説明

2,3−ジベンジルブチロラクトンおよびリコチャルコンAの組み合わせ

本発明は、(a)1種もしくはそれ以上の2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および(b)リコチャルコンAまたはリコチャルコンAを含有するラディックス・グリシリーザエ・インフラエの水性抽出物の活性剤組み合わせに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2,3−ジベンジルブチロラクトン類およびリコチャルコンA又はリコチャルコンAを含むラディックス・グリシリーザエ・インフラタエ(Radix Glycyrrhizae inflatae)の水性抽出物の活性成分組み合わせ
本発明は、皮膚、特に敏感性皮膚、そして特別には老化した皮膚または内因性および/もしくは外因性の因子による老化、の手入れ用および保護用の活性成分を含んでなる化粧品および皮膚科学的(dermatological)調剤、並びに化粧品および皮膚科学的手入れ分野におけるそのような活性成分およびそのような活性成分の組み合わせの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品による皮膚手入れは主として、環境的な影響(例えば汚れ、化学物質、微生物)に対する並びに身体に固有の物質(例えば水、天然脂肪、電解質)の損失に対する障壁としての皮膚の自然機能を強化または回復することを意味すると理解される。
【0003】
この機能の損傷は、有毒なもしくはアレルギー性の物質の吸収増加、または有毒なもしくはアレルギー性の皮膚反応をもたらす微生物による攻撃をもたらしうる。
【0004】
老化した皮膚の場合には、例えば、再生回復が比較的ゆっくりした速度で起き、そこでは、特に、角質層の水−結合能力が劣化する。従って、それは硬くなり、乾燥しそしてひび割れし始める(「生理学的」乾燥皮膚)。障壁損傷がその結果である。皮膚は負の環境影響、例えば微生物の侵襲、毒素およびアレルゲン、に過敏になり始める。これは有毒なまたはアレルギー性の皮膚反応すらもたらしうる。
【0005】
病理学的に乾燥した敏感皮膚の場合には、障壁損傷は先天的である。表皮の細胞内脂質が不足するかまたは不適切な量もしくは組成で生成される。その結果が角質層の浸透性増加並びに吸湿性物質および水の損失に対する皮膚の不適切な保護である。
【0006】
皮膚の障壁効果は経表皮水損失(trasnsepidermal water loss:TEWL)の判定により定量化されうる。これは、発汗中の水損失を考慮に入れない、体内からの水の蒸発である。TEWL値の判定は非常に有益であることが証明されており、そして非常に異なる化学構造を有する界面活性剤の適合性などの判定用にひびがきれたりまたは割れた皮膚を診断するために使用することができる。
【0007】
皮膚の美観および良く手入れされた外観のためには、皮膚の最上層内の水の割合が最も重要である。それは水分調節剤を導入することにより限定された範囲内で好ましい影響を受けうる。
【0008】
一般的に洗浄調剤(cleansing preparations)の成分であるアニオン性界面活性剤は角質層内のpHを持続的効果を与えながら増加させることができ、それは皮膚の障壁機構を回復させそして再生するために作用する再生過程を大きく妨害する。この場合、定期的な抽出の結果として、新しいしばしば非常に好ましくない平衡状態が必須物質の再生および損失の間に生じ、この状態は皮膚の外観および角質層の機能の生理学的様式に重大な悪影響を有する。
【0009】
界面活性剤を添加しない簡単な水浴でさえ最初に皮膚の角質層を膨潤させ、この膨潤度
は、例えば、浴時間およびその温度に依存する。また、角質層の水−結合能力の原因であり皮膚に内因性である物質である水溶性物質、例えば汚れの水溶性成分、は洗浄除去または洗い出される。さらに、皮膚に内因性である表面活性物質の結果として、皮膚内の脂肪もある程度溶解されそして洗い出される。最初の膨潤後に、これはその後の皮膚の有意な乾燥を引き起こし、それは洗浄−作用添加剤によりさらに強化されうる。
【0010】
健康な皮膚では、皮膚の保護機構が皮膚上層へのそのようなわずかな障害を容易に相殺しうるためこれらの過程は一般に重要でない。しかしながら、例えば環境により引き起こされる磨耗損傷または刺激、光損傷、老化する皮膚などの結果としての、正常状態からの非病原性偏向の場合でさえ、皮膚表面の保護機構は損傷される。ある種の環境では、その役割をそれ自体で満たすことはもはや可能でなくそして外的手段により再生しなければならない。
【0011】
さらに、より若いおよびより年取った人間の病理学的に変更した、乾燥したおよび乾燥しているが病気ではない皮膚の角質層の脂質組成および量は同年齢群の健康な正常に水和された皮膚で見られる正常な状態から逸脱することも知られている。これに関すると、アトピー性湿疹のある患者の非常に乾燥した非湿疹性皮膚の脂質パターンにおける変化は健康な皮膚を有する人間の乾燥皮膚で見られる極端な逸脱の症例である。
【0012】
ここで、これらの逸脱は非常に特にセラミド類に影響を与え、それらは数において非常に減じられそしてさらに異なる組成を有する。ここで、セラミド類1および3の不足が特に顕著であり、セラミド1に関してはそれが細胞内膜系統における脂質の配列を特別な方法で増加させることが知られる。
【0013】
上記のタイプの脂質膜における悪い変化は多分不正確に調節された脂質生合成および経表皮水損失の増加のような最終的な影響に基づく。そこで、永久的な障壁弱化がそれ自体は健康である皮膚をより過敏にしそしてある種の場合には疾病皮膚における湿疹過程の出現に寄与しうる。
【0014】
角質層の障壁機能および水和に対する軟膏剤およびクリーム剤の効果は一般的に細胞内脂質の積層(lamellae)の物理−化学的性質の再構成または強化ではない。本質的な部分的効果は処置した皮膚領域の単なる被覆およびその下にある角質層内でのそこから生じた水の遮断である。同時に適用される吸湿性物質が水と結合して、角質層内の水含有量における測定可能な増加を生ずる。しかしながら、この純粋な物理的障壁は比較的容易に再び除去されうる。製品の使用を停止した後に、皮膚は非常に急速に処置開始前の状態に戻る。さらに、皮膚手入れ効果は定期的処置で減ずることがあり、最終的には処置中でさえ状態クオ(quo)に再び到達する。ある種の製品の場合には、使用が停止されたときのある種の環境では皮膚の状態が一時的に劣化する。永久的な製品効果は従って原則として得られないかまたは限定された程度までしか得られない。
【0015】
皮膚の自然再生不足の皮膚を補助するためおよびその生理学的機能を強化するために、最近ではますます、皮膚に使用されることを意図する局所用調剤に細胞内脂質混合物を加えて自然障壁を再構成するようになってきた。しかしながら、これらの脂質は、特にセラミド類は、非常に高価な原料である。さらに、それらの効果はほとんどの場合、求められるものより非常にはるかに低い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目標は従って、先行技術の欠点を回避する方法を見出すことである。特に、皮膚手入れ製品の効果は生理学的であり、迅速であり且つ長期持続性でなければならない。
【0017】
本発明の目的のためには、皮膚手入れは主として環境影響(例えば汚れ、化学物質、微生物)に対する並びに身体に内因的な物質(例えば水、脂質、電解質)の損失に対する障壁としての皮膚の自然機構が強化されまたは回復されることを意味すると理解される。
【0018】
乾燥および剥がれた皮膚の手入れ、処置および洗浄用の製品はそれら自体既知である。しかしながら、生理学的に健全な、水和されたそして滑らかな角質層の再生に対するそれらの寄与は程度および時間に関して限定されている。
【0019】
角質層の障壁機構および水和に対する軟膏剤およびクリーム剤の効果は本質的に処置される皮膚領域の被覆(吸蔵(occlusion))に基づく。軟膏剤またはクリーム剤は、それがそうであったように、皮膚による水の損失を防止することが意図される(第二の)人工的障壁である。この物理的障壁は、例えば洗剤(cleansers)の使用で、再び同様に容易に除去され、その結果として元の損傷された状態が再び得られる。さらに、皮膚手入れ効果は定期的処置で減じられうる。製品の使用が停止された時に、皮膚は処置開始前の状態に非常に急速に戻る。ある種の製品の場合には、皮膚の状態はある種の環境中では一時的に悪化さえする。長期持続性製品効果は従って得られないかまたは限定された程度にしか得られていない。
【0020】
皮膚の障壁機能に対するある種の製薬学的調剤の効果は障壁に対する選択的な損傷も与え、そのことは活性成分が皮膚内にまたは体内に皮膚を通して浸透しうることを意図する。ここでは、副作用としての皮膚の妨害された外観はある程度までは廉価の代価として許容される。
【0021】
手入れ洗浄製品の効果は本質的に皮脂の脂質類似物質による効率的な再脂肪化(refatting)にある。そのような調剤の界面活性剤含有量における同時に起きる減少は角質層障壁に対する損傷のさらなる限定を可能にする。
【0022】
しかしながら、先行技術は角質層の障壁機能および水和に対する正の影響を有するかまたは角質層のそして特に細胞内脂質を含んでなる層の物理化学的性質を回復さえする調剤を有していない。
【0023】
本発明の目的は従って先行技術の欠点を克服することである。特に、目標は皮膚手入れ調剤並びに特に皮膚の自然再生が不適切である時に皮膚の障壁性質を維持または回復する皮膚を洗浄するための調剤を提供することである。さらに、それらは皮膚乾燥により引き起こされる損傷、例えば亀裂または炎症性もしくはアレルギー性過程、並びに神経皮膚炎の処置および予防に適していなければならない。本発明の目的は、例えば日光および風の如き環境影響に対して皮膚を保護する安定な皮膚手入れ化粧品および/または皮膚科学的組成物を提供することでもある。特に、調剤の効果は生理学的であり、迅速であり且つ長期持続性でなければならない。
【0024】
さらに、本発明は極端に低いいわゆるスティンギング(stinging)能力を有する調剤に関する。敏感性の、傷つき易い、または傷ついた皮膚を有する人間では、「スティンギング」と称する神経感覚的現象が観察されうる。この「敏感性皮膚」は原則として、厚くなりそして硬くなった角質層を有する「乾燥皮膚」とは異なる。
【0025】
敏感性皮膚の場合におけるスティンギングの典型的な反応は、皮膚の赤くなること、固くなることおよびやけど、並びに痒みである。
【0026】
アトピー性皮膚の場合における痒みは、皮膚疾患の場合の痒みのように、神経感覚現象
とみなされる。
【0027】
