エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態をモニタするための方法及び装置
【課題】エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流中の活発な活性ガス化学種の存在及び濃度を下流側の位置でモニタリングすることによってプラズマ状態を決定するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法であって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができその温度変化に対応して温度変化を表す出力信号を生成することができる少なくとも1つのセンサエレメントを提供するステップと、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流にセンサエレメントを下流側の位置で接触させるステップと、センサエレメントによって生成される、放出ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号に基づいて、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するステップと、を含む方法である。
【解決手段】エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法であって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができその温度変化に対応して温度変化を表す出力信号を生成することができる少なくとも1つのセンサエレメントを提供するステップと、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流にセンサエレメントを下流側の位置で接触させるステップと、センサエレメントによって生成される、放出ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号に基づいて、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するステップと、を含む方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法及びシステムであって、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、エッチング目的のために活発に活性化された、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体又は遊離基等の1つ又は複数の活発な活性ガス化学種を検知することによってプラズマ状態を決定するための方法及びシステムに関する。
【0002】
特定の態様では、本発明は、半導体処理操作において、フッ素を含有した化合物及びイオン化学種をモニタするために有用なフルオロ化学種又はハロゲン化学種を検知するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの製造においては、ケイ素(Si)及び二酸化ケイ素(SiO2)の付着とそれに引き続くエッチングが重要な操作ステップであり、これらのステップは、現在、8〜10ステップからなっており、或いは総製造プロセスの大よそ25%を占めている。一様で、かつ、無矛盾の膜特性を保証するためには、付着ツール毎に、また、エッチングツール毎に、周期的に浄化手順を実施しなければならず、場合によっては付着操作及びエッチング操作毎に頻繁に実施しなければならない。
【0004】
エッチングプラズマは、エッチング及び化学気相成長(CVD)浄化目的のために半導体産業で広く使用されている。プラズマは、供給材料からガス分子を分離させることによって高反応化学種を生成するためのエネルギー媒体として利用されており、このような高度に反応性の化学種によってウェーハ上又はチャンバ壁の何れかの物質が取り除かれ、容易に除去することができる揮発性反応生成物が形成される。
【0005】
現在のエッチング操作では、規定された量の時間が経過すると、エッチング終点に到達する。浄化エッチングが終了した後もプロセスガスがリアクタチャンバに流入し続けるオーバエッチングが一般的であり、プロセスサイクルがより長くなり、ツールの寿命が短くなり、また、フルオロ化学種又は他の地球温暖化ガスが大気中に不要に放出される原因になっている。
【0006】
窒化ケイ素、酸化タンタル(Ta2O5)又はケイ素をベースとする低誘電率材料(例えばC及び/又はFドープSiO2)をエッチングする場合にも同様の問題が存在している。
【0007】
エッチングプロセスをモニタするために、ラングミュアプローブ、FTIR、光放出分光学及びイオン化質量分光学等の様々な分析技法が使用されている。
【0008】
しかしながら、これらの技法は高価になりがちであり、また、それらの複雑性のために専用のオペレータを必要とすることがしばしばである。さらに、これらの技法は、一般的に、それらの操作上の制約により、連続的にモニタするためにインラインで採用するには実用的ではないと見なされている。
【0009】
半導体プロセスの制御に有用であり、かつ、生命安全アプリケーション及び室内監視アプリケーション並びに他の産業プロセスガス検知アプリケーションに有用な、信頼性の高い単純な低コスト代替センサが必要である。
【0010】
従って、当分野においては、ケイ素、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素を始めとするケイ素含有物質の付着及びエッチングに使用され、また、エッチング及び浄化プロセスをモニタするために使用される装置のスループット及び化学的な効率を、浄化時間及びエッチング時間を短縮かつ最適化し、延いては化学薬品の使用を少なくし、装置の動作寿命を長くし、かつ、装置の休止時間を短くすることによって改善することができる、信頼性の高い低コスト検知方法及び装置が提供されることが大きな利点であろう。
【0011】
2004年4月22日発行の米国特許出願公告第20040074285号「APPARATUS AND PROCESS FOR SENSING FLUORO SPECIES IN SEMICONDUCTOR PROCESSING SYSTEMS」に、KFフランジ上の金属パッケージングポスト又はVespel(登録商標)ポリイミドブロックの周りに織られたフルオロ反応性金属フィラメント又はハロゲン反応性金属フィラメントを使用した、固体状態のフルオロ化学種又はハロゲン化学種を検知するための装置及び方法が開示されている。このような金属フィラメントに基づくセンサを使用したフルオロ化学種の検出には、フッ素を含有した化合物との反応によって生じる金属フィラメントの抵抗変化のモニタリングが利用されている。このような金属フィラメントに基づくセンサの許容可能な感度及び信号対雑音比を保証するために、金属パッケージングポスト又はVespel(登録商標)ポリイミドブロックを使用して金属フィラメントの寸法及び位置が制御され、かつ、最適化されているため、終点検出にはこのような金属フィラメントの絶対抵抗が適している。
【0012】
しかしながら、Vespel(登録商標)構造及び/又は金属パッケージングポストは、金属フィラメントセンサと共に使用すると、センサエレメントの信号強度を小さくするヒートシンクを形成することがある。また、金属フィラメント、金属ポスト及び/又はVespel(登録商標)ブロックを含有した三次元センサパッケージをKFフランジの上に製造することは、どちらかと言えば労働集約的である。
【0013】
超小型電子デバイスの製造及び他の産業オペレーションにおけるエッチング化学種のモニタ用に開発されたセンサの1つのタイプは、ペリスター触媒ガス検出器である。このデバイスには、白金等の適切な材料で形成された、直径の小さいワイヤコイルが耐火材料のサポート上に横たわっており、その上に触媒材料が配置されている。得られたアセンブリが、高められた温度、例えば約500℃程度の温度まで加熱され、モニタ中のガスの被モニタ化学種が、サポート上の触媒材料の触媒作用によって酸化される。
【0014】
検知操作の間、重要な化学種の燃焼熱がワイヤコイルに伝達され、このようなコイルを必要とする熱量検知によって重要なガス化学種が存在していることが決定され、或いは逆に、このような化学種の触媒酸化が生じない場合、モニタ中のガス流に重要なガス化学種が存在していないことが決定される。
【0015】
このような方法の場合、ガス流中のフッ素を検出するためのモニタとして、フッ素の存在に敏感なペリスターを有効に使用することができる。このようなペリスターの1つは、超微小機械加工されたニッケルワイヤアセンブリを炭化ケイ素サポートの上に備えており、発熱表面反応によってニッケルペリスターの温度が上昇し、延いてはニッケルワイヤエレメントの抵抗が変化する。
【0016】
しかしながら、ニッケルめっき炭化ケイ素モノフィラメントをセンサに使用する場合、ニッケルめっき炭化ケイ素モノフィラメントはフッ素プラズマによって容易にエッチングされるため、SiCを保護するために特に注意が必要である。従ってニッケルコーティングを妥当な厚さにし、かつ、モノフィラメント全体を完全に覆って、フッ素からSiCコアフィラメントを保護することが肝要である。従ってニッケルコーティングの厚さは、2ミクロン以上の厚さになることがある。エッチングプロセスモニタ(EPM)に使用される典型的な長さのフィラメントの場合、NiめっきSiCモノフィラメントの抵抗は、数オーム程度である。この小さい抵抗によって、関連する測定エレクトロニクスに重い負担が課せられる。また、フィラメントが1本ずつめっきされるため、SiCコアフィラメントにめっきを施すことは、冗長な作業である。また、フッ素プラズマ浄化操作の場合、ニッケル層に常にピンホールが展開する可能性があり、SiCモノフィラメントの下側がフッ素プラズマに露出し、構造が不良になることがある。
【0017】
下流側プローブを使用してエッチングプラズマがモニタされる例の場合、構築のために利用することができる材料の数が制限され、有用性が明らかであるにもかかわらず、このようなモニタリングデバイスを幅広く実施する能力が制限される。現在の商用実践では、T型熱電対及びニッケル−加鉛酸化ニッケルサーミスタが使用されているが、通常、T型熱電対には銅が含まれており、一般的には、EPMアプリケーションには許容不可能な材料と見なされている。また、ニッケル−加鉛酸化ニッケルサーミスタは、通常、カプセル封じ構造でパッケージされており、プラズマをモニタするアプリケーションの場合、このカプセル封じ構造を除去しなければならない。
【0018】
また、EPMシステムの既存のセットアップには、オペレータによるかなりの量の介在が必要である。詳細には、その前の浄化サイクルから収集される信号トレースをオペレータが解析した後、アルゴリズム及びトリップポイントの選択をマニュアルで設定しなければならない。
【0019】
以上から、現在のモニタリング装置には重大な欠点があること、また、改善が必要であり、かつ、望ましいことは明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、一般に、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法及び装置であって、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流中の活発な活性ガス化学種の存在及び濃度をモニタリングすることによってプラズマ状態を決定するための方法及びシステムに関している。
【課題を解決するための手段】
【0021】
一態様では、本発明は、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法であって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができる少なくとも1つのセンサエレメントを提供するステップと、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、このようなエッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流にセンサエレメントを接触させるステップと、センサエレメントによって生成される、放出ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号に基づいて、このようなエッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するステップと、を含む方法に関している。
【0022】
本発明の一実施形態では、このようなセンサエレメントは、異なる金属又は金属合金を含有し、それらの間に熱電接点を有する少なくとも2つの構成要素を備えることができる。このようなセンサエレメントの熱電接点は、放出ガス流中の活発な活性ガス化学種と接触すると、このような活発な活性ガス化学種が放出ガス流中に存在することによって生じる温度変化と相関関係のある電圧差を生成し、この電圧差を使用してエッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態(例えばプラズマエッチング終点)を決定することができる。
【0023】
他の実施形態では、センサエレメントは、サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、又は活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができる他の任意のプローブを備えている。
【0024】
センサエレメントに温度変化をもたらす活発なガス化学種には、それらに限定されないが、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びプラズマ状態によって生成されるそれらの誘導体並びに遊離基がある。このような活発なガス化学種は、エネルギーを運ぶ、プラズマ状態によって生成される荷電粒子より比較的寿命が長いニュートラルであり、エッチングプラズマ処理設備の下流側のプローブ表面に到達し、非弾性衝突及び/又は発熱再結合を介してプローブ表面にエネルギーを付与することができる。
【0025】
他の態様では、本発明は、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのシステムであって、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流から、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置でガス試料を得るためのガス試料採集デバイスと、ガス試料に露出するためにガス試料採集デバイスに動作的に結合された少なくとも1つのセンサエレメントであって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して該温度変化を表す出力信号を生成することができるセンサエレメントと、センサエレメントに動作的に結合されたモニタリングアセンブリであって、センサエレメントによって生成される、このようなガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号をモニタし、かつ、出力信号に基づいてエッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのモニタリングアセンブリと、を備えたシステムに関している。
【0026】
本明細書に使用されているように、「フルオロ化学種」或いは「フッ素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状フッ素化合物、本質的に原子及び二原子(F2)の形態のフッ素、フッ素イオン及びフッ素含有イオン化学種を始めとするあらゆるフッ素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。フルオロ化学種には、イオン化された形態すなわちプラズマ形態のNF3、SiF4、C2F6、HF、F2、COF2、ClF3、IF3等の活性化されたフッ素含有化学種がある。
【0027】
本明細書に使用されているように、「塩素化学種」或いは「塩素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状塩素化合物、本質的に原子及び二原子(Cl2)の形態の塩素、塩素イオン及び塩素含有イオン化学種を始めとするあらゆる塩素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。塩素化学種には、イオン化された形態すなわちプラズマ形態のNCl3、SiCl4、C2Cl6、HCl、Cl2、COCl2、ClF3、ICl3等の活性化された塩素含有化学種がある。
【0028】
本明細書に使用されているように、「臭素化学種」或いは「臭素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状臭素化合物、本質的に原子及び二原子(Br2)の形態の臭素、臭素イオン及び臭素含有イオン化学種を始めとするあらゆる臭素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。
【0029】
本明細書に使用されているように、「ヨウ素化学種」或いは「ヨウ素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状ヨウ素化合物、本質的に原子及び二原子(I2)の形態のヨウ素、ヨウ素イオン及びヨウ素含有イオン化学種を始めとするあらゆるヨウ素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。
【0030】
本明細書に使用されているように、「酸素化学種」或いは「酸素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状酸素化合物、本質的に原子、二原子(O2)又は三原子(O3)の形態の酸素、酸素イオン及び酸素含有イオン化学種を始めとするあらゆる酸素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。酸素化学種には、イオン化された形態すなわちプラズマ形態のH2O、NO、NO2、N2O等の活性化された酸素含有化学種がある。
【0031】
本明細書に使用されているように、「金属又は金属合金」という用語は、単体形態のあらゆる金属又は金属の合金、並びに金属ケイ化物及び/又は金属窒化物等の導電性金属化合物を包含するべく広義に解釈されたい。
【0032】
さらに他の態様では、本発明は、熱絶縁構造と、触媒材料と、加熱器と、温度センサと、を備えたガスセンサであって、温度センサが、サーモパイル、サーミスタ及び熱電エレメントのうちの少なくとも1つを備え、触媒材料が、ガスと触媒相互作用してガスを反応させることによって熱効果を生成し、温度センサが、熱効果を検知し、その熱効果と相関関係のある、触媒材料と接触しているガスの存在及び/又は濃度を表す出力を生成するように適合され、かつ、熱絶縁構造が、加熱器による触媒材料の加熱を少なくとも部分的に制限するようになされたガスセンサに関している。
【0033】
本発明の他の態様は、プロセス材料の流れが通過するように適合されたチャンバと、上で説明した、プロセス材料に存在している場合に前記ガスを検知するように適合されたガスセンサと、を備えた化学処理アセンブリに関している。
【0034】
本発明のさらに他の態様は、ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントを備えたセンサであって、前記フィラメントが、ガスを検知するために垂直に配向され、かつ、接続部中に配置されたセンサに関している。
【0035】
本発明の他の態様は、放出流中のガスを検知するように適合されたセンサであって、温度検知エレメントと、ガスが反応して、温度検知エレメントによる検出が可能な熱応答を生成するガス相互作用エレメントとを備えており、加熱器によるジュール加熱によって加熱され、かつ、
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
の関係に従って動作するように適合されたセンサに関している。上式で、ΔWは、検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化であり、hは、熱対流係数であり、かつ、放出熱伝導率k及び動粘性率vの関数である。Teffluentは実効放出温度であり、ΔHは、検知エレメントの表面に生じる反応のエンタルピーである。rは反応速度である。
【0036】
本発明の追加態様は、ガスを含有した放出流又はガスを含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、上で説明した本発明によるガスセンサの使用を含む方法に関している。
【0037】
本発明の他の態様、特徴及び実施形態については、以下の開示及び特許請求の範囲から、より完全に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
プラズマからプラズマ処理設備の内部の位置、例えばウェーハ基板又はプラズマ反応チャンバ壁へ向かう積分エネルギー束の調査には、熱プローブが使用されている。このような通常位置にある熱プローブによって明らかになる積分エネルギー束は、プローブ表面に衝突する際に、プラズマ中に存在している荷電粒子、ニュートラル及び光子によって運ばれるエネルギー束の和である。
【0039】
一方、本発明によれば、通常位置にあるエネルギープローブの代わりに下流側熱プローブを使用して、プラズマ処理設備によって生成される放出ガス流からのエネルギー束が、プラズマ状態から遠くに離れた下流側の位置でモニタされる。
【0040】
このような下流側の位置では、このような下流側の熱プローブの表面に到達することができるのは、荷電粒子及び光子より寿命が長いことを特徴とする、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基等の活発なニュートラルによって運ばれるエネルギー束のみである。このような活発なニュートラルによって運ばれるエネルギー束の強度は、プラズマ状態と量的に相関しているため、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を下流側で決定するために有利に使用することができる。
【0041】
従って、本発明の一実施形態では、上で説明した活発なニュートラル化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができるセンサエレメントが、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流に、エッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で露出され、それにより、放出ガス流中のこのような活発なニュートラルによって運ばれるエネルギー束がモニタされる。例えば、このようなセンサエレメントは、下流側流体流路又はこのような流体流路の一部を構成している部分の何れかに結合されているガス試料採集デバイスに動作的に結合することができ、それにより、このような下流側の位置で放出ガス流からガス試料を取得し、取得したガス試料にセンサエレメントを露出することができる。
【0042】
従って、放出ガス流中に活発なニュートラルが存在している場合、これらの活発なニュートラルがこのような下流側のセンサエレメントの表面に到達し、センサ表面とのそれらの非弾性衝突及び/又は発熱再結合による反応エネルギーの解放を介してセンサ表面にエネルギーが付与され、それによりこのようなセンサエレメントの表面の温度が検出可能に変化する。このような温度変化は、放出ガス流中の活発なニュートラルの存在及び濃度と相関しているため、このような温度変化を有効に使用して、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を予測することができる。
【0043】
このようなセンサエレメントは、2つの異なる金属構成要素を備えていることが好ましく、これらの構成要素は、それらの間のヘテロ接合によって一体に結合され、活発なガス化学種が存在すると、センサエレメントのこれらの2つの構成要素間に検出可能な電圧差の変化を示すことが好ましい。電圧差のこのような変化は、放出ガス流中の活発なガス化学種の濃度と量的に相関しており、このような変化をモニタリングデバイスによってモニタすることにより、前記エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を予測することができる。
【0044】
このようなセンサエレメントの特定の構造、組成及び表面状態は、本発明の実践に際して何ら重要ではない。
【0045】
放出ガス流が活発なフルオロ化学種又は他のハロゲン化学種の存在に敏感である場合、このようなセンサエレメントは、フルオロ化学種又は他のハロゲン化学種による腐食に対して耐性のある材料からなっているか、或いは例えば耐フルオロコーティング又は耐ハロゲンコーティングによってこのような腐食から保護されていることが好ましい。例えば、このようなセンサエレメントの2つの構成要素は、ニッケル、アルミニウム及び銅並びにそれらの合金等の金属又は金属合金を含有した金属フィラメントによって形成することができ、また、このような金属フィラメントには、約0.1ミクロンから約1000ミクロンまでの平均径を持たせることができる。
【0046】
本発明を実践するためのとりわけ好ましいタイプのセンサエレメントは、銅でできた第1の構成要素、及びコンスタンタン等の銅とニッケルの合金でできた第2の構成要素を備えたセンサエレメントである。銅及びニッケルはいずれも耐フルオロ性であり、従ってこのようなセンサエレメントを使用して、活発なフルオロ化学種を検出することができる。
【0047】
また、センサエレメントは、センサエレメントのこれらの2つの金属構成要素をフルオロ化学種による腐食から保護する耐フルオロコーティングを備えることも可能である。例えば、このようなセンサエレメントは、ポリテトラフルオロエチレン、アルミナ、グループIIの金属フッ化物(CaF2及びMgF2等)、及びペルフッ化重合体(Vespel(登録商標)の商標でDuPontが市販しているポリイミド材料等)で形成されたコーティングを有することができる。さらに、このような耐フルオロコーティングは、センサエレメントの金属構成要素を絶縁する役割を果たし、それにより、電圧差の測定を妨害する可能性のあるこれらの金属構成要素と外部導体又は導電性材料との不慮の接触が回避される。
【0048】
図1は、銅フィラメントで形成された第1の構成要素12及びコンスタンタンフィラメントで形成された第2の構成要素14を備え、ヘテロ熱電接点を形成するべくそれらの一方の端部で結合された例示的ウィッシュボーン形センサエレメント10を示したものである。第1及び第2の構成要素12及び14のもう一方の端部は、2つの電気接続部すなわち端子16及び18に固定されているか、或いはそれらの上に取り付けられており、上で説明したモニタリング及び信号発生デバイス(図示せず)を使用して、これらの2つの端子16と18の間の電圧差をモニタし、フルオロ化学種の存在及び濃度を決定することができる。
【0049】
図2は、異なる金属又は金属合金で形成された第1の構成要素22及び第2の構成要素24を備えた他の例示的センサエレメント20を示したものである。ポリテトラフルオロエチレンを含有した耐フルオロコーティング23は、これらの構成要素の両方を絶縁し、かつ、腐食性フルオロ化学種による腐食からこれらの構成要素を保護している。第1及び第2の構成要素22及び24は、ヘテロ接合を形成するべくそれらの一方の端部が結合されており、また、2つの電気接続部すなわち端子26及び28に固定されているか、或いはそれらの上に取り付けられている。これらの端子26及び28にモニタリング及び信号発生デバイス(図示せず)を電気結合し、これらの2つの端子26と28の間の電圧差をモニタすることができる。
【0050】
センサエレメントの2つの構成要素間の電圧差の測定は、単純な信号増幅エレメントを備えた電圧計又は適切な他の計器或いは装置を使用して容易に達成することができる。冷熱電接点補償(CJC)技法を使用して、センサエレメントと測定計器の間に形成される余計なあらゆるヘテロ接合の影響が補償され、電圧差の正確な測定が保証されることが好ましい。
【0051】
上で説明したセンサエレメントの信号測定は、単純で、かつ、容易であり、当業者には、たいした実験を必要とすることなく、容易にモニタリング及び信号発生デバイスの構成要素及び構成を決定することができる。より重要なことには、本発明によるこのようなセンサエレメントの信号測定は受動的であり、このようなセンサを動作させるための外部エネルギーは不要である。
【0052】
別法としては、本発明によるセンサエレメントは、それらに限定されないが、サーミスタ及び抵抗温度検出器(RTD)を始めとする他の任意の熱プローブを備えることも可能である。RTDは、修正が施されることなくその抵抗が読み取られる測定モードで動作させることができる。別法としては、RTDは、このようなRTDの抵抗又はこのようなRTDを通って流れる電流が、例えばこのようなRTDに引き渡される電力を変化させることによって規定の一定値を維持するように操作される、定抵抗制御モード又は定電流制御モードで動作させることも可能である。定電流制御モードの場合、操作される電力によって間接的に温度測値が提供される。
【0053】
以上の説明は、主として活発なフルオロ化学種の検出を対象にしたものであるが、本発明は、それらに限定されないが、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基を始めとする他の活発なガス化学種にも容易に適用することができる。
【0054】
本発明によるガス検知システムは、上で説明した単一のガスセンサを備えることができ、或いは複数のこのようなガスセンサを備えることができる。複数のガスセンサエレメントによって、冗長性つまりバックアップ検知機能が提供され、もしくは複数のセンサエレメントのうちの異なるセンサエレメントが、モニタされる流れ又はガス体積中の異なる活発なガス化学種を検知するために配置され、又はアレイ内の複数のセンサエレメントのうちの異なるセンサエレメントが、異なるモード又は相互に関係するモードで使用され、それにより、例えばアルゴリズムによって操作される(例えば正味の指示信号を生成するために減算操作され、或いは複合指示信号を生成するために加算操作される)個々の信号が生成され、或いは複数のセンサエレメントが有効に使用される他の適切な任意の方法で、重要な流れ又は流体体積中の活発なガス化学種がモニタされ、モニタリング又は制御に必要な1つ又は複数の相関信号が生成される。
