説明

P2X7調節因子としてのビシクロヘテロアリール化合物およびその使用

次式(I)で表される式を有するビシクロヘテロアリール化合物が開示される。化合物は、医薬組成物として調製することができ、ヒトを含む哺乳類において、限定されない例として疼痛、炎症、外傷などを含む、種々の状態の予防および治療のために用いることができる。これらとしては、炎症介在症状、例えば、(限定されるものではないが)関節炎、心筋梗塞、疼痛症候群(急性および慢性[神経因性])の治療および予防、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、神経変性疾患、炎症性腸疾患および免疫機能障害、例えば、自己免疫疾患を含む、P2X受容体の異常な活性に関連する哺乳類における症状の治療が挙げられる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、P2X受容体活性を調節することのできるビシクロヘテロアリールクラスの新規な化合物、およびかかる化合物を含有する医薬組成物に関する。本発明はまた、本発明の化合物および医薬組成物を用いて、異常な(aberrant)P2X活性が原因として関与している症状、例えば(限定されるものではないが)慢性関節リウマチ、骨関節炎、パーキンソン病、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞を含む心血管系症状、疼痛症候群(急性および慢性または神経因性)の治療および予防、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、神経変性疾患、炎症性腸疾患ならびに自己免疫疾患を含む、哺乳類において炎症に関連する症状を予防および/または治療するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ATPの細胞表面受容体は、代謝調節型(P2Y/P2U)およびイオンチャネル型(P2X)クラスへ分けることができる。代謝調節型クラスは7回膜貫通型セグメントをもつGタンパク質共役型受容体のスーパーファミリーに属する。イオンチャネル型クラスメンバー(P2X〜P2X)はリガンド依存性イオンチャネルであり、現在のところサブユニットにつき2つの膜貫通ドメインをもつマルチサブユニットタンパク質であると考えられている(非特許文献1)。P2Z受容体はその他のP2受容体と3つの主な方法で区別されている(非特許文献2;非特許文献3;非特許文献4)。第一に、P2Z受容体の活性化は、内向きのイオン電流をもたらすだけでなく、細胞の透過化(permeabilization)をもたらす。第二に、3’−O−(4−ベンゾイル)ベンゾイルATP(BZATP)は、最も効果的なアゴニストであり、ATP自体はどちらかといえば効果が弱い。第三に、応答は細胞外マグネシウムイオンに強力に阻害され、そのことはATP−が活性のあるアゴニストであることを示すと解釈されている(非特許文献5)。
【0003】
P2X受容体ファミリーの7番目のメンバーがラットcDNAライブラリーから単離されており、ヒト胚腎臓(HEK293)細胞で発現させた場合、上記の3つの特性を示す(非特許文献6)。従ってこの受容体(rP2X)はP2Z受容体に相当する。rP2Xは構造的にはP2Xファミリーの他のメンバーに関連しているが、細胞質のC末端ドメインがさらに長い(対応する相同性領域中のアミノ酸同一性は35〜40%であるが、他の受容体の27〜20アミノ酸に比べてrP2X受容体のC末端は239アミノ酸長である)。rP2X受容体は、小さな陽イオンを透過させることのできるチャネルとして、また細胞溶解性の孔として機能する。ATPを短時間(1〜2秒)適用すると、他のP2X受容体の場合と同じように、一時的にチャネルが開かれる。アゴニストを繰り返しまたは長時間適用すると細胞の透過化が引き起こされ、この効果を可能にする細胞外マグネシウム濃度が減少する。rP2Xの特有のC末端ドメインは、細胞の透過化およびATPの溶解作用に必要である(非特許文献6)。
【0004】
P2Z/rP2X受容体は、細胞傷害性Tリンパ球による抗原提示細胞の溶解、ヒトTリンパ球の分裂刺激、ならびに多核巨細胞の形成に関係している(非特許文献7;非特許文献8;非特許文献9)。げっ歯類と人間との間にはある種の機能差が存在する(非特許文献10)。ヒトマクロファージP2X7受容体(P2X)は現在クローン化されており、その機能特性が決定されている(非特許文献11)。ラットP2X受容体と比較してより高いアゴニスト濃度を必要とするヒトP2X受容体において誘発された陽イオン選択性の電流は、細胞外マグネシウムイオンを除去することにより一層増強され、アゴニスト除去によって一層急速に修正された。キメラ分子の発現により、ラットとヒトのP2X受容体の間の差の一部は、受容体タンパク質のそれぞれのC末端ドメインを交換することにより修正され得ることが示された。
【0005】
ある種の化合物はP2Xアンタゴニストとして作用することが報告されている。例えば、特許文献1および特許文献2は、ある種のアダマンタン誘導体が慢性関節リウマチおよび乾癬の治療において治療効力を有するP2Xアンタゴニスト活性を示すことを開示している。同様に、特許文献3は、ある種の複素環式誘導体がP2X受容体アンタゴニストであり、免疫抑制剤として、また慢性関節リウマチ、喘息、敗血性ショックおよびアテローム性動脈硬化症の治療に有用であることを開示している。最後に、特許文献4は、免疫抑制活性を示すある種の置換フェニル化合物を開示している。本明細書に記載される全ての参照文献は、参照によりその全文を本明細書の一部とされる。
【特許文献1】国際公開第99/29660号パンフレット
【特許文献2】国際公開第99/29661号パンフレット
【特許文献3】国際公開第99/29686号パンフレット
【特許文献4】国際公開第00/71529号パンフレット
【非特許文献1】Buellら,Europ.J.Neurosci.,1996年,8,p.2221
【非特許文献2】Buismanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1988年,85,p.7988
【非特許文献3】Cockcroftら,Nature,1979年,279,p.541
【非特許文献4】Steinbergら,J.Biol.Chem.,1987年,262,p.3118
【非特許文献5】DiVirgilio,Immunol.Today,1995年,16,p.524
【非特許文献6】Surprenantら,Science,1996年,272,p.735
【非特許文献7】Blanchardら,Blood,1995年,85,p.3173
【非特許文献8】Falzoniら,J.Clin.Invest.,1995年,95,p.1207
【非特許文献9】Baricolrdiら,Blood,1996年,87,p.682
【非特許文献10】Hickmanら,Blood,1994年,84,p.2452
【非特許文献11】Rassendrenら,J.Biol.Chem.,1997年,272,p.5482
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに、異常な(aberrant)P2X活性が原因として関与している症状に取り組む、治療薬、および対応する医薬組成物ならびに関連する治療方法に対する必要性があり、本発明はその必要性の達成および履行に向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
式I〜IIIaのビシクロアリール誘導体、およびそれらの医薬組成物は、炎症介在症状、例えば、(限定されるものではないが)関節炎、心筋梗塞、疼痛症候群(急性および慢性[神経因性])の治療および予防、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、神経変性疾患、炎症性腸疾患および免疫機能障害、例えば、自己免疫疾患を含む、P2X受容体の異常な(abnormal or aberrant)活性に関連する哺乳類における症状の治療に有用な治療薬として開示される。
【0008】
さて、本ビシクロヘテロアリール化合物はP2X受容体の活性を調節することができることが見出された。この知見は治療的価値を有する新規な化合物につながる。また、それは本発明の化合物を有効成分として有する医薬組成物、および哺乳類における一連の症状、例えば、限定されるものではないが、様々な起源または病因の炎症、例えば慢性関節リウマチ、心血管疾患、炎症性腸疾患、急性疼痛、慢性疼痛、炎症性疼痛および神経障害性疼痛、歯痛および頭痛(片頭痛、クラスター頭痛および緊張型頭痛など)ならびに炎症または免疫機能障害が原因として関与しているその他の症状などの治療、予防または寛解のためのその使用につながる。
【0009】
また、本発明の化合物は、炎症性疼痛および関連する痛覚過敏症および異痛症の治療にも有用である。また、それらは神経障害性疼痛および関連する痛覚過敏症および異痛症(例えば三叉神経痛または帯状疱疹神経痛、糖尿病性神経障害、灼熱痛、交感神経依存性疼痛および求心路遮断症候群、例えば腕神経叢裂離)の治療にも有用である。また、本発明の化合物は、関節炎治療のための抗炎症薬として、さらにパーキンソン病、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、外傷性脳損傷、骨髄損傷、神経変性疾患、炎症性腸疾患および自己免疫疾患、腎障害、肥満症、摂食障害、癌、統合失調症、癲癇、睡眠障害、認知障害、鬱病、不安症、血圧、脂質障害、およびアテローム性動脈硬化症を治療するための薬剤としても有用である。
【0010】
一態様では、本発明はインビボでP2X受容体の活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物を提供する。さらなる態様において、本発明の化合物はP2X受容体の活性をアンタゴナイズする(抑制するまたは阻害する)ことができ、それによって異常なP2X活性が原因として関与しているものに代表される症状を治療することができる。
【0011】
従って、本発明の第1の態様において、式(I):
【0012】
【化3】

