説明

2段過給システム

【課題】負荷が急変した際、エンジン排圧の過大なオーバーシュートを防止して排気ガス漏れを防止し、且つ、低圧段タービンに高圧段タービンで仕事をしていない排気ガスを導くことで低圧段タービンの応答性を上げる。
【解決手段】エンジン4の排気経路5、吸気経路6に直列に配設された高圧段ターボチャージャ2及び低圧段ターボチャージャ3と、排気経路5に高圧段タービンHTをバイパスして設けられた第1バイパス経路20と、第1バイパス経路20に設けられた流量制御弁21と、排気経路5に高圧段タービンHTをバイパスして設けられた第2バイパス経路22と、第2バイパス経路22に設けられ、高圧段タービンHTの上流側の排気圧力によって作動され、その排気圧力が所定値以上に高まったときのみ開くリリーフ弁23とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2個のターボチャージャを直列に配設した2段過給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用エンジンの2段過給システムとして、図3に示すものが知られている(特許文献1〜3参照)。
【0003】
2段過給システム1aは、高圧段ターボチャージャ2(高圧段タービンHT及び高圧段コンプレッサHC)と低圧段ターボチャージャ3(低圧段タービンLT及び低圧段コンプレッサLC)とを直列に配設したものであり、エンジン4の排気経路5に配設された高圧段タービンHTと、排気経路5の高圧段タービンHTの下流側に配設された低圧段タービンLTと、エンジン4の吸気経路6に配設され低圧段タービンLTにより駆動される低圧段コンプレッサLCと、吸気経路6の低圧段コンプレッサLCの下流側に配設され高圧段タービンHTにより駆動される高圧段コンプレッサHCとを備えている。低圧段タービンLTは高圧段タービンHTよりも容量が大きく、低圧段コンプレッサLCは高圧段コンプレッサHCよりも容量が大きい。
【0004】
排気経路5には、一端が排気マニフォールド7に接続され他端が高圧段タービンHTをバイパスして高圧段タービンHTと低圧段タービンLTとの間に接続されたメインバイパス経路8と、一端が高圧段タービンHTの上流側に接続され他端が高圧段タービンHTの下流側に接続されたサブバイパス経路9とが設けられている。メインバイパス経路8には、その経路8を遮断するときに閉弁され、エンジン4の排気ガスを高圧段タービンHTを介さずに低圧段タービンLTに流すときには開弁される排気切替弁10が配設されている。サブバイパス経路9には、その経路断面積を変化させてそこを通過する排気ガス流量を調節することで、高圧段タービンHTの仕事量を減らしつつ低圧段タービンLTの仕事量を増やし、高圧段タービンHTの仕事量を調節するための高圧段排気調整弁11が配設されている。
【0005】
吸気経路6には、一端が低圧段コンプレッサLCと高圧段コンプレッサHCとの間に接続され他端が高圧段コンプレッサHCをバイパスして高圧段コンプレッサHCの下流側に接続された吸気バイパス経路12が設けられている。吸気バイパス経路12と吸気経路6との合流点には、低圧段コンプレッサLCから吐出された吸気を、高圧段コンプレッサHCを介してエンジン4に導く2段過給ルート13と、高圧段コンプレッサHCをバイパスし吸気バイパス経路12を介してエンジン4に導くバイパスルート14とに切り替える吸気切替弁15が設けられている。
【0006】
吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11は、制御部16(コンピュータ)からの指令に基づいて、開閉制御、開度制御がなされる。制御部16には、エンジン回転速度、エンジン空気量及びエンジン燃料量(燃料噴射量)等のエンジン運転情報が入力されている。制御部16は、上記情報に基づいて、現在エンジン4が低負荷域であるのか、中負荷域であるのか、高負荷域であるのかを判断し、各負荷域に応じて、吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を次のように制御する。
【0007】
エンジン4の低負荷領域では、制御部16は、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を共に閉じ、吸気切替弁15を2段過給ルート13に制御する。これにより、図4に示すように、エンジン4の排気ガスは、高圧段タービンHT、低圧段タービンLTの順に流れ、過給される空気は、低圧段コンプレッサLC、高圧段コンプレッサHC、エンジン4の順に流れ、2段過給がなされ、トータルの圧力比が高まる。
【0008】