【0055】
複数のガス検知エレメントのアレイの使用と共に、最新のデータ処理技法を使用して、センサシステムの出力を強化することができる。このような技法の例には、それらに限定されないが、補償信号の使用、時間で変化する信号の使用、加熱器電流、ロックイン増幅技法、信号平均化、信号時間導関数及びインピーダンス分光学技法がある。また、化学計量学のカテゴリの範疇である最新技法を適用することも可能である。これらの技法には、最小二乗当てはめ、逆最小二乗、主成分回帰及び部分最小二乗データ解析法がある。
【0056】
従って、本発明による1つ又は複数のガス検知エレメントは、モニタされる流体環境中の1つ又は複数の活発なガス化学種の存在又は量の変化を表す出力を提供するべく、当業者の範疇で適切な方法で、変換器、計算モジュール又は他の信号処理ユニットに結合することができる。
【実施例】
【0057】
図1に示すセンサエレメントを活発なフルオロ化学種を含有したNF3プラズマに露出した場合の応答を決定するための試験が実施された。
【0058】
プラズマ源は、400kHz、6kWで動作する、ASTex製ASTRON AX 7650 Atomic Fluorine Generatorであった。質量流コントローラを使用してプロセスガス(Ar及びNF3)の流れが制御された。シリコンウェーハ等の試験標本は、プラズマ源の出口に接している標本ポートから挿入することができた。移送管は、6061 T6アルミニウム製であり、熱プローブを設置するための複数のポートが移送管に沿って配置された。容量マノメータを使用して圧力の読み値が提供され、また、絞り弁を使用して移送管の圧力が制御された。
【0059】
センサエレメントに関しては、直径約0.005インチの銅フィラメント及びコンスタンタンフィラメント(Connecticut州StamfordのOmega Engineering社から購入された)がそれらの第1の端部で一体にスポット溶接され、溶接ポイントにヘテロ接合を備えたセンサエレメントが形成された。次に、銅及びコンスタンタンのコネクタ(South Carolina州LaurensのCeramTec North America社から購入された)を使用して、センサエレメントの真空貫通接続にこのようなセンサエレメントが取り付けられ、電圧差の読み値を温度の読み値に自動的に変換するための信号変換器にこれらのコネクタが結合された。
【0060】
5サイクルの付着/浄化サイクルが模擬された。詳細には、70ミリトールの窒素パージを提供することによって付着サイクルが模擬され、また、圧力5トール、流量毎分約1標準リットル(slm)のアルゴンを使用して活性プラズマを提供することによって浄化サイクルが模擬された。各浄化サイクルの中間点で、500sccmのNF3が15秒の時間間隔で徐々に加えられ、NF3プラズマ浄化に対するフッ素発生終点が模擬された。
【0061】
Stanford Research Systems製RGA300 Residue Gas Analyzerを使用して、化学種の一時的な発出、詳細には、10秒毎に全100原子質量単位スペクトルが走査される試験マニホルド内の実際のフッ素濃度が追跡された。試験マニホルド内のフッ素(F2)濃度のインジケータとして質量38がプロットされた。
【0062】
図3は、模擬されたこのような5サイクルの付着/浄化サイクルにわたるセンサエレメントの温度読み値を、RGAのフッ素濃度読み値と比較して示したものである。本発明によるセンサエレメントをベースとするセンサの温度読み値は、明らかにRGAのフッ素濃度読み値と良好に相関している。
【0063】
さらに、2×3行列の実験計画法が実施され、センサの応答特性が調査された。詳細には、移送管の圧力が3トール、5トール及び7トールの間で変化され、かつ、総ガス流量が0.6SLMと1.2SLMの間で変化された。移送管圧力と総ガス流量の個々の組合せにおいて、総ガス供給量の1/6、2/6及び3/6の間でNF3の組成が変化された。図4は、実験計画法行列全体に対する信号のNF3組成依存性及び対応する試験条件を示したものである。センサの応答とNF3の組成の間には直線相関が存在しており、この直線相関から定量パラメータを引き出し、応答特性を再現することができる。
【0064】
2004年4月22日発行の米国特許出願公告第20040074285号「APPARATUS AND PROCESS FOR SENSING FLUORO SPECIES IN SEMICONDUCTOR PROCESSING SYSTEMS」の開示、及び2001年7月24日発行の米国特許第6,265,222号「MICRO−MACHINED THIN FILM HYDROGEN GAS SENSOR,AND METHOD OF MAKING AND USING THE SAME」の開示は、参照によりそれらのすべての目的全体が本明細書に組み込まれている。
【0065】
本発明には、熱絶縁構造と、触媒材料と、加熱器と、温度センサと、を備えたガスセンサであって、温度センサが、サーモパイル、サーミスタ及び熱電エレメントのうちの少なくとも1つを備え、触媒材料が、ガスと触媒相互作用してガスを反応させることによって熱効果を生成し、温度センサが、熱効果を検知し、その熱効果と相関関係のある、触媒材料と接触しているガスの存在及び/又は濃度を表す出力を生成するように適合され、かつ、熱絶縁構造が、加熱器による触媒材料の加熱を少なくとも部分的に制限するようになされたガスセンサが企図されている。
【0066】
本発明の一実施形態では、ガスセンサは、ニッケルを含有した触媒材料を備えている。ガスセンサは、マイクロホットプレートとして、或いはペリスターとして構成することができ、また、触媒材料は、マイクロホットプレートの表面コーティングとして存在させることができる。
【0067】
ガスセンサは、任意の適切な形態で製造することができる。基板は、炭化ケイ素であっても、或いは他の適切な材料であってもよい。加熱器は、電気抵抗材料を備えることができ、また、触媒材料は、電気的に接続されない形態で提供することも可能である。電気抵抗材料は、ポリシリコンの本質をなすことができる。
【0068】
加熱器は、加熱器による加熱の変化がガスと触媒材料の触媒相互作用を表すよう、温度センサの基準部分が一定の温度を維持するように適合されている。
【0069】
別法としては、温度の変化がガスと触媒材料の触媒相互作用を表すよう、電圧、電流及び電力の中から選択される一定の電気状態で動作するように加熱器を適合させることも可能である。
【0070】
加熱器は、例えばポリシリコン/ニッケル接合を備えたサーモパイルを備えることができる。
【0071】
このガスセンサの場合、触媒材料は、炭化ケイ素基板の上にニッケル層を備えることができる。とりわけ好ましい実施形態では、ガスセンサは、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントを備えている。
【0072】
ガスセンサは、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントが一定の電気抵抗を維持するように構成することができ、この場合、電気抵抗の変化が触媒材料と接触しているガスの存在及び/又は濃度を表すことになる。
【0073】
本発明には、プロセス材料の流れが通過するように適合されたチャンバと、上で説明した、プロセス材料にガスが存在している場合にそのガスを検知するように適合されたガスセンサと、を備えた化学処理アセンブリが企図されている。このようなアセンブリのガスセンサは、センサをチャンバに取り付けることができる3/8インチのプラグ又は1/8インチのプラグと共に製造することができる。
【0074】
ガスセンサは、垂直に配向された金属コートフィラメントを触媒材料及び温度センサとして備えることができる。従って、ニッケル膜が電気めっきされた、ガスを検知するために垂直に配向され、かつ、接続部中に配置されたケイ素フィラメントを備えたセンサを提供することができる。また、センサは、フィラメントを所定の位置に固着するためのプレスばめ接続部を備えることも可能である。センサを基板に結合する際に使用するためのチャネルをフィラメントに設けることも可能である。
【0075】
センサは、ニッケルコーティングの電気特性の変化によってチャンバ浄化操作の終点を決定するように構成することができる。センサは、フィラメントの電気特性の変化によってガスの存在が決定されるように動作させることができる。電気接続は独立している。通常、電気接続には、機械的な接続及び電気めっき接続のうちの少なくとも何れかを含む適切な任意のタイプの接続を使用することができる。
【0076】
他の実施形態では、センサは、アルミナサポートの上に超微小機械加工されたNiペリスターを備えている。
【0077】
他の実施形態では、本発明により、温度検知エレメントと、ガスが反応して、温度検知エレメントによる検出が可能な熱応答を生成するガス相互作用エレメントと、を備えた、放出流中のガスを検知するように適合されたセンサであって、加熱器によるジュール加熱によって加熱され、かつ、
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
の関係に従って動作するように適合されたセンサが提供される。上式で、ΔWは、検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化であり、hは、熱対流係数であり、かつ、放出熱伝導率k及び動粘性率vの関数である。Teffluentは実効放出温度であり、ΔHは、検知エレメントの表面に生じる反応のエンタルピーである。rは反応速度である。
【0078】
他の実施形態では、本発明により、ガスを含有した放出流又はガスを含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、上で説明したガスセンサの使用を含む方法が提供される。
【0079】
本明細書においては、本発明は、とりわけ半導体プロセス制御におけるアプリケーションを参照して説明されているが、本発明の有用性は、このようなアプリケーションに限定されず、それらに限定されないが、生命安全システムの開発、室内又は周囲の環境監視オペレーション及び他の産業ガス検知アプリケーション並びに消費者市場ガス検知アプリケーションを始めとする、広範囲にわたる様々な他の用途及びアプリケーションに拡張されることを理解されたい。
【0080】
一実施形態では、本発明により、半導体チャンバ浄化プロセスの終点を決定するための、超微小電気機械システム(MEMS)をベースとするガス検知機能が提供される。
【0081】
従来のMEMS設計(他のより良性のガス環境のための設計)には、ケイ素をベースとするデバイス構造に検知金属層を付着させ、引き続いてデバイスをチップキャリヤに結合し、かつ、パッケージする必要がある。一実施形態では、この製造手法は、多重ステップのプロセスが余儀なくされており、それに伴って、個々の構成要素が高度にフッ素化されたガスによる化学腐食にさらされる多重構成要素プロダクトセンサアセンブリが必要である。適切なカプセル化構造を開発することによってこれらの構成要素の各々を保護することは可能であるが、このような手段によってプロダクトガスセンサデバイスの製造がさらに複雑になり、製造時間及びコストが増加する。
【0082】
これらの障害は、製造が容易で、かつ、安価であり、また、半導体チャンバ浄化プロセスにおけるフッ素化されたガスを、このようなプロセスの苛酷な化学環境にあって、有効で、耐久性があり、かつ、信頼性の高い方法でモニタするために容易に実施することができる、MEMSをベースとするセンサデバイスの使用を可能にすることによって克服される。
【0083】
以下でより詳細に説明する一実施形態では、本発明によるフッ素化ガスセンサデバイスは、当分野における顕著な進歩として差別される複数の有利な特徴を有している。
【0084】
このような特徴の1つは、電気抵抗が大きいこと、熱質量が小さいこと、密度が小さいこと、及び抵抗率の温度係数が大きいこと(これらは、抵抗をベースとするガス検知にとりわけ適している)を特徴とする、ニッケル又はニッケル合金等の高性能フッ素反応性金属検知エレメントがデバイスに使用されていることである。
【0085】
第2の特徴は、例えば、検知温度を周囲の条件から変化させることが望ましい場合、或いは半導体チャンバ(この半導体チャンバの放出物に、モニタすべきターゲットガス化学種が含まれている)の温度を整合させることが望ましい場合のように、検知材料及びガス検知動作に必要な熱源(例えばそれらの抵抗性加熱、導電性加熱又は他の加熱による)の両方として金属エレメントを使用していることに関係している。
【0086】
第3の特徴は、自立炭化ケイ素サポート構造を形成するために、金属検知エレメントと共にヒートシンクの形成を除去し、延いては熱損失を最小化する炭化ケイ素(SiC)をSiO2/ポリシリコン犠牲材料と共に使用していることに関係している。
【0087】
第4の特徴は、平坦化された構造層を製造するために、ガス検知デバイスの製造を自動化し、かつ、拡張することができ、また、製造品質制御に高い精度を提供する超微小成形技法を使用していることに関係している。
【0088】
以上の特徴は互いに独立した特徴であり、別個に組み込むことも、或いは組み合わせて組み込むことも可能である。別法としては、耐エッチ性重合体材料から基板及び/又はサポート材料を製造することも可能である。
【0089】
フルオロ化学種又はハロゲン化学種センサデバイスは、単一の検知エレメントを以下で説明する多くの適切な形態のうちの任意の形態で備えることができる。
【0090】
別法としては、フルオロ化学種又はハロゲン化学種センサデバイスは、複数のこのような検知エレメントを備えることも可能であり、複数のエレメントによって、冗長性つまりバックアップ検知機能が提供され、もしくは複数の検知エレメントのうちの異なる検知エレメントが、モニタされる流れ又はガス体積中の異なるフルオロ化学種又はハロゲン化学種を検知するために配置され、又はアレイ内の複数の検知エレメントのうちの異なる検知エレメントが、異なるモード又は相互に関係するモードで使用され、それにより、例えばアルゴリズムによって操作される(例えば正味の指示信号を生成するために減算操作され、或いは複合指示信号を生成するために加算操作される)個々の信号が生成され、或いは複数のセンサエレメントが有効に使用される他の適切な任意の方法で、重要な流れ又は流体体積中の化学種の流れがモニタされ、モニタリング又は制御に必要な1つ又は複数の相関信号が生成される。
【0091】
良く知られているように、フッ素はほとんどの金属と反応し、高酸化状態、場合によっては混合酸化状態を有する化合物を生成する(Inorganic Solid Fluorides,Chemistry and Physics.Academic Press,1985,Ed P.Hagenmuller)。多くの遷移金属及び貴金属(例えば、それらに限定されないが、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Ir、Ni、Al、Cu及びPt等)は、フッ素ガス成分と接触する様々な不揮発性フッ化化合物を容易に形成する。本明細書において開示されているガス検知デバイス及び方法は、自立形態のこれらの金属を使用して、フッ素化された化学種がモニタ中のガス中に存在していることを検出することができる。
【0092】
特定の検知構築材料の選択は、ガス検知エレメントの構築材料の候補をフルオロ化学種又はハロゲン化学種を含有した環境に露出し、このような露出による候補材料の例えば耐腐食性又は耐エッチ性を適切に決定するステップを含む単純な実験によって、本発明の所与の最終使用アプリケーションに対して容易に決定することができる。
【0093】
ニッケル又はニッケル合金(モネル等)は、耐フッ素性に優れ、電気抵抗が大きく、熱質量が小さく、また、密度が小さく、かつ、抵抗率の温度係数が大きいため、フルオロ検知材料又はハロゲン検知材料としてとりわけ好ましい。抵抗をベースとするガス検知動作の信号強度/応答時間の比率は、センサ材料の材料特性によって著しく影響され、ニッケル又はニッケル合金をベースとするセンサエレメントは、センサの形態/寸法と提供される計装ファクタが同じである場合、一連の金属センサエレメントの中で最大信号強度/応答時間比率を提供することが分かっている。
【0094】
重要なフルオロ化学種又はハロゲン化学種の検出は、適切な任意の方法で達成することができ、例えばフッ素を含有した化学種と反応する際の自立金属材料の抵抗変化によって達成することができる。
【0095】
フッ素検出器の金属検知エレメントは、適切な多くの形態のうちの任意の形態で提供することができ、また、形態を適合させることも可能であり、例えば表面を粗くし、或いはナノ有孔率を誘導することができる。金属エレメントの抵抗及び挙動は、構造の幾何構造を変更することによって工学的に作り出すことができる。例えば、膜の幅、長さ及び厚さを浮遊領域全体にわたって適切に選択することにより、浮遊金属薄膜の幾何構造を工学的に作り出すことができる。浮遊金属フィラメントは、浮遊金属フィラメントを製造した後に、絶対抵抗を大きくし、かつ、金属の表面積対体積比を大きくすることによって感度を大きくし、或いは信号対雑音比を改善するために、様々な方法のうちの任意の方法で薄くすることができ、例えば機械的、化学的、電気化学的、光学的又は熱的に薄くすることができる。また、金属の物理特性を工学的に作り出すことも可能である。例えば、合金化又はドーピングの何れかによって組成を修正することができ、また、例えば粒度、結晶性のレベル、有孔率(例えばナノ有孔率)、表面積対体積比等を変化させることによって微細構造を修正することができる。
【0096】
従って、金属検知エレメントは、その形態、構成、物理特性、化学特性及び形態特性に関して、必要に応じて、当業者の範疇で、たいした実験を必要とすることなく様々な構成にすることができ、かつ、修正することができることは明らかであろう。
【0097】
フッ素化合物の金属検知エレメントとの反応は、場合によっては温度に敏感であり、その金属に電流を流すことによって金属の加熱を達成することができる。この方法によれば、金属検知エレメントは、加熱構造としての利用と同時に、ガス検知動作にも利用することができる。
【0098】
本発明によるガスセンサの感度及び信号対雑音比を改善するために、電気抵抗が大きく、かつ、熱質量が小さいことを特徴とする自立炭化ケイ素サポート構造にフルオロ感応金属薄膜又はハロゲン感応金属薄膜が付着している。このようなSiCサポート構造の大きい電気抵抗によって、センサの感度及び信号強度がさらに改善され、また、SiCの小さい熱質量によって、サポート構造からの潜在的な熱損失が最小化され、かつ、それ自体が自立型であるこのようなSiCサポート構造によって金属検知膜が基板から有効に隔離され、信号対雑音比が改善される。
【0099】
このような自立炭化ケイ素サポート構造は、(1)所定のサポート構造を画定している凹所を中に有する犠牲モールドを基板の上に提供し、(2)このような犠牲モールドの凹所にSiC膜を付着させ、(3)エアギャップ又はこのような犠牲モールドが元々占有している空き空間によって基板から分離された自立SiCサポート構造を形成するために、犠牲モールドを選択的に除去することによって製造することができる。
【0100】
犠牲モールドは、犠牲材料の層を付着させ、次に、所定のサポート構造を画定する必要な凹所を形成するために、このような層をパターン化することによって形成することができる。本発明の実践に際しては、サポート構造と共に選択的に除去することができる適切な任意の材料を犠牲材料として使用することができる。例えば、HF等のフッ素含有化合物によって、フッ素を含有した化合物に対して耐性のある炭化ケイ素サポート構造と共に二酸化ケイ素を選択的に除去することができる。
【0101】
サポート構造が形成されると、フルオロ化学種又はハロゲン化学種の存在に応答する自立ガス検知アセンブリを形成するために、このようなサポート構造の上に、フルオロ又はハロゲン反応性金属又は金属合金であることが好ましいフルオロ検知材料又はハロゲン検知材料の層をコーティングすることができる。
【0102】
このような自立ガス検知アセンブリを支持するために、好ましくはその周辺のみに、間隔を隔てた1つ又は複数の直立接続部を提供することができる。より詳細には、間隔を隔てたこのような直立接続部は、電気抵抗が大きく、熱質量が小さく、かつ、腐食性フッ素含有化合物に対する耐性が優れた材料からなっている。このような接続部の形成には、炭化ケイ素がとりわけ好ましい。
【0103】
腐食性フッ素含有化合物によって腐食しやすい基板(シリコン基板等)の上に自立ガス検知アセンブリが形成されると、基板を覆い、かつ、保護するために、このような化合物に対して耐性のある障壁層が提供されることが好ましい。このような障壁層は、それらに限定されないが、ポリイミド及び炭化ケイ素を始めとする任意の耐フルオロ材料又は耐ハロゲン材料で構成することができるが、中でも炭化ケイ素が好ましい。
【0104】
好ましい一実施形態では、ガスセンサアセンブリは、自立ガス検知エレメント、間隔を隔てた1つ又は複数の直立接続部及び障壁層を備えている。間隔を隔てた接続部は、障壁層の上に製造されており、自立ガス検知エレメントを支持し、また、その下側の基板部材を覆い、かつ、保護するための統合接続部/障壁エレメントを形成している。
【0105】
ここで図面を参照すると、図5〜14Aに、本発明の一実施形態による、上で説明した自立ガス検知エレメント及び接続部/障壁エレメントを備えたガス検知アセンブリを製造するためのプロセスフローが略図で示されている。
【0106】
図5に示すように、基板部材110が提供され、その上に第1の犠牲成形材料(二酸化ケイ素であることが好ましい)112の層が付着され、パターン化されて、その中に障壁凹所が形成されている。基板部材110の上のこのような障壁凹所の中並びに第1の犠牲成形材料112の上に、障壁材料(炭化ケイ素であることが好ましい)114の層が付着され、次に、図6に示すように平坦化され、第1の犠牲成形材料112が露出する。
【0107】
平坦化ステップによって構造層の平面度が改善され、それにより、次に形成される構造層の幾何構造の良好な制御の達成が促進される。この平坦化ステップは任意選択であり、例えば障壁材料によって良好な自己レベリング挙動が立証される場合は省略することができ、また、このような凹所を取り囲んでいる第1の犠牲成形材料の隣接表面とほぼ同じレベルになるよう、障壁材料を障壁凹所に加えることも可能である。
【0108】
図6Aは、図6に示す構造の上面図を示したもので、第1の犠牲成形材料112を見て取ることができ、正方形の障壁凹所には障壁材料114が充填されている。障壁凹所の形状及び構成は、特定の最終使用目的及びシステム要求事項に従って当業者によって容易に修正することができるため、本明細書に提供されている実例実施例に限定されないことに留意されたい。
【0109】
さらに、図7に示すように、平坦化された障壁材料114及び第1の犠牲成形材料112の上に第2の犠牲成形材料(二酸化ケイ素であることが好ましい)116の層が付着され、かつ、パターン化されて、平坦化された障壁材料114の上に配置された、間隔を隔てた1つ又は複数の接続部を画定する接続部凹所115が提供される。
【0110】
次に、図8〜9に示すように、このような接続部凹所に接続部形成材料(炭化ケイ素であることが好ましい)118が付着され、かつ、平坦化されて、第2の犠牲成形材料116が露出する。図9Aは、図9に示す構造の上面図を示したもので、第2の犠牲成形材料116を見て取ることができる。間隔を隔てた4つの正方形の接続部凹所が第2の犠牲成形材料116中に形成され、接続部形成材料118が充填されている。
【0111】
図10は、第3の犠牲成形材料(ポリシリコンであることが好ましい)120の層の付着及びパターン化を示したもので、所定のサポート構造を画定している構造凹所119が含まれている。詳細には、このような構造凹所119は、接続部形成材料118及び第2の犠牲成形材料116の両方の上に配置されており、従って、このようにして画定されたサポート構造は、間隔を隔てた接続部と第2の犠牲成形材料116を橋絡している。
【0112】
図11〜12は、このような構造凹所内におけるサポート材料(炭化ケイ素であることが好ましい)122の層の付着と、それに引き続く、第3の犠牲成形材料120を露出させるためのその平坦化を示したものである。
【0113】
図12Aは、図12に示す構造の上面図を示したもので、第3の犠牲成形材料120中の構造凹所に形成されたサポート構造122を備えている。このようなサポート構造122は、間隔を隔てた4つの接続部(図12Aでは見ることはできない)と第2の犠牲成形材料116(図12Aでは見ることはできない)を橋絡している。
【0114】
図13では、第3の犠牲成形材料120が選択的に除去され、それにより、サポート材料122で形成された、突出したサポート構造が形成され、第2の犠牲成形材料116が露出している。また、フッ素反応性金属又は金属合金(ニッケルを含有していることが好ましい)124の層が、突出したこのようなサポート構造の上に付着されている。図13Aは、図13に示す構造の上面図を示したもので、第2の犠牲成形材料116及びフッ素反応性金属又は金属合金124を見て取ることができる。
【0115】
最後に、第1及び第2の犠牲成形材料112及び116が選択的に除去され、サポート構造122、その上のフッ素反応性金属層124、及び間隔を隔てた接続部118と障壁層114とを備えた接続部/障壁エレメントを備えた自立ガス検知エレメントが形成される。自立ガス検知エレメントは、間隔を隔てた接続部118によってその周辺で支持されており、また、このようなガス検知エレメントの中央の主要部分は、懸垂され、かつ、隔離されている。障壁層114は、その上の接続部118を支持し、かつ、腐食性フッ素含有化合物による潜在的な腐食から、下を覆っている基板部材110を保護している。
【0116】
図14Aは、図14に示す構造の上面図を示したもので、自立ガス検知エレメントの金属層124及び接続部/障壁エレメントの障壁層114のみを見て取ることができる。
【0117】
図15は、ニッケルコーティング138が施された炭化ケイ素層136を備えた自立ガス検知エレメント135を備えた一実施形態によるガスセンサアセンブリの斜視図である。このようなガス検知エレメント135は、間隔を隔てた直立接続部134によってその周辺で支持されている。障壁層132は、間隔を隔てた接続部134にサポートを提供し、かつ、ガス検知動作の間、腐食性ターゲットガス化学種によって課される苛酷な化学条件から、下を覆っている基板130を保護している。
【0118】
ガス検知エレメント135は、障壁層132並びにその下側の基板130の上方に懸垂しており、その周辺のみが極めて限られた領域で、間隔を隔てた接続部134と接触している。従って、ガス検知エレメント135の表面積の大部分(表面積の80%を超えていることが好ましく、95%を超えていることがより好ましい)が懸垂され、かつ、空洞によって基板130から隔離されている。また、電気抵抗が大きく、かつ、熱質量が小さいことを特徴とする材料(例えば炭化ケイ素)を使用して、間隔を隔てた接続部134を形成することにより、ガス検知エレメント135からの潜在的な熱損失を最小化することができる。さらに、本発明によるガス検知アセンブリは、炭化ケイ素等の耐フッ素材料で形成されているため、フッ素を含有した化合物の存在に敏感なガス環境においてとりわけ頑丈であり、かつ、信頼性が高い。
【0119】
迅速な応答を容易にし、かつ、さもなければ同じセンサ材料の低S/V構成で生じることになるガス指示バルク特性の実質的により小さい変化に対する応答を増幅するためには、ガスセンサアセンブリの自立ガス検知エレメントは、表面対体積(S/V)特性が高いことが好ましい。
【0120】
従って、自立ガス検知エレメントの臨界寸法、つまり箔又は膜の厚さ寸法、又はフィラメント、バー或いはコラム等を形成するための直径は、応答速度と製造考察事項の緩和が平衡するため、500ミクロン(μm)未満であることが望ましく、150μm未満であることが好ましく、25μm未満であることがより好ましく、10μm未満であることがさらに好ましく、約0.1μmから約5μmまでの範囲であることが最も好ましい。
【0121】
箔及び膜は、厚さが薄く、例えば約0.1μmから約50μmまでの範囲であることに加えて、望ましいことには、同じく応答性の理由で、箔又は膜の厚さ方向に直角の平面内に小さい寸法特性を有している。製造上の複雑性と応答性が平衡するため、このような平面(z軸が厚さ方向であるx−y平面)内の横方向の寸法には、有利には約10cm未満、好ましくは約1mm未満、より好ましくは約100μm未満、例えば約20μmから約5μmまでの範囲の長さ(x方向)及び幅(y方向)が含まれている。センサワイヤの適切な寸法は、一般的には容易に決定することができ、従って意図したアプリケーションに適した信号対雑音比が提供される。
【0122】
以上の説明のコンテキストにおいては、自立ガス検知エレメントは、上で説明した一般的にはミリメートルスケール/マイクロメートルスケールのエレメントより費用のかかるガスセンサ製品としての自立ガス検知エレメントであるにもかかわらず、非スケールエレメントとして製造することが可能であることを理解されたい。
【0123】
複数の金属検知エレメント構造が提供される実施例では、複数の金属構造のうちの異なる構造を、モニタされる流体環境中の異なるフッ素化化学種及び/又は異なる温度の同じフッ素化化学種を検知するために構築し、かつ、配置することができ、また、検知エレメントの異なる幾何構造及び構成を使用して、例えば冗長性を提供し、かつ/又は精度を保証することができる。別法又は追加として、複数の検知エレメントのうちの異なるエレメントを異なる動作モードで動作させることも可能であり、例えば抵抗モード、容量モード、パルスモード、DCモード、ACモード等で動作させることができる。
【0124】
複数のガス検知エレメントのアレイの使用と共に、最新のデータ処理技法を使用して、センサシステムの出力を強化することができる。このような技法の例には、それらに限定されないが、補償信号の使用、時間で変化する信号の使用、加熱器電流、ロックイン増幅技法、信号平均化、信号時間導関数及びインピーダンス分光学技法がある。また、化学計量学のカテゴリの範疇である最新技法を適用することも可能である。これらの技法には、最小二乗当てはめ、逆最小二乗、主成分回帰及び部分最小二乗データ解析法がある。