〔式中、
Aは、CR2’2”、CO、およびCSから選択され;
Bは、CR2’、CR2’2”、CO、およびCSから選択され;
Yは、独立してCR2’およびCR2’2”から選択され;
W、W’およびZは、独立して、CRおよびNから選択され(ただし、3つのW、W’およびZは全て同時にNではあり得ない);
Lは、所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されていてよい、C−Cアルキレン基、ヘテロアルキル、3員〜8員のシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキルであり;
nは、1、2または3であり;
は、3〜13員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール環系から選択され、それらは所望により、独立して、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、スルホ、スルファニル、スルフィニル、アミド、カルボキシ、エステル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、およびスルホンアミドから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
、R2’およびR2”の各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換C−Cアルキルから選択されるか;あるいは、R2’およびR2”のいずれかがともに結合して3〜7個の原子のシクロアルキルもしくはシクロへテロアルキル環を形成し;
は、水素または、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択される官能基であるか;あるいは、Rは、所望により、R基から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてよい、4員〜9員の炭素環または複素環であるか;あるいは基「R−L」はHであり;
は、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択され;
さらに、破線で示した結合は単結合または二重結合である〕を有する、インビボでP2X受容体の活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物;
またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;
ならびにその立体異性体および互変異性体が開示される。
【0013】
ある特定の実施形態では、Aは、COまたはCSである。
【0014】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、nは0である。
【0015】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、Lは結合であってよく、Rは、H、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、および置換ヘテロアリールオキシカルボニルから選択される。
【0016】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、Lは、Lであり;この際、Lは結合であるか、または、所望により、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基である。ある特定の実施形態では、AがCOまたはCSである場合、Lは結合またはC−Cアルキレン基である。
【0017】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、Lは、Lであり;この際、Lは結合、C−Cアルキレン基であり;Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ビシクロアリール、および置換もしくは非置換ビシクロヘテロアリールから選択される。ある特定の実施形態では、Rが水素である場合、Lは結合またはC−Cアルキレン基である。
【0018】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、AはCOであり;さらに、BおよびYは独立して、CR2aおよびCR2a2bから選択される。
【0019】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、AはCOであり;BおよびYはすべてCHを表し、Rは水素を表しうる。
【0020】
さらなる態様において、本発明は、本発明のビシクロヘテロアリール化合物、および医薬担体、賦形剤または希釈剤を含む医薬組成物を提供する。本発明のこの態様において、医薬組成物は、本明細書に記載される1以上の化合物を含んでよい。さらに、本明細書に開示される医薬組成物および治療法に有用な本発明の化合物は、調製および使用時に全て製薬上許容される。
【0021】
本発明のさらなる態様において、本発明は、本明細書に記載される症状、および特に、例えば炎症(慢性関節リウマチ、骨関節炎、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、外傷性脳損傷など);敗血性ショック、アテローム性動脈硬化症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性脊髄損傷、炎症性腸疾患および、自己免疫疾患を含む免疫機能障害に関連しうるような症状に感受性の高い、またはその症状に苦しむ哺乳類を治療する方法を提供し、その方法は、今説明した1以上の医薬組成物の有効量を投与する工程を含む。
【0022】
さらに別の治療態様の方法では、本発明は、異常なP2X受容体活性が原因として関与し、例えば疼痛反応を生じさせる、または知覚神経の基礎活性(basal activity)の維持の不均衡に関連する症状に感受性の高い、またはその症状に苦しむ哺乳類を治療する方法を提供する。本発明のアミン化合物は、様々な起源または病因の疼痛、例えば急性の炎症性疼痛(骨関節炎および慢性関節リウマチに関連する疼痛など);様々な神経障害性疼痛症候群(帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、糖尿病性神経障害、ギラン・バレー症候群、繊維筋痛症、幻肢痛、乳房切除後疼痛、末梢神経障害、HIV神経障害、ならびに化学療法起因性神経障害およびその他の医原性神経障害など);内臓痛(胃食道逆流症、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、膵炎、ならびに様々な婦人科疾患および泌尿器疾患に関連するものなど)、歯痛および頭痛(片頭痛、クラスター頭痛および緊張型頭痛など)の治療のための鎮痛薬として使用できる。
【0023】
さらなる治療態様の方法では、本発明は、異常なP2X受容体の活性が原因として関与している症状、例えば、例えばパーキンソン病、多発性硬化症を含む神経変性疾患および障害;神経炎症に媒介されるかまたは神経炎症の結果である疾患および障害(例えば、外傷性脳損傷および脳炎など);中枢に媒介される精神神経疾患および障害(例えば、躁鬱病、双極性疾患、不安症、統合失調症、摂食障害、睡眠障害および認知障害など);癲癇および発作性疾患;前立腺機能障害、膀胱機能障害および大腸機能障害(例えば、尿失禁、排尿困難、直腸過敏症、便失禁、良性前立腺肥大症および炎症性腸疾患など);呼吸器および気道の疾患および障害(例えば、アレルギー性鼻炎、喘息および反応性気道疾患および慢性閉塞性肺疾患など);炎症に媒介されるかまたは炎症の結果である疾患および障害(例えば、慢性関節リウマチおよび骨関節炎など)、心筋梗塞、様々な自己免疫疾患および障害、ブドウ膜炎およびアテローム性動脈硬化症;かゆみ/そう痒症(例えば、乾癬など);肥満症;脂質障害;癌;血圧;骨髄損傷;ならびに心血管疾患および腎障害などに感受性の高い、またはその症状に苦しむ哺乳類を治療する方法を提供し、該方法は、今説明した1以上の医薬組成物の、症状を治療するかまたは症状を予防するために有効な量を投与する工程を含む。
【0024】
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物を合成するための方法を提供し、代表的な合成プロトコールおよび経路は本明細書の後に開示される。
【0025】
従って、P2X受容体の活性を修飾することができ、従ってそれが原因として関与している可能性のある疾病を防ぐまたは治療することのできる、一連の新規な化合物を提供することが本発明の主な目的である。
【0026】
本発明のさらなる目的は、P2X受容体の活性化が原因として関与している可能性のある、同じ疾病または症状(疼痛および炎症など)を治療または緩和することのできる一連の化合物を提供することである。
【0027】
本発明のなおさらなる目的は、中枢神経系に関連する疾患、心血管系の症状、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性腸疾患、慢性関節リウマチ、骨関節炎、および炎症成分の存在するその他の疾患を含む、種々の疾病状態の治療または予防に効果的な医薬組成物を提供することである。
【0028】
その他の目的および利点は、次の詳細な説明を検討すれば当業者には明白となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
(発明の詳細な説明)
定義
化合物、かかる化合物を含有する医薬組成物、ならびにかかる化合物および組成物を使用する方法を説明する場合に、以下の用語は、特に断りのない限り、以下の意味を有する。また、本発明の範囲に一致する、本明細書に定義され、かつ/または以下に説明される任意の部分は種々の置換基で置換される可能性があること、および、それぞれの定義はそれらの範囲内のかかる置換された部分を包含することを意図することは当然理解されるべきである。限定されない例として、かかる置換基には、例えば、ハロ(フルオロ、クロロ、ブロモなど)、−CN、−CF、−OH、−OCF、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cアルコキシ、アリールおよびジ−C−Cアルキルアミノが含まれうる。
【0030】
「アシル」とは、ラジカル−C(O)Rをさし、この際、本明細書に定義されるように、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルである。代表的な例としては、限定されるものではないが、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルなどが挙げられる。
【0031】
「アシルアミノ」とは、ラジカル−NR’C(O)Rをさし、この際、本明細書に定義されるように、R’は水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、Rは水素、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。代表的な例としては、限定されるものではないが、 ホルミルアミノ、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルカルボニルアミノなどが挙げられる。
【0032】
「アシルオキシ」とは、Rが水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルである、基−OC(O)Rをさす。
【0033】
「置換アルケニル」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するアルケニル基をさす。
【0034】
「アルコキシ」とは、Rがアルキルである基−ORをさす。特定のアルコキシ基としては、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
【0035】
「置換アルコキシ」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するアルコキシ基をさす。
【0036】
「アルコキシカルボニルアミノ」とは、Rが水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルであり、R’がアルキルまたはシクロアルキルである、基−NRC(O)OR’をさす。
【0037】
「脂肪族」とは、構成する炭素原子の配置が直鎖状、分枝状または環状であり、芳香族不飽和が存在しないことを特徴とするヒドロカルビル有機化合物または基をさす。脂肪族としては、これに限定されないが、アルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニルおよびアルキニレンが挙げられる。脂肪族基は、一般に1または2〜約12個の炭素原子を有する。
【0038】
「アルキル」とは、特に約11個までの炭素原子を有する、さらに特に低級アルキルとして1〜8個の炭素原子、およびさらにより特に1〜6個の炭素原子を有する、一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基をさす。炭化水素鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。この用語は基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−オクチルなどにより例示される。用語「低級アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基をさす。また、用語「アルキル」には、下に定義されるように「シクロアルキル」が含まれる。
【0039】
「置換アルキル」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−、およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するアルキル基をさす。
【0040】
「アルキレン」とは、特に、直鎖であっても分枝鎖であってもよい約11個までの炭素原子、さらにより特に1〜6個の炭素原子を有する、二価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基をさす。この用語は基、例えばメチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン異性体(例えば、−CHCHCH−および−CH(CH)CH−)などにより例示される。
【0041】
「置換アルキレン」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するアルキレン基をさす。
【0042】
「アルケニル」とは、好ましくは、直鎖であっても分枝鎖であってもよい、約11個までの炭素原子、特に2〜8個の炭素原子、さらにより特に2〜6個の炭素原子を有し、オレフィン性不飽和の位置が少なくとも1つ、特に1〜2つである、一価のオレフィン性不飽和ヒドロカルビル基をさす。特定のアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH)、n−プロペニル(−CHCH=CH)、イソプロペニル(−C(CH)=CH)、ビニルおよび置換ビニルなどが挙げられる。
【0043】
「アルケニレン」とは、特に、直鎖であっても分枝鎖であってもよい、約11個までの炭素原子、さらにより特に2〜6個の炭素原子を有し、オレフィン性不飽和の位置が少なくとも1つ、特に1〜2つである、二価のオレフィン性不飽和のヒドロカルビル基をさす。この用語は基、例えばエテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH=CHCH−および−C(CH)=CH−および−CH=C(CH)−)などにより例示される。
【0044】
「アルキニル」とは、特に、直鎖であっても分枝鎖であってもよい、約11個までの炭素原子、さらにより特に2〜6個の炭素原子を有し、アルキニル不飽和の位置が少なくとも1つ、特に1〜2つである、アセチレン性不飽和ヒドロカルビル基をさす。アルキニル基の特定の限定されない例としては、アセチレン基、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CHC≡CH)などが挙げられる。
【0045】
「置換アルキニル」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するアルキニル基をさす。
【0046】
本明細書において、「アシル」を含み得る「アルカノイル」とは、上に定義されるように、Rが水素またはアルキルである基R−C(O)−をさす。
【0047】
「アリール」とは、親芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって得られる一価の芳香族炭化水素基をさす。典型的なアリール基としては、限定されるものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから得られる基が挙げられる。特に、アリール基は6〜14個の炭素原子を含む。
【0048】
「置換アリール」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、所望により、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルケニル、置換アルケニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、置換アルキル、アルキニル、置換アルキニル、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基で置換されていてもよいアリール基をさす。
【0049】
「縮環アリール」とは、その環炭素のうちの2個が第2のアリール環または脂肪族環と共通しているアリールをさす。
【0050】
「アルカリール」とは、上に定義される1以上のアルキル基で置換されている、上に定義されているアリール基をさす。
【0051】
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、上に定義される1以上のアリール基で置換されている、上に定義されているアルキル基をさす。
【0052】
「アリールオキシ」とは、「アリール」が上に定義される通りの−O−アリール基をさす。
【0053】
「アルキルアミノ」とは、R’が水素およびアルキルから選択される、基アルキル−NR’−をさす。
【0054】
「アリールアミノ」とは、R’が水素、アリールおよびヘテロアリールから選択される、基アリール−NR’−をさす。
【0055】
「アルコキシアミノ」とは、Rが本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキル基を表すラジカル−N(H)ORをさす。
【0056】
「アルコキシカルボニル」とは、アルコキシが本明細書に定義される通りであるラジカル−C(O)−アルコキシをさす。
【0057】
「アルキルアリールアミノ」とは、Rがアルキルまたはシクロアルキル基を表し、R’が本明細書に定義されるアリールであるラジカル−NRR’をさす。
【0058】
「アルキルスルホニル」とは、Rが本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキル基であるラジカル−S(O)Rをさす。代表的な例としては、限定されるものではないが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどが挙げられる。
【0059】
「アルキルスルフィニル」とは、Rが本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキル基であるラジカル−S(O)Rをさす。代表的な例としては、限定されるものではないが、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニルなどが挙げられる。
【0060】
「アルキルチオ」とは、Rが、所望により本明細書に定義されるように置換されていてよい、本明細書に定義されるアルキルまたはシクロアルキル基であるラジカル−SRをさす。代表的な例としては、限定されるものではないが、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどが挙げられる。
【0061】
「アミノ」とは、ラジカル−NHをさす。
【0062】
「置換アミノ」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、各Rが独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキルからなる群から選択され、両方のR基が結合してアルキレン基を形成している、基−N(R)をさす。両方のR基が水素である場合、−N(R)はアミノ基である。
【0063】
「アミノカルボニル」または「アミド」とは、各Rが独立して、水素、アルキル、アリールおよびシクロアルキルであるか、またはR基が結合してアルキレン基を形成している、基−C(O)NRRをさす。
【0064】
「アミノカルボニルアミノ」とは、各Rが独立して、水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルであるか、または2つのR基が結合してアルキレン基を形成している、基−NRC(O)NRRをさす。
【0065】
「アミノカルボニルオキシ」とは、各Rが独立して、水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルであるか、またはR基が結合してアルキレン基を形成している、基−OC(O)NRRをさす。
【0066】
「アリールアルキルオキシ」とは、アリールアルキルが本明細書に定義される通りである、−O−アリールアルキルラジカルをさす。
【0067】
「アリールアミノ」とは、Rが本明細書に定義されるアリール基を表す、ラジカル−NHRを意味する。
【0068】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリールが本明細書に定義される通りである、ラジカル−C(O)−O−アリールをさす。
【0069】
「アリールスルホニル」とは、Rが本明細書に定義されるアリールまたはヘテロアリール基である、ラジカル−S(O)Rをさす。
【0070】
「アジド」とは、ラジカル−Nをさす。
【0071】
「ビシクロアリール」とは、親ビシクロ芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって得られる一価の芳香族炭化水素基をさす。典型的なビシクロアリール基としては、限定されるものではないが、インダン、インデン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレンなどに由来する基が挙げられる。特に、アリール基は8〜11個の炭素原子を含む。
【0072】
「ビシクロヘテロアリール」とは、親ビシクロ複素芳香環系の単一の原子から1個の水素原子を除去することによって得られる一価のビシクロ複素芳香族基をさす。典型的なビシクロヘテロアリール基としては、限定されるものではないが、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、ベンズインダゾール、ベンズジオキサン、クロメン、クロマン、シンノリン、フタラジン、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフチリジン、ベンゾオキサジアゾール、プテリジン、プリン、ベンゾピラン、ベンゾピラジン(benzpyrazine)、ピリドピリミジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、ベンゾモルファン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリンなどに由来する基が挙げられる。好ましくは、ビシクロヘテロアリール基は9〜11員のビシクロヘテロアリールであり、5〜10員のヘテロアリールが特に好ましい。特定のビシクロヘテロアリール基は、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾールおよびベンズジオキサンに由来する。
【0073】
「カルバモイル」とは、各R基が、本明細書に定義されるように独立して、所望により本明細書に定義されるように置換されていてよい、水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールである、ラジカル−C(O)N(R)をさす。
【0074】
「カルボキシ」とは、ラジカル−C(O)OHをさす。
【0075】
「カルボキシアミノ」とは、ラジカル−N(H)C(O)OHをさす。
【0076】
「シクロアルキル」とは、3〜約10個の炭素原子を有し、単一個の環または複数個の縮合環(所望により1〜3のアルキル基で置換され得る縮合環系および架橋環系を含む)を有する、環式ヒドロカルビル基をさす。かかるシクロアルキル基としては、例として、単一の環構造、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなど、および複数の環構造、例えば、アダマンタニルなどが挙げられる。
【0077】
「置換シクロアルキル」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するシクロアルキル基をさす。
【0078】
「シクロアルコキシ」とは、Rがシクロアルキルである基−ORをさす。かかるシクロアルコキシ基としては、例として、シクロペントキシ、シクロヘキソキシなどが挙げられる。
【0079】
「シクロアルケニル」とは、3〜10個の炭素原子を有し、単一個の環または複数個の縮合環(縮合環系および架橋環系を含む)を有し、オレフィン性不飽和の位置が少なくとも1つ、特に1〜2つである、環式ヒドロカルビル基をさす。かかるシクロアルケニル基としては、例として、単一の環構造、例えば、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロプロペニルなどが挙げられる。
【0080】
「置換シクロアルケニル」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば、1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するシクロアルケニル基をさす。
【0081】
「縮環シクロアルケニル」とは、その環炭素原子のうちの2個が第2の脂肪族または芳香環と共通し、そのオレフィン性不飽和が芳香族性をシクロアルケニル環に付与するように位置しているシクロアルケニルをさす。
【0082】
「シアナト」とは、ラジカル−OCNをさす。
【0083】
「シアノ」とは、ラジカル−CNをさす。
【0084】
「ジアルキルアミノ」とは、RおよびR’が独立して、本明細書に定義されるアルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアリール、または置換ヘテロアリール基を表す、ラジカル−NRR’を意味する。
【0085】
「エテニル」とは、置換もしくは非置換−(C=C)−をさす。
【0086】
「エチレン」とは、置換もしくは非置換−(C−C)−をさす。
【0087】
「エチニル」とは、−(C≡C)−をさす。
【0088】
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをさす。好ましいハロ基はフルオロかまたはクロロである。
【0089】
「ヒドロキシ」とは、ラジカル−OHをさす。
【0090】
「ニトロ」とは、ラジカル−NOをさす。
【0091】
「置換」とは、1以上の水素原子が各々独立して、同一または異なる置換基(1個または複数個)で置換されている基をさす。典型的な置換基としては、限定されるものではないが、−X、−R14、−O、=O、−OR14、−SR14、−S−、=S、−NR1415、=NR14、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1415および−C(NR16)NR1415が挙げられ、この際、各Xは、独立して、ハロゲンであり;各R14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アルキル、アリールアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、−NR1819、−C(O)R18または−S(O)18であるか、または所望によりR18およびR19はそれら両方が結合している原子とともにシクロヘテロアルキルまたは置換シクロヘテロアルキル環を形成し;かつ、R18およびR19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アルキル、アリールアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換アルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換アルキル、シクロヘテロアリール、置換シクロヘテロアリール、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換へテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換へテロアリールアルキルである。
【0092】
代表的な置換アリールの例としては次式
【0093】
【化11】

が挙げられる。
【0094】
これらの式において、R6’およびR7’のうちの1つは水素であってよく、R6’およびR7’のうちの少なくとも1つは、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロヘテロアルキル、アルカノイル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、NR10COR11、NR10SOR11、NR10SO14、COOアルキル、COOアリール、CONR1011、CONR10OR11、NR1011、SONR1011、S−アルキル、S−アルキル、SOアルキル、SOアルキル、Sアリール、SOアリール、SOアリールから選択されるか;あるいはR6’およびR7’は結合して、所望により基N、OまたはSから選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜8原子の(飽和もしくは不飽和)環を形成し得る。R10、R11、およびR12は独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、パーフルオロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換アルキルまたはヘテロアルキルなどである。
【0095】
「ヘテロ」とは、化合物または化合物上に存在する基を説明するために用いられる場合、化合物または基の1以上の炭素原子が窒素、酸素、または硫黄のヘテロ原子で置換されていることを意味する。ヘテロは、1〜5個、特に1〜3個のヘテロ原子を有する、上記の任意のヒドロカルビル基、例えば、アルキル(例えばヘテロアルキル)、シクロアルキル(例えばシクロヘテロアルキル)、アリール(例えばヘテロアリール)、シクロアルケニル、シクロヘテロアルケニルなどに適用されうる。
【0096】
「ヘテロアリール」とは、親複素芳香環系の単一の原子から1個の水素原子を除去することによって得られる一価の複素芳香族基をさす。典型的なヘテロアリール基としては、限定されるものではないが、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、テトラヒドロキノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどに由来する基が挙げられる。特に、ヘテロアリールは、その他の飽和環系を含むことができ、それゆえに、インドリン、インドリジン、テトラヒドロキノリン、およびテトラヒドロイソキノリンに由来し得る。好ましくは、ヘテロアリール基は、5〜20員のヘテロアリールであり、5〜10員のヘテロアリールが特に好ましい。特定のヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、イミダゾール、オキサゾールおよびピラジンに由来するものである。
【0097】
代表的なヘテロアリールの例としては次式
【0098】
【化12−1】

〔式中、各Yは、カルボニル、N、NR、O、およびSから選択され、この際のRは本明細書に定義される通りである〕が挙げられる。
【0099】
代表的なシクロヘテロアルキルの例としては次式
【0100】
【化12−2】

〔式中、各Xは、CR、NR、OおよびSから選択され;各Yは、NR、OおよびSから選択され、この際のR6’はRであり、RおよびRは本明細書に定義される通りである〕が挙げられる。
【0101】
代表的なシクロヘテロアルケニルの例としては次式
【0102】
【化12−3】

〔式中、各Xは、CR、NR、OおよびSから選択され;各Yは、カルボニル、N、NR、OおよびSから選択され、この際のRは本明細書に定義される通りである〕が挙げられる。
【0103】
代表的な置換を含むヘテロ原子を有するアリールの例としては次式
【0104】
【化12−4】

〔式中、各Xは、C−R、CR、NR、OおよびSから選択され;各Yは、カルボニル、NR、OおよびSから選択され、この際のRは本明細書に定義される通りである〕が挙げられる。
【0105】
「ヘテロ置換基」とは、本発明の化合物のWまたはZに直接置換基として存在するCR基のRとして存在しうるか、または化合物中に存在する「置換」アリール、ヘテロアリールおよび脂肪族基の置換基として存在しうる、ハロ、O、SまたはN原子を含有する官能基をさす。
ヘテロ置換基の例としては:
−ハロ、
−NO、−NH、−NHR、−N(R)
−NRCOR、−NRSOR、−NRSOR、OH、CN、COR、
−COH、
−O−R、
−CON(R)、−CONROR、
−SOH、−S−R、−SON(R)
−S(O)R、および−S(O)R、
〔式中、各Rは、独立して、所望により置換を含むアリールまたは脂肪族化合物である〕。 R基を含有するヘテロ置換基の中で、選好されるものは本明細書に定義されるアリールおよびアルキルR基を有する物質である。実現可能な場合、各Rには水素が含まれうる。また、実現可能な場合、同じ原子上にある場合、2個のR基は結合して3〜8原子の複素環式環を形成しうる。例えば、NR、SONR、およびCONRの2個のR基はN原子とともに結合して、N−モルホリノ、N−ピロロ、N−ピペリジノ、およびN−ピラゾリロ(pyrazolylo)環を形成しうる。好ましいヘテロ置換基は、上に掲載されているものである。
【0106】
本明細書において、用語「シクロヘテロアルキル」とは、N、OおよびSから独立に選択される1個以上のヘテロ原子を含有する安定な複素環式非芳香環および縮合環をさす。縮合複素環には炭素環が含まれてよく、1個の複素環のみを含む必要がある。複素環の例としては、限定されるものではないが、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルが挙げられ、以下の説明図による例:
【0107】
【化13】

