ウエハ研磨装置およびウエハ研磨方法
【課題】帯状の研磨体を用いて被研磨物であるウエハの外周端縁に対する研磨処理を行う場合に、当該研磨処理の高精度化や高効率化等を実現できるようにする。
【解決手段】研磨砥粒部分2aの両側に非研磨部分2bが配されてなる帯状の研磨体2を被研磨物であるウエハ1の外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させる研磨体走行手段と、前記ウエハ1の外周端縁に対応した形状の2つのガイド面4a,4bを有して前記研磨体走行手段が走行させる前記研磨体2における各非研磨部分2bに対して前記2つのガイド面4a,4bのそれぞれが当該各非研磨部分2bの背面側から加圧するガイド部材4と、を備えてウエハ研磨装置を構成する。
【解決手段】研磨砥粒部分2aの両側に非研磨部分2bが配されてなる帯状の研磨体2を被研磨物であるウエハ1の外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させる研磨体走行手段と、前記ウエハ1の外周端縁に対応した形状の2つのガイド面4a,4bを有して前記研磨体走行手段が走行させる前記研磨体2における各非研磨部分2bに対して前記2つのガイド面4a,4bのそれぞれが当該各非研磨部分2bの背面側から加圧するガイド部材4と、を備えてウエハ研磨装置を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハの外周端縁を研磨するウエハ研磨装置およびウエハ研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、歩留まり向上の観点から、ベベル部と呼ばれるウエハの外周端縁部分(端部の面取りされた部分)の表面状態が注目されている。ベベル部に残存した不要物質やダメージ等が、種々の工程を経る間に、剥離してデバイス表面に付着すると、製品歩留まりに悪影響を及ぼすからである。
このことから、近年では、半導体装置の製造工程における一工程として、ウエハのベベル部に対する研磨処理を行うことで、当該ベベル部からの異物発生を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、ウエハのベベル部に対する研磨処理としては、例えば、固定砥粒のついた帯状(テープ状)の研磨フィルムを用いて行う方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−345294号公報
【特許文献2】特開2003−163188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウエハの外周端縁(ベベル部)に対する研磨処理にあたっては、当該研磨処理の高精度化を実現するために、当該研磨処理を低加重で行うことが求められている。しかしながら、従来の研磨フィルムを用いて行う方法では、以下に述べる理由により、低加重での研磨処理を行うことが実現困難である。
【0005】
研磨フィルムを用いてウエハのベベル部に対する研磨処理を行う場合に、当該研磨処理を低加重で行うためには、当該研磨フィルムと当該ベベル部との接触面積を増やすことで、単位面積当たりの圧力を低下させるようにすることが考えられる。
ところが、研磨処理の際の研磨レートを維持するためには、研磨フィルムをウエハベベル部周方向との交差方向に走行させる必要がある。すなわち、図8に示すように、ウエハ11の上下に、研磨フィルム12の供給ロール13aと回収ロール13bとをそれぞれ配し、これらの各ロール13a,13b間で上から下方向またはその逆方向に、研磨フィルム12を動かす必要がある。したがって、研磨フィルム12の幅方向寸法を広げても、当該研磨フィルム12は、図9(a)に示すように、ウエハ11のベベル部との接触状態が、供給ロール13aおよび回収ロール13bの形状に依存することになり、必ずしもそれぞれの間の接触面積の増加に繋がるとは限らない。また、図9(b)に示すように、ウエハ11のベベル部の形状に倣うように、湾曲したガイド部材14を用いて、研磨フィルム12を背面側からウエハ11の側に向けて加圧することも考えられるが、ウエハ11の個体差によるベベル部の形状の相違を考慮すると、必ずしも均一な加圧を行うことができるとは限らずに、結果として単位面積当たりの圧力低下を実現できないおそれがある。
【0006】
また、研磨処理を低加重で行うためには、ウエハのベベル部に対する研磨フィルムの加圧力を小さくすることで、単位面積当たりの圧力を低下させるようにすることが考えられる。さらに具体的には、研磨フィルムの背面側からの加重をせずに、当該研磨フィルムの張力(テンション)で研磨圧力を制御することで、ウエハのベベル部に対する研磨フィルムの加圧力を小さくし、これにより単位面積当たりの圧力を低下させることが考えられる。
ところが、研磨フィルムのテンションで研磨圧力を制御する場合には、図10(a)(b)に示すように、小さなテンションにするほど、当該研磨フィルムが供給ロール13aおよび回収ロール13bの形状を維持しようとする力が強くなって、当該研磨フィルムがウエハ11のベベル部の形状に沿わなくなる。つまり、低加重にしようとすると、研磨フィルム12とウエハ11のベベル部との間の接触面積が小さくなってしまい、結果として位面積当たりの圧力低下を実現できないおそれがある。
【0007】
また、ウエハのベベル部に対する研磨フィルムの加圧力を小さくするためには、図11(a)(b)に示すように、ウエハ11をテーブル15上にセットし、研磨フィルム12を、被研磨物であるウエハ11のベベル部と当該被研磨物以外、すなわちテーブル15の外周端縁に接触させ、圧力を分散させることで研磨加重を逃がすことが考えられる。ところが、この手法は、ウエハ11のベベル部の形状や当該ウエハ11の大きさ(外径)等には個体差によるバラツキがあり、また、当該ウエハ11の外周が必ずしも真円でないことを考慮すると、現実的ではないと言える。
【0008】
そこで、本発明は、研磨フィルムに代表される帯状の研磨体を用いて被研磨物であるウエハの外周端縁に対する研磨処理を行う場合であっても、当該研磨処理を低加重で行うことができ、かつ、当該研磨処理の際の加重コントロールの精度を向上させることができ、これにより当該研磨処理の高精度化や高効率化等を実現することのできる、ウエハ研磨装置およびウエハ研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたウエハ研磨装置で、研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体を、被研磨物であるウエハの外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させる研磨体走行手段と、前記ウエハの外周端縁に対応した形状の2つのガイド面を有して、前記研磨体走行手段が走行させる前記研磨体における各非研磨部分に対して、前記2つのガイド面のそれぞれが当該各非研磨部分の背面側から加圧するガイド部材とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成のウエハ研磨装置では、ウエハの外周端縁に、研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体が接触する。すなわち、研磨砥粒部分だけでなく非研磨部分も接触するので、当該非研磨部分の分だけ、ウエハの外周端縁に対する帯状の研磨体の接触面積が大きくなる。