説明

コスト的に有効な低ノイズの単一ループシンセサイザー

低コストで低位相ノイズのマイクロ波シンセサイザーは、DDS変調回路と位相ロックループを含む。DDS変調回路はDDSの出力を高周波数に変調する。位相ロックループはDDS出力をダウンコンバートし、ダウンコンバート信号を比較的低周波数の固定されたリファレンスにロックする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、全般的にエレクトロニクス用自動試験設備(ATE)に関し、より特定には、マイクロ波およびRF回路を試験するための低ノイズで高周波数の周期的信号の合成に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、ポケットベル、ワイヤレス個人データアシスタント(PDAs)のような消費者製品のための高周波数電子デバイスの改良は、改良された電子試験の必要を生じていた。同時に、製品製造者には試験コストを低減するようにプレッシャーが懸けられていた。
【0003】
高周波数電子デバイスの試験における重要なコンポーネントは、マイクロ波シンセサイザーである。知られているように、「シンセサイザー」は可変周波数の試験信号を生成する電子器具である。試験信号は一般に低いノイズをもった単一周波数「トーン」である。近代的シンセサイザーは、周波数の広帯域に渡る高周波数分解能をそれらに付与するプログラム可能エレクトロニクスを含む。「マイクロ波シンセサイザー」は、マイクロ波周波数帯、即ち1ギガヘルツ(10)またはそれ以上近傍の、出力信号を作成するシンセサイザーである。
【0004】
高周波数デバイスのための試験の一般的タイプは、デバイスが発生する電子ノイズの測定を含む。このタイプの試験を行うには、試験下のデバイスあるいは「DUT」は、試験システムあるいは「デスター」に接続される。テスターは一般に電力供給源、マイクロ波シンセサイザー、およびサンプリング器具を含む。試験プログラムの制御下で、テスターは電力供給源を稼動してDUTにパワーを印加して、シンセサイザーが入力信号をDUTに印加できるようにし、サンプリング器具がDUTからの出力信号を測定できるようにする。出力信号上のノイズがそれから測定され、測定されたノイズは試験制限と比較されて、DUTのノイズ性能が試験制限内であるかどうかを決定する。
【0005】
多くの高周波数デバイスにとって、DUTからの出力信号は一般にDUTに印加された入力信号の関数である。例えば、もし入力信号が周波数FINを有していれば、出力も一般に周波数FINまたはその倍数を有する。厳密な入出力関係は、試験されているデバイスのタイプに依るが、入力と出力の間の何らかの数的関係がほぼ常に存在する。これがそうであるため、シンセサイザーによって発生されたあらゆるノイズは出力信号において現れ得る。測定されているノイズがDUTによって発生されたのかシンセサイザーによって注入されたのかがはっきりしないために、このノイズはDUTのあらゆるノイズ測定における不確定性を作り出す。
【0006】
従って、シンセサイザーのノイズは最も重要な仕様である。このノイズを低減することにより、測定の不確定性がそれに応じて低減され、試験の品質が向上される。
【0007】
多くの電子デバイスは何らかの類の位相変調方式を採用するので、シンセサイザーが低い位相ノイズを発生することが特に決定的である。知られているように、「位相ノイズ」は、デバイスによって作成された信号の位相における変動を指す。位相ノイズは、代替的にタイミングジッターとして見ることができる。
【0008】
試験システム開発者は、低い位相ノイズをもったマイクロ波シンセサイザーを開発することを模索してきた。彼らの努力はしばしば、調和して動作する複数の調節可能な位相ロックループ回路からなるシンセサイザーを開発することを必要としていた。
【0009】
図1は、従来のマルチループシンセサイザー100の例を示す。シンセサイザー100は3つのループをもったシンセサイザーを示すが、対象とする応用の必要に応じて、マルチループデザインはより多いかまたは少ない数のループを含んでも良いことは理解されるべきである。
【0010】
図1のマルチループシンセサイザー100では、メイン位相ロックループ102がベースバンド入力信号(ベースバンド入力)を受け取り、マイクロ波出力信号(RFOUT)を作成する。メイン位相ロックループ102は、その前方経路に、位相比較器110、ループフィルタ/増幅器112、およびVCO(電圧制御発振器)114を含み、その後方経路に一連のミキサ116/120およびフィルタ/増幅器118/122を含む。
【0011】
追加の位相ロックループ104と106が、追加の高周波数信号を生成するのに設けられる。位相ロックループ104と106は各々、位相比較器134/154、ループフィルタ/増幅器136/156、VCO138/158、およびフィードバックデバイダ140/160を含む。入力デバイダ132/152が、それぞれクロック源130からの入力信号を分割するのに設けられる。
【0012】
位相ロックループ104と106の出力は、メインループ102中のミキサ116と120に結合される。ミキサ116と120は順次RFOUTをダウンコンバートして、はるかに低い周波数のフィードバック信号を作成する。位相検出器110は、比較的低周波数のフィードバック信号をベースバンド入力と比較し、ループ102の動作は、フィードバック信号をベースバンド入力に等しい周波数に強制する傾向がある。
【0013】
所望の出力周波数RFOUTをプログラムするには、粗調節および微調節の両方が行われる。ループ104と106のデバイダ132、152、140、160は、粗い出力周波数を確立するように調節される。ベースバンド入力は、例えばダイレクトデジタル合成デバイス(DDS)をプログラムすることによって、デバイダによってなされた粗い周波数設定の間に同調するように調節される。
【0014】
マルチループシンセサイザー100の多くのデザイン特徴は、低い位相ノイズを助長する。例えば、クロック源130は、クリスタル発振器のような、一般に低ノイズで固定周波数のリファレンスである。フィルタ/増幅器136と156は一般に、メインループ102のミキサ116と120に注入されるノイズを低減するために、長い時間定数を有する。メインループ102は一般に、ノイズ増幅を低減する傾向のある周波数分割をもたない。