に示され、所望により、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1以上の基で置換される。置換する基には、例えば、ラクタムおよび尿素誘導体をもたらすカルボニルまたはチオカルボニルが含まれる。例中、Mは、CR、NR、O、またはSであり;QはO、NRまたはSであり、この際のRは本明細書に定義される通りである。RおよびRは、独立して、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される。
【0108】
「ジヒドロキシホスホリル」とは、ラジカル−PO(OH)をさす。
【0109】
「置換ジヒドロキシホスホリル」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特にヒドロキシル基の1つまたは両方が置換されているジヒドロキシホスホリルラジカルをさす。適した置換基は、下に詳細に記載されている。
【0110】
「アミノヒドロキシホスホリル」とは、ラジカル−PO(OH)NHをさす。
【0111】
「置換アミノヒドロキシホスホリル」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アミノ基が1または2つの置換基で置換されているアミノヒドロキシホスホリルをさす。適した置換基は、下に詳細に記載されている。ある実施形態では、ヒドロキシル基も置換され得る。
【0112】
「チオアルコキシ」とは、Rがアルキルである基−SRをさす。
【0113】
「置換チオアルコキシ」には、本明細書中の「置換」の定義に列挙される基が含まれ、特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群から選択される1またはそれ以上の置換基、例えば、1〜5個の置換基、および特に1〜3個の置換基を有するチオアルコキシ基をさす。
【0114】
「スルファニル」とは、ラジカルHS−をさす。「置換スルファニル」とは、Rが本明細書に記載される任意の置換基であるRS−などのラジカルをさす。
【0115】
「スルホニル」とは、二価のラジカル−S(O)−をさす。「置換スルホニル」とは、ラジカル、例えば、Rが本明細書に記載される任意の置換基であるS(O)−Rをさす。「アミノスルホニル」または「スルホンアミド」とは、ラジカルHN(O)S−をさし、「置換アミノスルホニル」「置換スルホンアミド」とは、各Rが独立して、本明細書に記載される任意の置換基であるRN(O)S−などのラジカルをさす。
【0116】
「スルホキシド」とは、二価のラジカル−S(O)−をさす。「置換スルホキシド」とは、Rが本明細書に記載される任意の置換基であるS(O)−Rなどのラジカルをさす。
【0117】
「スルホン」とは、基−SORをさす。特定の実施形態では、Rは、H、低級アルキル、アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。
【0118】
「チオアリールオキシ」とは、Rがアリールである基−SRをさす。
【0119】
「チオケト」とは、基=Sをさす。
【0120】
「チオール」とは、基−SHをさす。
【0121】
有機合成の技術分野の当業者であれば、安定な、化学的に実現可能な複素環中のヘテロ原子の最大数が、それが芳香族であろうと非芳香族であろうと、環のサイズ、不飽和の程度およびヘテロ原子の原子価によって決定されることを認識するであろう。一般に、1つの複素環は、複素芳香環が化学的に実現可能でありかつ安定である限り、1〜4個のヘテロ原子を含みうる。
【0122】
「製薬上許容される」とは、動物、およびより特にヒトにおける使用のため、連邦政府または州政府の監督官庁により認可されたか、あるいは米国薬局方またはその他の一般的に認められた薬局方に記載されていることを意味する。
【0123】
「製薬上許容される塩」とは、製薬上許容され、親化合物の所望の薬理活性を保有する、本発明の化合物の塩をさす。かかる塩としては:(1)酸付加塩(無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などとともに形成されるもの;または有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプタン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などとともに形成されるもの);あるいは(2)親化合物中に存在する酸性のプロトンが、金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、またはアルミニウムイオンに置換される場合か;あるいは、有機塩基、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどと配位結合する場合に形成される塩が挙げられる。さらに塩としては、例のみとして、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;さらに、化合物に塩基性の官能基が含まれる場合、無毒の有機酸もしくは無機酸の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシレート、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などが挙げられる。用語「製薬上許容される陽イオン」とは、酸性の官能基の無毒の、許容される陽イオン性対イオンをさす。かかる陽イオンは、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム陽イオンなどにより例証される。
【0124】
「製薬上許容されるビヒクル」とは、本発明の化合物とともに投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤または担体をさす。
【0125】
「予防すること」または「予防」とは、疾病または疾患を獲得する(すなわち、疾病に曝されているかまたは疾病に罹りやすい可能性があるがまだ疾病の症状を経験または示していない被検体において発症していない疾病の臨床症状のうち少なくとも1つを引き起こすこと)するリスクを低下させることをさす。
【0126】
「プロドラッグ」とは、切断可能な基を有し、可溶媒分解によるかまたは生理的条件下で、インビボで医薬活性のある本発明の化合物となる、本発明の化合物の誘導体を含む化合物をさす。かかる例としては、限定されるものではないが、コリンエステル誘導体およびその他同種類のもの、N−アルキルモルホリンエステルおよびその他同種類のものが挙げられる。
【0127】
「溶媒和物」とは、通常、可溶媒分解反応により溶媒と会合する化合物の形態をさす。従来の溶媒としては水、エタノール、酢酸などが挙げられる。本発明の化合物は、例えば結晶形態で調製されてよく、溶媒和されるかまたは水和されてよい。適した溶媒和物としては、水和物など製薬上許容される溶媒和物が挙げられ、さらに化学量論的な溶媒和物と非化学量論的な溶媒和物の両方が挙げられる。
【0128】
「被験体」にはヒトが含まれる。用語「ヒト」、「患者」および「被験体」は本明細書において同義的に用いられる。
【0129】
「治療上有効な量」とは、疾病を治療するために被験体に投与された場合、かかる疾病の治療をもたらすために十分な化合物の量を意味する。「治療上有効な量」は、化合物、疾病およびその重篤度、ならびに治療される被験体の年齢、体重などによって変動し得る。
【0130】
任意の疾病または疾患について「治療すること」または「治療」とは、一実施形態では、疾病または疾患を寛解させること(すなわち、疾病またはその少なくとも1つの臨床症状の発症を抑止することまたは減少させること)をさす。もう1つの実施形態では、「治療すること」または「治療」とは、被験体によって認識できない可能性のある少なくとも1つの物理的パラメータを寛解させることをさす。さらに別の実施形態では、「治療すること」または「治療」とは、疾病または疾患を、物理的に、(例えば、認識できる症状の安定化)、生理学的に、(例えば、物理的パラメータの安定化)、あるいはその両方で調節することをさす。さらに別の実施形態では、「治療すること」または「治療」とは、疾病または疾患の発症を遅延させること、あるいはさらにこれを予防することをさす。
【0131】
また、当然のことながら、同じ分子式を有するが、それらの原子の結合の性質または配列あるいは空間でのそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と称されることが理解される。空間でのそれらの原子の配置の異なる異性体は「立体異性体」と称される。
【0132】
相互に鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と称され、相互に重ね合わせることのできない鏡像は「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、化合物が4つの異なる基と結合している場合、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置により特徴付けることができ、CahnおよびPrelogのR−およびS−順位規則により記載されるか、または分子が偏光面を回転させる方法により、右旋性または左旋性として(すなわち、それぞれ(+)異性体または(−)−異性体として)指定される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとして、またはその混合物として存在し得る。等しい割合のエナンチオマーを含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0133】
「互変異性体」とは、特定の化合物構造の互換的な形態であって、水素原子および電子の置換の点で異なる化合物をさす。従って、2つの構造はπ電子および1つの原子(通常H)の動きによって平衡状態にありうる。例えば、エノールとケトンは、それらが酸かまたは塩基での処理によって迅速に相互転換するために、互変異性体である。互変異性の別の例は、同様に酸かまたは塩基での処理によって形成されるフェニルニトロメタンのaci−およびニトロ−形態である。代表的なエノール−ケト構造および平衡を下に図解する。
【0134】
【化16】

互変異性型は、関心対象の化合物の最適な化学反応性および生物活性の獲得に関連しうる。
【0135】
本発明の化合物は1以上の不斉中心を有しうる;かかる化合物は、それゆえに、個々の(R)−または(S)−立体異性体として、またはその混合物として作製され得る。別に示されていなければ、本明細書および請求項中の特定の化合物の記載または命名は、個々のエナンチオマーと、その混合物、ラセミまたは別の化合物の両方を含むものとする。立体化学の決定および立体異性体の分離のための方法は、当技術分野で周知である。
【0136】
化合物
本発明は、哺乳類におけるP2X受容体の活性の異常に関連する幅広い症状、中でも、慢性関節リウマチ、パーキンソン病、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞などの心血管系症状、疼痛症候群(急性および慢性または神経因性)の治療および予防、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、神経変性疾患、炎症性腸疾患ならびに自己免疫疾患もしくは症状などの免疫機能障害を予防および/または治療するために有用なビシクロヘテロアリール化合物を提供する。
【0137】
本発明の第1の態様では、
式(I):
【0138】
【化17】

〔式中、
Aは、CR2’2”、CO、およびCSから選択され;
Bは、CR2’、CR2’2”、CO、およびCSから選択され;
Yは、独立してCR2’およびCR2’2”から選択され;
W、W’およびZは、独立して、CRおよびNから選択され(ただし、3つのW、W’およびZは全て同時にNではあり得ない);
Lは、所望によりヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されていてよい、C−Cアルキレン基、ヘテロアルキル、3員〜8員のシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキル基であり;
nは、1、2または3であり;
は、3〜13員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール環系から選択され、それらは所望により、独立して、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、スルホ、スルファニル、スルフィニル、アミド、カルボキシ、エステル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、およびスルホンアミドから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
、R2’およびR2”の各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換C−Cアルキルから選択されるか;あるいは、R2’およびR2”のいずれかがともに結合して3〜8個の原子のシクロアルキルもしくはシクロへテロアルキル環を形成し;
は、水素または、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択される官能基であるか;あるいは、Rは、所望により、R基から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてよい、4員〜9員の炭素環または複素環であるか;あるいは基「R−L」はHであり;
は、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択され;さらに、破線で示した結合は単結合または二重結合である〕を有する、インビボでP2X受容体の活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物;
またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;
ならびにその立体異性体および互変異性体が開示される。
【0139】
ある特定の実施形態では、Aは、COまたはCSである。
【0140】
式Iの化合物に関するさらなる実施形態では、nは0であってよい。
【0141】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、Lは結合であってよく、Rは、H、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、および置換ヘテロアリールオキシカルボニルから選択される。
【0142】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、Lは、Lであり;この際、Lは結合であるか、または、所望により、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基である。ある特定の実施形態では、AがCOまたはCSである場合、Lは結合またはC−Cアルキレン基である。
【0143】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、Lは、Lであり;この際、Lは結合、C−Cアルキレン基であり;Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ビシクロアリール、および置換もしくは非置換ビシクロヘテロアリールから選択される。ある特定の実施形態では、Rが水素である場合、Lは結合またはC−Cアルキレン基である。
【0144】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、AはCOであり;さらに、BおよびYは独立に、CR2aおよびCR2a2bから選択される。
【0145】
さらなる実施形態では、式Iの化合物に関して、AはCOであり;BおよびYはすべてCHを表し、Rは水素を表しうる。
【0146】
別の態様では、本発明は、ビシクロヘテロアリール化合物を提供し、式II:
【0147】
【化18】

〔式中、
AはCOであり;
BおよびYは、独立してCR2aおよびCR2a2bから選択され;
W、W’およびZは、独立してCRおよびNから選択され(ただし、3つのW、W’およびZは全て同時にNではあり得ない);
は、結合であるか、あるいは所望により、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基であり;
nは、0、1、2または3であり;
は、3〜13員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール環系から選択され、それらは所望により、独立して、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、スルホ、スルファニル、スルフィニル、アミド、カルボキシ、エステル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、およびスルホンアミドから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
2a、R2b、R2’およびR2”の各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換C−Cアルキルから選択されるか;あるいは、R2’およびR2”のいずれかがともに結合して3〜7個の原子のシクロアルキルもしくはシクロへテロアルキル環を形成し;
は、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ビシクロアリール、および置換もしくは非置換ビシクロヘテロアリールから選択され;Lが結合である場合、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルであり;
は、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択され;さらに、破線で示した結合は単結合または二重結合である〕を有する、インビボでP2X受容体の活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物;
またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;
ならびにその立体異性体および互変異性体が開示される。
【0148】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物に関して、Lは結合であり、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルである。
【0149】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物に関して、LはC−Cアルケニル基であり、Rは水素である。
【0150】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物に関して、Lはビニル基であり、Rは水素である。
【0151】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物に関して、Rが水素である場合、Lは結合またはC−Cアルキレン基である。
【0152】
さらなる実施形態では、式IIの化合物に関して、AはCOであり;BおよびYはすべてCR2a2bを表し、破線で示した結合は一重結合である。
【0153】
さらなる実施形態では、式IIの化合物に関して、AはCOであり;BおよびYはすべてCR2aを表し、破線で示した結合は二重結合である。
【0154】
さらなる実施形態では、式IIの化合物に関して、AはCOであり;BおよびYはすべてCHを表し、破線で示した結合は一重結合である。
【0155】
さらなる実施形態では、式IIの化合物に関して、AはCOであり;BおよびYは各々CHを表し、破線で示した結合は二重結合である。
【0156】
一実施形態では、式IIの化合物に関して、W’はNである。
【0157】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、W’CRである。
【0158】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、W’はCR4’であり、R4’は、水素、ハロ、アルコキシ、アルキル、およびジアルキルアミノから選択される。
【0159】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、
【0160】
【化20−1】

基のR2’およびR2”の各々はHである。
【0161】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、
【0162】
【化20−2】

の基のR2’およびR2”のうちの1つはMeであり、もう1つはHである。
【0163】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、
【0164】
【化20−3】

の基のR2’およびR2”の各々はMeである。
【0165】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、nは0または1である。ある特定の実施形態では、nは0である。さらに別の特定の実施形態では、nは1である。
【0166】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、
【0167】
【化20−4】

の基は、置換もしくは非置換アダマンタンから選択される。
【0168】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、
【0169】
【化20−5】

の基は、
【0170】
【化20−6】

であり、式中のR、RおよびRは独立して、H、ハロ、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アリールおよび置換アリールから選択される。
【0171】
もう1つの実施形態では、式IIの化合物に関して、
【0172】
【化20−7】

の基は、先行する段落に記載される通りであり、R、RおよびRは独立してHおよびMeから選択される。ある特定の実施形態では、R、RおよびRの各々はHである。
【0173】
別の態様では、本発明は、ビシクロヘテロアリール化合物を提供し、式(IIIまたはIV):
【0174】
【化21−1】

〔式中、L、R、W、Z、W’およびnは式IIに説明される通りであり;R、RおよびRは独立してH、ハロ、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アリールおよび置換アリールから選択される〕
を有する、インビボでP2X受容体の活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物が開示される。
【0175】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、W、W’およびZの各々は独立して、CRである。
【0176】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、W、W’およびZの各々は独立して、CHである。
【0177】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、W’はC−Meであり、WおよびZは両方ともにCHである。
【0178】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、W’はNであり、WおよびZは両方ともにCRである。
【0179】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、W’はNであり、WおよびZは両方ともにCHである。
【0180】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、ZはCRであり、WおよびW’は両方ともにNである。
【0181】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、ZはCHであり、WおよびW’は両方ともにNである。
【0182】
一実施形態では、式II〜IVの化合物に関して、ZはNであり、WおよびW’は両方ともにCRである。
【0183】
別の態様では、本発明は、ビシクロヘテロアリール化合物を提供し、式(VまたはVI):
【0184】
【化21−2】

〔式中、L、R、およびnは式IIに説明される通りであり;R、RおよびRは独立してH、ハロ、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アリールおよび置換アリールから選択される〕
有する、インビボでP2X受容体の活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物が開示される。
【0185】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、nは0である。
【0186】
もう1つの実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、nは1である。
【0187】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、R、RおよびRの各々はHである。
【0188】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、R、RおよびRの各々はMeである。
【0189】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、R、RおよびRのうちの1つはR、RおよびRのうちの1つはハロであり、残りはHである。
【0190】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、R、RおよびRのうちの1つはフルオロであり、残りはHである。
【0191】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、R、RおよびRのうちの1つは OHであり、残りはHである。
【0192】
もう1つの実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、R、RおよびRのうちの2つはMeである。
【0193】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、Lは結合であり、RはHである。
【0194】
もう1つの実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、Lは、所望によりアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基であり;RはHである。
【0195】
もう1つの実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、Lは、所望によりアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基である。
【0196】
さらに式II〜VIの化合物に従って、Lは、置換もしくは非置換C−Cアルキレン基であってよく、特に、CH、−(CH−、−(CH−、または−(CH−であってよい。
【0197】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、Rは置換もしくは非置換アルキルである。
【0198】
ある特定の実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、Rは置換アルキルであり;アルキルの置換は、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、およびアリールオキシから選択される。別の特定の実施形態では、アルキルの置換は、Ph、Cl、F、Br、CN、OH、OMe、OPh、CF、CHF、OCF、t−Bu、SMe、SOMe、SOMe、SOH、SOMe、ピリジル、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される。
【0199】
なおさらに本発明に従って、また式II〜VIの化合物に関して、存在する場合、−L−Rは、H、Me、Et、ベンジル、−(CH−OH、−(CH−NHMe、−(CH−OH、−(CH−CH(OH)−CHOH、−(CH−COH、−(CH−NHEt、−(CH−NHEt、−(CH−NH−(CHOH、−(CH−NH−(CHOH、−(CH−NH、−(CH−NHCONHSOMe、−(CH−NH−(CH−Me、または−(CHCOHから選択されてよい。
【0200】
一実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、LはC−Cアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換アリールである。
【0201】
ある特定の実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、LはC−Cアルキレン基であり、Rは、
【0202】
【化22】