中負荷域では、制御部16は、排気切替弁10を閉じた状態で高圧段排気調整弁11を負荷の高まりに応じて開き、吸気切替弁15を2段過給ルート13のままとする(図4参照)。これにより、図5に示すように、高圧段タービンHTの仕事が減ると共に低圧段タービンLTの仕事が増える。中負荷域では低負荷域よりも排気ガス流量が増えるため、負荷の高まりに応じてエンジン4の排気ガスを高圧段タービンHTをバイパスさせることで、高圧段タービンHTにおける排気ガスの詰まり現象(チョーク)を回避し、このチョークによるエンジン排圧の過大な高まりを回避し、排気マニフォールド7や高圧段タービンHTの結合部から高温の排気ガス漏れを回避している。高温の排気ガス漏れは、周辺の機器の熱劣化、熱損傷を招くので、絶対に回避しなければならない。
【0009】
高負荷域では、制御部16は、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を共に全開にし、吸気切替弁15をバイパスルート14に制御する。これにより、エンジン4の排気ガスは、高圧段タービンHTをバイパスして、全て低圧段タービンLTに流れ、低圧段タービンLTのみが仕事をすることになり、他方、過給される空気は、低圧段コンプレッサLCから高圧段コンプレッサHCをバイパスして直接エンジン4に流れ、1段過給となる(図4参照)。この結果、高負荷域では中負荷域よりも更に排気ガス流量が増えるものの、高圧段タービンHTでのチョークが的確に防止され、そのチョークに基づく上述した種々の不具合が回避される。
【0010】
【特許文献1】特開昭58−190519号公報
【特許文献2】特開2001−329849号公報
【特許文献3】特開2001−280147号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
低負荷、中負荷、高負荷領域における、吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11の開閉は、エンジン4の回転速度と燃料量(負荷)で夫々の弁開度を規定したマップに基づいて制御される。このマップを作成するに当たり、(1)定常条件から上記マップを決定する手法、(2)過渡条件から上記マップを決定する手法、の二通りの手法がある。各々についての問題点を述べる。
【0012】
(1)の定常条件からマップを作成する手法の場合、エンジン4が低負荷から高負荷に急速に変化する過渡条件下では、バイパス経路9の高圧段圧力調整弁11が開かれても、排気ガスの高圧段タービンHTのバイパスは、排気ガス流の慣性によって遅れるため、図6に実線で示すようにエンジン排圧がオーバーシュートOSとなって高まり、他方、過給圧(エンジン4への吸気圧)は応答遅れによって上がらない。エンジン排圧が所定値以上に高まると、排気マニフォールド7や高圧段タービンHTの結合部から高温の排気ガス漏れが生じ易い。
【0013】
また、このとき、排気マニフォールド7からEGR経路17を介して吸気マニフォールド18にEGRガスを導くEGR弁19が開いていると、エンジン排圧がオーバシュートにより過剰に高まった状態となっている一方、過給圧は応答遅れにより高まっていないため、EGR弁19の開度が一定でも、上記オーバーシュート及び応答遅れが解消するまでは、EGRが過剰に掛かり、エンジン4の燃焼室に対して空気不足となって大量の煤が発生してしまう。
【0014】
なお、一旦、エンジン排圧のオーバーシュートが発生すると、図6に示すように、その後の数サイクルはエンジン排圧がハンチングHする。
【0015】
(2)の過渡条件からマップを作成する手法の場合、過渡時におけるエンジン排圧のオーバーシュートOSを抑えるように、吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11の開閉時期を決定し、それをマップに書き込むことになる。この場合、マップは、瞬間的なエンジン排圧のオーバーシュートOSを抑えるために、定常条件よりも低負荷側で高圧段排気調整弁11、排気切替弁10が開く設定となる。とすると、図6に破線で示すように、急激に負荷が増加するときの過大なエンジン排圧の発生(オーバーシュートOS)は抑えることができるが、比較的安定した運転時の過給圧が実線のものよりも低くなる。このため、図6の実線のものと比べると、EGR量を増やすことができず、NOx低減が制限され、エンジン出力も低下してしまう。
【0016】
上記(1)、(2)の両者の特性で好ましい部分を両立させることは現状では困難である。
【0017】
ところで、エンジン排圧を圧力センサで感知し、エンジン排圧が所定値以上に高まった場合に、高圧段排気調整弁11の開度を一気に大きくする制御を行い、過渡時のエンジン排圧のオーバーシュートOSを回避する対策も考えられる。しかし、この対策では、圧力センサを高圧段タービンHTの上流部分か排気マニフォールド7に直接付設する必要があり、排気ガスの温度は最大700℃程度まで上昇するので、水冷式にでもしない限り圧力センサの信頼性を確保できない。よって、現実的な対策とはいえず、行うにしても非常にコストが掛かる。
【0018】
