説明

防振ゴムの取付構造

【課題】台座が1対の防振ゴムで挟まれた状態を、台座および1対の防振ゴムをボルトを用いて共締めすることにより保持する防振ゴムの取付構造において、ボルトを締める作業を行いやすくすること。
【解決手段】保持手段22は第1当接部材23、防振ゴム11、台座21、防振ゴム12および第2当接部材24を、ボルト25とナット26により共締めする。台座21は所定の棒状治具40の本体41が上下方向に延びた姿勢で配置される治具挿通孔21bを備え、この治具挿通孔21bはボルト25の締まる方向への棒状治具40の移動を阻止する。ボルト25を締める際、ナット26に装着されたスパナ50を棒状治具40に係止させることによって、ナット26の回転を阻止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台座が1対の防振ゴムで挟まれた状態を、台座および1対の防振ゴムをボルトにより共締めして保持する防振ゴムの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの建設機械において、旋回体の下部の骨格を成す旋回フレームには、エンジンが設置される台座が設けられている。エンジンはその台座に防振ゴムを介して設置されている。防振ゴムは、作業に伴って建設機械に生じる振動をエンジンに伝達されにくくするものである。
【0003】
従来、その防振ゴムの取付構造は、1対の防振ゴムに上下から挟まれて位置する台座(エンジンブラケット)と、この台座が1対の防振ゴムに挟まれた状態を保持する保持手段とを備える。保持手段は、台座との間で1対の防振ゴムの一方(上側の防振ゴム)を挟んで位置する第1当接部材(上部ストッパ金具)と、台座との間で1対の防振ゴムの他方(下側の防振ゴム)を挟んで位置する第2当接部材(下部ストッパ金具)と、第1当接部材、一方の防振ゴム、台座、他方の防振ゴムおよび第2当接部材に挿し通されて位置するボルトと、第2当接部材から突出したボルトの箇所に螺合するナットとを備える。つまり、第1当接部材、一方の防振ゴム、台座、他方の防振ゴムおよび第2当接部材は、ボルトとナットにより共締めされている。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−304094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した従来の防振ゴムの取付構造において、保持手段のボルトを締める際は、ボルトに螺合したナットの回転を阻止して、ボルトとともにナットが回転しないようする必要がある。ナットの回転を阻止する方法としては、ナットにスパナを装着し、そのスパナを保持して固定する、という方法が一般的である。
【0006】
油圧ショベルなどの建設機械において、旋回フレームに設置される機器はエンジン以外にもある。これらの機器のレイアウトによっては、ナットの回転を阻止しながらボルトを締めるという作業を作業員1人で行うことが困難であり、ボルトを締める作業員と、ナットの回転を阻止する作業員が必要な場合がある。
【0007】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、台座が1対の防振ゴムで挟まれた状態を、台座および1対の防振ゴムをボルトを用いて共締めすることにより保持する防振ゴムの取付構造において、ボルトを締める作業を行いやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために本発明は次のように構成されている。
【0009】
〔1〕 本発明に係る防振ゴムの取付構造は、1対の防振ゴムに上下から挟まれて位置する台座と、この台座が前記1対の防振ゴムに挟まれた状態を保持する保持手段とを備え、前記保持手段は、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの一方を挟んで位置する第1当接部材と、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの他方を挟んで位置する第2当接部材と、前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座、前記他方の防振ゴムおよび前記第2当接部材に挿し通されたボルトと、前記第2当接部材から突出した前記ボルトの箇所に螺合するナットとを備え、前記ボルトと前記ナットにより前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座、前記他方の防振ゴムおよび前記第2当接部材を共締めする防振ゴムの取付構造であって、前記台座には、前記1対の防振ゴムの近傍であって、前記ボルトを前記ナットに螺合する際に、前記ナットを把持する把持工具の回転方向の移動を阻止する所定の棒状治具を挿通可能な治具挿通孔を備えることを特徴とする。
