説明

電気光学装置および電子機器

【課題】配線間の短絡等を発生させずに、複数の配線が並列する配線領域の幅寸法を狭めることのできる電気光学装置、および電子機器を提供すること。
【解決手段】電気光学装置100では、素子基板10の辺10eと画素電極配列領域10pとの間で複数の配線105が並列する配線領域11は、一部の配線105と他の配線105とが異なる層に位置する第2配線領域11bとを備えており、かかる第2配線領域11bでは、異なる層に位置する配線105の間に平面視で広い隙間を設けなくても短絡等の問題が発生しない。このため、第2配線領域11bについては、配線105間の短絡等を発生させず、幅方向の寸法を第1配線領域11aより狭くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の配線が並列して延在する配線領域を基板上に備えた電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶装置等の電気光学装置では、基板の一方面側に複数の画素電極が配列された画素電極配列領域が設けられており、かかる画素電極配列領域と基板の端部との間を利用して配線が設けられている。例えば、相展開駆動方式が採用された電気光学装置では、画素電極配列領域と基板の端部に複数本の画像信号線が並列して設けられており、画像信号線によって供給された画像信号は、データ線駆動回路によって所定のタイミングで画像表示領域のデータ線に供給される。
【0003】
かかる複数の配線については、同一の層に設けた導電膜により構成される他、異なる層に設けた導電膜によって構成される場合もある。後者の構造は、例えば、交差する方向に延在する配線同士の短絡を防止する場合や、冗長配線を設ける場合に採用されている(特許文献1、2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−219496号公報
【特許文献2】特開2011−191772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶装置等の電気光学装置において、画素電極配列領域を狭めずに電気光学装置を小型化する場合や、電気光学装置を大型化せずに画像電極配列領域を広げるには、基板において画素電極配列領域より外側の領域を狭める必要があり、それには、複数の配線が並列している配線領域の幅寸法を狭める必要がある。しかしながら、配線の幅寸法を狭めることにより配線領域の幅寸法を狭めると、配線抵抗が増大する一方、配線の間隔を狭めると、配線間の短絡や配線相互の電気的な影響等が発生するという問題点がある。
【0006】
そこで、本発明者は、並列して延在する複数の配線を異なる層に設けることによって配線領域の幅寸法を狭めることを提案するものであるが、かかる目的で多層配線を用いることは、上記の先行技術文献に一切記載されていない。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、配線間の短絡等を発生させずに、複数の配線が並列する配線領域の幅寸法を狭めることのできる電気光学装置、および当該電気光学装置を備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置は、基板の一方面側に、複数の画素電極が配列された画素電極配列領域と、前記基板の端部と前記画素電極配列領域との間で複数の配線が並列する配線領域と、を有する電気光学装置において、前記配線領域は、前記複数の配線がいずれも同一の層に位置する第1配線領域と、前記複数の配線のうち、複数の一部の配線と複数の他の配線とが異なる層に位置し、前記複数の配線の延在方向と直交する幅方向における寸法が前記第1配線領域より狭い第2配線領域と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、基板の端部と画素電極配列領域との間で複数の配線が並列する配線領域は、複数の配線がいずれも同一の層に位置する第1配線領域と、複数の配線のうちの一部の配線と他の配線とが異なる層に位置する第2配線領域とを備えており、第2配線領域では、異なる層に位置する配線の間に平面視で広い隙間を設けなくても短絡等の問題が発生しない。このため、第2配線領域においては、配線間隔を狭めることができるので、第2配線領域については、幅方向の寸法を第1配線領域より狭くすることができる。従って、スペース的に余裕のない領域を第2配線領域とすれば、配線の幅寸法を狭めた構成や同一の層で配線間隔を狭めた構成を採用しなくても、配線領域が占有する面積を効果的に狭めることができる。それ故、画素電極配列領域を狭めずに電気光学装置を小型化することができるとともに、電気光学装置を大型化せずに画像電極配列領域を広げることができる。
【0010】
本発明において、前記第1配線領域では、前記複数の配線が前記基板の前記端部に対して交差する方向に延在し、前記第2配線領域では、前記複数の配線が前記基板の前記端部の延在方向に対して平行な方向に延在している構成を採用することができる。かかる構成によれば、配線が基板の端部の延在方向に対して平行に延在している領域の幅寸法を狭くすることができるので、画素電極配列領域と基板の端部との間隔を狭めることができる。
【0011】
本発明において、前記基板の一方面側に、前記画素電極配列領域と前記基板の前記端部との間に駆動回路が設けられ、前記第2配線領域は、前記基板の前記端部と前記駆動回路との間、および前記駆動回路と前記画素電極配列領域との間のうちの少なくとも一方に設けられている構成を採用することができる。かかる構成によれば、画素電極配列領域と基板の端部との間に駆動回路が設けられている場合でも、画像表示領域と基板の端部との間隔を狭めることができる。
【0012】
本発明において、前記複数の配線は各々、前記駆動回路によって規定されたタイミングで前記画素電極配列領域のデータ線に画像信号を供給する画像信号線である構成を採用することができる。相展開駆動を行う場合には、画像信号線を多数設ける必要があるので、配線領域の幅寸法が広くなる分、本発明を適用した効果が顕著である。
【0013】
本発明において、前記一部の配線と前記他の配線とが平面視で重なっている構成を採用することができる。かかる構成によれば、一部の配線および他の配線のうち、基板と反対側に位置する配線が基板側に位置する配線に起因する凹凸上に形成されないので、配線の段差切れ等を防止することができる。また、一部の配線と他の配線との間に容量が寄生することを防止することができる。
【0014】
この場合、前記一部の配線において前記第2配線領域で隣り合うように形成された2本の配線には、一方の配線から他方の配線に向けて突出した突部と、他方の配線から一方の配線に向けて突出した突部とが前記配線の延在方向で異なる位置に形成され、前記一方の配線の前記突部、および前記他方の配線の前記突部の各々には、前記他の配線に対して前記一部の配線層とは反対側に位置する導電膜が絶縁膜のコンタクトホールを介して導通していることが好ましい。第2配線領域においてコンタクトホールを介して電気的接続する際、突部を設けるが、同一の層で隣り合うように形成された2本の配線において、一方の配線から他方の配線に向けて突出した突部と、他方の配線から一方の配線に向けて突出した突部とを配線の延在方向で異なる位置に設ければ、突部同士の短絡を防止することができるとともに、突部を設けることに起因する配線の間隔を狭くすることができる。
【0015】
本発明において、前記第2配線領域では、前記一部の配線が前記他の配線で挟まれた領域と平面視で重なっている構成を採用してもよい。かかる構成によれば、一部の配線に起因する凹凸と、他の配線に起因する凹凸とが相殺されるので、配線に対して基板とは反対側の表面に大きな凹凸が発生しにくいという利点がある。
【0016】
本発明では、前記第2配線領域において、前記一部の配線および前記他の配線のうちの一方は第1導電膜により形成され、他方は前記第1導電膜と前記基板との間の層に位置する第2導電膜により形成され、前記第1配線領域において、前記複数の配線は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のいずれとも異なる層に位置する第3導電膜によって形成されている構成を採用することができる。
【0017】
この場合、前記第3導電膜は、前記第1導電膜と前記2導電膜との間の層に形成されていることが好ましい。かかる構成によれば、第1導電膜により形成されている配線と第3導電膜により形成されている配線とを電気的に接続するコンタクトホール、および第2導電膜により形成されている配線と第3導電膜により形成されている配線とを電気的に接続するコンタクトホールのいずれについても、過剰に深いコンタクトホールとなることを回避することができる。また、第1導電膜により形成されている配線と第2導電膜により形成されている配線とが平面視で重なっている場合でも、かかる領域に、第1導電膜により形成されている配線と第3導電膜により形成されている配線とを電気的に接続するコンタクトホール、および第2導電膜により形成されている配線と第3導電膜により形成されている配線とを電気的に接続するコンタクトホールを設けることができる。
【0018】
本発明において、前記第2配線領域において、前記一部の配線および前記他の配線のうちの一方は第1導電膜により形成され、他方は、前記第1導電膜と前記基板との間の層に位置する第2導電膜により形成され、前記第1配線領域において、前記複数の配線は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの一方の導電膜によって形成されている構成を採用してもよい。
【0019】
本発明は以下のように規定することもできる。すなわち、本発明に係る電気光学装置は、基板と、前記基板の一方面側で画像表示領域に設けられた第1データ線と、前記第1データ線に隣り合う第2データ線と、前記基板の第1辺と前記画像表示領域との間に設けられ、前記第1データ線に供給する信号を入力するための第1端子と、前記第1端子に隣り合うように第1方向側に配置され、前記第2データ線に供給する信号を入力するための第2端子と、前記第1端子から前記第1データ線へ信号を供給するための第1信号線と、前記第2端子から前記第2データ線へ信号を供給するための第2信号線と、を含み、前記第1信号線は、前記第1端子と電気的に接続され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って設けられた第1部分と、前記第1部分と電気的に接続され、前記第1方向に沿って設けられた第2部分と、前記第2部分と電気的に接続され、前記第2方向に沿って、前記第1部分より前記画像表示領域側に設けられた第3部分と、を備え、前記第2信号線は、前記第2端子と電気的に接続され、前記第1部分と隣り合う位置で前記第1部分と同一の層に設けられた第4部分と、前記第4部分と電気的に接続され、前記第2部分と異なる層に設けられた第5部分と、前記第3部分と隣り合い、前記第3部分と同一の層に設けられた第6部分と、を備え、平面視で、前記第2部分と前記第5部分との距離は、前記第1部分と前記第4部分との距離、および前記第3部分と前記第6部分との距離より小さいことを特徴とする。
【0020】
本発明では、配線同士が第1方向で隣り合う個所では配線が同一の層に設けられ、配線同士が第2方向で隣り合う個所では、配線が異なる層に設けられているため、第2方向で隣り合う配線同士の距離(第2部分と第5部分との距離)を狭めても、短絡等の問題が発生しない。このため、第2方向においては、配線間隔を狭めることができる。従って、スペース的に余裕のない領域に第2部分および第5部分を設ければ、配線の幅寸法を狭めた構成や同一の層で配線間隔を狭めた構成を採用しなくても、配線領域が占有する面積を効果的に狭めることができる。それ故、画素電極配列領域を狭めずに電気光学装置を小型化することができるとともに、電気光学装置を大型化せずに画像電極配列領域を広げることができる。
【0021】
本発明に係る電気光学装置は、携帯電話機やモバイルコンピューター、投射型表示装置等の電子機器に用いることができる。これらの電子機器のうち、投射型表示装置は、電気光学装置(液晶装置)に光を供給するための光源部と、前記電気光学装置によって光変調された光を投射する投射光学系とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の液晶パネルの説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の素子基板の電気的構成を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の画素の説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の配線領域の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の配線領域を配線に沿って切断したときの断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の配線領域を横切る方向で切断したときの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の配線領域の平面図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の配線領域を配線に沿って切断したときの断面図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係る電気光学装置の配線領域を横切る方向で切断したときの断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の配線領域の平面図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の配線領域を配線に沿って切断したときの断面図である。
【図12】本発明の実施の形態3に係る電気光学装置の配線領域を横切る方向で切断したときの断面図である。
【図13】本発明の実施の形態4に係る電気光学装置の配線領域の平面図である。
【図14】本発明の実施の形態4に係る電気光学装置の配線領域を配線に沿って切断したときの断面図である。
【図15】発明の実施の形態4に係る電気光学装置の第2配線領域において、偶数番目の画像信号線を構成する第2導電膜の平面図である。
【図16】本発明の実施の形態5に係る電気光学装置の配線領域の平面図である。
【図17】本発明の実施の形態5に係る電気光学装置の配線領域を配線に沿って切断したときの断面図である。
【図18】本発明の実施の形態6に係る電気光学装置の配線領域の平面図である。
【図19】本発明の実施の形態6に係る電気光学装置の配線領域を配線に沿って切断したときの断面図である。
