説明

駐車支援システム

【課題】膨大な駐車エリアを有する大型の駐車場でも、自己の車両を駐車した駐車エリアの把握が容易な駐車支援システムを提供する。
【解決手段】車両11が特定駐車場の特定駐車エリアに駐車されると、ナビゲーション装置20の制御部は車載カメラ34によって特定駐車エリアに固有の識別記号を読み取る。制御部は、読み取った識別記号から特定駐車エリアの駐車場IDおよび駐車エリアIDを取得し、駐車場IDおよび駐車エリアIDに基づいて特定駐車エリアに関する情報を検索する。制御部は、検索した特定駐車エリアに関する情報に基づいてナビゲーション装置20の表示部に特定駐車エリアに関する情報を表示するとともに、特定駐車エリアに関する情報を携帯電話機60へ送信する。これにより、車両11の運転者は、携帯電話機60に送信された特定駐車エリアに関する情報に基づいて自己の車両11の位置を把握する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援システムに関し、例えば大型の駐車場に駐車した車両の位置の把握を容易にするための駐車支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ショッピングモールや空港など、数百台から数千台の車両を駐車可能な多階層かつ大面積の大型駐車場が広く普及している。このような大型の駐車場の場合、車両の所有者は、自己の車両の駐車位置を的確に把握しておく必要がある。そのため、従来、車両の所有者は、例えば駐車場の複数の駐車エリアから自己の車両を駐車した駐車エリアをメモに残したりすることにより、駐車エリアの忘失を回避している。
【0003】
一方、車両の所在が不明となったとき、その車両の位置まで経路案内するナビゲーション装置が公知である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−145442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のナビゲーション装置の場合、車両の所在地すなわち駐車場の位置までの経路案内は可能である。しかしながら、このナビゲーション装置を利用しても駐車場の所在地までの経路案内にとどまり、膨大な駐車エリアのうち自己の車両を駐車した駐車エリアまでの案内は困難である。すなわち、特許文献1の場合、駐車場自体の位置は特定できても、駐車エリアの特定は困難である。
【0005】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、膨大な駐車エリアを有する大型の駐車場でも、自己の車両を駐車した駐車エリアの把握が容易な駐車支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、記号読み取り手段は識別記号を読み取る。識別記号は、記憶手段に情報が記憶されている複数の駐車場のうち、車両が駐車された特定駐車場の特定駐車エリアに設けられている。検索手段は、読み取られた識別記号を手がかりとして、記憶手段に記憶されている特定駐車場の特定駐車エリアに関する情報を検索する。そして、検索された特定駐車場の特定駐車エリアの情報は、送信手段から外部の端末へ送信される。車両の所有者は、例えば携帯電話やパーソナルコンピュータなどの端末に送信された情報に基づいて、特定駐車場の特定駐車エリアの把握が可能となる。したがって、膨大な駐車エリアを有する大型の駐車場でも、自己の車両を駐車した駐車エリアを容易に把握することができる。また、例えば携帯電話などの端末は、送信手段によって送信された特定駐車エリアの情報を記憶してもよい。これにより、駐車から長期間が経過した後でも、特定駐車エリアの忘失を回避することができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、識別記号には特定駐車場および特定駐車エリアに固有の記号が含まれている。そのため、読み取り手段で識別記号を読み取ることにより、検索手段は記憶手段に記憶されている多数の駐車場に関する情報から特定駐車場の特定駐車エリアに関する情報を抽出する。したがって、迅速かつ正確に車両を駐車した駐車エリアに関する情報を取得することができる。
【0008】