【0010】
この〔1〕に記載の防振ゴムの取付構造に対してボルトを締める作業を行う場合には、ナットに把持工具としてのスパナを装着するとともに台座の治具挿通孔に所定の棒状治具を挿通する。そして棒状治具をボルトの回転方向と対向する側となるスパナの側面に当接させることでボルトを締める際、ボルトの回転に伴うナットの回転が棒状治具によって阻止されるので、作業員はナットに装着されたスパナをその位置に保持するのみで、ナットの回転方向と逆方向に力を掛ける必要がなく、ボルトを締める作業を行いやすい。
【0011】
〔2〕 本発明に係る防振ゴムの取付構造は、1対の防振ゴムに上下から挟まれて位置する台座と、この台座が前記1対の防振ゴムに挟まれた状態を保持する保持手段とを備え、前記保持手段は、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの一方を挟んで位置する第1当接部材と、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの他方を挟んで位置する第2当接部材と、前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座および前記他方の防振ゴムに挿し通されたボルトとを備え、前記第2当接部材は前記他方の防振ゴムから突出した前記ボルトの箇所が螺合する雌ねじ部を備え、前記ボルトと前記第2当接部材により前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座、前記他方の防振ゴムを共締めする防振ゴムの取付構造であって、前記台座には、前記1対の防振ゴムの近傍であって、前記ボルトを前記第2当接部材の雌ねじ部に螺合する際に、前記第2当接部材の回転方向の移動を阻止する所定の棒状治具を挿通可能な治具挿通孔を設け、前記第2当接部材は、前記治具挿通孔に挿通された前記棒状治具に係合する係合部を備え、前記治具挿通孔に挿通された前記棒状治具が前記係合部に係合されることによって、前記第2当接部材のボルトの締まる方向への回転を阻止することを特徴とする。
【0012】
この「〔2〕」に記載の防振ゴムの取付構造に対してボルトを締める作業を行う場合には、台座の治具挿通孔に棒状治具を挿通し、この棒状治具を第2当接部材の係合部に係合する。これにより、ボルトを第2当接部材に螺合する際に、第2当接部材は、ボルトの回転方向への移動が棒状治具によって阻止される。この結果、作業員は、第2当接部材の回転方向と逆方向に力を掛ける必要がないとともに、スパナ等の把持工具を保持する必要がなく、作業性が向上する。
【発明の効果】
【0013】
〔1〕に記載の本発明に係る防振ゴムの取付構造は、台座に治具挿通孔が設けられていることによって、ナットの回転を阻止しながらボルトを締める作業を行いやすくすることができる。
【0014】
〔2〕に記載の本発明に係る防振ゴムの取付構造は、台座に治具挿通孔が設けられてるとともに、第2当接部材に係合部が設けられていることによって、ナットの回転を阻止しながらボルトを締める作業を行いやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態に係る防振ゴムの取付構造が適用可能な建設機械の一種である油圧ショベルの側面図である
【図2】図1に示した油圧ショベルに備られる旋回フレームの斜視図である。
【図3】図2に示した台脚の上面図である。
【図4】図3のIV矢視図である。
【図5】図3のV矢視図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る防振ゴムの取付構造の断面図である。
【図7】図6に示した防振ゴムの拡大断面図である。
【図8】図6に示した棒状治具の拡大図である。
【図9】図8に示した棒状治具の上面図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る防振ゴムの取付構造の断面図である。
【図11】図10に示した第2当接部材の上面図である。
【図12】図10に示した棒状治具を示し、(a)は側面図であり、(b)は(a)のb−b断面図であり、(c)は(a)のc−c断面図であり、(d)は(a)のd−d断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1,第2実施形態に係る防振ゴムの取付構造について説明する。
【0017】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る防振ゴムの取付構造を図1〜図9を用いて説明する。
