FRP製成形品、その成形方法並びにその成形型
【課題】品質がばらつかず、接着強度の高いFRP製成形品、その成形方法ならびにその成形型を提供する。
【解決手段】コア材2の外側に繊維材3および樹脂材4からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品1であって、コア材2の周囲を覆う繊維材3の端部同士を、当該繊維材3のコア材側である内側面8同士で接合させたフランジ部9を有することを特徴とする。
【解決手段】コア材2の外側に繊維材3および樹脂材4からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品1であって、コア材2の周囲を覆う繊維材3の端部同士を、当該繊維材3のコア材側である内側面8同士で接合させたフランジ部9を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ部が設けられるFRP製成形品、その成形方法並びにその成形型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂材および繊維材からなる強化繊維プラスチック(FRP)製の成形品が使用されている。
【0003】
例えば特許文献1では、繊維材を複数層巻回して形成されたFRP製成形品が開示されているが、この成形品では、繊維材を巻きつける際の繊維の乱れや、繊維材が重なることによるFRP層の板厚のばらつきが生じ、強度がばらついて望ましい品質が得られない。
【0004】
そこで、FRP層の板厚のばらつきを防ぐために、繊維材の端部同士を突き合わせてFRPを形成することもできるが、繊維材端部同士の接合部は、付き合わされた先端部のみとなり、接着強度が低い。また、繊維材端部同士を付き合わせるための繊維材の長さの調整が難しく、例えば繊維材の長さが不足し、または長すぎることによって、強度がばらついて望ましい品質を得ることが困難である。
【特許文献1】特開平11−76478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、品質がばらつかず、接着強度の高いFRP製成形品、その成形方法ならびにその成型用型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明に係るFRP製成形品は、コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品であって、コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を、当該繊維材のコア材側である内側面同士で接合させたフランジ部を有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成する本発明に係るFRP製成形品の成形方法は、コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合するFRP製成形品の成形方法であって、一対の成形型の一方に、コア材側となる内側面を上側として繊維材を配置する工程と、前記繊維材の一端側の上に前記コア材を載置しつつ、当該繊維材の一端側に、繊維材のコア材が載置される部位と連続する面を有してコア材からはみ出す余剰部を設ける工程と、前記繊維材の他端側を、前記コア材に被せて覆うとともに、繊維材の他端側端部の内側面を繊維材の余剰部の内側面と重ねる工程と、前記一対の成形型同士を閉じ、前記繊維材の重なる部位を成形型同士の間に挟持する工程と、を有することを特徴とする。なお、繊維材は樹脂材の含浸していないドライな繊維基材の状態で成形型同士の間に挟持されても、樹脂材が繊維材に予め含浸されているプリプレグ基材の状態で成形型同士の間に挟持されてもよいが、ドライな繊維基材に該当する場合には、前記成形型内に樹脂を注入する工程、をも有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成する本発明に係るFRP製成形品の成形型は、コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品の成形型であって、前記成形型は対で構成され、当該成形型の一方には、FRP製成形品の一面に対応するキャビティ面と、当該キャビティ面と連続する第1フランジ押さえ面とが形成され、前記成形型の他方には、前記第1フランジ押さえ面と対向する第2フランジ押さえ面が形成され、前記一対の成形型同士が閉じた際に、前記第1フランジ押さえ面と第2フランジ押さえ面の間に、前記コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を当該繊維材のコア材側である内側面同士で接した状態で収容するフランジ収容空間が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明に係るFRP製成形品は、繊維材の内側面同士を接合させたフランジ部を有しているため、繊維がばらつき難く品質のばらつきを抑制できる。また、フランジ部において繊維材の内側面同士が接合されるため、接着強度を高めることができる。
【0010】
上記のように構成した本発明に係るFRP製成形品の成形方法は、繊維材の他端側端部の内側面を繊維材の余剰部の内側面と重ねて成形するため、繊維がばらつき難く品質のばらつきを抑制できる。また、繊維材の内側面同士を接合させるため、接着強度を高めることができる。
