説明

ガス処理装置、ガス処理方法、および記憶媒体

【課題】気化器やマスフローメータ等の高価な設備を用いず、無駄になる液体の量を少なくすることができるガス処理装置を提供すること。
【解決手段】制御機構40は、原料貯留容器20を真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して原料貯留容器20を密閉状態とし、原料貯留容器20内の真空圧により、原料貯留容器20内を液体原料が気化して形成された処理ガスの雰囲気とし、チャンバ2内に被処理基板Wを収容させた状態で、チャンバ2を真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止してチャンバ2内を密閉状態とし、次いで開閉バルブ23を開成し、原料貯留容器20から処理ガスをチャンバ2に流入させ、チャンバ2内が真空圧よりも高く、液体原料の蒸気圧よりも低い処理圧になった時点で開閉バルブ23を閉成し、処理圧の処理ガス雰囲気とするように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定のガス雰囲気で基板に対してガス処理を施すガス処理装置およびガス処理方法、ならびにそのような処理方法を実施するためのプログラムを記憶した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、半導体デバイスの高速化、配線パターンの微細化、高集積化の要求に対応して、配線間の容量の低下ならびに配線の導電性向上およびエレクトロマイグレーション耐性の向上が求められており、それに対応した技術として、配線材料にアルミニウム(Al)やタングステン(W)よりも導電性が高くかつエレクトロマイグレーション耐性に優れている銅(Cu)を用い、層間絶縁膜として低誘電率膜(Low−k膜)を用いたCu多層配線技術が注目されている。このようなCu多層配線技術においては、Low−k膜としてメチル基等のアルキル基を末端基として有するものが一般的に用いられており、また、配線溝または接続孔の形成にはデュアルダマシン法等のダマシンプロセスが多用されている。
【0003】
ダマシンプロセスにおいては、エッチングやレジスト膜除去の際に、Low−k材料からなる層間絶縁膜がダメージを受け、層間絶縁膜の誘電率の上昇をもたらし、Low−k材料を用いる効果が損なわれてしまため、このようなダメージを回復させる技術として、エッチングやレジスト膜除去後に、シリル化処理を行うことが提案されている(例えば特許文献1)。
【0004】
このようなシリル化処理は、常温で液体のシリル化剤を気化させてチャンバ内に供給し、チャンバ内を所定のガス雰囲気にするシリル化ユニットにより行われる。そして、このシリル化処理により、被処理基板に形成されたLow−k膜のダメージを受けた部分を改質してメチル基等のアルキル基を末端基とする。
【0005】
このようなシリル化ユニットにおいては、液体のシリル化剤をマスフローメータで流量制御して一定量で気化器に供給して昇温し、気化器でガス化されたシリル化剤を真空保持されたチャンバ内に供給する。チャンバ内は真空圧に保持されているため、チャンバ内に供給されたシリル化剤は完全にガス化され、排気バルブを閉成することでチャンバ内のガス圧は徐々に上昇していく。そして、チャンバ内の圧力が処理圧まで上昇した時点でシリル化剤を供給するバルブを閉め、チャンバ内を処理圧に保持されたガス状のシリル化剤雰囲気に維持し、所定時間放置することによりシリル化反応を生じさせる。
【0006】
しかしながら、従来のシリル化ユニットにおいては、結露防止の観点から気化器の温度をあまり高くできず、配管等に液残りが存在することがある。また、シリル化剤を液体の状態で流量制御しているためバルブ閉の信号が出されて実際にバルブが閉じられるまでの間に過剰なシリル化剤が供給されてしまう。このようなことから、従来のシリル化ユニットにおいては、無駄になるシリル化剤が相当量存在するという問題がある。
【0007】
また、従来のシリル化ユニットにおいて用いられている気化器やマスフローメータは高価であり、装置コストが高いという問題もある。
【0008】
そして、このような問題は、シリル化ユニットに限らず、液体原料を気化器によりガス化してチャンバ内に供給し、チャンバ内をガス雰囲気にして被処理基板をガス処理する装置全般に生ずる可能性がある。
【特許文献1】特開2006−49798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、気化器やマスフローメータ等の高価な設備を用いず、無駄になる液体の量を少なくすることができるガス処理装置およびガス処理方法を提供することを目的とする。
