説明

青果類の形状選別装置および形状選別方法

【課題】 安定して正確な形状の識別が可能であり、しかも、破損損傷しやすい、例えば、みかんなどの青果類など浮皮の有無を識別する場合においても、青果類の表面を破壊することなく、青果類に対して、接触せずに連続的に正確な形状の測定が可能であり、しかも見た目にも歪曲していびつな外観をした青果類の選別が可能な青果類の形状選別装置および形状選別方法を提供する。
【解決手段】 被測定青果類に対して測定用光を照射する照射部と、前記被測定青果類に照射された測定用光を受光する受光部と、前記受光部により受光された測定用光を数値化し、予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較することにより形状を判定する演算装置とを備える青果の形状選別装置により、精度良く形状を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果実、野菜などの青果類の浮皮の有無、例えば、みかんなどの柑橘類などの浮皮の有無を非破壊で識別するための青果類の形状選別装置および青果類の形状選別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、果実、野菜などの青果類においては、例えば、みかんなどの柑橘類の浮皮の程度を測定することによって、青果類の内部品質や、貯蔵、運搬に耐え得るものであるかなどの品質を測定することが行われている。
【0003】
このような青果類の形状を選別する方法として、従来は、検査者が、目視や実際に青果類を手に取って、手に取った感触、柔らかさなどから経験に基づいて、形状を選別することが行われている。
【0004】
しかしながら、このような検査者による形状の選別方法では、検査者の経験や目視などによるので、選別の正確さに欠けることになるとともに、再現性も良好ではない。
このため、従来より、特許文献1には、柑橘類に測定用光を照射する照射手段と、柑橘類を透過した光を分光した後受光する受光手段と、この受光手段により受光した光の波長から浮皮値を演算する演算手段と、この演算手段により演算された浮皮値と予め設定された設定値とを比較することにより浮皮を判定する判定手段とを備えた柑橘類の浮皮判別装置が提案されている。
【0005】
また、特許文献2においても、果肉と果皮とを有する被測定青果類に対して光源から照射光の照射を行い被測定青果類を透過した透過光を光検出器で検出し、演算処理部で果皮の質を判定する青果類の果皮の質の判定装置が提案されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、青果類に対して、X線を照射することによって透過映像を撮像して、これにより、果肉部分と果皮部分との分離の程度を判別することによって、浮皮の有無を識別することが行われている。すなわち、果皮と果肉の境界部分に空隙が形成されて浮皮になると、この空隙部分は密着しているときよりもX線の透過量が多くなり、高い検出出力が現れる。これにより、X線受光部が出力する検出パターンを、記憶装置から読出した正常な果実で検出される比較パターンと比較して、高い出力があるか否かを判定し、高い出力があれば浮皮と判定するようになっている。
【0007】
また、特許文献4では、圧縮空気を吐出するエアーコンプレッサーと、周方向に所定間隔で複数の貫通孔を穿設した回転円盤とこの回転円盤を所定回転速度で回転させる駆動装置からなり、チョッピングエアーを発生するチョッピングエアー発生装置と、果皮の微小変位を検出する変位センサーと、この変位センサーからの検出信号を処理し、浮皮の有無を判定する演算装置とから浮皮判定装置を構成している。そして、チョッピングエアーを柑橘類果物の果皮に噴射させ、それにより発生した果皮の微小変位を検出することによって、浮皮の有無を判定するようになっている。
【0008】
また、従来より、レオメータ(例えば、不動工業社製)と呼ばれる測定装置を用いて、ロードセルを備えた測定子を上方から降下させて、被測定青果類に貫入させることによって、浮皮の有無を識別を行うことが行われている。
【特許文献1】特開平11−304697号公報
【特許文献2】特開2001−289784号公報
【特許文献3】特開平10−170456号公報
【特許文献4】特開2001−74705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1および特許文献2のように、被測定青果類を透過した透過光を光検出器で検出し、演算処理部で果皮の質を判定する方法では、透過した光を分光した後受光した複数の波長の光では、みかんなどの柑橘類の皮の厚さや皮密度、皮質の違いまた皮と実の間の空洞(空気が入っている)内の乱反射、空洞の数と大きさなどが依存してしまい、実用化するには精度が良好ではなかった。
【0010】
また、特許文献3のように、X線を照射することによって浮皮の有無を識別する方法では、X線照射装置などの高価で複雑な装置が必要であり、しかも、X線を取り扱うため、特別な安全性の管理が必要となるとともに、X線源の寿命の度に交換の必要がありコストが高くつくことになる。
【0011】
さらに、特許文献4のように、高速でコンベア上を移動するみかんなどの柑橘類の皮をへこませるチョッピングエアーは非常に高圧であり、コンプレッサーが大掛かりになってしまい装置が大型で複雑な構成となってしまう。
【0012】
また、上記のレオメータによる浮皮の有無を識別する方法では、青果類の表面を破壊することになるので、青果場では、測定のために表面が破壊された青果類を破棄せざるを得ないため、その損失は年間に換算すれば、多大な損害となっている。
【0013】
さらに、レオメータによる浮皮の有無を識別する方法では、ロット毎の任意抽出による浮皮の有無を識別するしかないので、全数検査することができず、どうしても浮皮が存在する青果類を出荷してしまうことにもなる。さらに、連続的にコンベア上を搬送されてくる青果類に対して、連続的に浮皮の有無を識別することは不可能である。
【0014】
また市場における浮皮の検査の際には、図22(a)に示したように浮皮を有しない正常な青果類60に対し、図22(b2)に示したような浮皮を有する青果類60とともに、図22(b1)のように厳密には浮皮ではないが外観の立体形状が歪曲したいびつな青果類60やいびつな突起を有する青果類60も浮皮とされており、その選別方法が模索されているのが現状である。
【0015】
本発明は、このような現状に鑑み、安定して正確な形状の識別が可能であり、しかも、破損損傷しやすい、例えば、みかんなどの青果類など浮皮の有無を識別する場合においても、青果類の表面を破壊することなく、青果類に対して、接触せずに連続的に正確な形状の測定が可能であり、しかも見た目にも歪曲していびつな外観をした青果類の選別が可能な青果類の形状選別装置および形状選別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明の青果類の形状選別装置は、
青果類の形状を識別する青果類の形状選別装置であって、
被測定青果類に対して測定用光を照射する照射部と、
前記被測定青果類に照射された測定用光を受光する受光部と、
前記受光部により受光された測定用光を数値化し、予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較することにより形状を判定する演算装置と、
を備えることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
青果類の形状を識別する青果類の形状選別方法であって、
被測定青果類に対し照射部を介して測定用光を照射し、
前記被測定青果類に照射された測定用光を受光部を介して受光し、
前記受光部により受光された測定用光を数値化し、
演算装置を介して予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較することにより形状を判定することを特徴とする。
【0018】