スティンギング現象は化粧品で処理される疾患であるとみなしうる。他方で、ひどい痒み、特にアトピーの場合に起きるひどい痒み、はさらに重篤な皮膚疾患であるとみなすこともできる。
【0028】
用語「スティンギング」または「敏感性皮膚」に関連する典型的なやっかいな神経感覚現象は皮膚の赤くなること、痛み(tingling)、ひりひり感、固くなることおよびやけど並びに痒みである。それらは、環境条件、例えばマッサージ、界面活性剤の影響、例えば日光、冷気、乾燥だけでなく湿り気のある熱、熱照射および例えば日光の紫外線照射、等の天候の影響、を刺激することにより引き起こされうる。
【0029】
“Journal of the Society of Cosmetic Chemists”(28,pp.197−209(May 1977),P.J.Frosch and A.M.Kligman)は、局所的に投与された物質のスティンギング能力を推定する方法を記載している。ここで使用される有効な(positive)物質は、例えば、乳酸およびピルビン酸である。しかしながら、この方法に従い測定される時には、アミノ酸類、特にグリシン、は神経感覚的に活性であることも見出された(そのような物質は「スティンガー(stingers)」と称する)。
【0030】
現在までの発見によると、非常に特異的な物質に対するそのような敏感性は人間毎に変動する。これは、物質との接触時にスティンギング効果を実感する人間はそれらを以後の接触時毎に高い確率で再びそれらを実感するであろうことを意味する。しかしながら、他の「スティンガー」との接触はいずれかの反応なしにも起きうる。
【0031】
敏感性皮膚の問題は増大する数の成人および子供に影響を与える。敏感性皮膚は例えば過反応性および非耐性皮膚の如き種々の症状の組み合わせに言及するために使用される。しかしながら、アトピー性皮膚はここに包括されうる。これらの皮膚状態はしばしば、全く正確ではないが、「アレルギー」皮膚として影響を受けるものによって言及される。アレルギー疾患は敏感性皮膚の症状をもたらしうるが、敏感性皮膚の外観はアレルギーのあるものに限定されない。
【0032】
多少とも敏感性である多くの人は、ある種の脱臭または抗発汗調剤を使用する時に、紅斑性皮膚症状にかかるはずである。
【0033】
紅斑性皮膚症状はある種の皮膚疾患または不規則性(irregularities)に伴う症状としても生ずる。例えば、座瘡の外観の場合の典型的な皮膚発疹はしばしば多かれ少なかれ赤い。従って、本発明の目的は先行技術の欠点を克服することである。
【0034】
特に、活性成分およびそのような活性成分を含んでなる調剤は、紅斑性、炎症性、アレルギー性または自己免疫反応性症状、特に皮膚病、並びに「スティンギング」の進行に対する化粧品および皮膚科学的処置および/または予防に利用可能であった。
【0035】
さらに、効果促進性の外傷治癒の意味で免疫刺激にとって有利である皮膚の免疫刺激用に使用できるそのような活性成分、またはそのような活性成分を含んでなる調剤が利用可能であった。
【0036】
別の好ましい態様では、本発明は皮膚における化粧品または皮膚化学的変化、例えば、望まれない色素着色、例えば局所的な過色素着色および不正確な色素着色(例えば雀斑、そばかす)の予防および処置のため、または個々の皮膚タイプに関してきわめて不適切に
色素着色された皮膚の大部分の純粋に化粧品的に明るくするための化粧品および皮膚化学的調剤に関する。
【0037】
皮膚の色素着色は、例えば、表皮の最下層である基底層で見出されるメラニン細胞により、皮膚のタイプによって個別にまたは異なる寸法のクラスターのいずれかで起きる色素−形成細胞としての基底細胞に沿って、引き起こされる。メラニン細胞は、特徴的な細胞小器官として、紫外線により刺激を受けた時にそれより大きい程度にメラニンを形成するメラニン顆粒を含有する。このメラニンは角質細胞に移送されそして多少とも目立つ褐色がかったもしくは褐色の皮膚色をもたらす。
【0038】
メラミンは、チロシンが酵素チロシナーゼの作用下で3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン(ドーパ)、ドーパキノン、ロイコドーパクロム、ドーパクロム、5,6−ジヒドロキシインドールおよびインドール−5,6−キノンを介して最終的にメラミンに転化される酸化過程の最終段階として形成される。
【0039】
皮膚の過色素着色に伴う問題は多種の原因を有しそして多くの生物学的過程、例えば紫外線照射(例えばそばかす、あざ(Ephelides)、遺伝子配置、外傷治癒中の皮膚の不正確な色素着色または瘢痕化もしくは皮膚老化(例えば老人性ほくろ)、に付随する現象である。
【0040】
皮膚色素着色に反作用する活性成分および調剤は既知である。実際に、ヒドロキノンをベースとする調剤の使用は本質的になされているが、一方で、それらは数週間にわたる適用後にそれらの効果を示すだけであり、そして他方で、過度に長い期間にわたるそれらの適用は常に毒性学的理由のために危険なしではない。例えばコージ酸、アスコルビン酸およびアゼライン酸並びにそれらの誘導体の如き物質を用いるチロシナーゼの阻害も普遍的であうが、それは化粧品および皮膚科学的に欠点を有する。
【0041】
本発明の目的はこれらの欠点を修正することでもあった。
【0042】
皮膚手入れの別の目標は、毎日の洗浄により引き起こされる脂質および水の皮膚による損失を補充することである。これは、自然再生能力が不適切である時には、特に重要である。さらに、皮膚手入れ製品は環境影響に対して、特に日光および風に対して、保護しそして皮膚老化を遅らせなければならない。
【0043】
加齢による皮膚老化は、例えば、内因性の遺伝子で決められる因子により、引き起こされる。用語「老人性乾燥皮膚症」のもとに入りうる下記の構造的損傷および機能的疾患は、例えば、老化の結果として表皮および真皮内で起きる:
a)乾燥、荒れおよび乾燥皴の形成、
b)痒み並びに
c)(例えば洗浄後の)脂腺による再脂肪化の減少。
【0044】
外因性因子、例えば紫外線および化学的病毒、は累積的な影響を有することができ、そして、例えば、内因性老化過程を促進または補足しうる。表皮および真皮内で、例えば、下記の構造的損傷および機能的疾患が皮膚内で特に外因性因子の結果として起き、これらは加齢による老化の場合における損傷の程度および品質よりも広範囲に及ぶ:
d)可視的な血管拡張(毛細管拡張症、クーペロシス(couperosis))、
e)皴の弛緩および形成
f)局所的な過色素着色、色素着色不足および異常な色素着色(例えば年令斑)、並びにg)機械的応力(例えばあかぎれ)に対する敏感性増加。
【0045】
本発明は特に、自然に老化した皮膚の手入れ用製品並びに光老化により引き起こされた損傷、特にa)〜g)に挙げられた現象、の処置に関する。
【0046】
老化した皮膚の手入れ用製品はそれら自体既知である。それらは、例えば、レチノイド類(ビタミンA酸および/またはその誘導体)またはビタミンAおよび/またはその誘導体を含んでなる。しかしながら、構造的損傷に対するそれらの効果は限定される。さらに、製品開発において、活性成分を酸化腐敗に対して適切な程度まで安定化させる際にかなりの困難がある。さらに、ビタミンA酸を含んでなる製品の使用はしばしばひどい紅斑性皮膚刺激を引き起こす。レチノイド類は従って低濃度でのみ使用できる。
【0047】
特に、本発明は皮膚内での有害な酸化過程に対する有効な保護を有する並びに化粧品調剤自体の保護のためまたは有害な酸化過程に対する化粧品調剤の成分の保護のための化粧品調剤に関する。
【0048】
本発明はさらに、酸化防止剤、好ましくは皮膚手入れ化粧品または皮膚化学的調剤中で使用されるもの、にも関する。特に、本発明はそのような酸化防止剤を含んでなる化粧品および皮膚化学的調剤にも関する。好ましい態様では、本発明は化粧品または皮膚科学的な皮膚の変化、例えば、皮膚老化、特に酸化過程により引き起こされる皮膚老化、の予防および処置のための化粧品および皮膚化学的調剤に関する。
【0049】
さらに、本発明は紅斑性、炎症性、アレルギー性または自己免疫−反応性症状、特に皮膚病、用の化粧品および外皮処置または予防のための活性成分およびそのような活性成分を含んでなる調剤にも関する。
【0050】
別の有利な態様では、本発明は光−敏感性皮膚、特に光皮膚炎、の予防および処置用に作用する活性成分組み合わせおよび調剤に関する。
【0051】
皮膚に対する太陽照射の紫外線部分の有害な影響は一般的に知られている。290nmより低い波長を有する線(UVC領域)は地球環境内のオゾン層により吸収されるが、290nm〜320nmの間の範囲内の線であるUVB領域は紅斑、単純な日焼けまたは多少とも重篤な火傷を引き起こす。
【0052】
日光の最大紅斑活性は308nm周辺の比較的狭い範囲として示される。
【0053】
UVB照射線に対して保護するための多くの化合物が既知であり、これらは3−ベンジリデンカンファーの、4−アミノ安息香酸の、桂皮酸の、サリチル酸の、ベンゾフェノンのおよび2−フェニルベンズイミダゾールの誘導体である。
【0054】
UVA領域である約320nm〜約400nmの間の範囲の照射線が光敏感性皮膚の場合に反応を引き起こしうるため、そのために利用可能なフィルター物質を有することも重要である。UVA輻射は連結組織の弾性で且つコラーゲン質の繊維の損傷をもたらし、それが皮膚の早期老化をもたらし、そして多くの光毒性および光アレルギー性反応の原因として考えられることが見出された。UVB照射線の有害な影響はUVA照射線により強化されうる。
【0055】
UVA領域の線に対して保護するためには、従って、ジベンゾイルメタンンのある種の誘導体が使用され、その光安定性は不適切である(Int.J.Cosm.Science 10,53(1988))。
【0056】
しかしながら、紫外線は光化学反応ももたらすことができ、その場合には光化学反応生
成物は次に皮膚の代謝に介在する。
【0057】
そのような光化学反応生成物は主としてフリー−ラジカル化合物、例えばヒドロキシル基、一重項酸素、である。皮膚自体の中で生成する不確定のフリー−ラジカル光生成物は、それらの高い反応性のために、未調節の二次反応も示しうる。しかしながら、酸素分子の非フリー−ラジカル励起状態である一重項酸素は、短命のエポキシド類などと同様に、紫外線照射中にも生成されうる。一重項酸素は、例えば、通常の三重項酸素(フリー−ラジカル基礎状態)とは、その増加した反応性のために異なる。しかしながら、酸素分子の励起された反応性(フリー−ラジカル)三重項状態もまた存在する。
【0058】
紫外線はイオン化輻射のある種のタイプでもある。従って、イオン種も紫外線露呈中に生成する危険性もあり、それは次に一部が生化学過程において酸化的に介在しうる。
【0059】
