説明

CDR回路

【課題】MACからの制御信号なしでも瞬時に入力データとの同期を確立し、周波数安定度が高くジッタの少ない再生クロックを生成する。
【解決手段】CDR回路は、入力データ4が遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路10と、ゲーティング回路10の出力パルスのタイミングに合うように再生クロック7の位相を調整することにより、入力データ4とタイミングの合った再生クロック7を出力するVCO11と、入力データ4のデータ識別を再生クロック7に基づいて行うフリップフロップ3と、ゲーティング回路10とVCO11との間に設けられた、所望のデータレート周波数の信号を通過させるバンドパスフィルタ40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力データに対して位相同期したクロックを再生し、このクロックにより入力データのリタイミングを行うCDR回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
FTTH(Fiber To The Home)を実現する手段として開発が進められているPON(Passive Optical Network)方式等では、バーストデータを扱う必要がある。これらのシステムにおいては、局側で非同期に受信するバーストデータに対して瞬時に位相同期を確立してクロックを抽出し、このクロックに同期してデータをリタイミングするCDR(Clock Data Recovery)回路が必須である。この種の回路は、例えば非特許文献1において参照できる。
【0003】
図8はこのような用途に用いられるCDR回路の構成例を示している。メインVCO(Voltage Controlled Oscillator:電圧制御発振器)11に入力データ4が入力されると、メインVCO11は、当該入力データ4のタイミング、つまり電圧値偏移点をトリガとしてその発振位相が入力データ4の位相と合うように調整される。位相を調整された発振信号は、入力データ4との位相が合った再生クロック7としてメインVCO11から出力される。再生クロック7は、フリップフロップ(以下、F/Fとする)3のクロック端子に入力され、F/F3のデータ入力端子に入力される入力データ4のリタイミングに使用される。これにより、F/F3から再生データ6が出力される。
【0004】
一方、メインVCO11と同一構成のサブVCO12が周波数比較器2と共にPLL(Phase-Locked Loop)を形成している。このサブVCO12は、入力データ4のデータレートと等しい周波数の参照クロック5またはその周波数の整数分の1の周波数の参照クロック5と同じ周波数で発振している。周波数比較器2は、サブVCO12から出力される出力クロックの周波数と参照クロック5の周波数とを比較し、サブVCO12の出力クロックの周波数が参照クロック5の周波数より高ければ、サブVCO12の発振周波数を下げるように制御する制御信号(制御電圧)8を出力し、サブVCO12の出力クロックの周波数が参照クロック5の周波数より低ければ、サブVCO12の発振周波数を上げるように制御する制御信号(制御電圧)8を出力する。周波数比較器2から出力される制御信号(制御電圧)8は、サブVCO12の周波数制御端子に供給されると同時に、メインVCO11の周波数制御端子にも供給される。これにより、サブVCO12から出力されるクロックの周波数とメインVCO11から出力される再生クロック7の周波数とが同じになるように制御される。
【0005】
図8に示した従来構成によれば、入力データ4のデータレートとメインVCO11から出力される再生クロック7の周波数とは常に一致しているので、入力データ4が入力された時にはメインVCO11は位相だけ合わせれば良く、瞬時に入力データ4との同期を確立することが期待できる。
【0006】
しかしながら、このような構成が理想的に動作するためには、メインVCO11とサブVCO12が全く同一であることが必要である。仮にIC上にこれらのVCOを同一構成で集積したとしても、プロセスのバラツキにより厳密に同一のVCOを形成することは不可能である。したがって、図8に示した構成では、サブVCO12の発振周波数とメインVCO11から出力される再生クロック7の周波数にズレが生じ、ジッタの増大などを引き起こしてしまう可能性があった。更に、仮に全く同一のVCOで構成できたとしても、メインVCO11の発振周波数はフィードフォワードで制御されるため、PLL制御されるサブVCO12とは異なり、発振周波数を厳密には一定に保つことができず、周波数誤差によるジッタの増大を招いてしまうという本質的な問題がある。また、図8に示した構成では、周波数制御ループ専用のVCOを使用していることで、消費電力や回路規模が増大してしまうという問題もある。
【0007】
このような問題点の解消が期待できる手段として、非特許文献2において図9のような回路構成が提案されている。図9に示したCDR回路の構成では、図8に示した構成からサブVCO12を取り除き、サブVCO12の出力クロックの代わりに、メインVCO11から出力される再生クロック7を周波数比較器2に入力してメインVCO11をPLL制御(フィードバック制御)することにより、消費電力や回路規模を削減できることに加えて、周波数安定度の非常に高いクロック信号を得ることが期待できるようになっている。
【0008】