【0125】
例えば、SiF4等の1つ又は複数のフッ素化合物及び/又は他のフルオロ化学種又はハロゲン化学種と接触すると、金属検知エレメント(電気回路の一構成要素として)の両端間の電圧が降下し、ターゲットフルオロ化学種又はターゲットハロゲン化学種との接触に伴って金属検知エレメントの抵抗が大きくなったことを示すことができる。このような電圧降下を使用して、プロセスを制御するための信号を生成することができる。電圧降下を使用して、半導体処理システムにおけるプロセス流の流れを開始又は停止させ、或いはプロセス流の流れを切り換えるための自動制御弁を駆動する信号を生成することができる。別法としては、制御信号を使用してサイクルタイマを起動し、プロセス操作における新しいステップを開始し、或いは減退プロセスチャンバのスクラバー樹脂の交換等の保全行為が必要であること、或いは望ましいことを示す信号を発することができる。
【0126】
金属検知エレメントの特性の変化を様々な方法のうちの任意の方法で利用し、当業者の範疇で、たいした実験を必要とすることなく、ターゲットガス(例えばフルオロ又はハロゲン)化学種の検知に関連するプロセスを制御することができることは理解されよう。
【0127】
他の実施例によれば、本発明によるセンサアセンブリは、フルオロ化学種ガス又はハロゲン化学種ガス(ペルフルオロ化学種、例えば化学気相成長操作のためのペルフッ化有機金属プリカーソル等)のサプライを備えたガスキャビネットと共に利用することができ、また、ガスセンサアセンブリを使用して、サプライ容器からのリーク或いはガスキャビネット内のフロー回路のリークの存在を決定することができる。この場合、フルオロ化学種又はハロゲン化学種の検知を利用してバルクパージガス源を駆動し、それによりガスキャビネットの内部体積を浄化し、フルオロ化学種又はハロゲン化学種の濃度が有毒レベル或いは危険なレベルに達することを防止することができる。
【0128】
また、センサアセンブリは、フルオロ化学種又はハロゲン化学種が容易に進入し、或いはフルオロ化学種又はハロゲン化学種が容易に発生する周囲環境をモニタするためのユニットに利用することも可能であり、別法としては、センサアセンブリは、警報装置及び/又は独立式緊急呼吸ガス源を起動するようになされた、危険物質を浄化する作業員、化学工場の消防士、HFガラスエッチング操作の労働者等のための着用可能ガスモニタリングユニットの一構成部品であってもよい。
【0129】
ガスセンサアセンブリは、このような化学種を生成する、半導体製造操作を始めとする様々な産業プロセス操作、例えばフルオロ化学種又はハロゲン化学種を利用して、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化タンタル、及び炭素がドーピングされた酸化ケイ素等の誘電率が小さい(k<3.9)ケイ素を含有した膜等が除去されるチャンバ浄化操作等におけるフルオロ化学種又はハロゲン化学種のモニタリングに容易に適用することができる。
【0130】
ガス検知アセンブリは様々な設計が可能であり、寸法が異なる複数のデバイスのアレイを有利に使用して、ガスセンサアセンブリによってモニタされる流体環境中の1つ又は複数のターゲットガス化学種をモニタリングするための複数の信号を生成し、かつ、出力する点で、ガスセンサアセンブリの効率を最大化することができる。
【0131】
ガス検知アセンブリのマイクロホットプレート実施形態は、ターゲットガス化学種検出の所与の最終使用アプリケーションのために当業者の範疇で決定することができるため、使用される成分検知膜及び反応性/収着性化学作用に関して、広範囲にわたって変更することができることは認識されよう。マイクロホットプレート検出器は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれている、Frank DiMeo,Jr.及びGautam Bahndariの名前で2001年7月24日に発行された米国特許第6,265,222号により詳細に開示されているように製造することができる。
【0132】
他の実施形態では、本発明には、触媒表面を備えた熱絶縁構造、埋設加熱器及び温度センサを備えたガスセンサが企図されている。加熱器は、抵抗器であっても或いはトランジスタエレメントであってもよく、また、温度測定は、サーモパイル、サーミスタ又は熱電エレメントによって実施される。
【0133】
発熱反応による温度の上昇は、触媒/加熱器/サーミスタとして機能するニッケルペリスターとは別の温度測定によって検出することができる。ニッケル金属は導電率が比較的大きいため、いくつかの実施例では、場合によっては加熱機能とサーミスタ機能が減結合されることが望ましい。この減結合は、多くの方法で実施することができる。
【0134】
マイクロホットプレート構造は、触媒表面コーティングと共に使用することができる。材料に関しては、フッ素腐食に対して優れた安定性があるため、SiC及びNiをEPMアプリケーションに有効に使用することができる。触媒層を電気接続する必要はない。加熱器/サーミスタ機能を実行するためには、抵抗率の温度係数が大きい抵抗性材料であることが望ましい。ポリシリコンは、このような目的に適した優れた材料である。理想的には、加熱器は、一定の温度を維持するように動作し、このような一定の温度を維持するためのジュール加熱の変化が表面触媒反応を表している。別法としては、温度を浮動変数にして、一定の電圧/電流/電力で加熱器を動作させることも可能であり、それによって生じる温度変化が表面触媒反応を表している。
【0135】
温度測定は、例えばポリシリコン/ニッケル接合の形態の埋設サーモパイルを使用して実行することができる。
【0136】
他の変形形態では、触媒ニッケル表面層による代わりに、ポリシリコン/加熱器/サーミスタによってペリスター変換を実行することができる。
【0137】
さらに他の変形態様では、ゼーベック係数が大きい有用な材料、例えば多結晶性SiC(ゼーベック係数が0.1mV/℃より大きい)等が使用されている。Ni表面コーティング(ホット)のすぐ下のSiC層とコールドヒートシンク(例えば基板)を電気接続することにより、温度差を表すemfが展開し、このemfを使用して温度を測定することができる。
【0138】
従って、このような手法により、触媒ニッケル表面が電気的に活性化しないよう、電気変換を能動検知層から減結合することができる。これは、動作上の大きな利点である。電気的な活動の結果としてニッケル触媒が徐々に損失する場合、触媒コーティングが元々極めて薄い場合には問題が生じる。コーティングのこの損失は、活性フッ素化学種が存在しない場合の読み値が変動する原因になる。センサは、触媒コーティングを介した電気導通を回避することによってこのような困難を未然に防止し、それにより、触媒コーティングが電気導通状態に露出される薄膜センサに対して、センサの信頼性を改善している。
【0139】
また、このような減結合により、触媒層及び変換器層の最適化を個別に達成することができる。従って、例えばコンダクタンスのペナルティを何ら伴うことなく極めて広い表面積を提供することができ、また、触媒層の厚さは、適切な動作には重要ではない。また、再結合活動が潜在的により活発な他の金属、例えば銅も有効に使用することができる。触媒表面を備えたマイクロホットプレート及び触媒表面を備えていないマイクロホットプレートを製造することができ、従って触媒反応に対して環境の変化に無関係に選択的である、ホイートストンブリッジ測定等の差動測定を実施することができる。
【0140】
環境の変化をターゲット刺激効果から分離することができない従来の実践の場合、後続する信号処理のために、ツール浄化開始時の基準読み値を得る必要がある。また、このような基準読み値には、必ずしもアクセスが可能であるとは限らないツールコントローラとの能動通信が必要である。上で説明したセンサによれば、このような要求事項が回避され、ターゲット刺激に対して真に選択的になる。
【0141】
詳細には、サーミスタ手法にはいくつかの追加利点がある。ポリシリコンの電気抵抗は、ニッケル層の電気抵抗と比較すると大きいため、信号の条件付けが極めて単純である。また、ポリシリコンは、FLX MICRO(www.flxmicro.com)から商用的に入手することができるMUSiCプロセス等の既存のNi表面加工プロセスと容易に両立する。
【0142】
従って、センサは、炭化ケイ素基板の上にニッケル層を備え、ホット及びコールド接続を備え、かつ、ホット接続とコールド接続の間の電圧差がゼーベックemfを構成するように、構成されることができる。
【0143】
サーモパイルは、Niコーティングを通って流れる電流が回避される構成でNiコートSiCマイクロホットプレートに埋め込むことができる。ホットプレートの温度を調節することにより、どちらかと言えばペリスター動作が得られ、ホットプレートがニッケル層から分離される。埋設ポリシリコン加熱器を使用して温度を測定することができる。もう1つの代替として、炭化ケイ素のゼーベック電圧を使用した、基板側にヒートシンクが提供される熱電手法を使用することも可能である。
【0144】
サーモパイルを追加することにより、センサ接続の数が少なくとも2個増える。サーモパイル及び熱電構造には、温度を測定するための接続部が必要であるが、上部ニッケル層に接触させる必要はない。従って合計4つの接続部が提供される(そのうちの2つは加熱器用であり、残りの2つは温度測定用である)。サーミスタ手法によれば、接続部の数は2個に維持される。
【0145】
一実施形態では、エッチングプロセスモニタ(EPM)をプラズマ増速化学気相成長(PECVD)酸化物チャンバに使用してチャンバ浄化終点を検出することができる。チャンバの浄化は、付着したSiO2と反応して気相副産物(ほとんどの場合、SiF4及びHF)を形成する、フッ素化されたエッチング用試薬ガス(例えばNF3)を使用して実行される。NF3がプラズマ中で破壊すると、F2及びF−が形成される。終点ではすべてのSiO2がエッチングされ、FとSiO2の反応が制限される。その結果、EPMの電気特性が変化する。一実施形態では、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントがEPMに使用されている。このフィラメントは熱容量が小さく、また、半導電性コアを有しており、より高速で、より信頼性の高いチャンバ浄化信号をEPMに提供することができる。フィラメントをこのような実施形態に配置して、KF40フランジに結合することができる。フィラメントの末端の各々は、電気貫通接続に接続され、この電気貫通接続を介して電力が供給され、電気特性が測定される。チャンバを浄化している間、ニッケルめっき炭化ケイ素フィラメントの抵抗は一定に保持される。フィラメントの抵抗は終点で大きくなる。この抵抗変化を補償するために、フィラメントに供給される電流が減少する。これが、チャンバ浄化終点の信号である。
【0146】
通常、エッチングプロセスモニタのフットプリントは、可能な限り小さいフットプリントが維持されることが望ましい。センサは、小さいほどプロセスチャンバの近くに設置することができる。例えば、プロセスチャンバは、California州Santa ClaraのApplied Materials社から商用的に入手することができるP5000プロセスチャンバであってもよく、3/8インチNPTプラグを備えたセンサを製造することにより、センサをこのようなプロセスチャンバのポートに直接設置することができる。一実施形態では、センサは、超微小機械加工されたフィラメントを使用することができる。このセンサは、センサのフットプリントを最小化するために、1/4インチNPT上又は他の適切なフィッティング上に製造されている。
【0147】
センサのフットプリントを小さくすることにより、プロセスチャンバに対して、可能な最も下流側に近い位置にセンサを設置することができる。
【0148】
いくつかの実施例では、場合によっては、エッチングプロセスモニタを適合させるために処理システムが修正されることが望ましい。例えば、P5000プロセスチャンバを使用する場合、場合によってはP5000の絞り弁をチャンバ出口ラインのさらに下流側の位置に再配置し、エッチングプロセスモニタを絞り弁の上流側に配置することが望ましい。このような配置により、圧力がプロセスチャンバの圧力と等しい環境にエッチングプロセスモニタを配置することができ、また、エッチングプロセスモニタを設置するための適切なフットプリントが提供される。エッチングプロセスモニタとチャンバが近ければ近いほど、終点検出信号が正確になる。一実施形態では、超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタは、大きなシステム修正を何ら必要とすることなく設置することができる構成を備えることができる。
【0149】
図16は、Vespel(登録商標)材料の円板158が取り付けられた直径2.16インチのKF40フランジ156を備えたセンサアセンブリ150の斜視図である。円板158は、プレスばめピン154によってフランジ156に固着されている。センサエレメント160は、ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントを備えており、このようなフィラメント構造は、関連するプレスばめピン152によって所定の位置に固着されている。図に示すように、このセンサの場合、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントは、水平に配向されている。
【0150】
図17は、本発明の他の実施形態によるセンサ164の斜視図である。センサ164には、センサに必要なフットプリントを最小化するために垂直に配向されたフィラメント170が組み込まれている。フットプリントがこのように小さくなっているため、P5000プロセスチャンバの3/8インチNPTタップ孔に容易に設置することができる。このようなタップ孔は、このようなチャンバの本来の特徴である。
【0151】
図17に示すセンサ164のフィラメント170は、ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントである。フィラメントは、電気接触させるための2つの異なるサイズのプレスばめピンを利用して、Vespel(登録商標)材料で形成された、機械加工が施されたインサート168内に設置されている。機械加工が施されたVespel(登録商標)インサートは、3/8インチNPTフィッティング166内に設置されている。この垂直配向及び構造により、センサのフットプリントの直径が、図16に示すセンサの特徴である2.16インチから0.675インチのフットプリントに70%減少している。
【0152】
機械加工が施されたVespel(登録商標)材料のインサート168は、例えばプレスばめピン及びTORR−SEALシーラント又は他のシーラント媒体を使用して、適切な任意の方法でNPTフィッティング166に固着されている。プレスばめピンは、Vespel(登録商標)インサートを通してプレスされ、次に、センサアセンブリに結合された金属フランジを通してプレスされている。ピンの仕様に基づいて、推奨孔径が使用されている。シーラント媒体は、プロセスガスに対する真空シールを保証するものでなければならない。
【0153】
他の実施形態では、センサは、図18及び19に示すように製造することができる。図18は、センサ180の斜視図であり、図19は、このようなセンサの平面図である。この実施形態では、センサフィラメント184は、0.5インチの長さ及び142ミクロンの直径を持たせることができ、フィラメントは、直径1/4インチのNPTフィッティング182に取り付けられている。例えば、超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタは、3/8インチNPTタップ孔を使用してプロセスチャンバ内に設置することができる。図18及び19に示す超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタは、図16に示すエッチングプロセスモニタのサイズの約25%である。このようなサイズにより、プロセスガスがプロセスチャンバから流出する位置に対して可能な最も近い位置にセンサを配置することができ、それにより、場合によっては最も早く終点を検出することができるようになる。
【0154】
図18では、超微小機械加工されたセンサのフィラメント184は、0.4インチの長さ、25ミクロンの幅、及びレーザ除去された深さ2ミクロンのチャネル185を有している。プレスばめ接続部186を使用して、フィラメントにニッケルワイヤが固着される。
【0155】
炭化ケイ素フィラメントの上に電気めっきニッケル膜を使用することにより、耐久性のある非反応性コア材料と、チャンバ浄化終点で電気特性が変化する反応性金属薄膜が結合する。炭化ケイ素フィラメントにはニッケルを電気めっきすることができ、或いは他の適切な任意の方法で金属膜をコーティングすることができる。ニッケルの付着に続いて、フィラメントのチャネルが除去される。チャネルのこのような除去は、適切な任意の方法を使用して実施することができ、例えばフォトリソグラフィ技法、レーザアブレーション等によって除去することができる。特定の実施形態では、レーザを使用してチャネルが除去される。このような「チャネル化」に先立って、コーティングが施されたフィラメントは、図19の平面図に示す形態を有している。このフィラメント184は、その円周が連続していること、及び炭化ケイ素フィラメントコア188の外部表面のニッケル190のコーティング厚さが一様であることを特徴としている。
【0156】
電気めっきが施された金属膜のチャネルは、チャネルが互いに直径方向に正反対に位置するよう、互いに180度の間隔を隔てて製造することができる。チャネルをこのような構造にする目的は、フィラメントの電気経路を形成するレグを金属膜に生成することである。
【0157】
エッチングプロセスモニタを動作させるために特別に設計された工業用パーソナルコンピュータ及びソフトウェアを使用して、電気めっきが施された金属に電力を供給することができる。電気めっきが施された金属膜の抵抗が最初に記録され、ソフトウェア記録に入る。次に、その抵抗になるまでフィラメントが制御される。すべてのプロセスチャンバサイクルの間、フィラメントに電流が印加される。チャンバを浄化している間、抵抗を設定ポイントで制御し、かつ、安定させるためにセンサ電流が増加する。チャンバ浄化終点に到達すると、金属膜の電気特性が変化する。フィラメントを設定抵抗値で制御するために、ソフトウェアは、センサに印加される電流を調整するように機能している。フィラメントに印加される電流のこのような変化は、チャンバ浄化終点に対応している。
【0158】
ニッケル薄膜をさらに電気的に隔離するために、ニッケル薄膜と炭化ケイ素フィラメントの間の障壁層として薄膜を使用することができ、それによりセンサの応答を速くし、かつ、高動作温度における短絡からフィラメントを保護することができる。
【0159】
温度が高くなると、半導電炭化ケイ素の導電率が大きくなり、場合によってはフィラメントが短絡しやすくなる。例えば、ニッケル薄膜と炭化ケイ素フィラメントの間の障壁層として酸化アルミニウム薄膜を付着させると、ニッケル薄膜がフィラメントから電気的に隔離される。ニッケル薄膜は、通常、電着を使用して付着される。炭化ケイ素フィラメントの表面に非導電性障壁層を付着させる場合、場合によっては、電子ビーム付着又はスパッタ付着等の電着以外のニッケル付着方法が必要である。
【0160】
図21は、電気めっきされたニッケルがチャネルを形成するために除去されたセンサフィラメントを500倍に拡大したマイクログラフである。この実施例のチャネルは、直径142ミクロンの炭化ケイ素フィラメントにめっきされた厚さ2ミクロンの電気めっきニッケル膜中の幅25ミクロン、深さ2ミクロンのチャネルである。
【0161】
図20は、センサが取り付けられた処理システム200を略図で示したものである。処理システム200は、ポンピングプレート208の上方にプロセスウェーハ206が配置された内部体積204を密閉しているP5000チャンバ202を備えている。プロセスチャンバ202は、方向矢印(ポンプへ)で示すようにポンプに接続された排気ライン212に結合されている。排気ライン212は、絞り弁216を備えている。
【0162】
この構成の場合、図に示すように、絞り弁216の上流側の排気ラインに、図16に示すタイプのセンサ214を配置することができる。
【0163】
しかしながら、別法として、図に示すように、ポンピングプレート208の下方のプロセスチャンバ壁に、図17及び18に示すタイプの微小フットプリントセンサ210が取り付けられていることが好ましい。このような構造は、例えば、プロセスチャンバ202の側壁の3/8インチNPTタップ孔とかみ合い可能に係合する3/8インチNPTフィッティングを有するセンサを使用して実施することができる。このようなタップ孔は、ポンピングプレート208の下方のチャンバに穿たれている。ポンピングプレート208を使用して、プロセスガスがプロセスチャンバから一様に、かつ、均等にポンプ供給される。チャンバに流入するすべてのガス(導入手段は図示されていない)は、ポンピングプレートの貫通孔から除去される。これらの貫通孔は、例えば1/4インチの直径にし、プレートの表面全体に分散させることができる。ポンピングプレートの下方は、チャンバの排気ラインに接続されたトラフである。微小フットプリントセンサ210を3/8インチNPTタップ孔に配置することにより、センサは、ウェーハ及びガス導入の下流側で、ポンピングプレートの下方のトラフに検知関係で位置決めされる。この位置では、プロセスチャンバ内の何らかの可動部品とセンサが干渉することはない。
【0164】
超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタへの電気接続は、適切な任意の方法で実施することができ、例えば機械的な接続、電気めっき接続、ワイヤボンディング接続等によって接続することができる。機械的な接続は、フィラメントの2つのレグを使用して実施することができ、フィラメントの個々のレグに対して個々に機械接続される。機械的な接続には、例えば、止めねじ又は他の機械式ファスナを使用してフィラメントの個々のレグに固着されるクランプがある。大型プレスばめ接続を180度の間隔でタップし、止めねじにプレスばめ接続におけるフィラメント固着の働きをさせることも可能である。
【0165】
もう1つの手法は、2本のニッケルめっき線を備えた薄い円板である炭化ケイ素ベースにフィラメントのレグを電気めっきすることである。このような線のめっきは、フォトリソグラフィ技法を利用して実施することができる。ベースが製造されると、超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタフィラメントが円板に機械的に取り付けられる。フィラメントのレグと炭化ケイ素ベース上のニッケルめっき線が接触する。電力をベース上の電気めっき線に接続するためには、炭化ケイ素ベースの下方の貫通接続が必要である。
【0166】
ワイヤボンディング技法を使用して、細いニッケルワイヤをフィラメントの個々のレグに結合することも可能であり、プレスばめ接続に細いニッケルワイヤが接続される。
【0167】
様々な金属を使用してフィラメントをコーティングし、熱電対を形成することができる。
【0168】
銅は、エッチングプロセスモニタを製造するための許容可能な耐フッ素性構築材料である。耐フッ素性を考慮する場合、通常、フッ素に露出することによって形成されるフッ化物の膜は、稠密であるに違いなく、また、低い蒸気圧を有している。このような特性については良く知られていないが、1つの手引きとして融点を使用することができる。多くの元素は、銅フッ化第一スズの融点(〜785℃)より高い融点を有する単一のフッ化物相を形成する。複数の相を有する元素は、場合によっては、非化学量論的であり、かつ、単一の相を有する元素より耐フッ素性が劣るフッ化物を形成する。金属であり、かつ、大気条件下で非燃焼性である元素の場合、以下に示す元素が単一のフッ化物相を形成する(個々の例におけるフッ化物の融点は、括弧内にリストされている)。
グループIIA
Mg(1248)、Ca(1418)、Sr(1477)、Ba(1368)
グループIIIA
Al(1290)、Ga(>1000)
グループIIB
Zn(872)、Cd(1049)
グループIIIB
Sc(1515)、Y(1150)
ランタノイド
La(1493)、Nd(1374)、Gd(1231)、Dy(1154)、Ho(1143)、Er(1140)、Tm(1158)、Lu(1182)
グループVIII
Ni(1450)
Gdは、上記の化学種の中で最も電気抵抗率が大きく(Niの電気抵抗率の20倍)、コーティングには好ましい化学種である。
【0169】
フィラメントをコーティングするための材料としてのそれらの用途に加えて、上記の材料又はそれらの合金のうちの任意の2つを使用して、エッチングプロセスモニタアプリケーションに有用な熱電対接合を製造することができる。
【0170】
適切な任意の材料を使用してセンサフィラメントのコアファイバを形成することができる。本発明の一実施形態では、炭化ケイ素の代わりにアルミナが使用されている。有用な代替材料には、Pennsylvania州DevonのGoodfellow Corporationから商用的に入手することができるサファイヤモノフィラメント(A1665920サファイヤモノフィラメント)、California州PowayのPhotran,LLCから商用的に入手することができるサファイヤ光ファイバ、及びNextel 610チョップファイバとして、Minnesota州St.Paulの3M Companyから商用的に入手することができるチョップファイバがある。
【0171】
アルミナは、耐フッ素性材料として大いに適している。
【0172】
フィラメントコアは、上で説明した元素の化合物及び合金、例えば、それらに限定されないが、フッ化物、酸化物及び窒化物を始めとする適切な任意の材料で形成することができる。
【0173】
薄い導電性の被覆材でコーティングすることができる適切な任意のフィラメント組成を使用することができる。様々なベンダーから商用的に入手することができるZBLAN繊維を使用することができ、また、MgO繊維及びMgAl2O4繊維を使用することができる。MgOは、耐フッ素性材料として大いに適していることが分かっている。様々なコストと性能考察事項が平衡するため、Al2O3が大いに好ましい。
【0174】
フィラメントコアは、センサの性能に悪影響を及ぼすことがない限り、その全体をコーティングする必要はない。全体をコーティングする要求事項に対するこのような緩和により、センサの設計及び製造の自由度が実質的に大きくなる。
【0175】
ニッケル等の金属層をアルミナモノフィラメントに付着させるための真空付着技法等の他の技法、例えば電子ビーム又はスパッタリング技法の使用が有利であるため、コーティング技法としてのめっきを回避することができる。
【0176】
1回の真空付着で数百本のモノフィラメントの大量コーティングを、極めて優れた一様性で容易に達成することができる。
【0177】
また、裸のアルミナモノフィラメントは、フッ素プラズマに対して優れた耐性を有しているため、コア材料としてアルミナを使用する場合、金属コーティングに対する連続性要求事項の緩和は、分厚いコーティングがもはや不要であることを意味している。付着する金属の層は、20nm程度の薄さにすることができ、SiCモノフィラメント上の典型的なニッケルコーティングより2桁薄い。Nextel 610チョップファイバ(Minnesota州St.Paulの3M Companyから商用的に入手することができる)の場合、7ミクロンから13ミクロンまでの範囲の直径を利用することができるため、直径がさらに10分の1に短縮される。このような薄いコーティングによって、延いてはフィラメントの抵抗が100倍の数百オームになり(Nextelファイバの場合は1000倍になる)、従ってセンサに必要な測定エレクトロニクスが大いに単純化される。さらに、ホストフランジが小さい場合、ウィッシュボーン構成又は他の幾何学的に複雑な構成に頼る必要なく、フィラメントの長さを短くすることができる。
【0178】
電気抵抗が大きい場合、信号強度を大きくするために定抵抗で動作させる必要がないため、定抵抗モードに代わって定電流モードでフィラメントを動作させることができる。動作モダリティとしての定電流の使用は、フィラメントを抵抗温度検出器(RTD)として動作させることができ、従って高価な回路構成要素(例えば電圧制御電流源)及び複雑な帰還制御の必要性が除去されることを意味している。従って従来のブリッジ回路を容易に使用することができる。別法としては、定抵抗動作のための回路を保留し、使用条件に応じてセンサを定電流モードで(RTDセンサとして)動作させ、或いは定抵抗モードで(風速測定センサとして)動作させることも可能である。動作上のこの柔軟性により、同じセンサ構成を使用して、過剰及び過少浄化状態で動作させることができる。最後に、このような構造により、複数のエレメントを異なるモード及び異なる設定で動作させ、データを正確に解釈するための差動/冗長信号を提供することができる。
【0179】
他の実施形態では、Niコーティングが施されたSiCモノフィラメントが、アルミナ基板上の超微小機械加工されたニッケル構造又は銅構造に置き換わっている。アルミナフィラメント上のニッケル又は銅は、商用的に入手することができる(http://www.microfabrica.com/resource_center/EFAB_White_Paper_Microfabrica.pdfを参照されたい)。
【0180】
他の実施形態では、本発明には、アルミナサポートと共に位置している超微小機械加工されたNiペリスターが企図されている。また、ニッケル等の単一の金属を使用して熱的に隔離されたRTDセンサ及び熱電接点(ニッケル/銅等)を備えることも可能である。
【0181】
図22は、鉄線及びニッケルコートアルミナ(曲線A)と、水平に取り付けられたニッケルコートSiC炭素繊維(XENA)(曲線B)の比較試験における、時間を関数とした電気抵抗の変化をグラフで示したものである。曲線は、それぞれ、エッチングプロセスモニタが三フッ化窒素への間欠露出を含むサイクルで定電流モードで動作している間の抵抗変化、及び三フッ化窒素露出の4つの事象が3つのオフサイクルステップで交番するオン/オフ動作における抵抗変化を示している。
【0182】