【0011】
上記のように構成した本発明に係るFRP製成形品の成形型は、繊維材の内側面同士を接した状態で収容するフランジ収容空間を有しているため、繊維がばらつき難く品質のばらつきを抑制できる。また、繊維材の内側面同士を接合されることができるため、接着強度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係るFRP製成形品が適用された車両用部材の部分斜視図、図2は本発明の第1実施形態に係るFRP製成形品の断面図である。
【0014】
本実施形態に係るFRP製成形品1は、図1に示すように、例えば車両用部材であるフロアーのサイドシル部に適用され、フロアーに剛性を付与している。
【0015】
FRP製成形品1は、図2に示すように、コア材2が、繊維材3および樹脂材4からなる繊維強化プラスチック(FRP)である表皮5により覆われて形成される。
【0016】
コア材2には、例えばポリウレタン、塩化ビニル、ポリオレフィン、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂(PMI(ポリメタクリルイミド)、PEI(ポリエーテルイミド))などからなる発泡体が適宜使用される。
【0017】
樹脂材4には、FRPのマトリックス樹脂となるものであればあらゆる樹脂が使用可能であり、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、更にはこれらの混合樹脂も使用できる。
【0018】
繊維材3には、強化材となるものであれば特に制限はなく、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、またはガラス繊維や、アラミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の有機繊維等が挙げられ、またはこれらの2種類以上を併用したものも使用できる。繊維材3の形態としては、布帛基材が好適であり、繊維が一方向に引き揃えられたUD(unidirectional)や、繊維が複数方向に引き揃えられステッチングなどで一体化された多軸基材、織物、編物、組物などの連続繊維基材、不織布状の不連続繊維基材が考えられるが、本発明の目的である品質のばらつきを抑えるたえには連続繊維基材を用いることが好ましい。
【0019】
FRP製成形品1は、コア材2が表皮5により覆われてなる本体部7と、コア材2を覆う繊維材3の端部同士を、繊維材3のコア材2側である内側面8同士で接合させたフランジ部9とを有している。フランジ部9は、コア材2に沿って伸延している。FRP製成形品1のフランジ部9の一方面は、本体部7の外周面の一側面と連続してフランジ面10を形成している。
【0020】
FRP製成形品1は、フランジ部9がコア材2に沿って伸延する方向(図2における奥行き方向)と交差する面(以下、”基準面”と称する)における断面において、コア材2が矩形形状を有している。
【0021】
従来のFRP製成形品100では、図9に示すように、繊維材101の端部同士の接着面102は先端の板厚分のみとなっているのに対し、本実施形態に係るFRP製成形品1は、フランジ部9において繊維材3の内側面8同士で接合されるため、接着面を広くすることができ、接着強度を向上できる。
【0022】
本体部7からフランジ部9の端部までの長さであるフランジ長さlは、フランジ厚さdの2倍以上であることが好ましい。
【0023】
また、本実施形態に係るFRP製成形品1は、フランジ部9の分だけフランジ面10が広くなるため、例えばフランジ面10を多部品との接着面として使用する場合に、広い接着面積を用いて接着力を増加させることができる。
【0024】
また、剛性の高いFRPからなるフランジ部9が設けられることにより、FRP製成形品1の剛性を向上させることができる。したがって、例えばFRP製成形品1が図1に示すフロアーのサイドシル部に適用された場合に、フロアーの剛性を向上できる。
【0025】
次に、FRP製成形品1を成形するためのFRP製成形品の成形型20について説明する。
【0026】
図3は本実施形態に係るFRP製成形品の成形型を示す断面図である。なお、図中の矢印は、型締め方向を示している。
【0027】
成形型20は、対となる上型21および下型22を備えている。
【0028】
下型22は、上型21と対向する下型面23の一端に、上型方向へ延在する下型側壁24が設けられる。
【0029】
上型21は、下型22と対向する上型面26の一端に、下型22の側壁が設けられる側と反対側の他端へ向って延在する上型側壁27が設けられる。
【0030】
上型21と下型22が相対的に近接して下死点(または上死点)に達すると、上型側壁27および下型側壁24のそれぞれの先端が下型22の下型面23および上型21の上型面26に当接し、上型側壁27と下型側壁24の間にキャビティ28が形成される。
【0031】
したがって、上型21および下型22に形成されるキャビティ28は、基準面断面において略矩形形状となり、この矩形形状の2辺が、それぞれ上型21および下型22に形成される。
【0032】