であり、式中、n’は、1〜5から選択され、各R4’は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択される。
【0203】
ある特定の実施形態では、n’は1、2または3である。別の特定の実施形態では、n’は1または2である。さらに別の特定の実施形態では、n’は1である。
【0204】
ある特定の実施形態では、各R4’は、独立して、Me、Et、Ph、Cl、F、Br、CN、OH、OMe、OPh、COPh、CF、CHF、OCF、t−Bu、SMe、CH=CH−COH、SOMe、SOMe、SOH、SOMe、およびピリジルから選択される。
【0205】
ある特定の実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、LはC−Cアルキレン基であり、Rは置換もしくは非置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ビシクロアリールまたはビシクロヘテロアリールである。別の特定の実施形態では、置換は、Me、Et、Ph、Cl、F、Br、CN、OH、OMe、OPh、COPh、CF、CHF、OCF、t−Bu、SMe、CH=CH−COH、SOMe、SOMe、SOH、およびSOMeから選択される。
【0206】
ある特定の実施形態では、式II〜VIの化合物に関して、LはC−Cアルキレン基であり、Rは、置換もしくは非置換ナフタレン、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キノリン、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサジニル、またはベンゾジオキサニルである。 別の特定の実施形態では、置換は、Me、Et、Ph、Cl、F、Br、CN、OH、OMe、OPh、COPh、CF、CHF、OCF、t−Bu、SMe、CH=CH−COH、SOMe、SOMe、SOH、およびSOMeから選択される。
【0207】
上記の実施形態に関して、RがHであり、R4’がClであることが好適とされる。
【0208】
特定の態様では、本発明は、上式に従う化合物のプロドラッグおよび誘導体を提供する。プロドラッグは本発明の化合物の誘導体であり、代謝的に切断可能な基を有し、可溶媒分解によるかまたは生理的条件下で、インビボで医薬活性のある本発明の化合物となる。かかる例としては、限定されるものではないが、コリンエステル誘導体およびその他同種類のもの、N−アルキルモルホリンエステルおよびその他同種類のものが挙げられる。
【0209】
本発明の化合物のその他の誘導体は、それらの酸形態および酸誘導体形態の両方において活性を有するが、哺乳類生物においては酸感受性形態が溶解度、組織適合性、または遅延放出という利点を提供することが多い(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7−9, 21−24, Elsevier, Amsterdam 1985参照)。プロドラッグには当業者に周知の酸誘導体、例えば、親酸と適したアルコールとの反応により調製されたエステル、または親酸化合物と置換もしくは非置換アミンとの反応により調製されたアミド、あるいは酸無水物、あるいは混合無水物などが含まれる。本発明の化合物にペンダントした酸性基に由来する、単純な脂肪族もしくは芳香族エステル、アミドおよび無水物が好ましいプロドラッグである。場合によっては、二重エステル型プロドラッグ、例えば、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。好ましいものは、本発明の化合物のC−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、C−C12置換アリール、およびC−C12アリールアルキルエステルである。
【0210】
(医薬組成物)
医薬品として用いられる場合、本発明の化合物は一般に医薬組成物の形態で投与される。かかる組成物は製薬技術において周知の方法で調製されてよく、少なくとも1種類の活性のある化合物を含む。
【0211】
一般に、本発明の化合物は薬剤的に効果的な量で投与される。実際に投与される化合物の量は、一般に、治療される症状、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重篤度などを含む、関連する状況に照らして医師により投与される。
【0212】
本発明の医薬組成物は、経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含む種々の経路により投与されてよい。意図される送達経路に応じて、本発明の化合物は、注射可能物質または経口組成物として処方されるか、あるいはすべて経皮投与のための軟膏、ローション剤またはパッチとして処方されることが好ましい。
【0213】
経口投与のための組成物は、バルク溶液もしくは懸濁液、またはバルク粉末の形態をとり得る。しかし、より一般には、組成物は正確な投薬を容易にするために単位投与形で提示される。用語「単位投与形」とは、ヒト被験体およびその他の哺乳類への単一の投薬量として適した物理的に別個の単位をさし、各単位は所望の治療効果を生むよう計算された所定量の活性物質を適した医薬賦形剤と併せて含有する。典型的な単位投与形としては、液体組成物の充填済み、測定済みアンプルもしくはシリンジ、あるいは固体組成物の場合には丸剤、錠剤、カプセル剤などが挙げられる。かかる組成物において、フランスルホン酸化合物は通常微量成分であり(約0.1〜約50重量%であるか、または好ましくは約1〜約40重量%)、残余分は様々なビヒクルもしくは担体および所望の投薬形態の形成に役立つ加工助剤である。
【0214】
経口投与に適した液体形態は、適した水性もしくは非水性ビヒクルを、バッファー、懸濁剤および分散剤、着色剤、香料などとともに含んでよい。固体形態は、例えば、以下の成分:結合剤、(微晶質セルロース、トラガカントガムもしくはゼラチンなど);賦形剤(デンプンもしくはラクトースなど)、崩壊剤(アルギン酸、Primogel、もしくはコーンスターチなど);滑沢剤(ステアリン酸マグネシウムなど);磨砕剤(コロイド状二酸化ケイ素など);甘味料(スクロースもしくはサッカリンなど);または香味料(ペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジ風味の香味料)のいずれか、あるいは類似する性質の化合物を含んでよい。
【0215】
注射用組成物は、一般に、注射用滅菌生理食塩水もしくはリン酸緩衝生理食塩水または当技術分野で公知のその他の注射用担体に基づいている。既に述べたように、かかる組成物中の活性化合物は、一般に微量成分であって、多くの場合約0.05〜10重量%であり、残余分は注射用担体などである。
【0216】
経皮用組成物は、一般に約0.01〜約20重量%、好ましくは約0.1〜約20重量%、好ましくは約0.1〜約10重量%、およびより好ましくは約0.5〜約15重量%の範囲の量で、一般に、有効成分(1または複数種類)を含有する局所用軟膏またはクリームとして処方される。軟膏として処方される場合、有効成分は、一般にパラフィン性かまたは水混和性の軟膏基剤と組み合わされる。あるいは、有効成分をクリーム、例えば水中油型クリーム基剤に処方してもよい。かかる経皮製剤は当技術分野で周知であり、一般に、有効成分または製剤の皮膚浸透の安定性を高めるためにさらなる成分を含む。かかる既知の経皮製剤および成分は全て本発明の範囲内に含まれる。
【0217】
また、本発明の化合物は、経皮的装置によって投与することもできる。従って、経皮投与はリザーバー型または多孔質膜型のいずれかのパッチ、あるいは固体マトリックス種のパッチを用いて達成され得る。
【0218】
上記の、経口投与可能な注射用または局所投与可能な組成物の成分は、単なる代表である。その他の物質ならびに加工技術およびその他同種類のものが、参照により本明細書の一部とされる、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th edition, 1985, Mack Publishing Company, Easton, Pa.,の第8部に説明されている。
【0219】
また、本発明の化合物は、徐放形態で投与され得るか、または徐放性の薬物送達システムから投与され得る。代表的な徐放性材料の説明は、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに見出すことができる。
【0220】
以下の処方例は、本発明の代表的な医薬組成物を説明する。しかし、本発明は、以下の医薬組成物に限定されない。
【0221】
(処方1−錠剤)
本発明の化合物を乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおおよそ1:2の重量比で混合する。微量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加する。打錠機で混合物を240〜270mgの錠剤(1錠あたり活性アミド化合物80〜90mg)に形成する。
【0222】
(処方2−カプセル剤)
本発明の化合物を乾燥粉末としてデンプン希釈剤とおおよそ1:1の重量比で混合する。混合物を充填して250mgのカプセル剤(1錠あたり活性アミド化合物125mg)とする。
【0223】
(処方3−液体)
本発明の化合物(125mg)、スクロース(1.75g)およびキサンタンガム(4mg)をブレンドし、10番メッシュのU.S.シーブに通し、次に、事前に作った微晶質セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89、50mg)の水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム(10mg)、香料、および着色料を水に希釈し、攪拌しながら添加する。次に、十分な水を添加して全量5mLとする。
【0224】
(処方4−錠剤)
本発明の化合物を乾燥粉末として乾燥ゼラチン結合剤とおよそ1:2の重量比で混合する。微量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として添加する。打錠機で混合物を450〜900mgの錠剤(活性アミド化合物150〜300mg)に形成する。
【0225】
(処方5−注射)
本発明の化合物を緩衝滅菌生理食塩水の注射用水性媒体に溶解するか懸濁しておよそ5mg/mlの濃度とする。
【0226】
(処方6−局所)
ステアリルアルコール(250g)および白色ワセリン(250g)を約75℃で融かし、次に、水(約370g)に溶解した本発明の化合物(50g)メチルパラベン(0.25g)、プロピルパラベン(0.15g)、ラウリル硫酸ナトリウム(10g)、およびプロピレングリコール(120g)の混合物を添加し、得られる混合物を凝固するまで攪拌する。
【0227】
(治療方法)
本化合物は、P2X受容体の異常な活性が原因として関連する、またはP2X受容体の異常な活性に起因する哺乳類の症状の治療のための治療薬として使用される。従って、本発明の化合物および医薬組成物は、ヒトを含む哺乳類において、自己免疫症状、炎症症状および心血管系症状を予防および/または治療するための治療薬としての用途が見出される。
【0228】
一治療態様の方法では、本発明は、関節炎、ブドウ膜炎、喘息、心筋梗塞、外傷性脳損傷、急性脊髄損傷、炎症性腸疾患および自己免疫疾患に関連する症状に感受性の高い、またはその症状に苦しむ哺乳類を治療する方法を提供し、該方法は今説明した1以上の医薬組成物の有効量を投与する工程を含む。
【0229】
さらに別の治療態様の方法では、本発明は、疼痛反応を生じさせる、または知覚神経の基礎活性の維持の不均衡に関連する症状に感受性の高い、またはその症状に苦しむ哺乳類を治療する方法を提供する。本発明のアミンは、様々な起源または病因の疼痛、例えば急性の炎症性疼痛(骨関節炎および慢性関節リウマチに関連する疼痛など);様々な神経障害性疼痛症候群(帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、反射性交感神経性ジストロフィー、糖尿病性神経障害、ギラン・バレー症候群、繊維筋痛症、幻肢痛、乳房切除後疼痛、末梢神経障害、HIV神経障害、ならびに化学療法起因性神経障害およびその他の医原性神経障害など);内臓痛(胃食道逆流症、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、膵炎、ならびに様々な婦人科疾患および泌尿器疾患に関連するものなど)、歯痛および頭痛(片頭痛、クラスター頭痛および緊張型頭痛など)のための鎮痛薬としての用途がある。
【0230】
さらなる治療態様の方法では、本発明は、神経変性疾患および障害、例えば、例えばパーキンソン病、多発性硬化症を含む神経変性疾患および障害;神経炎症に媒介されるかまたは神経炎症の結果である疾患および障害(例えば、外傷性脳損傷および脳炎など);中枢に媒介される精神神経疾患および障害(例えば、躁鬱病、双極性疾患、不安症、統合失調症、摂食障害、睡眠障害および認知障害など);癲癇および発作性疾患;前立腺機能障害、膀胱機能障害および大腸機能障害(例えば、尿失禁、排尿困難、直腸過敏症、便失禁、良性前立腺肥大症および炎症性腸疾患など);呼吸器および気道の疾患および障害(例えば、アレルギー性鼻炎、喘息および反応性気道疾患および慢性閉塞性肺疾患など);炎症に媒介されるかまたは炎症の結果である疾患および障害(例えば、慢性関節リウマチおよび骨関節炎など)、心筋梗塞、様々な自己免疫疾患および障害、ブドウ膜炎およびアテローム性動脈硬化症;かゆみ/そう痒症(例えば、乾癬など);肥満症;脂質障害;癌;血圧;骨髄損傷;ならびに腎障害などに感受性の高い、またはその神経変性疾患および障害に苦しむ哺乳類を治療する方法を提供し、該方法は、今説明した1以上の医薬組成物の、症状を治療するかまたは症状を予防するために有効な量を投与する工程を含む。
【0231】
本発明のさらなる態様として、特に前述の症状および疾病の治療または予防における治療薬としての使用のための本アミン化合物が提供される。また、本発明者らは前述の症状および疾病のうちの1つの治療または予防のための薬剤の製造における本アミン化合物の使用を提供する。
【0232】
注射用量レベルは、全て約1〜約120時間、特に24〜96時間で約0.1mg/kg/時から少なくとも10mg/kg/時にわたる。約0.1mg/kg〜約10mg/kg以上の前負荷ボーラス(preloading bolus)も適正な定常状態レベルを達成するために投与してよい。最大総用量は、40〜80kgのヒト患者に対して約2g/日を超えないことが求められる。
【0233】
神経変性症状および自己免疫症状など、長期にわたる症状の予防および/または治療について、治療のための投与計画は通常数ヶ月または数年間に長引くので、患者の利便性および耐性のために経口の投薬が好ましい。経口投薬の場合、1日につき1〜5回、特に2〜4回、一般に3回の経口用量が代表的な投与計画である。これらの投薬パターンを用いると、各用量は約0.01〜約20mg/kgの本発明の化合物を供給し、好ましい用量は各々約0.1〜約10mg/kg、特に約1〜約5mg/kgを供給する。
【0234】
経皮用量は一般に注射用量を用いて達成される血液レベルに類似するかまたはそれよりも低い血液レベルを供給するよう選択される。
【0235】
神経変性症状、自己免疫症状または炎症症状の発症を予防するために用いられる場合、本発明の化合物は、症状を発現するリスクのある患者に、一般に医師の助言により、そして医師の監督下、上記の投薬レベルで投与される。特定の症状を発現するリスクのある患者には、一般に該症状の家族歴を有する者、あるいは遺伝子検査またはスクリーニングにより特に該症状を発現しやすいと同定された者が含まれる。
【0236】
本発明の化合物は、唯一の活性薬として投与されるか、または、同一または類似の治療活性を示し、かかる併用投与に安全かつ有効であることが確定しているその他の化合物を含む、その他の薬剤と組み合わせて投与してよい。
【0237】
(一般的な合成手順)
本発明のビシクロヘテロアリール化合物は、以下の一般的な方法および手順を用いて容易に入手可能な出発物質から調製できる。当然のことではあるが、典型的または好ましい処理条件(すなわち、反応温度、時間、反応物質のモル比、溶媒、圧力など)が示される場合、別に記載のない限りその他の処理条件も用いることができる。最適な反応症状は用いる特定の反応物質または溶媒を伴って変化する可能性があるが、かかる条件は当業者が日常的な最適化手法により決定することができる。
【0238】
さらに、当業者には明らかなように、特定の官能基が望まない反応を受けることを防止するために従来の保護基が必要でありうる。特定の官能基に適した保護基の選択、ならびに保護および脱保護に適した条件は当技術分野で周知である。例えば、T. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protecting Groups in Organic Synthesis, Second Edition, Wiley, New York,1991およびそれらに引用される参照文献に、多数の保護基、ならびにそれらの導入および除去が記載されている。
【0239】
以下の方法は、上文に記載される代表的なビシクロヘテロアリールの調製に関して詳細に示されている。本発明の化合物は、既知または市販の出発物質および試薬から有機合成の当業者により調製されうる。
【0240】
(方法A1)
中間体1
2−ベンジル−5−ニトロイソキノリン−1(2H)−オンの調製:
【0241】
【化27−1】

5−ニトロイソキノリン(5.0g、28.7mmol)および塩化ベンジル(3.45mL、30mmol)のアセトニトリル(100mL)溶液を還流にて18時間攪拌した。LCMSは第四級塩の形成および出発物質のほぼ完全な消失を示した。反応混合物を室温まで冷却し、KMnO(13.61g、86.1mmol)を4回の等分量で添加した。得られる懸濁液を1時間攪拌し、次にメタ亜硫酸水素ナトリウム飽和水溶液(150mL)で処理した。10% HCl水溶液をpH=1まで添加した後、反応混合物をジクロロメタンで抽出した(4×100mL)。合した有機層を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて8.3gの褐色の固体を得た。一部の粗生成物をSiO、ヘキサン/EtOAc(4:1)を用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製して300mgの2−ベンジル−5−ニトロイソキノリン−1(2H)−オンを黄色の固体として得た。
【0242】
【化27−2】

HPLC保持時間2.34分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 281.5(M+H)。さらなる情報は、参照により本明細書の一部とされるVenkov, A. P.; Statkova−Abeghe, S. M. Tetrahedron 1996, 52, 4, 1451に見出されうる。
【0243】
中間体2
5−アミノ−2−ベンジルイソキノリン−1(2H)−オンの調製:
【0244】
【化28−1】

塩化錫(II)二水和物(1.21g、5.36mmol)を、無水エタノール(20mL)中の2−ベンジル−5−ニトロイソキノリン−1(2H)−オン(300mg、1.07mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を還流にて20時間攪拌した。得られる混合物を室温まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウムで処理してpH=11とし、水(100mL)に希釈した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した(3×70mL)。合した有機画分を無水NaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて5−アミノ−2−ベンジルイソキノリン−1(2H)−オン(248mg、1.0mmol、収量93%)を橙色の泡沫として得た。
【0245】
【化28−2】

HPLC保持時間2.34分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 281.5(M+H)。さらなる情報は、参照により本明細書の一部とされる、Matassa, V. G.; et al. J. Med. Chem. 1990, 33, 9, 2621に見出されうる。
【0246】
2−アダマンタン−1−イル−N−(2−ベンジル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル)−アセトアミド(化合物701)の調製
【0247】
【化28−3】

5−アミノ−2−ベンジルイソキノリン−1(2H)−オン(50mg、0.2mmol)およびNMM(0.022mL、0.2mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)溶液に、1−アダマンタン酢酸クロリド(43mg、0.2mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)溶液を室温にて滴下した。反応混合物を室温にて1時間攪拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去した。粗生成物を分取HPLCにより精製して2−アダマンタン−1−イル−N−(2−ベンジル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル)−アセトアミド(45.5mg、0.11mmol、収量53%)を白色固体として得た。
【0248】
【化28−4】

HPLC保持時間2.78分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 427.3(M+H)
【0249】
(方法A2)
2−アダマンタン−1−イル−N−(2−ベンジル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イル)−アセトアミド(化合物702)の調製
【0250】
【化28−5】

50mL丸底フラスコに2−アダマンタン−1−イル−N−(2−ベンジル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル)−アセトアミド(14mg、0.033mmol)の無水エタノール(6mL)溶液および10%Pd/C(10mg)を入れた。反応容器を空にしてバルーンによって水素を充填した。反応懸濁液を水素下で(1 atm)17時間室温にて攪拌した。得られる混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮させた。粗生成物を、溶出剤としてDCM/EtOAc(3:1)を用いて分取TLCにより精製して表題化合物(11.8mg、0.027mmol、収量84%)を白色固体として得た。
【0251】
【化29−1】

HPLC保持時間2.74分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 429.3(M+H)。さらなる情報は、参照により本明細書の一部とされる、Paulvannan, K.; Stille, J. R. J. Org. Chem. 1994, 59, 7, 1613に見出すことができる。表1に含まれる様々な2−ベンジル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イル化合物は類似の方法で調製されうる。
【0252】
(方法B)
中間体3
2−(2−(ジメチルアミノ)−ビニル)−3−ニトロ安息香酸(E)−メチルの調製:
【0253】
【化29−2】

DMF(30mL)中、2−メチル−3−ニトロ安息香酸メチル(5.0g、25.6mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(9.18g、77mmol)の混合物を115℃にて17時間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去して2−(2−(ジメチルアミノ)−ビニル)−3−ニトロ安息香酸(E)−メチルを褐色の油状物質として得た。
【0254】
【化29−3】

中間体4
5−ニトロ−1H−イソクロメン−1−オンの調製:
【0255】
【化29−4】

2−(2−(ジメチルアミノ)ビニル)−3−ニトロ安息香酸(E)−メチルを再びEtOAc(200mL)に溶解し、シリカゲル(200g)を添加した。得られる懸濁液を室温にて1時間攪拌した。EtOAc溶液を濾去した。シリカゲルをEtOAcで洗浄し(2×150mL)、合した有機物を蒸発させ、減圧下で乾燥させて5−ニトロ−1H−イソクロメン−1−オン(4.0g、21.0mmol、2工程後82%)を褐色の固体として得た。
【0256】
【化29−5】

HPLC保持時間1.72分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 192.1(M+H)。さらなる情報は、参照により本明細書の一部とされる、McDonald, M. C. et al. British J. Pharmacol. 2000, 130, 843に見出すことができる。
【0257】
中間体5
5−アミノ−1H−イソクロメン−1−オンの調製
【0258】
【化29−6】

塩化錫(II)二水和物(41.9g、185.7mmol)を、無水THF(120mL)中の5−ニトロ−1H−イソクロメン−1−オン(7.1g、37.1mmol)の攪拌溶液に添加した。反応混合物を室温にて18時間攪拌した。得られる混合物をEtOAc(400mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウムで処理してpH=10とした。水(100mL)を添加し、層を分離した。水相を酢酸エチルで抽出し(2×150mL)、合した有機画分をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させて5−アミノ−1H−イソクロメン−1−オン(5.8g、36.0mmol、97%)を黄色の固体として得た。
【0259】
【化30−1】

。HPLC保持時間1.16分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 162.3(M+H)。さらなる情報は、参照により本明細書の一部とされる、Lee, B. S.; et al. J. Org. Chem. 2004, 69, 3319に見出すことができる。
【0260】
中間体6
2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−1H−イソクロメン−5−イル)−アセトアミドの調製
【0261】
【化30−2】