【0015】
マルチループデザイン100の顕著な利点はしかし、コストを伴ってもたらされる。回路の部品カウントは高く、多くのフィルタが要求される。これらのフィルタは高価であり、大量のスペースを占める。加えて、マルチループシンセサイザー100は相互作用する複数のフィードバック回路を含むので、シンセサイザー100の整定時間はときどき予測するのが難しい。
【0016】
必要であるのは、低位相ノイズをもち、予測可能な整定特性をもち、マルチループデザインよりも低いコストで造ることができる、マイクロ波シンセサイザーである。
【発明の概要】
【0017】
発明の一実施形態に従うと、マイクロ波シンセサイザーは、参照周波数を生成する参照発振器と、変調DDS信号を生成するDDS変調回路と、参照発振器およびDDS変調回路に結合され、可変周波数出力信号を生成する位相ロックループ回路と、を含む。位相ロックループ回路は、参照発振器に結合された第一の入力と、フィードバック信号を受け取る第二の入力と、出力と、を有する位相比較回路を含む。位相ロックループ回路は更に、 位相比較回路の出力に結合された制御入力と、可変周波数出力信号を生成する出力と、を有する制御可能発振器を含む。加えて、位相ロックループ回路は、DDS変調回路に結合された第一の入力と、制御可能発振器の出力に結合された第二の入力と、位相比較回路の第二の入力に結合された出力と、を有するミキサ回路を含む。
【0018】
発明の別の実施形態に従うと、マイクロ波シンセサイザーは、参照周波数を受け取る第一の入力と、フィードバック信号を受け取る第二の入力と、出力と、を有する位相比較回路を含む。また、位相比較回路の出力に結合された制御入力と、可変周波数出力信号を生成する出力と、を有する制御可能発振器も含まれる。さらに、制御可能発振器の出力に結合された入力と、分割信号を提供する出力と、を有するプログラム可能デバイダも含まれる。マイクロ波シンセサイザーは更にまた、変調信号を受け取るように適応された第一の入力と、プログラム可能デバイダの出力に結合された第二の入力と、位相比較回路の第二の入力に結合されフィードバック信号を提供する出力と、を有するミキサ回路を含む。
【0019】
発明の更なる実施形態に従うと、マイクロ波シンセサイザーは、参照周波数を生成する参照発振器を含む。マイクロ波シンセサイザーは、参照発振器に結合され、各々が参照周波数の異なる倍数においてそれぞれの出力信号を生成する、複数の周波数逓倍部を含む。更に、複数の周波数逓倍部に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周波数と第一の位相を有する第一のDDS信号を生成する出力と、を有する第一のDDS部が含まれる。加えて、マイクロ波シンセサイザーは、複数の周波数逓倍部に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周波数と第一の位相とは異なる第二の位相を有する第二のDDS信号を生成する出力と、を有する第二のDDS部を含む。直角位相ミキサ回路は、第一および第二のDDS回路の出力にそれぞれ結合された第一および第二の入力と、複数の周波数逓倍部に結合された第三の入力と、出力と、を有する。マイクロ波シンセサイザーは更に、参照発振器に結合された第一の入力と、直角位相ミキサ回路の出力に結合された第二の入力と、可変周波数出力信号を提供する出力と、を有する位相ロックループ回路を含む。
【0020】
発明の新規な特徴は、後に続く記載と図面の考察から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、従来技術によるマルチループマイクロ波シンセサイザーの簡略化された概要である。
【図2】図2は、発明の実施形態によるマイクロ波シンセサイザーの簡略化された概要である。
【図3】図3は、図2のシンセサイザーで使うことができる、周波数参照源の実施形態の概要である。
【図4】図4は、図2のシンセサイザーで使うことができる、高周波数ローカル発振器(LO)を生成する回路の実施形態の概要である。
【図5】図5は、図2のシンセサイザーで使うことができる、直角位相DDS信号を生成するDDS回路の実施形態の概要である。
【図6】図6は、図5に示す直角位相DDS信号を受け取る、単一サイドバンドアップコンバータの実施形態の概要である。
【図7】図7は、図2に示すメインPLL回路の実施形態の概要である。
【図8】図8は、図2のシンセサイザーをプログラムするプロセスを示すフローチャートである。
【図9】図9は、図2の回路において2つのDDS値の間の値に対応する周波数を出力するための2つのDDS値をディザーするプロセスを示すフローチャートである。
【図10】図10は、図5に示す直角位相DDSと共に構成されたときの、図2のシンセサイザーをカリブレートするプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この文書を通じて使われるように、「からなる」、「含む」、「有する」といった言葉は、ある物のいくつかの項目、ステップ、要素または側面を限定的でない形で述べることを意図されている。これに反する特定の記述がなされない限り、これらの言葉は、追加の物事を付け加えることができない限定されたリストを示すものではない。
【0023】
図2は、発明の描写的実施形態によるマイクロ波シンセサイザー200を示す。マイクロ波シンセサイザー200は、参照発振器210、DDS変調回路212、位相ロックループ回路214、出力調整回路216、およびコントローラ260を含む。コントローラ260は、DDS変調回路212、位相ロックループ回路214、および出力調整回路216に入力を提供し、それらからの出力を受け取って、これらの回路を制御し、オプションでこれらの回路から情報を読み戻す。
【0024】