この図9に示したCDR回路の動作は以下のとおりである。ゲーティング回路10は、入力データ4が「0」から「1」または「1」から「0」に遷移したときにエッジパルスを出力する。VCO11は、入力データ4のデータレートと等しい周波数の参照クロック5と同じ周波数で発振している。このVCO11は、多段の可変遅延インバータで構成される通常のリング発振回路中に、発振開始のタイミングを制御できるゲート回路を備えている。
【0009】
VCO11から出力される再生クロック7の位相は、ゲーティング回路10の出力パルスにより制御される。すなわち、VCO11は、ゲーティング回路10から例えば値が「0」のエッジパルスが出力されたときはリセットされ「0」を出力し、エッジパルスの出力が終了してゲーティング回路10の出力が「1」になった途端に発振を始め、ゲーティング回路10の出力が「1」の間は発振を続ける。こうして、VCO11においては、再生クロック7の位相が入力データ4の位相と合うように調整される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Y.Ota,et al.,“High-speed,burst mode,packet-capable optical receiver and instantaneous clock recovery for optical bus operation”,J.Lightwave Technol.,vol.12,no.2,p.325-331,Feb.1994
【非特許文献2】J.Terada,et al.,“A 10.3 Gb/s Burst-Mode CDR Using a ΔΣ DAC”,IEEE J.Solid-State Circuits,vol.12,p.2921-2928,Dec.2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、図9に示した構成では、現在標準化が進められているデュアルレートPONシステムの対応が困難になるという新たな問題点があった。PONシステムでは、各加入者側装置から局側装置への上り信号は間欠的な光信号となるが、さらにデュアルレートPONシステムでは、1.25Gbpsと10.3125Gbpsの上り信号が混在して送出されるので、局側装置の光受信器からは図10に示すように1.25Gbps(1G)のバースト信号100と10.3125Gbps(10G)のバースト信号101とが混在した形態で出力される。このような1Gのバースト信号100と10Gのバースト信号101とが混在した入力データ4が図9に示したCDR回路に入力されると以下の問題が生じる。
【0012】
例えば10.3125Gbps用のCDR回路に1.25Gbpsの入力データ4が入力された場合には、ゲーティング回路10から所望の速度よりも低速の10Gbps(=1.25Gbps×8)のエッジパルスがVCO11に入力される。この場合、VCO11の発振周波数は10GHzに近づいていくので、PLL制御において発振周波数が参照クロック5と同じ周波数になるよう発振周波数を上げるような制御信号(制御電圧)8を出し続けることになる。この時の制御電圧は、10.3125Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧とは異なっている。このように10.3125Gbps入力に最適な制御電圧とは異なっている状態において、10.3125Gbpsの入力データ4が入力されると、周波数同期に時間がかかってしまい、応答時間が非常に長くなってしまうという問題が生じる。
【0013】
逆に1.25Gbps用のCDR回路に10.3125Gbpsの入力データ4が入力された場合には、ゲーティング回路10から所望の速度よりも高速の1.289Gbps(=10.3125Gbps÷8)のエッジパルスがVCO11に入力される。この場合、VCO11の発振周波数は1.289GHzに近づいていくので、PLL制御において発振周波数が参照クロック5と同じ周波数になるよう発振周波数を下げるような制御信号(制御電圧)8を出し続けることになる。この時の制御電圧は、1.25Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧とは異なっている。このように1.25Gbps入力に最適な制御電圧とは異なっている状態において、1.25Gbpsの入力データ4が入力されると、応答時間が非常に長くなってしまうという問題が生じる。
【0014】
さらに、CDR回路の前段の増幅器等から無信号入力時に低周波の雑音が出力されている場合にも、その雑音の周波数成分に対応した低速または高速のエッジパルスがゲーティング回路10からVCO11に入力されるため、制御信号(制御電圧)8は所望のデータレートの入力データ4が入力される場合と異なってしまうことになり、所望のデータレートの入力データ4が入力された際に、応答時間が非常に長くなってしまうという問題が生じる。
【0015】
以上のような応答時間の遅れは、PONシステム、特にデュアルレートPONシステムの伝送効率を大きく損ねてしまうことになる。MAC(Media Access Control)からの制御信号を用いれば、この応答時間の遅れの問題を回避できるようにデュアルレート信号の一方を光受信器から出力しないようにすることも可能ではあるが、上り信号に制御信号を挿入することによる伝送効率の劣化に加えて、微妙なタイミング調整も必要になるという問題を生じる。
