説明

USBデバイス

【課題】情報処理装置におけるウェブページのアクセスを容易に行うことができるようにする。
【解決手段】本USBデバイスは、PCに装着されることにより自身をキーボードとして認識させ(S101)、PCのウェブブラウザを起動してダウンロードサイトへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号をPCへ送信する(S104,S105)。このため、本USBデバイスを用いれば、PCに装着する操作を行うだけで、キーボード操作によりウェブブラウザを起動してダウンロードサイトへアクセスするのと同様の結果を得ることができる。したがって、ダウンロードサイトへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置への着脱が可能なUSBデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置への着脱が可能なUSB(Universal Serial Bus)デバイスが知られている。
また、インターネットを介した通信が可能なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置が周知であり、情報処理装置にインストールされているウェブブラウザを用いて所望のウェブページへアクセスすることが可能となっている。
【0003】
なお、上述した内容は公知・公用の技術であり、出願人は特に先行技術調査を行っていないため、先行技術文献の開示については行わない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の情報処理装置においては、ウェブブラウザに所望のウェブページのアドレス(URL)が登録されていない場合、利用者がアドレスを打ち込む(入力する)必要があり、また、ウェブブラウザに所望のウェブページのアドレスが登録されている場合であっても、アドレスの登録数が多くなるほど所望のアドレスを見つけ出しにくくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、情報処理装置におけるウェブページのアクセスを容易に行うことができるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の請求項1に記載のUSBデバイスは、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置への着脱が可能なものである。そして、本USBデバイスは、本USBデバイスを情報処理装置にキーボードとして認識させる認識手段と、情報処理装置のウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段とを備えている。
【0007】
このような構成のUSBデバイスを用いれば、情報処理装置において、キーボード操作によりウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスする場合と同様の結果を得ることができる。したがって、所定のウェブページへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。特に、本USBデバイスは、本USBデバイスを汎用周辺機器であるキーボードとして情報処理装置に認識させる構成のため、本USBデバイス専用のドライバを情報処理装置にインストールするといった準備を不要とする(又は少なくする)ことができる。
【0008】
ところで、所定のウェブページへアクセスするタイミングとしては、例えば、USBデバイスが情報処理装置に装着されたタイミングとすることが考えられる。すなわち、請求項2に記載のUSBデバイスでは、上記請求項1に記載のUSBデバイスにおいて、ウェブアクセス手段は、本USBデバイスが情報処理装置に装着されたことを信号送信処理の実行条件としている。このような構成のUSBデバイスによれば、本USBデバイスを情報処理装置に装着する簡単な操作により、ウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスすることができる。
【0009】
ただし、例えば、情報処理装置が一般的なデスクトップ型パソコンの場合など、USBコネクタを頻繁に抜き差ししない使用態様の場合には、所定のウェブページへアクセスするためにいちいちUSBデバイスを抜き差ししなければならないとすると、かえって操作が煩雑となる。
【0010】