更に、2段過給方式では、低負荷領域から高負荷領域まで急激に負荷変動を与える場合、低圧段タービンLTが得られる排気ガスのエネルギーは高圧段タービンHTで或る程度消費された後のものであるので、即ち低圧段タービンLTに流入する排気ガスは高圧段タービンHTで仕事をして温度が下がったものであるので、低圧段タービンLTの回転立ち上がりが極めて悪い。この結果、エンジン負荷が急激に増加する過渡時には小型の高圧段タービンHTは急速に立ち上がるが、低圧段タービンLTの応答遅れに阻害されて、2段過給にも拘わらず全体としての過給圧の立ち上がりが悪い。これを図7〜図9を用いて説明する。
【0019】
図7に、1個のターボチャージャを用いたシングルターボ過給方式と、2個のターボチャージャを直列に用いた2段過給方式との、過渡時における過給圧の変化を示す。2段過給方式の方がシングルターボ過給方式よりも定常運転到達後の過給圧は高いが、過渡状態における圧力比の立ち上がりについては2段過給方式の方がシングルターボ過給方式よりも遅れている。これは、図8に示すように、低圧段ターボチャージャ3の立ち上がりが悪く、高圧段ターボチャージャ2の立ち上がりの良さを相殺しているためである。
【0020】
実験やシミュレーションによれば、図7に示すように、シングルターボ過給方式では、過渡運転開始時t0から4秒経過した時刻tSで過給圧が安定する。2段過給方式では、過渡運転開始時t0から6秒経過した時刻tDで過給圧が安定する。この6秒のうち、図8に示すように、高圧段ターボチャージャ2の安定時間は3秒(t0〜tH)、低圧段ターボチャージャ3の安定時間は6秒(t0〜tL)となっており、低圧段ターボチャージャ3の応答性の悪さが2段過給方式の応答性の悪さの原因となっていることが分かる。
【0021】
また、図9に示すように、高圧段タービンHTの膨張比は、過給圧が安定した時刻tHを越えてもオーバーシュートして上がっている。よって、高圧段タービンHTの仕事を低圧段タービンLTに回す方が有利である。しかし、上述した(1)のマップ(定常条件から各弁の開度を決定したマップ)を用いた制御方式では、高圧段タービンHTのオーバーシュート分の仕事を低圧段タービンLTに回す制御に対応できない。このマップは、安定後すなわち図7の時刻tD(tD>tH)以降の状態に基づいて高圧段排気調整弁11の開弁時期が設定されているからである。
【0022】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、負荷が急変した際、エンジン排圧の過大なオーバーシュートを防止して排気ガス漏れを防止でき、且つ、低圧段タービンに高圧段タービンで仕事をしていない排気ガス(エネルギー(エンタルピー)の高い排気ガス)を導くことで低圧段タービンの応答性を上げ、システム全体としての応答遅れを低減できる2段過給システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために本発明に係る2段過給システムは、エンジンの排気経路に配設された高圧段タービンと、上記排気経路の上記高圧段タービン下流側に配設された低圧段タービンと、上記エンジンの吸気経路に配設され上記低圧段タービンにより駆動される低圧段コンプレッサと、上記吸気経路の上記低圧段コンプレッサ下流側に配設され上記高圧段タービンにより駆動される高圧段コンプレッサと、上記排気経路に設けられ、一端が上記高圧段タービンの上流側に接続され他端が上記高圧段タービンをバイパスして上記高圧段タービンと上記低圧段タービンとの間に接続された第1バイパス経路と、該第1バイパス経路に配設された流量制御弁と、上記排気経路に設けられ、一端が上記高圧段タービンの上流側に接続され他端が上記高圧段タービンをバイパスして上記高圧段タービンと上記低圧段タービンとの間に接続された第2バイパス経路と、該第2バイパス経路に配設され、上記高圧段タービンの上流側の排気圧力によって作動され、該排気圧力が所定値以上に高まったときのみ開くリリーフ弁とを備えたものである。
【0024】
また、上記流量制御弁の開度を上記エンジンの低負荷時には閉じ高負荷時には開くように制御する制御部を備えてもよい。
【0025】
また、上記排気経路の上記高圧段タービン上流側と上記吸気経路の上記高圧段コンプレッサ下流側とを接続するEGR経路と、該EGR経路に配設されたEGR弁とを備え、上記第2バイパス経路の一端は、上記EGR経路の上記EGR弁上流側に接続されてもよい。
【0026】
