説明

電気自動車のナビゲーションシステム

【課題】車載バッテリの充電時間を含む目的地までのトータルな時間予測を行うことができ、充電設備の周辺の食事場所や観光スポット、レジャー施設等の情報を提供することができる電気自動車のナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】電気自動車2のナビゲーションシステム1において、経路を表示する表示部25と、目的地を入力する入力部26と、車載バッテリの残存容量を計測するバッテリ管理部22と、充電設備3の位置情報および充電性能の情報と地図情報とが保存されたデータベース部46と、車載バッテリの残存容量、電気自動車2の燃費、電気自動車2の現在位置から充電設備3まで距離および充電設備3から目的地までの距離に基づいて充電設備3における充電時間を算出する分析部44と、から構成され、分析部44により算出された充電時間を含む目的地までの到達時間を表示部25に表示するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車のナビゲーションシステムに係り、特に、充電設備における充電時間を加味した目的地への到達時間を表示可能な電気自動車のナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球規模で進む環境破壊、特に地球温暖化を阻止し地球環境を保全するために、低公害車の普及が進んでおり、中でも、排気ガスをまったく排出しない電気自動車の開発が鋭意進められている。
【0003】
電気自動車は、搭載している車載バッテリの容量等によるが、特に、比較的長距離の運転をする場合などには出発地や目的地、あるいは目的地までの経路の途中で車載バッテリの充電が必要となる場合がある。しかし、現時点では、充電設備は必ずしも十分に普及が進んでいるとは言えない状況にある。
【0004】
そこで、充電設備の位置情報等を記憶させたDVD−ROM等の記憶媒体から情報を読み取り表示パネルに表示された地図に充電設備の情報を重畳表示させるナビゲーション装置(特許文献1参照)や、目的地に到達した後にも次の走行を行うことができるように目的地やその近傍の充電設備を探索して表示するナビゲーションシステム(特許文献2参照)、さらには目的地に到達するために必要な電力の車載バッテリへの充電時間を計算して告知するナビゲーションシステム(特許文献3参照)等が提案されている。
【特許文献1】特開2001−215124号公報
【特許文献2】特開2003−294463号公報
【特許文献3】特開2001−112121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電気自動車の車載バッテリの充電には、現状では、数十分から数時間を要する。そのため、運転者から見れば、どこに充電設備があるかという点も重要だが、その充電設備で充電にどのくらい時間がかかり、結局、目的地には何時何分ごろに到着できるのかといった点も重要である。つまり、ナビゲーションシステムには、電気自動車の現在位置から目的地までの充電時間を含むトータルな時間予測を行い、それを運転者に告知することが求められる。
【0006】
また、一方で、運転者にとっては、例えば、目的地に向かう経路の途中で車載バッテリの充電が必要であり、充電に時間がかかるのであれば、その時間を利用して食事をとったり、充電設備の近くの観光地を訪れたりしたいと考えるだろう。ナビゲーションシステムは、そのような運転者等のニーズに応えるべく、充電設備付近の食事場所や観光スポットを提供できるものであれば便利である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、車載バッテリの充電時間を含む目的地までのトータルな時間予測を行うことができる電気自動車のナビゲーションシステムを提供することである。また、本発明は、充電設備の周辺の食事場所や観光スポット、レジャー施設等の情報を提供することができる電気自動車のナビゲーションシステムを提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の問題を解決するために、請求項1に記載の電気自動車のナビゲーションシステムは、
自車両の現在位置と地図情報とを整合させて運転者に提供し、目的地への経路誘導を行う電気自動車のナビゲーションシステムにおいて、
前記経路を表示する表示部と、
前記目的地を入力する入力部と、
車載バッテリの残存容量を計測するバッテリ管理部と、
充電設備の位置情報および充電性能の情報と前記地図情報とが保存されたデータベース部と、
前記車載バッテリの残存容量、前記電気自動車の燃費、前記地図情報に基づいた前記電気自動車の現在位置から前記充電設備まで距離および前記充電設備から前記目的地までの距離に基づいて前記充電設備における前記車載バッテリの充電時間を算出する分析部と、から構成され、
