤は、本明細書において上記に列挙された1つ又は複数の成分を含む。より好ましくは、不活性化剤は、1,2,4−トリアゾールである。
【0084】
水性CMP後洗浄組成物は、任意に、アスコルビン酸、L(+)−アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、グリオキサール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される還元剤を含んでもよい。
【0085】
水性CMP後洗浄組成物は、任意に、限定されないが、(NR1R2R3R4)OHを含む第4級塩基を含んでもよく、式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、直鎖又は分岐C1〜C10アルキル基、及び置換又は非置換のアリール基からなる群より選択される。好ましくは、水性CMP後洗浄組成物は、少なくとも1種の第4級塩基を含み、前記第4級塩基は、好ましくは水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含む。
【0086】
水性CMP後洗浄組成物は、任意に、界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は、好ましくは、分散/懸濁、液体表面張力の低下、並びに、固液間の表面張力の低下を補助する表面活性剤である。さらに、界面活性剤は、配合物の粘度を増加させることによりウェハ上に作用するシアーストレスを低減させる表面改質剤としても作用すると仮定される。ここで考えられる界面活性剤としては、限定されないが、フルオロアルキル界面活性剤、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレン又はポリプロピレングリコールエーテル、カルボン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)又はそれらの塩、ポリアクリレートポリマー、ジノニルフェニルポリオキシエチレン、シリコーン又は変性シリコーンポリマー、アセチレン系ジオール又は変性アセチレン系ジオール、及びアルキルアンモニウム又は変性アルキルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルセルロース(500〜35,000 MW)、ヒドロキシプロピルセルロース(500〜35,000 MW)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(500〜35,000 MW)、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250ヒドロキシエチルセルロース、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EFヒドロキシプロピルセルロースなどのノニオン性界面活性剤、並びに、少なくとも1種の前記界面活性剤を含む組み合わせが挙げられる。あるいは、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤との混合物であってもよい。好ましい実施形態において、界面活性剤は、ドデシルベンゼンスルホン酸、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)及び/又はクルセル(KLUCEL)(登録商標)である。
【0087】
さらに、水性CMP後洗浄組成物は、キレート剤、エッチング剤、脱泡剤、pH調整剤、水溶性高分子化合物などの増粘剤等を更に含んでもよい。
【0088】
重要なことには、マイクロエレクトロニクス素子上の、OSGなどのlow−k誘電性材料を含む誘電性材料、並びに、例えば銅、コバルト、タングステン、アルミニウム等といった露出金属及び金属合金材料は、エッチング後残渣除去組成物によっては侵食されない。好ましくは、銅材料のエッチング速度は、約0.5Å min−1〜約10Å min−1、より好ましくは約0.5Å min−1〜約5Å min−1の範囲内である。
【0089】
好ましくは、濃縮洗浄組成物中の成分は、組成物の総質量を基準として以下の範囲で存在する;約0.01%〜約62%のアミン、約0.005%〜約25%の還元剤、約0.005%〜約14%の不活性化剤、約0.001〜約25%の第4級塩基及び残部の水。
【0090】
好ましい実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、モノエタノールアミンと、アスコルビン酸と、TAZとを含む。
【0091】
特に好ましい実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、モノエタノールアミンと、アスコルビン酸と、没食子酸と、TMAHと、TAZとを含む。
【0092】
他の特定の好ましい実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、モノエタノールアミンと、没食子酸と、TMAHと、TAZとを含む。
【0093】
種々の実施形態において、水性CMP後洗浄組成物は、以下の配合物BA〜CMに配合され、これらのいくつかは好ましく、これらのいくつかは比較の目的のために調製され、ここで、全てのパーセントは質量基準であり、配合物の総質量を基準とする:
配合物BA MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水84.4%
配合物BB MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ1%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水83.4%
配合物BC MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ3%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水81.4%
配合物BD MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ5%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水74.4%、pH10.3
配合物BE MEA8.8%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、DI水80.91%
配合物BF MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ1%、DI水90.25%、pH11.4
配合物BG MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1%、没食子酸1.75%、TAZ1%、DI水89.25%、pH10.8
配合物BH MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA1.6%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BI MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA8.5%、EDTA0.01%、DI水75.9%
配合物BJ MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA2.2%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BK MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA11.8%、EDTA0.01%、DI水72.6%
配合物BL MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA1.2%、EDTA0.01%、DI水83.2%
配合物BM MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA6.1%、EDTA0.01%、DI水78.3%
配合物BN MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ1.0%、DI水84.0%
配合物BO MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ5.0%、DI水86.25%
配合物BO MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ5.0%、DI水80.0%
配合物BQ MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2.0%、DI水81.5%、pH11.6
配合物BR MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、DDBSA0.11%、DI水78.39%
配合物BS MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水78.4%
配合物BT MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水80.4%
配合物BU MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.1%、DI水80.4%
配合物BV MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 1.00%、DI水79.89%
配合物BW MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.50%、DI水80.39%
配合物BX MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.00%、DI水79.89%
配合物BY MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.50%、DI水80.39%
配合物BZ MEA10.29%、TMAH5.71%、アスコルビン酸4.00%、TAZ2.29%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.14%、DI水76.57%
配合物CA MEA9%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水85.39%
配合物CB MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水80.78%、pH12.0
配合物CC 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物CD 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、82.5質量%H2O
配合物CE 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2%1,2,4−トリアゾール、80.5質量%H2O
配合物CF 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、78.5質量%H2O
配合物CG 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、76.5質量%H2O
配合物CH 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、84.4質量%H2O
配合物CI 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、82.4質量%H2O
配合物CJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CL 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、77.5質量%H2O
配合物CM 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O。
【0094】
本発明者らによって、不活性化剤を含有するアルカリ性水性組成物の粒子除去効率及び有機物欠陥除去能力は、不活性化剤を含まない対応する組成物を著しく超えていたことが発見された。例えば、CMP後洗浄組成物中の不活性化剤の存在が、典型的にはCMPスラリーの成分であり、CMPプロセス処理中に厚く不均一な膜を露出した銅表面上に形成する傾向にあるBTAの除去を補助することが本明細書において提案される。
【0095】
例えば、本発明の背景において記載したとおり、BTAは多くのCMPスラリーの成分であり、CMPプロセスの完了後、BTAの不均一な膜が、露出した銅構造上に残留する。BTA含有スラリーでのCMP後、マイクロエレクトロニクス素子の露出した銅表面は、BTA−Cu+膜及びスラリーからの粒子で汚染されている(図1の左側を参照のこと)。不活性化剤を含むCMP後洗浄組成物の導入後、BTA−Cu+層は、基材をエッチングすることなくアンダーカット及びリフトオフされるとみ想定され、不活性化剤−Cu+層が残留する(図1の右側を参照のこと)。得られる表面は親水性であり、極めて容易に濡れる。
【0096】
重要なことには、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、脱イオン水と比較して著しく低い表面張力を有する。これは、素子表面からCMP後残渣及び汚染物を洗浄する本発明の水性組成物の能力を高める。
【0097】
他の実施形態において、水性CMP後残渣除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、CMP後残渣と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、任意に少なくとも1種の錯化剤と、残部の水とを含む。重要なことには、CMP後残渣は、本発明の除去組成物中に溶解及び/又は懸濁される。
【0098】
さらに他の実施形態において、水性CMP後除去組成物は、少なくとも1種のアミンと、アスコルビン酸と、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の追加の還元剤と、水とを含み、前記アルカリ性水性洗浄組成物は、残渣及び汚染物を、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するのに好適である。好ましくは、清浄な水性CMP後除去組成物は、フッ素源、酸化剤、及び/又は研磨材料を含まない。
【0099】
本発明の一実施形態において、洗浄溶液として用いられるために希釈されてもよい濃縮水性CMP後洗浄組成物が提供される。濃縮組成物又は「濃縮物」は、使用時点で、例えばCMPプロセス技術者といった使用者が濃縮物を所望の強度及びアルカリ性に希釈することを有利に可能とする。しかも、製品の濃縮物はより長い保管寿命を有し、運搬及び保管がより容易である。濃縮洗浄組成物の希釈率は、約1:1〜約200:1の範囲内であってもよく、洗浄組成物は、ツールで又はその直前に、溶剤、例えば、脱イオン水で希釈される。好ましくは、濃縮洗浄組成物は、約5:1〜約50:1の範囲で希釈される。
【0100】
本発明の水性CMP後洗浄組成物の重要な特性は、非水性成分(水以外の成分)が、組成物中に、しばしば、約30質量%未満の少量で存在することである。これは、効果的な洗浄組成物をより経済的に配合することができるため経済的な利点であり、CMP後洗浄組成物が大量に用いられるため、重要である。しかも、洗浄組成物は水性であるため、本発明の洗浄組成物はより容易に廃棄される。