また、このようなガス処理方法を実行するプログラムを記憶した記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点では、液体原料を気化させて生成された処理ガスにより被処理基板にガス処理を施すガス処理装置であって、前記液体原料を貯留する原料貯留容器と、被処理基板が収容され、前記処理ガスの雰囲気が形成されるチャンバと、前記原料貯留容器を真空排気する容器排気機構と、前記チャンバを真空排気するチャンバ排気機構と、前記原料貯留容器と前記チャンバとを接続する接続配管と、前記接続配管に設けられた開閉バルブと、前記原料貯留容器内の圧力を検出する容器圧力センサと、前記チャンバ内の圧力を検出するチャンバ圧力センサと、前記容器排気機構、前記チャンバ排気機構、および前記開閉バルブを制御する制御機構とを具備し、前記制御機構は、前記容器排気機構により前記原料貯留容器を真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記原料貯留容器を密閉状態とし、前記原料貯留容器内の真空圧により、前記原料貯留容器内を液体原料が気化して形成された前記処理ガスの雰囲気とする第1の操作と、前記チャンバ内に被処理基板を収容させた状態で、前記チャンバ排気機構により前記チャンバを真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記チャンバ内を密閉状態とする第2の操作と、前記開閉バルブを開成し、前記原料貯留容器から前記処理ガスを前記チャンバに流入させる第3の操作と、前記チャンバ内の圧力が前記真空圧よりも高く、前記液体原料の蒸気圧よりも低い処理圧になった時点で前記開閉バルブを閉成し、前記処理圧の処理ガス雰囲気とする第4の操作とを含むシーケンスで制御することを特徴とするガス処理装置を提供する。
【0011】
上記第1の観点のガス処理装置において、前記容器排気機構は、前記原料貯留容器に接続された容器排気管と、前記容器排気管に設けられた開閉バルブと、前記容器排気管に接続された真空ポンプとを有し、前記チャンバ排気機構は、前記チャンバに接続されたチャンバ排気管と、前記チャンバ排気管に設けられた開閉バルブと、前記チャンバ排気管に接続された真空ポンプとを有し、前記容器排気機構および前記チャンバ排気機構は、前記真空ポンプを作動させた状態で、前記開閉バルブを開成することにより真空排気を行い、前記開閉バルブを閉成することにより前記原料貯留容器内および前記チャンバ内を密閉状態とする構成とすることができる。この場合に、前記容器排気機構と前記チャンバ排気機構とは共通の真空ポンプを有する構成とすることができる。また、前記容器排気管には、前記開閉バルブの下流側にニードルバルブが設けられていてもよい。さらに、前記チャンバ排気機構は、前記開閉バルブをバイパスするバイパス配管を有し、前記バイパス配管には、開閉バルブと、その下流側に設けられたニードルバルブとを有する構成とすることもできる。
【0012】
また、上記第1の観点のガス処理装置において、前記原料貯留容器は、前記処理ガスが前記チャンバに供給されて、前記接続配管に設けられた開閉バルブが閉成された後、貯留された液体原料の気化によりその中の圧力が上昇した状態となり、次の被処理基板の処理は、前記制御機構が、前記第2の操作以降、同様の操作で制御することにより行われるようにすることができる。そして、前記制御機構が、前記第2の操作以降の操作を繰り返すことにより連続的に複数の被処理基板に対してガス処理を施すように制御することができる。
【0013】
さらにまた、上記第1の観点のガス処理装置では、前記液体原料はシリル化剤であり、前記ガス処理は被処理体に対するシリル化処理であることが典型例として例示される。
【0014】
本発明の第2の観点では、液体原料を貯留する原料貯留容器と、被処理基板が収容され、前記処理ガスの雰囲気が形成されるチャンバと、これらを接続する接続配管と、前記接続配管を開閉する開閉バルブとを有するガス処理装置を用いて、前記液体原料を気化させて生成された処理ガスにより被処理基板にガス処理を施すガス処理方法であって、前記原料貯留容器を真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記原料貯留容器を密閉状態とし、前記原料貯留容器内の真空圧により、前記原料貯留容器内を液体原料が気化して形成された前記処理ガスの雰囲気とする第1の工程と、前記チャンバ内に被処理基板を収容させた状態で、前記チャンバを真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記チャンバ内を密閉状態とする第2の工程と、前記開閉バルブを開成し、前記原料貯留容器から前記処理ガスを前記チャンバに流入させる第3の工程と、前記チャンバ内が前記真空圧よりも高く、前記液体原料の蒸気圧よりも低い処理圧になった時点で前記開閉バルブを閉成し、前記処理圧の処理ガス雰囲気とする第4の工程とを有し、前記処理圧の処理ガス雰囲気の前記チャンバ内で被処理基板にガス処理が施されることを特徴とするガス処理方法を提供する。
【0015】
また、上記第2の観点のガス処理方法において、前記処理ガスが前記チャンバに供給されて、前記接続配管に設けられた開閉バルブが閉成された後、貯留された液体原料の気化により前記原料貯留容器内の圧力が上昇した状態となり、次の被処理基板の処理は、前記第2工程以降、同様の工程により行われるようにすることができる。そして、前記第2の工程以降の工程を繰り返すことにより連続的に複数の被処理基板に対してガス処理を施すようにすることができる。