しかも、ウエハの外周端縁と帯状の研磨体とが接触する際には、ガイド部材における2つのガイド面のそれぞれが当該研磨体における各非研磨部分の背面側から加圧するので、当該研磨体がウエハの外周端縁の形状に沿った状態で当該外周端縁に接触することになるとともに、研磨砥粒部分については背面側から直接的に加圧されることはなく、当該研磨砥粒部分における加圧力が過剰になってしまうこともない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウエハの外周端縁に対する帯状の研磨体の接触面積を増やすことで、単位面積当たりの圧力を低下させることが可能となり、また当該研磨体をウエハの外周端縁の形状に沿わせることで、当該外周端縁に対する研磨体の均一な加圧を行うことを実現可能にし、さらには研磨砥粒部分における加圧力が過剰になることもないので、帯状の研磨体を用いて被研磨物であるウエハの外周端縁に対する研磨処理を行う場合であっても、当該研磨処理を低加重で行うことができ、かつ、当該研磨処理の際の加重コントロールの精度を向上させることができ、これにより当該研磨処理の高精度化や高効率化等を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明に係るウエハ研磨装置およびウエハ研磨方法について説明する。
【0013】
〔第1の実施の形態〕
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1〜3は、本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【0014】
第1の実施の形態で例に挙げるウエハ研磨装置は、図1に示すように、被研磨物であるウエハ1の外周端縁(ベベル部)に対して、帯状の研磨体である研磨テープ2を、当該ベベル部に接触させながら、当該ベベル部との交差方向に走行させるように構成されている。さらに詳しくは、ウエハ1の上下に、研磨テープ2の供給ロール3aと回収ロール3bとをそれぞれ配し、これらの各ロール3a,3b間で上から下方向またはその逆方向、すなわちウエハ1の円周方向に対して垂直な方向に、研磨テープ2を動かすようになっている。つまり、これらの各ロール3a,3bによって、本発明における研磨体走行手段としての機能の一具体例が実現されるのである。
【0015】
研磨テープ2は、図2に示すように、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとを有しており、当該研磨砥粒部分2aの両側に当該非研磨部分2bが位置するように、それぞれが配されている。
研磨砥粒部分2aは、研磨テープ2の幅方向における中央近傍に配されている部分であり、ウエハ1のベベル部を研磨するための研磨砥粒によって構成される部分である。なお、研磨砥粒部分2aを構成する研磨砥粒は、ウエハ1のベベル部を研磨に適していれば、公知技術を利用して実現したものであればよく、その形成材料や形成手法等が特に限定されるものではない。
非研磨部分2bは、研磨テープ2の基材によって構成される部分である。基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる高分子フィルムを用いることが考えられる。つまり、非研磨部分2bは、PETフィルム等の基材表面が露出している部分であり、ウエハ1のベベル部を研磨するための研磨砥粒が配されていない部分のことである。
【0016】
このような構成の研磨テープ2は、PETフィルム等の基材における幅方向中央近傍に、研磨砥粒層を成膜することによって形成することが考えられる。つまり、研磨テープ2は、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとが一体に構成されていることになる。
また、研磨砥粒層の成膜によって形成された研磨テープ2は、研磨砥粒部分2aが被研磨物であるウエハ1のベベル部の側に突出するように、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとの間に段差を有することになる。この段差は、研磨砥粒部分2aの層厚によって特定されるが、例えば5〜100μm程度とすることが考えられる。
【0017】
また、ウエハ研磨装置は、図3に示すように、ウエハ1のベベル部との交差方向に走行する研磨テープ2の背面側、すなわち当該研磨テープ2を挟んで当該ウエハ1のベベル部と対向する側に、ガイド部材4が配設されている。
ガイド部材4は、ウエハ1のベベル部に対応した形状の2つのガイド面4a,4bを有して構成されている。ここで、ウエハ1のベベル部に対応した形状とは、当該ベベル部の形状に沿った形状、すなわち研磨テープ2が接触するベベル部と略同径で湾曲する形状のことをいう。ただし、これら2つのガイド面4a,4bは、研磨テープ2における非研磨部分2bの背面側に位置しており、研磨砥粒部分2aの背面側には位置していない。
このような2つのガイド面4a,4bを有したガイド部材4が研磨テープ2の背面側に配されることで、ウエハ研磨装置では、ウエハ1のベベル部との交差方向に走行する研磨テープ2における各非研磨部分2bに対して、当該ガイド部材4における2つのガイド面4a,4bが当該各非研磨部分2bの背面側からの加圧を行うことになる。なお、ここでいう加圧とは、研磨テープ2をウエハ1のベベル部の形状に倣わせるための加圧のことをいい、当該ベベル部との接触状態にある研磨テープ2に加重を与えるためのものではない。
【0018】
続いて、以上のような構成のウエハ研磨装置における処理動作例、すなわち本発明に係るウエハ研磨方法の一具体例について説明する。
【0019】
研磨テープ2をウエハ1のベベル部との交差方向に走行させて当該ベベル部に対する研磨処理を行う場合には、当該研磨処理の高精度化を実現するために、当該研磨処理を低加重で行うことが望ましい。また、研磨テープ2の背面側からウエハ1のベベル部の側に向けて加圧を行う場合に、その加圧力を低圧とするためには、当該背面側からの加圧を積極的に行うのではなく、当該背面側にガイド面を設け、そのガイド面によって研磨テープ2の走行を案内することが望ましいと考えられる。
【0020】
これらのことから、ウエハ研磨装置では、研磨テープ2の幅方向両脇部分に研磨砥粒を含まない非研磨部分2bを設置して、当該非研磨部分2bであれば圧力をかけてもウエハ1のベベル部に対する研磨が進まない状態にし、研磨テープ2を当該ベベル部との交差方向に走行させるのにあたり、非研磨部分2bの背面側をガイド部材4における2つのガイド面4a,4bでガイドするようにしている。ウエハ1のベベル部の表面を基準とする場合に、被研磨物である当該ウエハ1のベベル部の形状に研磨テープ2を倣わせるのが望ましいからである。
【0021】
つまり、研磨テープ2をウエハ1のベベル部との交差方向に走行させて当該ベベル部に対する研磨処理を行うのにあたり、ガイド部材4は、2つのガイド面4a,4bによって、研磨テープ2の幅方向両脇部分に位置する非研磨部分2bを、その背面側から抑える。そのため、研磨テープ2とウエハ1のベベル部との接触箇所では、当該研磨テープ2を構成するPETフィルム等の基材自体の柔軟性を利用しつつ、当該研磨テープ2がベベル部に倣うように形状を合わせることができ、その結果として研磨テープ2とウエハ1のベベル部との接触面積を増大させて、当該ベベル部に対する加圧力を分散させることができる。
【0022】
このとき、2つのガイド面4a,4bは、研磨テープ2の幅方向において研磨砥粒部分2aを間に挟むように配された各非研磨部分2bに対応するように配されている。つまり、各ガイド面×は、それぞれが離間して配されている。この離間距離については、被研磨物であるウエハ1のノッチ部分の大きさを考慮して設定されているものとする。具体的には、当該離間距離を、ウエハ1のノッチ部分の大きさよりも大きくすることが考えられる。これは、例えばノッチ部分が研磨対象箇所となった場合でも、2つのガイド面4a,4bが当該ノッチ部分を跨いで位置するようにして、研磨処理の際に当該ノッチ部分の端部近傍に悪影響が及ばないようにするためである。
