説明

アルキル−水素シロキサンの分解を防止する添加剤

a) それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;およびb) 式(1)R453O−HR21に示した抗酸化化合物
【化1】


(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの濃度で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなるオルガノヒドロシロキサン組成物を提供する。
本発明の組成物は、安定性を示し、オルガノヒドロシロキサン生成物の貯蔵寿命が著しく延長され、化学プロセスまたは半導体製造においてこれらの生成物を取り扱う際に、より大きな柔軟性が得られる。シロキサンが安定化された結果、化学供給ラインまたはバルブ中で生成物の重合が完了する(すなわち凝固する)可能性が回避され、これにより装置のメインテナンスとコストが減り、機械が製造外にある時間が減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に水分および酸素に安定性を示すシロキサン組成物に関する。より詳しくは、本発明は、1つまたはそれ以上の抗酸化化合物で安定化されたオルガノヒドロシロキサンに関する。
【背景技術】
【0002】
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)は、オルガノヒドロシロキサン(すなわち、[−HSiR−O−]で構成されており、Rはアルキル、そしてこの場合、メチルである)の一例であり、これはスペシャリティーポリマー形成に使用することができる。TMCTSは、環状オルガノヒドロシロキサンの例であり、開環重合を受ける能力を有する。また、それは、生成したポリマーに官能基を加えるのに使用することができる反応性のSi−H結合を有する。これらの独特な性質のため、半導体産業では、最近、化学蒸着法による半導体ウェハー上での低K絶縁膜(low-K dielectric film)のプラズマ加速化学蒸着法(PECVD)のための新しい前駆物質としてTMCTSが選ばれている。
【0003】
TMCTSおよび同様の環状オルガノヒドロシロキサンを半導体製造に導入することには、深刻な製造上の問題があり、その理由は、これらの物質が予測不可能な重合する可能性があるからである。この性質のため、もしも重合が液体または蒸気の化学供給ラインで起こる場合、対策には影響を受けたラインを分解して交換するしかなく、費用と時間がかかりうる。半導体産業は、安定な、予測できる信頼性の高い生成物を必要としており、この性質は、高容積の半導体製造では容認できない。従って、化学品供給者から末端使用工程への輸送の過程で、種々の条件に曝されたとしても生成物が重合しないように保証するためのTMCTSの安定化手段を見いだす必要がある。
【0004】
TMCTSおよびSi−H結合を有する他のアルキル−水素線状または環状シロキサンは、酸素または空気中の他の成分と反応しうる。この反応によりシロキサンの有意な分解が生じることがあり、そして環状物質が含まれる場合、室温でほんの短い空気への暴露の後で最終的には重合が完了してしまう。
【0005】
化学物質の分解は、貯蔵寿命を短くし、生成物の品質を低下させ、そしてもっと大きな問題、例えば物質が化学処理装置中で重合する場合、装置の中断時間が生じうる。また、加圧された化学ラインおよびバルブがつまる場合、安全性の問題が懸念される。
【0006】
半導体産業では、オルガノヒドロシロキサン生成物の高分子量種への分解は、化学物質の使用に伴いさらなる問題を引き起こす。処理機器に沸点の高い(例えば>50℃)物質を導入する最も一般的な方法は、周囲圧力より低い圧力で処理室中へ流れ込む加熱された「キャリヤー」ガスの流れに化学物質の蒸気またはミストを直接噴射することによる。加熱されたキャリヤーガスの流れによって生成物は蒸発し、生成物の蒸気は処理室に運ばれ、そこでシロキサンは、炭素ドープされた酸化ケイ素膜に変換される。しかし、この技術では、装置内部の生成物蒸気を均質にするため、通常、単一の純粋な種が必要である。分解したオルガノヒドロシロキサン中に見られるような高分子量種が存在する場合、それは加熱されたガス流れ中で容易に蒸発せず、代わりに単に処理装置の内部表面に集まる。これにより、例えば輸送ラインやバルブが詰まり、そしてウェハー上で粒子形成が起こるといったいくつかの問題が生じる。
【0007】
先行技術にはシロキサンおよびシラン含有組成物を安定化する試みが行われてきた。St
ein等への米国特許第5,177,142号は、不飽和基を含有するポリジオルガノシロキサン、Si−H基を含有する架橋剤、およびヒドロシリル化触媒を含んでなるシリコーン放出コーテング組成物を開示している。組成物中に少なくとも1つのフリーラジカル阻害剤、例えばアルコキシフェノールを配合することによって触媒を抑制する。その結果、組成物はアクリル接着剤へ結合する傾向が低下する。
【0008】
Brysonへの米国特許第5,556,901号は、特に炭化ケイ素の製造に使用されるポリシランベースの組成物を開示している。その組成物は、酸化によって分解し、ポリシロキサンタイプの生成物を形成しうるポリシラン鎖、および少なくとも1つの抗酸化剤系を含んでなる。抗酸化剤系は、ポリシランの空気に対する感受性を非常に低下させる。
【0009】
半導体分野に使用するための、水分および酸素に対して改善された安定性を示すオルガノヒドロシロキサンを含んでなる本発明のような組成物は、先行技術には見られない。本発明の安定な組成物では、オルガノヒドロシロキサン生成物の貯蔵寿命が著しく延長され、化学プロセスまたは半導体製造においてこれらの生成物を取り扱う際に、より大きな柔軟性が得られる。シロキサンが安定化された結果、化学供給ラインまたはバルブ中で生成物の重合が完了する(すなわち固化する)可能性が回避され、これにより装置のメインテナンスとコストが減り、装置の稼動外にある時間を減少させる。さらに、高分子量の化合物の形成を低減することで、蒸気供給ライン中で高分子量化合物が徐々に沈着する心配なしに、生成物が均一に蒸発し、蒸着した膜がよりばらつきのない品質の高いものになる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、
a.それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;および
b.式(1)の抗酸化化合物
【化1】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなるオルガノヒドロシロキサン組成物を提供する。
【0011】
本発明は、
a.それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
b.式(1)の抗酸化化合物
【化2】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである);および
【0012】
c.式(2)のアルコキシシラン
【化3】

(ここで、アルコキシシランは、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR6は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキルまたは置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR7、R8およびR9は、独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなるオルガノヒドロシロキサン組成物を提供する。
【0013】
また、上記組成物に加えて、本発明は、
a.オルガノヒドロシロキサン組成物をガス流れ中に導入し、これによってプロセス蒸気を形成し;
b.基板表面をプロセス蒸気と接触させ;そして
c.プロセス蒸気を分解し、これによって基板上で酸化物層を形成する;工程を含む、基板上での酸化物層の形成方法であって、
【0014】
その際、オルガノヒドロシロキサン組成物は、
a.それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;および
b.式(1)の抗酸化化合物
【化4】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなる前記方法を提供する。
【0015】
本発明による基板上での酸化物層の別の形成方法は、
a.オルガノヒドロシロキサン組成物をガス流れ中に導入し、これによってプロセス蒸気を形成し;
b.基板表面をプロセス蒸気と接触させ;そして
c.プロセス蒸気を分解し、これによって基板上で酸化物層を形成する;工程からなる、基板上での酸化物層の形成方法であって、
【0016】
その際、オルガノヒドロシロキサン組成物は、
a.それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
b.式(1)の抗酸化化合物
【化5】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである);および
【0017】
c.式(2)のアルコキシシラン
【化6】