【図20】本発明の実施の形態6に係る電気光学装置の配線領域を横切る方向で切断したときの断面図である。
【図21】本発明を適用した投射型表示装置(電子機器)および光学ユニットの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態として、代表的な電気光学装置である液晶装置を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明で参照する図においては、走査線、データ線、信号線等の配線等については、それらの数を少なく表してある。
【0024】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置の液晶パネルの説明図であり、図1(a)、(b)は各々、液晶パネルを各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図、およびそのH−H′断面図である。
【0025】
図1(a)、(b)に示すように、本形態の電気光学装置100は、液晶装置であり、液晶パネル100pを有している。液晶パネル100pでは、素子基板10(電気光学装置用基板)と対向基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされており、シール材107は対向基板20の外縁に沿うように枠状に設けられている。シール材107は、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバーあるいはガラスビーズ等のギャップ材107aが配合されている。液晶パネル100pにおいて、素子基板10と対向基板20との間のうち、シール材107によって囲まれた領域内には、各種液晶材料(電気光学物質)からなる液晶層50(電気光学物質層)が設けられている。本形態において、シール材107には、液晶注入口107cとして利用される途切れ部分が形成されており、かかる液晶注入口107cは、液晶材料の注入後、封止材107dによって封止されている。
【0026】
かかる構成の液晶パネル100pにおいて、素子基板10および対向基板20はいずれも四角形であり、素子基板10は、Y方向(第2方向)で対向する2つの辺10e、10f(端部)と、X方向(第1方向)で対向する2つの辺10g、10h(端部)とを備えている。液晶パネル100pの略中央には、画像表示領域10aが四角形の領域として設けられており、かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられている。画像表示領域10aの外側は、四角枠状の外周領域10cになっている。
【0027】
素子基板10において、外周領域10cでは、素子基板10においてY軸方向の一方側に位置する辺10eに沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成されており、この辺10eに隣接する他の辺10g、10hの各々に沿って走査線駆動回路104が形成されている。なお、端子102には、フレキシブル配線基板(図示せず)が接続されており、素子基板10には、フレキシブル配線基板を介して外部制御回路から各種電位や各種信号が入力される。
【0028】
図3等を参照して詳しくは後述するが、素子基板10の一方面10sおよび他方面10tのうち、対向基板20と対向する一方面10sの側において、画像表示領域10aには、画素電極9aや、図2等を参照して後述する画素トランジスター30等がマトリクス状に配列されている。従って、画像表示領域10aは、画素電極9aがマトリクス状に配列された画素電極配列領域10pとして構成されている。かかる構成の素子基板10において、画素電極9aの上層側には配向膜16が形成されている。
【0029】
素子基板10の一方面10sの側において、画像表示領域10aより外側の外周領域10cのうち、画像表示領域10aとシール材107とに挟まれた四角枠状の周辺領域10bには、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。ダミー画素電極9bは、隣り合うダミー画素電極9b同士が細幅の連結部(図示せず)で繋がっている。また、ダミー画素電極9bは、共通電位Vcomが印加されており、画像表示領域10aの外周側端部での液晶分子の配向の乱れを防止する。また、ダミー画素電極9bは、素子基板10において配向膜16が形成される面を研磨により平坦化する際、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。なお、ダミー画素電極9bに電位を印加せず、ダミー画素電極9bを電位的にフロート状態とする場合もあり、この場合でも、ダミー画素電極9bは、画像表示領域10aと周辺領域10bとの高さ位置の差を圧縮し、配向膜16が形成される面を平坦面にするのに寄与する。
【0030】
対向基板20の一方面20sおよび他方面20tのうち、素子基板10と対向する一方面20sの側には共通電極21が形成されている。共通電極21は、対向基板20の略全面あるいは複数の帯状電極として複数の画素100aに跨って形成されている。本形態において、共通電極21は、対向基板20の略全面に形成されている。
【0031】
対向基板20の一方面20sの側には、共通電極21の下層側に遮光層29が形成され、共通電極21の表面には配向膜26が積層されている。遮光層29は、画像表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁部分29aとして形成されており、遮光層29の内周縁によって画像表示領域10aが規定されている。また、遮光層29は、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に重なるブラックマトリクス部29bとしても形成されている。額縁部分29aはダミー画素電極9bと重なる位置に形成されており、額縁部分29aの外周縁は、シール材107の内周縁との間に隙間を隔てた位置にある。従って、額縁部分29aとシール材107とは重なっていない。
【0032】
液晶パネル100pにおいて、シール材107より外側には、対向基板20の一方面20sの側の4つの角部分に基板間導通用電極25が形成されており、素子基板10の一方面10sの側には、対向基板20の4つの角部分(基板間導通用電極25)と対向する位置に基板間導通用電極19が形成されている。本形態において、基板間導通用電極25は、共通電極21の一部からなる。基板間導通用電極19には、共通電位Vcomが印加されている。基板間導通用電極19と基板間導通用電極25との間には、導電粒子を含んだ基板間導通材19aが配置されており、対向基板20の共通電極21は、基板間導通用電極19、基板間導通材19aおよび基板間導通用電極25を介して、素子基板10側に電気的に接続されている。このため、共通電極21は、素子基板10の側から共通電位Vcomが印加されている。シール材107は、略同一の幅寸法をもって対向基板20の外周縁に沿って設けられているが、対向基板20の角部分と重なる領域では基板間導通用電極19、25を避けて内側を通るように設けられている。
【0033】
本形態において、電気光学装置100は透過型の液晶装置であり、画素電極9aおよび共通電極21は、ITO(Indium Tin Oxide)膜やIZO(Indium Zinc Oxide)膜等の透光性導電膜により形成されている。かかる透過型の液晶装置(電気光学装置100)では、例えば、対向基板20の側から入射した光が素子基板10の側から出射される間に変調されて画像を表示する。また、電気光学装置100が反射型の液晶装置である場合、共通電極21は、ITO膜やIZO膜等の透光性導電膜により形成され、画素電極9aは、アルミニウム膜等の反射性導電膜により形成される。かかる反射型の液晶装置(電気光学装置100)では、素子基板10および対向基板20のうち、対向基板20の側から入射した光が素子基板10で反射して出射される間に変調されて画像を表示する。
【0034】
電気光学装置100は、モバイルコンピューター、携帯電話機等といった電子機器のカラー表示装置として用いることができ、この場合、対向基板20には、カラーフィルター(図示せず)が形成される。また、電気光学装置100は、電子ペーパーとして用いることできる。また、電気光学装置100では、使用する液晶層50の種類や、ノーマリホワイトモード/ノーマリブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板等が液晶パネル100pに対して所定の向きに配置される。さらに、電気光学装置100は、後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)において、RGB用のライトバルブとして用いることができる。この場合、RGB用の各電気光学装置100の各々には、RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになるので、カラーフィルターは形成されない。
【0035】
(素子基板10の電気的構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の素子基板10の電気的構成を示す説明図であり、図2(a)、(b)は、素子基板10の回路や配線の平面的なレイアウトを示す説明図、および画素の電気的構成を示す説明図である。なお、以下の説明において、端子102を介して素子基板10に入力される信号名称と信号用の配線とは、同一のアルファベット記号を信号および配線Lの後に各々付与する。例えば、信号名称である「クロック信号CLX」に対して、対応する信号用の配線について「クロック信号線LCLX」とする。また、以下の説明において、端子102を介して素子基板10に入力される信号名称と信号用の端子とは、同一のアルファベット記号を信号および端子Tの後に各々付与する。例えば、信号名称である「クロック信号CLX」に対して、対応する端子102については「端子TCLX」とする。
【0036】
図2(a)、(b)に示すように、電気光学装置100において、素子基板10の中央領域には複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素電極配列領域10pが設けられており、かかる画素電極配列領域10pのうち、図1(b)に示す額縁部分29aの内縁で囲まれた領域が画像表示領域10aである。素子基板10では、画素電極配列領域10pの内側に、X方向に延在する複数本の走査線3aと、Y方向に延在する複数本のデータ線6aとが形成されており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、TFT等からなる画素トランジスター30(スイッチング素子)、および画素電極9aが形成されている。画素トランジスター30のソースにはデータ線6aが電気的に接続され、画素トランジスター30のゲートには走査線3aが電気的に接続され、画素トランジスター30のドレインには、画素電極9aが電気的に接続されている。
【0037】
素子基板10において、画素電極配列領域10pより外側の外周領域10cには、走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路103、基板間導通用電極19、端子102等が構成されており、端子102から走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路103、および基板間導通用電極19に向けて複数の配線105が延在している。サンプリング回路103は複数本のデータ線6aに電気的に接続しており、走査線駆動回路104は、複数本の走査線3aに電気的に接続している。
【0038】
各画素100aにおいて、画素電極9aは、図1を参照して説明した対向基板20に形成された共通電極21と液晶層50を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号の変動を防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量55が付加されている。本形態では、保持容量55を構成するために、複数の画素100aに跨って走査線3aと並行して延びた容量線5aが形成され、かかる容量線5aには電位Vcomが印加されている。なお、電位Vcomとしては、共通電極21に印加される共通電位と同一電位を用いることができる。
【0039】
素子基板10の辺10eに沿って設けられた端子102は、共通電位線用、走査線駆動回路用、画像信号用、およびデータ線駆動回路用の4つの用途に大きく分類される複数の端子群により構成されている。具体的には、端子102は、共通電位線LVcom用として端子TVcomを備え、走査線駆動回路104用として端子TSPY、端子TVSSY、端子TVDDY、端子TCLYおよび端子TCLYINVを備えている。また、端子102は、画像信号VID1〜VID6用として端子TVID1〜TVID6を備え、データ線駆動回路101用として、端子TVSSX、端子TSPX、端子TVDDX、端子TCLX、端子TCLXINV、端子TENB1〜TENB4、および端子TVSSXを備えている。
【0040】
データ線駆動回路101は、シフトレジスタ回路101c、波形選択回路101b、およびバッファー回路101aを備えている。データ線駆動回路101において、シフトレジスタ回路101cは、外部制御回路から端子102(端子TVSSX、TVDDX)および配線105(配線LVSSX、LVDDX)を介して供給される負電源VSSXおよび正電源VDDXを電源として用い、外部制御回路から端子102(端子TSPX)および配線105(配線LSPX)を介して供給されるスタート信号SPXに基づいて転送動作を開始する。シフトレジスタ回路101cは、端子102(端子TCLX、TCLXINV)、および配線105(配線LCLX、LCLXINV)を介して供給されるクロック信号CLXおよび逆位相クロック信号CLXINVに基づき、転送信号を順次、所定タイミングで波形選択回路101bへ出力する。波形選択回路101bは、「イネーブル回路」とも称され、シフトレジスタ回路101cから順次出力される転送信号のパルス幅を、外部制御回路から端子102(端子TENB1〜TENB4)および配線105(配線LENB1〜LENB4)を介して供給されるイネーブル信号ENB1〜ENB4のパルス幅に制限することにより、後述のサンプリング回路103における各サンプリング期間を規定する。より具体的には、波形選択回路101bは、シフトレジスタ回路101cの各段に対応して設けられたNAND回路およびインバーター等により構成されており、シフトレジスタ回路101cより順次出力される転送信号がハイレベルとされており、かつ、イネーブル信号ENB1〜ENB4のいずれかがハイレベルとされているときにのみデータ線6aが駆動されるように時間軸上における波形の選択制御を行う。バッファー回路101aは、このように波形の選択が行われた転送信号をバッファリングした後、サンプリング回路駆動信号として、サンプリング回路駆動信号線109を介してサンプリング回路103に供給する。