【0023】
なお、2つのガイド面4a,4bは、必ずしも別体のものである必要はない。つまり、2つのガイド面4a,4bを有するガイド部材4は、一つのものであっても構わない。
その一方で、2つのガイド面4a,4bの間には、必ず離間部分が存在しているものとする。当該離間部分に対する箇所に位置することになる研磨テープ2の研磨砥粒部分2aには、積極的な加圧を行わないようにするためである。
【0024】
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態では、ウエハ1のベベル部に対する研磨処理を行うのにあたり、当該ベベル部に対して、研磨砥粒部分2aの両側に非研磨部分2bが配されてなる帯状の研磨テープ2が接触することになる。すなわち、研磨砥粒部分2aだけでなく非研磨部分2bもウエハ1のベベル部に接触するので、当該非研磨部分2bの分だけ、当該ベベル部に対する研磨テープ2の接触面積が大きくなる。しかも、ウエハ1のベベル部と研磨テープ2とが接触する際には、ガイド部材4における2つのガイド面4a,4bのそれぞれが、当該研磨テープ2における各非研磨部分2bの背面側から加圧するので、当該研磨テープ2がウエハ1のベベル部の形状に沿った状態で当該ベベル部に接触することになるとともに、研磨砥粒部分2aについては背面側から直接的に加圧されることはなく、当該研磨砥粒部分2aにおける加圧力が過剰になってしまうこともない。
【0025】
したがって、本発明の第1の実施の形態によれば、ウエハ1のベベル部に対する研磨テープ2の接触面積を増やすことで、単位面積当たりの圧力を低下させることが可能となり、また当該研磨テープ2をウエハ1のベベル部の形状に沿わせることで、当該ベベル部に対する当該研磨テープ2の均一な加圧を行うことを実現可能にし、さらには当該研磨テープ2の研磨砥粒部分2aにおける加圧力が過剰になることもないので、帯状の研磨テープ2を用いて被研磨物であるウエハ1のベベル部に対する研磨処理を行う場合であっても、当該研磨処理を低加重で行うことができ、かつ、当該研磨処理の際の加重コントロールの精度を向上させることができ、これにより当該研磨処理の高精度化や高効率化等を実現することができる。
【0026】
また、本発明の第1の実施の形態では、研磨砥粒部分2aが被研磨物であるウエハ1のベベル部の側に突出するように研磨テープ2における研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとの間に段差を有しているので、当該研磨砥粒部分2aの厚さが当該非研磨部分2bの厚さよりも若干厚くなる。そのため、研磨砥粒を含まない非研磨部分2bに対してガイド部材4における2つのガイド面4a,4bが加圧を行うことで、研磨砥粒を含む研磨砥粒部分2aにも良好に加圧を行い得るようになる。つまり、研磨砥粒部分2aに対する過剰な加圧を避けつつ、当該研磨砥粒部分2aへの加圧を良好に行い得るようになるのである。
【0027】
さらに、本発明の第1の実施の形態では、研磨テープ2における研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとが一体に構成されているので、ウエハ1の上下に当該研磨テープ2の供給ロール3aと回収ロール3bとをそれぞれ配置すれば、当該研磨テープ2をウエハ1のベベル部との交差方向に走行させることが可能となる。すなわち、ウエハ1のベベル部に対する研磨処理の低加重化を実現すべく、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとを有した構成の研磨テープ2を用いる場合であっても、当該研磨砥粒部分2aと当該非研磨部分2bとが一体に構成されている故に、これらを別々に走行させる場合に比べて、装置構成の簡素化が図れるようになる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。図例のウエハ研磨装置では、研磨テープ5が、上述した第1の実施の形態の場合とは異なる。
【0029】
研磨テープ5は、第1の実施の形態の場合と同様に、研磨砥粒部分5aと非研磨部分5bとを有して、当該研磨砥粒部分5aの両側に当該非研磨部分5bが位置するようにそれぞれが配されており、さらに当該研磨砥粒部分5aと当該非研磨部分5bとが一体に構成されたものである。
ただし、第1の実施の形態の場合とは異なり、研磨テープ5は、不織布等の軟質材料からなる基材によって非研磨部分5bが構成されているとともに、その基材に研磨砥粒を含浸させることによって研磨砥粒部分5aが構成されている。
【0030】
このような構成の研磨テープ5を用いてウエハ1のベベル部に対する研磨処理を行えば、圧力が掛け易く、かつ、軟質材料である不織布等を基材としているので、当該研磨テープ5と当該ベベル部との接触箇所において圧力を分散させ易くなり、その結果としてウエハ1のベベル部に対する研磨処理の際の低加重化を確実に実現し得るようになる。
【0031】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
上述した第1の実施の形態における構成例では、研磨砥粒部分2aの背面側から直接的な加圧を行わずに、当該研磨砥粒部分2aにおける加圧力が過剰になるのを回避する場合を例に挙げて説明したが、ここで説明する構成例では、研磨砥粒部分2aの背面側に加圧板6aを配するとともに、さらにその背面側に当該加圧板6aに対する圧力コントロール機構6bが設けられている点で、第1または第2の実施の形態の場合とは異なる。
加圧板6aは、研磨砥粒部分2aに対する加圧を行い得る板状のものであれば、その材質や形状等が特に限定されることはない。また、圧力コントロール機構6bについても、空気圧や水圧等を利用して圧力をコントロールするといったように、公知技術を利用して実現したものであればよい。
【0032】
このような加圧板6aおよび圧力コントロール機構6bを備えていれば、例えばウエハ1の個体差によって当該ウエハ1のベベル部の形状や当該ウエハ1の大きさ(外径)等にバラツキが生じている場合であっても、圧力コントロール機構6bによる圧力コントロールを通じて、研磨砥粒部分2aの背面側からの加圧力を所定の大きさに調整することが実現可能となる。したがって、ウエハ1の個体差によらずに、当該ウエハ1のベベル部に対する研磨処理の際の低加重化を適切に実現し得るようになる。
【0033】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図6は、本発明の第4の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。図例のウエハ研磨装置は、研磨テープ7を構成する研磨砥粒部分7aと非研磨部分7bとが別体に構成されている点で、上述した第1〜第4の実施の形態の場合とは異なる。
【0034】
さらに詳しくは、図6(a)に示すように、研磨テープ7が研磨砥粒部分7aと非研磨部分7bとから構成されており、ウエハ1のベベル部との接触箇所において、当該研磨砥粒部分7aの両側に当該非研磨部分7bが位置するようにそれぞれが配されている点では、第1〜第4の実施の形態の場合と共通する。ただし、第1〜第4の実施の形態の場合とは異なり、研磨砥粒部分7aについては、当該研磨砥粒部分7a用の供給ロール8aと回収ロール8bとによって支持された状態でウエハ1のベベル部との交差方向に走行するようになっており、また、非研磨部分7bについては、研磨砥粒部分7a用の供給ロール8aと回収ロール8bとは別に用意された非研磨部分7b用の供給ロール8cと回収ロール8dとによって支持された状態でウエハ1のベベル部との交差方向に走行するようになっている。