請求項3記載の発明では、送信手段は車両が停止した後、特定駐車エリア情報を送信する。例えば駐車場に多くの駐車エリアがある場合、一旦車両をいずれかの駐車エリアに駐車させた後、車両を別の駐車エリアに移動させることがある。この場合、特定駐車エリア情報を送信するタイミングによっては、異なる駐車エリアに関する情報を送信するおそれがある。そこで、送信手段は、駐車エリアに車両が停止するごとに、特定駐車エリア情報を更新しつつ送信する。これにより、車両の所有者が所持している端末には、特定駐車エリア情報が最新の情報に更新される。したがって、最新の特定駐車エリア情報を取得することができ、駐車エリアの誤りを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明による駐車支援システムの一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、駐車支援システム10は、車両11に搭載されているナビゲーション装置20、および端末としての携帯電話機60を備えている。ナビゲーション装置20は、図2に示すように制御部21、位置検出部22、地図データ格納部23、駐車場データ格納部24、操作スイッチ25、外部メモリ26、表示部27、音声コントローラ28、スピーカ29、音声認識部30、マイク31、リモートコントロール(以下、「リモコン」と省略する。)センサ32、リモコン端末33および車載カメラ34から構成されている。制御部21は、図示しないCPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらを電気的に接続するバスラインを有している。すなわち、制御部21は、マイクロコンピュータによって構成されている。
【0010】
制御部21は、位置検出部22、地図データ格納部23、駐車場データ格納部24、操作スイッチ25、音声コントローラ28、音声認識部30、リモコンセンサ32および車載カメラ34から入力された各種の情報に基づいて、所定の処理を実施する。制御部21が実施する処理には、例えば地図縮尺変更処理、メニュー表示選択処理、目的地設定処理、経路探索実行処理、経路案内開始処理、現在位置修正処理、表示画面変更処理、および音量調整処理などが含まれる。制御部21は、例えばROMに記録されているコンピュータプログラムにしたがってナビゲーション装置20を制御する。制御部21は、特許請求の範囲の検索手段として機能する。
【0011】
位置検出部22は、地磁気センサ35、ジャイロスコープ36、距離センサ37およびGPS受信器38などを備えている。GPS受信器38は、人工衛星から送信される電波を受信する。これらの地磁気センサ35、ジャイロスコープ36、距離センサ37およびGPS受信器38は、いずれも性質の異なる誤差をそれぞれ含んでいる。そのため、制御部21は、位置検出部22の地磁気センサ35、ジャイロスコープ36、距離センサ37およびGPS受信器38で検出および受信した位置情報を補完しつつ正確な位置を検出している。なお、位置検出部22の構成は、要求される精度によって地磁気センサ35、ジャイロスコープ36、距離センサ37またはGPS受信器38のうちの一部で構成してもよく、車両のステアリング角度を検出する回転センサ、あるいは車両の車輪の回転センサなどを追加してもよい。
【0012】
地図データ格納部23は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やDVD(Digital Versatile Disk)などの記録メディアで構成されている。地図データ格納部23は、位置検出の精度を向上するためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データおよび目印データなどを含む各種データを格納している。地図データ格納部23は、上述のHDDやDVDに限らず、不揮発性のメモリカードなどであってもよい。
【0013】
駐車場データ格納部24は、例えばHDD、DVDあるいは不揮発性のメモリカードなどの記録メディアで構成されている。駐車場データ格納部24は、地図データ格納部23とHDDやDVDなどの記録メディアを共用してもよい。駐車場データ格納部24は、地図データ格納部23に格納されている地図データとリンクする複数の駐車場の情報を駐車場データとして有している。
【0014】
操作スイッチ25は、例えばメカニカルスイッチや表示部27と一体になったタッチスイッチなどで構成されている。操作スイッチ25は、スイッチ操作により制御部21へ各種機能の操作指示が入力される。操作スイッチ25からは、例えば地図縮尺の変更、メニュー表示の選択、目的地の設定、経路の探索、経路案内の開始、現在位置の修正、表示画面の変更、あるいは音量の調節などが操作指示として入力される。また、リモコン端末33にも図示しない複数のスイッチが設けられている。リモコン端末33のスイッチの操作によっても、操作スイッチ25と同様にリモコンセンサ32を経由して各種の指示信号が制御部21へ入力される。これら入力された指示信号によって、制御部21は各種機能を実施する。このように、操作スイッチ25およびリモコン端末33は、いずれのスイッチ操作によっても制御部21に同一の機能の実施を入力することができる。