そこで、請求項3に記載のUSBデバイスは、上記請求項1又は2に記載のUSBデバイスにおいて、情報処理装置のキーボードにおける所定のキー操作を検出するキー操作検出手段を備えている。そして、本USBデバイスにおいて、ウェブアクセス手段は、キー操作検出手段により所定のキー操作が検出されたことを信号送信処理の実行条件としている。このような構成のUSBデバイスによれば、情報処理装置のキーボードにおける極めて簡単なキー操作により、ウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスすることが可能となる。具体的には、例えば、NumLockキー、CapsLockキー、ScrollLockキー等のように、一般的なキーボードにおいてLED等の視認手段の状態を変化させるキー操作を検出するようにするとよい。本USBデバイスは情報処理装置によりキーボードとして認識されているため、視認手段の状態を変化させるための信号が情報処理装置から入力されることとなり、その信号に基づきキー操作を検出することが可能となるからである。
【0011】
一方、請求項4に記載のUSBデバイスは、上記請求項1〜3のいずれかに記載のUSBデバイスにおいて、認証用情報を記憶する認証情報記憶手段を備えている。そして、本USBデバイスにおいて、ウェブアクセス手段は、認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を用いたウェブページへのアクセスをウェブブラウザに行わせる。ここで、認証用情報を用いたウェブページへのアクセスとしては、例えば、認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)をウェブページのアドレスの末尾に付加した上でウェブページへのアクセス(ウェブページデータの取得要求)をウェブブラウザに行わせることや、ウェブページデータの取得要求後にウェブサーバから認証要求が行われたタイミングで認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)の送信をウェブブラウザに行わせることなどが考えられる。具体的には、こうしたタイミングにおいて、認証用情報(又は認証用情報から生成した認証鍵等の情報)を入力するためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を情報処理装置へ送信する。このような構成のUSBデバイスを用いれば、認証用情報を用いて認証を行うことで、本USBデバイスを装着している情報処理装置でのみウェブページへのアクセスを可能とするといった制限をかけることができ、しかも、認証のためのIDやパスワード等の入力操作を不要とすることができる。
【0012】
次に、請求項5に記載のUSBデバイスは、上記請求項1〜4のいずれかに記載のUSBデバイスにおいて、残高を記憶する残高記憶手段と、情報処理装置から課金金額が送信されてきた場合に、その課金金額を残高記憶手段により記憶されている残高から減算する処理を行う残高更新手段とを備えている。このような構成のUSBデバイスによれば、情報処理装置において有償のサービスを受けた場合に、そのサービスの対価をUSBデバイスの残高から支払うといったシステムを構築することが可能となり、これによりあたかも財布のような利用が可能となる。
【0013】
また、請求項6に記載のUSBデバイスでは、上記請求項5に記載のUSBデバイスにおいて、残高更新手段は、情報処理装置から送信されてきた課金金額が残高記憶手段により記憶されている残高よりも大きい場合には、その旨を情報処理装置へ通知する。このような構成のUSBデバイスによれば、課金金額に対して残高が不足している場合には、情報処理装置において有償のサービスを受けることのできないシステムを構築することが可能となる。
【0014】
ところで、異なる複数の課金元についての課金金額を残高から減算するシステムを構築する場合には、課金金額が、その課金元を識別可能な課金元識別情報とともに情報処理装置から送信されてくるものであることを前提として、USBデバイスを次のように構成するとよい。
【0015】
すなわち、請求項7に記載のUSBデバイスは、上記請求項5又は6に記載のUSBデバイスにおいて、情報処理装置から送信されてきた課金金額を、課金元識別情報ごとに集計する処理を行う課金集計手段を備えている。この構成によれば、どの課金元からいくら課金されたかを管理することができるため、各課金元に対して公平な支払を行うことのできるシステムを構築することが可能となる。
【0016】
ただし、こうしてUSBデバイス内で集計された課金金額に応じて実際に支払を行うには、その情報を何らかの形でUSBデバイスから読み出す必要がある。
そこで、請求項8に記載のUSBデバイスは、上記請求項7に記載のUSBデバイスにおいて、課金集計手段により集計された課金金額を情報処理装置へ送信する集計情報送信手段を備えている。このような構成のUSBデバイスによれば、集計された課金金額のUSBデバイスからの読み出しを容易かつ確実に行うことができる。具体的には、情報処理装置から集計情報の要求を受けた場合に、課金集計手段により集計された課金金額を情報処理装置へ送信するように集計情報送信手段を構成すれば、情報処理装置側から所望のタイミングで情報を読み出すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、実施形態のUSBデバイス100の構成を表す説明図であり、(a)は外観図、(b)はブロック図である。
