説明

コンテンツ配信システム及びコンテンツ配信方法

【課題】コンテンツデータをユーザー端末に配信する際に、配信時期と実行可能時期や、実行可能なエリア等をサービス提供側で制御することを可能とし、商品の販売促進を向上させたり、多様化する種々のサービスに対応する。
【解決手段】コンテンツデータの実行を許可する実行許可データを配信する実行規制部813と、所定エリア内に在圏するユーザー端末2との無線通信を確立する接続処理部811と、接続処理部811が確立した無線通信を通じて、コンテンツデータをユーザー端末に対して配信するコンテンツ配信サーバー82とがネットワーク上に配置され、ユーザー端末2は、コンテンツ配信サーバー82からコンテンツデータ又は実行許可データを受信するコンテンツ取得部25bと、コンテンツデータを実行するアプリケーション実行処理部25cと、コンテンツデータの実行に関する条件が満たされたか否かを判断する実行条件判定部25aとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テキストデータや画像、動画、オーディオなどのデータファイル、又はゲーム等の実行ファイルなどのコンテンツデータを、通信ネットワークを通じて、ユーザー端末に対して配信するコンテンツ配信システム及びコンテンツ配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年においては、インターネット等のIP網を通じて、コンテンツを配信する様々なサービスが展開されており、そのサービスによっては、ユーザーがどこにいるかを示す位置情報を利用して、特定の地域にいるユーザーに対してのみサービスを提供する方式も提案されている。
【0003】
このような位置情報を利用したコンテンツ配信サービスに関する技術として、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された技術では、ユーザー端末の位置情報及びネットワーク情報に基づいて、ユーザーが特定のサービス提供地域内に在圏するか否かを判断し、サービス提供地域内に在圏する場合にのみ、サービスに関するデータをユーザー端末に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−179392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された技術では、コンテンツデータをユーザー端末に配信する際に、サービス提供側で配信場所と配信時間は制限することはできるものの、配信したコンテンツデータの実行可能場所や時期までを制御することができないことから、例えば、新製品のソフトウェアを公開する展示会などでは、本製品を配布してしまうとその後の制御を、販売者側で制御できないことから、展示会場では予め機能若しくは利用期間が制限された試用版の配布しかできず、製品本来の機能や特徴をユーザーに伝えることができず、販売促進にも限界があった。
【0006】
また、近年では、店舗などで利用可能なクーポンなどをインターネットを通じて配信するサービスが普及しつつあるが、例えば、次回の来店時にのみ使用可能な有効期限付きクーポンを配布するなど、近年多様化する種々のサービスに対応することができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、コンテンツデータをユーザー端末に配信する際に、配信時期と実行可能時期や、実行可能なエリア等をサービス提供側で制御することを可能とし、商品の販売促進を向上させたり、多様化する種々のサービスに対応できるコンテンツ配信システム及びコンテンツ配信方法を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、通信ネットワークを通じて、ユーザー端末に対してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信システムであって、通信ネットワーク上には、コンテンツデータの実行を許可する実行許可データを配信する実行規制部と、所定エリア内に在圏するユーザー端末との無線通信を確立する接続処理部と、接続処理部が確立した無線通信を通じて、コンテンツデータをユーザー端末に対して配信するコンテンツ配信部と、が配置され、ユーザー端末は、コンテンツ配信部からコンテンツデータ、又は実行規制部から実行許可データを受信するコンテンツ取得部と、コンテンツ取得部が受信したコンテンツデータを実行する実行処理部と、コンテンツデータの実行に関する条件が満たされたか否かを判断する実行条件判定部とを備え、実行条件判定部で判断される条件には、実行規制部による許可が含まれる。
【0009】
他の発明は、通信ネットワークを通じて、ユーザー端末に対してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信方法であって、
(1)通信ネットワーク上に配置された接続処理部において、所定エリア内に在圏するユーザー端末との無線通信を確立するする接続処理ステップと、
(2)通信ネットワーク上に配置されたコンテンツ配信部から、接続処理部が確立した無線通信を通じて、コンテンツデータをユーザー端末に対して配信するコンテンツ配信ステップと、
(3)ユーザー端末のコンテンツ取得部において、コンテンツ配信部からコンテンツデータ、又は実行規制部から実行許可データを受信するコンテンツ取得ステップと、
(4)通信ネットワーク上に配置された実行規制部において、コンテンツデータの実行を許可する実行許可データを配信する実行規制ステップと、
(5)ユーザー端末の実行条件判定部において、コンテンツデータの実行に関する条件が満たされたか否かを判断する実行条件判定ステップと
(6)ユーザー端末の実行処理部において、コンテンツ取得部が受信したコンテンツデータを実行する実行処理ステップと
を備える。そして、上記(5)の実行条件判定ステップで判断される条件には、上記(4)の実行規制ステップによる許可が含まれる。
【0010】
これらの本発明によれば、例えば、試用ソフトウェアや期限付きチケットなど機能に制限が設けられたコンテンツデータをユーザー端末に配信する際に、配信時期と実行可能時期や実行可能なエリア等を、サービス提供側で制御することができる。
【0011】
上記発明におけるコンテンツデータの配信では、通信ネットワーク上に配置され、コンテンツデータを送信するコンテンツ送信部の通信ネットワーク上におけるアドレスをユーザー端末に送信し、ユーザー端末側では、受信されたアドレスに基づいてコンテンツ送信部にアクセスし、アクセスしたコンテンツ送信部からコンテンツデータを取得することが好ましい。
【0012】
この場合には、コンテンツデータを配信するサーバーなど、コンテンツデータの送信手段が制限されている場合であっても、そのサーバーのアドレスを配信してアクセスを誘導することができ、ソフトウェアの展示会や、店舗など通信環境に制約がある特定エリアにおいてもコンテンツデータの配信が可能となる。
【0013】
上記発明において、コンテンツデータには、音楽等の音声、映像データ、プログラムが実行されるアプリケーションデータ、クーポンやチケット等の文字データのいずれかが含まれることが好ましい。この場合には、アプリケーションの実行を規制することにより、映像や音楽の視聴や、ゲームソフトの実行、クーポンやチケットなどの表示などを、規制することができ、様々なサービスに適用することができる。
【0014】
上記発明において、コンテンツ取得及び実行の処理では、コンテンツ取得部によるコンテンツデータの取得と、実行処理部によるコンテンツデータの実行とを並行するストリーミング処理を行うことが好ましい。この場合には、映像などのサイズの大きいデータの視聴が可能となる。
【0015】
上記発明において、コンテンツ配信に際しては、コンテンツデータの種類、形式、属性のいずれかを記述したインデックスデータを保持し、このインデックスデータを、コンテンツデータの配信に先行して、又はコンテンツデータに包含させて、配信することが好ましい。この場合には、コンテンツデータそのものを配信する変わりにインデックスデータを配信することができ、データサイズを大きくすることなく、コンテンツデータの概要を配信することができる。
