説明

ガスセンサ装置

【課題】 小型化および高機能化が容易なガスセンサ装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも上面および下面に配線導体2が形成された絶縁枠体1の内側に半導体集積回路素子3が配置されて配線導体2と電気的に接続されているとともに、絶縁枠体1および半導体集積回路素子3の上面および下面のそれぞれに、ガスセンサ素子4が、半導体集積回路素子3の上面または下面に伝熱材5を介して接合され、かつ外周部分の少なくとも一部を絶縁枠体1の上面または下面に対向させて配線導体2と電気的に接続されているガスセンサ装置9である。半導体集積回路素子3と複数のガスセンサ素子4とが平面視でほぼ重なるように配置され、半導体集積回路素子3によりガスセンサ素子4の加熱が可能であるため、高機能化および平面面積の小型化が容易なガスセンサ装置9を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス検知器や呼気の検査器,燃料ガスの測定器等において、一酸化炭素や炭化水素等の各種の還元性のガス成分を検知するために用いられるガスセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガス検知器や呼気の検査器,燃料ガスの測定器等において、一酸化炭素や炭化水素等の各種の還元性のガス成分を検知するために用いられるガスセンサ装置は、対応するガスの検知部が酸化アルミニウム質焼結体等の絶縁基板の表面(上面や下面)に形成されてなるガスセンサ素子がセラミック配線基板等の配線基板に搭載されて形成されている。
【0003】
ガス検知部は、例えば酸化錫や酸化インジウム等の金属酸化物半導体により形成されている。このガス検知部の表面に結合した酸素成分が還元性のガス成分と反応して減少することによりガスセンサ素子の電気伝導度が高くなる。この電気伝導度の変化を検知することによりガス成分の有無や濃度が検知される。
【0004】
なお、ガスセンサ素子は、通常、ガス成分とガス検知部との反応を促進してガスの検知を効果的に行なわせるために加熱される。ガスセンサ素子の加熱は、例えば、配線基板のガスセンサ素子が搭載されているのと反対側の表面(下面や上面)や内部に高抵抗導体層をヒータとして設けることにより行なわれる。高抵抗導体層に通電して抵抗発熱させ、この熱をガスセンサ素子に伝えることによりガスセンサ素子が加熱される。
【特許文献1】特開平10−78404号公報
【特許文献2】特開2002−107323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、このようなガスセンサ装置においては、高機能化が進んでいる。すなわち、ガスセンサ素子により検知された電気伝導度の変化のプロファイルの解析や、検知温度によるガスの濃度,種類の解析、電気伝導度の変化を示す信号の増幅や記憶等の各種の処理を施すために、半導体集積回路素子(IC)がガスセンサ素子とともに配線基板に搭載されるようになってきている。また、複数の種類のガス成分を検知したり、ガス成分を含む可能性のある複数の流れ(気流)に対してガス成分を検知したりするために、複数のガスセンサ素子が配線基板に搭載されるようになってきている。また、ガスセンサ装置は、このような高機能化と併せて、使用されるガス検知器等の機器内での省スペース化のために小型化が求められるようになってきている。
【0006】
このような状況に対し、前述したような従来のガスセンサ装置では、半導体集積回路素子を搭載したり複数のガスセンサ素子を搭載したりする場合、その搭載のためのスペースを配線基板の表面に確保する必要があるため小型化(平面視したときの小面積化)が難しいという問題点があり、高機能化および小型化に対応することが難しい。
【0007】
本発明は上記従来の欠点に鑑み案出されたものであり、その目的は、高機能化および小型化が容易なガスセンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のガスセンサ装置は、少なくとも上面および下面に配線導体が形成された絶縁枠体の内側に半導体集積回路素子が配置されて前記配線導体と電気的に接続されているとともに、前記絶縁枠体および前記半導体集積回路素子の上面および下面のそれぞれに、ガスセンサ素子が、前記半導体集積回路素子の上面または下面に伝熱材を介して接合され、かつ外周部分の少なくとも一部を前記絶縁枠体の上面または下面に対向させて前記配線導体と電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明のガスセンサ装置は、上記構成において、前記絶縁枠体の内側面に段状部が形成されて、該段状部の表面から前記絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方にかけて前記配線導体が形成され、該配線導体のうち前記段状部に露出している部分に前記半導体集積回路素子が電気的に接続されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明のガスセンサ装置は、上記構成において、前記ガスセンサ素子が前記絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