本発明の他の態様を考察すると、プラズマによって生成される高度に腐食性のフッ素化学種への露出に適応しなければならないプロセスツールにステンレス鋼が使用されている。従って、ステンレス鋼(SS)は、フッ素に露出されるデバイスのためのとりわけ許容可能な構築材料である。SSシース温度測定エレメント、例えば熱電対、RTD及びサーミスタは、低コストで商用的に入手することができる。シースによって、さもなければフッ素によってエッチングされることになるエレメントに追加保護が提供されるため、SSシースを採用することにより、本発明によるセンサを製造するために利用することができる矛盾のない材料のリストが事実上拡張される。
【0183】
シースが施されたエレメントの使用には、専用の電気貫通接続の代わりにシースを直接ホストフランジに溶接することができるという追加利点がある。シースは、EPMのホストフランジに直接溶接することができる。別法としては、シースが施されたエレメント(例えばOmega RTD−800シリーズのRTD温度プローブ及びLorexフランジ/シース熱電対)を頻繁に伴うフランジは、EPMのホストフランジに溶接することができる。カスタマイズされた変更ではあるが、このような溶接は、実施が容易であり、センサのコストに余分の大きな費用が追加されることはない。
【0184】
ステンレス鋼は一般的なシース材料であるが、適切な他の任意の材料、例えばInconel及びHastelloy−Cをシース材料として使用することも可能である。このような合金の多くは、ステンレス鋼のニッケル含有量(<15原子%)より多いニッケルを含有している(通常、>50原子%)。このような合金の多くは、不動態化が生じ、例えば合金シースをフッ素に露出した場合に合金の表面に不動態化フッ化ニッケル層が形成されると、ステンレス鋼より耐フッ素性が優れたものになり、このような不動態化層によって、腐食がさらに防止される。耐フッ素性を強化するためには、シース材料は、ニッケル含有量が多いことが好ましいが、シースにニッケル表面コーティングを施すことによって適切な強化を達成することも可能である。合金の耐腐食性のタビュレーション(図表)については、http://www.watlow.com/reference/files/corrosion.pdf.を利用することができる。
【0185】
一般に、シースを利用することによって応答時間が必然的に遅くなる。従って、接地された薄い壁状のシースエレメントが使用されることが好ましい。別法としては、薄い絶縁層、酸化アルミニウム等の耐フッ素性材料又はTEFLON、VESPEL及びKAPTON等のフルオロ重合体を付着させることも可能である。フッ素環境におけるTEFLON及びVESPELの残存力は、実験で確認されている。一実施形態では、金属シース(通常、厚さ>20ミクロン)を例えば厚さ2ミクロンの酸化アルミニウムコーティングに置き換えることができる。一方、シースが施されていない絶縁コーティング構造の場合、熱質量が増加し、従って金属シース構造より応答を速くすることができる。
【0186】
図23は、TeflonコートニッケルめっきSiCフィラメント(曲線A)、不連続ニッケルめっき炭化ケイ素フィラメント(曲線D)、0.125ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線B)及び0.25ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線E)の応答を、プラズマオン/オフサイクルを表す曲線Cと共に示した、時間(分)を関数とした抵抗(オーム)のグラフである。試験条件には、定電流モードにおけるこれらの4つのすべてのフィラメントの同時試験が含まれている。プロセス条件には、圧力5トール、流量毎分800標準立方センチメートル(sccm)のアルゴン及び400sccmの三フッ化窒素が含まれており、プロセスは、終点又はフッ素の増加を模擬するために4回ターンオン及びオフさせることによって実行された。
【0187】
Teflonコーティングが施された試料及び不連続コーティングが施されたフィラメントは、応答が逆であることが分かる。抵抗は、フッ素の導入と共に小さくなっている。
【0188】
図24は、3つの熱電対を4パルスの三フッ化窒素への露出下で調査した試験における、時間を関数とした熱電対電圧をグラフで示したものである。裸線T型フィラメントの応答が最も速い(曲線A)。曲線Bは、0.020インチのシースT型フィラメントに対する曲線であり、曲線Cは、0.040インチのシースK型フィラメントである。シースが施されると、さもなければフッ素によって腐食しやすいエレメント、例えばK型熱電対等のエレメントを有効に使用することができるが、通常、シースを施すことによって、シース層の厚さと相関して応答時間が長くなる。
【0189】
本発明によるセンサは、適切な任意の終点指示アルゴリズムと共に使用することができる。
【0190】
一実施形態では、最小及び差動形態の管理方程式は、
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
で表すことができる。上式で、ΔWは、検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化であり、hは、熱対流係数であり、かつ、放出熱伝導率k、動粘性率v及び他の要因の関数である。Teffluentは実効放出温度であり、ΔHは、エレメントの表面に生じる反応(例えばフッ素遊離基の再結合)のエンタルピーである。rは反応速度である。
【0191】
ΔWは、測定され、従って実時間で分かる。{ }内の2つの項は、対流損失の変化を表しており、k及びvで決まる。下の表Aに示すように、エッチング生成物には、エッチング用試薬(例えばF2)と比較すると、小さい熱伝導率及び動粘性率を有する傾向がある。
【0192】
【表1】
【0193】
エッチング反応は発熱反応であるため、浄化中は、浄化後の操作と比較すると放出温度が高い。浄化の進行に伴う個々の項の傾向変動挙動は、
ΔW=−{h×ΔTeffluent↓+Telement×Δh↑+(ΔH・r)↑}
で表すことができる。
【0194】
これらの項の相対的な重みは、浄化プロセス毎に変化するため、終点を決定する方法は事前には未知であり、従って決定論的アルゴリズムは役に立たない。
【0195】
正規のツール操作の場合、決定論的アルゴリズムは役に立たないが、パラメータを現場で選択することができる包括的アルゴリズムは可能である。従って管理方程式の次の包括的表現は、一般的な傾向を考慮する際に有用である。
W=項1↑+項2↓
【0196】
これらの2つの項の相対的な重みに応じて、(1)浄化サイクルを通して項1が支配する、(2)浄化サイクル全体を通して項2が支配する、(3)最初に項1が支配し、後続する操作では支配を項2にゆだねる、(4)操作の過程で項2が支配を項1にゆだねる、の4つの可能シナリオが存在している(存在しているのはこの4つのみである)。以下は、個々のシナリオを絵で示したものである。
【0197】
【表2】
【0198】
条件を選択することができる包括的アルゴリズムを展開することにより、これらの4つのシナリオのうちの任意の1つに対して終点を突き止めることができる。それぞれ浄化プロセス中の時間の関数である次の4つのパラメータが最初に定義される。
SM(t)≡max[W(t)]―W(t)
SM(t)≡W(t)―min[W(t)]
添え字のmax及びminは、浄化開始(t=0)後の最大値及び最小値を表している。包括的アルゴリズムは、これらのパラメータに基づいて、或いはこれらのパラメータの関数に基づいて構築することができる。一例として2ステージ条件決定プロセスを示しておく。
【0199】
【表3】
【0200】
終点に到達すると条件が一致する。予備条件は、第3及び第4のシナリオを類別している2つの項の間の相対的な重みの変化に適応するように設計されている。また、除去すべき残留物が異なる化学組成の層で構築されている場合、予備閾値も、賢明に選択されると、複数のピークを許容することができる(脈動として出現する)。予備条件は、最初の2つのシナリオには不要である。
【0201】
現場で展開する場合、オペレータは、以下のステップによって終点指示アルゴリズムを画定することになる。
1.予備条件パラメータ(なし、SM又はSM)を選択する
2.必要に応じて予備閾値を選択する
3.条件付け比較(より大きい(>)又はより小さい(<))を選択する(予備条件は、同じく条件付け比較を定義しているため、ステップ1にこの選択を含めることも可能である)
4.閾値を選択する
【0202】
上で説明した4ステップ選択プロセスは、測定されたトレースに適応する、浄化プロセスは反復可能でなければならないことが文字で指摘されているカテゴリをソフトウェアが決定することができる場合、自動化することができる。過剰浄化プロセス(つまり、例えば補助分析機器を使用することによって、或いは浄化時間を故意に延長することによって終点に到達する浄化プロセス)には、洗練されたパターン認識技法を使用することができ、或いは浄化終了時のパラメータを調査することができる。
【0203】
【表4】
【0204】
従って、設定ポイントセットアップステージの後、ソフトウェアがトレースを類別し、かつ、適切な閾値を識別するよう、(過剰)浄化プロセスが複数回にわたって実行されるトレーニングステージへソフトウェアを移動させることが考えられる。
1.いくつかの過剰浄化サイクルに対するパワートレース値を記録する。
2.以下の状態によってトレースを類別する(「Zero(ゼロ)」は、数学的には意味があるがアルゴリズム的には曖昧な「?」状態を決定するための非ゼロ値である)。
【0205】
【表5】
【0206】
すべてのプロセスが同じ最終結果をもたらすことが望ましい。
【0207】
3.これらのサイクルから重要な(過剰)浄化終了パラメータ値を識別する。
【0208】
【表6】
【0209】
4.その前のステップからのパラメータ値に基づいて、許容される安全マージンΔを使用して予備閾値及び閾値を決定する。この戦略により、必ずしも常にとは限らないとしても、ほとんどの場合に終点指示条件が一致することの保証が促進される。
【0210】
【表7】
【0211】
組み込まれている安全マージンを使用した終点コーリングは、プロセスの変動に適応するために、いく分か早期に終点をコールするように設計されている。従って、場合によっては、コールされる終点を過ぎた後に、浄化を継続するための若干の終点指示後期間Tを追加することが有利である。
【0212】
浄化プロセスに若干の変動が存在する場合、ステップ3及び4を常駐継続動作部分にすることができる。
3.先行するすべてのサイクルから重要なパラメータ値を識別する。
4.重要なパラメータ値が現行の閾値の設定境界内に入っている場合、1つ又は複数の閾値を更新する。
【0213】
ソフトウェアは、設定ポイントが変化すると、設定ポイントが変化したことを文書で証明するために事象ログに記入するように適合されており、従って適切である場合、ツールオペレータは、閾値の変化の適切性を調査することができる。また、制御設定ポイントを修正する場合は、必ず閾値を再調査しなければならない。
【0214】
本明細書においては、実例実施形態及び特徴を参照して本発明が様々に説明されているが、上で説明した実施形態及び特徴は、本発明の制限を意図したものではないこと、また、当業者には、本明細書における開示に基づいて、他の変形形態、改変及び他の実施形態が自ら容易に明らかであることは理解されよう。従って、本発明は、特許請求の範囲に示す各請求項と首尾一貫して広義に解釈されたい。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】本発明の一実施形態による、銅フィラメント及びコンスタンタンフィラメントを備え、それらの第1の端部で一体に結合されたウィッシュボーン形センサエレメントを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるTeflon(登録商標)コートセンサエレメントを示す図である。
【図3】活性化されたフルオロ化学種を含有したNF3プラズマに露出されたセンサエレメントの出力信号と、残留ガス分析装置(RGA)によって測定されたフッ素分圧とを並べて比較したグラフである。
【図4】本発明の一実施形態による、異なる圧力及び異なるガス流量下におけるNF3組成を関数としたセンサエレメントの応答信号を示すグラフである。
【図5】第1の犠牲モールド層及びその上に付着した障壁材料の層を有するシリコン基板の実例を示す横断面図である。
【図6】第1の犠牲モールド層と共面になるように障壁材料の層が平坦化されている点を除き、図5に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図6A】図6に示す構造の上面図である。
【図7】さらに第2の犠牲モールド層がその上に形成された、図6に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図8】さらに接触形成材料の層がその上に付着した、図7に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図9】第2の犠牲モールド層と共面になるように接触形成材料の層が平坦化されている点を除き、図8に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図9A】図5に示す構造の上面図である。
【図10】さらに第3の犠牲モールド層がその上に形成された、図9に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図11】さらにサポート材料の層がその上に付着した、図10に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図12】第3の犠牲モールド層と共面になるようにサポート材料の層が平坦化されている点を除き、図11に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図12A】図12に示す構造の上面図である。
【図13】第3の犠牲モールド層が選択的に除去され、かつ、センサ材料の層がその上に付着している点を除き、図12に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図13A】図13に示す構造の上面図である。
【図14】第1及び第2の犠牲モールド層が選択的に除去され、本発明の一実施形態による自立ガス検知エレメント及び接触/障壁エレメントを形成している点を除き、図13に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図14A】図14に示す構造の上面図である。
【図15】本発明の一実施形態による、接触/障壁エレメントによって支持された自立ガス検知エレメントを備えた実例ガスセンサアセンブリの斜視図である。
【図16】本発明の他の実施形態によるセンサアセンブリの斜視図である。
【図17】本発明の他の実施形態によるセンサの斜視図である。
【図18】本発明のさらに他の実施形態によるセンサの斜視図である。
【図19】図18に示すセンサの平面図である。
【図20】本発明の一実施形態によるセンサが取り付けられた処理システムを示す略図である。
【図21】電気めっきされたニッケルがチャネルを形成するために除去されたセンサフィラメントを500倍に拡大したマイクログラフである。
【図22】鉄線及びニッケルコートアルミナ(曲線A)と、水平に取り付けられた真直ぐなニッケル/コーティングが施されたSiC炭素繊維(XENA)(曲線B)の比較試験における、時間を関数とした電気抵抗の変化を示すグラフである。
【図23】TeflonコートニッケルめっきSiCフィラメント(曲線A)、不連続ニッケルめっき炭化ケイ素フィラメント(曲線D)、0.125ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線B)、0.25ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線E)の応答、及びプラズマオン/オフサイクル(曲線C)を示す、時間(分)を関数とした抵抗(オーム)を示すグラフである。
【図24】裸線T型フィラメント(曲線A)、シースT型フィラメント(曲線B)及びシースK型フィラメント(曲線C)を備えた3つの熱電対を三フッ化窒素への露出下で調査した試験における、時間を関数とした熱電対電圧を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法及びシステムであって、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、エッチング目的のために活発に活性化された、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体又は遊離基等の1つ又は複数の活発な活性ガス化学種を検知することによってプラズマ状態を決定するための方法及びシステムに関する。
【0002】
特定の態様では、本発明は、半導体処理操作において、フッ素を含有した化合物及びイオン化学種をモニタするために有用なフルオロ化学種又はハロゲン化学種を検知するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの製造においては、ケイ素(Si)及び二酸化ケイ素(SiO2)の付着とそれに引き続くエッチングが重要な操作ステップであり、これらのステップは、現在、8〜10ステップからなっており、或いは総製造プロセスの大よそ25%を占めている。一様で、かつ、無矛盾の膜特性を保証するためには、付着ツール毎に、また、エッチングツール毎に、周期的に浄化手順を実施しなければならず、場合によっては付着操作及びエッチング操作毎に頻繁に実施しなければならない。
【0004】
エッチングプラズマは、エッチング及び化学気相成長(CVD)浄化目的のために半導体産業で広く使用されている。プラズマは、供給材料からガス分子を分離させることによって高反応化学種を生成するためのエネルギー媒体として利用されており、このような高度に反応性の化学種によってウェーハ上又はチャンバ壁の何れかの物質が取り除かれ、容易に除去することができる揮発性反応生成物が形成される。
【0005】
現在のエッチング操作では、規定された量の時間が経過すると、エッチング終点に到達する。浄化エッチングが終了した後もプロセスガスがリアクタチャンバに流入し続けるオーバエッチングが一般的であり、プロセスサイクルがより長くなり、ツールの寿命が短くなり、また、フルオロ化学種又は他の地球温暖化ガスが大気中に不要に放出される原因になっている。
【0006】
窒化ケイ素、酸化タンタル(Ta2O5)又はケイ素をベースとする低誘電率材料(例えばC及び/又はFドープSiO2)をエッチングする場合にも同様の問題が存在している。
【0007】
エッチングプロセスをモニタするために、ラングミュアプローブ、FTIR、光放出分光学及びイオン化質量分光学等の様々な分析技法が使用されている。
【0008】
しかしながら、これらの技法は高価になりがちであり、また、それらの複雑性のために専用のオペレータを必要とすることがしばしばである。さらに、これらの技法は、一般的に、それらの操作上の制約により、連続的にモニタするためにインラインで採用するには実用的ではないと見なされている。
【0009】
半導体プロセスの制御に有用であり、かつ、生命安全アプリケーション及び室内監視アプリケーション並びに他の産業プロセスガス検知アプリケーションに有用な、信頼性の高い単純な低コスト代替センサが必要である。
【0010】
従って、当分野においては、ケイ素、窒化ケイ素及び二酸化ケイ素を始めとするケイ素含有物質の付着及びエッチングに使用され、また、エッチング及び浄化プロセスをモニタするために使用される装置のスループット及び化学的な効率を、浄化時間及びエッチング時間を短縮かつ最適化し、延いては化学薬品の使用を少なくし、装置の動作寿命を長くし、かつ、装置の休止時間を短くすることによって改善することができる、信頼性の高い低コスト検知方法及び装置が提供されることが大きな利点であろう。
【0011】
2004年4月22日発行の米国特許出願公告第20040074285号「APPARATUS AND PROCESS FOR SENSING FLUORO SPECIES IN SEMICONDUCTOR PROCESSING SYSTEMS」に、KFフランジ上の金属パッケージングポスト又はVespel(登録商標)ポリイミドブロックの周りに織られたフルオロ反応性金属フィラメント又はハロゲン反応性金属フィラメントを使用した、固体状態のフルオロ化学種又はハロゲン化学種を検知するための装置及び方法が開示されている。このような金属フィラメントに基づくセンサを使用したフルオロ化学種の検出には、フッ素を含有した化合物との反応によって生じる金属フィラメントの抵抗変化のモニタリングが利用されている。このような金属フィラメントに基づくセンサの許容可能な感度及び信号対雑音比を保証するために、金属パッケージングポスト又はVespel(登録商標)ポリイミドブロックを使用して金属フィラメントの寸法及び位置が制御され、かつ、最適化されているため、終点検出にはこのような金属フィラメントの絶対抵抗が適している。
【0012】
しかしながら、Vespel(登録商標)構造及び/又は金属パッケージングポストは、金属フィラメントセンサと共に使用すると、センサエレメントの信号強度を小さくするヒートシンクを形成することがある。また、金属フィラメント、金属ポスト及び/又はVespel(登録商標)ブロックを含有した三次元センサパッケージをKFフランジの上に製造することは、どちらかと言えば労働集約的である。
【0013】
超小型電子デバイスの製造及び他の産業オペレーションにおけるエッチング化学種のモニタ用に開発されたセンサの1つのタイプは、ペリスター触媒ガス検出器である。このデバイスには、白金等の適切な材料で形成された、直径の小さいワイヤコイルが耐火材料のサポート上に横たわっており、その上に触媒材料が配置されている。得られたアセンブリが、高められた温度、例えば約500℃程度の温度まで加熱され、モニタ中のガスの被モニタ化学種が、サポート上の触媒材料の触媒作用によって酸化される。
【0014】
検知操作の間、重要な化学種の燃焼熱がワイヤコイルに伝達され、このようなコイルを必要とする熱量検知によって重要なガス化学種が存在していることが決定され、或いは逆に、このような化学種の触媒酸化が生じない場合、モニタ中のガス流に重要なガス化学種が存在していないことが決定される。
【0015】
このような方法の場合、ガス流中のフッ素を検出するためのモニタとして、フッ素の存在に敏感なペリスターを有効に使用することができる。このようなペリスターの1つは、超微小機械加工されたニッケルワイヤアセンブリを炭化ケイ素サポートの上に備えており、発熱表面反応によってニッケルペリスターの温度が上昇し、延いてはニッケルワイヤエレメントの抵抗が変化する。
【0016】
しかしながら、ニッケルめっき炭化ケイ素モノフィラメントをセンサに使用する場合、ニッケルめっき炭化ケイ素モノフィラメントはフッ素プラズマによって容易にエッチングされるため、SiCを保護するために特に注意が必要である。従ってニッケルコーティングを妥当な厚さにし、かつ、モノフィラメント全体を完全に覆って、フッ素からSiCコアフィラメントを保護することが肝要である。従ってニッケルコーティングの厚さは、2ミクロン以上の厚さになることがある。エッチングプロセスモニタ(EPM)に使用される典型的な長さのフィラメントの場合、NiめっきSiCモノフィラメントの抵抗は、数オーム程度である。この小さい抵抗によって、関連する測定エレクトロニクスに重い負担が課せられる。また、フィラメントが1本ずつめっきされるため、SiCコアフィラメントにめっきを施すことは、冗長な作業である。また、フッ素プラズマ浄化操作の場合、ニッケル層に常にピンホールが展開する可能性があり、SiCモノフィラメントの下側がフッ素プラズマに露出し、構造が不良になることがある。
【0017】
下流側プローブを使用してエッチングプラズマがモニタされる例の場合、構築のために利用することができる材料の数が制限され、有用性が明らかであるにもかかわらず、このようなモニタリングデバイスを幅広く実施する能力が制限される。現在の商用実践では、T型熱電対及びニッケル−加鉛酸化ニッケルサーミスタが使用されているが、通常、T型熱電対には銅が含まれており、一般的には、EPMアプリケーションには許容不可能な材料と見なされている。また、ニッケル−加鉛酸化ニッケルサーミスタは、通常、カプセル封じ構造でパッケージされており、プラズマをモニタするアプリケーションの場合、このカプセル封じ構造を除去しなければならない。
【0018】
また、EPMシステムの既存のセットアップには、オペレータによるかなりの量の介在が必要である。詳細には、その前の浄化サイクルから収集される信号トレースをオペレータが解析した後、アルゴリズム及びトリップポイントの選択をマニュアルで設定しなければならない。
【0019】
以上から、現在のモニタリング装置には重大な欠点があること、また、改善が必要であり、かつ、望ましいことは明らかである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、一般に、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法及び装置であって、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流中の活発な活性ガス化学種の存在及び濃度をモニタリングすることによってプラズマ状態を決定するための方法及びシステムに関している。
【課題を解決するための手段】
【0021】
一態様では、本発明は、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法であって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができる少なくとも1つのセンサエレメントを提供するステップと、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、このようなエッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流にセンサエレメントを接触させるステップと、センサエレメントによって生成される、放出ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号に基づいて、このようなエッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するステップと、を含む方法に関している。
【0022】
本発明の一実施形態では、このようなセンサエレメントは、異なる金属又は金属合金を含有し、それらの間に熱電接点を有する少なくとも2つの構成要素を備えることができる。このようなセンサエレメントの熱電接点は、放出ガス流中の活発な活性ガス化学種と接触すると、このような活発な活性ガス化学種が放出ガス流中に存在することによって生じる温度変化と相関関係のある電圧差を生成し、この電圧差を使用してエッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態(例えばプラズマエッチング終点)を決定することができる。
【0023】
他の実施形態では、センサエレメントは、サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、又は活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができる他の任意のプローブを備えている。
【0024】
センサエレメントに温度変化をもたらす活発なガス化学種には、それらに限定されないが、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びプラズマ状態によって生成されるそれらの誘導体並びに遊離基がある。このような活発なガス化学種は、エネルギーを運ぶ、プラズマ状態によって生成される荷電粒子より比較的寿命が長いニュートラルであり、エッチングプラズマ処理設備の下流側のプローブ表面に到達し、非弾性衝突及び/又は発熱再結合を介してプローブ表面にエネルギーを付与することができる。
【0025】
他の態様では、本発明は、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのシステムであって、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流から、このようなエッチングプラズマ処理設備の下流側の位置でガス試料を得るためのガス試料採集デバイスと、ガス試料に露出するためにガス試料採集デバイスに動作的に結合された少なくとも1つのセンサエレメントであって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して該温度変化を表す出力信号を生成することができるセンサエレメントと、センサエレメントに動作的に結合されたモニタリングアセンブリであって、センサエレメントによって生成される、このようなガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号をモニタし、かつ、出力信号に基づいてエッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのモニタリングアセンブリと、を備えたシステムに関している。
【0026】
本明細書に使用されているように、「フルオロ化学種」或いは「フッ素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状フッ素化合物、本質的に原子及び二原子(F2)の形態のフッ素、フッ素イオン及びフッ素含有イオン化学種を始めとするあらゆるフッ素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。フルオロ化学種には、イオン化された形態すなわちプラズマ形態のNF3、SiF4、C2F6、HF、F2、COF2、ClF3、IF3等の活性化されたフッ素含有化学種がある。
【0027】
本明細書に使用されているように、「塩素化学種」或いは「塩素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状塩素化合物、本質的に原子及び二原子(Cl2)の形態の塩素、塩素イオン及び塩素含有イオン化学種を始めとするあらゆる塩素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。塩素化学種には、イオン化された形態すなわちプラズマ形態のNCl3、SiCl4、C2Cl6、HCl、Cl2、COCl2、ClF3、ICl3等の活性化された塩素含有化学種がある。