【0018】
このUSBデバイス100は、USBコネクタ101が本体ケーシング102と一体的に設けられた構成のものであり、本体ケーシング102の内部に、USBインタフェース(I/F)110と、メモリ120と、CPU130とを備えている。
【0019】
そして、このUSBデバイス100は、主として図2に示すような通信システムにおいて利用される。そこで、まず、この通信システムについて説明する。
この通信システムは、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という。)10と、ダウンロードサーバ20と、管理サーバ30とが、インターネット1を介してデータ通信可能に構成されたものである。
【0020】
ここで、ダウンロードサーバ20は、複数種類のアプリケーション(パーソナルコンピュータ用のソフトウェア)の利用サービスを提供するウェブサーバである。具体的には、インターネット1を介してアクセス可能なウェブサイトであるダウンロードサイトを構築し、そのダウンロードサイトのウェブページにおいて、複数種類のアプリケーションをダウンロード可能としている。ここで、ダウンロードサイトにおいては、複数種類のアプリケーション提供者(会社)が提供するアプリケーションを取り扱っており、各アプリケーションには、それぞれ独自の料金体系を設定することが可能となっている。例えば、あるアプリケーション(例えばゲームソフト)には、ダウンロードは無料で行うことができるが、1回の利用ごとに10円を支払うという料金体系が設定されており、別のアプリケーション(例えばCADソフト)には、ダウンロードは無料で行うことができるが、無料で利用する場合には利用可能な機能が一部に限定され、1000円を支払うことにより全機能が利用可能になるという料金体系が設定されている。
【0021】
また、管理サーバ30は、複数の利用者(具体的にはUSBデバイス100の所有者)について利用料金の管理を行うためのウェブサーバである。
一方、PC10は、汎用の情報処理装置であり、制御部11、ハードディスク12、キーボード13、ディスプレイ14、ネットワーク通信部15及びUSB通信部16を備えている。
【0022】
制御部11は、本PC10の各部を統括制御する。
ハードディスク12には、アプリケーションやデータ等の各種情報が記憶されている。具体的には、OS(Operating System)としてWindows(登録商標)がインストールされており、アプリケーションとしてウェブブラウザがインストールされている。
【0023】
キーボード13は、使用者が入力操作を行うための複数のキーを備えた周知のものである。
ディスプレイ14は、使用者に画像を表示するための周知のものである。
【0024】
ネットワーク通信部15は、インターネット1を介したデータ通信を行うためのものである。
USB通信部16は、USBポート17を介したデータ通信や電源供給を行うためのものである。
【0025】
このように構成された通信システムにおいて、本実施形態のUSBデバイス100は、PC10のUSBポート17に差し込まれた状態で使用され、これにより、アプリケーションの利用料金を適正に徴収可能なビジネスモデルの構築が可能となっている。すなわち、本通信システムにおいては、USBデバイス100の所有者が、管理サーバ30の管理者に対して一定の料金を事前に支払うことにより、その支払い済み料金が利用可能残高としてUSBデバイス100に記憶される。そして、そのUSBデバイス100をPC10に装着することで、ダウンロードサーバ20が提供する複数種類のアプリケーションの利用サービスを、その利用可能残高の範囲内において受けることができる。さらに、USBデバイス100において、アプリケーションの利用料金はアプリケーションごとに集計され、その集計データが管理サーバ30へ通知される。この通知に基づき、管理サーバ30の管理者は、USBデバイス100の所有者から徴収済みの利用料金を各アプリケーション提供者へ支払う。
【0026】
ここで、本実施形態のUSBデバイス100の具体的構成について説明する。
上述したように、このUSBデバイス100は、USBインタフェース110と、メモリ120と、CPU130とを備えている。
【0027】
USBインタフェース110は、USBコネクタ101がPC10のUSBポート17に差し込まれた状態で、そのPC10との電気的なやり取りを行うためのものである。具体的には、PC10から供給される電力をCPU130に供給するとともに、PC10とCPU130との間でのデータ通信を可能とする。
