説明

N極性を有する発光ダイオードおよび関連する製造方法

N極性を有する発光ダイオード(「LED」)および関連する製造方法が本明細書に開示される。一実施形態では、基板材料を有する基板上に発光ダイオードを形成するための方法は、基板の表面上に基板材料の窒化産物を形成することなく、基板の表面に少なくとも近接して、窒素リッチな環境を形成することを含む。本方法はまた、窒素リッチな環境を有する基板の表面上に、窒素極性を有するLED構造を形成することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して、発光ダイオード(「LED」)等の固体照明(SSL)デバイスおよび関連する製造方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、携帯情報端末(PDA)、デジタルカメラ、MP3プレイヤー、および他の携帯型電子機器は、背景照明にLEDを利用する。図1は、従来の窒化インジウムガリウム(「InGaN」)LED10の一部分の断面略図である。図1Aに示されるように、LED10は、相互に連続して積み重なった、基板12、所望される場合は緩衝材13(例えば、窒化アルミニウム)、N型窒化ガリウム(「GaN」)材料14、InGaN材料16(および/またはGaN多重量子井戸)、およびP型GaN材料18を含む。LED10はまた、P型GaN材料18上に第1の接点20、およびN型GaN材料14上に第2の接点22を含む。
【0003】
LED10は、広範囲の波長で発光するように構成可能であるべきである。LED10が発光する波長は、InGaN材料16中のインジウム(In)の量に少なくとも部分的に関連すると考えられる。例えば、InGaN材料16中のより大量のインジウムは、LED10のより長い発光波長に関連付けられてきた。
【0004】
InGaN材料16中のインジウムの組込みを向上させるための1つの技法は、基板12の窒化を介して、ガリウム極性表面上よりもむしろ、窒素極性表面上にGaN/InGaN材料14、16、および18を形成することである。しかしながら、この技術の1つの動作上の難点は、基板12の窒化産物(nitrodizing product)が、その上へのGaN/InGaN材料14、16、および18のその後の堆積を妨害し得ることである。故に、基板の窒素極性表面上にLED構造を形成する際の、いくつかの改善が望ましい可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1A】先行技術による、LEDの一部分の断面図。
【図1B】本技術の実施形態による、GaN/InGaN材料中の結晶面の概略斜視図。
【図2】本技術の実施形態によって、N極性を有するLED構造を形成するための方法を示すフロー図。
【図3A】本技術の実施形態によって、基板表面で窒素リッチな環境を生成するための手順を示すフロー図。
【図3B】本技術の実施形態によって、図3Aの手順を行うのに有用なプラズマ反応器を示す概要図。
【図3C】本技術の実施形態によって、図3Bのプラズマ反応器中で処理された基板の一部分を示す断面略図。
【図4A】本技術の実施形態によって、基板表面で窒素リッチな環境を生成するための別の手順を経ている基板の一部分を示す断面略図。
【図4B】本技術の実施形態によって、基板表面で窒素リッチな環境を生成するための別の手順を経ている基板の一部分を示す断面略図。
【図4C】本技術の実施形態によって、基板表面で窒素リッチな環境を生成するための別の手順を経ている基板の一部分を示す断面略図。
【図5】本技術の更なる実施形態によって、N極性を有するLED構造を形成するための方法を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
基板上に形成されたLEDを有する超小型電子基板(マイクロエレクトロニクス基板)および関連する製造方法の種々の実施形態が下に記載される。「超小型電子基板」という用語は、基板であって、その上および/またはその中に、超小型電子デバイス(マイクロエレクトロニクスデバイス)、微小機械デバイス、データ記憶素子、読取り/書込みコンポーネント、および他の特徴(フィーチャ)が製作される基板を含むように全体を通じて使用される。「シリコン」という用語は、一般的に、5.430710Åの格子間隔を有する面心ダイヤモンド立方構造を有する、単一の結晶質シリコン材料を指す。「シリコン(1,0,0)」という用語および「シリコン(1,1,1)」という用語は、一般的に、それぞれ、ミラー指数によって定義される(1,0,0)および(1,1,1)の結晶格子配向を指す。ミラー指数の議論は、William C.O’MaraによるHandbook of Semiconductor Silicon Technologyに見出すことができ、その開示は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。当業者はまた、本技術が追加的な実施形態を有してもよく、かつ本技術が、図2A〜5を参照して、下に記載される実施形態の詳細のいくつかのものを伴わずに実践されてもよいことを理解するであろう。
【0007】