【0041】
サンプリング回路103は、画像信号をサンプリングするためのスイッチング素子108を複数備えて構成されている。本形態において、スイッチング素子108は、TFT等の電界効果型トランジスターからなる。スイッチング素子108のドレインには、データ線6aが電気的に接続され、スイッチング素子108のソースには、配線106を介して配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)が接続されるとともに、スイッチング素子108のゲートには、データ線駆動回路101に接続されたサンプリング回路駆動信号線109が接続されている。そして、端子102(端子TVID1〜VID6)を介して配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)に供給された画像信号VID1〜VID6は、データ線駆動回路101からサンプリング回路駆動信号線109を通じてサンプリング回路駆動信号が供給されるのに応じ、サンプリング回路103によりサンプリングされ、各データ線6aに画像信号S1、S2、S3、・・Snとして供給される。本形態において、画像信号S1、S2、S3、・・Snは、6相にシリアル−パラレル展開された画像信号VID1〜VID6の各々に対応して、6本のデータ線6aの組に対してグループ毎に供給される。なお、画像信号の相展開数に関しては、6相に限られるものでなく、例えば、9相、12相、24相、48相等、複数相に展開された画像信号が、その展開数に対応した数を一組としたデータ線6aの組に対して供給される。
【0042】
走査線駆動回路104は、構成要素としてシフトレジスタ回路およびバッファー回路を備えている。走査線駆動回路104は、外部制御回路から端子102(端子TVSSY、TVDDY)および配線105(配線LVSSY、LVDDY)を介して供給される負電源VSSYおよび正電源VDDYを電源として用い、同じく外部制御回路から端子102(端子TSPY)および配線105(端子TSPY)を介して供給されるスタート信号SPYに応じて、その内蔵シフトレジスタ回路の転送動作を開始する。また、走査線駆動回路104は、端子102(端子TCLY、TCLYINV)および配線105(配線LCLY、LCLYINV)を介して供給されるクロック信号CLYおよび逆位相クロック信号CLYINVに基づいて、所定のタイミングで走査線3aに走査信号をパルス的に線順次で印加する。
【0043】
素子基板10には、4つの基板間導通用電極19を通過するように配線105(共通電位線LVcom)が形成されており、基板間導通用電極19には、端子102(端子TVcom)および配線105(共通電位線LVcom)を介して共通電位Vcomが供給される。
【0044】
(画素100pの具体的構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の画素100aの説明図であり、図3(a)、(b)は、素子基板10において隣り合う複数の画素の平面図、および電気光学装置100のF−F′断面図である。なお、図3(a)では、各層を以下の線
下層側の遮光層8a=細くて長い破線
半導体層1a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5a=太い一点鎖線
上層側の遮光層7aおよび中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
で示してある。また、図3(a)では、互いの端部が平面視で重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
【0045】
図3(a)に示すように、素子基板10において対向基板20と対向する一方面10sには、複数の画素100aの各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。本形態において、画素間領域は縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域のうち、X方向に延在する第1画素間領域に沿って直線的に延在し、データ線6aは、Y方向に延在する第2画素間領域に沿って直線的に延在している。また、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して画素トランジスター30が形成されており、本形態において、画素トランジスター30は、データ線6aと走査線3aとの交差領域およびその付近を利用して形成されている。素子基板10には容量線5aが形成されており、かかる容量線5aには共通電位Vcomが印加されている。本形態において、容量線5aは、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。画素トランジスター30の上層側には遮光層7aが形成されており、かかる遮光層7aは、データ線6aに重なるように延在している。画素トランジスター30の下層側には遮光層8aが形成されており、かかる遮光層8aは、走査線3aと重なるように直線的に延びた主線部分と、データ線6aと走査線3aとの交差部分でデータ線6aに重なるように延びた副線部分とを備えている。
【0046】
図3(b)に示すように、素子基板10は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体10wの液晶層50側の基板面(対向基板20と対向する一方面10s側)に形成された画素電極9a、画素スイッチング用の画素トランジスター30、および配向膜16を主体として構成されている。対向基板20は、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w、その液晶層50側の表面(素子基板10と対向する一方面20s)に形成された遮光層29、共通電極21、および配向膜26を主体として構成されている。
【0047】
素子基板10において、基板本体10wの一方面10s側には、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる下層側の遮光層8aが形成されている。本形態において、遮光層8aは、タングステンシリサイド(WSi)等の遮光膜からなり、電気光学装置100を透過した後の光が他の部材で反射した際、かかる反射光が半導体層1aに入射して画素トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止する。なお、遮光層8aを走査線として構成する場合もあり、この場合、後述するゲート電極3bと遮光層8aを導通させた構成とする。
【0048】
基板本体10wの一方面10s側において、遮光層8aの上層側には、シリコン酸化膜等の透光性の絶縁膜12が形成されており、かかる絶縁膜12の表面側に、半導体層1aを備えた画素トランジスター30が形成されている。画素トランジスター30は、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けた半導体層1aと、半導体層1aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体層1aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3bとを備えており、本形態において、ゲート電極3bは走査線3aの一部からなる。画素トランジスター30は、半導体層1aとゲート電極3bとの間に透光性のゲート絶縁層2を有している。半導体層1aは、ゲート電極3bに対してゲート絶縁層2を介して対向するチャネル領域1gを備えているとともに、チャネル領域1gの両側にソース領域1bおよびドレイン領域1cを備えている。本形態において、画素トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域1bおよびドレイン領域1cは各々、チャネル領域1gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域1gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
【0049】
半導体層1aは、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)等によって構成されている。ゲート絶縁層2は、半導体層1aを熱酸化したシリコン酸化膜からなる第1ゲート絶縁層2aと、温度が700〜900℃の高温条件での減圧CVD法により形成されたシリコン酸化膜からなる第2ゲート絶縁層2bとの2層構造からなる。ゲート電極3bおよび走査線3aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ゲート電極3bは、導電性のポリシリコン膜とタングステンシリサイド膜との2層構造を有している。
【0050】
ゲート電極3bの上層側には、NSG、PSG、BSG、BPSG等のシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜41が形成され、層間絶縁膜41の上層には、ドレイン電極4aが形成されている。本形態において、層間絶縁膜41は、シリコン酸化膜からなる。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、ドレイン電極4aはチタン窒化膜からなる。ドレイン電極4aは、半導体層1aのドレイン領域1c(画素電極側ソースドレイン領域)と一部が重なるように形成されており、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール41aを介してドレイン領域1cに導通している。
【0051】
ドレイン電極4aの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性のエッチングストッパー層49、および透光性の誘電体層40が形成されており、かかる誘電体層40の上層側には容量線5aが形成されている。誘電体層40としては、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン化合物を用いることができる他、アルミニウム酸化膜、チタン酸化膜、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、ハフニウム酸化膜、ランタン酸化膜、ジルコニウム酸化膜等の高誘電率の誘電体層を用いることができる。容量線5aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線5aは、チタン窒化膜、アルミニウム膜、およびチタン窒化膜との3層構造を有している。ここで、容量線5aは、誘電体層40を介してドレイン電極4aと重なっており、保持容量55を構成している。
【0052】
容量線5aの上層側には層間絶縁膜42が形成されており、かかる層間絶縁膜42の上層側には、データ線6aと中継電極6bとが同一の導電膜により形成されている。層間絶縁膜42はシリコン酸化膜からなる。データ線6aと中継電極6bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。データ線6aは、層間絶縁膜42、エッチングストッパー層49、層間絶縁膜41およびゲート絶縁層2を貫通するコンタクトホール42aを介してソース領域1b(データ線側ソースドレイン領域)に導通している。中継電極6bは、層間絶縁膜42およびエッチングストッパー層49を貫通するコンタクトホール42bを介してドレイン電極4aに導通している。
【0053】
データ線6aおよび中継電極6bの上層側にはシリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜44が形成されており、かかる層間絶縁膜44の上層側には、遮光層7aおよび中継電極7bが同一の導電膜によって形成されている。層間絶縁膜44は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなり、その表面は平坦化されている。遮光層7aおよび中継電極7bは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、遮光層7aおよび中継電極7bは、アルミニウム合金膜や、チタン窒化膜とアルミニウム膜との2層乃至4層の積層膜からなる。中継電極7bは、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44aを介して中継電極6bに導通している。遮光層7aは、データ線6aと重なるように延在しており、遮光層として機能している。なお、遮光層7aを容量線5aと導通させて、シールド層として利用してもよい。
【0054】
遮光層7aおよび中継電極7bの上層側には、シリコン酸化膜等からなる透光性の層間絶縁膜45が形成されており、かかる層間絶縁膜45の上層側にはITO膜等からなる画素電極9aが形成されている。層間絶縁膜45には、層間絶縁膜45を貫通して中継電極7bまで到達したコンタクトホール45aが形成されており、画素電極9aは、コンタクトホール45aを介して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してドレイン領域1cに電気的に接続している。層間絶縁膜45は、例えば、テトラエトキシシランと酸素ガスとを用いたプラズマCVD法や、シランガスと亜酸化窒素ガスとを用いたプラズマCVD法等により形成したシリコン酸化膜からなる。また、層間絶縁膜45は、NSG(ノンシリケートガラス)からなる下層側の第1絶縁膜と、BSG(ボロンシリケートガラス)からなる上層側の第2絶縁膜との構造を有している場合がある。いずれの場合も、層間絶縁膜45の表面は平坦化されている。
【0055】
画素電極9aの表面側には、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜16が形成されている。本形態において、配向膜16は、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)からなる。
【0056】
(対向基板20の構成)