これらの反応を防止するために、追加の酸化防止剤および/またはフリー−ラジカルスカベンジャーを化粧品または皮膚化学的調剤に導入することができる。
【0060】
既知の酸化防止活性を有する物質であるビタミンEを光保護調剤中で使用することはこれまでに提案されてきたが、ここでも得られる効果は期待よりはるかに少ない。
【0061】
本発明の目的は従って、化粧品、皮膚科学および製薬学的活性成分および調剤、並びに光敏感性皮膚、特に光皮膚炎、好ましくはPLD、の予防および処置のために作用する光保護調剤を提供することである。
【0062】
文献(例えば、A.Voelckel et al,Zentralblatt Haut−und Geschlechtskrankheiten(1989),156,p.2)に示されているように、多形光皮膚炎に関する他の名称はPLD、PLE、マロルカ・座瘡(Mallorca acne)および多数の他の名称である。
【0063】
酸化防止剤は主として、それらが存在する調剤の劣化に対して保護する物質として使用される。それにもかかわらず、人間または動物の皮膚内では、望ましくない酸化過程が起きうることが知られている。そのような過程は皮膚老化において重要な役割を演ずる。
【0064】
“Oxidative Stress in Dermatology”,p.323ff.中の論文“Skin Diseases Associated with Oxidative Injury”(Marcel Decker Inc.,New York,Basel,Hong Kong,Editor:Juergen Fuchs,Frankfurt,and Lester Packer,Berkeley/California)は酸化的な皮膚損傷およびそのさらに明白な原因を論じている。
【0065】
また、そのような反応を予防する研究のために、酸化防止剤および/またはフリー−ラジカルスカベンジャーを化粧品または皮膚化学的調剤に追加導入することもできる。
【0066】
多くの酸化防止剤およびフリー−ラジカルスカベンジャーが既知である。例えば、米国特許明細書第4,144,325号明細書および第4,248,861号明細書、並びに多数の他の文献は光保護調剤中での既知の酸化防止活性を有する物質であるビタミンEの使用をすでに提案しているが、ここでも得られる効果は所望する効果よりはるかに少ない。
【0067】
本発明の目的は従って、先行技術の欠点を回避する方法を見出すことである。特に、内因性の、加齢によるおよび外因性の皮膚老化に関連する損傷を排除する効果並びに予防は
永久的であり、長期間にわたり、且つ二次的な影響の危険性がないようでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0068】
本発明によると、
(a)1種もしくはそれ以上の2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および
(b)リコチャルコン(licochalcone)AまたはリコチャルコンAを含有するラディックス・グリシリーザエ・インフラタエ(Radix Glycyrrhizae inflatae)の水性抽出物
の活性成分組み合わせ、またはそのような活性成分組み合わせを含んでなる化粧品もしくは皮膚化学的調剤により、先行技術の欠点が排除される。
【0069】
本発明に従う調剤または化粧品もしくは皮膚科学的調剤は全ての面で完全に満足のいく調剤である。本発明に従う調剤は先行技術の調剤と比べて
−皮膚の障壁性質をより良く維持または回復し、
−皮膚の乾燥により良く反作用し、
−色素着色疾患に対してより良く作用し、
−炎症性皮膚状態に対してより良く作用し、
−皮膚老化に対してより良く作用しそして
−皮膚を環境影響に対してより良く保護する
ことは当業者により予期され得なかった。
【0070】
本発明に従う活性成分組み合わせの使用または有効な含有量の本発明に従う活性成分組み合わせを有する化粧品もしくは局所用皮膚科学的調剤の使用は驚くべきことに、
−欠陥のある、敏感性のもしくは活性不足の皮膚状態または皮膚付属器官の欠陥のある、敏感性のもしくは活性不足の状態の、
−皮膚および/または皮膚付属器官の早期老化の症状(例えば皴、加齢斑点、末梢血管拡張症)の、
−皮膚および皮膚付属器官内の環境(喫煙、煙霧、反応性酸素種、フリーラジカル)により誘発される変化並びに特に光−誘発性の負の変化の、
−光−誘発性の皮膚損傷の、
−色素着色疾患の、
−敏感性の、刺激されたおよび痒い皮膚の、
−乾燥皮膚状態および角質層障壁の損傷の、
−抜け毛のおよび改良された毛髪成長のための、
−炎症性皮膚状態、例えばアトピー性湿疹、脂漏性湿疹、多形光皮膚炎、乾癬、白斑、の有効な処置並びに予防を与える。
【0071】
しかしながら、本発明に従う活性成分または有効な含有量の本発明に従う活性成分を有する化粧品もしくは局所用皮膚科学的調剤は驚くべきことに、
−敏感性または刺激された皮膚を鎮静化するため、
−コラーゲン、ヒアルロン酸およびエラスチンの合成を刺激するため、
−皮膚内でセラミドの合成を刺激するため、
−分子内DNA合成を、特に不十分なもしくは活性不足の皮膚状態の場合に、刺激するため、
−細胞再生および皮膚の再生を増加させるため、
−皮膚自体の保護および回復機構(例えば機能不全酵素、DNA、脂質、蛋白質)を増大させるため、
−例えば皮膚の皴および瘢痕を減じて生ずる皮膚刺激に反作用しそして損傷された皮膚内での再生過程を促進させるために作用するレーザーおよび磨耗処置の局所適用の場合の予
備処理および後処理のため、
に作用する。
【0072】
好ましくは、本発明に従う活性成分組み合わせにおいて、1種もしくは複数の2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体およびリコチャルコンAは50:1〜1:50、好ましくは10:1〜1:10、特に好ましくは2:1〜1:2、の比で存在する。
【0073】
本発明に従う2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および/またはそれらのグリコシド類は、同様に本発明に従いそして下記構造:
【0074】
【化1】

【0075】
により同定される2,3−ジベンジルブチロラクトンから、誘導される。
【0076】
ラセミ体もしくはエナンチオマー的に純粋な形態のいずれかとして存在しうるそれらの立体異性体形態の全て並びに種々のエナンチオマー部分(fractions)を有するラセミ体混合物での2,3−ジベンジルブチロラクトン、2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および/またはそれらのグリコシド類が本発明に従う。本発明によると、調剤である2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および/またはそれらのグリコシド類は2,3−ジベンジルブチロラクトンも包含する。
【0077】
本発明に従う2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および/またはそれらのグリコシド類は有利には植物抽出物の形態で本発明に従う調剤に加えることができる。これに関すると、植物からの水性−アルコール性抽出物が特に有用であると証明された。しかしながら、他の抽出形態および方法を用いて得られる抽出物および蒸留物、例えば抽出剤として二酸化炭素を用いて得られる抽出物および蒸気蒸留物、も本発明に従い調剤中に有利に調剤される。
【0078】
これに関すると、アルクチウム・ラッパ・L.(Arctium lappa L.)(オオゴボウ)および/またはステガノタエニア・アラリアゼア(Steganotaenia araliacea)(ニンジン樹木(carrot tree))の植物抽出物を使用することが本発明によると特に有利である。
【0079】
使用される本発明に従う好ましい2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および/またはそれらのグリコシド類は、アルクチイン、アルクチゲニン、プレステガンB、マタイレシノール、トラケロシドおよび/またはトラケロゲニンである。
【0080】
これに関すると、下記の立体化学的構造を有する誘導体が本発明によると特に好ましい

【0081】
【化2】

【0082】
本発明によると、アルクチインおよびプレステガンBが非常に特に好ましい。
【0083】
本発明に従う2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および/またはそれらのグリコシド類は普遍的な化粧品および/または皮膚科学的調剤、例えば日焼け止め調剤、皮膚手入れ調剤、抗皴調剤、並びに他の調剤、例えば製薬学的調剤、に問題なく導入しうる。
【0084】
有利には、本発明に従う調剤は、各場合とも調剤の合計重量を基準として、0.01−
25重量%、好ましくは0.1−20重量%、特に1−10重量%、の1種もしくはそれ以上の2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体を含んでなる。
【0085】
欧州におけるリコライスグリシリーザ・グラブラ・オフィシナル(licorice Glycyrrhiza glabra officinal)のように、植物種グリシリーザ・インフラタ(Glycyrrhiza inflata)はファバセアエ(Fabaceae)植物族(マメ植物)に属するグリシリ−ザ(Glycyrrhiza)属に属する。薬品ラディックス・グリシリーザエ・インフラタエ(Radix Glycyrrhizae inflatae)、すなわち植物の根、は例えば漢方薬において広く使用されている。抗炎症剤としてのこの薬品の使用も同様に知られている。
【0086】
ラディックス・グリシリーザエ・インフラタエの水性抽出物の一成分はリコチャルコンAであり、それは下記の構造式により同定される:
【0087】
【化3】

【0088】
この物質は、多分抽出物の他の成分と相乗的に、本発明に従う効果の一部を有すると推定される。
【0089】
本発明によると、調剤が、調剤の合計重量を基準として、0.0001〜5重量%、特に0.001〜1重量%、非常に特に0.005〜0.15重量%、のリコチャルコンAを含んでなる場合に特に有利である。
【0090】
本発明によると、調剤が、調剤の合計重量を基準として、0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%、非常に特に0.01〜2重量%、の1種もしくはそれ以上のポリオールを含んでなる場合に特に有利である。
【0091】