【0028】
本明細書に使用されているように、「臭素化学種」或いは「臭素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状臭素化合物、本質的に原子及び二原子(Br2)の形態の臭素、臭素イオン及び臭素含有イオン化学種を始めとするあらゆる臭素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。
【0029】
本明細書に使用されているように、「ヨウ素化学種」或いは「ヨウ素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状ヨウ素化合物、本質的に原子及び二原子(I2)の形態のヨウ素、ヨウ素イオン及びヨウ素含有イオン化学種を始めとするあらゆるヨウ素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。
【0030】
本明細書に使用されているように、「酸素化学種」或いは「酸素」という用語は、それらに限定されないが、プラズマ状態の下で活発に活性化される、ガス状酸素化合物、本質的に原子、二原子(O2)又は三原子(O3)の形態の酸素、酸素イオン及び酸素含有イオン化学種を始めとするあらゆる酸素含有物質を包含するべく広義に解釈されたい。酸素化学種には、イオン化された形態すなわちプラズマ形態のH2O、NO、NO2、N2O等の活性化された酸素含有化学種がある。
【0031】
本明細書に使用されているように、「金属又は金属合金」という用語は、単体形態のあらゆる金属又は金属の合金、並びに金属ケイ化物及び/又は金属窒化物等の導電性金属化合物を包含するべく広義に解釈されたい。
【0032】
さらに他の態様では、本発明は、熱絶縁構造と、触媒材料と、加熱器と、温度センサと、を備えたガスセンサであって、温度センサが、サーモパイル、サーミスタ及び熱電エレメントのうちの少なくとも1つを備え、触媒材料が、ガスと触媒相互作用してガスを反応させることによって熱効果を生成し、温度センサが、熱効果を検知し、その熱効果と相関関係のある、触媒材料と接触しているガスの存在及び/又は濃度を表す出力を生成するように適合され、かつ、熱絶縁構造が、加熱器による触媒材料の加熱を少なくとも部分的に制限するようになされたガスセンサに関している。
【0033】
本発明の他の態様は、プロセス材料の流れが通過するように適合されたチャンバと、上で説明した、プロセス材料に存在している場合に前記ガスを検知するように適合されたガスセンサと、を備えた化学処理アセンブリに関している。
【0034】
本発明のさらに他の態様は、ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントを備えたセンサであって、前記フィラメントが、ガスを検知するために垂直に配向され、かつ、接続部中に配置されたセンサに関している。
【0035】
本発明の他の態様は、放出流中のガスを検知するように適合されたセンサであって、温度検知エレメントと、ガスが反応して、温度検知エレメントによる検出が可能な熱応答を生成するガス相互作用エレメントとを備えており、加熱器によるジュール加熱によって加熱され、かつ、
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
の関係に従って動作するように適合されたセンサに関している。上式で、ΔWは、検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化であり、hは、熱対流係数であり、かつ、放出熱伝導率k及び動粘性率vの関数である。Teffluentは実効放出温度であり、ΔHは、検知エレメントの表面に生じる反応のエンタルピーである。rは反応速度である。
【0036】
本発明の追加態様は、ガスを含有した放出流又はガスを含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、上で説明した本発明によるガスセンサの使用を含む方法に関している。
【0037】
本発明の他の態様、特徴及び実施形態については、以下の開示及び特許請求の範囲から、より完全に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
プラズマからプラズマ処理設備の内部の位置、例えばウェーハ基板又はプラズマ反応チャンバ壁へ向かう積分エネルギー束の調査には、熱プローブが使用されている。このような通常位置にある熱プローブによって明らかになる積分エネルギー束は、プローブ表面に衝突する際に、プラズマ中に存在している荷電粒子、ニュートラル及び光子によって運ばれるエネルギー束の和である。
【0039】
一方、本発明によれば、通常位置にあるエネルギープローブの代わりに下流側熱プローブを使用して、プラズマ処理設備によって生成される放出ガス流からのエネルギー束が、プラズマ状態から遠くに離れた下流側の位置でモニタされる。
【0040】
このような下流側の位置では、このような下流側の熱プローブの表面に到達することができるのは、荷電粒子及び光子より寿命が長いことを特徴とする、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基等の活発なニュートラルによって運ばれるエネルギー束のみである。このような活発なニュートラルによって運ばれるエネルギー束の強度は、プラズマ状態と量的に相関しているため、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を下流側で決定するために有利に使用することができる。
【0041】
従って、本発明の一実施形態では、上で説明した活発なニュートラル化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができるセンサエレメントが、エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流に、エッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で露出され、それにより、放出ガス流中のこのような活発なニュートラルによって運ばれるエネルギー束がモニタされる。例えば、このようなセンサエレメントは、下流側流体流路又はこのような流体流路の一部を構成している部分の何れかに結合されているガス試料採集デバイスに動作的に結合することができ、それにより、このような下流側の位置で放出ガス流からガス試料を取得し、取得したガス試料にセンサエレメントを露出することができる。
【0042】
従って、放出ガス流中に活発なニュートラルが存在している場合、これらの活発なニュートラルがこのような下流側のセンサエレメントの表面に到達し、センサ表面とのそれらの非弾性衝突及び/又は発熱再結合による反応エネルギーの解放を介してセンサ表面にエネルギーが付与され、それによりこのようなセンサエレメントの表面の温度が検出可能に変化する。このような温度変化は、放出ガス流中の活発なニュートラルの存在及び濃度と相関しているため、このような温度変化を有効に使用して、エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を予測することができる。
【0043】
このようなセンサエレメントは、2つの異なる金属構成要素を備えていることが好ましく、これらの構成要素は、それらの間のヘテロ接合によって一体に結合され、活発なガス化学種が存在すると、センサエレメントのこれらの2つの構成要素間に検出可能な電圧差の変化を示すことが好ましい。電圧差のこのような変化は、放出ガス流中の活発なガス化学種の濃度と量的に相関しており、このような変化をモニタリングデバイスによってモニタすることにより、前記エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を予測することができる。
【0044】
このようなセンサエレメントの特定の構造、組成及び表面状態は、本発明の実践に際して何ら重要ではない。
【0045】
放出ガス流が活発なフルオロ化学種又は他のハロゲン化学種の存在に敏感である場合、このようなセンサエレメントは、フルオロ化学種又は他のハロゲン化学種による腐食に対して耐性のある材料からなっているか、或いは例えば耐フルオロコーティング又は耐ハロゲンコーティングによってこのような腐食から保護されていることが好ましい。例えば、このようなセンサエレメントの2つの構成要素は、ニッケル、アルミニウム及び銅並びにそれらの合金等の金属又は金属合金を含有した金属フィラメントによって形成することができ、また、このような金属フィラメントには、約0.1ミクロンから約1000ミクロンまでの平均径を持たせることができる。
【0046】
本発明を実践するためのとりわけ好ましいタイプのセンサエレメントは、銅でできた第1の構成要素、及びコンスタンタン等の銅とニッケルの合金でできた第2の構成要素を備えたセンサエレメントである。銅及びニッケルはいずれも耐フルオロ性であり、従ってこのようなセンサエレメントを使用して、活発なフルオロ化学種を検出することができる。
【0047】
また、センサエレメントは、センサエレメントのこれらの2つの金属構成要素をフルオロ化学種による腐食から保護する耐フルオロコーティングを備えることも可能である。例えば、このようなセンサエレメントは、ポリテトラフルオロエチレン、アルミナ、グループIIの金属フッ化物(CaF2及びMgF2等)、及びペルフッ化重合体(Vespel(登録商標)の商標でDuPontが市販しているポリイミド材料等)で形成されたコーティングを有することができる。さらに、このような耐フルオロコーティングは、センサエレメントの金属構成要素を絶縁する役割を果たし、それにより、電圧差の測定を妨害する可能性のあるこれらの金属構成要素と外部導体又は導電性材料との不慮の接触が回避される。
【0048】
図1は、銅フィラメントで形成された第1の構成要素12及びコンスタンタンフィラメントで形成された第2の構成要素14を備え、ヘテロ熱電接点を形成するべくそれらの一方の端部で結合された例示的ウィッシュボーン形センサエレメント10を示したものである。第1及び第2の構成要素12及び14のもう一方の端部は、2つの電気接続部すなわち端子16及び18に固定されているか、或いはそれらの上に取り付けられており、上で説明したモニタリング及び信号発生デバイス(図示せず)を使用して、これらの2つの端子16と18の間の電圧差をモニタし、フルオロ化学種の存在及び濃度を決定することができる。
【0049】
図2は、異なる金属又は金属合金で形成された第1の構成要素22及び第2の構成要素24を備えた他の例示的センサエレメント20を示したものである。ポリテトラフルオロエチレンを含有した耐フルオロコーティング23は、これらの構成要素の両方を絶縁し、かつ、腐食性フルオロ化学種による腐食からこれらの構成要素を保護している。第1及び第2の構成要素22及び24は、ヘテロ接合を形成するべくそれらの一方の端部が結合されており、また、2つの電気接続部すなわち端子26及び28に固定されているか、或いはそれらの上に取り付けられている。これらの端子26及び28にモニタリング及び信号発生デバイス(図示せず)を電気結合し、これらの2つの端子26と28の間の電圧差をモニタすることができる。
【0050】
センサエレメントの2つの構成要素間の電圧差の測定は、単純な信号増幅エレメントを備えた電圧計又は適切な他の計器或いは装置を使用して容易に達成することができる。冷熱電接点補償(CJC)技法を使用して、センサエレメントと測定計器の間に形成される余計なあらゆるヘテロ接合の影響が補償され、電圧差の正確な測定が保証されることが好ましい。
【0051】
上で説明したセンサエレメントの信号測定は、単純で、かつ、容易であり、当業者には、たいした実験を必要とすることなく、容易にモニタリング及び信号発生デバイスの構成要素及び構成を決定することができる。より重要なことには、本発明によるこのようなセンサエレメントの信号測定は受動的であり、このようなセンサを動作させるための外部エネルギーは不要である。
【0052】
別法としては、本発明によるセンサエレメントは、それらに限定されないが、サーミスタ及び抵抗温度検出器(RTD)を始めとする他の任意の熱プローブを備えることも可能である。RTDは、修正が施されることなくその抵抗が読み取られる測定モードで動作させることができる。別法としては、RTDは、このようなRTDの抵抗又はこのようなRTDを通って流れる電流が、例えばこのようなRTDに引き渡される電力を変化させることによって規定の一定値を維持するように操作される、定抵抗制御モード又は定電流制御モードで動作させることも可能である。定電流制御モードの場合、操作される電力によって間接的に温度測値が提供される。
【0053】
以上の説明は、主として活発なフルオロ化学種の検出を対象にしたものであるが、本発明は、それらに限定されないが、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基を始めとする他の活発なガス化学種にも容易に適用することができる。
【0054】
本発明によるガス検知システムは、上で説明した単一のガスセンサを備えることができ、或いは複数のこのようなガスセンサを備えることができる。複数のガスセンサエレメントによって、冗長性つまりバックアップ検知機能が提供され、もしくは複数のセンサエレメントのうちの異なるセンサエレメントが、モニタされる流れ又はガス体積中の異なる活発なガス化学種を検知するために配置され、又はアレイ内の複数のセンサエレメントのうちの異なるセンサエレメントが、異なるモード又は相互に関係するモードで使用され、それにより、例えばアルゴリズムによって操作される(例えば正味の指示信号を生成するために減算操作され、或いは複合指示信号を生成するために加算操作される)個々の信号が生成され、或いは複数のセンサエレメントが有効に使用される他の適切な任意の方法で、重要な流れ又は流体体積中の活発なガス化学種がモニタされ、モニタリング又は制御に必要な1つ又は複数の相関信号が生成される。
【0055】
複数のガス検知エレメントのアレイの使用と共に、最新のデータ処理技法を使用して、センサシステムの出力を強化することができる。このような技法の例には、それらに限定されないが、補償信号の使用、時間で変化する信号の使用、加熱器電流、ロックイン増幅技法、信号平均化、信号時間導関数及びインピーダンス分光学技法がある。また、化学計量学のカテゴリの範疇である最新技法を適用することも可能である。これらの技法には、最小二乗当てはめ、逆最小二乗、主成分回帰及び部分最小二乗データ解析法がある。
【0056】
従って、本発明による1つ又は複数のガス検知エレメントは、モニタされる流体環境中の1つ又は複数の活発なガス化学種の存在又は量の変化を表す出力を提供するべく、当業者の範疇で適切な方法で、変換器、計算モジュール又は他の信号処理ユニットに結合することができる。
【実施例】
【0057】
図1に示すセンサエレメントを活発なフルオロ化学種を含有したNF3プラズマに露出した場合の応答を決定するための試験が実施された。
【0058】
プラズマ源は、400kHz、6kWで動作する、ASTex製ASTRON AX 7650 Atomic Fluorine Generatorであった。質量流コントローラを使用してプロセスガス(Ar及びNF3)の流れが制御された。シリコンウェーハ等の試験標本は、プラズマ源の出口に接している標本ポートから挿入することができた。移送管は、6061 T6アルミニウム製であり、熱プローブを設置するための複数のポートが移送管に沿って配置された。容量マノメータを使用して圧力の読み値が提供され、また、絞り弁を使用して移送管の圧力が制御された。
【0059】
センサエレメントに関しては、直径約0.005インチの銅フィラメント及びコンスタンタンフィラメント(Connecticut州StamfordのOmega Engineering社から購入された)がそれらの第1の端部で一体にスポット溶接され、溶接ポイントにヘテロ接合を備えたセンサエレメントが形成された。次に、銅及びコンスタンタンのコネクタ(South Carolina州LaurensのCeramTec North America社から購入された)を使用して、センサエレメントの真空貫通接続にこのようなセンサエレメントが取り付けられ、電圧差の読み値を温度の読み値に自動的に変換するための信号変換器にこれらのコネクタが結合された。
【0060】
5サイクルの付着/浄化サイクルが模擬された。詳細には、70ミリトールの窒素パージを提供することによって付着サイクルが模擬され、また、圧力5トール、流量毎分約1標準リットル(slm)のアルゴンを使用して活性プラズマを提供することによって浄化サイクルが模擬された。各浄化サイクルの中間点で、500sccmのNF3が15秒の時間間隔で徐々に加えられ、NF3プラズマ浄化に対するフッ素発生終点が模擬された。
【0061】
Stanford Research Systems製RGA300 Residue Gas Analyzerを使用して、化学種の一時的な発出、詳細には、10秒毎に全100原子質量単位スペクトルが走査される試験マニホルド内の実際のフッ素濃度が追跡された。試験マニホルド内のフッ素(F2)濃度のインジケータとして質量38がプロットされた。
【0062】
図3は、模擬されたこのような5サイクルの付着/浄化サイクルにわたるセンサエレメントの温度読み値を、RGAのフッ素濃度読み値と比較して示したものである。本発明によるセンサエレメントをベースとするセンサの温度読み値は、明らかにRGAのフッ素濃度読み値と良好に相関している。
【0063】
さらに、2×3行列の実験計画法が実施され、センサの応答特性が調査された。詳細には、移送管の圧力が3トール、5トール及び7トールの間で変化され、かつ、総ガス流量が0.6SLMと1.2SLMの間で変化された。移送管圧力と総ガス流量の個々の組合せにおいて、総ガス供給量の1/6、2/6及び3/6の間でNF3の組成が変化された。図4は、実験計画法行列全体に対する信号のNF3組成依存性及び対応する試験条件を示したものである。センサの応答とNF3の組成の間には直線相関が存在しており、この直線相関から定量パラメータを引き出し、応答特性を再現することができる。
【0064】
2004年4月22日発行の米国特許出願公告第20040074285号「APPARATUS AND PROCESS FOR SENSING FLUORO SPECIES IN SEMICONDUCTOR PROCESSING SYSTEMS」の開示、及び2001年7月24日発行の米国特許第6,265,222号「MICRO−MACHINED THIN FILM HYDROGEN GAS SENSOR,AND METHOD OF MAKING AND USING THE SAME」の開示は、参照によりそれらのすべての目的全体が本明細書に組み込まれている。
【0065】
本発明には、熱絶縁構造と、触媒材料と、加熱器と、温度センサと、を備えたガスセンサであって、温度センサが、サーモパイル、サーミスタ及び熱電エレメントのうちの少なくとも1つを備え、触媒材料が、ガスと触媒相互作用してガスを反応させることによって熱効果を生成し、温度センサが、熱効果を検知し、その熱効果と相関関係のある、触媒材料と接触しているガスの存在及び/又は濃度を表す出力を生成するように適合され、かつ、熱絶縁構造が、加熱器による触媒材料の加熱を少なくとも部分的に制限するようになされたガスセンサが企図されている。
【0066】
本発明の一実施形態では、ガスセンサは、ニッケルを含有した触媒材料を備えている。ガスセンサは、マイクロホットプレートとして、或いはペリスターとして構成することができ、また、触媒材料は、マイクロホットプレートの表面コーティングとして存在させることができる。
【0067】
ガスセンサは、任意の適切な形態で製造することができる。基板は、炭化ケイ素であっても、或いは他の適切な材料であってもよい。加熱器は、電気抵抗材料を備えることができ、また、触媒材料は、電気的に接続されない形態で提供することも可能である。電気抵抗材料は、ポリシリコンの本質をなすことができる。
【0068】
加熱器は、加熱器による加熱の変化がガスと触媒材料の触媒相互作用を表すよう、温度センサの基準部分が一定の温度を維持するように適合されている。
【0069】
別法としては、温度の変化がガスと触媒材料の触媒相互作用を表すよう、電圧、電流及び電力の中から選択される一定の電気状態で動作するように加熱器を適合させることも可能である。
【0070】
加熱器は、例えばポリシリコン/ニッケル接合を備えたサーモパイルを備えることができる。
【0071】
このガスセンサの場合、触媒材料は、炭化ケイ素基板の上にニッケル層を備えることができる。とりわけ好ましい実施形態では、ガスセンサは、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントを備えている。
【0072】
ガスセンサは、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントが一定の電気抵抗を維持するように構成することができ、この場合、電気抵抗の変化が触媒材料と接触しているガスの存在及び/又は濃度を表すことになる。
【0073】
本発明には、プロセス材料の流れが通過するように適合されたチャンバと、上で説明した、プロセス材料にガスが存在している場合にそのガスを検知するように適合されたガスセンサと、を備えた化学処理アセンブリが企図されている。このようなアセンブリのガスセンサは、センサをチャンバに取り付けることができる3/8インチのプラグ又は1/8インチのプラグと共に製造することができる。
【0074】
ガスセンサは、垂直に配向された金属コートフィラメントを触媒材料及び温度センサとして備えることができる。従って、ニッケル膜が電気めっきされた、ガスを検知するために垂直に配向され、かつ、接続部中に配置されたケイ素フィラメントを備えたセンサを提供することができる。また、センサは、フィラメントを所定の位置に固着するためのプレスばめ接続部を備えることも可能である。センサを基板に結合する際に使用するためのチャネルをフィラメントに設けることも可能である。
【0075】
センサは、ニッケルコーティングの電気特性の変化によってチャンバ浄化操作の終点を決定するように構成することができる。センサは、フィラメントの電気特性の変化によってガスの存在が決定されるように動作させることができる。電気接続は独立している。通常、電気接続には、機械的な接続及び電気めっき接続のうちの少なくとも何れかを含む適切な任意のタイプの接続を使用することができる。
【0076】
他の実施形態では、センサは、アルミナサポートの上に超微小機械加工されたNiペリスターを備えている。
【0077】
他の実施形態では、本発明により、温度検知エレメントと、ガスが反応して、温度検知エレメントによる検出が可能な熱応答を生成するガス相互作用エレメントと、を備えた、放出流中のガスを検知するように適合されたセンサであって、加熱器によるジュール加熱によって加熱され、かつ、
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
の関係に従って動作するように適合されたセンサが提供される。上式で、ΔWは、検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化であり、hは、熱対流係数であり、かつ、放出熱伝導率k及び動粘性率vの関数である。Teffluentは実効放出温度であり、ΔHは、検知エレメントの表面に生じる反応のエンタルピーである。rは反応速度である。
【0078】
他の実施形態では、本発明により、ガスを含有した放出流又はガスを含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、上で説明したガスセンサの使用を含む方法が提供される。
【0079】
本明細書においては、本発明は、とりわけ半導体プロセス制御におけるアプリケーションを参照して説明されているが、本発明の有用性は、このようなアプリケーションに限定されず、それらに限定されないが、生命安全システムの開発、室内又は周囲の環境監視オペレーション及び他の産業ガス検知アプリケーション並びに消費者市場ガス検知アプリケーションを始めとする、広範囲にわたる様々な他の用途及びアプリケーションに拡張されることを理解されたい。
【0080】
一実施形態では、本発明により、半導体チャンバ浄化プロセスの終点を決定するための、超微小電気機械システム(MEMS)をベースとするガス検知機能が提供される。
【0081】
従来のMEMS設計(他のより良性のガス環境のための設計)には、ケイ素をベースとするデバイス構造に検知金属層を付着させ、引き続いてデバイスをチップキャリヤに結合し、かつ、パッケージする必要がある。一実施形態では、この製造手法は、多重ステップのプロセスが余儀なくされており、それに伴って、個々の構成要素が高度にフッ素化されたガスによる化学腐食にさらされる多重構成要素プロダクトセンサアセンブリが必要である。適切なカプセル化構造を開発することによってこれらの構成要素の各々を保護することは可能であるが、このような手段によってプロダクトガスセンサデバイスの製造がさらに複雑になり、製造時間及びコストが増加する。
【0082】
これらの障害は、製造が容易で、かつ、安価であり、また、半導体チャンバ浄化プロセスにおけるフッ素化されたガスを、このようなプロセスの苛酷な化学環境にあって、有効で、耐久性があり、かつ、信頼性の高い方法でモニタするために容易に実施することができる、MEMSをベースとするセンサデバイスの使用を可能にすることによって克服される。
【0083】
以下でより詳細に説明する一実施形態では、本発明によるフッ素化ガスセンサデバイスは、当分野における顕著な進歩として差別される複数の有利な特徴を有している。
【0084】
このような特徴の1つは、電気抵抗が大きいこと、熱質量が小さいこと、密度が小さいこと、及び抵抗率の温度係数が大きいこと(これらは、抵抗をベースとするガス検知にとりわけ適している)を特徴とする、ニッケル又はニッケル合金等の高性能フッ素反応性金属検知エレメントがデバイスに使用されていることである。
【0085】
第2の特徴は、例えば、検知温度を周囲の条件から変化させることが望ましい場合、或いは半導体チャンバ(この半導体チャンバの放出物に、モニタすべきターゲットガス化学種が含まれている)の温度を整合させることが望ましい場合のように、検知材料及びガス検知動作に必要な熱源(例えばそれらの抵抗性加熱、導電性加熱又は他の加熱による)の両方として金属エレメントを使用していることに関係している。
【0086】
第3の特徴は、自立炭化ケイ素サポート構造を形成するために、金属検知エレメントと共にヒートシンクの形成を除去し、延いては熱損失を最小化する炭化ケイ素(SiC)をSiO2/ポリシリコン犠牲材料と共に使用していることに関係している。
【0087】
第4の特徴は、平坦化された構造層を製造するために、ガス検知デバイスの製造を自動化し、かつ、拡張することができ、また、製造品質制御に高い精度を提供する超微小成形技法を使用していることに関係している。
【0088】
以上の特徴は互いに独立した特徴であり、別個に組み込むことも、或いは組み合わせて組み込むことも可能である。別法としては、耐エッチ性重合体材料から基板及び/又はサポート材料を製造することも可能である。
【0089】
フルオロ化学種又はハロゲン化学種センサデバイスは、単一の検知エレメントを以下で説明する多くの適切な形態のうちの任意の形態で備えることができる。
【0090】
別法としては、フルオロ化学種又はハロゲン化学種センサデバイスは、複数のこのような検知エレメントを備えることも可能であり、複数のエレメントによって、冗長性つまりバックアップ検知機能が提供され、もしくは複数の検知エレメントのうちの異なる検知エレメントが、モニタされる流れ又はガス体積中の異なるフルオロ化学種又はハロゲン化学種を検知するために配置され、又はアレイ内の複数の検知エレメントのうちの異なる検知エレメントが、異なるモード又は相互に関係するモードで使用され、それにより、例えばアルゴリズムによって操作される(例えば正味の指示信号を生成するために減算操作され、或いは複合指示信号を生成するために加算操作される)個々の信号が生成され、或いは複数のセンサエレメントが有効に使用される他の適切な任意の方法で、重要な流れ又は流体体積中の化学種の流れがモニタされ、モニタリング又は制御に必要な1つ又は複数の相関信号が生成される。
【0091】
良く知られているように、フッ素はほとんどの金属と反応し、高酸化状態、場合によっては混合酸化状態を有する化合物を生成する(Inorganic Solid Fluorides,Chemistry and Physics.Academic Press,1985,Ed P.Hagenmuller)。多くの遷移金属及び貴金属(例えば、それらに限定されないが、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ag、Ir、Ni、Al、Cu及びPt等)は、フッ素ガス成分と接触する様々な不揮発性フッ化化合物を容易に形成する。本明細書において開示されているガス検知デバイス及び方法は、自立形態のこれらの金属を使用して、フッ素化された化学種がモニタ中のガス中に存在していることを検出することができる。
【0092】
特定の検知構築材料の選択は、ガス検知エレメントの構築材料の候補をフルオロ化学種又はハロゲン化学種を含有した環境に露出し、このような露出による候補材料の例えば耐腐食性又は耐エッチ性を適切に決定するステップを含む単純な実験によって、本発明の所与の最終使用アプリケーションに対して容易に決定することができる。
【0093】
ニッケル又はニッケル合金(モネル等)は、耐フッ素性に優れ、電気抵抗が大きく、熱質量が小さく、また、密度が小さく、かつ、抵抗率の温度係数が大きいため、フルオロ検知材料又はハロゲン検知材料としてとりわけ好ましい。抵抗をベースとするガス検知動作の信号強度/応答時間の比率は、センサ材料の材料特性によって著しく影響され、ニッケル又はニッケル合金をベースとするセンサエレメントは、センサの形態/寸法と提供される計装ファクタが同じである場合、一連の金属センサエレメントの中で最大信号強度/応答時間比率を提供することが分かっている。
【0094】
重要なフルオロ化学種又はハロゲン化学種の検出は、適切な任意の方法で達成することができ、例えばフッ素を含有した化学種と反応する際の自立金属材料の抵抗変化によって達成することができる。
【0095】