(ここで、アルコキシシランは、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR6は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキルまたは置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR7、R8およびR9は、独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなる。
【0018】
本発明の安定な組成物では、オルガノヒドロシロキサン生成物の貯蔵寿命が著しく延長され、化学プロセスまたは半導体製造においてこれらの生成物を取り扱う際に、より大きな柔軟性が得られる。シロキサンが安定化された結果、化学供給ラインまたはバルブ中で生成物の重合が完了する(すなわち固化する)可能性が回避され、これにより装置のメインテナンスとコストが減り、機械が製造外にある時間が減少する。さらに、高分子量化合物の形成を低減することにより蒸気供給ライン中で高分子量化合物が徐々に沈着する心配なしに、生成物が均一に蒸発し、蒸着した膜がよりばらつきのない品質の高いものになる。さらに、安定化されたオルガノヒドロシロキサン組成物の使用方法を提供することが、本発明の目的である。
【0019】
本発明の一つの重要な態様は、本発明の組成物で蒸着した膜が、既存の組成物を用いて蒸着した膜と同等のおよび/またはより良好な性質を有することが見出されたということである。従って、本発明の組成物は、方法を変更するおよび/または望ましくない性能の変化を被ることなく円滑に既存の組成物と置き換えることができる。
【0020】
本発明の一実施態様において、オルガノシロキサン組成物は、
A) それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;および
B) 式(1)の抗酸化化合物
【化7】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの濃度で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなる。
【0021】
本発明の別の実施態様において、オルガノシロキサン組成物は、
a) それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
b) 式(1)の抗酸化化合物(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの濃度で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである);および
c) 式(2)に示した式(R6O)SiR789のアルコキシシラン
【化8】

(ここで、アルコキシシランは、約1ppm〜約5000ppmの濃度で存在し、そしてR6は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキルまたは置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR7、R8およびR9は、独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなる。
【0022】
また、本発明は、ウェハー上に炭素−ドープされた酸化ケイ素の層を形成するためのオルガノヒドロシロキサン組成物の使用方法に関する。
【0023】
本発明の実施態様において、方法は、
a) 容器中のオルガノヒドロシロキサン組成物、膜蒸着機器、容器と膜蒸着機器とを接続する手段、ガス流れおよび膜蒸着機器内の基板を準備し;
b) ガス流れにオルガノヒドロシロキサン組成物を導入し、それによってプロセス蒸気を形成し;
c) 膜蒸着機器内の基板にオルガノヒドロシロキサン組成物の蒸気を運び、そして
d) 基板上に炭素ドープされた酸化ケイ素の層を形成するためにプラズマ、熱または化学反応といったような1つまたはそれ以上の手段、を用いてオルガノヒドロシロキサン組成物を分解する:工程からなり、
【0024】
その際、オルガノヒドロシロキサン組成物は、
1) それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;および
2) 式(1)の抗酸化化合物(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの濃度で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなる。
【0025】
本発明の別の実施態様において、ウェハー上に炭素ドープされた酸化ケイ素の層を形成するためのオルガノヒドロシロキサン組成物の使用方法は、
a) 容器中のオルガノヒドロシロキサン組成物、膜蒸着機器、容器と膜蒸着機器とを接続する手段、ガス流れおよび膜蒸着機器内の基板を準備し;
b) ガス流れにオルガノヒドロシロキサン組成物を導入し、それによってプロセス蒸気を形成し;
c) 膜蒸着機器内の基板にオルガノヒドロシロキサン組成物の蒸気を運び、そして
d) 基板上に炭素ドープされた酸化ケイ素の層を形成するためにプラズマ、熱または化学反応といったような1つまたはそれ以上の手段、を用いてオルガノヒドロシロキサン組成物を分解する:工程からなり、
【0026】
その際、オルガノヒドロシロキサン組成物は、
1) それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
2) 式(1)の抗酸化化合物(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの濃度で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである);および
3) 式(2)に示した式(R6O)SiR789のアルコキシシラン(ここで、アルコキシシランは、約1ppm〜約5000ppmの濃度で存在し、そしてR6は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキルまたは置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR7、R8およびR9は、独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)を含んでなる。
【0027】
オルガノヒドロシロキサンは、線状または環状であることができる。本発明の線状オルガノヒドロシロキサン化合物の適切な例は、式(3)または代わりに式(4)中に記載されたものである。式(3)または(4)において、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置
換のアリールであることができ、そしてR11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであることができ、xは、1〜約20の範囲であることができ、そしてyは0〜約20の範囲であることができる。さらに、R11〜R16の少なくとも1つがHである場合、xは0であることができる。式(3)および(4)の例としては、R10〜R16がメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メチルフェニル、シクロヘキシル、イソプロピル、そしてR11〜R16についてはさらにHであり、yは、約0〜約10の範囲であることができ、ここでxは、約1〜約10の範囲であるか、または代わりにR11〜R16の1つがHである場合、0であるものが含まれるが、これに限定されない。式(3)および(4)の好ましい例としては、R10〜R16は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、そしてR11〜R16についてはさらにHであり、ここで、xは、約1〜約8の範囲であることができ、そしてyは、0〜約8の範囲であることができるものが含まれるがこれに限定されない。式(3)および(4)のより好ましい例としては、R10〜R16がメチル、エチル、シクロヘキシル、そしてR11〜R16についてはさらにHであり、ここで、xは、約1〜約4の範囲であることができ、そしてyは約1〜約5の範囲であることができるものが含まれるが、これに限定されない。半導体用途に使用する式(3)および(4)では、R10については、メチルが最も好ましく、R11〜R16については、メチルまたはHが最も好ましく、そしてxは、約3〜約4の範囲であることができ、一方、yは、約3〜約4の範囲であることができる。
【0028】
【化9】

【0029】
式(3)によって記載される線状オルガノヒドロシロキサンの適切な例としては、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタエチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタエチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフェニルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサエチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサフェニルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタエチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタフェニルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナエチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナフェニルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタメチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタエチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカエチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカフェニルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサンが含まれる。
【0030】
式(4)によって記載される線状オルガノヒドロシロキサンの適切な例としては、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、
1,1,3,3−テトラエチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジエチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカエチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカフェニルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカエチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカフェニルヘキサシロキサンおよび1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサンが含まれる。
【0031】
本発明の環式オルガノヒドロシロキサン化合物の適切な例は、式(5)によって記載されたものである。式(5)において、各R17は、独立してC1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであることができ、そしてzは、約2〜約21の範囲であることができる。式(5)の例としては、R17がメチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メチルフェニル、シクロヘキシルまたはイソプロピルであり、zは、約2〜約21の範囲であることができるものが含まれるが、これに限定されない。式(5)の好ましい例としては、R17がメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり、zは、約2〜約11の範囲であることができるものが含まれる。式(5)のより好ましい例としては、R17がメチル、エチルまたはシクロヘキシルであり、zは、約2〜約7の範囲でありうるものが含まれる。式(5)の最も好ましい例としては、半導体用途に使用するための、R17がメチルであり、そしてzは約2〜約5の範囲でありうるものが含まれる。
【0032】
【化10】