このように構成することによって、演算装置を介して予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較するだけで、被測定青果類は、接触して表面を破壊することがないため、連続的に正確な形状の判定が可能であり、しかも見た目にも歪曲していびつな外観をした青果類の選別が可能である。
【0019】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記照射部と受光部とから構成されるレーザー変位計を備え、
前記照射部が測定用光を照射するように構成されるとともに、
前記受光部が前記被測定青果類に照射された測定用光を受光するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記照射部と受光部とから構成されるレーザー変位計を備え、
前記照射部が測定用光を照射するように構成されるとともに、
前記受光部が前記被測定青果類に照射された測定用光を受光するように構成されていることを特徴とする。
【0021】
このように構成することによって、レーザー変位計が、被測定青果類に対して照射した測定用光の単位時間当たりの距離の変位を数値化し、演算装置を介してグラフ化することが可能であり、被測定青果類を立体的に測定し、精度良く形状を判定することができる。
【0022】
さらに、レーザー変位計は、測定用光の照射部と受光部とが一体化されているため、形状選別装置を簡素化でき、狭いスペースにも設置可能で、しかもコストを下げることができる。
【0023】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記形状を判定する演算装置が、
前記レーザー変位計から出力された数値を、
時間−変位計出力(距離)の関係のグラフに変換し、
前期グラフの傾きを所定の間隔ごとに区切って算出して形状選別データ値とし、
これを予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較することにより形状を判定するよう構成されていることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記形状を判定する演算装置が、
前記レーザー変位計から出力された数値を、
時間−変位計出力(距離)の関係のグラフに変換し、
前期グラフの傾きを所定の間隔ごとに区切って算出して形状選別データ値とし、
これを予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較することにより形状を判定するよう構成されていることを特徴とする。
【0025】
このように構成することによって、正常な青果類の形状データと被測定青果類の形状データのグラフより、各曲線の傾きを比較することが可能であるため、細分化した間隔に応じて、形状の判定精度を調整することができる。
【0026】
この際、レーザー変位計により被測定青果類に対して照射される測定用光の照射間隔を、短くすれば、測定箇所が多くなり出力される数値も多くなるため、被測定青果類の形状、大きさ等にあわせて測定用光の照射間隔と被測定青果類に対するレーザー変位計の移動速度、レーザー変位計に対する被測定青果類の移動速度を適宜変化させると良い。
【0027】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類に対して1箇所以上に設けられていることを特徴とする。
【0028】
このように構成することによって、被測定青果類に対する形状の判定精度を高めることが可能である。
この際、レーザー変位計の数を増やすほど測定箇所が多くなり、被測定青果類の多くの測定箇所における測定値を正常な青果類の測定値と比較することができるため、信頼性の高い形状の判定をすることができる。
【0029】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類の上方に1箇所以上設けられていることを特徴とする。
【0030】
このように構成することによって、特に被測定青果類の上方を集中的に測定することができ、信頼性の高い形状の判定ができる。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類の周囲を移動するように設けられていることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類の周囲を移動するように設けられていることを特徴とする。
【0032】
このように構成することによって、被測定青果類を移動することなく、レーザー変位計により測定用光を照射することができる。
この際、レーザー変位計は、被測定青果類の上方を直線的に移動するか、また被測定青果類を中心として円弧状に移動するよう構成すると良い。
【0033】
さらに、これらの移動方法を組み合わせて構成することも可能であるため、被測定青果類にあわせて適宜選択すると良い。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする。
【0034】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、被測定青果類は搬送ライン上を搬送されるため、測定用光を照射するためのレーザー変位計は、固定することができ、装置を複雑化することがない。
【0035】
さらに、被測定青果類が移動しているため、短時間に多くの被測定青果類を測定するこ
とが可能であり、青果場の搬送ライン上を搬送される被測定青果類の形状の判定に最適である。
【0036】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記照射部が測定用光として線状光を照射するように構成され、
前記受光部が、前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するための撮像装置から構成されていることを特徴とする。
【0037】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記照射部が測定用光として線状光を照射するように構成され、
前記受光部が、前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するための撮像装置から構成されていることを特徴とする。
【0038】
このように、前記照射部が測定用光として線状光を照射するように構成され、前記受光部が前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するための撮像装置から構成されているため被測定青果類は、接触して表面を破壊することなく、連続的に正確な形状の判定が可能であり、しかも見た目にも歪曲していびつな外観をした青果類の選別が可能である。
【0039】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記形状を判定する演算装置が、
前記撮像装置により撮像された画像のうち、
前記被測定青果類に照射された線状光部分のみを抽出し、
前記画像から抽出された線状光部分からなる表面撮像線を一定間隔ごとに区切り、
前記表面撮像線のそれぞれの傾斜角度を求めるとともに、
前記各傾斜角度について隣接区間の傾斜角度の角度差データを得て
正常な青果類の形状データの角度差データを比較して形状を判定するよう構成されていることを特徴とする。
【0040】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記形状を判定する演算装置が、
前記撮像装置により撮像された画像のうち、
前記被測定青果類に照射された線状光部分のみを抽出し、
前記画像から抽出された線状光部分からなる表面撮像線を一定間隔ごとに区切り、
前記表面撮像線のそれぞれの傾斜角度を求めるとともに、
前記各傾斜角度について隣接区間の傾斜角度の角度差データを得て
正常な青果類の形状データの角度差データを比較して形状を判定するよう構成されていることを特徴とする。