5−アミノ−1H−イソクロメン−1−オン(2.95g、18.3mmol)およびNMM(2.02mL、18.3mmol)の1,4ジオキサン(55mL)溶液に、1−アダマンタン酢酸クロリド(3.9g、18.3mmol)の1,4−ジオキサン(40mL)溶液を室温にて滴下した。反応混合物を室温にて3時間攪拌し、次にDCM(400mL)と水(200mL)とで分液した。層を分離した。水相をDCM(100mL)で洗浄した。合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発させた。粗生成物をヘキサン(100mL)に懸濁し、濾去した。固体をフィルターで回収し、真空乾燥させて2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−1H−イソクロメン−5−イル)−アセトアミドを黄色の固体として得た(5.6g、16.7mmol、91%)。
【0262】
【化30−3】

HPLC保持時間2.47分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 338.4(M+H)
【0263】
2−アダマンタン−1−イル−N−[2−(4−フルオロ−ベンジル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル]−アセトアミド(化合物703)の調製
【0264】
【化30−4】

8mL密閉バイアル中の2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−1H−イソクロメン−5−イル)−アセトアミド(0.3g、0.89mmol)および4−フルオロベンジルアミン0.668g(5.33mmol)の混合物を145℃で48時間加熱した。反応容器を室温まで冷却した。粗生成物を分取HPLCにより精製して2−アダマンタン−1−イル−N−[2−(4−フルオロ−ベンジル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル]−アセトアミド(0.298g、0.67mmol、75%)を淡黄色の粉末として得た。
【0265】
【化30−5】

HPLC保持時間2.71分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 445.5(M+H)
【0266】
表1に含まれる様々なN−ベンジル置換1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル誘導体は、別に記載のない限り、方法Bに記載される方法に類似の方法で調製される、または調製することができる。
【0267】
(方法B1)
N−置換−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル誘導体の調製のためのもう1つの代表的な方法
【0268】
【化31−1】

0.089ミリモルのピロンと6倍過剰のアミンを用いて反応を行った。全ての反応は完了するまでLCMSでモニターされ、完了時に0.1%ギ酸バッファーを用いる分取HPLCにより精製した。L−Rが式IIに記載される通りである、本発明のN−L−R置換化合物は、別に記載のない限り、方法B1に記載される方法、またはその何らかの変法に類似の方法で調製される、または調製することができる。
【0269】
(方法C)
N−置換−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル誘導体の調製のための別の代表的な方法
【0270】
【化31−2】

EtOH(1ml)中の反応物質(25mg、0.05mmol)、ギ酸アンモニウム(64mg、1mmol)を含有するバイアルに、窒素下、同じ重量の10%Pd/Cを入れた。反応物を密閉バイアル中で16時間80℃に加熱した。Pd/Cを濾去して溶媒を除去した後、粗生成物をDCM中5%のMeOHを用いて分取TLCで精製して目的生成物を得た(3.9mg、0.008mmol、16%)。
【0271】
(方法D)
中間体7
5−アミノイソクロマン−1−オンの調製
【0272】
【化31−3】

250mL丸底フラスコに5−ニトロ−1H−イソクロメン−1−オン(3.0g、15.7mmol)の無水エタノール(60mL)溶液および10%Pd/C(600mg)を入れた。反応容器を空にしてバルーンによって水素を充填した。反応懸濁液を水素雰囲気中(バルーンを介して)で17時間室温にて攪拌した。得られる混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで除去した。減圧下で乾燥させた後、2.40g(14.9mmol、95%)の5−アミノイソクロマン−1−オンが白色固体として単離された。
【0273】
【化31−4】

HPLC保持時間0.87分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 164.3(M+H)
【0274】
中間体8
2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−イソクロマン−5−イル)−アセトアミドの調製
【0275】
【化32−1】

2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−イソクロマン−5−イル)−アセトアミドを、1,4−ジオキサン(73mL)中の5−アミノイソクロマン−1−オン(2.0g、12.3mmol)、1−アダマンタン酢酸クロリド(2.61g、12.3mmol)およびNMM(1.35mL、12.3mmol)から2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−1H−イソクロメン−5−イル)−アセトアミドを得る方法と類似の方法で得た。従ってこの手順により3.66g(10.8mmol、88%)の2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−イソクロマン−5−イル)−アセトアミドが得られた。
【0276】
【化32−2】

HPLC保持時間0.87分、10〜100% CHCN、2.31分勾配;ESI−MS m/z 340.3(M+H)
【0277】
2−アダマンタン−1−イル−N−[2−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イル]−アセトアミド(化合物725)の調製
【0278】
【化32−3】

2−アダマンタン−1−イル−N−(1−オキソ−イソクロマン−5−イル)−アセトアミド(39mg、0.115mmol)および2,4−ジフルオロベンジルアミン(99mg、0.689mmol)の混合物を40時間160℃で加熱した。反応容器を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を分取HPLCにより精製して2−アダマンタン−1−イル−N−[2−(2,4−ジフルオロ−ベンジル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イル]−アセトアミド(19.2mg、0.042mmol、36%)を白色固体として得た。
【0279】
【化32−4】

HPLC保持時間2.71分、10〜100% CHCN、2.62分勾配;ESI−MS m/z 465.2(M+H)
【0280】
(方法E)
2−アダマンチル−N−(1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−5−イル)アセトアミド(化合物804)の調製
【0281】
【化32−5】

90mg(0.27mmol)の2−アダマンチル−N−(1−オキソ−1H−イソクロメン−5−イル)アセトアミド(1)を、再密封できる管の中で室温にてエタノール中10mL(20mmol)の2Mアンモニア溶液で処理した。反応容器を密封し、115℃で48時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、溶媒を蒸発させ、得られた残渣を分取HPLCで精製して2−アダマンチル−N−(1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−5−イル)アセトアミド(2a)(41mg、0.122mmol、45%)を 灰白色の粉末として得た。HPLC保持時間2.07分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 337.2(M+H)
【0282】
(方法F)
アダマンチル−N−(2−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−5−イル)アセトアミド(化合物805)の調製
【0283】
【化33−1】

この類似体は、90mg(0.27mmol)の2−アダマンチル−N−(1−オキソ−1H−イソクロメン−5−イル)アセトアミド(1)およびテトラヒドロフラン中10mL(20mmol)の2Mメチルアミン溶液を用いて調製した。分取HPLC精製後にアダマンチル−N−(2−メチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−5−イル)アセトアミド(12mg、0.034mmol、13%)が得られた。HPLC保持時間2.23分、10〜100% CHCN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 351.3(M+H)
【0284】
中間体9
(3,5−ジメチル−アダマンタン−1−イル)−塩化アセチルの調製
【0285】
【化33−2】

(3,5−ジメチル−アダマンタン−1−イル)−酢酸の調製
ジクロロエタン中の臭化物(24.32g、100mmol)を、10℃(冷水浴)にて90% HSO溶液に添加した。反応混合物を10℃にて1時間攪拌した。次に、BFエーテラート(2.84g、20mmol)を30分でシリンジ経由で滴下した。反応混合物を10〜15℃にて2時間以上攪拌し、さらなるBFエーテラートを出発臭化物が完全に消費されるまで添加した後、氷に注いだ。水をpH=9に調節し、続いてエーテルで抽出した。水層をHClで酸性化してpH=3とし、続いてエーテルで抽出し、乾燥させ、有機溶媒を除去して固体生成物を得、それを直接次の工程に用いた。
【0286】
【化33−3】

(3,5−ジメチル−アダマンタン−1−イル)−塩化アセチルの調製
トルエン(50ml)中の酸を含有するフラスコにSOClおよび1滴のDMFを添加した。次に、反応物を1時間60℃に加熱した。溶媒の除去およびトルエン(2ml)との共蒸発の後、粗生成物をさらなる精製を行わずに用いた。
【0287】
(方法G)
中間体10
5−アミノジメチル−1−アダマンタンアセチル−1H−イソクロメン−1−オンの調製:
【0288】
【化33−4】

0℃にて、ジオキサン(50ml)中、5−アミノ−1H−イソクロメン−1−オン(1.4g、8.7mmol)、cat DMAPおよびNMM(2.64g、26mmol)を含有するフラスコに、ジオキサン(5ml)中のジメチル−1−アダマンタン酢酸クロリド(2.1g、8.7mmol)を添加した。反応混合物を室温にて2日間攪拌した。揮発性物質を減圧下で除去した。粗生成物を水と酢酸エチルとで分液した。有機物を分離し、ブラインで洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をエチルエーテルから再結晶させて目的生成物(2.1g、5.74mmol、66%)を灰白色の固体として得た。ESI−MS m/z 366.2(M+H)
【0289】
N−置換−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル誘導体の調製のための別の代表的な方法
【0290】
【化34−1】

表1に含まれる、L−R基が式IIに記載される通りである、様々なN−置換−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル化合物は、方法Gに従って調製されるか、または調製することができる。従って、5−アミノジメチル−1−アダマンタンアセチル−1H−イソクロメン−1−オン(50mg、0.14mmol)および適当なアミン(0.41mmol)を含有する1ドラムバイアルをそのまま135℃にて1〜2日間加熱した。粗物質を分取HPLCまたは分取TLCのいずれかで精製し、8〜80%の範囲の収量で生成物を得た。
【0291】
(方法H)
N−置換−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イル誘導体の調製のための別の代表的な方法
化合物815の調製
【0292】
【化34−2】

バイアル中の化合物892(5mg、0.1mmol)、ギ酸アンモニウム(6mg、1.0mmol)、無水エタノール(3mL)および10% Pd/C(3mg)の混合物を2日間80℃に加熱した。得られる混合物を濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮させた。粗生成物を、溶出剤としてDCM(5%)中のMeOHを用いる分取TLCで精製し、化合物5(3.9mg、7.9mmol、78%)を白色固体として得た。
【0293】
【化34−3】

HPLC保持時間2.59分、10〜100% CH3CN、3.5分勾配;ESI−MS m/z 493.2(M+H)+。
【0294】
(方法I)
3−フルオロ−アダマンタン−1−イル−N−(2−ベンジル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル)−ホルムアミド(化合物816)の調製
【0295】
【化34−4】

DCM(2mL)中、(50mg、0.2mmol)およびDIPEA(0.15mL)の溶液に、3−フルオロ−1−アダマンタンカルボン酸クロリド(65uL、約65mg、0.30mmol)の溶液を室温にて添加した。反応混合物を室温にて17時間攪拌した。揮発性物質をロータリーエバポレーターで除去した。粗生成物を分取HPLCにより精製して表題化合物(41mg、0.095mmol、48%)を白色固体として得た。
【0296】
【化35−1】

ESI−MS m/z 431.1(M+H)+。
【0297】
N−置換−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル誘導体を調製するためのさらなる代表的な方法
(方法K)
代表的な実施例
(化合物870)の調製
【0298】
【化35−2】

中間体6(0.27mmol)を適当なアミン(20mmol)に懸濁し、反応混合物をマイクロ波により200℃にて10〜20時間加熱した。EtOAcを添加し、溶液を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をシリカゲル精製に付して生成物を得た。
【0299】
(方法L)
代表的な実施例
(化合物826)の調製
【0300】
【化35−3】

中間体6(0.27mmol)を適当なアミン(33mmol)に懸濁し、密閉管中で140℃にて48時間攪拌した。揮発性部分を除去し、残渣をシリカゲル精製に付して生成物を固体として得た。
【0301】
(方法M)
代表的な実施例
(化合物827)の調製
【0302】
【化35−4】

2−アダマンタン−1−イル−N−[2−(2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチル−エチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル]−アセトアミド(215mg、0.508mmol)をMeOH(10mL)、AcOH(1mL)に溶解し、Pd/C(10%)を添加して反応混合物を70psiにて4日間水素化し、セライトで濾過し、溶媒を除去し、白色の固体をEtOにより洗浄し、生成物を白色固体として得た(206mg、98%)。
【0303】
(方法N)
代表的な実施例
(化合物890)の調製
【0304】
【化36−1】

2−(3,5−ジメチル−アダマンタン−1−イル)−N−(1−オキソ−1H−イソクロメン−5−イル)−アセトアミド(200.0mg、0.49mmol)を、4−(アミノメチル)ピペリジンカルボン酸tert−ブチル(1.00g、4.67mmol)に懸濁し、反応混合物を140℃にて一晩攪拌した。EtOAcを添加し、溶液を水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去し、残渣を1,2−ジクロロエタン(20mL)に溶解し、5mLのTFAを添加し、溶液を室温にて1時間攪拌した。揮発性物質を除去し、残渣をNaOHおよびNaCOの水溶液に溶解し、EtOAcで抽出し、PTLCにより精製し、化合物をMeOHでシリカゲルから洗い落とした。溶媒を除去し、残渣をEtOでトリチュレートして生成物をベージュ色の固体として得た(65mg、27%)。
【0305】
(方法O)
代表的な実施例
(化合物891)の調製
【0306】
【化36−2】

2−アダマンタン−1−イル−N−[2−(2−ジメチルアミノ−エチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル(60.0mg、0.14mmol)をTHF(乾燥、5mL)に溶解し、NaH(95%、30mg)を添加し、反応混合物を室温にて10分間攪拌した後、ヨウ化メチル(23.8mg、0.17mmol)を添加した。反応混合物を室温にて一晩攪拌した後、MeOHで反応をクエンチした。揮発性物質を真空除去し、残渣をシリカゲル精製に付した。生成物を低融点固体として得た(35mg、66%)。
【0307】
(方法P)
代表的な実施例
(化合物893)の調製
【0308】
【化36−3】

2−アダマンタン−1−イル−N−(2−イソブチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル)−アセトアミド(34.0mg、0.083mmol)をTHF(1mL)に溶解し、NaH(95%、約10mg)を添加し、反応混合物を室温にて10分間攪拌した後、ヨウ化メチル(14.1mg、0.099mmol)を添加した。反応混合物を室温にて2時間攪拌した。水を添加し、混合物をEtOAcで抽出した。有機相をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させた。溶媒を除去し、残渣をHPLCにより精製して生成物を白色固体として得た(18.4mg、54%)。
【0309】
(方法Q)
代表的な実施例
(化合物894)の調製
【0310】
【化37】