本発明によると、調剤がリコチャルコンを植物抽出物、特にラディックス・グリシリーザエ・インフラタエ、の成分として含んでなる場合も有利である。
【0092】
本発明によると、リコチャルコンが
−リコチャルコンA
−水
−場合により、1種もしくはそれ以上のポリオール
が存在する水性抽出物の形態で存在する場合も有利である。
【0093】
本発明によると、化粧品または皮膚科学的調剤が、調剤の合計重量を基準として、0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%、非常に特に0.01〜2重量%、のラディックス・グリシリーザエ・インフラタエからの水性抽出物を含んでなる場合が有利である。
【0094】
化粧品または皮膚科学的調剤が、調剤の合計重量を基準として、0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%、非常に特に0.01〜2重量%、の1種もしくはそれ以上のポリオールを含んでなる場合が有利である。
【0095】
特に、ブチレングリコールをポリオールとして選択することが有利である。
【0096】
マルゼン(Maruzen)によりポリオール・ソリュブル・リコライス・エクストラクト(Polyol Soluble Licorice Extract)P−Uの名称で販売されている抽出物から出発することが非常に特に有利である。
【0097】
リコチャルコンAを他のビヒクル系の中で0.0001−5重量%、特に0.001−1重量%、非常に特に0.005−0.05重量%、の濃度で使用することも有利である。
【0098】
従って、アトピー性湿疹を包含する炎症性皮膚状態の予防および処置のための並びに/または敏感性と判定された乾燥皮膚の場合に皮膚を保護するための本発明に従う活性成分組み合わせの使用は本発明に従う。
【0099】
従って、色素着色疾患の処置および/または予防のための化粧品または皮膚科学的調剤の製造用の化粧品または皮膚科学的調剤を製造するための本発明に従う活性成分組み合わせの使用は本発明に従う。
【0100】
従って、内因性および/または外因性の皮膚老化の症状の処置および/または予防のための、並びに皮膚に対する紫外線の有害な影響の処置および予防のための化粧品または皮膚科学的調剤を製造するための本発明に従う活性成分組み合わせの使用は本発明に従う。
【0101】
従って、セラミド生合成を増加させるための化粧品または皮膚科学的調剤を製造するための本発明に従う活性成分組み合わせの使用は本発明に従う。
【0102】
従って、皮膚の障壁機能を増大させるための化粧品または皮膚科学的調剤を製造するための本発明に従う活性成分組み合わせの使用は本発明に従う。
【0103】
好ましくは、本発明に従う化粧品または皮膚科学的調剤は、調剤の合計組成を基準として、0.001−10重量%、特に好ましくは0.01−1重量%、の活性成分組み合わせを含んでなる。
【0104】
特に、望ましくない皮膚状態の化粧品または皮膚科学的処置または予防のために本発明に従う活性成分組み合わせの使用または有効な量の本発明に従う活性成分組み合わせを有する化粧品または局所用皮膚科学的調剤の使用が本発明によると非常に有利である。
【0105】
本発明によると、本発明に従う活性成分組み合わせを含んでなる調剤中で普遍的な酸化防止剤を使用することができる。
【0106】
酸化防止剤は有利には、アミノ酸類(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール類(例えばウロカン酸)およびそれらの誘導体、ペプチド類、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド類、カロテン類(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体
、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール類(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル類)およびそれらの塩類、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル類、エーテル類、ペプチド類、脂質類、ヌクレオチド類、ヌクレオシド類および塩類)並びに非常に低い耐性薬用量(例えばpモルないしμモル/kg)でのスルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン類、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン類、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシミン)、並びに(金属)キレート化剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸類、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸類(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸類およびそれらの誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノール並びにそれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、燐酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル)、トコフェロール類および誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体(パルミチン酸ビタミンA)およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルビンフェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク酸、ノルジヒドログアイアレチン酸(nordihydroguaiaretic acid)、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベン類およびそれらの誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)並びに本発明に従い適するこれらの当該活性成分の誘導体(塩類、エステル類、エーテル類、糖類、ヌクレオチド類、ヌクレオシド類、ペプチド類および脂質類)よりなる群から選択される。
【0107】
調剤中の酸化防止剤(1種もしくはそれ以上の化合物)の量は、調剤の合計重量を基準として、好ましくは0.001−30重量%、特に好ましくは0.05−20重量%、特別に1−10重量%、である。
【0108】
本発明に従い使用される活性成分または本発明に従い使用される活性含有量の活性成分を有する化粧品または局所用皮膚科学的調剤を用いる予防または化粧品もしくは皮膚科学的処置は一般的方法で、本発明に従い使用される活性成分または本発明に従い使用される活性含有量の活性成分を有する化粧品または局所用皮膚科学的調剤を皮膚の感染領域に適用することにより、行われる。
【0109】
本発明に従い使用される活性成分は有利には、種々の形態をとりうる普遍的な化粧品および皮膚科学的調剤に導入されうる。それ故、それらは例えば溶液、油中水滴(water−in−oil:W/O)型もしくは水中油滴(oil−in−water:O/W)型の乳化液、または例えば水中油滴中水滴(water−in−oil−in−water:W/O/W)型もしくは油中水滴中油滴(oil−in−water−in−oil:O/W/O)型の多重乳化液、ヒドロ分散液もしくは油分散液、ゲル、固体スティックまたはアエロゾルでありうる。
【0110】
本発明の目的のための、例えばクリーム剤、ローション剤、化粧乳液剤の形態の、本発明に従う乳化液が有利であり、そして例えば脂肪、油、ワックスおよび/または他の脂肪性物質、並びにこのタイプの調剤用に普遍的に使用されているように水および1種もしくはそれ以上の乳化剤を含んでなる。
【0111】
本発明に従い使用される活性成分を皮膚および毛髪の洗浄用の水性系または界面活性剤調剤に導入することが本発明の目的にとって可能であり且つ有利である。
【0112】
当業者は、もちろん、普遍的な助剤および添加剤を用いない、注文の多い化粧品組成物はほとんどありえないことを認識している。本発明に従う化粧品調剤は従ってそのような調剤中で普遍的に使用されているような化粧品助剤、例えば防腐剤、殺細菌剤、脱臭物質、抗発汗剤、昆虫忌避剤、ビタミン、発泡防止剤、染料、着色作用を有する顔料、濃稠化剤、軟化物質、水分付与物質および/または湿潤剤物質、脂肪、油、ワックスおよび化粧品調剤の他の普遍的成分、例えばアルコール、ポリオール、重合体、フォーム安定剤、電解質、有機溶媒もしくはシリコーン誘導体、を含んでなりうる。
【0113】
対応する条件は薬品製造の調剤にも準用される。
【0114】
本発明の目的のための医学的局所用組成物は一般的に1種もしくはそれ以上の薬品を有効な濃度で含んでなる。簡単にするために、化粧品および医学的適用並びに対応する製品の間の明白な区別のために、ドイツ共和国の法的条件を参照する(例えばCosmetics Directive,Foods and Drugs Act)。
【0115】
さらに、本発明に従う調剤は有利にはUVB領域の紫外線を吸収する物質を含んでなることができ、ここで毛髪および/または皮膚を全範囲の紫外線から保護する化粧品調剤を提供するためにはフィルター物質の量は、調剤の合計重量を基準として、例えば0.1重量%〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に1.0〜6.0重量%、である。それらは毛髪用の日焼け止め剤として使用することもできる。
【0116】
本発明に従う調剤がUVBフィルター物質を含んでなる場合には、これらは油溶性または水溶性でありうる。本発明に従い有利である油溶性UVBフィルターの例は、
−3−ベンジリデンカンファー誘導体、好ましくは3−(4−メチルベンジリデン)カンファー、3−ベンジリデンカンファー、
−4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミル、
−桂皮酸のエステル類、好ましくは4−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、4−メトキシ桂皮酸イソペンチル、
−サリチル酸のエステル類、好ましくはサリチル酸2−エチルヘキシル、サリチル酸4−イソプロピルベンジル、サリチル酸ホモメンチル、