【0035】
このように、研磨砥粒部分7aと非研磨部分7bとを一体ではなく、これらを別体のものとして研磨テープ7を構成すれば、例えば研磨砥粒部分7aおよび非研磨部分7bとしてそれぞれ既存の製品を利用することが可能となり、その結果として当該研磨テープ7自体を構成するのが非常に容易化することになる。
【0036】
さらに、非研磨部分7bについては、単に圧力を分散させるガイドとしての機能を果たせばよいので、繰り返し用いること、すなわち当該非研磨部分7bを再利用することが実現可能になるという利点も得られる。
なお、非研磨部分7bを再利用する際には、図6(b)に示すように、当該非研磨部分7bの始点と終点を繋げて、ロール状にすることも考えられる。このようにすれば、短い長さの非研磨部分7bを繰り返し利用するといったことが実現可能となる。
【0037】
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図7は、本発明の第5の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【0038】
例えば、ウエハ1のベベル部に対する研磨処理については、図7(a)に示すように、当該ベベル部の最外周端縁のみでなく、トップ側(例えば、図中のθ分だけウエハ1の上面方向に移動した位置)またはこれと反対側のボトム側についても、行う必要が生じることが考えられる。
【0039】
これに対応するためには、ウエハ1のベベル部に対する研磨テープの接触位置を可変させるために、当該研磨テープの背面側に位置するガイド部材4を揺動させる揺動手段を設けることが考えられる。すなわち、ガイド部材4を揺動させることで、ウエハ1のベベル部に対する研磨テープの接触位置を、当該ベベル部の最外周端縁のみでなく、トップ側またはボトム側に移動するように可変させるのである。なお、ガイド部材4を揺動させる揺動手段については、例えば当該ガイド部材4を揺動可能に支持するリンク機構およびモータや電磁ソレノイド等の駆動源を用いるといったように、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0040】
ただし、ガイド部材4を揺動させてウエハ1のベベル部に対する接触位置を可変させる場合において、当該ガイド部材4のおけるガイド面4a,4bの形状を、当該ベベル部の最外周端縁のみに合わせてしまうと、当該接触位置がトップ側またはボトム側に移動した際に、当該ガイド面4a,4bの形状が当該ウエハ1のベベル部に対応しないものとなるおそれがある。これは、例えば図7(a)に示すように、ウエハ1のベベル部の最外周端縁とθ分だけ傾いたトップ側の位置とでは、当該ウエハ1の中心からの径が異なるため、これに伴って湾曲形状も異なるものとなるからである。
【0041】
そこで、揺動手段がガイド部材4を揺動させるように構成されている場合には、当該ガイド部材4におけるガイド面4a,4bは、揺動後においてもウエハ1のベベル部の形状に対応することになる面形状を有しているものとする。さらに具体的には、図7(b)に示すように、ガイド部材4の揺動に伴って、ガイド面4a,4bとウエハ1のベベル部との接触箇所も、当該ウエハ1の厚さ方向(図中上下方向)に移動することから、当該ガイド面4a,4bは、当該厚さ方向における位置によって湾曲形状が異なるような面形状を有しているものとする。
【0042】
このような面形状のガイド面×を有したガイド部材4を揺動させれば、ウエハ1のベベル部の最外周端縁のみでなくトップ側またはボトム側についても研磨処理を行う場合であっても、当該トップ側または当該ボトム側に対応した形状のガイド面4a,4bが研磨テープの背面側からの加圧を行うことになるので、当該研磨処理を低加重で行う際に起こる加重コントロールの精度を向上させつつ、その研磨効率を上げることが実現可能となる。
【0043】
以上に説明した第1〜第5の実施の形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。すなわち、本発明は、上述した各実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その1)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その2)である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その3)である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図8】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その1)である。
【図9】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その2)である。
【図10】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その3)である。
【図11】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その4)である。
【符号の説明】
【0045】
1…ウエハ、2…研磨テープ、2a…研磨砥粒部分、2b…非研磨部分、3a…供給ロール、3b…回収ロール、1次元イメージセンサ、4…ガイド部材、4a,4b…ガイド面、5…研磨テープ、5a…研磨砥粒部分、5b…非研磨部分、7…研磨テープ、7a…研磨砥粒部分、7b…非研磨部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエハの外周端縁を研磨するウエハ研磨装置およびウエハ研磨方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程では、歩留まり向上の観点から、ベベル部と呼ばれるウエハの外周端縁部分(端部の面取りされた部分)の表面状態が注目されている。ベベル部に残存した不要物質やダメージ等が、種々の工程を経る間に、剥離してデバイス表面に付着すると、製品歩留まりに悪影響を及ぼすからである。
このことから、近年では、半導体装置の製造工程における一工程として、ウエハのベベル部に対する研磨処理を行うことで、当該ベベル部からの異物発生を抑制することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そして、ウエハのベベル部に対する研磨処理としては、例えば、固定砥粒のついた帯状(テープ状)の研磨フィルムを用いて行う方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−345294号公報
【特許文献2】特開2003−163188号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウエハの外周端縁(ベベル部)に対する研磨処理にあたっては、当該研磨処理の高精度化を実現するために、当該研磨処理を低加重で行うことが求められている。しかしながら、従来の研磨フィルムを用いて行う方法では、以下に述べる理由により、低加重での研磨処理を行うことが実現困難である。
【0005】
研磨フィルムを用いてウエハのベベル部に対する研磨処理を行う場合に、当該研磨処理を低加重で行うためには、当該研磨フィルムと当該ベベル部との接触面積を増やすことで、単位面積当たりの圧力を低下させるようにすることが考えられる。