方で1個であり、前記絶縁枠体と前記1個のガスセンサ素子との間が封止材により封止されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明のガスセンサ装置は、上記構成において、前記ガスセンサ素子が前記絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方で複数個であり、前記絶縁枠体と前記複数個のガスセンサ素子との間、および前記複数個のガスセンサ素子の間が封止材により封止されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のガスセンサ装置によれば、少なくとも上面および下面に配線導体が形成された絶縁枠体の内側に半導体集積回路素子が配置されて配線導体と電気的に接続されているとともに、絶縁枠体および半導体集積回路素子の上面および下面のそれぞれに、ガスセンサ素子が、半導体集積回路素子の上面または下面に伝熱材を介して接合され、かつ外周部分の少なくとも一部を絶縁枠体の上面または下面に対向させて配線導体と電気的に接続されていることから、半導体集積回路素子で発生した熱を、伝熱材を介してガスセンサ素子に伝え、この熱でガスセンサ素子を加熱することができる。また、絶縁枠体の内側に半導体集積回路素子が配置され、その絶縁枠体の上面および下面に合わせて複数のガスセンサ素子を接続することができるため、平面視したときに、半導体集積回路素子を搭載するためのスペースを小さく抑えたり不要にしたりすることができる。
【0013】
つまり、本発明のガスセンサ装置によれば、半導体集積回路素子と複数のガスセンサ素子とを平面視でほぼ重なるか、または完全に重なるように配置させることができるとともに、高抵抗導体層等の加熱用の部分が不要になる。そのため、複数のガスセンサ素子を加熱が可能な状態で備えるとともに、そのガスセンサ素子が半導体集積回路素子と電気的に接続されてなる高い機能を有するガスセンサ装置を、平面面積を小さくして形成することができる。したがって、小型化および高機能化が容易なガスセンサ装置を提供することができる。
【0014】
また、本発明のガスセンサ装置において、絶縁枠体の内側面に段状部が形成されて、その段状部の表面から絶縁枠体の上面および下面少なくとも一方にかけて配線導体が形成され、配線導体のうち段状部に露出している部分に半導体集積回路素子が電気的に接続されている場合には、段差の分、半導体集積回路素子と絶縁枠体とを電気的に接続する際のスペースが確保される。そのため、例えばボンディングワイヤ等の導電性接続材の配置スペースの確保が容易になり、半導体集積回路素子と配線導体との電気的な接続の信頼性および製作時の作業性を向上させることができる。
【0015】
また、本発明のガスセンサ装置において、ガスセンサ素子が絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方で1個であり、絶縁枠体と1個のガスセンサ素子との間が封止材により封止されている場合には、隙間部分である絶縁枠体と1個のガスセンサ素子との間が封止材で塞がれるので、ガスセンサ装置としての長期信頼性を向上させることができる。
【0016】
すなわち、この封止により、絶縁枠体と1個のガスセンサ素子と半導体集積回路素子(半導体基板)とにより囲まれるとともに封止材で封止されてなる気密性の高い容器が構成される。そして、この容器内に半導体集積回路素子の集積回路が形成されている部分等の機能部分が気密封止されるため、半導体集積回路素子の作動の長期信頼性が向上し、ガスセンサ装置としての信頼性も向上する。
【0017】
また、本発明のガスセンサ装置において、ガスセンサ素子が絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方で複数個であり、絶縁枠体と複数個のガスセンサ素子との間、および複数個のガスセンサ素子の間が封止材により封止されている場合には、隙間部分である絶縁枠体と複数個のガスセンサ素子のそれぞれとの間、および複数個のガスセンサ素子の間が封止材により塞がれるので、ガスセンサ装置としての長期信頼性を向上させることができる。
【0018】
すなわち、この封止により、絶縁枠体と複数個のガスセンサ素子と半導体集積回路素子(半導体基板)とにより囲まれるとともに封止材で封止されてなる気密性の高い容器が構成される。そして、この容器内に半導体集積回路素子の集積回路が形成されている部分等の機能部分が気密封止されるため、半導体集積回路素子の作動の長期信頼性が向上し、ガスセンサ装置としての信頼性も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のガスセンサ装置について添付図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1は本発明のガスセンサ装置の実施の形態の一例を示す断面図である。図1において、1は絶縁枠体、2は配線導体、3は半導体集積回路素子、4はガスセンサ素子である。これらの絶縁枠体1,配線導体2,半導体集積回路素子3およびガスセンサ素子4によりガスセンサ装置9が基本的に構成されている。
【0021】