−ベンゾフェノンの誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、
−ベンザルマロン酸のエステル類、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ(2−エチルヘキシル)、
−2,4,6−トリアニリノ(p−カルボ−2’−エチル−1’−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン
である。
【0117】
有利な水溶性UVBフィルターは、例えば、
−2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸の塩類、並びにそのナトリウム、カリウムまたはそのトリエタノールアンモニウム塩、並びにスルホン酸自体、
−ベンゾフェノン類のスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩類、
−3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば、4−(2−オキソ−3−ボ
ルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸、2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)スルホン酸およびその塩類、並びにベンゼン−1,4−ジ(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル−10−スルホン酸とも称する1,4−ジ(2−オキソ−10−スルホ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンおよびその塩類(対応する10−スルファト化合物、例えば対応するナトリウム、カリウムまたはとりエタノールアンモニウム塩)
である。
【0118】
本発明に従う活性成分組み合わせと組み合わせて使用できる具体的なUVBフィルターのリストはもちろん限定されることを意図しない。
【0119】
化粧品調剤中に普遍的に存在するUVAフィルターを使用することも有利でありうる。これらの物質は好ましくはジベンゾイルメタンの誘導体、特に1−(4’−tert−ブチルフェニル)−3−(4’−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび1−フェニル−3−(4’−イソプロピルフェニル)プロパン−1,3−ジオン、である。UVB組み合わせに関して使用される量を使用することができる。
【0120】
さらに、本発明に従う化粧品および皮膚科学的調剤は有利には、水中に微溶性または不溶性である金属酸化物および/または他の金属化合物をベースにした無機顔料、特にチタンの酸化物(TiO)、亜鉛の酸化物(ZnO)、鉄の酸化物(例えばFe)、ジルコニウムの酸化物(ZrO)、珪素の酸化物(SiO)、マンガンの酸化物(例えばMnO)、アルミニウムの酸化物(Al)、セリウムの酸化物(Ce)、対応する金属の混合酸化物、並びにそのような酸化物の混合物、を含んでなる。それらは特に好ましくはTiOをベースとした顔料である。
【0121】
本発明の目的のためには、無機顔料が疎水性形態であること、すなわち撥水するように表面処理されていること、が特に有利であるが、強制はされない。この表面処理は、顔料に薄い疎水性膜を当該技術で既知である方法により付与することよりなりうる。
【0122】
そのような方法は例えば、疎水性表面層を
nTiO+m(RO)Si−R’−>TiO(surf.)
[式中、nおよびmは所望する使用される化学量論的パラメーターであり、RおよびR’は所望する有機基である]
に従う反応により製造することよりなる。例えばドイツ特許出願公開第3314742号明細書と同様にして合成された疎水性化された顔料が有利である。
【0123】
有利なTiO顔料は、例えば、タイカ(TAYCA)から商品名MT100Tとして、そしてケミラ(Kemira)からM160として、そしてデグッサ(Degussa)からT805として、入手可能である。
【0124】
本発明に従う調剤は、特に結晶性または微結晶性固体、例えば無機微細顔料が導入される場合には、またアニオン性、非イオン性および/または両性界面活性剤も含んでなる。界面活性剤は、有機性の非極性物質を水中に溶解させうる両親媒性物質である。
【0125】
界面活性剤分子の親水性部分はほとんどが極性官能基、例えば−COO、−OSO2−、−SOであるが、疎水性部分は通常は非極性炭化水素基である。界面活性剤は一般的に親水性分子部分のタイプおよび電荷に応じて分類される。これに関すると、4群の間に区別することが可能である:
・アニオン性界面活性剤、
・カチオン性界面活性剤、
・両性界面活性剤、
・非イオン性界面活性剤。
【0126】
アニオン性界面活性剤は一般的に官能基としてカルボキシレート、サルフェートまたはスルホネート基を有する。水溶液中で、それらは酸性または中性媒体中で負に荷電された有機イオンを形成する。カチオン性界面活性剤はほとんど全てが第四級アンモニウム基の存在により特徴づけられる。水溶液中で、それらは酸性または中性媒体中で正に荷電された有機イオンを形成する。両性界面活性剤はアニオン性およびカチオン性基の両者を含有し、そしてその結果として水溶液中でpHによってアニオン性またはカチオン性の行動を示す。強酸性媒体中でそれらは正の電荷を有し、そしてアルカリ媒体中で負の電荷を有する。対照的に、中性pH範囲内では、それらは例えば以下で説明するように両イオン性である:
RNHCHCHCOOH X(pH=2において)X=いずれかのアニオン、例えばCl
RNHCHCHCOO(pH=7において)
RNHCHCHCOO(pH=12において)B=いずれかのカチオン、例えばNa
【0127】
代表的な非イオン性界面活性剤はポリエーテル連鎖である。非イオン性界面活性剤は水性媒体中でイオンを生成しない。
A.アニオン性界面活性剤
【0128】
有利に使用できるアニオン性界面活性剤はアシルアミノ酸類(およびそれらの塩類)、例えば
1.アシルグルタミン酸塩類、例えばアシルグルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ジ−TEA−パルミトイルおよびグルタミン酸カプリル酸/カプリン酸ナトリウム、
2.アシルペプチド類、例えばパルミトイル−加水分解された乳蛋白質、ナトリウムココイル−加水分解された大豆蛋白質およびナトリウム/カリウムココイル−加水分解されたコラーゲン、
3.サルコシネート類、例えばミリストイルサルコシン、TEA−ラウロイルサルコシネート、ナトリウムラウロイルサルコシネートおよびナトリウムココイルサルコシネート、4.タウレート類、例えばナトリウムラウロイルタウレートおよびナトリウムメチルココイルタウレート、
5.アシルラクチレート類、ラウロイルラクチレート、カプロイルラクチレート、
6.アラニネート類、
カルボン酸類および誘導体、例えば
1.カルボン酸類、例えばラウリン酸、ステアリン酸アルミニウム、マグネシウムアルカノレートおよびウンデシレン酸亜鉛、
2.エステルカルボン酸類、例えばカルシウムステアロイルラクチレート、クエン酸ラウレス−6およびPEG−4ラウルアミドカルボン酸ナトリウム、
3.エーテルカルボン酸類、例えばラウレス−13カルボン酸ナトリウムおよびPEG−6コカミドカルボン酸ナトリウム、
燐酸エステル類および塩類、例えば、燐酸DEA−オレス−10および燐酸ジラウレス−4、
スルホン酸類および塩類、例えば
1.アシルイセチオン酸塩類、例えばココイルイセチオン酸ナトリウム/アンモニウム、2.アルキルアリールスルホン酸塩類、
3.アルキルスルホン酸塩類、例えばココモノグリセリド硫酸ナトリウム、C12−14−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウムおよびPEG−3コカミド硫酸マグネシウム、
4.スルホ琥珀酸塩類、例えばスルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム、ラウレススルホ琥珀
酸二ナトリウム、ラウリルスルホ琥珀酸二ナトリウムおよびウンデシレンアミド−MEAスルホ琥珀酸二ナトリウム
並びに
硫酸エステル類、例えば
1.アルキルエーテル硫酸塩、例えばラウレス硫酸ナトリウム、アンモニウム、マグネシウム、MIPA、TIPA、ミレス硫酸ナトリウムおよびC12−13−パレス硫酸ナトリウム、
2.アルキル硫酸塩類、例えばラウリル硫酸ナトリウム、アンモニウムおよびTEA
である。
【0129】
B.カチオン性界面活性剤
有利に使用できるカチオン性界面活性剤は、
1.アルキルアミン類、
2.アルキルイミダゾール類、
3.エトキシル化されたアミン類および
4.第四級界面活性剤、
5.エステルクアーツ(ester quats)
である。
【0130】
第四級界面活性剤は、4個のアルキルおよび/またはアリール基に共有結合された少なくとも1個のN原子を含んでなる。pHとは関係なく、これは正の電荷をもたらす。アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタインおよびアルキルアミドプロピルヒドロキシスルファインが有利である。本発明に従うカチオン性界面活性剤は好ましくは第四級アンモニウム化合物、特にベンジルトリアルキルアンモニウムクロリド類またはブロミド類、例えば、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロリド、並びにアルキルトリアルキルアンモニウム塩類、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、アルキルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド類またはブロミド類、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド類またはブロミド類、アルキルアミドエチルトリメチルアンモニウムエーテルサルフェート類、アルキルピリジニウム塩類、例えばラウリル−またはセチルピリミジニウムクロリド、イミダゾリン誘導体およびカチオン性を有する化合物、例えばアミンオキシド類、例えばアルキルジメチルアミンオキシド類またはアルキルアミノエチルジメチルアミンオキシド類、の群からも選択される。特に、セチルトリメチルアンモニウム塩類の使用が有利である。
【0131】
C.両性界面活性剤
有利に使用できる両性界面活性剤は、
1.アシル/ジアルキルエチレンジアミン、例えばアシルアンホ酢酸ナトリウム、アシルアンホジプロピオン酸二ナトリウム、アルキルアンホ二酢酸二ナトリウム、アシルアンホヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム、アシルアンホ二酢酸二ナトリウムおよびアシルアンホプロピオン酸ナトリウム、
