説明

オーバレイマークを設計する方法

【課題】 高感度を有し、オーバレイ測定の改善された精度を提供するスキャトロメトリシステム及び方法を提供する。
【解決手段】 スキャトロメトリ測定で使用するオーバレイターゲットグレーティングの設計方法は、A)サンプル層パラメータを選択し、B)第1ターゲット特性を有する第1ターゲットグレーティングを選択し、C)入射光の角度範囲にわたって第1ターゲット特性のオーバレイオフセット変化の標準偏差を平均して、数学モデル化ターゲットでの反射光のASDを計算し、D)第1増分によって第1ターゲットグレーティング特性をシフトさせ、E)ステップCから繰り返して、F)ステップCとステップEのASDを比較し、大きい方を新たな開始グレーティング特性とし、G)最大の所望のASDが得られるまで、ステップC−Fを繰り返し、H)実際のターゲットを、上記ASDと対応するターゲットグレーティング特性を有するように設計する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、半導体及び同様のマイクロスケールデバイスを製造方法である。本発明は、さらに特に、表面で散乱された光の検出及び分析に基づいた、マイクロスケール特性を測定する技術であるスキャトロメトリ(scatterometry)に関する。およそ、スキャトロメトリは、入射光の波長又は角度の関数としてのグレーティング構造等の周期的な特性によって散乱又は回折された光強度の集積を含む。その詳細な振る舞いが構造体のグレーティングの物理的及び光学的パラメータと特徴的に関係があるので、集積された信号はサイン(signature)と呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
スキャトロメトリは、およそ半導体デバイスのフォトリソグラフィ工程、特に、デバイスを形成するために使用される層の位置合せ測定であるオーバレイ測定で使用される。そのような層の正確な測定と位置合せのコントロールが高レベルの製造効率を維持するために重要である。
【0003】
マイクロ電子デバイスと形状は、ますますより小さくなっている。130nmノードのオーバレイ測定に要求される精度は3.5nmであり、90nmノードで要求される精度は3.2nmである。次世代の半導体製造プロセスの65nmノードについては、オーバレイ測定に要求される精度は2.3nmである。スキャトロメトリは、良好な再現性を持っているので、次世代のプロセスでそれを使うことができるという利点がある。しかし、従来の明視野の測定システムは、画像解像度によって限定されている。その結果、これらの要因によって、より小さい大きさでのスキャトロメトリの使用への重要な技術的挑戦が行われている。
【0004】
スキャトロメトリ測定は、一般的に、実験的に得られたサインと、他の方法で得られたものであって測定される特性値又は特性が既知の第2のサインとの間の最近接を得ることによって行われる。一般に、第2の既知のサイン(あるいは、参照サインと呼ばれる。)は、散乱プロセスの一つの厳格なモデルから計算される。それは、しばしば実験的に決定される。モデル化されたサインが参照サインとして使用される場合、計算が一度行われると、変わるかもしれないグレーティングのパラメータについて可能性のある全てのサインがライブラリに保存される。あるいは、サインは、測定されるパラメータのテスト値について必要とされる際に計算される。参照サインが得られても、実験的なサインと参照サインとの比較対照が行われる。この比較は、2つのサインがどの程度しっかりと合うかを示す値によって定量化される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、適合性は、2つのサインの間の最小二乗法(RMSE)によって計算されるが、他の比較方法を用いてもよい。実験的サインへの適合性の最適値を有する参照信号を見つけることによって、測定を行うことができる。測定結果は、パラメータセットであって、参照信号を計算するために使用される。あるいは、実験的に得られた参照サインの場合には、既知パラメータの値が実験的サインを生成するために使用される。全ての実際のシステムと同様に、測定システム又はツールから得られる実験的サインにはノイズが含まれる。期待できる適合性の下限はノイズによって決まる。システムは、このノイズに依存した下限より低い適合性の変化を引き起こす測定変化を識別できない。全ての測定パラメータの変化へのシステムの感度が最小であることから、元の参照信号への適合性として表され、この最低の検出限界をちょうど上回る値によって、参照信号を変化させる。その結果、理論的に得られた参照信号がシステム感度を決定するために使用できる。1つの参照信号を他の参照信号に合わせることによって計算された適合性が最小の検出レベルを超えない場合には、システムは、2つのサインを異なるものとして検出できず、そのため、それらが表す測定パラメータの変化に敏感ではない。その結果、感度は、次世代のプロセスにおいてスキャトロメトリを使用する際の重要な要素である。