絶縁枠体1は、半導体集積回路素子3やガスセンサ素子4が機械的に接続されて、それらを保持するための基体として機能する。また、絶縁枠体1は、後述するように、半導体集積回路素子3やガスセンサ素子4を互いに電気的に接続させる配線導体2を形成するための基体としても機能する。
【0022】
絶縁枠体1は、酸化アルミニウム質焼結体やガラスセラミックス,窒化アルミニウム質焼結体,ムライト質焼結体等のセラミック焼結体や、エポキシ樹脂,ポリイミド樹脂等の樹脂材料、樹脂材料とセラミック焼結体等の無機材料との複合材料等の電気絶縁材料により形成される。
【0023】
絶縁枠体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、酸化アルミニウムや酸化ケイ素,酸化カルシウム等の原料粉末を、適当な有機溶剤、バインダとともにシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製し、このセラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施して枠状のセラミックグリーンシートに成形した後、この枠状のセラミックグリーンシートを必要に応じて複数積層して焼成することにより作製することができる。
【0024】
絶縁枠体1は、内周が半導体集積回路素子3を内側に収めることができるような形状および寸法で形成される必要がある。例えば四角形板状である半導体集積回路素子3を内側に収める場合であれば、半導体集積回路素子3の外形寸法よりも内周寸法が少し大きい程度の四角枠状で形成すればよい。
【0025】
なお、絶縁枠体1の内周の側面と半導体集積回路素子3の外側面との間は、例えばエポキシ樹脂やシリコーン樹脂,アクリル樹脂等の樹脂材料やガラス等の接合材(符号なし)を介して接合するようにしてもよい。
【0026】
また、絶縁枠体1は、上面および下面のそれぞれに、ガスセンサ素子4の外周部分の少なくとも一部を対向させることができる程度の外形形状および寸法を有している必要がある。これは、この対向し合う部分で、後述するように絶縁枠体1の配線導体2とガスセンサ素子4との電気的な接続が行なわれるためである。
【0027】
配線導体2は、半導体集積回路素子3とガスセンサ素子4との間を電気的に接続したり、半導体集積回路素子3やガスセンサ素子4を外部の電気回路(図示せず)に電気的に接続したりするための導電路として機能する。
【0028】
配線導体2は、このような半導体集積回路素子3およびガスセンサ素子4との電気的な接続を可能とするために、絶縁枠体1の少なくとも上面および下面に形成されている。
【0029】
配線導体2は、タングステンやモリブデン,マンガン,銅,銀,パラジウム,金,白金等の金属材料により形成されている。また、配線導体2は、メタライズ層やめっき層,蒸着層,金属箔等の形態で形成されている。
【0030】
配線導体2をタングステンのメタライズ層で形成する場合には、例えば、次のような方法を用いればよい。すなわち、まずタングステンの粉末に有機溶剤,バインダを添加し、混練して金属ペーストを作製し、この金属ペーストを絶縁枠体1となる枠状のセラミックグリーンシートにスクリーン印刷法で所定パターンに印刷し、同時焼成する。以上により配線導体2を形成することができる。
【0031】
なお、図1に示した例では、配線導体2は、絶縁枠体1の下面の内周側から上面および下面それぞれの中央部分にかけて形成されている。この配線導体2のうち絶縁枠体1の下面の内周側に形成された部分(符号なし)に半導体集積回路素子3の電極(符号なし)がボンディングワイヤ等の導電性接続材6aを介して電気的に接続されている。また配線導体2のうち絶縁枠体1の上面および下面の中央部分に形成された部分(符号なし)が、それぞれ導電性接続材6bを介して上面側および下面側それぞれのガスセンサ素子4と電気的に接続されている。
【0032】
配線導体2は、例えば一部が絶縁枠体1の内部を通るように形成され、半導体集積回路素子3が電気的に接続された部分と、上下のガスセンサ素子4,4が電気的に接続された部分とを互いに電気的に接続している。そのため、配線導体2を介して半導体集積回路素子3と上下のガスセンサ素子4,4とが互いに電気的に接続され得る。また、この実施の形態の例では、配線導体2の一部が絶縁枠体1の外側面に露出するように形成されている。この外側面の露出部分(符号なし)を外部電気回路基板の電気回路に、はんだやリード端子等を介して電気的に接続することにより、半導体集積回路素子3やガスセンサ素子4を外部の電気回路と電気的に接続することができる。
【0033】
半導体集積回路素子3は、ガスセンサ素子4から送信される電気信号に対して、解析や演算,増幅,記憶等の各種の処理を施したり、処理を施した電気信号を外部の電気回路に送信したりする機能を有する。
【0034】
半導体集積回路素子3は、例えばシリコン基板等の半導体基板(符号なし)の表面(この実施の形態の例では下面)の中央部に集積回路(図示せず)が形成されるとともに外周部に電極が形成されており、前述したように電極が導電性接続材6aを介して配線導体2と電気的に接続されている。
【0035】