【0016】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解決し、デュアルレート信号を扱うPONシステムにおいて、MACからの制御信号なしでも瞬時に入力データとの同期を確立し、周波数安定度が高くジッタの少ない再生クロックを発生できる低消費電力のCDR回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明のCDR回路は、入力データが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路と、このゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うように再生クロックの位相を調整することにより、前記入力データとタイミングの合った再生クロックを出力する第1の電圧制御発振器と、前記入力データのデータ識別を前記再生クロックに基づいて行うデータ識別回路と、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第1の電圧制御発振器の入力端子との間に設けられた、所望のデータレート周波数の信号を通過させる第1のフィルタとを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例は、さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第1のフィルタの入力端子との間に設けられた、第2の電圧制御発振器を備え、前記第2の電圧制御発振器は、前記ゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うようにクロックの位相を調整することにより、前記入力データとタイミングの合ったクロックを前記第1のフィルタに出力することを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例は、さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第2の電圧制御発振器の入力端子との間に設けられた、第2のフィルタを備え、前記第2のフィルタは、前記ゲーティング回路の出力を入力として、所望のデータレート周波数の信号を通過させることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明のCDR回路の1構成例は、さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第2の電圧制御発振器または前記第2のフィルタの入力端子との間に設けられた、第3の電圧制御発振器を備え、前記第3の電圧制御発振器は、前記ゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うようにクロックの位相を調整することにより、前記入力データとタイミングの合ったクロックを前記第2のフィルタに出力することを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例は、さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第3の電圧制御発振器の入力端子との間に設けられた、第3のフィルタを備え、前記第3のフィルタは、前記ゲーティング回路の出力を入力として、所望のデータレート周波数の信号を通過させることを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例は、前記フィルタの少なくとも1つを、減衰器またはバッファ増幅器に置き換えたことを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例において、前記フィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタのいずれかであることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明のCDR回路の1構成例は、さらに、前記電圧制御発振器を所望のデータレート周波数で発振させる周波数制御信号を出力する周波数制御回路を備えることを特徴とするものである。
また、本発明のCDR回路の1構成例において、前記周波数制御回路は、前記再生クロックを1/n(nは正の整数)に分周する分周器と、所望のデータレート周波数の1/nの周波数の参照クロックと前記分周器の出力とを比較して前記周波数制御信号を出力する周波数比較器とから構成されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、入力データが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路と、ゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合わせて再生クロックの位相を調整することにより、入力データとタイミングの合った再生クロックを出力する第1の電圧制御発振器と、入力データのデータ識別を再生クロックに基づいて行うデータ識別回路とを設け、さらにゲーティング回路の出力端子と第1の電圧制御発振器の入力端子との間に、所望のデータレート周波数の信号を通過させる第1のフィルタを設けることにより、所望のデータレート周波数の入力データにのみ第1の電圧制御発振器が連動し、所望のデータレート周波数の入力データが入力されていない場合には第1の電圧制御発振器が周波数安定度の高い自立発振を保つようにすることができる。その結果、本発明では、デュアルレートPONシステムにおいて、MACからの制御信号などを利用してデュアルレート信号のうち一方のデータレートの信号を除去するような機構を光受信器に設けることが不要となり、MACからの制御信号なしでも瞬時に入力データとの同期を確立し、周波数安定度が高くジッタの少ない再生クロックを生成することができる。