前記分析部により算出された充電時間を含む前記目的地までの到達時間を前記表示部に表示するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、ナビゲーションシステムの分析部は、データベース部の地図情報から電気自動車の現在位置から充電設備までの距離および充電設備から目的地までの距離をそれぞれ求め、その距離を走行するために必要な容量を電気自動車の燃費を用いてそれぞれ算出し、それらの必要な容量と車載バッテリの残存容量とから充電設備で充電すべき容量を算出して、充電設備の充電性能の情報に基づいてその容量の充電に要する充電時間を算出する。また、表示部には、分析部により算出された充電時間を含む目的地に到達するための到達時間が表示される。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電気自動車のナビゲーションシステムにおいて、
前記データベース部には、観光施設の位置情報が保存されており、
前記表示部は、前記充電設備とその付近の前記観光施設とを表示するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、表示部には、充電設備と充電設備付近の観光施設が表示される。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の電気自動車のナビゲーションシステムにおいて、表示部で表示される前記観光施設には、充電可能な観光施設が含まれることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、表示部には、充電設備を有し充電可能な観光施設が表示される。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気自動車のナビゲーションシステムにおいて、前記表示部、入力部および前記バッテリ管理部は前記電気自動車に搭載されており、かつ、前記データベース部および前記分析部はデータセンタに設けられており、前記電気自動車と前記データセンタとの間で通信を行うように構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、電気自動車の入力部で設定された内容とバッテリ管理部が計測した電気自動車の車載バッテリの残存容量の情報をデータセンタに送り、データセンタのデータベース部に記憶された地図情報等に基づいて分析部が到達時間等を算出して電気自動車に送信し、電気自動車の表示部にその結果を表示する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気自動車のナビゲーションシステムにおいて、前記表示部、前記入力部、前記バッテリ管理部、前記データベース部および前記分析部はすべて前記電気自動車に搭載されていることを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、分析部とデータベース部の機能を電気自動車に搭載して、電気自動車の現在位置から充電設備までの距離および充電設備から目的地までの距離の算出、その距離を走行するために必要な容量の算出、充電設備で充電すべき容量の算出および充電設備における充電時間の算出を行い、充電時間を含む目的地に到達するための到達時間を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の発明によれば、ナビゲーションシステムの分析部は、データベース部の地図情報から電気自動車の現在位置から充電設備までの距離および充電設備から目的地までの距離をそれぞれ求め、その距離を走行するために必要な容量を電気自動車の燃費を用いてそれぞれ算出し、それらの必要な容量と車載バッテリの残存容量とから充電設備で充電すべき容量を算出して、充電設備の充電性能の情報に基づいてその容量の充電に要する充電時間を算出する。また、表示部には、分析部により算出された充電時間を含む目的地に到達するための到達時間が表示される。
【0019】
このように、充電時間を含む目的地までのトータルな時間予測を行うことで、運転者に目的地に到達するための到達時間を知らせることができる。また、運転者は、それに基づいて目的地への到着時刻を正確に予想できるうえ、その予想到着時刻を踏まえたうえで自らのニーズに合わせて的確に走行計画を立てることが可能となる。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、表示部に充電設備と充電設備付近の観光施設が表示されるため、前記請求項1に記載の発明の効果に加え、運転者は、電気自動車の車載バッテリの充電時間を利用して食事場所や観光スポット、レジャー施設等の観光施設を訪問することができ、食事や観光等を含む無駄のない走行計画を立てることが可能となる。
【0021】
請求項3に記載の発明によれば、表示部に、充電設備を有し充電可能な観光施設が表示されるため、前記請求項2に記載の発明の効果に加え、運転者に充電可能な観光施設の情報を提供することができ、運転者は充電設備と観光施設との往復移動することなく充電時間を食事や観光、レジャー等にあてることが可能となり、より無駄のない運転者のニーズに合った走行計画を立てることが可能となる。
【0022】