【0041】
このように構成することによって、照射部から被測定青果類に対して照射した線状光は、被測定青果類の形状にあわせて立体的に湾曲して表現されるため、従来のような被測定青果類の輪郭を取る二次元的な方法に比べ、被測定青果類を立体的に測定することができ、精度良く形状を判定することができる。
【0042】
さらに、被測定青果類に対して照射する線状光が複数本であれば、被測定青果類を撮像装置で撮像する際、より多くの表面撮像線を撮像することが可能であるため、形状の判定対象が多くなり精度良く形状の判定をすることができる。
【0043】
この際、線状光の本数は、被測定青果類の大きさ、形状によって適宜選択すれば良く、各線状光の間隔も被測定青果類の大きさ、形状によって適宜選択すれば良い。
なお、線状光は直線状であっても円状であっても良く、さらに格子状であっても良い。
【0044】
また、抽出された線状光部分からなる表面撮像線を細分化した分に応じて正確に形状を判定することができる。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記形状を判定する演算装置が、
前記表面撮像線から得られた角度差データと前記予め用意されている正常な青果類の形状データの角度差データとを比較して、
その差が所定の閾値から外れた際に形状を判定するよう構成されていることを特徴とする。
【0045】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記形状を判定する演算装置が、
前記表面撮像線から得られた角度差データと前記予め用意されている正常な青果類の形状データの角度差データとを比較して、
その差が所定の閾値から外れた際に形状を判定するよう構成されていることを特徴とする。
【0046】
このように構成することによって、形状の判定レベルを調整することが可能であるため、被測定青果類の種類や特性にあわせて形状の判定が可能である。
この判定レベルであるが、例えばみかんの外観とすいかの外観では市場で必要な外観の滑らかさは異なるため、みかんの場合には所定の閾値から10%外れたら浮皮有りなどと判定を行えば良く、閾値は被測定青果類の形状、大きさ、種類等にあわせて適宜変化させると良い。
【0047】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記線状光を照射する照射部が、
前記被測定青果類に対して1箇所以上に設けられていることを特徴とする。
【0048】
このように構成することによって、被測定青果類に対する形状の判定精度を高めることが可能である。
この際、線状光を照射する照射部の数を増やすほど表面撮像線が多くなり、被測定青果類の多くの測定箇所における表面撮像線から得られた角度差データと予め用意されている正常な青果類の形状データの角度差データとを比較することができるため、信頼性の高い形状の判定をすることができる。
【0049】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記線状光を照射する照射部が、
前記被測定青果類の上方に設けられていることを特徴とする。
【0050】
このように構成することによって、特に浮皮の起き易い被測定青果類の上方に集中的に線状光を照射することができるため、線状光を照射された被測定用青果類を撮像した角度差データから、より信頼性の高い形状の判定が可能である。
【0051】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の側部上方に配置されていることを特徴とする。
【0052】
このように構成することによって、被測定青果類に対して側部の形状の判定をすることができる。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の横方向において上方に配置されていることを特徴とする。
【0053】
このように構成することによって、被測定青果類に対して横方向の側部の形状の判定をすることができる。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の横方向において被測定青果類の両側上方に配置されていることを特徴とする。
【0054】
このように構成することによって、被測定青果類に対して横方向の両側部の形状の判定をすることができる。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の前後方向において上方に配置されていることを特徴とする。
【0055】
このように構成することによって、被測定青果類に対して前後方向の側部の形状の判定をすることができる。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の前後方向において被測定青果類の両側上方に配置されていることを特徴とする。
【0056】
このように構成することによって、被測定青果類に対して前後方向の両側部の形状の判定をすることができる。
さらに、被測定青果類を撮像する際、一度に複数の表面撮像線を撮像することとなるため、精度良く形状の判定ができる。
【0057】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記被測定青果類の周囲にミラーが配置され、
前記撮像装置が前記ミラーを介して前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するように構成されていることを特徴とする。
【0058】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記被測定青果類の周囲にミラーが配置され、
前記撮像装置が前記ミラーを介して前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するように構成されていることを特徴とする。
【0059】
このように構成することによって、設置位置によっては撮像することの難しい、被測定青果類に照射された線状光である表面撮像線をミラーを介して撮像することができるため、精度良く形状の判定ができる。
【0060】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記撮像装置が、
較正板を用いてレンズの絞り量またはゲインレベルを調整するよう構成されていることを特徴とする。
【0061】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記撮像装置が、
較正板を用いてレンズの絞り量またはゲインレベルを調整するよう構成されていることを特徴とする。
【0062】
このように構成することによって、常に安定した精度での形状の判定をすることができるばかりでなく、形状選別装置を同時に複数用いている場合においても、各形状選別装置が同じ精度で形状の判定をすることができる。
【0063】
この較正板による撮像装置の調整は、例えば時間を決めて行うと良く、また常時調整するよう較正しても良い。
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする。
【0064】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする。
このように構成することによって、被測定青果類は搬送ライン上を搬送されるため、線状光を照射するための照射部と、被測定青果類に照射された線状光を撮像するための撮像装置は、固定することができ、装置を複雑化することがない。
【0065】
また、搬送ラインは常に作動していても、撮像装置で撮像する際に一時停止または減速するよう構成されていても良い。
さらに、被測定青果類が移動しているため、短時間に多くの被測定青果類を測定することが可能であり、青果場の搬送ライン上を搬送される被測定青果類の形状の判定に最適である。
【0066】
また、本発明の青果類の形状選別装置は、
形状選別装置が、
被測定青果類の浮皮の選別を行う浮皮選別装置であることを特徴とする。
