説明

エッチング方法及び半導体デバイスの製造方法

【課題】シリコン酸化膜に対するポリシリコン膜の選択比を大きくすることができ、且つシリコン基材におけるリセスの発生を抑制することができるエッチング方法を提供する。
【解決手段】シリコン基材35上にゲート酸化膜36、ポリシリコン膜37及び開口部39を有するハードマスク膜38が順に形成され、開口部39に対応するポリシリコン膜37のトレンチ40内には自然酸化膜41が形成されているウエハWにおいて、自然酸化膜41をポリシリコン膜37がトレンチ40の底部に露出するまでエッチングし、雰囲気の圧力を13.3Paに設定し、処理空間S2へOガス、HBrガス及びArガスを供給し、バイアス電圧の周波数を13.56MHzに設定してHBrガスから発生したプラズマによってポリシリコン膜37をエッチングして完全に除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング方法及び半導体デバイスの製造方法に関し、特に、ゲート酸化膜上に形成されたポリシリコン層をエッチングするエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスのポリシリコン(多結晶シリコン)単層のゲートを形成する場合、シリコン基材100上に酸化珪素からなるゲート酸化膜101、ポリシリコン膜102及びハードマスク膜(SiN膜)103が順に形成されたウエハを加工する。このウエハでは、ハードマスク膜103が所定のパターンに従って形成されて開口部104を所定の位置に有し、さらに、ポリシリコン膜102は上記開口部104に対応した溝(トレンチ)105を有する。また、トレンチ105内には露出されたポリシリコン膜102の一部の自然酸化によって生成された自然酸化膜106が形成されている(図7(A))参照。)。
【0003】
ウエハの加工工程は基板処理室としての或るチャンバにおいて実行されるブレイクスルーエッチングステップ及びメインエッチングステップ、並びに基板処理室としての別のチャンバにおいて実行される酸化膜エッチングステップからなる。或るチャンバにおいて実行されるブレイクスルーエッチングステップでは、トレンチ105内の自然酸化膜106をエッチングしてポリシリコン膜102をトレンチ105の底部に露出させる(図7(B))。また、同チャンバにおいて実行されるメインエッチングステップでは、トレンチ105の底部のポリシリコン膜102をエッチングして完全に除去し、ゲート酸化膜101を露出させる(図7(C))。そして、ウエハが別のチャンバに移された後、該別のチャンバで実行される酸化膜エッチングステップではゲート酸化膜101をエッチングして除去し、シリコン基材100を露出させる(図7(D))。なお、露出したシリコン基材100には後にイオンがドープされる。
【0004】
通常、ポリシリコン膜102のエッチングでは塩素系ガス及び弗素系ガスを含まない臭化水素(HBr)系の処理ガスから発生したプラズマが用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
ところで、処理ガスに酸素ガスが混入されるとエッチングにおいてゲート酸化膜101に対するポリシリコン膜102の選択比を大きくすることができ、ゲート酸化膜101のエッチングを抑制することができることが知られている(酸素ガス混入による選択比確保効果)。したがって、通常、メインエッチングステップではゲート酸化膜101をエッチングすることがないように処理ガスに酸素ガスを混入させる。
【特許文献1】特開平10−172959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、トレンチ105の底部に露出するゲート酸化膜101は厚さが薄いため、メインエッチングステップにおいて、酸素ガスから生じた酸素プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが高いと、陽イオンがゲート酸化膜101を透過してシリコン基材100に到達することがある(図7(C)))。該シリコン基材100に到達した酸素の陽イオンはシリコン基材100の一部107を酸化珪素に変質させる。そして、別のチャンバにおいて実行される酸化膜エッチングステップにおいて、HF系ガスから発生したプラズマがゲート酸化膜101だけでなく変質したシリコン基材100の一部107も除去する。その結果、ゲートの両脇にはシリコン基材100の表面から窪んだリセス108が発生する(図7(D))。
【0007】
リセス108が発生すると露出したシリコン基材100へのイオンドープの際、イオンが所望の範囲にドープされず、その結果、半導体デバイスにおいて所望の性能を得ることができなくなる。
【0008】