請求項4に記載の発明によれば、電気自動車の入力部で設定された内容とバッテリ管理部が計測した電気自動車の車載バッテリの残存容量の情報をデータセンタに送り、データセンタのデータベース部に記憶された地図情報等に基づいて分析部が到達時間等を算出して電気自動車に送信し、電気自動車の表示部にその結果を表示する。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、電設備の新設や増設、充電性能の変更、区画整理等による道路の変更、観光施設の新設や消滅等に関する最新の情報をデータセンタで集約し一括管理することができ、また、分析部による充電時間の算出において、それらの最新の情報やデータベース部に記憶された精緻な地図情報を用いることができるため、経路設定の設定精度を向上させ、車載バッテリへの充電時間や電気自動車の走行時間等の計算がより正確になり、充電時間や目的地への到達時間の算出をより正確に行うことが可能となる。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、分析部とデータベース部の機能を電気自動車に搭載して、電気自動車の現在位置から充電設備までの距離および充電設備から目的地までの距離の算出、その距離を走行するために必要な容量の算出、充電設備で充電すべき容量の算出および充電設備における充電時間の算出を行い、充電時間を含む目的地に到達するための到達時間を表示部に表示する。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、データセンタで集中管理する場合に比べ、通信時間が省略でき、処理時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る電気自動車のナビゲーションシステムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係るナビゲーションシステムの全体構成を説明する図である。本実施形態のナビゲーションシステム1は、電気自動車2と、複数の充電設備3と、これらと移動体通信網等を介して通信可能で情報を蓄積し分析するデータセンタ4により構成されている。
【0026】
電気自動車2には、入力表示部21と、バッテリ管理部22と、走行制御部23とが備えられており、各部21〜23は車内LANで接続されている。また、各部21〜23は、通信部24および移動体通信網を介してデータセンタ4と通信可能とされている。
【0027】
入力表示部21は、通常のいわゆるカーナビと同様に種々のナビゲーション操作を行うことができるように構成されており、入力表示部21には、経路等が表示される表示パネル等よりなる表示部25と目的地等を入力する操作ボタン等よりなる入力部26が設けられている。また、入力表示部21には、図示しないGPS受信機やジャイロセンサ等の自車位置計測装置が接続されており、入力表示部21は、自車位置計測装置からの情報に基づいてGPS航法や自律航法の手法を用いて自車両の位置を割り出すように構成されている。
【0028】
また、入力表示部21は、内蔵された図示しないハードディスクや図示しないDVD等の記憶媒体から地図情報を読み取って、表示部25に表示するようになっている。
【0029】
さらに、本実施形態では、入力表示部21は、入力部26から入力信号に応じて入力された目的地や充電設備等の設定内容や自車両の現在位置および燃費の情報等を通信部24および移動体通信網を介してデータセンタ4に送信し、また、データセンタ4から送信されてきた経路情報や充電設備、充電時間、到着までの所要時間等の情報を表示部25に表示するように構成されている。
【0030】
バッテリ管理部22は、電気自動車2の図示しない車載バッテリの残存容量を計測し管理するための装置であり、本実施形態では、充電設備3で充電した充電容量から走行により消費した容量を差し引くことで車載バッテリの残存容量を算出するように構成されている。なお、バッテリ管理部22は、車載バッテリの残存容量を直接測定するように構成されてもよい。また、バッテリ管理部22は、データセンタ4からの問い合わせに応じて電気自動車2の車載バッテリの残存容量をプローブ情報として出力するようになっている。
【0031】
走行制御部23は、電気自動車2の走行全般を制御するための装置であり、運転者のペダル操作等の各種操作に応じて図示しない車輪の駆動モータの回転駆動など各種制御を行うように構成されている。なお、走行制御部23は、車内LANを介して送信されてくる前記入力表示部21からの目的地設定情報や前記バッテリ管理部22からの車載バッテリの残存容量の情報等に応じて電気自動車2の走行を自動的に制御し、或いは移動体通信網を介したデータセンタ4からの指示に応じて電気自動車2の自動走行制御を行うように構成されている。
【0032】
充電設備3a、3b、3c、…には、図2に示すような充電設備ごとの充電能力を示す充電性能情報としての充電特性マップが備えられている。これらの充電特性マップは、設備の増設や変更、改良等により各充電設備3a、3b、3c、…の設備内容が変更されるごとに更新されるようになっており、収容可能台数等の他の情報とともに広域通信網を介してデータセンタ4に送信されるようになっている。また、各充電設備3a、3b、3c、…は、それぞれ一定時間ごとに或いはデータセンタ4からの問い合わせに応じて自らの稼動状態の情報をデータセンタ4に送信するように構成されている。
【0033】