対向基板20では、石英基板やガラス基板等の透光性の基板本体20w(透光性基板)の液晶層50側の表面(素子基板10に対向する一方面20s)には、遮光層29、シリコン酸化膜等からなる絶縁膜28、およびITO膜等の透光性導電膜からなる共通電極21が形成されており、かかる共通電極21を覆うように、ポリイミドや無機配向膜からなる配向膜26が形成されている。本形態において、共通電極21はITO膜からなる。本形態において、配向膜26は、配向膜16と同様、SiOX(x<2)、SiO2、TiO2、MgO、Al23、In23、Sb23、Ta25等の斜方蒸着膜(傾斜垂直配向膜/無機配向膜)である。かかる配向膜16、26は、液晶層50に用いた誘電異方性が負のネマチック液晶化合物を傾斜垂直配向させ、液晶パネル100pは、ノーマリブラックのVAモードとして動作する。本形態では、配向膜16、26として、各種無機配向膜のうち、シリコン酸化膜(SiOX)の斜方蒸着膜が用いられている。
【0057】
(配線105および配線領域11の構成)
再び図2(a)において、本形態の電気光学装置100では、素子基板10の辺10e(端部)と画素電極配列領域10pとの間に、端子102、データ線駆動回路101およびサンプリング回路103がこの順に設けられ、素子基板10の辺10g(端部)と画素電極配列領域10pとの間、および素子基板10の辺10h(端部)と画素電極配列領域10pとの間に走査線駆動回路104が設けられている。このため、複数の配線105は、画素電極配列領域10pと素子基板10の辺10eとの間において、端子102から走査線駆動回路104、データ線駆動回路101、サンプリング回路103、および基板間導通用電極19に向けて延在しており、素子基板10の辺10eと画素電極配列領域10pとの間には、複数の配線105が並列して延在する配線領域11が形成されている。
【0058】
かかる配線領域11を構成するにあたって、本形態では、以下に説明する配線領域11には、複数の配線105がいずれも同一の層に位置する第1配線領域11aと、複数の配線105のうちの一部の配線105と他の配線105とが異なる層に位置する第2配線領域11bとが設けられており、スペース的に余裕にない個所は、第2配線領域11bになっている。
【0059】
より具体的には、素子基板10の辺10e(端部)と画素電極配列領域10pとの間のうち、データ線駆動回路101と辺10eとの間で配線105が辺10eに対して交差する方向に延在している領域は、複数の配線105がX方向で並列している。このため、配線領域11のうち、データ線駆動回路101と辺10eとの間で配線105が辺10eに対して交差する方向に延在している領域は、配線105の数が多くてもY方向ではスペース的な余裕があるとして、第1配線領域11a(第1配線領域11a1)になっている。
【0060】
次に、素子基板10の辺10e(端部)と画素電極配列領域10pとの間のうち、データ線駆動回路101と辺10eとの間で配線105が辺10eに対して平行な方向に延在している領域は、複数の配線105がY方向で並列している。このため、配線領域11のうち、データ線駆動回路101と辺10eとの間で配線105が辺10eに対して平行に延在している領域は、配線105の数が多いとスペース的な余裕がないとして、第2配線領域11b(第2配線領域11b1)になっている。
【0061】
次に、素子基板10の辺10e(端部)と画素電極配列領域10pとの間のうち、データ線駆動回路101と辺10gとの間で配線105が辺10eに対して交差する方向に延在している領域は、複数の配線105がX方向で並列している。このため、配線領域11のうち、データ線駆動回路101と辺10gとの間で配線105が辺10eに対して交差する方向に延在している領域は、配線105の数が多くてもY方向ではスペース的な余裕があるとして、第1配線領域11a(第1配線領域11a2)になっている。
【0062】
次に、素子基板10の辺10e(端部)と画素電極配列領域10pとの間のうち、データ線駆動回路101と画素電極配列領域10pとの間(データ線駆動回路101とサンプリング回路103との間)で配線105が辺10eに対して平行な方向に延在している領域は、複数の配線105がY方向で並列している。このため、配線領域11のうち、データ線駆動回路101と画素電極配列領域10pとの間で配線105が辺10eに対して平行に延在している領域は、配線105の数が多いとスペース的な余裕がないとして、第2配線領域11b(第2配線領域11b2)になっている。
【0063】
(第1配線領域11aおよび第2配線領域11bの構成)
図2、図4、図5および図6を参照して、配線105(画像信号線LVID1〜VID6)を例に第1配線領域11aおよび第2配線領域11bの構成を説明する。
【0064】
図4は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の配線領域11の平面図である。図5は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の配線領域11を配線105に沿って切断したときの断面図であり、図5(a)、(b)は、奇数番目の画像信号線LVID1の断面図(A1−A1″−A1′断面図)、および偶数番目の画像信号線LVID2の断面図(B1−B1″−B1′断面図)である。図6は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置100の配線領域11を横切る方向で切断したときの断面図であり、図6(a)、(b)、(c)、(d)は、第1配線領域11a1の断面図(C1−C1′断面図)、第2配線領域11b1の断面図(D1−D1′断面図)、第1配線領域11a2の断面図(E1−E1′断面図)、および第2配線領域11b2の断面図(F1−F1′断面図)である。なお、図4、および後述する図7、図10、図13、図16、図18等の平面図では、互いの端部が平面視で重なり合う層については、層の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。
【0065】
本形態の電気光学装置100では、図3を参照して説明したように、素子基板10には、遮光層8a、走査線3a、ドレイン電極4a、容量線5a、データ線6a、遮光層7a、画素電極9a等の導電膜が形成されており、かかる複数の導電膜の各々と同一の層に位置する導電膜を利用して配線105が形成されている。より具体的には、上記の複数の導電膜のうち、2種類以上の導電膜を用いれば配線105を形成することができる。
【0066】
そこで、本形態では、まず、走査線3a、容量線5a、データ線6aの各々と同一の層に形成された3種類の導電膜によって配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)を形成し、端子102を画素電極9aと同一の層の導電膜により形成した例を説明する。ここで、データ線6aと同一の層に形成された導電膜が本発明における「第1導電膜」であり、走査線3aと同一の層に形成された導電膜が本発明における「第2導電膜」であり、容量線5aと同一の層に形成された導電膜が本発明における「第3導電膜」である。また、配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)に導通する配線106を第3導電膜(容量線5aと同一の層の形成された導電膜)により構成した場合を説明する。従って、本発明における「導電膜」と本形態における「導電膜」とは、以下の対応関係にある。
第1導電膜=データ線6aと同一の層に形成された導電膜
第2導電膜=走査線3aと同一の層に形成された導電膜
第3導電膜=容量線5aと同一の層に形成された導電膜
配線106を構成する導電膜=第3導電膜
【0067】
なお、画像信号線LVID1〜LVID6のうち、奇数番目の画像信号線LVID1、LVID3、LVID5は同一の構成を有し、偶数番目の画像信号線LVID2、LVID4、LVID6は同一の構成を有している。従って、以下の説明では、奇数番目の画像信号線LVID1、LVID3、LVID5として1番目の画像信号線LVID1を中心に説明し、偶数番目の画像信号線LVID2、LVID4、LVID6として2番目の画像信号線LVID2を中心に説明する。
【0068】
図4、図5および図6に示すように、図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3cによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。かかる第2導電膜3cの端部は、層間絶縁膜45、44、42、41を貫通するコンタクトホール45cを介して、画素電極9aと同一の層に形成された端子102と導通している。
【0069】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜VID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b1において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dによって形成されている。かかる第1導電膜6dは、層間絶縁膜42、41を貫通するコンタクトホール42dを介して、第1配線領域11a1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第2導電膜3cと導通している。第2配線領域11b1において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0070】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b1において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dによって形成されている。かかる第2導電膜3dは、第1配線領域11a1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3cから一体に延在している。第2配線領域11b1において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b1は、第1配線領域11a1より幅寸法(配線105が延在している方向と直交する方向の寸法)が狭い。
【0071】
図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、容量線5aと同一の層に形成された第3導電膜5eによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第1配線領域11a2は、第1配線領域11a1と幅寸法が同等である。第3導電膜5eのうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5eは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42eを介して、第2配線領域11b1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第1導電膜6dと導通している。また、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第3導電膜5eは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41eを介して、第2配線領域11b1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3dと導通している。
【0072】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜VID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b2において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fによって形成されている。かかる第1導電膜6fは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42fを介して、第1配線領域11a2において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5eと導通している。第2配線領域11b2において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0073】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b2において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fによって形成されている。かかる第2導電膜3fは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41fを介して、第1配線領域11a2において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第3導電膜5eと導通している。第2配線領域11b2において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b2は、第2配線領域11b1と幅寸法が同等であり、第1配線領域11a(第1配線領域11a1、11a2)より幅寸法が狭い。
【0074】
このように構成した配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、第2配線領域11b2において、配線106と導通している。本形態において、配線106はいずれも、容量線5aと同一の層に形成された第3導電膜5gによって形成されている。ここで、第2配線領域11b2において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第1導電膜6fは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42gを介して、配線106を構成する第3導電膜5gと導通している。また、第2配線領域11b2において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3fは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41gを介して、配線106を構成する第3導電膜5gと導通している。
【0075】
かかる構成は、隣り合う2本の配線を以下のように定義すると、かかる2本の配線の関係で規定することができる。例えば、データ線6aのうち、画素信号S1が供給されるデータ線6aを第1データ線とし、第1データ線に隣り合う位置で画素信号S2が供給されるデータ線6aを第2データ線と定義し、端子102および配線105を以下のように定義する。
端子102(端子TVID1)=第1端子
端子102(端子TVID2)=第2端子
配線105(画像信号線LVID1)=第1信号線