【0101】
本発明の水性CMP後洗浄組成物は、それぞれの構成要素を単純に添加し、均質な状態に混合することにより容易に配合される。しかも、水性CMP後洗浄組成物は、単一パッケージ配合物として、あるいは使用時点又はその前に混合される多液型配合物として容易に配合されてもよく、例えば、多液型配合物の個別の液は、ツールで、又はツール上流の保管タンク内で混合される。それぞれの構成成分の濃度は、水性CMP後洗浄組成物の特定の倍量で広く異なっていてもよく(すなわち、本発明の広範な実施において、より希釈又はより濃縮されてもよく)、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、多様かつ代替的に、本明細書における開示に一致する構成成分のいずれかの組み合わせを含んでもよく、それらからなるものでもよく、本質的にそれらからなるものでもよいことが理解されるであろう。
【0102】
したがって、本発明の他の態様は、1つ又は複数のコンテナ中に、本発明の組成物の形成に適した2つ以上の成分を含むキットに関する。好ましくは、キットは、1つ又は複数のコンテナ中に、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の界面活性剤と、任意に少なくとも1種の還元剤とを、製造工場又は使用時点で水と組み合わせるために含む。ここで、他の組み合わせが考えられることは当業者によって理解されるであろう。
【0103】
水溶液に追加して、水性CMP後洗浄組成物は、泡状物、霧状物、未臨界又は超臨界流体(すなわち、ここで、溶剤は水の変わりにCO2等である)として配合され得ることもここで考えられる。
【0104】
さらに他の実施形態において、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、マイクロエレクトロニクス素子製造プロセスの他の態様において用いられ得る。例えば、水性CMP後洗浄組成物は、所望のコバルトメッキを除去することなく、かつ、誘電性材料を損傷させることなく、誘電性領域からコバルト含有微粒子を除去するためのコバルト後洗浄に用いられてもよい。さらに、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、ポストエッチング及びポストアッシング残渣を除去するために用いられてもよく、CMP研磨ツールのバフプロセス中に用いられてもよい。
【0105】
CMP後残渣及び汚染物洗浄の用途において、水性CMP後洗浄組成物は、ベルテックシングルウェハメガソニックゴールドフィンガー(Verteq single wafer megasonic Goldfinger)、オントラックシステムズ(OnTrak systems)DDS(両面スクラバー)、ローレル(Laurell)スピンスプレーツール、SEZシングルウェハスプレーリンス、アプライドマテリアルズミッラメーザ(Applied Materials Mirra−Mesa)(商標)/レフレクション(Reflexion)(商標)/レフレクション(Reflexion)LK(商標)、及びメガソニック(Megasonic)バッチウェットベンチシステムを含む大型の多様な従来の洗浄ツールと共に用いられる。
【0106】
マイクロエレクトロニクス製造工程に適用される際、本発明の水性CMP後洗浄組成物は、CMP後残渣及び汚染物をマイクロエレクトロニクス素子の表面から洗浄する一方で、同時に金属配線材料を不活性化させるために有用に用いられる。重要なことには、本発明の洗浄組成物は、素子表面上のlow−k誘電性材料を損傷させず、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%を除去する。
【0107】
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するための本発明の組成物の使用において、水性CMP後洗浄組成物は、典型的には、約5秒〜約10分間、好ましくは約15秒〜5分の時間、約20℃〜約50℃の範囲での温度で素子に接触させられる。このような接触時間及び温度は例示的であり、本発明の広範な実施において少なくとも部分的にCMP後残渣/汚染物を素子から洗浄するために効果的であるいずれかの他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。「少なくとも部分的に洗浄する」及び「顕著な除去」の両方は、残渣除去前に素子上に存在する残渣の、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、更により好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の除去に対応する。
【0108】
他の実施形態において、水性CMP後洗浄組成物は、バフ研磨プロセスの前又は最中(すなわち、プラテンのダウンフォースが減少する前又は最中)に工程IIのプラテンに導入され、これにより、水性CMP後洗浄組成物が、工程IIのCMPスラリーに置換され、かつ、工程IIのCMPプロセスの最終段階での、工程IIのCMPスラリーの電子素子表面からの除去を補助する。
【0109】
所望の洗浄作用の達成に続いて、水性CMP後洗浄組成物は、本発明の組成物の特定の最終使用用途において望まれかつ有効であるように、既に適用されていた素子から直ちに除去される。好ましくは、すすぎ溶液は脱イオン水を含む。
【0110】
更なる本発明の他の態様は、本発明の方法により製造された改善したマイクロエレクトロニクス素子及びこのようなマイクロエレクトロニクス素子を含有する製品に関する。
【0111】
本発明のなおも更なる態様は、マイクロエレクトロニクス素子を含む物品の製造方法に関し、前記方法は、CMP後残渣及び汚染物を、その上に前記残渣及び汚染物を有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するために十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子に水性CMP後洗浄組成物を接触させる工程と、前記マイクロエレクトロニクス素子を前記物品に組み込む工程とを含み、水性CMP後洗浄組成物は、(a)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤及び水、(b)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の還元剤及び残部の水、(c)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の界面活性剤、任意に少なくとも1種の還元剤及び残部の水、(d)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の第4級塩基、任意に少なくとも1種の還元剤及び残部の水、並びに、(e)少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、少なくとも1種の第4級塩基、少なくとも1種の還元剤、任意に少なくとも1種の界面活性剤及び残部の水、からなる群より選択される成分を含む。
【0112】
他の態様において、本発明は、電子素子ウェハの銅を防護するための移動溶液として用いられる水性CMP後洗浄組成物に関する。例えば、本明細書に開示のCMP後洗浄組成物は、前記ウェハの研磨プラテンへの移動中に、及び/又は、CMP後残渣除去プロセス、すなわち、ブラシスクラビング、メガソニック等の最中にウェハ上に噴霧されてもよい。好ましくは、ウェハ上への噴霧前に、水性CMP後洗浄組成物は、約20:1〜約1000:1の範囲に水で希釈される。
【0113】
本発明の特徴及び利点が、以下の限定されない実施例によって、より十分に例示されており、全ての部及びパーセントは、他に明示の記載がない限り質量基準である。
【実施例】
【0114】
実施例1
配合物AA〜AFの、銅腐蝕を抑制する(すなわち、銅エッチング速度を最低とする)効果を評価した。素子は銅ブランケットウェハであった。各々の例におけるウェハを、それぞれの組成物中に50℃で10分間浸漬し、その後脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。浸漬前に、サンプルを、4点プローブ測定技術を用いて測定し、抵抗率の関数として基材の厚さを決定した。回帰曲線を作成し、抵抗率の関数として決定した銅の厚さから各組成物における銅のエッチング速度を導き出した。図2に結果を図示する。
【0115】
実施例2
その上に残渣を有するパターン形成ウェハを、(250rpmで)攪拌した配合物ACのビーカ中に40℃で2分間浸漬した。パターン形成ウェハは、FSGボンディングパッドを銅表面上に含んでいた。洗浄の後、ウェハをDI水ですすぎ、乾燥させ走査型電子顕微鏡(SEM)に供した。銅のエッチング速度を、1.4Å min−1に設定した。
【0116】
浸漬前後の対照ウェハの電子顕微鏡写真を、それぞれ図3A及び3Bに示す。2分間のみの洗浄後で、残渣が効果的に除去されたことが観察される。
【0117】
実施例3
ビアエッチング後バリア貫通ウェハを、攪拌した(250rpm)配合物ACのビーカ中に2分間室温で浸漬した。ビアエッチングプロセス中、ウェハを50%オーバーエッチングに処して、大きい側壁ポリマー残渣を提供した。洗浄に続いて、ウェハをDI水ですすぎ、乾燥させ及びSEMに供した。
【0118】
浸漬前の対照ビアウェハ及び切断された対照ビアウェハの電子顕微鏡写真をそれぞれ図4A及び4Bに示す。浸漬後のビアウェハ及び切断されたビアウェハの電子顕微鏡写真を、それぞれ図5A及び5Bに示す。ビアエッチング及びオーバーエッチングプロセス後に残留していた残渣が、ビアの側壁から実質的に除去されたことが、明らかに確認できる(例えば図5Bを参照のこと)。
【0119】
実施例4
処理済及び未処理の銅表面上でのDI水の接触角を測定した。銅表面は、処理なしの場合で72.5±2.2のDI水接触角を有する電気化学蒸着した銅材料であった。ECD銅を、下記表1に列挙されている多様な組成物中に、一(1)分間浸漬し、DI水ですすぎ、窒素で乾燥し、DI水の接触角を測定した。結果を表1に示す。
【0120】
【表8】
【0121】
さらにECD銅を、不活性化剤を含まない洗浄組成物で、続いて、0.1質量%BTAで処理し、すすぎ、乾燥した。この処理済銅表面は、約50〜60°の接触角を有していた。この処理済ECD銅表面をさらに配合物BQ(10:1で希釈された)中に浸漬し、すすぎ、乾燥した場合、接触角は12.5±1.6に低下した。
【0122】
0.1質量%BTAを含む組成物で処理された銅は、およそ50°〜60°の接触角を有しており、処理表面は比較的疎水性(すなわち、非濡れ性)を示すことが分かった。対照的に、TAZで処理された銅は、およそ10°〜15°の接触角を有しており、処理表面は親水性であったことを示している。興味深いことに、前記BTA処理済銅表面を、TAZを含む配合物BQに浸漬した後、DI水での接触角(すなわち、TAZ−処理表面の接触角)は約10°〜15°に低下し、TAZは、(i)BTA−Cu+表面に吸着したか、又は(ii)Cu表面からBTAを置換してTAZ−Cu+を残留させたことを示唆する。
【0123】
実施例5
処理済及び未処理銅表面上でのDI水の接触角及び関連する表面エネルギーを測定し、図6に図示した。測定した表面を下記にまとめた。
ECDCu 電気化学蒸着した銅(対照)
Cu−BTA 0.1%BTA溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−2MBI 0.01%MBI溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−4302 0.1%の独自開発した変性トリアゾール組成物に浸漬したECDCu
Cu2O 組成物で処理して表面CuOをCu2Oに転化したECDCu
Cu−CBTA 0.01%CBTA溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−TAZ 0.2%TAZ溶液に中性pHで浸漬したECDCu
Cu−5ATA 0.2%ATA溶液に中性pHで浸漬したECDCu
【0124】
多くの試験溶液において、その中に溶解された銅不活性化剤の量は、中性pHでの前記化合物の溶解度によって表されており、pH4〜6の範囲内にある傾向であった。
【0125】
その結果は、実際の洗浄及び不活性化実験を行うよりも、単に接触角を計測することにより、好適な汎用の銅不活性化剤を予測できることを示している。例えば、その結果は、どの銅不活性化剤が最良の表面の「濡れ性」を提供することになるかを示しており、これにより、CMP後洗浄中に、水性洗浄溶液が高アスペクト比構造に浸透できる可能性を高めると共に、露出した銅表面上に「水斑」を形成する能力を低減させる。
【0126】
実施例6
TAZの銅表面上への吸着を、酸性及び塩基性の両媒体中で測定した。水晶微量天秤(QCM)上の電極を銅でメッキし、DI水に、23℃、およそ5のpHで、360秒間浸漬した。酸性対照実験の結果を図7に示すが、酸化及び水和プロセスにより、300秒間でおよそ1.66μgcm−2の観察された質量増加が示される。
【0127】
銅メッキQCM電極を、次いで、0.058質量%TAZを含有する溶液にpH5.8(溶液の中性pH)で浸漬した。酸性媒体中での実験の結果を図8に示すが、300秒間でおよそ0.38μgcm−2の観察された質量増加が示されており、これは、およそ26ÅのTAZ膜厚さに相当する。図9は、酸性媒体におけるこの実験について、Ag/AgCl参照電極と比較した対応する開路電位(OCP)を示している。300秒間でおよそ0.38μgcm−2のQCM測定厚さを有する吸着したTAZについての電位は、およそ0.18Vに相当することが分かる。
【0128】
銅メッキQCM電極を、TMAHを用いてpH11.5に調整した塩基性DI水溶液に浸漬することにより実験を繰り返した。塩基性対照例の結果を図10に示すが、300秒間でおよそ0.44μgcm−2の観察された質量増加が示される。
【0129】
銅メッキQCM電極を、次いで、TMAHを用いてpH11.5に調整された0.058質量%TAZを含有する溶液に浸漬した。塩基性媒体中での実験のQCM結果は確定的ではなかったが、図11は、塩基性媒体中でのこの実験についての対応するOCPを示す。塩基性媒体に吸着したTAZについての電位は、およそ0.195Vに対応することが分かる。酸性TAZ溶液中でのOCP結果と塩基性TAZ溶液中でのOCP結果との間の類似性は、TAZが溶液のpHに関わらず一貫して露出した銅表面で吸着することを示唆する。CMPは多様なpH値を有する多様に異なるスラリーを必要とし、残存CMPスラリーはしばしばCMP後洗浄組成物を汚染しそのため洗浄組成物のpHを変化させるため、これは関連する。好ましくは、不活性化剤は、pHに関わらず同等に露出した銅に吸着し、これにより洗浄組成物の適応性を拡大する。
【0130】
実施例7
TAZのBTA−処理銅表面上への吸着を塩基性媒体中で測定した。水晶微量天秤(QCM)上の電極を銅でメッキし、中性pHを有する0.2質量%BTA溶液に、23℃で300秒間浸漬した。その後、BTA処理銅を、11.5のpHを有する0.1質量%TAZ溶液に、300秒間浸漬した。OCP及びQCM実験の結果を図12及び13にそれぞれ示す。電極の質量が減少し、より重いBTA分子(MW119.1g mole−1)の、より軽いTAZ分子(69.07g mole−1)による置き換えを示すことが分かる。この実験の結果は、BTAの少なくとも一部分がTAZ分子によって置き換えられたことを示唆する。
【0131】
実施例8