【0021】
また、本発明では、ゲーティング回路の出力端子と第1のフィルタの入力端子との間に第2の電圧制御発振器を設けることにより、より一層周波数安定度の高い再生クロックを生成することが可能になる。
【0022】
また、本発明では、ゲーティング回路の出力端子と第2の電圧制御発振器の入力端子との間に第2のフィルタを設けることにより、より一層周波数安定度の高い再生クロックを生成することが可能になる。
【0023】
また、本発明では、ゲーティング回路の出力端子と第2のフィルタの入力端子との間に第3の電圧制御発振器を設けることにより、より一層周波数安定度の高い再生クロックを生成することが可能になる。
【0024】
また、本発明では、ゲーティング回路の出力端子と第3の電圧制御発振器の入力端子との間に第3のフィルタを設けることにより、より一層周波数安定度の高い再生クロックを生成することが可能になる。
【0025】
また、本発明では、フィルタの少なくとも1つを、減衰器またはバッファ増幅器に置き換えた場合でも、フィルタを用いる場合と同様の効果を得ることができる。
【0026】
また、本発明では、周波数制御回路を、再生クロックを1/nに分周する分周器と、所望のデータレート周波数の1/nの周波数の参照クロックと分周器の出力とを比較して周波数制御信号を出力する周波数比較器とから構成することにより、周波数比較器に要求される動作速度を緩和できるため、周波数比較器の消費電力を削減することができ、その結果としてCDR回路の消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るCDR回路におけるVCOの構成の1例を示す回路図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図8】従来のCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図9】従来の別のCDR回路の構成を示すブロック図である。
【図10】デュアルレートPONシステムにおける上り信号の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図である。本実施の形態のCDR回路は、周波数比較器2と、F/F3と、ゲーティング回路10と、VCO11と、VCO11の出力端子と周波数比較器2の入力端子との間に挿入された分周器25と、ゲーティング回路10の出力端子とVCO11の入力端子との間に挿入されたバンドパスフィルタ(以下、BPFとする)40とから構成される。周波数比較器2と分周器25とは、周波数制御回路を構成している。図9に示した従来のCDR回路との相違は、VCO11の出力端子と周波数比較器2の入力端子との間に分周器25を挿入したことと、ゲーティング回路10の出力端子とVCO11の入力端子との間にBPF40を挿入したことである。
【0029】
分周器25は、再生クロック7を1/n(nは正の整数)に分周する。BPF40の帯域は、CDR回路が例えば1.25Gbps用の場合には1.25GHzの信号を通過させ、その他の周波数帯域の信号を抑圧するように設定されている。また、BPF40の帯域は、CDR回路が例えば10.3125Gbps用の場合には10.3125GHzの信号を通過させ、その他の周波数帯域の信号を抑圧するように設定されている。
【0030】
本実施の形態のCDR回路は、所望のデータレートの入力データ4のみ(例えばCDR回路が1.25Gbps用の場合は1.25Gbpsの入力データ4、10.3125Gbps用の場合は10.3125Gbpsの入力データ4)が入力される場合には、図9に示した従来例と同様な動作をする。ゲーティング回路10は、入力データ4が「0」から「1」に遷移したときに、例えば幅がT/2(Tは入力データの周期)のパルスを出力する。あるいは、ゲーティング回路10は、入力データ4が「1」から「0」に遷移したときにパルスを出力してもよい。ゲーティング回路10から出力されるエッジパルスは、BPF40を通過してVCO11の入力端子に入力される。
【0031】
VCO11から出力される再生クロック7は、分周器25によって1/nに分周され、周波数比較器2に入力される。本実施の形態では、入力データ4のデータレートの1/nの周波数の参照クロック5が周波数比較器2に入力される。周波数比較器2とVCO11と分周器25とからなるPLLは、VCO11の発振周波数を参照クロック5のn倍の周波数に合わせるように閉ループ制御することになる。したがって、10.3125Gbps用のCDR回路の場合、VCO11は10.3125GHzで発振し、1.25Gbps用のCDR回路の場合、VCO11は1.25GHzで発振する。本実施の形態では、分周器25を設けることにより、周波数比較器2に要求される動作速度を緩和できるため、周波数比較器2の消費電力を削減することができ、結果としてCDR回路の消費電力を削減することができる。
【0032】
VCO11から出力される再生クロック7の位相は、ゲーティング回路10からBPF40を介して入力されるパルスにより制御される。すなわち、VCO11は、BPF40から例えば値が「0」のパルスが出力されたときはリセットされ「0」を出力し、パルスの出力が終了してBPF40の出力が「1」になった途端に発振を始め、BPF40の出力が「1」の間は発振を続ける。10.3125Gbps用のCDR回路において、10.3125Gbpsの入力データ4が入力されると、ゲーティング回路10からは入力データ4のエッジに同期したパルスが出力され、このエッジパルスが10.3125GHz帯のBPF40を経由してVCO11に入力されるので、入力データ4のエッジに位相同期した再生クロック7を瞬時に出力することができる。