配線105(画像信号線LVID2)=第2信号線
【0076】
ここで、第1端子と第2端子とはX方向(第1方向)で隣り合っている。また、第1信号線(画像信号線LVID1)は、Y方向に延在する第1部分(第2導電膜3c)、X方向に延在する第2部分(第1導電膜6d)、およびY方向に延在する第3部分(第3導電膜5e)を有し、これらの部分はこの順に導通している。これに対して、第2信号線(画像信号線LVID2)は、Y方向に延在する第4部分(第2導電膜3c)、X方向に延在する第5部分(第2導電膜3d)、およびY方向に延在する第6部分(第3導電膜5e)を有し、これらの部分はこの順に導通している。
【0077】
ここで、第1部分と第4部分とは同一の層においてX方向で隣り合うように設けられ、第3部分と第6部分とは同一の層においてX方向で隣り合うように設けられている。これに対して、第2部分と第5部分とは異なる層に設けられている。また、平面視で、第2部分と第5部分との距離は、第1部分と第4部分との距離、および第3部分と第6部分との距離より小さい。本形態において、平面視で、第2部分と第5部分とは重なっており、第2部分と第5部分との距離は、第1部分と第4部分との距離、および第3部分と第6部分との距離より小さい。
【0078】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の電気光学装置100では、素子基板10の辺10eと画素電極配列領域10pとの間で複数の配線105が並列する配線領域11は、一部の配線105と他の配線105とが異なる層に位置する第2配線領域11bとを備えており、かかる第2配線領域11bでは、異なる層に位置する配線105の間に平面視で広い隙間を設けなくても短絡等の問題が発生しない。このため、第2配線領域11bについては、配線105の間隔を狭めることができるので、幅方向の寸法を第1配線領域11aより狭くすることができる。従って、スペース的に余裕のない領域を第2配線領域11bとすれば、配線105の幅寸法を狭めた構成や同一の層で配線105の間隔を狭めた構成を採用しなくても、配線領域11が占有する面積を効果的に狭めることができる。それ故、画素電極配列領域10pを狭めずに電気光学装置100を小型化することができるとともに、電気光学装置100を大型化せずに画素電極配列領域10pを広げることができる。
【0079】
また、第2配線領域11bでは、複数の配線105が素子基板10の辺10eの延在方向に対して平行な方向に延在しているため、配線105が素子基板10の辺10eの延在方向に対して平行に延在している領域の幅寸法を狭くすることができる。特に本形態では、画素電極配列領域10pと素子基板10の辺10eとの間にデータ線駆動回路101が設けられ、第2配線領域11bは、素子基板10の辺10eとデータ線駆動回路101との間、およびデータ線駆動回路101と画素電極配列領域10pとの間の双方に設けられている。このため、画素電極配列領域10pと素子基板10の辺10eとの間にスペース的な余裕がないが、本形態によれば、多数の配線105を素子基板10の辺10eに対して平行に設けた場合でも、画素電極配列領域10pと素子基板10の辺10eとの間隔を狭めることができる。
【0080】
また、相展開駆動を行う場合には、画素電極配列領域10pと素子基板10の辺10eとの間で多数の画像信号線(画像信号線LVID1〜LVID6)を辺10eに対して平行に配置する必要があるが、本形態によれば、かかる画像信号線(画像信号線LVID1〜LVID6)を設けても、画素電極配列領域10pと素子基板10の辺10eとの間隔を狭めることができる。
【0081】
さらに、第2配線領域11bでは、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6:一部の配線)と、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5:他の配線)とが平面視で重なっている。このため、上層側の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)が下層側の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)に起因する凹凸上に形成されない。従って、上層側の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)の段差切れ等を防止することができる。
【0082】
また、第1配線領域11aのうち、第1配線領域11a2で用いた第3導電膜5eは、第2配線領域11bで用いた第1導電膜6d、6fと第2導電膜3d、3fとの間の層に形成されている。このため、第1導電膜6d、6fにより形成されている配線105と第3導電膜5eにより形成されている配線105とを電気的に接続するコンタクトホール42e、42f、および第2導電膜3d、3fにより形成されている配線105と第3導電膜5eにより形成されている配線105とを電気的に接続するコンタクトホール41e、41fのいずれについても、過剰に深いコンタクトホールとなることを回避することができる。また、第1導電膜6d、6fにより形成されている配線105と第2導電膜3d、3fにより形成されている配線105とが平面視で重なっている場合でも、かかる重なり領域に、第1導電膜6d、6fにより形成されている配線105と第3導電膜5eにより形成されている配線105とを電気的に接続するコンタクトホール42e、42fを設けることができる。また、第1導電膜6fにより形成されている配線105と第2導電膜3fにより形成されている配線105とが平面視で重なっている場合でも、かかる重なり領域に、第1導電膜6fにより形成されている配線105と第3導電膜5gにより形成されている配線106とを電気的に接続するコンタクトホール42g、および第2導電膜3fにより形成されている配線105と第3導電膜5gにより形成されている配線106とを電気的に接続するコンタクトホール41gを設けることができる。
【0083】
[実施の形態2]
図7は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置100の配線領域11の平面図である。図8は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置100の配線領域11を配線105に沿って切断したときの断面図であり、図8(a)、(b)は、奇数番目の画像信号線LVID1の断面図(A2−A2″−A2′断面図)、および偶数番目の画像信号線LVID2の断面図(B2−B2″−B2′断面図)である。図9は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置100の配線領域11を横切る方向で切断したときの断面図であり、図9(a)、(b)、(c)、(d)は、第1配線領域11a1の断面図(C2−C2′断面図)、第2配線領域11b1の断面図(D2−D2′断面図)、第1配線領域11a2の断面図(E2−E2′断面図)、および第2配線領域11b2の断面図(F2−F2′断面図)である。なお、本形態、および後述する各実施の形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して、それらの説明を省略する。
【0084】
実施の形態1では、3種類の導電膜によって配線105が構成されていたが、以下に説明するように、本形態では、2種類の導電膜によって配線105が構成されている。以下、2種類の導電膜として、走査線3aおよびデータ線6aと同一の層に位置する導電膜を利用して配線105が形成されている例を説明する。
【0085】
図7、図8および図9に示すように、図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3cによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0086】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b1において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dによって形成されている。かかる第1導電膜6dは、層間絶縁膜42、41を貫通するコンタクトホール42dを介して、第1配線領域11a1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第2導電膜3cと導通している。第2配線領域11b1において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0087】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b1において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dによって形成されている。かかる第2導電膜3dは、第1配線領域11a1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3cから一体に延在している。第2配線領域11b1において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b1は、第1配線領域11a1より幅寸法が狭い。
【0088】
図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3eによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。かかる第2導電膜3eのうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第2導電膜3eは、層間絶縁膜42、41を貫通するコンタクトホール42eを介して、第2配線領域11b1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第1導電膜6dと導通している。本形態では、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第2導電膜3eと、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3dとが短絡しないように、第1導電膜6dに突部6jを形成し、かかる突部6jと重なる位置にコンタクトホール42eが形成されている。
【0089】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3eは、第2配線領域11b1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3dから一体に延在している。
【0090】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b2において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fによって形成されている。かかる第1導電膜6fは、層間絶縁膜42、41を貫通するコンタクトホール42fを介して、第1配線領域11a2において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第2導電膜3eと導通している。本形態では、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第2導電膜3eと、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3fとが短絡しないように、第1導電膜6fに突部6kを形成し、かかる突部6kと重なる位置にコンタクトホール42fが形成されている。第2配線領域11b2において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0091】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b2において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fによって形成されている。かかる第2導電膜3fは、第1配線領域11a2において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3eから一体に延在している。第2配線領域11b2において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b2は、第2配線領域11b1と幅寸法が同等であり、第1配線領域11a(第1配線領域11a1、11a2)より幅寸法が狭い。
【0092】
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置100の配線領域11の平面図である。図11は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置100の配線領域11を配線105に沿って切断したときの断面図であり、図11(a)、(b)は、奇数番目の画像信号線LVID1の断面図(A3−A3″−A3′断面図)、および偶数番目の画像信号線LVID2の断面図(B3−B3″−B3′断面図)である。図12は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置100の配線領域11を横切る方向で切断したときの断面図であり、図12(a)、(b)、(c)、(d)は、第1配線領域11a1の断面図(C3−C3′断面図)、第2配線領域11b1の断面図(D3−D3′断面図)、第1配線領域11a2の断面図(E3−E3′断面図)、および第2配線領域11b2の断面図(F3−F3′断面図)である。
【0093】
実施の形態1では、端子102が、走査線3aと同一の層に位置する第2導電膜3cに導通していたが、本形態では、端子102が、容量線5aと同一の層に位置する導電膜5cに導通している例を説明する。
【0094】
図10、図11および図12に示すように、図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、容量線5aと同一の層に形成された第3導電膜5cによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。かかる第3導電膜5cの端部は、層間絶縁膜45、44、42を貫通するコンタクトホール45cを介して、画素電極9aと同一の層に形成された端子102と導通している。