【0016】
さらにまた、上記第2の観点のガス処理方法では、前記液体原料はシリル化剤であり、前記ガス処理は被処理体に対するシリル化処理であることが典型例として例示される。
【0017】
本発明の第3の観点では、コンピュータ上で動作し、液体原料を貯留する原料貯留容器と、被処理基板が収容され、前記処理ガスの雰囲気が形成されるチャンバと、これらを接続する接続配管と、前記接続配管を開閉する開閉バルブとを有するガス処理装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、上記第2の観点のガス処理方法が行われるようにコンピュータに処理装置を制御させることを特徴とする記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記容器排気機構により前記原料貯留容器を真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記原料貯留容器を密閉状態とし、前記原料貯留容器内の真空圧により、前記原料貯留容器内を液体原料が気化して形成された前記処理ガスの雰囲気とし、前記チャンバ内に被処理基板を収容させた状態で、前記チャンバ排気機構により前記チャンバを真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記チャンバ内を密閉状態とし、次いで、前記開閉バルブを開成し、前記原料貯留容器から前記処理ガスを前記チャンバに流入させ、前記チャンバ内の圧力が前記真空圧よりも高く、前記液体原料の蒸気圧よりも低い処理圧になった時点で前記開閉バルブを閉成し、前記処理圧の処理ガス雰囲気とするので、原料貯留容器において真空圧で気化した処理ガスを圧力差を利用してチャンバ内に供給することとなり、処理ガスは原料貯留容器内で液体原料が気化した分だけ使用され、液残りや過剰な液体原料の供給といった問題が生じず、液体原料の使用量を最小限に抑えることができる。
【0019】
また、気化器やマスフローメータを用いずに、圧力センサの検出情報に基づくバルブ操作のみでチャンバ内を所定の処理圧にしてシリル化処理を行うことができるので、装置コストを低く抑えることができる。
【0020】
さらに、原料貯留容器を一旦真空圧にしておけば、その中で液体原料の気化が進行し、その中が液体原料の蒸気圧に維持され、気化した処理ガスをチャンバに供給することにより圧力が低下しても、蒸気圧に戻るので、複数の被処理基板に対して連続的なシリル化処理が可能である。
【0021】
なお、本発明の実施に際しては、上記圧力の調整により、原料貯留容器からチャンバ内に処理ガスが供給されて所定の処理圧でガス処理が行われるように、これらの容積、および処理圧を適切に設定することが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。図1は本発明の一実施形態に係るシリル化装置を示す概略構成図である。
【0023】
このシリル化装置1は、被処理基板である半導体ウエハ(以下単にウエハと記す)Wを収容するチャンバ2を備えており、チャンバ2は、固定された下部容器3と、下部容器3の上方を覆う蓋体4とから構成されている。蓋体4は昇降機構51により昇降自在となっており、蓋体4を下降させることにより下部容器3と蓋体4とは図示しないシール部材により気密にシールされ、真空保持可能なチャンバ2が構成されるようになっている。また、チャンバ2内に対するウエハWの搬入出の際には、蓋体4は昇降装置51により上昇された状態とされる。
【0024】
下部容器3にはホットプレート5が備えられており、その上面にはウエハWを支持する複数のピン7が設けられている。また、ホットプレート5内にはヒータ6が埋設されており、このヒータ6に通電することにより、ピン7上に載置されたウエハWを例えば200℃以下の所定温度に加熱することが可能となっている。なお、ホットプレート5には図示しない昇降ピンが突没自在に設けられており、これによりウエハWの搬入出の際にウエハWを昇降するようになっている。
【0025】
下部容器3の底部におけるホットプレート5の外側位置には、ガス導入口8が設けられており、このガス導入口8にチャンバ2内にシリル化剤を供給するためのシリル化剤供給配管9が接続されている。
【0026】
蓋体4の略中央には、排気口10が設けられており、この排気口10にはチャンバ2内を真空排気するためのチャンバ排気管11が接続されている。排気管11には真空ポンプ12が接続されており、真空ポンプ12を作動させることにより、チャンバ2内を所定の真空圧に保持することが可能となっている。チャンバ排気管11には、上流側から、チャンバ3内の圧力を検出するための圧力センサ13および開閉バルブ14が設けられている。また、チャンバ排気管11には開閉バルブ14をバイパスするようにバイパス配管15が接続されており、バイパス配管15には上流側から開閉バルブ16およびニードルバルブ17が設けられている。そして、開閉バルブ14を開成し、開閉バルブ16を閉成することによりチャンバ排気管11を介して排気され、一方、開閉バルブ14を閉成し、開閉バルブ16を開成することにより、バイパス配管15を介して排気されるが、バイパス配管15にはニードルバルブ17が設けられているので、バイパス配管15を介して低速で排気することが可能となる。このため、チャンバ排気管11が高速排気ラインとして機能し、バイパス配管15が低速排気ラインとして機能する。