【0028】
メモリ120には、PC10に本USBデバイス100を外付けのキーボードとして認識させるためのデバイス情報があらかじめ記憶されたデバイス情報記憶エリア121と、ダウンロードサイトのウェブページのURLがあらかじめ記憶されたURL記憶エリア122と、本USBデバイス100に固有のIDがあらかじめ記憶されたID記憶エリア123と、認証に用いる認証鍵が記憶される認証鍵記憶エリア124と、課金金額をアプリケーションごとに集計した課金情報が記憶される認証エリア125と、利用可能残高が記憶される残高記憶エリア126とが設けられている。
【0029】
次に、本実施形態のUSBデバイス100においてCPU130が実行する処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、本USBデバイス100がPC10のUSBポート17に差し込まれることにより開始される。
【0030】
この処理が開始されると、まず、S101で、USBインタフェース110を介してPC10から入力される要求に応じて、メモリ120のデバイス情報記憶エリア121に記憶されているデバイス情報をPC10へ送信する。これにより、PC10において、外付けのキーボードが接続されたと認識される。
【0031】
続いて、S102では、USBインタフェース110を介してPC10から入力される信号に基づき、PC10のキーボード13に設けられているCapsLockキーがオン状態になっているか否かを判定する。すなわち、PC10のキーボード13には、CapsLockキーのオン/オフ状態を示すLEDが設けられており、PC10は、このLEDの点灯/消灯を制御するためにCapsLockキーのオン/オフ状態を表す信号をキーボードへ送信する。本S102では、この信号を入力することにより、CapsLockキーのオン/オフ状態を判定する。
【0032】
そして、S102で、CapsLockキーがオン状態になっていない(オフ状態になっている)と判定した場合には、S103へ移行し、認証鍵を生成する。具体的には、メモリ120のID記憶エリア123に記憶されている自己のIDをパラメータとして、所定の暗号生成アルゴリズムに基づき、毎回異なる内容の認証鍵を生成する。例えば、ダウンロードサイトへのアクセス回数をパラメータとして用いることにより、毎回異なる内容であってかつランダムでない(換言すれば、所定のウェブページ側で正規なものかどうか認証可能な)認証鍵を生成することができる。
【0033】
続いて、S104では、PC10のウェブブラウザを起動する処理を行う。具体的には、キーボード13のウェブブラウザ起動ボタンが押された場合にキーボード13が送信する信号と同じ信号を、USBインタフェース110を介してPC10へ送信する。これにより、PC10において、ウェブブラウザ(具体的には標準のウェブブラウザ)が起動する。
【0034】
続いて、S105では、メモリ120のURL記憶エリア122に記憶されているダウンロードサイトのウェブページのURLの末尾にS103で生成した認証鍵を付加したアドレスからウェブページデータを取得させる処理を、S104で起動したウェブブラウザに行わせ、S106へ移行する。具体的には、キーボード13でアドレスの入力を行った場合にキーボード13から送信される信号と同じ信号を、USBインタフェース110を介してPC10へ送信する。これにより、ダウンロードサーバ20において、PC10から受信した認証鍵に基づく認証が行われ、認証鍵が正規である場合にダウンロードサイトのウェブページのウェブページデータがPC10へ返信される。このような認証により、ダウンロードサーバ20は、個別認証された特定の利用者(ユーザ)に対してのみアプリケーションの利用サービスを提供することが可能となる。
【0035】
一方、上述したS102で、CapsLockキーがオン状態になっていると判定した場合には、S103〜S105の処理を行わず、そのままS106へ移行する。
S106では、USBインタフェース110を介してPC10から入力される信号に基づき、PC10のキーボード13に設けられているScrollLockキーが所定時間内(例えば5秒以内)に2度押されたか否かを判定する。すなわち、PC10のキーボード13には、ScrollLockキーのオン/オフ状態を示すLEDが設けられており、PC10は、このLEDの点灯/消灯を制御するためにScrollLockキーのオン/オフ状態を表す信号をキーボードへ送信する。本S106では、この信号を入力することにより、ScrollLockキーが押されたことを判定する。
【0036】
そして、S106で、ScrollLockキーが所定時間内に2度押されたと判定した場合には、S103へ戻る。つまり、ScrollLockキーを2回押すことで、USBデバイス100を装着し直すことなく、ダウンロードサイトへアクセスできるようにしている。