【0033】
式(5)によって記載される環状シロキサンの例としては、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリエチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリ(4−メチルフェニル)シクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(4−メチルフェニル)シクロテトラシロキサン、1,5−ジメチル−3,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチル−5,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタ(4−メチルフェニル)シクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサ(4−メチルフェニル)シクロヘキサシロキサン、1,5,9−トリメチル−3,7,11−トリエチルシクロヘキサシロキサンおよび1,3,5−トリメチル−7,9,11−トリエチルシクロヘキサシロキサンが含まれる。
【0034】
式(5)のような環状オルガノヒドロシロキサンは、式(3)または(4)のような線状化合物と比較して、ポリマー種を形成する能力がより大きいため半導体産業における使用が好ましい。環式オルガノヒドロシロキサンの好ましい例としては、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリエチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7テトラエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサンおよび1,3,5,7,9−ペンタエチルシクロペンタシロキサンが含まれる。1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサンおよび1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンは、半導体産業での使用が最も好ましい。
【0035】
基板に蒸着した層の性質、例えば誘電率、膜硬度および屈折率は、膜蒸着機器に供給する化学物質の組成を変えることによって影響を受ける。例えば、誘電率は、使用する処理条件に応じて約2.0〜約4.0の範囲でありうる。約2.7より小さい誘電率を有する物質は、より新しい半導体素子に好ましい。層の性質は、オルガノヒドロシロキサンの特徴を変えるか、異なるフローガスを用いるか、または1つ以上の異なる反応性ガスを用いることによって調整することができる。層の性質に影響を及ぼす別の手段は、オルガノヒドロシロキサンの組み合わせを用いること、またはオルガノヒドロシロキサンを他のケイ素含有分子、例えばシラン、ポリシラン、シロキサン、ポリシロキサン等と組み合わせることである。オルガノヒドロシロキサンを組み合わせるかまたはそれを他のケイ素化合物と組み合わせて使用するかの判断、およびその比率およびそれらを組み合わせる方法は、もっぱら達成したい所望の効果に左右される。このような組み合わせにおいて、相対比率は、二成分系の場合、約1%〜約99%、そして三成分系では約1%〜約99%の範囲であるが、三成分の合計は、すべての添加剤を除外して組成物の約100%となる。
【0036】
本発明の適切なフェノール系抗酸化剤は、式(1)(ここで、R1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであることができる)によって記載される。適切なR1〜R5の例としては、H、OH、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ブトキシまたはtert−ブトキシが含まれる。式(1)中のR1〜R5の好ましい例としては、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびtert−ブチルが含まれる。最も好ましい例は、Hおよびメトキシであり、その際、R1、R2、R4およびR5はHであり、そしてR3は、メトキシである。
【0037】
式(1)の適切な例としては、フェノール、ヒドロキノン、4−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2−メチルフェノール、4−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、4−イソ−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−イソ−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(1−メチルブチル)フェノール、2−(ベンジルオキシ)フェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、3−エトキシ−4−メチルフェノール、4−ベンジルオキシフェノール、4−ベンジル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2−ブテニル)フェノール、2−(4−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス−ベンジルオキシフェノール、2,4−ジシクロヘキシル−5−メチルフェノールおよび6−tert−ブチル−1,2−ジヒドロキシベンゼンが含まれるが、これらに限定されない。式(1)の好ましい抗酸化剤としては、フェノール、4−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2−メチルフェノール、4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノールおよび2−メトキシフェノールが含まれる。式(1)の最も好ましい抗酸化剤は、4−メトキシフェノールである。
【0038】
フェノール系添加剤の適切な濃度は、例えば約1ppm〜約5000ppmの濃度範囲から得ることができる。適切な濃度範囲は、適切な濃度の低端と適切な濃度の高端を定義することによって定義することができる。
【0039】
フェノール系添加剤の適切な濃度範囲の低端は、約1ppm〜約200ppmであることができる。低端濃度範囲の適切な濃度としては、1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppm、150ppmおよび200ppmが含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
適切な濃度範囲の高端は、組成物の安定化にとって重要でないが、蒸着した膜の純度およびオルガノヒドロシロキサン中のフェノール系添加剤の溶解度をいくらか考慮して制限される。フェノール系添加剤濃度の高端の適切な濃度範囲は、約1000ppm〜約5000ppmであることができる。高端の適切な濃度の例としては、1000ppm、1500ppm、2000ppm、2500ppm、3000ppm、3500ppm、4000ppm、4500ppmおよび5000ppmが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
フェノール系添加剤の適切な濃度の例は、1〜約1000ppmの範囲である。フェノール系添加剤の好ましい濃度は、約10〜約500ppmの範囲である。フェノール系添加剤のより好ましい濃度は、約25〜約200ppmの範囲である。フェノール系添加剤の最も好ましい濃度は、約50〜約100ppmの範囲である。
【0042】
式(1)のフェノール系添加剤の濃度は、1つのフェノール系添加剤またはフェノール系添加剤の混合物であってもよい。フェノール系添加剤の混合物は、任意の相対比率であることができる。
【0043】
半導体産業に有用な添加剤は、沸点<300℃を有し、揮発性である種に限定され、そして安定化する生成物の沸点に近い沸点を有することが最も好ましい。TMCTSの沸点は135℃であり、そこで135℃付近またはそれより低い沸点を有する添加剤を用いることが最も望ましい。さらに、半導体産業で適用するには、前駆物質の性質の選択が指定される。例えば、層間絶縁(ILD)膜の形成により、前駆物質の選択は、チップ中で取り囲んでいる層との適合性の問題のため、ケイ素、酸素、炭素および水素のみを用いるものに限定される。また、ラジカル阻害剤の選択は、この基準に従わなければならず、そのため、レシチンおよびリポ酸のような一般的なラジカル阻害剤に見られる窒素、硫黄およびリンは、回避しなければならない。半導体産業に有用な阻害剤について、揮発度および元素の制限を考慮して、好ましい選択は、フェノール、ヒドロキノン、4−メチルフェノールおよび4−メトキシフェノールであり、その際、これらの生成物の沸点は、それぞれ182℃〜243℃の範囲である。
【0044】
適切なアルコキシシラン添加剤化合物の例は、式(2)(ここで、R6はC1−C18直鎖、
環式もしくは分枝アルキルまたは置換されたもしくは非置換のアリールであり;R7、R8およびR9は、独立してH、C1−C18直鎖、環式もしくは分枝アルキル、C1−C18直鎖
、環式もしくは分枝アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)によって記載される。適切なR6基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、フェニルまたはメチルフェニルが含まれるが、これらに限定されない。適切なR7、R8およびR9基の例としては、H、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ−プロポキシ、ブトキシ、イソ−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、フェニルまたはメチルフェニルが含まれるが、これらに限定されない。式(2)中のR6の好ましい例としては、メチル、エチルおよびプロピルが含まれるが、これらに限定されない。R6の最も好ましい例は、メチルである。R7、R8およびR9の好ましい例としては、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシおよびプロポキシが含まれるが、これらに限定されない。R6の最も好ましい例は、メチルおよびエチルである。R7、R8およびR9の最も好ましい例には、メチル、エチル、メトキシおよびエトキシが含まれる。
【0045】
式(2)の適切な例としては、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)エトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、4−メチルフェニルトリエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、トリフェニルプロポキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)プロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジプロポキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、4−メチルフェニルトリプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリプロピルブトキシシラン、トリフェニルブトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)ブトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジブトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、4−メチルフェニルトリブトキシシラン、トリメチルフェノキシシラン、トリエチルフェノキシシラン、トリプロピルフェノキシシラン、トリフェニルフェノキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)フェノキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジプロピルジフェノキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジフェノキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、プロピルトリフェノキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、4−メチルフェニルトリフェノキシシラン、トリメチル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリエチル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリプロピル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリフェニル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリ(4−メチルフェニル)(4−メチルフェノキシ)シラン、ジメチルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジエチルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジプロピルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジフェニルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジ(4−メチルフェニル)ジ(4−メチルフェノキシ)シラン、メチルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、エチルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、プロピルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、フェニルトリ(4−メチルフェノキシ)シランおよび4−メチルフェニルトリ(4−メチルフェノキシ)シランが含まれるが、これらに限定されない。式(2)の好ましい例としては、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリプロピルブトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジブトキシシランおよびジプロピルジブトキシシランが含まれる。式(2)の最も好ましい例としては、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルブトキシシランおよびトリプロピルブトキシシランが含まれる。