次の議論において、GaN/InGaN材料を有するLEDが、本技術の実施形態によるLEDの例として使用される。LEDのいくつかの実施形態はまた、ガリウムヒ素(GaAs)、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)、ガリウムヒ素リン(GaAsP)、アルミニウムガリウムインジウムリン(AlGaInP)、ガリウム(III)リン(GaP)、セレン化亜鉛(ZnSe)、窒化ホウ素(BN)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)、窒化アルミニウムガリウムインジウム(AlGaInN)、および/または他の適切な半導体材料のうちの少なくとも1つを含んでもよい。前述の半導体材料は、一般的に、GaN/InGaN材料と同様のまたは異なる結晶構造を有してもよい。しかしながら、Ga極性およびN極性の次の定義が依然として当てはまる場合がある。
【0008】
図1Bは、本技術の実施形態による、GaN/InGaN材料中の結晶面の概略斜視図である。図1Bに示されるように、GaN/InGaN材料は、対応するミラー指数によって表される種々の格子面またはファセットを有するウルツ鉱結晶構造を有する。1つのかかる格子面、c−面は、図1Bに示される。これ以降で使用されるとき、「Ga極性」という用語は、一般的に、c−面に対して概して垂直の方向に沿って延在し、[0001]のミラー指数を有する格子構造を指す。「N極性」という用語は、一般的に、反対の方向に沿って延在し、[0001(−)]のミラー指数を有する格子構造を指す。
【0009】
図2は、本技術の実施形態によって、N極性を有するLED構造を形成する方法200を示すフロー図である。図2に示されるように、本方法の初期段階(ブロック202)は、基板の表面上に窒化材料を形成することなく、基板の表面の少なくとも近接して、窒素リッチな環境を生成することを含む。以下の説明において、例示目的のために、基板は、(1,1,1)結晶格子配向を有するシリコンウェハを含む。他の実施形態では、基板はまた、(1,0,0)結晶格子配向を有するシリコンウェハを含むことができる。更なる実施形態では、基板は、他の結晶格子配向を有するシリコンウェハを含むことができ、またははそれは、炭化ケイ素(SiC)、サファイア(Al)、および/もしくは他の適切な基板材料を含むことができる。
【0010】
基板の表面で生成された窒素リッチな環境の1つの特徴は、窒素(N)原子が、シリコン材料との共有結合、イオン結合を形成することなく、および/またはシリコン材料との他の強い相互作用を有することなく、シリコンウェハの表面上に緩く吸着され、その中に拡散され、および/またはさもなければシリコンウェハの表面上に付着されてもよいことである。これ以降で使用されるとき、「強い相互作用」という語句は、一般に、約50kcal/molを越える相互作用エネルギーによる分子相互作用を指す。
【0011】
代わりに、ある実施形態では、窒素原子は、ファンデルワールス力、水素結合、および/または他の弱い相互作用を介して、シリコンウェハの表面上に吸着されてもよい。これ以降で使用されるとき、「弱い相互作用」という語句は、一般的に、約10.0kcal/mol未満の相互作用エネルギーによる分子相互作用を指す。例えば、窒素原子は、ファンデルワールス力または水素結合を介して、約10.0kcal/mol、5kcal/mol、1kcal/molの相互作用エネルギーにより、および/または他の適切な相互作用エネルギー値により、シリコンウェハの表面に付着されてもよい。別の実施形態では、窒素原子は、シリコンウェハの中に拡散されてもよい。拡散された窒素原子は、窒化シリコン(SiN)結晶構造を形成することなく、シリコンウェハの格子構造中に含有または捕らえられてもよい。更なる実施形態では、窒素原子は、他の適切な機構を介して、他の方法で基板に緩く付着されてもよい。
【0012】
ある実施形態では、窒素リッチな環境を生成することは、シリコンウェハの表面に付着される複数の窒素原子の源である窒素プラズマを適用すること、ならびに窒素プラズマのパラメータを制御して、シリコンウェハの表面上に窒化シリコン(SiN)および/または他の窒化産物(nitrodizing product)を形成することを回避することを含むことができる。窒素プラズマの適用を利用するいくつかの実施形態は、図3A〜図3Cを参照して、下により詳細に記載される。
【0013】
他の実施形態では、窒素リッチな環境を生成することは、窒化シリコン(SiN)および/または他の窒化産物をシリコンウェハの表面上に堆積させること、窒化シリコン(SiN)からの窒素原子のうちの少なくとも幾つかをシリコンウェハの中に拡散させること、およびその後、その上にLED構造を形成する前に、堆積された窒化シリコン(SiN)をシリコンウェハの表面から除去することを含むことができる。窒素原子のシリコンウェハ中への拡散を利用するいくつかの実施形態は、図4A〜図4Dを参照して、下により詳細に記載される。更なる実施形態では、窒素リッチな環境を生成することは、シリコンウェハの表面を、他の適切な窒素含有組成物と接触させることを含むことができる。
【0014】
窒素リッチな環境が生成された後、方法は次いで、シリコンウェハの表面上にLED構造を形成するいくつかの段階を含むことができる。例えば、本方法の別の段階(ブロック204)は、第1の半導体材料を、シリコンウェハの表面に少なくとも近接して窒素リッチな環境を有する、シリコンウェハ上に堆積させることを含むことができる。一実施形態では、第1の半導体材料を堆積させることは、シリコンウェハの表面上にエピタキシャルなN型GaN材料を成長させることを含む。他の実施形態では、第1の半導体材料を堆積させることは、シリコンウェハの表面上でP型GaN材料および/または他の適切な被覆材料を成長させることを含んでもよい。