【0015】
操作スイッチ25またはリモコンセンサ32を経由してリモコン端末33から目的地が設定されると、制御部21は位置検出部22により検出した現在位置から設定された目的地までの最適な経路を探索する。そして、制御部21は、探索した経路を誘導経路として設定し、表示部27に表示する。このように自動的に最適な経路を探索する手法としては、例えばタイクストラ方などが適用される。設定された誘導経路は、地図データに基づいて表示部27に表示される地図上に、位置検出部22で検出した現在位置を示す現在位置マークとともに重ねて表示される。表示部27に表示された地図には、現在位置を示す現在位置マークおよび誘導経路とともに、現在時刻、渋滞情報、到着予定時刻など他の情報を付加して表示してもよい。
【0016】
外部メモリ26は、例えばHDDやリムーバブルメモリなどの随時書き込み可能な記憶装置を有している。外部メモリ26は、地図データ格納部23および駐車場データ格納部24と併用してもよい。これらの地図データ格納部23、駐車場データ格納部24および外部メモリ26は、特許請求の範囲の記憶手段を構成している。外部メモリ26は、例えば電源がオフされた後も保持すべきデータを保存したり、使用頻度の高いデータを地図データ格納部23からコピーして保存する。表示部27は、例えば液晶あるいは有機ELなどのディスプレイを有している。表示部27は、目的地への経路案内のために表示される地図や目的地を選択するための画面を表示する。表示部27は、フルカラー表示が可能であることが望ましい。
【0017】
スピーカ29は、音声コントローラ28から入力された音声信号に基づいて所定の音声を発する。音声コントローラ28からスピーカ29へ入力される音声信号には、例えばナビゲーション装置20による経路案内のための音声、表示部27の画面操作を説明するための音声、あるいは音声認識部30における音声認識の結果を報知するための音声などが含まれる。
マイク31は、車両の搭乗者が発した音声を電気信号として音声認識部30へ入力する。音声認識部30は、マイク31を経由して入力された搭乗者の音声と、図示しない記憶部に記憶する認識辞書中の語彙データとを照合し、最も一致度の高い語彙データを認識結果として音声コントローラ28へ入力する。音声コントローラ28は、音声認識部30を制御するとともに、音声入力を行った搭乗者に対し、スピーカ29を通してトークバックによる音声出力を実施する。また、音声コントローラ28は、音声認識部30による認識結果を制御部21へ入力する。
【0018】
制御部21は、音声認識部30から入力された情報に基づいて、搭乗者の発した音声に対し所定の処理を実施する。ここで制御部21が実施する処理には、例えば地図縮尺の変更、メニュー表示の選択、目的地の設定、経路探索の実行、経路案内の開始、現在位置の修正、表示画面の変更あるいは音量調整などが含まれる。また、制御部21で処理された経路案内の音声情報などは、音声コントローラ28を経由してスピーカ29から搭乗者へ適宜報知される。
【0019】
車載カメラ34は、図1に示すように車両11に設けられ、例えばCCD(Charge Coupled Device)などの撮像手段を有している。車載カメラ34は、図3に示すように例えば車両11の後方を確認するためのバックカメラとして車両11に設けられている。車載カメラ34は、バックカメラに限らず、フロントカメラおよびサイドカメラであってもよい。フロントカメラは、車両11の前方に設けられており、車両11の前方を監視するためのカメラである。また、サイドカメラは、例えば車両11のサイドミラーなどに設けられており、車両11が交差点へ進入する際に車両11の左右を監視するためのカメラである。このように、車載カメラ34は、車両11に設けられ、外部を認識可能なカメラであれば任意のものを適用することができる。車載カメラ34は、特許請求の範囲の記号読み取り手段に相当する。
【0020】