【0046】
式(2)のアルコキシシラン添加剤化合物の適切な濃度は、例えば約1ppm〜約5000ppmの濃度範囲から得ることができる。適切な濃度範囲は、適切な濃度の低端と適切な濃度の高端を定義することによって定義することができる。
【0047】
アルコキシシラン添加剤化合物の適切な濃度範囲の低端は、約1ppm〜約500ppmであることができる。低端の濃度範囲についての適切な濃度としては、1ppm、5ppm、10ppm、25ppm、50ppm、100ppm、200ppm、300ppm、400ppmおよび500ppmが含まれるが、これらに限定されない。
【0048】
アルコキシシラン添加剤化合物についての適切な濃度範囲の高端は、約1000ppm〜約5000ppmであることができる。高端濃度範囲についての適切な濃度の例としては、1000ppm、1500ppm、2000ppm、2500ppm、3000ppm、3500ppm、4000ppm、4500ppmおよび5000ppmが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
式(2)のアルコキシシラン添加剤の濃度は、1つのアルコキシシラン添加剤またはアルコキシシラン添加剤の混合物であってもよく、そしてアルコキシシラン添加剤の混合物は、任意の相対比率であることができる。
【0050】
アルコキシシラン添加剤およびフェノール系添加剤の両方を使用する場合、好ましい濃度は、シロキサン、フェノール系添加剤およびアルコキシシラン添加剤の特徴に基づいて変化する。一般に、二つを組み合わせて使用する場合、アルコキシシランの濃度がフェノール系添加剤の濃度を超えることが好ましい。これは、特に高分子量のオルガノヒドロシロキサンにおいて、高いパーセンテージの固体フェノール系添加剤を用いる際に溶解度の問題に直面するためである。さらに、オルガノヒドロシロキサンを安定化する前にアルコキシシラン中に固体フェノール系添加剤を溶解することは有益でありうる。これにより、容器から容器へ固形物を洗浄する問題を心配することなく一回で均質に容易に計量して液体を添加することができる。
【0051】
フェノール系添加剤の適切な濃度が約1〜約1000ppmであることに加えて、アルコキシシラン添加剤の適切な濃度の例は、約1〜約5000ppmの範囲である。さらに、フェノール系添加剤の好ましい濃度が約10〜約500ppmであることに加えて、アルコキシシラン添加剤の好ましい濃度の例は、約10〜約2500ppmの範囲である。フェノール系添加剤のより好ましい濃度が約25〜約200ppmであることに加えて、アルコキシシラン添加剤のより好ましい濃度の例は、約100〜約1000ppmの範囲である。フェノール系添加剤の最も好ましい濃度が約50〜約100ppmであることに加えてアルコキシシラン添加剤の最も好ましい濃度の例は、約250〜約500ppmの範囲である。
【0052】
図1を参照して、式(3)、(4)および(5)によって記載されたタイプの化学的前駆物質は、できるだけ長い間、生成物の品質を保持するため典型的にはパックして輸送し、ステンレス鋼容器(1)中に保存する。前駆物質の貯蔵寿命を延長するには、不活性ガス、例えば窒素、アルゴンまたはヘリウム下で生成物をパックすることが一般的である。次いで、生成物とプロセスの純度及び一貫性を保持するよう正確に制御された手段によって化学物質を処理装置(ここでは膜蒸着機器に相当する)に運ぶ化学的供給装置に生成物の容器を接続する。
【0053】
前駆物質は、容器(1)から、化学供給ライン(2)を通して膜蒸着機器(11)中に収容された気化器または霧化装置(3)に運ばれる。前駆物質は、容器(1)から供給ライン(2)を通して 気化器または霧化装置(3)に種々の手段(不活性ガスによる容器の加圧、機械的ポンピングメカニズム、重力送りまたはそれらの組み合わせの使用が含まれるがこれらに限定されない)によって運ぶことができる。
【0054】
適切な前駆物質の流速は、約0.01〜約10mL/分の範囲でありうる。気化器または霧化装置(3)は、液体の前駆物質を蒸気または霧に急速に転化する手段として使用され、種々の技術、例えば熱、高圧ガスまたはこの作業を行う他の手段を用いることができ、液体から気体状態への前駆物質の転化は、気化器または霧化装置(3)中または化学蒸気プロセスライン(5)中のいずれかで実施することができる。前駆物質は、前駆物質の蒸気がライン(5)内部で凝結するのを防止するため一般に約30℃〜約120℃の間に加熱された化学蒸気プロセスライン(5)に、蒸気または霧の形態で噴射される。このラインは、膜蒸着機器(11)内部で処理室(4)に接続されており、基板(6)は処理室(4)内に収容されている。処理室(4)および化学蒸気プロセスライン(5)は、周囲圧力(すなわち760torr)で運転することができるが、また、一般には約0.01torr〜約700torrの大気圧より低い圧力で運転して、前駆物質の蒸発を高め、気相中での前駆物質の保持を助ける。
【0055】
前駆物質の蒸気は、気化器または霧化装置(3)を通過するガス流れによって化学蒸気プロセスライン(5)を通して処理室(4)中の基板(6)に運ばれる。ガスの流れは、供給源タンク(7)から供給され、ガス供給ライン(8)を通して化学蒸気プロセスライン(5)に流れる。ガスの流れは約5sccm〜約10,000sccmの流速を有し、前駆物質の蒸発を高めるために多くの場合加熱され、気相中に前駆物質を保持する助けとなる。使用するガスは、不活性、例えば窒素、ヘリウムまたはアルゴンであってもよく(単に前駆物質の蒸気を基板に運ぶための手段として作用するように選ばれる)、または反応性ガス、例えば酸素、オゾン、アンモニア、一酸化二窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、SiH4、シラン、四フッ化ケイ素、ヒドラジン等であってもよい。低k膜の蒸着では、一般に使用されない元素を含有するある種の反応性ガス、例えば窒素を含有するアンモニアは、蒸着した膜の改変が望ましい場合に使用することができる。蒸着過程の最終段階でアンモニアガスを流すことによって膜上面を窒素でドープして低k膜の蒸着プロセスを完了することは珍しくない。
【0056】
前駆物質の蒸気を基板(6)へ運ぶ際に、それを移動ガスに加えて1つ以上の反応体と混合して、基板上への蒸着を高めるか、または生成した膜を特定の方法でドープすることができる。反応体は、上記のように反応性ガスであってもよいし、または他の化学的な前駆物質、例えばアミン、アミノアルコール、シラン、シロキサン、アルカン、アルケン、アルキン、アルコール、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、アルシン、ヒ酸アルキル、ホスフィン、リン酸アルキル、ボラン、アルキルボレート、等またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、以下の前駆物質:メチルアミン、ジメチルアミン
、2−(ジメチルアミノ)エタノール、ジエチルシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、オクタン、シクロブテン、トリメチルシリルアセチレン、t−ブタノール、安息香酸メチル、アセトン、ベンズアルデヒドまたは酢酸、およびドーパント化学物質、例えばアルシン、ヒ酸トリメチル、ヒ酸トリエチル、ホスフィン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、ジボラン、ホウ酸トリメチルおよびホウ酸トリエチルは、本発明に使用することができる。反応体は、基板上への前駆物質の蒸着を高め、基板上へ蒸着された層の化学的な特徴および性質が改良されるよう注意深く選ばれる。これらの反応体は、所望の効果に応じて種々の手段によってプロセスの様々な場所で膜蒸着機器(11)に導入することができる。反応体をガス状形態で膜蒸着機器(11)に導入することは、最も都合がよく、そして液体反応体を使用する場合には、さらに気化器または霧化装置を具備する必要がある。さらなる気化器もしくは霧化装置または反応体を導入するために使用するガス供給ラインは、ガス供給ライン(8)が化学蒸気プロセスライン(5)と合流する地点付近、気化器または霧化装置の上流または下流、プラズマ(9)中に直接またはその近く、および/または膜蒸着機器(11)の膜処理室(4)の側面、上面もしくは底面上のどこかに設置することができる。
【0057】
また、前駆物質の蒸気および潜在的な反応体を、熱またはプラズマ(9)といったような蒸着を高める他の条件にさらすこともできる。前駆物質の蒸気は、基板と接触させる前に約100℃〜約800℃に予熱して基板上の前駆物質の蒸着を高めることができる。また、プラズマを用いて前駆物質の蒸気にエネルギーを加えて蒸着を高めることができる。さらに、プラズマをパルス的に施して蒸着された膜の性質を変えることができる。プラズマ出力およびパルス持続時間を注意深く選んで、基板上への前駆物質の蒸着を高め、基板上へ蒸着した層の化学的特徴および性質を改良する。また、プラズマをある周波数の範囲で適用することができ、その際、高周波数および低周波数のプラズマ出力は約0〜数キロワットの範囲でありうる。また、基板は、約0〜約−400VDCのバイアスを有して基板への物質移動を高めることができる。基板を約25℃〜約500℃に加熱して基板上で前駆物質の熱分解を生じさせるか、または基板上で前駆物質の蒸着を高めて使用することもできる。
【0058】
この蒸着過程でオルガノヒドロシロキサンおよび不活性ガスのみを使用する場合、生成した膜はSi、O、CおよびHからなる。ガス流れ中に酸素を用いる場合、膜中の酸素量を高めることができる。炭素および窒素は、炭素または窒素を含有する反応体を用いることによって加えることができる。さらに、ヒ素、ホウ素およびリンは、前述したように、これらの化合物を含有する反応体を用いることによって加えることができる。基板上へ蒸着された膜は、基板と接触させる反応体に全面的に左右される。未反応の物質は、排気ライン(10)を通して排出する。
【0059】
〔実施例〕
種々の条件下で純粋なTMCTSの分解と添加剤で安定化されたTMCTSとを比較するために一連の試験を行った。これらの試験では、安定化されたまたは安定化されてないTMCTS試料約5グラムをガラスアンプル中に置いた。試料から、付随するガス不純物を除去した後、密封し、試料を液体窒素中で凍結し、アンプルのヘッドスペースを動的真空下で排気し、次いで試料を静的真空下で解凍した。このプロセスを繰り返し、次いで、試料を反応性ガスと共にまたはなしで火炎熔封した。対照試料を真空下で密封し、一方、反応性の試験試料を周囲圧力で、反応性ガス約0.5重量%下で密封した。
【0060】
使用した反応性ガスは、酸素および二酸化炭素であった。これらのガスは空気中の反応性成分であるため選ばれた。また、湿り空気を使用し、そしてこれは空気を水蒸気で飽和させるため、通常の室内空気を、水バブラーを通して流すことによって発生させた。この条件を使用して、TMCTSを湿度100%で空気に暴露させるという最悪の場合の設定
をシミュレーションした。
【0061】
試料を、それぞれ潜在的反応性の条件用に準備し、次いでそれを25〜120℃の温度範囲に5日間暴露した。実験が終了した後、各試料において分解合計をガスクロマトグラフィ(GC)によって測定した。各実験の前後で採取した試料のガスクロマトグラムを比較することによって分解パーセンテージを導いた。その際、クロマトグラム中の他のすべての種の濃度増加は、分解を示す。
【0062】
実施例1〜20
表1に説明した結果は、純粋なTMCTSについて、二酸化炭素に暴露するかまたは真空下で保持した時に60℃より上に加熱した試料で少量の分解が観察されたことを示している。試料を酸素または空気に暴露した時は、全ての温度でより有意な分解が見られた。安定剤として5,000ppmのトリメチルメトキシシラン(TMMOS)を用いた同様の実験では、60〜120℃真空下または二酸化炭素に対する暴露では、分解は観察されなかった。これは、同様の条件下で純粋なTMCTSと比較してTMMOS安定剤が分解を防止したことを示している。しかし、酸素存在下では、TMMOSがTMCTSを安定化することはなかった。
【0063】
【表1】