【0095】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b1において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dによって形成されている。かかる第1導電膜6dは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42dを介して、第1配線領域11a1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5cと導通している。第2配線領域11b1において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0096】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b1において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dによって形成されている。かかる第2導電膜3dは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41dを介して、第1配線領域11a1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID3、LVID6)を構成する第3導電膜5cと導通している。第2配線領域11b1において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b1は、第1配線領域11a1より幅寸法が狭い。
【0097】
図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、容量線5aと同一の層に形成された第3導電膜5eによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。かかる第3導電膜5eのうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5eは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42eを介して、第2配線領域11b1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第1導電膜6dと導通している。また、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第3導電膜5eは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41eを介して、第2配線領域11b1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3dと導通している。
【0098】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b2において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fによって形成されている。かかる第1導電膜6fは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42fを介して、第1配線領域11a2において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5eと導通している。第2配線領域11b2において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0099】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b2において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fによって形成されている。かかる第2導電膜3fは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41fを介して、第1配線領域11a2において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第3導電膜5eと導通している。第2配線領域11b2において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b2は、第2配線領域11b1と幅寸法が同等であり、第1配線領域11a(第1配線領域11a1、11a2)より幅寸法が狭い。
【0100】
[実施の形態4]
図13は、本発明の実施の形態4に係る電気光学装置100の配線領域11の平面図である。図14は、本発明の実施の形態4に係る電気光学装置100の配線領域11を配線105に沿って切断したときの断面図であり、図14(a)、(b)は、奇数番目の画像信号線LVID1の断面図(A4−A4″−A4′断面図)、および偶数番目の画像信号線LVID2の断面図(B4−B4″−B4′断面図)である。図15は、本発明の実施の形態4に係る電気光学装置100の第2配線領域11b2において、偶数番目の画像信号線を構成する第2導電膜3fの平面図である。なお、本形態の配線105の構成は、実施の形態2と同様であるため、以下、第2配線領域11b2での配線106との接続構造を中心に説明する。
【0101】
実施の形態1〜3では、第2配線領域11b2において、データ線6aと同一の層に位置する第1導電膜6fからなる配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)、および走査線3aと同一の層に位置する第2導電膜3fからなる配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)に対して、データ線6aと走査線3aとの間の層に位置する第3導電膜5gからなる配線106が導通していた。これに対して、本形態では、図13および図14に示すように、第2配線領域11b2において、データ線6aと同一の層に位置する第1導電膜6fからなる配線105、および走査線3aと同一の層に位置する第2導電膜3fからなる配線105に対して、データ線6aに対して走査線3aとは反対側(上層側)の層に位置する第4導電膜7gからなる配線106が導通している。かかる第4導電膜7gは、図3(b)に示す遮光層7aと同一の層に位置する。
【0102】
このため、第4導電膜7gからなる配線106は、層間絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44hを介して、第1導電膜6fからなる配線105と導通している。
【0103】
ここで、第2導電膜3fからなる配線105には第1導電膜6fからなる配線105が平面視で重なっており、第2導電膜3fからなる配線105と第4導電膜7gからなる配線106との間には、第1導電膜6fからなる配線105が介在している。そこで、本形態では、第2導電膜3fからなる配線105に、第1導電膜6fからなる配線105から張り出すように突部3s、3tを形成し、かかる突部3s、3tと重なる位置で層間絶縁膜44、42、41を貫通するコンタクトホール44iによって、第2導電膜3fからなる配線105と第4導電膜7gからなる配線106とが導通している。
【0104】
本形態において、第2導電膜3fからなる配線105のうち、第2番目の配線105(画像信号線LVID2)と、第4番目の配線105(画像信号線LVID4)とは同一の層において隣り合っている。かかる隣り合う2本の配線105において、突部3sは、一方の配線105(画像信号線LVID2)から他方の配線105(画像信号線LVID4)に向けて突出し、突部3tは、他方の配線105(画像信号線LVID4)から一方の配線105(画像信号線LVID2)に向けて突出している。また、突部3sと突部3tとは、配線105の延在方向でずれた位置に設けられている。
【0105】
また、図15に示すように、第2導電膜3fからなる配線105が8本以上設けられている場合、第6番目の配線105(画像信号線LVID6)と、第8番目の配線105(画像信号線LVID8)とは同一の層において隣り合っている。この場合、突部3sは、一方の配線105(画像信号線LVID6)から他方の配線105(画像信号線LVID8)に向けて突出し、突部3tは、他方の配線105(画像信号線LVID8)から一方の配線105(画像信号線LVID6)に向けて突出している。従って、第2導電膜3fからなる配線105が8本以上設けられている場合、突部3s、3tを設けるスペースは、1つおきでよいので、第2導電膜3fからなる配線105に突部3s、3tを設けた場合でも、第2配線領域11b(第2配線領域11b2)の幅寸法を狭くすることができる。
【0106】
[実施の形態5]
図16は、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置100の配線領域11の平面図である。図17は、本発明の実施の形態5に係る電気光学装置100の配線領域11を配線105に沿って切断したときの断面図であり、図17(a)、(b)は、奇数番目の画像信号線LVID1の断面図(A5−A5″−A5′断面図)、および偶数番目の画像信号線LVID2の断面図(B5−B5″−B5′断面図)である。なお、本形態の配線105の構成は、実施の形態2と同様であるため、以下、第2配線領域11b2での配線106との接続構造を中心に説明する。
【0107】
実施の形態4では、第2配線領域11b(第2配線領域11b2)において、データ線6aと同一の層に位置する第1導電膜6fからなる配線105、および走査線3aと同一の層に位置する第2導電膜3fからなる配線105に対して、データ線6aに対して走査線3aとは反対側の層に位置する第4導電膜7gからなる配線106が導通していた。これに対して、本形態では、図16および図17に示すように、第2配線領域11b(第2配線領域11b2)において、データ線6aと同一の層に位置する第1導電膜6fからなる配線105、および走査線3aと同一の層に位置する第2導電膜3fからなる配線105に対して、走査線3aに対してデータ線6aとは反対側(下層側)の層に位置する第4導電膜8gからなる配線106が導通している。かかる第4導電膜8gは、図3(b)に示す遮光層8aと同一の層に位置する。
【0108】
このため、第4導電膜8gからなる配線106は、ゲート絶縁層2および絶縁膜12を貫通するコンタクトホール12iを介して、第2導電膜3fからなる配線105と導通している。
【0109】
ここで、第1導電膜6fからなる配線105には第2導電膜3fからなる配線105が平面視で重なっており、第1導電膜6fからなる配線105と第4導電膜7gからなる配線106との間には、第2導電膜3fからなる配線105が介在している。そこで、本形態では、第1導電膜6fからなる配線105に第2導電膜3fからなる配線105から張り出すように突部6s、6tを形成し、かかる突部6s、6tと重なる位置で層間絶縁膜44、42、41、ゲート絶縁層2および絶縁膜12を貫通するコンタクトホール12hによって、第1導電膜6fからなる配線105と第4導電膜8gからなる配線106とが導通している。
【0110】
また、第1導電膜6fからなる配線105のうち、第1番目の配線105(画像信号線LVID1)と、第3番目の配線105(画像信号線LVID3)とは同一の層において隣り合っている。かかる隣り合う2本の配線105において、突部6sは、一方の配線105(画像信号線LVID1)から他方の配線105(画像信号線LVID3)に向けて突出し、突部3tは、他方の配線105(画像信号線LVID3)から一方の配線105(画像信号線LVID1)に向けて突出している。また、突部6sと突部6tとは、配線105の延在方向でずれた位置に設けられている。
【0111】
このため、図15を参照して説明したように、配線105が多数設けられている場合でも、突部6s、6tを設けるスペースは、1つおきでよい。このため、第1導電膜6fからなる配線105に突部6s、6tを設けた場合でも、第2配線領域11b(第2配線領域11b2)の幅寸法を狭くすることができる。
【0112】
[実施の形態6]
図18は、本発明の実施の形態6に係る電気光学装置100の配線領域11の平面図である。図19は、本発明の実施の形態6に係る電気光学装置100の配線領域11を配線105に沿って切断したときの断面図であり、図19(a)、(b)は、奇数番目の画像信号線LVID1の断面図(A6−A6′断面図)、および偶数番目の画像信号線LVID2の断面図(B6−B6′断面図)である。図20は、本発明の実施の形態6に係る電気光学装置100の配線領域11を横切る方向で切断したときの断面図であり、図20(a)、(b)、(c)、(d)は、第1配線領域11a1の断面図(C6−C6′断面図)、第2配線領域11b1の断面図(D6−D6′断面図)、第1配線領域11a2の断面図(E6−E6′断面図)、および第2配線領域11b2の断面図(F6−F6′断面図)である。
【0113】
実施の形態1では、第2配線領域11bにおいて、奇数番目の画像信号線(LVID1、LVID3、LVID5)と偶数番目の画像信号線(LVID2、LVID4、LVID6)とが平面視で重なっていた。これに対して、本形態では、図18、図19および図20に示すように、第2配線領域11bにおいて、奇数番目の画像信号線(LVID1、LVID3、LVID5)は、偶数番目の画像信号線(LVID2、LVID4、LVID6)により挟まれた領域と平面視で重なっている。逆にいえば、第2配線領域11bにおいて、偶数番目の画像信号線(LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の画像信号線(LVID1、LVID3、LVID5)により挟まれた領域と平面視で重なっている。かかる構成を実施の形態3に適用した場合を以下に説明する。
【0114】
本形態では、図18、図19および図20に示すように、図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、容量線5aと同一の層に形成された第3導電膜5cによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。かかる第3導電膜5cの端部は、層間絶縁膜45、44、42を貫通するコンタクトホール45cを介して、画素電極9aと同一の層に形成された端子102と導通している。