図14は、2つの異なる洗浄法の後に、銅、TEOS、コラール(Coral)及びブラックダイアモンド(Black Diamond)(BD)表面上に残留する欠陥の総数を示す。コンパス(Compass)欠陥分析ツールを用いて、各表面上の0.1μmを超えるサイズを有する欠陥の数をカウントした。第1の洗浄法は従来の技術分野において用いられていたものであり、CMPの後に、ウェハをクエン酸溶液に浸漬し、不活性化剤を含まない洗浄組成物でブラシ洗浄するが、この場合、組成物はMEAと、TMAHと、アスコルビン酸と、DI水とを含む。第2の洗浄法は、CMPの後の、配合物BQ中へのウェハの浸漬、これに続く前述の不活性化剤を含まない洗浄組成物でのブラシ洗浄を含む。
【0132】
図14を参照すると、第1の方法により洗浄された銅はかなりの数の欠陥(ほとんどがおそらく前記CMPプロセスから吸着したBTAの存在による有機欠陥)を有していたことが分かる。TAZ(配合物BQ)を含む組成物に表面を浸漬する第2の方法により銅を洗浄した場合には、欠陥の数は劇的に減少した。これらは、CMP後洗浄中にBTAがTAZによって置き換えられていることを更に示す。したがって、TAZによるBTAの置き換えの他の利点は、低減された数の表面欠陥であり、それ故、マイクロエレクトロニクス素子全体の信頼性の増加である。
【0133】
実施例9
図15は、10:1の(DI水での)希釈率を有する配合物BFを用いたCMPバフ工程中のリンス−バフ、及びそれに続く、4.7%TMAHと、20.6%TEAと、3.3%没食子酸と、11.2%アスコルビン酸と、残部の水とを含む30:1希釈率の濃縮組成物を用いたブラシボックス中でのCMP後洗浄の後の、銅ブランケットウェハについての総欠陥、有機欠陥及び粒子欠陥の数を時間の関数として示す。欠陥、有機、粒子の数及び合計は、ブラシ時間を延ばすのに伴って減少することが分かる。これらの結果は、かなりの量の欠陥を除去するために、ブラシ洗浄は、好ましくは少なくとも60秒間必要であったことを示す。
【0134】
実施例10
図16Aは、30,000×の倍率での、セマテック(Sematech)854対照の、ボンディングパッドの端部での走査型電子顕微鏡写真であり、ここで、ウェハはCMP残渣及びスラリー汚染物をその上に有している。図16Bは、6,000×の倍率での、セマテック(Sematech)854対照ウェハの、ランダムに選択された一つのボンディングパッドでのSEMである。
【0135】
セマテック(Sematech)854対照ウェハを、ローレル(Laurell)スピン−スプレーツールを用いて、60:1の(DI水での)希釈率を有する本発明の洗浄配合物と共に、60秒間、22℃で洗浄した。
【0136】
それぞれ配合物BH〜BM、BF及びBN〜BPでの洗浄に対応する図17〜26について、図Aは、30,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後のボンディングパッドの中心でのウェハのSEMであり、図Bは、30,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後のボンディングパッドの端部でのウェハのSEMであり、図Cは、6,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後のランダムに選択されたボンディングパッドでのウェハのSEMであり、図Dは、6,000×の倍率での、スピン/スプレー処理後の0.18μmラインパターンの領域でのウェハのSEMである。
【0137】
BTA(それぞれ配合物BH及びBI)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図17及び18は、BTAを含むCMP後洗浄組成物が残渣及び汚染物の除去に好適ではないことを示す。
【0138】
低濃度のCBTA(配合物BJ)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図19は、CMP後残渣及び汚染物の顕著な除去を示す。しかしながら、高濃度のCBTA(配合物BK)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図20は、より濃縮された配合物という残渣及び汚染物の除去の不良を示す。理論に束縛されることは望んでいないが、この明確な差異は、配合物における不活性化剤と他の成分との間のバランスによると思われる。高濃度の不活性化剤は、配合物の洗浄能力を抑制し得る。
【0139】
ATA(それぞれ配合物BL及びBM)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図21及び22は、CBTA(すなわち、図19及び20)に類似する洗浄挙動(濃度の低いATA組成物は残渣及び汚染物を実質的に除去する)を示すが、より濃度の高いATA組成物はそうではなかった。おそらくは不活性化剤の銅上への不均一な微粒子堆積を生じさせる過度に高い不活性化剤レベルにより、ATAを含む両方の組成物についてウェハの表面に膜が吸着しているようであることに更に留意する。
【0140】
TAZ(配合物BF)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図23は、CMP後残渣及び汚染物の顕著な除去を示す。
【0141】
TAZ(配合物BN)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図24は、CMP後残渣の顕著な除去を示すが、しかしながら、膜が洗浄中にウェハの表面に吸着した。
【0142】
TAZ(配合物BO)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図25は、より小さなCMP後残渣物質の除去を示すが、しかしながら、配合物は、より大きな微粒子物質をウェハの表面から除去することはできなかった。BO配合物は、全てのCMP後残渣物質及び汚染物を独自開発のウェハ(ここでは図示せず)から実質的に除去したことに留意する。これは、全ての配合物の有用性は、材料のウェハ上での性質、及び前記CMP研磨面の性質に依存することを示唆する。
【0143】
TAZ(配合物BP)を含む配合物で洗浄されたウェハに対応する図26は、CMP後残渣及び汚染物の顕著な除去を示す。
【0144】
実施例11
希釈された配合物BR及びBSの誘電性材料上での接触角を測定した。配合物BRを希釈して、2.561BR:97.839DI水溶液を形成した。配合物BSを希釈して、2.56BS:97.84DI水溶液を形成した。観察した接触角の光学イメージがそれぞれ図27A及び27Bである。
【0145】
実施例12
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物BQ、CC〜CG及びCJ〜CMの効果を評価した。素子は、乾燥アーチ(Arch)10K CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していた、パターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハを、スピン/スプレーツールで1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後での分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。
【0146】
洗浄効果を、基材上の対象物の減少によって評価した。サンプル基材上の粒子を231〜235強度のピクセルの範囲として「登録」したが、これは、典型的なAFMイメージにおいて、他の暗い背景上での白色種に対応する。シグマスキャンプロ(Sigma Scan Pro)ヒストグラムを用いて、これらのピクセルにフィルタをかけ粒子の数をカウントした。洗浄効果を式(1)を用いて算出した。
【数1】
【0147】
表2は、上述の組成物BQ、CC〜CG及びCJ〜CMについて、示した希釈率でのCMP後洗浄効果の結果を含む。
【0148】
【表9】
【0149】
配合物BQは、銅不活性化剤TAZを含有しない配合物CCよりも19%の洗浄の改善を示すことが分かる。配合物CE及びCGは、銅不活性化剤TAZを含有しない配合物CD及びCFよりも2%及び1%の洗浄の改善を示す。不活性化剤としてBTAを含有する配合物、具体的にはCJ、CK、CL、及びCMは、洗浄中の粒子の添加により極めて劣った洗浄を有する。
【0150】
実施例13
配合物BQ及びCC〜CEの存在下で研磨した銅ブランケットウェハの銅粗面化を評価した。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後での分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIaAFMを用いて実施した。AFMソフトウェアによって算出される二乗平均(Root Mean Square)粗度によって粗面化を評価した。結果を下記表3に示す。
【0151】
【表10】
【0152】
データは、本発明の洗浄組成物への不活性化剤の添加、すなわち配合物CC及びCEが、配合物に起因する銅粗面化に悪影響を及ぼさないことを示している。
【0153】
実施例14
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物CC、CD、CF、CH及びCIの効果を評価した。素子は、乾燥アーチ(Arch)10K CMPスラリーを表面上に有していたパターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。ウェハを、10ppmBTAで、2時間、静的浸漬により更に汚染した。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後での分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。洗浄効果を、実施例12の方法に従って評価し、上述の式(1)を用いて算出した。結果を下記表4に示す。
【0154】
【表11】
【0155】
TAZ不活性化剤を含まない配合物と比して、TAZを含む配合物CIは、スラリー及びBTA汚染の向上した洗浄を示すことをみることができる。
【0156】
実施例15
BTA残渣を銅表面から洗浄する配合物BQ及びCC〜CGの効果を評価した。銅表面は、10ppmのBTAで2時間、静的浸漬で処理されたブランケットシードウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の配合物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を実施した。ウェハを、次いで、H2Sガスに2分間露出させた。ガスへの露出によって生じる変色はBTA−処理銅表面上に残留するBTA汚染のレベルを示し、最低から最高までのBTA除去は、オレンジ色<赤色<ピンク色<紫色<青色に対応する。結果を、下記表5に示す。
【0157】
【表12】
【0158】
TAZを含む本発明の配合物、具体的にはBQ、CE、及びCGで洗浄した表面が、最も著しく変色されており、すなわち、TAZ不活性化剤を含まない配合物よりも顕著なBTA除去を示した。XPS結果は、TAZを含む配合物は、TAZ不活性化銅の薄層を残留させることを立証する。これらの結果は、TAZを含む本発明の配合物がウェハの表面からBTAと置き換わる理論を支持する。
【0159】
実施例16
種々の実施形態を処方したが、ここで、全てのパーセントは質量基準であり、配合物の総質量に基づく。いくつかの配合物が好ましく、いくつかは比較の目的のために処方した。
配合物DA 9質量%モノエタノールアミン、91質量%H2O
配合物DB 9質量%モノエタノールアミン、0.1質量%2−メルカプトベンズイミダゾール、90.9質量%H2O
配合物DC 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、89質量%H2O
配合物DD 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、0.1質量%カルボキシベンゾトリアゾール、88.9質量%H2O
配合物DE 11質量%NMEA、89質量%H2O
配合物DF 11質量%NMEA、0.1質量%5−アミノテトラゾール、88.9質量%H2O
配合物DG 11質量%NMEA、0.1質量%5−アミノテトラゾール、1質量%(40%)グリオキサール、87.9質量%H2O
【0160】
実施例17
配合物DA〜DGを、銅エッチング速度について評価した。基材は銅ブランケットウェハであった。各々の場合におけるウェハを、それぞれの組成物に、22℃で10分間、450rpmで浸漬し、30秒間脱イオン水すすぎ及び窒素乾燥を続けた。洗浄前前後での分析を、レスマップ(ResMap)4点プローブを用いて実施して、銅の厚さを測定した。配合物の存在下での銅のエッチング速度(ER)を、式(2)を用いて算出した。エッチング速度の分散は式(3)を用いて算出した。
【数2】
式中、Aはオングストロームでの浸漬前の基材の厚さ、Bはオングストロームでの浸漬後の基材の厚さ、Tは分間での時間である。
【数3】
式中、SA=オングストロームでの処理前の基材の厚さの分散、SBはオングストロームでの処理後の基材の厚さの分散、tは分間での時間である。
【0161】
エッチング速度測定実験の結果が下記表6及び7にまとめられており、ここで、DA及びDBの20:1溶液は、DA及びDBのDI水中での20:1の希釈率を表す。
【0162】
【表13】
【0163】
【表14】
【0164】
不活性化剤の配合物DB、DD、及びDFへの添加は、配合物DA、DC、及びDE(すなわち、不活性化剤を含まない配合物)よりも、サンプルのかなり低いエッチング速度及び銅エッチング速度におけるより低い分散に寄与していたことが分かる。還元剤グリオキサールの配合物DGへの添加は、エッチング速度及び銅エッチング速度の分散を、配合物DE及びDF(すなわち、還元剤を含まない配合物)と比較してさらに低減させた。
【0165】
実施例18
以下に記載のそれぞれの組成物を有する配合物EA〜EPのサンプルを調製した。
配合物EA 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物EB 1質量%1,2,4−トリアゾール、99質量%H2O
配合物EC 1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、97.25質量%H2O
配合物ED 2.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、94.75質量%H2O
配合物EE 4.5質量%モノエタノールアミン、1質量%1,2,4−トリアゾール、94.5質量%H2O
配合物EF 4.5質量%モノエタノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、92.75質量%H2O
配合物EG 2.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、1質量%1,2,4−トリアゾール、96.5質量%H2O
配合物EH 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2質量%1,2,4−トリアゾール、78.5質量%H2O
配合物EI 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1質量%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O
配合物EJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、10.9質量%アスコルビン酸、71.6質量%H2O