【0064】
表1の結果は、4−メトキシフェノール(MHQ)を使用した時に、90℃まではTMCTSの観測可能な分解はなく、120℃では最小限の分解のみであり、これが全ての温度で非常に有効な安定剤であると立証されたことを示している。また、結果から、MHQを
TMMOSと組み合わせて使用すると、120℃でわずかに良好な結果が得られることがわかる。これは、実施例15で最も明らかであり、MHQおよびTMMOSの使用により、パーセント分解合計が0.16%〜0.05%低下した。
【0065】
実施例21〜27
次いで、TMCTSを効果的に安定化するのに必要な添加剤の最少量を決定するため添加剤の濃度範囲を試験した。TMCTSの試料を、0〜5000ppmのMHQ濃度で製造し、試料を上記の通りに酸素環境下でガラスアンプル中に密封した。試料を120℃で5日間加熱し、次いで各試料における分解合計をGCによって測定した。分解パーセンテージは、各実験の前後で採取した試料のガスクロマトグラムを比較して導いた。その際、クロマトグラム中の他のすべての種の濃度増加は、分解を示す。表2に示した結果は、10ppm程度の低いMHQ濃度では、TMCTSは分解に対して効果的に安定化されることを示している。5000ppmまでの濃度のMHQでTMCTSの安定化に有効であることがわかったが、1000ppm以上の濃度のMHQでは溶解度の問題が観察された。これらの濃度ではTMCTS中に可溶性であるが、濃度が高まるにつれて徐々に、最初にMHQをTMCTS中に溶解することが困難になる。
【0066】
【表2】