上型側壁27の先端部には、下型22と当接する面を有するストッパー29と、ストッパー29から所定長さ窪んだ第2フランジ押さえ面30が形成され、第2フランジ押さえ面30と上型面26の間のフランジ収容空間31が、キャビティ28と連通している。下型22の下型面23は、キャビティを形成する下型キャビティ面33と、第2フランジ押さえ面30と対向する第1フランジ押さえ面32とを有しており、下型キャビティ面33と第1フランジ押さえ面32は連続する面となっている。
【0033】
上型21には、樹脂を注入するための注入口34が、外部からキャビティ28まで貫通して設けられている。
【0034】
次に、上述の成形型20を用いたFRP製成形品の成形方法について説明する。
【0035】
図4は成形型に繊維材およびコア材を配置した際を示す成形型の断面図、図5は成形型にコア材に繊維材を被せた際を示す成形型の断面図、図6は成形型を閉じた際を示す成形型の断面図、図7は本発明に係る繊維材が複数層設けられたFRP製成形品の断面図である。
【0036】
初めに、図4に示すように、繊維材3を、FRP製成形品1の内側面8となる面を上側として下型22に配置する。この際に、繊維材3の一端が、下型22の第1フランジ押さえ面32に対応する位置に配置される。この後、繊維材3の上にコア材2を載置する。このとき、繊維材3の第1フランジ押さえ面32に対応する余剰部35が、コア材2からはみ出して設けられる。
【0037】
次に、図5に示すように、コア材2を繊維材3で覆う。このとき、コア材2を覆う繊維材3の端部同士が、フランジ押さえ面30,32に対応する位置で重なる。この重なる部位では、繊維材3のコア材2と接する側である内側面8同士が対向している。
【0038】
次に、図6に示すように、成形型20を閉じる。これにより、上型側壁27のストッパー29が下型22の下型面23に接するとともに、下型側壁24の先端が上型21の上型面26に接する。さらに、繊維材3の端部が重ねられた部位は、フランジ収容空間31に収容される。
【0039】
この後、樹脂材4を注入口34から注入する。この際に、フランジ収容空間31に収納された繊維材3は、フランジ押さえ面30,32によって膨出が防止される。上型側壁27のストッパー29は下型22の下型面23と接して樹脂材4の流出を防止する。この後、樹脂が硬化するまで成形型20を保持した後に、上型21と下型22を互いに離隔させて、FRP製成形品1が取り出される。
【0040】
本実施形態では、コア材2を繊維材3で覆う際に、繊維材3をコア材2に巻きつける必要がなく、繊維材3の端部同士を重ねるだけでよいため、繊維の乱れや板厚のばらつきが生じ難く、成形品の品質のばらつきを抑制できる。
【0041】
また、図10に示す従来の成形品110ように、複数の繊維材111を複数層で巻き付ける場合には、繊維の乱れ、板厚のばらつき、または撓みが発生する場合があるが、本実施形態では、成形型20に載置する際に繊維材3をコア材2に巻き付ける必要がないため、図7に示すように、異なる方向を向く複数の繊維材を重ねて繊維を配向させた状態でも容易に設置でき、作業工数を低減できる。
【0042】
また、本実施形態では、上型21および下型22のそれぞれに、基準面断面における略矩形形状のキャビティ28の2辺が形成されるために、図11に示すような従来の成形型120のように凹部121に成形品122が嵌ることがないため、成形型に抜け勾配を設定する必要がなく、型開きおよび脱型が容易である。したがって、例えば隣り合う面同士が直角となる成形品でも、容易に成形できる。
【0043】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態に係るFRP製成形品および成形型の断面図である。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0044】
第2実施形態に係るFRP製成形品1を成形するための成形型40は、図8に示すように、上型41の上型面42および下型43の下型面44が、第1実施形態のように型締め方向(図中の矢印方向)と垂直ではなく、型締め方向に傾斜して形成される。さらに、上型側壁45および下型側壁46が、第1実施形態のように型締め方向に伸延せず、型締め方向に傾斜して形成される。このような構成となっているため、脱型および型開きが容易であり、また抜き勾配を設定する必要がない。
【0045】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、第2実施形態のように上型面42、下型面44、上型側壁45および下型側壁46の全てを傾斜して設けるのではなく、少なくとも1つのみを傾斜させることも可能であり、基準面断面における矩形形状を構成する辺のそれぞれを様々な角度で設定することができる。また、図12に本実施形態に係るFRP製成形品の他の例の断面図を示すが、FRP製成形品1のフランジ部9の一方面を、本体部9の一面と同一面で形成させずに、本体部7の側面から突出して形成させることもできる。また、上述の第1実施形態および第2実施形態では、繊維材3は樹脂材4の含浸していないドライな繊維基材の状態で成形型20(40)の間に挟持されるが、樹脂材4が繊維材3に予め含浸されているプリプレグ基材の状態で成形型20(40)の間に挟持されてもよく、この場合には、成形型20(40)内に樹脂材4を注入する工程は不要であり、成形型20(40)に注入口34を設ける必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るFRP製成形品が適用された車両用部材の部分斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るFRP製成形品の断面図である。