【0006】
スキャトロメーター又はスキャトロメトリシステムは、通常、分光学的反射率計、反射分光学的偏光解析器、又は角度スキャタロメーターに分けられる。分光学的及び反射システムでは、入射角が固定され、散乱光における変化を入射波長の関数として記録する。角度スキャトロメーターでは、入射波長が固定され、散乱光の強度変化を角度の関数として記録する。全てのタイプのスキャトロメーターは、ゼロ次(スペクトル)の散乱光の検出によって動作するが、他の散乱次数についての検出によっても動作する。これらの方法の全てにおいて、回折部材として周期的なグレーティング構造体を使用する。そのため、上述の方法及びシステムは、オーバレイ測定についての3種類の測定システム、及び、回折エレメントとして周期的なグレーティングを使用する他の全ての測定について使用するために適当である。
【0007】
本発明の目的は、より高い感度を有し、それによってオーバレイ測定の改善された精度を提供できるスキャトロメトリシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
スキャトロメトリにおいて、増大させた感度を提供するターゲットグレーティングを設ける方法を提供する。サンプル又は基板の特性と、入射光の波長は、所定のオーバレイオフセットと矛盾するより大きなサインの結果となるターゲットグレーティングデザインを決定するプロセスで使用される。発明の一つの形態では、反射サインの最大の平均標準偏差が得られるまで、1以上のターゲット特性、例えばピッチ及びライン:スペース比を反復プロセスで徐々に変化させる。最大の平均標準偏差が得られる特性を有するグレーティングがスキャトロメトリに使用され、例えばサンプル又は基板上にフォトリソグラフィによってそのグレーティングを用いてもよい。
【0009】
さらに、本発明は、記載された方法のステップ及びシステム部材のサブコンビネーションが可能である。この方法は、最高又は最適条件について記載されているが、もちろん同様に小さい改善にも適合する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
スキャトロメトリにおいて散乱サインの特性は、グレーティングの大きさと、使用される材料の組成、厚さ及び側壁の角度によってコントロールされる。材料とフィルムの厚さは、半導体デバイス又は同様のマイクロスケールデバイスによって決定される。パターン化された部材の側壁の角度は、リソグラフィー及びエッチングプロセスによって決定される。目的のスキャトロメトリについて唯一選択できるパラメータは、ターゲットのジオメトリである。ターゲットのジオメトリは、グレーティングのピッチ及びライン−スペース比を含む。オーバレイ測定について、2つの異なるフィルムをパターン化した場合には、各層を異なるピッチ及びライン:スペース比でパターン化してもよく、さらに、意図的にオフセットを2つのグレーティングパターンの間に挿入してもよい。
【0011】
また、入射光の波長は角度スキャトロメーターの感度に影響するので、測定を最適化できるパラメータを提供する。同様に、入射角は、スペクトル反射率計及び分光計について最適化される。
【0012】
グレーティングのジオメトリを最適化することによって、オーバレイ測定の感度を改善する方法を提供する。コンピュータシミュレーション解析を用いて、角度スキャトロメトリについての適当な波長を選択し、それによってオーバレイオフセットを有するサインの変化をさらに増加させる。これによりオーバレイ測定の感度が改善される。図1aは、アルゴリズムが特定のパラメータの最適化に制限されない手順を示す図である。p及びrは、それぞれグレーティングのピッチとライン−スペース比である。Xは、p−r面における位置ベクトルである。Xは、選択された範囲のピッチとライン−スペース比の一組を表す。m及びuは、それぞれステップ幅と方向ベクトルである。Uは、最適なグレーティング構造体への移動方向を表す。Nは、繰り返しの最大数であり、eは、最小のステップサイズである。図1bは、ASDの計算を示す図である。図1aの最後のステップ以外の図1a及び1bで示されたステップは、構造体、基板又は層パラメータ、及び波長パラメータの代入の後に実行される数学的ステップとして遂行される。
【0013】
反射強度は以下のように表すことができる。