【0067】
さらに2つの添加剤タイプを試験してTMCTSを安定化する有効性を測定したところ、これらはフェノール環上の置換基および置換基の位置の変化によって異なった。100ppmの2つの異なるフェノール系添加剤、フェノールおよびクレゾールを用いてTMCTSの試料を、それぞれの反応性条件について準備した。試料を120℃で5日間加熱した。各試料において分解合計をGCによって測定した。分解パーセンテージを各実験の前後で採取した試料のガスクロマトグラムを比較することによって導いた。その際、クロマトグラムの他のすべての種の濃度増加は、分解を示す。これらの結果を、純粋なTMCTSと100ppmのMHQを用いたTMCTSについての表1からの結果に加えて比較したところ、フェノールおよびm−クレゾールは、酸素および湿り空気の存在下でMHQと同様に等しくTMCTSを安定化することがわかった。
【0068】
【表3】

【0069】
実施例37〜45
線状シロキサンを安定化する能力を示すために、2つのタイプの線状シロキサンをさらなる試験用に選んだ。式(6)に示した1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン(HMTS)は、末端ケイ素原子上に末端水素があるため選んだ。式(7)に示した1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン(OMTS)は、中央のケイ素原子上に内部水素があるため選んだ。
【化11】

【0070】
HMTSおよびOMTSの試料は、添加剤なしでまたは表4で示したように100ppmのMHQを用いて、それぞれ反応条件について準備した。試料を、120℃で5日間加熱した。各試料において分解合計をGCによって測定した。分解パーセンテージは、各実験の前後で採取した試料のガスクロマトグラムを比較することによって導いた。その際、クロマトグラム中の他のすべての種の濃度増加は、分解を示す。これらの結果を、純粋なTMCTSおよび100ppmのMHQを用いたTMCTSについての表1からの結果と比較した。データから、線状オルガノヒドロシロキサンでは酸素または湿り空気に暴露された時に分解が生じ、各タイプの線状オルガノヒドロシロキサンは、100ppmのMHQを用いて安定化されることがわかった。
【0071】
【表4】

【0072】
実施例46
100ppmの4−メトキシフェノールおよび150ppmのトリメチルメトキシシランで安定化された前駆物質、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンを窒素圧力を用いてステンレス鋼容器から化学供給ラインを通して燃料噴射器型気化器に5mL/分の流速で運んだ。80℃に加熱された化学蒸気プロセスライン中に前駆物質を蒸発させ、系のベース圧力を60torrで保持して二酸化炭素1,000sccmおよび酸素125sccmからなる反応性ガス混合物を用いて基板に運んだ。基板まで運ぶ間に、前駆物質の蒸気および反応性ガスを1,500Wの高周波数プラズマ出力および250Wの低周波数プラズマ出力に暴露した。基板バイアスを−15VDCにしながら基板を250℃に加熱した。これらの条件を用いて炭素ドープされたケイ素酸化膜を基板上に蒸着させた。
【0073】
本発明に従っていくつかの実施態様を記載し説明してきたが、同様のことが当業者に明白な多くの変更を受けることができることは理解すべきである。従って、本発明者らは、特許請求の範囲内に由来する全ての改変と実施態様を示すことを意図したが、記載し説明した内容に限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の組成物を使用するための半導体産業で用いられる膜蒸着機器を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;および
b.式(1)
【化1】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)の抗酸化化合物
を含むオルガノヒドロシロキサン組成物。
【請求項2】
1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物が、1つまたはそれ以上の線状化合物、1つまたはそれ以上の環状化合物およびそれらのいずれかの組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(3)
【化2】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;xは、約1〜約20であり;そしてR11〜R16の少なくとも1つがHである場合、xは0であることができる)の式を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてxは、約1〜約10である、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
式(3)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェニルジシ
ロキサン、1,1,1,3,3−ペンタ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−
テトラメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタエチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタエチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフェニルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサエチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサフェニルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタエチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタフェニルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナエチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナフェニルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタメチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタエチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカエチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカフェニルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(4)
【化3】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてyは、約0〜約20である)の式を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項7】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてyは、約0〜約8である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
式(4)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルジシロ
キサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジエチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカエチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカフェニルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカエチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
1つまたはそれ以上の環状化合物が、式(5)
【化4】

(ここで、R17は、独立してC1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてzは、約2〜約21である)の式を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
17がメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;そしてzは約2〜約11である、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
式(5)の環状オルガノヒドロシロキサンが、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリエチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリ(4−メチルフェニル)シクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(4−メチルフェニル)シクロテトラシロキサン、1,5−ジメチル−3,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチル−5,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタ(4−メチルフェニル)シクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサ(4−メチルフェニル)シクロヘキサシロキサン、1,5,9−トリメチル−3,7,11−トリエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5−トリメチル−7,9,11−トリエチルシクロヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項9に記載の組成物。
【請求項12】
1〜R5が、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、およびtert−ブチルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
式(1)の抗酸化化合物が、フェノール、ヒドロキノン、4−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2−メチルフェノール、4−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、4−イソ−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−イソ−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(1−メチルブチル)フェノール、2−(ベンジルオキシ)フェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、3−エトキシ−4−メチルフェノール、4−ベンジルオキシフェノール、4−ベンジル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2−ブテニル)フェノール、2−(4−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス−ベンジルオキシフェノール、2,4−ジシクロヘキシル−5−メチルフェノール、6−tert−ブチル−1,2−ジヒドロキシベンゼンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
抗酸化化合物が、約1ppm〜約1000ppmの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
抗酸化化合物が、約25ppm〜約200ppmの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
a.それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
b.式(1)
【化5】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは
環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)の抗酸化化合物;および
c.式(2)
【化6】

(ここで、該アルコキシシランは、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し;そしてR6は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキルまたは置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてR7、R8およびR9は、独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)のアルコキシシラン
を含むオルガノヒドロシロキサン組成物。
【請求項17】
1〜R5はH、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシまたはtert−ブチルである請求項16の組成物。
【請求項18】
式(1)の抗酸化化合物が、フェノール、ヒドロキノン、4−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2−メチルフェノール、4−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、4−イソ−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−イソ−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(1−メチルブチル)フェノール、2−(ベンジルオキシ)フェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、3−エトキシ−4−メチルフェノール、4−ベンジルオキシフェノール、4−ベンジル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2−ブテニル)フェノール、2−(4−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス−ベンジルオキシフェノール、2,4−ジシクロヘキシル−5−メチルフェノール、6−tert−ブチル−1,2−ジヒドロキシベンゼンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
抗酸化化合物が、約1ppm〜約1000ppmの量で存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項20】
抗酸化化合物が、約25ppm〜約200ppmの量で存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
6がメチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およびR9が、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである、請求項16に記載の組成物。
【請求項22】
式(2)のアルコキシシランが、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)エトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、4−メチルフェニルトリエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、トリフェニルプロポキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)プロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジプロポキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、4−メチルフェニルトリプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリプロピルブトキシシラン、トリフェニルブトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)ブトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジブトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、4−メチルフェニルトリブトキシシラン、トリメチルフェノキシシラン、トリエチルフェノキシシラン、トリプロピルフェノキシシラン、トリフェニルフェノキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)フェノキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジプロピルジフェノキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジフェノキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、プロピルトリフェノキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、4−メチルフェニルトリフェノキシシラン、トリメチル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリエチル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリプロピル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリフェニル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリ(4−メチルフェニル)(4−メチルフェノキシ)シラン、ジメチルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジエチルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジプロピルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジフェニルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジ(4−メチルフェニル)ジ(4−メチルフェノキシ)シラン、メチルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、エチルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、プロピルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、フェニルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、4−メチルフェニルトリ(4−メチルフェノキシ)シランおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項16に記載の組成物。
【請求項23】
アルコキシシランが、約10ppm〜約2500ppmの量で存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項24】
アルコキシシランが、約100ppm〜約1000ppmの量で存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項25】
1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物が、1つまたはそれ以上の線状化合物、1つまたはそれ以上の環状化合物、およびそれらのいずれかの組み合わせである、請求項16に記載の組成物。
【請求項26】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(3)
【化7】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;xは、約1〜約20であり;そしてR11〜R16の少なくとも1つがHである場合、xは0であることができる)の式を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてxは、約1〜約10である、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
式(3)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタエチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタエチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフェニルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサエチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサフェニルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタエチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタフェニルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナエチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナフェニルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタメチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタエチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカエチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカフェニルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項26に記載の組成物。
【請求項29】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(4)
【化8】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてyは、約0〜約20である)の式を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項30】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてyは、約0〜約8である、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
式(4)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジエチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカエチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカフェニルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカエチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
1つまたはそれ以上の環状化合物が、式(5)
【化9】