ところが、研磨処理の際の研磨レートを維持するためには、研磨フィルムをウエハベベル部周方向との交差方向に走行させる必要がある。すなわち、図8に示すように、ウエハ11の上下に、研磨フィルム12の供給ロール13aと回収ロール13bとをそれぞれ配し、これらの各ロール13a,13b間で上から下方向またはその逆方向に、研磨フィルム12を動かす必要がある。したがって、研磨フィルム12の幅方向寸法を広げても、当該研磨フィルム12は、図9(a)に示すように、ウエハ11のベベル部との接触状態が、供給ロール13aおよび回収ロール13bの形状に依存することになり、必ずしもそれぞれの間の接触面積の増加に繋がるとは限らない。また、図9(b)に示すように、ウエハ11のベベル部の形状に倣うように、湾曲したガイド部材14を用いて、研磨フィルム12を背面側からウエハ11の側に向けて加圧することも考えられるが、ウエハ11の個体差によるベベル部の形状の相違を考慮すると、必ずしも均一な加圧を行うことができるとは限らずに、結果として単位面積当たりの圧力低下を実現できないおそれがある。
【0006】
また、研磨処理を低加重で行うためには、ウエハのベベル部に対する研磨フィルムの加圧力を小さくすることで、単位面積当たりの圧力を低下させるようにすることが考えられる。さらに具体的には、研磨フィルムの背面側からの加重をせずに、当該研磨フィルムの張力(テンション)で研磨圧力を制御することで、ウエハのベベル部に対する研磨フィルムの加圧力を小さくし、これにより単位面積当たりの圧力を低下させることが考えられる。
ところが、研磨フィルムのテンションで研磨圧力を制御する場合には、図10(a)(b)に示すように、小さなテンションにするほど、当該研磨フィルムが供給ロール13aおよび回収ロール13bの形状を維持しようとする力が強くなって、当該研磨フィルムがウエハ11のベベル部の形状に沿わなくなる。つまり、低加重にしようとすると、研磨フィルム12とウエハ11のベベル部との間の接触面積が小さくなってしまい、結果として位面積当たりの圧力低下を実現できないおそれがある。
【0007】
また、ウエハのベベル部に対する研磨フィルムの加圧力を小さくするためには、図11(a)(b)に示すように、ウエハ11をテーブル15上にセットし、研磨フィルム12を、被研磨物であるウエハ11のベベル部と当該被研磨物以外、すなわちテーブル15の外周端縁に接触させ、圧力を分散させることで研磨加重を逃がすことが考えられる。ところが、この手法は、ウエハ11のベベル部の形状や当該ウエハ11の大きさ(外径)等には個体差によるバラツキがあり、また、当該ウエハ11の外周が必ずしも真円でないことを考慮すると、現実的ではないと言える。
【0008】
そこで、本発明は、研磨フィルムに代表される帯状の研磨体を用いて被研磨物であるウエハの外周端縁に対する研磨処理を行う場合であっても、当該研磨処理を低加重で行うことができ、かつ、当該研磨処理の際の加重コントロールの精度を向上させることができ、これにより当該研磨処理の高精度化や高効率化等を実現することのできる、ウエハ研磨装置およびウエハ研磨方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために案出されたウエハ研磨装置で、研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体を、被研磨物であるウエハの外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させる研磨体走行手段と、前記ウエハの外周端縁に対応した形状の2つのガイド面を有して、前記研磨体走行手段が走行させる前記研磨体における各非研磨部分に対して、前記2つのガイド面のそれぞれが当該各非研磨部分の背面側から加圧するガイド部材とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成のウエハ研磨装置では、ウエハの外周端縁に、研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体が接触する。すなわち、研磨砥粒部分だけでなく非研磨部分も接触するので、当該非研磨部分の分だけ、ウエハの外周端縁に対する帯状の研磨体の接触面積が大きくなる。しかも、ウエハの外周端縁と帯状の研磨体とが接触する際には、ガイド部材における2つのガイド面のそれぞれが当該研磨体における各非研磨部分の背面側から加圧するので、当該研磨体がウエハの外周端縁の形状に沿った状態で当該外周端縁に接触することになるとともに、研磨砥粒部分については背面側から直接的に加圧されることはなく、当該研磨砥粒部分における加圧力が過剰になってしまうこともない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ウエハの外周端縁に対する帯状の研磨体の接触面積を増やすことで、単位面積当たりの圧力を低下させることが可能となり、また当該研磨体をウエハの外周端縁の形状に沿わせることで、当該外周端縁に対する研磨体の均一な加圧を行うことを実現可能にし、さらには研磨砥粒部分における加圧力が過剰になることもないので、帯状の研磨体を用いて被研磨物であるウエハの外周端縁に対する研磨処理を行う場合であっても、当該研磨処理を低加重で行うことができ、かつ、当該研磨処理の際の加重コントロールの精度を向上させることができ、これにより当該研磨処理の高精度化や高効率化等を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明に係るウエハ研磨装置およびウエハ研磨方法について説明する。
【0013】
〔第1の実施の形態〕
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1〜3は、本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【0014】
第1の実施の形態で例に挙げるウエハ研磨装置は、図1に示すように、被研磨物であるウエハ1の外周端縁(ベベル部)に対して、帯状の研磨体である研磨テープ2を、当該ベベル部に接触させながら、当該ベベル部との交差方向に走行させるように構成されている。さらに詳しくは、ウエハ1の上下に、研磨テープ2の供給ロール3aと回収ロール3bとをそれぞれ配し、これらの各ロール3a,3b間で上から下方向またはその逆方向、すなわちウエハ1の円周方向に対して垂直な方向に、研磨テープ2を動かすようになっている。つまり、これらの各ロール3a,3bによって、本発明における研磨体走行手段としての機能の一具体例が実現されるのである。
【0015】
研磨テープ2は、図2に示すように、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとを有しており、当該研磨砥粒部分2aの両側に当該非研磨部分2bが位置するように、それぞれが配されている。
研磨砥粒部分2aは、研磨テープ2の幅方向における中央近傍に配されている部分であり、ウエハ1のベベル部を研磨するための研磨砥粒によって構成される部分である。なお、研磨砥粒部分2aを構成する研磨砥粒は、ウエハ1のベベル部を研磨に適していれば、公知技術を利用して実現したものであればよく、その形成材料や形成手法等が特に限定されるものではない。
非研磨部分2bは、研磨テープ2の基材によって構成される部分である。基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなる高分子フィルムを用いることが考えられる。つまり、非研磨部分2bは、PETフィルム等の基材表面が露出している部分であり、ウエハ1のベベル部を研磨するための研磨砥粒が配されていない部分のことである。