【0015】
本方法の更なる段階(ブロック206)は、第1の半導体材料上にLEDの活性領域を形成することを含むことができる。一実施形態では、活性領域を形成することは、基板の表面上で成長させられたN型GaN材料上で、エピタキシャルなInGaN材料を成長させること、および/またはGaN多重量子井戸を形成することを含む。他の実施形態では、活性領域を形成することは、第1の半導体材料上で他の型の適切な半導体材料を成長させることを含むことができる。
【0016】
本方法のなおも別の段階(ブロック208)は、活性領域上に第2の半導体材料を形成することを含むことができる。一実施形態では、第2の半導体材料を堆積させることは、LEDの活性領域上でエピタキシャルなP型GaN材料を成長させることを含む。他の実施形態では、第2の半導体材料を堆積させることはまた、N型GaN材料および/または他の適切な被覆材料を成長させることを含んでもよい。第1の半導体材料、活性領域、および第2の半導体材料を成長させるための技法は、有機金属化学気相成長法(「MOCVD」)、分子線エピタキシー法(「MBE」)、液相エピタキシー法(「LPE」)、ハイドライド気相エピタキシー法(「HVPE」)、および/または他の適切な技法を含むことができる。
【0017】
シリコンウェハの表面での窒素リッチな環境は、LED構造に対して、Ga極性の代わりにN極性を有するGaN/InGaN材料の成長を少なくとも促進することができると考えられる。理論に拘束されるものではないが、シリコンウェハの表面に少なくとも近接した窒素原子は、シリコンウェハの表面での電場および/または電磁場の極性に影響を及ぼす、かつ/またはそれを決定することができると考えられる。結果として、ガリウム(Ga)および/またはインジウム(In)原子は、Ga極性の代わりにN極性を有するGaNおよび/またはInGaN格子構造を優先的に形成することになる。
【0018】
また、形成されたLED構造は、窒化シリコン(SiN)がシリコンウェハの表面上に形成されないため、先行技術のLED構造よりも改善された格子品質を有する可能性があることも考えられる。理論に拘束されるものではないが、窒化シリコン(SiN)がシリコンウェハの表面上に形成される場合、GaNおよび/またはInGaN材料(例えば、トリメチルガリウム、トリエチルガリウム、トリメチルインジウム、トリエチルインジウム、ジ−イソプロピルメチルインジウム、エチルジメチルインジウム等)を形成するための前駆体は、シリコンウェハの表面を十分に湿潤させない場合があると考えられる。結果として、GaN/InGaN前駆体がシリコンウェハの表面上で核生成することは困難である場合がある。形成されたLED構造は故に、高い転位率、粗面、および/または他の良好でない格子品質を有するであろう。したがって、シリコンウェハの表面上に窒化シリコン(SiN)を形成しないことによって、GaN/InGaN前駆体は、シリコンウェハの表面上で容易に核生成して、形成されたLED構造に対して改善された格子品質を生じる場合がある。
【0019】
本方法200は、シリコンウェハの表面の上に直接LED構造を形成するように上述されているが、ある実施形態では、本方法200はまたオプションとして、LED構造を形成する前に、シリコンウェハの表面上に緩衝材を堆積させることを含むこともできる。一実施形態では、緩衝材は、シリコンウェハの表面を、トリメチルアルミニウム(TMAl)、アンモニア(NHOH)、および/または他の適切な組成物を含有する気体と接触させることによって形成された窒化アルミニウム(AlN)を含むことができる。他の実施形態では、緩衝材はまた、MOCVD、MBE、および/または他の適切な技術を介してシリコンウェハの表面上に形成された、酸化亜鉛(ZnO)および/または他の適切な緩衝材を含むことができる。
【0020】
図3Aは、本技術の実施形態によって、シリコンウェハの表面の少なくとも近接に、窒素リッチな環境を生成するための手順300を示すフロー図である。図3Aに示されるように、手順300は、プラズマ反応器および/または他の適切なタイプの反応器中にシリコンウェハを配置する初期段階(ブロック302)を含むことができる。プラズマ反応器の一例は、図3Bを参照して下記により詳細に考察される。
【0021】
手順300の別の段階(ブロック304)は、プラズマチャンバ中で窒素プラズマを生成することを含む。一実施形態では、窒素プラズマを生成することは、窒素を含有する気体をプラズマチャンバ中に注入すること、およびエネルギーを注入された気体に印加して、プラズマチャンバ中で窒素プラズマを生成することを含む。エネルギーを印加するのための技法には、静電気バイアシング、高周波(「RF」)照射、および/または他の適切な技法が含まれる。別の実施形態では、窒素プラズマは、遠隔のプラズマ源によって生成されてもよく、かつプラズマガイドによりプラズマチャンバに向けられてもよい。更なる実施形態では、窒素プラズマは、他の適切な技術を介して生成されてもよい。
【0022】
手順300のその後の段階(ブロック306)は、生成されたプラズマをシリコンウェハの表面に適用することを含む。窒素プラズマをシリコンウェハの表面に適用する間に、手順300の別の段階(ブロック308)は、窒素プラズマを生成するおよび/または窒素プラズマを適用する、少なくとも1つのパラメータを、生成された窒素プラズマがシリコンウェハの表面上に窒化シリコン(SiN)を形成しないように調整することを含む。