【図3】本実施形態に係るFRP製成形品の成形型を示す断面図である。
【図4】成形型に繊維材およびコア材を配置した際を示す成形型の断面図である。
【図5】コア材に繊維材を被せた際を示す成形型の断面図である。
【図6】成形型を閉じた際を示す成形型の断面図である。
【図7】繊維材が複数層設けられた本発明に係るFRP製成形品の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るFRP製成形品および成形型の断面図である。
【図9】従来のFRP製成形品を示す断面図である。
【図10】繊維が複数層で設けられる従来のFRP製成形品の断面図である。
【図11】従来のFRP製成形品の成形型の断面図である。
【図12】本実施形態に係るFRP製成形品の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 FRP製成形品、
2 コア材、
3 繊維材、
4 樹脂材、
5 表皮、
7 本体部、
8 内側面、
9 フランジ部、
10 フランジ面、
20,40 成形型、
21,41 上型、
22,43 下型、
23,44 下型面、
24,46 下型側壁、
26,42 上型面、
27,45 上型側壁、
28 キャビティ、
29 ストッパー、
30 第2フランジ押さえ面、
31 フランジ収容空間、
32 第1フランジ押さえ面、
33 下型キャビティ面、
34 注入口、
d フランジ厚さ、
l フランジ長さ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジ部が設けられるFRP製成形品、その成形方法並びにその成形型に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂材および繊維材からなる強化繊維プラスチック(FRP)製の成形品が使用されている。
【0003】
例えば特許文献1では、繊維材を複数層巻回して形成されたFRP製成形品が開示されているが、この成形品では、繊維材を巻きつける際の繊維の乱れや、繊維材が重なることによるFRP層の板厚のばらつきが生じ、強度がばらついて望ましい品質が得られない。
【0004】
そこで、FRP層の板厚のばらつきを防ぐために、繊維材の端部同士を突き合わせてFRPを形成することもできるが、繊維材端部同士の接合部は、付き合わされた先端部のみとなり、接着強度が低い。また、繊維材端部同士を付き合わせるための繊維材の長さの調整が難しく、例えば繊維材の長さが不足し、または長すぎることによって、強度がばらついて望ましい品質を得ることが困難である。
【特許文献1】特開平11−76478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、品質がばらつかず、接着強度の高いFRP製成形品、その成形方法ならびにその成型用型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明に係るFRP製成形品は、コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品であって、コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を、当該繊維材のコア材側である内側面同士で接合させたフランジ部を有することを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成する本発明に係るFRP製成形品の成形方法は、コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合するFRP製成形品の成形方法であって、一対の成形型の一方に、コア材側となる内側面を上側として繊維材を配置する工程と、前記繊維材の一端側の上に前記コア材を載置しつつ、当該繊維材の一端側に、繊維材のコア材が載置される部位と連続する面を有してコア材からはみ出す余剰部を設ける工程と、前記繊維材の他端側を、前記コア材に被せて覆うとともに、繊維材の他端側端部の内側面を繊維材の余剰部の内側面と重ねる工程と、前記一対の成形型同士を閉じ、前記繊維材の重なる部位を成形型同士の間に挟持する工程と、を有することを特徴とする。なお、繊維材は樹脂材の含浸していないドライな繊維基材の状態で成形型同士の間に挟持されても、樹脂材が繊維材に予め含浸されているプリプレグ基材の状態で成形型同士の間に挟持されてもよいが、ドライな繊維基材に該当する場合には、前記成形型内に樹脂を注入する工程、をも有することを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成する本発明に係るFRP製成形品の成形型は、コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品の成形型であって、前記成形型は対で構成され、当該成形型の一方には、FRP製成形品の一面に対応するキャビティ面と、当該キャビティ面と連続する第1フランジ押さえ面とが形成され、前記成形型の他方には、前記第1フランジ押さえ面と対向する第2フランジ押さえ面が形成され、前記一対の成形型同士が閉じた際に、前記第1フランジ押さえ面と第2フランジ押さえ面の間に、前記コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を当該繊維材のコア材側である内側面同士で接した状態で収容するフランジ収容空間が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明に係るFRP製成形品は、繊維材の内側面同士を接合させたフランジ部を有しているため、繊維がばらつき難く品質のばらつきを抑制できる。また、フランジ部において繊維材の内側面同士が接合されるため、接着強度を高めることができる。