【0016】
上記発明において、実行規制では、規制に係るコンテンツデータに対する代金の支払いを含む決済手続の完了を確認した場合に、決済手続が完了されたコンテンツデータの実行を許可することが好ましい。この場合には、代金の支払いをトリガーとしてアプリケーションの実行規制を解除することができ、コンテンツ販売サービスを確実なものとすることができる。
【0017】
上記発明において、実行規制による規制条件には、コンテンツデータが実行可能な期間、回数、実行可能な位置、当該ユーザー端末が確立している通信の種別のいずれかが含まれることが好ましい。この場合には、コンテンツデータの実行を時間や、場所などで時限的、遠隔的に規制することができ、サービスの多様化を図ることができる。
【0018】
上記発明において、実行条件判定では、当該ユーザー端末が確立している通信の種別を判定し、実行条件には、特定の通信種別であるか否かが含まれることが好ましい。この場合には、この場合には、例えば、ユーザー端末が複数の通信種別と通信が可能であるときに、特定の通信種別に限定した通信の接続を、アプリケーションの実行条件とすることができる。
【0019】
上記発明において、実行条件判定では、当該ユーザー端末の位置情報を取得し、この位置情報取得では、衛星からの信号により現在位置を測定するGPS機能、無線通信が確立されている基地局を特定する識別子の判別機能、及び基地局からの信号強度などの通信状況から現在位置を算出する算出機能のいずれかにより位置情報を取得し、前記実行規制条件には、位置情報取得機能により取得された位置情報が、特定の位置であるか否かが含まれることが好ましい。この場合には、ユーザーが位置する通信環境や、ユーザー端末の機能など種々の状況に対応したアプリケーション規制が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、コンテンツデータをユーザー端末に配信する際に、配信時期と実行可能時期や、実行可能なエリア等をサービス提供側で制御することを可能とし、商品の販売促進を向上させたり、多様化する種々のサービスに対応したコンテンツデータの提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る配信システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】第1実施形態に係るユーザー端末の内部構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る基地局及び中継装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る配信サーバー群の内部構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態に係る配信システムにおける配信時の動作を示すシーケンス図である。
【図6】第2実施形態に係る配信システムの概略構成を示す説明図である。
【図7】第2実施形態に係る配信システムにおけるクーポン発行時の動作を示すシーケンス図である。
【図8】第3実施形態に係る配信システムにおけるクーポン利用時の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
(コンテンツ配信システムの全体構成)
本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示す説明図である。本実施形態では、ソフトウェア展示会場などにおいて、本製品と同機能を備えた試供ソフトウェアを来場者に配布する場合を例に説明する。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0023】
同図に示すように、配信システムは、インターネット71及び公衆回線網72を介して試供ソフトウェア3を配信するシステムであって、通信ネットワーク上には、コンテンツ管理サーバー81と、コンテンツ配信サーバー82が配置されており、さらにインターネット7には、中継装置6と、中継装置6に接続された無線基地局4と、無線基地局4を通じて無線通信が可能なユーザー端末2とを備えている。
【0024】
インターネット71は、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光通信回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワーク(IP網)であり、この通信ネットワークには、10BASE-Tや100BASE-TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。公衆回線網72は、PSTN(Public Switched Telephone Networks)とも呼ばれる一般の加入電話回線ネットワークであり、回線交換方式で発信元と着信先とを接続し音声通話を行う通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光通信回線などで構築される。
【0025】
(ユーザー端末の構成)
ユーザー端末2は、無線通信を利用した携帯電話機であり、一般的な基地局等の中継点と無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。また、ユーザー端末2は、無線基地局4との間で無線通信を行う機能と、ダウンロードしたコンテンツデータを蓄積する機能と、蓄積したコンテンツデータを実行する機能も備えている。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W-CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、上述した通信方式とは別の無線通信インターフェースとして、無線LANの規格等に準じたIPパケットの送受による通信方式に対応した機能も備えている。さらに、このユーザー端末2は、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、或いはGPS機能等の機能が搭載され、携帯情報端末(PDA)としての機能も果たす。
【0026】
具体的にユーザー端末2は、図2に示すように、ユーザーインターフェース系のモジュールとして入力インターフェース21と、出力インターフェース22とを備えている。入力インターフェース21は、操作ボタンやタッチパネル、ジョグダイヤルなどユーザー操作を入力するデバイスであり、出力インターフェース22は、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。
【0027】
さらに、ユーザー端末2は、位置情報取得機能23を備えており、例えば、衛星5からのGPS信号に基づいて、現在位置の座標を演算したり、接続処理部27が確立した通信相手である基地局の基地局識別子や、この基地局からの信号強度などの電波状況から、ユーザー端末2自身で自機の位置情報を取得することが可能となっている。また、この位置情報取得機能23には、周囲に設置されたアクセスポイントを検出し、通信ネットワーク上に設置されたAPデータベースに、そのアクセスポイントの住所を問い合わせて、自機の現在位置を予測する機能が備えられていてもよい。このAPデータベースは、多数のユーザー端末から通知されるアクセスポイントの所在地の報告を集計し、そのアクセスポイントの識別子(IPアドレスなど)と、その設置場所(住所や座標など)とを関連づけて蓄積する。位置情報取得機能23は、検出されたアクセスポイントの識別子について、APデータベースを参照することにより、自機の現在位置を予測することができる。
【0028】
また、ユーザー端末2は、通信系のモジュールとして無線インターフェース26と、接続処理部27とを備えている。無線インターフェース26は、通話を行うための移動通信用のプロトコルによる無線通信と、例えば無線LAN等のデータ通信用のプロトコルによる無線通信とを実行する機能を備えている。無線インターフェース26は、無線LAN接続を行うためにIEEE 802.11bに準拠した送受信装置であり、本システムによるサービスを受けるために、無線基地局4と一致するESSIDが割り当てられている。なお、この無線インターフェースは、モバイルコンピュータやPDAにおいては、無線LANアダプタ等により実現することができる。