適当な出発物質をMeOH(10mL)およびAcOH(1mL)に溶解し、Pd/C(10%)を添加し、懸濁液を80psiにて5〜10日間水素化した。pHが約10になるまでEtNを添加し、次に懸濁液をセライト(登録商標)で濾過した。溶媒を除去し、残渣をEtOAcに溶解し、水およびブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、溶媒を除去し、生成物をベージュ色の固体として得た。
【0311】
上記および表1に例示した化合物に加えて、上記の手順および合成法、またはその何らかの変更形態、ならびに当業者に公知の対応する出発物質、適当な試薬、および精製法を用いて、本発明の異なる置換アミドを含むその他の様々な化合物を調製することができる。
【0312】
以下の生物学的試料、実施例1〜9は、本発明を説明するために提供されるものであり、決してその範囲を限定するものとして解釈されない。下の実施例において全ての温度は(特に断りのない限り)摂氏温度である。
【実施例】
【0313】
(実施例1)
P2X受容体は、限定されるものではないが、J774(マウスマクロファージ株、American Type Culture Collection(ATCC),Rockville,Md.,ATCC TIB−67)、P388(マウス細胞株、ATCC CCL−46)、P815(マウス肥満細胞マスト細胞腫由来株、ATCC TIB−64)、THP−1(ヒト単球由来細胞株、ATCC TIB202)およびU937(組織球性リンパ腫由来のヒト細胞株、単球分化を誘導可能、ATCC CRL−1593.2)を含む、マクロファージ由来の細胞株、ならびに単離マクロファージ培養において強力に発現する。ヒトまたは非ヒト動物マクロファージは、下に言及される手順を用いて単離される。
【0314】
P2Z/P2X受容体は、チャネル開口(例えば、イオン流束)を測定する、かつ/または孔形成を査定する(天然にこの受容体を発現している細胞における染料の取り込みまたは細胞溶解をモニターすることを含む)という特徴を持っている。ATP、2’および3’−(O)−(4−ベンゾイルベンゾイル)ATP(BzATP)などの化合物は、これらの細胞の血漿膜において、特に細胞外二価イオン濃度が低い場合に孔の形成をもたらす(Buisman et al, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:7988 (1988); Zambon et al, Cell. Immunol 156:458 (1994); Hickman et al Blood 84:2452 (1994))。プロピジウム染料YO−PRO−1を含む、大きな分子サイズの染料は、細胞記録の間にマクロファージ由来細胞株に入るところを見出すことができる(Hickman et al, Blood 84:2452 (1994); Wiley et al, Br J Pharmacol 112:946 (1994); Steinberg et al, J Biol Chem 262:8884 (1987))。また、臭化エチジウム(蛍光DNAプローブ)もモニターでき、そこでは細胞内DNAと結合した臭化エチジウムの蛍光が増加することが観察される。HEK293細胞を含む細胞およびアフリカツメガエル卵母細胞における組換え型ラットまたはヒトrP2Xの発現は、全細胞記録による内向き流束および孔形成、ならびにYO−PRO−1蛍光を実証する(Suprenant et al, Science 272:735 (1996); Rassendren et al, J Biol Chem 272:5482 (1997))。
【0315】
本発明の化合物は、P2X受容体でのアンタゴニスト活性について試験されてよい。行われうる試験には、下に記載されるものをはじめとする、(i)電気生理学的実験;(ii)YO−PRO1蛍光;(iii)臭化エチジウム蛍光;および(iv)刺激されたマクロファージからのIL−1β放出が含まれ、またそれらから選択される。化合物は、インビボで、炎症モデルに関するものを含む(例えば足浮腫モデル、コラーゲン誘導性関節炎、MSのEAEモデル)動物モデルにおいて試験することができる。
【0316】
ヒトマクロファージの単離
単球由来ヒトもしくは非ヒト動物 マクロファージ培養を、Blanchardらに記載されるように調製する(Blanchard et al, J Cell Biochem 57:452 (1995); Blanchard et al, J Immunol 147:2579 (1991))。手短に言えば、健康なボランティアから得た白血球濃厚液から単球を単離する。白血球を、20%血清(ヒト細胞にはヒトの)、2mM グルタミン、5mM HEPES、および100μg/mlストレプトマイシンを含むRPMI 1460培地(Life Techのlogies,Inc.)に懸濁する。細胞を放置して培養フラスコに1〜2時間接着させ、その後非接着細胞を洗い流す。接着細胞を7〜14日間、この培地にインターフェロン−γ(ヒト細胞にはヒトの)(1000単位/ml)を加えたものの中で培養する。マクロファージを、冷リン酸緩衝生理食塩水でピペッティングすることにより培養フラスコから回収し、12〜24時間後に行われる電気生理学的実験または他の実験用にガラス製のカバーガラスの上に置く。
【0317】
(実施例2)
電気生理学的実験
EPC9パッチクランプアンプおよびパルス捕捉プログラム(HEKA,Lambrecht,Germany)を用いて全細胞記録を行う。全細胞記録は細胞、例えばJ774A.1細胞(American Type Culture Collection,Rockville,MD.,ATCC TIB−67))から得;1〜3秒の時間に高速流(fast−flow)U字管送達系によりアゴニストを適用する[E. M. Fenwick, A. Marty, E. Neher, J. Physiol, (London) 331, 577 (1982)]。内部ピペット溶液は140mM セシウム−アスパラギン酸塩またはカリウム−アスパラギン酸塩、20mM NaCl、10mM EGTA、および5mM Hepesであり;通常の外部溶液は145mM NaCl、2mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、10mM Hepes、および12mM グルコースである。低い二価の外部溶液は通常マグネシウムを含まず、0.3mM CaClを含む。低い二価溶液において、8分間隔で1秒のアゴニスト適用に応答する電流を各適用の6分前に存在する通常の外部溶液とともに記録することにより、濃度反応曲線を構築する。このプロトコールは、持続する内向きの電流の発達を防ぐために必要である。
【0318】
逆転電位(Erev)は、ATP(300μM)またはBzATP(30μM)(対照)、あるいは試験される化合物を適用し、その一方で膜を様々な電位に保つことによるか、電圧のランプ(−120〜30mV)または50mVを適用することにより得られる。透過率はErevから、最初に、α=([145/exp(ErevFIRT)]−20)/140(式中、Fはファラデー、Rは気体定数、およびTは絶対温度)から、α(=PNa/PK’(Pは透過性))内部(i)および外部(o)濃度[Na]=20mM、[Na]=145mM、[K]=0mM、および[K]=140mMを計算することにより計算される。他のPF/PNa値は、[X]=145mM、[Na]=20mM、[K]=140mM、および[Na]=[K]=[X]=0mMの場合、P/PNa=[(exp)Erev/RT)](20+140α))/145から計算される。サイズの順番に、Xはセシウム、メチルアミン、tris(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、テトラエチルアンモニウム、およびN−メチル−D−グルカミンである。内部溶液は10mM EGTAおよび5mM Hepesも含む。外部溶液は10mM グルコースおよび通常濃度または低濃度の二価陽イオンも含む;pHは必要に応じてHCl、ヒスチジン、またはHepesで7.3に維持され、全ての溶液のモル浸透圧濃度は295〜315である。
【0319】
(実施例3)
YO−PRO1蛍光
顕微鏡による蛍光測定のためのフォトニクスイメージング(IDEA)システム(Photonics,Planegg,Germany)を使用する。カバーガラスをZeiss Axiovert 100または同等な倒立顕微鏡のステージに置き、油浸下で40倍の蛍光目標(Fluor objective)を見る。YO−PRO−1(10μM;Molecular Probes,Eugene,OR)を、3〜6分の電気生理学的記録の間に灌流液に添加した後、低い二価溶液に切り替え、通常の二価溶液に切り替える際に洗い流し、その後蛍光灯をつけて細胞をフルオレセインイソチオシアネートフィルターで検査する。491/509nmの励起/発光波長を用いてYO−PRO1蛍光を測定する。YO−PRO1での持続灌流(2ml/分)の間に対照ATP、BzATPまたは被験化合物の濃度を変化させて5〜20秒間隔で画像を得る。各実験について、YO−PRO1蛍光の経時変化を10〜20個の個々の細胞について得、次に平均して平均蛍光シグナルを得る。結果はrP2Xの3分での平均シグナルとして表され、10分でのシグナルをP2Xおよびヒトマクロファージ細胞に用いる。全ての実験は室温にて行われる。
【0320】
(実施例4)
臭化エチジウム
本発明の化合物を、孔形成時にP2X受容体発現細胞に入る臭化エチジウムをモニターすることにより、P2X受容体でのアンタゴニスト活性について試験する。試験は96ウェルの平底マイクロタイタープレートで行われ、ウェルは、10−4M臭化エチジウムを含むP2X発現細胞(例えばTHP−1細胞、J774細胞など)(2.5×10細胞/ml)、10−5M BzATPを含む25μlの高カリウムバッファー溶液、および試験化合物を含む25μlの高カリウムバッファー溶液の懸濁液200μlを含む250μlの試験溶液で満たされている。プレートをプラスチックシートで覆い、37℃にて1時間インキュベートする。次に、プレートをPerkin−Elmer蛍光プレートリーダー、励起波長520nm、発光波長595nm、スリット幅:Ex 15nm、EM 20nmで読み取る。比較目的のためには、BzATP(P2X受容体アゴニスト)およびピリドキサール5−リン酸(P2X受容体アゴニスト)を対照として試験に別々に使用する。得られた測定値から、各試験化合物についてpIC50の数字を計算する。この数字は、BzATPアゴニスト活性を50%低下させるために必要な試験化合物の濃度の負の対数である。
【0321】
(実施例5)
IL−1β放出
この実施例は、アルツハイマー病のβアミロイドペプチド1−42により活性化したヒトマクロファージからの、P2Xに媒介されるIL−1βの放出の阻害剤としての、本発明の化合物の有効性試験を示す。
【0322】
細胞単離
単球を以下のとおり末梢血単核細胞(PBMC)から単離する。全血を直接Histopak 1077−1カラム(Sigma Biochemicals)上で層にし、800×gで15分間遠心する。細胞のPBMCバンドを取り出して新鮮な50ml培養管に移し、洗浄バッファー(2mM EDTAおよび5mg/ml BSAを含有するリン酸緩衝生理食塩水、pH7.4)で1:1に希釈し、それに続いて800×gで5分間遠心分離する。次に、細胞ペレットを洗浄バッファーへ逐次再懸濁することにより細胞を洗浄し、600×gで5分間遠心分離する。上清が血小板を含まなくなるまで洗浄プロセスを繰り返す(一般に、5〜6回洗浄)。次に、非単球細胞に対する抗体を含む単球単離キット(Miltenyi Biotec,Inc.)を用いて負の選択をすることにより、単球をPBMCから精製し、細胞を磁気カラムに流して抗体結合細胞を除去し、多量の単球を通して流量を回収する。単球を洗浄バッファーで一回洗浄し、96ウェルプレートにおいて100μlの血清フリーRPMI 1640中に1ウェルあたり10E5細胞で播種し、5% CO/95%加湿組織培養インキュベーター中で37℃にて1時間インキュベートする。1時間後、培地を100μlの完全培地(RPMI 1640、10%ヒト血清AB型(熱不活化)、25Mm HEPES、2mM グルタミン、各50U/mlのペニシリンおよびストレプトマイシン)に交換し、一晩(16時間)インキュベートする。
【0323】
投薬計画
翌日、ヒトβアミロイド1−42ペプチド(5μM)の存在下または不在下で培地を100μlの新鮮な完全培地に交換し、5% CO/95%加湿組織培養インキュベーター中で37℃にて5時間インキュベートする。次に、培地を取り出し、廃棄する。各ウェルを、1mM CaClを含有するハンクス緩衝生理食塩水(HBSS)で1回洗浄し、それに続いて80μlの本発明のHBSS/CaCl阻害化合物(23nMおよび206nMの終濃度に対してHBSS/CaCl中10倍保存液)を添加し、組織培養インキュベーター中で15分間インキュベートし、それに続いて10μlのHBSS/CaClまたは10μlのベンゾイルATP(BzATP;300μMの終濃度に対してHBSS/CaCl中3mM保存液)のいずれかを添加し、組織培養インキュベーター中でさらに30分間インキュベートする。次に、培地を保存用の新しい96ウェルプレートへ−70℃にてIL−1β含量がELISA(R&D Systems製)により定量されるまで移動させる。細胞をHBSS/CaClで1回洗浄し、それに続いて細胞を100μlの氷冷溶解バッファー(100mM Tris、pH7.6、1% Triton X−100、およびRoche Biochemicals,Inc製のComplete TMプロテアーゼ阻害剤1錠/30ml)で溶解させる。細胞溶解物を、IL−1βがELISAにより定量されるまで−70℃にて保存する。
【0324】
(実施例6)
インビボ動物モデル
A.この実施例は、多発性硬化症の治療における本発明の化合物の有効性を例証する。本明細書に記載されるように、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルを用いてかかる有効性を示す。以下の手順をこのモデルに用いる。
【0325】
動物
8週齢のSJL/J雌マウスを、Jackson Laboratoriesより入手する。
【0326】
抗原
ミエリンプロテオリピドタンパク質(PLP 139−151)(HSLGKWLGHPDKF)(カタログ番号H−2478)をBACHEM,Bioscience,Inc.,King of Prussia,Pa.より入手する。
【0327】
完全フロイントアジュバントH37 Ra[1mg/ml結核菌H37 Ra]をDifcoより入手する(カタログ番号3114−60−5、6×10ml)。
【0328】
結核菌もDifcoより入手する(カタログ番号3114−33−8、6×100mg)。
【0329】
百日咳毒素
百日咳菌(PBSおよびラクトースを含有する凍結乾燥粉末)をList Biological Laboratoriesより入手する(製品番号180、50ug)。
【0330】
マウスにおけるEAEの誘導
PLP139−151ペプチドをHO:PBS(1:1)溶液に濃度7.5mg/10mlになるまで溶解し(1群あたり75μg PLP)、40mg/10mlの熱で死滅させた結核菌H37Raを補給した等量のCFAで乳化する。マウスに0.2mlのペプチドエマルジョンを脇腹に皮下注射する(各側に0.1ml)。同じ日および72時間後、生理食塩水中それぞれ35ngおよび50ngの百日咳菌毒素100%をマウスに静脈注射する。
【0331】
臨床評価
段階0:正常
段階0.5:尾が部分的に弱々しい
段階1:尾が完全に弱々しい
段階2:正向反射障害
段階2.5:正向反射が遅延(段階3とするほど弱くない)
段階3:部分的な後肢麻痺
段階3.5:一方の脚が完全に麻痺し、一方の脚が部分的に麻痺
段階4:完全な後肢麻痺
段階4.5:両脚が完全に麻痺し、瀕死状態
段階5:EAEによる死
EAEの臨床経過
急性期:最初の臨床症状の発現(10〜18日)
緩解:臨床症状の発現の後に続く臨床改善期;急性期のピークスコアの少なくとも2日後の臨床スコアの低下(≧1等級)または疾病の再発を特徴とする。
【0332】
再発:緩解が達成されてから少なくとも2日間の臨床スコアの少なくとも1つの等級の増加。
【0333】
本発明の化合物で処理した動物は一般に臨床スコアの改善を示すものと思われる。
【0334】
B.この実施例は、動物モデルを用いて卒中の治療のための本発明の化合物の有効性を決定するプロトコールを例証する。
【0335】
秤量280〜320gの雄スプラーグドーリーラット(Charles River)に食料および水を自由に摂取させ、実験での使用の前に最低4日間順応させる。研究に用いる全てのラットは手術前日の午後3時から絶食を開始させられるが水は自由に摂取させる。手術の前に各ラットを秤量する。ラットを最初に30% O、70% NOと合わせた5%イソフラン(Aerrane,Fort Dodge)で2〜5分間誘導する。次に、ラットを循環水加温パッドの上に置き、麻酔ガスを自発呼吸させるためにノーズコーンに入れる。イソフランを2%に減少させる。直腸プローブを挿入し、体温を36.5〜37.5℃に維持する。全ての手術部位の毛を刈り、次に、それらの領域をベタジンでこすり洗いする。
【0336】
手術手順
側頭筋プローブを右側頭筋に入れ、「脳温度」をモニターする。正中頚部切開をラットの上部胸部で行う。胸骨乳突筋、顎二腹筋、および胸骨舌骨筋の注意深い切開、単離および退縮を行って右総頸動脈、内頸動脈および外頸動脈を露出させる。5−0シルク構造を用いて右総頸動脈を単離する。手術の間、この構造を2〜4分ごとに放出して再潅流させる。右外頸動脈および上甲状腺動脈も単離し、上甲状腺を焼灼すると同時に、5−0シルク構造を用いて外頸動脈を遠位に結紮する。別の5−0シルク構造を外頸動脈の周囲に緩く結ぶ。後頭動脈を単離し、結紮し、切開する。内頸動脈を単離する。
【0337】
総頸動脈および外頸動脈を固定化し、動脈瘤クリップを内頸動脈の上に置く。外頸動脈の遠位末端に小さな切開を作る。次に、ポリ−L−リシンで被覆された3−0ナイロン構造を外頸動脈に挿入し、総頸動脈まで挿入する。外頸動脈の周囲に緩く結んだ5−0シルク構造をここでフィラメントを囲むように静かに締め付ける。次に、外頸動脈を切開し、フィラメントを含む外頸動脈の残りの断片をフィラメントが内頸動脈内へ挿入されるように回転させる(挿入する長さは体重およびラットの系統による)。スプラーグドーリーラットにおいてモノフィラメントを18〜19mm(秤量<300gmのラットに対して18mm、秤量300gmのラットに対して19mm)挿入すると中大脳動脈への血流を効果的に阻害する。
【0338】
外頸静脈は、化合物の静脈投与のためにPE50チュービングでカニューレ処置される。カニューレは既に剃毛された首筋で体外に出し、所定の位置に縫合される。創傷は縫合を用いて閉じられる。手術中の血液ガスおよびグルコース定量のために右大腿動脈にカテーテルを挿入する。
【0339】
モノフィラメント縫合の挿入の2時間後、最初に用いた同じ麻酔剤の組合せを用いてラットを再び麻酔し、イソフラン濃度を2%に減少させたノーズコーンの中に戻す。頸部切開部を再び開いて外頸動脈を露出させる。頸動脈から腔内縫合を完全に撤回することにより血流の回復を達成する。次に、3−0シルクを用いて断続的な縫い目で切開を閉じる。
【0340】
化合物投与
15匹の動物からなる5つの群を上記の方法に付す。化合物を様々な用量(用量反応)でMCAo後の異なる期間の間注入する(I.V.)。MCAo後の様々な間隔で始まる、事前に選択された期間の間、所定の濃度を注入する。媒体処理対照には通常0.9ml/時間を注入する。陽性対照化合物を同時に実施する。
【0341】
神経学的試験
手術の前に、虚血の発症の2時間後および虚血の24時間後、一連の神経学的試験を行う。姿勢反射試験は、上体の姿勢を調べるようデザインされたもので、平坦な表面の上方にラットが尾で吊り下げられる。正常なラットであれば全身を伸ばし、両前肢が表面の方へ伸びる。梗塞のあるラットであれば一貫して対側肢を曲げ、胴回転の徴候を示す。
肩の後ろ側の側部を優しく指で押すことに対するラットの応答を観察し、書き留める。正常なラットはそのような押しに抵抗するのに対し、梗塞のあるラットは抵抗しない。誘発された前肢は視覚刺激および触覚刺激に応答して置かれる。外側または背側の前肢表面を実験台を背にして置くように動物を胴体で支える。この試験を繰り返すが、この場合はラットの視界を遮る。
【0342】
各実験の終了時に、全ての動物をイソフラン(5%)で深く麻酔し、断頭により安楽死させ、脳を取り出し、塩化テトラゾリウムを用いて虚血性損傷の程度および位置を組織学的に検証する。
【0343】
C.この実施例は、2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸(DNBS)誘導性遠位大腸炎のモデル(炎症性腸疾患のモデル)を用いて本発明の化合物の抗炎症活性を例証する。
【0344】
試験物質および投薬パターン
本発明の化合物を、50mg/kgの用量での経口投与用に蒸留水中2% Tween 80のビヒクルに溶解するか、または30mg/kgでの腹膜内注射用に2% Tween 80および0.9% NaClのビヒクルに溶解する。この用量を毎日1回7日連続で投与する。投薬量は10ml/kgであった。2日目の投薬の2時間後にDNBSを投与する。
【0345】
動物
これらの研究では、動物育種センターであるMDS Panlabs Taiwan,Ltd.より提供される雄ウィスター、ロングエバンスラット、および台湾国立実験動物育種研究センター(National Laboratory Animals Breeding Research center)(NALBRC,Taiwan)より提供されるBalb/cByJ由来雄マウス(秤量20±2グラム)が用いられうる。6匹の動物のスペース割り当ては45×23×5cmでありうる。動物を使用する前に、MDS Panlabs Taiwan研究室で、陽圧アイソレーター(NuAire(登録商標)、Mode:Nu−605、気流速度50±5ft/分、HEPAフィルター)中のAPEC(登録商標)ケージ(Allentown Caging,Allentown,N.J. 08501,USA)に収容し、12時間の明暗サイクルの制御された温度(22℃〜24℃)および湿度(60%〜80%)環境で少なくとも1週間維持する。ラット用の標準的な実験飼料(Fwusow Industry Co.,Limited,Taiwan)および水道水への自由摂取は認められる。動物の飼育、実験および処分を含む、この研究の全ての態様は、International Guiding Principles for Biomedical Research Involving Animals (CIOMS Publication NO. ISBN 92 90360194, 1985)に全面的に従って行われるであろう。
【0346】
化学薬品
DNBSはTCI,Tokyo,Japanより入手し、エタノールはMerck,Germany製であり、スルファサラジンはSigma,USAより購入する。
【0347】
設備
Electriconic scale(Tanita,モデル1140,Japan)、Electriconic scale(Sartorius,R160P,Germany)、ガラスシリンジ(2ml、Mitsuba,Japan)、ラット用経口ニードル、皮下注射針(25G×1’’ TOP Corporation,Japan)、ステンレスハサミ(Klappenclear,Germany)、ステンレス鉗子(Klappenclear,Germany)。
【0348】
方法
秤量180±20グラムの3匹のウィスター由来雄ラットの群を用いる。遠位大腸炎をDNBS(2,4−ジニトロベンゼンスルホン酸、0.5mlエタノール30%中30mg)の結腸内点滴により誘導した後、2mlの空気をカニューレを通して静かに注入して溶液が確実に結腸内に留まっているようにする。試験物質を用量50mg/kgで経口(PO)投与するか、または30mg/kgで腹膜内に(IP)毎日1回7日連続で投与する。2日目、投薬の2時間後にDNBSを各動物の遠位結腸に点滴する。対照群をビヒクル単独で同様に処置し、スルファサラジン(300mg/kg、PO)を対照薬剤として用いる。DNBS投与前の24時間および最終処置後24時間、動物を絶食させ、最終処置から24時間後に動物を犠牲にし、各々結腸を取り出し、秤量する。実験の間、下痢の存在を毎日記録する。結腸を取り出す前の腹腔を開いた時に、結腸とその他の器官との間の接着を書き留める。結腸を秤量した後、結腸の潰瘍の程度を観察し、同様に書き留める。次に、式:結腸(g)/BW×100%に従って各動物について結腸対体重の比を計算する。媒体対照群と比較して媒体対照+DNBS群の比の「純」増加を試験物質処置群との比較のための基準値として用い、炎症の減少%として表す。「純」ビヒクル+DNBS処置群と比較して各試験物質処置群の「純」結腸対体重比の30パーセント以上(30%)の減少を有意であるとみなす。
【0349】
D.この実施例は、カラギーナン誘導性足浮腫のモデル(炎症、カラギーナンのモデル)を用いる本化合物の抗炎症活性を例証する。
【0350】
試験物質および投薬パターン
本発明の化合物を、2% Tween 80/0.9% NaClのビヒクルに溶解し、カラギーナン(1% 0.1ml/足)投与の30分前に用量30mg/kgで腹膜投与する。投薬量は10ml/kgである。
【0351】
動物
動物を前の実施例で説明した手順に従って調整する。
【0352】
化学薬品
カラギーナンはTCI,Japanから入手する;パイロジェンフリー生理食塩水はAstar,Taiwan製である;さらにアスピリンはICN BioMedicals,USAから購入する。
【0353】
設備
ガラスシリンジ(1mlおよび2ml、Mitsuba,Japan)、皮下注射針24G×1’’(Top Corporation,Japan)、足容積測定装置(Plethysmometer)#7150(Ugo Basile,Italy)、およびウォーターセル(Water cell) 直径25mm、#7157(Ugo Basile,Italy)。
【0354】
方法
一晩絶食させた秤量150±20グラムの3匹のロングエバンス由来雄ラットの群に、カラギーナンの右後足注射(足底内に1%懸濁液0.1 ml)の30分前に、試験物質(実施例)をIP投与する(30mg/kg)。後足浮腫を、炎症の尺度として、カラギーナン投与の3時間後に足容積測定装置(Ugo Basile カタログ番号7150)をウォーターセル(直径25mm、カタログ番号7157)とともに用いて記録する。後足浮腫の30パーセント以上(30%)の減少は有意な急性抗炎症活性を示した。
【0355】
E.この実施例は、モノクローナル抗体(mAb)II型コラーゲン誘導関節炎に付したBalb/cマウスのモデルを用いて、本化合物の抗炎症活性を例証する。
【0356】
試験物質および投薬パターン
本発明の化合物を、用量50または30で2% Tween80/0.9% NaClのビヒクルに溶解し、コラーゲンのモノクローナル抗体の注入後に、経口的に(50mg/kg)、または30mg/kgで腹膜内に毎日1回3日連続で投与する。投薬量は20ml/kgである。
【0357】
動物
動物を前の実施例で説明した手順に従って調整する。
【0358】
化学薬品
リポ多糖はSigma,USAから入手する;インドメタシンはSigma,USA製である;Arthrogen−CIA.TM.モノクローナル抗体D8、F10、DI−2GおよびA2はIBL,Japanから入手する;リン酸化緩衝生理食塩水はSigma,USAから購入する;さらに、Tween80はWako,Japan製である。
【0359】
設備
足容積測定装置(Plethysmometer)(Ugo Basile,Italy)およびウォーターセル(Ugo Basile,Italy)。
【0360】
方法
6〜8週齢のBalb/cByJマウス系統の群を、II型コラーゲンに応答するモノクローナル抗体(mAb)、さらにリポ多糖(LPS)による関節炎の誘導に用いる。動物に、合計4mg/マウスの4種類の異なるmAbの組合せを0日目に静脈内投与し、それに続いて72時間後(3日目)に25μgのLPSを静脈内投与する。3日目以降、LPS投与の1時間後に、50mg/kg(PO)または30mg/kg(IP)のML−659およびビヒクル(2% Tween 80/0.9% NaCl、PO)、ならびに陽性対照のインドメタシン、3mg/kg(PO)を毎日1回3日連続で投与する。足容積測定装置(Ugo Basile カタログ番号7150)をウォーターセル(直径12mm)とともに、0、5、7、10、14、および17日目の2本の後足の容積の増加の測定に用いる。容積の増加の阻害パーセントを次式により計算する:
阻害(%):[1−(Tn−To)/(Cn−Co)]×100
式中:Co(Cn):ビヒクル対照における0日目(n日目)の容積
To(Tn):試験化合物処理群における0日目(n日目)の容積
30%を超える2本の後足共の浮腫の減少を有意であるとみなす。
【0361】
(実施例7)
神経障害性疼痛モデル
この実施例は、単神経障害性疼痛の坐骨神経連結モデルを用いて本発明の化合物の鎮痛性を例証する。
【0362】
試験系
秤量250〜300gmの成体雄スプラーグドーリー(SD)ラット(Charles River Laboratories,San Diego,Calif.)を用いる。動物室を12時間の明暗サイクル(例えば午前7:00〜午後7:00) で人工的に点灯し、水および食料を自由に与える。動物を無作為に群に割り当てる。
【0363】
モデル誘導
坐骨神経連結(SNL、Seltzer’sモデル):
ペントバルビタール(50mg/kg、腹腔内)での麻酔および無菌技術の下で、Seltzerの方法(1990)に従って、総坐骨神経の選択部分を堅く結紮することにより選択的な神経損傷を作り出す。手短に言えば、左坐骨神経の上部大腿レベルを、皮膚切開、ならびに大腿二頭筋および半腱様筋神経が総坐骨神経から分枝するポイントのすぐ遠位の転子に近い部位で筋肉の鈍い分離後に露出させる。次に、神経を押してその下にある構造を圧迫しないように注意しながら、微細な鉗子で神経上膜をその背側面で挟んで神経をこの位置に固定する。8−0シリコン処理シルク縫合糸を、3/8カーブのリバースカッティングミニニードルを用いて神経に挿入し、背面の神経の1/3〜1/2が結紮糸に捕捉されるように堅く結紮する。筋肉を層状に縫合し、皮膚を創傷クリップで閉じる。次に、動物をそれらのホームケージに戻す。手術後の神経障害または毛づくろいの不良を示すラットを実験から除外する。
【0364】
設備
以下の設備を本研究に用いる:von Freyフィラメントセット(Touch−test Sensory Evaluator,North Coast Medical Inc.,Morgan Hill,Calif.)。
【0365】
統計的手法:
各実験の中で、平均値の標準誤差(SEM)および統計的有意性は、それぞれ、Microsoft Excel(登録商標)を用いる平均値、平均値の標準誤差および対応のない両側t検定関数を用いて算出される。個別の実験間で観察される効果の統計的有意性は、一元配置または二元配置分散分析(ANOVA)にPrism(GraphPad Software Inc.,San Diego,CA)を用いて決定される。信頼限界0.95および有意水準0.05を用いて統計分析を行う。
【0366】
(実施例8)
孔形成
THP−1細胞(ATCCカタログ番号285−IF−100)を1ウェルあたり200,000細胞の濃度で96ウェルプレートに蒔き、10%FBS、100IU/mLペニシリン、100ug/mLストレプトマイシン、100ng/mL LPSおよび100ng/mL IFN−γを含有するRPMI−1640培地(ATCCカタログ番号30−2001)中で16時間置いて分化させる。分化の後、100IU/mLペニシリン、100ug/mLストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地中で、適当な濃度の関心対象の化合物で細胞を30分間前処理する。次に、前処理培地を5uM Yo−Pro1(Moleuclar Probes カタログ番号Y3603)を含有するアッセイバッファー(20mM HEPES、10mM D−グルコース、118mM NMDG、5mM KCl、0.4mM CaCl)と交換し、適当な濃度の関心対象の化合物および細胞をさらに10分間インキュベートする。次に、2’,3’−O−(4−ベンゾイルベンゾイル)−アデノシン5’−トリリン酸(Sigma Aldrich カタログ番号B6396)を添加して終濃度40uMとし、Tecan Safireプレートリーダーを用いて、蛍光測定値を491/509 励起/発光で50分間毎分測定する。この間に温度を37℃に維持する。薬剤処理細胞と非処理細胞との間のバックグラウンド調整した蛍光レベルを用いて阻害パーセントを計算する。
【0367】
(実施例9)
IL−1β放出アッセイ(代替法)
THP−1細胞(ATCCカタログ番号285−IF−100)を1ウェルあたり200,000細胞の濃度で96ウェルプレートに蒔き、10%FBS、100IU/mLペニシリン、100ug/mLストレプトマイシン、100ng/mL LPSおよび100ng/mL IFN−γを含有するRPMI−1640培地(ATCCカタログ番号30−2001)中で16時間置いて分化させる。分化の後、100IU/mLペニシリン、100ug/mLストレプトマイシンおよび100ng/mLの新鮮なLPSを含有するRPMI−1640培地中でさらに2時間細胞を処理する。次に、100IU/mLペニシリン、100ug/mLストレプトマイシンを含有するRPMI−1640培地中で、適当な濃度の関心対象の化合物で細胞を30分間前処理する。前処理の後、2’,3’−O−(4−ベンゾイルベンゾイル)−アデノシン5’−トリリン酸(Sigma Aldrich カタログ番号B6396)を添加して終濃度250uMとし、細胞をさらに45分間インキュベートする。次に、30uLの細胞上清を回収し、IL−1βレベルを、Tecan Safireプレートリーダーを用いて製造業者の推奨に従ってELISA(R&D systems カタログ番号HSLB50)により測定する。薬剤処理細胞と非処理細胞のバックグラウンド調整したIL−1βレベルを用いて阻害パーセントを計算する。
【0368】
本願に記載される合成および生物学的試料は、本発明を例証するために用意されたものであり、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例において、全ての温度はセ氏温度である(特に断りのない限り)。本発明に従って調製された化合物はそれらの生物活性データとともに以下の表(表1)に提示される。本発明の化合物の合成は上に説明する方法に従って実施される。
【0369】
本発明の例となる化合物
以下の化合物は、本発明の方法に従って調製されたか、または本発明の方法に従って調製することができる。下の表1において、各化合物の活性は以下のように表される:
“+” 0.3μMにて0〜25%阻害を示す化合物
“++” 0.3μMにて25〜50%阻害を示す化合物
“+++” 0.3μMにて50〜75%阻害を示す化合物
“++++” 0.3μMにて75%以上の阻害を示す化合物
“*” 0.1μMにて0〜25%阻害を示す化合物
“**” 0.1μMにて25〜50%阻害を示す化合物
“***” 0.1μMにて50〜75%阻害を示す化合物
“****” 0.1μMにて75%以上の阻害を示す化合物
“++++”または“****”で表される阻害パーセントを有する化合物が特に注目される。
【0370】
(表1:アミド化合物)
【0371】
【化46】