【0018】
図1に示す油圧ショベル1は、履帯2aを駆動して走行する走行体2と、この走行体2の上部に旋回可能に設けられた旋回体3とを備える。旋回体3の下部の骨格は旋回フレーム10から成る。この旋回フレーム10には、ブーム7a、アーム7b、バケット7cがこの順で回動可能に結合して成るフロント作業装置7と、このフロント作業装置7の左側方に位置する運転室4と、この運転室4の後方に位置する機械室5と、この機械室5の後方に位置するカウンタウェイト6とが設けられている。
【0019】
機械室5には、エンジン、油圧ポンプ、コントロールバルブなど油圧ショベル1を駆動制御するための機器が格納されている。これらの機器は旋回フレーム10に取り付けられている。
【0020】
図2〜図5に示すように、旋回フレーム10の後部には、4つの台脚11が立ち上がって設けられている。これらの台脚11の上端部にはエンジン(図示していない)が設置される台座21が設けられている。エンジンは台座21に防振ゴム11,12(図6参照)を介して設置される。1対の防振ゴム11,12は、作業に伴って油圧ショベルに生じる振動をエンジンに伝達されにくくするものである。なお、図3における斜線部は、防振ゴム11が配置される領域を示している。
【0021】
図6に示すように、第1実施形態に係る防振ゴムの取付構造20は、1対の防振ゴム11,12に上下から挟まれて位置する台座21と、この台座21が1対の防振ゴム11,12に挟まれた状態を保持する保持手段22とを備える。
【0022】
台座21には、円形の取付孔21aが貫通して形成されている。防振ゴム11は図7に示すように略錐台状に形成されている。防振ゴム11の中央には挿通孔11aが設けられている。また、防振ゴム11の下底には、台座21の取付孔21aに挿入される位置決め部11bが突出して形成されている。防振ゴム12も防振ゴム11と同形状および同寸法の部材であり、挿通孔12aおよび位置決め部12bが形成されている。図6に示すように、防振ゴム11の位置決め部11bは台座21の取付孔21aに上方から挿入されていて、防振ゴム12の位置決め部12bは台座21の取付孔21aに下方から挿入されている。
【0023】
保持手段22は、台座21との間で1対の防振ゴム11,12の一方、すなわち上側の防振ゴム11を挟んで位置する第1当接部材23と、台座21との間で1対の防振ゴム11,12の他方、すなわち下側の防振ゴム12を挟んで位置する第2当接部材24とを備える。第1当接部材23は、防振ゴム11に当接して位置し中央に挿通孔23a1が形成された円板部23aと、この円板部23aの外周側の縁から台座21の方向に突出して形成された円筒部23bを備える。この第1当接部材23と同じく第2当接部材24は中央に挿通孔24a1が形成された円板部24aと、円筒部24bとを備える。
【0024】
保持手段22はさらに、第1当接部材23の挿通孔23a1、上側の防振ゴム11の挿通孔11a、台座21の取付孔21a、下側の防振ゴム12の挿通孔12aおよび第2当接部材24の挿通孔24a1に挿し通されたボルト25と、第2当接部材24の挿通孔24a1から突出したボルト25の先端箇所に螺合するナット26とを備える。図6中の30は、エンジンに取り付けられたブラケットである。ボルト25とナット26は、ブラケット30、第1当接部材23、上側の防振ゴム11、台座21、下側の防振ゴム12および第2当接部材24を共締めすることによって、ブラケット30、第1当接部材23、上側の防振ゴム11、下側の防振ゴム12および第2当接部材24を台座21に固定している。
【0025】
台座21の取付孔21aの近傍には、ボルト25を締める方向に回転させたときに、この回転に伴ってナット26が同方向に回転するのを阻止するための、所定の棒状部材40を挿通させる治具挿通孔21bが形成される。
【0026】
図8,図9に示すように、棒状治具40は、円柱状の本体41と、この本体41の上端部の外周面から突出して設けられた鍔部42と、この鍔部42から本体41に直交する方向に延びて形成された取っ手43とを備える。台座21の治具挿通孔21bに上方から本体41が挿し通された状態において、鍔部42は治具挿通孔21bの周囲の台座21の上面に当接することによって、棒状治具40の本体41は治具挿通孔21bの貫通方向に沿って延びた姿勢に安定するようになっている。また、鍔部42および取っ手43が治具挿通孔21bの台座21の上面に当接することによって、棒状治具40が治具挿通孔21bから抜け落ちないようになっている。
【0027】