【0029】
接続処理部27は、無線基地局4と無線通信を介して接続するためのモジュールであり、自機を特定するための識別子(電話番号や、IPアドレス、ユーザーID)を接続対象となる無線基地局4に送信し、認証を行う。なお、接続処理部27は、無線基地局4との間で無線LAN接続を行う場合には、データの送受信を行うためのリンクを張るために、無線信号を監視し、無線基地局4を識別するESSIDを検出するようにしてもよい。
【0030】
さらに、ユーザー端末2は、アプリケーション実行系のモジュールとして、制御部25と、メモリ24と、キャッシュメモリ28とを備えている。制御部25は、CPU等の演算処理装置であり、この制御部25上で各種プログラムを実行することにより、各機能モジュールを仮想的に構築する。この制御部25には、アプリケーション実行系のモジュールとして、アプリケーション実行処理部25cと、実行条件判定部25aと、コンテンツ取得部25bとが構築される。
【0031】
コンテンツ取得部25bは、コンテンツ管理サーバー81又はコンテンツ配信サーバー82から、無線インターフェース26を通じて、コンテンツデータ、又は実行許可データを受信するモジュールである。本実施形態において、このコンテンツ取得部25bは、コンテンツ管理サーバー81のアドレス送信部から受信されたコンテンツ配信サーバー82のアドレス(URL)に基づいてコンテンツ配信サーバー82にアクセスし、コンテンツデータのダウンロードを実行する。
【0032】
アプリケーション実行処理部25cは、コンテンツ取得部25bが受信したコンテンツデータを、実行条件判定部25aによる判定結果に基づいて、実行するモジュールである。実行条件判定部25aは、コンテンツデータの実行に関する条件が満たされたか否かを判断し、アプリケーション実行処理部25cによるアプリケーションの実行を規制するモジュールである。
【0033】
この実行条件判定部25aで判断される条件には、位置情報や時間情報、実行回数の他、コンテンツ管理サーバー81の実行規制部による許可が含まれる。この位置情報は、位置情報取得機能23により取得された現在位置を用いてもよく、また、接続処理部27が確立した無線通信の相手方である無線基地局4を特定する基地局識別子や電波状況(信号強度等)であってもよい。なお、この基地局識別子としては、当該基地局との通信周波数や、当該基地局が管轄するセル、確立された通信接続に関する拡散コード等を特定するため、当該基地局に固有の所謂スクランブリングコードを用いることもできる。
【0034】
また、実行条件判定部25aは、当該ユーザー端末2が確立している通信の種別を判定する機能を備え、確立された通信の種別に応じて、コンテンツデータを実行するか否かを決定する。ここでは、実行条件判定部25aに接続処理部27が接続されており、当該ユーザー端末2が確立している通信の種別が、3Gネットワークであるか、無線LAN接続であるかを判断し、無線LAN接続である場合に、コンテンツデータの実行を許可する。この通信種別の判断としては、接続処理部27が確立した通信プロトコルの種別や、確立された通信経路上の経由地点を解析することにより行う。例えば、実行条件に、当該ユーザー端末2が在圏するエリア内に設置された基地局6が該経由地点となって無線LANが確立されているのか、その他3G等の通信基地局が経由地点となって無線通信が確立されているのかを解析し、コンテンツデータの実行の可否を判定する。
【0035】
また、アプリケーション実行処理部25cは、コンテンツデータが映像や音響データなど、視聴可能な形式である場合に、これらのコンテンツデータを再生し視聴するプレーヤーソフトを実行することができる。このプレーヤーソフトは、圧縮されたファイルを復元したり、暗号化されたデータを復号したりするデコーダーと、出力インターフェース22に適合したデータ形式に変換するエンコーダーとの機能を備えている。そして、このプレーヤーソフトは、音声を内蔵スピーカーや出力インターフェース22に接続されたイヤホン等を通じて音声出力を行ったり、出力インターフェース22に接続されたディスプレイ等を通じて映像や文字列の表示出力を行うことができる。
【0036】
特に、本実施形態では、コンテンツ取得部25b及びアプリケーション実行処理部25cは、データの受信及びキャッシュと、再生とを並行して行ういわゆるストリーミング配信に対応している。これらコンテンツ取得部25b及びアプリケーション実行処理部25cには、コンテンツデータの取得と、コンテンツデータの実行とを並行するストリーミング処理機能が備えられ、コンテンツデータ全部のダウンロードが終了する前に、アプリケーション実行処理部25cで実行(再生)を開始し、コンテンツ取得部25bが部分的に取得したコンテンツデータの一部を、キャッシュメモリ28にキャッシュしつつ、取得した部分からアプリケーション実行処理部25cで実行(再生)する。
【0037】
キャッシュメモリ28は、例えば揮発性のメモリ装置であり、ダウンロードしたコンテンツデータを一時的に蓄積する。また、メモリ24は、ユーザーがコンテンツデータをダウンロードし、実行許可が得られた場合に、コンテンツデータを書き込み保存(本保存)するための記憶装置であり、不揮発性のメモリ装置や、ハードディスク等により実現することができる。なお、このメモリ24は、ユーザー端末2内に固定内蔵されたものでもよく、また、メモリカードのように着脱自在のもの、或いは、USBケーブル等で接続される記憶装置であってもよい。このメモリ24に関し、前記実行条件判定部25aには、メモリ24上のデータを消去する消去機能が設けられている。この消去機能は、実行条件の有効期限や有効実行回数が満了した場合に自動的にデータの消去を行う。
【0038】
(無線基地及び中継装置の構成)
無線基地局4は、無線通信を通じてユーザー端末2との間でデータの送受信をする電波基地局装置であり、本実施形態では、ソフトウェアの展示会会場のエリアA1に在圏する通信端末と無線通信を確立する。特に、本実施形態における無線基地局4は、フェムトセル(femtocell)と呼ばれる、半径10m程度の狭小なエリアをカバー範囲とする小規模な携帯電話基地局であり、中継装置6を介して、バックボーンとして光ファイバーやADSLなどの公衆回線網72に接続され、この公衆回線網72を通じて、インターネット71に接続されている。
【0039】
なお、本実施形態では、この無線基地局4をフェムトセル(femtocell)等の小規模な携帯電話基地局としたが、LAN(Local Area Network)におけるベースステーションとすることもでき、例えば、「IEEE 802.11b」規格等に準じて複数のユーザー端末とデータの送受を行うアクセスポイントとしてもよい。この場合には、無線基地局4と各ユーザー端末2に、本システムによるサービスを受けるために共通のESSID(Extended Service Set Identifier)が割り当て、このESSIDを通じて、無線基地局4で、自機の無線通信範囲に存在するユーザー端末を検出し、自動的にリンクを設定して、無線LANのホットスポットを形成する。なお、この無線LANの他、例えば、赤外線通信や、Bluetooth等の近距離無線方式を採用することもできる。
【0040】
中継装置6は、インターネット7に接続するためのモデムやターミナルアダプタ、ゲートウェイ装置等のノード装置であり、通信経路の選択や、データ(信号)の相互変換を行い、無線基地局4と、公衆回線網72及びインターネット71との間における中継処理を行う。なお、この中継装置6には、自機内に蓄積したコンテンツデータを、コンテンツ管理サーバー81からの指示に従って、街頭モニター等の出力装置や、無線基地局4に情報データを送出し、街頭放送や無線LAN配信を実行するようにしてもよい。
【0041】
具体的に、中継装置6は、通信系モジュールとして、公衆回線網72に対する通信インターフェースである通信部61と、無線基地局4の無線インターフェース41との接続を制御する接続管理部65と、無線基地局4に対する無線通信と、公衆回線網72に対するパケット通信との間で、データ変換を行うデータ変換部63とを備えている。