DDS変調回路212は好ましくは、複数のローカル発振器220a−220nを含む。各ローカル発振器は好ましくは、参照発振器210に結合された入力と、その周波数が参照周波数の倍数である信号を提供するための出力を有する。異なるローカル発振器220a−220nの出力周波数は好ましくは互いに異なる。ローカル発振器220a−220nはセレクタ222と224のペアの入力に結合される。各セレクタ222/224は好ましくは、「n」個のローカル発振器の各々に一つずつ、「n」個の入力をもつ。各セレクタは、コントローラ260の制御下で、その「n」個の入力における信号の一つをその出力に伝えるように構成されている。セレクタ222は周波数デバイダ226に結合された出力を有し、周波数デバイダ226はDDS回路228のクロック入力に接続された出力、DDS CLK、を有する。DDS回路218は、ミキサ230の第一の入力に結合された出力、DDS OUT、を有する。セレクタ224は、ミキサ230の第二の入力に結合された出力(LO)を有する。セレクタ222と224は好ましくは、RFスイッチによって実装される。選択可能フィルタ232がオプションでミキサ230の出力に結合される。フィルタ232は好ましくはローパスフィルタまたはハイパスフィルタのどちらかとして構成可能である。フィルタ232の出力は、変調されたDDS信号、DDS MOD、を位相ロックループ回路214に伝える。
【0025】
位相ロックループ回路214は、位相比較器240、ループフィルタ242、および制御可能発振器244を含む。クロスオーバースイッチ238が好ましくは位相比較器240の入力において設けられる。クロスオーバースイッチは、参照発振器に結合された第一の入力とフィードバック信号を受け取るための第二の入力を有する。それはまた位相比較器240の第一および第二の入力に結合された2つの出力を有する。クロスオーバースイッチ238は、入力が直接出力に通過させられる(入力1から出力1へ、入力2から出力2へ)通過モードと、入力がクロスされる(入力1から出力2へ、入力2から出力1へ)クロスオーバーモード、の2つのモードを有する。クロスオーバースイッチ238は、個別の要素として設けられても良く、また位相比較器240と一体化されても良い。
【0026】
クロスオーバースイッチ238は、位相比較器240の極性が反転されることを許容する。この能力は、シンセサイザー200にロッキングのためのより大きな柔軟性をもたらす。
【0027】
位相ロックループ回路214はまた、プログラム可能デバイダ246、ミキサ248、およびローパスフィルタ250を含む。プログラム可能デバイダ246は、制御可能発振器244の出力に結合された入力と、ミキサ248の第一の入力に結合された出力を有する。ミキサ248は、DDS MODを受け取るための、DDS変調回路に結合された第二の入力を有する。ミキサ248は、ローパスフィルタ250に結合された出力を有し、ローパスフィルタ250はクロスオーバースイッチ238の第二の入力に結合された出力を有する。
【0028】
位相ロックループ回路214の出力、PLL OUTは、出力調整回路216に結合される。出力調整回路は、一つ以上のプログラム可能デバイダ252とフィルタバンク254を含む。
【0029】
マイクロ波シンセサイザー200は好ましくは、参照発信機210に同期して動作する。DDS変調回路212内では、ローカル発振器220a−220nの各々が参照発振器210からの参照周波数FREFを受け取り、その周波数が参照周波数の倍数である出力信号を作成する。セレクタ222は、デバイダ226への入力のためにローカル発振器220a−220nの一つからの出力信号を選択するように動作される。同様に、セレクタ224は、ミキサ230への入力のためにローカル発振器の一つの出力であるその出力信号を選択するように動作される。
【0030】
セレクタ222/224とデバイダ226が所望の値に設定されると、DDS回路228は所望の周波数でDDS OUTを作成するようにプログラムされる。ミキサ230はDDS OUTをセレクタ224からのLOと混合する。ミキサの出力の周波数内容は従って一般に、キャリア成分LOと、DDS OUTの周波数によってキャリアからオフセットされた上および下サイドバンドを含む。選択可能フィルタ232は好ましくは、ミキサ230の出力をフィルタして上サイドバンドまたは下サイドバンドのどちらかを選択してDDS MODを作り出し、それはそれから位相ロックループ回路214に渡される。
【0031】
位相ロックループ回路214内では、制御可能発振器244の出力、PLL OUT、がマイクロ波レンジの周波数を提供する。プログラム可能デバイダ246は、それらの周波数を低減し、ミキサ248は、デバイダ246の出力をダウンコンバートする。ミキサ248に出力は従って一般に、DDS MODの周波数によってオフセットされたサイドバンドをもつ分割されたPLL OUT周波数を含む。ローパスフィルタ250は、ミキサ230と248によって作成されたより高い混合プロダクトをフィルタする。ローパスフィルタ250はフィードバック信号を提供するので、ループの負のフィードバックはミキサ248の下サイドバンドを参照周波数FREFへと駆動する傾向があり、従ってPLL OUTを所定のマイクロ波周波数へと駆動する傾向がある。PLL OUTの周波数はそれから望まれるように分割されフィルタされて、任意のより低い周波数を作成する。
【0032】
代数的には、DDS MODは、フィルタ232の設定に依って、(LO+DDS OUT)または(LO−DDS OUT)として表すことができる。もしプログラム可能デバイダ246がDの分割ファクターを有し、クロスオーバースイッチ238がその通過モードに構成されていれば、位相比較器240がロックするサイドバンドは、
(PLL OUT)/D−(LO+DDS OUT)または
(PLL OUT)/D−(LO−DDS OUT)
のどちらかの周波数を有する。
【0033】
クロスオーバースイッチ238は、シンセサイザーがDDS MODよりも低い周波数において(PLL OUT)/Dを作成するようにプリチューンされて構成されているときに、ループが負のフィードバックを維持してロックすることを許容する。クロスオーバースイッチ238をそのクロスオーバーモードに構成することによって、位相比較器240がロックするサイドバンドは以下の追加の周波数を有する。
【0034】
(LO+DDS OUT)−(PLL OUT)/Dおよび
(LO−DDS OUT)−(PLL OUT)/D
フィードバックは、上記の表現の各々を参照周波数に等しくなるように強制するので、PLL OUTについて解いて、次の4つの可能性を作り出すことができる。
【0035】
PLL OUT=D*(LO+DDS OUT+FREF)
PLL OUT=D*(LO−DDS OUT+FREF)