防振ゴムの取付構造20に対してボルト25を締める作業を行う場合には、ナット26に把持工具としてのスパナ50を装着するとともに台座の治具挿通孔21bに所定の棒状治具40を挿通する。そして棒状治具40をボルト25の回転方向と対向する側となるスパナ50の側面に当接させることでボルト25を締める際、ボルト25の回転に伴うナット26の回転が棒状治具40によって阻止されるので、作業員はナット26に装着されたスパナ50をその位置に保持するのみで、ナット26の回転方向と逆方向に力を掛ける必要がなく、ボルト25を締める作業を行いやすい。
【0028】
なお、台座21の強度を確保できるのであれば、治具挿通孔21bの替わりに切欠きであってもよい。
【0029】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る防振ゴムの取付構造を図10〜図12を用いて説明する。
【0030】
図11に示すように、第2実施形態に係る防振ゴムの取付構造60は、保持手段70を備える。この保持手段70は、第1実施形態における保持手段22の第2当接部材24とは異なる第2当接部材71を備える。第2実施形態に係る防振ゴムの取付構造60の構成は、保持手段70を備える点で第1実施形態に係る防振ゴムの取付構造20とは構成が異なり、その点以外の構成は第1実施形態に係る防振ゴムの取付構造20と同じである。
【0031】
図10,図11に示すように、第2当接部材71は、円筒部24bが突出した側とは反対側の円板部24aの面に溶接により固着されたナットから成る雌ねじ部72と、円筒部24bの外周面に突出して設けられた係合部73とを備える。雌ねじ部72は、円板部24aに形成された挿通孔24a1と同軸上に位置し、ボルト25に螺合されるものである。係合部73には、図11に示すように、第1実施形態における棒状治具40とは異なる棒状治具80が係合されるU字状の係合溝73aが形成されている。係合溝73aの幅寸法はGに設定されていて、係合溝73aの深さ寸法は幅寸法Gよりも長いDに設定されている。この係合溝73aは、ボルト25を雌ねじ部72に螺合する際のボルトの締結方向に開口するように設けられる。
【0032】
図12に示すように、第2実施形態における棒状治具80は、第1実施形態における棒状治具40とは異なる形状の本体81を備える。この本体81は、図12(b)〜(c)に示すように、台座21の治具挿通孔21bを貫通して配置される大径部81aと、大径部81aの下端に一体に設けられて大径部81aよりも径寸法の短く形成された小径部81bと、この小径部81bの下端に一体に設けられ取っ手43と同じ方向に延びて形成されたフック部81cとを備える。大径部81aの径寸法L1は、係合溝73aの幅寸法Gよりも長い径寸法に設定されている。小径部81bの径寸法L2は、係合溝73aの幅寸法Gよりも短い径寸法L2に設定されている。フック部81cの幅寸法Wは係合溝73aの幅寸法Gよりも短い寸法、例えば小径部81bの径寸法L2と同じ寸法に設定されていて、フック部81cの長さ寸法L3は係合溝73aの幅寸法Gよりも長く設定されている。また、鍔部43の下面から小径部81bまでの長さは、図10に示す第2当接部材71の取り付け状態における台座10の上面から係合部73までの長さとほぼ同寸法に設定されている。
【0033】
防振ゴムの取付構造60に対してボルト25を締める作業を行う場合には、はじめに、台座21の治具挿通孔21bに棒状治具80の本体81を挿入する。この際、フック部81cの長さ方向と係合溝73aの深さ方向とが一致するように向きを調整して、フック部81cが係合部73の係合溝73aを通過するように挿通するとともに、棒状治具80の鍔部42の下面が治具挿通孔21bの周囲に位置する台座21の上面に当接するまで挿通させる。この状態では、小径部81bが係合部73の係合溝73aの位置に配置される。そして、この棒状治具80が治具挿通孔21bに挿入された状態において、棒状治具80の取っ手43を本体81の周方向に回転させて、係合部73の下面にフック部81cの上面を対向させる。つまり、フック部81cが係合部73に係止されて棒状治具80の上方向の移動が阻止される状態にする。このように防振ゴムの取付構造60に対し棒状治具80が配置された状態において、棒状治具80の本体81のボルト25の締まる回転方向への移動は治具挿通孔21bの内周面によって阻止され、その棒状治具80の本体81によって係合部73のボルト25の締まる回転方向への移動は阻止される。つまり、ボルト25の締まる方向への第2当接部材71の回転が阻止される。この結果、作業者は、第2当接部材71の回転方向と逆方向に力を掛ける必要がなく、また、第1実施形態において用いられるスパナ50を用いる必要がなく、第2当接部材71を下方から保持することができ、作業性が向上する。
【0034】