【0027】
チャンバ2の外部には、シリル化剤貯留タンク20が配置されており、シリル化剤貯留タンク20内には、シリル化剤として例えばTMSDMA(Dimethylaminotrimethylsilane)が液体の状態で貯留されている。シリル化剤貯留タンク20の天壁にはシリル化剤供給配管9の他端が接続されている。シリル化剤供給配管9は、シリル化剤貯留タンク20から上方に延びる前段部9aと、前段部9aから水平に延びる中段部9bと、中段部9bから下方に延び、前記ガス導入口8に接続する後段部9cとからなり、前段部9aには、上流側からリリーフバルブ21およびシリル化剤貯留タンク20内の圧力を検出する圧力センサ22が設けられ、中段部には、上流側から開閉バルブ23、ニードルバルブ24が設けられている。また、中段部9bにおける開閉バルブ23の上流側部分には、シリル化剤貯留タンク20内を真空排気するためのタンク排気管25が接続されており、このタンク排気管25の他端はチャンバ排気管11におけるバイパス配管15の合流部よりも下流側に接続されている。このタンク排気管25には上流側から開閉バルブ26およびニードルバルブ27が設けられている。ニードルバルブ27が設けられていることにより、開閉バルブ26を開成した際にシリル化剤貯留タンク20内が急激に排気されることが防止される。
【0028】
シリル化剤供給配管9の後段部9cには、チャンバ2内をパージするためのNガス配管28が接続されている。Nガス配管28には、上流側からニードルバルブ29および開閉バルブ30が設けられている。そして、シリル化剤供給配管9の開閉バルブ23を閉成し、開閉バルブ30を開成することにより、チャンバ2内にNガスを供給してチャンバ2内をパージすることができる。
【0029】
ガス配管28からはシリル化剤貯留タンク20内の液体状のシリル化剤を抜くための液抜き配管31が分岐しており、この液抜き配管31はシリル化剤供給配管9の前段部9aに接続されている。この液抜き配管31には開閉バルブ32が設けられており、この開閉バルブ32を開成することにより、Nガス配管28から液抜き配管31およびシリル化剤供給配管9の前段部9aを介してシリル化剤貯留タンク20内に液抜きのための圧送ガスとしてNガスが供給されるようになっている。
【0030】
シリル化剤貯留タンク20の下部には、配管33が接続されており、配管33にはシリル化剤供給配管34およびドレイン配管35が接続されている。そして、シリル化剤供給配管34には開閉バルブ36が設けられ、ドレイン配管35には開閉バルブ37が設けられており、開閉バルブ36を開成し、開閉バルブ37を閉成することにより、シリル化剤供給配管34および配管33を経てシリル化剤貯留タンク20内にシリル化剤が供給され、開閉バルブ36を閉成し、開閉バルブ37を開成することにより、シリル化剤貯留タンク20内のシリル化剤が、N圧送によって配管33およびドレイン配管35を介して排液される。なお、リリーフバルブ21は、ガス圧送による排液の際の安全対策として用いられる。
【0031】
シリル化装置1は制御部40を備えている。この制御部40は、図2のブロック図に示すように、コントローラ41と、ユーザーインターフェース42と、記憶部43とを有している。コントローラ41は、シリル化装置1の各構成部、例えば開閉バルブ14,16,23,26,30,32,36,37、蓋体4を昇降させる昇降機構51、真空ポンプ12等を制御する。また、開閉バルブの開閉制御のための情報として、圧力センサ13,22の圧力検出値を取り入れる。ユーザーインターフェース42はコントローラ41に接続され、オペレータがシリル化装置1を管理するためにコマンド等の入力操作を行うキーボードや、シリル化装置1の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる。記憶部43もコントローラ41に接続され、その中にシリル化装置1の各構成部の制御対象を制御するための制御プログラムや、シリル化装置1に所定の処理を行わせるためのプログラムすなわち処理レシピが格納されている。処理レシピは記憶部43の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクのような固定的なものであってもよいし、CDROM、DVD、フラッシュメモリ等の可搬性のものであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。そして、コントローラ41は、必要に応じて、ユーザーインターフェース42からの指示等にて任意の処理レシピを記憶部43から呼び出して実行させることで、コントローラ41の制御下で、所定の処理が行われる。