本発明の目的は、シリコン酸化膜に対するポリシリコン膜の選択比を大きくすることができ、且つシリコン基材におけるリセスの発生を抑制することができるエッチング方法及び半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載のエッチング方法は、シリコン基材上に少なくともシリコン酸化膜、ポリシリコン膜及び開口部を有するマスク膜が順に形成された基板のエッチング方法であって、前記開口部に対応する前記ポリシリコン膜を、酸素ガスを含む処理ガスから発生したプラズマを用いてエッチングするポリシリコン膜エッチングステップを有し、前記ポリシリコン膜エッチングステップでは、雰囲気の圧力を6.7Pa〜33.3Paに設定し、且つ、前記基板へ前記プラズマを引き込むためのバイアス電圧の周波数を13.56MHz以上に設定して前記開口部に対応するポリシリコン膜をエッチングすることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載のエッチング方法は、請求項1記載のエッチング方法において、前記ポリシリコン膜エッチングステップでは、雰囲気の圧力を13.3Pa〜26.6Paに設定することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載のエッチング方法は、請求項1又は2記載のエッチング方法において、前記酸素ガスを含む処理ガスは、酸素ガス、臭化水素ガス及び不活性ガスの混合ガスであることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載のエッチング方法は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエッチング方法において、前記ポリシリコン膜エッチングステップに先立って前記ポリシリコン膜から生成された自然酸化膜を除去する自然酸化膜除去ステップを有し、該自然酸化膜除去ステップでは、臭化水素ガス、フルオロカーボンガス又は塩素ガスから発生したプラズマを用いて前記自然酸化膜をエッチングすることを特徴とする。
【0013】
請求項5記載のエッチング方法は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエッチング方法において、前記シリコン酸化膜をエッチングするシリコン酸化膜エッチングステップを有することを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するために、請求項6記載の半導体デバイスの製造方法は、シリコン基材上に少なくともシリコン酸化膜、ポリシリコン膜及び開口部を有するマスク膜が順に形成された基板から半導体デバイスを製造する半導体デバイスの製造方法であって、前記開口部に対応する前記ポリシリコン膜を、酸素ガスを含む処理ガスから発生したプラズマを用いてエッチングするポリシリコン膜エッチングステップを有し、前記ポリシリコン膜エッチングステップでは、雰囲気の圧力を6.7Pa〜33.3Paに設定し、且つ、前記基板へ前記プラズマを引き込むためのバイアス電圧の周波数を13.56MHz以上に設定して前記開口部に対応するポリシリコン膜をエッチングすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載のエッチング方法及び請求項6記載の半導体デバイスの製造方法によれば、マスク膜の開口部に対応するポリシリコン膜が、雰囲気の圧力が6.7Pa〜33.3Paに設定され、且つ基板へプラズマを引き込むためのバイアス電圧の周波数が13.56MHz以上に設定されて、酸素ガスを含む処理ガスから発生したプラズマを用いてエッチングされる。雰囲気の圧力が6.7Pa以上であると、プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下する。また、バイアス電圧の周波数が13.56MHz以上であると、プラズマ中の陽イオンがバイアス電圧の電圧変動に追従できないため、やはり、プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下する。これにより、プラズマのスパッタ力が低下し、ポリシリコン膜のエッチレートに比べてシリコン酸化膜のエッチレートが大幅に低下する。また、処理ガスに酸素ガスを含むため、酸素ガス混入による選択比確保効果も得られる。したがって、シリコン酸化膜に対するポリシリコン膜の選択比を大きくすることができる。
【0016】
また、上述したように、雰囲気の圧力が6.7Pa以上であり、且つバイアス電圧の周波数が13.56MHz以上であると、プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下するので、陽イオンがシリコン酸化膜を透過してシリコン基材へ到達するのを防止することができ、シリコン酸化膜下のシリコン基材が酸化するのを防止することができる。その結果、リセスの発生を抑制することができる。
【0017】
請求項2記載のエッチング方法によれば、雰囲気の圧力が13.3Pa〜26.6Paに設定されてポリシリコン膜がエッチングされる。圧力が13.3Pa以上であるとプラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが極端に低下してスパッタ力が極端に弱くなり、シリコン酸化膜に対するポリシリコン膜の選択比を確実に大きくすることができる。その結果、シリコン酸化膜の割れ等の発生を防止することができる。
【0018】