なお、図2には、充電設備3a、3bがそれぞれ急速充電、中速充電および普通充電の3種類の充電を行うことができる場合を示したが、例えば、充電設備3が普通充電しかできない場合にはその普通充電についての充電特性マップが送信されるようになっており、また、充電設備3に特性が異なる充電装置が複数設置されている場合にはそのそれぞれの充電装置についての充電特性マップがデータセンタ4に送信されるように構成されている。
【0034】
データセンタ4には、通信サーバ41と、データベースサーバ42と、ナビゲーションサーバ43と、分析サーバ44とが備えられており、それぞれがLANで接続されている。
【0035】
通信サーバ41は、電気自動車2や充電設備3とデータセンタ4との通信を管理するためのコンピュータであり、ルータ等45を介してデータセンタ4に送信されてきた情報を各サーバ42〜44に配信し、また、各サーバ42〜44から出力された情報をルータ等45を介して電気自動車2や充電設備3に送信するように構成されている。
【0036】
データベースサーバ42は、大容量の記憶装置等からなるデータベース部46を管理し、データベース部46への情報の保存や読み出し、消去等を行うためのコンピュータであり、データベース部46には、ナビゲーションやその他の処理に必要な地図情報等の情報が格納されている。また、データベース部46には、前記各充電設備3a、3b、3c、…の位置情報や充電特性マップ、収容可能台数等の情報が充電設備ごとに保存されており、これらの情報は、各充電設備3a、3b、3c、…からの更新指示に応じて更新されるようになっている。
【0037】
本実施形態では、データベース部46には、さらに飲食可能な店舗や観光地、レジャー施設等の観光施設の位置情報等の情報も保存されている。また、観光施設には、充電設備を備えていて充電可能な観光施設もあり、データベース部46には、そのような充電可能な観光施設の情報も記憶されている。データベースサーバ42は、他のサーバからの読み出しの指示内容に応じて、すなわち、充電施設の選定のための読み出しであれば充電施設の情報として、また、観光施設についての情報提供の指示であれば観光施設について情報として、その充電可能な観光施設の位置情報等の情報を読み出すようになっている。
【0038】
なお、データベース部46に、電気自動車の型式ごとに燃費の情報を保存しておき、電気自動車2から自車両の型式の情報を送信するようにして、データベースサーバ42が送信されてきた電気自動車2の型式に基づいてその燃費の情報をデータベース部46が読み出すように構成することも可能である。また、データベース部46に保存された地図情報の変更部分や更新された充電設備や観光施設等の情報を電気自動車2の入力表示部21のハードディスク等に送信して情報を更新できるように構成することも可能である。
【0039】
ナビゲーションサーバ43は、電気自動車2の入力表示部21から送信されてきた目的地や充電設備等の設定内容や電気自動車2の現在位置の情報等に基づいて経路を探索し、探索の結果得られた経路或いは電気自動車2の入力表示部21から指定された経路が送信されてきた場合にはその経路について、データベース部46の地図情報を参照して、図3に示すようなその経路上のノードN1〜Nmの緯度および経度やノード間距離等のデータを分析サーバ44に送信するように構成されている。
【0040】
分析サーバ44は、本発明の電気自動車のナビゲーションシステムの分析部に相当し、電気自動車2の入力表示部21から送信されてきた電気自動車2の現在位置や燃費の情報や車載バッテリの残存容量の情報、および目的地および充電設備等の設定内容に基づいて、車載バッテリの充電に要する充電設備での充電時間と、その充電設備での充電時間を含む電気自動車2の現在位置から目的地に到達するまでの到達時間を算出するように構成されている。
【0041】
次に、本実施形態に係る電気自動車のナビゲーションシステムの作用について説明する。
【0042】
本実施形態のナビゲーションシステム1では、最初に、電気自動車2の入力表示部21で目的地設定や経由地設定等が行われる。図4は、入力表示部での初期設定の手順を示すフローチャートである。まず、入力表示部21の入力部26等を操作して目的地が設定される(ステップS1)。目的地の設定方法としては、入力表示部21の表示部25に表示された地図上から入力したり、目的地の住所や施設・建物等の名称、郵便番号、電話番号を入力して設定する等の一般的な方法を用いることができる。自車両の速度等の必要事項は適宜設定される。
【0043】
目的地が設定されると、次に、目的地に行くまでに立ち寄る経由地があるか否かを問う画面が表示部25に表示され(ステップS2)、経由地がない場合には、目的地までの経路や充電が必要になる場合には充電設備を自動的に設定する自動設定を行うか否かを問う画面が表示部25に表示される(ステップS3)。
【0044】
そして、自動設定を行うことが選択されると(図4のルートA参照)、図5に示すフローチャートに従って、目的地等の設定内容と電気自動車2の現在位置および燃費の情報がデータセンタ4に送信され、同時にバッテリ管理部22から車載バッテリの残存容量の情報がデータセンタ4に送信される(ステップS4)。
【0045】