PLL OUT=D*(LO+DDS OUT−FREF)または
PLL OUT=D*(LO−DDS OUT−FREF)
D、FREF、LO、DDS OUTの値の適切な選択がPLL OUTについて幅広い周波数レンジを作り出すことができるのは明らかであり、これはマイクロ波シンセサイザー200の幅広い周波数レンジに結果としてなる。
【0036】
図3は、参照発振器210の描写的実施形態を示す。発振器は、システムクロックから駆動された位相ロックループを含む。位相ロックループは、位相−周波数検出器310、ループフィルタ312、および制御可能発振器314を含む。知られているように、位相−周波数検出器はその入力信号間の位相とともに周波数におけるミスマッチも検出することができる位相検出器の一種である。位相−周波数検出器310は、システムクロックを受け取る第一の入力と、制御可能発振器314からのフィードバック信号を提供する第二の入力を有する。位相ロックループは従ってシステムクロックのフィルタされ浄化されたバージョンを提供する。
【0037】
システムクロックは好ましくは、同期動作のためにATEシステム中の異なる設備に分配された信号である。それはデジタルクロックまたはアナログクロックであっても良い。厳密な周波数は決定的ではない。ループフィルタ312は好ましくは、ループ内の位相ノイズを強くフィルタするために非常に低い帯域幅を有する。制御可能発振器314は好ましくは、低コストのセラミック共振器のような、電圧制御のクリスタル発振器である。
【0038】
図4は、ローカル発振器(220a−220nのいずれか)の描写的実施形態を示す。単一の発振器だけが示されるが、回路トポロジーは発振器220a−220nの各々を代表するものである。ローカル発振器はフィルタされたクロック信号FREFを受け取り、その周波数がFREFの倍数である出力信号を作成する。ローカル発振器は位相ロックループとして構築されているが、従来の位相検出器または位相−周波数検出器の代わりにサンプリング位相検出器410が使われている。知られているように、サンプリング位相検出器はショットキーダイオードペアミキサに容量的に結合されたステップリカバリダイオードを採用する。ステップリカバリダイオードは入力参照信号(ここではFREF)の高調波を生成し、ショットキーダイオードペアは位相検出器として働く。サンプリング位相検出器は、高調波に選択的にロックすることができ、位相ロックループにフィードバックデバイダを必要とすることなく入力リファレンスの周波数逓倍を達成することを可能とする。知られているように、サンプリング位相検出器に基づく位相ロックループにおいてフィードバックデバイダを排除することは、デバイダのノイズ貢献を避けるのみならず、位相検出器ノイズの逓倍も避ける。ローカル発振器220a−220nにおいてデバイダを避けることは従って、性能を向上する。サンプリング位相検出器410の代わりに、櫛型ジェネレータループを使うことができる。
【0039】
図5および6は、DDS回路228とミキサ230の実施形態を示す。この実施形態は、その低いコスト、柔軟性、シンセサイザー200における一体化の単純さのために、特に好まれる。この実施形態は、信号を解析的に、即ち直角位相で、処理することへの電気通信業界における動向を利用する。知られているように、「直角位相」信号は、あらゆる周波数を90度位相シフトされた正弦波のペアとして表す。一つの正弦波はインフェーズまたは「I」であり、他のものは直角位相または「Q」である。
【0040】
図5は直角位相DDS回路を示す。直角位相DDS回路は、DDS部のペア−I信号を提供するための一つと、Q信号を提供するための一つ、を含む。各DDS部は好ましくは、位相−振幅コンバータ514/544、DAC(デジタル−アナログコンバータ)516/546、ローパスフィルタ518/548、および出力バッファ520/550を含む。経済性のために、いくつかの要素はDDS部の間で共有することができ、複製されなくてもよい。例えば、単一の位相レジスタ510、加算器512、周波数レジスタ540、およびアキュミュレータ542だけを設ける必要がある。
【0041】
直角位相DDS回路を動作させるには、コントローラ260が位相レジスタ510と周波数レジスタ540を値でもってプログラムする。DDS CLKの各サイクルがくると、アキュミュレータ542は周波数レジスタ540の内容をその既に格納された値に加算して、位相に相当している増加するデジタル出力値を作成する。この出力は位相−振幅コンバータ514/544に提供され、それは増加する位相値をデジタル振幅値に変換する。DAC516/546はそれからデジタル振幅値をアナログレベルに変換する。フィルタ518/548はそれらのレベルを平滑化し、バッファ520/550はIおよびQ信号を出力する。IおよびQの出力周波数は、周波数レジスタ540に格納された値を変化させることによって変化されられる。
【0042】
位相レジスタ510と加算器512は、I出力の位相がQ出力の位相に対してオフセットされることを許容する。位相レジスタ510を90度に相当するデジタル値にプログラムすることによって、90度の位相差がIとQの間に確立される。同様に、位相レジスタをマイナス90度にプログラムすることによって、−90度の位相差がIとQの間に確立される。
【0043】
直角位相DDS回路はまた、IとQの中および間のエラーを除去するためのメカニズムを提供する。位相エラーは、位相レジスタ510に格納された値を調節することによって訂正することができる。DAC中のゲインおよびオフセットエラーは、コントローラ260によって提供されるアナログ調節を使って訂正することができる。直角位相DDS回路は好ましくは、モノリシックDDSチップのペアまたはデュアルコアモノリシックDDSによって実装される。
【0044】