【0372】
【化47】

【0373】
【化48】

【0374】
【化49】

【0375】
【化50】

【0376】
【化51】

【0377】
【化52】

【0378】
【化53】

【0379】
【化54】

【0380】
【化55】

【0381】
【化56】

【0382】
【化57】

【0383】
【化58】

【0384】
【化59】

【0385】
【化60】

【0386】
【化61】

【0387】
【化62】

【0388】
【化63】

【0389】
【化64】

(表2:本発明の例となる化合物のNMR)
【0390】
【化65】

【0391】
【化66】

以下の化合物は、本発明の方法に従って調製されたか、または本発明の方法に従って調製することができる。下の表3において、各化合物の活性は以下のように表される:
“+” 0.3μMにて0〜25%孔形成阻害を示す化合物
“++” 0.3μMにて25〜50%孔形成阻害を示す化合物
“+++” 0.3μMにて50〜75%孔形成阻害を示す化合物
“++++” 0.3μMにて75%以上の孔形成阻害を示す化合物
“*” 0.1μMにて0〜25%孔形成阻害を示す化合物
“**” 0.1μMにて25〜50%孔形成阻害を示す化合物
“***” 0.1μMにて50〜75%孔形成阻害を示す化合物
“****” 0.1μMにて75%以上の孔形成阻害を示す化合物
“++++”または“****”で表される阻害パーセントを有する化合物が特に注目される。
【0392】
(表3:本発明の例となる化合物の孔形成データ)
【0393】
【化67】

本願中に示され、説明される本発明の化合物の化学名の少なくとも一部は、市販の化学名命名ソフトウェアプログラムを用いて自動化された方式で生成され、単独では確認されていない可能性がある。この機能を実行する代表的なプログラムとしては、Open Eye Software,Inc.の販売するLexichem命名ツールおよびMDL,Inc.の販売するAutonomソフトウェアツールが挙げられる。
【0394】
前述の説明から、本発明の組成物および方法において様々な改変および変更が当業者に思い当たるであろう。付属の請求項の範囲内にあるかかる変更形態は全てそれに含められるものとする。
【0395】
本明細書に引用される全ての刊行物(限定されるものではないが、特許および特許出願を含む)は、あたかも各個別の刊行物が具体的にかつ個別に(まるで十分説明されているかのように)参照により本明細書の一部とされると示されているように、参照により本明細書の一部とされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化68】

〔式中、
Aは、CR2’2”、CO、およびCSから選択され;
Bは、CR2’、CR2’2”、CO、およびCSから選択され;
Yは、独立に、CR2’およびCR2’2”から選択され;
W、W’およびZは、独立に、CRおよびNから選択され(ただし、3つのW、W’およびZは全て同時にNではあり得ない);
Lは、所望により、ヒドロキシル、ハロゲンおよびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されていてよい、C−Cアルキレン基、ヘテロアルキル、3員〜8員のシクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル、アルキルシクロアルキル、アルキルヘテロシクロアルキル、シクロアルキルアルキル、またはヘテロシクロアルキルアルキルであり;
nは、0、1、2または3であり;
は、3〜13員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール環系から選択され、それらは所望により、独立して、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、スルホ、スルファニル、スルフィニル、アミド、カルボキシ、エステル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、およびスルホンアミドから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
2’およびR2”の各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換C−Cアルキルから選択されるか;あるいは
2’およびR2”のいずれかがともに結合して3〜7個の原子のシクロアルキルもしくはシクロへテロアルキル環を形成し;
は、水素または、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択される官能基であるか;あるいは、Rは、所望により、R基から選択される少なくとも1つの置換基で置換されていてよい、4員〜9員の炭素環または複素環である;ただしLが結合であるならば、Rは、H、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アミノカルボニル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、アリールオキシカルボニル、置換アリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシカルボニル、および置換ヘテロアリールオキシカルボニルから選択され;
は、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択され;
さらに、破線で示した結合は単結合または二重結合である〕を有する、インビボでP2X受容体活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物;
またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;
ならびにその立体異性体および互変異性体。
【請求項2】
式:
【化69】

〔式中、
Aは、CR2a2b、CO、およびCSから選択され;
Bは、CR2a、CR2a2b、CO、およびCSから選択され;
Yは、独立して、CR2aおよびCR2a2bから選択され;
W、W’およびZは、独立して、CRおよびNから選択され(ただし、3つのW、W’およびZは全て同時にNではあり得ない);
は、結合、−CO−、−SO−またはC−Cアルキレン基(所望により、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されてよい)であり;ただしAがCOまたはCSであるならば、Lは、結合またはC−Cアルキレン基であり;
nは、0、1、2または3であり;
は、3〜13員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール環系から選択され、それらは所望により、独立して、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、スルホ、スルファニル、スルフィニル、アミド、カルボキシ、エステル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、およびスルホンアミドから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
、R2a、R2b、R2’およびR2”の各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換C−Cアルキルから選択されるか;あるいはR2’およびR2”のいずれかがともに結合して3〜7個の原子のシクロアルキルもしくはシクロへテロアルキル環を形成し;
は、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ビシクロアリール、および置換もしくは非置換ビシクロヘテロアリールから選択され;ただしRが水素であるならば、Lは、結合またはC−Cアルキレン基であり;
は、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択され;
さらに、破線で示した結合は単結合または二重結合である〕を有する、インビボでP2X受容体活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物;
またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;
ならびにその立体異性体および互変異性体。
【請求項3】
式:
【化70】

〔式中、
Aは、COから選択され;
BおよびYは、独立して、CR2aおよびCR2a2bから選択され;
W、W’およびZは、独立して、CRおよびNから選択され(ただし、3つのW、W’およびZは全て同時にNではあり得ない);
は、結合、または所望により、アルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC−Cアルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基であり;
nは、0、1、2または3であり;
は、3〜13員のシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリール環系から選択され、それらは所望により、独立して、ハロ、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、スルホ、スルファニル、スルフィニル、アミド、カルボキシ、エステル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、およびスルホンアミドから選択される1以上の置換基で置換されていてよく;
2a、R2b、R2’およびR2”の各々は、独立して、水素、置換もしくは非置換C−Cアルキルから選択されるか;あるいはR2’およびR2”のいずれかがともに結合して3〜7個の原子のシクロアルキルもしくはシクロへテロアルキル環を形成し;
は、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ビシクロアリール、および置換もしくは非置換ビシクロヘテロアリールから選択され;
が結合であるならば、Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル、置換もしくは非置換シクロアルキル、または置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキルであり;
は、H、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択され;
さらに、破線で示した結合は単結合または二重結合である〕を有する、インビボでP2X受容体活性を調節することのできるビシクロヘテロアリール化合物;
またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;
ならびにその立体異性体および互変異性体。
【請求項4】
BおよびYの各々がCR2a2bであり;さらに、破線で示した結合が一重結合である、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
BおよびYの各々がCHであり;さらに、破線で示した結合が一重結合である、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
BおよびYの各々がCR2aであり;さらに、破線で示した結合が二重結合である、請求項3に記載の化合物。
【請求項7】
BおよびYの各々がCHであり;さらに、破線で示した結合が二重結合である、請求項3に記載の化合物。
【請求項8】
【化71−1】