【0010】
上記のように構成した本発明に係るFRP製成形品の成形方法は、繊維材の他端側端部の内側面を繊維材の余剰部の内側面と重ねて成形するため、繊維がばらつき難く品質のばらつきを抑制できる。また、繊維材の内側面同士を接合させるため、接着強度を高めることができる。
【0011】
上記のように構成した本発明に係るFRP製成形品の成形型は、繊維材の内側面同士を接した状態で収容するフランジ収容空間を有しているため、繊維がばらつき難く品質のばらつきを抑制できる。また、繊維材の内側面同士を接合されることができるため、接着強度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0013】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係るFRP製成形品が適用された車両用部材の部分斜視図、図2は本発明の第1実施形態に係るFRP製成形品の断面図である。
【0014】
本実施形態に係るFRP製成形品1は、図1に示すように、例えば車両用部材であるフロアーのサイドシル部に適用され、フロアーに剛性を付与している。
【0015】
FRP製成形品1は、図2に示すように、コア材2が、繊維材3および樹脂材4からなる繊維強化プラスチック(FRP)である表皮5により覆われて形成される。
【0016】
コア材2には、例えばポリウレタン、塩化ビニル、ポリオレフィン、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂(PMI(ポリメタクリルイミド)、PEI(ポリエーテルイミド))などからなる発泡体が適宜使用される。
【0017】
樹脂材4には、FRPのマトリックス樹脂となるものであればあらゆる樹脂が使用可能であり、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、更にはこれらの混合樹脂も使用できる。
【0018】
繊維材3には、強化材となるものであれば特に制限はなく、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、またはガラス繊維や、アラミド、パラフェニレンベンゾビスオキサゾール、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の有機繊維等が挙げられ、またはこれらの2種類以上を併用したものも使用できる。繊維材3の形態としては、布帛基材が好適であり、繊維が一方向に引き揃えられたUD(unidirectional)や、繊維が複数方向に引き揃えられステッチングなどで一体化された多軸基材、織物、編物、組物などの連続繊維基材、不織布状の不連続繊維基材が考えられるが、本発明の目的である品質のばらつきを抑えるたえには連続繊維基材を用いることが好ましい。
【0019】
FRP製成形品1は、コア材2が表皮5により覆われてなる本体部7と、コア材2を覆う繊維材3の端部同士を、繊維材3のコア材2側である内側面8同士で接合させたフランジ部9とを有している。フランジ部9は、コア材2に沿って伸延している。FRP製成形品1のフランジ部9の一方面は、本体部7の外周面の一側面と連続してフランジ面10を形成している。
【0020】
FRP製成形品1は、フランジ部9がコア材2に沿って伸延する方向(図2における奥行き方向)と交差する面(以下、”基準面”と称する)における断面において、コア材2が矩形形状を有している。
【0021】
従来のFRP製成形品100では、図9に示すように、繊維材101の端部同士の接着面102は先端の板厚分のみとなっているのに対し、本実施形態に係るFRP製成形品1は、フランジ部9において繊維材3の内側面8同士で接合されるため、接着面を広くすることができ、接着強度を向上できる。
【0022】
本体部7からフランジ部9の端部までの長さであるフランジ長さlは、フランジ厚さdの2倍以上であることが好ましい。
【0023】
また、本実施形態に係るFRP製成形品1は、フランジ部9の分だけフランジ面10が広くなるため、例えばフランジ面10を多部品との接着面として使用する場合に、広い接着面積を用いて接着力を増加させることができる。
【0024】
また、剛性の高いFRPからなるフランジ部9が設けられることにより、FRP製成形品1の剛性を向上させることができる。したがって、例えばFRP製成形品1が図1に示すフロアーのサイドシル部に適用された場合に、フロアーの剛性を向上できる。
【0025】
次に、FRP製成形品1を成形するためのFRP製成形品の成形型20について説明する。
【0026】
図3は本実施形態に係るFRP製成形品の成形型を示す断面図である。なお、図中の矢印は、型締め方向を示している。
【0027】
成形型20は、対となる上型21および下型22を備えている。