【0016】
このような構成の研磨テープ2は、PETフィルム等の基材における幅方向中央近傍に、研磨砥粒層を成膜することによって形成することが考えられる。つまり、研磨テープ2は、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとが一体に構成されていることになる。
また、研磨砥粒層の成膜によって形成された研磨テープ2は、研磨砥粒部分2aが被研磨物であるウエハ1のベベル部の側に突出するように、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとの間に段差を有することになる。この段差は、研磨砥粒部分2aの層厚によって特定されるが、例えば5〜100μm程度とすることが考えられる。
【0017】
また、ウエハ研磨装置は、図3に示すように、ウエハ1のベベル部との交差方向に走行する研磨テープ2の背面側、すなわち当該研磨テープ2を挟んで当該ウエハ1のベベル部と対向する側に、ガイド部材4が配設されている。
ガイド部材4は、ウエハ1のベベル部に対応した形状の2つのガイド面4a,4bを有して構成されている。ここで、ウエハ1のベベル部に対応した形状とは、当該ベベル部の形状に沿った形状、すなわち研磨テープ2が接触するベベル部と略同径で湾曲する形状のことをいう。ただし、これら2つのガイド面4a,4bは、研磨テープ2における非研磨部分2bの背面側に位置しており、研磨砥粒部分2aの背面側には位置していない。
このような2つのガイド面4a,4bを有したガイド部材4が研磨テープ2の背面側に配されることで、ウエハ研磨装置では、ウエハ1のベベル部との交差方向に走行する研磨テープ2における各非研磨部分2bに対して、当該ガイド部材4における2つのガイド面4a,4bが当該各非研磨部分2bの背面側からの加圧を行うことになる。なお、ここでいう加圧とは、研磨テープ2をウエハ1のベベル部の形状に倣わせるための加圧のことをいい、当該ベベル部との接触状態にある研磨テープ2に加重を与えるためのものではない。
【0018】
続いて、以上のような構成のウエハ研磨装置における処理動作例、すなわち本発明に係るウエハ研磨方法の一具体例について説明する。
【0019】
研磨テープ2をウエハ1のベベル部との交差方向に走行させて当該ベベル部に対する研磨処理を行う場合には、当該研磨処理の高精度化を実現するために、当該研磨処理を低加重で行うことが望ましい。また、研磨テープ2の背面側からウエハ1のベベル部の側に向けて加圧を行う場合に、その加圧力を低圧とするためには、当該背面側からの加圧を積極的に行うのではなく、当該背面側にガイド面を設け、そのガイド面によって研磨テープ2の走行を案内することが望ましいと考えられる。
【0020】
これらのことから、ウエハ研磨装置では、研磨テープ2の幅方向両脇部分に研磨砥粒を含まない非研磨部分2bを設置して、当該非研磨部分2bであれば圧力をかけてもウエハ1のベベル部に対する研磨が進まない状態にし、研磨テープ2を当該ベベル部との交差方向に走行させるのにあたり、非研磨部分2bの背面側をガイド部材4における2つのガイド面4a,4bでガイドするようにしている。ウエハ1のベベル部の表面を基準とする場合に、被研磨物である当該ウエハ1のベベル部の形状に研磨テープ2を倣わせるのが望ましいからである。
【0021】
つまり、研磨テープ2をウエハ1のベベル部との交差方向に走行させて当該ベベル部に対する研磨処理を行うのにあたり、ガイド部材4は、2つのガイド面4a,4bによって、研磨テープ2の幅方向両脇部分に位置する非研磨部分2bを、その背面側から抑える。そのため、研磨テープ2とウエハ1のベベル部との接触箇所では、当該研磨テープ2を構成するPETフィルム等の基材自体の柔軟性を利用しつつ、当該研磨テープ2がベベル部に倣うように形状を合わせることができ、その結果として研磨テープ2とウエハ1のベベル部との接触面積を増大させて、当該ベベル部に対する加圧力を分散させることができる。
【0022】
このとき、2つのガイド面4a,4bは、研磨テープ2の幅方向において研磨砥粒部分2aを間に挟むように配された各非研磨部分2bに対応するように配されている。つまり、各ガイド面×は、それぞれが離間して配されている。この離間距離については、被研磨物であるウエハ1のノッチ部分の大きさを考慮して設定されているものとする。具体的には、当該離間距離を、ウエハ1のノッチ部分の大きさよりも大きくすることが考えられる。これは、例えばノッチ部分が研磨対象箇所となった場合でも、2つのガイド面4a,4bが当該ノッチ部分を跨いで位置するようにして、研磨処理の際に当該ノッチ部分の端部近傍に悪影響が及ばないようにするためである。
【0023】
なお、2つのガイド面4a,4bは、必ずしも別体のものである必要はない。つまり、2つのガイド面4a,4bを有するガイド部材4は、一つのものであっても構わない。
その一方で、2つのガイド面4a,4bの間には、必ず離間部分が存在しているものとする。当該離間部分に対する箇所に位置することになる研磨テープ2の研磨砥粒部分2aには、積極的な加圧を行わないようにするためである。
【0024】
以上に説明したように、本発明の第1の実施の形態では、ウエハ1のベベル部に対する研磨処理を行うのにあたり、当該ベベル部に対して、研磨砥粒部分2aの両側に非研磨部分2bが配されてなる帯状の研磨テープ2が接触することになる。すなわち、研磨砥粒部分2aだけでなく非研磨部分2bもウエハ1のベベル部に接触するので、当該非研磨部分2bの分だけ、当該ベベル部に対する研磨テープ2の接触面積が大きくなる。しかも、ウエハ1のベベル部と研磨テープ2とが接触する際には、ガイド部材4における2つのガイド面4a,4bのそれぞれが、当該研磨テープ2における各非研磨部分2bの背面側から加圧するので、当該研磨テープ2がウエハ1のベベル部の形状に沿った状態で当該ベベル部に接触することになるとともに、研磨砥粒部分2aについては背面側から直接的に加圧されることはなく、当該研磨砥粒部分2aにおける加圧力が過剰になってしまうこともない。
【0025】
したがって、本発明の第1の実施の形態によれば、ウエハ1のベベル部に対する研磨テープ2の接触面積を増やすことで、単位面積当たりの圧力を低下させることが可能となり、また当該研磨テープ2をウエハ1のベベル部の形状に沿わせることで、当該ベベル部に対する当該研磨テープ2の均一な加圧を行うことを実現可能にし、さらには当該研磨テープ2の研磨砥粒部分2aにおける加圧力が過剰になることもないので、帯状の研磨テープ2を用いて被研磨物であるウエハ1のベベル部に対する研磨処理を行う場合であっても、当該研磨処理を低加重で行うことができ、かつ、当該研磨処理の際の加重コントロールの精度を向上させることができ、これにより当該研磨処理の高精度化や高効率化等を実現することができる。
【0026】
また、本発明の第1の実施の形態では、研磨砥粒部分2aが被研磨物であるウエハ1のベベル部の側に突出するように研磨テープ2における研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとの間に段差を有しているので、当該研磨砥粒部分2aの厚さが当該非研磨部分2bの厚さよりも若干厚くなる。そのため、研磨砥粒を含まない非研磨部分2bに対してガイド部材4における2つのガイド面4a,4bが加圧を行うことで、研磨砥粒を含む研磨砥粒部分2aにも良好に加圧を行い得るようになる。つまり、研磨砥粒部分2aに対する過剰な加圧を避けつつ、当該研磨砥粒部分2aへの加圧を良好に行い得るようになるのである。
【0027】