【0042】
また、中継装置6は、ユーザー端末2の現在地を特定するための位置情報管理部62を備えており、ユーザー端末2が通信を確立した無線基地局4を特定する基地局識別子を管理し、この基地局識別子に基づいて、ユーザー端末2が在圏するフェムトセルを特定し、無線基地局4におけるユーザー端末2に対する電波強度を用いるなどして、ユーザー端末2の位置情報を算出する。このように基地局識別子に基づいて得られた位置情報は、ユーザー端末2及びコンテンツ配信サーバー82に通知される。なお、この基地局識別子による位置情報の特定は、ユーザー端末2側で行い、ユーザー端末2からコンテンツ配信サーバー82に通知することもできる。
【0043】
なお、本実施形態では、これら中継装置6及び無線基地局4を別々の装置としたが、これらを一体化してもよい。また、中継装置6や無線基地局4に、タッチパネル付きモニターやスピーカー等の出力装置、印刷装置の他、メモリカードなどの各種メディアのスロットなどの多目的出力装置66を設け、いわゆるコンビニ端末やキオスク端末と呼ばれる多目的店頭情報端末機の形態としてもよい。このようなコンビニ端末とすれば、例えば、コンテンツデータに含まれる音声データや映像データを、音声や映像として出力したり、文字データや画像データを印刷するなど、多目的サービスを提供することができる。
【0044】
(サーバー群の構成)
コンテンツ管理サーバー81及びコンテンツ配信サーバー82は、両サーバーが協働し、コンテンツデータをユーザー端末2に対して配信するコンテンツ配信部の役割を果たすサーバー装置群である。具体的には、コンテンツ配信サーバー82は、コンテンツデータを送信するコンテンツ送信部の役割を果たし、コンテンツ管理サーバー81は、コンテンツ配信サーバー82の前記通信ネットワーク上のアドレスを送信するアドレス送信部としての役割を果たす。図4は、コンテンツ配信サーバー群の内部構成を示すブロック図である。
【0045】
一方、コンテンツ管理サーバー81は、通信系のモジュールとして、通信部812と、接続処理部811とを備えるとともに、ユーザー管理系のモジュールとしてユーザー登録部816と、認証部815とを備えている。これらユーザー登録部816と認証部815には、ユーザーに関する情報を保持するユーザーデータベース83が接続されている。なお、コンテンツ管理サーバー81に備えられた各モジュールは、制御部818により制御される。
【0046】
通信部812は、パケットデータを送受信することにより各種データをインターネット7に対して送受信する通信デバイスである。接続処理部811は、無線基地局4と、無線基地局4が管轄する所定エリア内に在圏するユーザー端末2との無線通信を確立させるモジュールである。認証部815は、ユーザーに対するアクセス許可を決定するモジュールであり、ユーザー登録部816は、本システムによるサービスを受けるためのユーザー登録を受け付けるモジュールである。このユーザー登録の際に、ユーザーを特定するための識別子として、ユーザーが使用する端末の電話番号や、IPアドレス、ユーザーID、パスワードなどが、ユーザーデータベース83に記録される。
【0047】
認証部815は、アクセス者の正当性を検証するコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアであり、インターネット7を通じてユーザー名とパスワードの組み合わせを取得し、ユーザーデータベース83を照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認するモジュールである。
【0048】
ユーザー登録部816は、本システムのサービスを希望するユーザーの登録を行うモジュールである。このユーザー登録に際しては、ユーザーの個人情報の他、カード情報等の支払い方法に関する情報の登録を要求し、ユーザーが本保存を行ったときに逐一、支払い方法の入力等を行わなくてもよいようにしている。
【0049】
また、コンテンツ管理サーバー81は、コンテンツ管理系のモジュールとして、実行規制部813と、アドレス送信部814と、スケジュール部817と、データベース管理部819とを備え、データベース管理部819には、中継装置管理データベース810及びコンテンツデータベース84が接続されている。
【0050】
実行規制部813は、コンテンツデータの実行を許可する実行許可データを配信するモジュールである。この実行許可データは、スケジュール部817によるスケジュールに応じて、実行条件を設定し、通信部812を通じてユーザー端末2に送信する。
【0051】
アドレス送信部814は、コンテンツデータを実際に配信するコンテンツ配信サーバー、及びサーバー上のコンテンツデータファイルの所在地をURLとしてユーザー端末2に送信するモジュールである。このURLの送信は、電子メールや、文書ファイルの転送の他、例えば、電話番号を送信先のアドレスとして電子メールの送信ができるショートメッセージサービス(SMS:Short Message Service)を用いることができる。なお、このショートメッセージサービスを利用する場合には、基地局のエリア内にユーザー端末が在圏下地点で、基地局側でユーザー端末2の電話番号を把握することができることから、会員登録や認証などの処理を省略して、在圏するユーザー全員にプッシュ方式により情報を配信することができる。
【0052】
データベース管理部819は、コンテンツデータベース84及び中継装置管理データベース810等のデータベースに対するデータの入出力を管理するモジュールである。この中継装置管理データベース810は、各地域に設置された中継装置の装置IDに、設置場所(地名等)、設置場所の属性(ソフト展示会場、各店舗等)、設置された地域の属性(都内、地方、商業地区、行楽地区等)などを関連付けて登録するデータベースである。
【0053】
スケジュール部817は、各地域に設置された中継装置に対するコンテンツデータの配信を制御するためのスケジューリングを行うモジュールである。このスケジュール部817は、コンテンツデータベース84及び中継装置管理データベース810に蓄積された情報に応じて、どの中継装置にどのコンテンツデータを、どの時間帯に配信するかの予定を組み、スケジュール情報として蓄積する。制御部818は、このスケジュール情報に従って、アドレス送信部814を制御し、所定のコンテンツデータの所在地であるアドレス情報(URL等)を送信させる。
【0054】
一方、コンテンツ配信サーバー82は、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(HyperText Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報データの送信を行うサーバーコンピュータ或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネット7を通じて情報データを配信する。なお、本実施形態では、情報データとして、MP3(MPEG Audio Layer-3)や、WMA(Windows Media Audio(Windowsは登録商標))等の試供ソフトウェア3を配信するが、この他、MPEG等の動画ファイルやテキストファイルなど、種々のコンテンツファイルを採用することができる。
【0055】
具体的にコンテンツ配信サーバー82は、インターネット7に接続するための通信部821と、ユーザーアクセスの認証を行う認証部822と、コンテンツデータを送信するコンテンツ送信部823と、各データベースの入出力を管理するデータベース管理部825と、各モジュールの動作を逝去する制御部824とを備えている。また、このコンテンツ配信サーバー82は、ユーザーデータベース83と、コンテンツデータベース84とが接続されている。
【0056】
通信部821は、パケットデータを送受信することによりコンテンツデータを送信する通信デバイスであり、コンテンツ送信部823は、アドレス送信部814によりユーザー端末2に送信されたURLに基づくアクセスに対し、データベース管理部825が読み出した該当するコンテンツデータを、通信部821を通じて、送信するモジュールである。認証部822は、ユーザーに対するアクセス許可を決定するモジュールであり、本実施形態では、コンテンツ管理サーバー81の認証部815による認証結果を引き継ぐようになっている。