請求項3記載のエッチング方法によれば、酸素ガスを含む処理ガスは、酸素ガス、臭化水素ガス及び不活性ガスの混合ガスである。臭化水素ガスから発生したプラズマはポリシリコン膜を効率良くエッチングできる。したがって、スループットを向上することができる。
【0019】
請求項4記載のエッチング方法によれば、自然酸化膜除去ステップでは、臭化水素ガス、フルオロカーボンガス又は塩素ガスから発生したプラズマを用いて自然酸化膜がエッチングされる。臭化水素ガス、フルオロカーボンガス又は塩素ガスから発生したプラズマは自然酸化膜を効率良くエッチングできる。したがって、スループットをより向上することができる。
【0020】
請求項5記載のエッチング方法によれば、シリコン酸化膜がエッチングされるので、イオンをドープさせるシリコン基材を確実に露出させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】
まず、本発明の実施の形態に係るエッチング方法を実行する基板処理装置について説明する。
【0023】
図1は、本実施の形態に係るエッチング方法を実行する基板処理装置の概略構成を示す断面図である。
【0024】
図1において、基板処理装置10は、略円筒形の処理容器11と、該処理容器11内に設けられ、後述するウエハWを載置する略円柱状の載置台としてのサセプタ12とを備える。サセプタ12は静電チャック(図示しない)を有する。静電チャックはウエハWをクーロン力又はジョンソン・ラーベック(Johnsen-Rahbek)力によって吸着保持する。
【0025】
処理容器11は、例えば、アルミニウムを含有するオーステナイトステンレス鋼からなり、その内壁面はアルマイトやイットリア(Y)の絶縁膜(図示しない)によって覆われている。また、処理容器11の上部には、サセプタ12に吸着保持されたウエハWに対向するように誘電体板、例えば石英板からなるマイクロ波透過窓13がリング部材14を介して取り付けられている。該マイクロ波透過窓13は円板状を呈し、後述するマイクロ波を透過させる。
【0026】
マイクロ波透過窓13の外縁部には段差部が形成され、リング部材14の内周部にはマイクロ波透過窓13の段差部に対応する段差部が形成される。マイクロ波透過窓13及びリング部材14は互いの段差部を係合させることによって接合される。マイクロ波透過窓13の段差部及びリング部材14の段差部の間にはOリングであるシールリング15が配設され、該シールリング15はマイクロ波透過窓13及びリング部材14からのガスの漏れを防止して処理容器11内の気密を保持する。
【0027】
マイクロ波透過窓13の上にはラジアルラインスロットアンテナ(Radial Line Slot Antenna)19が配置されている。該ラジアルラインスロットアンテナ19は、マイクロ波透過窓13に密接する円板状のスロット板20と、該スロット板20を保持し且つ覆う円板状のアンテナ誘電体板21と、スロット板20及びアンテナ誘電体板21の間に狭持された遅波板22とを備える。該遅波板22はAl、SiO及びSiの低損失誘電体材料からなる。
【0028】
ラジアルラインスロットアンテナ19はリング部材14を介して処理容器11に装着されている。ラジアルラインスロットアンテナ19及びリング部材14の間はOリングであるシールリング23によって密封されている。また、ラジアルラインスロットアンテナ19には同軸導波管24が接続されている。同軸導波管24は管体24a及び該管体24aと同軸に配置されている棒状の中心導体24bからなる。管体24aはアンテナ誘電体板21に接続され、中心導体24bはアンテナ誘電体板21に形成された開口部を介してスロット板20に接続されている。
【0029】
また、同軸導波管24は外部のマイクロ波源(図示しない)に接続され、周波数が2.45GHz又は8.3GHzのマイクロ波をラジアルラインスロットアンテナ19に供給する。供給されたマイクロ波はアンテナ誘電体板21及びスロット板20の間を径方向に進行する。遅波板22は進行するマイクロ波の波長を圧縮する。
【0030】
図2は、図1におけるスロット板の平面図である。
【0031】
図2において、スロット板20は複数のスロット25a及びスロット25aの数と同数のスロット25bを有する。複数のスロット25aは複数の同心円状に配列され、複数のスロット25bは各スロット25aに各スロット25bが対応し且つ直交するように配置されている。スロット25a及び対応するスロット25bからなる一対のスロット組において、スロット25a及びスロット25bのスロット板20の半径方向における配置間隔は遅波板22によって圧縮されたマイクロ波の波長に対応する。これにより、該マイクロ波はスロット板20から略平面波として放射される。また、スロット25a及びスロット25bは互いに直交するように配置されているため、スロット板20から放射されるマイクロ波は2つの直交する偏波成分を含む円偏波を呈する。
【0032】
図1に戻り、基板処理装置10はアンテナ誘電体板21の上に冷却ブロック体26を備える。該冷却ブロック体26は複数の冷却水通路27を有する。冷却ブロック体26は冷却水通路27を循環する冷媒の熱交換により、マイクロ波によって加熱されるマイクロ波透過窓13に蓄積される熱をラジアルラインスロットアンテナ19を介して除去する。
【0033】