【0023】
一実施形態では、プラズマセンサーは、生成されたプラズマの少なくとも1つのプラズマパラメータ(例えば、プラズマ電荷密度および/またはプラズマ温度)を連続的に測定することができる。コンピュータベースのコントローラは次いで、プラズマエネルギーの所望の設定値を達成するために、モニターされたプラズマパラメータを、フィードバック制御ループにおけるプロセス変数として使用してもよい。プラズマエネルギーの設定値は、窒素プラズマが、シリコンウェハの表面上に窒化シリコン(SiN)の形成を引き起こすために十分なエネルギーを有しないように、経験的におよび/または理論的に決定されてもよい。フィードバック制御ループに対する制御変数は、電気バイアス電圧、RF強度、プラズマチャンバおよび/もしくはシリコンウェハへの熱入力、ならびに/または他の適切な動作条件を含んでもよい。他の実施形態では、生成されたプラズマの他の適切な技術および/または動作パラメータが使用されてもよい。
【0024】
図3Bは、本技術の実施形態によって、図3Aの手順300を行うのに有用なプラズマ反応器310を示す概要図である。図3Bに示されるように、プラズマ反応器310は、チャンバ311、チャンバ311の内側の支持体312、および支持体312に電気的に連結された電源314を含む。チャンバ311は、チャンバ311の内側に密閉環境を形成するために、電気的に接地された蓋318に連結された槽316を含む。チャンバ311はまた、槽(vessel)316の上部に近接する気体入口320、および槽316の底部に近接する気体出口322も含む。プラズマ反応器310はまた、気体をチャンバ311から排気するための、気体出口322に連結された真空ポンプ(図示されず)を含むことができる。
【0025】
動作中、窒素を含有する気体は、気体入口320を介してチャンバ311に入る。電源314は、蓋318と、支持体312上に保有されたシリコンウェハ328との間にプラズマ324を確立するため、および/またはプラズマ324を維持するために、支持体312と蓋318との間にバイアス電圧を作り出す。図3Cを参照して下記により詳細に議論されるように、プラズマ324は次いで、窒化シリコン(SiN)を形成することなく、シリコンウェハ328の表面の近接に窒素リッチな環境を形成することができる。
【0026】
図3Cは、本技術の実施形態によって、図3Bのプラズマ反応器310中でプロセスされるシリコンウェハ328の一部分を示す断面図である。図3Cに示されるように、シリコンウェハ328は、シリコンウェハ328の表面329に近接して複数のシリコン原子330を含む。示されていないが、表面329は、酸素終端されても、ヒドロキシル終端されても、および/または他の適切な終端基を有してもよい。
【0027】
複数の窒素原子332は、弱い相互作用を介して、シリコンウェハ328の表面329に吸着させる、および/または他の方法でシリコンウェハ328の表面329に付着させることができる。例えば、窒素原子332は、ファンデルワールス力または水素結合を介して、シリコンウェハの表面329に付着されてもよい。先行技術の技法とは異なり、窒素原子332は、共有結合、イオン結合、および/または他の強い相互作用を介しては、シリコンウェハ328の表面329に付着されない。結果として、窒素原子332は、シリコンウェハ328の表面329上に窒化シリコン(SiN)を形成しない。
図4A〜図4Cは、本技術の実施形態によって、表面404に少なくとも近接して窒素リッチな環境を生成するための手順400を受けている、基板402の一部分を示す断面図である。図4Aに示されるように、手順400の初期段階は、基板402の表面404上に窒化材料406を堆積させることを含むことができる。窒化材料406は、厚さTで、窒化シリコン(SiN)、窒化アルミニウム(AlN)、および/または他の適切な窒化材料を含むことができる。窒化材料406を堆積させるための技法には、化学気相成長法(CVD)、原子層堆積法(ALD)、MOCVD、MBE、および/または他の適切な技法を含むことができる。一実施形態では、窒化材料406は、一般に非晶質であってもよい。他の実施形態では、窒化材料406は、部分的に結晶質であってもよい。
【0028】
手順400のその後の段階は、窒化材料406からの窒素のうちの少なくとも幾つかを、基板402の表面404の方へ移動させる(マイグレーションさせる)ことを含むことができる。一実施形態では、窒素原子の移動(マイグレーション)を促進するために、熱(矢印408によって表される)が適用されてもよい。他の実施形態では、電磁放射および/または他の適切な技法を使用して、窒素原子の移動を促進してもよい。
【0029】
図4Bに示されるように、移動した窒素原子は、基板402の表面404に近接して窒素リッチな層410を形成することができる。少なくとも1つの動作パラメータ(例えば、熱量、放射強度、放射および/または熱の持続期間等)を、移動した窒素原子が、基板材料により窒化産物(nitrodized product)を形成しないように調整してもよい。代わりに、移動した窒素原子は、基板402の格子構造中に含有または捕らえられてもよい。
【0030】