配合物EK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、10.9質量%アスコルビン酸、2質量%1,2,4−トリアゾール、69.6質量%H2O
配合物EL 5.5質量%モノイソプロパノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、91.75質量%H2O
配合物EM 7.75質量%アミノエトキシエタノール、1.75質量%アスコルビン酸、1質量%1,2,4−トリアゾール、89.5質量%H2O
配合物EN 5.5質量%モノイソプロパノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、92.75質量%H2O
配合物EO 4.5質量%モノエタノールアミン、1.75質量%アスコルビン酸、93.75質量%H2O
配合物EP 9.0質量%モノエタノールアミン、3.5質量%アスコルビン酸、2質量%1,2,4−トリアゾール、85.5質量%H2O
【0166】
実施例19
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に含有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物BG、EA〜EG、EL及びEMの効果を評価した。素子は、乾燥CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していた、パターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、特定のx:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後の分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。洗浄効果を、本明細書中において上述のとおり、基材上の対象物の減少によって評価し、式(1)を用いて算出した。
【0167】
表8は、上述の組成物BG、EA〜EG、EL及びEMについて、示した希釈率でのCMP後洗浄効果の結果を含む。
【0168】
【表15】
【0169】
配合物EC(TAZ及びアスコルビン酸)及び配合物EE(TAZ及びモノエタノールアミン)は、CMP後残渣及び汚染物をウェハ表面から除去しなかったことが分かる。しかしながら、予想外で驚くべきことに、配合物EC及びEEの成分を組み合わせて配合物EF(TAZ、アスコルビン酸、モノエタノールアミン)を形成した場合、洗浄効果はほぼ100%であった。驚くべき効果が、図28及び29に更に示されており、これらは、それぞれ、配合物EC及びEFを用いた洗浄前及び洗浄後のAFMイメージを表す。配合物ECは、ウェハ表面から洗浄される粒子(すなわち、白色スポット)の数には効果を有していなかったが、一方で、配合物EFは、ウェハ表面を効果的に洗浄したことを明らかに分かる。同様に、配合物EL及びENは、ほぼ100%の洗浄効果を有していた。
【0170】
さらに、配合物EA及びBGは、配合物EAは不活性化剤を含まないこと以外、示された希釈率(すなわち、それぞれ10:1及び5:1)で同一のものであった。結果は、不活性化剤、この場合TAZは、効果的な金属不活性化剤として作用するのみでなく、CMP後残渣及び汚染物の洗浄をも増強することを示唆している。
【0171】
実施例20
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に含有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物EA及びBGの効果を評価した。素子は、乾燥CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していたパターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄前後の分析を、ジュール走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて実施した。洗浄効果を、本明細書中において上述のとおり基材上の対象物の減少によって評価し、式(1)を用いて算出した。
【0172】
表9は、上述の組成物EA及びBGについて、示した希釈率でのCMP後洗浄効果の結果を含む。
【0173】
【表16】
【0174】
重要なことには、実施例20は、効果的な配合物が、洗浄組成物の洗浄効果を犠牲にすることなく顕著に希釈され得ることを立証する。これは、洗浄されるウェハ当たりの運用管理コストを低減する有益性を有する。
【0175】
実施例21
CMP後残渣及び汚染物を、これらをその上に含有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄する配合物EA、BG、EJ及びEKの効果を評価した。素子は、乾燥CMPスラリー及び他のCMP後残渣を表面上に有していたパターン形成セマテック(Sematech)854ウェハであった。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。洗浄後の分析を、ナノスコープ(Nanoscope)IIIa原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実施した。洗浄効果を、本明細書中において上述のとおり、基材上の対象物の減少によって評価し、式(1)を用いて算出した。
【0176】
表10は、上述の組成物EA、BG、EJ及びEKについて、示した希釈率でのCMP後洗浄粒子数の結果を含む。
【0177】
【表17】
【0178】
実施例21は、配合物BG及びEKとの洗浄に関連するより低い粒子数によって示されるように、本発明のアルカリ性水性洗浄組成物が好ましくはTAZなどの不活性化剤を含むことをさらに示す。
【0179】
実施例22
配合物EH及びEIの、これらをその上に有するマイクロエレクトロニクス素子上の銅を不活性化するための効果を評価した。サンプルウェハは銅シード層を含んでいた。各々の場合におけるウェハは、スピン/スプレーツールで、1分間、22℃、100rpmで、30:1(1部の洗浄組成物対30部の脱イオン水)に希釈した洗浄組成物と共に洗浄し、続いて、30秒間脱イオン水すすぎ及び遠心脱水を行った。静的な10ppm BTA処理済及び未処理サンプルを、比較のために分析した。XPSを用いて、15°〜90°の角度で分析を行った。表11は、配合物EH及びEIについての、静的BTA及び未処理サンプルと相対的な銅不活性化の結果を含む。
【0180】
【表18】
【0181】
窒素対銅の比は、配合物のウェハ表面との接触後に、BTA又は他の不活性化剤(すなわち、アゾール)が銅上に残留する量を示す。予期したとおり、静的BTA配合物及びBTAを含む配合物Jは、BTAの厚い層をウェハ表面上に残留させた。TAZを含む配合物EHは、薄い不活性化層をウェハの表面上に残留させ、これは、より薄い不活性化膜はその後のプロセス工程において除去するのがより容易であり、より少ない有機欠陥をもたらすので好都合である。
【0182】
表11の結果が、さらに図30に図示されている。
【0183】
実施例23
配合物EA、BG、EF、EL、EN、及びEOの存在下でのコバルトのエッチング速度を、典型的な工業クエン酸ベースのクリーナ(水中の10質量%クエン酸二アンモニウム)と比較してテストした。ウェハサンプルは、研磨された銅にメッキされた100Åのコバルトを有していた。ウェハを、700rpmの攪拌で配合物に浸漬した。サンプルを、コバルトが完全に除去されるまで溶液中に残し、これを、銅及びコバルトの間の異なる色によって視認で判定した。
【0184】
【表19】
【0185】
クエン酸二アンモニウムクリーナが最大エッチング速度をコバルトに有していたこと、及び、本発明の配合物は、従来のクエン酸ベースのクリーナを超えて甚大に改善していることが分かった。さらに、配合物EA及びBGを比較すると、不活性化剤の組成物に対する添加は、コバルトエッチング速度を0.5Å min−1未満に低下させる。
【0186】
実施例24
配合物EA及びBGを用いて、CMP後残渣及び汚染物についてのバフ洗浄効果をテストした。ウェハサンプルは、既にCMPスラリーで研磨された銅ブランケットウェハであった。各々の場合におけるウェハを、アプライドマテリアルズレフレクション(Applied Materials Reflexion)(商標)ツールの第3のプラテン上で、可変速度及び1psiダウンフォースを、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物と共に用いて15秒間、22℃で洗浄し/バフし、レフレクション(Reflexion)(商標)ツールについて標準CMP後洗浄プロセスを続けた。研磨後及び洗浄後の分析を、0.2μmの欠陥ビンサイズの設定を有するKLA−SP1表面欠陥分析機器を用いて実施した。表13は、上述の組成物EA及びBGについて、示したプラテン速度での欠陥密度の結果を含む。
【0187】
【表20】
【0188】
不活性化剤を含む配合物BGは、組成物EAと比較して、同等の条件下で欠陥密度を低下させることが分かる。
【0189】
実施例25
配合物EA及びBGを用いて、CMP後残渣及び汚染物についてのバフ洗浄効果をテストした。ウェハサンプルは、既にCMPスラリーで研磨された銅ブランケットウェハであった。各々の場合におけるウェハを、アプライドマテリアルズレフレクション(Applied Materials Reflexion)(商標)ツールの第3のプラテン上で、15秒間、22℃、107rpmのプラテン速度及び可変ダウンフォースで、x:1(1部の洗浄組成物対x部の脱イオン水)に希釈した特定の洗浄組成物を含む洗浄組成物と共に洗浄し/バフし、レフレクション(Reflexion)(商標)ツールについて標準CMP後洗浄プロセスを続けた。研磨後及び洗浄後の分析を、0.2μmの欠陥ビンサイズの設定を有するKLA−SP1表面欠陥分析機器を用いて実施した。表14は、上述の組成物EA及びBGについて、示したダウンフォースでの欠陥密度の結果を含む。
【0190】
【表21】
【0191】
不活性化剤を含む配合物BGは、組成物EAと比較して、同等の条件下で欠陥密度を低下させることが分かる。
【0192】
本発明は、例示的実施形態及び特徴を参照して本明細書において多様に開示されてきたが、上述に記載の実施形態及び特徴は、本発明を制限することを意図せず、他の変形、改良及び他の実施形態はそれら自体は、本明細書における開示に基づいて当業者にとって自己示唆的であることが理解されるであろう。本発明は、したがって、全てのこのような変形、改良及び代替の実施形態を、後に規定される特許請求の範囲の思想及び範囲内に包含するとして広く解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】マイクロエレクトロニクス素子の表面からのCMP後残渣及び汚染物の除去について、提案されたアンダーカット及びリフト機構を示す。
【図2】配合物AA〜AF中への浸漬後の時間の関数としての銅ブランケットウェハの厚さを示す。
【図3A】配合物AC中への浸漬前の対照ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図3B】図3Aの対照ウェハの、配合物AC中への浸漬後の電子顕微鏡写真である。
【図4A】配合物AC中への浸漬前のビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図4B】配合物AC中への浸漬前の切断されたビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図5A】配合物AC中への浸漬後のビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図5B】配合物AC中への浸漬後のビア−バリア貫通後ウェハの電子顕微鏡写真である。
【図6】DI水の、種々の処理済及び未処理銅表面上での表面エネルギー及び接触角を示す。
【図7】DI水に中性pHで浸漬された水晶微量天秤(QCM)の銅電極の質量を、時間の関数として示す。
【図8】0.058質量%TAZ溶液にpH5.8で浸漬されたQCMの銅電極の質量を時間の関数として示す。
【図9】0.058質量%TAZ溶液にpH5.8浸漬された銅電極についての開路電位(OCP)を時間の関数として示す。
【図10】pH11.5に調整されたDI水に浸漬されたQCMの銅電極の質量を、時間の関数として示す。
【図11】0.058質量%TAZ溶液に、pH11.5で浸漬された銅電極についてのOCPを時間の関数として示す。
【図12】0.1質量%TAZ溶液に、pH11.5で浸漬されたBTA処理銅電極についてのOCPを時間の関数として示す。
【図13】0.1質量%TAZ溶液に、pH11.5で浸漬されたBTA処理銅電極についてのQCMの銅電極の質量を時間の関数として示す。
【図14】2つの異なる洗浄法によるCMP後洗浄後の銅、TEOS、コラール(Coral)及びブラックダイアモンド(Black Diamond)上の数多くの欠陥を示す。
【図15】10:1希釈率の配合物BF(DI水で)でのCMPバフ工程中のリンス−バフ後、これに続く、4.7%TMAH、20.6%TEA、3.3%没食子酸、11.2%アスコルビン酸及び残部の水を含む30:1希釈率の濃縮組成物を用いるブラシボックス内でのCMP後洗浄後の銅ブランケットウェハについての欠陥の数を時間の関数として示す。
【図16A】30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図16B】6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図17D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BH中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図18D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BI中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図19D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BJ中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図20D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BK中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図21D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BL中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図22D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BM中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図23D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BF中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図24D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BN中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BO中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BO中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25C】60:1希釈率(DI水で)の配合物O中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図25D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BO中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26A】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの中心でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26B】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、30,000×の倍率での、ボンディングパッドの端部でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26C】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、ランダムに選択されたボンディングパッドでのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図26D】60:1希釈率(DI水で)の配合物BP中での60秒間、22℃でのスピン/スプレー処理後の、6,000×の倍率での、0.18μmラインパターンの領域でのCMP汚染セマテック(Sematech)854対照ウェハの顕微鏡写真である。