さらに、基板処理装置10は、処理容器11内においてマイクロ波透過窓13及びサセプタ12の間に配置されている処理ガス供給部28を備える。該処理ガス供給部28は、例えば、マグネシウム含有アルミニウム合金やアルミニウム添加ステンレススチール等の導体からなり、サセプタ12上のウエハWに対向するように配置されている。
【0034】
また、処理ガス供給部28は、図3に示すように、同心円状に配置された互いに直径が異なる複数の円形パイプ部28aと、各円形パイプ部28a同士を接続する複数の接続パイプ部28bと、最外周の円形パイプ部28a及び処理容器11の側壁を接続して円形パイプ部28a及び接続パイプ部28bを支持する支持パイプ部28cとを備える。
【0035】
円形パイプ部28a、接続パイプ部28b及び支持パイプ部28cは管状を呈し、これら内部には処理ガス拡散通路29が形成されている。該処理ガス拡散通路29は、各円形パイプ部28aの下面に設けられた複数のガス穴30により、処理ガス供給部28及びサセプタ12の間の処理空間S2と連通する。また、処理ガス拡散通路29は処理ガス導入管31を介して外部処理ガス供給装置(図示しない)に接続されている。処理ガス導入管31は処理ガス拡散通路29に処理ガスG1を導入する。各ガス穴30は処理ガス拡散通路29に導入された処理ガスG1を処理空間S2に供給する。
【0036】
なお、基板処理装置10は処理ガス供給部28を有していなくてもよい。この場合、リング部材14がガス穴を備えて処理空間S1,S2に処理ガスを供給してもよい。
【0037】
また、基板処理装置10は、処理容器11の下部において開口する排気ポート32を備える。排気ポート32は、APC(Automatic Pressure Control)バルブ(図示しない)を介してTMP(Turbo Molecular Pump)やDP(Dry Pump)(いずれも図示しない)に接続される。TMPやDPは処理容器11内のガス等を排気し、APCバルブは処理空間S1,S2の圧力を制御する。
【0038】
さらに、基板処理装置10では、サセプタ12に高周波電源33が整合器(Matcher)34を介して接続されており、該高周波電源33は高周波電力をサセプタ12に供給する。これにより、サセプタ12は高周波電極として機能する。また、整合器34は、サセプタ12からの高周波電力の反射を低減して高周波電力のサセプタ12への供給効率を最大にする。高周波電源33からの高周波電流はサセプタ12を介して処理空間S1,S2に供給され、後述するプラズマをサセプタ12に吸着保持されたウエハWへ引き込むバイアス電圧を形成する。
【0039】
なお、マイクロ波透過窓13及び処理ガス供給部28の間の距離L1(すなわち、処理空間S1の厚さ)は35mmであり、処理ガス供給部28及びサセプタ12の間の距離L2(すなわち、処理空間S2の厚さ)は100mmである。また、処理ガス供給部28が供給する処理ガスG1は臭化水素(HBr)ガス、フルオロカーボン(CF系)ガス、塩素(Cl)ガス、弗化水素(HF)ガス、酸素(O)ガス、水素(H)ガス、窒素(N)ガス、希ガス、例えば、アルゴン(Ar)ガスやヘリウム(He)ガスから選択された単ガス若しくは混合ガス該当する。
【0040】
基板処理装置10では、処理空間S1,S2の圧力が所望の圧力に制御され、処理ガス供給部28から処理空間S2に処理ガスG1が供給される。次いで、サセプタ12を介して処理空間S1,S2に高周波電流が供給されると共に、ラジアルラインスロットアンテナ19はスロット板20からマイクロ波を放射する。該放射されたマイクロ波はマイクロ波透過窓13を介して処理空間S1,S2に放射されてマイクロ波電界を形成する。該マイクロ波電界は処理空間S2に供給された処理ガスG1を励起してプラズマを発生させる。このとき、周波数の高いマイクロ波によって処理ガスG1が励起されるため、高密度のプラズマを得ることができる。処理ガスG1のプラズマは、サセプタ12へ供給された高周波電力に起因するバイアス電圧によってサセプタ12に吸着保持されたウエハWへ引き込まれて該ウエハWにエッチング処理を施す。
【0041】
ラジアルラインスロットアンテナ19では外部のマイクロ波源から供給されたマイクロ波がアンテナ誘電体板21及びスロット板20の間で均一に拡散するため、スロット板20はその表面から均一にマイクロ波を放射する。したがって、処理空間S2では均一なマイクロ波電界が形成され、処理空間S2においてプラズマは均一に分布する。その結果、ウエハWの表面に均一にエッチング処理を施すことができ、処理の均一性(Uniformity)を確保することができる。
【0042】
基板処理装置10では、サセプタ12から離れた処理ガス供給部28の近傍において処理ガスG1を励起してプラズマを発生させる。すなわち、ウエハWから離れた空間においてのみプラズマが発生するため、ウエハWはプラズマに直接晒されることなく、また、プラズマがウエハWに到達したときにはプラズマの電子温度が下がる。その結果、ウエハW上の半導体デバイスの構造を破壊することがない。また、ウエハWの近傍において処理ガスG1の再解離を防ぐことできるため、ウエハWを汚染することもない(例えば、“山中、阿刀田、「大口径・高密度プラズマ処理装置の開発」にて産学官連携功労者表彰 内閣総理大臣賞を受賞”、[online]、平成15年6月9日、新エネルギー・産業技術総合開発機構、[平成18年5月22日検索]、インターネット<http://www.nedo.go.jp/informations/press/150609_1/150609_1.html>”参照。)。