手順400の別の段階は、基板402の表面404上でのLED構造の形成前に、基板402の表面404から窒化材料406を除去することを含むことができる。一実施形態では、窒化材料406を除去することは、窒化材料406をウェットエッチングすること、ならびに窒化材料406の厚さTに基づいて、エッチング時間、エッチング温度、およびエッチング液組成物のうちの少なくとも1つを選択することを含むことができる。他の実施形態では、窒化材料406を除去することは、レーザーアブレーション、ドライエッチング、および/または他の適切な技術を使用することを含むことができる。図2を参照して議論したように、手順400は次いで、窒素リッチな層410により、基板402上にLED構造を形成することを含むことができる。
【0031】
図5は、本技術の更なる実施形態によって、N極性を有するLED構造を形成するための方法500を示すフロー図である。図5に示されるように、本方法500の初期段階(ブロック502)は、基板上にN極性GaN材料を形成することを含むことができる。基板は、シリコン(Si)、炭化ケイ素(SiC)、サファイア(Al)、および/または他の適切な基板材料を含むことができる。
【0032】
一実施形態では、N極性GaN材料を形成することは、MOCVD、MEB、LPE、HVPE、および/または他の適切なタイプの堆積技法を介して、重質マグネシウム(Mg)ドーピングにより、基板上にGaNを堆積させることを含むことができる。理論に拘束されるものではないが、マグネシウムドーピング濃度が閾値(例えば、約1xE20/cm−3)を上回るとき、基板上に形成されたGaNは、実質的にN極性であると考えられる。故に、N極性GaN材料を形成することはまた、マグネシウムドーピング濃度、ドーピング条件、および/または他の適切な動作パラメータのうちの少なくとも1つを調整して、GaN材料中の所望のN極性格子構造を達成することを含むことができる。他の実施形態では、N極性GaN材料を形成することはまた、他のタイプの適切なドーパントにより、GaNを堆積させることを含むことができる。図2を参照して上記により詳細に考察されるように、本方法500は次いで、第1のLED半導体材料を堆積させること、LEDの活性領域を形成すること、および第2のLED半導体材料を堆積させることを含むことができる。
【0033】
前述から、本技術の具体的な実施形態は、本明細書で例示の目的のために記載されているが、本開示から逸脱することなく種々の修正が行われてもよいことが理解されるであろう。例えば、手順300のいくつかの実施形態は、シリコンウェハの表面上に少なくとも幾つかの窒化材料を形成すること、およびその後、LED構造を形成する前に、窒化材料を除去することを含んでもよい。他の例では、手順300および400のいくつかの実施形態は、MOCVD、MEB、LPE、HVPE、および/または他の適切なタイプの堆積系において行われてもよい。一実施形態の要素の多くは、他の実施形態の要素に加えてまたはその代わりに、他の実施形態と組み合わされてもよい。例えば、手順300のいくつかの実施形態はまた、図4A〜図4Cを参照して議論したように、窒化材料を除去する前に、窒素原子のうちの幾つかをシリコンウェハの表面の方へ移動させることを含んでもよい。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲による限定を除いて、限定されない。
【0034】
前述から、本技術の具体的な実施形態は、本明細書で例示の目的のために記載されているが、本開示から逸脱することなく種々の修正が行われてもよいことが理解されるであろう。例えば、手順300のいくつかの実施形態は、シリコンウェハの表面上に少なくとも幾つかの窒化材料を形成すること、およびその後、LED構造を形成する前に、窒化材料を除去することを含んでもよい。他の例では、手順300および400のいくつかの実施形態は、MOCVD、MEB、LPE、HVPE、および/または他の適切なタイプの堆積系において行われてもよい。一実施形態の要素の多くは、他の実施形態の要素に加えてまたはその代わりに、他の実施形態と組み合わされてもよい。例えば、手順300のいくつかの実施形態はまた、図4A〜図4Cを参照して考察される議論したように、窒化材料を除去する前に、窒素原子のうちの幾つかをシリコンウェハの表面の方へ移動させることを含んでもよい。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲による限定を除いて、限定されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオード(LED)を形成するための方法であって、
基板材料を有する基板の表面を窒素含有組成物に曝露することと、
前記基板の前記表面に少なくとも近接して、前記窒素含有組成物により窒素リッチな環境を生成することと、
前記基板の前記表面を前記窒素含有組成物に曝露することの少なくとも1つの動作パラメータを、前記窒素含有組成物が前記基板材料と反応して、窒化産物を形成しないように調整することと、
前記窒素リッチな環境を有する前記基板の前記表面上に、窒素極性を有するLED構造を形成することと、を含む方法。
【請求項2】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記基板の前記表面を曝露することは、
窒素プラズマを生成することと、
前記窒素プラズマを、前記シリコンウェハの前記表面の方へ向けることと、を含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記窒素プラズマからの窒素原子を、ファンデルワールス力を介して、前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることを含み、