フッ素検出器の金属検知エレメントは、適切な多くの形態のうちの任意の形態で提供することができ、また、形態を適合させることも可能であり、例えば表面を粗くし、或いはナノ有孔率を誘導することができる。金属エレメントの抵抗及び挙動は、構造の幾何構造を変更することによって工学的に作り出すことができる。例えば、膜の幅、長さ及び厚さを浮遊領域全体にわたって適切に選択することにより、浮遊金属薄膜の幾何構造を工学的に作り出すことができる。浮遊金属フィラメントは、浮遊金属フィラメントを製造した後に、絶対抵抗を大きくし、かつ、金属の表面積対体積比を大きくすることによって感度を大きくし、或いは信号対雑音比を改善するために、様々な方法のうちの任意の方法で薄くすることができ、例えば機械的、化学的、電気化学的、光学的又は熱的に薄くすることができる。また、金属の物理特性を工学的に作り出すことも可能である。例えば、合金化又はドーピングの何れかによって組成を修正することができ、また、例えば粒度、結晶性のレベル、有孔率(例えばナノ有孔率)、表面積対体積比等を変化させることによって微細構造を修正することができる。
【0096】
従って、金属検知エレメントは、その形態、構成、物理特性、化学特性及び形態特性に関して、必要に応じて、当業者の範疇で、たいした実験を必要とすることなく様々な構成にすることができ、かつ、修正することができることは明らかであろう。
【0097】
フッ素化合物の金属検知エレメントとの反応は、場合によっては温度に敏感であり、その金属に電流を流すことによって金属の加熱を達成することができる。この方法によれば、金属検知エレメントは、加熱構造としての利用と同時に、ガス検知動作にも利用することができる。
【0098】
本発明によるガスセンサの感度及び信号対雑音比を改善するために、電気抵抗が大きく、かつ、熱質量が小さいことを特徴とする自立炭化ケイ素サポート構造にフルオロ感応金属薄膜又はハロゲン感応金属薄膜が付着している。このようなSiCサポート構造の大きい電気抵抗によって、センサの感度及び信号強度がさらに改善され、また、SiCの小さい熱質量によって、サポート構造からの潜在的な熱損失が最小化され、かつ、それ自体が自立型であるこのようなSiCサポート構造によって金属検知膜が基板から有効に隔離され、信号対雑音比が改善される。
【0099】
このような自立炭化ケイ素サポート構造は、(1)所定のサポート構造を画定している凹所を中に有する犠牲モールドを基板の上に提供し、(2)このような犠牲モールドの凹所にSiC膜を付着させ、(3)エアギャップ又はこのような犠牲モールドが元々占有している空き空間によって基板から分離された自立SiCサポート構造を形成するために、犠牲モールドを選択的に除去することによって製造することができる。
【0100】
犠牲モールドは、犠牲材料の層を付着させ、次に、所定のサポート構造を画定する必要な凹所を形成するために、このような層をパターン化することによって形成することができる。本発明の実践に際しては、サポート構造と共に選択的に除去することができる適切な任意の材料を犠牲材料として使用することができる。例えば、HF等のフッ素含有化合物によって、フッ素を含有した化合物に対して耐性のある炭化ケイ素サポート構造と共に二酸化ケイ素を選択的に除去することができる。
【0101】
サポート構造が形成されると、フルオロ化学種又はハロゲン化学種の存在に応答する自立ガス検知アセンブリを形成するために、このようなサポート構造の上に、フルオロ又はハロゲン反応性金属又は金属合金であることが好ましいフルオロ検知材料又はハロゲン検知材料の層をコーティングすることができる。
【0102】
このような自立ガス検知アセンブリを支持するために、好ましくはその周辺のみに、間隔を隔てた1つ又は複数の直立接続部を提供することができる。より詳細には、間隔を隔てたこのような直立接続部は、電気抵抗が大きく、熱質量が小さく、かつ、腐食性フッ素含有化合物に対する耐性が優れた材料からなっている。このような接続部の形成には、炭化ケイ素がとりわけ好ましい。
【0103】
腐食性フッ素含有化合物によって腐食しやすい基板(シリコン基板等)の上に自立ガス検知アセンブリが形成されると、基板を覆い、かつ、保護するために、このような化合物に対して耐性のある障壁層が提供されることが好ましい。このような障壁層は、それらに限定されないが、ポリイミド及び炭化ケイ素を始めとする任意の耐フルオロ材料又は耐ハロゲン材料で構成することができるが、中でも炭化ケイ素が好ましい。
【0104】
好ましい一実施形態では、ガスセンサアセンブリは、自立ガス検知エレメント、間隔を隔てた1つ又は複数の直立接続部及び障壁層を備えている。間隔を隔てた接続部は、障壁層の上に製造されており、自立ガス検知エレメントを支持し、また、その下側の基板部材を覆い、かつ、保護するための統合接続部/障壁エレメントを形成している。
【0105】
ここで図面を参照すると、図5〜14Aに、本発明の一実施形態による、上で説明した自立ガス検知エレメント及び接続部/障壁エレメントを備えたガス検知アセンブリを製造するためのプロセスフローが略図で示されている。
【0106】
図5に示すように、基板部材110が提供され、その上に第1の犠牲成形材料(二酸化ケイ素であることが好ましい)112の層が付着され、パターン化されて、その中に障壁凹所が形成されている。基板部材110の上のこのような障壁凹所の中並びに第1の犠牲成形材料112の上に、障壁材料(炭化ケイ素であることが好ましい)114の層が付着され、次に、図6に示すように平坦化され、第1の犠牲成形材料112が露出する。
【0107】
平坦化ステップによって構造層の平面度が改善され、それにより、次に形成される構造層の幾何構造の良好な制御の達成が促進される。この平坦化ステップは任意選択であり、例えば障壁材料によって良好な自己レベリング挙動が立証される場合は省略することができ、また、このような凹所を取り囲んでいる第1の犠牲成形材料の隣接表面とほぼ同じレベルになるよう、障壁材料を障壁凹所に加えることも可能である。
【0108】
図6Aは、図6に示す構造の上面図を示したもので、第1の犠牲成形材料112を見て取ることができ、正方形の障壁凹所には障壁材料114が充填されている。障壁凹所の形状及び構成は、特定の最終使用目的及びシステム要求事項に従って当業者によって容易に修正することができるため、本明細書に提供されている実例実施例に限定されないことに留意されたい。
【0109】
さらに、図7に示すように、平坦化された障壁材料114及び第1の犠牲成形材料112の上に第2の犠牲成形材料(二酸化ケイ素であることが好ましい)116の層が付着され、かつ、パターン化されて、平坦化された障壁材料114の上に配置された、間隔を隔てた1つ又は複数の接続部を画定する接続部凹所115が提供される。
【0110】
次に、図8〜9に示すように、このような接続部凹所に接続部形成材料(炭化ケイ素であることが好ましい)118が付着され、かつ、平坦化されて、第2の犠牲成形材料116が露出する。図9Aは、図9に示す構造の上面図を示したもので、第2の犠牲成形材料116を見て取ることができる。間隔を隔てた4つの正方形の接続部凹所が第2の犠牲成形材料116中に形成され、接続部形成材料118が充填されている。
【0111】
図10は、第3の犠牲成形材料(ポリシリコンであることが好ましい)120の層の付着及びパターン化を示したもので、所定のサポート構造を画定している構造凹所119が含まれている。詳細には、このような構造凹所119は、接続部形成材料118及び第2の犠牲成形材料116の両方の上に配置されており、従って、このようにして画定されたサポート構造は、間隔を隔てた接続部と第2の犠牲成形材料116を橋絡している。
【0112】
図11〜12は、このような構造凹所内におけるサポート材料(炭化ケイ素であることが好ましい)122の層の付着と、それに引き続く、第3の犠牲成形材料120を露出させるためのその平坦化を示したものである。
【0113】
図12Aは、図12に示す構造の上面図を示したもので、第3の犠牲成形材料120中の構造凹所に形成されたサポート構造122を備えている。このようなサポート構造122は、間隔を隔てた4つの接続部(図12Aでは見ることはできない)と第2の犠牲成形材料116(図12Aでは見ることはできない)を橋絡している。
【0114】
図13では、第3の犠牲成形材料120が選択的に除去され、それにより、サポート材料122で形成された、突出したサポート構造が形成され、第2の犠牲成形材料116が露出している。また、フッ素反応性金属又は金属合金(ニッケルを含有していることが好ましい)124の層が、突出したこのようなサポート構造の上に付着されている。図13Aは、図13に示す構造の上面図を示したもので、第2の犠牲成形材料116及びフッ素反応性金属又は金属合金124を見て取ることができる。
【0115】
最後に、第1及び第2の犠牲成形材料112及び116が選択的に除去され、サポート構造122、その上のフッ素反応性金属層124、及び間隔を隔てた接続部118と障壁層114とを備えた接続部/障壁エレメントを備えた自立ガス検知エレメントが形成される。自立ガス検知エレメントは、間隔を隔てた接続部118によってその周辺で支持されており、また、このようなガス検知エレメントの中央の主要部分は、懸垂され、かつ、隔離されている。障壁層114は、その上の接続部118を支持し、かつ、腐食性フッ素含有化合物による潜在的な腐食から、下を覆っている基板部材110を保護している。
【0116】
図14Aは、図14に示す構造の上面図を示したもので、自立ガス検知エレメントの金属層124及び接続部/障壁エレメントの障壁層114のみを見て取ることができる。
【0117】
図15は、ニッケルコーティング138が施された炭化ケイ素層136を備えた自立ガス検知エレメント135を備えた一実施形態によるガスセンサアセンブリの斜視図である。このようなガス検知エレメント135は、間隔を隔てた直立接続部134によってその周辺で支持されている。障壁層132は、間隔を隔てた接続部134にサポートを提供し、かつ、ガス検知動作の間、腐食性ターゲットガス化学種によって課される苛酷な化学条件から、下を覆っている基板130を保護している。
【0118】
ガス検知エレメント135は、障壁層132並びにその下側の基板130の上方に懸垂しており、その周辺のみが極めて限られた領域で、間隔を隔てた接続部134と接触している。従って、ガス検知エレメント135の表面積の大部分(表面積の80%を超えていることが好ましく、95%を超えていることがより好ましい)が懸垂され、かつ、空洞によって基板130から隔離されている。また、電気抵抗が大きく、かつ、熱質量が小さいことを特徴とする材料(例えば炭化ケイ素)を使用して、間隔を隔てた接続部134を形成することにより、ガス検知エレメント135からの潜在的な熱損失を最小化することができる。さらに、本発明によるガス検知アセンブリは、炭化ケイ素等の耐フッ素材料で形成されているため、フッ素を含有した化合物の存在に敏感なガス環境においてとりわけ頑丈であり、かつ、信頼性が高い。
【0119】
迅速な応答を容易にし、かつ、さもなければ同じセンサ材料の低S/V構成で生じることになるガス指示バルク特性の実質的により小さい変化に対する応答を増幅するためには、ガスセンサアセンブリの自立ガス検知エレメントは、表面対体積(S/V)特性が高いことが好ましい。
【0120】
従って、自立ガス検知エレメントの臨界寸法、つまり箔又は膜の厚さ寸法、又はフィラメント、バー或いはコラム等を形成するための直径は、応答速度と製造考察事項の緩和が平衡するため、500ミクロン(μm)未満であることが望ましく、150μm未満であることが好ましく、25μm未満であることがより好ましく、10μm未満であることがさらに好ましく、約0.1μmから約5μmまでの範囲であることが最も好ましい。
【0121】
箔及び膜は、厚さが薄く、例えば約0.1μmから約50μmまでの範囲であることに加えて、望ましいことには、同じく応答性の理由で、箔又は膜の厚さ方向に直角の平面内に小さい寸法特性を有している。製造上の複雑性と応答性が平衡するため、このような平面(z軸が厚さ方向であるx−y平面)内の横方向の寸法には、有利には約10cm未満、好ましくは約1mm未満、より好ましくは約100μm未満、例えば約20μmから約5μmまでの範囲の長さ(x方向)及び幅(y方向)が含まれている。センサワイヤの適切な寸法は、一般的には容易に決定することができ、従って意図したアプリケーションに適した信号対雑音比が提供される。
【0122】
以上の説明のコンテキストにおいては、自立ガス検知エレメントは、上で説明した一般的にはミリメートルスケール/マイクロメートルスケールのエレメントより費用のかかるガスセンサ製品としての自立ガス検知エレメントであるにもかかわらず、非スケールエレメントとして製造することが可能であることを理解されたい。
【0123】
複数の金属検知エレメント構造が提供される実施例では、複数の金属構造のうちの異なる構造を、モニタされる流体環境中の異なるフッ素化化学種及び/又は異なる温度の同じフッ素化化学種を検知するために構築し、かつ、配置することができ、また、検知エレメントの異なる幾何構造及び構成を使用して、例えば冗長性を提供し、かつ/又は精度を保証することができる。別法又は追加として、複数の検知エレメントのうちの異なるエレメントを異なる動作モードで動作させることも可能であり、例えば抵抗モード、容量モード、パルスモード、DCモード、ACモード等で動作させることができる。
【0124】
複数のガス検知エレメントのアレイの使用と共に、最新のデータ処理技法を使用して、センサシステムの出力を強化することができる。このような技法の例には、それらに限定されないが、補償信号の使用、時間で変化する信号の使用、加熱器電流、ロックイン増幅技法、信号平均化、信号時間導関数及びインピーダンス分光学技法がある。また、化学計量学のカテゴリの範疇である最新技法を適用することも可能である。これらの技法には、最小二乗当てはめ、逆最小二乗、主成分回帰及び部分最小二乗データ解析法がある。
【0125】
例えば、SiF4等の1つ又は複数のフッ素化合物及び/又は他のフルオロ化学種又はハロゲン化学種と接触すると、金属検知エレメント(電気回路の一構成要素として)の両端間の電圧が降下し、ターゲットフルオロ化学種又はターゲットハロゲン化学種との接触に伴って金属検知エレメントの抵抗が大きくなったことを示すことができる。このような電圧降下を使用して、プロセスを制御するための信号を生成することができる。電圧降下を使用して、半導体処理システムにおけるプロセス流の流れを開始又は停止させ、或いはプロセス流の流れを切り換えるための自動制御弁を駆動する信号を生成することができる。別法としては、制御信号を使用してサイクルタイマを起動し、プロセス操作における新しいステップを開始し、或いは減退プロセスチャンバのスクラバー樹脂の交換等の保全行為が必要であること、或いは望ましいことを示す信号を発することができる。
【0126】
金属検知エレメントの特性の変化を様々な方法のうちの任意の方法で利用し、当業者の範疇で、たいした実験を必要とすることなく、ターゲットガス(例えばフルオロ又はハロゲン)化学種の検知に関連するプロセスを制御することができることは理解されよう。
【0127】
他の実施例によれば、本発明によるセンサアセンブリは、フルオロ化学種ガス又はハロゲン化学種ガス(ペルフルオロ化学種、例えば化学気相成長操作のためのペルフッ化有機金属プリカーソル等)のサプライを備えたガスキャビネットと共に利用することができ、また、ガスセンサアセンブリを使用して、サプライ容器からのリーク或いはガスキャビネット内のフロー回路のリークの存在を決定することができる。この場合、フルオロ化学種又はハロゲン化学種の検知を利用してバルクパージガス源を駆動し、それによりガスキャビネットの内部体積を浄化し、フルオロ化学種又はハロゲン化学種の濃度が有毒レベル或いは危険なレベルに達することを防止することができる。
【0128】
また、センサアセンブリは、フルオロ化学種又はハロゲン化学種が容易に進入し、或いはフルオロ化学種又はハロゲン化学種が容易に発生する周囲環境をモニタするためのユニットに利用することも可能であり、別法としては、センサアセンブリは、警報装置及び/又は独立式緊急呼吸ガス源を起動するようになされた、危険物質を浄化する作業員、化学工場の消防士、HFガラスエッチング操作の労働者等のための着用可能ガスモニタリングユニットの一構成部品であってもよい。
【0129】
ガスセンサアセンブリは、このような化学種を生成する、半導体製造操作を始めとする様々な産業プロセス操作、例えばフルオロ化学種又はハロゲン化学種を利用して、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化タンタル、及び炭素がドーピングされた酸化ケイ素等の誘電率が小さい(k<3.9)ケイ素を含有した膜等が除去されるチャンバ浄化操作等におけるフルオロ化学種又はハロゲン化学種のモニタリングに容易に適用することができる。
【0130】
ガス検知アセンブリは様々な設計が可能であり、寸法が異なる複数のデバイスのアレイを有利に使用して、ガスセンサアセンブリによってモニタされる流体環境中の1つ又は複数のターゲットガス化学種をモニタリングするための複数の信号を生成し、かつ、出力する点で、ガスセンサアセンブリの効率を最大化することができる。
【0131】
ガス検知アセンブリのマイクロホットプレート実施形態は、ターゲットガス化学種検出の所与の最終使用アプリケーションのために当業者の範疇で決定することができるため、使用される成分検知膜及び反応性/収着性化学作用に関して、広範囲にわたって変更することができることは認識されよう。マイクロホットプレート検出器は、参照によりその開示全体が本明細書に組み込まれている、Frank DiMeo,Jr.及びGautam Bahndariの名前で2001年7月24日に発行された米国特許第6,265,222号により詳細に開示されているように製造することができる。
【0132】
他の実施形態では、本発明には、触媒表面を備えた熱絶縁構造、埋設加熱器及び温度センサを備えたガスセンサが企図されている。加熱器は、抵抗器であっても或いはトランジスタエレメントであってもよく、また、温度測定は、サーモパイル、サーミスタ又は熱電エレメントによって実施される。
【0133】
発熱反応による温度の上昇は、触媒/加熱器/サーミスタとして機能するニッケルペリスターとは別の温度測定によって検出することができる。ニッケル金属は導電率が比較的大きいため、いくつかの実施例では、場合によっては加熱機能とサーミスタ機能が減結合されることが望ましい。この減結合は、多くの方法で実施することができる。
【0134】
マイクロホットプレート構造は、触媒表面コーティングと共に使用することができる。材料に関しては、フッ素腐食に対して優れた安定性があるため、SiC及びNiをEPMアプリケーションに有効に使用することができる。触媒層を電気接続する必要はない。加熱器/サーミスタ機能を実行するためには、抵抗率の温度係数が大きい抵抗性材料であることが望ましい。ポリシリコンは、このような目的に適した優れた材料である。理想的には、加熱器は、一定の温度を維持するように動作し、このような一定の温度を維持するためのジュール加熱の変化が表面触媒反応を表している。別法としては、温度を浮動変数にして、一定の電圧/電流/電力で加熱器を動作させることも可能であり、それによって生じる温度変化が表面触媒反応を表している。
【0135】
温度測定は、例えばポリシリコン/ニッケル接合の形態の埋設サーモパイルを使用して実行することができる。
【0136】
他の変形形態では、触媒ニッケル表面層による代わりに、ポリシリコン/加熱器/サーミスタによってペリスター変換を実行することができる。
【0137】
さらに他の変形態様では、ゼーベック係数が大きい有用な材料、例えば多結晶性SiC(ゼーベック係数が0.1mV/℃より大きい)等が使用されている。Ni表面コーティング(ホット)のすぐ下のSiC層とコールドヒートシンク(例えば基板)を電気接続することにより、温度差を表すemfが展開し、このemfを使用して温度を測定することができる。
【0138】
従って、このような手法により、触媒ニッケル表面が電気的に活性化しないよう、電気変換を能動検知層から減結合することができる。これは、動作上の大きな利点である。電気的な活動の結果としてニッケル触媒が徐々に損失する場合、触媒コーティングが元々極めて薄い場合には問題が生じる。コーティングのこの損失は、活性フッ素化学種が存在しない場合の読み値が変動する原因になる。センサは、触媒コーティングを介した電気導通を回避することによってこのような困難を未然に防止し、それにより、触媒コーティングが電気導通状態に露出される薄膜センサに対して、センサの信頼性を改善している。
【0139】
また、このような減結合により、触媒層及び変換器層の最適化を個別に達成することができる。従って、例えばコンダクタンスのペナルティを何ら伴うことなく極めて広い表面積を提供することができ、また、触媒層の厚さは、適切な動作には重要ではない。また、再結合活動が潜在的により活発な他の金属、例えば銅も有効に使用することができる。触媒表面を備えたマイクロホットプレート及び触媒表面を備えていないマイクロホットプレートを製造することができ、従って触媒反応に対して環境の変化に無関係に選択的である、ホイートストンブリッジ測定等の差動測定を実施することができる。
【0140】
環境の変化をターゲット刺激効果から分離することができない従来の実践の場合、後続する信号処理のために、ツール浄化開始時の基準読み値を得る必要がある。また、このような基準読み値には、必ずしもアクセスが可能であるとは限らないツールコントローラとの能動通信が必要である。上で説明したセンサによれば、このような要求事項が回避され、ターゲット刺激に対して真に選択的になる。
【0141】
詳細には、サーミスタ手法にはいくつかの追加利点がある。ポリシリコンの電気抵抗は、ニッケル層の電気抵抗と比較すると大きいため、信号の条件付けが極めて単純である。また、ポリシリコンは、FLX MICRO(www.flxmicro.com)から商用的に入手することができるMUSiCプロセス等の既存のNi表面加工プロセスと容易に両立する。
【0142】
従って、センサは、炭化ケイ素基板の上にニッケル層を備え、ホット及びコールド接続を備え、かつ、ホット接続とコールド接続の間の電圧差がゼーベックemfを構成するように、構成されることができる。
【0143】
サーモパイルは、Niコーティングを通って流れる電流が回避される構成でNiコートSiCマイクロホットプレートに埋め込むことができる。ホットプレートの温度を調節することにより、どちらかと言えばペリスター動作が得られ、ホットプレートがニッケル層から分離される。埋設ポリシリコン加熱器を使用して温度を測定することができる。もう1つの代替として、炭化ケイ素のゼーベック電圧を使用した、基板側にヒートシンクが提供される熱電手法を使用することも可能である。
【0144】
サーモパイルを追加することにより、センサ接続の数が少なくとも2個増える。サーモパイル及び熱電構造には、温度を測定するための接続部が必要であるが、上部ニッケル層に接触させる必要はない。従って合計4つの接続部が提供される(そのうちの2つは加熱器用であり、残りの2つは温度測定用である)。サーミスタ手法によれば、接続部の数は2個に維持される。
【0145】
一実施形態では、エッチングプロセスモニタ(EPM)をプラズマ増速化学気相成長(PECVD)酸化物チャンバに使用してチャンバ浄化終点を検出することができる。チャンバの浄化は、付着したSiO2と反応して気相副産物(ほとんどの場合、SiF4及びHF)を形成する、フッ素化されたエッチング用試薬ガス(例えばNF3)を使用して実行される。NF3がプラズマ中で破壊すると、F2及びF−が形成される。終点ではすべてのSiO2がエッチングされ、FとSiO2の反応が制限される。その結果、EPMの電気特性が変化する。一実施形態では、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントがEPMに使用されている。このフィラメントは熱容量が小さく、また、半導電性コアを有しており、より高速で、より信頼性の高いチャンバ浄化信号をEPMに提供することができる。フィラメントをこのような実施形態に配置して、KF40フランジに結合することができる。フィラメントの末端の各々は、電気貫通接続に接続され、この電気貫通接続を介して電力が供給され、電気特性が測定される。チャンバを浄化している間、ニッケルめっき炭化ケイ素フィラメントの抵抗は一定に保持される。フィラメントの抵抗は終点で大きくなる。この抵抗変化を補償するために、フィラメントに供給される電流が減少する。これが、チャンバ浄化終点の信号である。
【0146】
通常、エッチングプロセスモニタのフットプリントは、可能な限り小さいフットプリントが維持されることが望ましい。センサは、小さいほどプロセスチャンバの近くに設置することができる。例えば、プロセスチャンバは、California州Santa ClaraのApplied Materials社から商用的に入手することができるP5000プロセスチャンバであってもよく、3/8インチNPTプラグを備えたセンサを製造することにより、センサをこのようなプロセスチャンバのポートに直接設置することができる。一実施形態では、センサは、超微小機械加工されたフィラメントを使用することができる。このセンサは、センサのフットプリントを最小化するために、1/4インチNPT上又は他の適切なフィッティング上に製造されている。
【0147】
センサのフットプリントを小さくすることにより、プロセスチャンバに対して、可能な最も下流側に近い位置にセンサを設置することができる。
【0148】
いくつかの実施例では、場合によっては、エッチングプロセスモニタを適合させるために処理システムが修正されることが望ましい。例えば、P5000プロセスチャンバを使用する場合、場合によってはP5000の絞り弁をチャンバ出口ラインのさらに下流側の位置に再配置し、エッチングプロセスモニタを絞り弁の上流側に配置することが望ましい。このような配置により、圧力がプロセスチャンバの圧力と等しい環境にエッチングプロセスモニタを配置することができ、また、エッチングプロセスモニタを設置するための適切なフットプリントが提供される。エッチングプロセスモニタとチャンバが近ければ近いほど、終点検出信号が正確になる。一実施形態では、超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタは、大きなシステム修正を何ら必要とすることなく設置することができる構成を備えることができる。
【0149】
図16は、Vespel(登録商標)材料の円板158が取り付けられた直径2.16インチのKF40フランジ156を備えたセンサアセンブリ150の斜視図である。円板158は、プレスばめピン154によってフランジ156に固着されている。センサエレメント160は、ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントを備えており、このようなフィラメント構造は、関連するプレスばめピン152によって所定の位置に固着されている。図に示すように、このセンサの場合、電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントは、水平に配向されている。
【0150】
図17は、本発明の他の実施形態によるセンサ164の斜視図である。センサ164には、センサに必要なフットプリントを最小化するために垂直に配向されたフィラメント170が組み込まれている。フットプリントがこのように小さくなっているため、P5000プロセスチャンバの3/8インチNPTタップ孔に容易に設置することができる。このようなタップ孔は、このようなチャンバの本来の特徴である。
【0151】
図17に示すセンサ164のフィラメント170は、ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントである。フィラメントは、電気接触させるための2つの異なるサイズのプレスばめピンを利用して、Vespel(登録商標)材料で形成された、機械加工が施されたインサート168内に設置されている。機械加工が施されたVespel(登録商標)インサートは、3/8インチNPTフィッティング166内に設置されている。この垂直配向及び構造により、センサのフットプリントの直径が、図16に示すセンサの特徴である2.16インチから0.675インチのフットプリントに70%減少している。
【0152】
機械加工が施されたVespel(登録商標)材料のインサート168は、例えばプレスばめピン及びTORR−SEALシーラント又は他のシーラント媒体を使用して、適切な任意の方法でNPTフィッティング166に固着されている。プレスばめピンは、Vespel(登録商標)インサートを通してプレスされ、次に、センサアセンブリに結合された金属フランジを通してプレスされている。ピンの仕様に基づいて、推奨孔径が使用されている。シーラント媒体は、プロセスガスに対する真空シールを保証するものでなければならない。
【0153】
他の実施形態では、センサは、図18及び19に示すように製造することができる。図18は、センサ180の斜視図であり、図19は、このようなセンサの平面図である。この実施形態では、センサフィラメント184は、0.5インチの長さ及び142ミクロンの直径を持たせることができ、フィラメントは、直径1/4インチのNPTフィッティング182に取り付けられている。例えば、超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタは、3/8インチNPTタップ孔を使用してプロセスチャンバ内に設置することができる。図18及び19に示す超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタは、図16に示すエッチングプロセスモニタのサイズの約25%である。このようなサイズにより、プロセスガスがプロセスチャンバから流出する位置に対して可能な最も近い位置にセンサを配置することができ、それにより、場合によっては最も早く終点を検出することができるようになる。
【0154】
図18では、超微小機械加工されたセンサのフィラメント184は、0.4インチの長さ、25ミクロンの幅、及びレーザ除去された深さ2ミクロンのチャネル185を有している。プレスばめ接続部186を使用して、フィラメントにニッケルワイヤが固着される。
【0155】