図6は、直角位相ミキサの形でのミキサ230の好ましい実装を示す。直角位相ミキサは好ましくは、位相スプリッタ610、第一と第二のミキサ612と614、加算器616、および出力バッファ618を含む。位相スプリッタ610は、セレクタ224からLO信号を受け取り、LO信号の2つのバージョンを出力する。各バージョンはLO信号と同じ周波数を有するが、それらの一つは他のものに対して90度遅延されている。第一のミキサ612はシフトされていないバージョンのLOをI信号と混合し、第二のミキサ614はシフトされたバージョンのLOをQ信号と混合する。加算器616はミキサ612と614の出力を組み合わせて、インフェーズ(I)成分が加算され直行位相成分(Q)が排除された出力信号を作り出す。加算器616の出力は従って、LOとDDS出力周波数DDS OUTの和または差のどちらかである周波数を有する。他の混合プロダクトはフィルタリングを必要とせずに抑制される。所望の和または差信号は、IとQの位相を反転することによって変更することができる。従って、直角位相ミキサは、単に位相レジスタ510をプラス90度またはマイナス90度のどちらかにプログラムすることによって、LO+DDS OUTまたはLO−DDS OUTのどちらかを出力するようにされることができる。
【0045】
図6に示す直角位相ミキサはまた、単一サイドバンドアップコンバータとしても知られている。単一サイドバンドアップコンバータはマイクロ波および電気通信の分野でよく知られている。この応用で単一サイドバンドアップコンバータを使うことの利点は、それが位相ロックループ回路214への通路のための所望のサイドバンド(と従って所望の周波数レンジ)を選択する簡単なやり方を提供することである。それはまたフィルタリングの必要を顕著に低減する。単一サイドバンドアップコンバータが使われたときには、図2からの選択可能フィルタ232は一般的に排除することができる。
【0046】
図7は、位相ロックループ回路214の実施形態を示す。位相比較器240が位相−周波数検出器740でもって実装されていることを見ることができる。制御可能発振器244はYIG発振器でもって実装される。デバイダ246はプログラム可能RFプリスケーラ746でもって実装される。ミキサ748とローパスフィルタ750は、図2のミキサ248とフィルタ250と同様である。
【0047】
位相−周波数検出器(PFD)740は、図7の位相ロックループが比較的広い周波数レンジを取得しそれに渡ってロックすることを許容し、YIG発振器のプリチューニングの必要を緩和する。PFDは比較的低い周波数(名目上100MHz)で動作される。廉価で低ノイズのモノリシックPFDは、この周波数における使用のために商業的に入手可能である。
【0048】
YIG発振器744は好ましくは粗同調および微同調(FM)入力の両方を有する。粗同調入力は好ましくはコントローラ260内のアナログ回路によって制御される一方、微同調入力は好ましくはロッキングのためのループフィルタ/増幅器742に結合される。
【0049】
図7の位相ロックループ回路は好ましくは、PFD740に提供されたフィードバック信号をサンプリングするサンプリング回路を含む。サンプリング回路は、スイッチ736、ADC(アナログ−デジタルコンバータ)752、捕捉メモリ754、およびDFT(デジタルフーリエ変換)部756を含む。カリブレーション動作中には、スイッチ736は閉じられ、ADC752がフィードバック信号のサンプルを取得するようにされる。これらのサンプルは捕捉メモリ754に保持され、格納されたサンプル上で離散フーリエ変換が行われる。結果は分析のためにコントローラ260に送ることができる。この能力は、位相ロックループ回路のノイズが直接測定されて出来れば調節されることを許容する。
【0050】
ここに記載されたマイクロ波シンセサイザー200の実装詳細は、発明の範囲内で実質的に変形されることができる。しかし特定の好ましい実施形態では、FREFの値は名目上100MHzである。ローカル発振器220a−220nの数「n」は2である。第一のローカル発振器は1.8GHzを発生し、第二のローカル発振器は2.0GHzを発生する。好ましい利用可能なDDS部との整合性のために、デバイダ226のデバイダ値Mは好ましくは2である。従って、DDS CLKの値は、900MHzまたは1.0GHzのどちらかに構成されることができる。DDS部は好ましくは100MHzと300MHzの間のレンジで同調可能であり、DDS MODを1.5GHzと2.3GHzの間でギャップなしで可変にする。YIG発振器744は好ましくは、6.4と12.8GHzの間の同調レンジに渡って動作され、プログラム可能RFプリスケーラは好ましくは4、5または6の分割比を提供する。小さな分割比は、DDS MODのフルレンジに渡ってループのフィードバック要求を満たしたままで、ノイズが低く抑えられていることを確かなものとする。
【0051】
シンセサイザー200に使われる多くの部品は在庫で商業的に入手可能である。好適な位相−周波数検出器は、Chelmsford, MAのHittite MicrowaveとPhoenix, AZのON Semiconductorの両方から入手可能である。サンプリング位相検出器は、Londonderry, NHのMicroMetricsとSunnyvale, CAのAeroflex/Metelicsから入手可能である。好適なDDS回路は、Norwood, MAのAnalog Devicesから取得することができる。単一サイドバンドアップコンバータは、Analog DevicesとSunnyvale, CAのMaxim Integrated ProductsとDallas, TXのTexas InstrumentsとMilpitas, CAのLinear Technologyから購入することができる。
【0052】
図8は、マイクロ波シンセサイザー200をプログラムして所望の出力周波数を提供するためのプロセスを示す。ステップは示された順番で行われる必要はない。ステップ810では、シンセサイザーは、ユーザから直接またはシンセサイザーにアクセスしている試験プログラムから所望の出力周波数を受け付ける。ステップ812では、一つ以上のローカル発振器が選択される。柔軟性のために、DDS CLKとLOを提供するためのローカル発振器220a−220nは、好ましくは別々に選択される。ステップ814では、単一サイドバンドアップコンバータからサイドバンドが選択される。これは一般的には、位相レジスタ510の位相をプラスまたはマイナス90度のどちらかにプログラムし、クロスオーバースイッチ738を通過またはクロスオーバーモードのどちらかに構成することによって達成される。ステップ816では、DDS周波数がプログラムされる。出力デバイダとフィルタはステップ820で構成され、YIG発振器744は期待されるレンジ内の周波数を出力するようにステップ822でプリチューンされる。