【0033】
VCO11は、好ましくはゲーティッドVCOで構成される。VCO11は、例えば多段の可変遅延インバータで構成される通常のリング発振回路中に、発振開始のタイミングを制御できるゲート回路を備えて構成される。図2はVCO11の構成の1例を示す回路図である。VCO11は、一方の入力端子がVCO11の入力端子に接続され、他方の入力端子にVCO11の出力が入力されるNAND110と、NAND110の出力を入力とするインバータ111と、インバータ111の出力を入力とし、出力端子がVCO11の出力端子に接続されたインバータ112と、一端がインバータ111の出力端子およびインバータ112の入力端子に接続され、容量制御端子(図示せず)がVCO11の周波数制御端子に接続された可変容量113とから構成される。
【0034】
データ識別回路となるF/F3は、入力データ4を再生クロック7の所定のタイミング(例えば再生クロック7の立ち上がり)でリタイミングして、再生データ6を出力する。
【0035】
次に、異なるデータレートの光信号を混在して受信するデュアルレート光受信器の後段に接続される場合のCDR回路の動作を説明する。例えば1.25Gbps用のCDR回路に10.3125Gbpsの入力データ4が入力されたとき、図9に示したCDR回路の構成のようにゲーティング回路10の出力がそのままVCO11に入力される場合には、ゲーティング回路10から所望の速度よりも高速の1.289Gbps(=10.3125Gbps÷8)のエッジパルスがVCO11に入力される。この場合、VCO11の発振周波数は1.289GHzに近づいていくので、PLL制御において発振周波数が参照クロック5と同じ周波数になるよう発振周波数を下げるような制御信号(制御電圧)8を出し続けることになる。この時の制御電圧は、1.25Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧とは異なっている。このように1.25Gbps入力に最適な制御電圧とは異なっている状態において、1.25Gbpsの入力データ4が入力されると、応答時間が非常に長くなってしまうという問題が生じる。
【0036】
一方、本実施の形態のCDR回路においては、1.25GHz近傍のみの信号を通過させるBPF40の存在により、ゲーティング回路10からVCO11に入力される1.289GHzの周波数成分を抑圧することができるので、従来のCDR回路のように制御信号(制御電圧)8が、1.25Gbpsの入力データ4が入力された時とは異なった値にならない。したがって、1.25Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧を安定して維持し続けることが可能になり、VCO11の発振周波数を所望のデータレート周波数1.25GHzに常時設定し続けることができる。したがって、10.3125Gbpsの入力データ4の直後に1.25Gbpsの入力データ4が入力された場合でも、瞬時に位相同期されたジッタの少ない1.25GHzの再生クロック7を出力することができる。
【0037】
また、10.3125Gbps用のCDR回路に1.25Gbpsの入力データ4が入力された場合、本実施の形態のCDR回路においては、10.3125GHz近傍のみの信号を通過させるBPF40の存在により、ゲーティング回路10からVCO11に入力される10GHzの周波数成分を抑圧することができるので、10.3125Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧を維持し続けることが可能になり、VCO11の発振周波数を所望のデータレート周波数10.3125GHzに常時設定し続けることができる。したがって、1.25Gbpsの入力データ4の直後に10.3125Gbpsの入力データ4が入力された場合でも、瞬時に位相同期されたジッタの少ない10.3125GHzの再生クロック7を出力することができる。
【0038】
さらに、本実施の形態のCDR回路においては、前段の増幅器等(不図示)から無信号入力時に低周波の雑音が出力されたとしても、その雑音の周波数成分に対応した低速または高速のエッジパルスはBPF40によって抑圧される。従って、所望のデーターレートの入力データ4が入力された時の制御電圧を維持し続けることが可能になり、VCO11の発振周波数を所望のデータレート周波数に常時設定し続けることができる。したがって、本実施の形態では、低周波雑音入力に起因する応答時間の増大を回避することができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態では、デュアルレートPONシステムにおいて、デュアルレート信号をそのままCDR回路に入力することが可能になるため、MACからの制御信号などを利用してデュアルレート信号のうち一方のデータレートの信号を除去するような機構を光受信器に設けることが不要となる。また、本実施の形態では、図9に示した従来例のように周波数制御ループ専用のサブVCOが不要な小型で省電力な構成のCDR回路においても、周波数安定度の非常に高い再生クロックを生成できるため、装置の低消費電力化および出力波形の品質向上も図ることができる。その結果、本実施の形態では、伝送効率を損なうことなくデュアルレートPONシステム用受信装置の低消費電力化、無調整化、および経済化に資することができる。