【0043】
上述した基板処理装置10では、処理ガスG1の励起の際、周波数の高いマイクロ波を用いるため、処理ガスG1に効率よくエネルギーを伝達することができる。その結果、処理ガスG1は励起し易くなり、高圧環境下でもプラズマを発生させることができる。したがって、処理空間S1,S2の圧力を極端に低下させることなく、ウエハWにエッチング処理を施すことができる。
【0044】
図4は、図1の基板処理装置においてエッチング処理が施されるウエハの構成を示す断面図である。
【0045】
図4において、半導体デバイス用のウエハWは、シリコンからなるシリコン基材35と、該シリコン基材35上に形成された膜厚が2.0nmのゲート酸化膜36と、該ゲート酸化膜36上に形成された膜厚が100nmのポリシリコン膜37と、該ポリシリコン膜37上に形成されたハードマスク膜38とを備える。このウエハWでは、ハードマスク膜38が所定のパターンに従って形成されて開口部39を所定の位置に有し、さらに、ポリシリコン膜37は上記開口部39に対応した溝(トレンチ)40を有する。また、トレンチ40内には自然酸化膜41が形成されている。
【0046】
シリコン基材35はシリコンからなる円板状の薄板であり、熱酸化処理が施されて表面にゲート酸化膜36が形成される。ゲート酸化膜36は酸化珪素(SiO)からなり、絶縁膜として機能する。ポリシリコン膜37は多結晶シリコンからなり、成膜処理によって形成される。なお、ポリシリコン膜37には何もドープされていない。
【0047】
ハードマスク膜38は窒化珪素(SiN)からなり、ポリシリコン膜37を全面的に覆う窒化珪素膜がCVD処理等によって形成された後、該窒化珪素膜をマスク膜等を用いてエッチングすることによって開口部39を所定の位置に有するように形成される。また、ポリシリコン膜37のトレンチ40はハードマスク膜38を用いたエッチングによって形成される。トレンチ40内の自然酸化膜41は、ハードマスク膜38を用いたエッチングによって露出したポリシリコン膜37が大気中の酸素と反応する自然酸化によって生成される。
【0048】
次に、本実施の形態に係るエッチング方法について説明する。
【0049】
図5は、本実施の形態に係るエッチング方法としての半導体デバイスのゲート構造を得るためのエッチング方法を示す工程図である。
【0050】
図5において、まず、ウエハWを基板処理装置10の処理容器11内に搬入してサセプタ12の上面に吸着保持する(図5(A))。
【0051】
次いで、処理空間S1,S2の圧力を2.6Pa(20mTorr)に設定し、処理ガス供給部28から処理空間S2へ処理ガスG1としてClガス及びArガスをそれぞれ所定の流量で供給する。また、ラジアルラインスロットアンテナ19に2.45GHzのマイクロ波を供給すると共に、サセプタ12に13.56MHzの高周波電力を供給する。このとき、Clガス等がスロット板20から放射されたマイクロ波によってプラズマになり、陽イオンやラジカルが発生する。これらの陽イオンやラジカルは開口部39を介してトレンチ40内の自然酸化膜41と衝突・反応し、該自然酸化膜41をエッチングしてポリシリコン膜37をトレンチ40の底部に露出させる(自然酸化膜除去ステップ)(図5(B))(ブレイクスルーエッチング)。
【0052】
次いで、処理空間S1,S2の圧力を13.3Pa(100mTorr)に設定し、処理空間S2へ処理ガスG1としてOガス、HBrガス及びArガスをそれぞれ所定の流量で供給する。また、ラジアルラインスロットアンテナ19には2.45GHzのマイクロ波を供給すると共に、サセプタ12に13.56MHzの高周波電力を90Wで供給する。このとき、HBrガス等がスロット板20から放射されたマイクロ波によってプラズマになり、陽イオンやラジカルが発生する。これらの陽イオンやラジカルはトレンチ40の底部に露出してゲート酸化膜36上に残るポリシリコン膜37(以下、「残留ポリシリコン膜」という。)と衝突・反応し、残留ポリシリコン膜をエッチングして完全に除去する(ポリシリコン膜エッチングステップ)(図5(C))(メインエッチング)。なお、残留ポリシリコン膜のエッチングは、例えば、30秒間に亘って行われる。
【0053】
上記残留ポリシリコン膜のエッチングの際、雰囲気の圧力が13.3Paと高く設定される。また、サセプタ12へ供給される高周波電力の周波数が13.56MHzに設定されるので、該高周波電力に起因して形成されるバイアス電圧の周波数も13.56MHzに設定される。雰囲気の圧力が高いとプラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下する。また、バイアス電圧の周波数が13.56MHz以上であると、プラズマ中の陽イオンがバイアス電圧の電圧変動に追従できないため、やはり、プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下する。これにより、プラズマのスパッタ力が低下する。また、酸化珪素はポリシリコンよりスパッタされにくいため、プラズマのスパッタ力が低下すると、ポリシリコンのエッチング速度(以下、「エッチレート」という。)は多少しか低下しない一方、酸化珪素のエッチレートは大幅に低下する。その結果、ゲート酸化膜36に対するポリシリコン膜37の選択比を大きくすることができる。