この導電性接続材6aとしては、図1に示したようなボンディングワイヤの他に、幅の広い金属片(いわゆるリボン)や導電性接着剤等を用いることができる。また、半導体集積回路素子3は、集積回路および電極が形成されている面が上面側に位置するように配置してもよい。
【0036】
また、ガスセンサ素子4は、例えば、酸化錫や酸化インジウム,酸化タングステン等の金属酸化物(半導体)からなるガス検知部4bが、酸化アルミニウム質焼結体等の絶縁材料からなる絶縁基板4aの表面に取着されて形成されている。このようなガスセンサ素子4は、表面部分の金属酸化物(符号なし)に結合している酸素成分がガス成分と反応したときに電気伝導度等の特性が変化することを利用してガス成分を検知する。
【0037】
すなわち、ガスセンサ素子4は、ガス未検知の状態では、表面部分の金属酸化物の電気伝導度が、結合している酸素成分の作用により低くなっている。これに対し、メタンガス等の炭化水素やメルカプタン化合物(メチルメルカプタン等),気化したエチルアルコール等の有機物,二酸化硫黄や一酸化炭素等の還元性のガス成分がガスセンサ素子4に接すると、ガスセンサ素子4の酸素成分がガス成分と反応して取り去られ、その分、ガスセンサ素子4の電気伝導度が高くなる。このガスセンサ素子4の電気伝導度の変化を検知することにより、ガス成分の有無や濃度等を検知することができる。
【0038】
なお、この実施の形態の例では、ガス検知部4bから絶縁基板4aの下面にかけて表面の導体層(符号なし)および貫通導体(符号なし)が形成され、この貫通導体のうち絶縁基板4aの下面に露出する部分が、前述したように導電性接続材6bを介して配線導体2と接続されている。ガスセンサ素子4の絶縁基板4aは、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、絶縁枠体1となるセラミックグリーンシートと同様のセラミックグリーンシート(枠状に成形しないもの)を必要に応じて複数積層し、焼成することにより作製することができる。また、導体層および貫通導体は、例えば絶縁枠体1の配線導体2と同様の材料を用い、同様の方法で形成することができる。貫通導体を形成するための貫通孔は、絶縁基板4aとなるセラミックグリーンシートに金属ピンを用いた打ち抜き加工を施すこと等により形成することができる。
【0039】
また、この導電性接続材6bとしては、図1に示したようなバンプ状導体(はんだバンプ等)の他に導電性接着剤等を用いることができる。
【0040】
そして、ガスセンサ素子4で検知された電気伝導度の変化等の信号は、ガスセンサ素子4と接続された半導体集積回路素子3に伝えられ、電気伝導度の変化のプロファイルの解析や、感知温度によるガスの濃度,種類の解析や、外部の電気回路に送信するための信号の変換等の演算や、信号の増幅等の種々の処理が施される。このような処理を可能とするために、半導体集積回路素子3とガスセンサ素子4とが電気的に接続されている。
【0041】
また、このガスセンサ装置9においては、半導体集積回路素子3の上面および下面に、伝熱材5を介してガスセンサ素子4が接合されている。このようにガスセンサ素子4が伝熱材5を介して半導体集積回路素子3と接合されていることから、半導体集積回路素子3で発生した熱を、伝熱材5を介してガスセンサ素子4に伝え、この熱でガスセンサ素子4を加熱することができる。
【0042】
また、この構成によれば、絶縁枠体1の内側に半導体集積回路素子3が配置され、その絶縁枠体1の上面および下面に、合わせて複数のガスセンサ素子4を接合し、搭載することができるため、平面視したときに半導体集積回路素子3を搭載するためのスペースを小さく抑えたり、不要にしたりすることができる。
【0043】
つまり、このようなガスセンサ装置9によれば、上下の半導体集積回路素子3と複数のガスセンサ素子4とを平面視でほぼ重なるか、または完全に重なるように配置させることができるとともに、高抵抗導体層等の加熱用の部分が不要になる。そのため、複数のガスセンサ素子4を加熱が可能な状態で備えるとともに、そのガスセンサ素子4が半導体集積回路素子3と電気的に接続されてなる高い機能を有するガスセンサ装置9を、平面面積を小さくして形成することができる。したがって、小型化および高機能化が容易なガスセンサ装置9を提供することができる。
【0044】
伝熱材5は、例えば半導体集積回路素子3の集積回路が形成されている面にも接合されるため、電気絶縁性のものを用いる。
【0045】
このような電気絶縁性の伝熱材5としては、熱伝導率が約10W/m・K以上のものが適しており、例えば、窒化アルミニウムや窒化ホウ素,炭化ケイ素等の熱伝導率の高いセラミック材料(約70〜280W/m・K程度)の粉末を、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の樹脂材料に添加したものを使用することができる。セラミック材料の添加量は、熱伝導率を高くする上では多いほど好ましい。ただし、セラミック材料の添加量が多くなり過ぎると、伝熱材5をガスセンサ素子4や半導体集積回路素子3に接合する接合材として機能する樹脂成分が少なくなるため、伝熱材5のガスセンサ素子4や半導体集積回路素子3に対する接合強度が低くなる可能性がある。そのため、伝熱材5は、このような接合強度を確保できる範囲でセラミック材料の添加量を調整することが好ましい。