【0028】
下型22は、上型21と対向する下型面23の一端に、上型方向へ延在する下型側壁24が設けられる。
【0029】
上型21は、下型22と対向する上型面26の一端に、下型22の側壁が設けられる側と反対側の他端へ向って延在する上型側壁27が設けられる。
【0030】
上型21と下型22が相対的に近接して下死点(または上死点)に達すると、上型側壁27および下型側壁24のそれぞれの先端が下型22の下型面23および上型21の上型面26に当接し、上型側壁27と下型側壁24の間にキャビティ28が形成される。
【0031】
したがって、上型21および下型22に形成されるキャビティ28は、基準面断面において略矩形形状となり、この矩形形状の2辺が、それぞれ上型21および下型22に形成される。
【0032】
上型側壁27の先端部には、下型22と当接する面を有するストッパー29と、ストッパー29から所定長さ窪んだ第2フランジ押さえ面30が形成され、第2フランジ押さえ面30と上型面26の間のフランジ収容空間31が、キャビティ28と連通している。下型22の下型面23は、キャビティを形成する下型キャビティ面33と、第2フランジ押さえ面30と対向する第1フランジ押さえ面32とを有しており、下型キャビティ面33と第1フランジ押さえ面32は連続する面となっている。
【0033】
上型21には、樹脂を注入するための注入口34が、外部からキャビティ28まで貫通して設けられている。
【0034】
次に、上述の成形型20を用いたFRP製成形品の成形方法について説明する。
【0035】
図4は成形型に繊維材およびコア材を配置した際を示す成形型の断面図、図5は成形型にコア材に繊維材を被せた際を示す成形型の断面図、図6は成形型を閉じた際を示す成形型の断面図、図7は本発明に係る繊維材が複数層設けられたFRP製成形品の断面図である。
【0036】
初めに、図4に示すように、繊維材3を、FRP製成形品1の内側面8となる面を上側として下型22に配置する。この際に、繊維材3の一端が、下型22の第1フランジ押さえ面32に対応する位置に配置される。この後、繊維材3の上にコア材2を載置する。このとき、繊維材3の第1フランジ押さえ面32に対応する余剰部35が、コア材2からはみ出して設けられる。
【0037】
次に、図5に示すように、コア材2を繊維材3で覆う。このとき、コア材2を覆う繊維材3の端部同士が、フランジ押さえ面30,32に対応する位置で重なる。この重なる部位では、繊維材3のコア材2と接する側である内側面8同士が対向している。
【0038】
次に、図6に示すように、成形型20を閉じる。これにより、上型側壁27のストッパー29が下型22の下型面23に接するとともに、下型側壁24の先端が上型21の上型面26に接する。さらに、繊維材3の端部が重ねられた部位は、フランジ収容空間31に収容される。
【0039】
この後、樹脂材4を注入口34から注入する。この際に、フランジ収容空間31に収納された繊維材3は、フランジ押さえ面30,32によって膨出が防止される。上型側壁27のストッパー29は下型22の下型面23と接して樹脂材4の流出を防止する。この後、樹脂が硬化するまで成形型20を保持した後に、上型21と下型22を互いに離隔させて、FRP製成形品1が取り出される。
【0040】
本実施形態では、コア材2を繊維材3で覆う際に、繊維材3をコア材2に巻きつける必要がなく、繊維材3の端部同士を重ねるだけでよいため、繊維の乱れや板厚のばらつきが生じ難く、成形品の品質のばらつきを抑制できる。
【0041】
また、図10に示す従来の成形品110ように、複数の繊維材111を複数層で巻き付ける場合には、繊維の乱れ、板厚のばらつき、または撓みが発生する場合があるが、本実施形態では、成形型20に載置する際に繊維材3をコア材2に巻き付ける必要がないため、図7に示すように、異なる方向を向く複数の繊維材を重ねて繊維を配向させた状態でも容易に設置でき、作業工数を低減できる。
【0042】
また、本実施形態では、上型21および下型22のそれぞれに、基準面断面における略矩形形状のキャビティ28の2辺が形成されるために、図11に示すような従来の成形型120のように凹部121に成形品122が嵌ることがないため、成形型に抜け勾配を設定する必要がなく、型開きおよび脱型が容易である。したがって、例えば隣り合う面同士が直角となる成形品でも、容易に成形できる。
【0043】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態に係るFRP製成形品および成形型の断面図である。なお、第1実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
【0044】
第2実施形態に係るFRP製成形品1を成形するための成形型40は、図8に示すように、上型41の上型面42および下型43の下型面44が、第1実施形態のように型締め方向(図中の矢印方向)と垂直ではなく、型締め方向に傾斜して形成される。さらに、上型側壁45および下型側壁46が、第1実施形態のように型締め方向に伸延せず、型締め方向に傾斜して形成される。このような構成となっているため、脱型および型開きが容易であり、また抜き勾配を設定する必要がない。