【図27A】希釈された配合物BRの誘電性表面上での接触角の光学的イメージである。
【図27B】希釈された配合物BSの誘電性表面上での接触角の光学的イメージである。
【図28】セマテック(Sematech)854ウェハの、本発明の配合物ECでの洗浄前後の、ウェハの原子間力顕微鏡(AFM)イメージである。
【図29】セマテック(Sematech)854ウェハの、本発明の配合物EFの洗浄前後の、ウェハのAFMイメージである。
【図30】本発明の配合物用いる、窒素対銅の比、それ故、銅不活性化膜の相対的厚さを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水と、を含むアルカリ性水性洗浄組成物であって、化学機械研磨(CMP)後残渣及び汚染物を、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するのに好適であるアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の還元剤を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項3】
アスコルビン酸を含む、請求項2に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の不活性化剤が、1,2,4−トリアゾール(TAZ)、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプトチアゾリン、5−アミノテトラゾール(ATA)、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、チアゾール、トリアジン、メチルテトラゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,5−ペンタメチレンテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール、トリトリルリン酸、イミダゾール、インジアゾール、安息香酸、アンモニウム安息香酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される種を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の不活性化剤が、約0.5Å min−1〜約10Å min−1の銅の静的エッチング速度に有効な量で存在する、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の追加の還元剤を更に含む、請求項2に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項7】
不活性化剤に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.05〜15)である、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項8】
還元剤総量に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜25)である、請求項6に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のアミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるアミン化合物を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項10】
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルグリコールアミン、N,N−ジメチルジグリコールアミン、及びペンタメチルジエチレントリアミンからなる群より選択される第3級アミンを更に含む、請求項9に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の追加の還元剤が、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される酸を含む、請求項6に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の第4級塩基を含み、前記少なくとも1種の第4級塩基が、(NR1R2R3R4)OHを含み、式中、R1、R2、R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、C1〜C10アルキル基、及びアリール基からなる群より選択される、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項13】
第4級塩基に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜10)である、請求項12に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種の第4級塩基が、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項15】
少なくとも1種の界面活性剤を更に含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項16】
界面活性剤に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜1)である、請求項15に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項17】
前記マイクロエレクトロニクス素子が、半導体基材、フラットパネルディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)からなる群より選択される物品を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項18】
約9〜約12の範囲のpHを有する、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項19】
前記CMP後残渣及び汚染物が、CMP研磨スラリーからの粒子、CMP研磨スラリー中に存在する化学薬品、CMP研磨スラリーの反応副生成物、炭素リッチ粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、構造粒子の器具材料、銅、及び銅酸化物からなる群より選択される物質を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1種の不活性化剤がTAZを含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項21】
前記洗浄組成物が、約5:1〜約50:1の範囲で希釈されている、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項22】
配合物BA〜CM:
配合物BA MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水84.4%
配合物BB MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ1%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水83.4%
配合物BC MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ3%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水81.4%
配合物BD MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ5%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水74.4%、pH10.3
配合物BE MEA8.8%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、DI水80.91%
配合物BF MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ1%、DI水90.25%、pH11.4
配合物BG MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1%、没食子酸1.75%、TAZ1%、DI水89.25%、pH10.8
配合物BH MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA1.6%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BI MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA8.5%、EDTA0.01%、DI水75.9%
配合物BJ MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA2.2%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BK MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA11.8%、EDTA0.01%、DI水72.6%
配合物BL MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA1.2%、EDTA0.01%、DI水83.2%
配合物BM MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA6.1%、EDTA0.01%、DI水78.3%
配合物BN MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ1.0%、DI水84.0%
配合物BO MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ5.0%、DI水86.25%
配合物BO MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ5.0%、DI水80.0%
配合物BQ MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2.0%、DI水81.5%、pH11.6
配合物BR MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、DDBSA0.11%、DI水78.39%
配合物BS MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水78.4%
配合物BT MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水80.4%
配合物BU MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.1%、DI水80.4%
配合物BV MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 1.00%、DI水79.89%
配合物BW MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.50%、DI水80.39%
配合物BX MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.00%、DI水79.89%
配合物BY MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.50%、DI水80.39%
配合物BZ MEA10.29%、TMAH5.71%、アスコルビン酸4.00%、TAZ2.29%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.14%、DI水76.57%
配合物CA MEA9%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%,
DI水85.39%
配合物CB MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水80.78%、pH12.0
配合物CC 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物CD 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、82.5質量%H2O
配合物CE 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2%1,2,4−トリアゾール、80.5質量%H2O
配合物CF 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、78.5質量%H2O
配合物CG 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、76.5質量%H2O
配合物CH 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、84.4質量%H2O
配合物CI 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、82.4質量%H2O
配合物CJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CL 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、77.5質量%H2O