【0046】
このような伝熱材5としては、例えば、エポキシ樹脂に窒化アルミニウムの粉末(例えば平均粒径が約1μm以上のもの)を40〜80質量%添加してなるものを用いることができる。
【0047】
伝熱材5は、例えばエポキシ樹脂に窒化アルミニウムの粉末を添加したものであれば、まず未硬化で流動性を有するエポキシ樹脂中に窒化アルミニウムの粉末および硬化剤や分散剤等を添加するとともに混練し、次に、この混練物を半導体集積回路素子3とガスセンサ素子4とが対向し合う部分に充填し、その後、加熱や紫外線照射等の手段でエポキシ樹脂を硬化させることにより、半導体集積回路素子3をガスセンサ素子4に伝熱材5を介して接合させることができる。
【0048】
なお、半導体集積回路素子3の発熱量は、例えば約5W(ワット)程度であり、温度は約100℃程度まで上昇する。また、ガスセンサ素子4の温度も100℃程度まで上昇する。
【0049】
このような、例えば室温(約20℃)〜100℃程度の温度域においてガスを有効に検知する上で、ガスセンサ素子4は、検知部4bが酸化錫や酸化インジウムからなるものが適している。
【0050】
なお、半導体集積回路素子3の上面および下面のそれぞれにガスセンサ素子4を、伝熱材5を介して接合する際には、導電性接続材6aの接続のために、半導体集積回路素子3の電極が形成されている部分を避けて接合する必要がある。
【0051】
また、伝熱材5を介して半導体集積回路素子3とガスセンサ素子4とが接合されているので、両者の間に生じる熱応力に起因して伝熱材5や接合界面等に破断等の機械的な破壊が生じることを抑制する上では、絶縁枠体1は、ガスセンサ素子4の絶縁基板4aと熱膨張率の近い材料で形成することが好ましい。例えば、ガスセンサ素子4が酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、絶縁枠体1は、酸化アルミニウム質焼結体や酸化ケイ素−酸化マグネシウム系等のガラスセラミック焼結体により形成すればよい。
【0052】
このようなガスセンサ装置9の製作方法を、絶縁枠体1および半導体集積回路素子3の上面および下面にそれぞれ1個ずつのガスセンサ素子4が、上下ともに外周部分の全域にわたって絶縁枠体1の上面または下面に対向するような形態で、接合されるとともに電気的に接続されている場合を例に挙げて説明する。
【0053】
まず、前述のようにして配線導体2が形成された絶縁枠体1を作製する。次に、絶縁枠体1の内側に半導体集積回路素子3を配置するとともに治具等により仮に固定し、配線導体2と半導体集積回路素子3の電極とを導電性接続材6aとしてのボンディングワイヤにより接続する。その後、絶縁枠体1および半導体集積回路素子3の上面および下面のそれぞれに、ガスセンサ素子4を半導体集積回路素子3の上面または下面の中央部分に伝熱材5(樹脂成分が未硬化のもの)を介して位置合わせし、かつガスセンサ素子4の外周部分を全周にわたって絶縁枠体1の上面または下面に対向させて、はんだ(導電性接続材6b)を介して位置合わせする(配線導体2と絶縁基板4aの貫通導体の引き出し部分とを対向させる)。そして、これらの位置合わせしたものをリフロー炉中で加熱することにより、半導体集積回路素子3の上面および下面のそれぞれにガスセンサ素子4が1個ずつ接合され、半導体集積回路素子3およびそれぞれのガスセンサ素子4が絶縁枠体1の上面または下面に形成された配線導体2と導電性接続材6aを介して電気的に接続されてなるガスセンサ装置9が製作される。
【0054】
なお、このようにガスセンサ装置9を製作する際には、前述したように絶縁枠体1の内周の側面と半導体集積回路素子3の外側面とを接合材で接合するようにしておくと、配線導体2にボンディングワイヤ(導電性接続材6a)を接続する際に、絶縁枠体1と半導体集積回路素子3との間で位置ずれ等の不具合が生じることを抑制することができる。また、絶縁枠体1と半導体集積回路素子3との機械的な接続強度を高めることができる。そのため、ガスセンサ装置9の信頼性や生産性を向上させることができる。
【0055】
なお、このような用途に用いる半導体集積回路素子3は、例えば1辺の長さが10mm程度の正方形板状である。また、ガスセンサ素子4は、ガスの検知面積である検知部の表面積が広いほど検知の感度が高くなるので、目的としている小型化に支障のない範囲で平面面積を極力広くすることが好ましい。このようなガスセンサ素子4としては、例えばガス検知部4bが酸化錫からなり、1辺の寸法が約20mmの正方形状のガスセンサ素子4が用いられる。
【0056】
このような半導体集積回路素子3およびガスセンサ素子4を用いて、高抵抗導体層(ヒータ)を備える従来技術のガスセンサ装置(図示せず)として製作した場合には、内部に高抵抗導体層(図示せず)を有する配線基板(図示せず)の上下両面にガスセンサ素子を搭載したとしても、配線基板の寸法が平面視で少なくとも20mm×30mm必要である。また、半導体集積回路素子と高抵抗導体層との電気的な絶縁性を確保したり余計な熱が半導体集積回路素子に作用したりしないようにするための間隔(スペース)も必要になるので、実際には平面視で30mm×30mmの寸法が必要である。
【0057】