【0115】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b1)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b1において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6dによって形成されている。かかる第1導電膜6dは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42dを介して、第1配線領域11a1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5cと導通している。第2配線領域11b1において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0116】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b1において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3dによって形成されており、かかる第2導電膜3dは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41dを介して、第1配線領域11a1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第3導電膜5cと導通している。第2配線領域11b1において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)により挟まれた領域と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b1は、第1配線領域11a1より幅寸法が狭い。
【0117】
図2(a)の第1配線領域11a(第1配線領域11a2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)はいずれも、容量線5aと同一の層に形成された第3導電膜5eによって形成されており、ライン幅:スペース幅は1:1である。かかる第3導電膜5eのうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5eは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42eを介して、第2配線領域11b1において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第1導電膜6dと導通している。また、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第3導電膜5eは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41eを介して、第2配線領域11b1において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第2導電膜3dと導通している。
【0118】
図2(a)の第2配線領域11b(第2配線領域11b2)において、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)は、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fと、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fとによって形成されている。より具体的には、6本の配線105(画像信号線LVID1〜LVID6)のうち、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、第2配線領域11b2において、データ線6aと同一の層に形成された第1導電膜6fによって形成されている。かかる第1導電膜6fは、層間絶縁膜42を貫通するコンタクトホール42fを介して、第1配線領域11a2において奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)を構成する第3導電膜5eと導通している。第2配線領域11b2において、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)は、ライン幅:スペース幅は1:1である。
【0119】
これに対して、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、第2配線領域11b2において、走査線3aと同一の層に形成された第2導電膜3fによって形成されている。かかる第2導電膜3fは、層間絶縁膜41を貫通するコンタクトホール41fを介して、第1配線領域11a2において偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)を構成する第3導電膜5eと導通している。第2配線領域11b2において、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)は、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)により挟まれた領域と平面視で重なっており、ライン幅:スペース幅は1:1である。このため、第2配線領域11b2は、第2配線領域11b1と幅寸法が同等であり、第1配線領域11a(第1配線領域11a1、11a2)より幅寸法が狭い。
【0120】
かかる構成によれば、第2配線領域11bにおいて、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)に起因する凹凸と、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)に起因する凹凸とが相殺される。従って、配線105の表面側に大きな凹凸が発生しにくいという利点がある。また、偶数番目の配線105(画像信号線LVID2、LVID4、LVID6)と、奇数番目の配線105(画像信号線LVID1、LVID3、LVID5)とが平面視で重なっていないため、配線間に容量が寄生することを防止することができる。
【0121】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、2つの第2配線領域11b1と第2配線領域11b2とにおいて同一の構成としたが、第2配線領域11b1と第2配線領域11b2とにおいて、異なる導電膜を用いて配線105を形成してもよい。また、上記実施の形態では、第2配線領域11bにおいて、走査線3aと同一の層に位置する第2導電膜3fと、データ線6aと同一の層に位置する第1導電膜6fとを用いて配線105を形成したが、遮光層7aと同一の層に位置する導電膜とデータ線6aと同一の層に位置する導電膜とを用いて配線105を形成してもよい。また、第2配線領域11bにおいて、遮光層7aと同一の層に位置する導電膜と走査線3aと同一の層に位置する導電膜とを用いて配線105を形成してもよく、かかる構成の場合、2つの導電膜の間に厚い絶縁膜が介在する。従って、配線同士(導電膜同士)が平面視で重なっている場合でも、配線間に容量が寄生することを防止することができる。
【0122】
上記実施の形態では、電気光学装置として、透過型の液晶装置を例示したが、反射型の液晶装置に本発明を適用してもよい。
【0123】
[他の電気光学装置]
上記実施の形態では、電気光学装置として液晶装置を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されず、有機エレクトロルミネッセンス表示装置、プラズマディスプレイ、FED(Field Emission Display)、SED(Surface-Conduction Electron-Emitter Display)、LED(発光ダイオード)表示装置、電気泳動表示装置等の電気光学装置に本発明を適用してもよい。
【0124】
[電子機器への搭載例]
(投射型表示装置および光学ユニットの構成例)
図21は、本発明を適用した投射型表示装置(電子機器)および光学ユニットの概略構成図であり、図21(a)、(b)は各々、透過型の液晶装置を用いた投射型表示装置の説明図、および反射型の液晶装置を用いた投射型表示装置の説明図である。
【0125】
図21(a)に示す投射型表示装置110は、液晶パネルとして透過型の液晶パネルを用いた例であるのに対して、図21(b)に示す投射型表示装置1000は、液晶パネルとして反射型の液晶パネルを用いた例である。但し、以下に説明するように、投射型表示装置110、1000はいずれも、光源部130、1021と、光源部130、1021から互いに異なる波長域の光が供給される複数の電気光学装置100と、複数の電気光学装置100から出射された光を合成して出射するクロスダイクロイックプリズム119、1027(光合成光学系)と、光合成光学系により合成された光を投射する投射光学系118、1029とを有している。また、投射型表示装置110、1000においては、電気光学装置100およびクロスダイクロイックプリズム119、1027(光合成光学系)を備えた光学ユニット200が用いられている。
【0126】
(投射型表示装置の第1例)
図21(a)に示す投射型表示装置110は、観察者側に設けられたスクリーン111に光を照射し、このスクリーン111で反射した光を観察する、いわゆる投影型の投射型表示装置である。投射型表示装置110は、光源112を備えた光源部130と、ダイクロイックミラー113、114と、液晶ライトバルブ115〜117と、投射光学系118と、クロスダイクロイックプリズム119(合成光学系)と、リレー系120とを備えている。
【0127】
光源112は、赤色光R、緑色光G、および青色光Bを含む光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー113は、光源112からの赤色光Rを透過させるとともに、緑色光G、および青色光Bを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー114は、ダイクロイックミラー113で反射された緑色光Gおよび青色光Bのうち青色光Bを透過させるとともに緑色光Gを反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー113、114は、光源112から出射した光を赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとに分離する色分離光学系を構成する。
【0128】
ここで、ダイクロイックミラー113と光源112との間には、インテグレーター121および偏光変換素子122が光源112から順に配置されている。インテグレーター121は、光源112から照射された光の照度分布を均一化する構成となっている。また、偏光変換素子122は、光源112からの光を、例えばs偏光のような特定の振動方向を有する偏光にする構成となっている。
【0129】
液晶ライトバルブ115は、ダイクロイックミラー113を透過して反射ミラー123で反射した赤色光を画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。液晶ライトバルブ115は、λ/2位相差板115a、第1偏光板115b、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)、および第2偏光板115dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ115に入射する赤色光Rは、ダイクロイックミラー113を透過しても光の偏光は変化しないことから、s偏光のままである。
【0130】
λ/2位相差板115aは、液晶ライトバルブ115に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板115bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板115dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ115は、画像信号に応じて赤色光Rを変調し、変調した赤色光Rをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0131】
なお、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bは、偏光を変換させない透光性のガラス板115eに接した状態で配置されており、λ/2位相差板115a、および第1偏光板115bが発熱によって歪むのを回避することができる。
【0132】
液晶ライトバルブ116は、ダイクロイックミラー113で反射した後にダイクロイックミラー114で反射した緑色光Gを画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。かかる液晶ライトバルブ116は、液晶ライトバルブ115と同様に、第1偏光板116b、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)、および第2偏光板116dを備えている。液晶ライトバルブ116に入射する緑色光Gは、ダイクロイックミラー113、114で反射されて入射するs偏光である。第1偏光板116bは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。また、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)は、s偏光を画像信号に応じた変調によってp偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。そして、第2偏光板116dは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ116は、画像信号に応じて緑色光Gを変調し、変調した緑色光Gをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。
【0133】
液晶ライトバルブ117は、ダイクロイックミラー113で反射し、ダイクロイックミラー114を透過した後でリレー系120を経た青色光Bを画像信号に応じて変調する透過型の液晶装置である。かかる液晶ライトバルブ117は、液晶ライトバルブ115、116と同様に、λ/2位相差板117a、第1偏光板117b、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)、および第2偏光板117dを備えている。ここで、液晶ライトバルブ117に入射する青色光Bは、ダイクロイックミラー113で反射してダイクロイックミラー114を透過した後にリレー系120の後述する2つの反射ミラー125a、125bで反射することから、s偏光となっている。
【0134】