また、上記第1バイパス経路は、一端が上記エンジンと上記高圧段タービンとの間に接続され他端が上記高圧段タービンと上記低圧段タービンの間に接続されたメインバイパス経路と、一端が上記エンジンと上記高圧段タービンとの間に接続され他端が上記高圧段タービンと上記低圧段タービンの間に接続されたサブバイパス経路とを有し、上記流量制御弁は、上記メインバイパス経路に配設された排気切替弁と、上記サブバイパス経路に配設された高圧段排気調整弁とを有し、上記制御部は、上記エンジンの低負荷時には上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に閉じ、中負荷時には上記排気切替弁を閉じた状態で上記高圧段排気調整弁を負荷の高まりに応じて開き、高負荷時には上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に全開に制御するものであってもよい。
【0027】
また、上記吸気経路に設けられ、一端が上記低圧段コンプレッサと上記高圧段コンプレッサとの間に接続され他端が上記高圧段コンプレッサをバイパスして上記高圧段コンプレッサ下流側に接続された吸気バイパス経路と、上記低圧段コンプレッサから吐出された吸気を、上記高圧段コンプレッサを介して上記エンジンに導く2段過給ルートと、上記高圧段コンプレッサをバイパスし上記吸気バイパス経路を介して上記エンジンに導くバイパスルートとに切り替える吸気切替弁とを備え、上記制御部は、上記エンジンの低負荷時には、上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に閉じ、上記吸気切替弁を上記2段過給ルートに制御し、中負荷時には上記排気切替弁を閉じた状態で上記高圧段排気調整弁を負荷の高まりに応じて開き、上記吸気切替弁を上記2段過給ルートに制御し、高負荷時には上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に全開にし、上記吸気切替弁を上記バイパスルートに制御するものであってもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る2段過給システムによれば、負荷が急変した際、エンジン排圧の過大なオーバーシュートを防止して排気ガス漏れを防止でき、且つ、低圧段タービンに高圧段タービンで仕事をしていない排気ガス(エネルギー(エンタルピー)の高い排気ガス)を導くことで低圧段タービンの応答性を上げ、システム全体としての応答遅れを低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0030】
図1に示すように、本実施形態に係る2段過給システム1は、エンジン4の排気経路5に配設された高圧段タービンHTと、排気経路5の高圧段タービンHTの下流側に配設された低圧段タービンLTと、エンジン4の吸気経路6に配設され低圧段タービンLTにより駆動される低圧段コンプレッサLCと、吸気経路6の低圧段コンプレッサLCの下流側に配設され高圧段タービンHTにより駆動される高圧段コンプレッサHCとを備えている。
【0031】
高圧段タービンHT及び高圧段コンプレッサHCは高圧段ターボチャージャ2を構成し、低圧段タービンLT及び低圧段コンプレッサLCは低圧段ターボチャージャ3を構成する。低圧段タービンLTは高圧段タービンHTよりも容量が大きく、低圧段コンプレッサLCは高圧段コンプレッサHCよりも容量が大きい。
【0032】
また、この2段過給システム1は、排気経路5に設けられ、一端が高圧段タービンHTの上流側に接続され他端が高圧段タービンHTをバイパスして高圧段タービンHTと低圧段タービンLTとの間に接続された第1バイパス経路20と、第1バイパス経路20に配設された流量制御弁21と、流量制御弁21の開度をエンジン4の低負荷時には閉じ高負荷時には開くように制御する制御部16(コンピュータ)とを備えている。
【0033】
第1バイパス経路20は、一端がエンジン4と高圧段タービンHTとの間に接続され他端が高圧段タービンHTと低圧段タービンLTの間に接続されたメインバイパス経路8と、一端がエンジン4と高圧段タービンHTとの間に接続され他端が高圧段タービンHTと低圧段タービンLTの間に接続されたサブバイパス経路9とを有する。
【0034】
メインバイパス経路8は、その一端が排気マニフォールド7と高圧段タービンHTとを繋ぐ第1排気配管5aに接続され、他端が高圧段タービンHTと低圧段タービンLTとを繋ぐ第2排気配管5bに接続されている。サブバイパス経路9は、メインバイパス経路8よりも細く形成され、その一端が第1排気配管5aにメインバイパス配管8の接続部よりも下流側に位置して接続され、他端が第2排気配管5bにメインバイパス配管8の接続部より上流側に位置して接続されている。
【0035】
上記流量制御弁21は、メインバイパス経路8に配設された排気切替弁10(例えば図3に示す排気切替弁10と同様の構造のもの)と、サブバイパス経路9に配設された高圧段排気調整弁11(例えば図3に示す高圧段排気調整弁11と同様の構造のもの)とを有する。排気切替弁10は、排気マニフォールド7内の排気ガスの全てを、高圧段タービンHTをバイパス(迂回)して低圧段タービンLTに導くために、閉弁状態から開弁されるものである。高圧段排気調整弁11は、排気マニフォールド7内の排気ガスの一部を、高圧段タービンHTをバイパスして低圧段タービンLTに導くために、弁開度が変化されるものである。