なお、第2実施形態に係る防振ゴムの取付構造60において、第2当接部材71は係合溝73aが設けられた係合部73を備えるものであり、この係合部73に対して棒状治具80が適用されていた。これにより、棒状治具80が治具挿通孔21bに挿し通された状態において上方向に移動することを規制することができるという効果を得られるが、この効果が不要な場合には、係合部73に係合溝がなく、この係合部に対して第1実施形態における棒状治具40が適用されてもよい。
【0035】
前述の第1,第2実施形態に係る防振ゴムの取付構造は、油圧ショベル1のエンジンの設置箇所に適用されたものであったが、本発明に係る防振ゴムの取付構造の適用箇所は、油圧ショベル1のエンジンの設置箇所以外であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 旋回フレーム
11 台脚
11,12 防振ゴム
11a,12a 挿通孔
11b,12b 位置決め部
20 防振ゴムの取付構造
21 台座
21a 取付孔
21b 治具挿通孔
22 保持手段
23 第1当接部材
23a 円板部
23a1 挿通孔
23b 円筒部
24 第2当接部材
24a 円板部
24a1 挿通孔
24b 円筒部
25 ボルト
26 ナット
30 ブラケット
40 棒状治具
41 本体
42 鍔部
43 取っ手
50 スパナ

60 防振ゴムの取付構造
70 保持手段
71 第2当接部材
72 雌ねじ部
73 係合部
73a 係合溝
80 棒状治具
81 本体
81a 大径部
81b 小径部
81c フック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1対の防振ゴムに上下から挟まれて位置する台座と、この台座が前記1対の防振ゴムに挟まれた状態を保持する保持手段とを備え、前記保持手段は、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの一方を挟んで位置する第1当接部材と、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの他方を挟んで位置する第2当接部材と、前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座、前記他方の防振ゴムおよび前記第2当接部材に挿し通されたボルトと、前記第2当接部材から突出した前記ボルトの箇所に螺合するナットとを備え、前記ボルトと前記ナットにより前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座、前記他方の防振ゴムおよび前記第2当接部材を共締めする防振ゴムの取付構造であって、
前記台座には、前記1対の防振ゴムの近傍であって、前記ボルトを前記ナットに螺合する際に、前記ナットを把持する把持工具の回転方向の移動を阻止する所定の棒状治具を挿通可能な治具挿通孔を備えることを特徴とする防振ゴムの取付構造。
【請求項2】
1対の防振ゴムに上下から挟まれて位置する台座と、この台座が前記1対の防振ゴムに挟まれた状態を保持する保持手段とを備え、前記保持手段は、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの一方を挟んで位置する第1当接部材と、前記台座との間で前記1対の防振ゴムの他方を挟んで位置する第2当接部材と、前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座および前記他方の防振ゴムに挿し通されたボルトとを備え、前記第2当接部材は前記他方の防振ゴムから突出した前記ボルトの箇所が螺合する雌ねじ部を備え、前記ボルトと前記第2当接部材により前記第1当接部材、前記一方の防振ゴム、前記台座、前記他方の防振ゴムを共締めする防振ゴムの取付構造であって、
前記台座には、前記1対の防振ゴムの近傍であって、前記ボルトを前記第2当接部材の雌ねじ部に螺合する際に、前記第2当接部材の回転方向の移動を阻止する所定の棒状治具を挿通可能な治具挿通孔を設け、
前記第2当接部材は、前記治具挿通孔に挿通された前記棒状治具に係合する係合部を備え、前記治具挿通孔に挿通された前記棒状治具が前記係合部に係合されることによって、前記第2当接部材のボルトの締まる方向への回転を阻止する
ことを特徴とする防振ゴムの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−225368(P2012−225368A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−91370(P2011−91370)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】