前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することは、プラズマ電荷密度およびプラズマ温度のうちの少なくとも1つを、前記窒素プラズマが前記シリコンウェハの前記表面でシリコンと反応して、窒化シリコン(SiN)を形成しないように調整することを含み、
前記LED構造を形成することは、前記シリコンウェハの前記表面上に、N型窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウムガリウム(InGaN)、およびP型GaN材料を順次堆積させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記基板の前記表面を曝露することは、窒化シリコン(SiN)を前記シリコンウェハの前記表面上に堆積させることであって、前記堆積された窒化シリコンは、複数の窒素(N)原子を含有する、堆積させることを含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記窒素(N)原子のうちの少なくとも幾つかを、加熱および/または放射を介して、前記シリコンウェハの前記表面に移動させることを含み、
前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することは、熱量、放射強度、放射および/または熱の持続期間のうちの少なくとも1つを、前記移動した窒素(N)原子が前記シリコンウェハの前記表面でシリコンと反応して、窒化シリコン(SiN)を形成しないように調整することを含み、
前記方法は、前記堆積された窒化シリコン(SiN)を、前記シリコンウェハの前記表面から除去することを更に含み、
前記LED構造を形成することは、前記窒化シリコン(SiN)が前記シリコンウェハの前記表面から除去された後に、前記シリコンウェハの前記表面上に、N型GaN、InGaN、およびP型GaN材料を順次堆積させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することは、少なくとも1つの動作パラメータを、前記窒素含有組成物が前記シリコンウェハの前記表面でシリコンと反応して、窒化シリコン(SiN)を形成しないように調整することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成することなく、複数の窒素(N)原子を前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記基板の前記表面を曝露することは、
窒素プラズマを生成することと、
前記窒素プラズマを、前記シリコンウェハの前記表面の方へ向けることと、を含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記窒素プラズマからの複数の窒素(N)原子を、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成することなく、前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記基板の前記表面を曝露することは、
窒素プラズマを生成することと、
前記窒素プラズマを、前記シリコンウェハの前記表面の方へ向けることと、を含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記窒素プラズマからの複数の窒素(N)原子を、前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることを含み、
前記少なくとも1つの動作パラメータを調整することは、前記窒素プラズマのプラズマ電荷密度およびプラズマ温度のうちの少なくとも1つを、前記窒素プラズマが前記シリコンウェハの前記表面でシリコンと反応して、窒化シリコン(SiN)を形成しないように調整することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板は、格子構造を有するシリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記基板の前記表面を曝露することは、窒化シリコン(SiN)を前記シリコンウェハの前記表面上に堆積させることであって、前記堆積された窒化シリコンは、複数の窒素(N)原子を含有する、堆積させることを含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記窒素(N)原子のうちの少なくとも幾つかを、前記シリコンウェハの前記表面に移動させることであって、前記移動した窒素(N)原子は、前記シリコンウェハ中の前記シリコン(Si)による窒化シリコン(SiN)結晶構造を形成することなく、前記シリコンウェハの前記格子構造中に捕らえられることを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記基板の前記表面を曝露することは、窒化シリコン(SiN)を前記シリコンウェハの前記表面上に堆積させることであって、前記堆積された窒化シリコンは、複数の窒素(N)原子を含有する、堆積させることを含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記窒素(N)原子のうちの少なくとも幾つかを、前記シリコンウェハの前記表面に移動させることを含み、