【0054】
また、上述したように、雰囲気の圧力が高く、且つバイアス電圧の周波数が13.56MHz以上であると、プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下するので、陽イオンがゲート酸化膜36を透過してシリコン基材35へ到達するのを防止することができ、ゲート酸化膜36下のシリコン基材35の一部が酸化するのを防止できる。
【0055】
次いで、ウエハWを基板処理装置10の処理容器11から搬出してウェットエッチング装置の処理容器(図示しない)に搬入し、ポリシリコン膜37が除去されて露出したゲート酸化膜36の部分を薬液等によってウェットエッチングする(シリコン酸化膜エッチングステップ)。当該部分のゲート酸化膜36はシリコン基材35が露出するまでエッチングされる(図5(D))。その後、本処理を終了する。
【0056】
本実施の形態に係るエッチング方法によれば、トレンチ40内の自然酸化膜41が残留ポリシリコン膜がトレンチ40の底部に露出するようにエッチングされ、残留ポリシリコン膜が、雰囲気の圧力が13.3Paと高く設定され、且つバイアス電圧の周波数が13.56MHzに設定されて、Oガス、HBrガス及びArガスからなる処理ガスG1から発生したプラズマを用いてエッチングされる。雰囲気の圧力が高く、バイアス電圧の周波数が13.56MHz以上であると、プラズマのスパッタ力が低下するため、スパッタされにくいゲート酸化膜36のエッチレートは大幅に低下する。また、処理ガスG1はOガスを含むため、Oガス混入による選択比確保効果も得られる。したがって、ゲート酸化膜36に対するポリシリコン膜37の選択比を大きくすることができる。
【0057】
また、上述したように、雰囲気の圧力が高く、且つバイアス電圧の周波数が13.56MHz以上であると、プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下するので、陽イオンがゲート酸化膜36を透過せず、ゲート酸化膜36下のシリコン基材35の一部が酸化することがない。その結果、ゲート酸化膜36のエッチングの際にシリコン基材35の一部が除去されることがなく、リセスの発生を抑制することができる。
【0058】
上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、自然酸化膜41をエッチングする際、Clガスから発生したプラズマを用いる。Clガスから発生したプラズマは自然酸化膜41を効率良くエッチングできる。また、残留ポリシリコン膜をエッチングする際、Oガス、HBrガス及びArガスからなる処理ガスG1を用いる。HBrガスから発生したプラズマはポリシリコン膜37を効率良くエッチングできる。したがって、スループットを向上することができる。
【0059】
また、上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、残留ポリシリコン膜のエッチングが30秒間に亘って行われたが、エッチングの時間はこれに限られない。スループット及びゲート酸化膜36のエッチング抑制の観点からは残留ポリシリコン膜のエッチングの時間は短いのが好ましく、特に、10秒〜180秒の間であるのが好ましい。
【0060】
さらに、上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、残留ポリシリコン膜のエッチングにおいてサセプタ12へ供給される高周波電力の大きさは90Wであったが、供給される高周波電力の大きさはこれに限られず、処理空間S1,S2の圧力に応じて設定される。処理空間S1,S2の圧力が低いほどプラズマのスパッタ力が強くなる一方、供給される高周波電力の大きさが小さいほどプラズマのスパッタ力は弱くなる。したがって、ゲート酸化膜36のエッチング抑制の観点からは、処理空間S1,S2の圧力が低くなれば供給される高周波電力の大きさを小さくするのが好ましく、具体的には、処理空間S1,S2の圧力が6.7Pa(50mTorr)であれば、供給される高周波電力の大きさは45Wであるのが好ましい。
【0061】
さらに、上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、残留ポリシリコン膜をエッチングする際、処理空間S1,S2の圧力(雰囲気の圧力)が13.3Paに設定されたが、シリコン基材35の一部酸化を抑制する観点からは、処理空間S1,S2の圧力を6.7Pa以上に設定すれば、陽イオンの最大エネルギーを充分に低下させることができ、これにより、陽イオンがゲート酸化膜36を透過するのを抑制することができる。一方、処理空間S1,S2の圧力を高くするとプラズマのスパッタ力がより低下してスループットが低下するため、スループットの低下を抑制する観点からは、処理空間S1,S2の圧力を33.3Pa(250mTorr)以下に設定するのがよく、より好ましくは、26.6Pa(200mTorr)以下に設定するのがよい。