炭化ケイ素フィラメントの上に電気めっきニッケル膜を使用することにより、耐久性のある非反応性コア材料と、チャンバ浄化終点で電気特性が変化する反応性金属薄膜が結合する。炭化ケイ素フィラメントにはニッケルを電気めっきすることができ、或いは他の適切な任意の方法で金属膜をコーティングすることができる。ニッケルの付着に続いて、フィラメントのチャネルが除去される。チャネルのこのような除去は、適切な任意の方法を使用して実施することができ、例えばフォトリソグラフィ技法、レーザアブレーション等によって除去することができる。特定の実施形態では、レーザを使用してチャネルが除去される。このような「チャネル化」に先立って、コーティングが施されたフィラメントは、図19の平面図に示す形態を有している。このフィラメント184は、その円周が連続していること、及び炭化ケイ素フィラメントコア188の外部表面のニッケル190のコーティング厚さが一様であることを特徴としている。
【0156】
電気めっきが施された金属膜のチャネルは、チャネルが互いに直径方向に正反対に位置するよう、互いに180度の間隔を隔てて製造することができる。チャネルをこのような構造にする目的は、フィラメントの電気経路を形成するレグを金属膜に生成することである。
【0157】
エッチングプロセスモニタを動作させるために特別に設計された工業用パーソナルコンピュータ及びソフトウェアを使用して、電気めっきが施された金属に電力を供給することができる。電気めっきが施された金属膜の抵抗が最初に記録され、ソフトウェア記録に入る。次に、その抵抗になるまでフィラメントが制御される。すべてのプロセスチャンバサイクルの間、フィラメントに電流が印加される。チャンバを浄化している間、抵抗を設定ポイントで制御し、かつ、安定させるためにセンサ電流が増加する。チャンバ浄化終点に到達すると、金属膜の電気特性が変化する。フィラメントを設定抵抗値で制御するために、ソフトウェアは、センサに印加される電流を調整するように機能している。フィラメントに印加される電流のこのような変化は、チャンバ浄化終点に対応している。
【0158】
ニッケル薄膜をさらに電気的に隔離するために、ニッケル薄膜と炭化ケイ素フィラメントの間の障壁層として薄膜を使用することができ、それによりセンサの応答を速くし、かつ、高動作温度における短絡からフィラメントを保護することができる。
【0159】
温度が高くなると、半導電炭化ケイ素の導電率が大きくなり、場合によってはフィラメントが短絡しやすくなる。例えば、ニッケル薄膜と炭化ケイ素フィラメントの間の障壁層として酸化アルミニウム薄膜を付着させると、ニッケル薄膜がフィラメントから電気的に隔離される。ニッケル薄膜は、通常、電着を使用して付着される。炭化ケイ素フィラメントの表面に非導電性障壁層を付着させる場合、場合によっては、電子ビーム付着又はスパッタ付着等の電着以外のニッケル付着方法が必要である。
【0160】
図21は、電気めっきされたニッケルがチャネルを形成するために除去されたセンサフィラメントを500倍に拡大したマイクログラフである。この実施例のチャネルは、直径142ミクロンの炭化ケイ素フィラメントにめっきされた厚さ2ミクロンの電気めっきニッケル膜中の幅25ミクロン、深さ2ミクロンのチャネルである。
【0161】
図20は、センサが取り付けられた処理システム200を略図で示したものである。処理システム200は、ポンピングプレート208の上方にプロセスウェーハ206が配置された内部体積204を密閉しているP5000チャンバ202を備えている。プロセスチャンバ202は、方向矢印(ポンプへ)で示すようにポンプに接続された排気ライン212に結合されている。排気ライン212は、絞り弁216を備えている。
【0162】
この構成の場合、図に示すように、絞り弁216の上流側の排気ラインに、図16に示すタイプのセンサ214を配置することができる。
【0163】
しかしながら、別法として、図に示すように、ポンピングプレート208の下方のプロセスチャンバ壁に、図17及び18に示すタイプの微小フットプリントセンサ210が取り付けられていることが好ましい。このような構造は、例えば、プロセスチャンバ202の側壁の3/8インチNPTタップ孔とかみ合い可能に係合する3/8インチNPTフィッティングを有するセンサを使用して実施することができる。このようなタップ孔は、ポンピングプレート208の下方のチャンバに穿たれている。ポンピングプレート208を使用して、プロセスガスがプロセスチャンバから一様に、かつ、均等にポンプ供給される。チャンバに流入するすべてのガス(導入手段は図示されていない)は、ポンピングプレートの貫通孔から除去される。これらの貫通孔は、例えば1/4インチの直径にし、プレートの表面全体に分散させることができる。ポンピングプレートの下方は、チャンバの排気ラインに接続されたトラフである。微小フットプリントセンサ210を3/8インチNPTタップ孔に配置することにより、センサは、ウェーハ及びガス導入の下流側で、ポンピングプレートの下方のトラフに検知関係で位置決めされる。この位置では、プロセスチャンバ内の何らかの可動部品とセンサが干渉することはない。
【0164】
超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタへの電気接続は、適切な任意の方法で実施することができ、例えば機械的な接続、電気めっき接続、ワイヤボンディング接続等によって接続することができる。機械的な接続は、フィラメントの2つのレグを使用して実施することができ、フィラメントの個々のレグに対して個々に機械接続される。機械的な接続には、例えば、止めねじ又は他の機械式ファスナを使用してフィラメントの個々のレグに固着されるクランプがある。大型プレスばめ接続を180度の間隔でタップし、止めねじにプレスばめ接続におけるフィラメント固着の働きをさせることも可能である。
【0165】
もう1つの手法は、2本のニッケルめっき線を備えた薄い円板である炭化ケイ素ベースにフィラメントのレグを電気めっきすることである。このような線のめっきは、フォトリソグラフィ技法を利用して実施することができる。ベースが製造されると、超微小機械加工されたエッチングプロセスモニタフィラメントが円板に機械的に取り付けられる。フィラメントのレグと炭化ケイ素ベース上のニッケルめっき線が接触する。電力をベース上の電気めっき線に接続するためには、炭化ケイ素ベースの下方の貫通接続が必要である。
【0166】
ワイヤボンディング技法を使用して、細いニッケルワイヤをフィラメントの個々のレグに結合することも可能であり、プレスばめ接続に細いニッケルワイヤが接続される。
【0167】
様々な金属を使用してフィラメントをコーティングし、熱電対を形成することができる。
【0168】
銅は、エッチングプロセスモニタを製造するための許容可能な耐フッ素性構築材料である。耐フッ素性を考慮する場合、通常、フッ素に露出することによって形成されるフッ化物の膜は、稠密であるに違いなく、また、低い蒸気圧を有している。このような特性については良く知られていないが、1つの手引きとして融点を使用することができる。多くの元素は、銅フッ化第一スズの融点(〜785℃)より高い融点を有する単一のフッ化物相を形成する。複数の相を有する元素は、場合によっては、非化学量論的であり、かつ、単一の相を有する元素より耐フッ素性が劣るフッ化物を形成する。金属であり、かつ、大気条件下で非燃焼性である元素の場合、以下に示す元素が単一のフッ化物相を形成する(個々の例におけるフッ化物の融点は、括弧内にリストされている)。
グループIIA
Mg(1248)、Ca(1418)、Sr(1477)、Ba(1368)
グループIIIA
Al(1290)、Ga(>1000)
グループIIB
Zn(872)、Cd(1049)
グループIIIB
Sc(1515)、Y(1150)
ランタノイド
La(1493)、Nd(1374)、Gd(1231)、Dy(1154)、Ho(1143)、Er(1140)、Tm(1158)、Lu(1182)
グループVIII
Ni(1450)
Gdは、上記の化学種の中で最も電気抵抗率が大きく(Niの電気抵抗率の20倍)、コーティングには好ましい化学種である。
【0169】
フィラメントをコーティングするための材料としてのそれらの用途に加えて、上記の材料又はそれらの合金のうちの任意の2つを使用して、エッチングプロセスモニタアプリケーションに有用な熱電対接合を製造することができる。
【0170】
適切な任意の材料を使用してセンサフィラメントのコアファイバを形成することができる。本発明の一実施形態では、炭化ケイ素の代わりにアルミナが使用されている。有用な代替材料には、Pennsylvania州DevonのGoodfellow Corporationから商用的に入手することができるサファイヤモノフィラメント(A1665920サファイヤモノフィラメント)、California州PowayのPhotran,LLCから商用的に入手することができるサファイヤ光ファイバ、及びNextel 610チョップファイバとして、Minnesota州St.Paulの3M Companyから商用的に入手することができるチョップファイバがある。
【0171】
アルミナは、耐フッ素性材料として大いに適している。
【0172】
フィラメントコアは、上で説明した元素の化合物及び合金、例えば、それらに限定されないが、フッ化物、酸化物及び窒化物を始めとする適切な任意の材料で形成することができる。
【0173】
薄い導電性の被覆材でコーティングすることができる適切な任意のフィラメント組成を使用することができる。様々なベンダーから商用的に入手することができるZBLAN繊維を使用することができ、また、MgO繊維及びMgAl2O4繊維を使用することができる。MgOは、耐フッ素性材料として大いに適していることが分かっている。様々なコストと性能考察事項が平衡するため、Al2O3が大いに好ましい。
【0174】
フィラメントコアは、センサの性能に悪影響を及ぼすことがない限り、その全体をコーティングする必要はない。全体をコーティングする要求事項に対するこのような緩和により、センサの設計及び製造の自由度が実質的に大きくなる。
【0175】
ニッケル等の金属層をアルミナモノフィラメントに付着させるための真空付着技法等の他の技法、例えば電子ビーム又はスパッタリング技法の使用が有利であるため、コーティング技法としてのめっきを回避することができる。
【0176】
1回の真空付着で数百本のモノフィラメントの大量コーティングを、極めて優れた一様性で容易に達成することができる。
【0177】
また、裸のアルミナモノフィラメントは、フッ素プラズマに対して優れた耐性を有しているため、コア材料としてアルミナを使用する場合、金属コーティングに対する連続性要求事項の緩和は、分厚いコーティングがもはや不要であることを意味している。付着する金属の層は、20nm程度の薄さにすることができ、SiCモノフィラメント上の典型的なニッケルコーティングより2桁薄い。Nextel 610チョップファイバ(Minnesota州St.Paulの3M Companyから商用的に入手することができる)の場合、7ミクロンから13ミクロンまでの範囲の直径を利用することができるため、直径がさらに10分の1に短縮される。このような薄いコーティングによって、延いてはフィラメントの抵抗が100倍の数百オームになり(Nextelファイバの場合は1000倍になる)、従ってセンサに必要な測定エレクトロニクスが大いに単純化される。さらに、ホストフランジが小さい場合、ウィッシュボーン構成又は他の幾何学的に複雑な構成に頼る必要なく、フィラメントの長さを短くすることができる。
【0178】
電気抵抗が大きい場合、信号強度を大きくするために定抵抗で動作させる必要がないため、定抵抗モードに代わって定電流モードでフィラメントを動作させることができる。動作モダリティとしての定電流の使用は、フィラメントを抵抗温度検出器(RTD)として動作させることができ、従って高価な回路構成要素(例えば電圧制御電流源)及び複雑な帰還制御の必要性が除去されることを意味している。従って従来のブリッジ回路を容易に使用することができる。別法としては、定抵抗動作のための回路を保留し、使用条件に応じてセンサを定電流モードで(RTDセンサとして)動作させ、或いは定抵抗モードで(風速測定センサとして)動作させることも可能である。動作上のこの柔軟性により、同じセンサ構成を使用して、過剰及び過少浄化状態で動作させることができる。最後に、このような構造により、複数のエレメントを異なるモード及び異なる設定で動作させ、データを正確に解釈するための差動/冗長信号を提供することができる。
【0179】
他の実施形態では、Niコーティングが施されたSiCモノフィラメントが、アルミナ基板上の超微小機械加工されたニッケル構造又は銅構造に置き換わっている。アルミナフィラメント上のニッケル又は銅は、商用的に入手することができる(http://www.microfabrica.com/resource_center/EFAB_White_Paper_Microfabrica.pdfを参照されたい)。
【0180】
他の実施形態では、本発明には、アルミナサポートと共に位置している超微小機械加工されたNiペリスターが企図されている。また、ニッケル等の単一の金属を使用して熱的に隔離されたRTDセンサ及び熱電接点(ニッケル/銅等)を備えることも可能である。
【0181】
図22は、鉄線及びニッケルコートアルミナ(曲線A)と、水平に取り付けられたニッケルコートSiC炭素繊維(XENA)(曲線B)の比較試験における、時間を関数とした電気抵抗の変化をグラフで示したものである。曲線は、それぞれ、エッチングプロセスモニタが三フッ化窒素への間欠露出を含むサイクルで定電流モードで動作している間の抵抗変化、及び三フッ化窒素露出の4つの事象が3つのオフサイクルステップで交番するオン/オフ動作における抵抗変化を示している。
【0182】
本発明の他の態様を考察すると、プラズマによって生成される高度に腐食性のフッ素化学種への露出に適応しなければならないプロセスツールにステンレス鋼が使用されている。従って、ステンレス鋼(SS)は、フッ素に露出されるデバイスのためのとりわけ許容可能な構築材料である。SSシース温度測定エレメント、例えば熱電対、RTD及びサーミスタは、低コストで商用的に入手することができる。シースによって、さもなければフッ素によってエッチングされることになるエレメントに追加保護が提供されるため、SSシースを採用することにより、本発明によるセンサを製造するために利用することができる矛盾のない材料のリストが事実上拡張される。
【0183】
シースが施されたエレメントの使用には、専用の電気貫通接続の代わりにシースを直接ホストフランジに溶接することができるという追加利点がある。シースは、EPMのホストフランジに直接溶接することができる。別法としては、シースが施されたエレメント(例えばOmega RTD−800シリーズのRTD温度プローブ及びLorexフランジ/シース熱電対)を頻繁に伴うフランジは、EPMのホストフランジに溶接することができる。カスタマイズされた変更ではあるが、このような溶接は、実施が容易であり、センサのコストに余分の大きな費用が追加されることはない。
【0184】
ステンレス鋼は一般的なシース材料であるが、適切な他の任意の材料、例えばInconel及びHastelloy−Cをシース材料として使用することも可能である。このような合金の多くは、ステンレス鋼のニッケル含有量(<15原子%)より多いニッケルを含有している(通常、>50原子%)。このような合金の多くは、不動態化が生じ、例えば合金シースをフッ素に露出した場合に合金の表面に不動態化フッ化ニッケル層が形成されると、ステンレス鋼より耐フッ素性が優れたものになり、このような不動態化層によって、腐食がさらに防止される。耐フッ素性を強化するためには、シース材料は、ニッケル含有量が多いことが好ましいが、シースにニッケル表面コーティングを施すことによって適切な強化を達成することも可能である。合金の耐腐食性のタビュレーション(図表)については、http://www.watlow.com/reference/files/corrosion.pdf.を利用することができる。
【0185】
一般に、シースを利用することによって応答時間が必然的に遅くなる。従って、接地された薄い壁状のシースエレメントが使用されることが好ましい。別法としては、薄い絶縁層、酸化アルミニウム等の耐フッ素性材料又はTEFLON、VESPEL及びKAPTON等のフルオロ重合体を付着させることも可能である。フッ素環境におけるTEFLON及びVESPELの残存力は、実験で確認されている。一実施形態では、金属シース(通常、厚さ>20ミクロン)を例えば厚さ2ミクロンの酸化アルミニウムコーティングに置き換えることができる。一方、シースが施されていない絶縁コーティング構造の場合、熱質量が増加し、従って金属シース構造より応答を速くすることができる。
【0186】
図23は、TeflonコートニッケルめっきSiCフィラメント(曲線A)、不連続ニッケルめっき炭化ケイ素フィラメント(曲線D)、0.125ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線B)及び0.25ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線E)の応答を、プラズマオン/オフサイクルを表す曲線Cと共に示した、時間(分)を関数とした抵抗(オーム)のグラフである。試験条件には、定電流モードにおけるこれらの4つのすべてのフィラメントの同時試験が含まれている。プロセス条件には、圧力5トール、流量毎分800標準立方センチメートル(sccm)のアルゴン及び400sccmの三フッ化窒素が含まれており、プロセスは、終点又はフッ素の増加を模擬するために4回ターンオン及びオフさせることによって実行された。
【0187】
Teflonコーティングが施された試料及び不連続コーティングが施されたフィラメントは、応答が逆であることが分かる。抵抗は、フッ素の導入と共に小さくなっている。
【0188】
図24は、3つの熱電対を4パルスの三フッ化窒素への露出下で調査した試験における、時間を関数とした熱電対電圧をグラフで示したものである。裸線T型フィラメントの応答が最も速い(曲線A)。曲線Bは、0.020インチのシースT型フィラメントに対する曲線であり、曲線Cは、0.040インチのシースK型フィラメントである。シースが施されると、さもなければフッ素によって腐食しやすいエレメント、例えばK型熱電対等のエレメントを有効に使用することができるが、通常、シースを施すことによって、シース層の厚さと相関して応答時間が長くなる。
【0189】
本発明によるセンサは、適切な任意の終点指示アルゴリズムと共に使用することができる。
【0190】
一実施形態では、最小及び差動形態の管理方程式は、
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
で表すことができる。上式で、ΔWは、検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化であり、hは、熱対流係数であり、かつ、放出熱伝導率k、動粘性率v及び他の要因の関数である。Teffluentは実効放出温度であり、ΔHは、エレメントの表面に生じる反応(例えばフッ素遊離基の再結合)のエンタルピーである。rは反応速度である。
【0191】
ΔWは、測定され、従って実時間で分かる。{ }内の2つの項は、対流損失の変化を表しており、k及びvで決まる。下の表Aに示すように、エッチング生成物には、エッチング用試薬(例えばF2)と比較すると、小さい熱伝導率及び動粘性率を有する傾向がある。
【0192】
【表1】
【0193】
エッチング反応は発熱反応であるため、浄化中は、浄化後の操作と比較すると放出温度が高い。浄化の進行に伴う個々の項の傾向変動挙動は、
ΔW=−{h×ΔTeffluent↓+Telement×Δh↑+(ΔH・r)↑}
で表すことができる。
【0194】
これらの項の相対的な重みは、浄化プロセス毎に変化するため、終点を決定する方法は事前には未知であり、従って決定論的アルゴリズムは役に立たない。
【0195】
正規のツール操作の場合、決定論的アルゴリズムは役に立たないが、パラメータを現場で選択することができる包括的アルゴリズムは可能である。従って管理方程式の次の包括的表現は、一般的な傾向を考慮する際に有用である。
W=項1↑+項2↓
【0196】
これらの2つの項の相対的な重みに応じて、(1)浄化サイクルを通して項1が支配する、(2)浄化サイクル全体を通して項2が支配する、(3)最初に項1が支配し、後続する操作では支配を項2にゆだねる、(4)操作の過程で項2が支配を項1にゆだねる、の4つの可能シナリオが存在している(存在しているのはこの4つのみである)。以下は、個々のシナリオを絵で示したものである。
【0197】
【表2】
【0198】
条件を選択することができる包括的アルゴリズムを展開することにより、これらの4つのシナリオのうちの任意の1つに対して終点を突き止めることができる。それぞれ浄化プロセス中の時間の関数である次の4つのパラメータが最初に定義される。
SM(t)≡max[W(t)]―W(t)
SM(t)≡W(t)―min[W(t)]
添え字のmax及びminは、浄化開始(t=0)後の最大値及び最小値を表している。包括的アルゴリズムは、これらのパラメータに基づいて、或いはこれらのパラメータの関数に基づいて構築することができる。一例として2ステージ条件決定プロセスを示しておく。
【0199】
【表3】
【0200】
終点に到達すると条件が一致する。予備条件は、第3及び第4のシナリオを類別している2つの項の間の相対的な重みの変化に適応するように設計されている。また、除去すべき残留物が異なる化学組成の層で構築されている場合、予備閾値も、賢明に選択されると、複数のピークを許容することができる(脈動として出現する)。予備条件は、最初の2つのシナリオには不要である。
【0201】
現場で展開する場合、オペレータは、以下のステップによって終点指示アルゴリズムを画定することになる。
1.予備条件パラメータ(なし、SM又はSM)を選択する
2.必要に応じて予備閾値を選択する
3.条件付け比較(より大きい(>)又はより小さい(<))を選択する(予備条件は、同じく条件付け比較を定義しているため、ステップ1にこの選択を含めることも可能である)
4.閾値を選択する
【0202】
上で説明した4ステップ選択プロセスは、測定されたトレースに適応する、浄化プロセスは反復可能でなければならないことが文字で指摘されているカテゴリをソフトウェアが決定することができる場合、自動化することができる。過剰浄化プロセス(つまり、例えば補助分析機器を使用することによって、或いは浄化時間を故意に延長することによって終点に到達する浄化プロセス)には、洗練されたパターン認識技法を使用することができ、或いは浄化終了時のパラメータを調査することができる。
【0203】
【表4】
【0204】
従って、設定ポイントセットアップステージの後、ソフトウェアがトレースを類別し、かつ、適切な閾値を識別するよう、(過剰)浄化プロセスが複数回にわたって実行されるトレーニングステージへソフトウェアを移動させることが考えられる。
1.いくつかの過剰浄化サイクルに対するパワートレース値を記録する。
2.以下の状態によってトレースを類別する(「Zero(ゼロ)」は、数学的には意味があるがアルゴリズム的には曖昧な「?」状態を決定するための非ゼロ値である)。
【0205】
【表5】
【0206】
すべてのプロセスが同じ最終結果をもたらすことが望ましい。
【0207】
3.これらのサイクルから重要な(過剰)浄化終了パラメータ値を識別する。
【0208】
【表6】
【0209】
4.その前のステップからのパラメータ値に基づいて、許容される安全マージンΔを使用して予備閾値及び閾値を決定する。この戦略により、必ずしも常にとは限らないとしても、ほとんどの場合に終点指示条件が一致することの保証が促進される。
【0210】
【表7】
【0211】
組み込まれている安全マージンを使用した終点コーリングは、プロセスの変動に適応するために、いく分か早期に終点をコールするように設計されている。従って、場合によっては、コールされる終点を過ぎた後に、浄化を継続するための若干の終点指示後期間Tを追加することが有利である。
【0212】
浄化プロセスに若干の変動が存在する場合、ステップ3及び4を常駐継続動作部分にすることができる。
3.先行するすべてのサイクルから重要なパラメータ値を識別する。
4.重要なパラメータ値が現行の閾値の設定境界内に入っている場合、1つ又は複数の閾値を更新する。
【0213】
ソフトウェアは、設定ポイントが変化すると、設定ポイントが変化したことを文書で証明するために事象ログに記入するように適合されており、従って適切である場合、ツールオペレータは、閾値の変化の適切性を調査することができる。また、制御設定ポイントを修正する場合は、必ず閾値を再調査しなければならない。
【0214】
本明細書においては、実例実施形態及び特徴を参照して本発明が様々に説明されているが、上で説明した実施形態及び特徴は、本発明の制限を意図したものではないこと、また、当業者には、本明細書における開示に基づいて、他の変形形態、改変及び他の実施形態が自ら容易に明らかであることは理解されよう。従って、本発明は、特許請求の範囲に示す各請求項と首尾一貫して広義に解釈されたい。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】本発明の一実施形態による、銅フィラメント及びコンスタンタンフィラメントを備え、それらの第1の端部で一体に結合されたウィッシュボーン形センサエレメントを示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるTeflon(登録商標)コートセンサエレメントを示す図である。
【図3】活性化されたフルオロ化学種を含有したNF3プラズマに露出されたセンサエレメントの出力信号と、残留ガス分析装置(RGA)によって測定されたフッ素分圧とを並べて比較したグラフである。
【図4】本発明の一実施形態による、異なる圧力及び異なるガス流量下におけるNF3組成を関数としたセンサエレメントの応答信号を示すグラフである。
【図5】第1の犠牲モールド層及びその上に付着した障壁材料の層を有するシリコン基板の実例を示す横断面図である。
【図6】第1の犠牲モールド層と共面になるように障壁材料の層が平坦化されている点を除き、図5に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図6A】図6に示す構造の上面図である。
【図7】さらに第2の犠牲モールド層がその上に形成された、図6に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図8】さらに接触形成材料の層がその上に付着した、図7に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図9】第2の犠牲モールド層と共面になるように接触形成材料の層が平坦化されている点を除き、図8に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図9A】図5に示す構造の上面図である。
【図10】さらに第3の犠牲モールド層がその上に形成された、図9に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図11】さらにサポート材料の層がその上に付着した、図10に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図12】第3の犠牲モールド層と共面になるようにサポート材料の層が平坦化されている点を除き、図11に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図12A】図12に示す構造の上面図である。
【図13】第3の犠牲モールド層が選択的に除去され、かつ、センサ材料の層がその上に付着している点を除き、図12に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図13A】図13に示す構造の上面図である。
【図14】第1及び第2の犠牲モールド層が選択的に除去され、本発明の一実施形態による自立ガス検知エレメント及び接触/障壁エレメントを形成している点を除き、図13に示す構造の実例を示す横断面図である。
【図14A】図14に示す構造の上面図である。
【図15】本発明の一実施形態による、接触/障壁エレメントによって支持された自立ガス検知エレメントを備えた実例ガスセンサアセンブリの斜視図である。
【図16】本発明の他の実施形態によるセンサアセンブリの斜視図である。
【図17】本発明の他の実施形態によるセンサの斜視図である。
【図18】本発明のさらに他の実施形態によるセンサの斜視図である。
【図19】図18に示すセンサの平面図である。
【図20】本発明の一実施形態によるセンサが取り付けられた処理システムを示す略図である。
【図21】電気めっきされたニッケルがチャネルを形成するために除去されたセンサフィラメントを500倍に拡大したマイクログラフである。
【図22】鉄線及びニッケルコートアルミナ(曲線A)と、水平に取り付けられた真直ぐなニッケル/コーティングが施されたSiC炭素繊維(XENA)(曲線B)の比較試験における、時間を関数とした電気抵抗の変化を示すグラフである。
【図23】TeflonコートニッケルめっきSiCフィラメント(曲線A)、不連続ニッケルめっき炭化ケイ素フィラメント(曲線D)、0.125ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線B)、0.25ミリアンペアの電流で5時間にわたってめっきされたニッケルめっきSiCフィラメント(曲線E)の応答、及びプラズマオン/オフサイクル(曲線C)を示す、時間(分)を関数とした抵抗(オーム)を示すグラフである。
【図24】裸線T型フィラメント(曲線A)、シースT型フィラメント(曲線B)及びシースK型フィラメント(曲線C)を備えた3つの熱電対を三フッ化窒素への露出下で調査した試験における、時間を関数とした熱電対電圧を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法であって、
活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができる少なくとも1つのセンサエレメントを提供するステップと、
前記エッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、前記エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流に前記センサエレメントを接触させるステップと、
