説明

アミノカルボン酸誘導体およびその医薬用途

【課題】
本発明は、一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ、並びにそれらを含有してなる薬剤に関する。


(式中、すべての記号は明細書に記載の通り。)
【解決手段】
上記の一般式(I)で示される化合物は、S1P受容体(特に、EDG−1、EDG−6および/またはEDG−8)結合能を有し、移植に対する拒絶反応、移植片対宿主病、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患、神経変性疾患等の予防および/または治療に有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

[式中、環Aはベンゼンまたはピリジン環を表し、
【化2】

[式中、R4、R4-1、R5、R5-1およびR5-2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、C1〜8アルコキシ基、またはC1〜8アルキル基を表し、pは0または1〜4の整数を表し(pが2以上のとき複数のR4は同じでも異なっていてもよい。)、右向き矢印は、Zと結合するものとする。]
を表し、Xは
【化3】

[式中、R6およびR7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜8アルキル基、または保護されていてもよい水酸基で置換されたC1〜8アルキル基を表し、またはR6とR7およびそれらが結合する炭素原子が一緒になって置換基を有していてもよい環を形成していてもよく、
【化4】

は、α配置に結合していることを表し、
【化5】

は、β配置に結合していることを表し、右向き矢印は、環Bと結合するものとする。]
を表し、Zは(1)保護されていてもよいカルボキシル基、(2)保護されていてもよい水酸基、(3)保護されていてもよいヒドロキサム酸基、(4)保護されていてもよいスルホン酸基、(5)保護されていてもよいボロン酸基、(6)保護されていてもよいカルバモイル基、(7)保護されていてもよいスルファモイル基、(8)−P(=O)(OR2)(OR3)[基中、R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜8アルキル基を表し、またはR2とR3が一緒になってC2〜4アルキレン基を表す。]、または(9)テトラゾリル基を表し、nは1を表し、mは0または1〜7の整数を表し、R1ハロゲン原子、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいC1〜8アルコキシ基(mが2以上のとき複数のR1は同じでも異なっていてもよい。)を表す。ただし、1−({6−[(2−メトキシ−4−プロピルベンジル)オキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸を除く。
で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項2】
Xが
【化6】

[式中、すべての記号は請求項記載と同じ意味を表す。]
である請求項記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項3】
Xが
【化7】

[式中、すべての記号は請求項記載と同じ意味を表す。]
である請求項記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項4】
【化8】

[式中、すべての記号は請求項1記載と同じ意味を表す。]
である請求項記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項5】
Zが保護されていてもよいカルボキシル基である請求項記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項6】
Xが
【化9】

[式中、右向き矢印は、環Bと結合するものとし、その他の記号は請求項記載と同じ意味を表す。]
である請求項記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項7】
一般式(IC−2)
【化10】

[式中、すべての記号は請求項1記載と同じ意味を表す。]
で示される化合物である請求項記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項8】
1−({6−[(4−イソブチル−2−メトキシベンジル)オキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸、1−({6−[(4−イソブチル−3−メトキシベンジル)オキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸、1−({6−[(2−エトキシ−4−イソブチルベンジル)オキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸、1−[(6−{[4−イソプロポキシ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸、1−[(6−{[2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸、1−({1−クロロ−6−[(2−メトキシ−4−プロピルベンジル)オキシ]−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸、1−({1−クロロ−6−[(4−イソブチル−2−メトキシベンジル)オキシ]−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸、1−[(1−クロロ−6−{[(2S)−3−(2,4−ジフルオロフェニル)−2−メチルプロピル]オキシ}−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸、1−[(6−{[4−エトキシ−2−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸、1−({6−[(4−エチル−2−メトキシベンジル)オキシ]−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸、1−({6−[(2−メトキシ−4−プロピルベンジル)オキシ]−1,5−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸、1−[(6−{[2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1−クロロ−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸、1−[(6−{[2−(ジフルオロメトキシ)−4−プロピルベンジル]オキシ}−1,5−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸、1−[(6−{[4−エトキシ−3−(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸、または1−({6−[(2−メトキシ−6−プロピル−3−ピリジニル)メトキシ]−1,5−ジメチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル}メチル)−3−アゼチジンカルボン酸である請求項1記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項9】
1−[(6−{[2,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}−1−メチル−3,4−ジヒドロ−2−ナフタレニル)メチル]−3−アゼチジンカルボン酸である請求項記載の化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
【請求項10】
一般式(I)
【化11】