通信装置40は、図1および図2に示すようにナビゲーション装置20と外部の端末としての携帯電話機60との間で通信を実施する。通信装置40は、特許請求の範囲の送信手段を構成している。端末は、携帯電話機60に限らず、例えばPDAあるいはパーソナルコンピュータなどであってもよい。携帯電話機60は、図4に示すように制御部61、通信部62、操作部63および表示部64などから構成されている。制御部61は、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらを接続するバスラインなどを有するマイクロコンピュータで構成されている。通信部62は、外部の基地局との間で通信を実施するとともに、通信装置40を経由してナビゲーション装置20とも通信を実施する。携帯電話機60の通信部62とナビゲーション装置20に接続する通信装置40との間の通信は、例えば公衆電話回線41を用いて実施される。なお、通信装置40と携帯電話機60との間の通信は、公衆電話回線41に限らず、例えば赤外線やBluetooth(登録商標)などのマイクロ波を用いた無線通信手段を経由して実施することができる。操作部63は、例えばテンキーなどの入力ボタンを有している。表示部64は、例えば液晶ディスプレイを有している。制御部61は、例えばROMに記録されているコンピュータプログラムにしたがって携帯電話機60の各部を制御する。
【0021】
次に、上記の構成による駐車支援システム10の作動について説明する。
図5に示すように、駐車場100は、車両11が駐車される駐車エリア101ごとにそれぞれ識別記号102が設けられている。識別記号102は、図3に示すように駐車エリア101の地面103に直接設けてもよく、駐車エリア101周辺の構造物に設けてもよい。すなわち、識別記号102は、車両11の後方に位置する地面103に限らず、車両11の前方や側方の壁面あるいは柱などの構造物に設けてもよい。
【0022】
本実施形態の場合、識別記号102は、図5に示すようにQRコードによって構成され、駐車エリア101の地面103に設けられている。識別記号102は、舗装面に塗料などによって形成してもよく、舗装面の凹凸によるエンボス加工によって形成してもよい。また、識別記号102は、QRコードに代えてバーコードやテキストであってもよい。識別記号102は、駐車場100の各駐車エリア101ごとに固有の記号を含んでいる。すなわち、識別記号102は、車両11が駐車される特定の駐車場100において駐車エリア101ごとに個々に割り当てられた固有の記号を含んでいる。
【0023】
車両11を駐車エリア101に駐車すると、図3に示すように制御部21は車載カメラ34によって駐車エリア101に設けられている識別記号102を撮影する。このとき、ナビゲーション装置20の表示部27には、図6に示すように車載カメラ34で撮影した画像50が表示されている。車両11の運転者は、ナビゲーション装置20の表示部27に表示された画像50を確認しつつ車両11を後退させる。すなわち、車載カメラ34は、車両11の駐車時における後方の確認を容易にするための駐車支援装置として利用される。また、表示部27には、車載カメラ34で撮影した車両11の後端12、および車両11の後方の映像に加え、識別記号102があわせて表示される。
【0024】
識別記号102からは、駐車エリアデータが読み取られる。図7に示すように、駐車エリアデータ110は、少なくとも駐車場ID111および駐車エリアID112を含んでいる。駐車場ID111は、車両11を駐車する駐車場100に固有のIDである。駐車エリアID112は、車両11を駐車した駐車場100に複数設けられている駐車エリア101のそれぞれに固有のIDである。この駐車場ID111と駐車エリアID112とを組み合わせることにより、車両11が駐車された駐車場100の駐車エリア101が特定される。以下、各地に分布する膨大な数の駐車場のうち車両11が駐車された駐車場100を「特定駐車場」と称し、この「特定駐車場」に複数設定されている駐車エリアから車両11が駐車された駐車エリア101を「特定駐車エリア」と称する。なお、識別記号102から読み取られる駐車エリアデータ110には、駐車場ID111および駐車エリアID112に限らず、その他の情報を含ませてもよい。
【0025】
制御部21は、車載カメラ34で撮影した画像50から識別記号102を抽出する。そして、制御部21は、識別記号102から車両11が駐車された特定駐車エリアの駐車場ID111および駐車エリアID112を読み取る。制御部21は、読み取った駐車場ID111および駐車エリアID112に基づいて、特定駐車エリアに関する駐車場データを検索する。駐車場データ格納部24には、複数の駐車場100および各駐車場100の駐車エリア101の情報が駐車場データとして格納されている。図8に示すように、駐車場データ120は、特定駐車エリアに関する複数の情報を含んでいる。具体的には、駐車場データ120は、例えば駐車場ID121、駐車場100の位置データ122、駐車場100の名称123、駐車場100の住所124、駐車場100の電話番号125、駐車場100のウェブサイトアドレス126および駐車場100の料金データ127などを含んでいる。これらの駐車場データ120の構成は、任意に設定することができる。駐車場100の位置データ122は、特定駐車場における特定駐車エリアの位置に関するデータ、および特定駐車場が多階層であれば特定駐車エリアが設けられている階層に関するデータを含んでいる。駐車エリア101の位置に関するデータには、駐車エリア101に割り当てられている固有のエリア番号が含まれている。エリア番号とは、例えば「A−123」や「2F−123」などのように、駐車エリアごとに割り当てられている記号、番号またはこれらの組み合わせである。