【0032】
次に、このようなシリル化装置1によりウエハWのシリル化処理を行う際の処理シーケンスについて図3を参照しながら説明する。なお、以下の処理シーケンスは、制御部40の記憶部43における所定の処理レシピに基づいて、コントローラ41が装置の各構成部を制御することにより行われる。
【0033】
まず、シリル化剤貯留タンク20に所定量のシリル化剤(TMSDMA)が貯留され、全ての開閉バルブが閉成された状態として、チャンバ2内に1枚目のウエハWを搬入する。ウエハWの搬入に際しては、チャンバ2の蓋体4を昇降機構51により上昇させ、搬送アーム(図示せず)により、ウエハWをチャンバ2内に搬送し、ポットプレート5上に突出した昇降ピン(図示せず)上に載置する。次いで、搬送アームをチャンバ2から退避させ、昇降ピンを下降させてウエハWをピン7上に載置した状態とする。そして、昇降機構51により蓋体4を下降させて、チャンバ2内を気密な密閉空間とする。
【0034】
次に、シリル化剤貯留タンク20内の減圧処理を行う。
この減圧処理においては、最初に開閉バルブ26を開成して、真空ポンプ12によりシリル化剤貯留タンク20内の真空引きを開始する(図3のt)。このとき、急激な減圧による液体のシリル化剤の突沸を防止するためニードルバルブ27により排気流速を低速にすることが好ましい。この減圧処理によりシリル化剤貯留タンク20内の圧力が低下して行き、タンク20内が所定の真空圧、例えば1Torr(133.3Pa)になった時点(図3のt)で、開閉バルブ26を閉成する。この減圧処理により、シリル化剤貯留タンク20内の空気が追い出される。
【0035】
開閉バルブ26が閉成された状態では、シリル化剤貯留タンク20内は密閉されているので、シリル化剤の気化にともなってその中の圧力が上昇して行き、シリル化剤の蒸気圧で圧力が飽和する。
【0036】
このようにしてシリル化剤貯留タンク20内の減圧処理が終了した後、1枚目のウエハWにシリル化処理を施す。
まず、所定のタイミング、例えばシリル化剤貯留タンク20内がシリル化剤の蒸気圧に達したタイミングでバルブ14を開成し、真空ポンプ12によりチャンバ2内の真空排気を開始する(図3のt)。これにより、チャンバ2内の圧力が低下して行き、チャンバ2内が所定の真空圧、例えば1Torr(133.3Pa)になった時点(図3のt)で、開閉バルブ14を閉成し、開閉バルブ23を開成する。
【0037】
これにより、シリル化剤貯留タンク20の内部とチャンバ2の内部とが繋がり、シリル化剤の蒸気圧となっているシリル化剤貯留タンク20から、より低い圧力のチャンバ2内にシリル化剤蒸気が供給され、シリル化剤貯留タンク20内の圧力が低下し、チャンバ2内の圧力が上昇して、シリル化剤貯留タンク20とチャンバ2内の圧力が同じ値となり、さらにシリル化剤貯留タンク20内のシリル化剤が気化してシリル化剤貯留タンク20内およびチャンバ2内の圧力が上昇して行く。そして、両者の圧力がシリル化剤の蒸気圧より低い処理圧になった時点(図3のt)で開閉バルブ23を閉成する。これにより、チャンバ2内は処理圧に維持され1枚目のウエハWのシリル化処理が開始される。このときシリル化剤貯留タンク20内の圧力はさらに上昇し、シリル化剤の蒸気圧まで上昇した時点で飽和して次のウエハのシリル化処理に備える。ここで、シリル化処理を行う際の処理圧は、用いるシリル化剤の蒸気圧より低ければよく、また、シリル化剤供給前のチャンバ2内の真空圧は処理圧より低ければよい。
【0038】
なお、開閉バルブ23を開成した際に急激な圧力変動を回避するためにニードルバルブ24を介在させているが、そのような懸念がない場合にはニードルバルブ24は設けなくてもよい。
【0039】
このようにして所定時間シリル化処理を実施した後、後述するようにチャンバ2内の排気およびNパージを行い、チャンバ2内にシリル化剤が実質的に残存しない状態とし、チャンバ2内を大気圧に戻した後、チャンバ2の蓋体4を昇降機構51により上昇させて1枚目のウエハWをチャンバ2から搬出し、2枚目のウエハをチャンバ2に搬入する。このとき、シリル化剤貯留タンク20内の圧力は、既にシリル化剤の蒸気圧となっているから、シリル化剤貯留タンクの減圧処理は不要である。したがって、2枚目のウエハWの処理においては、開閉バルブ14を開成してチャンバ2内を真空排気することから始めればよく、その後は1枚目のウエハWの処理と全く同様のシーケンスで処理を行うことができる。そして、3枚目以降のウエハWについては2枚目のウエハWと全く同じシーケンスでシリル化処理を行うことができる。
【0040】
なお、シリル化剤としてTMSDMAを用いた場合には、その室温(20℃)における蒸気圧は78.8Torr(10.5kPa)であり、処理圧はそれより低い、例えば55Torr(7331.5Pa)に設定される。
【0041】
次に、排気も含めたシリル化処理のシーケンス例を図4を参照して詳細に説明する。ここでは、シリル化剤としてTMSDMAを用い、真空圧:1Torr、処理圧:55Torrとした例を示す。