【0045】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、第2実施形態のように上型面42、下型面44、上型側壁45および下型側壁46の全てを傾斜して設けるのではなく、少なくとも1つのみを傾斜させることも可能であり、基準面断面における矩形形状を構成する辺のそれぞれを様々な角度で設定することができる。また、図12に本実施形態に係るFRP製成形品の他の例の断面図を示すが、FRP製成形品1のフランジ部9の一方面を、本体部9の一面と同一面で形成させずに、本体部7の側面から突出して形成させることもできる。また、上述の第1実施形態および第2実施形態では、繊維材3は樹脂材4の含浸していないドライな繊維基材の状態で成形型20(40)の間に挟持されるが、樹脂材4が繊維材3に予め含浸されているプリプレグ基材の状態で成形型20(40)の間に挟持されてもよく、この場合には、成形型20(40)内に樹脂材4を注入する工程は不要であり、成形型20(40)に注入口34を設ける必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るFRP製成形品が適用された車両用部材の部分斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るFRP製成形品の断面図である。
【図3】本実施形態に係るFRP製成形品の成形型を示す断面図である。
【図4】成形型に繊維材およびコア材を配置した際を示す成形型の断面図である。
【図5】コア材に繊維材を被せた際を示す成形型の断面図である。
【図6】成形型を閉じた際を示す成形型の断面図である。
【図7】繊維材が複数層設けられた本発明に係るFRP製成形品の断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るFRP製成形品および成形型の断面図である。
【図9】従来のFRP製成形品を示す断面図である。
【図10】繊維が複数層で設けられる従来のFRP製成形品の断面図である。
【図11】従来のFRP製成形品の成形型の断面図である。
【図12】本実施形態に係るFRP製成形品の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 FRP製成形品、
2 コア材、
3 繊維材、
4 樹脂材、
5 表皮、
7 本体部、
8 内側面、
9 フランジ部、
10 フランジ面、
20,40 成形型、
21,41 上型、
22,43 下型、
23,44 下型面、
24,46 下型側壁、
26,42 上型面、
27,45 上型側壁、
28 キャビティ、
29 ストッパー、
30 第2フランジ押さえ面、
31 フランジ収容空間、
32 第1フランジ押さえ面、
33 下型キャビティ面、
34 注入口、
d フランジ厚さ、
l フランジ長さ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品であって、
コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を、当該繊維材のコア材側である内側面同士で接合させたフランジ部を有することを特徴とするFRP製成形品。
【請求項2】
前記フランジ部は、当該フランジ部を構成する繊維材の前記内側面とは異なる面のうちの一方の面が、前記コア材を繊維材が覆ってなる部位の外周面と連続して形成されることを特徴とするFRP製成形品。
【請求項3】
前記フランジ部が前記コア材に沿って伸延する方向と交差する面における断面において、前記コア材が矩形形状断面を有することを特徴とする請求項1に記載のFRP製成形品。
【請求項4】
コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合するFRP製成形品の成形方法であって、
一対の成形型の一方に、コア材側となる内側面を上側として繊維材を配置する工程と、
前記繊維材の一端側の上に前記コア材を載置しつつ、当該繊維材の一端側に、繊維材のコア材が載置される部位と連続する面を有してコア材からはみ出す余剰部を設ける工程と、
前記繊維材の他端側を、前記コア材に被せて覆うとともに、繊維材の他端側端部の内側面を繊維材の余剰部の内側面と重ねる工程と、
前記一対の成形型同士を閉じ、前記繊維材の重なる部位を成形型同士の間に挟持する工程と、
を有することを特徴とするFRP製成形品の成形方法。
【請求項5】
前記一対の成形型同士を閉じ、前記繊維材の重なる部位を成形型同士の間に挟持する工程の後に、前記成形型内に樹脂を注入する工程を有することを特徴とする請求項4に記載のFRP製成形品の成形方法。
【請求項6】
前記繊維材の端部同士が重なる部位が、前記コア材に沿って伸延する方向と交差する面における断面において、前記コア材は矩形形状断面を有し、
前記一対の成形型のそれぞれが、前記矩形形状の2辺に対応して形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のFRP製成形品の成形方法。
【請求項7】
コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品の成形型であって、
前記成形型は対で構成され、当該成形型の一方には、FRP製成形品の一面に対応するキャビティ面と、当該キャビティ面と連続する第1フランジ押さえ面とが形成され、