【0036】
また、この2段過給システム1は、排気経路5の高圧段タービンHTの上流側と吸気経路6の高圧段コンプレッサHCの下流側とを接続するEGR経路17と、EGR経路17に配設されたEGR弁19とを備えている。EGR弁19は、エンジン4の運転状態に応じて、開閉制御、開度制御がされ、そのときのエンジン運転状態に応じた適切なEGR率(EGR量)を達成するものである。
【0037】
また、この2段過給システム1は、エンジン4の吸気経路6に設けられ、一端が低圧段コンプレッサLCと高圧段コンプレッサHCとの間に接続され他端が高圧段コンプレッサHCをバイパスして高圧段コンプレッサHCの下流側に接続された吸気バイパス経路12と、低圧段コンプレッサLCから吐出された吸気を、高圧段コンプレッサHCを介してエンジン4に導く2段過給ルート13と、高圧段コンプレッサHCをバイパスし吸気バイパス経路12を介してエンジン4に導くバイパスルート14とに切り替える吸気切替弁15とを備えている。
【0038】
吸気バイパス経路12は、一端が低圧段コンプレッサLCと高圧段コンプレッサHCとを繋ぐ第1吸気配管6aに接続され、他端が高圧段コンプレッサHCと吸気マニフォールド18とを繋ぐ第2吸気配管6bに接続されている。吸気切替弁15は、本実施形態では吸気バイパス経路12と第2吸気配管6bとの接続部に配設されているが、これに限らず吸気バイパス経路12と第1吸気配管6aとの接続部に配設してもよい。
【0039】
吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11は、上記制御部16によって、次のように開閉制御、開度制御がなされる。
【0040】
すなわち、制御部16は、エンジン4の低負荷時には、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を共に閉じ(全閉)、吸気切替弁15を2段過給ルート13に制御し、中負荷時には、排気切替弁10を閉じた状態で高圧段排気調整弁11を負荷の高まりに応じて開き、吸気切替弁15を2段過給ルート13に制御し、高負荷時には、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を共に全開に制御し、吸気切替弁15をバイパスルート14に制御する。
【0041】
制御部16には、エンジン回転速度(回転速度信号)、エンジン燃料量(燃料負荷信号)、エンジン空気量等のエンジン運転情報が入力されている。制御部16は、上記情報に基づいて、現在エンジン4が低負荷域であるのか、中負荷域であるのか、高負荷域であるのかを判断し、各負荷域に応じて、吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を上述したように制御する。
【0042】
低負荷、中負荷、高負荷領域における、吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11の開閉は、エンジン4の回転速度と燃料量(負荷)等で夫々の弁開度を規定したマップに基づいて制御される。このマップは、制御部16の記憶部に記憶されており、各パラメータの定常条件(エンジン定常運転)に基づいて、吸気切替弁15、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11の開閉及び開度が定められている(「発明が解決しようとする課題」の欄の(1)参照)。
【0043】
また、この2段過給システム1は、排気経路5に設けられ、一端が高圧段タービンHTの上流側に接続され他端が高圧段タービンHTをバイパスして高圧段タービンHTと低圧段タービンLTとの間に接続された第2バイパス経路22と、第2バイパス経路22に配設され、高圧段タービンHTの上流側の排気圧力によって作動され、その排気圧力が所定値以上に高まったときのみ開くリリーフ弁23(レギュレータ)とを備えている。
【0044】
第2バイパス経路22は、その一端が排気マニフォールド7と高圧段タービンHTとを繋ぐ第1排気配管5aに接続され、他端が高圧段タービンHTと低圧段タービンLTとを繋ぐ第2排気配管5bに接続されている。第2バイパス経路22の一端(上流端)は、EGR経路17に配設されたEGR弁19の上流側に接続されており、第2バイパス経路22に配設されたリリーフ弁23は、EGR弁19の上流側の排気ガスの圧力によって開弁され、逆止弁の機能を有している。
【0045】
リリーフ弁23のリリーフ圧である上記所定値は、EGR弁19の上流側で高圧段タービンHTの上流側の配管内の排気ガスが、排気マニフォールド7や高圧段タービンHTの結合部から漏れ出す圧力値(上限値)に、又は安全率を考慮してその上限値より多少低い圧力値に設定されている。
【0046】