【0067】
また、本発明の青果類の形状選別方法は、
形状選別方法が、
被測定青果類の浮皮の選別を行う浮皮選別方法であることを特徴とする。
【0068】
このように、形状選別装置を、被測定青果類の浮皮の選別に特化して用いれば、被測定青果類の浮皮の選別を良好に行うことが出来る。
【発明の効果】
【0069】
本発明によれば、安定して正確な形状の識別が可能であり、しかも、破損損傷しやすい、例えば、みかんなどの青果類など浮皮の有無を識別する場合においても、青果類の表面を破壊することなく、青果類に対して、接触せずに連続的に正確な形状の有無の測定が可能である。
【0070】
また、見た目にも歪曲していびつな外観をした青果類の選別が可能な青果類の形状選別装置および形状選別方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0071】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は本発明の青果類の形状選別装置の実施例を示す概略図、図2は本発明の青果類の形状選別装置のレーザー変位計の移動範囲を示す概略図、図3は本発明の青果類の形状選別装置のレーザー変位計の移動範囲を示す概略図、図4は本発明の青果類の形状選別装置の
レーザー変位計の移動範囲を示す概略図、図5は本発明の青果類の形状選別装置のレーザー変位計の移動範囲を示す概略図である。
【0072】
図1から図22おいて、10は、本発明の青果類の形状選別装置(以下、単に「形状選別装置」と言う)を示している。
本発明の形状選別装置10は、青果類の形状のいびつ加減、例えば、みかんなどの柑橘類の浮皮の有無を非接触で選別するためのものである。
【0073】
なお、本発明の実施例としては、形状の選別を行う例として、青果類の浮皮の選別を行うものとする。
また、本発明において「浮皮」とは、果皮と果肉との間に隙間が形成され、皮が浮いた状態のことであるとともに、青果類の外観の立体形状が歪曲し、いびつな状態やいびつな突起を有する状態のことである。
【0074】
図1に示したように、形状選別装置10は、レーザー変位計14と、図示しないが、レーザー変位計14より出力された出力値を受け取り、演算を行う演算装置を備えている。またレーザー変位計14、14は、測定用光20を照射する照射部16と受光部18から構成されており、被測定青果類12の表面に測定用光20を照射し、反射した光を受光部18で受光するため、被測定青果類12の上方に位置するよう配置されている。
【0075】
この際、レーザー変位計14より照射される測定用光20としては、間欠光または連続光を用いることができる。
また、レーザー変位計14は、予め被測定青果類12の浮皮の発生し易い箇所や表面がいびつになり易い箇所を測定用光20が通過するよう構成するのが望ましいため、被測定青果類12の上方のみならず、側方、側部上方など、被測定青果類12周囲のいずれの位置に配置されても良い。
【0076】
本発明の形状選別装置10では、被測定青果類12を柑橘類であるみかんを例に挙げており、みかんにおいては上部のヘタの周辺が一番浮皮の発生し易い箇所であるため、この部分をレーザー変位計14の測定用光20が通過するよう構成している。
【0077】
なお、被測定青果類12が検査位置に置かれている場合においてレーザー変位計14は、図2に示したように、被測定青果類12を中心として周囲を360度移動するように構成すれば、被測定青果類12の浮皮を見落とす心配がない。
【0078】
また、図3に示したように、被測定青果類12を中心として、被測定青果類12の上半分を円弧状に180度移動するように構成すれば、被測定青果類12がみかんの場合、浮皮の発生し易い上部のヘタの周辺の浮皮を見落とす心配がない。
【0079】
さらに、図4に示したように、レーザー変位計14の移動する範囲を、限定するよう構成すれば、被測定青果類12がみかんの場合、浮皮の発生し易い上部のヘタの周辺に限定して浮皮の有無を調べることができる。
【0080】
また、図5に示したように、レーザー変位計14は、被測定青果類12の上方を直線的に移動するよう設けられていても良く、この場合被測定青果類12の直径の端部から端部までを移動範囲La1として移動するよう構成されていても良く、また被測定青果類12の浮皮の発生し易い箇所La2のみを移動するよう構成されていても良い。
【0081】
また図2から図5におけるレーザー変位計14の移動方向としては、一方向であっても前後両方向であっても良く、設置する状況に応じて適宜選択すると良い。
さらに、図2から図5に示した移動範囲を有するレーザー変位計14において照射を開始する位置としては、被測定青果類12の最上端から開始すると被測定青果類12に対して前後を移動する必要があるため、被測定青果類12の一方の端部を開始位置とし、他方の端部を通過するようにすると良い。
【0082】
また、図6に示したように被測定青果類12が搬送ライン22上を搬送されている場合において、被測定青果類12は搬送ライン22上に載置され矢印の方向に移動するよう構成されている。
【0083】
この際、レーザー変位計14は、レーザー変位計14から照射される測定用光20が被測定青果類12の浮皮の発生し易い部分に当たるよう構成する必要があり、本発明の形状選別装置10の実施例においては、被測定青果類12がみかんであるため、測定用光20が皮の発生し易いヘタの周部に当たるよう、被測定青果類12の上方に位置するよう構成するとともに、搬送ライン上を搬送されるみかんに当接しないよう、みかんの通過範囲外にレーザー変位計を設置すると良い。
【0084】
また、レーザー変位計14の設置個数は、被測定青果類12の大きさ、浮皮の発生し易い箇所等によって適宜決定すればよいが、本発明の実施例としては、被測定青果類12はみかんであるため現実的なコストを考慮すれば、図1のように2箇所に設けるのが好ましい。
【0085】
このようにレーザー変位計14は、被測定青果類12に測定用光20を照射するよう構成されているが、測定用光20は図7に示したようにレーザー変位計14の照射部16から被測定青果類12の表面に照射され、反射した光を受光部18で受光する。
【0086】
この際レーザー変位計14は、図7(a)に示したように照射部16から照射された測定用光20が被測定青果類12の一方の端部を照射した時点より、レーザー変位計14の照射部16から被測定青果類12の一方の端部までの距離L1をデータ化し、このデータを図示しないが演算装置に送る。
【0087】
そして、同様にレーザー変位計14が図7(a)から(e)のように移動するに伴って、それぞれレーザー変位計14は、図7(b)から図7(d)ではレーザー変位計14の照射部16から被測定青果類12の表面までの距離L2、L3、L4をデータ化して演算装置に送り、図7(e)に示したように、測定用光20が被測定青果類の他方の端部を照射した時点の距離L5のデータまでを演算装置に送るよう構成されている。
【0088】
また、このようにして得られた演算装置に送られたレーザー変位計14の照射部16から被測定青果類12の表面の測定用光20が当たっている位置までの距離のデータは、図7(f)に示したように、演算装置によって、変位計出力(距離)−時間のグラフとして出力され、図7(g)に示したように曲線グラフ化される。
【0089】
なお、演算装置には予め形状選別用の基準データとして、正常なみかんを被測定青果類12とした、レーザー変位計14の照射部16から被測定青果類12の表面までの距離の測定データが入力されている。
【0090】
このような形状選別用の基準データとなる正常なみかんの測定データは、図8(a1)に示したように演算装置により前述の方法で曲線グラフ化されるが、被測定青果類12は個々の大きさが違うため、基準データとして直径Lb1を図8(a2)のように任意の直径である直径Lcとなるよう演算装置内で演算処理を行っているが、このとき変位計の出力も演算装置内の演算処理により何倍かされる。
【0091】
例:Lb1=50、Lc=100