前記成形型の他方には、前記第1フランジ押さえ面と対向する第2フランジ押さえ面が形成され、前記一対の成形型同士が閉じた際に、前記第1フランジ押さえ面と第2フランジ押さえ面の間に、前記コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を当該繊維材のコア材側である内側面同士で接した状態で収容するフランジ収容空間が形成されることを特徴とするFRP製成形品の成形型。
【請求項8】
前記繊維材の端部同士が重なる部位が、前記コア材に沿って伸延する方向と交差する面における断面において、前記コア材は矩形形状断面を有し、
前記成形型のそれぞれは、前記矩形形状の2辺に対応して形成されることを特徴とする請求項7に記載のFRP製成形品の成形型。
【請求項9】
前記対の成形型の一方には、当該一対の成形型同士が閉じた際に、前記成形型の他方と接するとともに、前記フランジ収容部を成形型の外部から隔離するストッパーを有することを特徴とする請求項7または8に記載のFRP製成形品の成形型。
【請求項1】
コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品であって、
コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を、当該繊維材のコア材側である内側面同士で接合させたフランジ部を有することを特徴とするFRP製成形品。
【請求項2】
前記フランジ部は、当該フランジ部を構成する繊維材の前記内側面とは異なる面のうちの一方の面が、前記コア材を繊維材が覆ってなる部位の外周面と連続して形成されることを特徴とするFRP製成形品。
【請求項3】
前記フランジ部が前記コア材に沿って伸延する方向と交差する面における断面において、前記コア材が矩形形状断面を有することを特徴とする請求項1に記載のFRP製成形品。
【請求項4】
コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合するFRP製成形品の成形方法であって、
一対の成形型の一方に、コア材側となる内側面を上側として繊維材を配置する工程と、
前記繊維材の一端側の上に前記コア材を載置しつつ、当該繊維材の一端側に、繊維材のコア材が載置される部位と連続する面を有してコア材からはみ出す余剰部を設ける工程と、
前記繊維材の他端側を、前記コア材に被せて覆うとともに、繊維材の他端側端部の内側面を繊維材の余剰部の内側面と重ねる工程と、
前記一対の成形型同士を閉じ、前記繊維材の重なる部位を成形型同士の間に挟持する工程と、
を有することを特徴とするFRP製成形品の成形方法。
【請求項5】
前記一対の成形型同士を閉じ、前記繊維材の重なる部位を成形型同士の間に挟持する工程の後に、前記成形型内に樹脂を注入する工程を有することを特徴とする請求項4に記載のFRP製成形品の成形方法。
【請求項6】
前記繊維材の端部同士が重なる部位が、前記コア材に沿って伸延する方向と交差する面における断面において、前記コア材は矩形形状断面を有し、
前記一対の成形型のそれぞれが、前記矩形形状の2辺に対応して形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のFRP製成形品の成形方法。
【請求項7】
コア材の外側に繊維材および樹脂材からなる少なくとも1層の表皮を接合したFRP製成形品の成形型であって、
前記成形型は対で構成され、当該成形型の一方には、FRP製成形品の一面に対応するキャビティ面と、当該キャビティ面と連続する第1フランジ押さえ面とが形成され、
前記成形型の他方には、前記第1フランジ押さえ面と対向する第2フランジ押さえ面が形成され、前記一対の成形型同士が閉じた際に、前記第1フランジ押さえ面と第2フランジ押さえ面の間に、前記コア材の周囲を覆う繊維材の端部同士を当該繊維材のコア材側である内側面同士で接した状態で収容するフランジ収容空間が形成されることを特徴とするFRP製成形品の成形型。
【請求項8】
前記繊維材の端部同士が重なる部位が、前記コア材に沿って伸延する方向と交差する面における断面において、前記コア材は矩形形状断面を有し、
前記成形型のそれぞれは、前記矩形形状の2辺に対応して形成されることを特徴とする請求項7に記載のFRP製成形品の成形型。
【請求項9】
前記対の成形型の一方には、当該一対の成形型同士が閉じた際に、前記成形型の他方と接するとともに、前記フランジ収容部を成形型の外部から隔離するストッパーを有することを特徴とする請求項7または8に記載のFRP製成形品の成形型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−68587(P2008−68587A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251297(P2006−251297)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度 新エネルギー・産業技術総合開発機構「地球温暖化防止新技術プログラム 自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度 新エネルギー・産業技術総合開発機構「地球温暖化防止新技術プログラム 自動車軽量化炭素繊維強化複合材料の研究開発」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】
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