【0053】
ローカル発振器220a−220nと、上または下サイドバンドと、プリスケーラ値の選択は、主に2つのファクターに基づいてなされる。第一のファクターは、所望の出力周波数を達成する能力である。全ての構成が全ての所望の周波数を達成できるわけではない。第二のファクターは、スプリアスノイズの最小化である。シンセサイザー200の利点は、多くの場合において、同じ出力周波数を達成するための異なる構成があることである。それらの場合には、最も低いノイズ、特に最も低い位相ノイズ、を作り出す構成が好ましくは選択される。
【0054】
スプリアスノイズを最小化するようシンセサイザー200を構成する際に以下のガイドラインを使っても良い:
1. もしDDS OUTの周波数が、LO周波数の一つのサブハーモニックに近ければ、サブハーモニックがより遠く離れているLO周波数(例えば、900MHzまたは1GHz)を選択する;
2. もしSSBアップコンバータおよび/またはミキサ248からの高次混合プロダクトが、ミキサ248の出力において近接スパーを作り出せば、以下の一つを行う:
a)プリスケーラ246について異なる比を選ぶ。
【0055】
b)クロスオーバースイッチ238の極性を反転する、それは問題のあるスパーをバンド外に移動するかもしれない。
【0056】
c)もしa)もb)も実現可能でなければ、気に障るスパーを最小化するようフォーカスされたカリブレーションを実装する。カリブレーションは以下に図10との関連で記載される。
【0057】
3. もし同じシンセサイザー出力周波数について(近接スパーのない)複数の構成が存在すれば、最も低いDDS出力周波数を有する一つを選ぶ。
【0058】
図9は、出力周波数が直接プログラムできないときに、所望の出力周波数を生成するためにマイクロ波シンセサイザー200を使用するためのプロセスを示す。このプロセスの必要は、DDS回路の分解能が限られ、ときどき所望の値が直に隣接するDDSレベルによって作成された値の間になることから起きる。このプロセスによると、所望の周波数に近似する周波数を作り出す2つの直接プログラム可能な周波数値がディザーされる。位相ロックループ回路214のフィルタリング動作がディザーされた値を平均化して所望の周波数値を作成する。
【0059】
このプロセスは、以下のように行われる。ステップ910では、所望の出力周波数に近似のシンセサイザーからの第一の周波数値を作成するように、シンセサイザー200が構成されDDS回路がプログラムされる。第一の遅延間隔待機した後(ステップ912)、DDS回路がシンセサイザーからの第二の周波数値を作成するようにプログラムされる(ステップ914)。第二の周波数値もまた所望の出力周波数に近似するものであるが、第一の周波数値と比べて所望の値の反対側にある。第二の遅延間隔待機した後(ステップ916)、プロセスは、異なる値が交互にプログラムされて繰り返される。位相ロックループ回路214の動作により、出力周波数は第一および第二の周波数値の時間加重された平均に落ち着く。
【0060】
図10は、マイクロ波シンセサイザー200をカリブレートするためのプロセスを示す。図5に見られたように、直角位相DDS回路は、IおよびQ出力信号の間の位相差を調節するための規定と、DAC516と546のゲインと位相を調節するための規定を含む。図7に見られたように、位相ロックループ回路は、サンプリング回路(スイッチ736、ADC752、捕捉メモリ754、およびDFT部756)を含む。サンプリング回路は、位相ロックループ回路214のフィードバック信号中のノイズを測定するために使うことができる。カリブレーションプロセスによると、シンセサイザー200が既知の出力周波数を作成するようにプログラムされる(ステップ1010)。一旦出力周波数が安定化されると、スイッチ736が閉じられてサンプリング回路がフィードバック信号をサンプリングするようにされる(ステップ1012)。スプリアスノイズが測定されて検査される(ステップ1014)。ステップ1018では、DDS回路が測定されたスプリアスノイズを低減する試みとして調節される。スプリアスノイズの一つの源はIとQの間の位相エラーである。ノイズを最小化するのに、位相レジスタ510が調節され(ステップ1018)、測定が繰り返される。ノイズの受け入れ可能なレベルが達成されるまで、測定し、ノイズを検査し、位相を調節するプロセスが繰り返される。DAC516と546のゲインおよびオフセットエラーもスプリアスノイズに貢献する。このノイズは、DACのゲインおよび/またはオフセットを調節し、スプリアスノイズを測定することによって、同様のやり方で対処されても良い。DACはそれから、ノイズの受け入れ可能な(好ましくは最小の)レベルを作り出す調節でもって構成される。カリブレーションが完了したとき、スイッチ736は一般に開かれる。
【0061】
シンセサイザー200は、低コストと低位相ノイズの利点を供する。その単一ループデザインの簡潔さは、マルチループデザインと比較して必要なハードウェア量を削減する。その直角位相DDSと単一サインドバンドアップコンバータの使用は、複雑で高価なフィルタを必要とすることなく不要なサイドバンドを抑制する。直角位相DDSと単一サイドバンドアップコンバータを使用する際に、シンセサイザー200はまた、低コストで正確に直角位相デバイスを供給するという無線電気通信業界の現在の動向を利用する。シンセサイザー200は多くの競合するデザインよりも少ないパーツを要求するので、それはより小さい容積に構築することができる。好ましい実施形態では、シンセサイザー200は、ATEシステム内の高さ1.8cm未満の器具スロット中に収まる。加えて、DDS CLK選択、LO選択、上または下サイドバンド選択、YIG周波数、プリスケーラ値のようなシンセサイザー200の様々な設定は、しばしばあらゆる所望の出力周波数を作成するようにシンセサイザー200を構成するためにユーザに複数のチョイスを提供する。これらのチョイスは、ユーザが最善の可能なノイズ性能を与える構成を選択することを可能とする。
【0062】
一実施形態を記載したが、種々の代替的実施形態または変形を行うことができる。示されて記載されたように、DDS変調回路212はそのクロックリファレンスを参照発振器210から受け取る。しかしこれは単なる例にすぎない。代替的に、DDS変調回路は、それ自身のクロックリファレンスを有することができるか、別のソースからクロックリファレンスを受け取ることができる。