(ここで、R17は、独立してC1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてzは、約2〜約21である)の式を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項33】
17がメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;そしてzは約2〜約11である、請求項25に記載の組成物。
【請求項34】
式(5)の環状オルガノヒドロシロキサンが、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリエチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリ(4−メチルフェニル)シクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(4−メチルフェニル)シクロテトラシロキサン、1,5−ジメチル−3,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチル−5,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタ(4−メチルフェニル)シクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサ(4−メチルフェニル)シクロヘキサシロキサン、1,5,9−トリメチル−3,7,11−トリエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5−トリメチル−7,9,11−トリエチルシクロヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項32に記載の組成物。
【請求項35】
組成物が、
a.式(3)
【化10】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり
;そしてxは、約1〜約10である)の1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
b.式(1)(ここで、R1〜R5は、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびtert−ブチルである) の抗酸化化合物;および
c.式(2)(ここで、R6は、メチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およびR9は、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである)のアルコキシシラン
を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項36】
組成物が、
a.式(4)
【化11】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてyは、約0〜約20である)の1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
b.式(1)(ここで、R1〜R5は、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびtert−ブチルである) の抗酸化化合物;および
c.式(2)(ここで、R6は、メチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およびR9は、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである)のアルコキシシラン
を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項37】
組成物が、
a.式(5)
【化12】

(ここで、R17は、独立してC1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてzは、約2〜約11である)の1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
b.式(1)(ここで、R1〜R5は、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシお
よびtert−ブチルである) の抗酸化化合物;および
c.式(2)(ここで、R6は、メチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およびR9は、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである)のアルコキシシラン
を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項38】
a.オルガノヒドロシロキサン組成物をガス流れ中に導入し、これによってプロセス蒸気を形成し;
b.基板表面をプロセス蒸気と接触させ;そして
c.プロセス蒸気を分解し、これによって基板上で酸化物層を形成する
工程を含む、基板上での酸化物層の形成方法であって、
ここで、オルガノヒドロシロキサン組成物は、
それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;および
式(1)
【化13】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは
環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)の抗酸化化合物
を含む、上記方法。
【請求項39】
基板が半導体基板である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
酸化物層が、水素、炭素、窒素およびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれるドーパントを含むドープされた酸化ケイ素層である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
酸化物層が、ヒ素、ホウ素、リンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれるドーパントを含むドープされた酸化ケイ素層である、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
ガスの流れが、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、オゾン、アンモニア、一酸化二窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、SiH4、シラン、四フッ化ケイ素、ヒドラジンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれるガスを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
プロセス蒸気が、さらにアミン、アミノアルコール、シラン、シロキサン、アルカン、アルケン、アルキン、アルコール、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸およびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる化学的前駆物質を含む、請求項38
に記載の方法。
【請求項44】
プロセス蒸気が、さらにアルシン、ヒ酸アルキル、ホスフィン、リン酸アルキル、亜リン酸アルキル、ボラン、ホウ酸アルキルおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる化学的前駆物質を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
分解工程が、プラズマ、加熱、化学反応およびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる分解手段を含む、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
加熱分解手段が、約100℃〜約800℃の温度からなる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物が、1つまたはそれ以上の線状化合物、1つまたはそれ以上の環状化合物およびそれらのいずれかの組み合わせである、請求項38に記載の方法。
【請求項48】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(3)
【化14】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;xは、約1〜約20であり;そしてR11〜R16の少なくとも1つがHである場合、xは0であることができる)の式を有する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてxは、約1〜約10である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
式(3)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタエチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタエチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフェニルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサエチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサフェニルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタエチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタフェニルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナエチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナフェニルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタメチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタエチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカエチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカフェニルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(4)
【化15】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてyは、約0〜約20である)の式を有する、請求項47に記載の方法。
【請求項52】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16はメチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてyは、約0〜約8である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
式(4)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジエチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカエチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカフェニルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカエチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカフェニルヘキサシロキサン、および1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
1つまたはそれ以上の環状化合物が、式(5)
【化16】

(ここで、R17は、独立してC1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてzは、約2〜約21である)の式を有する、請求項47に記載の方法。
【請求項55】
17がメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;そしてzは約2〜約11である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
式(5)の環状オルガノヒドロシロキサンが、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリエチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリ(4−メチルフェニル)シクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(4−メチルフェニル)シクロテトラシロキサン、1,5−ジメチル−3,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチル−5,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタ(4−メチルフェニル)シクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサ(4−メチルフェニル)シクロヘキサシロキサン、1,5,9−トリメチル−3,7,11−トリエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5−トリメチル−7,9,11−トリエチルシクロヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
1〜R5が、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、およびtert−ブチルである、請求項38に記載の方法。
【請求項58】
式(1)の抗酸化化合物が、フェノール、ヒドロキノン、4−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2−メチルフェノール、4−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、4−イソ−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−イソ−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−
プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(1−メチルブチル)フェノール、2−(ベンジルオキシ)フェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、3−エトキシ−4−メチルフェノール、4−ベンジルオキシフェノール、4−ベンジル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2−ブテニル)フェノール、2−(4−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス−ベンジルオキシフェノール、2,4−ジシクロヘキシル−5−メチルフェノール、6−tert−ブチル−1,2−ジヒドロキシベンゼンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項38に記載の方法。
【請求項59】
抗酸化化合物が、約1ppm〜約1000ppmの量で存在する、請求項38に記載の方法。
【請求項60】
a.オルガノヒドロシロキサン組成物をガス流れ中に導入し、これによってプロセス蒸気を形成し;
b.基板表面をプロセス蒸気と接触させ;そして
c.プロセス蒸気を分解し、これによって基板上で酸化物層を形成する
工程を含む、基板上での酸化物層の形成方法であって、その際、オルガノヒドロシロキサン組成物は、
それぞれ少なくとも1つの[−HSiR−O−]単位(ここで、R=C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリール)を有する1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
式(1)
【化17】

(ここで、抗酸化化合物は、フェノール系化合物であり、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し、そしてR1〜R5は、それぞれ独立してH、OH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)の抗酸化化合物;および
式(2)
【化18】