(Lc/Lb1)=(100/50)=2
この2倍を変位計の出力にかける。
【0092】
本発明の形状選別装置10における演算装置では、被測定青果類12の任意の直径は100mmとして演算処理を行っているが、被測定青果類の大きさによりこの値は適宜選択することが好ましい。
【0093】
一方、このようにして得られた形状選別用の基準データに対して、図7と同様にして得られた図9(b1)のような被測定青果類12が浮皮を有するみかんである時の曲線グラフも、被測定青果類12が正常なみかんの時と同様にして直径Lb2を図9(b2)に示したように任意の直径である直径Lcとなるよう演算装置内で演算処理を行う。
【0094】
さらに図10に示したように、演算装置により図8、図9の処理を行った正常なみかんの曲線グラフ図10(a2)と浮皮を有するみかんの曲線グラフ図10(b2)とを重ね合わせ、一つの表に表示し図10(c)とする。
【0095】
この図10(c)のグラフは、演算装置内での演算処理により図11(a)で示したようになり、X軸とY軸の座標を計算し位置を示すものである。
また、図11において図示しない演算機内において、正常なみかんと浮皮を有するみかんの曲線グラフは、図11(a)の部分拡大図である図11(b)に示したように、5mmごとの区間であるG1、G2、G3、G4のように各曲線を区切る。
【0096】
そして、各グラフの所定の間隔に区切られた区間ごとの傾き(傾斜角度)が求められ、隣り合った区間(例:図11(b)G1とG2)の角度の差を、グラフの終点まで求め角度差データとする。
【0097】
この場合この角度差データは、角度差の偏差は数値が小さいほどグラフの曲線が滑らかであることを示すものである。
このようにして形状の判定は行われるものであるが、図11(a)に示したように正常なみかんの曲線グラフAは、変位計出力(距離)−時間のグラフにおいて滑らかなカーブを示しているため、みかんの輪郭に歪みが生じていないことが分かる。
【0098】
さらに、浮皮を有するみかんの曲線グラフBは、変位計出力(距離)−時間のグラフにおいていびつなカーブを示しているため、みかんの輪郭に歪みが生じていることが分かる。
【0099】
このため演算装置は、形状の判定方法として予め正常なみかんの角度差の偏差に対して、被測定青果類12の角度差の偏差がある一定の閾値から外れた場合に浮皮が存在すると判定されるようプログラムされると良い。
【0100】
なお、判定の精度としては、ベクトルの長さを短くするに従って細かな角度差偏差を出すことができ、精度良く形状の判定を行うことができるが、演算装置の能力、処理時間、処理個数等を考慮すれば、好ましくは1mm〜50mm、より好ましくは5mm〜10mm、さらに好ましくは5mmに区切ると精度良く形状を判定することができる。
【0101】
図12は本発明の形状選別装置10の他の実施例であり、被測定青果類12に対して線状光28を照射する照射部24と、被測定青果類12に照射され、表面に投影された投影線38を撮像するための撮像装置26と、図示しないが撮像装置26にて撮像された画像
を処理し演算処理を行う演算装置とを備えている。
【0102】
このような図12に示した形状選別装置10によれば、照射部24より被測定青果類12に照射された線状光28は、撮像装置26により被測定青果類12とともに投影された投影線38を撮像し、撮像された画像は画像データとして図示しないが演算装置に送られるようになっている。
【0103】
この撮像装置26は、カメラを用いて静止画を撮像してもビデオカメラを用いて動画を撮像しても良いが、本発明の形状選別装置10ではビデオカメラを用いており、撮像装置26で撮像される被測定青果類12及び投影線38は、予め決められたタイミングで撮像装置26より演算装置に送られるよう構成されている。
【0104】
また、照射部24を設ける位置としては、本発明の被測定青果類12では実施例としてみかんを使用しているため、みかんの浮皮の発生が最も発生し易いヘタの周部に線状光28が照射できるよう被測定青果類12の側部上方に照射部24を備えることが望ましい。
【0105】
ところで、本発明において照射部24により照射される線状光28の本数は、被測定青果類12に対して同時に4本照射する照射部24を用いているが、これに限定されることは無く、被測定青果類12の大きさ等によって線状光28の本数を適宜選択すると良い。
【0106】
また、照射部24により照射される線状光28の形状としては、線状光28に限定されるものではなく、例えば図13(a)に示したように円状光40を照射しても良く、図13(b)に示したように格子状光42を照射しても良い。
【0107】
さらには、これらを組み合わせて使用することもでき、照射部24で照射することが可能な形状であればどのような形状であっても良い。
また、本発明において照射部24より照射される光の色は、赤であるが、他にも緑、青を使用することができるため、被測定青果類12の色によって適宜選択すると良い。
【0108】
このように、照射部24より照射された線状光28が照射された被測定青果類12とともに投影された投影線38を撮像する撮像装置26の位置としては、主に被測定青果類12に投影された投影線38を撮像できるよう配置する必要が有るため、本発明の形状選別装置10においては照射部24の近辺に位置するよう構成されるとよい。
【0109】
しかしながらこれら照射部24、撮像装置26を設ける位置は、形状選別装置10の構成や設置箇所、さらに被測定青果類12の形状、大きさ等に応じて適宜選択すると良い。
このようにして構成された図12に示した形状選別装置10は、撮像装置26によって撮像された画像を画像データとして、図示しないが演算装置に送られる。
【0110】
そして、この画像データを演算装置内でレーザー変位計14を用いた形状選別装置10と同様、正常なみかんの形状選別データと被測定青果類12である浮皮を有するみかんの形状選別データとを対比させ、演算処理を行うことにより形状の判定を行うが、演算装置内には基準となる正常なみかんの形状選別データが予め用意されている。
【0111】
この基準となる正常なみかんの形状選別データを得る方法であるが、まず撮像装置26により撮像された正常なみかんは、画像データとして演算装置に送られ、図14(a1)に示したような画像34として表現される。
【0112】
この画像34には、被測定青果類12である正常なみかんと、被測定青果類12の表面に投影された投影線38である表面撮像線32が映し出されている。
次に、画像34中最も重要となる箇所が表面撮像線32であるため演算装置により画像34内から表面撮像線32のみを抽出する必要があり、表面撮像線32は照射部24より照射される光の色が赤であるため画像34内でも赤く表現され、公知のRGB画像処理方法を用いて赤色のみを抽出する。
【0113】
このようにして得られた図14(a2)に示した画像34の表面撮像線32は、撮像装置26によって撮像される被測定青果類12の個々の大きさが違うため、基準データとして直径Ldを図14(a3)のように任意の直径である直径Leとなるよう演算装置内で演算処理を行い、処理された画像34として表現される。
【0114】
本発明の形状選別装置10における演算装置では、被測定青果類12の任意の直径は100mmとして演算を行っているが、被測定青果類の大きさにより値は適宜選択することが好ましい。
【0115】
このようにして、正常なみかんの画像データを得ることができる。
一方、浮皮を有するみかんの形状選別データを得る方法は、前述の正常なみかんの形状選別データを得る方法と同様にして行うため詳しい説明は省略するが、図15(b1)に示したように撮像装置26から演算装置に送られた画像34は、表面撮像線32の画像データのみを抽出した図15(b2)のように変換される。
【0116】
さらに演算装置では、正常なみかんの形状選別データとの対比のため、図15(b2)に示した浮皮を有するみかんの直径Lfは任意の係数を掛け、図15(b3)に示したような直径Leの画像34として出力される。
【0117】