基のR2’およびR2”の各々がHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項9】
【化71−2】

基のR2’およびR2”の一方がMeであり、他方がHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項10】
【化71−3】

基のR2’およびR2”の各々がMeである、請求項3に記載の化合物。
【請求項11】
【化72−1】

基が置換もしくは非置換アダマンタンから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項12】
【化72−2】

基が
【化72−3】

であり、式中のR、RおよびRが独立して、H、ハロ、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アリールおよび置換アリールから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項13】
、RおよびRが独立して、H、Br、Cl、OH、Me、NHAc、PhおよびFから選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
、RおよびRの各々がHである、請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が式
【化72−4】

により表され、式中のL、R、W、Z、W’およびnが請求項3に記載のとおりであり;式中のR、RおよびRが独立して、H、ハロ、ヒドロキシル、置換ヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アミノ、置換アミノ、アリールおよび置換アリールから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項16】
nが0である、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
nが1である、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
、RおよびRの各々がHである、請求項15に記載の化合物。
【請求項19】
、RおよびRの各々がMeである、請求項15に記載の化合物。
【請求項20】
、RおよびRのうちの1つがMeである、請求項15に記載の化合物。
【請求項21】
、RおよびRのうちの2つがMeである、請求項15に記載の化合物。
【請求項22】
が結合であり、RがHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項23】
が、所望によりアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC1−6アルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基であり;RがHである、請求項3に記載の化合物。
【請求項24】
が−CH−である、請求項3に記載の化合物。
【請求項25】
が、所望によりアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、ハロゲン、カルバモイル、およびC1−6アルコキシから選択される置換基で置換されてよい、C−Cアルキレン基である、請求項3に記載の化合物。
【請求項26】
が置換もしくは非置換アルキルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項27】
アルキルでの前記置換が、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロ、アルコキシ、ヒドロキシ、シアノ、およびアリールオキシから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項28】
アルキルでの前記置換が、Ph、Cl、F、Br、CN、OH、OMe、OPh、CF、CHF、OCF、t−Bu、SMe、SOMe、SOMe、SOH、SOMe、ピリジル、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項29】
が、
【化73】

であり、式中のn’が、1〜5から選択され、R4’の各々が独立に、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、置換もしくは非置換アシルアミノ、置換もしくは非置換アルキルアミノ、置換もしくは非置換アルキルチオ、置換もしくは非置換アルコキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換アルキルアリールアミノ、アリールアルキルオキシ、置換アリールアルキルオキシ、アミノ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換もしくは非置換スルホキシド、置換もしくは非置換スルホン、置換もしくは非置換スルファニル、置換もしくは非置換アミノスルホニル、置換もしくは非置換アリールスルホニル、硫酸、硫酸エステル、置換もしくは非置換ジヒドロキシホスホリル、置換もしくは非置換アミノジヒドロキシホスホリル、アジド、カルボキシ、置換もしくは非置換カルバモイル、シアノ、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロヘテロアルキル、置換もしくは非置換ジアルキルアミノ、ハロ、ヘテロアリールオキシ、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換ヘテロアルキル、ヒドロキシ、ニトロ、およびチオから選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項30】
n’が1、2または3である、請求項25に記載の化合物。
【請求項31】
各R4’が、独立して、Me、Et、Ph、Cl、F、Br、CN、OH、OMe、OPh、COPh、CF、CHF、OCF、t−Bu、SMe、CH=CH−COH、SOMe、SOMe、SOH、SOMe、およびピリジルから選択される、請求項25に記載の化合物。
【請求項32】
が、置換もしくは非置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、ビシクロアリールまたはビシクロヘテロアリールである、請求項3に記載の化合物。
【請求項33】
が、置換もしくは非置換ナフタレン、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、キノリン、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、インドリル、ベンゾピラニル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサジニル、またはベンゾジオキサニルである、請求項3に記載の化合物
【請求項34】
W、W’およびZの各々が独立してCRである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
W、W’およびZの各々が独立してCHである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
W’がC−Meであり、WおよびZが両方ともにCHである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
W’がNであり、WおよびZが両方ともにCRである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
W’がNであり、WおよびZが両方ともにCHである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
ZがCRであり、WおよびW’が両方ともにNである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
ZがCHであり、WおよびW’が両方ともにNである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
ZがNであり、WおよびW’が両方ともにCRである、請求項3または15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
前記化合物が、
2−アダマンタン−1−イル−N−(2−ベンジル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−5−イル)−アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−(2−ベンジル−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル)アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(7,10−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−2,4,11−トリエン−4−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2−クロロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−5−イソキノリル]−アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(1−フェニルエチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−フリルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(3−ピリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(4−ピリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[(1,3,5−トリメチルピラゾール−4−イル)メチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[(1S)−1−フェニルエチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2−クロロ−6−フルオロ−フェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(o−トリルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(1,4−ジオキサン−2−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(3−ピリジルメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]−アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[(1,3,5−トリメチルピラゾール−4−イル)メチル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−フリルメチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(1−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2,5−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−7,9,11−トリエン−3−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−ジメチルアミノエチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルイソキサゾール−3−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチル−2−フェニル−トリアゾール−4−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[[(2S)−テトラヒドロフラン−2−イル]メチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(1−フェニルエチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(1−メチル−4−ピペリジル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(4−ジメチルアミノフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
4−[[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]メチル]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(4−ピペリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
N−(2−ベンジル−1−オキソ−5−イソキノリル)−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[2−(2−ピリジル)エチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(4−フルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(4−ピリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(3−ピリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
N−[2−(1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−8−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;および
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(4−メチルスルホニルフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項43】
化合物が、
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(2−フリルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルイソキサゾール−3−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(1,4−ジオキサン−2−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(2−ジメチルアミノエチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
N−[2−[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
N−[2−[(2,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(2,5−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−7,9,11−トリエン−3−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(1−メチル−4−ピペリジル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(4−メチルスルホニルフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(7,10−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−1,3,5−トリエン−5−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(1,7−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−2,4,6,8−テトラエン−8−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[[(2R)−テトラヒドロフラン−2−イル]メチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−[[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]メチル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
(2R)−2−[[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]メチル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
(2S)−2−[[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]メチル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
(2S)−2−[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]−3−フェニル−プロパンアミド;
N−(2−ベンジル−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル)−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルピラジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−モルホリノエチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(3−モルホリノプロピル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[2−(3−ピリジル)エチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[2−(4−ピリジル)エチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[2−(2−ピリジル)エチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−チオモルホリノエチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2,5−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−7,9,11−トリエン−9−イルメチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(o−トリルメチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2−クロロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(1−メチル−4−ピペリジル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピリジルメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(1,4−ジオキサン−2−イルメチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(1,5−ジメチルピラゾール−3−イル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−ジメチルアミノエチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルイソキサゾール−3−イル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(7,10−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−2,4,11−トリエン−4−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−(1−オキソ−2H−イソキノリン−5−イル)アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−(2−メチル−1−オキソ−5−イソキノリル)アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(5−メチルピペラジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピリジルメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(ピロリジン−2−イルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[[(2S)−ピロリジン−2−イル]メチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[[(2R)−ピロリジン−2−イル]メチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[(1S)−1−フェニルエチル]−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
N−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(2−モルホリノエチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
N−(2−ベンジル−1−オキソ−5−イソキノリル)−3−フルオロ−アダマンタン−1−カルボキサミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−モルホリノエチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[(1S)−1−フェニルエチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
N−[2−[(3,4−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
N−[2−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(3−モルホリノプロピル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(7,10−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−1,3,5−トリエン−3−イルメチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(3−イミダゾール−1−イルプロピル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(3−メチル−2−ピリジル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(カルバモイルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
3−[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]プロパンアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピペラジン−1−イルエチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
4−[2−[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]エチル]ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
N−(2−ベンジル−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル)−3−フルオロ−アダマンタン−1−カルボキサミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(テトラヒドロピラン−4−イルメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[(1−エチルピロリジン−2−イル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
N−[2−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(3−イミダゾール−1−イルプロピル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[1−(3−ピリジル)エチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(1−フェニルエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(2−フルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
N−[2−[(2,6−ジフルオロフェニル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]−2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−(1−オキソ−2H−イソキノリン−5−イル)アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(1,1−ジメチル−2−モルホリノ−エチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−ヒドロキシエチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−[[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−2−イル]メチル]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[1−(2−ピリジル)エチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−[1−(4−ピリジル)エチル]−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−ジエチルアミノエチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−(2−イソブチル−1−オキソ−5−イソキノリル)アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2,5−ジオキサビシクロ[4.4.0]デカ−7,9,11−トリエン−3−イルメチル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(3−フリルメチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−(1−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−イソキノリン−5−イル)アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(4−ピペリジルメチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(3−モルホリノプロピル)−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピロリジン−1−イルエチル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(3−ピロリジン−1−イルプロピル)−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
(2R)−2−[5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]−3−シクロヘキシル−プロパンアミド;
(2S)−2−[(2R)−5−[[2−(1−アダマンチル)アセチル]アミノ]−1−オキソ−2−イソキノリル]−3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパンアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[(2S)−2−[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(2−ピリジルアミノ)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(チアゾール−2−イルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−[1−(ヒドロキシメチル)−2−メチル−プロピル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−[2−(2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[1−オキソ−2−(4−ピペリジルメチル)−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−メチル−N−(1−オキソ−2−ビニル−5−イソキノリル)アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−(3−モルホリノプロピル)−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
2−(1−アダマンチル)−N−(2−イソブチル−1−オキソ−5−イソキノリル)−N−メチル−アセトアミド;
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[(1−メチル−4−ピペリジル)メチル]−1−オキソ−3,4−ジヒドロイソキノリン−5−イル]アセトアミド;
および
2−(3,5−ジメチル−1−アダマンチル)−N−[2−[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]−1−オキソ−5−イソキノリル]アセトアミド;
および
2−アダマンタン−1−イル−N−[2−((S)−2−ヒドロキシ−1−メチル−エチル)−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−5−イル]アセトアミドから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項44】
製薬上許容される担体および先行する請求項のいずれか一項に記載の化合物の医薬上有効量を含む、医薬組成物。
【請求項45】
前記担体が非経口担体である、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記担体が経口担体である、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項47】
前記担体が局所担体である、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項48】
前記担体が非経口担体である、請求項44に記載の医薬組成物。
【請求項49】
哺乳類において、インビボでP2X受容体の異常な活性が原因として関与している疾病または症状を予防する、治療するまたは寛解させるための方法であって、請求項44に記載の医薬組成物の、疾病を治療するかまたは症状を治療する有効量を該哺乳類へ投与する工程を含む、方法。
【請求項50】
前記疾病または症状が疼痛症状である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記疾病または症状が自己免疫疾患である、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記疾病または症状が炎症性疾患または症状である、請求項59に記載の方法。
【請求項53】
前記疾病または症状が神経障害もしくは症状または神経変性疾患もしくは症状である、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
哺乳類において、疼痛(急性疼痛、炎症性疼痛および神経障害性疼痛、慢性疼痛、歯痛および頭痛(片頭痛、クラスター頭痛および緊張型頭痛を含む)を含む)、パーキンソン病、多発性硬化症;神経炎症に媒介されるか神経炎症の結果である疾患および障害、外傷性脳損傷および脳炎;中枢に媒介される精神神経疾患および障害、躁鬱病、双極性疾患、不安症、統合失調症、摂食障害、睡眠障害および認知障害;癲癇および発作性疾患;前立腺機能障害、膀胱機能障害および大腸機能障害、尿失禁、排尿困難、直腸過敏症、便失禁、良性前立腺肥大症および炎症性腸疾患;呼吸器および気道の疾患および障害、アレルギー性鼻炎、喘息および反応性気道疾患および慢性閉塞性肺疾患など);炎症に媒介されるかまたは炎症の結果である疾患および障害、関節炎、慢性関節リウマチおよび骨関節炎、心筋梗塞、様々な自己免疫疾患および障害、ブドウ膜炎ならびにアテローム性動脈硬化症;かゆみ/そう痒症、乾癬;肥満症;脂質障害;癌;血圧;骨髄損傷;および腎障害から選択される疾病または症状を予防する、治療するまたは寛解させるための方法であって、請求項44に記載の医薬組成物の、疾病を治療するかまたは症状を治療する有効量を該哺乳類へ投与する工程を含む、方法。
【請求項55】
前記疾病または症状がパーキンソン病である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記疾病または症状が慢性関節リウマチである、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記疾病または症状が外傷性脳損傷である、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記疾病または症状が骨関節炎である、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
前記疾病または症状が疼痛である、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
前記疾病または症状が神経障害性疼痛である、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
カプサイシンへの曝露の症状、熱への曝露による熱傷または炎症の症状、光への曝露による熱傷または炎症の症状、催涙ガスへの曝露による熱傷、気管支収縮または炎症の症状、および、酸への曝露による熱傷または炎症の症状からなる群から選択される少なくとも1つの症状に苦しむ哺乳類を治療する方法であって、請求項44に記載の医薬組成物の、疾病を治療するかまたは症状を治療する有効量を該哺乳類へ投与する工程を含む、方法。
【請求項62】
疼痛が、乳房切除後疼痛症候群、断端痛、幻肢痛、口腔の神経障害性疼痛、シャルコー関節症の疼痛(Charcot’s pain)、歯痛、毒ヘビによる咬傷、クモによる咬傷、虫さされ、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害、反射性交感神経性ジストロフィー、三叉神経痛、骨関節炎、慢性関節リウマチ、線維筋痛症、ギラン・バレー症候群、感覚異常性大腿痛、口腔灼熱症候群、両側性末梢神経障害、灼熱痛、坐骨神経炎、末梢神経炎、多発性神経炎、分節性神経炎、ゴンバールト(Gombault’s)神経炎、神経炎(neuronitis)、頸腕神経痛、脳神経痛、膝神経痛、舌咽神経痛、群発頭痛、特発性神経痛、肋間神経痛、乳房神経痛、顎関節神経痛、モートン病神経痛(Morton’s neuralgia)、鼻毛様体神経痛、後頭神経痛、紅神経痛、スルダー神経痛、翼口蓋神経痛、眼窩上神経痛、ビディアン神経痛(vidian neuralgia)、副鼻腔炎性頭痛、緊張型頭痛、分娩、出産、腸内ガス、月経、癌、および外傷からなる群から選択される症状に関連する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
医薬品としての使用のための、請求項1〜43のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項64】
疼痛(急性疼痛、炎症性疼痛および神経障害性疼痛、慢性疼痛、歯痛および頭痛(片頭痛、クラスター頭痛および緊張型頭痛を含む)を含む)、パーキンソン病、多発性硬化症;神経炎症に媒介されるか神経炎症の結果である疾患および障害、外傷性脳損傷および脳炎;中枢に媒介される精神神経疾患および障害、躁鬱病、双極性疾患、不安症、統合失調症、摂食障害、睡眠障害および認知障害;癲癇および発作性疾患;前立腺機能障害、膀胱機能障害および大腸機能障害、尿失禁、排尿困難、直腸過敏症、便失禁、良性前立腺肥大症および炎症性腸疾患;呼吸器および気道の疾患および障害、アレルギー性鼻炎、喘息および反応性気道疾患および慢性閉塞性肺疾患など);炎症に媒介されるかまたは炎症の結果である疾患および障害、関節炎、慢性関節リウマチおよび骨関節炎、心筋梗塞、様々な自己免疫疾患および障害、ブドウ膜炎ならびにアテローム性動脈硬化症;かゆみ/そう痒症、乾癬;肥満症;脂質障害;癌;血圧;骨髄損傷;および腎障害から選択される疾病または症状の治療または予防における医薬品としての使用のための、請求項1〜43のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項65】
疼痛(急性疼痛、炎症性疼痛および神経障害性疼痛、慢性疼痛、歯痛および頭痛(片頭痛、クラスター頭痛および緊張型頭痛を含む)を含む)、パーキンソン病、多発性硬化症;神経炎症に媒介されるか神経炎症の結果である疾患および障害、外傷性脳損傷および脳炎;中枢に媒介される精神神経疾患および障害、躁鬱病、双極性疾患、不安症、統合失調症、摂食障害、睡眠障害および認知障害;前立腺機能障害、膀胱機能障害および大腸機能障害、尿失禁、排尿困難、直腸過敏症、便失禁、良性前立腺肥大症および炎症性腸疾患;呼吸器および気道の疾患および障害、アレルギー性鼻炎、喘息および反応性気道疾患および慢性閉塞性肺疾患など);炎症に媒介されるかまたは炎症の結果である疾患および障害、関節炎、慢性関節リウマチおよび骨関節炎、心筋梗塞、様々な自己免疫疾患および障害、ブドウ膜炎ならびにアテローム性動脈硬化症;かゆみ/そう痒症、乾癬;肥満症;脂質障害;癌;血圧;骨髄損傷;免疫機能障害に起因するまたは関連する症状;および腎障害から選択される疾病または症状の治療または予防のための薬剤の製造における、請求項1〜43のいずれか一項に記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2008−534511(P2008−534511A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503223(P2008−503223)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/010774
【国際公開番号】WO2006/102588
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505140384)レノビス, インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】