【0057】
コンテンツデータベース84は、コンテンツ配信サーバー82及びコンテンツ管理サーバー81の両方に接続され、コンテンツ配信サーバー82を介してインターネット7からアクセス可能な情報データ蓄積装置であり、例えば大容量のハードディスク等により構成される。このコンテンツデータベース84に蓄積される情報としては、コンテンツデータそのものの他、各コンテンツデータを識別するデータIDに対して、当該コンテンツデータの種類(ゲーム、音楽、音声、映像、文字列等)、ファイル形式、コンテンツデータの属性(ジャンルや年代等)を関連付けたインデックスデータが蓄積されている。このインデックスデータは、コンテンツデータの配信に先行して、又はコンテンツデータに包含させて配信される。
【0058】
そして、このコンテンツデータベース84は、データベース管理部825の制御に従って、コンテンツデータの読み出し及び書き込みを行う。このコンテンツデータベース84の制御としては、コンテンツデータを特定する識別子(データベース内のアドレスやファイル名)によりコンテンツデータを呼び出すものや、コンテンツデータの種類、ファイル形式、又は属性、その他のインデックスデータ上の情報によりコンテンツデータを特定し、コンテンツデータの呼び出すもの等が挙げられる。
【0059】
なお、コンテンツ送信部823は、コンテンツ管理サーバー81の接続処理部811が確立した無線通信を通じて、コンテンツデータをユーザー端末に対して配信する。この際、コンテンツ送信部823は、コンテンツデータをパケット化したり、或いはパケットデータをコンテンツデータに復号したりするモジュールである。
【0060】
(配信方法)
以上の構成を有する配信システムを動作させることによって、本発明の配信方法を実施することができる。図5は、本実施形態に係る配信システムの動作を示すシーケンス図である。
【0061】
先ず、コンテンツ管理サーバー81において、スケジュール部817によって、コンテンツデータの配信スケジュールが組まれる。この配信スケジュールでは、試供ソフトの配信期間や配信場所、実行許可条件(期間、場所、実行回数等)が設定される。そして、このスケジュールに従って、コンテンツ管理サーバー81の制御部818は、アドレス送信部814及び実行規制部813の動作を制御し、コンテンツ配信及び実行規制について待機状態とする。なお、ここでは、ソフトウェア展示会場の敷地内を配信可能エリアA1とし、実行許可条件も、ユーザー端末がエリアA1内に在圏している間のみに設定している。
【0062】
そして、ユーザーが展示会場に来場し、ユーザーが使用するユーザー端末2がエリアA1内に在圏することにより(S101)、無線基地局4及び中継装置6との間で無線通信リンクの確立処理が開始される。具体的には、ユーザー端末2から端末情報やユーザー情報などの認証情報が、中継装置6を通じてコンテンツ管理サーバー81に送信され、コンテンツ管理サーバー81において認証処理が実行される(S102)。なお、ここでは、来場者全てをユーザー登録して、コンテンツの配信先に設定するが、例えば、予め来場者を会員登録しておき、登録会員のみを認証するようにしてもよい。
【0063】
認証処理が成功した後は、無線基地局4とユーザー端末2との間で無線通信接続が確立され、無線通信リンクが形成される(S103)。このとき無線通信接続を確立した無線基地局4の基地局識別子等によりユーザー端末2の現在位置を特定し、ユーザーデータベース83に登録してもよい。
【0064】
この無線通信接続の接続をトリガーとして、アドレス送信部814は、試供ソフトウェア3が格納されているコンテンツ配信サーバー82のURLを、ユーザー端末2に送信する(S104〜S106)。このアドレス送信部814からのURL送信は、ユーザーのメールアドレスが登録されているときは電子メールにより行ってもよく、また、ファイル転送アプリケーションや、メッセンジャーソフト、ショートメッセージサービスなどの専用アプリケーションを用いて、上記無線通信リンクを通じて行ってもよい。なお、このURLの送信は、エリアA1内に在圏するユーザーに対して行う場合の他、登録会員全員にプッシュ方式で送信するようにしてもよい。さらには、上記ショートメッセージサービスを利用する場合には、基地局のエリア内にユーザー端末が在圏下地点で、基地局側でユーザー端末2の電話番号を把握することができることから、予めユーザーによる承諾を得たうえで、会員登録や認証などの処理を省略し、在圏するユーザー全員にプッシュ方式により情報を配信することができる。
【0065】
このURLを受信したユーザー端末2では、受信したURLを辿ってコンテンツ配信サーバー82にアクセスする(S107及びS108)。このコンテンツ配信サーバー82へのアクセスは、例えば、一般的なブラウザソフトやFTPサーバーで行うことができる。なお、このコンテンツ配信サーバー82へのアクセスに際し、認証処理を行う。この認証処理では、改めてユーザーIDやパスワードの入力をユーザーに要求してもよく、また、コンテンツ管理サーバー81での認証結果を引き継ぐようにしてもよい。コンテンツ配信サーバー82での認証処理が成功した後、コンテンツ配信サーバー82から試供ソフトウェア3を配信し(S109)、ユーザー端末2で試供ソフトをダウンロードする。なお、ここでの試供ソフトウェア3は、ゲームやアプリケーションなどの実行ファイル形式であり、ユーザー端末2側にファイル転送されるが、例えば、試供ソフトウェア3が映像などのサイズの大きいファイルであるときには、データの受信及びキャッシュと、再生とを並行して行ういわゆるストリーミング配信としてもよい。この場合、コンテンツ取得部25b及びアプリケーション実行処理部25cには、コンテンツデータの取得と、コンテンツデータの実行とを並行するストリーミング処理機能を備えさせ、コンテンツデータ全部のダウンロードが終了する前に、アプリケーション実行処理部25cで実行(再生)を開始し、コンテンツ取得部25bが部分的に取得したコンテンツデータの一部を、キャッシュメモリ28にキャッシュしつつ、取得した部分からアプリケーション実行処理部25cで実行(再生)する。
【0066】
この試供ソフトの配信と併せて、コンテンツ管理サーバー81側では、実行条件の配信を行う(S111)。ここでは、試供ソフトの配信を待って実行条件の配信を行っているが、試供ソフトの配信を待たずに、ステップS104のURL送信時に併せて実行条件も配信するようにしてもよい。この実行条件には、配信された試供ソフトウェア3の実行可能期間や場所、実行回数などが含まれており、ここでは、エリアA1内に在圏中のみ実行が許可されている。
【0067】
この実行許可が受信され、参照することにより、ユーザー端末2では試供ソフトウェア3の実行が可能となる(S112)。この試供ソフトウェア3では、本製品と同等の機能が提供されており、実行条件に実行回数制限が含まれている場合でも、「エリアA1内に在圏中」という条件が優先されて適応され、エリアA1に在圏する限り、全ての機能を制限なく使用することができる。なお、試供ソフトが音楽ファイルや映像ファイルであるときには、この実行許可により、キャッシュメモリ28に仮保存されていたデータをメモリ24に本保存できるようになる。
【0068】
その後、ユーザーが展示会場から退場し、エリアA1から退出したとき(S113)、ユーザー端末2と無線基地局4との間で形成されていた無線リンクが切断され、これを受けて無線基地局4及び中継装置6では、通信接続を切断する処理を行う(S114)。この通信接続の終了を受けて、ユーザー端末2では実行条件に従って、試供ソフトの実行規制が開始される(S115)。ここでは、エリアA1内に在圏していることが条件となっていることから、展示会場から退場すると同時に、試供ソフトの実行が禁止される。
【0069】
なお、この実行規制としては、例えば、展示会場から退場後、一定時間或いは一定回数だけ実行を許可するなど、時限的な規制も設定することができ、また、展示会場に再度来場したときや、特定の店舗に来店した場合に実行が許可されるなどの位置的な規制も設定することができる。