さらに、本発明の第1の実施の形態では、研磨テープ2における研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとが一体に構成されているので、ウエハ1の上下に当該研磨テープ2の供給ロール3aと回収ロール3bとをそれぞれ配置すれば、当該研磨テープ2をウエハ1のベベル部との交差方向に走行させることが可能となる。すなわち、ウエハ1のベベル部に対する研磨処理の低加重化を実現すべく、研磨砥粒部分2aと非研磨部分2bとを有した構成の研磨テープ2を用いる場合であっても、当該研磨砥粒部分2aと当該非研磨部分2bとが一体に構成されている故に、これらを別々に走行させる場合に比べて、装置構成の簡素化が図れるようになる。
【0028】
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。図例のウエハ研磨装置では、研磨テープ5が、上述した第1の実施の形態の場合とは異なる。
【0029】
研磨テープ5は、第1の実施の形態の場合と同様に、研磨砥粒部分5aと非研磨部分5bとを有して、当該研磨砥粒部分5aの両側に当該非研磨部分5bが位置するようにそれぞれが配されており、さらに当該研磨砥粒部分5aと当該非研磨部分5bとが一体に構成されたものである。
ただし、第1の実施の形態の場合とは異なり、研磨テープ5は、不織布等の軟質材料からなる基材によって非研磨部分5bが構成されているとともに、その基材に研磨砥粒を含浸させることによって研磨砥粒部分5aが構成されている。
【0030】
このような構成の研磨テープ5を用いてウエハ1のベベル部に対する研磨処理を行えば、圧力が掛け易く、かつ、軟質材料である不織布等を基材としているので、当該研磨テープ5と当該ベベル部との接触箇所において圧力を分散させ易くなり、その結果としてウエハ1のベベル部に対する研磨処理の際の低加重化を確実に実現し得るようになる。
【0031】
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
上述した第1の実施の形態における構成例では、研磨砥粒部分2aの背面側から直接的な加圧を行わずに、当該研磨砥粒部分2aにおける加圧力が過剰になるのを回避する場合を例に挙げて説明したが、ここで説明する構成例では、研磨砥粒部分2aの背面側に加圧板6aを配するとともに、さらにその背面側に当該加圧板6aに対する圧力コントロール機構6bが設けられている点で、第1または第2の実施の形態の場合とは異なる。
加圧板6aは、研磨砥粒部分2aに対する加圧を行い得る板状のものであれば、その材質や形状等が特に限定されることはない。また、圧力コントロール機構6bについても、空気圧や水圧等を利用して圧力をコントロールするといったように、公知技術を利用して実現したものであればよい。
【0032】
このような加圧板6aおよび圧力コントロール機構6bを備えていれば、例えばウエハ1の個体差によって当該ウエハ1のベベル部の形状や当該ウエハ1の大きさ(外径)等にバラツキが生じている場合であっても、圧力コントロール機構6bによる圧力コントロールを通じて、研磨砥粒部分2aの背面側からの加圧力を所定の大きさに調整することが実現可能となる。したがって、ウエハ1の個体差によらずに、当該ウエハ1のベベル部に対する研磨処理の際の低加重化を適切に実現し得るようになる。
【0033】
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図6は、本発明の第4の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。図例のウエハ研磨装置は、研磨テープ7を構成する研磨砥粒部分7aと非研磨部分7bとが別体に構成されている点で、上述した第1〜第4の実施の形態の場合とは異なる。
【0034】
さらに詳しくは、図6(a)に示すように、研磨テープ7が研磨砥粒部分7aと非研磨部分7bとから構成されており、ウエハ1のベベル部との接触箇所において、当該研磨砥粒部分7aの両側に当該非研磨部分7bが位置するようにそれぞれが配されている点では、第1〜第4の実施の形態の場合と共通する。ただし、第1〜第4の実施の形態の場合とは異なり、研磨砥粒部分7aについては、当該研磨砥粒部分7a用の供給ロール8aと回収ロール8bとによって支持された状態でウエハ1のベベル部との交差方向に走行するようになっており、また、非研磨部分7bについては、研磨砥粒部分7a用の供給ロール8aと回収ロール8bとは別に用意された非研磨部分7b用の供給ロール8cと回収ロール8dとによって支持された状態でウエハ1のベベル部との交差方向に走行するようになっている。
【0035】
このように、研磨砥粒部分7aと非研磨部分7bとを一体ではなく、これらを別体のものとして研磨テープ7を構成すれば、例えば研磨砥粒部分7aおよび非研磨部分7bとしてそれぞれ既存の製品を利用することが可能となり、その結果として当該研磨テープ7自体を構成するのが非常に容易化することになる。
【0036】
さらに、非研磨部分7bについては、単に圧力を分散させるガイドとしての機能を果たせばよいので、繰り返し用いること、すなわち当該非研磨部分7bを再利用することが実現可能になるという利点も得られる。
なお、非研磨部分7bを再利用する際には、図6(b)に示すように、当該非研磨部分7bの始点と終点を繋げて、ロール状にすることも考えられる。このようにすれば、短い長さの非研磨部分7bを繰り返し利用するといったことが実現可能となる。
【0037】
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図7は、本発明の第5の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【0038】
例えば、ウエハ1のベベル部に対する研磨処理については、図7(a)に示すように、当該ベベル部の最外周端縁のみでなく、トップ側(例えば、図中のθ分だけウエハ1の上面方向に移動した位置)またはこれと反対側のボトム側についても、行う必要が生じることが考えられる。
【0039】
これに対応するためには、ウエハ1のベベル部に対する研磨テープの接触位置を可変させるために、当該研磨テープの背面側に位置するガイド部材4を揺動させる揺動手段を設けることが考えられる。すなわち、ガイド部材4を揺動させることで、ウエハ1のベベル部に対する研磨テープの接触位置を、当該ベベル部の最外周端縁のみでなく、トップ側またはボトム側に移動するように可変させるのである。なお、ガイド部材4を揺動させる揺動手段については、例えば当該ガイド部材4を揺動可能に支持するリンク機構およびモータや電磁ソレノイド等の駆動源を用いるといったように、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0040】
ただし、ガイド部材4を揺動させてウエハ1のベベル部に対する接触位置を可変させる場合において、当該ガイド部材4のおけるガイド面4a,4bの形状を、当該ベベル部の最外周端縁のみに合わせてしまうと、当該接触位置がトップ側またはボトム側に移動した際に、当該ガイド面4a,4bの形状が当該ウエハ1のベベル部に対応しないものとなるおそれがある。これは、例えば図7(a)に示すように、ウエハ1のベベル部の最外周端縁とθ分だけ傾いたトップ側の位置とでは、当該ウエハ1の中心からの径が異なるため、これに伴って湾曲形状も異なるものとなるからである。
【0041】