データセンタ4では、電気自動車2から送信を受けると(ステップS5)、ナビゲーションサーバ43がデータベースサーバ42に接続されたデータベース部46から地図情報の必要な部分を読み出してノード間距離等を参照して電気自動車2の現在位置と目的地とが最短距離になる経路を探索し(ステップS6)、選択した最短経路のノードの緯度および経度やノード間距離等のデータを分析サーバ44に送信する。
【0046】
分析サーバ44では、図6に示すように、経路上のすべてのノード間距離の和を計算することにより電気自動車2の現在位置と目的地との距離を求める。そして、その距離と電気自動車2の燃費情報とから目的地に到達するまでに必要な容量A1を算出し、電気自動車2の車載バッテリの残存容量A0と算出された必要な容量A1とを比較して、残存容量A0が必要な容量A1より小さければ充電の必要があると判断する(ステップS7)。
【0047】
充電の必要があると判断すると、分析サーバ44は、データベース部46に位置情報や充電特性マップ等が記憶された充電設備3のうち、残存容量A0で到達でき前記経路に近い充電設備を選び出す。そして、図7に示すように、選択された各充電設備に対して、前記と同様の手順で電気自動車2の現在位置から充電設備までの距離と燃費とから充電設備に行くまでの必要な容量A2を算出し、設定された電気自動車2の速度からその間の走行時間T2を算出する。また、充電設備から目的地までについても同様に必要な容量A3と走行時間T3を算出する。さらに、現在位置から目的地に到達するために充電設備で充電しなければならない容量の最低量A3−(A0−A2)を充電するために要する最短の充電時間T1をその充電設備の充電特性マップに基づいて算出する。そして、T1、T2およびT3の和に経路から充電設備までの往復にかかる時間を加えた値(以下、所要時間Tという。)が最小となる充電設備が選定される(ステップS8)。
【0048】
本実施形態では、データセンタ4は、このようにして選択された経路、充電設備、充電時間T1および目的地までの所要時間T等の情報とともに、選定された充電設備周辺の観光施設の位置情報等をデータベース部46から読み出して、電気自動車2に送信する(ステップS9)。
【0049】
なお、前記充電設備の選定手順(ステップS8)において、充電設備で電気自動車2の車載バッテリをいわゆる満タンの状態に充電しても、その容量が充電設備から目的地に到達するまでに必要な容量A3より小さくなるような充電設備は除外される。また、選択されたすべての充電設備について満タンに充電した場合の容量が必要な容量A3より小さくなる場合には、2度目の充電が必要と判断されて、前記充電設備の選定手順が再度繰り返される。
【0050】
一方、分析サーバ44は、前記判断(ステップS7)において、残存容量A0が目的地に到達するまでに必要な容量A1より大きく充電の必要はないと判断すると、経路および目的地までの所要時間T等の情報を電気自動車2に送信する(ステップS9)。
【0051】
電気自動車2の入力表示部21は、データセンタ4から経路等の情報が送信されてきたか否かを判断し(ステップS10)、情報が送信されてくると、図8に示すように、表示部25に経路や充電設備、充電時間、所要時間Tから算出した到着予定時刻等を表示する(ステップS11)。これらの情報は入力表示部21のハードディスク等の記憶媒体に記憶され、以降のナビゲーションに用いられる。
【0052】
本実施形態では、図8に示したように、表示部25の画面には、経路や充電設備、充電時間、到着予定時刻のほか、目的地や充電設備までの距離や充電設備への到着予定時刻等が表示される。また、充電設備付近を拡大すれば、図9に示すように、充電設備の周囲にある飲食店や観光地、レジャー施設等の観光施設が表示されるようになっている。
【0053】
次に、目的地を設定した後(ステップS1、図4参照)、立ち寄りたい経由地は特にないが(ステップS2)、目的地までの経路や充電を行うことが必要な場合は充電場所を運転者自らが設定することが選択されると(図4のルートB参照)、図10に示すフローチャートに従って、まず、経路設定が行われる(ステップS12)。
【0054】
経路設定では、電気自動車2の入力表示部21は、内蔵のハードディスクやDVD等の記憶媒体からノードの緯度や経度等の情報を含む地図情報を読み出して、電気自動車2の現在位置から設定された目的地に向かう経路として数本の推奨経路を選択し、例えば、それらの経路を図11に示すように表示部25に表示して、運転者に設定させる。なお、必要な情報をデータセンタ4に送信して推奨経路の選択をデータセンタ4に行わせるようにしてもよい。
【0055】
経路が設定されると、入力表示部21は、その経路について、図6に示したように、すべてのノード間距離の和と電気自動車2の燃費情報とから目的地に到達するまでに必要な容量A1を算出し、電気自動車2の車載バッテリの残存容量A0と算出された必要な容量A1とを比較する。入力表示部21は、残存容量A0が必要な容量A1より大きければ充電の必要はないと判断して(ステップS13)、図8や図9に示したように、表示部25に経路や所要時間Tから算出した到着予定時刻等を表示する(ステップS20)。ただし、この場合は充電設備や充電時間等は表示されない。
【0056】