前記方法は、前記LED構造を形成する前に、前記堆積された窒化シリコン(SiN)を、前記シリコンウェハの前記表面から除去することを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板は、格子構造を有するシリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記基板の前記表面を曝露することは、窒化シリコン(SiN)を前記シリコンウェハの前記表面上に堆積させることであって、前記堆積された窒化シリコンは、複数の窒素(N)原子を含有する、堆積させることを含み、
前記窒素リッチな環境を生成することは、前記窒素(N)原子のうちの少なくとも幾つかを、前記シリコンウェハの前記表面に移動させることであって、前記移動した窒素(N)原子は、前記シリコンウェハ中の前記シリコン(Si)による窒化シリコン(SiN)結晶構造を形成することなく、前記シリコンウェハの前記格子構造中に捕らえられる、移動させることを含み、
前記方法は、前記LED構造を形成する前に、前記堆積された窒化シリコン(SiN)を、前記シリコンウェハの前記表面から除去することを更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
LEDを形成するための方法であって、
基板材料を有する基板の表面を、窒素含有組成物に曝露することと、
前記基板材料の窒化産物を形成することなく、前記基板の前記表面に少なくとも近接して、前記窒素含有組成物により前記基板材料中の窒素(N)濃度を増加させることと、
窒素リッチな環境を有する前記基板の前記表面上に、窒素極性を有するLED構造を形成することと、を含む方法。
【請求項12】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成することなく、複数の窒素(N)原子を前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、
前記シリコンウェハの前記表面を、窒素プラズマと接触させることと、
前記窒素プラズマからの複数の窒素(N)原子を、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成することなく、前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることと、を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、
窒素プラズマを前記シリコンウェハの前記表面に適用することと、
前記窒素プラズマからの複数の窒素(N)原子を、前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることと、
前記適用された窒素プラズマのエネルギーを、前記窒素プラズマが前記シリコンウェハ中のシリコン(Si)と反応して、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成しないように制御することと、を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、
窒素プラズマを前記シリコンウェハの前記表面に適用することと、
前記窒素プラズマからの複数の窒素(N)原子を、前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることと、
前記適用された窒素プラズマの前記エネルギーを、前記吸着された窒素原子が、約10kcal/mol未満の相互作用エネルギーを有する分子相互作用を介して、前記シリコンウェハの前記表面上に吸着されるように制御することと、を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、
窒素プラズマを前記シリコンウェハの前記表面に適用することと、
前記窒素プラズマからの複数の窒素(N)原子を、前記シリコンウェハの前記表面上に付着させることと、
前記適用された窒素プラズマの前記エネルギーを、前記窒素原子が、約50kcal/mol超の相互作用エネルギーを有する分子相互作用を介さずに、前記シリコンウェハの前記表面上に付着されるように制御することと、を含む
請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成することなく、複数の窒素(N)原子を前記シリコンウェハの前記表面に移動させることを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記方法は、窒化シリコン(SiN)を前記シリコンウェハの前記表面上に堆積させることを更に含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成することなく、複数の窒素(N)原子を前記堆積された窒化シリコン(SiN)から前記シリコンウェハの前記表面に移動させることを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記方法は、窒化シリコン(SiN)を前記シリコンウェハの前記表面上に堆積させることを更に含み、
前記窒素(N)濃度を増加させることは、前記シリコンウェハの前記表面上に窒化シリコン(SiN)を形成することなく、複数の窒素(N)原子を前記堆積された窒化シリコン(SiN)から前記シリコンウェハの前記表面に移動させることを含み、