2.N−アルキルアミノ酸類、例えばアミノプロピルアルキルグルタミド、アルキルアミノプロピオン酸、アルキルイミドジプロピオン酸ナトリウムおよびラウロアンフォカルボキシグリシネート
である。
【0132】
D.非イオン性界面活性剤
有利に使用できる非イオン性界面活性剤は、
1.アルコール類、
2.アルカノールアミド類、例えばココアミド類MEA/DEA/MIPA、
3.アミンオキシド類、例えばココアミドプロピルアミンオキシド、
4.エチレンオキシド、グリセロール、ソルビタンまたは他のアルコール類を用いるカルボン酸類のエステル化により生成されるエステル類、
5.エーテル類、例えばエトキシル化された/プロポキシル化されたアルコール類、エトキシル化された/プロポキシル化されたエステル類、エトキシル化された/プロポキシル化されたグリセロールエステル類、エトキシル化された/プロポキシル化されたコレステロール類、エトキシル化された/プロポキシル化されたトリグリセリドエステル類、エトキシル化された/プロポキシル化されたラノリン、エトキシル化された/プロポキシル化されたポリシロキサン類、プロポキシル化されたPOEエーテル類並びにアルキルポリグリコシド類、例えばラウリルグルコシド、デシルグリコシドおよびココグリセリド、
6.スクロースエステル類、スクロースエーテル類、
7.ポリグリセロールエステル類、ジグリセロールエステル類、モノグリセロールエステル類、
8.メチルグルコースエステル類、ヒドロキシ酸類のエステル類
である。
【0133】
アニオン性および/または両性界面活性剤と1種もしくはそれ以上の非イオン性界面活性剤の組み合わせの使用も有利である。
【0134】
表面−活性物質は本発明に従う調剤中に、調剤の合計重量を基準として、1〜95重量%の間の濃度で存在しうる。
【0135】
本発明に従う化粧品または皮膚科学的乳化液の脂質相は有利には下記の物質群:
−鉱油、鉱物ワックス、
−油、例えばカプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリド類、並びに天然油、例えば、ひまし油、
−脂肪、ワックス並びに他の天然および合成脂肪性物質、好ましくは脂肪酸類と低炭素数のアルコール類、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセロール、とのエステル類、または脂肪アルコール類と低炭素数のアルカン酸類とのもしくは脂肪酸類とのエステル類、
−アルキル安息香酸エステル類、
−シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン類、ジエチルポリシロキサン類、ジフェニルポリシロキサン類およびそれらの混合形態
から選択されうる。
【0136】
本発明の乳化液の油相は有利には飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の3〜30個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸類と飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の3〜30個の炭素原子の鎖長を有するアルコール類のエステル類の群から、芳香族カルボン酸類と飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の3〜30個の炭素原子の鎖長を有するアルコール類のエステル類の群から選択される。従ってそのようなエステル油はミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−へキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、並びにそのようなエステル類の合成、半合成および天然混合物、例えばホホバ油、よりなる群から選択されうる。
【0137】
さらに、油相は分枝鎖状および非分枝鎖状の炭化水素類および炭化水素ワックス類、シリコーン油類、ジアルキルエーテル類の群、飽和もしくは不飽和の分枝鎖状または非分枝
鎖状のアルコール類の群、並びに脂肪酸トリグリセリド類、すなわち飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の8−24個、特に12−18個の炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸類のトリグリセロールエステルから有利に選択されうる。脂肪酸トリグリセリド類は、例えば、合成、半合成および天然油類、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、ナタネ油、アーモンド油、ヤシ油、ココヤシ油、ヤシ仁油など、の群から有利に選択されうる。
【0138】
そのような油およびワックス成分のいずれかの混合物も本発明の目的のために使用することができる。ワックス類、例えばパルミチン酸セチル、を油相の唯一の脂質成分として使用することもある場合には有利でありうる。
【0139】
油相は有利にはイソステアリン酸2−エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、2−エチルヘキシルココエート、安息香酸C12−15−アルキルエステル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリリルエーテルよりなる群から選択される。
【0140】
特に有利な混合物は安息香酸C12−15−アルキルエステルおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルのもの、安息香酸C12−15−アルキルエステルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物、並びに安息香酸C12−15−アルキルエステル、イソステアリン酸2−エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物である。
【0141】
炭化水素類の中では、パラフィン油、スクアランおよびスクアレンが本発明の目的のために有利に使用される。
【0142】
油相は有利にはある含有量の環式または線状シリコーン油類を有することも、またはそのような油類だけからなることもできるが、追加含有量のシリコーン油またはシリコーン油類とは別の他の油相成分を使用することが好ましい。そのようなシリコーン類またはシリコーン油類は、一般的に構造要素により特徴付けられる下記の単量体の形態:
【0143】
【化4】

でありうる。
【0144】
本発明に従い有利に使用される2個もしくはそれ以上のシロキシル単位を有する線状シリコーン類は一般的に下記の構造要素:
【0145】
【化5】

【0146】
により同定され、ここで珪素原子はここでは一般的用語で基R−Rにより示される同一もしくは相異なるアルキル基および/またはアリール基により置換されていてもよい(換言すると異なる基の数は必ずしも4に限定されない)。mは2−200000の値を想定しうる。
【0147】
本発明に従い有利に使用される環式シリコーン類は一般的に下記の構造要素
【0148】
【化6】

【0149】
により同定され、ここで珪素原子はここでは一般的用語で基R−Rにより示される同一もしくは相異なるアルキル基および/またはアリール基により置換されていてもよい(換言すると異なる基の数は必ずしも4に限定されない)。nは3/2〜20の値を想定しうる。nに関する分数は、シロキシル基の不均一な(uneven)数が環内に存在しうることを考慮に入れる。
【0150】
有利には、シクロメチコーン(例えばデカメチルシクロペンタシロキサン)が本発明に従うシリコーン油として使用される。しかしながら、他のシリコーン油、例えばウンデカメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、セチルジメチコーン、ベヘノキシジメチコーン、を本発明の目的のために有利に使用することもできる。
【0151】
シクロメチコーンおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物、並びにシクロメチコーンおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルのものも有利である。
【0152】
しかしながら、有機側鎖が誘導化された、例えばポリエトキシル化されたおよび/またはポリプロポキシル化された、上記化合物と同様な構造を有するシリコーン油を選択することも有利である。これらは、例えば、ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテル共重合体、例えばセチル−ジメチコーンコポリオール、(セチル−ジメチコーンコポリオール(および)イソステアリン酸ポリグリセリル−4(および)ラウリン酸ヘキシル)を包含する。
【0153】
シクロメチコーンおよびイソノナン酸イソトリデシル、並びにシクロメチコーンおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物も特に有利である。
【0154】
本発明に従う調剤の水相は場合により有利には、アルコール類、ジオール類または低炭素数のポリオール類、並びにそれらのエーテル類、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび同様な生成物、並びに低炭素数のアルコール類、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセロール、並びに、特に、有利には二酸化珪素および珪酸アルミニウムよりなる群から選択できる1種もしくはそれ以上の濃稠化剤を含んでなりうる。
【0155】
乳化液の形態の本発明に従う調剤は有利には、特に、1種もしくはそれ以上のヒドロコトイド類を含んでなる。これらのヒドロコロイド類は、ゴム類、多糖類、セルロース誘導体、フィロシリケート類、ポリアクリレート類および/または他の重合体の群から選択されうる。
【0156】
ヒドロゲルの形態の本発明に従う調剤は1種もしくはそれ以上のヒドロコロイドを含んでなる。これらのヒドロコロイド類は有利には上記の群から選択されうる。
【0157】
ゴム類は空気中で硬化しそして樹脂を形成する樹木からの石鹸または水生植物からの抽出物を包含する。この群から、本発明の目的のためには、アラビアゴム、カロブ粉末、トラガカント、カラヤ、グアーゴム、ペクチン、ゲランゴム、カラギーン、寒天、アルギン類、コンドルス、キサンタンゴムが例えば有利に選択されうる。