また、入力表示部21は、充電の必要があると判断すると(ステップS13)、車載バッテリの残存容量A0で到達可能な距離を算出して、例えば、図12に示すような画面を表示部25に表示して、運転者に充電を行う場所を設定させる(ステップS14)。なお、図12では、到達可能な距離を現在位置から実線で示し、充電場所になりうるな地名が表示されている。
【0057】
充電場所が設定されると、設定された目的地や充電場所、自車両の速度等の内容や自車両の現在位置および燃費、車載バッテリの残存容量等の情報がデータセンタ4に送信される(ステップS15)。
【0058】
データセンタ4では、電気自動車2から送信を受けると(ステップS16)、ナビゲーションサーバ43がデータベースサーバ42に接続されたデータベース部46に記憶された地図情報から設定経路に関するノードの緯度および経度やノード間距離等を読み出して分析サーバ44に送信する。
【0059】
分析サーバ44では、データベース部46に位置情報や充電特性マップ等が記憶された充電設備3のうち、設定された充電場所に属する充電設備を選び出す。そして、図7に示したような算出方法で電気自動車2の現在位置から目的地までの所要時間Tが最小となる充電設備を選定する(ステップS17)。
【0060】
そして、データセンタ4は、このようにして選択された充電設備、充電時間T1および目的地までの所要時間T等の情報とともに、選定された充電設備周辺の観光施設の位置情報等をデータベース部46から読み出して、電気自動車2に送信する(ステップS18)。
【0061】
電気自動車2の入力表示部21は、データセンタ4から経路等の情報が送信されてきた否かを判断し(ステップS19)、情報が送信されてくると、表示部25に、図8や図9に示したような画面を表示する(ステップS20)。また、これらの情報は入力表示部21のハードディスク等の記憶媒体に記憶され、以降のナビゲーションに用いられる。
【0062】
なお、前記充電場所の設定(ステップS14)において、充電設備を設定するように構成することも可能である。例えば、充電場所が設定された後或いは充電場所の設定に代えて、充電設備の名称や住所、地域名等を入力して選択したり、充電場所に属する充電設備を表示部25に全て或いは予め指定された数だけ一覧表示してその中から選択させるようにする。また、表示部25に充電場所の地図を表示させて、その画面の中から充電設備を選択させてもよく、その際、観光施設を同時に表示すれば充電中に訪れる観光施設も考慮に入れて充電設備を選択できるので好ましい。
【0063】
次に、目的地に行く前に立ち寄りたい経由地がある場合には、目的地を設定した後(ステップS1、図4参照)、経由地の設定を行う(ステップS21)。そして、経由地が設定されると(図4のルートC参照)、図13に示すフローチャートに従って、目的地や経由地、自車両の速度等の設定内容と自車両の現在位置および燃費の情報がデータセンタ4に送信され、同時にバッテリ管理部22から車載バッテリの残存容量の情報がデータセンタ4に送信される(ステップS22)。
【0064】
データセンタ4では、電気自動車2から送信を受けると(ステップS23)、ナビゲーションサーバ43がデータベースサーバ42に接続されたデータベース部46から地図情報の必要な部分を読み出してノード間距離等を参照して電気自動車2の現在位置および経由地間と経由地および目的地間がそれぞれ最短距離になる経路を探索し(ステップS24)、選択した最短経路のノードの緯度および経度やノード間距離等のデータを分析サーバ44に送信する。
【0065】
分析サーバ44では、まず、図14に示すように、電気自動車2の現在位置と経由地との間のノード間距離の和と電気自動車2の燃費情報とから経由地に到達するまでに必要な容量A4を算出し、電気自動車2の車載バッテリの残存容量A0と算出された必要な容量A4とを比較して、残存容量A0が必要な容量A4より小さければ充電の必要があると判断する(ステップS25)。
【0066】
充電の必要があると判断すると、分析サーバ44は、データベース部46に位置情報や充電特性マップ等が記憶された充電設備3のうち、残存容量A0で到達でき前記経路に近い充電設備を選び出す。そして、図7に示した算出方法と同様の方法で、充電時間T1が算出され、選択された各充電設備の中から、電気自動車2の現在位置から経由地までの所要時間T4が最小となる充電設備が選定される(ステップS26)。
【0067】
また、前記判断(ステップS25)で充電の必要はないと判断されると、分析サーバ44は、今度は、図15に示すように、経由地と目的地との間のノード間距離の和と電気自動車2の燃費情報とから目的地に到達するまでに必要な容量A5を算出し、電気自動車2の車載バッテリの残存容量A0−A4と算出された必要な容量A5とを比較して、残存容量A0−A4が必要な容量A5より大きければ充電の必要はないと判断する(ステップS27)。この場合、電気自動車2は、現在位置から経由地を経由して目的地に到達するまでに充電を行う必要がない。
【0068】
また、前記判断(ステップS27)において充電の必要があると判断すると、分析サーバ44は、経由地付近の充電設備の中から、充電時間T1が最小となり、その充電時間T1も考慮した経由地から目的地までの所要時間T5が最小となる充電設備を選定する(ステップS28)。
【0069】