最初に、開閉バルブ14を開成して、大気圧(760Torr)のチャンバ2を真空排気し、1Torrの真空圧に達した時点で、上述したように開閉バルブ14を閉成し、開閉バルブ23を開成してチャンバ2内にシリル化剤であるTMSDMAを供給する。そして、チャンバ2内が処理圧である55Torrに達した時点で開閉バルブ23を閉成し、チャンバ2内を処理圧に維持してシリル化処理を開始する。すなわち、処理圧である55TorrのTMSDMA雰囲気がチャンバ2内に形成されることにより、チャンバ2内のウエハWに存在するダメージを受けたLow−k膜の表面でシリル化反応が生じ、ダメージを受けて末端基がOH基となった部分が改質されて、末端基がメチル基等となる。
【0042】
このシリル化処理を所定時間行った後、開閉バルブ14または16を開成し、チャンバ2内を排気した後、排気を継続したまま開閉バルブ30を開成し、チャンバ2内にNガスを供給してチャンバ2内をパージする。その後、開閉バルブ14または16を閉じ、Nガスのパージのみに切り替えてチャンバ2内の圧力を上昇させ、チャンバ2内が大気圧になった時点で開閉バルブ30を閉成して、開閉バルブ14または16を開成し、再びチャンバ2内を真空排気する。そして、さらに、もう一度Nガスによるチャンバ2内のパージ、および真空排気をもう1回ずつ行い、最後に、チャンバ2内にNガスを供給してチャンバ2内を大気圧とし、この状態で昇降機構51により蓋体4を上昇させて大気開放し、ウエハWの入れ替えを行う。
【0043】
なお、この際の条件はシリル化剤やLow−k膜の材料およびパターン等によっても異なるが、上記圧力条件の他、以下の条件が例示される。
処理時間:150sec
ホットプレート温度:120〜160℃
TMSDMA供給体積:0.21mL/ウエハ
TMSDMA温度:室温
チャンバ容積:500mL
ガス流量:6L/min
また、チャンバ2の真空排気を開始してからシリル化処理を開始するまでの時間は10〜15sec程度が例示され、シリル化処理が終了してからチャンバ2を大気開放するまでの時間は40〜45sec程度が例示される。
【0044】
以上のシリル化処理を所定枚数のウエハWについて実施した後、処理を終了する場合には、シリル化剤貯留タンク20内に残留しているシリル化剤を排出してシリル化剤貯留タンク20を空にする。この場合には、開閉バルブ32および37を開成し、タンク20内のシリル化剤をNガス圧送により配管33およびドレイン配管35を介して回収する。
【0045】
また、シリル化剤貯留タンク20内にシリル化剤を供給する際には、開閉バルブ37は閉成した状態として、開閉バルブ36を開成し、ガス圧送またはポンプ等の適宜の手段によりシリル化剤供給配管34および配管33を介してシリル化剤貯留タンク20にシリル化剤を供給する。
【0046】
本実施形態においては、以上のように、シリル化剤貯留タンク20内にシリル化剤を貯留した状態で、その中をシリル化剤の蒸気圧雰囲気とした後、開閉バルブ14または16を開成してチャンバ2内を真空圧とし、その後、開閉バルブ14または16を閉成し、開閉バルブ23を開成することにより、圧力の高いシリル化剤貯留タンク20から圧力の低いチャンバ2内にシリル化剤蒸気を供給し、チャンバ2がシリル化剤の蒸気圧よりも低い処理圧になった時点で開閉バルブを閉成してチャンバ2内を処理圧に維持した状態でウエハWに対してシリル化処理を行う。このため、シリル化剤貯留タンク20内において真空圧で気化したシリル化剤を圧力差を利用してチャンバ2内に供給することとなるので、シリル化剤は気化した分だけ使用されることになり、液残りや過剰なシリル化剤の供給といった問題が生じず、シリル化剤の使用量を最小限に抑えることができる。
【0047】
また、気化器やマスフローメータを用いずに、圧力センサ13および22の検出情報に基づくバルブ操作のみでチャンバ2内を所定の処理圧にしてシリル化処理を行うことができるので、装置コストを低く抑えることができる。
【0048】
さらに、シリル化剤貯留タンク20を一旦真空圧にしておけば、その中で液体のシリル化剤の気化が進行し、その中がシリル化剤の蒸気圧に維持され、気化したシリル化剤をチャンバ2に供給することにより圧力が低下しても、蒸気圧に戻るので、複数のウエハWに対して連続的なシリル化処理が可能である。
【0049】
さらにまた、従来の気化器を用いたシリル化装置の場合は加熱によりシリル化剤を気化させるため、配管で温度が低下すると結露が生じる不都合があり、配管温度を厳密にコントロールする必要があるが、上記実施形態では、真空圧によりシリル化剤を気化させて、より低い圧力のチャンバ2内に供給するので、配管等で結露するおそれはない。