前記センサエレメントによって生成される、前記放出ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す前記出力信号に基づいて、前記エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記センサエレメントは、異なる金属又は金属合金を含有するとともに、それらの間に熱電接点を有する少なくとも2つの構成要素を備えるものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、ニッケル、アルミニウム、銅及びそれらの合金からなる群から選択された金属又は金属合金を含有するものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、耐フルオロ性金属又は金属合金を含有するものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記センサエレメントは、銅を含有した第1の構成要素と、コンスタンタンを含有した第2の構成要素と、を備えるものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントは、前記少なくとも2つの構成要素の上に耐フルオロ性コーティングをさらに備えるものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記耐フルオロ性コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン、アルミナ、グループIIの金属フッ化物、ペルフッ化重合体及びそれらの混合物からなる群から選択された材料を含有するものである、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記センサエレメントは、サーミスタを備えるものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記センサエレメントは、抵抗温度検出器を備えるものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記抵抗温度検出器は、定電流で動作するものである、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記抵抗温度検出器は、定抵抗で動作するものである、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記放出ガス流は、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基からなる群から選択された活発なガス化学種の存在に敏感なものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのシステムであって、
前記エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流から、前記エッチングプラズマ処理設備の下流側の位置でガス試料を得るためのガス試料採集デバイスと、
前記ガス試料に露出するために前記ガス試料採集デバイスに動作的に結合された少なくとも1つのセンサエレメントであって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して前記温度変化を表す出力信号を生成することができるセンサエレメントと、
前記センサエレメントに動作的に結合されたモニタリングデバイスであって、前記センサエレメントによって生成される、前記ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号をモニタし、かつ、前記出力信号に基づいて前記エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのモニタリングデバイスと、
を備える、システム。
【請求項14】
前記ガス試料採集デバイスは、前記放出ガス流が流れる下流側流体流路に動作的に結合されるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ガス試料採集デバイスは、前記放出ガス流が流れる下流側流体流路の一部である、
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記センサエレメントは、異なる金属又は金属合金を含有するとともに、それらの間に熱電接点を有する少なくとも2つの構成要素を備えるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、ニッケル、アルミニウム、銅及びそれらの合金からなる群から選択された金属又は金属合金を含有するものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、耐フルオロ性金属又は金属合金を含有するものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記センサエレメントは、銅を含有した第1の構成要素と、コンスタンタンを含有した第2の構成要素と、を備えるものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントは、前記少なくとも2つの構成要素の上に耐フルオロ性コーティングをさらに備えるものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記耐フルオロ性コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン、アルミナ、グループIIの金属フッ化物、ペルフッ化重合体及びそれらの混合物からなる群から選択された材料を含有するものである、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記センサエレメントは、サーミスタを備えるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記センサエレメントは、抵抗温度検出器を備えるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
前記抵抗温度検出器は、定電流で動作するものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
前記抵抗温度検出器は、定抵抗で動作するものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項26】
前記放出ガス流は、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基からなる群から選択された活発なガス化学種の存在に敏感なものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項27】
熱絶縁構造と、触媒材料と、加熱器と、温度センサと、を備えたガスセンサであって、
前記温度センサは、サーモパイル、サーミスタ及び熱電エレメントのうちの少なくとも1つを有するものであり、
前記触媒材料は、ガスと触媒相互作用して前記ガスを反応させることによって熱効果を生成するものであり、
前記温度センサは、前記熱効果を検知し、前記熱効果と相関関係のある、前記触媒材料と接触している前記ガスの存在及び/又は濃度を表す出力を生成するように適合されるものであり、かつ、
前記熱絶縁構造は、前記加熱器による前記触媒材料の加熱を少なくとも部分的に制限するようになされるものである、
ガスセンサ。
【請求項28】
前記触媒材料は、ニッケルを含有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項29】
マイクロホットプレートを備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項30】
前記触媒材料は、前記マイクロホットプレート上の表面コーティングとして存在するものである、
請求項29に記載のガスセンサ。
【請求項31】
ペリスターを備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項32】
炭化ケイ素で形成された基板を備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項33】
前記加熱器は、電気抵抗性材料を有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項34】
前記触媒材料は、電気接続されていないものである、
請求項33に記載のガスセンサ。
【請求項35】
前記電気抵抗性材料は、ポリシリコンを有するものである、
請求項33に記載のガスセンサ。
【請求項36】
前記加熱器は、前記加熱器による加熱の変化が前記ガスと前記触媒材料の触媒相互作用を表すよう、前記温度センサの基準部分が一定の温度を維持するように適合されるものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項37】
前記加熱器は、温度の変化が前記ガスと前記触媒材料の触媒相互作用を表すよう、電圧、電流及び電力の中から選択される一定の電気状態で動作するように適合されるものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項38】
前記加熱器は、サーモパイルを有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項39】
前記サーモパイルは、ポリシリコン/ニッケル接合を有するものである、
請求項38に記載のガスセンサ。
【請求項40】
前記触媒材料は、炭化ケイ素基板の上にニッケル層を有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項41】
電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントを備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項42】
前記電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントの電気抵抗が一定の抵抗を維持するように構成されるとともに、前記電気抵抗の変化が前記触媒材料と接触している前記ガスの存在及び/又は濃度を表すものである、
請求項41に記載のガスセンサ。
【請求項43】
プロセス材料の流れが通過するように適合されたチャンバと、前記プロセス材料にガスが存在している場合に前記ガスを検知するように適合された請求項27に記載のガスセンサと、を備えた、化学処理アセンブリ。
【請求項44】
前記ガスセンサは、前記チャンバへの前記センサの取付けを可能とする3/8インチのプラグを有するものである、
請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項45】
前記ガスセンサは、前記チャンバへの前記センサの取付けを可能とする1/4インチのプラグを有するものである、
請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項46】
前記ガスセンサは、垂直に配向された金属コートフィラメントを触媒材料及び温度センサとして有するものである、
請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項47】
ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントを備えたセンサであって、
前記フィラメントは、ガスを検知するために垂直に配向され、かつ、ガスに接触するように配置されるものである、
センサ。
【請求項48】
前記フィラメントを所定の位置に固着するためのプレスばめ接続部をさらに備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項49】
前記フィラメントを基板に結合するためのチャネルが前記フィラメントに存在するものである、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項50】
前記ニッケルコーティングの電気特性の変化によってチャンバ浄化操作の終点を決定するように適合されるものである、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項51】
前記フィラメントの電気特性の変化によってガスの存在が決定されるものである、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項52】
前記ニッケル膜コーティングと基板の間に付着した酸化アルミニウム薄膜をさらに備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項53】
電気接続部を備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項54】
前記電気接続部は、機械的な接続部及び電気めっき接続部のうちの少なくとも何れか一方を有するものである、
請求項53に記載のセンサ。
【請求項55】
超微小機械加工されたNiペリスターをアルミナサポートの上に備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項56】
放出流中のガスを検知するように適合されたセンサであって、
温度検知エレメントと、前記ガスが反応して前記温度検知エレメントによる検出が可能な熱応答を生成するガス相互作用エレメントと、を備えており、加熱器によるジュール加熱によって加熱され、以下の関係
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
(ΔWは前記検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化、hは熱対流係数でかつ放出熱伝導率k及び動粘性率vの関数、Teffluentは実効放出温度、ΔHは前記検知エレメントの表面に生じる反応のエンタルピー、rは反応速度)に従って動作するように適合された、
センサ。
【請求項57】
ガスを含有した又は含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、
請求項1に記載のガスセンサの使用を含む、方法。
【請求項58】
ガスを含有した又は含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、
請求項47に記載のガスセンサの使用を含む、方法。
【請求項1】
エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するための方法であって、
活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して、前記温度変化を表す出力信号を生成することができる少なくとも1つのセンサエレメントを提供するステップと、
前記エッチングプラズマ処理設備の下流側の位置で、前記エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流に前記センサエレメントを接触させるステップと、
前記センサエレメントによって生成される、前記放出ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す前記出力信号に基づいて、前記エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記センサエレメントは、異なる金属又は金属合金を含有するとともに、それらの間に熱電接点を有する少なくとも2つの構成要素を備えるものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、ニッケル、アルミニウム、銅及びそれらの合金からなる群から選択された金属又は金属合金を含有するものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、耐フルオロ性金属又は金属合金を含有するものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記センサエレメントは、銅を含有した第1の構成要素と、コンスタンタンを含有した第2の構成要素と、を備えるものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントは、前記少なくとも2つの構成要素の上に耐フルオロ性コーティングをさらに備えるものである、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記耐フルオロ性コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン、アルミナ、グループIIの金属フッ化物、ペルフッ化重合体及びそれらの混合物からなる群から選択された材料を含有するものである、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記センサエレメントは、サーミスタを備えるものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記センサエレメントは、抵抗温度検出器を備えるものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記抵抗温度検出器は、定電流で動作するものである、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記抵抗温度検出器は、定抵抗で動作するものである、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記放出ガス流は、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基からなる群から選択された活発なガス化学種の存在に敏感なものである、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのシステムであって、
前記エッチングプラズマ処理設備によって生成される放出ガス流から、前記エッチングプラズマ処理設備の下流側の位置でガス試料を得るためのガス試料採集デバイスと、
前記ガス試料に露出するために前記ガス試料採集デバイスに動作的に結合された少なくとも1つのセンサエレメントであって、活発なガス化学種が存在することによる温度変化を示すことができ、かつ、その温度変化に対応して前記温度変化を表す出力信号を生成することができるセンサエレメントと、
前記センサエレメントに動作的に結合されたモニタリングデバイスであって、前記センサエレメントによって生成される、前記ガス流中に活発なガス化学種が存在することによって生じる温度変化を表す出力信号をモニタし、かつ、前記出力信号に基づいて前記エッチングプラズマ処理設備のプラズマ状態を決定するためのモニタリングデバイスと、
を備える、システム。
【請求項14】
前記ガス試料採集デバイスは、前記放出ガス流が流れる下流側流体流路に動作的に結合されるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ガス試料採集デバイスは、前記放出ガス流が流れる下流側流体流路の一部である、
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記センサエレメントは、異なる金属又は金属合金を含有するとともに、それらの間に熱電接点を有する少なくとも2つの構成要素を備えるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、ニッケル、アルミニウム、銅及びそれらの合金からなる群から選択された金属又は金属合金を含有するものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントの前記少なくとも2つの構成要素は、耐フルオロ性金属又は金属合金を含有するものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記センサエレメントは、銅を含有した第1の構成要素と、コンスタンタンを含有した第2の構成要素と、を備えるものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記放出ガス流は、活発なフルオロ化学種の存在に敏感なものであり、
前記センサエレメントは、前記少なくとも2つの構成要素の上に耐フルオロ性コーティングをさらに備えるものである、
請求項16に記載のシステム。
【請求項21】
前記耐フルオロ性コーティングは、ポリテトラフルオロエチレン、アルミナ、グループIIの金属フッ化物、ペルフッ化重合体及びそれらの混合物からなる群から選択された材料を含有するものである、
請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記センサエレメントは、サーミスタを備えるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項23】
前記センサエレメントは、抵抗温度検出器を備えるものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項24】
前記抵抗温度検出器は、定電流で動作するものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項25】
前記抵抗温度検出器は、定抵抗で動作するものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項26】
前記放出ガス流は、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、酸素及びそれらの誘導体並びに遊離基からなる群から選択された活発なガス化学種の存在に敏感なものである、
請求項13に記載のシステム。
【請求項27】
熱絶縁構造と、触媒材料と、加熱器と、温度センサと、を備えたガスセンサであって、
前記温度センサは、サーモパイル、サーミスタ及び熱電エレメントのうちの少なくとも1つを有するものであり、
前記触媒材料は、ガスと触媒相互作用して前記ガスを反応させることによって熱効果を生成するものであり、
前記温度センサは、前記熱効果を検知し、前記熱効果と相関関係のある、前記触媒材料と接触している前記ガスの存在及び/又は濃度を表す出力を生成するように適合されるものであり、かつ、
前記熱絶縁構造は、前記加熱器による前記触媒材料の加熱を少なくとも部分的に制限するようになされるものである、
ガスセンサ。
【請求項28】
前記触媒材料は、ニッケルを含有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項29】
マイクロホットプレートを備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項30】
前記触媒材料は、前記マイクロホットプレート上の表面コーティングとして存在するものである、
請求項29に記載のガスセンサ。
【請求項31】
ペリスターを備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項32】
炭化ケイ素で形成された基板を備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項33】
前記加熱器は、電気抵抗性材料を有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項34】
前記触媒材料は、電気接続されていないものである、
請求項33に記載のガスセンサ。
【請求項35】
前記電気抵抗性材料は、ポリシリコンを有するものである、
請求項33に記載のガスセンサ。
【請求項36】
前記加熱器は、前記加熱器による加熱の変化が前記ガスと前記触媒材料の触媒相互作用を表すよう、前記温度センサの基準部分が一定の温度を維持するように適合されるものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項37】
前記加熱器は、温度の変化が前記ガスと前記触媒材料の触媒相互作用を表すよう、電圧、電流及び電力の中から選択される一定の電気状態で動作するように適合されるものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項38】
前記加熱器は、サーモパイルを有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項39】
前記サーモパイルは、ポリシリコン/ニッケル接合を有するものである、
請求項38に記載のガスセンサ。
【請求項40】
前記触媒材料は、炭化ケイ素基板の上にニッケル層を有するものである、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項41】
電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントを備える、
請求項27に記載のガスセンサ。
【請求項42】
前記電気めっきニッケル炭化ケイ素フィラメントの電気抵抗が一定の抵抗を維持するように構成されるとともに、前記電気抵抗の変化が前記触媒材料と接触している前記ガスの存在及び/又は濃度を表すものである、
請求項41に記載のガスセンサ。
【請求項43】
プロセス材料の流れが通過するように適合されたチャンバと、前記プロセス材料にガスが存在している場合に前記ガスを検知するように適合された請求項27に記載のガスセンサと、を備えた、化学処理アセンブリ。
【請求項44】
前記ガスセンサは、前記チャンバへの前記センサの取付けを可能とする3/8インチのプラグを有するものである、
請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項45】
前記ガスセンサは、前記チャンバへの前記センサの取付けを可能とする1/4インチのプラグを有するものである、
請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項46】
前記ガスセンサは、垂直に配向された金属コートフィラメントを触媒材料及び温度センサとして有するものである、
請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項47】
ニッケル膜が電気めっきされた炭化ケイ素フィラメントを備えたセンサであって、
前記フィラメントは、ガスを検知するために垂直に配向され、かつ、ガスに接触するように配置されるものである、
センサ。
【請求項48】
前記フィラメントを所定の位置に固着するためのプレスばめ接続部をさらに備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項49】
前記フィラメントを基板に結合するためのチャネルが前記フィラメントに存在するものである、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項50】
前記ニッケルコーティングの電気特性の変化によってチャンバ浄化操作の終点を決定するように適合されるものである、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項51】
前記フィラメントの電気特性の変化によってガスの存在が決定されるものである、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項52】
前記ニッケル膜コーティングと基板の間に付着した酸化アルミニウム薄膜をさらに備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項53】
電気接続部を備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項54】
前記電気接続部は、機械的な接続部及び電気めっき接続部のうちの少なくとも何れか一方を有するものである、
請求項53に記載のセンサ。
【請求項55】
超微小機械加工されたNiペリスターをアルミナサポートの上に備える、
請求項47に記載のセンサ。
【請求項56】
放出流中のガスを検知するように適合されたセンサであって、
温度検知エレメントと、前記ガスが反応して前記温度検知エレメントによる検出が可能な熱応答を生成するガス相互作用エレメントと、を備えており、加熱器によるジュール加熱によって加熱され、以下の関係
ΔW+{h(k,v)×ΔTeffluent+Telement×Δ[h(k,v)]}+ΔH・r=0
(ΔWは前記検知エレメントを設定温度Telementに維持するために必要なジュール加熱の変化、hは熱対流係数でかつ放出熱伝導率k及び動粘性率vの関数、Teffluentは実効放出温度、ΔHは前記検知エレメントの表面に生じる反応のエンタルピー、rは反応速度)に従って動作するように適合された、
センサ。
【請求項57】
ガスを含有した又は含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、
請求項1に記載のガスセンサの使用を含む、方法。
【請求項58】
ガスを含有した又は含有することが可能な放出流中のガスを検知する方法であって、
請求項47に記載のガスセンサの使用を含む、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図14A】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図7】
【図8】
【図9】
【図9A】
【図10】
【図11】
【図12】
【図12A】
【図13】
【図13A】
【図14】
【図14A】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2008−538051(P2008−538051A)
【公表日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502002(P2008−502002)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/009330
【国際公開番号】WO2006/101897
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/009330
【国際公開番号】WO2006/101897
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
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