これに対し、図1に示すようなガスセンサ装置9の場合であれば、ガスセンサ装置9を平面視したときの寸法は、絶縁枠体1の外形寸法とほぼ同じ程度であり、絶縁枠体1をガスセンサ素子4の外側に少しはみ出る程度の寸法で形成したとしても、平面視で約20mm×20mm程度で十分である。したがって、この例では、本発明のガスセンサ装置9は、従来技術のガスセンサ装置に対して約55%の投影面積が削減できる(約45%の投影面積とすることができる)。
【0058】
また、半導体集積回路素子3とガスセンサ素子4のそれぞれとを電気的に接続する配線導体2の数(いわゆる接続端子数)は、用途に応じて適宜設定される。例えば、メチルメルカプタン等の、いわゆる悪臭ガス成分を検知する臭い検知器の用途であれば、配線導体2の接続端子数は10端子程度である。
【0059】
また、このガスセンサ装置9において、絶縁枠体1の内側面に段状部1aが形成されて、その段状部1aの表面から絶縁枠体1の上面および下面の少なくとも一方にかけて配線導体2が形成され、配線導体2のうち段状部1aに露出している部分に半導体集積回路素子3が電気的に接続されている場合には、段状部1aの分、半導体集積回路素子3と絶縁枠体1とを電気的に接続する際のスペースが確保される。そのため、例えばボンディングワイヤ等の導電性接続材6aの配置スペースの確保が容易になり、半導体集積回路素子3と配線導体2との電気的な接続の信頼性および作業性を向上させることができる。
【0060】
段状部1aは、導電性接続材6aの接続を容易とする上では、このような導電性接続材6aを介して半導体集積回路素子3の電極と接続される配線導体2が形成されている部分に形成されていればよい。この場合、段状部1aは、例えば導電性接続材6aがボンディングワイヤ(アルミニウム線)であり、超音波ボンディング法で配線導体2に接続される場合であれば、約0.5mmの幅(段状部1aのうち絶縁枠体1の内縁側の端から外側の端までの寸法)で形成するようにすればよい。
【0061】
このような段状部1aを有する絶縁枠体1は、例えば、絶縁枠体1となる複数のセラミックグリーンシートの一部の内形寸法を他のセラミックグリーンシートよりも大きくしておき、この内形寸法の大きいセラミックグリーンシートが最下層(または最上層)側になるように複数のセラミックグリーンシートを積層し、焼成することにより、その内径寸法を大きくしたセラミックグリーンシートによる絶縁層の内形(枠状の内側の部分)の内側に作製することができる。このようにして段状部1aを有する絶縁枠体1を作製する場合には、内形寸法の大きいセラミックグリーンシートは、形成しようとする段状部1aの寸法(高さ)に応じて、最下層(または最上層)から上側(または下側)に複数の層にわたるように積層してもよい。
【0062】
なお、段状部1aは、その段状部1aの表面に形成する配線導体2の電気的な特性等の都合に応じて、1段に限らず、複数の段数(いわゆる階段状)で形成するようにしたり、幅の寸法を部分的に変えたりするようにしてもよい。
【0063】
また、このようなガスセンサ装置9において、図1のような断面を有するガスセンサ装置9を下面から見たときの一例として図2に示すように、ガスセンサ素子4が絶縁枠体1の上面および下面の少なくとも一方で1個であり、絶縁枠体1と1個のガスセンサ素子4との間が封止材7により封止されている場合には、隙間部分である1個のガスセンサ素子4と絶縁枠体1との間が封止材7により塞がれるので、ガスセンサ装置9としての長期信頼性を向上させることができる。なお、図2は、本発明のガスセンサ装置9の実施の形態の一例(例えば図1に断面図として示した例)を示す下面図である。図2では、見やすくするために配線導体2や導電性接続材6a,6b、ガスセンサ素子4の検知部4b等を省略している。図2において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
【0064】
すなわち、この例のように封止材7を用いて封止することにより、絶縁枠体1と半導体集積回路素子3(半導体基板)と1個のガスセンサ素子4とにより囲まれるとともに封止材7で封止されてなる気密性の高い容器(符号なし)が構成される。そして、この容器内に半導体集積回路素子3の集積回路が形成されている部分等の機能部分3aが気密封止されるため、半導体集積回路素子3の作動の長期信頼性が向上し、ガスセンサ装置9としての信頼性も向上する。
【0065】
また、封止材7が介在することにより絶縁枠体1と1個のガスセンサ素子4との間の機械的な接続をより強くすることができるので、この点でもガスセンサ装置9の信頼性を向上させる上で有効である。
【0066】
このような封止材7としては、例えば、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂等の樹脂材料、ホウケイ酸ガラス等のガラス、または樹脂材料に酸化ケイ素等のセラミック材料やガラスを添加してなる複合材料等の材料を用いることができる。
【0067】
封止材7は、例えばエポキシ樹脂からなる場合であれば、未硬化のエポキシ樹脂(ノボラック型エポキシ樹脂等)をガスセンサ素子4と絶縁枠体1との間に塗布し、この未硬化物を加熱や光(紫外線)照射等の方法で硬化させることにより、ガスセンサ素子4と絶縁枠体1との間を封止することができる。