配合物CM 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O
からなる群より選択され、全てのパーセントは配合物の総質量を基準とした質量基準である、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項23】
1つ又は複数のコンテナ中に、アルカリ性水性洗浄組成物を形成するための1種又は複数種の下記試薬を含むキットであって、前記1種又は複数種の試薬が少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、任意に少なくとも1種の第4級塩基、任意に少なくとも1種の追加の還元剤、及び任意に水からなる群より選択され、前記キットが、請求項11に記載のアルカリ性水性洗浄組成物を形成するのに適合されているキット。
【請求項24】
アルカリ性水性洗浄組成物が少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
洗浄組成物が、約5:1〜約50:1の範囲で希釈されている、請求項23に記載のキット。
【請求項26】
残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄方法であって、前記方法は、前記残渣及び汚染物をマイクロエレクトロニクス素子から少なくとも部分的に洗浄するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子をアルカリ性水性洗浄組成物と接触させる工程を含み、前記アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水とを含む方法。
【請求項27】
前記残渣及び汚染物が、CMP研磨スラリーからの粒子、CMP研磨スラリー中に存在する化学薬品、CMP研磨スラリーの反応副生成物、炭素リッチ粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、構造粒子の器具材料、銅、及び銅酸化物からなる群より選択されるCMP後残渣及び汚染物を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記接触させる工程が、約15秒〜約5分の時間実施される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記接触させる工程が、約20℃〜約50℃の範囲の温度で実施される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記アルカリ性水性洗浄組成物が少なくとも1種の還元剤を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1種の還元剤がアスコルビン酸を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
アルカリ性水性洗浄組成物が、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される酸を含む少なくとも1種の追加の還元剤を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
不活性化剤に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.05〜15)である、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
還元剤総量に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜25)である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1種のアミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるアミン化合物を含み、
少なくとも1種の不活性化剤が、1,2,4−トリアゾール(TAZ)、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプトチアゾリン、5−アミノテトラゾール(ATA)、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、チアゾール、トリアジン、メチルテトラゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,5−ペンタメチレンテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール、トリトリルリン酸、イミダゾール、インジアゾール、安息香酸、アンモニウム安息香酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される種を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
アルカリ性水性除去組成物が少なくとも1種の第4級塩基を含み、前記少なくとも1種の第4級塩基が、(NR1R2R3R4)OHを含み、式中、R1、R2、R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、C1〜C10アルキル基、及びアリール基からなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
第4級塩基に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜10)である、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が約9〜約12の範囲のpHを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
マイクロエレクトロニクス素子が、半導体基材、フラットパネルディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)からなる群より選択される物品である、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
使用時点又はその前に、アルカリ性水性洗浄組成物を溶剤で希釈する工程を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記溶剤が水を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記マイクロエレクトロニクス素子が銅含有材料を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項43】
アルカリ性水性洗浄組成物が、約0.5Å min−1〜約10Å min−1の銅の静的エッチング速度に有効な量で存在する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
接触させる工程が:マイクロエレクトロニクス素子の表面上へ洗浄組成物を吹き付ける工程;十分な体積の洗浄組成物中へマイクロエレクトロニクス素子を浸漬する工程;マイクロエレクトロニクス素子の表面を洗浄組成物で飽和されている他の材料と接触させる工程;及びマイクロエレクトロニクス素子を循環洗浄組成物と接触させる工程;からなる群より選択されるプロセスを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項45】
洗浄組成物との接触に続いて、マイクロエレクトロニクス素子を脱イオン水ですすぐ工程を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項46】
マイクロエレクトロニクス素子がコバルトを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項47】
CMP後残渣及び汚染物がコバルトを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項48】
アルカリ性水性除去組成物が、配合物BA〜CM:
配合物BA MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水84.4%
配合物BB MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ1%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水83.4%
配合物BC MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ3%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水81.4%
配合物BD MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ5%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水74.4%、pH10.3
配合物BE MEA8.8%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、DI水80.91%
配合物BF MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ1%、DI水90.25%、pH11.4
配合物BG MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1%、没食子酸1.75%、TAZ1%、DI水89.25%、pH10.8
配合物BH MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA1.6%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BI MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA8.5%、EDTA0.01%、DI水75.9%
配合物BJ MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA2.2%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BK MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA11.8%、EDTA0.01%、DI水72.6%
配合物BL MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA1.2%、EDTA0.01%、DI水83.2%
配合物BM MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA6.1%、EDTA0.01%、DI水78.3%
配合物BN MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ1.0%、DI水84.0%
配合物BO MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ5.0%、DI水86.25%
配合物BO MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ5.0%、DI水80.0%
配合物BQ MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2.0%、DI水81.5%、pH11.6
配合物BR MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、DDBSA0.11%、DI水78.39%
配合物BS MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水78.4%
配合物BT MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水80.4%
配合物BU MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.1%、DI水80.4%
配合物BV MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 1.00%、DI水79.89%
配合物BW MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.50%、DI水80.39%
配合物BX MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.00%、DI水79.89%
配合物BY MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.50%、DI水80.39%
配合物BZ MEA10.29%、TMAH5.71%、アスコルビン酸4.00%、TAZ2.29%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.14%、DI水76.57%
配合物CA MEA9%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水85.39%
配合物CB MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水80.78%、pH12.0
配合物CC 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物CD 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、82.5質量%H2O
配合物CE 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2%1,2,4−トリアゾール、80.5質量%H2O
配合物CF 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、78.5質量%H2O
配合物CG 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、76.5質量%H2O
配合物CH 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、84.4質量%H2O
配合物CI 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、82.4質量%H2O
配合物CJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CL 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、77.5質量%H2O
配合物CM 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O
からなる群より選択される組成物を含み、全てのパーセントは、配合物の総質量を基準とした質量基準である、請求項26に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水と、を含むアルカリ性水性洗浄組成物であって、化学機械研磨(CMP)後残渣及び汚染物を、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子から洗浄するのに好適であるアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種の還元剤を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項3】