【0037】
一方、S106で、ScrollLockキーが所定時間内に2度押されていないと判定した場合には、S107へ移行し、USBインタフェース110を介してPC10から課金要求が入力されたか否かを判定する。ここで、課金要求とは、PC10において有償のサービスを受けようとする操作が行われた場合に、USBデバイス100側に記憶されている利用可能残高を減算させるためのものである。具体的には、課金金額と、課金を要求するアプリケーションの識別情報であるアプリケーションIDとが送信されてくる。
【0038】
そして、S107で、課金要求が入力されたと判定した場合には、S108へ移行し、課金要求の表す課金金額が、メモリ120の残高記憶エリア126に記憶されている利用可能残高よりも大きいか否かを判定する。
【0039】
このS107で、課金金額が利用可能残高よりも大きくない(利用可能残高以下である)と判定した場合には、S109へ移行し、メモリ120の残高記憶エリア126に記憶されている利用可能残高から課金金額を減算することで、利用可能残高を更新する。
【0040】
続いて、S110では、認証エリア125に記憶されている課金情報を更新する。具体的には、認証エリア125においてアプリケーションごとに集計されている課金金額のうち、課金要求の表すアプリケーションIDに対応するものに対して、課金要求の表す課金金額を加算する。
【0041】
続いて、S111では、課金に関する処理が正常に終了したことを通知するための課金済み情報をUSBインタフェース110を介してPC10へ送信し、S113へ移行する。これにより、PC10において、有償のサービスが実行可能となる。
【0042】
一方、S108で、課金金額が利用可能残高よりも大きい(残高不足である)と判定した場合には、S112へ移行し、課金ができないことを通知するための課金済み情報をUSBインタフェース110を介してPC10へ送信し、S113へ移行する。これにより、PC10において、有償のサービスを実行不能とすることができる。
【0043】
S113では、USBインタフェース110を介してPC10から通知要求が入力されたか否かを判定する。ここで、通知要求とは、認証エリア125に記憶されている課金情報をPC10へ通知させる要求である。
【0044】
そして、S113で、通知要求が入力されたと判定した場合には、S114へ移行し、認証エリア125に記憶されている課金情報をUSBインタフェース110を介してPC10へ送信し、S106へ戻る。このようにすることで、PC10から管理サーバ30へ課金情報を送信させることができる。ここで、PC10に課金情報を送信させる具体的手法としては、例えば、管理サーバ30へデータを送信するためのアプリケーション(以下「課金情報送信アプリケーション」という。)をあらかじめPC10にインストールしておき、この課金情報送信アプリケーションが、所定のタイミング(インターネット1を介した通信が可能な状態における定期的なタイミング等)で通知要求をUSBデバイス100へ送信し、USBデバイス100から返信されてきた課金情報を管理サーバ30へ送信することが考えられる。
【0045】
一方、S113で、通知要求が入力されていないと判定した場合には、そのままS106へ戻る。
なお、S107〜S110の処理においてはUSBデバイス100をキーボードではない装置(例えば通信装置)としてPC10に認識させる(デバイスの種類を切り替える)ようにすれば、PC10とUSBデバイス100との間でのデータ通信を効率よく行うことができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態のUSBデバイス100は、PC10に装着されることにより自身をキーボードとして認識させ(S101)、PC10のウェブブラウザを起動してダウンロードサイトへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボード13が送信する信号と同じ信号をPC10へ送信する(S104,S105)。このため、本USBデバイス100を用いれば、PC10に装着する操作を行うだけで、キーボード操作によりウェブブラウザを起動してダウンロードサイトへアクセスするのと同様の結果を得ることができる。したがって、ダウンロードサイトへアクセスする際の煩雑な操作を不要とすることができる。特に、本USBデバイス100は、自身を汎用周辺機器であるキーボードとしてPC10に認識させる構成のため、本USBデバイス100専用のドライバをPC10にインストールするといった準備を不要とする(又は少なくする)ことができる。また、本USBデバイス100は、PC10に装着されたタイミングでのダウンロードサイトへのアクセスを禁止することもできる(S102:YES)。