【0063】
示されて記載されたように、DDS変調回路212は、複数のローカル発振器が設けられている。これは厳格に要求されてはいない。代替的に、単一のローカル発振器を使うことができる。単一のローカル発振器は、固定された周波数の発振器であることができ、または複数の選択可能な周波数を提供することができる。
【0064】
発明の範囲から逸脱することなく、ここに記載された実施形態に形態および詳細の様々な変更を行っても良いということを、当業者は従って理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
参照周波数を生成する参照発振器と、
変調DDS信号を生成するDDS変調回路と、
参照発振器およびDDS変調回路に結合され、可変周波数出力信号を生成する位相ロックループ回路と、からなり、
位相ロックループ回路は、
参照発振器に結合された第一の入力と、フィードバック信号を受け取る第二の入力と、出力と、を有する位相比較回路と、
位相比較回路の出力に結合された制御入力と、可変周波数出力信号を生成する出力と、を有する制御可能発振器と、
DDS変調回路に結合された第一の入力と、制御可能発振器の出力に結合された第二の入力と、位相比較回路の第二の入力に結合された出力と、を有するミキサ回路と、を含む、
マイクロ波シンセサイザー。
【請求項2】
制御可能発振器の出力とミキサ回路の第二の入力の間に直列に結合されたプログラム可能デバイダ、から更になる請求項1記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項3】
プログラム可能デバイダは、プログラム可能比RFプリスケーラである、請求項2記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項4】
位相比較回路は、位相−周波数検出器からなる、請求項1記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項5】
位相比較回路は、位相検出器に直列に結合されたクロスオーバースイッチからなる、請求項1記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項6】
制御可能発振器は、YIG発振器からなる、請求項1記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項7】
ミキサ回路は第一のミキサ回路であり、DDS変調回路は、
ローカル発振器回路と、
ローカル発振器回路に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周波数の出力信号を提供する出力と、を有するDDS回路と、
DDS回路の出力に結合された第一の入力と、ローカル発振器回路に結合されたローカル発振器入力と、変調DDS信号を生成する出力と、を有する第二のミキサ回路と、からなる、
請求項1記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項8】
DDS回路は、
ローカル発振器回路に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周波数の出力信号を提供する出力と、を有する第一のDDS部と、
ローカル発振器回路に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周波数の出力信号を提供する出力と、を有する第二のDDS部と、からなり、
第二のミキサ回路は、第二のDDS部の出力に結合された第二の入力を更に有する直角位相ミキサ回路である、
請求項7記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項9】
第一および第二のDDS部の少なくとも一つは、位相について調節可能である、請求項8記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項10】
請求項9記載のマイクロ波シンセサイザーをカリブレートする方法であって、
第一および第二のDDS部をプログラムして、同じ周波数を有するそれぞれの出力信号を作成し、
A)フィードバック信号をサンプリングし、
B)フィードバック信号を分析してそのスプリアス内容を決定し、
C)第一および第二のDDS部の出力信号の間の位相を調節し、
D)他の位相よりもフィードバック信号中により低いレベルのスプリアス内容を作り出す位相を同定し、
E)同定された位相と実質的に等しい値に第一および第二のDDS部の間の位相をプログラムする、
ことからなる方法。
【請求項11】
直角位相ミキサ回路は、単一サイドバンドアップコンバータからなる、請求項8記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項12】
第一のミキサ回路の出力に結合され、フィードバック信号をサンプリングするサンプリング回路から更になる、請求項8記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項13】
第一および第二のDDS部の少なくとも一つは、ゲインについて調節可能である、請求項8記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項14】
第一および第二のDDS部の少なくとも一つは、オフセットについて調節可能である、請求項8記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項15】
ローカル発振器回路は、
各々が参照発振器に結合された入力を有し、各々が参照周波数の倍数である出力周波数を提供する出力を有する、複数の周波数逓倍部と、
各々が複数の周波数逓倍部の一つの出力と結合された複数の入力を有し、DDS回路に結合された出力を有する、第一のセレクタと、
各々が複数の周波数逓倍部の一つの出力と結合された複数の入力を有し、第二のミキサ回路に結合された出力を有する、第二のセレクタと、からなる、
請求項7記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項16】