このようにして、浮皮を有するみかんの画像データを得ることができる。
そして演算装置により演算を施された画像データは、正常なみかんについては予め演算装置内にデータが基準データとして用意され、被測定青果類12である浮皮を有するみかんの形状選別データと対比される。
【0118】
そして、対比方法としてもレーザー変位計14を用いた形状選別装置10と同様にして行われるものであるが、図16に示したように演算装置内での処理により得られた正常なみかんの形状選別データは図16(a3)のように表示され、浮皮を有するみかんの形状選別データは図16(b3)のように表示されるが、表示された画像のX軸とY軸は、画素の位置を示すものである。
【0119】
さらに、図16(a3)の部分拡大図である図16(a4)と、図16(b3)の部分拡大図である図16(b4)に示したように、表示された画像は1画素の縦横の幅が0.625mmのとき、画素10個分ごとの区間に各曲線を区切り、区間ごとの傾き(傾斜角度)が求められたのち、隣り合った区間(例:図16(a4)のG5とG6間、図16(b4)のG9とG10間)の角度の差をグラフの終点まで求め、隣接区間傾斜角度の角度差の偏差とし角度差の偏差に対して、被測定青果類12の角度差の偏差がある一定の閾値から外れた場合に浮皮が存在すると判定されるようプログラムされている。
【0120】
図17に示した本発明の形状選別装置10の他の実施例は、被測定青果類12に対して左右の側部上方に線状光28を照射する照射部24と、被測定青果類12の左右の側部に投影された投影線38を映し出すためのミラー30と、被測定青果類12の上部より被測定青果類12とともにミラー30を撮像するための撮像装置26より構成されている。
【0121】
本発明の形状選別装置10において撮像装置26は、被測定青果類12に対して照射された線状光28が被測定青果類12の上部半分に投影されている場合には、すべての投影
線38を被測定青果類12とともに撮像することができる。
【0122】
しかしながら、被測定青果類12に対して照射された線状光28が被測定青果類12の下部半分に投影されている場合(下部半分を含む位置に投影されている場合)には、下部半分に位置する一部の投影線38を撮像することができないため、ミラー30により撮像装置26の視野を補うことにより、被測定青果類12に投影された投影線38をもれなく撮像することができるよう構成されている。
【0123】
また、このようにミラー30を利用して撮像された画像34は、図18(a)に示したように、被測定青果類12と被測定青果類12に照射された線状光28である表面撮像線32とミラー30とが一緒に撮像されることとなる。
【0124】
さらに画像34は、前述のように演算装置により表面撮像線32のみが抽出され、図18(b)に示したような画像34として出力される。
また抽出された表面撮像線32は、演算装置により分散された一部の表面撮像線32を表面撮像線32が集中している箇所へ移動させるような処理を施し、図18(c)に示したような画像34として出力できる。
【0125】
そしてその後の処理としては、前述の実施例と同様の演算を演算装置内で行うことにより、精度良く形状の判定を行うものである。
また、図19に示したように、被測定青果類12に投影された投影線38は、矢印Y1の方向に反射され被測定青果類12とともにミラー30aに映し出される。
【0126】
さらに、ミラー30aに映し出された被測定青果類12と被測定青果類12に投影された投影線38は、矢印Y2の方向に反射されミラー30bに映し出されるため、撮像装置26によりミラー30bを撮像すれば、撮像装置26の視野角度θ1内にミラー30aが入っていなくても、ミラー30aに映し出された鏡像物は反射してミラー30bに映し出すことができるため、あらゆる角度から被測定青果類12投影された投影線38を撮像装置26により撮像することができ、精度良く形状の判定をすることができる。
【0127】
また、図20のように被測定青果類12は、搬送ライン22上を搬送されるよう構成されていても良い。
このような形状選別装置10は、被測定青果類12を矢印方向に搬送する搬送ライン22と、被測定青果類12に対して線状光28を照射する照射部24と、照射部24と被測定青果類12との間に、線状光28を通しスポット光を線状光源に整形する回折光学素子29と、被測定青果類12に投影された投影光38を被測定青果類12とともに撮像する撮像装置26と、被測定青果類12が搬送される搬送ライン22の幅方向から直線状光44を照射することができるよう搬送ライン22の幅方向の一端部にフォトセンサー照射部46と多端部にフォトセンサー受光部48とを備える。
【0128】
このような図20に示した形状選別装置10は、搬送ライン22の幅方向に直線状光44を照射するフォトセンサー照射部46を設置することにより、搬送ライン22上を搬送される被測定青果類12が直線状光44に当接し光を遮り、フォトセンサー受光部48が直線状光44を受光しなくなった際に、撮像装置26より送られる画像データを演算装置が処理するよう設定することができる。
【0129】
さらに、被測定青果類12と照射部24との間に回折光学素子29を設ければ、スポット光を線状光源に整形することができるため良い。
また撮像装置26、照射部24の設置位置は、搬送ライン22上を被測定青果類12が搬送されるため、被測定青果類12と当接しない位置に設ける必要があり図20において
は、撮像装置26は被測定青果類12の上方に設置され、照射部24は被測定青果類12の搬送ライン22の搬送方向の前方上部に設置すると良い。
【0130】
しかしながら、撮像装置26、照射部24の設置位置はこれに限定されることはなく、搬送ライン22を搬送される被測定青果類12に対して搬送ライン方向の後方上部に設置されてもよく、また搬送ラインの幅方向の側部上方に設置されてもよく、さらに搬送ライン方向と搬送ラインの幅方向の両方に設置されてもよく、設置される個数においても、使用される環境や被測定青果類12の大きさ、特徴などに応じて適宜選択、組み合わせを行うことができる。
【0131】
また、図21(a)に示した本発明の形状選別装置10は、基本となる構成は他の実施例と同様であるためその詳細な説明は省略するが、撮像装置26の視野角度θ2内に較正板50が入るように設置され、撮像装置26が被測定青果類12とともに投影された投影線38を撮像する際に一緒に較正板50も映るようになされたものである。
【0132】
また較正板50は、図21(b)のような板に右上から赤51、緑52、青53が着色され、さらに左上から白54、灰55、黒56と着色されている。
このような図21(a)に示された形状選別装置10において撮像装置26は、被測定青果類12に投影された投影線38と被測定青果類12とともに較正板50を撮像し、画像データとして図示しないが演算装置に送られる。
【0133】
さらに画像データは、演算装置により色調調整処理を行うとともに、ゲインレベル、撮像装置26のレンズの絞り量、黒レベルを調整することができるため、調整する値を常に一定にすれば継続的に安定して形状の判定ができる。
【0134】
また、複数の搬送ライン22上に形状選別装置10が設置されて使用されている場合には、複数の形状選別装置10の状態を一定に維持することができる。
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、被測定青果類として、みかんの浮皮を選別する場合について適用したが、その他の青果類の浮皮の判定や、いびつな青果類の選別に適用できるなど、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0135】