【0026】
また、地図データ格納部23には、駐車場データ120にリンクする駐車場地図データ130が格納されている。駐車場地図データ130は、例えば駐車場ID131、駐車場所在地図データ132および駐車場内配置データ133などを含んでいる。駐車場所在地図データ132は特定駐車場の位置を示す情報であり、表示部27は駐車場所在地図データ132に基づく特定駐車場の位置を地図データに基づく地図に重ねて表示する。駐車場内配置データ133は、特定駐車場における駐車エリアの配置に関するデータである。表示部27は、駐車場内配置データ133に基づいて駐車エリア配置画面を表示する。
【0027】
このように、制御部21は、識別記号102から取得した特定駐車エリアの駐車場ID111および駐車エリアID112を基礎として、これらの駐車場ID111および駐車エリアID112に関連する駐車場データ120および駐車場地図データ130を検索する。
【0028】
制御部21は、検索した駐車場データ120および駐車場地図データ130を地図データ格納部23および駐車場データ格納部24から読み取る。そして、制御部21は、読み取った駐車場データ120および駐車場地図データ130に基づいて図9(A)に示すように表示部27に駐車場地図画面140を表示する。駐車場地図画面140は、特定駐車場の位置の概略を示すものである。例えば図9(A)に示すように駐車場100が複数の棟100a、100b、100cからなる場合、駐車場地図画面140は特定駐車エリアを含む棟100aの位置の概略、および棟100aに含まれる特定駐車エリアの位置の概略を示すアイコン141を含んでいる。
【0029】
このとき、駐車場地図画面140には、タッチキーとして戻るキー142および駐車位置キー143が含まれている。なお、これらの戻るキー142および駐車位置キー143は、タッチキーに限らず、機械的なキーを関連づけてもよい。戻るキー142が押されると、制御部21は図6に示すように車載カメラ34が撮影した識別記号102を含む画像50に切り換える。一方、駐車位置キー143が押されると、制御部21は図9(B)に示すように表示部27の表示を配置図画面150に切り換える。
【0030】
配置図画面150は、駐車場地図データ130に含まれる駐車場内配置データ133に基づいて表示され、特定駐車場の駐車エリアの配置を示す。特定駐車場が多階層になっているとき、配置図画面150は特定駐車エリアを含む階層の平面図151を表示する。そして、配置図画面150の平面図151には、特定駐車エリアの位置を示すアイコン152が他の駐車エリアと異なる色または異なる明るさで表示されている。これにより、車両11の運転者は、車両11を駐車した特定駐車エリアの位置を認識する。
【0031】
配置図画面150には、駐車エリア情報欄153が設けられている。駐車エリア情報欄153には、駐車場データ120に含まれる駐車場100の名称、特定駐車エリアの階層および特定駐車エリアのエリア番号が表示される。なお、駐車エリア情報欄153に含める情報は任意に設定可能である。配置図画面150には、タッチキーとして戻るキー154が含まれている。戻るキー154が押されると、制御部21は図98(A)に示すように駐車場地図画面140に切り換える。
【0032】
制御部21は、検索した駐車場データ120および駐車場地図データ130を読み取ると、表示部27に駐車場地図画面140および配置図画面150を表示するとともに、所定の時期に端末である携帯電話機60に駐車場地図画面140に関する地図画面データ、配置図画面150に関する配置図画面データおよび駐車エリア情報に関するエリアデータを送信する。制御部21は、読み取った識別記号102に基づいて駐車場データ120および駐車場地図データ130を検索すると、自動的に携帯電話機60へ地図画面データ、配置図画面データおよびエリアデータを送信する。
【0033】