請求項15記載のマイクロ波シンセサイザーをプログラムして、所望の周波数を達成する方法であって、
A)DDS回路に入力を提供する周波数逓倍部の一つを選択し、
B)第二のミキサ回路に入力を提供する周波数逓倍部の一つを選択し、
C)DDS回路をプログラムして、出力周波数を作成する、
ことからなる方法。
【請求項17】
請求項7記載のマイクロ波シンセサイザーをプログラムして、所望の周波数を達成する方法であって、
A)DDS回路をプログラムして、第一の周波数を有する信号を出力し、
B)第一の所定の時間間隔待ち、
C)DDS回路をプログラムして、第二の周波数を有する信号を出力し、
D)第二の所定の時間間隔待ち、
E)ステップA−Dを繰り返す、ことからなり、
位相ロックループ回路は帯域幅を有し、第一の所定の時間間隔と第二の所定の時間間隔の合計の逆数は帯域幅よりも大きい方法。
【請求項18】
参照周波数を受け取る第一の入力と、フィードバック信号を受け取る第二の入力と、出力と、を有する位相比較回路と、
位相比較回路の出力に結合された制御入力と、可変周波数出力信号を生成する出力と、を有する制御可能発振器と、
制御可能発振器の出力に結合された入力と、分割信号を提供する出力と、を有するプログラム可能デバイダと、
変調信号を受け取るように適応された第一の入力と、プログラム可能デバイダの出力に結合された第二の入力と、位相比較回路の第二の入力に結合されフィードバック信号を提供する出力と、を有するミキサ回路と、
からなるマイクロ波シンセサイザー。
【請求項19】
位相比較回路は、第一および第二の入力を有する位相−周波数検出器からなる、請求項18記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項20】
位相比較回路は、位相比較回路の第一および第二の入力に結合された第一および第二の入力と、位相−周波数検出器の第一および第二の入力に結合された第一および第二の出力とを有するクロスオーバースイッチからなる、請求項19記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項21】
ミキサ回路は第一のミキサ回路であり、DDS変調回路から更になり、DDS変調回路は、
参照周波数を受け取る入力を有する周波数逓倍回路と、
周波数逓倍回路に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周期的信号を提供する出力と、を有するDDS回路と、
DDS回路の出力に結合された第一の入力と、周波数逓倍回路に結合された第二の入力と、変調信号を提供する出力と、を有する第二のミキサ回路と、を含む、
請求項18記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項22】
周波数逓倍回路は、
各々が参照発振器を受け取る入力を有し、各々が参照周波数の倍数である出力周波数を提供する出力を有する、複数の周波数逓倍部と、
各々が複数の周波数逓倍部の一つの出力と結合された複数の入力を有し、DDS回路のクロック入力に結合された出力を有するセレクタと、からなる、
請求項21記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項23】
セレクタは第一のセレクタであり、周波数逓倍回路は更に、
各々が複数の周波数逓倍部の一つの出力と結合された複数の入力を有し、第二のミキサ回路の第二の入力に結合された出力を有する第二のセレクタと、からなる、
請求項22記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項24】
参照周波数を生成する参照発振器と、
参照発振器に結合され、各々が参照周波数の異なる倍数においてそれぞれの出力信号を生成する、複数の周波数逓倍部と、
複数の周波数逓倍部に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周波数と第一の位相を有する第一のDDS信号を生成する出力と、を有する第一のDDS部と、
複数の周波数逓倍部に結合されたクロック入力と、プログラム可能な周波数と第一の位相とは異なる第二の位相を有する第二のDDS信号を生成する出力と、を有する第二のDDS部と、
第一および第二のDDS回路の出力にそれぞれ結合された第一および第二の入力と、複数の周波数逓倍部に結合された第三の入力と、出力と、を有する直角位相ミキサ回路と、
参照発振器に結合された第一の入力と、直角位相ミキサ回路の出力に結合された第二の入力と、可変周波数出力信号を提供する出力と、を有する位相ロックループ回路と、
からなるマイクロ波シンセサイザー。
【請求項25】
位相ロックループ回路は、
参照発振器に結合される第一の入力と、フィードバック信号を受け取る第二の入力と、出力と、を有する位相比較回路と、
位相比較回路の出力に結合された制御入力と、可変周波数出力信号を生成する出力と、を有する制御可能発振器と、
制御可能発振器の出力に結合された入力と、分割信号を提供する出力と、を有するプログラム可能デバイダと、
直角位相ミキサ回路の出力に結合された第一の入力と、プログラム可能デバイダの出力に結合された第二の入力と、位相比較回路の第二の入力と結合されフィードバック信号を提供する出力と、を有するミキサ回路と、
からなる請求項24記載のマイクロ波シンセサイザー。
【請求項26】
ミキサ回路の出力に結合され、フィードバック信号をサンプリングするサンプリング回路から更になる、請求項25記載のマイクロ波シンセサイザー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−524406(P2010−524406A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−503201(P2010−503201)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/059878
【国際公開番号】WO2008/127972
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(502391840)テラダイン、 インコーポレイテッド (49)
【Fターム(参考)】