【0040】
なお、本実施の形態では、周波数比較器2の出力をVCO11に直接接続しているが、これに限るものではなく、PLLループの動作を安定化するため、周波数比較器2とVCO11との間にチャージポンプとローパスフィルタを設けて、制御信号8の変化速度を遅くするようにしても構わない。
【0041】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態では、第1の実施の形態のBPF40の代わりに、ゲーティング回路10の出力端子とVCO11の入力端子との間にローパスフィルタ(以下、LPFとする)41を設けている。LPF41の帯域は、CDR回路が例えば1.25Gbps用の場合には1.25GHzの信号を通過させ、1.25GHzより高い周波数帯域の信号を抑圧するように設定されている。
【0042】
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、デュアルレートPONシステムの光受信器の後段に接続される低速信号側CDR回路に好適である。つまり、本実施の形態のCDR回路が例えば1.25Gbps用で、LFP41の遮断周波数が1.25GHz以上1.289GHz以下であるとする。このCDR回路に、10.3125Gbpsの入力データ4が入力された場合、LPF41の存在により、ゲーティング回路10からVCO11に入力される1.289GHzの周波数成分を抑圧することができるので、1.25Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧を維持し続けることが可能になり、VCO11の発振周波数を所望のデータレート周波数1.25GHzに常時設定し続けることができる。したがって、10.3125Gbpsの入力データ4の直後に1.25Gbpsの入力データ4が入力された場合でも、瞬時に位相同期されたジッタの少ない1.25GHzの再生クロック7を出力することができる。こうして、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図4は本発明の第3の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態では、第1の実施の形態のBPF40の代わりに、ゲーティング回路10の出力端子とVCO11の入力端子との間にハイパスフィルタ(以下、HPFとする)42を設けている。HPF42の帯域は、CDR回路が例えば10.3125Gbps用の場合には10.3125GHzの信号を通過させ、10GHzより低い周波数帯域の信号を抑圧するように設定されている。
【0044】
本実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、デュアルレートPONシステムの光受信器の後段に接続される高速信号側CDR回路に好適である。つまり、本実施の形態のCDR回路が例えば10.3125Gbps用で、HFP42の遮断周波数が10GHzの場合に、1.25Gbpsの入力データ4が入力されたとしても、HPF42の存在により、ゲーティング回路10からVCO11に入力される10GHzの周波数成分を抑圧することができるので、10.3125Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧を維持し続けることが可能になり、VCO11の発振周波数を所望のデータレート周波数10.3125GHzに常時設定し続けることができる。したがって、1.25Gbpsの入力データ4の直後に10.3125Gbpsの入力データ4が入力された場合でも、瞬時に位相同期されたジッタの少ない10.3125GHzの再生クロック7を出力することができる。こうして、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図5は本発明の第4の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図であり、図1、図4と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態と第3の実施の形態との主な相違は、VCO11の後段にHPF42とVCO13を設けたことである。ここで、HPF42の遮断周波数は、所望のデータレート周波数の信号を通過させ、所望のデータレート周波数より低い周波数帯域の信号を抑圧するように設定されている。
【0046】
VCO13は、基本的には図2に示したVCO11の構成と同一のものが適用される。しかしながら、VCO13では、図2中のNAND110の一方の入力端子がプルアップされ、他方の入力端子にHPF42を経由するVCO11からのクロック信号とVCO13自身の再生クロックが同時に入力されるように構成される。この構成により、VCO13からはVCO11の出力クロックに同期した再生クロック7、つまり入力データ4の位相と同期した再生クロック7が出力される。VCO13から出力される再生クロック7は、分周器25によって1/nに分周され、周波数比較器2に入力される。本実施の形態では、入力データ4のデータレートの1/nの周波数の参照クロック5が周波数比較器2に入力される。周波数比較器2とVCO13と分周器25とからなるPLLは、VCO13の発振周波数を参照クロック5のn倍の周波数に合わせるように閉ループ制御することになる。この閉ループ制御で生成された制御信号8は、VCO11にも入力されるため、VCO11は、VCO13と同じ周波数、すなわち所望のデータレート周波数で発振する。