以上のようにして選定、算出された経路や所要時間T(=T4+T5)等の情報および選定された場合には充電設備および充電時間T1の情報、さらには経由地付近の観光施設の情報等が電気自動車2に送信される(ステップS29)。
【0070】
電気自動車2の入力表示部21は、データセンタ4から経路等の情報が送信されてきた否かを判断し(ステップS30)、情報が送信されてくると、表示部25に、図8や図9に示したような画面を表示し(ステップS31)、選定された経路等が入力表示部21のハードディスク等の記憶媒体に記憶され、以降のナビゲーションに用いられる。
【0071】
なお、前記経由地付近の充電設備の選定(ステップS28)においては、前述したように、データセンタ4の分析サーバ44が自動的に最適な充電設備を選定するように構成してもよいが、その段階で電気自動車2に情報を送信して充電設備を運転者に選択させるようにしてもよい。
【0072】
その際、例えば、入力表示部21の表示部25に、図16に示すような画面を表示するようにすれば、経由地で費やす時間に合わせて充電設備を選定できる。すなわち、例えば、経由地ですぐに用事が済むようであれば、図16に示した充電スタンドAを選定すればよいし、経由地での用事が比較的時間がかかるようであれば、充電スタンドBを選定すればよい。このようにすれば、運転者のニーズにさらに的確に応えることが可能となる。
【0073】
以上のように、本実施形態の電気自動車のナビゲーションシステムによれば、電気自動車2の現在位置から目的地までの充電時間T1を含むトータルな所要時間Tを予測し、情報として提供するものであるから、例えば、一刻も早く目的地に到達したい場合には、経路や充電設備の自動設定を選択することにより目的地に最短時間で到達できる経路と充電設備の位置を知ることができ、何分後に到達できるかを認識することが可能となる。
【0074】
また、例えば、時間的に余裕があり、車載バッテリの充電時間を利用して食事をとったり観光をしたりしたいという場合には、訪問したい観光施設があればそれを経由地として設定してナビゲーションシステムに経路設定を行わせて、算出された最終的な目的地への到着時刻を確認しながらその観光施設を訪問するか否かを決め、他の観光施設に変更するか否かを判断することができる。
【0075】
さらに、図12に示したように、ナビゲーションシステムに充電場所を推奨させ、その充電場所にある観光施設の中から訪問したい施設を選ばせるようにすることもできる。
【0076】
このように、本実施形態の電気自動車のナビゲーションシステムによれば、運転者によってそれぞれ異なるニーズに的確に応えることができ、運転者は最終的な目的地への到着時刻等を見据えたうえで、食事や観光等を含む的確で無駄のない走行計画を立てることが可能となる。
【0077】
また、本実施形態のように、ナビゲーションシステムを電気自動車と充電設備とデータセンタとで構成すれば、充電設備の新設や増設、充電性能の変更、区画整理等による道路の変更、観光施設の新設や消滅等に関する最新の情報をデータセンタで一括管理することができ、また、データベース部46に記憶された精緻な地図情報を用いることができるため、経路設定の設定精度を向上させ、車載バッテリへの充電時間や電気自動車の走行時間等の計算をより正確に行うことが可能となる。
【0078】
なお、入力表示部21の表示部25で充電設備を選択するような場合、充電設備が多数表示されると見分けがつき難い場合がある。そのような場合には、急速充電が可能か否か当の充電設備の充電性能に違いに応じて色分けして表示したり、充電に要する時間の長短で色分けして表示するように構成することも可能である。
【0079】
また、充電設備で車載バッテリを満タンの状態に充電するとどのくらい充電時間がかかり、目的地への到達時刻が何時になるかを知りたい場合もある。その場合には、データセンタ4の分析サーバ44で充電時間T1を算出する際に、同時に車載バッテリを満タンの状態に充電するためにかかる充電時間をも合わせて算出し、例えば、図8や図9、図16に示される入力表示部21の表示部25に最短の充電時間と合わせて表示するように構成することも可能である。
【0080】
さらに、図6や図14等に示した電気自動車2の現在位置、目的地、充電設備、経由地等の間の移動に必要な容量の計算においては、前述したように単にノード間距離の値を用いて距離を求めるだけでなく、例えば、他の電気自動車2がそのノード間を走行した際の容量の消費量等のプローブ情報を活用するように構成することも可能である。具体的には、電気自動車2からノードを通過するごとに車載バッテリの残存容量の情報をデータセンタ4に送信させることで、ノード間の移動で実際に消費した容量のデータを収集できる。その消費容量をノード間データとしてデータベース部46に保存しておけば、電気自動車2の現在位置、充電設備、経由地、目的地の間を走行するために必要な容量の算出において、その経路の各ノード間に対応付けられた消費容量の和を計算することでより現実に即した消費容量の算出を行うことが可能となる。
【0081】
一方、図17に示すように、データセンタ4のデータベースサーバ42、ナビゲーションサーバ43および分析サーバ44の機能をすべて電気自動車2の入力表示部21に持たせ、ナビゲーションシステム1を電気自動車2に搭載するように構成することも可能である。その際、データベース部46としては、内蔵のハードディスクやCDやDVD等の記憶媒体が用いられる。