また、制御部16のマップは、定常状態(エンジン定常運転)において、各弁(高圧段排気調整弁11、排気切替弁10、吸気切替弁15)の開度を、高圧段タービンHTの上流側のエンジン排圧が上記所定値を越えないように設定している。
【0047】
本実施形態の作用を述べる。
【0048】
先ず、定常状態(エンジン定常運転)での作用を述べる。
【0049】
エンジン4の低負荷領域では、制御部16は、上記マップに基づいて、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を共に閉じ(全閉)、吸気切替弁15を2段過給ルート13に制御する。これにより、図4に示すように、エンジン4の排気ガスは、高圧段タービンHT、低圧段タービンLTの順に流れ、過給される空気は、低圧段コンプレッサLC、高圧段コンプレッサHC、エンジン4の順に流れ、2段過給がなされ、トータルの圧力比が高まる。
【0050】
中負荷域では、制御部16は、上記マップに基づいて、排気切替弁10を閉じた状態で高圧段排気調整弁11を負荷の高まりに応じて開き、吸気切替弁15を2段過給ルート13のままとする(図4参照)。これにより、図5に示すように、高圧段タービンHTの仕事が減ると共に低圧段タービンLTの仕事が増える。中負荷域では低負荷域よりも排気ガス流量が増えるため、負荷の高まりに応じてエンジン4の排気ガスを高圧段タービンHTをバイパスさせることで、高圧段タービンHTにおける排気ガスの詰まり現象(チョーク)を回避し、このチョークによるエンジン排圧の過大な高まりを回避し、排気マニフォールド7や高圧段タービンHTの結合部から高温の排気ガス漏れを回避している。高温の排気ガス漏れは、周辺の機器の熱劣化、熱損傷を招くので、絶対に回避しなければならない。
【0051】
高負荷域では、制御部16は、上記マップに基づいて、排気切替弁10及び高圧段排気調整弁11を共に全開にし、吸気切替弁15をバイパスルート14に制御する。これにより、エンジン4の排気ガスは、高圧段タービンHTをバイパスして、全て低圧段タービンLTに流れ、低圧段タービンLTのみが仕事をすることになり、他方、過給される空気は、低圧段コンプレッサLCから高圧段コンプレッサHCをバイパスして直接エンジン4に流れ、1段過給となる(図4参照)。この結果、高負荷域では中負荷域よりも更に排気ガス流量が増えるものの、高圧段タービンHTでのチョークが的確に防止され、そのチョークに基づく上述した種々の不具合が回避される。
【0052】
次に、過渡状態(過渡時)での作用を述べる。
【0053】
エンジン負荷が低負荷から中負荷さらには高負荷と急増する加速時には、制御部16による上記マップの指示により、サブバイパス経路9の高圧段圧力調整弁11が最初に開き出すが、高圧段タービンHTの入口側の排気ガスがサブバイパス経路9を通ることによる排気ガスの高圧段タービンHTのバイパス(迂回)は、実際には排気ガス流の慣性によって遅れるため、図2に一点鎖線で示すようにエンジン排圧がオーバーシュートOSとなって高まろうとする。
【0054】
ここで、本実施形態では、高圧段タービンHTの上流側のエンジン排圧が所定値(排気ガスが排気マニフォールド7や高圧段タービンHTの結合部から漏れ出す圧力値又はそれより多少低い圧力値)にまで高まると、第2バイパス経路22のリリーフ弁23が開き、高圧段タービンHTの上流側のエンジン排圧が低圧段タービンLT側に速やかに逃がされる。これにより、2段過給システム1の高圧段タービンHTにとって過剰となるエンジン排圧の圧力上昇が抑えられ、同時に、高圧段タービンHTにとって余剰な排気ガス圧が、高圧段タービンHTをバイパス(迂回)して低圧段タービンLTの入口側に導かれるので、低圧段タービンLTの回転の立ち上がりが向上することになる。
【0055】
その後、図2にて、上記エンジン排圧がオーバーシュート域を抜け、定常運転域に近づくと、エンジン排圧は、上記所定値以下の、マップにより指示された各弁(高圧段排気調整弁11、排気切替弁10、吸気切替弁15)の開度に応じた圧力に収束する。制御部16のマップは、定常状態(定常運転)において、上記各弁11、10、15の開度を、エンジン排圧が上記所定値を越えないように設定しているからである。なお、図2には、定常状態に収束したエンジン排圧が、上記所定値より僅かに低い圧力となっている状態を表しているが、マップにより指示される各弁11、10、15の開度によっては、定常状態が上記所定値を大きく下回る圧力に収束するケースも有り得る。
【0056】
エンジン排圧が上記所定値以下になると、リリーフ弁23が閉じ、排気マニフォールド7内の排気ガスは高圧段タービンHTと低圧段タービンLTとを順に通過し、通常の2段過給状態に戻る。すなわち、エンジン排圧がオーバーシュート域を抜けた以降は、制御部16の上記マップの指示による各弁11、10、15の開度に応じ、設定された過給圧が的確に実現される。