【0014】
及びzは、それぞれ入射面の位置と出射面の位置であり、Mは、変換マトリクスであり、kは、z<zの領域における入射光の波数であり、kは、z<z<zのグレーティング領域における光路(z軸)に沿った入射光の波数であり、(i−ν)は、グレーティング回折の次数であり、Iは単位行列である。
【0015】
角度スキャタロメーターの場合に、k(i−ν)^2は、グレーティングピッチ、グレーティングのライン−スペース比、オーバレイエラー、及び光の入射角の関数である。そこで、反射強度は、以下のように表される。
R=|U(z)xU(z|=R(pitch, LSratio, θ, ΔOL
【0016】
グレーティングピッチ及びライン−スペース比を固定すると、そして平均標準偏差ASDは、下記式で規定される。

【0017】
θstartは、入射レーザ光の開始走査角度であり、θfinalは、入射レーザ光の終端走査角度であり、R(θ,ΔOLj)は、オーバレイエラーΔOLjにおける反射光のサインであり、δ(θ)は、入射角度θにおける様々なオーバレイの反射強度R(θ,ΔOLj)|j=1,2...,Jから計算される標準偏差である。従って、ASDは、様々なオーバレイエラーを伴う反射されたサインの不一致を表す。ASDがより大きくなるほど、サイン間の不一致はより大きくなる。より大きな不一致があるほど、測定システムでは、より容易にオーバレイエラーの不一致を検出しやすくなる。逆に言えば、不一致がより小さいほど、オーバレイエラーについての測定感度がより悪くなる。
【0018】
反射率計の場合には、k(i−ν)^2は、グレーティングピッチ、グレーティングのライン−スペース比、オーバレイエラー、及び入射光の波長の関数である。そこで、反射光強度は、以下のように表される。
R=|U(z)xU(z|=R(pitch, LSratio, λ, ΔOL
【0019】
グレーティングピッチ及びライン−スペース比が固定されている場合には、平均標準偏差ASDは、下記式で表される。

【0020】
λstartは、入射レーザ光の開始走査波長であり、λfinalは、入射レーザ光の終端走査波長である。
【0021】
偏光解析器の場合には、k(i−ν)^2は、グレーティングピッチ、グレーティングのライン−スペース比、オーバレイエラー、及び入射光の波長の関数である。そこで、反射光強度は、以下のように表される。
R=|U(z)×U(z|=|R×R|+|R×R
【0022】
及びRは、それぞれ反射p偏光及び反射s偏光の振幅である。これらは、グレーティングピッチ、グレーティングのライン−スペース比、オーバレイエラー、及び入射光の波長の関数である。

【0023】
Ψ及びΔは、偏光解析器のパラメータである。また、これらは、グレーティングピッチ、グレーティングのライン−スペース比、オーバレイエラー、及び入射光の波長の関数である。
Ψ=Ψ(pitch, LSratio, λ, ΔOL
Δ=Δ(pitch, LSratio, λ, ΔOL
【0024】
グレーティングピッチ及びライン−スペース比が固定された場合、平均標準偏差ASDは、下記式で表される。

【0025】
図2は、実施例を示す図である。図2で、それぞれ、ターゲットは、上層及び下層にそれぞれ同じピッチを有する2つのグレーティング20、22を有する。中間層24は、基板26上の、上層と下層の間にある。それぞれ、上層のグレーティング、中間層、下層のグレーティング、及び基板の材料は、それぞれフォトレジスト、ポリシリコン、SiO、及びシリコンである。
【0026】
図3は、図2の基板の上の角度スキャトロメトリを示す図である。他のタイプのスキャトロメトリシステムを同様に用いてもよい。角度スキャトロメトリは、2−θシステムである。入射レーザ光の角度と検出器の測定角度は、同時に変化し、そのために回折サインが得られる。グレーティングターゲットを最適化する前に、ASDは、サイン間の不一致を表すために、平均標準偏差として定義され、以下のように、様々なオーバレイオフセットを有する。
【0027】