なお、制御部21は、識別記号102の読み取り時に限らず他の時期に地図画面データ、配置図画面データおよびエリアデータを送信してもよい。例えば、制御部21は、読み取った識別記号102に基づいて駐車場データ120および駐車場地図データ130を読み取った後、車両11が停止し、車両11のイグニッションがOFFされた後に各データを携帯電話機60へ自動で送信する構成としてもよい。また、表示部27のタッチキーなど操作スイッチ25の操作をトリガとして、制御部21は各データを携帯電話機60へ送信する構成としてもよい。さらに、識別記号102の読み取り後に車両11のサイドブレーキの作動をトリガとして、制御部21は各データを携帯電話機60へ送信する構成としてもよい。このように、携帯電話機60への各データの送信時期は、任意に設定することができる。また、制御部21は、あらかじめナビゲーション装置20に記憶されている携帯電話機60の電話番号に各データを送信してもよいし、送信のたびに入力される電話番号に各データを送信してもよい。
【0034】
携帯電話機60は、通信装置40を経由してナビゲーション装置20から送信された各データを受信すると、制御部61のRAMや不揮発性のメモリなどの媒体に各データを保存する。車両11の運転者は、携帯電話機60で受信した各データに基づいて特定駐車エリアに関する情報を取得することができる。携帯電話機60の表示部64は、図10(A)に示すように地図画面データに基づいて特定駐車場の位置を示す駐車場地図画面240を表示する。図10(A)に示す駐車場地図画面240は、図9(A)に示すナビゲーション装置20の表示部27に表示される駐車場地図画面140とほぼ同一である。
【0035】
駐車場地図画面240が表示されているとき、携帯電話機60を操作し、図10(A)に示す駐車場地図画面240から「1.駐車位置」を選択すると、携帯電話機60の表示部64は図10(B)に示すように配置図画面データに基づく配置図画面250を表示する。図10(B)に示す配置図画面250は、図9(B)に示すナビゲーション装置20の表示部27に表示される配置図画面150とほぼ同一である。
【0036】
さらに、配置図画面250が表示されているとき、携帯電話機60を操作し、図10(B)に示す配置図画面250から「1.情報」を選択すると、携帯電話機60の表示部64は図10(C)に示すようにエリアデータに基づく詳細情報画面260を表示する。詳細情報画面260は、図9(B)に示す配置図画面150に含まれる駐車エリア情報欄153と同様に、駐車場100の名称、ならびに駐車エリア101の階層および駐車エリア101のエリア番号を含む駐車エリア101の位置に加え、駐車場100の住所、駐車場100の電話番号および駐車場100のウェブサイトアドレスなどが表示される。さらに、詳細情報画面260には、駐車場100に入庫した日時、駐車料金に関する情報、現在時刻および現在の駐車料金などをあわせて表示してもよい。
【0037】
入庫した日時に関する情報は、ナビゲーション装置20の制御部21が取得する。制御部21は、位置検出部22で検出した車両11の位置情報に基づいて車両11が特定駐車場に入庫した時刻を取得する。制御部21は、上述の地図画面データ、配置図画面データおよびエリアデータとともに、入庫日時を示す入庫データを携帯電話機60へ送信する。これら、ナビゲーション装置20から携帯電話機60に送信される地図画面データ、配置図画面データ、エリアデータおよび入庫データは、特許請求の範囲における駐車エリア情報に対応する。
【0038】
以上の構成により、本発明の一実施形態による駐車支援システム10によると、車両11が特定駐車場の特定駐車エリアに駐車されると、ナビゲーション装置20の制御部21は車載カメラ34によって特定駐車エリアに固有の識別記号102を読み取る。制御部21は、読み取った識別記号102から駐車場ID111および駐車エリアID112を取得し、この駐車場ID111および駐車エリアID112に基づいて特定駐車エリアに関する情報を検索する。制御部21は、検索した特定駐車エリアに関する情報に基づいて表示部27に特定駐車エリアに関する情報を表示するとともに、特定駐車エリアに関する情報を携帯電話機60へ送信する。これにより、車両11の運転者は、携帯電話機60に送信された特定駐車エリアに関する情報に基づいて自己の車両11の位置を把握する。したがって、膨大な駐車エリア101を有する大型の駐車場100でも、自己の車両11を駐車した駐車エリア101を容易に把握することができる。
【0039】
また、携帯電話機60に送信された特定駐車エリアに関する情報は、携帯電話機60に保存される。そのため、例えば車両11を特定駐車場の特定駐車エリアに駐車して期間が経過しても、車両11の所有者は携帯電話機60に保存されている特定駐車エリアに関する情報に基づいて自己の車両11の位置を把握可能である。したがって、駐車から長い期間が経過しても、自己の車両11を駐車した駐車エリア101を容易に把握することができる。