【0070】
また、ユーザーが当該試供ソフトの製品版を購入した場合にも、実行規制を解除するようにしてもよい。例えば、ユーザーが、製品版の購入をするために入力インターフェース21を操作したとき、この操作を受けて、ユーザー端末2のコンテンツ取得部25bは、無線インターフェース26を通じて、購入要求をコンテンツ管理サーバー81に対して送信する。この購入に際し、ユーザーは、認証手続や代金の支払いなどの決済手続を、カード会社や通信キャリアなどの決済機関90に対して行う。コンテンツ管理サーバー81では、この決済手続を、例えば実行規制部813に設けた決済管理部813aにおいて、決済処理の確認を決済機関90に対して行い、購入手続及び決済手続が完了した後、製品版のコンテンツデータをコンテンツ配信サーバー82から配信させるか、或いは、実行規制部813による規制を解除する。
【0071】
(作用・効果)
このような本実施形態に係る配信システム及び配信方法によれば、展示会場で試供ソフトウェア3をユーザー端末に配信する際に、配信時期と実行可能時期や実行可能なエリア等を、サービス提供側で制御することができることから、本製品と同等の機能を有する試供ソフトを配信することができ、本製品の価値を正確にユーザーに伝えることができ、販売促進効果を期待することができる。
【0072】
また、本実施形態では、コンテンツ管理サーバー81からはコンテンツデータを直接配信せず、コンテンツ配信サーバー82のURLを配信し、実際のコンテンツデータの配信は、コンテンツ配信サーバー82を通じて行うため、コンテンツ配信の管理と、実際のファイル転送処理とを分離することができ、サーバーの処理負担を分散することができる。また、配信管理と、転送処理とを分離することにより、コンテンツ配信サーバー82が、他のサーバーからの配信を認めていないときであっても、本サービスのシステムからコンテンツ配信サーバー82へのアクセスを誘導することができ、ソフトウェアの展示会のように通信環境に制約がある特定エリアA1においてもコンテンツデータの配信が可能となる。
【0073】
[第2実施形態]
(システム構成)
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。図6は、第2実施形態に係るコンテンツ配信システムの概略構成を示す説明図である。本実施形態では、飲食店やスーパーなどの販売店舗で利用可能なクーポンチケットをユーザーに配布する場合を例に説明する。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
【0074】
図6に示すように、配信システムは、インターネット71及び公衆回線網72を介してクーポンデータ31を配信するシステムであって、第1実施形態と同様に、通信ネットワーク上には、コンテンツ管理サーバー81と、コンテンツ配信サーバー82が配置されており、さらにインターネット7には、中継装置6と、中継装置6に接続された無線基地局4と、無線基地局4を通じて無線通信が可能なユーザー端末2とを備えている。なお、本実施形態において、無線基地局4も、フェムトセルと呼ばれる小規模の無線通信機であり、店舗Aの敷地内に設置され、店舗Aに来店したユーザーの端末が在圏する程度の通信範囲となっている。
【0075】
この第2実施形態において、ユーザー端末2は、アプリケーション実行処理部25cにおいて、チケット表示ソフトを実行し、実行条件に従って、クーポンデータを取得し、チケット表示アプリケーションを実行し、アプリケーションを通じてチケットを表示させる機能を備えている。このクーポンデータは、本実施形態では、店舗Aに来店した時点で発行され、ユーザー端末2にダウンロードさせるクーポンチケットであり、このクーポンチケットを提示することによって、その日に開催されている「激安デー」といった割引サービスやポイント加算等の特典サービスを享受できる。なお、この特典サービスの内容は、日替わりで変化され、来店しクーポンデータをダウンロードして閲覧するまで、その日の特典内容がユーザーには分からないようになっており、ユーザーに対する来店のインセンティブを与えることができる。
【0076】
なお、本実施形態では、クーポンを来店時に発行し、その来店中にクーポンを使用するようにしたが、このクーポンデータとしては、店舗Aに来店した時に発行して、ユーザー端末2でダウンロード可能とする、その発行時点では利用できず、次回の「激安デー」などのような特売日などに、店舗Aや提携店舗B等に来店した時、使用可能となるような時限的実行規制を設定するようにしてもよい。また、このアプリケーション実行処理部25cでは、例えば、ユーザに付与される価値情報であるポイントを管理するポイントカードアプリケーションを実行し、特定の店舗に来店したとき(通信接続の認証後)に、自動的にポイントをユーザーに付与し、ポイントカードアプリケーションが管理するポイントカードに、付与されたポイントを加算するようにしてもよい。このとき、ユーザーが来店する度にポイントを発行してもよいし、ポイントの発行を一日1ポイントまでというように、ポイントの発行頻度に制限を設けるようにしてもよい。
【0077】
この場合は、店舗Bに無線基地局4が設置されていないときであっても、クーポンデータに、実行可能時期として特売日の期間を時限的に設定するとともに、実行可能場所として店舗B内を設定することにができる。これにより、店舗Bでは無線基地局4が設置されていないが、ユーザー端末2に備えられた位置情報取得機能23により自機の座標位置を監視し、店舗Bのエリア内に進入した際に、チケット表示ソフトを実行させ、クーポンデータの利用が可能となる。
【0078】
(配信方法)
以上の構成を有する配信システムを動作させることによって、本発明の配信方法を実施することができる。図7は、本実施形態に係る配信システムにおいて、クーポンデータを発行する際の動作を示すシーケンス図であり、図8は、クーポンデータを利用する際の動作を示すシーケンス図である。
【0079】
先ず、図7に示すように、コンテンツ管理サーバー81のスケジュール部817によって、コンテンツデータの配信スケジュールが組まれる。本実施形態では、特売日「激安デー」で利用可能なクーポンチケットを、コンテンツデータとして配信し、配信スケジュールでは、クーポンデータの配信期間や配信場所、実行許可条件(期間、場所、実行回数等)が設定される。そして、このスケジュールに従って、コンテンツ管理サーバー81の制御部818は、アドレス送信部814及び実行規制部813の動作を制御し、コンテンツ配信及び実行規制について待機状態とする。なお、ここでは、店舗Aの敷地内を配信可能エリアA2とし、実行許可条件も、ユーザー端末が店舗Aに位置している場合のみに設定している。
【0080】
そして、ユーザーが店舗Aに来店し、ユーザーが使用するユーザー端末2がエリアA2内に在圏することにより(S201)、無線基地局4及び中継装置6との間で無線通信リンクの確立処理が開始される。具体的には、ユーザー端末2から端末情報やユーザー情報などの認証情報が、中継装置6を通じてコンテンツ管理サーバー81に送信され、コンテンツ管理サーバー81において認証処理が実行される(S202)。なお、ここでは、店舗Aへの来客全てをユーザー登録して、クーポンデータの配信先に設定するが、例えば、予めユーザーを会員登録しておき、登録会員のみを認証するようにしてもよい。
【0081】
認証処理が成功した後は、無線基地局4とユーザー端末2との間で無線通信接続が確立され、無線通信リンクが形成される(S203)。このとき無線通信接続を確立した無線基地局4の基地局識別子等によりユーザー端末2の現在位置を特定し、ユーザーデータベース83に登録してもよい。
【0082】
この無線通信接続の接続をトリガーとして、アドレス送信部814は、クーポンデータ31が格納されているコンテンツ配信サーバー82のURLを、ユーザー端末2に送信する(S204〜S206)。このアドレス送信部814からのURL送信は、ユーザーのメールアドレスが登録されているときは電子メールにより行ってもよく、また、ファイル転送アプリケーションや、メッセンジャーソフトなどの専用アプリケーションを用いて、上記無線通信リンクを通じて行ってもよい。また、このURLの配信は、予め電子メールなどで、登録会員に対して予め一斉配信しておくこともできる。