【0028】
θinitialは、開始走査角度であり、θfinalは、終端走査角度であり、R(θ,ΔOLj)は、オーバレイエラーがΔOLjである場合の反射サインであり、δ(θ)は、入射角度がθである場合のR(θ,ΔOLj)|j=1,2...,Jの標準偏差である。また、ASDの意味は、異なるオーバレイオフセットを有するサイン間の不一致である。ASDがより大きいことは、サイン間の不一致がより大きいことを意味し、そのため測定システムではより容易に異なるオーバレイオフセットを確認できる。より大きなASDは、従って、測定システムがオーバレイエラーに対してより敏感で、測定品質が改善されることを意味する。図4は、角度スキャトロメトリの反射サインについての実施例を示す図である。
【0029】
このシミュレーションでは、各層の厚さと屈折率及び材料の減衰係数を表1に列挙している。グレーティングピッチの範囲は、0.1μm〜2μmであり、グレーティングL:S比の範囲は、1:9〜9:1である。オーバレイオフセットは、およそ1/4ピッチで設計され、オーバレイオフセットの増分は、5nmで設計されている。そして、アルゴンイオンレーザ(488nmと514nm)、HeCdレーザ(442nm)、HeNeレーザ(612nmと633nm)、及びNd:YAGレーザ(532nm)を含む様々な通常のレーザが選ばれる。
【0030】
図5は、入射波長633nmについてのシミュレーション結果を示す図である。図6は、図5の等高線プロットである。ピッチが0.46nmであって、LS比率が48:52である場合に、最大のASD0.010765となる。表2には、様々な入射波長についてのシミュレーション結果を列挙する。このターゲットについて、入射波長が612nm、ピッチが0.4μm、LS比率が48:52の場合に、最大のASD0.015581が得られる。最大のASDをこの範囲(ピッチ0.1〜2μm、LS比1:9〜9:1)の平均のASDと比較すると、およそ21.5倍であることがわかる。上述の手順によれば、最適なピッチ、LS比率、及び入射波長が得られ、これらの条件でサイン間の不一致が最も大きくなる。これは、これらの最適なパラメータを持つこのターゲットがオーバレイ測定について最も敏感であることを意味する。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
角度スキャタロメータシステムでは、ASDは、以下のように表される。