(ここで、該アルコキシシランは、約1ppm〜約5000ppmの量で存在し;そしてR6は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキルまたは置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてR7、R8およびR9は、独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシまたは置換されたもしくは非置換のアリールである)のアルコキシシラン
を含む上記方法。
【請求項61】
基板が半導体基板である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
酸化物層が、水素、炭素、窒素およびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれるドーパントを含むドープされた酸化ケイ素層である、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
酸化物層が、ヒ素、ホウ素、リンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれるドーパントを含むドープされた酸化ケイ素層である、請求項60に記載の方法。
【請求項64】
ガスの流れが、窒素、ヘリウム、アルゴン、酸素、オゾン、アンモニア、一酸化二窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、SiH4、シラン、四フッ化ケイ素、ヒドラジンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれるガスを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
プロセス蒸気が、さらにアミン、アミノアルコール、シラン、シロキサン、アルカン、アルケン、アルキン、アルコール、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸およびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる化学的前駆物質を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
プロセス蒸気が、さらにアルシン、ヒ酸アルキル、ホスフィン、リン酸アルキル、亜リン酸アルキル、ボラン、ホウ酸アルキルおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる化学的前駆物質を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
分解工程が、プラズマ、加熱、化学反応およびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる分解手段を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項68】
加熱手段が、約100℃〜約800℃の温度からなる、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
1〜R5が、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびtert−ブチルである、請求項60に記載の方法。
【請求項70】
式(1)の抗酸化化合物が、フェノール、ヒドロキノン、4−メチルフェノール、3−メチルフェノール、2−メチルフェノール、4−エチルフェノール、4−プロピルフェノール、4−イソ−プロピルフェノール、4−ブチルフェノール、4−sec−ブチルフェノール、4−イソ−ブチルフェノール、4−tert−ブチルフェノール、4−メトキシフェノール、3−メトキシフェノール、2−メトキシフェノール、4−エトキシフェノール、4−プロポキシフェノール、4−ブトキシフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(1−メチルブチル)フェノール、2−(ベンジルオキシ)フェノール、2−tert−ブチル−6−メチルフェノール、3,4,5−トリメトキシフェノール、3−エトキシ−4−メチルフェノール、4−ベンジルオキシフェノール、4−ベンジル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2−ブテニル)フェノール、2−(4−メチルベンジル)フェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、1,2−ジヒドロキシベンゼン、2,4,6−トリス−ベンジルオキシフェノール、2,4−ジシクロヘキシル−5−メチルフェノール、6−tert−ブチル−1,2−ジヒドロキシベンゼンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項60に記載の方法。
【請求項71】
抗酸化化合物が、約1ppm〜約1000ppmの量で存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項72】
6がメチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およびR9が、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである、請求項60に記載の方法。
【請求項73】
式(2)のアルコキシシランが、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)メトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)エトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、4−メチルフェニルトリエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、トリフェニルプロポキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)プロポキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジプロポキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、4−メチルフェニルトリプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリプロピルブトキシシラン、トリフェニルブトキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)ブトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジフェニルジブトキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジブトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、4−メチルフェニルトリブトキシシラン、トリメチルフェノキシシラン、トリエチルフェノキシシラン、トリプロピルフェノキシシラン、トリフェニルフェノキシシラン、トリ(4−メチルフェニル)フェノキシシラン、ジメチルジフェノキシシラン、ジエチルジフェノキシシラン、ジプロピルジフェノキシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン、ジ(4−メチルフェニル)ジフェノキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、エチルトリフェノキシシラン、プロピルトリフェノキシシラン、フェニルトリフェノキシシラン、4−メチルフェニルトリフェノキシシラン、トリメチル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリエチル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリプロピル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリフェニル(4−メチルフェノキシ)シラン、トリ(4−メチルフェニル)(4−メチルフェノキシ)シラン、ジメチルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジエチルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジプロピルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジフェニルジ(4−メチルフェノキシ)シラン、ジ(4−メチルフェニル)ジ(4−メチルフェノキシ)シラン、メチルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、エチルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、プロピルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、フェニルトリ(4−メチルフェノキシ)シラン、4−メチルフェニルトリ(4−メチルフェノキシ)シランおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項60に記載の方法。
【請求項74】
アルコキシシランが、約10ppm〜約2500ppmの量で存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項75】
アルコキシシランが、約100ppm〜約1000ppmの量で存在する、請求項60に記載の方法。
【請求項76】
1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物が、1つまたはそれ以上の線状化合物、1つまたはそれ以上の環状化合物、およびそれらのいずれかの組み合わせである、請求項60に記載の方法。
【請求項77】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(3)
【化19】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;xは、約1〜約20であり;そしてR11〜R16の少なくとも1つがHである場合、xは0であることができる)の式を有する、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてxは、約1〜約10である、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
式(3)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1,1,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタエチルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタフェニルジシロキサン、1,1,1,3,3−ペンタ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタエチルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタフェニルトリシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサメチル−3−エチルトリシロキサン、1,1,1,5,5,5−ヘキサエチル−3−メチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタエチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフェニルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサメチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサエチルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサフェニルテトラシロキサン、1,1,3,5,7,7−ヘキサ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタメチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタエチルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタフェニルペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,9−ヘプタ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナメチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナエチルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナフェニルペンタシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,9,9−ノナ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタメチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタエチルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,5,7,9,11,11−オクタ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキ
サン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカメチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカエチルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカフェニルヘキサシロキサン、1,1,1,3,5,7,9,11,11,11−デカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
1つまたはそれ以上の線状化合物が、式(4)
【化20】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;R11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてyは、約0〜約20である)の式を有する、請求項76に記載の方法。
【請求項81】
10が、メチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;R11〜R16は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシルまたはHであり;そしてyは、約0〜約8である、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
式(4)の線状オルガノヒドロシロキサンが、1,1−ジエチル−3,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,1,3,3−テトラ(4−メチルフェニル)ジシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジエチルトリシロキサン、1,1,5,5−テトラエチル−3,3−ジメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサ(4−メチルフェニル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタエチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタ(4−メチルフェニル)テトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカエチルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカフェニルペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカ(4−メチルフェニル)ペンタシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカエチルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカフェニルヘキサシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカ(4−メチルフェニル)ヘキサシロキサおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項80に記載の方法。
【請求項83】
1つまたはそれ以上の環状化合物が、式(5)
【化21】

(ここで、R17は、独立してC1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてzは、約2〜約21である)の式を有する、請求項76に記載の方法。
【請求項84】
17がメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはシクロヘキシルであり;そしてzは約2〜約11である、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
式(5)の環状オルガノヒドロシロキサンが、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリエチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリ(4−メチルフェニル)シクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(4−メチルフェニル)シクロテトラシロキサン、1,5−ジメチル−3,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジメチル−5,7−ジエチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタエチルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタ(4−メチルフェニル)シクロペンタシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサフェニルシクロヘキサシロキサン、1,3,5,7,9,11−ヘキサ(4−メチルフェニル)シクロヘキサシロキサン、1,5,9−トリメチル−3,7,11−トリエチルシクロヘキサシロキサン、1,3,5−トリメチル−7,9,11−トリエチルシクロヘキサシロキサンおよびそれらのいずれかの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
オルガノヒドロシロキサン組成物が、
a.式(3)
【化22】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてxは、約1〜約10である)の1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン
化合物;
b.式(1)(ここで、R1〜R5は、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびtert−ブチルである)の抗酸化化合物;および
c.式(2)(ここで、R6は、メチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およびR9は、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである)のアルコキシシラン
を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項87】
オルガノヒドロシロキサン組成物が、
式(4)
【化23】

(ここで、R10は、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり、そしてR11〜R16は、それぞれ独立してH、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてyは、約0〜約20である)の1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン化合物;
式(1)(ここで、R1〜R5は、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびtert−ブチルである)の抗酸化化合物;および
式(2)(ここで、R6は、メチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およびR9は、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである)のアルコキシシラン
を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項88】
オルガノヒドロシロキサン組成物が、
式(5)
【化24】

(ここで、R17は、独立してC1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルキル、C1−C18直鎖、分枝もしくは環式アルコキシ、または置換されたもしくは非置換のアリールであり;そしてzは、約2〜約11である)の1つまたはそれ以上のオルガノヒドロシロキサン;
式(1)(ここで、R1〜R5は、H、OH、メチル、エチル、メトキシ、エトキシおよびtert−ブチルである)の抗酸化化合物;および
式(2)(ここで、R6は、メチル、エチルまたはプロピルであり;そしてR7、R8およ
びR9は、メチル、エチル、プロピル、メトキシ、エトキシまたはプロポキシである)のアルコキシシラン
を含む、請求項60に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−516302(P2006−516302A)
【公表日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−537889(P2004−537889)
【出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/029183
【国際公開番号】WO2004/027110
【国際公開日】平成16年4月1日(2004.4.1)
【出願人】(305037086)フジフィルム・エレクトロニック・マテリアルズ・ユーエスエイ・インコーポレイテッド (29)
【Fターム(参考)】