[式中、環Aはベンゼンまたはピリジン環を表し、
【化12】

[式中、R4、R4-1、R5、R5-1およびR5-2は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、C1〜8アルコキシ基、またはC1〜8アルキル基を表し、pは0または1〜4の整数を表し(pが2以上のとき複数のR4は同じでも異なっていてもよい。)、右向き矢印は、Zと結合するものとする。]
を表し、Xは
【化13】

[式中、R6およびR7はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、保護されていてもよい水酸基、保護されていてもよいアミノ基、C1〜8アルキル基、または保護されていてもよい水酸基で置換されたC1〜8アルキル基を表し、またはR6とR7およびそれらが結合する炭素原子が一緒になって置換基を有していてもよい環を形成していてもよく、
【化14】

は、α配置に結合していることを表し、
【化15】

は、β配置に結合していることを表し、右向き矢印は、環Bと結合するものとする。]
を表し、Zは(1)保護されていてもよいカルボキシル基、(2)保護されていてもよい水酸基、(3)保護されていてもよいヒドロキサム酸基、(4)保護されていてもよいスルホン酸基、(5)保護されていてもよいボロン酸基、(6)保護されていてもよいカルバモイル基、(7)保護されていてもよいスルファモイル基、(8)−P(=O)(OR2)(OR3)[基中、R2およびR3はそれぞれ独立して、水素原子、C1〜8アルキル基を表し、またはR2とR3が一緒になってC2〜4アルキレン基を表す。]、または(9)テトラゾリル基を表し、nは1を表し、mは0または1〜7の整数を表し、R1ハロゲン原子、置換されていてもよいC1〜8アルキル基、または置換されていてもよいC1〜8アルコキシ基(mが2以上のとき複数のR1は同じでも異なっていてもよい。)を表す。]
で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。
【請求項11】
EDG−1アゴニスト、EDG−6アゴニストおよび/またはEDG−8アゴニストである請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
EDG−1アゴニストである請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
EDG−1、EDG−6および/またはEDG−8が関与する疾患の予防および/または治療剤である請求項10記載の医薬組成物。
【請求項14】
EDG−1、EDG−6および/またはEDG−8が関与する疾患が臓器、組織および/または細胞の移植に対する拒絶反応、自己免疫性疾患、アレルギー性疾患、喘息、多臓器不全、虚血再灌流障害、悪性腫瘍および/または神経変性疾患である請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
臓器、組織および/または細胞の移植に対する拒絶反応が腎臓、肝臓、心臓、肺、皮膚、角膜、血管、腱、骨、骨髄細胞、神経細胞および/または膵島細胞の移植に対する拒絶反応であり、自己免疫性疾患が膠原病、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、炎症性腸疾患、自己免疫性糖尿病、肺線維症および/または肝線維症であり、アレルギー性疾患がアトピー性皮膚炎、花粉症および/または食物アレルギーである請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
免疫抑制剤および/またはリンパ球減少作用剤である請求項10記載の医薬組成物。
【請求項17】
請求項10記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、代謝拮抗薬、アルキル化薬、T細胞活性化阻害薬、カルシニューリン阻害薬、増殖シグナル阻害薬、ステロイド薬、免疫抑制薬、免疫抑制に用いる抗体、拒絶反応治療薬、抗生物質、抗ウィルス薬および抗真菌薬から選ばれる1種または2種以上とを組み合わせてなる医薬。
【請求項18】
EDG−1、EDG−6および/またはEDG−8が関与する疾患の予防および/または治療剤を製造するための請求項10記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。
【請求項19】
免疫抑制剤および/またはリンパ球減少作用剤を製造するための請求項10記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−137969(P2009−137969A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315456(P2008−315456)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【分割の表示】特願2006−548823(P2006−548823)の分割
【原出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【Fターム(参考)】