【0057】
以上述べたように、本実施形態によれば、負荷が急激に増加する場合、定常条件で設定したマップによる各弁(高圧段排気調整弁11、排気切替弁10、吸気切替弁15)の開度制御では、エンジン排圧のオーバーシュートOSが発生しようとするところ、リリーフ弁23が開くことでこのオーバーシュート領域をカットし、高圧段タービンHTにとって余剰の排気ガスを、高圧段タービンHTをバイパス(迂回)させて低圧段タービンLTの入口側に逃がす。
【0058】
その後、定常運転に入ると、過渡時(突入時)にオーバーシュートOSが発生していないため、定常条件で設定したマップよる各弁11、10、15の開度に応じた圧力に速やかに収束する。すなわち、上記過渡時に一旦オーバーシュートOSが発生すると、その後、数サイクルはエンジン排圧がハンチングHしてしまうのであるが(図2の一点鎖線参照)、本実施形態では過渡時にオーバーシュートOSが生じないので、その後、ハンチングHすることなく速やかに収束する。
【0059】
本実施形態によれば、負荷が急増した際、高圧段タービンHTの上流側のエンジン排圧のオーバーシュートOSをリリーフ弁23によって高圧段タービンHTをバイパス(迂回)させて低圧段タービンLTの入口側に逃がしているので、高温の排気ガスが排気マニフォールド7や高圧段タービンHTの結合部から漏れ出すことを防止できる。また、このときEGR弁19が開いている場合に生じ得る過剰なEGRを回避でき、これに伴って吸気不足による煤の排出(急加速時の黒煙排出)を回避できる。
【0060】
また、負荷が急増した際、高圧段タービンHTの上流側の余剰な排気ガスを、高圧段タービンHTをバイパスして低圧段タービンLTに導いているので、低圧段タービンLTに高圧段タービンHTで仕事をしていない排気ガス(エネルギー(エンタルピー)の高い排気ガス)が導かれることになって(図9参照)、低圧段タービンLTの応答遅れを改善でき、これに伴って2段過給システム全体としての過給遅れ(図7参照)を改善できる。
【0061】
制御部16のマップは、定常状態(エンジン定常運転)において、各弁(高圧段排気調整弁11、排気切替弁10、吸気切替弁15)の開度を、高圧段タービンHTの上流側のエンジン排圧が上記所定値を越えないように設定している。よって、過渡状態において各弁11、10、15の開度を高圧段タービンHTの上流側のエンジン排圧が上記所定値を越えないように設定するものと比べると、定常運転時の過給圧を高めることができ、EGR量を増やせるので、NOx低減量を多くできる。
【0062】
エンジン排圧のオーバーシュートOSを逃がすリリーフ弁23は、EGR弁19の上流側のエンジン排圧が作用して開弁するようになっているので、EGR弁19によって絞られる前のエンジン排圧によって開弁されることになり、EGR弁19の開度(閉度)に拘わらず、安定して開弁作動される。
【0063】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0064】
例えば、本実施形態では、第1バイパス経路20をメインバイパス経路8とサブバイパス経路9との2経路から構成し、流量制御弁21をメインバイパス経路8に設けた排気切替弁10とサブバイパス経路9に設けた高圧段排気調整弁11との2弁から構成したが、2経路のうち一方を省略して残った方を請求項1の第1バイパス経路20とし、その第1バイパス経路20に設けた弁を請求項1の流量制御弁21としてもよい。この場合、流量制御弁21は、制御部16によって、エンジン4の低負荷時には閉じられ、高負荷時には開かれる。
【0065】
加えて、EGR経路17、EGR弁19を省略してもよく、吸気バイパス経路12、吸気切替弁15を省略してもよい。これらを省略しても、本発明の効果「負荷が急変した際、エンジン排圧の過大なオーバーシュートを防止して排気ガス漏れを防止でき、且つ、低圧段タービンLTに高圧段タービンHTで仕事をしていない排気ガス(エネルギー(エンタルピー)の高い排気ガス)を導くことで低圧段タービンLTの応答性を上げ、システム全体としての応答遅れを低減できる」を達成できるからである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係る2段過給システムの構成図である。
【図2】図1の2段過給システムの作用を示す説明図である。
【図3】本発明者が先に開発した2段過給システムの構成図である。
【図4】図1及び図3の2段過給システムの低負荷、中負荷、高負荷における排気ガスの流れと吸気の流れとを示す説明図である。
【図5】タービンの仕事量を示す説明図である。
【図6】図1の2段過給システムの作用を示す説明図である。
【図7】2段過給システムとシングルターボシステムとの応答遅れ、最終圧力比を示す説明図である。
【図8】高圧段コンプレッサと低圧段コンプレッサとの応答遅れを示す説明図である。