【0047】
さらに、本USBデバイス100は、PC10のキーボード13におけるScrollLockキーの2度押し操作を検出された場合にも(S106:YES)、ダウンロードサイトへアクセスするようにしている。このため、USBデバイス100を抜き差しすることなく、キーボード13における極めて簡単なキー操作によりダウンロードサイトへアクセスすることができる。
【0048】
また、本USBデバイス100は、自己のIDを用いて毎回異なる内容の認証鍵を生成し(S103)、この認証鍵を用いた認証をダウンロードサイトに対して行うため(S105)、USBデバイス100を装着しているPC10でのみウェブページへのアクセスを可能とするといった制限をかけることができ、しかも、認証のためのIDやパスワード等の入力操作を不要とすることができる。
【0049】
一方、本USBデバイス100は、利用可能残高を記憶し、PC10から課金金額が送信されてきた場合に(S107:YES)、その課金金額を利用可能残高から減算する処理を行うため(S109)、PC10において有償のサービスを受けた場合に、そのサービスの対価をUSBデバイス100の利用可能残高から支払うといったシステムを構築することが可能となり、これによりあたかも財布のような利用が可能となる。しかも、PC10から送信されてきた課金金額が利用可能残高よりも大きい場合には(S108:NO)、その旨をPC10へ通知するようにしているため(S112)、課金金額に対して利用可能残高が不足している場合には、PC10においてサービスを受けることができないようにすることができる。この結果、1つのUSBデバイス100で、複数種類のアプリケーションについての不正利用を確実に防止することができる。また、オフラインでの課金も可能となる。
【0050】
加えて、PC10から送信されてきた課金金額を、アプリケーションごとに集計して管理サーバ30へ送信するための処理を行うため(S110,S113:YES,S114)、どのアプリケーションについていくら課金されたかを管理サーバ30側で管理することができ、各アプリケーション提供者に対して公平な支払を行うことができる。
【0051】
なお、本実施形態のUSBデバイス100では、USBインタフェース110と、図3におけるS101の処理を実行するCPU130とが、本発明の認識手段に相当し、S103〜S105の処理を実行するCPU130が、本発明のウェブアクセス手段に相当し、USBインタフェース110と、S106の処理を実行するCPU130とが、本発明のキー操作検出手段に相当する。また、S108,S109,S112の処理を実行するCPU130が、本発明の残高更新手段に相当し、S110の処理を実行するCPU130が、本発明の課金集計手段に相当し、S113,S114の処理を実行するCPU130が、本発明の集計情報送信手段に相当する。さらに、メモリ120におけるID記憶エリア123及び認証鍵記憶エリア124が、本発明の認証情報記憶手段に相当し、メモリ120における残高記憶エリア126が、本発明の残高記憶手段に相当する。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
例えば、PC10からの要求に応じてUSBデバイス100に記憶されている秘密情報を送信する構成とすれば、PC10で動作するアプリケーションにおいて、オンライン/オフラインを問わず、適正なUSBデバイス100が接続されているか否かを判定することができる。このようにすれば、USBデバイス100が接続されている場合にのみアプリケーションを利用可能とするといった制限を設けることができる。
【0053】
また、USBデバイス100のメモリ120の残高記憶エリア126に記憶されている利用可能残高を、インターネット1を介して更新できるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態のUSBデバイス100では、アプリケーションごとに課金金額を集計するようにしているが、これに限ったものではなく、アプリケーション提供者ごとに課金金額を集計するようにしてもよい。要するに、課金元(支払先)を識別可能な情報ごとに課金金額を集計する手法であればよい。
【0054】
一方、上記実施形態では、認証が必要なウェブサイトへアクセスする構成のUSBデバイス100を例示したが、これに限ったものではなく、認証が不要なウェブサイトへアクセスする構成としてもよい。この場合、メモリ120におけるURL記憶エリア122には認証が不要なウェブページのURLが記憶され、ID記憶エリア123及び認証鍵記憶エリア124は不要とすることができる。また、図3のS103の処理を不要とすることができる。
【0055】