【0062】
また、上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、残留ポリシリコン膜のエッチングの際、Oガス、HBrガス及びArガスからなる処理ガスG1を用いたが、処理ガスG1はこれに限られず、HBrガスのみからなる処理ガスでもよく、また、Arガスの代わりに、他の不活性ガス、例えば、希ガス(Heガス)を用いてもよい。
【0063】
上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、自然酸化膜41をエッチングする際、Clガス及び不活性ガスの混合ガスを処理ガスG1として用いるが、処理ガスはこれに限られない。Clガスの代わりにHBrガスやCF系ガスを用いてもよい。
【0064】
上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、ゲート酸化膜36はウェットエッチング装置の処理容器内においてエッチングされたが、ゲート酸化膜36を基板処理装置10の処理容器11内においてエッチングしてもよい。
【0065】
また、上述した本実施の形態に係るエッチング方法では、残留ポリシリコン膜のエッチングの際、サセプタ12に13.56MHzの高周波電力を供給したが、さらに高い周波数の高周波電力を供給してもよく、具体的には、27.13MHzの高周波電力を供給してもよい。上述したように、プラズマ中の陽イオン等は高い周波数の電圧変動に追従することができないので、サセプタ12により高い周波数の高周波電力を供給すると、プラズマ中の陽イオンの最大エネルギーをより低下させてプラズマのスパッタ力をより低下させることができる。
【0066】
また、本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0067】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0068】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0069】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0070】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【実施例】
【0071】
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0072】
ここでは、バイアス電圧の周波数がリセスの発生に与える影響を検討した。
【0073】
実施例
まず、図4のウエハWを準備し、該ウエハWを基板処理装置10の処理容器11に搬入し、処理ガスG1としてClガス及びArガスを処理空間S2に供給し、処理空間S1,S2の圧力を2.5Paに設定し、ラジアルラインスロットアンテナ19に2.45GHzのマイクロ波を供給すると共に、サセプタ12に13.56MHzの高周波電力を供給して自然酸化膜41を、ポリシリコン膜37がトレンチ40の底部に露出するまでエッチングした。さらに、処理空間S2へ処理ガスG1としてOガス、HBrガス及びArガスを供給し、処理空間S1,S2の圧力を13.3Paに設定し、HBrガス等から発生したプラズマによって残留ポリシリコン膜をエッチングした。このとき、残留ポリシリコン膜が完全に除去される一方、ゲート酸化膜36が殆どエッチングされていないことが確認された。
【0074】
そして、ウエハWをウェットエッチング装置の処理容器に搬入し、残留ポリシリコン膜が完全に除去されることによって露出したゲート酸化膜36をエッチングした。その後、ウエハWのゲートを観察したところ、シリコン基材35にリセスが殆ど発生してないことが確認された(図6(A)参照。)。
【0075】
シリコン基材35におけるリセスの発生を完全に排除できなかった訳は、残留ポリシリコン膜のエッチング中に処理容器11の酸化物から構成された構成部品から、Oガスが放出されてシリコン基材35へ到達したため、処理ガスG1におけるOガスから生じたプラズマ中の陽イオンが多少ではあるがゲート酸化膜36を透過したため、及び、ゲート酸化膜36中の酸素原子がノックオン現象によって下層のシリコン基材35へ到達したためと考えられた。
【0076】
比較例
まず、実施例と同じ条件で自然酸化膜41を、ポリシリコン膜37がトレンチ40の底部に露出するまでエッチングした。さらに、処理空間S2へ処理ガスG1としてOガス、HBrガス及びArガスを供給し、処理空間S1,S2の圧力を13.3Paに設定し、サセプタ12に400KHzの高周波電力を供給してHBrガス等から発生したプラズマによって残留ポリシリコン膜をエッチングした。そして、残留ポリシリコン膜が完全に除去されることによって露出したゲート酸化膜36を除去した。その後、ウエハWのゲートを観察したところ、シリコン基材35に深さが5.05nmのリセス41が発生しているのが確認された(図6(B)参照。)。