前記方法は、前記LED構造を形成する前に、前記堆積された窒化シリコン(SiN)を、前記シリコンウェハの前記表面から除去することを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項20】
基板材料を有する基板上にLEDを形成するための方法であって、
前記基板の前記表面上の前記基板材料による窒化産物を形成することなく、前記基板の表面に少なくとも近接して、窒素リッチな環境を形成することと、
前記窒素リッチな環境を有する前記基板の前記表面上に、窒素極性を有するLED構造を形成することと、を含む方法。
【請求項21】
前記窒素リッチな環境を形成することは、前記基板の前記表面上の前記基板材料を窒化させることなく、複数の窒素(N)原子を前記基板の前記表面上に吸着させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記窒素リッチな環境を形成することは、約10kcal/mol未満の相互作用エネルギーを有する分子相互作用を介して、窒素原子を前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記窒素リッチな環境を形成することは、前記基板材料とのイオン結合または共有結合を形成することなく、窒素原子を前記シリコンウェハの前記表面上に吸着させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記窒素リッチな環境を形成することは、前記基板材料とのイオン結合または共有結合を形成することなく、窒素原子を前記シリコンウェハの前記表面に移動させることを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
発光ダイオードであって、
基板材料を有する基板と、
前記基板の表面直上の第1の半導体材料と、
窒素極性結晶構造を有する、前記第1の半導体材料上の活性領域と、
前記活性領域上の第2の半導体材料と、を含み、
前記発光ダイオードは、前記基板の前記表面と前記第1の半導体材料との間の界面において、前記基板材料の窒化産物を含まない、
発光ダイオード。
【請求項26】
前記基板は、格子構造を有するシリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記第1の半導体材料は、N型窒化ガリウム(GaN)材料を含み、
前記活性領域は、窒化インジウムガリウム(InGaN)材料を含み、
前記第2の半導体材料は、P型GaN材料を含み、
前記シリコンウェハは、前記シリコンウェハの前記表面に少なくとも近接して、窒素リッチな環境を含み、前記窒素リッチな環境は、前記シリコンウェハ中の前記シリコン(Si)により窒化シリコン(SiN)結晶構造を形成することなく、前記シリコンウェハの前記格子構造中に捕らえられた複数の窒素(N)原子を有する、
請求項25に記載の発光ダイオード。
【請求項27】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記第1の半導体材料は、N型窒化ガリウム(GaN)材料を含み、
前記活性領域は、窒化インジウムガリウム(InGaN)材料を含み、
前記第2の半導体材料は、P型GaN材料を含み、
前記発光ダイオードは、前記シリコンウェハの前記表面と前記N型GaN材料との間の 前記界面において、結晶質窒化シリコン(SiN)を含まない、
請求項25に記載の発光ダイオード。
【請求項28】
前記基板は、シリコンウェハを含み、
前記基板材料は、シリコン(Si)を含み、
前記発光ダイオードは、前記シリコンウェハの前記表面と前記第1の半導体材料との間の界面において、結晶質窒化シリコン(SiN)を含まない、
請求項25に記載の発光ダイオード。
【請求項29】
発光ダイオード(LED)を形成するための方法であって、
ドーパントにより基板上に窒化ガリウム(GaN)材料を形成することと、
前記ドーパントの濃度を、前記形成されたGaN材料が実質的に窒素極性を有するように調整することと、
前記窒素極性を有する前記形成されたGaN材料上にLED構造を形成することであって、前記LED構造もまた窒素極性を有する、LED構造を形成することと、
を含む方法。
【請求項30】
GaN材料を形成することは、前記GaN材料中に少なくとも約1×E20/cm−3の濃度を有するマグネシウムドーパントにより、前記GaN材料を堆積させることを含み、
前記ドーパントの濃度を調整することは、前記マグネシウムドーパントの濃度を、前記形成されたGaN材料が実質的に窒素極性を有するように調整することを含む、
請求項29に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−521632(P2013−521632A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555176(P2012−555176)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2011/026192
【国際公開番号】WO2011/106609
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(595168543)マイクロン テクノロジー, インク. (444)
【Fターム(参考)】