【0047】
本実施の形態は、デュアルレートPONシステムの光受信器の後段に接続される高速信号側CDR回路に好適である。つまり、本実施の形態のCDR回路が例えば10.3125Gbps用で、HFP42の遮断周波数が10GHzの場合に、1.25Gbpsの入力データ4が入力されたとしても、HPF42の存在により、ゲーティング回路10からVCO11に入力される10GHzの周波数成分を抑圧することができる。さらに、VCO11自身の自走発振によるフィルタおよびバッファ効果により、PLL制御されたVCO13への10GHzの周波数成分の伝達を大幅に抑制することができる。したがって1.25Gbpsの入力データ4が入力されたとしても、10.3125Gbpsの入力データ4が入力された時の制御電圧を高安定に維持し続けることが可能になり、VCO13の発振周波数を所望のデータレート周波数10.3125GHzに常時設定し続けることができる。
【0048】
さらに、本実施の形態では、VCO11とVCO13との間にもHFP42を備えているため、VCO13への10GHzの周波数成分の伝達を大幅に抑圧することが可能になる。この結果、1.25Gbpsの入力データ4の直後に10.3125Gbpsの入力データ4が入力された場合でも、瞬時に位相同期されたジッタの少ない10.3125GHzの再生クロック7を出力することができる。
【0049】
さらに、本実施の形態のCDR回路においては、前段の増幅器等(不図示)から無信号入力時に低周波の雑音が出力されたとしても、その雑音の周波数成分に対応した低速または高速のエッジパルスがBPF40によって抑圧されるため、VCO13の発振周波数を所望の周波数に設定し続けることが可能になる。したがって、本実施の形態では、低周波雑音入力に起因する応答時間の増大を回避することができる。
【0050】
以上のように、本実施の形態では、フィルタを多段に使用することで、半導体基板上に急峻な遮断特性のフィルタを集積できない場合においても、VCO13に入力される不要周波数成分の十分な抑圧を図ることができ、第3の実施の形態と比較して一層周波数安定度の高くジッタの少ない再生クロック7を出力することが可能になる。
なお、本実施の形態では、2つのHPF42を用いているが、これに限るものではなく、2つのHPF42のうち少なくとも一方をBPFまたはLPFで置き換えた構成であっても構わない。
また、本実施の形態では、VCO11によるフィルタおよびバッファ効果があるため、2つのHPF42の内、1つを省いた形態であっても構わない。
【0051】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図6は本発明の第5の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図であり、図1、図4、図5と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、第4の実施の形態においてVCO11とVCO13との間のHPF42をバッファ増幅器14に置き換えたものである。
【0052】
バッファ増幅器14としては、好ましくはその駆動力がVCO13の最終段のバッファ(図2の例ではインバータ112)の駆動力よりも弱いものを用いる。本実施の形態では、バッファ増幅器14を備えることにより、ジッタなど不要な信号成分のVCO13への伝達を抑圧することが可能になり、第4の実施の形態と同様に、雑音や所望のデータレート以外の入力データ4が入力された場合においても、再生クロック7を所望のデータレート周波数に設定し続けることが可能であり、所望のデータレート以外の入力データ4の直後に所望のデータレートの入力データ4が入力された場合でも、瞬時に位相同期されたジッタの少ない再生クロック7を出力することができる。
【0053】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図7は本発明の第6の実施の形態に係るCDR回路の構成を示すブロック図であり、図1、図4〜図6と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、図6に例示した第5の実施の形態の変形例を示している。第5の実施の形態との相違は、VCO11とVCO13の間にVCO15を備え、ゲーティング回路10とVCO11間のHPF42を削除し、VCO11とVCO15間にHPF42を、VCO15とVCO13間に減衰器30を設けたことである。
【0054】
VCO15は、VCO13と同一構成であり、VCO11と同様に周波数制御端子に周波数比較器2からの制御信号8が供給される。これにより、VCO15は、VCO13と同じ周波数、すなわち所望のデータレート周波数で発振する。
【0055】
減衰器30は、VCO15の出力を減衰させてVCO13に入力する機能を有する。本実施の形態では、減衰器30を設けたことにより、バッファ増幅器14を設けた場合と同様にジッタなど不要な信号成分のVCO11への伝達を抑圧することができる。減衰器30としては、抵抗素子などの受動素子を用いることができる。受動素子で構成できる減衰器30は、消費電力がゼロでかつ非常に小型に構成できるという利点がある。さらに、本実施の形態では、VCO15を付加したことにより、ジッタなど不要な信号成分のVCO13への伝達をより一層抑圧することが可能になる。
【0056】