また本発明の形状選別装置10は、他の形状選別方法として挙げられる例えば、被測定青果類12の硬さを硬度センサを用いて測定し、得られた値を浮皮値として浮皮を選別する方法や被測定青果類12に近赤外線を照射し分光分析を行い浮皮を選別する方法とを併用しても良く、一度に複数の形状選別方法を用いて形状の選別を行えば、さらに高精度の形状の判定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】図1は、本発明の青果類の形状選別装置の実施例を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の青果類の形状選別装置のレーザー変位計の移動範囲を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明の青果類の形状選別装置のレーザー変位計の移動範囲を示す概略図である。
【図4】図4は、本発明の青果類の形状選別装置のレーザー変位計の移動範囲を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明の青果類の形状選別装置のレーザー変位計の移動範囲を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の青果類の形状選別装置の他の実施例を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の青果類の形状選別装置の測定方法を示す概略図である。
【図8】図8は、本発明の青果類の形状選別装置の正常な青果類の画像を示す図である。
【図9】図9は、本発明の青果類の形状選別装置の浮皮を有する青果類の画像を示す図である。
【図10】図10は、本発明の青果類の形状選別装置の正常な青果類と浮皮を有する青果類の画像を示す図である。
【図11】図11は、本発明の青果類の形状選別装置の正常な青果類と浮皮を有する青果類の画像を示す図である。
【図12】図12は、本発明の青果類の形状選別装置の他の実施例を示す概略図である。
【図13】図13は、本発明の青果類の形状選別装置の照射部より照射される円状光と格子状光を示した概略図である。
【図14】図14は、本発明の青果類の形状選別装置の正常な青果類の画像を示す図である。
【図15】図15は、本発明の青果類の形状選別装置の浮皮を有する青果類の画像を示す図である。
【図16】図16は、本発明の青果類の形状選別装置の正常な青果類と浮皮を有する青果類の画像を示す図である。
【図17】図17は、本発明の青果類の形状選別装置の他の実施例を示した概略図である。
【図18】図18は、本発明の青果類の形状選別装置の浮皮を有する青果類の画像を示した図である。
【図19】図19は、本発明の青果類の形状選別装置の他の実施例を示した概略図である。
【図20】図20は、本発明の青果類の形状選別装置の他の実施例を示した概略図である。
【図21】図21は、本発明の青果類の形状選別装置の他の実施例を示した概略図である。
【図22】図22は、本発明の青果類の形状選別装置において選別される、正常な青果類と浮皮を有する青果類との比較図である。
【符号の説明】
【0137】
10 形状選別装置
12 被測定青果類
14 レーザー変位計
16 照射部
18 受光部
20 測定用光
22 搬送ライン
24 照射部
26 撮像装置
28 線状光
30 ミラー
30a ミラー
30b ミラー
32 表面撮像線
34 画像
36 演算装置
38 投影線
40 円状光
42 格子状光
44 直線状光
46 フォトセンサ照射部
48 フォトセンサ受光部
50 較正板
51 赤
52 緑
53 青
54 白
55 灰
56 黒
60 青果類
A 曲線グラフ
B 曲線グラフ
La1 移動範囲
La2 移動範囲
L1 距離
L2 距離
L3 距離
L4 距離
L5 距離
Lb1 直径
Lb2 直径
Lc 直径
Ld 直径
Le 直径
Lf 直径
G1 画素
G2 画素
G3 画素
G4 画素
G5 画素
G6 画素
G7 画素
G8 画素
G9 画素
G10 画素
G11 画素
G12 画素
Y1 矢印
Y2 矢印
θ1 視野角度
θ2 視野角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
青果類の形状を識別する青果類の形状選別装置であって、
被測定青果類に対して測定用光を照射する照射部と、
前記被測定青果類に照射された測定用光を受光する受光部と、
前記受光部により受光された測定用光を数値化し、予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較することにより形状を判定する演算装置と、
を備えることを特徴とする青果類の形状選別装置。
【請求項2】
前記照射部と受光部とから構成されるレーザー変位計を備え、
前記照射部が測定用光を照射するように構成されるとともに、
前記受光部が前記被測定青果類に照射された測定用光を受光するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の形状選別装置。
【請求項3】
前記形状を判定する演算装置が、
前記レーザー変位計から出力された数値を、
時間−変位計出力(距離)の関係のグラフに変換し、
前期グラフの傾きを所定の間隔ごとに区切って算出して形状選別データ値とし、
これを予め用意されている正常な青果類の形状データを比較することにより形状を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項2に記載の形状選別装置。
【請求項4】
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類に対して1箇所以上に設けられていることを特徴とする請求項2から3のいずれかに記載の形状選別装置。
【請求項5】
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類の上方に1箇所以上設けられていることを特徴とする請求項4に記載の形状選別装置。
【請求項6】
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類の周囲を移動するように設けられていることを特徴とする請求項2から5に記載の形状選別装置。
【請求項7】
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする請求項2から5に記載の形状選別装置。
【請求項8】
前記照射部が測定用光として線状光を照射するように構成され、
前記受光部が、前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するための撮像装置から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の形状選別装置。
【請求項9】
前記形状を判定する演算装置が、
前記撮像装置により撮像された画像のうち、
前記被測定青果類に照射された線状光部分のみを抽出し、
前記画像から抽出された線状光部分からなる表面撮像線を一定間隔ごとに区切り、
前記表面撮像線のそれぞれの傾斜角度を求めるとともに、
前記各傾斜角度について隣接区間の傾斜角度の角度差データを得て
正常な青果類の形状データの角度差データとを比較して形状を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項8に記載の形状選別装置。
【請求項10】
前記形状を判定する演算装置が、
前記表面撮像線から得られた角度差データと前記予め用意されている正常な青果類の形状データの角度差データとを比較して、
その差が所定の閾値から外れた際に形状を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項9に記載の形状選別装置。
【請求項11】
前記線状光を照射する照射部が、
前記被測定青果類に対して1箇所以上に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の形状選別装置。
【請求項12】
前記線状光を照射する照射部が、
前記被測定青果類の上方に設けられていることを特徴とする請求項11に記載の形状選別装置。
【請求項13】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の側部上方に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の形状選別装置。