【0034】
反射率計システムでは、ASDは、以下のように表される。

【0035】
偏光解析器システムでは、ASDは、以下のように表される。

【0036】
上述した方法は、既存のスキャトロメトリシステムで使用してもよい。測定される基板の材料特性(例えば、層のタイプ及び厚さ、及び側壁の角度)、及び、使用する光の波長は、スキャトロメトリシステムのコンピュータ、あるいは他のコンピュータに入力される。コンピュータによって、例えば、どのグレーティングピッチ及びライン:スペース比によって基板の所定型について最大感度を提供できるかを決定できる。基板上にそのグレーティングを印刷するための目盛が形成される。これらの基板上にオーバレイオフセット測定が行われた場合、システムの感度は改善されて、より良い測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1a】グレーティングのジオメトリを最適化することによって感度を改善する方法のフローチャートである。
【図1b】図1aにおけるASDの計算を示すサブフローチャートである。
【図2】第1及び第2のターゲットグレーティングを有する基板の代表図である。
【図3】図2に示された基板の角度スキャトロメトリを示す図である。
【図4】角度スキャトロメトリの反射サインについて例を示す図である。
【図5】レーザ光のある入射波長についてのシミュレーション結果を示す図である。
【図6】図5の等高線プロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A 1以上の層の材料、膜厚、層の上にパターン化された部材の側壁の角度を含むサンプル層パラメータを少なくとも一つ選択し、
B 以下のステップで変化する第1ターゲット特性を有する第1ターゲットグレーティングを選択し、
C 入射光の角度範囲にわたって第1ターゲット特性のオーバレイオフセット変化の標準偏差を平均することによって、第1ターゲットグレーティング特性を持つ数学的にモデル化されたターゲットで反射された光の平均標準偏差を計算し、
D 第1の増分によって第1ターゲットグレーティング特性をシフトさせ、
E ステップCから繰り返して、
F ステップCからのASDとステップEからのASDとを比較して、どちらが大きいか決定し、より大きなASDターゲットグレーティング特性を新たな開始グレーティング特性とし、
G 最大の所望のASDが得られるまで、ステップCからステップFまで反復プロセスを繰り返し、
H 基板上で使用される実際のターゲットを、最大の所望のASDと対応する特性と実質的に等しいターゲットグレーティング特性を有するように設計する、
上記各ステップを含む、サンプルのスキャトロメトリ(scatterometry)測定で使用するオーバレイ・ターゲットグレーティングを設計する方法。
【請求項2】
各々の層パラメータは、ルックアップテーブルから決定した定数と一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1ターゲットのグレーティング特性は、開始時の既知の標準ターゲットを用いるか、材料パラメータに基づく根拠のある最良の推測を得ることのいずれかによって選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1ターゲットのグレーティング特性は、ピッチ及び/またはライン−スペース比である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
オーバレイオフセットは、およそ2〜8nm、3〜7nm、4〜6nm、又は5nmの増分でシフトさせる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ASDは、前記第1ターゲットグレーティングからモデル化する反射率についての既知の数式を用いて計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ターゲットのピッチ及びライン/スペース比を第1の増分でシフトさせることによって、前記第1ターゲットグレーティング特性を変化させる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
実際のターゲット上の実測を行うことなく、ソフトウェアを使用してステップAからステップGまでの全てを数学的に実行する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
角度スキャトロメーター、反射率計、又は偏光解析器を使用してスキャトロメトリの遂行に用いるように前記ターゲットを適合させた、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
A 1以上の層材料、膜厚、及び層の上のパターン化された部材の側壁角度を含むサンプル層パラメータを選択するステップであって、各層パラメータはルックアップテーブルから決定される定数に対応し、前記定数はターゲット最適化アルゴリズムで使用される、ステップと、
B 既知の開始用の標準ターゲットを用いるか、あるいは材料パラメータに基づいて、以下のステップで変化する第1ピッチ及びライン−スペース比を有する第1ターゲットグレーティングを選択し、
C 前記第1ターゲットグレーティングからの反射率のモデル化についての既知の数式を用いて、入射光の角度範囲にわたって、ピッチ及びライン/スペース比を5nmの増分でオーバレイオフセットをシフトさせて得られた標準偏差を平均することによって、前記第1ピッチ及びライン/スペース比を有する数学的にモデル化されたターゲットで反射された光の平均標準偏差(ASD)を計算し、
D 第1ピッチ及びライン−スペース比を第1増分によってシフトさせ、
E ステップCを繰り返し、
F ステップCからのASDとステップEからのASDとを比較し、どれがより大きいかを決定し、より大きなASDターゲットグレーティング特性を新しい第1のピッチ及びライン−スペース比とし、
G 実質的に最大の所望のASDが得られるまで、ステップCからステップFまで反復プロセスを繰り返し、
H ステップGで得られた最大のASDに対応する第1ピッチとライン−スペース比と実質的に一致するピッチ及びライン−スペース比を有する実際のターゲットを設計する、
上記各ステップを含む、サンプルのスキャトロメトリ測定で使用するオーバレイターゲットグレーティングを設ける方法。
【請求項11】
ASDがもはや増えなくなるまでステップC−Fを繰り返す、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
層又は基板の上でスキャトロメトリを遂行する方法であって、
請求項10のステップHで設計されたターゲットを前記層又は基板の上に設けるステップと、
前記ターゲットを光で照射するステップと、
前記ターゲットから反射された光を観測するステップと、
前記反射光を処理してオーバレイエラーを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項13】
請求項10に記載のステップを用いて設計されたスキャトロメトリターゲットを有する基板を備えた、マイクロエレクトロニックデバイス、マイクロメカニカルデバイス、又はマイクロ−エレクトロメカニカルデバイスの製造用基板。
【請求項14】
オーバレイマークの最適化されたパラメータを計算する方法であって、
オーバレイのグレーティングターゲットのピッチpとライン−スペース比rにおける回折サインの平均標準偏差(ASD)を計算し、
最適化方法を用いて、オーバレイ測定が最も敏感である場合の最大のASD値を決定する、方法。
【請求項15】
前記最適化方法の1つがシンプレックス法又はランダムウォーク法である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
オーバレイマークを設計する方法であって、
プローブ光でオーバレイマークを照射し、
プローブ光とオーバレイマークとの相互作用の結果として生じる回折を観測し、
オーバレイ測定の感度を増すために最適化するオーバレイマークのパラメータを選択し、
最適化アルゴリズムを用いてオーバレイマークのパラメータを最適化し、オーバレイ測定の最大感度を得る、方法。
【請求項17】
前記オーバレイマークは、少なくとも上層のグレーティングターゲット層と下層のグレーティングターゲット層とを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記グレーティングターゲットは、1次元周期的構造体である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記グレーティングターゲットは、2次元周期的構造体である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブ光は、レーザ光源から生じ、回折は前記プローブ光の走査角度の関数として観測される、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記プローブ光は、ブロードバンド光源から生じ、回折は波長の関数として観測される、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記オーバレイマークの選択されたパラメータの1つは、グレーティングターゲットのピッチである、請求項16に記載の方法。
【請求項23】
前記オーバレイマークの選択されたパラメータの1つは、グレーティングターゲットのライン−スペース比である、請求項16に記載の方法。
【請求項24】
前記オーバレイグレーティングターゲットのピッチpとライン−スペース比rにおける回折サインの平均標準偏差(ASD)を計算し、
オーバレイ測定が最も敏感である場合の最大のASDを決定する最適化方法を、さらに含む、請求項16に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−157023(P2006−157023A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−346110(P2005−346110)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(505443838)アクセント・オプティカル・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】ACCENT OPTICAL TECHNOLOGIES, INC.
【出願人】(593132010)インダストリアル・テクノロジー・リサーチ・インスティテュート (32)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】