【0082】
このように構成すれば、前記実施形態と比較してデータセンタ4との通信時間が省略できるため、処理時間が短縮される効果がある。また、充電設備の新設や増設、充電性能の変更等の最新情報は、それらの情報が記録された記憶媒体から取り込んだり、データセンタ4に送信させて入手することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本実施形態に係るナビゲーションシステムの全体構成を説明する図である。
【図2】充電設備の充電能力を示す充電特性マップを説明する図である。
【図3】経路上のノードを説明する図である。
【図4】入力表示部での初期設定の手順を示すフローチャートである。
【図5】自動設定が選択された場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】目的地に到達するまでに必要な容量の算出方法を説明する図である。
【図7】充電時間および経路上の各区間における必要な容量と走行時間との関係を説明する図である。
【図8】経路や充電設備、充電時間等が表示された表示部を示す図である。
【図9】充電設備やその周囲の観光施設が表示された表示部を示す図である。
【図10】経路および充電場所の設定が選択された場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】経路設定のために表示された複数の経路を示す図である。
【図12】残存容量で到達可能な距離が実線で表された経路を示す図である。
【図13】経由地設定が選択された場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】現在位置から経由地に到達するために必要な容量の算出方法を説明する図である。
【図15】経由地から目的地に到達するために必要な容量の算出方法を説明する図である。
【図16】経由地付近の充電設備選定のために表示部に表示される画面を示す図である。
【図17】ナビゲーションシステムを電気自動車搭載型とした場合の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1 ナビゲーションシステム
2 電気自動車
22 バッテリ管理部
25 表示部
26 入力部
3、3a、3b、3c 充電設備
4 データセンタ
44 分析サーバ
46 データベース部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在位置と地図情報とを整合させて運転者に提供し、目的地への経路誘導を行う電気自動車のナビゲーションシステムにおいて、
前記経路を表示する表示部と、
前記目的地を入力する入力部と、
車載バッテリの残存容量を計測するバッテリ管理部と、
充電設備の位置情報および充電性能の情報と前記地図情報とが保存されたデータベース部と、
前記車載バッテリの残存容量、前記電気自動車の燃費、前記地図情報に基づいた前記電気自動車の現在位置から前記充電設備まで距離および前記充電設備から前記目的地までの距離に基づいて前記充電設備における前記車載バッテリの充電時間を算出する分析部と、から構成され、
前記分析部により算出された充電時間を含む前記目的地までの到達時間を前記表示部に表示するように構成されていることを特徴とする電気自動車のナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記データベース部には、観光施設の位置情報が保存されており、
前記表示部は、前記充電設備とその付近の前記観光施設とを表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記観光施設には、充電可能な観光施設が含まれることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記表示部、入力部および前記バッテリ管理部は前記電気自動車に搭載されており、かつ、前記データベース部および前記分析部はデータセンタに設けられており、前記電気自動車と前記データセンタとの間で通信を行うように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気自動車のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記表示部、前記入力部、前記バッテリ管理部、前記データベース部および前記分析部はすべて前記電気自動車に搭載されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の電気自動車のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−112932(P2006−112932A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300972(P2004−300972)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】