【0050】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、シリル化剤貯留タンク20内を排気するタンク排気管25をバイパス配管15の合流部よりも下流側に接続したが、図5に示すように、バイパス配管15の開閉バルブ16とニードルバルブ17との間の部分に接続してもよい。これにより、ニードルバルブ27を省略することができる。また、チャンバ2の排気配管を高速排気用および低速排気用の2種類として状況に応じて高速排気と低速排気を使い分けることを可能にしたが、いずれか一方であってもよい。さらに、シリル化剤貯留タンク20の排気とチャンバ2の排気を共通の真空ポンプ12を用いて行うようにしたが、別々の真空ポンプを用いるようにしてもよい。
【0051】
さらにまた、原料貯留タンクにおいて原料を気化する際の気化熱による原料貯留タンクの温度低下が懸念される場合には、原料貯留タンクに適宜の温調機構を設けて原料貯留タンク内の温度調節を行ってもよい。
【0052】
さらにまた、上記実施形態では、シリル化剤としてTMSDMAを用いた場合を例にとって説明したが、シリル化剤としては、DMSDMA(Dimethylsilyldimethylamine)、TMDS(1,1,3,3-Tetramethyldisilazane)、TMSPyrole(1-Trimethylsilylpyrole)、BSTFA(N,O-Bis(trimethylsilyl)trifluoroacetamide)、BDMADMS(Bis(dimethylamino)dimethylsilane)等の他のものを用いることもできる。
【0053】
さらにまた、本発明は、シリル化剤による処理に限らず、液体の状態から気化してガス処理を行う場合であれば適用可能である。
【0054】
さらに、上記実施形態では、被処理基板として半導体ウエハを適用した場合について示したが、これに限るものではなく、例えば液晶表示装置用ガラス基板に代表されるフラットパネル表示装置用基板等、他の基板にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に係るシリル化装置を示す概略構成図。
【図2】図1のガス処理装置の制御部の構成を示すブロック図。
【図3】図1のシリル化装置によりシリル化処理を行う際の処理シーケンスを示す図。
【図4】排気も含めたシリル化処理のシーケンス例を示す図。
【図5】図1のガス処理装置の変形例の要部を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1;シリル化装置(ガス処理装置)
2;チャンバ
3;下部容器
4;蓋体
5;ホットプレート
6;ヒータ
9;シリル化剤供給配管(接続配管)
11;チャンバ排気管
12;真空ポンプ
13;圧力センサ(チャンバ圧力センサ)
14,16,23,26,30;開閉バルブ
15;バイパス配管
17,24,27,29;ニードルバルブ
20;シリル化剤貯留タンク(原料貯留容器)
22;圧力センサ(容器圧力センサ)
25;タンク排気管
28;パージガス配管
40;制御部
41;コントローラ
42;ユーザーインターフェース
43;記憶部(記憶媒体)
W;半導体ウエハ(被処理基板)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体原料を気化させて生成された処理ガスにより被処理基板にガス処理を施すガス処理装置であって、
前記液体原料を貯留する原料貯留容器と、
被処理基板が収容され、前記処理ガスの雰囲気が形成されるチャンバと、
前記原料貯留容器を真空排気する容器排気機構と、
前記チャンバを真空排気するチャンバ排気機構と、
前記原料貯留容器と前記チャンバとを接続する接続配管と、
前記接続配管に設けられた開閉バルブと、
前記原料貯留容器内の圧力を検出する容器圧力センサと、
前記チャンバ内の圧力を検出するチャンバ圧力センサと、
前記容器排気機構、前記チャンバ排気機構、および前記開閉バルブを制御する制御機構と
を具備し、
前記制御機構は、
前記容器排気機構により前記原料貯留容器を真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記原料貯留容器を密閉状態とし、前記原料貯留容器内の真空圧により、前記原料貯留容器内を液体原料が気化して形成された前記処理ガスの雰囲気とする第1の操作と、
前記チャンバ内に被処理基板を収容させた状態で、前記チャンバ排気機構により前記チャンバを真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記チャンバ内を密閉状態とする第2の操作と、
前記開閉バルブを開成し、前記原料貯留容器から前記処理ガスを前記チャンバに流入させる第3の操作と、
前記チャンバ内の圧力が前記真空圧よりも高く、前記液体原料の蒸気圧よりも低い処理圧になった時点で前記開閉バルブを閉成し、前記処理圧の処理ガス雰囲気とする第4の操作とを含むシーケンスで制御することを特徴とするガス処理装置。
【請求項2】
前記容器排気機構は、前記原料貯留容器に接続された容器排気管と、前記容器排気管に設けられた開閉バルブと、前記容器排気管に接続された真空ポンプとを有し、前記チャンバ排気機構は、前記チャンバに接続されたチャンバ排気管と、前記チャンバ排気管に設けられた開閉バルブと、前記チャンバ排気管に接続された真空ポンプとを有し、