【0083】
このURLを受信したユーザー端末2では、受信したURLを辿ってコンテンツ配信サーバー82にアクセスする(S207及びS208)。このコンテンツ配信サーバー82へのアクセスは、例えば、一般的なブラウザソフトやFTPサーバーで行うことができる。なお、このコンテンツ配信サーバー82へのアクセスに際し、認証処理を行う。この認証処理では、改めてユーザーIDやパスワードの入力をユーザーに要求してもよく、また、コンテンツ管理サーバー81での認証結果を引き継ぐようにしてもよい。コンテンツ配信サーバー82での認証処理が成功した後、コンテンツ配信サーバー82からクーポンデータ31を配信し(S209)、ユーザー端末2でクーポンデータをダウンロードする。なお、ここでのクーポンデータ31は、チケット表示ソフトで表示される文字データや画像データで構成され、且つ暗号化され圧縮された文書ファイル形式であり、チケット表示ソフトで読み出される際に復号され解凍されて始めて表示可能となるデータ構造となっている。
【0084】
このクーポンデータの配信と併せて、コンテンツ管理サーバー81側では、実行条件の配信を行う(S211)。ここでは、クーポンデータの配信を待って実行条件の配信を行っているが、クーポンデータの配信を待たずに、ステップS204のURL送信時に併せて実行条件も配信するようにしてもよい。この実行条件には、配信されたクーポンデータ31の利用可能(実行可能)期間や場所、実行回数などが含まれており、ここでは、エリアA2内に在圏中のみ実行が許可されている。さらに、この実行条件には、暗号化され圧縮されたクーポンデータを、復号するための暗号キーが含まれており、実行条件データを受信しない限り、クーポンデータを表示することができないようになっている。
【0085】
この実行許可が受信され、参照することにより、ユーザー端末2ではクーポンデータ31の利用条件が実行条件判定部25aに対して設定され、実行条件が揃い次第、クーポンが利用可能となる(S212)。
【0086】
その後、ユーザーが店舗Aから退出し、エリアA2から退出したとき(S213)、ユーザー端末2と無線基地局4との間で形成されていた無線リンクが切断され、これを受けて無線基地局4及び中継装置6では、通信接続を切断する処理を行う(S214)。この通信接続の終了を受けて、ユーザー端末2では実行条件に従って、クーポンデータの実行規制が開始される(S215)。ここでは、特売日にエリアA2(店舗A)内のみに位置していることが条件となっていることから、店舗Aから退出した時点で、クーポンデータの実行が禁止される。
【0087】
次いで、このように実行規制されたクーポンデータの利用について説明する。図8に示すように、実行規制が開始されると、現在時間及びユーザーの在圏位置を監視すべく、定期的に位置情報及び時間情報を取得し、利用条件との照合を行い、利用条件(実行条件)が満たされたか否かを判断する。詳述すると、ユーザーが店舗A又はBの敷地(エリアA2又はA3)内に進入すると(S301)、その時点の位置情報及び時間情報が取得され、利用条件を参照して、利用条件が満たされているか否かを照合する(S302〜S304)。具体的には、店舗内に設置された無線基地局4との通信リンクが形成されるか、或いは、位置情報取得機能23により自機の座標位置が店舗内に移動するかを監視し、実行条件と照合する。ここでは、店舗A内に在圏する限り、実行条件は満たされていることとなる。
【0088】
ステップS304で、例えば、ユーザーが店舗Aから退出するなどして、実行条件が満たされていないと判断された場合(ステップS304における“N”)、クーポンの表示はされず、実行規制が継続される(S308)。一方、ステップS304において、利用条件が満たされていると判断した場合には(ステップS304における“Y”)、実行条件判定部25aにおいて、実行規制が解除され(S305)、クーポンデータの利用が可能となる(S306)。具体的には、チケット表示ソフトがクーポンデータの読み出し、及び復号が可能となり、「激安デー」用のクーポンチケットがユーザー端末2のディスプレイに表示可能となる。ユーザーは、ユーザー端末2に表示されたクーポンチケットを店員に提示することにより、激安デーの割引きサービスを受けることができる。
【0089】
その後、ユーザーが店舗A外へ退出すると(S307)、実行規制が再開される(S308)。なお、店舗側のPOS端末などに、ユーザーによるクーポンの利用をコンテンツ管理サーバー81に通知する仕組みを設け、ユーザーがクーポンを使用した後、それ以降同一のクーポンを利用できないように、クーポンを使用した時点で、実行規制を再開させ、クーポンの表示を禁止するか、或いは使用済みのエラー表示を行うようにしてもよい。
【0090】
なお、ここでは、店舗Aに来店した際にクーポンが発行され、その来店中にクーポンを使用することを条件としたが、例えば、図8に示すように、店舗Aで発行したクーポンを、後日、店舗Bに来店した場合に使用可能とするなどの時限的な規制を設けることもできる。この場合には、上述したステップS302では、GPS機能により店舗Bへの来店が検出され、クーポンの使用可能期間が到来していれば、その店舗Bでクーポンの利用が可能となる。この場合には、店舗Aでクーポンを発行した時点で、時限的な実行規制がなされているため、店舗Bに基地局6が設置されていない場合であっても、GPS機能により現在位置を特定できれば、本サービスを実施することができる。
【0091】
(作用・効果)
このような本実施形態に係る配信システム及び配信方法によれば、店舗Aでクーポンデータ31をユーザー端末に配信する際に、配信時期と実行可能時期や実行可能なエリア等を、サービス提供側で制御することができることから、次回の来店時にのみ利用可能な時限的条件を付加したクーポンデータを配信することができ、ユーザーに対して来店のインセンティブを与えることができ、集客効果の増大を期待することができる。
【符号の説明】
【0092】
A,B…店舗
A1〜A3…特定エリア
2…ユーザー端末
3…試供ソフトウェア
4…無線基地局
5…衛星
6…中継装置
7…インターネット
21…入力インターフェース
22…出力インターフェース
23…位置情報取得機能
24…メモリ
25…制御部
25a…実行条件判定部
25b…コンテンツ取得部
25c…アプリケーション実行処理部
26…無線インターフェース
27…接続処理部
28…キャッシュメモリ
31…クーポンデータ
41…無線インターフェース
61…通信部
62…位置情報管理部
63…データ変換部
65…接続管理部
66…多目的出力装置
71…インターネット
72…公衆回線網
81…コンテンツ管理サーバー
82…コンテンツ配信サーバー
83…ユーザーデータベース
84…コンテンツデータベース
810…中継装置管理データベース
811…接続処理部
812…通信部
813…実行規制部
814…アドレス送信部
815…認証部
816…ユーザー登録部
817…スケジュール部
818…制御部
819…データベース管理部
821…通信部
822…認証部
823…コンテンツ送信部
824…制御部
825…データベース管理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを通じて、ユーザー端末に対してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信システムであって、
前記通信ネットワーク上には、
前記コンテンツデータの実行を許可する実行許可データを配信する実行規制部と、
所定エリア内に在圏するユーザー端末との無線通信を確立する接続処理部と、
前記接続処理部が確立した無線通信を通じて、前記コンテンツデータを前記ユーザー端末に対して配信するコンテンツ配信部と、
が配置され、前記ユーザー端末は、
前記コンテンツ配信部から前記コンテンツデータ、又は前記実行規制部から前記実行許可データを受信するコンテンツ取得部と、
前記コンテンツ取得部が受信した前記コンテンツデータを実行する実行処理部と、
前記コンテンツデータの実行に関する条件が満たされたか否かを判断する実行条件判定部と
を備え、