そこで、揺動手段がガイド部材4を揺動させるように構成されている場合には、当該ガイド部材4におけるガイド面4a,4bは、揺動後においてもウエハ1のベベル部の形状に対応することになる面形状を有しているものとする。さらに具体的には、図7(b)に示すように、ガイド部材4の揺動に伴って、ガイド面4a,4bとウエハ1のベベル部との接触箇所も、当該ウエハ1の厚さ方向(図中上下方向)に移動することから、当該ガイド面4a,4bは、当該厚さ方向における位置によって湾曲形状が異なるような面形状を有しているものとする。
【0042】
このような面形状のガイド面×を有したガイド部材4を揺動させれば、ウエハ1のベベル部の最外周端縁のみでなくトップ側またはボトム側についても研磨処理を行う場合であっても、当該トップ側または当該ボトム側に対応した形状のガイド面4a,4bが研磨テープの背面側からの加圧を行うことになるので、当該研磨処理を低加重で行う際に起こる加重コントロールの精度を向上させつつ、その研磨効率を上げることが実現可能となる。
【0043】
以上に説明した第1〜第5の実施の形態では、本発明の好適な実施具体例を説明したが、本発明はその内容に限定されるものではない。すなわち、本発明は、上述した各実施形態で説明した内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その1)である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その2)である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その3)である。
【図4】本発明の第2の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図7】本発明の第5の実施の形態におけるウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図である。
【図8】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その1)である。
【図9】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その2)である。
【図10】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その3)である。
【図11】従来のウエハ研磨装置の概略構成例を示す説明図(その4)である。
【符号の説明】
【0045】
1…ウエハ、2…研磨テープ、2a…研磨砥粒部分、2b…非研磨部分、3a…供給ロール、3b…回収ロール、1次元イメージセンサ、4…ガイド部材、4a,4b…ガイド面、5…研磨テープ、5a…研磨砥粒部分、5b…非研磨部分、7…研磨テープ、7a…研磨砥粒部分、7b…非研磨部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体を、被研磨物であるウエハの外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させる研磨体走行手段と、
前記ウエハの外周端縁に対応した形状の2つのガイド面を有して、前記研磨体走行手段が走行させる前記研磨体における各非研磨部分に対して、前記2つのガイド面のそれぞれが当該各非研磨部分の背面側から加圧するガイド部材と
を備えることを特徴とするウエハ研磨装置。
【請求項2】
前記研磨体は、前記研磨砥粒部分が前記ウエハの外周端縁の側に突出するように、前記研磨砥粒部分と前記非研磨部分との間に段差を有している
ことを特徴とする請求項1記載のウエハ研磨装置。
【請求項3】
前記研磨体は、前記研磨砥粒部分と前記非研磨部分とが一体に構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載のウエハ研磨装置。
【請求項4】
前記研磨体は、前記研磨砥粒部分と前記非研磨部分とが別体に構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載のウエハ研磨装置。
【請求項5】
前記ウエハの外周端縁に対する前記研磨体の接触位置の可変のために前記ガイド部材を揺動させる揺動手段を備えるとともに、
前記ガイド部材における前記2つのガイド面は、前記揺動手段による揺動後においても前記ウエハの外周端縁に対応することになる面形状を有している
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のウエハ研磨装置。
【請求項6】
研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体を、被研磨物であるウエハの外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させるとともに、
走行させる前記研磨体の各非研磨部分に対して、前記ウエハの外周端縁に対応した形状の2つのガイド面を用いて、前記2つのガイド面のそれぞれが当該各非研磨部分の背面側からの加圧を行う
ことを特徴とするウエハ研磨方法。
【請求項1】
研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体を、被研磨物であるウエハの外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させる研磨体走行手段と、
前記ウエハの外周端縁に対応した形状の2つのガイド面を有して、前記研磨体走行手段が走行させる前記研磨体における各非研磨部分に対して、前記2つのガイド面のそれぞれが当該各非研磨部分の背面側から加圧するガイド部材と
を備えることを特徴とするウエハ研磨装置。
【請求項2】
前記研磨体は、前記研磨砥粒部分が前記ウエハの外周端縁の側に突出するように、前記研磨砥粒部分と前記非研磨部分との間に段差を有している
ことを特徴とする請求項1記載のウエハ研磨装置。
【請求項3】
前記研磨体は、前記研磨砥粒部分と前記非研磨部分とが一体に構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載のウエハ研磨装置。
【請求項4】
前記研磨体は、前記研磨砥粒部分と前記非研磨部分とが別体に構成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載のウエハ研磨装置。
【請求項5】
前記ウエハの外周端縁に対する前記研磨体の接触位置の可変のために前記ガイド部材を揺動させる揺動手段を備えるとともに、
前記ガイド部材における前記2つのガイド面は、前記揺動手段による揺動後においても前記ウエハの外周端縁に対応することになる面形状を有している
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のウエハ研磨装置。
【請求項6】
研磨砥粒部分の両側に非研磨部分が配されてなる帯状の研磨体を、被研磨物であるウエハの外周端縁に接触させながら当該外周端縁との交差方向に走行させるとともに、
走行させる前記研磨体の各非研磨部分に対して、前記ウエハの外周端縁に対応した形状の2つのガイド面を用いて、前記2つのガイド面のそれぞれが当該各非研磨部分の背面側からの加圧を行う
ことを特徴とするウエハ研磨方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−262316(P2009−262316A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118404(P2008−118404)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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