【0077】
以上より、残留ポリシリコン膜のエッチングの際、サセプタ12に比較的高い周波数の高周波電力を供給してバイアス電圧の周波数を比較的高く設定する、具体的には、13.56MHz以上に設定するとプラズマ中の陽イオンの最大エネルギーが低下してスパッタ力が弱くなり、ゲート酸化膜36のエッチレートがに小さくなり、ゲート酸化膜36に対するポリシリコン膜37の選択比を大きくすることができると共に、プラズマ中の陽イオンのゲート酸化膜36の透過を抑制してシリコン基材35におけるリセスの発生を抑制できることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態に係るエッチング方法を実行する基板処理装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1におけるスロット板の平面図である。
【図3】図1における処理ガス供給部を下方から眺めたときの平面図である。
【図4】図1の基板処理装置においてエッチング処理が施されるウエハの構成を示す断面図である。
【図5】本実施の形態に係るエッチング方法としての半導体デバイスのゲート構造を得るためのエッチング方法を示す工程図である。
【図6】エッチングによって得られたウエハにおけるゲートの構造を示す断面図であり、(A)は残留ポリシリコン膜のエッチングの際に処理空間の圧力を13.3Paに設定し、且つバイアス電圧を13.56MHzに設定したときに得られたゲートの構造であり、(B)は残留ポリシリコン膜のエッチングの際に処理空間の圧力を13.3Paに設定し、且つバイアス電圧を400KHzに設定したときに得られたゲートの構造である。
【図7】ゲート構造を得るための従来のエッチング方法を示す工程図である。
【符号の説明】
【0079】
G1 処理ガス
S1,S2 処理空間
W ウエハ
10 基板処理装置
11 処理容器
12 サセプタ
13 マイクロ波透過窓
14 リング部材
19 ラジアルラインスロットアンテナ
20 スロット板
21 アンテナ誘電体板
22 遅波板
24 同軸導波管
25a,25b スロット
28 処理ガス供給部
33 高周波電源
35 シリコン基材
36 ゲート酸化膜
37 ポリシリコン膜
39 開口部
40 トレンチ
41 自然酸化膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコン基材上に少なくともシリコン酸化膜、ポリシリコン膜及び開口部を有するマスク膜が順に形成された基板のエッチング方法であって、
前記開口部に対応する前記ポリシリコン膜を、酸素ガスを含む処理ガスから発生したプラズマを用いてエッチングするポリシリコン膜エッチングステップを有し、
前記ポリシリコン膜エッチングステップでは、雰囲気の圧力を6.7Pa〜33.3Paに設定し、且つ、前記基板へ前記プラズマを引き込むためのバイアス電圧の周波数を13.56MHz以上に設定して前記開口部に対応するポリシリコン膜をエッチングすることを特徴とするエッチング方法。
【請求項2】
前記ポリシリコン膜エッチングステップでは、雰囲気の圧力を13.3Pa〜26.6Paに設定することを特徴とする請求項1記載のエッチング方法。
【請求項3】
前記酸素ガスを含む処理ガスは、酸素ガス、臭化水素ガス及び不活性ガスの混合ガスであることを特徴とする請求項1又は2記載のエッチング方法。
【請求項4】
前記ポリシリコン膜エッチングステップに先立って前記ポリシリコン膜から生成された自然酸化膜を除去する自然酸化膜除去ステップを有し、
該自然酸化膜除去ステップでは、臭化水素ガス、フルオロカーボンガス又は塩素ガスから発生したプラズマを用いて前記自然酸化膜をエッチングすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項5】
前記シリコン酸化膜をエッチングするシリコン酸化膜エッチングステップを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエッチング方法。
【請求項6】
シリコン基材上に少なくともシリコン酸化膜、ポリシリコン膜及び開口部を有するマスク膜が順に形成された基板から半導体デバイスを製造する半導体デバイスの製造方法であって、
前記開口部に対応する前記ポリシリコン膜を、酸素ガスを含む処理ガスから発生したプラズマを用いてエッチングするポリシリコン膜エッチングステップを有し、
前記ポリシリコン膜エッチングステップでは、雰囲気の圧力を6.7Pa〜33.3Paに設定し、且つ、前記基板へ前記プラズマを引き込むためのバイアス電圧の周波数を13.56MHz以上に設定して前記開口部に対応するポリシリコン膜をエッチングすることを特徴とする製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−238889(P2009−238889A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−80875(P2008−80875)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】