なお、第5、第6の実施の形態において、HPF42とバッファ増幅器14(または減衰器30)とは、互いに配置が入れ換わっても構わない。また、HPF42の代わりにバッファ増幅器または減衰器を用いた形態や、逆にバッファ増幅器14または減衰器30の代わりにHPFを用いた形態であっても構わない。さらに、HPF42の代わりにBPFやLPFを用いても構わない。
また、第6の実施の形態においては、ゲーティング回路10の後段にフィルタ、バッファ増幅器、減衰器の少なくとも1つを備えていても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明は、入力データに対して位相同期したクロックを再生し、このクロックにより入力データのリタイミングを行う技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0058】
2…周波数比較器、3…フリップフロップ、4…入力データ、5…参照クロック、6…再生データ、7…再生クロック、8…制御信号、10…ゲーティング回路、11,13,15…VCO、14…バッファ増幅器、25…分周器、30…減衰器、40…BPF、41…LPF、42…HPF。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データが遷移したときにパルスを出力するゲーティング回路と、
このゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うように再生クロックの位相を調整することにより、前記入力データとタイミングの合った再生クロックを出力する第1の電圧制御発振器と、
前記入力データのデータ識別を前記再生クロックに基づいて行うデータ識別回路と、
前記ゲーティング回路の出力端子と前記第1の電圧制御発振器の入力端子との間に設けられた、所望のデータレート周波数の信号を通過させる第1のフィルタとを備えることを特徴とするCDR回路。
【請求項2】
請求項1に記載のCDR回路において、
さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第1のフィルタの入力端子との間に設けられた、第2の電圧制御発振器を備え、
前記第2の電圧制御発振器は、前記ゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うようにクロックの位相を調整することにより、前記入力データとタイミングの合ったクロックを前記第1のフィルタに出力することを特徴とするCDR回路。
【請求項3】
請求項2に記載のCDR回路において、
さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第2の電圧制御発振器の入力端子との間に設けられた、第2のフィルタを備え、
前記第2のフィルタは、前記ゲーティング回路の出力を入力として、所望のデータレート周波数の信号を通過させることを特徴とするCDR回路。
【請求項4】
請求項2または3に記載のCDR回路において、
さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第2の電圧制御発振器または前記第2のフィルタの入力端子との間に設けられた、第3の電圧制御発振器を備え、
前記第3の電圧制御発振器は、前記ゲーティング回路の出力パルスのタイミングに合うようにクロックの位相を調整することにより、前記入力データとタイミングの合ったクロックを前記第2のフィルタに出力することを特徴とするCDR回路。
【請求項5】
請求項4に記載のCDR回路において、
さらに、前記ゲーティング回路の出力端子と前記第3の電圧制御発振器の入力端子との間に設けられた、第3のフィルタを備え、
前記第3のフィルタは、前記ゲーティング回路の出力を入力として、所望のデータレート周波数の信号を通過させることを特徴とするCDR回路。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載のCDR回路において、
前記フィルタの少なくとも1つを、減衰器またはバッファ増幅器に置き換えたことを特徴とするCDR回路。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のCDR回路において、
前記フィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタのいずれかであることを特徴とするCDR回路。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のCDR回路において、
さらに、前記電圧制御発振器を所望のデータレート周波数で発振させる周波数制御信号を出力する周波数制御回路を備えることを特徴とするCDR回路。
【請求項9】
請求項8に記載のCDR回路において、
前記周波数制御回路は、
前記再生クロックを1/n(nは正の整数)に分周する分周器と、
所望のデータレート周波数の1/nの周波数の参照クロックと前記分周器の出力とを比較して前記周波数制御信号を出力する周波数比較器とから構成されることを特徴とするCDR回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−155562(P2011−155562A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−16503(P2010−16503)
【出願日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】