アスコルビン酸を含む、請求項2に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1種の不活性化剤が、1,2,4−トリアゾール(TAZ)、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプトチアゾリン、5−アミノテトラゾール(ATA)、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、チアゾール、トリアジン、メチルテトラゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,5−ペンタメチレンテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール、トリトリルリン酸、イミダゾール、インジアゾール、安息香酸、アンモニウム安息香酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される種を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項5】
前記少なくとも1種の不活性化剤が、約0.5Å min−1〜約10Å min−1の銅の静的エッチング速度に有効な量で存在する、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の追加の還元剤を更に含む、請求項2に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項7】
不活性化剤に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.05〜15)である、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項8】
還元剤総量に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜25)である、請求項6に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種のアミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、1−アミノ−2−プロパノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるアミン化合物を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項10】
トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルグリコールアミン、N,N−ジメチルジグリコールアミン、及びペンタメチルジエチレントリアミンからなる群より選択される第3級アミンを更に含む、請求項9に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種の追加の還元剤が、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される酸を含む、請求項6に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項12】
少なくとも1種の第4級塩基を含み、前記少なくとも1種の第4級塩基が、(NR1R2R3R4)OHを含み、式中、R1、R2、R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、C1〜C10アルキル基、及びアリール基からなる群より選択される、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項13】
第4級塩基に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜10)である、請求項12に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1種の第4級塩基が、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項15】
少なくとも1種の界面活性剤を更に含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項16】
界面活性剤に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜1)である、請求項15に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項17】
前記マイクロエレクトロニクス素子が、半導体基材、フラットパネルディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)からなる群より選択される物品を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項18】
約9〜約12の範囲のpHを有する、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項19】
前記CMP後残渣及び汚染物が、CMP研磨スラリーからの粒子、CMP研磨スラリー中に存在する化学薬品、CMP研磨スラリーの反応副生成物、炭素リッチ粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、構造粒子の器具材料、銅、及び銅酸化物からなる群より選択される物質を含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項20】
前記少なくとも1種の不活性化剤がTAZを含む、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項21】
前記洗浄組成物が、約5:1〜約50:1の範囲で希釈されている、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項22】
配合物BA〜CM:
配合物BA MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水84.4%
配合物BB MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ1%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水83.4%
配合物BC MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ3%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水81.4%
配合物BD MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ5%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水74.4%、pH10.3
配合物BE MEA8.8%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、DI水80.91%
配合物BF MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ1%、DI水90.25%、pH11.4
配合物BG MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1%、没食子酸1.75%、TAZ1%、DI水89.25%、pH10.8
配合物BH MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA1.6%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BI MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA8.5%、EDTA0.01%、DI水75.9%
配合物BJ MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA2.2%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BK MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA11.8%、EDTA0.01%、DI水72.6%
配合物BL MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA1.2%、EDTA0.01%、DI水83.2%
配合物BM MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA6.1%、EDTA0.01%、DI水78.3%
配合物BN MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ1.0%、DI水84.0%
配合物BO MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ5.0%、DI水86.25%
配合物BO MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ5.0%、DI水80.0%
配合物BQ MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2.0%、DI水81.5%、pH11.6
配合物BR MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、DDBSA0.11%、DI水78.39%
配合物BS MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水78.4%
配合物BT MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水80.4%
配合物BU MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.1%、DI水80.4%
配合物BV MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 1.00%、DI水79.89%
配合物BW MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.50%、DI水80.39%
配合物BX MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.00%、DI水79.89%
配合物BY MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.50%、DI水80.39%
配合物BZ MEA10.29%、TMAH5.71%、アスコルビン酸4.00%、TAZ2.29%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.14%、DI水76.57%
配合物CA MEA9%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%,
DI水85.39%
配合物CB MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水80.78%、pH12.0
配合物CC 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物CD 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、82.5質量%H2O
配合物CE 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2%1,2,4−トリアゾール、80.5質量%H2O
配合物CF 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、78.5質量%H2O
配合物CG 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、76.5質量%H2O
配合物CH 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、84.4質量%H2O
配合物CI 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、82.4質量%H2O
配合物CJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CL 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、77.5質量%H2O
配合物CM 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O
からなる群より選択され、全てのパーセントは配合物の総質量を基準とした質量基準である、請求項1に記載のアルカリ性水性洗浄組成物。
【請求項23】
1つ又は複数のコンテナ中に、アルカリ性水性洗浄組成物を形成するための1種又は複数種の下記試薬を含むキットであって、前記1種又は複数種の試薬が少なくとも1種のアミン、少なくとも1種の不活性化剤、任意に少なくとも1種の第4級塩基、任意に少なくとも1種の追加の還元剤、及び任意に水からなる群より選択され、前記キットが、請求項11に記載のアルカリ性水性洗浄組成物を形成するのに適合されているキット。
【請求項24】
アルカリ性水性洗浄組成物が少なくとも1種の還元剤を含み、前記還元剤はアスコルビン酸を含む、請求項23に記載のキット。
【請求項25】
洗浄組成物が、約5:1〜約50:1の範囲で希釈されている、請求項23に記載のキット。
【請求項26】
残渣及び汚染物の、前記残渣及び汚染物をその上に有するマイクロエレクトロニクス素子からの洗浄方法であって、前記方法は、前記残渣及び汚染物をマイクロエレクトロニクス素子から少なくとも部分的に洗浄するのに十分な時間、マイクロエレクトロニクス素子をアルカリ性水性洗浄組成物と接触させる工程を含み、前記アルカリ性水性洗浄組成物は、少なくとも1種のアミンと、少なくとも1種の不活性化剤と、任意に少なくとも1種の第4級塩基と、任意に少なくとも1種の還元剤と、水とを含む方法。
【請求項27】
前記残渣及び汚染物が、CMP研磨スラリーからの粒子、CMP研磨スラリー中に存在する化学薬品、CMP研磨スラリーの反応副生成物、炭素リッチ粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、構造粒子の器具材料、銅、及び銅酸化物からなる群より選択されるCMP後残渣及び汚染物を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記接触させる工程が、約15秒〜約5分の時間実施される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記接触させる工程が、約20℃〜約50℃の範囲の温度で実施される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記アルカリ性水性洗浄組成物が少なくとも1種の還元剤を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1種の還元剤がアスコルビン酸を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