前記実行条件判定部で判断される前記条件には、前記実行規制部による許可が含まれる
ことを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
前記コンテンツ配信部は、
コンテンツデータを送信するコンテンツ送信部と、
前記コンテンツ送信部の前記通信ネットワーク上のアドレスを送信するアドレス送信部と
から構成され、
前記コンテンツ取得部は、前記アドレス送信部から受信された前記アドレスに基づいて前記コンテンツ送信部にアクセスし、アクセスした該コンテンツ送信部から前記コンテンツデータを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
前記コンテンツデータには、音楽等の音声、映像データ、プログラムが実行されるアプリケーションデータ、クーポンやチケット等の文字データのいずれかが含まれることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項4】
前記コンテンツ取得部及び前記実行処理部は、該コンテンツ取得部によるコンテンツデータの取得と、該実行処理部によるコンテンツデータの実行とを並行するストリーミング処理機能を備えることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項5】
前記コンテンツ配信部は、前記コンテンツデータの種類、形式、属性のいずれかを記述したインデックスデータを保持し、このインデックスデータを、前記コンテンツデータの配信に先行して、又はコンテンツデータに包含させて、配信する機能を有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項6】
前記実行規制部は、規制に係るコンテンツデータに対する代金の支払いを含む決済手続の完了を確認した場合に、該決済手続が完了されたコンテンツデータの実行を許可することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項7】
前記実行規制部による規制条件には、前記コンテンツデータが実行可能な期間、回数、実行可能な位置、当該ユーザー端末が確立している通信の種別のいずれかが含まれることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項8】
前記実行条件判定部は、当該ユーザー端末が確立している通信の種別を判定する機能を有し、該実行条件判定部で判断される前記条件には、特定の通信種別であるか否かが含まれることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項9】
前記実行条件判定部は、当該ユーザー端末の位置情報を取得する位置情報取得機能を有しており、
前記位置情報取得機能は、衛星からの信号により現在位置を測定するGPS機能、無線通信が確立されている基地局を特定する識別子の判別機能、及び該基地局からの信号強度などの通信状況から現在位置を算出する算出機能のいずれかであり、
前記実行規制部による規制条件には、前記位置情報取得機能により取得された位置情報が、特定の位置であるか否かが含まれることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項10】
通信ネットワークを通じて、ユーザー端末に対してコンテンツデータを配信するコンテンツ配信方法であって、
前記通信ネットワーク上に配置された接続処理部において、所定エリア内に在圏するユーザー端末との無線通信を確立するする接続処理ステップと、
前記通信ネットワーク上に配置されたコンテンツ配信部から、前記接続処理部が確立した無線通信を通じて、前記コンテンツデータを前記ユーザー端末に対して配信するコンテンツ配信ステップと、
前記ユーザー端末のコンテンツ取得部において、前記コンテンツ配信部から前記コンテンツデータ、又は前記実行規制部から前記実行許可データを受信するコンテンツ取得ステップと、
前記通信ネットワーク上に配置された実行規制部において、前記コンテンツデータの実行を許可する実行許可データを配信する実行規制ステップと、
前記ユーザー端末の実行条件判定部において、前記コンテンツデータの実行に関する条件が満たされたか否かを判断する実行条件判定ステップと
前記ユーザー端末の実行処理部において、前記コンテンツ取得部が受信した前記コンテンツデータを実行する実行処理ステップと、
を備え、
前記実行条件判定ステップで判断される前記条件には、前記実行規制部による許可が含まれる
ことを特徴とするコンテンツ配信方法。
【請求項11】
前記コンテンツ配信ステップでは、前記通信ネットワーク上に配置され、コンテンツデータを送信するコンテンツ送信部の前記通信ネットワーク上におけるアドレスを送信し、
前記コンテンツ取得ステップでは、受信された前記アドレスに基づいて前記コンテンツ送信部にアクセスし、アクセスした該コンテンツ送信部から前記コンテンツデータを取得する
ことを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項12】
前記コンテンツデータには、音楽等の音声、映像データ、プログラムが実行されるアプリケーションデータ、クーポンやチケット等の文字データのいずれかが含まれることを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項13】
前記コンテンツ取得ステップ及び前記実行処理ステップでは、該コンテンツ取得部によるコンテンツデータの取得と、該実行処理部によるコンテンツデータの実行とを並行するストリーミング処理を行うことを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項14】
前記コンテンツ配信ステップでは、前記コンテンツデータの種類、形式、属性のいずれかを記述したインデックスデータを保持し、このインデックスデータを、前記コンテンツデータの配信に先行して、又はコンテンツデータに包含させて、配信することを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項15】
前記実行規制ステップでは、規制に係るコンテンツデータに対する代金の支払いを含む決済手続の完了を確認した場合に、該決済手続が完了されたコンテンツデータの実行を許可することを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項16】
前記実行規制ステップによる規制条件には、前記コンテンツデータが実行可能な期間、回数、実行可能な位置、当該ユーザー端末が確立している通信の種別のいずれかが含まれることを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項17】
前記実行条件判定ステップは、当該ユーザー端末が確立している通信の種別を判定し、該実行条件判定ステップで判断される前記条件には、特定の通信種別であるか否かが含まれることを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。
【請求項18】
前記実行条件判定ステップでは、当該ユーザー端末の位置情報を取得する位置情報取得ステップが含まれ、
前記位置情報取得ステップでは、衛星からの信号により現在位置を測定するGPS機能、無線通信が確立されている基地局を特定する識別子の判別機能、及び該基地局からの信号強度などの通信状況から現在位置を算出する算出機能のいずれかにより位置情報を取得し、
前記実行規制ステップによる規制条件には、前記位置情報取得機能により取得された位置情報が、特定の位置であるか否かが含まれることを特徴とする請求項10に記載のコンテンツ配信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−205185(P2010−205185A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52708(P2009−52708)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(501275178)ソフトバンクBB株式会社 (112)
【Fターム(参考)】