【0068】
なお、封止材7は、樹脂材料やガラス材料等の電気絶縁性の材料で形成するようにしておけば、導電性接続材6bの間を充填するようにして形成してもよい。この場合には、電気的な接続を維持しながら絶縁枠体1とガスセンサ素子4との間の機械的な接続をより強固にする上で有効であり、ガスセンサ装置9の信頼性をより効果的に向上させることができる。
【0069】
また、このようなガスセンサ装置9において、図3に示すように、ガスセンサ素子4が絶縁枠体1の上面および下面の少なくとも一方で複数個であり、絶縁枠体1と複数個のガスセンサ素子4との間、および複数個のガスセンサ素子4の間が封止材7により封止されている場合には、隙間部分である絶縁枠体1と複数個のガスセンサ素子4のそれぞれとの間、および複数個のガスセンサ素子4同士の間がいずれも封止材7により塞がれるので、ガスセンサ装置9としての長期信頼性を向上させることができる。なお、図3は、本発明のガスセンサ装置9の実施の形態の他の例を示す下面図である。図3では、見やすくするために配線導体2や導電性接続材6a,6bおよびガスセンサ素子4の検知部4b等を省略している。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。
【0070】
すなわち、この例のように封止材7を用いて封止することにより、絶縁枠体1と半導体集積回路素子3(半導体基板)と複数個のガスセンサ素子4とにより囲まれるとともに封止材7で封止されてなる気密性の高い容器(符号なし)が構成される。そして、この容器内に半導体集積回路素子3の集積回路等が形成されている部分等の機能部分3aが気密封止されるため、半導体集積回路素子3の作動の長期信頼性が向上し、ガスセンサ装置9としての信頼性も向上する。
【0071】
また、封止材7が介在することによって絶縁枠体1と複数個のガスセンサ素子4のそれぞれとの間の機械的な接続をより強くすることができるので、この点でもガスセンサ装置9の信頼性を向上させる上で有効である。
【0072】
この場合も、封止材7には前述したような樹脂材料やガラス材料やそれらの複合材料を用い、同様の方法で形成することができる。また、この場合にも、封止材7を電気絶縁性の材料で形成するようにしておけば、電気的な接続を維持しつつ絶縁枠体1とガスセンサ素子4との間の機械的な接続をより強固にする効果を得ることができる。
【0073】
なお、この図3に示す例では、半導体集積回路素子3と複数個のガスセンサ素子4とをそれぞれ接合する伝熱材5は、複数個のガスセンサ素子4の間でも半導体集積回路素子3の下面に接合されている。そして、この複数個のガスセンサ素子4と半導体集積回路素子3の下面とに接合された伝熱材5の下面にも封止材7が接合されている。つまり、複数個のガスセンサ素子4の間の隙間を伝熱材5および封止材7により塞ぎ、伝熱材5による伝熱および封止材7による封止の信頼性を良好に確保するようにしている。
【0074】
このように、ガスセンサ素子4を、絶縁枠体1の上面および下面の少なくとも一方で複数個とした場合には、3種類以上のガスセンサ素子4を1つのガスセンサ装置9に組み込んで、3種類以上のガス成分を検知するような場合に有効である。
【0075】
また、ガスセンサ素子4は、絶縁枠体1の上面または下面で1個であり、それとは反対側で複数個であるように配置してもよい。この場合には、1個のガスセンサ素子4を半導体集積回路素子3の機能部分3a側に配置させるようにすれば、機能部分3aの封止の信頼性を確保する上でより有効である。すなわち、上面または下面の同じ面側にある複数個のガスセンサ素子4同士の間の部分は、樹脂材料等からなる封止材7自体や封止材7とガスセンサ素子4(側面部分等)との接合界面等を介して外気の水分等が封止の容器内に入り込みやすくなる可能性がある。これに対して、1個のガスセンサ素子4が配置されている場合には、このような封止の劣化を招く可能性のある部分がないため、封止の信頼性を高める上で有効である。
【0076】
上記のように製作されたガスセンサ装置9を、例えば、ガス検知器や呼気の検査器,燃料ガスの測定器等の機器(図示せず)を構成する外部電気回路基板の電気回路(外部電気回路)に電気的に接続することにより、ガスセンサ装置9の半導体集積回路素子3やガスセンサ素子4が外部電気回路基板の電気回路と電気的に接続される。
【0077】
そして、ガスセンサ装置9は、例えば一酸化炭素の検知器(警報器)に用いられた場合であれば、その警報器が設置された場所(室内やタンク内等)の空気がガスセンサ素子4に接し、空気中の一酸化炭素の濃度に応じてガスセンサ素子4の電気抵抗が変動する。この電気抵抗が既定の数値以下であるか否か、つまり一酸化炭素の濃度が既定値を超えているか否か等の解析が半導体集積回路素子3で行なわれ、一酸化炭素の濃度が既定値を超えたときに半導体集積回路素子3から外部電気回路に警報の信号が送信され、警報器が作動する。
【0078】
また、ガスセンサ素子4はガスセンサ装置9の上下両面側に配置されているので、ガスセンサ装置9の上面側のガスセンサ素子4と下面側のガスセンサ素子4とで異なるガス成分を検知させるようにすることもできる。例えば、一酸化炭素に加えてメタンガスを検知させるようにすることも可能であり、また、硫化水素やメチルメルカプタン等の複数の異臭を検知させるようにすることも可能である。