【0158】
誘導体化されたゴム類、例えば、ヒドロキシプロピルグアー(ジャグアー(Jaguar)(R)HP8)、の使用も有利である。
【0159】
多糖類および多糖誘導体は、例えば、ヒアルロン酸、キチンおよびキトサン、硫酸コンドロイチン、澱粉および澱粉誘導体を包含する。
【0160】
セルロース誘導体は、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを包含する。
【0161】
フィロシリケート類は天然産出および合成粘土、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト、珪酸アルミニウムマグネシウム、例えばビーグム(Veegum)(R)、を包含する。これらはそのままでまたは改変された形態、例えば、ステアリルアルコニウムヘクトライト、で使用することができる。
【0162】
さらに、シリカゲルも有利に使用することができる。
【0163】
ポリアクリレート類は、例えば、グッドリッチ(Goodrich)からのカルボポル(Carbopol)品種(カルボポル980、981、1382、5984、2984、EDT2001またはペムレン(Pemulen)TR2)を包含する。
【0164】
重合体は、例えば、ポリアクリルアミド類(セッピゲル(Seppigel)305)、ポリビニルアルコール類、PVP、PVP/VA共重合体、ポリグリコール類を包含する。
【0165】
乳化液の形態の本発明に従う調剤は1種もしくはそれ以上の乳化剤を含んでなる。これらの乳化剤は非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性乳化剤の群から選択することができる。
【0166】
非イオン性乳化剤は、
a)多価アルコール類およびそれらのエトキシル化された誘導体の部分的脂肪酸エステル類および脂肪酸エステル類(例えばモノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ステアリルクエン酸グリセリル、ステアリン酸スクロース)、
b)エトキシル化された脂肪アルコール類および脂肪酸類、
c)エトキシル化された脂肪アミン類、脂肪酸アミド類、脂肪酸アルカノールアミド類、d)アルキルフェノールポリグリコールエーテル類(例えばトリトン(Triton)X)
を包含する。
【0167】
アニオン性乳化剤は、
a)石鹸(例えばステアリン酸ナトリウム)、
b)硫酸脂肪アルコール類、
c)モノ−、ジ−およびトリアルキルリン酸エステル類並びにそれらのエトキシレート類を包含する。
【0168】
カチオン性乳化剤は、
a)長鎖脂肪族基を有する第四級アンモニウム化合物、例えばジステアリルジモニウムクロリド、
を包含する。
【0169】
両性乳化剤は、
a)アルキルアミノアルカンカルボン酸類、
b)ベタイン類、スルホベタイン類、
c)イミダゾリン誘導体
を包含する。
【0170】
さらに、蜜蝋、羊毛蝋、レシチンおよびステロール類を包含する天然産出乳化剤もある。
【0171】
O/W乳化液は有利には、例えば、ポリエトキシル化されたまたはポリプロポキシル化されたまたはポリエトキシル化およびポリプロポキシル化された生成物、例えば、
−脂肪アルコールエトキシレート類、
−エトキシル化された羊毛蝋アルコール類、
−一般式R−O−(−CH−CH−O−)−R’のポリエチレングリコールエーテル類、
−一般式R−COO−(−CH−CH−O−)−Hの脂肪酸エトキシレート類、
−一般式R−COO−(−CH−CH−O−)−R’のエーテル化された脂肪酸エトキシレート類、
−一般式R−COO−(−CH−CH−O−)−C(O)−R’のエステル化された脂肪酸エトキシレート類、
−ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル類、
−エトキシル化されたソルビタンエステル類、
−コレステロールエトキシレート類、
−エトキシル化されたトリグリセリド類、
−一般式R−O−(−CH−CH−O−)−CH−COOHでありそしてnが5〜30であるアルキルエーテルカルボン酸類、
−ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、
−一般式R−O−(−CH−CH−O−)−SO−Hのアルキルエーテルサルフェート類、
−一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−Hの脂肪アルコールプロポキシレート類、
−一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−のR’のポリプロピレングリコールエーテル類、
−プロポキシル化された羊毛蝋アルコール類、
−エーテル化された脂肪酸プロポキシレート類R−COO−(−CH−CH(CH)−O−)−のR’、
−一般式R−COO−(−CH−CH(CH)−O−)−C(O)−R’のエステル化された脂肪酸プロポキシレート類、
−一般式R−COO−(−CH−CH(CH)−O−)−Hの脂肪酸プロポキシレート類、
−ポリプロピレングリコールグリセロール脂肪酸エステル類、
−プロポキシル化されたソルビタンエステル類、
−コレステロールプロポキシレート類、
−プロポキシル化されたトリグリセリド類、
−一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−CH−COOHのアルキルエーテルカルボン酸類、
−一般式R−O−(−CH−CH(CH)−O−)−SO−Hのアルキルサルフェート類またはこれらのサルフェート類の親酸類(parent acids)、
−一般式R−O−X−Y−Hの脂肪アルコールエトキシレート類/プロポキシレート類、
−一般式R−O−X−Y−R’のポリプロピレングリコールエーテル類、
−一般式R−COO−X−Y−R’のエーテル化された脂肪酸プロポキシレート類、−一般式R−COO−X−Y−Hの脂肪酸エトキシレート類/プロポキシレート類
の群から有利に選択することができる。
【0172】
本発明によると、使用される特に有利なポリエトキシル化されたまたはポリプロポキシル化されたまたはポリエトキシル化されそしてポリプロポキシル化されたO/W乳化剤は、O/W乳化剤が飽和された基RおよびR’を有する限り、11−18のHLB値を有する、非常に特に有利には14.5−15.5のHLB値を有する、物質群から選択されるものである。O/W乳化剤が不飽和基Rおよび/またはR’を有するか、またはイソアルキル誘導体が存在する場合には、そのような乳化剤の好ましいHLB値はそれより低くてもまたは高くてもよい。
【0173】
脂肪アルコールエトキシレート類をエトキシル化されたステアリルアルコール類、セチルアルコール類、セチルステアリルアルコール類(セテアリルアルコール類)の群から選択することが有利である。
【0174】
ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、
ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリ
コール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、
ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、
ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、
ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、
ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)
が特に好ましい。
【0175】
脂肪酸エトキシレート類を下記の群:
ステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(21)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(22)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(23)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(24)、ステアリン酸ポリエチレングリコール(25)、
イソステアリン酸ポリエチレングリコール(12)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(13)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(14)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(15)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(16)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(17)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(18)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(19)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(21)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(22)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(23)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(24)、イソステアリン酸ポリエチレングリコール(25)、
オレイン酸ポリエチレングリコール(12)、オレイン酸ポリエチレングリコール(13)、オレイン酸ポリエチレングリコール(14)、オレイン酸ポリエチレングリコール(15)、オレイン酸ポリエチレングリコール(16)、オレイン酸ポリエチレングリコール(17)、オレイン酸ポリエチレングリコール(18)、オレイン酸ポリエチレングリコール(19)、オレイン酸ポリエチレングリコール(20)
から選択することも有利である。
【0176】
使用できるエトキシル化されたアルキルエーテルカルボン酸またはその塩は有利にはラウレス−11カルボン酸ナトリウムである。
【0177】
ラウレス1−4硫酸ナトリウムがアルキルエーテルサルフェートとして有利に使用できる。
【0178】