また、上記実施形態では、CapsLockキーがオン状態となっている場合にはPC10のUSBポート17に差し込まれてもウェブサイトへのアクセス処理を行わない構成のUSBデバイス100を例示したが、これに限ったものではなく、PC10のUSBポート17に差し込まれた場合には常にアクセス処理を行う構成としてもよい。この場合、図3のS102の処理を不要とすることができる。
【0056】
さらに、上記実施形態では、課金機能を有したUSBデバイス100を例示したが、これに限ったものではなく、課金機能を有しない構成とすることも可能である。この場合、メモリ120における認証エリア125及び残高記憶エリア126を不要とすることができ、また、図3のS106において、ScrollLockキーが所定時間内に2度押されていないと判定している間は待機することで、S107〜S114の処理を不要とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】USBデバイスの構成を表す説明図である。
【図2】USBデバイスが利用される通信システムのブロック図である。
【図3】USBデバイスのCPUが実行する処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
1…インターネット、10…PC、17…USBポート、20…ダウンロードサーバ、30…管理サーバ、100…USBデバイス、101…USBコネクタ、110…USBインタフェース、120…メモリ、121…デバイス情報記憶エリア、122…URL記憶エリア、123…ID記憶エリア、124…認証鍵記憶エリア、125…認証エリア、126…残高記憶エリア、130…CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置への着脱が可能なUSBデバイスであって、
本USBデバイスを前記情報処理装置にキーボードとして認識させる認識手段と、
前記情報処理装置のウェブブラウザを起動して所定のウェブページへアクセスするためのキーボード操作が行われた場合にキーボードが送信する信号と同じ信号を前記情報処理装置へ送信する信号送信処理を行うウェブアクセス手段と、
を備えたことを特徴とするUSBデバイス。
【請求項2】
前記ウェブアクセス手段は、本USBデバイスが前記情報処理装置に装着されたことを前記信号送信処理の実行条件としていること
を特徴とする請求項1に記載のUSBデバイス。
【請求項3】
前記情報処理装置のキーボードにおける所定のキー操作を検出するキー操作検出手段を備え、
前記ウェブアクセス手段は、前記キー操作検出手段により所定のキー操作が検出されたことを前記信号送信処理の実行条件としていること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のUSBデバイス。
【請求項4】
認証用情報を記憶する認証情報記憶手段を備え、
前記ウェブアクセス手段は、前記認証情報記憶手段に記憶されている認証用情報を用いて前記ウェブページへのアクセスを前記ウェブブラウザに行わせること
を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のUSBデバイス。
【請求項5】
残高を記憶する残高記憶手段と、
前記情報処理装置から課金金額が送信されてきた場合に、その課金金額を前記残高記憶手段により記憶されている残高から減算する処理を行う残高更新手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のUSBデバイス。
【請求項6】
前記残高更新手段は、前記情報処理装置から送信されてきた課金金額が前記残高記憶手段により記憶されている残高よりも大きい場合には、その旨を前記情報処理装置へ通知すること
を特徴とする請求項5に記載のUSBデバイス。
【請求項7】
前記課金金額は、その課金金額の課金元を識別可能な課金元識別情報とともに前記情報処理装置から送信されてくるものであり、
前記情報処理装置から送信されてきた課金金額を、前記課金元識別情報ごとに集計する処理を行う課金集計手段を備えたこと
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のUSBデバイス。
【請求項8】
前記課金集計手段により集計された課金金額を前記情報処理装置へ送信する集計情報送信手段を備えたこと
を特徴とする請求項7に記載のUSBデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−148518(P2007−148518A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338591(P2005−338591)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(599103801)株式会社 ネオテクノ (8)
【Fターム(参考)】