【0040】
(その他の実施形態)
上述の本発明の一実施形態では、車両11が特定の駐車エリア101に駐車されると、ナビゲーション装置20から携帯電話機60へ各種の情報を送信する例について説明した。しかし、制御部21は、車両11が駐車エリア101に停車するごとに、識別記号102を読み取り、読み取った識別記号102に対応する駐車エリア101の情報を携帯電話機60へ送信する構成としてもよい。すなわち、制御部21は、車両11が駐車エリア101に停車するごとに、駐車エリア101の情報を更新しつつ携帯電話60へ送信してもよい。
【0041】
車両11を特定の駐車エリア101に駐車させる場合、車両11の所有者は駐車エリア101を移動することがある。例えば、ある駐車エリアに車両11を停車させた後、より利便性の高い駐車エリアに空きが生じた場合、その利便性の高い駐車エリアへ車両11を移動させることがある。このような場合、後に駐車した駐車エリアの情報を更新して携帯電話機60へ送信することにより、携帯電話機60には常に最新の駐車エリアの情報が記憶される。したがって、車両11を適宜移動させた場合でも、最新の駐車エリアの情報を入手することができる。
【0042】
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態による駐車支援システムを示す概略図
【図2】本発明の一実施形態による駐車支援システムのナビゲーション装置を示すブロック図
【図3】本発明の一実施形態による駐車支援システムの車載カメラの撮影領域を示す模式図
【図4】本発明の一実施形態による駐車支援システムの携帯電話機を示すブロック図
【図5】本発明の一実施形態による駐車支援システムにおいて駐車エリアに駐車された車両および識別記号を示す概略図
【図6】本発明の一実施形態による駐車支援システムにおいてナビゲーション装置の表示部に表示された車載カメラの撮影画像を示す模式図
【図7】本発明の一実施形態による駐車支援システムにおいて駐車エリアデータのデータ構造を示す模式図
【図8】本発明の一実施形態による駐車支援システムにおいて駐車エリアデータ、駐車場データおよび駐車場地図データの相互関係およびデータ構造を示す模式図
【図9】本発明の一実施形態による駐車支援システムにおいてナビゲーション装置の表示部の表示を示す模式図であり、(A)は駐車場地図画面、(B)は配置図画面
【図10】本発明の一実施形態による駐車支援システムにおいて携帯電話機の表示部の表示を示す模式図であり、(A)は駐車場地図画面、(B)は配置図画面、(C)は詳細情報画面
【符号の説明】
【0044】
図面中、10は駐車支援システム、11は車両、21は制御部(検索手段)、24は駐車場データ格納部(記憶手段)、34は車載カメラ(記号読み取り手段)、40は通信装置(送信手段)、60は携帯電話機(端末)、100は駐車場、101は駐車エリア、102は識別記号を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車場の情報を記憶している記憶手段と、
前記複数の駐車場のうち車両が駐車された特定駐車場の特定駐車エリアに設けられている識別記号を読み取る記号読み取り手段と、
前記記号読み取り手段で読み取られた前記識別記号に基づいて、前記記憶手段から前記特定駐車場および前記特定駐車エリアに関する情報を検索する検索手段と、
前記検索手段で検索した前記特定駐車場および前記特定駐車エリアに関する駐車エリア情報を外部の端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする駐車支援システム。
【請求項2】
前記識別記号は、前記特定駐車場および前記特定駐車エリアに固有の記号を含んでいることを特徴とする請求項1記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記送信手段は、前記車両が駐車エリアに停止するごとに、前記特定駐車エリア情報を更新して送信することを特徴とする請求項1または2記載の駐車支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−98068(P2009−98068A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271433(P2007−271433)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】