【図9】高圧段タービンの立ち上がり時間、及び立ち上がり時間経過後のオーバーシュートを示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
1 2段過給システム
4 エンジン
5 排気経路
6 吸気経路
8 メインバイパス経路
9 サブバイパス経路
10 排気切替弁
11 高圧段排気調整弁
12 吸気バイパス経路
13 2段過給ルート
14 バイパスルート
15 吸気切替弁
16 制御部
17 EGR経路
19 EGR弁
20 第1バイパス経路
21 流量制御弁
22 第2バイパス経路
23 リリーフ弁
HT 高圧段タービン
LT 低圧段タービン
HC 高圧段コンプレッサ
LC 低圧段コンプレッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの排気経路に配設された高圧段タービンと、
上記排気経路の上記高圧段タービン下流側に配設された低圧段タービンと、
上記エンジンの吸気経路に配設され上記低圧段タービンにより駆動される低圧段コンプレッサと、
上記吸気経路の上記低圧段コンプレッサ下流側に配設され上記高圧段タービンにより駆動される高圧段コンプレッサと、
上記排気経路に設けられ、一端が上記高圧段タービンの上流側に接続され他端が上記高圧段タービンをバイパスして上記高圧段タービンと上記低圧段タービンとの間に接続された第1バイパス経路と、
該第1バイパス経路に配設された流量制御弁と、
上記排気経路に設けられ、一端が上記高圧段タービンの上流側に接続され他端が上記高圧段タービンをバイパスして上記高圧段タービンと上記低圧段タービンとの間に接続された第2バイパス経路と、
該第2バイパス経路に配設され、上記高圧段タービンの上流側の排気圧力によって作動され、該排気圧力が所定値以上に高まったときのみ開くリリーフ弁と
を備えたことを特徴とする2段過給システム。
【請求項2】
上記流量制御弁の開度を上記エンジンの低負荷時には閉じ高負荷時には開くように制御する制御部を備えた請求項1に記載の2段過給システム。
【請求項3】
上記排気経路の上記高圧段タービン上流側と上記吸気経路の上記高圧段コンプレッサ下流側とを接続するEGR経路と、
該EGR経路に配設されたEGR弁とを備え、
上記第2バイパス経路の一端は、上記EGR経路の上記EGR弁上流側に接続された請求項1又は2に記載の2段過給システム。
【請求項4】
上記第1バイパス経路は、一端が上記エンジンと上記高圧段タービンとの間に接続され他端が上記高圧段タービンと上記低圧段タービンの間に接続されたメインバイパス経路と、一端が上記エンジンと上記高圧段タービンとの間に接続され他端が上記高圧段タービンと上記低圧段タービンの間に接続されたサブバイパス経路とを有し、
上記流量制御弁は、上記メインバイパス経路に配設された排気切替弁と、上記サブバイパス経路に配設された高圧段排気調整弁とを有し、
上記制御部は、上記エンジンの低負荷時には上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に閉じ、中負荷時には上記排気切替弁を閉じた状態で上記高圧段排気調整弁を負荷の高まりに応じて開き、高負荷時には上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に全開に制御するものである請求項2又は3に記載の2段過給システム。
【請求項5】
上記吸気経路に設けられ、一端が上記低圧段コンプレッサと上記高圧段コンプレッサとの間に接続され他端が上記高圧段コンプレッサをバイパスして上記高圧段コンプレッサ下流側に接続された吸気バイパス経路と、
上記低圧段コンプレッサから吐出された吸気を、上記高圧段コンプレッサを介して上記エンジンに導く2段過給ルートと、上記高圧段コンプレッサをバイパスし上記吸気バイパス経路を介して上記エンジンに導くバイパスルートとに切り替える吸気切替弁とを備え、 上記制御部は、
上記エンジンの低負荷時には、上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に閉じ、上記吸気切替弁を上記2段過給ルートに制御し、
中負荷時には上記排気切替弁を閉じた状態で上記高圧段排気調整弁を負荷の高まりに応じて開き、上記吸気切替弁を上記2段過給ルートに制御し、
高負荷時には上記排気切替弁及び上記高圧段排気調整弁を共に全開にし、上記吸気切替弁を上記バイパスルートに制御するものである請求項4に記載の2段過給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−274802(P2008−274802A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117269(P2007−117269)
【出願日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】