【0079】
このような、ガスセンサ装置9の外部電気回路基板に対する接続は、例えば、前述したように配線導体2のうち絶縁枠体1の外側面に露出するように形成されている部分を介して行なわれる。この配線導体2の露出部分の外部電気回路に対する電気的な接続は、この露出部分に外部接続用のリード端子をろう材等を介して接合し、このリード端子を外部電気回路にはんだや導電性接着剤を介して電気的(かつ機械的)に接続することにより行なうことができる。この場合、配線導体2のうちリード端子を介して外部電気回路と接続される部分は、絶縁枠体1の一つの外側面に限らず、複数の外側面に形成したり、絶縁枠体1の上面や下面の外周部分に形成したりしてもよい。
【0080】
また、配線導体2が絶縁枠体1の1つの外側面にまとめて露出されたガスセンサ装置9(図1に示したもの等)は、図4に示すように、この配線導体2の露出部分の外側面を外部電気回路(符号なし)に対向させて接続する、いわゆる側面実装を行なうこともできる。ガスセンサ装置9を外部電気回路基板に側面実装するようにした場合には、外部電気回路基板におけるガスセンサ装置9の平面の占有面積を小さく抑えることができる。
【0081】
また、このようにガスセンサ装置9を側面実装した場合には、ガスセンサ装置9の上側および下側(実装後は左側と右側)のガスセンサ素子4に対して、ガス成分を含む気流を同じように接触させることもより容易になる。
【0082】
なお、本発明は上述の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
【0083】
例えば、伝熱材5の熱伝導度を上面側のガスセンサ素子4に接合するものと下面側のガスセンサ素子4に接合するものとで異ならせ、上面側または下面側のいずれか一方のガスセンサ素子4に伝えられる熱量を他方よりも多くしてより高温にし、有効な検知温度が異なるガス成分(例えば、一酸化炭素とメタンと)の検知をより容易に行なえるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明のガスセンサ装置の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明のガスセンサ装置の実施の形態の一例を示す下面図である。
【図3】本発明のガスセンサ装置の実施の形態の他の例を示す下面図である。
【図4】図1に示すガスセンサ装置を外部電気回路基板に実装した状態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0085】
1・・・・・・絶縁枠体
1a・・・・・段状部
2・・・・・・配線導体
3・・・・・・半導体集積回路素子
4・・・・・・ガスセンサ素子
4a・・・・・ガスセンサ素子の絶縁基板
4b・・・・・ガスセンサ素子の検知部
5・・・・・・伝熱材
6a・・・・・導電性接続材(ボンディングワイヤ)
6b・・・・・導電性接続材(バンプ状導体)
7・・・・・・封止材
9・・・・・・ガスセンサ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上面および下面に配線導体が形成された絶縁枠体の内側に半導体集積回路素子が配置されて前記配線導体と電気的に接続されているとともに、前記絶縁枠体および前記半導体集積回路素子の上面および下面のそれぞれに、ガスセンサ素子が、前記半導体集積回路素子の上面または下面に伝熱材を介して接合され、かつ外周部分の少なくとも一部を前記絶縁枠体の上面または下面に対向させて前記配線導体と電気的に接続されていることを特徴とするガスセンサ装置。
【請求項2】
前記絶縁枠体の内側面に段状部が形成されて、該段状部の表面から前記絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方にかけて前記配線導体が形成され、該配線導体のうち前記段状部に露出している部分に前記半導体集積回路素子が電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ装置。
【請求項3】
前記ガスセンサ素子が前記絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方で1個であり、前記絶縁枠体と前記1個のガスセンサ素子との間が封止材により封止されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ装置。
【請求項4】
前記ガスセンサ素子が前記絶縁枠体の上面および下面の少なくとも一方で複数個であり、前記絶縁枠体と前記複数個のガスセンサ素子との間、および前記複数個のガスセンサ素子の間が封止材により封止されていることを特徴とする請求項1記載のガスセンサ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−53170(P2009−53170A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−222975(P2007−222975)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】