【請求項14】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の横方向において上方に配置されていることを特徴とする請求項11から13に記載の形状選別装置。
【請求項15】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の横方向において被測定青果類の両側上方に配置されていることを特徴とする請求項11から13に記載の形状選別装置。
【請求項16】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の前後方向において上方に配置されていることを特徴とする請求項11から15に記載の形状選別装置。
【請求項17】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の前後方向において被測定青果類の両側上方に配置されていることを特徴とする請求項11から16に記載の形状選別装置。
【請求項18】
前記被測定青果類の周囲にミラーが配置され、
前記撮像装置が前記ミラーを介して前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するように構成されていることを特徴とする請求項11から17に記載の形状選別装置。
【請求項19】
前記撮像装置が、
較正板を用いてレンズの絞り量またはゲインレベルを調整するよう構成されていることを特徴とする請求項8から18に記載の形状選別装置。
【請求項20】
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする請求項8から19に記載の形状選別装置。
【請求項21】
請求項1から20に記載の形状選別装置が、
被測定青果類の浮皮の選別を行う浮皮選別装置であることを特徴とする形状選別装置。
【請求項22】
青果類の形状を識別する青果類の形状選別方法であって、
被測定青果類に対し照射部を介して測定用光を照射し、
前記被測定青果類に照射された測定用光を受光部を介して受光し、
前記受光部により受光された測定用光を数値化し、
演算装置を介して予め用意されている正常な青果類の形状データとを比較することにより形状を判定することを特徴とする青果類の形状選別方法。
【請求項23】
前記照射部と受光部とから構成されるレーザー変位計を備え、
前記照射部が測定用光を照射するように構成されるとともに、
前記受光部が前記被測定青果類に照射された測定用光を受光するように構成されていることを特徴とする請求項22に記載の形状選別方法。
【請求項24】
前記形状を判定する演算装置が、
前記レーザー変位計から出力された数値を、
時間−変位計出力(距離)の関係のグラフに変換し、
前期グラフの傾きを所定の間隔ごとに区切って算出して形状選別データ値とし、
これを予め用意されている正常な青果類の形状データを比較することにより形状を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項23に記載の形状選別方法。
【請求項25】
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類に対して1箇所以上に設けられていることを特徴とする請求項23から24のいずれかに記載の形状選別方法。
【請求項26】
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類の上方に1箇所以上設けられていることを特徴とする請求項25に記載の形状選別方法。
【請求項27】
前記レーザー変位計が、
前記被測定青果類の周囲を移動するように設けられていることを特徴とする請求項23から26に記載の形状選別方法。
【請求項28】
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする請求項23から26に記載の形状選別方法。
【請求項29】
前記照射部が測定用光として線状光を照射するように構成され、
前記受光部が、前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するための撮像装置から構成されていることを特徴とする請求項22に記載の形状選別方法。
【請求項30】
前記形状を判定する演算装置が、
前記撮像装置により撮像された画像のうち、
前記被測定青果類に照射された線状光部分のみを抽出し、
前記画像から抽出された線状光部分からなる表面撮像線を一定間隔ごとに区切り、
前記表面撮像線のそれぞれの傾斜角度を求めるとともに、
前記各傾斜角度について隣接区間の傾斜角度の角度差データを得て
正常な青果類の形状データの角度差データとを比較して形状を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項29に記載の形状選別方法。
【請求項31】
前記形状を判定する演算装置が、
前記表面撮像線から得られた角度差データと前記予め用意されている正常な青果類の形状データの角度差データとを比較して、
その差が所定の閾値から外れた際に形状を判定するよう構成されていることを特徴とする請求項30に記載の形状選別方法。
【請求項32】
前記線状光を照射する照射部が、
前記被測定青果類に対して1箇所以上に設けられていることを特徴とする請求項29に記載の形状選別方法。
【請求項33】
前記線状光を照射する照射部が、
前記被測定青果類の上方に設けられていることを特徴とする請求項32に記載の形状選別方法。
【請求項34】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の側部上方に配置されていることを特徴とする請求項32に記載の形状選別方法。
【請求項35】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の横方向において上方に配置されていることを特徴とする請求項32から34に記載の形状選別方法。
【請求項36】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の横方向において被測定青果類の両側上方に配置されていることを特徴とする請求項32から34に記載の形状選別方法。
【請求項37】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の前後方向において上方に配置されていることを特徴とする請求項32から36に記載の形状選別方法。
【請求項38】
前記線状光を照射する照射部が、
検査位置に位置する前記被測定青果類の前後方向において被測定青果類の両側上方に配置されていることを特徴とする請求項32から37に記載の形状選別方法。
【請求項39】
前記被測定青果類の周囲にミラーが配置され、
前記撮像装置が前記ミラーを介して前記被測定青果類に照射された線状光を撮像するように構成されていることを特徴とする請求項32から38に記載の形状選別方法。
【請求項40】
前記撮像装置が、
較正板を用いてレンズの絞り量またはゲインレベルを調整するよう構成されていることを特徴とする請求項29から39に記載の形状選別方法。
【請求項41】
前記被測定青果類が搬送ライン上を搬送されるよう構成されていることを特徴とする請求項29から40に記載の形状選別方法。
【請求項42】
請求項22から41に記載の形状選別方法が、
被測定青果類の浮皮の選別を行う浮皮選別方法であることを特徴とする形状選別方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−162393(P2006−162393A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353129(P2004−353129)
【出願日】平成16年12月6日(2004.12.6)
【出願人】(000006183)三井金属鉱業株式会社 (1,121)
【Fターム(参考)】