アルカリ性水性洗浄組成物が、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、没食子酸、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される酸を含む少なくとも1種の追加の還元剤を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
不活性化剤に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.05〜15)である、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
還元剤総量に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜25)である、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも1種のアミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、アミノエチルエタノールアミン、N−メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノール、モノイソプロパノールアミン、イソブタノールアミン、C2〜C8アルカノールアミン、トリエチレンジアミン、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されるアミン化合物を含み、
少なくとも1種の不活性化剤が、1,2,4−トリアゾール(TAZ)、トリルトリアゾール、5−フェニル−ベンゾトリアゾール、5−ニトロ−ベンゾトリアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、1−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2−(5−アミノ−ペンチル)−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−1,2,3−トリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1,2,3−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、3−イソプロピル−1,2,4−トリアゾール、5−フェニルチオール−ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ハロ−ベンゾトリアゾール、ナフトトリアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール、2−メルカプトチアゾリン、5−アミノテトラゾール(ATA)、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、チアゾール、トリアジン、メチルテトラゾール、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,5−ペンタメチレンテトラゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、5−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール、ベンゾチアゾール、トリトリルリン酸、イミダゾール、インジアゾール、安息香酸、アンモニウム安息香酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される種を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
アルカリ性水性除去組成物が少なくとも1種の第4級塩基を含み、前記少なくとも1種の第4級塩基が、(NR1R2R3R4)OHを含み、式中、R1、R2、R3及びR4は互いに同一であっても異なっていてもよく、各々は、独立に、水素、C1〜C10アルキル基、及びアリール基からなる群より選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項37】
第4級塩基に対するアミンの比の範囲が、約(2〜25):(0.001〜10)である、請求項26に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が約9〜約12の範囲のpHを有する、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
マイクロエレクトロニクス素子が、半導体基材、フラットパネルディスプレイ、及び微小電気機械システム(MEMS)からなる群より選択される物品である、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
使用時点又はその前に、アルカリ性水性洗浄組成物を溶剤で希釈する工程を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記溶剤が水を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記マイクロエレクトロニクス素子が銅含有材料を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項43】
アルカリ性水性洗浄組成物が、約0.5Å min−1〜約10Å min−1の銅の静的エッチング速度に有効な量で存在する、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
接触させる工程が:マイクロエレクトロニクス素子の表面上へ洗浄組成物を吹き付ける工程;十分な体積の洗浄組成物中へマイクロエレクトロニクス素子を浸漬する工程;マイクロエレクトロニクス素子の表面を洗浄組成物で飽和されている他の材料と接触させる工程;及びマイクロエレクトロニクス素子を循環洗浄組成物と接触させる工程;からなる群より選択されるプロセスを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項45】
洗浄組成物との接触に続いて、マイクロエレクトロニクス素子を脱イオン水ですすぐ工程を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項46】
マイクロエレクトロニクス素子がコバルトを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項47】
CMP後残渣及び汚染物がコバルトを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項48】
アルカリ性水性除去組成物が、配合物BA〜CM:
配合物BA MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水84.4%
配合物BB MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ1%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水83.4%
配合物BC MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ3%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水81.4%
配合物BD MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、TAZ5%、没食子酸2.8%、EDTA0.01%、DI水74.4%、pH10.3
配合物BE MEA8.8%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、DI水80.91%
配合物BF MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ1%、DI水90.25%、pH11.4
配合物BG MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1%、没食子酸1.75%、TAZ1%、DI水89.25%、pH10.8
配合物BH MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA1.6%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BI MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、BTA8.5%、EDTA0.01%、DI水75.9%
配合物BJ MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA2.2%、EDTA0.01%、DI水82.8%
配合物BK MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、カルボキシBTA11.8%、EDTA0.01%、DI水72.6%
配合物BL MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA1.2%、EDTA0.01%、DI水83.2%
配合物BM MEA7.2%、TMAH4%、アスコルビン酸1.6%、没食子酸2.8%、ATA6.1%、EDTA0.01%、DI水78.3%
配合物BN MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ1.0%、DI水84.0%
配合物BO MEA4.5%、TMAH2.5%、アスコルビン酸1.75%、TAZ5.0%、DI水86.25%
配合物BO MEA9%、TMAH2.5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ5.0%、DI水80.0%
配合物BQ MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2.0%、DI水81.5%、pH11.6
配合物BR MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、DDBSA0.11%、DI水78.39%
配合物BS MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸2%、没食子酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水78.4%
配合物BT MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.1%、DI水80.4%
配合物BU MEA9%、TMAH5%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.1%、DI水80.4%
配合物BV MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 1.00%、DI水79.89%
配合物BW MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ナトロゾール(NATROSOL)(登録商標)250 0.50%、DI水80.39%
配合物BX MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.00%、DI水79.89%
配合物BY MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF0.50%、DI水80.39%
配合物BZ MEA10.29%、TMAH5.71%、アスコルビン酸4.00%、TAZ2.29%、クルセル(KLUCEL)(登録商標)EF1.14%、DI水76.57%
配合物CA MEA9%、アスコルビン酸3.5%、TAZ2%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水85.39%
配合物CB MEA8.82%、TMAH4.9%、アスコルビン酸3.43%、TAZ1.96%、ドデシルベンゼンスルホン酸0.11%、DI水80.78%、pH12.0
配合物CC 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、82.5質量%H2O
配合物CD 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、82.5質量%H2O
配合物CE 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2%1,2,4−トリアゾール、80.5質量%H2O
配合物CF 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、78.5質量%H2O
配合物CG 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、76.5質量%H2O
配合物CH 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、84.4質量%H2O
配合物CI 7.2質量%モノエタノールアミン、4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、2.8質量%没食子酸、1.6質量%アスコルビン酸、2%1,2,4−トリアゾール、82.4質量%H2O
配合物CJ 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CK 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、1%ベンゾトリアゾール、81.5質量%H2O
配合物CL 11質量%1−アミノ−2−プロパノール、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、77.5質量%H2O
配合物CM 9質量%モノエタノールアミン、5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム、3.5質量%没食子酸、2質量%アスコルビン酸、1%ベンゾトリアゾール、79.5質量%H2O
からなる群より選択される組成物を含み、全てのパーセントは、配合物の総質量を基準とした質量基準である、請求項26に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27A】
【図27B】
【図28】
【図29】
【図30】
【公表番号】特表2008−543060(P2008−543060A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513700(P2008−513700)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/020214
【国際公開番号】WO2006/127885
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2006/020214
【国際公開番号】WO2006/127885
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
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