λ/2位相差板117aは、液晶ライトバルブ117に入射したs偏光をp偏光に変換する光学素子である。また、第1偏光板117bは、s偏光を遮断してp偏光を透過させる偏光板である。そして、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)は、p偏光を画像信号に応じた変調によってs偏光(中間調であれば円偏光又は楕円偏光)に変換する構成となっている。さらに、第2偏光板117dは、p偏光を遮断してs偏光を透過させる偏光板である。したがって、液晶ライトバルブ117は、画像信号に応じて青色光Bを変調し、変調した青色光Bをクロスダイクロイックプリズム119に向けて出射する構成となっている。なお、λ/2位相差板117a、および第1偏光板117bは、ガラス板117eに接した状態で配置されている。
【0135】
リレー系120は、リレーレンズ124a、124bと反射ミラー125a、125bとを備えている。リレーレンズ124a、124bは、青色光Bの光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。ここで、リレーレンズ124aは、ダイクロイックミラー114と反射ミラー125aとの間に配置されている。また、リレーレンズ124bは、反射ミラー125a、125bの間に配置されている。反射ミラー125aは、ダイクロイックミラー114を透過してリレーレンズ124aから出射した青色光Bをリレーレンズ124bに向けて反射するように配置されている。また、反射ミラー125bは、リレーレンズ124bから出射した青色光Bを液晶ライトバルブ117に向けて反射するように配置されている。
【0136】
クロスダイクロイックプリズム119は、2つのダイクロイック膜119a、119bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜119aは青色光Bを反射して緑色光Gを透過する膜であり、ダイクロイック膜119bは赤色光Rを反射して緑色光Gを透過する膜である。従って、クロスダイクロイックプリズム119は、液晶ライトバルブ115〜117の各々で変調された赤色光Rと緑色光Gと青色光Bとを合成し、投射光学系118に向けて出射するように構成されている。
【0137】
なお、液晶ライトバルブ115、117からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はs偏光であり、液晶ライトバルブ116からクロスダイクロイックプリズム119に入射する光はp偏光である。このようにクロスダイクロイックプリズム119に入射する光を異なる種類の偏光としていることで、クロスダイクロイックプリズム119において各液晶ライトバルブ115〜117から入射する光を合成できる。ここで、一般に、ダイクロイック膜119a、119bはs偏光の反射トランジスター特性に優れている。このため、ダイクロイック膜119a、119bで反射される赤色光R、および青色光Bをs偏光とし、ダイクロイック膜119a、119bを透過する緑色光Gをp偏光としている。投射光学系118は、投影レンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム119で合成された光をスクリーン111に投射するように構成されている。
【0138】
(投射型表示装置の第2例)
図21(b)に示す投射型表示装置1000は、光源光を発生する光源部1021と、光源部1021から出射された光源光を赤色光R、緑色光G、および青色光Bの3色の色光に分離する色分離導光光学系1023と、色分離導光光学系1023から出射された各色の光源光によって照明される光変調部1025とを有している。また、投射型表示装置1000は、光変調部1025から出射された各色の像光を合成するクロスダイクロイックプリズム1027(合成光学系)と、クロスダイクロイックプリズム1027を経た像光をスクリーン(不図示)に投射する投射光学系1029とを備えている。
【0139】
かかる投射型表示装置1000において、光源部1021は、光源1021aと、一対のフライアイ光学系1021d、1021eと、偏光変換部材1021gと、重畳レンズ1021iとを備えている。本形態においては、光源部1021は、放物面からなるリフレクタ1021fを備えており、平行光を出射する。フライアイ光学系1021d、1021eは、システム光軸と直交する面内にマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、これらの要素レンズによって光源光を分割して個別に集光・発散させる。偏光変換部材1021gは、フライアイ光学系1021eから出射した光源光を、例えば図面に平行なp偏光成分のみに変換して光路下流側光学系に供給する。重畳レンズ1021iは、偏光変換部材1021gを経た光源光を全体として適宜収束させることにより、光変調部1025に設けた複数の電気光学装置100を各々均一に重畳照明可能とする。
【0140】
色分離導光光学系1023は、クロスダイクロイックミラー1023aと、ダイクロイックミラー1023bと、反射ミラー1023j、1023kとを備える。色分離導光光学系1023において、光源部1021からの略白色の光源光は、クロスダイクロイックミラー1023aに入射する。クロスダイクロイックミラー1023aを構成する一方の第1ダイクロイックミラー1031aで反射された赤色光Rは、反射ミラー1023jで反射されダイクロイックミラー1023bを透過して、入射側偏光板1037r、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032r、および光学補償板1039rを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(赤色用液晶パネル100R)に入射する。
【0141】
また、第1ダイクロイックミラー1031aで反射された緑色光Gは、反射ミラー1023jで反射され、その後、ダイクロイックミラー1023bでも反射されて、入射側偏光板1037g、p偏光を透過させる一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032g、および光学補償板1039gを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(緑色用液晶パネル100G)に入射する。
【0142】
これに対して、クロスダイクロイックミラー1023aを構成する他方の第2ダイクロイックミラー1031bで反射された青色光Bは、反射ミラー1023kで反射されて、入射側偏光板1037b、p偏光を透過する一方、s偏光を反射するワイヤーグリッド偏光板1032b、および光学補償板1039bを介して、p偏光のまま、電気光学装置100(青色用液晶パネル100B)に入射する。なお、光学補償板1039r、1039g、1039bは、電気光学装置100への入射光および出射光の偏光状態を調整することで、液晶層の特性を光学的に補償している。
【0143】
このように構成した投射型表示装置1000では、光学補償板1039r、1039g、1039bを経て入射した3色の光は各々、各電気光学装置100において変調される。その際、電気光学装置100から出射された変調光のうち、s偏光の成分光は、ワイヤーグリッド偏光板1032r、1032g、1032bで反射し、出射側偏光板1038r、1038g、1038bを介してクロスダイクロイックプリズム1027に入射する。クロスダイクロイックプリズム1027には、X字状に交差する第1誘電体多層膜1027aおよび第2誘電体多層膜1027bが形成されており、一方の第1誘電体多層膜1027aは赤色光Rを反射し、他方の第2誘電体多層膜1027bは青色光Bを反射する。従って、3色の光は、クロスダイクロイックプリズム1027において合成され、投射光学系1029に出射される。そして、投射光学系1029は、クロスダイクロイックプリズム1027で合成されたカラーの像光を、所望の倍率でスクリーン(図示せず。)に投射する。
【0144】
(他の投射型表示装置)
なお、投射型表示装置については、光源部として、各色の光を出射するLED光源等を用い、かかるLED光源から出射された色光を各々、別の液晶装置に供給するように構成してもよい。
【0145】
(他の電子機器)
本発明を適用した電気光学装置100については、上記の電子機器の他にも、携帯電話機、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルカメラ、液晶テレビ、カーナビゲーション装置、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等の電子機器において直視型表示装置として用いてもよい。
【符号の説明】
【0146】
3a・・走査線、3s、3t、6s、6t・・突部、6a・・データ線、5a・・容量線、7a、8a・・遮光層、9a・・画素電極、10・・素子基板、10e・・辺(端部)、10a・・画像表示領域、10p・・画素電極配列領域、11・・配線領域、11a、11a1、11a2・・第1配線領域、11b、11b1、11b2・・第2配線領域、100・・電気光学装置、101・・データ線駆動回路、105、106・・配線、LVID1〜LVID6・・画像信号線(配線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方面側に、複数の画素電極が配列された画素電極配列領域と、前記基板の端部と前記画素電極配列領域との間で複数の配線が並列する配線領域と、を有する電気光学装置において、
前記配線領域は、前記複数の配線がいずれも同一の層に位置する第1配線領域と、前記複数の配線のうち、複数の一部の配線と複数の他の配線とが異なる層に位置し、前記複数の配線の延在方向と直交する幅方向における寸法が前記第1配線領域より狭い第2配線領域と、を備えていることを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第1配線領域では、前記複数の配線が前記基板の前記端部に対して交差する方向に延在し、
前記第2配線領域では、前記複数の配線が前記基板の前記端部の延在方向に対して平行な方向に延在していることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記基板の一方面側に、前記画素電極配列領域と前記基板の端部との間に駆動回路が設けられ、
前記第2配線領域は、前記基板の前記端部と前記駆動回路との間、および前記駆動回路と前記画素電極配列領域との間のうちの少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記複数の配線は各々、前記駆動回路によって規定されたタイミングで前記画素電極配列領域のデータ線に画像信号を供給する画像信号線であることを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第2配線領域では、前記一部の配線と前記他の配線とが平面視で重なっていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記一部の配線において前記第2配線領域で隣り合うように形成された2本の配線には、一方の配線から他方の配線に向けて突出した突部と、他方の配線から一方の配線に向けて突出した突部とが前記配線の延在方向で異なる位置に形成され、
前記一方の配線の前記突部、および前記他方の配線の前記突部の各々には、前記他の配線に対して前記一部の配線層とは反対側に位置する導電膜が絶縁膜のコンタクトホールを介して導通していることを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記第2配線領域では、前記一部の配線が前記他の配線で挟まれた領域と平面視で重なっていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記第2配線領域において、前記一部の配線および前記他の配線のうちの一方は第1導電膜により形成され、前記他方は前記第1導電膜と前記基板との間の層に位置する第2導電膜により形成され、
前記第1配線領域において、前記複数の配線は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のいずれとも異なる層に位置する第3導電膜によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記第3導電膜は、前記第1導電膜と前記2導電膜との間の層に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記第2配線領域において、前記一部の配線および前記他の配線のうちの一方は第1導電膜により形成され、前記他方は前記第1導電膜と前記基板との間の層に位置する第2導電膜により形成され、
前記第1配線領域において、前記複数の配線は、前記第1導電膜および前記第2導電膜のうちの一方の導電膜によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の電気光学装置。
【請求項11】
基板と、
前記基板の一方面側で画像表示領域に設けられた第1データ線と、
前記第1データ線に隣り合う第2データ線と、
前記基板の第1辺と前記画像表示領域との間に設けられ、前記第1データ線に供給する信号を入力するための第1端子と、
前記第1端子に隣り合うように第1方向側に配置され、前記第2データ線に供給する信号を入力するための第2端子と、
前記第1端子から前記第1データ線へ信号を供給するための第1信号線と、
前記第2端子から前記第2データ線へ信号を供給するための第2信号線と、
を含み、
前記第1信号線は、
前記第1端子と電気的に接続され、前記第1方向と交差する第2方向に沿って設けられた第1部分と、
前記第1部分と電気的に接続され、前記第1方向に沿って設けられた第2部分と、
前記第2部分と電気的に接続され、前記第2方向に沿って、前記第1配線より前記画像表示領域側に設けられた第3部分と、
を備え、
前記第2信号線は、
前記第2端子と電気的に接続され、前記第1部分と隣り合う位置で前記第1部分と同一の層に設けられた第4部分と、
前記第4部分と電気的に接続され、前記第2部分と異なる層に設けられた第5部分と、
前記第3部分と隣り合い、前記第3部分と同一の層に設けられた第6部分と、
を備え、
平面視で、前記第2部分と前記第5部分との距離は、前記第1部分と前記第4部分との距離、および前記第3部分と前記第6部分との距離より小さいことを特徴とする電気光学装置。
【請求項12】
請求項1乃至11の何れか一項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−101200(P2013−101200A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244216(P2011−244216)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】