使用できる有利なエトキシル化されたコレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)ソイヤステロールも成功を収めることが証明された。
【0179】
有利に使用できるエトキシル化されたトリグリセリド類はポリエチレングリコール(60)マツヨイグサ(Evening Primrose)グリセリド類である。
【0180】
ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル類をグリセリルラウリン酸ポリエチレングリコール(20)、グリセリルラウリン酸ポリエチレングリコール(21)、グリセリルラウリン酸ポリエチレングリコール(22)、グリセリルラウリン酸ポリエチレングリコール(23)、グリセリルカプリン酸ポリエチレングリコール(6)、グリセリルオレイン酸ポリエチレングリコール(20)、グリセリルイソステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、グリセリルオレイン酸/ココ酸ポリエチレングリコール(18)の群から選択することも有利である。
【0181】
ソルビタンエステル類をソルビタンモノラウリン酸ポリエチレングリコール(20)、ソルビタンモノステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、ソルビタンモノイソステアリン酸ポリエチレングリコール(20)、ソルビタンモノパルミチン酸ポリエチレングリコール(20)、ソルビタンモノオレイン酸ポリエチレングリコール(20)の群から選択することも同様に有利である。
【0182】
使用できる有利なW/O乳化剤は、炭素数8−30の脂肪アルコール類、飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の8−24個の、特に12−18個の、炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル類、飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の8−24個の、特に12−18個の、炭素原子の鎖長を有するジグリセロールエステル類、飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の8−24個の、特に12−18個の、炭素原子の鎖長を有するモノグリセロールエーテル類、飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の8−24個の、特に12−18個の、炭素原子の鎖長を有するジグリセロールエーテル類、飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の8−24個の、特に12−18個の、炭素原子の鎖長を有するプロピレングリコールエステル類、並びに飽和および/または不飽和の分枝鎖状および/または非分枝鎖状の8−24個の、特に12−18個の、炭素原子の鎖長を有するアルカンカルボン酸類のソルビタンエステル類である。
【0183】
特に有利なW/O乳化剤はモノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、モノカプリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸ソルビタン、モノイソオレイン酸ソルビタン、ジステアリン酸スクロース、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、モノラウリン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリルである。
【実施例】
【0184】
以下の実施例は本発明を説明するためであり、限定するためでない。断らない限り、示されている数値は重量%を基準とする。
【0185】
実施例番号1 重量%
O/Wクリーム剤
自己−乳化性ステアリン酸グリセリル 4.00
ステアリン酸PEG−40 1.00
セチルアルコール 3.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド類 5.00
パラフィニウム・リクイジュム 5.00
リコチャルコンA 0.05
アルクチイン 0.1
トコフェロール 0.1
NaHEDTA 0.1
防腐剤、香料 十分量
ポリアクリル酸 3.00
45%水酸化ナトリウム溶液 十分量
グリセロール 5.00
水 100にする量
【0186】
実施例番号2 重量%
O/Wクリーム剤
自己−乳化性ステアリン酸グリセリル 3.00
ステアリン酸 1.00
セチルアルコール 2.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド類 3.00
ジカプリリルエーテル 4.00
パラフィニウム・リクイジュム 2.00
リコチャルコンA 0.01
アルクチイン 0.50
防腐剤、香料 十分量
ポリアクリル酸 0.10
45%水酸化ナトリウム溶液 十分量
グリセロール 3.00
ブチレングリコール 3.00
水 100にする量
【0187】
実施例番号3 重量%
O/Wクリーム剤
クエン酸ステアリン酸グリセリル 2.00
ステアリルアルコール 2.00
ラノリンアルコール 1.00
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド類 4.00
パラフィニウム・リクイジュム 8.00
ジメチコーン 1.00
リコチャルコンA 0.04
アルクチイン 2.00
防腐剤、香料 十分量
45%水酸化ナトリウム溶液 十分量
グリセロール 7.50
水 100にする量
【0188】
実施例番号4 重量%
W/Oクリーム剤
ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3 3.50
グリセロール 3.00
ジポリヒドロキシステアリン酸ポリグリセリル−2 3.50
リコチャルコンA 0.1
アルクチイン 1.00
防腐剤 十分量
香料 十分量
硫酸マグネシウム 0.6
ステアリン酸イソプロピル 2.0
カプリリルエーテル 8.0
イソノナン酸セテアリル 6.0
水 100にする量
【0189】
実施例番号5 重量%
W/O乳化液
リン酸トリセテアレス−4 0.80
ブチルヒドロキシトルエン 0.05
ラノリン酸グリセリル 1.70
シクロメチコーン 2.20
パルミチン酸イソプロピル 1.00
リコチャルコンA 0.10
アルクチイン 1.00
ポリアクリル酸 0.50
エチレンジアミン四酢酸 1.00
水酸化ナトリウム 十分量
クエン酸 0.01
防腐剤 十分量
香量 十分量
水 100にする量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)1種もしくはそれ以上の2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体および
(b)リコチャルコン(licochalcone)AまたはリコチャルコンAを含有するラディックス・グリシリーザエ・インフラタエ(Radix Glycyrrhizae inflatae)の水性抽出物
の活性成分組み合わせ。
【請求項2】
1種もしくは複数の2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体およびリコチャルコンAが100:1〜1:50、好ましくは80:1〜1:10、特に好ましくは20:1の比で存在することを特徴とする、請求項1に記載された活性成分組み合わせ。
【請求項3】
選択される2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体がアルクチインであることを特徴とする、請求項1に記載された活性成分組み合わせ。
【請求項4】
請求項1または2に記載された活性成分組み合わせを含んでなる化粧品または皮膚科学的調剤。
【請求項5】
各場合とも調剤の合計重量を基準として、0.01〜25重量%、好ましくは0.1〜20重量%、特に1〜10重量%の1種もしくはそれ以上の2,3−ジベンジルブチロラクトン誘導体を含んでなる、請求項3に記載された調剤。
【請求項6】
調剤の合計重量を基準として、0.0001〜5重量%、特に0.001〜1重量%、非常に特に0.005〜0.15重量%のリコチャルコンAを含んでなる、請求項2または3に記載された調剤。
【請求項7】
調剤の合計重量を基準として、0.001〜10重量%、特に0.05〜5重量%、非常に特に0.01〜2重量%の1種もしくはそれ以上のポリオールを含んでなる、請求項2、3または4に記載された調剤。
【請求項8】
炎症性皮膚状態の予防および/もしくは処置のための並びに/または敏感性と判定されたおよび乾燥皮膚の場合に皮膚を保護するための前記請求項の1つもしくはそれ以上に記載された活性成分組み合わせまたは調剤の使用。
【請求項9】
内因性および/または外因性の皮膚老化の症状の処置および予防のための、並びに皮膚に対する紫外線の有害な影響の処置および予防のための、前記請求項の1つもしくはそれ以上に記載された活性成分組み合わせまたは調剤の使用。
【請求項10】
色素疾患の処置および予防のための前記請求項の1つもしくはそれ以上に記載された活性成分組み合わせまたは調剤の使用。
【請求項11】
セラミド生合成を増加させるための前記請求項の1つもしくはそれ以上に記載された活性成分組み合わせまたは調剤の使用。
【請求項12】
皮膚の障壁機能を増大させるための前記請求項の1つもしくはそれ以上に記載された活性成分組み合わせまたは調剤の使用。
【請求項13】
皮膚付属器官の機能疾患の処置および/または予防のための前記請求項の1つもしくはそれ以上に記載された活性成分組み合わせまたは調剤の使用。

【公表番号】特表2007−513104(P2007−513104A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541839(P2006−541839)
【出願日】平成16年11月22日(2004.11.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013254
【国際公開番号】WO2005/053680
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(591010376)バイヤースドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト (20)
【氏名又は名称原語表記】BEIERSDORF AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】