前記容器排気機構および前記チャンバ排気機構は、前記真空ポンプを作動させた状態で、前記開閉バルブを開成することにより真空排気を行い、前記開閉バルブを閉成することにより前記原料貯留容器内および前記チャンバ内を密閉状態とすることを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。
【請求項3】
前記容器排気機構と前記チャンバ排気機構とは共通の真空ポンプを有することを特徴とする請求項2に記載のガス処理装置。
【請求項4】
前記容器排気管には、前記開閉バルブの下流側にニードルバルブが設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のガス処理装置。
【請求項5】
前記チャンバ排気機構は、前記開閉バルブをバイパスするバイパス配管を有し、前記バイパス配管には、開閉バルブと、その下流側に設けられたニードルバルブとを有することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項6】
前記原料貯留容器は、前記処理ガスが前記チャンバに供給されて、前記接続配管に設けられた開閉バルブが閉成された後、貯留された液体原料の気化によりその中の圧力が上昇した状態となり、次の被処理基板の処理は、前記制御機構が、前記第2の操作以降、同様の操作で制御することにより行われることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項7】
前記制御機構が、前記第2の操作以降の操作を繰り返すことにより連続的に複数の被処理基板に対してガス処理を施すように制御することを特徴とする請求項6に記載のガス処理装置。
【請求項8】
前記液体原料はシリル化剤であり、前記ガス処理は被処理体に対するシリル化処理であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガス処理装置。
【請求項9】
液体原料を貯留する原料貯留容器と、被処理基板が収容され、前記処理ガスの雰囲気が形成されるチャンバと、これらを接続する接続配管と、前記接続配管を開閉する開閉バルブとを有するガス処理装置を用いて、前記液体原料を気化させて生成された処理ガスにより被処理基板にガス処理を施すガス処理方法であって、
前記原料貯留容器を真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記原料貯留容器を密閉状態とし、前記原料貯留容器内の真空圧により、前記原料貯留容器内を液体原料が気化して形成された前記処理ガスの雰囲気とする第1の工程と、
前記チャンバ内に被処理基板を収容させた状態で、前記チャンバを真空排気して所定の真空圧とした後、排気を停止して前記チャンバ内を密閉状態とする第2の工程と、
前記開閉バルブを開成し、前記原料貯留容器から前記処理ガスを前記チャンバに流入させる第3の工程と、
前記チャンバ内が前記真空圧よりも高く、前記液体原料の蒸気圧よりも低い処理圧になった時点で前記開閉バルブを閉成し、前記処理圧の処理ガス雰囲気とする第4の工程と
を有し、
前記処理圧の処理ガス雰囲気の前記チャンバ内で被処理基板にガス処理が施されることを特徴とするガス処理方法。
【請求項10】
前記処理ガスが前記チャンバに供給されて、前記接続配管に設けられた開閉バルブが閉成された後、貯留された液体原料の気化により前記原料貯留容器内の圧力が上昇した状態となり、次の被処理基板の処理は、前記第2工程以降、同様の工程により行われることを特徴とする請求項9に記載のガス処理方法。
【請求項11】
前記第2の工程以降の工程を繰り返すことにより連続的に複数の被処理基板に対してガス処理を施すことを特徴とする請求項10に記載のガス処理方法。
【請求項12】
前記液体原料はシリル化剤であり、前記ガス処理は被処理体に対するシリル化処理であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載のガス処理方法。
【請求項13】
コンピュータ上で動作し、液体原料を貯留する原料貯留容器と、被処理基板が収容され、前記処理ガスの雰囲気が形成されるチャンバと、これらを接続する接続配管と、前記接続配管を開閉する開閉バルブとを有するガス処理装置を制御するためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムは、実行時に、請求項9から請求項12のいずれかのガス処理方法が行われるようにコンピュータに処理装置を制御させることを特徴とする記憶媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−59483(P2010−59483A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226371(P2008−226371)
【出願日】平成20年9月3日(2008.9.3)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】